説明

画像形成装置およびカートリッジ

【課題】本発明は、像保持部分を有しトナー容器が着脱可能なカートリッジを採用しても、トナー容器の情報と像保持部分の情報との双方をカートリッジ上の1個の記憶体に記憶させて運用可能な画像形成装置およびカートリッジを提供することを目的とする。
【解決手段】容器側記憶体に記憶されている第1情報がトナー容器においてトナーが未使用であることを表しており且つ容器側記憶体に記憶されている第2情報が像保持部分が使用されていることを表している場合に、筐体側記憶体に記憶されている第2情報を容器側記憶体に書き込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置およびカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、感光体と現像部とを有するプロセスユニットと、トナーカートリッジを有するトナーカートリッジユニットとを備え、プロセスユニットが装置本体に対して脱着可能に構成され、トナーカートリッジユニットがプロセスユニットに対して脱着可能に構成された画像形成装置が開示されている。また、この特許文献1には、トナーカートリッジユニットのプロセスユニットへの装着時にトナーカートリッジユニットをプロセスユニットにロックするカートリッジロック手段(ソレノイド)がプロセスユニットに設けられていることや、トナーエンドセンサによるトナーカートリッジ内のトナーエンド検知を受けてソレノイドが動作してロックを解除することで、トナーエンド時にのみトナーカートリッジをプロセスユニットに対して脱着可能とした技術が開示されている。また、この特許文献1には、プロセスユニットの装置本体への装着時にプロセスユニットを装置本体にロックする現像ロック手段(ソレノイド)と、プロセスユニットが寿命に達したか否かを判定する寿命判定手段と、プロセスユニットが寿命に達したときに現像ロック手段によるロックを解除する現像ロック解除手段とを設け、プロセスユニットが寿命に達したときにはカートリッジロック手段によるロックを解除しないことで、このときには、プロセスユニットとトナーカートリッジユニットとを一体化して一回の動作で取り出す技術が開示されている。
【0003】
例えば、特許文献2には、現像ローラを保持する現像カートリッジと、トナー収容室が形成されたトナーカートリッジとを備え、トナーカートリッジが現像カートリッジに対して着脱可能に装着された構成の現像ユニットが、装置本体に対して着脱可能に装着される画像形成装置が開示されている。また、この特許文献2には、現像カートリッジおよびトナーカートリッジの分離を禁止するロック部材がトナーカートリッジに支持されていることや、ロック部材の操作部を把持することによってロックを解除して、現像カートリッジを装置本体に残したままトナーカートリッジを装置本体から離脱する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−109752号公報
【特許文献2】特開2010−276961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、像保持部分を有しトナー容器が着脱可能なカートリッジを採用しても、トナー容器の情報と像保持部分の情報との双方をカートリッジ上の1個の記憶体に記憶させて運用可能な画像形成装置およびカートリッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の画像形成装置は、
筐体と、
上記筐体内に収容され、トナー像を保持する像保持体と、
上記筐体内に収容され、上記像保持体上に上記トナー像を形成する像形成部と、
少なくとも上記像保持体を有し、上記筐体に対して着脱自在なカートリッジと、
上記カートリッジに対して装着分離自在に搭載され、トナーを内部に収容して上記像形成部にトナーを補給するトナー容器と、
上記カートリッジに対して上記トナー容器を係留する係留機構と、
上記カートリッジが上記筐体に装着されている間は上記係留機構による上記トナー容器の係留を少なくとも解除自在な状態にする解除機構であって、筐体からのカートリッジの分離時には筐体側に残る上記解除機構と、
上記トナー容器に搭載されると共に、このトナー容器におけるトナーの使用量に関する第1情報と、上記カートリッジに搭載された構成部分のうちトナー容器を除きかつ少なくとも上記像保持体を含む構成部分である像保持部分の使用量に関する第2情報とを記憶する容器側記憶体と、
少なくとも上記第2情報を記憶し、上記筐体からの上記カートリッジの分離時には筐体側に残る筐体側記憶体と、
上記第1情報および上記第2情報のそれぞれを上記トナー容器におけるトナー使用および上記像保持部分の使用のそれぞれに応じて更新する情報更新部と、
上記容器側記憶体に記憶されている第1情報が上記トナー容器においてトナーが未使用であることを表しており且つその容器側記憶体に記憶されている第2情報が上記像保持部分が使用されていることを表している場合に、上記筐体側記憶体に記憶されている第2情報を容器側記憶体に書き込む情報書込部とを備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2の画像形成装置は、上記容器側記憶体に記憶されている第1情報が、上記トナー容器においてトナーは使用されていることを表しており、かつ、その容器側記憶体に記憶されている第2情報と上記筐体側記憶体に記憶されている第2情報とが不一致である場合に上記カートリッジの使用を禁止する使用禁止部を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項3の画像形成装置は、上記情報書込部は、上記容器側記憶体に記憶されている第1情報が、上記トナー容器においてトナーは使用されていることを表している場合に、容器側記憶体に記憶されている第2情報を上記筐体側記憶体に書き込むものであることを特徴とする。
【0009】
請求項4のカートリッジは、
トナー像を保持する像保持体と、
少なくとも上記像保持体を有し、画像形成装置に対して着脱自在な、その画像形成装置に搭載されるカートリッジ筐体と、
上記カートリッジ筐体に対して装着分離自在に搭載され、上記像保持体上に上記トナー像を形成する像形成部にトナーを補給する、内部にトナーを収容したトナー容器と、
上記カートリッジ筐体に対して上記トナー容器を係留する係留機構であって、そのカートリッジ筐体が上記画像形成装置に装着されている間はトナー容器の係留が上記画像形成装置上の解除機構によって少なくとも解除自在な状態にされる係留機構と、
上記トナー容器に搭載されると共に、このトナー容器におけるトナーの使用量に関する第1情報と、上記カートリッジ筐体に搭載された構成部分のうちトナー容器を除きかつ少なくとも上記像保持体を含む構成部分である像保持部分の使用量に関する第2情報とを記憶し、少なくとも第2情報については、上記画像形成装置からの上記カートリッジ筐体の分離時には画像形成装置側に残る装置側記憶体にも記憶される容器側記憶体であって、容器側記憶体に記憶されている第1情報が上記トナー容器においてトナーが未使用であることを表しており且つ容器側記憶体に記憶されている第2情報が上記像保持部分が使用されていることを表している場合に、装置側記憶体に記憶されている第2情報が書き込まれる容器側記憶体とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の画像形成装置および請求項4のカートリッジによれば、像保持部分を有しトナー容器が着脱可能なカートリッジを採用しても容器側記憶体に上記第1情報および上記第2情報の双方を記憶させて運用可能である。
【0011】
請求項2の画像形成装置によれば、トナー容器が中古のときの誤作動が防止される。
【0012】
請求項3の画像形成装置によれば、中古のカートリッジへの交換にも対応可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態である画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】図1に示す画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【図3】図2に示す画像形成装置の扉を開いた状態を示す斜視図である。
【図4】プロセスカートリッジを取り出す途中の状態を示す斜視図である。
【図5】プロセスカートリッジの構成を示す断面図である。
【図6】プロセスカートリッジの外観を示す斜視図である。
【図7】トナー容器を示す斜視図である。
【図8】プロセスカートリッジを示す側面図である。
【図9】図8に示すプロセスカートリッジを、そのプロセスカートリッジに搭載された構成部分のうちトナー容器および容器装着部の部分を透視して示す一部透視図である。
【図10】トナー容器をプロセスカートリッジから分離し得る状態のプロセスカートリッジを示す一部透視図である。
【図11】トナー容器をプロセスカートリッジから分離した状態のプロセスカートリッジを示す一部透視図である。
【図12】プロセスカートリッジの交換時における制御部の動作を示すフローチャートである。
【図13】別の実施形態でのプロセスカートリッジの交換時における制御部の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
[画像形成装置の全体構成]
図1は、本発明の一実施形態である画像形成装置の概略構成を示す断面図である。また、図2は、図1に示す画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【0016】
図1および図2に示す画像形成装置1は、用紙上に電子写真方式により画像をプリントするプリンタである。なお、この画像形成装置1は、用紙すなわち紙の記録媒体のみならず、OHPシートに代表される樹脂の記録媒体にも対応した装置であるが、以下の説明では、特に断らない限り、用紙で記録媒体を代表させて説明しているものとする。
【0017】
画像形成装置1は、トナー像形成保持部10、露光器20、用紙搬送装置30、転写器40、定着器50、および用紙収容部60を備えている。トナー像形成保持部10は、感光体ドラム11、帯電器12、および現像器13を備えている。
【0018】
感光体ドラム11は、円筒状の表面を有しており、図示しないモータによって円筒の軸周りである矢印a方向に回転駆動する。感光体ドラム11は、表面に形成される静電潜像およびトナー像を保持する。この感光体ドラム11が、本発明にいう像保持体の一例に相当する。
【0019】
帯電器12は、感光体ドラム11の表面を帯電させる。帯電器12は、ここに示す例では、感光体ドラム11に接触して回転する帯電ロールであるが、他の例としては、例えばコロトロンによる非接触式の帯電手段も採用され得る。
【0020】
露光器20は、感光体ドラム11を露光して感光体ドラム11上に静電潜像を形成する。露光器20は、帯電器12によって帯電された感光体ドラム11の表面を、外部から供給される画像信号に基づいた光ビームBmで走査し、感光体ドラム11の表面上に潜像を形成する。露光器20は光ビームBmで感光体ドラム11の表面を、感光体ドラム11の回転軸が延びる軸方向Xに走査する。
【0021】
現像器13は、感光体ドラム11上の潜像をトナーで現像して感光体ドラム11上にトナー像を形成する。現像器13は、トナーおよび磁性キャリアを含む現像剤を攪拌する攪拌部材132,133と、攪拌された現像剤を感光体ドラム11上に搬送する現像ロール131とを有する。この現像器13が、本発明にいう像形成部の一例に相当する。
【0022】
転写器40は、感光体ドラム11との間に用紙を挟んで回転するロールであり、感光体ドラム11上のトナー像を用紙上に転写する。
【0023】
定着器50は、感光体ドラム11から転写を受けたトナー像を用紙上に定着する。定着器50は、加熱ロール51および加圧ロール52を備えており、定着前のトナー像が形成された用紙を挟んで通過させることによりトナーを加熱および加圧する。
【0024】
用紙収容部60は、画像が形成される用紙を収容している。用紙収容部60は、3種類の用紙を収容する3つの用紙収容器61,62,63を備えている。3つの用紙収容器61〜63のうち、下に配置された2つの用紙収容器62,63は、作業者によって画像形成装置1の前面から前方向Fに引き出され、用紙が補給され、後ろ方向Bに押し込まれて画像形成装置1内に収容されることで、用紙に画像を形成し得る状態となる。3つの用紙収容器61〜63のうち残りの、上に配置された用紙収容器61は、画像形成装置1の前面に設けられた手差し扉81が前方向Fに開かれることで外部に露出し、用紙が補給される。
【0025】
用紙搬送装置30は、用紙を、転写位置を経由する搬送経路Rに沿って搬送する。転写位置は、用紙が感光体ドラム11からトナー像の転写を受ける位置であり、感光体ドラム11と転写器40とに挟まれた位置である。用紙搬送装置30は、取出しロール31、捌きロール32、レジストレーションロール33、排出ロール34、および反転搬送ロール35を備えている。取出しロール31は、用紙収容器61〜63から用紙を取り出す。捌きロール32は、取出しロール31で取り出された用紙を1枚ずつに捌く。レジストレーションロール33は、感光体ドラム11にトナー像が形成されるタイミングに合わせて用紙を転写器40に送り込む。排出ロール34は、定着器50によってトナー像が定着された用紙を画像形成装置1の外部に排出する。排出ロール34によって排出された用紙は、画像形成装置1の上部に設けられた排出台83の上に排出される。排出された用紙のうち、排出台83からはみ出た一部が扉82の上に載る。扉82は、画像形成装置1の前面と上面を覆う部材である。扉82が画像形成装置1の前面に設けられた軸82aを中心として前方向Fに回転することで、画像形成装置1の内部の機構が露出する。排出ロール34は、両面プリントが実行される場合には、用紙を途中まで搬送した状態で逆転し、用紙を反転搬送経路R’に沿って搬送する。反転搬送ロール35は、用紙を反転搬送経路R’に沿って搬送し、レジストレーションロール33に送り込む。これによって用紙の、画像がすでに形成された面の反対面に新たな画像が形成される。
【0026】
本実施形態の画像形成装置1は、フロントシーダと称するタイプの装置であり、用紙は画像形成装置1の前面側から補給される。この画像形成装置1では、画像形成装置1より前方向Fの位置から用紙収容器61〜63に補給された用紙Pは、画像形成装置1の後部、具体的には、感光体ドラム11より後ろ方向Bに設けられた搬送経路Rを下から上に向かって搬送される。画像が形成された用紙Pは、画像形成装置1の上部にある排出台83の上に前方向Fに向かって排出される。この画像形成装置1では、作業者による新たな用紙の補給と、画像が形成された用紙の取り出しが装置より前方向Fの位置から行われる。したがって、画像形成装置1の軸方向Xの両脇に空間的な余裕がない場所にも設置され得る。また、画像形成装置1の上方には、用紙取出しおよび部品交換のための隙間をあけて、画像読取装置が配置され得る。さらに後述するように、プロセスカートリッジCR、および、トナー容器(トナーカートリッジ)TCの着脱も前方向Fから行われる。
【0027】
また、画像形成装置1には、清掃器71、回収トナー収容箱72、容器装着部73、トナー供給器74、本体側メモリ1M、制御部1C、および表示画面84も備えられている。
【0028】
清掃器71は、感光体ドラム11上に接触し、用紙へのトナー像の転写後に感光体ドラム11上に残存するトナーを除去することにより感光体ドラム11を清掃する。清掃器71は、感光体ドラム11に沿って延びた板状のブレードである。
【0029】
回収トナー収容箱72は、清掃器71により感光体ドラム11から除去されたトナーを収容する。
【0030】
容器装着部73には、トナー容器(トナーカートリッジ)TCが、装着分離が自在に装着される。トナー容器TCには、現像器13への補給用のトナーが収容されている。トナーが消耗した場合には、作業者によってトナー容器TCが取り外され、新たなトナー容器TCと交換される。このトナー容器(トナーカートリッジ)TCが、本発明にいうトナー容器の一例に相当する。
【0031】
トナー供給器74は、トナー容器TCに収容されたトナーを現像器13に供給する。トナー供給器74は、トナー容器TCの下部から現像器13の上部まで延びた管の中に、螺旋形の羽根部材74aが配置された構造を有している。トナー供給器74は、羽根部材74aが回転することでトナーをトナー容器TCから現像器13に向けて搬送する。
【0032】
本体側メモリ1Mは、画像形成装置1の本体1Aに搭載されたメモリである。本体側メモリ1Mには、ドラムユニットDUにおける感光体ドラム11の累積使用量を表したドラム累積使用情報が記憶されている。詳細な説明は後述するが、この本体側メモリ1Mが、本発明の画像形成装置にいう筐体側記憶体の一例に相当するとともに、本発明のカートリッジにいう装置側記憶体の一例に相当する。
【0033】
制御部1Cは、画像形成装置1の各部を制御する。詳細な説明は後述するが、この制御部1Cが、本発明にいう情報更新部や情報書込部や使用禁止部の一例に相当する。
【0034】
上述したトナー像形成保持部10、清掃器71、回収トナー収容箱72、容器装着部73、トナー容器TC、およびトナー供給器74は、プロセスカートリッジCRに搭載されている。プロセスカートリッジCRは、画像形成装置1の本体1Aに対して装着分離が自在に搭載されている。このプロセスカートリッジCRが、本発明のカートリッジの一実施形態に相当するとともに、本発明の画像形成装置にいうカートリッジの一例に相当し、本体1Aが、本発明にいう筐体の一例に相当する。プロセスカートリッジCRに搭載された構成部分のうちトナー容器TCは、プロセスカートリッジCRに対して装着分離が自在に搭載されている。また、プロセスカートリッジCRに搭載された構成部分のうち、トナー容器TCを除く構成部分、すなわちトナー像形成保持部10、清掃器71、回収トナー収容箱72、容器装着部73、およびトナー供給器74は、ドラムユニットDUに搭載されている。このドラムユニットDUが、本発明にいう像保持部分の一例に相当する。ここで、プロセスカートリッジCRが本体1Aに装着される方向を装着方向Jと称し、装着方向Jの反対方向を取外し方向Kと称する。また、装着方向Jおよび取外し方向Kを含む双方向を着脱方向JKと称する。プロセスカートリッジCRには、本体1Aに着脱される際に作業者が掴む把手76も備えられている。プロセスカートリッジCRの具体的な構造、およびプロセスカートリッジCRに対するトナー容器TCの装着分離に関する具体的な構造については、後に説明する。
【0035】
[画像形成装置の基本動作]
図1に示す画像形成装置1の基本動作を説明する。
【0036】
トナー像形成保持部10では、感光体ドラム11が矢印a方向に回転駆動され、感光体ドラム11の表面に帯電器12によって電荷が付与される。露光器20は、外部から供給される画像信号に基づく露光光を感光体ドラム11の表面に照射することで、感光体ドラム11の表面に静電潜像を形成する。感光体ドラム11は、静電潜像を保持しながら回転する。
【0037】
現像器13は、感光体ドラム11上の静電潜像をトナーで現像することで、トナー像を形成する。現像器13には、トナー供給器74によって、トナー容器TCからトナーが供給される。感光体ドラム11は、現像器13によって形成されたトナー像を保持しながら回転する。
【0038】
用紙収容器61,62,63に収容された用紙Pは、取出しロール31によって取り出され、捌きロール32、およびレジストレーションロール33によって搬送経路Rを転写器40に向かって搬送される。用紙Pは、レジストレーションロール33によって、感光体ドラム11上にトナー像が形成されていくタイミングに合わせて、転写器40に送り込まれる。転写器40は、感光体ドラム11と用紙との間に転写用のバイアス電圧を与えることによって、感光体ドラム11のトナー像を用紙に転写する。転写器40によって、トナー像が転写された用紙は定着器50に搬送され、転写されたトナー像が用紙上に定着される。このようにして、用紙上に画像が形成される。画像が形成された用紙は排出ロール34によって排出台83の上に排出される。
【0039】
転写器40による転写後、感光体ドラム11に残存したトナーは、清掃器71によって除去される。清掃器71により感光体ドラム11から除去されたトナーは、回収トナー収容箱72に収容される。
【0040】
[プロセスカートリッジの着脱]
図3は、図2に示す画像形成装置の扉を開いた状態を示す斜視図である。
【0041】
図3および図1を参照して説明を続ける。プロセスカートリッジCRは、画像形成装置1の前面および上面を覆う扉82が前方向Fに開かれることで、画像形成装置1の外部に露出する。より詳細には、扉82が開かれることで、プロセスカートリッジCRのうち、ドラムユニットDUの容器装着部73と、トナー容器TCと、把手76とが露出する。プロセスカートリッジCRは、本体1Aの装着部90に設けられた空洞に配置されている。装着部90の空洞は、画像形成装置1の本体1Aの前方向F斜め上に向かって開口した装着開口91を有する。
【0042】
図4は、プロセスカートリッジを取り出す途中の状態を示す斜視図である。図4には、画像形成装置1の上部に配置され得る画像読取装置RDの配置位置が破線で示されている。画像読取装置RDは、原稿から画像を読み取る装置であり、読み取った画像データを画像形成装置1に供給することで、画像形成装置1を例えば複写機として機能させる。
【0043】
作業者が把手76を掴んで引くと、プロセスカートリッジCRは、画像形成装置1の本体1Aから、前方向F斜め上に、すなわち取外し方向Kに引き出される。画像形成装置1の上方に画像読取装置RDが配置される場合、画像形成装置1と画像読取装置RDとの間には、用紙を取り出すための空間が設けられる。プロセスカートリッジCRの着脱の際には、プロセスカートリッジCRが、この画像形成装置1と画像読取装置RDとの間の用紙を取り出すための空間内を移動することとなる。
【0044】
[プロセスカートリッジの構成]
図5は、プロセスカートリッジの構成を示す断面図である。また、図6は、プロセスカートリッジの外観を示す斜視図である。
【0045】
図5には、プロセスカートリッジCRが画像形成装置1の本体1A(図1参照)に装着された状態における転写器40の位置も破線で示されている。また、図6に示すプロセスカートリッジCRは、本体1Aから取り出された状態のものである。
【0046】
プロセスカートリッジCRは、トナー容器TCおよびドラムユニットDUが一体化された交換ユニットである。このうち、ドラムユニットDUは、トナー像形成保持部10、清掃器71、回収トナー収容箱72、容器装着部73、トナー供給器74、および把手76を有する。また、トナー像形成保持部10は、上述したように、感光体ドラム11、帯電器12、および現像器13を有する。
【0047】
プロセスカートリッジCRにおいて、トナー像形成保持部10、回収トナー収容箱72、およびトナー容器TCは、プロセスカートリッジCRの着脱方向JKに配列され、回収トナー収容箱72は、トナー容器TCとトナー像形成保持部10とに挟まれた空間に広がっている。プロセスカートリッジCRが本体1Aに装着された状態では、容器装着部73に装着されたトナー容器TCが装着方向J最後尾に位置する向きとなっている。すなわち、プロセスカートリッジCRが本体1Aに装着された状態では、プロセスカートリッジCRのトナー容器TCが画像形成装置1の本体1Aの装着部90における最も手前側に配置されている。このため、図3に示す、本体1Aの扉82が開かれた状態では、プロセスカートリッジCRのうちトナー容器TCが外部に露出する。
【0048】
[トナー容器および容器装着部]
図7は、トナー容器を示す斜視図である。
【0049】
図7に示すトナー容器TCは、周面の一部にこのトナー容器TCの向きを示す突部TC2が設けられた有底円筒形状を有しており、内部にはトナーが収容されている。トナー容器TCの周面には、トナーの通路を塞ぐ扉TC3が設けられている。また、トナー容器TCの円状の側面には、突起TC4が設けられている。また、トナー容器TCの周面には、カートリッジ側メモリTCMが搭載されている。カートリッジ側メモリTCMには、トナー容器TCにおけるトナーの残量を表したトナー残量情報と、ドラムユニットDUにおける感光体ドラム11の累積使用量を表したドラム累積使用情報とが記憶されている。更に、カートリッジ側メモリTCMには、トナー容器TCが未使用であるか否か(即ちいわゆる新品であるか中古であるか)を表すトナー容器フラグと、ドラムユニットDUが未使用であるか否か(即ちいわゆる新品であるか中古であるか)を表すドラムユニットフラグも記憶されている。このカートリッジ側メモリTCMが、本発明にいう容器側記憶体の一例に相当する。また、このトナー残量情報およびトナー容器フラグが、本発明にいう第1情報の一例に相当し、このドラム累積使用情報およびドラムユニットフラグが、本発明にいう第2情報の一例に相当する。トナー容器TCは、図5に示すドラムユニットDUの容器装着部73に装着されることでプロセスカートリッジCRに搭載される。
【0050】
図8は、プロセスカートリッジを示す側面図である。また、図9は、図8に示すプロセスカートリッジを、そのプロセスカートリッジに搭載された構成部分のうちトナー容器および容器装着部の部分を透視して示す一部透視図である。図8,図9に示すプロセスカートリッジCRは、ここでは図示を省略しているが、本体1Aの装着部90(図1参照)に設けられた空洞に配置された状態のものである。
【0051】
図8,図9,図6を参照して容器装着部73について説明する。
【0052】
容器装着部73は、回収トナー収容箱72に固定される固定部材731と、固定部材731の内側面に設けられトナー容器TCを固定部材731に拘束する拘束部材732とを備えている。
【0053】
固定部材731には、トナー容器TCの装着開始時に突起TC4の先端を案内する容器案内溝731aと、着脱方向JKに直線状に延びた切欠き731bとが設けられている。また、固定部材731には把手76が固定されている。
【0054】
ここで、本体1Aの装着部90(図1参照)には、プロセスカートリッジCRが装着部90に設けられた空洞に配置された状態で固定部材731の切欠き731bに入り込む、着脱方向JKに直線状に延びた突起92が内面に形成されている。この突起92が、本発明にいう解除機構の一例に相当する。
【0055】
拘束部材732は、トナー容器TCの突起TC4を案内・保持する容器案内保持切欠き732aを有する円盤状の部材であり、固定部材731に対して回転自在に、固定部材731の内側面に保持される。より詳細には、トナー容器TCが容器装着部73に装着された状態では容器案内保持切欠き732aによってトナー容器TCが保持され、トナー容器TCが容器装着部73に装着される途中の状態では容器案内保持切欠き732aによってトナー容器TCが案内される。トナー容器TCは、容器装着部73内で拘束部材732よりも内側に収容される。また、拘束部材732には、突起732bが形成されており、その突起732bの周囲の三方が貫通溝で切られていることにより、突起732bが板バネ先端に位置する構造となっている。そして、その板バネにより突起732bは固定部材731側に付勢されている。容器装着部73にトナー容器TCが装着された状態では、その突起732bは固定部材731の切欠き731bに対面した位置に存在し、容器案内溝731aと容器案内保持切欠き732aは異なる向きになる。このため、トナー容器TCは容器装着部73内に係留された状態となる。つまり、固定部材731と拘束部材732との組み合わせが、本発明にいう係留機構の一例に相当する。
【0056】
また、容器装着部73にトナー容器TCが装着された状態では、トナー容器TCに搭載されているカートリッジ側メモリTCMが、装着部90の内面に対向する位置に来る。このカートリッジ側メモリTCMの外面には接続端子が設けられており、装着部90の内面には、カートリッジ側メモリTCMの接続端子と接触する接続端子が設けられている。容器装着部73にトナー容器TCが装着された状態では、これらの接続端子が互いに接触することによって電気的に接続され、カートリッジ側メモリTCMは、画像形成装置1(図1参照)の制御部1Cに接続されることとなる。
【0057】
図8,図9に示すように、プロセスカートリッジCRが本体1Aの装着部90(図1参照)に配置された状態では、装着部90の内面に形成された突起92が固定部材731の切欠き731bに入り込んでいる。そして、切欠き731bに入り込んだ突起92により、拘束部材732の突起732bが板バネによる付勢に抗して押し込まれている。このことによって、拘束部材732が固定部材731に対して回転自在となっている。すなわち、容器装着部73内に収容されたトナー容器TCの回転が許容された状態となっている。
【0058】
ここで、図8,図9に示す状態からプロセスカートリッジCRが本体1A(図1参照)の外へと取り出されると、本体1Aの装着部90の内面に形成された突起92が固定部材731の切欠き731bから外れることとなる。このことによって、拘束部材732の突起732bが、固定部材731の切欠き731b内で、板バネによる付勢力により突出状態となり、拘束部材732は固定部材731に対して回転不能となる。すなわち、容器装着部73内に収容されたトナー容器TCの回転が禁止された状態となる。この状態では、トナー容器TCの突起TC4を保持している容器案内保持切欠き732aの向きが、容器案内溝731aの向きとは異なる向きで固定されているので、トナー容器TCが容器装着部73から取り出せないロック状態となる。
【0059】
図10は、トナー容器をプロセスカートリッジから分離し得る状態のプロセスカートリッジを示す一部透視図である。この図10には、図9と同様に、プロセスカートリッジCRに搭載された構成部分のうちトナー容器TCおよび容器装着部73の部分を透視した状態が示されている。また、この図10に示すプロセスカートリッジCRも、図9と同様に、ここでは図示を省略しているが、本体1Aの装着部90(図1参照)に設けられた空洞に配置された状態のものである。
【0060】
図10に示す状態は、作業者が操作によってトナー容器TCを、図8,図9に示す状態から矢印b方向に回転させた状態である。トナー容器TCが矢印b方向に回転されると、容器案内保持切欠き732aに保持されている突起TC4によって拘束部材732も矢印b方向に回転される。このことによって、トナー容器TCの突起TC4を保持している容器案内保持切欠き732aの向きが、容器案内溝731aの向きと同一になる。つまり、トナー容器TCの突起TC4が容器案内保持切欠き732aおよび容器案内溝731aに案内されてトナー容器TCが容器装着部73から分離され得る状態となる。すなわち、トナー容器TCを、ドラムユニットDUを本体1A(図1参照)に残したままプロセスカートリッジCRから分離し得る状態となる。
【0061】
図11は、トナー容器をプロセスカートリッジから分離した状態のプロセスカートリッジを示す一部透視図である。この図11には、プロセスカートリッジCRに搭載された構成部分のうち容器装着部73の部分を透視した状態が示されている。また、この図10に示すプロセスカートリッジCRのドラムユニットDUは、ここでは図示を省略しているが、本体1Aの装着部90(図1参照)に配置された状態のものである。
【0062】
図11に示すように、トナー容器TCは、ドラムユニットDUを本体1A(図1参照)に残したままプロセスカートリッジCRから分離される。
【0063】
図6,図8〜図11を参照して説明したように、本実施形態の画像形成装置1では、プロセスカートリッジCRが、本体1Aの装着部90(図1参照)に配置された状態でのみ、トナー容器TCはプロセスカートリッジCRから分離し得る。逆に言えば、プロセスカートリッジCRが本体1A(図1参照)から取り出された状態では、トナー容器TCをプロセスカートリッジCRから分離することが禁止されている。
【0064】
[カートリッジ側メモリTCMの利用]
ここで、カートリッジ側メモリTCMに記憶されている各種の情報の利用について説明する。トナー容器TCが容器装着部73に装着されていてプロセスカートリッジCRが装着部90(図1参照)に配置されていると、上述したようにカートリッジ側メモリTCMは制御部1Cに接続される。そして、制御部1Cは、カートリッジ側メモリTCMに記憶されている各種の情報を読み書きし得る状態になる。制御部1Cは画像形成装置1における画像形成動作の全体を制御しているものであり、画像形成が行われる度に、カートリッジ側メモリTCMのドラム累積使用情報を更新する。また、ドラム累積使用情報のバックアップを本体側メモリ1Mへと書き込む。そして、この更新時にドラムユニットフラグが新品を表している場合には、ドラムユニットフラグを、中古であることを表すフラグに変更する。さらに制御部1Cは、必要に応じてトナー供給器74を稼働させて現像器13にトナー容器TCからトナーを供給させ、そのトナー供給の度に、カートリッジ側メモリTCMのトナー残量情報を更新する。この更新時にトナー容器フラグが新品を表している場合には、トナー容器フラグを、中古であることを表すフラグに変更する。
【0065】
このようにドラム累積使用情報が更新された結果として、感光体ドラム11の寿命が尽きたことに相当するドラム累積使用情報に至った場合には、制御部1Cは表示画面84(図2参照)に、プロセスカートリッジCRの交換を作業者に促すメッセージを表示する。また、トナー残量情報が更新された結果として、トナー容器TCが空になったことに相当するトナー残量情報に至った場合には、制御部1Cは表示画面84に、トナー容器TCの交換を作業者に促すメッセージを表示する。
【0066】
画像形成装置1の作業者は、表示画面84に表示されるこれらのメッセージを見て、プロセスカートリッジCRやトナー容器TCの交換時期を知り、プロセスカートリッジCRやトナー容器TCを新品に交換する。
【0067】
プロセスカートリッジCRが新品に交換される場合には、ドラムユニットDUとトナー容器TCの双方が同時に新品に交換されるので、カートリッジ側メモリTCMには、新品を表したトナー容器フラグと新品を表したドラムユニットフラグが記憶されている。また、この場合には、ドラム累積使用情報は「使用ゼロ」を表しており、トナー残量情報はトナー容器TCにおける満杯のトナー量を表している。
【0068】
一方、トナー容器TCがプロセスカートリッジCRとは別に新品に交換される場合には、トナー容器TCはトナー補充用としてメーカから提供されるトナー容器TCであり、カートリッジ側メモリTCMには、新品を表したトナー容器フラグと中古であることを表したドラムユニットフラグが記憶されている。そして、この場合には、ドラム累積使用情報は「使用量不明」を表した情報となっており、トナー残量情報はトナー容器TCにおける満杯のトナー量を表している。
【0069】
[プロセスカートリッジの交換時における制御部の動作]
図12は、プロセスカートリッジの交換時における制御部の動作を示すフローチャートである。
【0070】
制御部1Cは、プロセスカートリッジCRやトナー容器TCの交換が行われた可能性がある各時点、例えば画像形成装置1の電源立ち上げ時やカートリッジ側メモリTCMの接続を検知した時などに、カートリッジ側メモリTCMに記憶されている各種の情報を読み出して確認する(ステップS1)。このステップS1における確認では、トナー容器フラグおよびドラムユニットフラグが確認されることで、トナー容器TCやドラムユニットDUが新品であるか否かが判定される。このステップS1で、トナー容器TCが新品かつドラムユニットDUが中古と判定された場合には、トナー容器TCがプロセスカートリッジCRとは別に新品に交換された場合であるので、制御部1Cは、カートリッジ側メモリTCMに記憶されている、「使用量不明」を表したドラム累積使用情報を、本体側メモリ1Mに記憶されているドラム累積使用情報に書き換える(ステップS2)。これにより、新しいカートリッジ側メモリTCMにドラム累積使用情報が正常に引き継がれることとなる。その後、プロセスカートリッジCRは使用が許可される(ステップS4)。
【0071】
また、ステップS1において、トナー容器TCもドラムユニットDUも新品であると判定された場合には、プロセスカートリッジCRが新品に交換された場合であるので、制御部1Cは、カートリッジ側メモリTCMに記憶されている「使用ゼロ」を表したドラム累積使用情報を、本体側メモリ1Mに書き込む(ステップS3)。但し、このステップ3における情報の書込みは、本体側メモリ1Mのドラム累積使用情報を単に「使用ゼロ」を表した情報にリセットすることとしても構わない。その後、プロセスカートリッジCRは使用が許可される(ステップS4)。
【0072】
さらに、ステップS1において、トナー容器TCもドラムユニットDUも中古であると判定された場合には、制御部1Cは、カートリッジ側メモリTCMに記憶されているドラム累積使用情報と本体側メモリ1Mに記憶されているドラム累積使用情報とを比較する(ステップS5)。
【0073】
ステップS5で、カートリッジ側メモリTCMに記憶されているドラム累積使用情報と本体側メモリ1Mに記憶されているドラム累積使用情報とが一致する場合には、例えば電源切断前のプロセスカートリッジCRがそのまま入っているという場合などに相当するので、そのプロセスカートリッジCRは継続使用が許可される(ステップS6)。
【0074】
一方、ステップS5で、カートリッジ側メモリTCMに記憶されているドラム累積使用情報と本体側メモリ1Mに記憶されているドラム累積使用情報とが不一致である場合には、別の装置で使用中の中古のトナー容器TCあるいは中古のプロセスカートリッジCRが装着された恐れがある。この場合、ドラムユニットDUの使用状況を確認することが困難であり、使用を継続すると、間違ったドラム累積使用情報に起因した誤動作などの発生が考えられる。このため、本実施形態では、このプロセスカートリッジCRの使用が禁止される(ステップS7)。本実施形態は、誤動作などの発生を防ぐという点で好ましい形態である。
【0075】
次に、本発明の別の実施形態について説明する。この別の実施形態では、プロセスカートリッジCRの交換時における制御部1Cの動作のうちの一部の動作が上述した実施形態とは異なるが、その他の構成や動作は上述した実施形態と同様である。以下、相違点に着目して説明する。
【0076】
[プロセスカートリッジの交換時における制御部の動作(別の実施形態)]
図13は、別の実施形態でのプロセスカートリッジの交換時における制御部の動作を示すフローチャートである。
【0077】
この別の実施形態では、トナー容器TCもドラムユニットDUも中古であると判定された場合には、制御部1Cは、カートリッジ側メモリTCMに記憶されているドラム累積使用情報を本体側メモリ1Mに記憶されているドラム累積使用情報に上書きする(ステップS8)。その後、プロセスカートリッジCRは使用が許可される(ステップS9)。
【0078】
この別の実施形態では、使用マニュアルなどにおいて、中古のトナー容器TCを補充に用いることが禁止されることで上記誤動作を回避して、中古のプロセスカートリッジCRの転用が認められている。このように中古のプロセスカートリッジCRの転用が認められると、プロセスカートリッジCRが効率よく運用されることになるという点で好ましい。
【0079】
尚、上述した各実施形態では、画像形成装置の例としてモノクロプリンタが示されている。しかし、本発明にいう画像形成装置はこれに限られず、例えば、カラー画像を形成するカラープリンタであってもよい。
【0080】
また、上述した各実施形態では、画像形成装置の例としてプリンタが示されている。しかし、本発明にいう画像形成装置はプリンタに限られず、例えば、複写機やファクシミリであってもよい。
【0081】
また、上述した各実施形態では、本発明にいう解除機構が、物理的にロックを解除する機構である例を挙げて説明したが、本発明にいう解除機構は、これに限られるものではなく、例えば、電気的な指示でロックを解除する機構であってもよい。
【0082】
また、上述した各実施形態では、本発明にいう解除機構が、プロセスカートリッジへのトナー容器の係留を作業者が操作で外し得る状態とする機構である例を挙げて説明したが、本発明にいう解除機構は、これに限られるものではなく、プロセスカートリッジへのトナー容器の係留を完全に外す機構であってもよい。
【0083】
また、上述した各実施形態では、本発明にいう第1情報が、トナー容器におけるトナーの残量を表したトナー残量情報である例を挙げて説明したが、本発明にいう第1情報は、これに限られるものではなく、例えば、感光体ドラムの使用累積数や、印刷画像密度の総計量、トナー容器におけるトナー使用量を表した情報や、トナー回収容器のトナー回収量に関する情報、トナー容器が未使用であることを示すフラグなど、「トナー容器におけるトナーの使用量に関する情報」であればいかなる情報であってもよい。
【0084】
また、上述した各実施形態では、本発明にいう第2情報が、ドラムユニットにおける感光体ドラムの累積使用量を表したドラム累積使用情報である例を挙げて説明したが、本発明にいう第2情報は、これに限られるものではなく、例えば、ドラムユニットにおける感光体ドラムの残使用量を表した情報など、「ドラムユニットの使用量に関する情報」であればいかなる情報であってもよい。
【0085】
また、上述した各実施形態では、本発明にいう像保持部分が、トナー像形成保持部と清掃器と回収トナー収容箱と容器装着部とトナー供給器74とが搭載されたドラムユニットDUである例を挙げて説明したが、本発明にいう像保持部分は、これに限られるものではなく、プロセスカートリッジに搭載された構成部分のうち、トナー容器を除きかつ少なくとも感光体ドラムを含む構成部分であれば、いかなる構成部分が含まれていてもよい。
【0086】
また、上述した各実施形態では、本発明にいう筐体側記憶体や装置側記憶体である本体側メモリが、本発明にいう第2情報であるドラム累積使用情報およびドラムユニットフラグを記憶するものである例を挙げて説明したが、本発明にいう筐体側記憶体や装置側記憶体は、これに限られるものではなく、本発明にいう第1情報と第2情報との双方を記憶するものであってもよい。
【0087】
また、上述した各実施形態では、本発明にいう情報更新部が、画像形成が行われる度に、カートリッジ側メモリのドラム累積使用情報を更新し、ドラム累積使用情報のバックアップを本体側メモリへと書き込む例や、トナー供給の度に、カートリッジ側メモリのトナー残量情報を更新する例を挙げて説明したが、本発明にいう情報更新部は、これに限られるものではなく、本体側メモリとカートリッジ側メモリとの一方を頻繁に更新して他方を時々バックアップするものでもよい。
【0088】
また、上述した各実施形態では、本発明にいう容器側記憶体が、トナー容器におけるトナーの残量を表したトナー残量情報と、ドラムユニットにおける感光体ドラムの累積使用量を表したドラム累積使用情報に加え、トナー容器TCが未使用であるか否かを表すトナー容器フラグと、ドラムユニットDUが未使用であるか否かを表すドラムユニットフラグも記憶する例を挙げて説明したが、本発明にいう容器側記憶体は、これに限られるものではなく、トナー容器フラグやドラムユニットフラグの記憶は必須ではない。
【符号の説明】
【0089】
1 画像形成装置
1A 本体
1C 制御部
1M 本体側メモリ
10 トナー像形成保持部
11 感光体ドラム
12 帯電器
13 現像器
131 現像ロール
132,133 攪拌部材
20 露光器
30 用紙搬送装置
31 取出しロール
32 捌きロール
33 レジストレーションロール
34 排出ロール
35 反転搬送ロール
40 転写器
50 定着器
51 加熱ロール
52 加圧ロール
60 用紙収容部
61,62,63 用紙収容器
71 清掃器
72 回収トナー収容箱
73 容器装着部
731 固定部材
731a 容器案内溝
731b 切欠き
732 拘束部材
732a 容器案内保持切欠き
732b 突起
74 トナー供給器
74a 羽根部材
76 把手
81 手差し扉
82 扉
82a 軸
83 排出台
84 表示画面
90 装着部
91 装着開口
92 突起
TC トナー容器(トナーカートリッジ)
TC2 突部
TC3 扉
TC4 突起
TCM カートリッジ側メモリ
DU ドラムユニット
CR プロセスカートリッジ
RD 画像読取装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内に収容され、トナー像を保持する像保持体と、
前記筐体内に収容され、前記像保持体上に前記トナー像を形成する像形成部と、
少なくとも前記像保持体を有し、前記筐体に対して着脱自在なカートリッジと、
前記カートリッジに対して装着分離自在に搭載され、トナーを内部に収容して前記像形成部に該トナーを補給するトナー容器と、
前記カートリッジに対して前記トナー容器を係留する係留機構と、
前記カートリッジが前記筐体に装着されている間は前記係留機構による前記トナー容器の係留を少なくとも解除自在な状態にする解除機構であって、該筐体からの該カートリッジの分離時には該筐体側に残る前記解除機構と、
前記トナー容器に搭載されると共に、当該トナー容器におけるトナーの使用量に関する第1情報と、前記カートリッジに搭載された構成部分のうち該トナー容器を除きかつ少なくとも前記像保持体を含む構成部分である像保持部分の使用量に関する第2情報とを記憶する容器側記憶体と、
少なくとも前記第2情報を記憶し、前記筐体からの前記カートリッジの分離時には該筐体側に残る筐体側記憶体と、
前記第1情報および前記第2情報のそれぞれを前記トナー容器におけるトナー使用および前記像保持部分の使用のそれぞれに応じて更新する情報更新部と、
前記容器側記憶体に記憶されている第1情報が前記トナー容器においてトナーが未使用であることを表しており且つ該容器側記憶体に記憶されている第2情報が前記像保持部分が使用されていることを表している場合に、前記筐体側記憶体に記憶されている第2情報を該容器側記憶体に書き込む情報書込部とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記容器側記憶体に記憶されている第1情報が、前記トナー容器においてトナーは使用されていることを表しており、かつ、該容器側記憶体に記憶されている第2情報と前記筐体側記憶体に記憶されている第2情報とが不一致である場合に前記カートリッジの使用を禁止する使用禁止部を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記情報書込部は、前記容器側記憶体に記憶されている第1情報が、前記トナー容器においてトナーは使用されていることを表している場合に、該容器側記憶体に記憶されている第2情報を前記筐体側記憶体に書き込むものであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
トナー像を保持する像保持体と、
少なくとも前記像保持体を有し、画像形成装置に対して着脱自在な、該画像形成装置に搭載されるカートリッジ筐体と、
前記カートリッジ筐体に対して装着分離自在に搭載され、前記像保持体上に前記トナー像を形成する像形成部にトナーを補給する、内部に該トナーを収容したトナー容器と、
前記カートリッジ筐体に対して前記トナー容器を係留する係留機構であって、該カートリッジ筐体が前記画像形成装置に装着されている間は該トナー容器の係留が前記画像形成装置上の解除機構によって少なくとも解除自在な状態にされる係留機構と、
前記トナー容器に搭載されると共に、当該トナー容器におけるトナーの使用量に関する第1情報と、前記カートリッジ筐体に搭載された構成部分のうち該トナー容器を除きかつ少なくとも前記像保持体を含む構成部分である像保持部分の使用量に関する第2情報とを記憶し、少なくとも該第2情報については、前記画像形成装置からの前記カートリッジ筐体の分離時には該画像形成装置側に残る装置側記憶体にも記憶される容器側記憶体であって、該容器側記憶体に記憶されている第1情報が前記トナー容器においてトナーが未使用であることを表しており且つ該容器側記憶体に記憶されている第2情報が前記像保持部分が使用されていることを表している場合に、該装置側記憶体に記憶されている第2情報が書き込まれる容器側記憶体とを備えたことを特徴とするカートリッジ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−41046(P2013−41046A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177005(P2011−177005)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】