画像形成装置およびカートリッジ
【課題】装置本体に対するカートリッジの高精度位置決め、および、装置本体とカートリッジの小型化を図る。
【解決手段】カートリッジPに、装置本体2に対する第1の被位置決め部24a、25aと、支持部材70に対する第2の被位置決め24c、25cを設ける。支持部材70はカートリッジPの第2の被位置決め部24c、25cをV字溝70a、70bで受ける。
【解決手段】カートリッジPに、装置本体2に対する第1の被位置決め部24a、25aと、支持部材70に対する第2の被位置決め24c、25cを設ける。支持部材70はカートリッジPの第2の被位置決め部24c、25cをV字溝70a、70bで受ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のカートリッジが着脱可能な、記録媒体に画像を形成するための画像形成装置およびカートリッジに関する。
【0002】
画像形成装置は、例えば、電子写真プロセス、静電記録プロセス、磁気記録プロセスなどの画像形成プロセスを用いて記録媒体に画像を形成するものである。例えば、複写機、プリンタ(LEDプリンタ、レーザービームプリンタなど)、ファクシミリ装置、ワードプロセッサー、それらの複合機能機などが含まれる。記録媒体とは、画像形成装置によって画像が形成されるものであって、例えば、紙、OHTシート、ラベル等が含まれる。
【0003】
カートリッジとは、例えば、プロセスカートリッジ或いは現像カートリッジであって、画像形成装置の装置本体に取り外し可能に装着された状態で、記録媒体に画像を形成する画像形成プロセスに寄与するものである。装置本体とは、画像形成装置の構成からカートリッジを除いた装置構成部分のことである。
【0004】
プロセスカートリッジとは、潜像が形成される像担持体と、該像担持体に作用する画像形成プロセス手段、例えば、帯電手段、現像手段、クリーニング手段などの少なくとも一つとを一体的にカートリッジ化して、装置本体に取り外し可能に装着されるものである。像担持体は、電子写真プロセスにおける電子写真感光体、静電記録プロセスにおける静電記録誘電体、磁気記録プロセスにおける磁気記録磁性体などである。プロセスカートリッジは、使用者自身によって装置本体に対する着脱を行うことができる。そのため、装置本体のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0005】
従って、プロセスカートリッジとは、像担持体とプロセス手段としての現像手段とを一体的にカートリッジ化して、装置本体に取り外し可能に装着されるものが含まれる。像担持体と現像手段とを一体的に有するプロセスカートリッジは所謂一体型と称される。また、像担持体と、現像手段以外のプロセス手段とを一体的に有するプロセスカートリッジは所謂分離型と称される。即ち、現像手段はプロセスカートリッジとは別の現像ユニットに設けて、この現像ユニットと対になって画像を形成するプロセスカートリッジを所謂分離型と称する。
【0006】
また、現像カートリッジとは、現像ローラ(現像剤担持体)を有し、現像ローラによって、像担持体に形成された潜像を現像するのに用いられる現像剤(トナー)を収容しており、装置本体に取り外し可能に装着されるものである。現像カートリッジも、使用者自身によって装置本体に対する着脱を行うことができる。そのため、装置本体のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0007】
現像カートリッジの場合には、像担持体は装置本体或いはカートリッジ支持部材に取り付けられている。或いは、像担持体は所謂分離型プロセスカートリッジに設けられている(この場合には、プロセスカートリッジは、現像手段を有してはいない)。
【0008】
そこで、カートリッジとしては、所謂一体型又は所謂分離型のプロセスカートリッジが含まれる。また、カートリッジとしては、所謂分離型のプロセスカートリッジと現像カートリッジが対になって用いられる場合が含まれる。また、カートリッジとしては、像担持体が装置本体或いはカートリッジ支持部材に固定して取り付けられており、像担持体に作用可能に現像カートリッジが着脱可能に用いられる場合が含まれる。また、カートリッジとしては、プロセスカートリッジ或いは現像カートリッジ等に補給する現像剤(トナー)を収容している現像剤カートリッジが含まれる。
【背景技術】
【0009】
便宜上、電子写真プロセスを用いたプリンタ等の電子写真画像形成装置を例にして説明する。像担持体である電子写真感光体を一様に帯電させ、電子写真感光体への選択的な露光によって潜像を形成する。そして、潜像は現像剤で現像され、現像剤像として顕在化され、記録媒体に転写される。転写された現像剤像に熱や圧力を加えることで記録媒体に固着画像として定着させて画像を記録している。
【0010】
このような電子写真画像形成装置は現像剤補給や各種プロセス手段のメンテナンスを伴っていた。この現像剤補給作業やメンテナンスを容易にする手段として、電子写真感光体、帯電手段、現像手段、クリーニング手段等の全てもしくは一部を枠体内にまとめてカートリッジ化する。そして、このカートリッジを電子写真画像形成装置の装置本体に着脱可能とするカートリッジ方式が採用されている。
【0011】
このカートリッジ方式によれば、装置のメンテナンスをカートリッジの交換という形でユーザ自身が行えるため、格段に操作性を向上させることができた。よって、このカートリッジ方式は電子写真画像形成装置において広く用いられている。
【0012】
ここで、複数個のカートリッジを略水平方向に並べて配置した電子写真画像形成装置がある。この電子写真画像形成装置に対して、カートリッジの着脱を容易にするため、複数のカートリッジを一体的に引き出す構成が提案されている(特許文献1)。そして、電子写真画像形成装置に対して挿入、および、引き出すことが可能な可動部材である支持部材を有し、支持部材上に複数のカートリッジを搭載する構成となっている。
【0013】
また、装置本体内でのカートリッジの位置を規制するために、支持部材に回転止め部を設け、また、カートリッジに回転止めボスを設けたものがある(特許文献2)。支持部材に設けられた回転止め部と、カートリッジの回転止めボスが係合することで、装置本体内でのカートリッジの位置を規制する構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開平5−173375号公報
【特許文献2】特開2008−292804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は上記従来技術を更に発展させたものである。すなわち、従来構成では、可動部材である支持部材にカートリッジの位置規制部が設けられていた。そのため、装置本体内でのカートリッジの位置決めを高精度に行うためには、装置本体に対する支持部材の位置決めを高精度に行う必要があった。また、支持部材の寸法を高精度に管理する必要があり、特に支持部材の回転止め部を形成する部品の材質に板金を用いて対応していた。一般的に樹脂よりも板金は高精度な加工が可能である為である。しかし、これにより、コストが高くなっていた。
【0016】
そこで、本発明の目的は、装置本体に対するカートリッジの位置決めを高精度に、且つ、低コストで行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、複数のカートリッジが着脱可能な、記録媒体に画像を形成するための画像形成装置であって、前記複数のカートリッジを支持する支持部材であって、前記画像形成装置の装置本体の外側に引き出して前記カートリッジを着脱可能にする引き出し位置と、前記装置本体の内側で前記カートリッジを前記装置本体に位置決めする第1の内側位置と、前記装置本体の内側で前記引き出し位置と前記第1の内側位置との間に位置する第2の内側位置と、をとる支持部材と、前記装置本体に設けられた、前記支持部材が前記第1の内側位置に位置する際に、前記カートリッジを位置決めする第1の位置決め部、及び、前記カートリッジが前記第1の位置決め部を中心に回転するのを規制する第1の規制部と、前記支持部材に設けられた、前記支持部材が前記引き出し位置と前記第2の内側位置との間に位置する際に、前記カートリッジを位置決めする第2の位置決め部、及び、前記カートリッジが前記第2の位置決め部を中心に回転するのを規制する第2の規制部と、を有し、前記第2の位置決め部及び前記第2の規制部は、前記支持部材が前記第1の内側位置に位置する際は、前記カートリッジと離間することを特徴とする。
【0018】
また、上記の目的を達成するための本発明に係るカートリッジの代表的な構成は、上記の画像形成装置に着脱可能なカートリッジであって、前記第1の位置決め部と係合する第1の被位置決め部と、前記第1の規制部と係合する第1の被規制部と、前記第2の位置決め部と係合する第2の被位置決め部と、前記第2の規制部と係合する第2の被規制部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、装置本体に対するカートリッジの位置決めを高精度に、且つ、低コストで行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1A】実施例の画像形成装置について、前ドアが開けられてトレイ(支持部材)が装置本体の開口から装置本体の外側に引き出されている状態を示している、駆動側からみた斜視図
【図1B】同じく非駆動側からみた斜視図
【図2】画像形成装置の外観斜視図
【図3】同装置の縦断右側面の模式図
【図4】図3における1つのカートリッジ分部の拡大図
【図5】(a)はカートリッジを駆動側から見た斜視図、(b)は非駆動側から見た斜視図
【図6】前ドアが開かれてトレイが第1の内側位置(I)から第2の内側位置(II)に上昇移動した状態時を示した図
【図7】トレイが第2の内側位置(II)から装置本体の外側の取り出し位置(III)に引き出されている状態時を示した図
【図8】装置本体とカートリッジとの位置決め部及び被位置決め部の説明図
【図9】装置本体に対するトレイのシフト機構の説明図(その1)
【図10A】装置本体に対するトレイのシフト機構の説明図(その2)
【図10B】装置本体に対するトレイのシフト機構の説明図(その3)
【図11A】装置本体に対するトレイのシフト機構の説明図(その4)
【図11B】装置本体に対するトレイのシフト機構の説明図(その5)
【図12】装置本体に対するトレイの係止部の説明図(その1)
【図13】装置本体に対するトレイの係止部の説明図(その1)
【図14】トレイとカートリッジとの位置決め部及び被位置決め部の説明図(その1)
【図15】トレイとカートリッジとの位置決め部及び被位置決め部の説明図(その2)
【図16】トレイとカートリッジとの位置決め部及び被位置決め部の説明図(その3)
【図17】下向きコの字溝部材と回転止め部の係合説明図
【図18】装置本体とカートリッジとの位置決め部及び被位置決め部の説明図
【図19】従来例のカートリッジ位置決め方法を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0021】
[実施例]
《画像形成装置例の全体的な概略構成》
図2は本実施例における画像形成装置1の外観斜視図、図3は縦断右側面図である。この装置1は、複数のカートリッジとして第1から第4の4つのプロセスカートリッジP(PY・PM・PC・PK)を有する、電子写真プロセスを用いた4色フルカラーのレーザプリンタである。装置1はパソコン・イメージリーダ等の外部ホスト装置200から制御回路部(制御回路基板)100に入力する電気的な画像信号に基づいてシート状の記録媒体Sに4色フルカラー画像或いはモノカラー画像を形成することができる。
【0022】
ここで、装置1に関して前側(正面側)とは装置開閉ドア(前ドア)3を配設した側である。後側(背面側)とはそれとは反対側である。前方向とは装置1の後側から前側に向う方向である。後方向とはその逆の方向である。左とは装置1を前側から見て左側、右とは装置1を前側から見て右側である。左方向とは右から左に向う方向、右方向とは左から右に向う方向である。上と下とは重力方向において上と下であり、上方向とは下から上に向う方向、下方向とは上から下に向う方向である。
【0023】
また、長手方向とは像担持体としての電子写真感光体ドラム4の回転軸線方向に並行な方向である。短手方向とは前記長手方向に直交する方向である。また、長手方向の一端側が駆動側、他端側が非駆動側である。本実施例においては、長手方向の右端側が駆動側、左端側が非駆動側である。
【0024】
2Aは装置本体2の内部に設けられているカートリッジ収容部である。このカートリッジ収容部2Aには、装置本体2の後側から前側にかけて、第1から第4の4つのカートリッジPY・PM・PC・PKが水平方向に並べられて収容(インライン構成、タンデム型)されている。
【0025】
図4は図3における1つのカートリッジ部分の拡大図である。本実施例において、各カートリッジPは、何れも像担持体としての電子写真感光体ドラム4と、このドラム4に作用するプロセス手段としての、帯電手段、現像手段、クリーニング手段とを有する一体型のプロセスカートリッジである。
【0026】
本実施例においては、帯電手段としては帯電ローラ5、クリーニング手段としてはクリーニングブレード7、現像手段としては現像ローラ6を用いている。各カートリッジPはそれぞれ同様の電子写真プロセス機構を有しており、現像剤(以下、トナーと称す)の色が各々異なるものである。カートリッジPのより具体的な構成については後述する。
【0027】
第1のカートリッジPYは、現像装置9にイエロー(Y)色のトナーが収容されており、ドラム4の表面にY色のトナー像が形成される。第2のカートリッジPMは、現像装置9にマゼンタ(M)色のトナーが収容されており、ドラム4の表面にM色のトナー像が形成される。第3のカートリッジPCは、現像装置9にシアン(C)色のトナーが収容されており、ドラム4の表面にC色のトナー像が形成される。第4のカートリッジPKは、現像装置9にブラック(K)のトナーが収容されており、ドラム4の表面にK色のトナー像を形成される。
【0028】
カートリッジ収容部2Aに収容されている各カートリッジPは、ドア3が装置本体2に対して閉じ込まれている状態において、それぞれ、加圧機構80により上から加圧されている。これにより、各カートリッジPは装置本体2側の後述する位置決め部に対して押圧により位置決め固定されて保持されている。
【0029】
この状態において、装置本体2の側からカーリッジPに対してドラム4を回転させる駆動力の伝達が可能であり、ドラム4は矢印Dの反時計方向に所定の周速度にて回転駆動される。また、装置本体2の側からカーリッジPに対して現像ロ−ラ6を回転させる駆動力の伝達が可能であり、現像ローラ6は矢印Eの時計方向に所定の周速度にて回転駆動される。また、装置本体2の側からカーリッジPに対して帯電ローラ5や現像ローラ6への所定のバイアス電圧(帯電バイアス、現像バイアス等)の印加が可能である。
【0030】
カートリッジPY・PM・PC・PKの上方には、露光手段としてのレーザスキャナユニットLBが設けられている。このユニットLBは、制御回路部100で画像処理された画像情報に対応したレーザ光Zを出力する。そして、レーザ光Zは、カートリッジPの上面側の露光窓部10を通過してドラム4の表面を走査露光する。
【0031】
カートリッジPY・PM・PC・PKの下方には、転写部材としての中間転写ベルトユニット11が設けられている。このユニット11は、駆動ローラ13、ターンローラ14、テンションローラ15を有し、それらに可撓性を有する転写ベルト12が掛け渡されている。駆動ローラ13とテンションローラ15は装置本体2内の後側に配設されている。ターンローラ14は装置本体2内の前側に配設されている。
【0032】
各カートリッジPのドラム4は、それらの下面が、ベルト12の上行側ベルト部分の上面に対して接している。ベルト12の内側には、ベルト12の上行側ベルト部分を介して各カートリッジPのドラム4の下面に当接する1次転写ローラ16が配設されている。各カートリッジPにおいてドラム4とベルト12との接触部が1次転写部である。駆動ローラ13にはベルト12を介して2次転写ローラ17が当接されている。ベルト12と2次転写ローラ17との接触部が2次転写部である。
【0033】
ユニット11の下方には、給送ユニット18が配設されている。このユニット18は、記録媒体Sを積載して収容した給紙トレイ19、給紙ローラ20、リタードローラ対20a、レジストローラ対20bを有する。トレイ19は装置本体2の前側から出し入れ可能自由である(フロントローデング)。19aはトレイ19の前面板に設けられた取手部である。また、装置本体2内の後側には、定着ユニット21と、排出ユニット22が配設されている。装置本体2の上面は排出トレイ23とされている。
【0034】
《画像形成動作》
フルカラー画像を形成するための動作は次のとおりである。各カートリッジPのドラム4が所定の速度で回転駆動される(図4の矢印D)。また、ベルト12もドラム4の回転に順方向(図4の矢印C)にドラム4の速度に対応した速度で回転駆動される。ユニットLBも駆動される。
【0035】
本実施例において帯電手段としての帯電ローラ5はドラム4に対して所定の押圧力で当接させた接触帯電部材としての導電性ローラであり、ドラム4の回転に従動して回転する。そして、ユニットLBの駆動に同期して、各カートリッジPにおいて帯電ローラ5に対して所定の帯電バイアスが印加される。これにより、ドラム4の表面が所定の極性・電位に一様に帯電される。
【0036】
ユニットLBは各ドラム4の表面を各対応色の画像信号に応じてレーザ光Zで走査露光する。これにより、各ドラム4の表面に各対応色の画像信号に応じた静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、現像装置(現像ユニット)9において所定の速度で回転駆動(図4の矢印E)される現像ローラ6によりトナー像として現像される。現像ローラ6には所定の現像バイアスが印加される。
【0037】
このような電子写真画像形成プロセス動作により、第1のカートリッジPYのドラム4にはフルカラー画像のY色成分像に対応するY色トナー像が形成される。そして、そのトナー像がこのカートリッジPYの1次転写部においてベルト12上に1次転写される。転写ローラ16には所定の1次転写バイアスが印加される。
【0038】
同様に、第2のカートリッジPMのドラム4にはフルカラー画像のM色成分像に対応するM色トナー像が形成される。そして、そのトナー像がこのカートリッジPMの1次転写部において、ベルト12上にすでに転写されているY色トナー像に対して重畳されて1次転写される。
【0039】
同様に、第3のカートリッジPCのドラム4にはフルカラー画像のC色成分像に対応するC色トナー像が形成される。そして、そのトナー像がこのカートリッジPCの1次転写部において、ベルト12上にすでに転写されているY色+M色のトナー像に対して重畳されて1次転写される。
【0040】
同様に、第4のカートリッジPKのドラム4にはフルカラー画像のK色成分像に対応するK色トナー像が形成される。そして、そのトナー像がこのカートリッジPKの1次転写部において、ベルト12上にすでに転写されているY色+M色+C色のトナー像に対して重畳されて1次転写される。
【0041】
このようにして、第4のカートリッジPKの1次転写部を通過したベルト12上には、Y色+M色+C色+K色の4色フルカラーの未定着トナー像が形成される。各カートリッジPにおいて、ドラム4からベルト12へのトナー像の1次転写後にドラム4の面に残留した1次転写残トナーはクリーニングブレード7により拭掃されてドラム面から除去される。
【0042】
一方、所定の制御タイミングで給送ユニット18の給紙ローラ20が駆動されて、トレイ19内の記録媒体Sが繰り出され、リタードローラ対20aにより一枚分離されて給送される。その記録媒体Sがレジストローラ対20bにより所定の制御タイミングにて2次転写部に導入されて挟持搬送される。記録媒体Sが2次転写部で挟持搬送される間、2次転写ローラ17には所定の2次転写バイアスが印加される。これにより、記録媒体Sに対してベルト12側の4色重畳のトナー像が順次に一括転写される。
【0043】
2次転写部を出た記録媒体Sはベルト12の面から分離されて定着ユニット21へ導入され、定着ニップ部で加熱・加圧される。これにより、4色重畳のトナー像が溶融混色されてフルカラーの固着像として定着される。そして、記録媒体Sは定着ユニット21を出て、排出ユニット22によりフルカラー画像形成物として排出トレイ23上に排出される。
【0044】
また、記録媒体Sの分離後にベルト12の面に残留した2次転写残トナーは、本実施例においては、第1のカートリッジPYの1次転写部においてドラム4の面に逆転写されてベルト12の面から除去される。そして、ドラム4の面からクリーニングブレード7により拭掃されて1次転写残トナーと共にドラム面から除去される。
【0045】
《カートリッジPの構成》
図4と図5を参照して本実施例のカートリッジP(PY・PM・PC・PK)の構成を説明する。図5の(a)はカートリッジPを駆動側(右端側)から見た外観斜視図、(b)はカートリッジPの非駆動側(左端側)から見た外観斜視図である。
【0046】
カートリッジPは大きく分けて感光体ドラムユニット8と現像装置である現像ユニット9とを有する。ドラムユニット8は、ドラム4、帯電ローラ5、クリーニング枠体としてのクリーニング容器26、クリーニングブレード7を有している。クリーニング容器26の長手方向の一端側と他端側にはそれぞれ駆動側カバー部材(右側板)24と非駆動側カバー部材(左側板)25が一体的に設けられている。
【0047】
ドラム4はカバー部材24と25の下部にそれぞれ設けられた駆動側と非駆動側の軸受部材(不図示)によりカバー部材24と25との間において回転自在に支持されている。帯電ローラ5はドラム4の長手に沿って長く、カバー部材24と25との間においてドラム4の上側にドラム4に並行に配列されている。帯電ローラ5は両端部がそれぞれ可動の軸受部材5aによりに回転自在に支持されると共に、軸受部材5aをドラム4の方向に押圧する付勢部材5bの付勢力によりドラム4に対して所定の押圧力で押し付けられている。帯電ローラ5はドラム4の回転に従動して回転する。
【0048】
クリーニングブレード7はドラム4の長手に沿って長い弾性ゴムブレードである。このブレード7は支持板金7aに保持されており、先端部をドラム4に対して所定の押圧力でドラム4の回転方向に対してカウンタ方向に当接させた状態にして支持板金7aがクリーニング容器26に対して固定されて配設されている。ドラム4の表面に残留した1次転写残トナーはブレード7により掻き落とされてクリーニング容器26内に収容される。
【0049】
現像ユニット9は現像枠体としての現像容器29と、ドラム4に対してトナーを供給してドラム4の静電潜像を現像する現像剤担持体としての現像ローラ6と、現像剤規制部材(現像ブレード)6aを有する。現像ローラ6は、現像容器29、または、現像容器29の長手両端部に設けられた駆動側軸と非駆動側の軸受部材(不図示)とで回転自在に支持されている。現像剤規制部材6aは先端部が現像ローラ6に当接されて配設されており、現像ローラ6の周面にトナーを薄層に規制する役目をする。
【0050】
現像ユニット9はカバー部材24と25との間において所定の揺動軸部(不図示)を中心にして揺動可能に配設されている。現像ユニット9は現像ローラ6がドラム4に対して所定の押圧力で当接(接触現像)するように付勢部材(不図示)により揺動軸部を中心に揺動付勢されている。非接触現像である場合は、現像ローラ6の両端部に配設されたスペーサコロがドラム4の両端側に所定の押圧力で当接して現像ローラ6がドラム4に対して所定の隙間を存して非接触で対向するように付勢部材により揺動軸部を中心に揺動付勢される。
【0051】
クリーニング容器26と現像容器29との間には隙間が形成されている。この隙間部のカートリッジ上面側の開口部が露光窓部10であり、ユニットLBからのレーザ光Zがこの窓部10から隙間部に入りドラム4の表面に至る。
【0052】
駆動側のカバー部材24の外面側には、ドラム4の駆動入力部としてのドラム駆動カップリング4aが配設されている。このカップリング4aはドラム4の回転中心軸線と同軸線上に設けられている。同じくカバー部材24の外面側には、現像ローラ6の駆動入力部としての現像駆動カップリング42が配設されている。
【0053】
カートリッジPが装置本体2内のカートリッジ収容部2Aに所定に装着されて位置決め固定されている状態において、カップリング4aとカップリング42に対してそれぞれ装置本体側の駆動出力部としてのカップリング91と92(図7)が結合している。カップリング91からカップリング4aに駆動力が入力することでドラム4が所定の速度で所定の方向Dに回転駆動される。また、カップリング92からカップリング42に駆動力が入力することでギア箱42a内のギア列(不図示)を介して現像ローラ6に駆動力が伝達され、現像ローラ6が所定の速度で所定の方向Eに回転駆動される。
【0054】
また、カートリッジPが装置本体2内のカートリッジ収容部2Aに所定に装着されて位置決め固定されている状態において、カートリッジP側の電気接点(不図示)と装置本体2の側の電気接点(不図示)とが電気的に導通している。これにより、装置本体2の側からカーリッジPに対して帯電ローラ5や現像ローラ6へのバイアス電圧(帯電バイアス、現像バイアス等)の印加が可能である。
【0055】
カートリッジPは駆動側と非駆動側のカバー部材24と25にそれぞれ設けられた第1の被位置決め部としての円弧部24a、25aを有する。この円弧部24a、25aはそれぞれカバー部材24と25の下辺に下向きに設けられており、ドラム4の回転中心軸線と同軸線上にあり、ドラム4よりも少し大径にしてある。また、駆動側のカバー部材24の外面に第1の被規制部としての下向きコの字溝部材24bを有する。
【0056】
また、カートリッジPは駆動側と非駆動側のカバー部材24と25の外面にそれぞれ設けられた第2の被位置決め部としてのボス24c、25cを有する。また、駆動側のカバー部材24の下辺の端部に第2の被規制部としての下向きの凸部24dを有する。
【0057】
《カートリッジ交換方式》
第1から第4のカートリッジPY・PM・PC・PKは、画像形成に使用されるにつれて、それぞれ、現像ユニット9に収容されている現像剤が消費される。そこで、例えば、個々のカートリッジの現像剤の残量を検知する検知手段(不図示)をカートリッジに設ける。そして、制御回路部100において、前記検知手段によって検知した残量値を、予め設定したカートリッジ寿命予告や寿命警告のための閾値と比較させる。
【0058】
そして、前記残量値が閾値よりも少ない残量値まで現像剤が減少したカートリッジについては、装置本体2側もしくはホスト装置200側の表示部(不図示)に、そのカートリッジについての寿命予告あるいは寿命警告を表示させる。これにより使用者に、交換用のカートリッジの準備を促す、あるいはカートリッジの交換を促して、出力画像の品質を維持している。
【0059】
本実施例の装置1においては、ユーザービリティ向上のために、カートリッジPを支持部材70(カートリッジを支持しながら移動する移動部材:カートリッジトレイ:以下、トレイと記す)に乗せ、フロントアクセスにより交換する方式である。
【0060】
装置本体2の前面側には、装置本体2内へカートリッジを挿入させる、及び、装置本体2からカートリッジを取り出すために、トレイ70と共にカートリッジPを通過させる開口(本体開口部)2Bが設けられている。この開口2Bを閉じる閉鎖位置(閉位置)と、開口2Bを開放する開放位置(開位置)と、の間を移動可能な開閉部材としての前ドア3が設けられている。
【0061】
本実施例においては、ドア3は、ドア下辺側の回転中心ボス3aを中心にして装置本体2に対して開閉回動可能である。図2、図3のように、ドア3を、ボス3aを中心にして起立回動して装置本体2に対して閉じ込むことにより開口2Bが閉鎖される。また、ドア3を、ボス3aを中心に装置本体2の手前側にほぼ水平に倒し回動することで、図6のように、装置本体2から開いて開口2Bを大きく開放することが出来る。31はドア3に設けた取手部である。
【0062】
トレイ70の構成について図1Aと図1Bを参照して説明する。図1Aはドア3が開けられてトレイ70が装置本体2の開口2Bから装置本体2の内側から外側に引き出されている状態を示している、駆動側からみた斜視図である。図1Bは同じく非駆動側からみた斜視図である。なお、装置本体2は外装筐体を省いて装置本体2の骨格をなす板金フレームの状態にて示している。給送ユニット18、定着ユニット21、排出ユニット22が配設される分部の板金フレームは省略してある。
【0063】
トレイ70は、矩形の大枠部の内部を仕切り板で前後方向にほぼ等分に4つに仕切って後側から前側に順に第1から第4の4つの横長小枠部71(71Y・71M・71C・71K)を設けた上下の面が開放されている枠体である。横長小枠部71Y・71M・71C・71Kがそれぞれ第1から第4のカートリッジPY・PM・PC・PKを上から挿入して支持させる部分である。各横長小枠部71の駆動側の側面には開口部が形成されている。
【0064】
各横長小枠部71の駆動側と被駆動側の枠部上辺には、第2の位置決め部として、上方が開放されたV字部70a、70bが形成されている。このV字部70a、70bに対してカートリッジP側の第2の被位置決め部としてのボス24c、25cが対応する。また各横長小枠部71の駆動側の枠部の内側下部には第2の規制部としての規制面70cが形成されている。この規制面70cに対してカートリッジP側の第2の被規制部としての凸部24dが対応する。
【0065】
トレイ70はドア3が開かれて開口2Bが開放されている状態において装置本体2の内側から外側に引き出して、図1A、図1B、図7のように、各カートリッジPを着脱可能にする引き出し位置(III)をとることが出来る。また、トレイ70はドア3が閉じられている状態において、図3のように装置本体2の内側において各カートリッジPを装置本体2に対して位置決めする第1の内側位置(I)をとることが出来る。
【0066】
また、トレイ70はドア3が開かれて開口2Bが開放されている状態において、図6のように装置本体2の内側で前記引き出し位置(III)と前記第1の位置(I)との間に位置する第2の位置(II)をとることが出来る。トレイ70はドア3の開閉動作に連動して動作する後述するシフト機構により上記の第1の位置(I)から第2の位置(II)への移動、および逆に第2の位置(II)から第1の位置(I)への移動がなされる。装置本体2に対するカートリッジPの交換要領は次のとおりである。
【0067】
1)図2、図3のように、ドア3が装置本体2に閉じ込まれて開口2Bが閉鎖されている状態においては、トレイ70はシフト機構により第1の内側位置(I)に保持されている。この状態において、トレイ70の各横長小枠部71に収容されている各カートリッジPは装置本体2の内側のカートリッジ収容部2Aにおいて、それぞれ、ドラムユニット8側が加圧機構80により上から加圧されている。これにより、各カートリッジPは装置本体2側の後述する位置決め部に押圧されて位置決め固定されて保持されている。
【0068】
また、上記のように装置本体2側に位置決め固定されている各カートリッジPのカップリング4aとカップリング42に対してそれぞれ装置本体2側の駆動出力部としてのカップリング91と92(図7)が結合している。また、カートリッジP側の電気接点(不図示)と装置本体2の側の電気接点(不図示)とが電気的に導通している。また、各カートリッジPのドラム4の下面がベルト12に接していて1次転写部が形成されている。
【0069】
2)上記の状態において装置1は画像形成動作が可能である。この状態において、使用者がドア3を図6のように開き操作する。このドア3の開き動作に連動して、ドア3の開き動作の初期時において、各カートリッジPのカップリング4aとカップリング42に対する装置本体側のカップリング91と92が退避動作してカップリング結合が解除される。また、カートリッジP側の電気接点に対する装置本体2の側の電気接点が退避して電気的導通が解除される。
【0070】
そして、加圧機構80による各カートリッジPのドラムユニット8の加圧が解除される。加圧機構80の具体的な構成は図には省略したけれども、電磁ソレノイド・プランジャによる加圧・加圧解除機構、レバーとバネによる加圧・加圧解除機構などの適宜の機構構成を採択することが出来る。
【0071】
3)ドア3の引き続く開き動作に連動するシフト機構によりトレイ70が装置本体2の内側において図3の第1の内側位置(I)から上方に上昇移動されていく。ドア3が図6のように所定の開き位置まで十分に開かれた状態においては、トレイ70は装置本体2の内側において第1の内側位置(I)から上方に所定の移動量をもって持ち上げられた第2の内側位置(II)に位置する。所定の開き位置まで十分に開かれたドア3はその後に手を離してもその開き位置に安定に保持される。また、トレイ70も第2の内側位置(II)に安定に保持される。
【0072】
トレイ70は駆動側と被駆動側の前後方向の枠部の下縁部70eがそれぞれシフト機構の駆動側と被駆動側の前後方向のレール73の上の摺動可能に搭載されている。トレイ70はレール73が上下移動されることで上下移動される。
【0073】
各カートリッジPはトレイ70が第1の内側位置(I)から第2の内側位置(II)に上昇移動する途中からトレイ70側に支持されてトレイ70の上昇移動と共に持ち上げられる。これにより、各カートリッジPは装置本体2側の位置決め部から浮き上がって離間するとともに、ドラム4の下面がベルト12の上面から非接触に離間する。
【0074】
4)ドア3が十分に開かれて開口2Bが開放されることで、開口2Bには第2の内側位置(II)に位置しているトレイ70の前枠部分が露呈する。この前枠部分には可動の把持部75が配設されている。使用者はこの把持部75に手指をかけて把持押圧バネ76の押圧力に抗して把持部75を手前側に移動させる。
【0075】
そうすると、トレイ70を装置本体2側に係止している後述する係止部の係止状態が解除される。この係止解除により、トレイ70をシフト機構の前後方向の水平のレール73に沿って、更には、開かれているドア3の内側に配設されている、上向き水平となっているガイド部3cに沿って装置本体2の内側から外側に移動させることが可能となる。ガイド部3cはドア3が所定に開かれている状態において、本体側レール73の延長線上に位置しており、ガイド面はレール73のトレイガイド面とほぼ同じ高さ位置レベルとなっている。
【0076】
5)そこで、使用者は図6のように装置本体2の第2の内側位置(II)に位置しているトレイ70を図7のようにレール73に沿って、更にドア3側のガイド部3cに沿って装置本体2外側の引き出し位置(III)に十分に引き出す。トレイ70が第2の内側位置(II)に位置している状態においては各カートリッジPのドラム4の下面はベルト12の上面から非接触に離間している。従って、カートリッジPを支持しているトレイ70が第2の内側位置(II)から引き出し位置(III)に移動する過程においてドラム4とベルト12とが摺擦して傷付くことが防止される。
【0077】
トレイ70は引き出し位置(III)まで十分に引き出されると、ストッパ部材(不図示)によりそれ以上の装置本体2からの引き出し移動が阻止される。また、トレイ70は引き出し位置(III)に水平に引き出されている状態が本体側レール73とドア3側のガイド部3cとにより保持される。
【0078】
図7のようにトレイ70が引き出し位置(III)に十分に引き出された状態において、トレイ70に支持されている第1から第4の4つのカートリッジPY・PM・PC・PKの全体が開口2Bを通過して装置本体2の外側に露出する。これにより、全てのカートリッジPの上面が開放される。
【0079】
トレイ70は個々のカートリッジPをそれぞれ対応する横長小枠部71Y・71M・71C・71Kから真上に取り出すことが出来るようにラフに支持している。また、トレイ70は個々のカートリッジPをそれぞれ対応する横長小枠部71Y・71M・71C・71Kに真下に向って落とし込むことによって支持する。そこで使用者は交換すべき使用済みのカートリッジをトレイ70から上方に持ち上げて抜き出す。そして、新しいカートリッジをトレイ70に対して上から嵌め込む。
【0080】
上記のように、トレイ70が装置本体2の外側の所定の引き出し位置(III)引き出された際には、全てのカートリッジPが装置本体2の外側に出る。従って、使用者が、トレイ70に対してカートリッジPを交換する際に、交換作業が行い易い。
【0081】
6)使用者は、トレイ70に対するカートリッジPの新旧交換をしたら、今度は上記とは逆の手順で、引き出し位置(III)に引き出されているトレイ70をドア3側のガイド部3cに沿って、更には本体側レール73に沿って後方向に押してスライド移動させる。そして、トレイ70を開口2Bから装置本体2の内側に押し入れる。トレイ70は第2の内側位置(II)に到達する少し手前の位置において後枠部分が装置本体2内の後側に配設されているバネ(支持部材規制バネ)2Cに当る。このバネ2Cの弾性に抗してバネ2Cを押し縮めながらトレイ70を更に押し込み移動する。
【0082】
このトレイ70の押し込み移動のときも、トレイ70に支持されている各カートリッジPのドラム4の下面はベルト12の上面から非接触に離間している。従って、トレイ70が引き出し位置(III)から第2の内側位置(II)に移動する過程においてドラム4とベルト12とが摺擦して傷付くことが防止される。
【0083】
そして、トレイ70は第2の内側位置(II)に到達すると、後述する係止部の係止動作により装置本体側に対して係止されることにより戻り止めされて、図6のように、第2の内側位置(II)に保持された状態に戻る。この状態において使用者がトレイ70から手を離してもトレイ70は第2の内側位置(II)に安定に保持される。
【0084】
7)使用者は開かれているドア3を閉じ操作する。このドア3の開き動作に連動するシフト機構によりトレイ70は装置本体2の内側において第2の内側位置(II)から下方に下降移動される。このトレイ70の下降移動と共にトレイ70に支持されている第1から第4のカートリッジPY・PM・PC・PKも下降移動する。
【0085】
トレイ70が第2の内側位置(II)から所定の移動量について下降移動したとき、各カートリッジPの第1の被位置決め部である円弧部24a、25aが後述する装置本体2側の第1の位置決め部51a、52a(図8)に受け止められる。これにより各カートリッジPはそれ以上の下降移動が止まる。また、各カートリッジPの第1の被規制部である下向きコの字溝部材24bが後述する装置本体側の第1の規制部53b(図8)に係合する。これにより各カートリッジPの回転止めがなされる。また、各カートリッジPのドラム4の下面がベルト12の上面に接触した状態になる。
【0086】
トレイ70はドア3の引き続く閉じ動作に連動してシフト機構により更に下降移動し、ドア3が十分に閉じ込まれる少し前段階において第1の内側位置(I)に至り、この第1の内側位置(I)に保持された状態になる。
【0087】
トレイ70が第1の内側位置(I)に保持された状態においては、各カートリッジPにそれぞれ対応してトレイ70側に設けられているV字部70a、70bが各カートリッジPのボス24c、25cから離間している。また、各カートリッジPにそれぞれ対応してトレイ70に設けられている規制面70cが各カートリッジPの凸部24dから離間している。即ち、各カートリッジPはトレイ70による支持が解除されている。
【0088】
各カートリッジPはトレイ70による支持が解除されても、第1の被位置決め部である円弧部24a、25aが装置本体側の第1の位置決め部51a、52aに受け止められている。また、第1の被規制部である下向きコの字溝部材24bが装置本体側の第1の規制部53bに係合して回転止めされている。これにより、各カートリッジPは装置本体2側に安定に保持される。
【0089】
8)ドア3の更なる閉じ動作に連動して、各カートリッジPに対応する加圧機構80が加圧動作して各カートリッジPのドラムユニット8側が上から加圧される。これにより各カートリッジPの円弧部24a、25aが装置本体側の第1の位置決め部51a、52aに対して押し付けられて、各カートリッジPが加圧機構80と第1の位置決め部51a、52aとの間に挟み込まれる。即ち、各カートリッジPが装置本体2の内側のカートリッジ収容部2Aにおいて装置本体2に位置決め固定されて保持される。
【0090】
また、ドア3の更なる閉じ動作に連動して、上記のように装置本体2に対して位置決め固定された各カートリッジPのカップリング4aとカップリング42にそれぞれ装置本体側の駆動出力部としてのカップリング91と92が結合する。また、カートリッジP側の電気接点に対して装置本体2の側の電気接点が電気的に導通する。そして、ドア3が十分に閉じ込まれることで装置1は、図2、図3の状態に復帰して画像形成動作が可能な状態になる。ドア3の閉じ状態は安定に保持されるようにされている。
【0091】
《カートリッジPの装置本体内での位置決め》
図8の(a)は装置本体2内に装着されたカートリッジPの位置決めに関する部品のみを示している。装置本体2の中底板55には、駆動側の本体側板53、非駆動側の本体側板54(図1B)、駆動側のカートリッジホルダ51、非駆動側のカートリッジホルダ52が取り付けられている。
【0092】
図8の(b)は装置本体2内でのカートリッジPの位置決め状態を模式的に示している(非駆動側については不図示)。装置本体2内においてカートリッジPは装置本体2に対して駆動側と非駆動側のカバー部材24と25とで位置決めが行われる。
【0093】
図5で説明したように、カートリッジP側には、駆動側と非駆動側のカバー部材24と25との下辺にそれぞれ下向きに設けられた第1の被位置決め部としての円弧部24a、25aを有する。円弧部24a、25aはドラム4の回転中心軸線と同軸線上にあり、ドラム4よりも少し大径にしてある。また、駆動側のカバー部材24の外面に設けられた第1の被規制部としての下向きコの字溝部材24bを有する。
【0094】
一方、装置本体2側には、駆動側と非駆動側のカートリッジホルダ51と52にそれぞれ各カートリッジPの円弧部24a、25aに対応する第1の位置決め部としての4ずつの上方が開放されたV字部51aと52aを有している。
【0095】
V字部51a(Y)と52a(Y)がカートリッジPYの円弧部24a、25aに対応する。V字部51a(M)と52a(M)がカートリッジPMの円弧部24a、25aに対応する。V字部51a(C)と52a(C)がカートリッジPCの円弧部24a、25aに対応する。V字部51a(K)と52a(K)がカートリッジPKの円弧部24a、25aに対応する。
【0096】
また、駆動側の本体側板53は、各カートリッジPの下向きコの字溝部材24bに対応する第1の規制部としての4つの回転止め部53bを有している。各回転止め部53bは本体側板53から内向きに切り起された舌片である。53b(Y)、53b(M)、53b(C)、53b(K)がそれぞれカートリッジPY、PM、PC、PKの部材24bに対応する回転止め部である。この回転止め部53bに対して各カートリッジP側の部材24bの溝部が係脱する。
【0097】
装置本体2は各カートリッジPの円弧部24a、25aをそれぞれ対応する装置本体2側のV字部51a、52aにて受ける構成となっている。カートリッジPは円弧部24a、25aの中心を回転中心としてV字部51a、52aに支持される。さらに、部材24bをカートリッジPの回転位相決めとして、装置本体2は各カートリッジPの部材24bをそれぞれ対応する装置本体2側の回転止め部53bに係合させてカートリッジPの回転位相決めをする構成となっている。
【0098】
この状態において、各カートリッジPの駆動側と被駆動側のカバー部材24と25のドラムユニット8側の上面部がそれぞれ加圧機構80(図3:非駆動側については不図示)で加圧される。これにより、各カートリッジPが加圧機構80とV字部51a、52aとの間に挟み込まれて装置本体2の内側のカートリッジ収容部2Aにおいて所定の装着位置に位置決め固定されて保持される。
【0099】
図19は装置本体内での従来のカートリッジPの位置決め方法を示したものである。装置本体にカートリッジPを装着する際には、支持部材(トレイ)65を装置本体から引き出し、支持部材65に対してカートリッジPを装着する。図19は、カートリッジPを装着した支持部材65を装置本体内に挿入して位置決めした状態を示している。
【0100】
装置本体は、カートリッジPの駆動側のカバー部材61の円弧部61aと非駆動側のカバー部材の円弧部を、装置本体の駆動側のカートリッジホルダ63のV字部63aと非駆動側のカートリッジホルダのV字部で受けている。なお、非駆動側のカバー部材、円弧部、非駆動側のカートリッジホルダ、V字部は不図示である。一方、カートリッジPの駆動側のカバー部材61に設けられた凸部61bを支持部材65に設けられた溝65bと係合させてカートリッジPを受ける構成となっている。
【0101】
従来例においては、カートリッジPの位置決めを、固定部材である駆動側のカートリッジホルダ63、非駆動側のカートリッジホルダと、可動部材である支持部材65を介して行っていた。装置本体に対する支持部材65の位置がずれると、支持部材65に支持されたカートリッジPの装置本体に対する位置もずれる。カートリッジPを装置本体に高精度に位置決めするためには、装置本体に対しての支持部材65の位置決めを高精度に行う必要があった。
【0102】
また、支持部材65の寸法を高精度に管理する必要があり、特に支持部材65の溝部65bを形成する部品に板金を用いて対応していた。これにより、コストがかかっていた。
【0103】
本実施例におけるカートリッジPの位置決めは、前記のように、駆動側および非駆動側のカートリッジホルダ51、52、および駆動側本体側板53で行うため、共に装置本体2の中底板55に対して固定部品であるため、位置精度の管理が容易である。また、駆動側の本体側板53にカートリッジPの回転止め機能を付与したため、従来例のように支持部材65には板金が不必要になり、コスト低減を図ることができる。
【0104】
《トレイ70のシフト機構》
トレイ70のシフト機構を説明する。図9の(a)は装置本体2の一部を、装置本体2の右側手前から見た斜視図である。(b)は分解斜視図である。装置本体2には、トレイ70およびカートリッジPを出し入れするための開口2Bが設けられている。ドア3は、回転中心ボス3aを中心に回動し、開口2Bを開放する開位置と、開口71を塞ぐ閉位置とに移動可能なように装置本体2に設けられている。また、ドア3には、ボス3aとは異なる位置に前ドア係合ボス3bが設けられている。ボス3bは装置本体2の有するリンク72の前ドア係合溝72aと係合している。
【0105】
リンク72は、例えば駆動側の本体側板53から切り起こされたガイド53cなどにより、装置本体2の前後方向(矢印A方向:第1の方向)にのみ移動可能に支持されている。リンク72の前ドア係合溝72aは装置本体2の上下方向(矢印B方向:第2の方向)への長穴となっている。さらに、リンク72には装置本体2の上下方向(矢印B方向)へ長穴となったレール係合溝72bが設けられている。レール係合溝72bには、レール73に設けられたボス73aが係合している。
【0106】
ここで、レール73とは、上部にトレイ70を搭載し、トレイ70を装置本体2に対して前後方向(矢印A方向)に出し入れ可能にするためのガイドである。特にトレイ70の出し入れ動作を容易にするために、レール73には回転可能なコロ73bが設けられている。リンク72とレール73との間には駆動側の本体側板53が配置されている。
【0107】
また、駆動側の本体側板53にはクランク溝53dが設けられている。レール73の有するボス73aは、駆動側の本体側板53のクランク溝53dに係合している。なお、装置本体2の非駆動側にも、上述と同様なリンクやガイドなどを有するシフト機構が対称に配設されている。
【0108】
ドア3が閉じられている状態時には、前ドア係合ボス3bが回転中心ボス3aよりも後方に位置している。これによりボス3aに対して前ドア係合溝72aが係合している駆動側と非駆動側のリンク72はそれぞれ後方に押されて後退位置に位置している。そのためリンク72のレール係合溝72bに係合しているレール73側のボス73aは、図10Aの(a)のように、クランク溝53dの低位部である後端部53d−Dに移動されている。これにより、駆動側と非駆動側のレール73は共に図10Aの(b)のように低位部に位置して保持されている。
【0109】
レール73に搭載されているトレイ70はレール73が低位部に位置して保持されているので、装置本体2の内側のカートリッジ収容部2Aにおいて上下方向の低位部に位置している。このトレイ70の低位部位置が第1の内側位置(I)である。
【0110】
トレイ70が第1の内側位置(I)に位置している状態においてはトレイ70の各横長小枠部71に収容されている各カートリッジPは、円弧部24a、25aが装置本体2側のV字部51a、52aに受け止められている(図10Bの(b))。また、下向きコの字溝部材24bが装置本体2側の回転止め部53bに係合していて回り止めされている(図10Aの(b))。
【0111】
また、トレイ70側のV字部70a、70bはカートリッジP側のボス24c、25cから離間している(図10Aの(b)、図10Bの(a))。また、トレイ70側の規制面70cはカートリッジP側の凸部24dから離間している(図10Bの(b))。即ち、トレイ70は第1の内側位置(I)に位置している状態においては各カートリッジPと縁が切れていてカートリッジPを支持していない。
【0112】
そして、トレイ70が第1の内側位置(I)に位置している状態において、カートリッジPはドラムユニット8側が加圧機構80により上から加圧されている。これにより、各カートリッジPが装置本体2側の加圧機構80とV字部51a、52aとの間に挟み込まれて装置本体2の内側のカートリッジ収容部2Aにおいて所定の装着位置に位置決め固定されて保持されている。
【0113】
また、装着位置に位置決め固定されている各カートリッジPのカップリング4aとカップリング42に対してそれぞれ装置本体側の駆動出力部としてのカップリング91と92が結合している。また、カートリッジP側の電気接点と装置本体2の側の電気接点とが電気的に導通している。また、各カートリッジPのドラム4の下面がベルト12に接していて1次転写部が形成されている。上記の状態において装置1は画像形成動作が可能である。
【0114】
ドア3が閉じられている状態から開かれることで、前述したように、ドア3の開き動作の初期段階において、各カートリッジPのカップリング4aとカップリング42に対する装置本体側のカップリング91と92が退避動作してカップリング結合が解除される。また、カートリッジP側の電気接点に対する装置本体2の側の電気接点が退避して電気的導通が解除される。加圧機構80が加圧解除動作して各カートリッジPの位置決め固定が解除される。
【0115】
そして、引き続くドア3の開き動作に伴って前ドア係合ボス3bが回転中心ボス3aよりも後方の位置からボス3aを中心に前方と上方に移動する。これによりボス3aに対して前ドア係合溝72aが係合している駆動側と非駆動側のリンク72がそれぞれ前方に引かれて前進位置に移動する。そのため、リンク72のレール係合溝72bに係合しているレール73側のボス73aは、図11Aの(a)のように、クランク溝53dの低位部である後端部53d−Dから斜面部に沿って高位部である前端部53d−Uに移動する。
【0116】
これにより、駆動側と非駆動側のレール73が共に前方と上方に移動し、ドア3が所定の開き角度まで十分に開かれた状態においては図11Aの(b)のように図10Aの(b)よりも所定に高い高位部に位置して保持される。
【0117】
レール73に搭載されているトレイ70は上記のようにレール73が低位部から高位部へ移動するのに伴って上昇移動して装置本体2の内側において上下方向の高位部に位置して保持される。このトレイ70の高位部位置が第2の内側位置(II)である。
【0118】
ここで、トレイ70は第1の内側位置(I)と第2の内側位置(II)に位置している状態においては、後述するように、係止部により装置本体側に係止されていて前方への移動が規制されている。係止部はトレイ70の前方への移動は規制するけれども、トレイ70の上下方向への移動は許容する構成になっている。そのため、レール73は上記のようにドア3の開き動作に伴い前方と上方に移動するけれども、トレイ70は係止部により前方への移動は規制されてレール73の上昇に伴い第1の内側位置(I)から垂直に上昇して第2の内側位置(II)に移動して保持される。
【0119】
トレイ70が第1の内側位置(I)から第2の内側位置(II)へ垂直に上昇していく途中において、各カートリッジPのボス24c、25cに対してトレイ70側の各対応するV字部70a、70bが係合する(図11Bの(a))。また、各カートリッジPの凸部24dに対してトレイ70側の各対応する規制面70cが係合する(図11Bの(b))。これにより、各カートリッジPがトレイ70に対して各対応する横長小枠部71において安定に支持された状態になる。
【0120】
そして、トレイ70の更なる上昇に伴い各カートリッジPがトレイ70と共に上昇することで、各カートリッジP側の円弧部24c、25cが装置本体2側の各対応するV字部51a、52aから浮き上がって離間する(図11Aの(b)、図11Bの(c))。また、各カートリッジP側の下向きコの字溝部材24bが装置本体2側の回転止め部53bから浮き上がって離間する(図11Aの(b))。また、各カートリッジP側のドラム4の下面がベルト12から浮き上がって離間する(図11Aの(b))。
【0121】
トレイ70はドア3が所定の開き角度まで十分に開かれた状態においては第1の内側位置(I)よりも所定に高位の第2の内側位置(II)に移動した状態になって安定に保持される。
【0122】
図12、図13によりトレイ70の係止部について説明する。図12の(a)はトレイ70の前枠部分を上から見た斜視図、(b)は下から見た斜視図である。トレイ70の前枠部分には、支持部材係止部(トレイ係止部)74、把持部75、把持押圧バネ76が設けられている。係止部74と把持部75とは、係止部74の溝74aと把持部75のボス75aとで係合して連動する構成となっている。また、係止部74の先端にはテーパ面74bが設けられている。また、把持部75は把持押圧バネ76により常に本体奥側(矢印N方向)へ押圧されている。
【0123】
図13は、トレイ70を装置本体2の上方から見た図である。(a)は、トレイ70が装置本体2から引き出されている状態(引き出し位置)を示し、係止部74はトレイ70の前枠部分の駆動側の側面70dから突出している。トレイ70を装置本体2に挿入する際には、(b)に示すように、例えば駆動側の本体側板53に設けられた凸部53eに当接するが、係止部74の先端のテーパ面74bを利用して、係止部74がバネ76に抗して矢印J方向へ退避する。
【0124】
図13の(c)はトレイ70を装置本体2に対してさらに挿入させた状態を示している。駆動側の本体側板53の凸部53eとの干渉が回避され、係止部74は再度、トレイ側面70dから突出する。ここで、装置本体2には、トレイ70に対して矢印Nとは逆方向への押圧力を付与するトレイ規制バネ2C(図3、図6、図7)が設けられている。
【0125】
したがって、トレイ70は使用者により(c)の位置まで挿入されるが、最終的には図(d)に示すように、係合部74と駆動側の本体側板53の凸部53eとが当接した位置に規制される。(d)は、装置本体2に対してカートリッジPがドラム4に形成された潜像を現像しない第2の内側位置にある状態を示している。係合部74と駆動側の本体側板53の凸部53eとは垂直面で当接しており、これによりトレイ70は前方への移動は規制された状態で上下方向への移動は許容される。
【0126】
第2の内側位置に移動しているトレイ70は、把持部75が使用者によってバネ76の押圧力に抗して矢印Nとは逆方向へ移動されることにより、係止部74が矢印J方向(図13の(b))へ移動して凸部53eとの当接が解除される。これにより、使用者はトレイ70を前述したように装置本体手前方向(矢印Nとは逆方向)に引き出して装置本体2の外側の引き出し位置(III)に移動させてカートリッジの新旧交換をすることができる。
【0127】
図14は第2の内側位置(II)あるいは引き出し位置(III)におけるトレイ70に搭載されているカートリッジPの支持状態を示している。図14においては、説明のために、トレイ70の一部を部分断面図として示している。
【0128】
前述したように、トレイ70には各カートリッジPにそれぞれ対応して駆動側および非駆動側に第2の位置決め部としての上方が開放されたV字部70a、70bが設けられている。また、各カートリッジPにそれぞれ対応して第2の規制部としての上方が解放された規制面70cとが設けられている。カートリッジPをトレイ70の対応する収容部71に上から挿入すると、カートリッジP側のボス24c、25cがトレイ70側のV字部70a、70bと係合する。また、カートリッジP側の凸部24dがトレイ70側の規制面70cに当接する。
【0129】
トレイ70上のカートリッジPに作用する力は重力のみである。また、カートリッジPの重心Gは、装置本体2の前後方向(矢印A方向:第1の方向)において、回転中心としてのボス24c、25cと、回転止めとしての凸部24dの間にある。したがって、カートリッジP側の駆動側および非駆動側のボス24c、25cはそれぞれトレイ70側の駆動側および非駆動側のV字部70a、70bに嵌り込み、カートリッジPはトレイ70上で高精度に位置決めが行われる。
【0130】
図15の(a)はドア3が開かれていてトレイ70が装置本体2の内側の第2の内側位置(II)に位置している状態を示している。図15の(b)においては、説明の便宜上、カートリッジP、レール73、駆動側のカートリッジホルダ51、および、駆動側本体側板53の一部を示している。図16の(a)はドア3が閉位置へ移動している最中の状態を示している。図16の(b)も、説明の便宜上、カートリッジP、レール73、駆動側カートリッジホルダ51、および、駆動側の本体側板53の一部を示している。
【0131】
図16においては、ドア3は十分には閉位置へ移動していない。ドア3の開位置から閉位置への移動に伴い、前ドア係合ボス3bと係合したリンク72は装置本体2の後方奥側(矢印N方向)へ移動する。この移動に伴い、レール係合溝72bと係合したレール73も装置本体2の後方奥側(矢印N方向)へ移動する。
【0132】
ここで、レール73に設けられたボス73aは、駆動側の本体側板53のクランク溝53dにも係合しているため、リンク72の装置本体2の後方奥側(矢印N方向)への移動と併せて、クランク溝53dに沿って下方へも移動する。このとき、レール73上に搭載されたトレイ70は、前述のように、係合部により装置本体2の前後方向(矢印A方向)に位置規制されているため、結果として、トレイ70は下降のみが行われる。
【0133】
このトレイ70の下降に伴い、カートリッジPも装置本体2に対して下降する。このとき、カートリッジP側の円弧部24a、25aが装置本体2側のV字部51a、52aに当接する構成となっている(図15、図16には駆動側部品のみ示す)。さらに、カートリッジP側の部材24bが、駆動側の本体側板53から切り起こされた回転止め部53bと係合する構成となっている。
【0134】
部材24bの先端には、回転止め部53bを誘い込むために、図17に示すように、テーパ24eが設けられている。特にトレイ70上でのカートリッジPの位置ばらつきや、装置本体2に対するトレイ70の位置ばらつきを考慮した誘い込み量が必要になる。
但し、図14〜図16に示すように、第1の位置決め部51a、52a及び第1の規制部53bは、トレイ70が第2の内側位置(II)に位置している状態で、第1の方向Aにおいて、第2の位置決め部70a、70bと第2の規制部70cとの間に位置する。
即ち、第1の方向Aにおいて、カートリッジP側の円弧部24a、25a及び部材24bは、カートリッジP側のボス24c、25cと凸部24dとの間に位置し、トレイ70に対して極力位置精度良く支持されていることになる。したがって、トレイ70が下方に移動した際に、カートリッジPを装置本体2にスムーズに位置決することができる。特に、部材24bと回転止め部53bがスムーズに係合することができる。
【0135】
図17の(a)は、部材24bと回転止め部53bとに位置ずれ量m1がある場合を示している。この場合、部材24bと回転止め部53bとを係合させるためには、部材24bには誘い込み量m1が必要である。また、カートリッジPの昇降量m2が必要である。
【0136】
一方、図17の(b)は、カートリッジPの部材24bと回転止め部53bとに位置ずれ量n1がある場合を示している。ここで、位置ずれ量n1は、位置ずれ量m1よりも大きい。この場合、部材24bと回転止め部53bとを係合させるためには、部材24bには誘い込み量n1が必要である。また、カートリッジPの昇降量m2は昇降量m1よりも多く必要になる。すなわち、装置本体2の高さが増えることになる。
【0137】
本実施例によるトレイ70上でのカートリッジPの位置決め構成によれば、トレイ70にV字部70a、70bが設けられているため、カートリッジPはトレイ70上でガタなく高精度に位置決めが行われる。そのため、カートリッジPの部材24bの先端にはより小さな誘い込みのテーパがあれば十分となる。結果として、装置本体2内でのカートリッジPの昇降量を小さくすることができ、装置本体2の小型化を図ることができる。
【0138】
図18の(a)はドア3が閉位置にある状態を示している。図16の状態からさらにドア3を閉めると、前述と同様に、レール73およびトレイ70が下降する。しかし、図16の状態で既にカートリッジPは、自身の下方を駆動側および非駆動側のカートリッジホルダ51、52で受けられているため、カートリッジPがさらに下降することはない。
【0139】
また、カートリッジPのボス24c、25c、および、凸部24dとそれぞれ係合するトレイ70のV字部70a、70b、および、規制面70cは共に上方が開放されている。このため、トレイ70は自由に下降動作を行うことができる。これにより、トレイ70とカートリッジPとは離間する。
【0140】
上述した実施例の画像形成装置1およびカートリッジPの構成をまとめると次のとおりである。
【0141】
(1)複数のカートリッジP(PY・PM・PC・PK)が着脱可能な、記録媒体Sに画像を形成するための画像形成装置1である。装置1は複数のカートリッジPを支持する支持部材70を有する。支持部材70は画像形成装置の装置本体2の外側に引き出し、カートリッジPを着脱可能にする引き出し位置(III)をとることができる。
【0142】
また、支持部材70は装置本体2の内側でカートリッジを装置本体2に位置決めする第1の内側位置(I)をとることができる。また、支持部材70は装置本体2の内側で引き出し位置(III)と第1の内側位置(I)との間に位置する第2の内側位置(II)をとることができる。
【0143】
装置本体2には、第1の位置決め部51a、52a、及び、第1の規制部53bが設けられている。第1の位置決め部51a、52aは支持部材70が第1の内側位置(I)に位置する際に、カートリッジPを位置決めする。第1の規制部53bはカートリッジPが第1の位置決め部を中心に回転するのを規制する。
【0144】
また、装置本体2には、第2の位置決め部70a、70b、及び、第2の規制部70cが設けられている。第2の位置決め部70a、70bは支持部材70が引き出し位置(III)と第2の内側位置(II)との間に位置する際に、カートリッジPを位置決めする。第2の規制部70cはカートリッジPが第2の位置決め部を中心に回転するのを規制する。上記の支持部材70が引き出し位置(III)と第2の内側位置(II)との間に位置するには、支持部材70が引き出し位置(III)に位置している状態、および、第2の内側位置(II)に位置している状態時も含む。
【0145】
そして、第2の位置決め部70a、70b及び第2の規制部70cは、支持部材70が第1の内側位置(I)に位置する際は、カートリッジPと離間する。
【0146】
(2)支持部材70が引き出し位置(III)と第2の内側位置(II)との間を移動する方向Aを第1の方向とする。この第1の方向Aと直交する方向Bを第2の方向とする。支持部材70は、引き出し位置(III)と第2の内側位置(II)との間を移動する際は、第2の方向Bにおいて、第1の位置決め部51a、52aと第1の規制部53bとの間を通過する。
【0147】
(3)第1の位置決め部51a、52a及び第1の規制部53bは、支持部材70が第2の内側位置(II)に位置している状態で、第1の方向Aにおいて、第2の位置決め部70a、70bと第2の規制部70cとの間に位置する。
【0148】
(4)第2の位置決め部70a、70b及び第2の規制部70cは第2の方向(B)において、第1の位置決め部51a、52aと第1の規制部53bとの間に位置する。
【0149】
(5)上記のような画像形成装置に着脱可能なカートリッジPであって、第1の位置決め部51a、52aと係合する第1の被位置決め部24a、25aと、第1の規制部53bと係合する第1の被規制部24bと、を有する。また、第2の位置決め部70a、70bと係合する第2の被位置決め部24c、25cと、第2の規制部70cと係合する第2の被規制部24cと、を有する。
【0150】
(6)カートリッジPは、電子写真感光体4に形成された静電潜像を現像する為の現像カートリッジである。
【0151】
(7)カートリッジPは、電子写真感光体4と、電子写真感光体に作用するプロセス手段を有する。
【0152】
(8)第1の被位置決め部24a、25aは、電子写真感光体である感光体ドラムと同軸線上に設けられている。
【0153】
(9)カートリッジPの重心Gは、支持部材70が第1の方向(A)において、前記第2の被位置決め部24c、25cと第2の被規制部24cとの間に設けられている。
【0154】
以上説明したように、カートリッジPには、装置本体2内で自身の位置決めを行うための円弧部(第1の被位置決め部)24a、25aと下向きコの字溝部材(第1の被規制部)24bが設けられている。また、トレイ70に対してカートリッジPの位置決めを行うためのボス(第2の被位置決め部)24c、25cと凸部(第2の被規制部)24dが設けられている。
【0155】
さらに、トレイ(支持部材)70には、カートリッジPのトレイ70に対する位置決めボス24c、25cを受けるV字部(第2の位置決め部)70a、70bが設けられている。また、トレイ70には、カートリッジPのトレイ70に対する回転止めとしての凸部24dを受ける規制面(第2の規制部)70cが設けられている。
【0156】
これにより、カートリッジPをトレイ70上で高精度に位置決めして装置本体2に受け渡すことができる。また、カートリッジPの回転止めとしての部材24bの先端の誘い込み量を小さくでき、カートリッジPの装置本体2内での昇降量を小さくできる。結果として、装置本体2の小型化を図ることができる。
【0157】
《その他の事項》
(1)上記の実施例では、カートリッジPの回転位相決めとして駆動側のカバー部材24と駆動側の本体側板53とを係合させる構成であった。カートリッジPの駆動側の端部には現像駆動カップリング42が設けられ、装置本体の現像駆動出力を受ける構成となっている。駆動受け渡し部を高精度に位置決めすることが重要である。そのため、カートリッジPの回転位相決めを駆動側で行った方が好ましい。ただし、カートリッジPの位置決めとしては、上記の限りではなく、回転位相決めとして、非駆動側のカバー部材25と非駆動側の本体側板54とを係合させる構成でもよい。
【0158】
(2)また、上記においては、装置本体2へ装着するカートリッジPは、電子写真感光体、帯電手段、クリーニング手段、現像装置等をまとめてカートリッジ化した一体型のプロセスカートリッジについて説明した。カートリッジPはこれに限られず、分離型のプロセスカートリッジ、電子写真感光体(像担持体)に形成された静電潜像を現像する為の現像カートリッジなどであってもよく、それらの装置本体2への装着についても同様の構成を用いることができる。
【0159】
(3)また、上記においては、4個のカートリッジが着脱可能なフルカラー電子写真画像形成装置を例示している。しかしながら、装置に装着するカートリッジの個数はこれに限定されるものではなく、個数は適宜設定されるものである。本発明は、2個以上の複数のカートリッジが着脱可能な画像形成装置に適用することができる。
【0160】
(4)画像形成装置は上記実施例のようなプリンタに限定されるものではない。例えば複写機、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置や、或いはこれらの機能を組み合わせた複合機等の他の画像形成装置であってもよい。
【0161】
(5)画像形成装置の画像形成プロセスは電子写真プロセスに限られない。像担持体として静電記録誘電体を用いる静電記録プロセス、磁気記録磁性体を用いる磁気記録プロセスなどであってもよい。
【符号の説明】
【0162】
1・・画像形成装置、2・・装置本体、P(PY・PM・PC・PK)・・複数のカートリッジ、S・・記録媒体、70・・支持部材、(I)・・第1の内側位置、(II)・・第2の内側位置、(III)・・引き出し位置、51a、52a・・第1の位置決め部、53b・・第1の規制部、70a、70b・・第2の位置決め部、70c・・第2の規制部
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のカートリッジが着脱可能な、記録媒体に画像を形成するための画像形成装置およびカートリッジに関する。
【0002】
画像形成装置は、例えば、電子写真プロセス、静電記録プロセス、磁気記録プロセスなどの画像形成プロセスを用いて記録媒体に画像を形成するものである。例えば、複写機、プリンタ(LEDプリンタ、レーザービームプリンタなど)、ファクシミリ装置、ワードプロセッサー、それらの複合機能機などが含まれる。記録媒体とは、画像形成装置によって画像が形成されるものであって、例えば、紙、OHTシート、ラベル等が含まれる。
【0003】
カートリッジとは、例えば、プロセスカートリッジ或いは現像カートリッジであって、画像形成装置の装置本体に取り外し可能に装着された状態で、記録媒体に画像を形成する画像形成プロセスに寄与するものである。装置本体とは、画像形成装置の構成からカートリッジを除いた装置構成部分のことである。
【0004】
プロセスカートリッジとは、潜像が形成される像担持体と、該像担持体に作用する画像形成プロセス手段、例えば、帯電手段、現像手段、クリーニング手段などの少なくとも一つとを一体的にカートリッジ化して、装置本体に取り外し可能に装着されるものである。像担持体は、電子写真プロセスにおける電子写真感光体、静電記録プロセスにおける静電記録誘電体、磁気記録プロセスにおける磁気記録磁性体などである。プロセスカートリッジは、使用者自身によって装置本体に対する着脱を行うことができる。そのため、装置本体のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0005】
従って、プロセスカートリッジとは、像担持体とプロセス手段としての現像手段とを一体的にカートリッジ化して、装置本体に取り外し可能に装着されるものが含まれる。像担持体と現像手段とを一体的に有するプロセスカートリッジは所謂一体型と称される。また、像担持体と、現像手段以外のプロセス手段とを一体的に有するプロセスカートリッジは所謂分離型と称される。即ち、現像手段はプロセスカートリッジとは別の現像ユニットに設けて、この現像ユニットと対になって画像を形成するプロセスカートリッジを所謂分離型と称する。
【0006】
また、現像カートリッジとは、現像ローラ(現像剤担持体)を有し、現像ローラによって、像担持体に形成された潜像を現像するのに用いられる現像剤(トナー)を収容しており、装置本体に取り外し可能に装着されるものである。現像カートリッジも、使用者自身によって装置本体に対する着脱を行うことができる。そのため、装置本体のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0007】
現像カートリッジの場合には、像担持体は装置本体或いはカートリッジ支持部材に取り付けられている。或いは、像担持体は所謂分離型プロセスカートリッジに設けられている(この場合には、プロセスカートリッジは、現像手段を有してはいない)。
【0008】
そこで、カートリッジとしては、所謂一体型又は所謂分離型のプロセスカートリッジが含まれる。また、カートリッジとしては、所謂分離型のプロセスカートリッジと現像カートリッジが対になって用いられる場合が含まれる。また、カートリッジとしては、像担持体が装置本体或いはカートリッジ支持部材に固定して取り付けられており、像担持体に作用可能に現像カートリッジが着脱可能に用いられる場合が含まれる。また、カートリッジとしては、プロセスカートリッジ或いは現像カートリッジ等に補給する現像剤(トナー)を収容している現像剤カートリッジが含まれる。
【背景技術】
【0009】
便宜上、電子写真プロセスを用いたプリンタ等の電子写真画像形成装置を例にして説明する。像担持体である電子写真感光体を一様に帯電させ、電子写真感光体への選択的な露光によって潜像を形成する。そして、潜像は現像剤で現像され、現像剤像として顕在化され、記録媒体に転写される。転写された現像剤像に熱や圧力を加えることで記録媒体に固着画像として定着させて画像を記録している。
【0010】
このような電子写真画像形成装置は現像剤補給や各種プロセス手段のメンテナンスを伴っていた。この現像剤補給作業やメンテナンスを容易にする手段として、電子写真感光体、帯電手段、現像手段、クリーニング手段等の全てもしくは一部を枠体内にまとめてカートリッジ化する。そして、このカートリッジを電子写真画像形成装置の装置本体に着脱可能とするカートリッジ方式が採用されている。
【0011】
このカートリッジ方式によれば、装置のメンテナンスをカートリッジの交換という形でユーザ自身が行えるため、格段に操作性を向上させることができた。よって、このカートリッジ方式は電子写真画像形成装置において広く用いられている。
【0012】
ここで、複数個のカートリッジを略水平方向に並べて配置した電子写真画像形成装置がある。この電子写真画像形成装置に対して、カートリッジの着脱を容易にするため、複数のカートリッジを一体的に引き出す構成が提案されている(特許文献1)。そして、電子写真画像形成装置に対して挿入、および、引き出すことが可能な可動部材である支持部材を有し、支持部材上に複数のカートリッジを搭載する構成となっている。
【0013】
また、装置本体内でのカートリッジの位置を規制するために、支持部材に回転止め部を設け、また、カートリッジに回転止めボスを設けたものがある(特許文献2)。支持部材に設けられた回転止め部と、カートリッジの回転止めボスが係合することで、装置本体内でのカートリッジの位置を規制する構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開平5−173375号公報
【特許文献2】特開2008−292804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は上記従来技術を更に発展させたものである。すなわち、従来構成では、可動部材である支持部材にカートリッジの位置規制部が設けられていた。そのため、装置本体内でのカートリッジの位置決めを高精度に行うためには、装置本体に対する支持部材の位置決めを高精度に行う必要があった。また、支持部材の寸法を高精度に管理する必要があり、特に支持部材の回転止め部を形成する部品の材質に板金を用いて対応していた。一般的に樹脂よりも板金は高精度な加工が可能である為である。しかし、これにより、コストが高くなっていた。
【0016】
そこで、本発明の目的は、装置本体に対するカートリッジの位置決めを高精度に、且つ、低コストで行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、複数のカートリッジが着脱可能な、記録媒体に画像を形成するための画像形成装置であって、前記複数のカートリッジを支持する支持部材であって、前記画像形成装置の装置本体の外側に引き出して前記カートリッジを着脱可能にする引き出し位置と、前記装置本体の内側で前記カートリッジを前記装置本体に位置決めする第1の内側位置と、前記装置本体の内側で前記引き出し位置と前記第1の内側位置との間に位置する第2の内側位置と、をとる支持部材と、前記装置本体に設けられた、前記支持部材が前記第1の内側位置に位置する際に、前記カートリッジを位置決めする第1の位置決め部、及び、前記カートリッジが前記第1の位置決め部を中心に回転するのを規制する第1の規制部と、前記支持部材に設けられた、前記支持部材が前記引き出し位置と前記第2の内側位置との間に位置する際に、前記カートリッジを位置決めする第2の位置決め部、及び、前記カートリッジが前記第2の位置決め部を中心に回転するのを規制する第2の規制部と、を有し、前記第2の位置決め部及び前記第2の規制部は、前記支持部材が前記第1の内側位置に位置する際は、前記カートリッジと離間することを特徴とする。
【0018】
また、上記の目的を達成するための本発明に係るカートリッジの代表的な構成は、上記の画像形成装置に着脱可能なカートリッジであって、前記第1の位置決め部と係合する第1の被位置決め部と、前記第1の規制部と係合する第1の被規制部と、前記第2の位置決め部と係合する第2の被位置決め部と、前記第2の規制部と係合する第2の被規制部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、装置本体に対するカートリッジの位置決めを高精度に、且つ、低コストで行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1A】実施例の画像形成装置について、前ドアが開けられてトレイ(支持部材)が装置本体の開口から装置本体の外側に引き出されている状態を示している、駆動側からみた斜視図
【図1B】同じく非駆動側からみた斜視図
【図2】画像形成装置の外観斜視図
【図3】同装置の縦断右側面の模式図
【図4】図3における1つのカートリッジ分部の拡大図
【図5】(a)はカートリッジを駆動側から見た斜視図、(b)は非駆動側から見た斜視図
【図6】前ドアが開かれてトレイが第1の内側位置(I)から第2の内側位置(II)に上昇移動した状態時を示した図
【図7】トレイが第2の内側位置(II)から装置本体の外側の取り出し位置(III)に引き出されている状態時を示した図
【図8】装置本体とカートリッジとの位置決め部及び被位置決め部の説明図
【図9】装置本体に対するトレイのシフト機構の説明図(その1)
【図10A】装置本体に対するトレイのシフト機構の説明図(その2)
【図10B】装置本体に対するトレイのシフト機構の説明図(その3)
【図11A】装置本体に対するトレイのシフト機構の説明図(その4)
【図11B】装置本体に対するトレイのシフト機構の説明図(その5)
【図12】装置本体に対するトレイの係止部の説明図(その1)
【図13】装置本体に対するトレイの係止部の説明図(その1)
【図14】トレイとカートリッジとの位置決め部及び被位置決め部の説明図(その1)
【図15】トレイとカートリッジとの位置決め部及び被位置決め部の説明図(その2)
【図16】トレイとカートリッジとの位置決め部及び被位置決め部の説明図(その3)
【図17】下向きコの字溝部材と回転止め部の係合説明図
【図18】装置本体とカートリッジとの位置決め部及び被位置決め部の説明図
【図19】従来例のカートリッジ位置決め方法を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0021】
[実施例]
《画像形成装置例の全体的な概略構成》
図2は本実施例における画像形成装置1の外観斜視図、図3は縦断右側面図である。この装置1は、複数のカートリッジとして第1から第4の4つのプロセスカートリッジP(PY・PM・PC・PK)を有する、電子写真プロセスを用いた4色フルカラーのレーザプリンタである。装置1はパソコン・イメージリーダ等の外部ホスト装置200から制御回路部(制御回路基板)100に入力する電気的な画像信号に基づいてシート状の記録媒体Sに4色フルカラー画像或いはモノカラー画像を形成することができる。
【0022】
ここで、装置1に関して前側(正面側)とは装置開閉ドア(前ドア)3を配設した側である。後側(背面側)とはそれとは反対側である。前方向とは装置1の後側から前側に向う方向である。後方向とはその逆の方向である。左とは装置1を前側から見て左側、右とは装置1を前側から見て右側である。左方向とは右から左に向う方向、右方向とは左から右に向う方向である。上と下とは重力方向において上と下であり、上方向とは下から上に向う方向、下方向とは上から下に向う方向である。
【0023】
また、長手方向とは像担持体としての電子写真感光体ドラム4の回転軸線方向に並行な方向である。短手方向とは前記長手方向に直交する方向である。また、長手方向の一端側が駆動側、他端側が非駆動側である。本実施例においては、長手方向の右端側が駆動側、左端側が非駆動側である。
【0024】
2Aは装置本体2の内部に設けられているカートリッジ収容部である。このカートリッジ収容部2Aには、装置本体2の後側から前側にかけて、第1から第4の4つのカートリッジPY・PM・PC・PKが水平方向に並べられて収容(インライン構成、タンデム型)されている。
【0025】
図4は図3における1つのカートリッジ部分の拡大図である。本実施例において、各カートリッジPは、何れも像担持体としての電子写真感光体ドラム4と、このドラム4に作用するプロセス手段としての、帯電手段、現像手段、クリーニング手段とを有する一体型のプロセスカートリッジである。
【0026】
本実施例においては、帯電手段としては帯電ローラ5、クリーニング手段としてはクリーニングブレード7、現像手段としては現像ローラ6を用いている。各カートリッジPはそれぞれ同様の電子写真プロセス機構を有しており、現像剤(以下、トナーと称す)の色が各々異なるものである。カートリッジPのより具体的な構成については後述する。
【0027】
第1のカートリッジPYは、現像装置9にイエロー(Y)色のトナーが収容されており、ドラム4の表面にY色のトナー像が形成される。第2のカートリッジPMは、現像装置9にマゼンタ(M)色のトナーが収容されており、ドラム4の表面にM色のトナー像が形成される。第3のカートリッジPCは、現像装置9にシアン(C)色のトナーが収容されており、ドラム4の表面にC色のトナー像が形成される。第4のカートリッジPKは、現像装置9にブラック(K)のトナーが収容されており、ドラム4の表面にK色のトナー像を形成される。
【0028】
カートリッジ収容部2Aに収容されている各カートリッジPは、ドア3が装置本体2に対して閉じ込まれている状態において、それぞれ、加圧機構80により上から加圧されている。これにより、各カートリッジPは装置本体2側の後述する位置決め部に対して押圧により位置決め固定されて保持されている。
【0029】
この状態において、装置本体2の側からカーリッジPに対してドラム4を回転させる駆動力の伝達が可能であり、ドラム4は矢印Dの反時計方向に所定の周速度にて回転駆動される。また、装置本体2の側からカーリッジPに対して現像ロ−ラ6を回転させる駆動力の伝達が可能であり、現像ローラ6は矢印Eの時計方向に所定の周速度にて回転駆動される。また、装置本体2の側からカーリッジPに対して帯電ローラ5や現像ローラ6への所定のバイアス電圧(帯電バイアス、現像バイアス等)の印加が可能である。
【0030】
カートリッジPY・PM・PC・PKの上方には、露光手段としてのレーザスキャナユニットLBが設けられている。このユニットLBは、制御回路部100で画像処理された画像情報に対応したレーザ光Zを出力する。そして、レーザ光Zは、カートリッジPの上面側の露光窓部10を通過してドラム4の表面を走査露光する。
【0031】
カートリッジPY・PM・PC・PKの下方には、転写部材としての中間転写ベルトユニット11が設けられている。このユニット11は、駆動ローラ13、ターンローラ14、テンションローラ15を有し、それらに可撓性を有する転写ベルト12が掛け渡されている。駆動ローラ13とテンションローラ15は装置本体2内の後側に配設されている。ターンローラ14は装置本体2内の前側に配設されている。
【0032】
各カートリッジPのドラム4は、それらの下面が、ベルト12の上行側ベルト部分の上面に対して接している。ベルト12の内側には、ベルト12の上行側ベルト部分を介して各カートリッジPのドラム4の下面に当接する1次転写ローラ16が配設されている。各カートリッジPにおいてドラム4とベルト12との接触部が1次転写部である。駆動ローラ13にはベルト12を介して2次転写ローラ17が当接されている。ベルト12と2次転写ローラ17との接触部が2次転写部である。
【0033】
ユニット11の下方には、給送ユニット18が配設されている。このユニット18は、記録媒体Sを積載して収容した給紙トレイ19、給紙ローラ20、リタードローラ対20a、レジストローラ対20bを有する。トレイ19は装置本体2の前側から出し入れ可能自由である(フロントローデング)。19aはトレイ19の前面板に設けられた取手部である。また、装置本体2内の後側には、定着ユニット21と、排出ユニット22が配設されている。装置本体2の上面は排出トレイ23とされている。
【0034】
《画像形成動作》
フルカラー画像を形成するための動作は次のとおりである。各カートリッジPのドラム4が所定の速度で回転駆動される(図4の矢印D)。また、ベルト12もドラム4の回転に順方向(図4の矢印C)にドラム4の速度に対応した速度で回転駆動される。ユニットLBも駆動される。
【0035】
本実施例において帯電手段としての帯電ローラ5はドラム4に対して所定の押圧力で当接させた接触帯電部材としての導電性ローラであり、ドラム4の回転に従動して回転する。そして、ユニットLBの駆動に同期して、各カートリッジPにおいて帯電ローラ5に対して所定の帯電バイアスが印加される。これにより、ドラム4の表面が所定の極性・電位に一様に帯電される。
【0036】
ユニットLBは各ドラム4の表面を各対応色の画像信号に応じてレーザ光Zで走査露光する。これにより、各ドラム4の表面に各対応色の画像信号に応じた静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、現像装置(現像ユニット)9において所定の速度で回転駆動(図4の矢印E)される現像ローラ6によりトナー像として現像される。現像ローラ6には所定の現像バイアスが印加される。
【0037】
このような電子写真画像形成プロセス動作により、第1のカートリッジPYのドラム4にはフルカラー画像のY色成分像に対応するY色トナー像が形成される。そして、そのトナー像がこのカートリッジPYの1次転写部においてベルト12上に1次転写される。転写ローラ16には所定の1次転写バイアスが印加される。
【0038】
同様に、第2のカートリッジPMのドラム4にはフルカラー画像のM色成分像に対応するM色トナー像が形成される。そして、そのトナー像がこのカートリッジPMの1次転写部において、ベルト12上にすでに転写されているY色トナー像に対して重畳されて1次転写される。
【0039】
同様に、第3のカートリッジPCのドラム4にはフルカラー画像のC色成分像に対応するC色トナー像が形成される。そして、そのトナー像がこのカートリッジPCの1次転写部において、ベルト12上にすでに転写されているY色+M色のトナー像に対して重畳されて1次転写される。
【0040】
同様に、第4のカートリッジPKのドラム4にはフルカラー画像のK色成分像に対応するK色トナー像が形成される。そして、そのトナー像がこのカートリッジPKの1次転写部において、ベルト12上にすでに転写されているY色+M色+C色のトナー像に対して重畳されて1次転写される。
【0041】
このようにして、第4のカートリッジPKの1次転写部を通過したベルト12上には、Y色+M色+C色+K色の4色フルカラーの未定着トナー像が形成される。各カートリッジPにおいて、ドラム4からベルト12へのトナー像の1次転写後にドラム4の面に残留した1次転写残トナーはクリーニングブレード7により拭掃されてドラム面から除去される。
【0042】
一方、所定の制御タイミングで給送ユニット18の給紙ローラ20が駆動されて、トレイ19内の記録媒体Sが繰り出され、リタードローラ対20aにより一枚分離されて給送される。その記録媒体Sがレジストローラ対20bにより所定の制御タイミングにて2次転写部に導入されて挟持搬送される。記録媒体Sが2次転写部で挟持搬送される間、2次転写ローラ17には所定の2次転写バイアスが印加される。これにより、記録媒体Sに対してベルト12側の4色重畳のトナー像が順次に一括転写される。
【0043】
2次転写部を出た記録媒体Sはベルト12の面から分離されて定着ユニット21へ導入され、定着ニップ部で加熱・加圧される。これにより、4色重畳のトナー像が溶融混色されてフルカラーの固着像として定着される。そして、記録媒体Sは定着ユニット21を出て、排出ユニット22によりフルカラー画像形成物として排出トレイ23上に排出される。
【0044】
また、記録媒体Sの分離後にベルト12の面に残留した2次転写残トナーは、本実施例においては、第1のカートリッジPYの1次転写部においてドラム4の面に逆転写されてベルト12の面から除去される。そして、ドラム4の面からクリーニングブレード7により拭掃されて1次転写残トナーと共にドラム面から除去される。
【0045】
《カートリッジPの構成》
図4と図5を参照して本実施例のカートリッジP(PY・PM・PC・PK)の構成を説明する。図5の(a)はカートリッジPを駆動側(右端側)から見た外観斜視図、(b)はカートリッジPの非駆動側(左端側)から見た外観斜視図である。
【0046】
カートリッジPは大きく分けて感光体ドラムユニット8と現像装置である現像ユニット9とを有する。ドラムユニット8は、ドラム4、帯電ローラ5、クリーニング枠体としてのクリーニング容器26、クリーニングブレード7を有している。クリーニング容器26の長手方向の一端側と他端側にはそれぞれ駆動側カバー部材(右側板)24と非駆動側カバー部材(左側板)25が一体的に設けられている。
【0047】
ドラム4はカバー部材24と25の下部にそれぞれ設けられた駆動側と非駆動側の軸受部材(不図示)によりカバー部材24と25との間において回転自在に支持されている。帯電ローラ5はドラム4の長手に沿って長く、カバー部材24と25との間においてドラム4の上側にドラム4に並行に配列されている。帯電ローラ5は両端部がそれぞれ可動の軸受部材5aによりに回転自在に支持されると共に、軸受部材5aをドラム4の方向に押圧する付勢部材5bの付勢力によりドラム4に対して所定の押圧力で押し付けられている。帯電ローラ5はドラム4の回転に従動して回転する。
【0048】
クリーニングブレード7はドラム4の長手に沿って長い弾性ゴムブレードである。このブレード7は支持板金7aに保持されており、先端部をドラム4に対して所定の押圧力でドラム4の回転方向に対してカウンタ方向に当接させた状態にして支持板金7aがクリーニング容器26に対して固定されて配設されている。ドラム4の表面に残留した1次転写残トナーはブレード7により掻き落とされてクリーニング容器26内に収容される。
【0049】
現像ユニット9は現像枠体としての現像容器29と、ドラム4に対してトナーを供給してドラム4の静電潜像を現像する現像剤担持体としての現像ローラ6と、現像剤規制部材(現像ブレード)6aを有する。現像ローラ6は、現像容器29、または、現像容器29の長手両端部に設けられた駆動側軸と非駆動側の軸受部材(不図示)とで回転自在に支持されている。現像剤規制部材6aは先端部が現像ローラ6に当接されて配設されており、現像ローラ6の周面にトナーを薄層に規制する役目をする。
【0050】
現像ユニット9はカバー部材24と25との間において所定の揺動軸部(不図示)を中心にして揺動可能に配設されている。現像ユニット9は現像ローラ6がドラム4に対して所定の押圧力で当接(接触現像)するように付勢部材(不図示)により揺動軸部を中心に揺動付勢されている。非接触現像である場合は、現像ローラ6の両端部に配設されたスペーサコロがドラム4の両端側に所定の押圧力で当接して現像ローラ6がドラム4に対して所定の隙間を存して非接触で対向するように付勢部材により揺動軸部を中心に揺動付勢される。
【0051】
クリーニング容器26と現像容器29との間には隙間が形成されている。この隙間部のカートリッジ上面側の開口部が露光窓部10であり、ユニットLBからのレーザ光Zがこの窓部10から隙間部に入りドラム4の表面に至る。
【0052】
駆動側のカバー部材24の外面側には、ドラム4の駆動入力部としてのドラム駆動カップリング4aが配設されている。このカップリング4aはドラム4の回転中心軸線と同軸線上に設けられている。同じくカバー部材24の外面側には、現像ローラ6の駆動入力部としての現像駆動カップリング42が配設されている。
【0053】
カートリッジPが装置本体2内のカートリッジ収容部2Aに所定に装着されて位置決め固定されている状態において、カップリング4aとカップリング42に対してそれぞれ装置本体側の駆動出力部としてのカップリング91と92(図7)が結合している。カップリング91からカップリング4aに駆動力が入力することでドラム4が所定の速度で所定の方向Dに回転駆動される。また、カップリング92からカップリング42に駆動力が入力することでギア箱42a内のギア列(不図示)を介して現像ローラ6に駆動力が伝達され、現像ローラ6が所定の速度で所定の方向Eに回転駆動される。
【0054】
また、カートリッジPが装置本体2内のカートリッジ収容部2Aに所定に装着されて位置決め固定されている状態において、カートリッジP側の電気接点(不図示)と装置本体2の側の電気接点(不図示)とが電気的に導通している。これにより、装置本体2の側からカーリッジPに対して帯電ローラ5や現像ローラ6へのバイアス電圧(帯電バイアス、現像バイアス等)の印加が可能である。
【0055】
カートリッジPは駆動側と非駆動側のカバー部材24と25にそれぞれ設けられた第1の被位置決め部としての円弧部24a、25aを有する。この円弧部24a、25aはそれぞれカバー部材24と25の下辺に下向きに設けられており、ドラム4の回転中心軸線と同軸線上にあり、ドラム4よりも少し大径にしてある。また、駆動側のカバー部材24の外面に第1の被規制部としての下向きコの字溝部材24bを有する。
【0056】
また、カートリッジPは駆動側と非駆動側のカバー部材24と25の外面にそれぞれ設けられた第2の被位置決め部としてのボス24c、25cを有する。また、駆動側のカバー部材24の下辺の端部に第2の被規制部としての下向きの凸部24dを有する。
【0057】
《カートリッジ交換方式》
第1から第4のカートリッジPY・PM・PC・PKは、画像形成に使用されるにつれて、それぞれ、現像ユニット9に収容されている現像剤が消費される。そこで、例えば、個々のカートリッジの現像剤の残量を検知する検知手段(不図示)をカートリッジに設ける。そして、制御回路部100において、前記検知手段によって検知した残量値を、予め設定したカートリッジ寿命予告や寿命警告のための閾値と比較させる。
【0058】
そして、前記残量値が閾値よりも少ない残量値まで現像剤が減少したカートリッジについては、装置本体2側もしくはホスト装置200側の表示部(不図示)に、そのカートリッジについての寿命予告あるいは寿命警告を表示させる。これにより使用者に、交換用のカートリッジの準備を促す、あるいはカートリッジの交換を促して、出力画像の品質を維持している。
【0059】
本実施例の装置1においては、ユーザービリティ向上のために、カートリッジPを支持部材70(カートリッジを支持しながら移動する移動部材:カートリッジトレイ:以下、トレイと記す)に乗せ、フロントアクセスにより交換する方式である。
【0060】
装置本体2の前面側には、装置本体2内へカートリッジを挿入させる、及び、装置本体2からカートリッジを取り出すために、トレイ70と共にカートリッジPを通過させる開口(本体開口部)2Bが設けられている。この開口2Bを閉じる閉鎖位置(閉位置)と、開口2Bを開放する開放位置(開位置)と、の間を移動可能な開閉部材としての前ドア3が設けられている。
【0061】
本実施例においては、ドア3は、ドア下辺側の回転中心ボス3aを中心にして装置本体2に対して開閉回動可能である。図2、図3のように、ドア3を、ボス3aを中心にして起立回動して装置本体2に対して閉じ込むことにより開口2Bが閉鎖される。また、ドア3を、ボス3aを中心に装置本体2の手前側にほぼ水平に倒し回動することで、図6のように、装置本体2から開いて開口2Bを大きく開放することが出来る。31はドア3に設けた取手部である。
【0062】
トレイ70の構成について図1Aと図1Bを参照して説明する。図1Aはドア3が開けられてトレイ70が装置本体2の開口2Bから装置本体2の内側から外側に引き出されている状態を示している、駆動側からみた斜視図である。図1Bは同じく非駆動側からみた斜視図である。なお、装置本体2は外装筐体を省いて装置本体2の骨格をなす板金フレームの状態にて示している。給送ユニット18、定着ユニット21、排出ユニット22が配設される分部の板金フレームは省略してある。
【0063】
トレイ70は、矩形の大枠部の内部を仕切り板で前後方向にほぼ等分に4つに仕切って後側から前側に順に第1から第4の4つの横長小枠部71(71Y・71M・71C・71K)を設けた上下の面が開放されている枠体である。横長小枠部71Y・71M・71C・71Kがそれぞれ第1から第4のカートリッジPY・PM・PC・PKを上から挿入して支持させる部分である。各横長小枠部71の駆動側の側面には開口部が形成されている。
【0064】
各横長小枠部71の駆動側と被駆動側の枠部上辺には、第2の位置決め部として、上方が開放されたV字部70a、70bが形成されている。このV字部70a、70bに対してカートリッジP側の第2の被位置決め部としてのボス24c、25cが対応する。また各横長小枠部71の駆動側の枠部の内側下部には第2の規制部としての規制面70cが形成されている。この規制面70cに対してカートリッジP側の第2の被規制部としての凸部24dが対応する。
【0065】
トレイ70はドア3が開かれて開口2Bが開放されている状態において装置本体2の内側から外側に引き出して、図1A、図1B、図7のように、各カートリッジPを着脱可能にする引き出し位置(III)をとることが出来る。また、トレイ70はドア3が閉じられている状態において、図3のように装置本体2の内側において各カートリッジPを装置本体2に対して位置決めする第1の内側位置(I)をとることが出来る。
【0066】
また、トレイ70はドア3が開かれて開口2Bが開放されている状態において、図6のように装置本体2の内側で前記引き出し位置(III)と前記第1の位置(I)との間に位置する第2の位置(II)をとることが出来る。トレイ70はドア3の開閉動作に連動して動作する後述するシフト機構により上記の第1の位置(I)から第2の位置(II)への移動、および逆に第2の位置(II)から第1の位置(I)への移動がなされる。装置本体2に対するカートリッジPの交換要領は次のとおりである。
【0067】
1)図2、図3のように、ドア3が装置本体2に閉じ込まれて開口2Bが閉鎖されている状態においては、トレイ70はシフト機構により第1の内側位置(I)に保持されている。この状態において、トレイ70の各横長小枠部71に収容されている各カートリッジPは装置本体2の内側のカートリッジ収容部2Aにおいて、それぞれ、ドラムユニット8側が加圧機構80により上から加圧されている。これにより、各カートリッジPは装置本体2側の後述する位置決め部に押圧されて位置決め固定されて保持されている。
【0068】
また、上記のように装置本体2側に位置決め固定されている各カートリッジPのカップリング4aとカップリング42に対してそれぞれ装置本体2側の駆動出力部としてのカップリング91と92(図7)が結合している。また、カートリッジP側の電気接点(不図示)と装置本体2の側の電気接点(不図示)とが電気的に導通している。また、各カートリッジPのドラム4の下面がベルト12に接していて1次転写部が形成されている。
【0069】
2)上記の状態において装置1は画像形成動作が可能である。この状態において、使用者がドア3を図6のように開き操作する。このドア3の開き動作に連動して、ドア3の開き動作の初期時において、各カートリッジPのカップリング4aとカップリング42に対する装置本体側のカップリング91と92が退避動作してカップリング結合が解除される。また、カートリッジP側の電気接点に対する装置本体2の側の電気接点が退避して電気的導通が解除される。
【0070】
そして、加圧機構80による各カートリッジPのドラムユニット8の加圧が解除される。加圧機構80の具体的な構成は図には省略したけれども、電磁ソレノイド・プランジャによる加圧・加圧解除機構、レバーとバネによる加圧・加圧解除機構などの適宜の機構構成を採択することが出来る。
【0071】
3)ドア3の引き続く開き動作に連動するシフト機構によりトレイ70が装置本体2の内側において図3の第1の内側位置(I)から上方に上昇移動されていく。ドア3が図6のように所定の開き位置まで十分に開かれた状態においては、トレイ70は装置本体2の内側において第1の内側位置(I)から上方に所定の移動量をもって持ち上げられた第2の内側位置(II)に位置する。所定の開き位置まで十分に開かれたドア3はその後に手を離してもその開き位置に安定に保持される。また、トレイ70も第2の内側位置(II)に安定に保持される。
【0072】
トレイ70は駆動側と被駆動側の前後方向の枠部の下縁部70eがそれぞれシフト機構の駆動側と被駆動側の前後方向のレール73の上の摺動可能に搭載されている。トレイ70はレール73が上下移動されることで上下移動される。
【0073】
各カートリッジPはトレイ70が第1の内側位置(I)から第2の内側位置(II)に上昇移動する途中からトレイ70側に支持されてトレイ70の上昇移動と共に持ち上げられる。これにより、各カートリッジPは装置本体2側の位置決め部から浮き上がって離間するとともに、ドラム4の下面がベルト12の上面から非接触に離間する。
【0074】
4)ドア3が十分に開かれて開口2Bが開放されることで、開口2Bには第2の内側位置(II)に位置しているトレイ70の前枠部分が露呈する。この前枠部分には可動の把持部75が配設されている。使用者はこの把持部75に手指をかけて把持押圧バネ76の押圧力に抗して把持部75を手前側に移動させる。
【0075】
そうすると、トレイ70を装置本体2側に係止している後述する係止部の係止状態が解除される。この係止解除により、トレイ70をシフト機構の前後方向の水平のレール73に沿って、更には、開かれているドア3の内側に配設されている、上向き水平となっているガイド部3cに沿って装置本体2の内側から外側に移動させることが可能となる。ガイド部3cはドア3が所定に開かれている状態において、本体側レール73の延長線上に位置しており、ガイド面はレール73のトレイガイド面とほぼ同じ高さ位置レベルとなっている。
【0076】
5)そこで、使用者は図6のように装置本体2の第2の内側位置(II)に位置しているトレイ70を図7のようにレール73に沿って、更にドア3側のガイド部3cに沿って装置本体2外側の引き出し位置(III)に十分に引き出す。トレイ70が第2の内側位置(II)に位置している状態においては各カートリッジPのドラム4の下面はベルト12の上面から非接触に離間している。従って、カートリッジPを支持しているトレイ70が第2の内側位置(II)から引き出し位置(III)に移動する過程においてドラム4とベルト12とが摺擦して傷付くことが防止される。
【0077】
トレイ70は引き出し位置(III)まで十分に引き出されると、ストッパ部材(不図示)によりそれ以上の装置本体2からの引き出し移動が阻止される。また、トレイ70は引き出し位置(III)に水平に引き出されている状態が本体側レール73とドア3側のガイド部3cとにより保持される。
【0078】
図7のようにトレイ70が引き出し位置(III)に十分に引き出された状態において、トレイ70に支持されている第1から第4の4つのカートリッジPY・PM・PC・PKの全体が開口2Bを通過して装置本体2の外側に露出する。これにより、全てのカートリッジPの上面が開放される。
【0079】
トレイ70は個々のカートリッジPをそれぞれ対応する横長小枠部71Y・71M・71C・71Kから真上に取り出すことが出来るようにラフに支持している。また、トレイ70は個々のカートリッジPをそれぞれ対応する横長小枠部71Y・71M・71C・71Kに真下に向って落とし込むことによって支持する。そこで使用者は交換すべき使用済みのカートリッジをトレイ70から上方に持ち上げて抜き出す。そして、新しいカートリッジをトレイ70に対して上から嵌め込む。
【0080】
上記のように、トレイ70が装置本体2の外側の所定の引き出し位置(III)引き出された際には、全てのカートリッジPが装置本体2の外側に出る。従って、使用者が、トレイ70に対してカートリッジPを交換する際に、交換作業が行い易い。
【0081】
6)使用者は、トレイ70に対するカートリッジPの新旧交換をしたら、今度は上記とは逆の手順で、引き出し位置(III)に引き出されているトレイ70をドア3側のガイド部3cに沿って、更には本体側レール73に沿って後方向に押してスライド移動させる。そして、トレイ70を開口2Bから装置本体2の内側に押し入れる。トレイ70は第2の内側位置(II)に到達する少し手前の位置において後枠部分が装置本体2内の後側に配設されているバネ(支持部材規制バネ)2Cに当る。このバネ2Cの弾性に抗してバネ2Cを押し縮めながらトレイ70を更に押し込み移動する。
【0082】
このトレイ70の押し込み移動のときも、トレイ70に支持されている各カートリッジPのドラム4の下面はベルト12の上面から非接触に離間している。従って、トレイ70が引き出し位置(III)から第2の内側位置(II)に移動する過程においてドラム4とベルト12とが摺擦して傷付くことが防止される。
【0083】
そして、トレイ70は第2の内側位置(II)に到達すると、後述する係止部の係止動作により装置本体側に対して係止されることにより戻り止めされて、図6のように、第2の内側位置(II)に保持された状態に戻る。この状態において使用者がトレイ70から手を離してもトレイ70は第2の内側位置(II)に安定に保持される。
【0084】
7)使用者は開かれているドア3を閉じ操作する。このドア3の開き動作に連動するシフト機構によりトレイ70は装置本体2の内側において第2の内側位置(II)から下方に下降移動される。このトレイ70の下降移動と共にトレイ70に支持されている第1から第4のカートリッジPY・PM・PC・PKも下降移動する。
【0085】
トレイ70が第2の内側位置(II)から所定の移動量について下降移動したとき、各カートリッジPの第1の被位置決め部である円弧部24a、25aが後述する装置本体2側の第1の位置決め部51a、52a(図8)に受け止められる。これにより各カートリッジPはそれ以上の下降移動が止まる。また、各カートリッジPの第1の被規制部である下向きコの字溝部材24bが後述する装置本体側の第1の規制部53b(図8)に係合する。これにより各カートリッジPの回転止めがなされる。また、各カートリッジPのドラム4の下面がベルト12の上面に接触した状態になる。
【0086】
トレイ70はドア3の引き続く閉じ動作に連動してシフト機構により更に下降移動し、ドア3が十分に閉じ込まれる少し前段階において第1の内側位置(I)に至り、この第1の内側位置(I)に保持された状態になる。
【0087】
トレイ70が第1の内側位置(I)に保持された状態においては、各カートリッジPにそれぞれ対応してトレイ70側に設けられているV字部70a、70bが各カートリッジPのボス24c、25cから離間している。また、各カートリッジPにそれぞれ対応してトレイ70に設けられている規制面70cが各カートリッジPの凸部24dから離間している。即ち、各カートリッジPはトレイ70による支持が解除されている。
【0088】
各カートリッジPはトレイ70による支持が解除されても、第1の被位置決め部である円弧部24a、25aが装置本体側の第1の位置決め部51a、52aに受け止められている。また、第1の被規制部である下向きコの字溝部材24bが装置本体側の第1の規制部53bに係合して回転止めされている。これにより、各カートリッジPは装置本体2側に安定に保持される。
【0089】
8)ドア3の更なる閉じ動作に連動して、各カートリッジPに対応する加圧機構80が加圧動作して各カートリッジPのドラムユニット8側が上から加圧される。これにより各カートリッジPの円弧部24a、25aが装置本体側の第1の位置決め部51a、52aに対して押し付けられて、各カートリッジPが加圧機構80と第1の位置決め部51a、52aとの間に挟み込まれる。即ち、各カートリッジPが装置本体2の内側のカートリッジ収容部2Aにおいて装置本体2に位置決め固定されて保持される。
【0090】
また、ドア3の更なる閉じ動作に連動して、上記のように装置本体2に対して位置決め固定された各カートリッジPのカップリング4aとカップリング42にそれぞれ装置本体側の駆動出力部としてのカップリング91と92が結合する。また、カートリッジP側の電気接点に対して装置本体2の側の電気接点が電気的に導通する。そして、ドア3が十分に閉じ込まれることで装置1は、図2、図3の状態に復帰して画像形成動作が可能な状態になる。ドア3の閉じ状態は安定に保持されるようにされている。
【0091】
《カートリッジPの装置本体内での位置決め》
図8の(a)は装置本体2内に装着されたカートリッジPの位置決めに関する部品のみを示している。装置本体2の中底板55には、駆動側の本体側板53、非駆動側の本体側板54(図1B)、駆動側のカートリッジホルダ51、非駆動側のカートリッジホルダ52が取り付けられている。
【0092】
図8の(b)は装置本体2内でのカートリッジPの位置決め状態を模式的に示している(非駆動側については不図示)。装置本体2内においてカートリッジPは装置本体2に対して駆動側と非駆動側のカバー部材24と25とで位置決めが行われる。
【0093】
図5で説明したように、カートリッジP側には、駆動側と非駆動側のカバー部材24と25との下辺にそれぞれ下向きに設けられた第1の被位置決め部としての円弧部24a、25aを有する。円弧部24a、25aはドラム4の回転中心軸線と同軸線上にあり、ドラム4よりも少し大径にしてある。また、駆動側のカバー部材24の外面に設けられた第1の被規制部としての下向きコの字溝部材24bを有する。
【0094】
一方、装置本体2側には、駆動側と非駆動側のカートリッジホルダ51と52にそれぞれ各カートリッジPの円弧部24a、25aに対応する第1の位置決め部としての4ずつの上方が開放されたV字部51aと52aを有している。
【0095】
V字部51a(Y)と52a(Y)がカートリッジPYの円弧部24a、25aに対応する。V字部51a(M)と52a(M)がカートリッジPMの円弧部24a、25aに対応する。V字部51a(C)と52a(C)がカートリッジPCの円弧部24a、25aに対応する。V字部51a(K)と52a(K)がカートリッジPKの円弧部24a、25aに対応する。
【0096】
また、駆動側の本体側板53は、各カートリッジPの下向きコの字溝部材24bに対応する第1の規制部としての4つの回転止め部53bを有している。各回転止め部53bは本体側板53から内向きに切り起された舌片である。53b(Y)、53b(M)、53b(C)、53b(K)がそれぞれカートリッジPY、PM、PC、PKの部材24bに対応する回転止め部である。この回転止め部53bに対して各カートリッジP側の部材24bの溝部が係脱する。
【0097】
装置本体2は各カートリッジPの円弧部24a、25aをそれぞれ対応する装置本体2側のV字部51a、52aにて受ける構成となっている。カートリッジPは円弧部24a、25aの中心を回転中心としてV字部51a、52aに支持される。さらに、部材24bをカートリッジPの回転位相決めとして、装置本体2は各カートリッジPの部材24bをそれぞれ対応する装置本体2側の回転止め部53bに係合させてカートリッジPの回転位相決めをする構成となっている。
【0098】
この状態において、各カートリッジPの駆動側と被駆動側のカバー部材24と25のドラムユニット8側の上面部がそれぞれ加圧機構80(図3:非駆動側については不図示)で加圧される。これにより、各カートリッジPが加圧機構80とV字部51a、52aとの間に挟み込まれて装置本体2の内側のカートリッジ収容部2Aにおいて所定の装着位置に位置決め固定されて保持される。
【0099】
図19は装置本体内での従来のカートリッジPの位置決め方法を示したものである。装置本体にカートリッジPを装着する際には、支持部材(トレイ)65を装置本体から引き出し、支持部材65に対してカートリッジPを装着する。図19は、カートリッジPを装着した支持部材65を装置本体内に挿入して位置決めした状態を示している。
【0100】
装置本体は、カートリッジPの駆動側のカバー部材61の円弧部61aと非駆動側のカバー部材の円弧部を、装置本体の駆動側のカートリッジホルダ63のV字部63aと非駆動側のカートリッジホルダのV字部で受けている。なお、非駆動側のカバー部材、円弧部、非駆動側のカートリッジホルダ、V字部は不図示である。一方、カートリッジPの駆動側のカバー部材61に設けられた凸部61bを支持部材65に設けられた溝65bと係合させてカートリッジPを受ける構成となっている。
【0101】
従来例においては、カートリッジPの位置決めを、固定部材である駆動側のカートリッジホルダ63、非駆動側のカートリッジホルダと、可動部材である支持部材65を介して行っていた。装置本体に対する支持部材65の位置がずれると、支持部材65に支持されたカートリッジPの装置本体に対する位置もずれる。カートリッジPを装置本体に高精度に位置決めするためには、装置本体に対しての支持部材65の位置決めを高精度に行う必要があった。
【0102】
また、支持部材65の寸法を高精度に管理する必要があり、特に支持部材65の溝部65bを形成する部品に板金を用いて対応していた。これにより、コストがかかっていた。
【0103】
本実施例におけるカートリッジPの位置決めは、前記のように、駆動側および非駆動側のカートリッジホルダ51、52、および駆動側本体側板53で行うため、共に装置本体2の中底板55に対して固定部品であるため、位置精度の管理が容易である。また、駆動側の本体側板53にカートリッジPの回転止め機能を付与したため、従来例のように支持部材65には板金が不必要になり、コスト低減を図ることができる。
【0104】
《トレイ70のシフト機構》
トレイ70のシフト機構を説明する。図9の(a)は装置本体2の一部を、装置本体2の右側手前から見た斜視図である。(b)は分解斜視図である。装置本体2には、トレイ70およびカートリッジPを出し入れするための開口2Bが設けられている。ドア3は、回転中心ボス3aを中心に回動し、開口2Bを開放する開位置と、開口71を塞ぐ閉位置とに移動可能なように装置本体2に設けられている。また、ドア3には、ボス3aとは異なる位置に前ドア係合ボス3bが設けられている。ボス3bは装置本体2の有するリンク72の前ドア係合溝72aと係合している。
【0105】
リンク72は、例えば駆動側の本体側板53から切り起こされたガイド53cなどにより、装置本体2の前後方向(矢印A方向:第1の方向)にのみ移動可能に支持されている。リンク72の前ドア係合溝72aは装置本体2の上下方向(矢印B方向:第2の方向)への長穴となっている。さらに、リンク72には装置本体2の上下方向(矢印B方向)へ長穴となったレール係合溝72bが設けられている。レール係合溝72bには、レール73に設けられたボス73aが係合している。
【0106】
ここで、レール73とは、上部にトレイ70を搭載し、トレイ70を装置本体2に対して前後方向(矢印A方向)に出し入れ可能にするためのガイドである。特にトレイ70の出し入れ動作を容易にするために、レール73には回転可能なコロ73bが設けられている。リンク72とレール73との間には駆動側の本体側板53が配置されている。
【0107】
また、駆動側の本体側板53にはクランク溝53dが設けられている。レール73の有するボス73aは、駆動側の本体側板53のクランク溝53dに係合している。なお、装置本体2の非駆動側にも、上述と同様なリンクやガイドなどを有するシフト機構が対称に配設されている。
【0108】
ドア3が閉じられている状態時には、前ドア係合ボス3bが回転中心ボス3aよりも後方に位置している。これによりボス3aに対して前ドア係合溝72aが係合している駆動側と非駆動側のリンク72はそれぞれ後方に押されて後退位置に位置している。そのためリンク72のレール係合溝72bに係合しているレール73側のボス73aは、図10Aの(a)のように、クランク溝53dの低位部である後端部53d−Dに移動されている。これにより、駆動側と非駆動側のレール73は共に図10Aの(b)のように低位部に位置して保持されている。
【0109】
レール73に搭載されているトレイ70はレール73が低位部に位置して保持されているので、装置本体2の内側のカートリッジ収容部2Aにおいて上下方向の低位部に位置している。このトレイ70の低位部位置が第1の内側位置(I)である。
【0110】
トレイ70が第1の内側位置(I)に位置している状態においてはトレイ70の各横長小枠部71に収容されている各カートリッジPは、円弧部24a、25aが装置本体2側のV字部51a、52aに受け止められている(図10Bの(b))。また、下向きコの字溝部材24bが装置本体2側の回転止め部53bに係合していて回り止めされている(図10Aの(b))。
【0111】
また、トレイ70側のV字部70a、70bはカートリッジP側のボス24c、25cから離間している(図10Aの(b)、図10Bの(a))。また、トレイ70側の規制面70cはカートリッジP側の凸部24dから離間している(図10Bの(b))。即ち、トレイ70は第1の内側位置(I)に位置している状態においては各カートリッジPと縁が切れていてカートリッジPを支持していない。
【0112】
そして、トレイ70が第1の内側位置(I)に位置している状態において、カートリッジPはドラムユニット8側が加圧機構80により上から加圧されている。これにより、各カートリッジPが装置本体2側の加圧機構80とV字部51a、52aとの間に挟み込まれて装置本体2の内側のカートリッジ収容部2Aにおいて所定の装着位置に位置決め固定されて保持されている。
【0113】
また、装着位置に位置決め固定されている各カートリッジPのカップリング4aとカップリング42に対してそれぞれ装置本体側の駆動出力部としてのカップリング91と92が結合している。また、カートリッジP側の電気接点と装置本体2の側の電気接点とが電気的に導通している。また、各カートリッジPのドラム4の下面がベルト12に接していて1次転写部が形成されている。上記の状態において装置1は画像形成動作が可能である。
【0114】
ドア3が閉じられている状態から開かれることで、前述したように、ドア3の開き動作の初期段階において、各カートリッジPのカップリング4aとカップリング42に対する装置本体側のカップリング91と92が退避動作してカップリング結合が解除される。また、カートリッジP側の電気接点に対する装置本体2の側の電気接点が退避して電気的導通が解除される。加圧機構80が加圧解除動作して各カートリッジPの位置決め固定が解除される。
【0115】
そして、引き続くドア3の開き動作に伴って前ドア係合ボス3bが回転中心ボス3aよりも後方の位置からボス3aを中心に前方と上方に移動する。これによりボス3aに対して前ドア係合溝72aが係合している駆動側と非駆動側のリンク72がそれぞれ前方に引かれて前進位置に移動する。そのため、リンク72のレール係合溝72bに係合しているレール73側のボス73aは、図11Aの(a)のように、クランク溝53dの低位部である後端部53d−Dから斜面部に沿って高位部である前端部53d−Uに移動する。
【0116】
これにより、駆動側と非駆動側のレール73が共に前方と上方に移動し、ドア3が所定の開き角度まで十分に開かれた状態においては図11Aの(b)のように図10Aの(b)よりも所定に高い高位部に位置して保持される。
【0117】
レール73に搭載されているトレイ70は上記のようにレール73が低位部から高位部へ移動するのに伴って上昇移動して装置本体2の内側において上下方向の高位部に位置して保持される。このトレイ70の高位部位置が第2の内側位置(II)である。
【0118】
ここで、トレイ70は第1の内側位置(I)と第2の内側位置(II)に位置している状態においては、後述するように、係止部により装置本体側に係止されていて前方への移動が規制されている。係止部はトレイ70の前方への移動は規制するけれども、トレイ70の上下方向への移動は許容する構成になっている。そのため、レール73は上記のようにドア3の開き動作に伴い前方と上方に移動するけれども、トレイ70は係止部により前方への移動は規制されてレール73の上昇に伴い第1の内側位置(I)から垂直に上昇して第2の内側位置(II)に移動して保持される。
【0119】
トレイ70が第1の内側位置(I)から第2の内側位置(II)へ垂直に上昇していく途中において、各カートリッジPのボス24c、25cに対してトレイ70側の各対応するV字部70a、70bが係合する(図11Bの(a))。また、各カートリッジPの凸部24dに対してトレイ70側の各対応する規制面70cが係合する(図11Bの(b))。これにより、各カートリッジPがトレイ70に対して各対応する横長小枠部71において安定に支持された状態になる。
【0120】
そして、トレイ70の更なる上昇に伴い各カートリッジPがトレイ70と共に上昇することで、各カートリッジP側の円弧部24c、25cが装置本体2側の各対応するV字部51a、52aから浮き上がって離間する(図11Aの(b)、図11Bの(c))。また、各カートリッジP側の下向きコの字溝部材24bが装置本体2側の回転止め部53bから浮き上がって離間する(図11Aの(b))。また、各カートリッジP側のドラム4の下面がベルト12から浮き上がって離間する(図11Aの(b))。
【0121】
トレイ70はドア3が所定の開き角度まで十分に開かれた状態においては第1の内側位置(I)よりも所定に高位の第2の内側位置(II)に移動した状態になって安定に保持される。
【0122】
図12、図13によりトレイ70の係止部について説明する。図12の(a)はトレイ70の前枠部分を上から見た斜視図、(b)は下から見た斜視図である。トレイ70の前枠部分には、支持部材係止部(トレイ係止部)74、把持部75、把持押圧バネ76が設けられている。係止部74と把持部75とは、係止部74の溝74aと把持部75のボス75aとで係合して連動する構成となっている。また、係止部74の先端にはテーパ面74bが設けられている。また、把持部75は把持押圧バネ76により常に本体奥側(矢印N方向)へ押圧されている。
【0123】
図13は、トレイ70を装置本体2の上方から見た図である。(a)は、トレイ70が装置本体2から引き出されている状態(引き出し位置)を示し、係止部74はトレイ70の前枠部分の駆動側の側面70dから突出している。トレイ70を装置本体2に挿入する際には、(b)に示すように、例えば駆動側の本体側板53に設けられた凸部53eに当接するが、係止部74の先端のテーパ面74bを利用して、係止部74がバネ76に抗して矢印J方向へ退避する。
【0124】
図13の(c)はトレイ70を装置本体2に対してさらに挿入させた状態を示している。駆動側の本体側板53の凸部53eとの干渉が回避され、係止部74は再度、トレイ側面70dから突出する。ここで、装置本体2には、トレイ70に対して矢印Nとは逆方向への押圧力を付与するトレイ規制バネ2C(図3、図6、図7)が設けられている。
【0125】
したがって、トレイ70は使用者により(c)の位置まで挿入されるが、最終的には図(d)に示すように、係合部74と駆動側の本体側板53の凸部53eとが当接した位置に規制される。(d)は、装置本体2に対してカートリッジPがドラム4に形成された潜像を現像しない第2の内側位置にある状態を示している。係合部74と駆動側の本体側板53の凸部53eとは垂直面で当接しており、これによりトレイ70は前方への移動は規制された状態で上下方向への移動は許容される。
【0126】
第2の内側位置に移動しているトレイ70は、把持部75が使用者によってバネ76の押圧力に抗して矢印Nとは逆方向へ移動されることにより、係止部74が矢印J方向(図13の(b))へ移動して凸部53eとの当接が解除される。これにより、使用者はトレイ70を前述したように装置本体手前方向(矢印Nとは逆方向)に引き出して装置本体2の外側の引き出し位置(III)に移動させてカートリッジの新旧交換をすることができる。
【0127】
図14は第2の内側位置(II)あるいは引き出し位置(III)におけるトレイ70に搭載されているカートリッジPの支持状態を示している。図14においては、説明のために、トレイ70の一部を部分断面図として示している。
【0128】
前述したように、トレイ70には各カートリッジPにそれぞれ対応して駆動側および非駆動側に第2の位置決め部としての上方が開放されたV字部70a、70bが設けられている。また、各カートリッジPにそれぞれ対応して第2の規制部としての上方が解放された規制面70cとが設けられている。カートリッジPをトレイ70の対応する収容部71に上から挿入すると、カートリッジP側のボス24c、25cがトレイ70側のV字部70a、70bと係合する。また、カートリッジP側の凸部24dがトレイ70側の規制面70cに当接する。
【0129】
トレイ70上のカートリッジPに作用する力は重力のみである。また、カートリッジPの重心Gは、装置本体2の前後方向(矢印A方向:第1の方向)において、回転中心としてのボス24c、25cと、回転止めとしての凸部24dの間にある。したがって、カートリッジP側の駆動側および非駆動側のボス24c、25cはそれぞれトレイ70側の駆動側および非駆動側のV字部70a、70bに嵌り込み、カートリッジPはトレイ70上で高精度に位置決めが行われる。
【0130】
図15の(a)はドア3が開かれていてトレイ70が装置本体2の内側の第2の内側位置(II)に位置している状態を示している。図15の(b)においては、説明の便宜上、カートリッジP、レール73、駆動側のカートリッジホルダ51、および、駆動側本体側板53の一部を示している。図16の(a)はドア3が閉位置へ移動している最中の状態を示している。図16の(b)も、説明の便宜上、カートリッジP、レール73、駆動側カートリッジホルダ51、および、駆動側の本体側板53の一部を示している。
【0131】
図16においては、ドア3は十分には閉位置へ移動していない。ドア3の開位置から閉位置への移動に伴い、前ドア係合ボス3bと係合したリンク72は装置本体2の後方奥側(矢印N方向)へ移動する。この移動に伴い、レール係合溝72bと係合したレール73も装置本体2の後方奥側(矢印N方向)へ移動する。
【0132】
ここで、レール73に設けられたボス73aは、駆動側の本体側板53のクランク溝53dにも係合しているため、リンク72の装置本体2の後方奥側(矢印N方向)への移動と併せて、クランク溝53dに沿って下方へも移動する。このとき、レール73上に搭載されたトレイ70は、前述のように、係合部により装置本体2の前後方向(矢印A方向)に位置規制されているため、結果として、トレイ70は下降のみが行われる。
【0133】
このトレイ70の下降に伴い、カートリッジPも装置本体2に対して下降する。このとき、カートリッジP側の円弧部24a、25aが装置本体2側のV字部51a、52aに当接する構成となっている(図15、図16には駆動側部品のみ示す)。さらに、カートリッジP側の部材24bが、駆動側の本体側板53から切り起こされた回転止め部53bと係合する構成となっている。
【0134】
部材24bの先端には、回転止め部53bを誘い込むために、図17に示すように、テーパ24eが設けられている。特にトレイ70上でのカートリッジPの位置ばらつきや、装置本体2に対するトレイ70の位置ばらつきを考慮した誘い込み量が必要になる。
但し、図14〜図16に示すように、第1の位置決め部51a、52a及び第1の規制部53bは、トレイ70が第2の内側位置(II)に位置している状態で、第1の方向Aにおいて、第2の位置決め部70a、70bと第2の規制部70cとの間に位置する。
即ち、第1の方向Aにおいて、カートリッジP側の円弧部24a、25a及び部材24bは、カートリッジP側のボス24c、25cと凸部24dとの間に位置し、トレイ70に対して極力位置精度良く支持されていることになる。したがって、トレイ70が下方に移動した際に、カートリッジPを装置本体2にスムーズに位置決することができる。特に、部材24bと回転止め部53bがスムーズに係合することができる。
【0135】
図17の(a)は、部材24bと回転止め部53bとに位置ずれ量m1がある場合を示している。この場合、部材24bと回転止め部53bとを係合させるためには、部材24bには誘い込み量m1が必要である。また、カートリッジPの昇降量m2が必要である。
【0136】
一方、図17の(b)は、カートリッジPの部材24bと回転止め部53bとに位置ずれ量n1がある場合を示している。ここで、位置ずれ量n1は、位置ずれ量m1よりも大きい。この場合、部材24bと回転止め部53bとを係合させるためには、部材24bには誘い込み量n1が必要である。また、カートリッジPの昇降量m2は昇降量m1よりも多く必要になる。すなわち、装置本体2の高さが増えることになる。
【0137】
本実施例によるトレイ70上でのカートリッジPの位置決め構成によれば、トレイ70にV字部70a、70bが設けられているため、カートリッジPはトレイ70上でガタなく高精度に位置決めが行われる。そのため、カートリッジPの部材24bの先端にはより小さな誘い込みのテーパがあれば十分となる。結果として、装置本体2内でのカートリッジPの昇降量を小さくすることができ、装置本体2の小型化を図ることができる。
【0138】
図18の(a)はドア3が閉位置にある状態を示している。図16の状態からさらにドア3を閉めると、前述と同様に、レール73およびトレイ70が下降する。しかし、図16の状態で既にカートリッジPは、自身の下方を駆動側および非駆動側のカートリッジホルダ51、52で受けられているため、カートリッジPがさらに下降することはない。
【0139】
また、カートリッジPのボス24c、25c、および、凸部24dとそれぞれ係合するトレイ70のV字部70a、70b、および、規制面70cは共に上方が開放されている。このため、トレイ70は自由に下降動作を行うことができる。これにより、トレイ70とカートリッジPとは離間する。
【0140】
上述した実施例の画像形成装置1およびカートリッジPの構成をまとめると次のとおりである。
【0141】
(1)複数のカートリッジP(PY・PM・PC・PK)が着脱可能な、記録媒体Sに画像を形成するための画像形成装置1である。装置1は複数のカートリッジPを支持する支持部材70を有する。支持部材70は画像形成装置の装置本体2の外側に引き出し、カートリッジPを着脱可能にする引き出し位置(III)をとることができる。
【0142】
また、支持部材70は装置本体2の内側でカートリッジを装置本体2に位置決めする第1の内側位置(I)をとることができる。また、支持部材70は装置本体2の内側で引き出し位置(III)と第1の内側位置(I)との間に位置する第2の内側位置(II)をとることができる。
【0143】
装置本体2には、第1の位置決め部51a、52a、及び、第1の規制部53bが設けられている。第1の位置決め部51a、52aは支持部材70が第1の内側位置(I)に位置する際に、カートリッジPを位置決めする。第1の規制部53bはカートリッジPが第1の位置決め部を中心に回転するのを規制する。
【0144】
また、装置本体2には、第2の位置決め部70a、70b、及び、第2の規制部70cが設けられている。第2の位置決め部70a、70bは支持部材70が引き出し位置(III)と第2の内側位置(II)との間に位置する際に、カートリッジPを位置決めする。第2の規制部70cはカートリッジPが第2の位置決め部を中心に回転するのを規制する。上記の支持部材70が引き出し位置(III)と第2の内側位置(II)との間に位置するには、支持部材70が引き出し位置(III)に位置している状態、および、第2の内側位置(II)に位置している状態時も含む。
【0145】
そして、第2の位置決め部70a、70b及び第2の規制部70cは、支持部材70が第1の内側位置(I)に位置する際は、カートリッジPと離間する。
【0146】
(2)支持部材70が引き出し位置(III)と第2の内側位置(II)との間を移動する方向Aを第1の方向とする。この第1の方向Aと直交する方向Bを第2の方向とする。支持部材70は、引き出し位置(III)と第2の内側位置(II)との間を移動する際は、第2の方向Bにおいて、第1の位置決め部51a、52aと第1の規制部53bとの間を通過する。
【0147】
(3)第1の位置決め部51a、52a及び第1の規制部53bは、支持部材70が第2の内側位置(II)に位置している状態で、第1の方向Aにおいて、第2の位置決め部70a、70bと第2の規制部70cとの間に位置する。
【0148】
(4)第2の位置決め部70a、70b及び第2の規制部70cは第2の方向(B)において、第1の位置決め部51a、52aと第1の規制部53bとの間に位置する。
【0149】
(5)上記のような画像形成装置に着脱可能なカートリッジPであって、第1の位置決め部51a、52aと係合する第1の被位置決め部24a、25aと、第1の規制部53bと係合する第1の被規制部24bと、を有する。また、第2の位置決め部70a、70bと係合する第2の被位置決め部24c、25cと、第2の規制部70cと係合する第2の被規制部24cと、を有する。
【0150】
(6)カートリッジPは、電子写真感光体4に形成された静電潜像を現像する為の現像カートリッジである。
【0151】
(7)カートリッジPは、電子写真感光体4と、電子写真感光体に作用するプロセス手段を有する。
【0152】
(8)第1の被位置決め部24a、25aは、電子写真感光体である感光体ドラムと同軸線上に設けられている。
【0153】
(9)カートリッジPの重心Gは、支持部材70が第1の方向(A)において、前記第2の被位置決め部24c、25cと第2の被規制部24cとの間に設けられている。
【0154】
以上説明したように、カートリッジPには、装置本体2内で自身の位置決めを行うための円弧部(第1の被位置決め部)24a、25aと下向きコの字溝部材(第1の被規制部)24bが設けられている。また、トレイ70に対してカートリッジPの位置決めを行うためのボス(第2の被位置決め部)24c、25cと凸部(第2の被規制部)24dが設けられている。
【0155】
さらに、トレイ(支持部材)70には、カートリッジPのトレイ70に対する位置決めボス24c、25cを受けるV字部(第2の位置決め部)70a、70bが設けられている。また、トレイ70には、カートリッジPのトレイ70に対する回転止めとしての凸部24dを受ける規制面(第2の規制部)70cが設けられている。
【0156】
これにより、カートリッジPをトレイ70上で高精度に位置決めして装置本体2に受け渡すことができる。また、カートリッジPの回転止めとしての部材24bの先端の誘い込み量を小さくでき、カートリッジPの装置本体2内での昇降量を小さくできる。結果として、装置本体2の小型化を図ることができる。
【0157】
《その他の事項》
(1)上記の実施例では、カートリッジPの回転位相決めとして駆動側のカバー部材24と駆動側の本体側板53とを係合させる構成であった。カートリッジPの駆動側の端部には現像駆動カップリング42が設けられ、装置本体の現像駆動出力を受ける構成となっている。駆動受け渡し部を高精度に位置決めすることが重要である。そのため、カートリッジPの回転位相決めを駆動側で行った方が好ましい。ただし、カートリッジPの位置決めとしては、上記の限りではなく、回転位相決めとして、非駆動側のカバー部材25と非駆動側の本体側板54とを係合させる構成でもよい。
【0158】
(2)また、上記においては、装置本体2へ装着するカートリッジPは、電子写真感光体、帯電手段、クリーニング手段、現像装置等をまとめてカートリッジ化した一体型のプロセスカートリッジについて説明した。カートリッジPはこれに限られず、分離型のプロセスカートリッジ、電子写真感光体(像担持体)に形成された静電潜像を現像する為の現像カートリッジなどであってもよく、それらの装置本体2への装着についても同様の構成を用いることができる。
【0159】
(3)また、上記においては、4個のカートリッジが着脱可能なフルカラー電子写真画像形成装置を例示している。しかしながら、装置に装着するカートリッジの個数はこれに限定されるものではなく、個数は適宜設定されるものである。本発明は、2個以上の複数のカートリッジが着脱可能な画像形成装置に適用することができる。
【0160】
(4)画像形成装置は上記実施例のようなプリンタに限定されるものではない。例えば複写機、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置や、或いはこれらの機能を組み合わせた複合機等の他の画像形成装置であってもよい。
【0161】
(5)画像形成装置の画像形成プロセスは電子写真プロセスに限られない。像担持体として静電記録誘電体を用いる静電記録プロセス、磁気記録磁性体を用いる磁気記録プロセスなどであってもよい。
【符号の説明】
【0162】
1・・画像形成装置、2・・装置本体、P(PY・PM・PC・PK)・・複数のカートリッジ、S・・記録媒体、70・・支持部材、(I)・・第1の内側位置、(II)・・第2の内側位置、(III)・・引き出し位置、51a、52a・・第1の位置決め部、53b・・第1の規制部、70a、70b・・第2の位置決め部、70c・・第2の規制部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のカートリッジが着脱可能な、記録媒体に画像を形成するための画像形成装置であって、
前記複数のカートリッジを支持する支持部材であって、前記画像形成装置の装置本体の外側に引き出して、前記カートリッジを着脱可能にする引き出し位置と、前記装置本体の内側で前記カートリッジを前記装置本体に位置決めする第1の内側位置と、前記装置本体の内側で前記引き出し位置と前記第1の内側位置との間に位置する第2の内側位置と、をとる支持部材と、
前記装置本体に設けられた、前記支持部材が前記第1の内側位置に位置する際に、前記カートリッジを位置決めする第1の位置決め部、及び、前記カートリッジが前記第1の位置決め部を中心に回転するのを規制する第1の規制部と、
前記支持部材に設けられた、前記支持部材が前記引き出し位置と前記第2の内側位置との間に位置する際に、前記カートリッジを位置決めする第2の位置決め部、及び、前記カートリッジが前記第2の位置決め部を中心に回転するのを規制する第2の規制部と、
を有し、前記第2の位置決め部及び前記第2の規制部は、前記支持部材が前記第1の内側位置に位置する際は、前記カートリッジと離間することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記支持部材は、前記引き出し位置と前記第2の内側位置との間を移動する際は、前記支持部材が前記引き出し位置と前記第2の内側位置との間を移動する第1の方向と直交する第2の方向において、前記第1の位置決め部と前記第1の規制部との間を通過することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1の位置決め部及び第1の規制部は、前記支持部材が前記第2の内側位置に位置している状態において、前記支持部材が前記引き出し位置と前記第2の内側位置との間を移動する第1の方向において、前記第2の位置決め部と第2の規制部との間に位置することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置に着脱可能なカートリッジであって、
前記第1の位置決め部と係合する第1の被位置決め部と、
前記第1の規制部と係合する第1の被規制部と、
前記第2の位置決め部と係合する第2の被位置決め部と、
前記第2の規制部と係合する第2の被規制部と、
を有することを特徴とするカートリッジ。
【請求項5】
前記カートリッジは、電子写真感光体に形成された静電潜像を現像する為の現像カートリッジであることを特徴とする請求項4に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記カートリッジは、電子写真感光体と、前記電子写真感光体に作用するプロセス手段を有するプロセスカートリッジであることを特徴とする請求項4に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記第1の被位置決め部は、前記電子写真感光体である感光体ドラムと同軸線上に設けられている請求項6に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記カートリッジの重心は、前記支持部材が前記引き出し位置と前記第2の内側位置との間を移動する第1の方向において、前記第2の被位置決め部と前記第2の被規制部との間に設けられていることを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【請求項1】
複数のカートリッジが着脱可能な、記録媒体に画像を形成するための画像形成装置であって、
前記複数のカートリッジを支持する支持部材であって、前記画像形成装置の装置本体の外側に引き出して、前記カートリッジを着脱可能にする引き出し位置と、前記装置本体の内側で前記カートリッジを前記装置本体に位置決めする第1の内側位置と、前記装置本体の内側で前記引き出し位置と前記第1の内側位置との間に位置する第2の内側位置と、をとる支持部材と、
前記装置本体に設けられた、前記支持部材が前記第1の内側位置に位置する際に、前記カートリッジを位置決めする第1の位置決め部、及び、前記カートリッジが前記第1の位置決め部を中心に回転するのを規制する第1の規制部と、
前記支持部材に設けられた、前記支持部材が前記引き出し位置と前記第2の内側位置との間に位置する際に、前記カートリッジを位置決めする第2の位置決め部、及び、前記カートリッジが前記第2の位置決め部を中心に回転するのを規制する第2の規制部と、
を有し、前記第2の位置決め部及び前記第2の規制部は、前記支持部材が前記第1の内側位置に位置する際は、前記カートリッジと離間することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記支持部材は、前記引き出し位置と前記第2の内側位置との間を移動する際は、前記支持部材が前記引き出し位置と前記第2の内側位置との間を移動する第1の方向と直交する第2の方向において、前記第1の位置決め部と前記第1の規制部との間を通過することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1の位置決め部及び第1の規制部は、前記支持部材が前記第2の内側位置に位置している状態において、前記支持部材が前記引き出し位置と前記第2の内側位置との間を移動する第1の方向において、前記第2の位置決め部と第2の規制部との間に位置することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置に着脱可能なカートリッジであって、
前記第1の位置決め部と係合する第1の被位置決め部と、
前記第1の規制部と係合する第1の被規制部と、
前記第2の位置決め部と係合する第2の被位置決め部と、
前記第2の規制部と係合する第2の被規制部と、
を有することを特徴とするカートリッジ。
【請求項5】
前記カートリッジは、電子写真感光体に形成された静電潜像を現像する為の現像カートリッジであることを特徴とする請求項4に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記カートリッジは、電子写真感光体と、前記電子写真感光体に作用するプロセス手段を有するプロセスカートリッジであることを特徴とする請求項4に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記第1の被位置決め部は、前記電子写真感光体である感光体ドラムと同軸線上に設けられている請求項6に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記カートリッジの重心は、前記支持部材が前記引き出し位置と前記第2の内側位置との間を移動する第1の方向において、前記第2の被位置決め部と前記第2の被規制部との間に設けられていることを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項に記載のカートリッジ。
【図13】
【図17】
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図14】
【図15】
【図16】
【図18】
【図19】
【図17】
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図14】
【図15】
【図16】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2013−97185(P2013−97185A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240226(P2011−240226)
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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