説明

画像形成装置およびプログラム

【課題】外部装置に係る機能のうちユーザの認証と利用権限を要する機能について、当該機能を利用可能であるか否かを外部装置が接続された時にユーザに迅速に知らせる。
【解決手段】制御部102は、ユーザを認証した認証状態でUSBメモリが第2通信部110に接続された場合、USBメモリが接続された時に起動する機能を特定する。制御部102は、特定した機能についてユーザが利用権限を有している場合には、特定した機能に係る画面を表示部105に表示させる。また、制御部102は、特定した機能についてユーザが利用権限を有していない場合には、特定した機能を利用できないことを知らせる警告画面を表示部105に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
補助記憶装置を接続可能な装置の発明として特許文献1に開示された発明がある。特許文献1に開示されている画像形成装置は、補助記憶装置の一例であるUSB(Universal Serial Bus)メモリが接続されると、USBメモリに記憶されているプログラムを起動する。このプログラムが起動されると、ユーザがよく利用する機能を簡単に起動できるメニューが画像形成装置において表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−22130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、外部装置に係る機能のうちユーザの認証と利用権限を要する機能について、当該機能を利用可能であるか否かを外部装置が接続された時にユーザに迅速に知らせることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る画像形成装置は、ユーザを認証する認証手段と、外部装置が接続され、接続された前記外部装置と通信を行う通信手段と、前記外部装置に係る機能の利用可否を定めた利用可否データを記憶部から取得する利用可否データ取得手段と、前記機能に対する前記ユーザの利用権限を示す利用権限データを取得する利用権限データ取得手段と、前記ユーザを未認証の状態において、前記機能について前記利用可否データで利用不可とされている場合、前記通信手段に前記外部装置が接続されると、前記ユーザの認証に係る画面を表示部に表示させ、前記ユーザが認証された状態において、前記機能について前記利用権限データで利用可能とされており、且つ、前記機能について前記利用可否データで利用可能とされている場合、前記通信手段に前記外部装置が接続されると当該機能に係る画像を表示部に表示させ、前記ユーザが認証された状態において、前記機能について前記利用権限データで利用不可とされている場合、前記通信手段に前記外部装置が接続されると、当該機能の利用不可を通知する画像を表示部に表示させる表示制御手段とを備える構成を有する。
【0006】
本発明の請求項2に係るプログラムは、コンピュータを、ユーザを認証する認証手段と、前記外部装置に係る機能の利用可否を定めた利用可否データを記憶部から取得する利用可否データ取得手段と、前記機能に対する前記ユーザの利用権限を示す利用権限データを取得する利用権限データ取得手段と、前記ユーザを未認証の状態において、前記機能について前記利用可否データで利用不可とされている場合、前記外部装置と通信を行う通信手段に前記外部装置が接続されると、前記ユーザの認証に係る画面を表示部に表示させ、前記ユーザが認証された状態において、前記機能について前記利用権限データで利用可能とされており、且つ、前記機能について前記利用可否データで利用可能とされている場合、前記通信手段に前記外部装置が接続されると当該機能に係る画像を表示部に表示させ、前記ユーザが認証された状態において、前記機能について前記利用権限データで利用不可とされている場合、前記通信手段に前記外部装置が接続されると、当該機能の利用不可を通知する画像を表示部に表示させる表示制御手段として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1,2に係る発明によれば、外部装置に係る機能のうちユーザの認証と利用権限を要する機能について、当該機能を利用可能であるか否かを外部装置が接続された時にユーザに迅速に知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係る装置を示した図。
【図2】画像形成装置1のハードウェア構成を示した図。
【図3】テーブルTB1の内容を示した図。
【図4】画像形成装置1の機能構成を示した図。
【図5】サーバ装置2のハードウェア構成を示した図。
【図6】テーブルTB2の内容を示した図。
【図7】表示部105に表示される画面を示した図。
【図8】制御部102が行う処理の流れを示したフローチャート。
【図9】表示部105に表示される画面を示した図。
【図10】表示部105に表示される画面を示した図。
【図11】表示部105に表示される画面を示した図。
【図12】表示部105に表示される画面を示した図。
【図13】表示部105に表示される画面を示した図。
【図14】表示部105に表示される画面を示した図。
【図15】制御部102が行う処理の流れを示したフローチャート。
【図16】表示部105に表示される画面を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
図1は、本発明の一実施形態に係る装置を示した図である。通信回線3は、例えば、ローカルエリアネットワークであり、画像形成装置1とサーバ装置2が接続される。なお、通信回線3は、ローカルエリアネットワークに限定されるものではなく、データ通信を行うことが可能な通信回線であれば、ワイドエリアネットワークやインターネットなどであってもよい。
【0010】
画像形成装置1は、用紙にカラー画像を形成する画像形成装置の一例である。本実施形態の画像形成装置1は電子写真方式の画像形成装置であるが、インクジェット方式の画像形成装置であってもよい。また、画像形成装置1は、白黒の画像を形成する構成であってもよい。画像形成装置1は、画像を表すデータに基づいて用紙に画像を形成する画像形成機能、文書を複写する複写機能、用紙に形成されている画像を読み取る読取機能などを備えている。なお、画像形成装置1が備える機能は、これらの機能に限定されるものではなく、ファクシミリの機能を備えていてもよい。また、画像形成装置1は、上述した機能を全て備えているものに限定されず、例えば、画像形成機能および複写機能を備えており、他の機能を備えていない構成であってもよい。また、画像形成装置1は、画像形成装置1のユーザを識別するためのユーザ識別子とパスワードを取得し、サーバ装置2と協働してユーザを認証する機能を備えている。
サーバ装置2は、クライアントサーバシステムのサーバとして機能するコンピュータ装置である。サーバ装置2は、画像形成装置1を使用するユーザを認証する機能を備えた認証装置の一例である。
【0011】
(画像形成装置1の構成)
図2は、画像形成装置1のハードウェア構成を示した図である。図に示したように画像形成装置1の各部はバス101に接続され、バス101を介して各部間でデータのやり取りを行う。
操作部104は、本実施形態では、画像形成装置1を操作するための複数のボタンやタッチスクリーンを備えている。なお、タッチスクリーンにおいて画像を表示する表示部105は、ディスプレイ装置であり、画像を表示する表示部の一例に相当する。表示部105としては液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等が挙げられる。
第1通信部109は、通信ケーブルで通信回線3に接続されており、制御部102の制御の下、通信回線3に接続されている他の装置とデータ通信を行う。
第2通信部110は、USB(Universal Serial Bus)規格に従って通信を行う通信手段の一例である。第2通信部110は、USBのプラグが挿入されるUSBのソケットを備えている。第2通信部110は、USBのソケットに接続される外部装置と制御部102との間で行われるデータのやり取りを仲介する。本実施形態においては、USBを用いてデータの読み書きがされる補助記憶装置(例えばUSBメモリ)が第2通信部110に接続される。なお、第2通信部110に接続されるのは、データを記憶する記録媒体(例えば、不揮発性の半導体メモリなど)への読み書きを行う記録装置(例えば、所謂メディアリーダ)であってもよい。
【0012】
画像読取部106は、文書を光学的に読み取り、読み取った文書の画像を表す画像データを生成する画像読取装置(図示略)を備えている。画像読取部106は、生成した画像データを画像処理部108へ出力する。画像処理部108は、入力される画像データに各種処理を施すものである。画像処理部108は、入力される画像データが表す画像に色補正や階調補正等の画像処理を施し、画像処理が施された画像からYellow(Y),Magenta(M),Cyan(C),Black(K)の各色の画像の画像データを生成して画像形成部107へ出力する。
【0013】
画像形成部107は、電子写真方式によって用紙にトナー像を形成する画像形成部(図示略)を具備している。具体的には、この画像形成部は、Yellowの色のトナー像を形成する画像形成部,Magentaの色のトナー像を形成する画像形成部,Cyanの色のトナー像を形成する画像形成部,Blackの色のトナー像を形成する画像形成部を備えている。各画像形成部は、画像読取部106が生成した画像データ、第1通信部109で受信したデータ、または第2通信部110で取得したデータに従って感光体上に静電潜像を形成した後、感光体表面にトナーを付着させてY・M・C・Kの各色のトナー像を形成し、このトナー像を用紙に転写する。そして、用紙に転写されたトナー像に熱と圧力を加えて定着させた後、トナー像が形成された用紙を画像形成装置1の外へ排出する。なお、本実施形態においてはトナーを用いて用紙に画像を形成するが、インクジェット方式などのインクを用いて用紙に画像を形成する構成としてもよい。また、画像が形成される媒体は紙に限定されるものではなく、OHP(OverHead Projector)用のシートなど透明な合成樹脂のシートであってもよい。
【0014】
本実施形態の制御部102は、CPU(Central Processing Unit)102A、ROM(Read Only Memory)102BおよびRAM(Random Access Memory)102C等を備えた、所謂マイクロコンピュータである。CPU102Aが、ROM102Bに記憶されているプログラムを実行すると、上述した画像形成機能、複写機能、読取機能およびユーザを認証する機能などが実現する。また、CPU102Aが、ROM102Bに記憶されているプログラムを実行すると、第2通信部110に外部装置が接続されたことを検知する機能、第2通信部110に接続された補助記憶装置に対してデータの読み出しや書き込みを行う機能、第2通信部110に接続された補助記憶装置に係る画面を表示部105に表示する機能などが実現する。
【0015】
本実施形態の記憶部103は、データを保持する記憶装置(例えば、ハードディスク装置)を具備している。なお、データを保持する装置はハードディスク装置に限定されるものではなく、半導体メモリであってもよい。記憶部103は、第1通信部109で受信したデータや画像読取部106で生成されたデータ、画像形成装置1の設定に係るデータなどを記憶する。なお、画像形成装置1の設定に係るデータの一例として、第1設定データと第2設定データを記憶する。第1設定データは、第2通信部110に補助記憶装置が接続された時の画像形成装置1の動作を規定するデータである。第1設定データの内容は、本実施形態においては「遷移せず」、「A機能を起動」、「B機能を起動」、「C機能を起動」、「選択画面を表示」のいずれかに設定される。また、第2設定データは、画像形成装置1の保護レベルを示すデータであり、その内容は、本実施形態においては「高」または「低」に設定される。
【0016】
また、記憶部103は、テーブルTB1を記憶する。図3に示したテーブルTB1は、画像形成装置1が備えるA機能〜C機能の利用可否を定めた利用可否データを格納したテーブルである。なお、本実施形態においては、A機能〜C機能は、補助記憶装置を利用する機能である。
テーブルTB1の「A機能」の列において「○」が格納されている場合、画像形成装置1においてはユーザの認証が行われていない未認証状態(ユーザがログアウトした状態)でもA機能に係る表示が表示部105において行われてA機能を利用可能となり、「△」が格納されている場合には、未認証状態でA機能に係る表示が表示部105において行われるが、A機能を利用不可となる。また、「A機能」の列に「×」が格納されている場合、未認証状態の画像形成装置1においては、A機能を利用不可で且つA機能に係る表示が表示部105において行われないこととなる。
【0017】
(画像形成装置1の機能構成)
図4は、制御部102において実現する機能の構成を示したブロック図である。
認証部300は、画像形成装置1のユーザを認証する認証手段の一例に相当する。認証部300は、操作部104において入力されたユーザ識別子およびパスワードを、第1通信部109を介してサーバ装置2へ送る。また認証部300は、サーバ装置2において行われたユーザの認証処理の結果を取得する。認証部300は、取得した結果に基づいて、画像形成装置1の状態を、ユーザを認証していない未認証状態またはユーザを認証した認証状態に移行させる。
利用可否データ取得部301は、利用可否データを取得する利用可否データ取得手段の一例に相当する。利用可否データ取得部301は、記憶部103に記憶されているテーブルTB1の利用可否データを取得し、取得した利用可否データを表示制御部303へ供給する。
利用権限データ取得部302は、利用権限データを取得する利用権限データ取得部の一例に相当する。利用権限データ取得部302は、第1通信部109がサーバ装置2から受信する利用権限データを取得し、取得した利用権限データを表示制御部303へ供給する。
表示制御部303は、表示部105に表示する画像を制御する表示制御手段の一例に相当する。表示制御部303は、認証状態で第2通信部110に補助記憶装置が接続されると、利用可否データと利用権限データとに基づいて、表示部105に画像を表示させる。また、表示制御部303は、未認証状態で第2通信部110に補助記憶装置が接続されると、利用可否データに基づいて、表示部105に画像を表示させる。
【0018】
(サーバ装置2の構成)
図5は、サーバ装置2のハードウェア構成を示したブロック図である。図に示したようにサーバ装置2の各部はバス201に接続され、バス201を介して各部間でデータのやり取りを行う。操作部204は、本実施形態ではサーバ装置2を操作するためのキーボードやマウスを備えている。表示部205は、ディスプレイ装置を備えている。本実施形態のディスプレイ装置としては液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等が挙げられる。通信部209は、通信ケーブルで通信回線3に接続され、通信回線3に接続されている他の装置とデータ通信を行う。
【0019】
記憶部203は、データを保持する記憶装置(例えば、ハードディスク装置)を具備しており、クライアントサーバシステムにおけるサーバの機能を実現するプログラムや、画像形成装置1を使用するユーザを認証する機能を実現するプログラムなどを記憶している。また、記憶部203は、画像形成装置1のユーザを認証するための各種データや、A機能〜C機能についてユーザが利用可能か否かを示す利用権限のデータをユーザ毎に記憶している。
【0020】
図6は、ユーザを認証するための認証データと、画像形成装置1の機能の利用権限を示す利用権限データとを格納したテーブルTB2の内容を例示した図である。テーブルTB2の認証データの列においては、「ユーザ識別子」の列と「パスワード」の列が設けられている。「ユーザ識別子」の列には、ユーザを識別するためのユーザ識別子が格納される。ユーザ識別子としては、数字とアルファベットの組み合わせであってもよく、また、ひらがな、カタカナ、漢字などで表したユーザの氏名であってもよい。「パスワード」のフィールドには、ユーザが設定したパスワードが格納される。
また、テーブルTB2においては、利用権限データを格納する列として、「A機能」、「B機能」、「C機能」の列が設けられている。各機能についてユーザ識別子で特定されるユーザに利用権限がある場合には「○」が格納され、利用権限がない場合には「×」が格納される。例えばユーザ識別子が「A0004」のユーザに対してA機能を利用可能とし、B機能およびC機能については利用不可とする場合、図6に示したように、「A0004」が格納されている行の「A機能」の列に「○」が格納され、B機能とC機能の列には「×」が格納される。
【0021】
本実施形態の制御部202は、CPU202A、ROM202BおよびRAM202C等を備えている。CPU202Aは、ROM202Bに記憶されているプログラムや、記憶部203に記憶されている各種プログラムを実行する。CPU202Aがプログラムを実行すると、制御部202が各部を制御し、上述したサーバの機能やユーザを認証する機能が実現する。
【0022】
(実施形態の動作)
次に、本実施形態に係る画像形成装置1の特徴的な動作について説明する。
【0023】
(未認証状態の時の動作)
まず、未認証状態でUSBメモリが第2通信部110に接続された時の動作について説明する。未認証状態である画像形成装置1において、USBメモリが第2通信部110に接続されていない場合、画像形成装置1が有する機能を起動するための画面(図7)がテーブルTB1の内容に応じて表示部105に表示される。なお、図7において○の中にアルファベットが記されている画像は、当該画像に対応する機能を利用可能であることを示しており、図7においては、A機能,D機能〜H機能がユーザに利用可能であることを示している。また、図7において◇の中にアルファベットが記されている画像は、当該画像に対応する機能を利用不可であることを示している。なお、図7においてアルファベットを点線の四角形で囲んだ画像は実際には表示されず、この画像に対応した機能をユーザは起動できないようになっている。
【0024】
未認証状態の画像形成装置1においてUSBメモリが第2通信部110に接続されると、制御部102は、図8に示した処理を実行する。まず制御部102は、記憶部103に記憶されているテーブルTB1、第1設定データおよび第2設定データを取得する(ステップSA1)。制御部102は、取得した第1設定データの内容が例えば「遷移せず」である場合(ステップSA2で「遷移せず」)、表示部105の画面を変更せずに図8の処理を終了する。
【0025】
また、制御部102は、取得した第1設定データの内容が「A機能を起動」、「B機能を起動」または「C機能を起動」のいずれかである場合(ステップSA2で「機能を起動」)、第1設定データで指定される機能を利用可能か判断する。例えば制御部102は、第1設定データの内容が「A機能を起動」である場合、テーブルTB1の「A機能」の列を参照する。ここで図3に示したようにA機能の列に「○」が格納されていると(ステップSA3で「○」)、制御部102は、第1設定データで指定される機能に係る画面、即ちA機能に係る画面を表示部105に表示させる(ステップSA4)。例えば、A機能が複写機能である場合、複写の部数、白黒またはカラーの選択、使用する用紙のサイズなどを決定するメニュー画面が表示される。
また、制御部102は、例えば第1設定データの内容が「B機能を起動」である場合、テーブルTB1の「B機能」の列を参照する。ここで図3に示したようにB機能の列に「△」が格納されていると(ステップSA3で「△」)、制御部102は、ユーザ識別子とパスワードを入力するための認証画面(図9)を表示部105に表示させる(ステップSA5)。
また、制御部102は、例えば第1設定データの内容が「C機能を起動」である場合、テーブルTB1の「C機能」の列を参照する。ここで図3に示したようにC機能の列に「×」が格納されていると(ステップSA3で「×」)、制御部102は、第2設定データの内容を判断する。制御部102は、第2設定データの内容が「低」である場合(ステップSA6で「低」)、認証画面(図9)を表示部105に表示させ(ステップSA5)、第2設定データの内容が「高」である場合(ステップSA6で「高」)、表示部105の画面を変更せずに図8の処理を終了する。
【0026】
また、制御部102は、第1設定データの内容が「選択画面」である場合(ステップSA2で「選択画面」)、テーブルTB1において「×」が格納されているか否か判断する。ここで、テーブルTB1において「×」が格納されていない場合(ステップSA7でNO)、制御部102は、A機能〜C機能のいずれかを選択させる画面(図10)を表示部105に表示させる。一方、テーブルTB1において「×」が格納されている場合(ステップSA7でYES)、制御部102は、テーブルTB1において「×」以外のデータも格納されているか判断する。テーブルTB1において「×」以外のデータも格納されている場合(ステップSA9でYES)、制御部102は、テーブルTB1において○が格納されている機能と△が格納されている機能、即ち未認証状態において表示となっている機能を選択させる画面を表示部105に表示させる(ステップSA10)。例えば、テーブルTB1の内容が図3の内容の場合、図11に示したようにA機能とB機能のいずれかを選択させる画面が表示部105に表示される。
【0027】
一方、制御部102は、ステップSA9でNOと判断すると、第2設定データの内容が「低」である場合には(ステップSA11で「低」)、認証画面(図9)を表示部105に表示させ(ステップSA12)、第2設定データの内容が「高」である場合には(ステップSA11で「高」)、表示部105の画面を変更せずに図8の処理を終了する。例えば、テーブルTB1の内容が図3の内容であり、第1設定データが「選択画面」である場合、図11の画面が表示される。
【0028】
例えばテーブルTB1においてA機能が「△」、B機能が「×」、C機能が「△」であり、第1設定データが「選択画面」である場合、図12の画面が表示される。また、例えばテーブルTB1においてA機能〜C機能が「×」であり、第1設定データが「選択画面」であり、第2設定データが「高」である場合、図13の画面が表示され、第2設定データが「低」である場合、図9の認証画面が表示される。
【0029】
このように本実施形態の画像形成装置1は、テーブルTB1と第1設定データを備えており、未認証状態で画像形成装置1に補助記憶装置が接続されると、ユーザが操作をしなくても、テーブルTB1や第1設定データの内容に基づいて、補助記憶装置に関連する機能に係る画面が表示される。
また、本実施形態の画像形成装置1は、第2設定データを備えており、未認証状態で補助記憶装置に係る機能の画面を表示しない場合、第2設定データの内容に基づいて、認証画面が表示されるか、または画面が変化しないこととなる。
【0030】
(ユーザを認証する時の動作)
次に画像形成装置1とサーバ装置2が協働してユーザを認証する時の動作について説明する。ユーザが画像形成装置1において認証されると、未認証状態では利用できなかった機能をテーブルTB2の内容に応じて利用することが可能となる。ユーザが、ユーザ識別子とパスワードの入力画面の表示を指示する操作を操作部104において行うと、図9に示した画面がタッチスクリーンの表示部105に表示され、ユーザ識別子とパスワードの入力が可能となる。なお、本実施形態においては、表示部105に表示されるキーボード(所謂ソフトウェアキーボード)を使用してユーザ識別子とパスワードの入力が行われる。
【0031】
ユーザがユーザ識別子とパスワードを入力した後に図9の「OK」の部分に触れる操作を行うと、入力されたユーザ識別子とパスワードがサーバ装置2へ送られる。サーバ装置2の制御部202は、ユーザ識別子とパスワードを受信すると、受信したユーザ識別子とパスワードの組をテーブルTB2において検索する。制御部202は、検索したユーザ識別子とパスワードの組をテーブルTB2において見つけると、検索した組に対応付けられている利用権限のデータをテーブルTB2から取得する。制御部202は、利用権限のデータを取得すると、ユーザの認証に成功したことを示すメッセージと、取得した利用権限のデータを画像形成装置1へ送る。なお、制御部202は、受信したユーザ識別子とパスワードの組がテーブルTB2において見つからなかった場合、ユーザの認証に失敗したこと示すメッセージを画像形成装置1へ送る。
【0032】
画像形成装置1の制御部102は、ユーザの認証に失敗したこと示すメッセージを受信した場合、認証に失敗したことを知らせるメッセージを表示部105に表示させる。一方、制御部102は、ユーザの認証に成功したこと示すメッセージと、利用権限のデータを受信した場合、認証状態となり、受信した利用権限のデータに応じて表示部105を制御する。
【0033】
例えば、テーブルTB1の内容がA機能については「○」、B機能については「×」、C機能については「△」であり、受信した利用権限のデータが、A機能については「○」、B機能については「×」、C機能については「○」となっている場合、A機能については、未認証状態で利用可であり、利用権限のデータでも利用可能となっているため、認証後は利用可能とし、A機能に係る表示も可能とする。また、B機能については、未認証状態において利用不可でB機能に係る表示もせず、利用権限のデータも「×」となっているため、認証後も利用不可で且つB機能に係る表示も不可とする。また、C機能については、未認証状態で利用不可であるが、利用権限のデータでは利用可となっているため、認証後は利用可能とし、C機能に係る表示を可能とする。つまり、図14に示したようにA機能とC機能については、これらの機能を選択するための画像を表示部105に表示させ、B機能を選択するための画像については表示部105に表示させないこととなる。
このように本実施形態においては、ユーザが認証されると、機能を起動するために表示部105に表示される画面は、ユーザ毎に設定されている利用権限のデータに応じたものとなる。
【0034】
(認証状態の時の動作)
次に、認証状態の画像形成装置1においてUSBメモリが第2通信部110に接続された時の動作について説明する。認証状態の画像形成装置1においてUSBメモリが第2通信部110に接続されると、制御部102は、図15に示した処理を実行する。
まず制御部102は、記憶部103に記憶されているテーブルTB1、第1設定データおよび第2設定データを取得する(ステップSB1)。制御部102は、取得した第1設定データの内容が例えば「遷移せず」である場合(ステップSB2で「遷移せず」)、表示部105の画面を変更せずに図15の処理を終了する。また、制御部102は、取得した第1設定データの内容が「A機能を起動」、「B機能を起動」または「C機能を起動」のいずれかである場合(ステップSA2で「機能を起動」)、第1設定データで指定される機能をユーザが利用可能か判断する。
【0035】
制御部102は、例えば第1設定データ指定される機能について、ユーザを認証した時に利用可能とした場合(ステップSB3で「利用可能」)、第1設定データで指定される機能に係る画面を表示部105に表示させる(ステップSB4)。例えば、第1設定データの内容が「A機能を起動」であり、認証時にA機能について利用可能とした場合、A機能に係る画面を表示する。
また、制御部102は、例えば第1設定データで指定される機能について、ユーザを認証した時に利用不可とし、且つ第1設定データで指定される機能の表示を可能にした場合(ステップSB3で「利用不可」、ステップSB5で「可能」)、第1設定データで指定される機能を利用できないことを知らせる警告画面を表示部105に表示させる(ステップSB6)。
【0036】
一方、制御部102は、第1設定データで指定される機能について、ユーザを認証した時に利用不可とし、且つ第1設定データで指定される機能の表示を不可にした場合(ステップSB3で「利用不可」、ステップSB5で「不可」)、第2設定データの内容が「低」であると(ステップSB7で「低」)、警告画面を表示部105に表示させ(ステップSB6)、第2設定データの内容が「高」であると(ステップSB7で「高」)、表示部105に表示する画面を変更せずに図15の処理を終了する。
【0037】
また、制御部102は、第1設定データの内容が「選択画面」である場合(ステップSB2で「選択画面」)、A機能〜C機能のうち認証後に表示可能な機能があるか否か判断する。制御部102は、A〜C機能のうち認証後に表示可能な機能がある場合(ステップSB8でYES)、A〜C機能のうち認証後に表示可能な機能の選択画面を表示部105に表示させる(ステップSB9)。例えば、認証時に図14の画面が表示されている場合、第2通信部110にUSBメモリが接続されると、図16に示した画面が表示される。
【0038】
一方、制御部102は、A〜C機能のうち認証後に表示可能な機能がない場合(ステップSB8でNO)、第2設定データの内容が「低」である場合には(ステップSB10で「低」)、機能を利用できないことを知らせる警告画面を表示部105に表示させ(ステップSB11)、第2設定データの内容が「高」である場合には(ステップSB10で「高」)、表示部105の画面を変更せずに図15の処理を終了する。
【0039】
このように本実施形態の画像形成装置1は、テーブルTB1と第1設定データを備えており、認証状態で画像形成装置1に補助記憶装置が接続されると、ユーザが操作をしなくても、テーブルTB1や第1設定データの内容に基づいて、補助記憶装置に関連する機能に係る画面が表示される。
また、本実施形態の画像形成装置1は、第2設定データを備えており、認証状態で補助記憶装置に係る機能の画面を表示しない場合、第2設定データの内容に基づいて、警告画面が表示されるか、または画面が変化しないこととなる。
【0040】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。なお、上述した実施形態及び以下の変形例は、各々を組み合わせてもよい。
【0041】
上述した実施形態においては、テーブルTB2をサーバ装置2が記憶し、画像形成装置1とサーバ装置2が協働してユーザの認証を行っているが、テーブルTB2を画像形成装置1に記憶させ、画像形成装置1に記憶されているテーブルTB2を用いてユーザの認証を行うようにしてもよい。また、画像形成装置1に記憶されたテーブルTB2に格納されている利用権限のデータを用いてユーザが機能を利用可能か否か判断するようにしてもよい。
【0042】
上述した実施形態においては、ユーザの認証を行う際にユーザがユーザ識別子とパスワードを入力する構成となっているが、ユーザの認証を行う構成は、この構成に限定されるものではない。例えば、ユーザが保持するICカードにユーザ識別子を記憶させ、このICカードに記憶されたユーザ識別子を画像形成装置1が備えるICカードリーダで読み取り、読み取ったユーザ識別子がテーブルTB2にあるか否かでユーザの認証を行うようにしてもよい。また、ユーザの身体の特徴を表す情報(例えば、指紋を表す情報や虹彩を表す情報)を用いてユーザの認証を行うようにしてもよい。
【0043】
本発明においては、図8の処理でステップSA6とステップSA11の処理を設けないようにしてもよい。この場合、ステップSA3で「×」と判断した場合とステップSA9でNOと判断した場合に、図9の認証画面を表示するようにしてもよく、また、表示部105に表示されている画面を変更しないようにしてもよい。
また、図15の処理においても、ステップSB7とステップSB10の処理を設けず、ステップSB5で「不可」と判断した場合とステップSB8でNOと判断した場合に、図9の警告画面を表示するようにしてもよく、また、表示部105に表示されている画面を変更しないようにしてもよい。
【0044】
上述したROM102Bに記憶されているプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD(Hard Disk Drive)、FD(Flexible Disk)))など、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供し、画像形成装置1にインストールしてもよい。また、通信回線を介して画像形成装置1にダウンロードしてインストールしてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1…画像形成装置、2…サーバ装置、3…通信回線、101…バス、102…制御部、102A…CPU、102B…ROM、102C…RAM、103…記憶部、104…操作部、105…表示部、106…画像読取部、107…画像形成部、108…画像処理部、109…第1通信部、110…第2通信部、201…バス、202…制御部、202A…CPU、202B…ROM、202C…RAM、203…記憶部、204…操作部、205…表示部、209…通信部、300…認証部、301…利用可否データ取得部、302…利用権限データ取得部、303…表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザを認証する認証手段と、
外部装置が接続され、接続された前記外部装置と通信を行う通信手段と、
前記外部装置に係る機能の利用可否を定めた利用可否データを記憶部から取得する利用可否データ取得手段と、
前記機能に対する前記ユーザの利用権限を示す利用権限データを取得する利用権限データ取得手段と、
前記ユーザを未認証の状態において、前記機能について前記利用可否データで利用不可とされている場合、前記通信手段に前記外部装置が接続されると、前記ユーザの認証に係る画面を表示部に表示させ、
前記ユーザが認証された状態において、前記機能について前記利用権限データで利用可能とされており、且つ、前記機能について前記利用可否データで利用可能とされている場合、前記通信手段に前記外部装置が接続されると当該機能に係る画像を表示部に表示させ、
前記ユーザが認証された状態において、前記機能について前記利用権限データで利用不可とされている場合、前記通信手段に前記外部装置が接続されると、当該機能の利用不可を通知する画像を表示部に表示させる表示制御手段と
を備える画像形成装置。
【請求項2】
コンピュータを、
ユーザを認証する認証手段と、
前記外部装置に係る機能の利用可否を定めた利用可否データを記憶部から取得する利用可否データ取得手段と、
前記機能に対する前記ユーザの利用権限を示す利用権限データを取得する利用権限データ取得手段と、
前記ユーザを未認証の状態において、前記機能について前記利用可否データで利用不可とされている場合、前記外部装置と通信を行う通信手段に前記外部装置が接続されると、前記ユーザの認証に係る画面を表示部に表示させ、
前記ユーザが認証された状態において、前記機能について前記利用権限データで利用可能とされており、且つ、前記機能について前記利用可否データで利用可能とされている場合、前記通信手段に前記外部装置が接続されると当該機能に係る画像を表示部に表示させ、
前記ユーザが認証された状態において、前記機能について前記利用権限データで利用不可とされている場合、前記通信手段に前記外部装置が接続されると、当該機能の利用不可を通知する画像を表示部に表示させる表示制御手段
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−230543(P2012−230543A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98310(P2011−98310)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】