説明

画像形成装置および情報表示システム

【課題】印刷不可能な状態であっても、障害発生原因を突き止めるための機能情報を得ることができる。
【解決手段】画像形成装置12は、機能情報が記憶される装置情報記憶部20と、前記機能情報を画像にして媒体に形成する印刷部16(画像形成部)とを備え、さらに、前記機能情報をファイルにするファイル変換部21(ファイル生成部)と、前記ファイルを外部に出力する送信データ生成部22(外部出力部)と、前記画像形成部で発生した障害を検出し、検出した障害を示すログ情報を前記機能情報として前記装置情報記憶部に記憶させる障害検出部124とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および情報表示システムに関し、特に、自装置の機能情報を出力する画像形成装置と、その機能情報をユーザに表示可能な情報表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置は、メニューで設定されている項目や、画像形成装置に接続されたり搭載されたりしているオプションのネットワークカード、ハードディスク、用紙トレイ、フィニッシャなどの周辺機器や付属機器の物理的構成に関するスペック、ドライバプログラムなどの必要なソフトウェアの情報や、画像形成装置において使用可能な文字の形状(タイプフェイス)としての文字フォントに関する情報など、つまり、画像形成装置の設定情報(プリンタ設定情報)を用紙(媒体)に印刷することができるようになっている。これらの画像形成装置の機能情報は、画像形成装置に内蔵されている記憶部に記憶されている。
そして、ユーザは、画像形成装置に備えられたタッチパネルや押しボタンなどの入力手段を操作することによって、画像形成装置の機能情報を印刷できるようになっている。これにより、ユーザは画像形成装置の機能情報を入手することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−223941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の画像形成装置では、何らかの障害(指定されたサイズの用紙を収納する給紙トレイがない、両面印刷機能非対応など)が発生して印刷不可能な状態になったとき、障害が発生した原因を突き止めるために必要な機能情報(給紙トレイ情報、両面印刷情報など)を、ユーザは入手することができないという問題点がある。
【0005】
本発明は、以上のような問題を解決するためになされたものであり、印刷不可能な状態であっても、障害発生原因を突き止めるための機能情報を得ることができる画像形成装置および情報表示システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の画像形成装置は、機能情報が記憶される装置情報記憶部と、前記機能情報を画像にして媒体に形成する画像形成部とを備える画像形成装置であって、前記機能情報をファイルにするファイル生成部と、前記ファイルを外部に出力する外部出力部とを備える構成とした。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画像形成装置が印刷不可能な状態であっても、障害発生原因を突き止めるための機能情報を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る情報表示システムの構成を示す図である。
【図2】第1の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【図3】比較用コマンド記憶部に記憶された比較用コマンドの一例を示す図である。
【図4】印刷部に印刷されたプリンタ設定レポートの一例を示す図である。
【図5】プリンタ設定レポート選択確認画面の一例を示す図である。
【図6】消耗品レポート選択確認画面の一例を示す図である。
【図7】ログレポート選択確認画面の一例を示す図である。
【図8】第1の実施形態に係る画像処理装置の構成を示す図である。
【図9】コマンド記憶部に記憶されたコマンドとファイル名との一例を示す図である。
【図10】画面表示部に表示された「プリンタ設定レポート.pdf」のGUIの一例を示す図である。
【図11】画面表示部に表示されたメンテナンスレポート選択画面の一例を示す図である。
【図12】情報表示システムの処理動作のフローチャートである。
【図13】画像処理装置が実行するファイル要求処理動作のフローチャートである。
【図14】画像形成装置が実行するファイル生成処理動作のフローチャートである。
【図15】図14から続く、画像形成装置が実行するファイル生成処理動作のフローチャートである。
【図16】画像処理装置が実行するファイル表示処理動作のフローチャートである。
【図17】第2の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【図18】画像形成装置が実行するUSBメモリ記憶処理動作のフローチャートである。
【図19】操作パネル部に表示されたレポートの出力手段の選択を促す画面の一例を示す図である。
【図20】操作パネル部に表示されたUSB未接続を示す画面の一例を示す図である。
【図21】操作パネル部に表示された電子ドキュメントファイルが記憶されたことを示す画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明について概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0010】
〔情報表示システム100〕
図1に示すように情報表示システム100は、画像形成装置12(印刷装置)と、画像表示装置としての画像処理装置1とを備え、画像形成装置12から画像処理装置1までデータが送信可能なデータラインとしての接続ケーブル11で接続されている。
ここで、接続ケーブル11は、画像形成装置12と画像処理装置1とで互いにデータの送受信ができる構成部であればよい。本実施形態では、接続ケーブル11をUSB(Universal Serial Bus)ケーブルとして説明しているが、その他のシリアルバスやパラレルバスなどの有線ケーブルや、無線/有線LAN(Local Area Network)などのインターネット網、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)などであってもよい。
【0011】
《第1の実施形態》
〔画像形成装置12〕
図2に示すように画像形成装置12は、端末通信接続部913と、端末通信制御部13と、比較用コマンド記憶部15と、受信データ解析部14と、印刷部16と、操作パネル部17と、入力指示処理部917と、レポート制御部18と、レポート印刷ジョブ生成部19と、装置情報記憶部20と、ファイル変換部21と、送信データ生成部22と、状態監視部39と、監視ログ生成部939とを備える。また、状態監視部39と、監視ログ生成部939とで、障害検出部124として構成される。
【0012】
ここで、端末通信制御部13と、受信データ解析部14と、監視ログ生成部939と、レポート印刷ジョブ生成部19と、レポート制御部18と、ファイル変換部21と、送信データ生成部22と、入力指示処理部917とは、制御部121が記憶部121に格納されるプログラム(不図示)を展開し、実行することによって実現される機能である。制御部121は、例えば、CPU(Central Processing Unit)で構成される。
記憶部121は、比較用コマンド記憶部15と、装置情報記憶部20とを備え、データを記憶する構成部である。例えば、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disc Drive)などで構成される。
【0013】
(端末通信接続部913)
端末通信接続部913は、接続ケーブル11を介して画像処理装置1と接続するインタフェースである。この端末通信接続部913は、接続ケーブル11がUSBケーブルであるため、USBコネクタとして機能する。また、端末通信接続部913は、IEEE1394、IrDA(Infrared Data Association)、Bluetooth(登録商標)などのインタフェースを備えてもよい。
【0014】
(端末通信制御部13)
端末通信制御部13は、端末通信接続部913を制御して、画像処理装置1とのデータの送受信を行う構成部である。この端末通信制御部13は、端末通信接続部913と接続する接続ケーブル11がUSBケーブルであるため、USBコントローラとしての機能も有する。
この端末通信制御部13は、端末通信接続部913を介して、画像処理装置1から取得したデータを受信データ解析部14に出力する。
また、端末通信制御部13は、送信データ生成部22から取得した送信データをバイナリデータにして、端末通信接続部913を制御して画像処理装置1に送信する。
【0015】
(受信データ解析部14)
受信データ解析部14は、端末通信接続部913および端末通信制御部13を介して画像処理装置1から取得したデータを解析して、データに含まれるコマンド(文字列)を取得し、そのコマンドの種類に応じてデータが印刷ジョブデータなのかレポート要求データなのかを判定する。
この受信データ解析部14は、画像処理装置1から取得したデータに含まれるコマンド(文字列)と、後記する比較用コマンド記憶部15に記憶されたコマンド(文字列)とを比較する。そして、一致するコマンドがあれば、画像処理装置1から取得したデータをレポート要求データであると判定し、一致するコマンドに応じたレポート要求データをレポート制御部18に出力する。一方、一致するコマンドがなければ、画像処理装置1から取得したデータを印刷ジョブデータであると判定し、データを印刷部16に出力する。
【0016】
(比較用コマンド記憶部15)
比較用コマンド記憶部15は、レポート要求を示すコマンドが記憶されている。ここで、本実施形態における比較用コマンド記憶部15には、図3に示すように、プリンタ設定レポート要求を示すコマンドである“MENU”(比較用プリンタ設定レポートコマンド)と、消耗品レポート要求を示すコマンドである“USAGE”(比較用消耗品レポートコマンド)と、ログレポート要求を示すコマンドである“LOG”(比較用ログレポートコマンド)との3種類が記憶されている。
【0017】
そして、本実施形態では、比較用コマンド記憶部15に記憶された比較用コマンドが、“MENU”,“USAGE”,“LOG”の3種類であるため、受信データ解析部14がレポート制御部18に出力するデータは、一致するコマンドに応じて、“MENU”であればプリンタ設定レポート要求データを出力し、“USAGE”であれば消耗品レポート要求データを出力し、“LOG”であればログレポート要求データを出力する。
【0018】
(印刷部16)
印刷部16は、受信データ解析部14またはレポート制御部18から印刷ジョブデータを取得し、その印刷ジョブデータに基づき、画像データを用紙(媒体)に印刷する。例えば、プリンタ設定レポートの印刷ジョブデータであれば、図4のように印刷される。
【0019】
(操作パネル部17)
操作パネル部17は、入力部としての機能と表示部としての機能とを兼ね備えたものであり、ユーザは操作パネル部17を操作して、各種レポートを印刷部16に印刷させる指示をすることができる。
この操作パネル部17は、ユーザが視認可能な情報を表示する表示部としての機能と、ユーザからの要求を受け付ける入力部としての機能とを兼ね備えたものである。ここで、本実施形態における操作パネル部17は、LCD(Liquid Crystal Display)のような表示機能(表示部)とタッチパッドのような位置入力機能(入力部)との双方を兼ね備えたタッチパネルである。
また、操作パネル部17は、入力部と表示部とで別個であってもよい。例えば、表示部はLCDやモニタなどであり、入力部はキーボードやマウスなどである。
【0020】
操作パネル部17にレポート印刷選択画面が表示されているときに、レポート印刷選択画面に表示された各種レポートの印刷指示ボタンのひとつをユーザが選択することで、後記する処理が行われて、印刷部16により選択されたレポートが印刷される。
【0021】
(入力指示処理部917)
入力指示処理部917は、操作パネル部17にてレポート印刷選択画面が表示されているときに、操作パネル部17を介して選択されたボタンに応じて、レポート印刷指示データをレポート制御部18に出力する構成部である。これは、操作パネル部17を操作して、媒体にメンテナンス情報を印刷させるための構成部である。
【0022】
ここで、入力指示処理部917は、操作パネル部17を介してのユーザによる入力操作に応じて、レポート選択確認画面を操作パネル部17に表示させる。これにより、操作パネル部17には、プリンタ設定レポート選択確認画面(図5)や、消耗品レポート選択確認画面(図6)、ログレポート選択確認画面(図7)が表示される。
【0023】
そして、ユーザにより後記する画像処理装置1の操作入力部3を介して、図5〜図7の各選択確認画面にて、「Y」(Yes)が選択されると、入力指示処理部917は、レポート印刷指示データをレポート制御部18に出力する。一方、各選択確認画面にて、「N」(No)が選択されると、当該選択確認画面を閉じる。
【0024】
ここで、入力指示処理部917は、プリンタ設定レポート選択確認画面(図5)にて「Y」が選択されると、プリンタ設定レポート印刷指示データをレポート制御部18に出力し、消耗品レポート選択確認画面(図6)にて「Y」が選択されると、消耗品レポート印刷指示データをレポート制御部18に出力し、ログレポート選択確認画面(図7)にて「Y」が選択されると、ログレポート印刷指示データをレポート制御部18に出力する。
【0025】
(レポート制御部18)
レポート制御部18は、受信データ解析部14からレポート要求データ(プリンタ設定レポート要求データ、消耗品レポート要求データ、ログレポート要求データ)を取得し、一方、入力指示処理部917からレポート印刷指示データ(プリンタ設定レポート印刷指示データ、消耗品レポート印刷指示データ、ログレポート印刷指示データ)を取得する。そして、レポート制御部18は、取得したデータ(レポート要求データ、レポート印刷指示データ)に基づき、プリンタ設定レポート、消耗品レポート、ログレポートの印刷ジョブデータを生成させる指示(印刷ジョブデータ生成指示)をレポート印刷ジョブ生成部19に出力する。
【0026】
このとき、レポート制御部18が取得したデータがプリンタ設定レポート要求データまたはプリンタ設定レポート印刷指示データである場合、印刷ジョブデータ生成指示は、プリンタ設定レポートの印刷ジョブデータを生成させる指示である。
また、レポート制御部18が取得したデータが消耗品レポート要求データまたは消耗品レポート印刷指示データである場合、印刷ジョブデータ生成指示は、消耗品レポートの印刷ジョブデータを生成させる指示である。
あるいは、レポート制御部18が取得したデータがログレポート要求データまたはログレポート印刷指示データである場合、印刷ジョブデータ生成指示は、ログレポートの印刷ジョブデータを生成させる指示である。
【0027】
レポート制御部18は、印刷ジョブデータ生成指示をレポート印刷ジョブ生成部19に出力後、そのレポート印刷ジョブ生成部19から印刷ジョブデータ(プリンタ設定レポート印刷ジョブデータ、消耗品レポート印刷ジョブデータ、ログレポート印刷ジョブデータ)を取得する。
レポート制御部18は、取得した印刷ジョブデータが、受信データ解析部14からのレポート要求データに基づいて生成されたものであれば、印刷ジョブデータをファイル変換部21に出力する。
一方、レポート制御部18は、取得した印刷ジョブデータが、入力指示処理部917からのレポート印刷指示データに基づいて生成されたものであれば、印刷ジョブデータを印刷部16に出力する。
【0028】
(装置情報記憶部20)
装置情報記憶部20は、プリンタ設定情報、消耗品情報、ログ情報などの情報が記憶されている。
ここで、プリンタ設定情報は、画像形成装置12の設定情報であり、例えば、印刷に係る設定情報である印刷メニューや、システム構成に係る設定情報であるシステム構成メニュー、ネットワーク接続に係る設定情報であるネットワークメニューなどの情報である。
また、消耗品情報は、画像形成装置12で用いられるトナーや紙などの消耗品に係る情報であり、例えば、各色のトナーの残量や用紙サイズなどの情報である。
そして、ログ情報は、後記する監視ログ生成部939が生成するログ(LOG)情報である。
【0029】
(レポート印刷ジョブ生成部19)
レポート印刷ジョブ生成部19は、レポート制御部18からの印刷ジョブデータ生成指示に応じて、印刷ジョブデータを生成し、レポート制御部18に出力する。
ここで、レポート印刷ジョブ生成部19は、印刷ジョブデータ生成指示が、プリンタ設定レポートの印刷ジョブデータを生成させる指示である場合、プリンタ設定レポート印刷ジョブデータを生成する。また、消耗品レポートの印刷ジョブデータを生成させる指示である場合、消耗品レポート印刷ジョブデータを生成する。あるいは、ログレポートの印刷ジョブデータを生成させる指示である場合、ログレポート印刷ジョブデータを生成する。
【0030】
これら印刷ジョブデータは、装置情報記憶部20に記憶された情報に基づいて生成される。プリンタ設定レポート印刷ジョブデータは、プリンタ設定情報に基づいて生成され、消耗品レポート印刷ジョブデータは、消耗品情報に基づいて生成され、ログレポート印刷ジョブデータは、ログ情報に基づいて生成される。
例えば、プリンタ設定情報に基づいて生成されたプリンタ設定レポート印刷ジョブデータは、印刷部16により図4に示すように用紙(媒体)に印刷される。
【0031】
(ファイル変換部21)
ファイル変換部21は、レポート制御部18から取得した印刷ジョブデータ(プリンタ設定レポート印刷ジョブデータ、消耗品レポート印刷ジョブデータ、ログレポート印刷ジョブデータ)から、電子ドキュメントファイル(画像データ)を生成し送信データ生成部22に出力する。
このときファイル変換部21が生成する電子ドキュメントファイルは、印刷ジョブデータが印刷部16により実行されて用紙(媒体)に印刷された印刷物のイメージを画面に表示させることができるデータであり、例えば、PDF(Portable Document Format)(登録商標)ファイルである。
【0032】
電子ドキュメントファイルがPDFファイルであれば、PDFファイルを閲覧できる環境にあるコンピュータ(例えばAdobe Reader(登録商標)がインストールされたコンピュータ)を用いることで、印刷部16により印刷された印刷物を、画面上で閲覧することができる。
【0033】
(送信データ生成部22)
送信データ生成部22は、ファイル変換部21から取得した電子ドキュメントファイル(PDFファイル)が画像処理装置1に到達するように送信データを生成する。
【0034】
(状態監視部39)
状態監視部39(障害検出部124)は、画像処理装置1の状態を監視する構成部であり、監視対象部123に状態変化が発生したことを検知して、監視ログ生成部939に通知する。状態監視部39は、例えば、LEDやフォトダイオードからなるセンサなど各種センサで構成され、紙詰まり、トナー切れなどを検知する。
ここで、画像処理装置1の状態とは、待機中やジョブデータ受信中、ウォーミングアップ中、印刷中のときであり、これらの状態が開始するときが状態変化が発生したタイミングである。例えば、画像処理装置1が待機中に、端末通信制御部13が端末通信接続部913を介してデータを受信したときが、データ受信という状態変化が発生したタイミングであり、このタイミングで、状態監視部39は監視ログ生成部939に通知する。
【0035】
(監視ログ生成部939)
監視ログ生成部939(障害検出部124)は、ログ(LOG)情報を生成し、装置情報記憶部20に記憶させる構成部である。この監視ログ生成部939は、状態監視部39からの通知を受けたタイミングで、その通知に係る状態変化を示すログ情報を生成する。
また、監視ログ生成部939は、状態監視部39からの通知のうち、予め決められた障害に係る情報や、障害と判断される基準値を超えたときの情報など、障害に係る通知のみをログ情報にして装置情報記憶部20に記憶させてもよい。
【0036】
〔画像処理装置1〕
画像処理装置1は、一般的なPC(Personal Computer)であり、インタフェースにUSBコネクタを備え、さらに、ユーザが電子ドキュメントファイルを閲覧可能なディスプレイを備えている装置である。
画像処理装置1は、図8に示すように、画面表示部2と、画像データ生成部902と、操作入力部3と、描画アプリ実行部4と、印刷ジョブ生成部5と、プリンタドライバ6と、ホスト通信制御部7と、ホスト通信接続部907と、メンテナンスアプリ実行部8と、コマンド記憶部9と、電子ドキュメント記憶部10とを備える。
【0037】
ここで、画像データ生成部902と、メンテナンスアプリ実行部8と、描画アプリ実行部4と、印刷ジョブ生成部5と、ホスト通信制御部7とは、制御部101が記憶部102に格納されるプログラム(不図示)を展開し、実行することによって実現される機能である。制御部101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)で構成される。
記憶部102は、コマンド記憶部9と、電子ドキュメント記憶部10と、プリンタドライバ6とを備え、データを記憶する構成部である。例えば、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disc Drive)などで構成される。
また、制御部101は、画像処理装置1の電源がオンされた時に、記憶部102に記憶されたOS(Operating System)(不図示)を起動して、画像処理装置1の制御を行う。
【0038】
(画面表示部2)
画面表示部2は、ユーザが視認可能なように画面データを画像として画面に表示する構成部である。例えば、LCD(Liquid Crystal Display)やディスプレイなどである。
(画像データ生成部902)
画像データ生成部902は、画面表示部2に表示可能な画面データに変換する構成部である。
(操作入力部3)
操作入力部3は、ユーザが操作することで画像処理装置1にデータを入力可能にする構成部である。例えば、マウスやキーボードである。
【0039】
(描画アプリ実行部4)
描画アプリ実行部4は、操作入力部3を介してユーザが選択した描画アプリケーションのプログラム(不図示)が記憶部102から取得されて、制御部101に実行されることにより機能する構成部である。ここで、描画アプリケーションは、文書作成アプリケーションや画像編集アプリケーションなどであり、例えば、Microsoft Word(登録商標)やAdobe Illustrator(登録商標)である。ユーザが操作入力部3を介して入力したデータに基づき、文書ファイルや画像ファイルなどが作成される。
描画アプリ実行部4は、操作入力部3を介して印刷指示が入力されたときには、印刷ジョブ生成部5にて受付可能な描画コマンド(例えばGraphic Device lnterfaceコマンド)を作成し、ユーザにより作成された文書ファイルや画像ファイルなどが印刷ジョブ生成部5に出力される。
【0040】
(印刷ジョブ生成部5)
印刷ジョブ生成部5(プリントスプーラ)は、記憶部102に記憶されたプリンタドライバ6を実行して、印刷ジョブデータを生成する。ホスト通信制御部7に出力する。
このプリンタドライバ6は、例えば、PostScript(登録商標)プリンタドライバである。また、GDI(Graphic Device lnterface)プリンタドライバであってもよい。
【0041】
(ホスト通信接続部907)
ホスト通信接続部907は、接続ケーブル11を介して画像形成装置12と接続するインタフェースである。このホスト通信接続部907は、接続ケーブル11がUSBケーブルであるため、USBコネクタとして機能する。また、ホスト通信接続部907は、IEEE1394、IrDA(Infrared Data Association)、Bluetooth(登録商標)などのインタフェースを備えてもよい。
【0042】
(ホスト通信制御部7)
ホスト通信制御部7は、ホスト通信接続部907を制御して、画像形成装置12とのデータの送受信を行う構成部である。このホスト通信制御部7は、ホスト通信接続部907と接続する接続ケーブル11がUSBケーブルであるため、USBコントローラとしての機能も有する。
このホスト通信制御部7は、ホスト通信接続部907を介して、画像形成装置12から取得した送信データ(電子ドキュメントファイル)をメンテナンスアプリ実行部8に出力する。
また、ホスト通信制御部7は、メンテナンスアプリ実行部8から取得したコマンドが画像形成装置12に到達するように送信データを生成し、この送信データをバイナリデータにして、ホスト通信接続部907を制御して画像形成装置12に送信する。
【0043】
(コマンド記憶部9)
コマンド記憶部9は、コマンド(文字列)と、そのコマンドに基づくファイル名が記憶されている。本実施形態において、図9に示すように、“MENU”と“プリンタ設定レポート.pdf”、“USAGE”と“消耗品レポート.pdf”、“LOG”と“ログレポート.pdf”がそれぞれ対応付けて記憶されている。
【0044】
(電子ドキュメント記憶部10)
電子ドキュメント記憶部10(ファイル保存部)は、電子ドキュメントファイル(PDFファイル)などのファイルが記憶される構成部である。
この電子ドキュメント記憶部10に記憶されたファイルは、画像処理装置1にて制御部101により実行されるOS(Operating System)の機能を介して画面表示部2に表示させることが可能である。例えば、ユーザが操作入力部3を操作して、画面表示部2に表示された所望のファイルのGUI(Graphical User Interface)(図10の「プリンタ設定レポート.pdf」)を押下する(開く)ことで、電子ドキュメント記憶部10に記憶されたPDFファイルを展開して、画面表示部2に表示させる処理を行う。
【0045】
(メンテナンスアプリ実行部8)
メンテナンスアプリ実行部8は、記憶部102に記憶されたプログラムであるメンテナンスアプリケーションを実行して、ユーザに対して、電子ドキュメントファイルとして画面表示部2に表示させるレポートの選択を促す。
【0046】
メンテナンスアプリ実行部8は、画面表示部2にメンテナンスレポート選択画面(図11)を表示させる。これにより、ユーザはこの画面を見て、画面上の「プリンタ設定レポート」ボタン、「消耗品レポート」ボタン、「ログレポート」ボタンのいずれか一つを、操作入力部3を操作して押下(選択)する。
メンテナンスアプリ実行部8は、選択されたボタンに対応するコマンドを、記憶部102のコマンド記憶部9から取得する。ここで選択されたボタンが「プリンタ設定レポート」であれば、MENUコマンドを取得し、「消耗品レポート」であれば、USAGEコマンドを取得し、「ログレポート」であれば、LOGコマンドを取得する。
【0047】
また、メンテナンスアプリ実行部8は、コマンドと対応付けて記憶されたファイル名をコマンド記憶部9からファイル名を取得し、そのファイル名を電子ドキュメントファイルに付けて、電子ドキュメント記憶部10に記憶させる。
【0048】
以上の構成を備える情報表示システム100は、一般的な画像形成システムでもあり、画像処理装置1が出力した印刷ジョブデータに基づき、画像形成装置12が媒体に画像を形成させる。その処理について簡単に説明する。
【0049】
(印刷処理)
ユーザは操作入力部3を操作して、制御部101に描画アプリケーションを起動させることで、制御部101は描画アプリ実行部4として機能する。描画アプリ実行部4は、ユーザが操作入力部3を介して入力する指示に応じて、描画ファイル(.doc)を生成し、画像データ生成部902を介して画面表示部2に表示させる。その後、ユーザから操作入力部3を介して印刷指示が入力されたときに、描画アプリ実行部4は、描画ファイル(.doc)を印刷ジョブ生成部5に出力する。印刷ジョブ生成部5はプリンタドライバ6を用いて、描画ファイル(.doc)を、画像形成装置12に対応した(画像を媒体に形成する処理が可能な)印刷ジョブデータを生成する。そして、ホスト通信制御部7は、その印刷ジョブデータを、ホスト通信接続部907と接続ケーブル11を介して接続する画像形成装置12に出力する。
【0050】
画像形成装置12において、接続ケーブル11と接続する端末通信接続部913を介して、端末通信制御部13が受信データ(印刷ジョブデータ)を取得する。受信データ解析部14がその受信データを解析して、印刷ジョブデータであれば、印刷部16に出力する。そして、印刷部16が印刷ジョブデータに基づいて、画像を媒体に形成し、外部に出力する。以上のように情報表示システム100において媒体に画像が形成される。
【0051】
[動作]
次に、図12ないし図16を参照して、情報表示システム100の処理動作について説明する(適宜、図1ないし図11を参照)。図12は、情報表示システム100を構成する画像処理装置1および画像形成装置12の全体処理動作のフローチャートである。図13は、図12におけるステップS100の画像処理装置1のファイル要求処理動作のフローチャートである。図14ないし図15は、図12におけるステップS200の画像形成装置12のファイル生成処理動作のフローチャートである。図16は、図12におけるステップS300の画像処理装置1のファイル表示処理動作のフローチャートである。
【0052】
(情報表示システム100の全体処理動作)
情報表示システム100において、まず画像処理装置1がファイル要求処理を実行し(ステップS100)、次に画像形成装置12がファイル生成処理を実行し(ステップS200)、そして、画像処理装置1がファイル表示処理を実行する(ステップS300)。そして、すべての処理を終了する。なお、ステップS100のファイル要求処理,ステップS200のファイル生成処理,ステップS300のファイル表示処理は、それぞれサブルーチン化されている。
【0053】
(画像処理装置1のファイル要求処理動作)
図13を参照して、画像処理装置1のファイル要求処理(図12のステップS100)動作について説明する(適宜、図1ないし図11を参照)。
画像処理装置1において、ユーザは操作入力部3を操作して、制御部101にメンテナンスアプリケーション(不図示)を起動させることで、制御部101はメンテナンスアプリ実行部8として機能する。
メンテナンスアプリ実行部8は、閲覧(取得)したい電子ドキュメントファイル(pdfファイル)の選択を促す画面(ファイル選択画面)を、画像データ生成部902を介して画面表示部2に表示させる(ステップS101)。これにより、図11に示すダイアログボックス(メンテナンスレポート選択画面)が画面表示部2に表示される。
【0054】
そして、ユーザにより、メンテナンスレポート選択画面上の「プリンタ設定レポート」、「消耗品レポート」、「ログレポート」のいずれかのファイルのボタンが選択される(ステップS102)。
メンテナンスアプリ実行部8は、選択されたボタン(ファイル)に対応するコマンドを、記憶部102のコマンド記憶部9から取得する(ステップS103)。ここで選択されたボタンが「プリンタ設定レポート」であれば、MENUコマンドを取得し、「消耗品レポート」であれば、USAGEコマンドを取得し、「ログレポート」であれば、LOGコマンドを取得する。
【0055】
メンテナンスアプリ実行部8は、取得したコマンドをバイナリデータにして、ホスト通信制御部7に出力する。ホスト通信制御部7は、コマンド(バイナリデータ)を、ホスト通信接続部907と接続する接続ケーブルを介して、画像形成装置12に出力する(ステップS104)。そして、画像処理装置1は、ファイル要求処理(S100)を終了し、メンテナンスアプリ実行部8は、画像形成装置12からのコマンドに対する応答データ(送信データ)を取得するまで待機する。
【0056】
(画像形成装置12のファイル生成処理動作)
図14ないし図15を参照して、画像形成装置12のファイル生成処理(図12のステップS200)動作について説明する(適宜、図1ないし図11を参照)。
画像形成装置12において、端末通信制御部13は、画像処理装置1からの受信データ(バイナリデータ)を、端末通信接続部913と接続する接続ケーブル11を介して取得する(ステップS201)。そして、端末通信制御部13は、受信データ(バイナリデータ)を受信データ解析部14に出力する。そして、受信データ解析部14は、受信データであるバイナリデータを解析して、コマンドを取得する(ステップS202)。
【0057】
受信データ解析部14は、記憶部122の比較用コマンド記憶部15から、取得したコマンドに一致する比較用コマンドを抽出できたかを判定する(ステップS203)。
一致するコマンドがなく、抽出できなかったとき(ステップS203,一致コマンドなし)、受信データ解析部14は、受信データを印刷ジョブデータと判定して、印刷部16に出力する(ステップS204)。これにより、印刷部16により印刷処理が行われ(ステップS205)、印刷部16が印刷ジョブデータに基づいて、画像を媒体に形成し、外部に出力する。そして、図12のAに戻り、すべての処理を終了する。
【0058】
一方、抽出したコマンドがMENUコマンドであれば(ステップS203,MENU)、受信データ解析部14は、プリンタ設定レポート要求データを出力して、レポート制御部18にプリンタ設定レポート要求をする(ステップS206)。
また、抽出したコマンドがUSAGEコマンドであれば(ステップS203,USAGE)、受信データ解析部14は、消耗品レポート要求データを出力して、レポート制御部18に消耗品レポート要求をする(ステップS207)。
また、抽出したコマンドがLOGコマンドであれば(ステップS203,LOG)、受信データ解析部14は、ログレポート要求データを出力して、レポート制御部18にログレポート要求をする(ステップS208)。
【0059】
ステップS206,S207,S208の処理後、レポート制御部18は、レポート印刷ジョブ生成部19に対して、受信データ解析部14から要求されたレポート(プリンタ設定レポート,消耗品レポート,ログレポート)の印刷ジョブデータの生成を要求をする(ステップS209)。
そして、レポート印刷ジョブ生成部19は、装置情報記憶部20から要求されたレポートに応じた情報を取得し(ステップS210)、その情報を所定のレイアウトで形成して、印刷ジョブデータを生成する(ステップS211)。これにより、レポート印刷ジョブ生成部19は、レポート制御部18からの要求に応じて、プリンタ設定レポート印刷ジョブデータ、消耗品レポート印刷ジョブデータ、ログレポート印刷ジョブデータを生成する。
そして、レポート印刷ジョブ生成部19は、印刷ジョブデータをレポート制御部18に出力し、レポート制御部18は、レポート印刷ジョブ生成部19から取得した印刷ジョブデータをファイル変換部21に出力する。
【0060】
ファイル変換部21は、取得した印刷ジョブデータに基づき、電子ドキュメントファイル(pdfファイル)に変換する(ステップS212)。このとき、ファイル変換部21は、印刷ジョブデータが印刷部16に出力されて媒体に記録されたときに、媒体表面に印刷されたイメージと同様のイメージとなる電子ドキュメントファイルに変換する。
そして、レポート制御部18は、電子ドキュメントファイルを送信データ生成部22に出力する(ステップS213)。
【0061】
送信データ生成部22は、取得した電子ドキュメントファイルが、接続ケーブル11を介して、画像処理装置1に送信されるように、電子ドキュメントファイルを含む送信データを生成する。このとき、送信データ生成部22は、受信データ解析部14から要求されたレポートのコマンドも含めて送信データを生成する(ステップS214)。そして、送信データ生成部22は、送信データを端末通信制御部13に出力する。
端末通信制御部13は、コマンドと電子ドキュメントファイルとを含む送信データを、端末通信接続部913と接続する接続ケーブルを介して、画像形成装置12に出力する(ステップS215)。そして、画像形成装置12はファイル生成処理(S200)を終了する。
【0062】
以上のように、画像形成装置12がファイル生成処理動作を実行することで、画像処理装置1からの受信データに含まれるコマンドが「MENUコマンド」であれば、「MENUコマンド」および「プリンタ設定レポートの電子ドキュメントファイル」を含む送信データを画像処理装置1に送信する。また、受信データに含まれるコマンドが「USAGEコマンド」であれば、「USAGEコマンド」および「消耗品レポートの電子ドキュメントファイル」を含む送信データを画像処理装置1に送信する。また、受信データに含まれるコマンドが「LOGコマンド」であれば、「LOGコマンド」および「ログレポートの電子ドキュメントファイル」を含む送信データを画像処理装置1に送信する。
【0063】
(画像処理装置1のファイル表示処理動作)
図16を参照して、画像処理装置1のファイル表示処理(図12のステップS300)動作について説明する(適宜、図1ないし図11を参照)。
画像処理装置1において、ホスト通信制御部7が、ホスト通信接続部907と接続する接続ケーブルを介して、コマンドに対する応答データ(送信データ)を取得する(ステップS301)。ホスト通信制御部7が取得した応答データ(送信データ)を、メンテナンスアプリ実行部8が取得する。メンテナンスアプリ実行部8は、応答データに付与されたコマンドを抽出し(ステップS302)、記憶部102のコマンド記憶部9を参照して、コマンドに対応するファイル名情報を取得する(ステップS303)。
ここで抽出したコマンドが、MENUコマンドであれば、「プリンタ設定レポート.PDF」を取得し、USAGEコマンドであれば、「消耗品レポート.PDF」を取得し、LOGコマンドであれば、「ログレポート.PDF」を取得する。
【0064】
そして、メンテナンスアプリ実行部8は、応答データに付与された電子ドキュメントファイル(pdfファイル)に、取得したファイル名を付けて(ステップS304)、記憶部102の電子ドキュメント記憶部10に記憶させる(ステップS305)。そして、画像処理装置1は、ファイル表示処理(S300)を終了する。
その後、ユーザにより、操作入力部3を介して、電子ドキュメントファイルが選択されることで、制御部101により、電子ドキュメントファイルを展開するためのアプリケーション(例えば、Adobe Reader(登録商標))が起動され、画像データ生成部902を介して、電子ドキュメントファイルの画像が画面表示部2に表示される。
例えば、「プリンタ設定レポート.PDF」であれば、画面表示部2にて、図4のように表示される。
【0065】
《第2の実施形態》
第2の実施形態における画像形成装置12Aは、図17に示すように、第1の実施形態における画像形成装置12が備える構成に、USBメモリ41が接続可能な記録媒体接続部43と、記録媒体接続処理部813とを新たに備える。さらに、第1の実施形態における画像形成装置12が備える操作パネル部17、レポート制御部18、ファイル変換部21、入力指示処理部917の機能に、後記するUSBメモリ記憶処理に係る機能を加えた操作パネル部17A、レポート制御部18A、ファイル変換部21A、入力指示処理部917Aを備える。
その他の第2の実施形態における画像形成装置12Aの構成については、第1の実施形態における画像形成装置12と共通する構成要素や同様な構成要素であるため、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0066】
(レポート制御部18A)
レポート制御部18Aは、入力指示処理部917Aからのプリンタ設定レポート要求を受け、レポート印刷ジョブ生成部19に対して、プリンタ設定レポートの印刷ジョブデータの生成を要求をする。その後、レポート制御部18Aは、レポート印刷ジョブ生成部19から取得した印刷ジョブデータ(プリンタ設定レポート印刷ジョブデータ)をファイル変換部21Aに出力する。
【0067】
(ファイル変換部21A)
ファイル変換部21Aは、レポート制御部18Aから取得した印刷ジョブデータ(プリンタ設定レポート印刷ジョブデータ、消耗品レポート印刷ジョブデータ、ログレポート印刷ジョブデータ)から、電子ドキュメントファイル(画像データ)を生成し、記録媒体接続部43に出力する。
【0068】
(記録媒体接続部43)
記録媒体接続部43は、USBメモリ41とデータの入出力が可能に接続されるインタフェースである。この記録媒体接続部43は、USBコネクタとして機能する。
【0069】
(記録媒体接続処理部813)
記録媒体接続処理部813は、記録媒体接続部43を介して、ファイル変換部21Aからの電子ドキュメントファイル(PDFファイル)を補助記憶媒体(USBメモリ41)に出力する(記憶させる)。この記録媒体接続処理部813は、記録媒体接続部43にUSBメモリ41が接続されるため、USBコントローラとしての機能も有する。
また、記録媒体接続処理部813は、入力指示処理部917Aからの、USBメモリ41が記録媒体接続部43に接続されているか否かの問い合わせに対して、記録媒体接続部43を確認し、USBメモリ41の接続/非接続を、入力指示処理部917Aに応答する。
【0070】
(USBメモリ41)
本実施形態では、記録媒体接続部43と接続する補助記憶媒体をUSBメモリとしているが、記録媒体接続処理部813が記録媒体接続部43を介して読取可能な補助記憶装置であればよい。この補助記憶媒体は、例えば、FDなどの磁気ディスク、CDやDVD、BDなどの光ディスク、SDメモリカード、USB接続ハードディスクでもよい。
【0071】
(操作パネル部17A)
操作パネル部17Aは、入力部としての機能と表示部としての機能とを兼ね備えたものであり、ユーザは操作パネル部17Aを操作して、各種レポートを印刷部16に印刷させる指示や、電子ドキュメントファイルをUSBメモリ41に記録させる要求をすることができる。
【0072】
(入力指示処理部917A)
第2の実施形態において、入力指示処理部917Aは、操作パネル部17AからのUSBメモリへの記録を要求する入力があったときに、USBメモリ41が記録媒体接続部43に接続されているか否かを、記録媒体接続処理部813に問い合わせる機能を有する。
【0073】
以上の構成を備える第2の実施形態によれば、USBメモリを介して、プリンタのネットワーク設定(ネットワーク メニュー)の情報をpdfデータで取得することができるため、ネットワークトラブルが発生しても、ネットワークトラブルを強制的に解決するための手順(プリンタにてリセットボタンを押下するなど)を行うことなく、トラブルの原因を究明することができる。
【0074】
[動作]
次に、図18を参照して、第2の実施形態における画像形成装置12AのUSBメモリ記憶処理動作のフローチャートについて説明する。
まず、画像形成装置12Aにおいて、操作パネル部17Aには、図19に示すように、レポートの出力手段の選択を促す画面が表示されている。
このとき、ユーザにより、操作パネル部17Aが操作されて、「>」が移動して、「レポートインサツ」が選択されると、その後、選択されるレポートが媒体に印刷されて出力される。この処理については説明を省略する。
【0075】
ここで、ユーザにより、操作パネル部17Aが操作されて、「レポートガゾウファイルサクセイ」が選択された(ステップS401)ことを受けて、操作パネル部17Aは、ファイル作成要求を入力指示処理部917に出力する(ステップS402)。
入力指示処理部917は、ファイル作成要求を受けて、USBメモリ41が記録媒体接続部43に接続されているか否かを、記録媒体接続処理部813に問い合わせる(ステップS403)。
【0076】
記録媒体接続処理部813は、入力指示処理部917Aからの問い合わせを受けて、記録媒体接続部43にUSBメモリ41の接続有無を確認し(ステップS404)、その接続確認結果(接続あり/接続なし)を入力指示処理部917Aに出力する。
入力指示処理部917Aは、その接続確認結果を判定し(ステップS405)、「接続なし」であれば(ステップS405,接続なし)、入力指示処理部917Aは、操作パネル部17Aに、USBメモリが未接続である旨を表示させる(図20)(ステップS406)。そして、入力指示処理部917Aは、記録媒体接続処理部813から、USBメモリ41が接続されたことの接続確認結果が通知されるまで待機する。
【0077】
一方、接続確認結果が「接続あり」であれば(ステップS405,接続あり)、入力指示処理部917Aは、レポート制御部18Aにプリンタ設定レポート要求をする(ステップS407)。
【0078】
レポート制御部18Aは、レポート印刷ジョブ生成部19に対して、入力指示処理部917Aから要求されたレポート(プリンタ設定レポート)の印刷ジョブデータの生成を要求をする(ステップS408)。
そして、以下のステップS409〜S411の処理は、図15のステップS210〜ステップS212の処理と同様の処理が行われる。
【0079】
レポート印刷ジョブ生成部19は、要求に応じた情報を、装置情報記憶部20から取得し(ステップS409)、その情報を所定のレイアウトで形成して、印刷ジョブデータ(プリンタ設定レポート印刷ジョブデータ)を生成し(ステップS410)、レポート制御部18Aに出力する。レポート制御部18Aは、レポート印刷ジョブ生成部19から取得した印刷ジョブデータ(プリンタ設定レポート印刷ジョブデータ)をファイル変換部21に出力する。
【0080】
ファイル変換部21は、取得した印刷ジョブデータ(プリンタ設定レポート印刷ジョブデータ)に基づき、電子ドキュメントファイル(pdfファイル)に変換する(ステップS411)。
そして、レポート制御部18Aは、電子ドキュメントファイル(「プリンタ設定レポートの電子ドキュメントファイル」)を記録媒体接続処理部813に出力する(ステップS412)。
【0081】
記録媒体接続処理部813は、取得した電子ドキュメントファイル(「プリンタ設定レポートの電子ドキュメントファイル」)を、記録媒体接続部43に接続されたUSBメモリ41に記憶させる(ステップS413)。
以上の処理により、ユーザにより要求された「プリンタ設定レポートの電子ドキュメントファイル」がUSBメモリ41に記憶される。その後、操作パネル部17Aに、USBメモリに電子ドキュメントファイルを記憶させた旨を表示させる(図21)。
【0082】
本発明は、前記した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や変形を行うことができる。
【0083】
例えば、第2の実施形態では、USBが接続されていることが確認できたとき、ステップS407(図18)の処理において、入力指示処理部917Aは、レポート制御部18Aにプリンタ設定レポート要求しているが、ユーザに対して取得したい電子ドキュメントファイル(pdfファイル)の選択を促す情報を操作パネル部17Aに表示させてもよい。
例えば、接続確認結果が「接続あり」であれば(ステップS405,接続あり)、入力指示処理部917Aは、操作パネル部17Aに、取得したい電子ドキュメントファイル(pdfファイル)の選択を促す情報を表示させる。そして、ユーザにより、「プリンタ設定レポート」、「消耗品レポート」、「ログレポート」のいずれかが選択される。
選択入力を受け付けた入力指示処理部917Aは、選択されたレポート要求をレポート制御部18Aに出力する。例えば、「プリンタ設定レポート」が選択されれば、プリンタ設定レポート要求データを出力して、レポート制御部18Aにプリンタ設定レポート要求をする(図14のステップS206と同様)。また、「消耗品レポート」が選択されれば、消耗品レポート要求データを出力して、レポート制御部18Aに消耗品レポート要求をする(ステップS207と同様)。また、「ログレポート」が選択されれば、ログレポート要求データを出力して、レポート制御部18Aにログレポート要求をする(ステップS208と同様)。
これにより、レポート制御部18Aは、第1の実施形態のレポート制御部18が実行する処理を行い、レポート印刷ジョブ生成部19からレポート要求に応じた印刷ジョブデータ(プリンタ設定レポート印刷ジョブデータ、消耗品レポート印刷ジョブデータ、ログレポート印刷ジョブデータ)を取得すればよい。
【0084】
また、第2の実施形態において、画像形成装置12AはUSBメモリ41を常に記録媒体接続部43に接続しておき、障害が発生したときに、自動でその障害に係るファイルをUSBメモリ41に記憶させてもよい。例えば、監視ログ生成部939は、状態監視部39からの検知が障害に係る通知であったときに、その障害に係るレポートをレポート制御部18Aに生成させる。そして、ファイル変換部21Aがレポートを変換してファイルを生成し、記録媒体接続処理部813、記録媒体接続部43を介して、USBメモリ41に記憶させてもよい。
【0085】
また、第1および第2の実施形態では、印刷ジョブデータから電子ドキュメントファイルに変換しているが、レポート印刷ジョブ生成部19を備えなくてもよい。例えば、受信データ解析部14からレポート要求を受けたレポート制御部18(18A)は、装置情報記憶部20から要求されたレポートに応じた情報を取得して、ファイル変換部21(21A)が電子ドキュメントファイルに変換可能なデータにして出力してもよい。
【0086】
また、第1および第2の実施形態によれば、次のような効果を期待することができる。
従来、液晶画面などの表示部を備えている画像形成装置は、エラーが発生したことを示す簡略化されたエラーメッセージや、エラーの種類を示すエラーコードなどが表示部に表示する。また、LEDなどの表示部を備えている画像形成装置は、エラーの種類を、複数のLEDの点灯および点滅を組み合わせたパターンで表示部に表示する。
そして、ユーザは画像形成装置で発生したエラーを解消するために、表示部とメンテナンスマニュアルとを見て、メンテナンスマニュアルに記述された対応手順に沿って対応する。
しかしながら、メンテナンスマニュアルに記述された手順に沿って対応しても、エラーを解消できない場合もあり、そのときは、メーカに対して電話やEメールなどで報告するものの、電話やEメールを受けたオペレータが、ユーザからの報告を正しく理解できないことや、エラーの原因を発見し解消するまでに時間がかかりすぎていたことがあった。
本実施形態によれば、ユーザはpdfの内容をオペレータに報告することで、オペレータはエラーの内容を容易に把握することができるため、問題解決率が高くなり、さらに顧客満足度の向上が期待できる。
【0087】
また、第1および第2の実施形態によれば、画像形成装置12(12A)にて発生したエラー(障害)を表示ためのメンテナンスアプリケーションを、画像処理装置1にインストールする必要がない。さらに、第2の実施形態によれば、USBメモリ41に記憶された電子ドキュメントファイルを展開することができればよいため、画像処理装置1は、一般的なPCに電子ドキュメントファイルを展開してディスプレイに表示させることができるソフトウェアがインストールされていればよい。つまり、第2の実施形態では、画像処理装置1の制御部101がメンテナンスアプリ実行部8として機能するためのメンテナンスアプリケーションを、記憶部102に記憶させる(インストールする)必要がない。
【0088】
また、第1および第2の実施形態によれば、画像形成装置12(12A)の印刷部16でエラー(障害)が発生して、障害発生原因を突き止めるための機能情報を印刷することができない状態であっても、接続ケーブル11を介して、画像処理装置1の画面表示部2の画面に機能情報を表示させることができる。これにより、画面表示部2の画面を介して、ユーザは機能情報を容易に得ることができる。
【0089】
さらに、第2の実施形態によれば、画像形成装置12Aと画像処理装置1との間でネットワークエラーが発生したときであっても、画像処理装置1を操作して、機能情報をUSBメモリ41に記憶させて、画像処理装置1にUSBメモリ41を接続することで、画面表示部2の画面を介して、ユーザは機能情報を容易に得ることができる。
【0090】
また、第1および第2の実施形態によれば、機能情報を、電子ドキュメントファイルに変換するため、電子ドキュメントファイルを展開できるソフトウェアがインストールされている画像処理装置1であれば、画面表示部2の画面を介して、ユーザは機能情報を容易に得ることができる。
【0091】
また、第1および第2の実施形態によれば、電子ドキュメントファイルとしてpdfファイルを用いることで、画像処理装置1に無料かつ容易に入手できるAdobe Reader(登録商標)をインストールすれば、ユーザは機能情報を容易に得ることができる。
【符号の説明】
【0092】
1 画像処理装置(画像表示装置)
2 画面表示部
3 操作入力部
4 描画アプリ実行部
5 印刷ジョブ生成部
6 プリンタドライバ
7 ホスト通信制御部
8 メンテナンスアプリ実行部
9 コマンド記憶部
10 電子ドキュメント記憶部
11 接続ケーブル
12,12A 画像形成装置
13 端末通信制御部
14 受信データ解析部
15 比較用コマンド記憶部
16 印刷部
17,17A 操作パネル部
18,18A レポート制御部
19 レポート印刷ジョブ生成部
20 装置情報記憶部
21,21A ファイル変換部
22 送信データ生成部
39 状態監視部
41 USBメモリ
43 記録媒体接続部
100 情報表示システム
101 制御部
102 記憶部
121 制御部
122 記憶部
123 監視対象部
124 障害検出部
813 記録媒体接続処理部
902 画像データ生成部
907 ホスト通信接続部
913 端末通信接続部
917,917A 入力指示処理部
939 監視ログ生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能情報が記憶される装置情報記憶部と、
前記機能情報を画像にして媒体に形成する画像形成部と
を備える画像形成装置であって、
前記機能情報をファイルにするファイル生成部と、
前記ファイルを外部に出力する外部出力部と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成部で発生した障害を検出し、検出した障害を示すログ情報を前記機能情報として前記装置情報記憶部に記憶させる障害検出部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載された画像形成装置。
【請求項3】
外部装置と通信ネットワークを介して通信可能に接続する通信部をさらに備え、
前記障害検出部は、前記通信ネットワークで発生した障害を検出し、検出した障害を示すログ情報を前記機能情報として前記装置情報記憶部に記憶させることを特徴とする請求項2に記載された画像形成装置。
【請求項4】
自装置内で発生した障害を検出し、検出した障害を示すログ情報を前記機能情報として前記装置情報記憶部に記憶させる障害検出部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載された画像形成装置。
【請求項5】
前記ファイルは、前記媒体表面に印刷されたレイアウトを画像表示装置にて表示可能な電子ドキュメントファイルであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載された画像形成装置。
【請求項6】
前記ファイルは、PDFファイルであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載された画像形成装置。
【請求項7】
前記機能情報は、プリンタ設定情報、消耗品情報、及び前記ログ情報のうち少なくとも一つで構成されることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか一項に記載された画像形成装置。
【請求項8】
ユーザにより、プリンタ設定情報、消耗品情報、前記ログ情報で構成される前記機能情報のうちいずれか一つが選択される選択入力部をさらに備え、
前記ファイル生成部は、前記選択された機能情報をファイルにすることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか一項に記載された画像形成装置。
【請求項9】
前記外部出力部は、補助記憶媒体に前記ファイルを記憶させることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載された画像形成装置。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載された画像形成装置と、
前記ファイルを展開して前記機能情報を表示可能な画像表示装置と
を備えることを特徴とする情報表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−43297(P2013−43297A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180579(P2011−180579)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】