説明

画像形成装置および画像形成システム

【課題】画像形成装置に接続される後処理装置の最適な接続順序を使用状況に応じて判断することを可能にする。
【解決手段】用紙に画像形成を行う画像形成部を備え、画像形成がされた前記用紙の後処理を行う後処理装置を多連に接続可能な画像形成装置において、当該画像形成装置に接続されている前記後処理装置の接続順序情報を取得する制御部と、前記後処理装置の使用状況を記憶する記憶部とを有し、前記制御部は、前記記憶部に記憶されている前記使用状況に基づいて、接続されている前記後処理装置の推奨接続順序を判断し、推奨される後処理装置の接続順序を表示部に表示するので、オペレーターは、後処理装置の適切な接続順序情報を容易に知ることができ、より一層の消費電力・騒音の低減、資材節約を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、用紙に画像を形成し、後処理装置で該用紙の後処理を可能にした画像形成装置および該画像形成装置と後処理装置とを備える画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像を用紙に形成する複写機、プリンタ、ファクシミリ、複合機などの画像形成装置では、画像を形成した用紙に対し、所望により後処理を行うことができる。後処理は、画像形成装置の後段側に接続された後処理装置によって行われる。後処理装置としては、例えば、平綴じ装置、中綴じ装置、折り装置、パンチ装置、製本装置、大容量スタッカー等がある。さらに、最近では、機能の異なる複数の後処理装置を画像形成装置に多連に接続して、複数の後処理を行うことを可能にした画像形成システムも提案されている(例えば特許文献1、2参照)。
このようなシステムでは、大規模化による消費電力の増大や騒音が解決すべき課題となる。本課題に対し、特許文献1で提案されている画像形成システムでは、各後処理装置が所定枚数以上自機に用紙が搬送されないと判断すると自律的に動作を停止する技術が提案されている。
また、特許文献2で提案されている画像形成システムでは、印刷モードと給紙装置または排紙装置の接続順序から動作すべき装置を判断し、印刷に必要な装置のみを動作させる技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−195929号公報
【特許文献2】特開2008−80648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、これら技術は複数の後処理装置の接続順序に関する考慮がない。このため、従来の画像形成システムでは、後段側で後処理を行う後処理装置が接続されていると、その前段側の後処理装置は、後処理を行う必要がなくても用紙の搬送のために稼働することが必要であり、無駄があるという問題がある。
さらに、最近では、後処理装置の接続替えを可能にして、多様な後処理を可能にした画像形成装置の提案もあり、画像形成システムの装置構成も固定的なものではない。このため、前記した特許文献1、2の技術では、接続替えによって生じる多様な接続形態に対応することができない。
【0005】
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、後処理装置の使用状況に応じて後処理装置の接続順序を適切に変更することで、より一層の消費電力・騒音の低減が期待できる画像形成装置および画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明の画像形成装置のうち、第1の本発明は、用紙に画像形成を行う画像形成部を備え、画像形成がされた前記用紙の後処理を行う後処理装置を多連に接続可能な画像形成装置において、
当該画像形成装置に接続されている前記後処理装置の接続順序情報を取得する制御部と、前記後処理装置の使用状況を記憶する記憶部とを有し、
前記制御部は、前記記憶部に記憶されている前記使用状況に基づいて、接続されている前記後処理装置の推奨接続順序を判断することを特徴とする。
【0007】
上記本発明によれば、記憶部に記憶した後処理装置の使用状況に応じて、推奨となる後処理装置の接続順序が判断され、これを参考にしてオペレーターは後処理装置の接続を適切な順序で行うことができ、例えば使用頻度の高い後処理装置を前段側に配置することで、後段側の無駄な稼働を抑えて省電力や騒音の低減を図ることができる。
【0008】
第2の本発明の画像形成装置は、前記第1の本発明において、表示を行う表示部を備え、前記制御部は、前記推奨接続順序を前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0009】
上記本発明によれば、オペレーターは、後処理装置の推奨の接続順序を表示部で容易に確認することができる。
【0010】
第3の本発明の画像形成装置は、前記第1または第2の本発明において、前記制御部は、接続されている前記後処理装置の構成情報を予め取得しており、該構成情報が前記記憶部に記憶されていることを特徴とする。
【0011】
上記本発明によれば、接続されている後処理装置の構成情報が予め取得されて記憶部に記憶されており、この構成情報によって後処理装置の接続順序情報を取得することができる。
後処理装置の構成情報は、後処理装置を新たに画像形成装置や他の後処理装置に接続した際に、オペレーターが入力するなどして取得することができる。
【0012】
第4の本発明の画像形成装置は、前記第1または第2の本発明において、前記制御部は、接続されている前記後処理装置と通信する通信部を有し、該通信部を介して前記後処理装置の接続順序情報を取得することを特徴とする。
【0013】
上記本発明によれば、通信部を介して後処理装置と画像形成装置との間で接続順序情報を送受信することで該情報を制御部で取得することができる。また、後処理装置が介在する後段の後処理装置では、前段の後処理装置を介して画像形成装置と通信を行うことが可能である。
【0014】
第5の本発明の画像形成装置は、前記第2の本発明において、前記制御部は、後処理装置の現状の接続順序と推奨接続順序とを、前記表示部に同時にまたは切り換えて表示可能とすることを特徴とする。
【0015】
上記本発明によれば、オペレーターは表示部に表示される後処理装置の現在の接続順序と、推奨の接続順序の両方を確認することができる。
【0016】
第6の本発明の画像形成装置は、前記第1〜第5のいずれかの本発明において、前記使用状況が使用履歴または/および使用計画であることを特徴とする。
【0017】
上記本発明によれば、後処理装置の過去の履歴や今後の使用予定に基づいて適切な接続順序を判断することができる。
これらの使用状況としては、後処理枚数や当該後処理装置での排紙枚数、稼働時間などを用いることができる。
【0018】
第7の本発明の画像形成装置は、前記第6の本発明において、前記使用履歴または/および使用計画が、ジョブ情報に関するものであることを特徴とする。
【0019】
上記本発明によれば、ジョブ毎の用紙の処理枚数や後処理装置の使用時間、排紙枚数などに基づいて使用履歴や使用計画を求めることができる。
【0020】
第8の本発明の画像形成システムは、前記第1〜第7のいずれかの発明に記載の画像形成装置と、該画像形成装置に接続された後処理装置とを備える画像形成システムであって、
前記後処理装置はそれぞれ自機で前記用紙の排紙が可能であり、
前記制御部は、排紙の枚数が相対的に多い後処理装置を当該画像形成装置の近い側に配置するように前記推奨接続順序を定めることを特徴とする。
【0021】
上記本発明によれば、用紙が相対的に多く排紙される後続の後処理装置ほど前段側に接続することで、後段側の後処理装置の無駄な稼働を抑制する。
【0022】
第9の本発明の画像形成システムは、前記第8の本発明において、前記後処理装置は、前記画像形成装置または他の後処理装置との通信を行う通信部を備えることを特徴とする。
【0023】
上記本発明によれば、画像形成装置および後処理装置間で通信部を介して互いに通信を行うことができ、該通信部を通して後処理装置の接続順序情報を制御部で取得することができる。
【0024】
第10の本発明の画像形成システムは、前記第8または第9の本発明において、前記後処理装置は、個別に、省電力モードへの移行または電源オフが可能であることを特徴とする。
【0025】
上記本発明によれば、不要時には省電力モードや電源オフによって省電力や騒音の低減などを図ることができる。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、本発明によれば、後処理装置の使用状況によって、オペレーターは、後処理装置の適切な接続順序情報を容易に知ることができ、より一層の消費電力・騒音の低減、資材節約の効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の実施形態のシステム構成図である。
【図2】同じく、第2の実施形態のシステム構成図である。
【図3】同じく、第1の実施形態の制御ブロックを示す図である。
【図4】同じく、第2の実施形態の制御ブロックを示す図である。
【図5】同じく、操作パネルの詳細を示す図である。
【図6】同じく、操作パネルに表示された基本画面を示す図である。
【図7】同じく、操作パネルに表示された出力ジョブ履歴画面を示す図である。
【図8】同じく、後処理装置の推奨接続順序を判断して操作パネルに表示する手順を示すフローチャートである。
【図9】同じく、後処理装置の推奨接続を操作パネルに表示した最適システム構成表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、本発明の一実施形態を図1に基づいて説明する。
図1は第1形態のシステム構成図である。
画像形成装置1は、画像形成装置本体10内に画像形成ユニット11と定着ユニット12とを有し、これら画像形成ユニット11と定着ユニット12とによって本発明の画像形成部が構成されている。また、画像形成装置1は、画像形成装置本体10上に操作パネル20と原稿読取ユニット30を備えている。
画像形成装置1の後段には、順次、中継装置40、中綴じ装置50、大容量スタッカー装置60、平綴じ装置70が直列に接続されて画像形成システムが構成されている。中継装置40、中綴じ装置50、大容量スタッカー装置60、平綴じ装置70を総称して後処理装置と呼ぶ。
【0029】
ユーザは原稿読取ユニット30に原稿をセットし、操作パネル20から所望の印刷モードを指定してプリント開始を指示することができる。また、操作パネル20は、各種表示が可能であり、本発明の表示部としての機能を有している。
画像形成装置1では、原稿読取ユニット30で原稿を読み取って画像データを生成する。それと同時に給紙カセット13から用紙を給紙し、画像形成ユニット11で画像データのトナー像を形成し、これを転写することで用紙上に画像を形成し、定着ユニット12で用紙上の画像を定着して中継装置40へ搬送する。
【0030】
中継装置40は画像形成装置1と後段装置とを中継する装置であり、画像形成装置本体10からの用紙を加速搬送して後段の後処理装置へ搬送する。
【0031】
中綴じ装置50は後処理装置の1つで、(1)ストレート排紙機能、(2)サブトレイ排紙機能、(3)中綴じ機能を有している。
ストレート排紙機能は、前段の後処理装置(この例では中継装置40)から後段の後処理装置(この例では、大容量スタッカー装置50)へストレートに用紙を搬送する。サブトレイ排紙機能は、前段の後処理装置から用紙を受けて、中綴じ装置サブトレイ51へ用紙を排紙する。
中綴じ機能は、前段の後処理装置から用紙を受けて、中綴じユニット55で中綴じを実施した後、中綴じ冊子トレイ52へ排紙する。
【0032】
大容量スタッカー装置60は後処理装置の1つで、(1)ストレート排紙機能、(2)サブトレイ排紙機能、(3)大容量スタッカー排紙機能を有している。
ストレート排紙機能は、前段の後処理装置(この例では中綴じ装置50)から後段の後処理装置(この例では平綴じ装置70)へストレートに用紙を搬送する。
サブトレイ排紙機能は、前段の後処理装置から用紙を受けて、大容量スタッカー装置サブトレイ61へ用紙を排紙する。
大容量スタッカー排紙機能は、前段の後処理装置から用紙を受けて、大容量スタッカー62へ用紙を排紙する。
【0033】
平綴じ装置70は後処理装置の1つで、(1)ストレート排紙機能、(2)サブトレイ排紙機能、(3)奥1点、手前1点、2点等のステープル機能を有している。
ストレート排紙機能は、前段の後処理装置(この例では大容量スタッカー装置)から用紙を受けて、平綴じ排紙トレイ72へ用紙を排紙する。
サブトレイ排紙機能は、前段の後処理装置から用紙を受けて、平綴じ装置サブトレイ71へ用紙を排紙する。
ステープル機能は、前段の後処理装置から用紙を受けて、平綴じユニット75で所望のステープルを実施した後、平綴じ排紙トレイ72へ用紙を搬送する。
【0034】
この実施形態では、後処理装置の接続順序は中継装置40が最前段、平綴じ装置70が最後段でなければならない。一方、中綴じ装置50と大容量スタッカー装置60は入れ替え可能である。
【0035】
中綴じ装置50と大容量スタッカー装置60を入れ替えた第2形態のシステムを図2に示す。図2は第2形態のシステム構成図である。
この実施形態2は、実施形態1に対し、上記のように中綴じ装置50と大容量スタッカー装置60の接続順序を変更したのみで、各装置の構成は同様である。
すなわち、画像形成装置1の後段に順次、中継装置40、大容量スタッカー装置60、中綴じ装置50、平綴じ装置70が直列に接続されて画像形成システムが構成されてる。 なお、各装置の構成は、実施形態1と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0036】
次に、第1の実施形態の画像形成システムにおける制御ブロックを図3に示し、その説明をする。
画像形成装置1は、用紙搬送部110、通信部120、画像形成ユニット11、定着ユニット12、操作パネル20、原稿読取ユニット30、不揮発メモリー130などを制御する画像形成装置制御部100を有している。画像形成装置制御部100は、本発明の制御部に相当する。
【0037】
画像形成ユニット11、定着ユニット12は、画像形成装置制御部100によって制御されて用紙への画像形成を行う。
【0038】
原稿読取ユニット30は、画像形成装置制御部100の制御を受け、原稿の読み取りを行い、読み取った画像データを画像形成装置制御部100に送信する。
【0039】
用紙搬送部110は、画像形成装置制御部100の制御を受け、給紙トレイ13からの用紙の給紙から後段の中継装置40へ用紙を搬送するまでの制御ユニットである。
【0040】
不揮発メモリー130は画像形成装置や後処理装置に関するカウンタや調整値が記憶されており、また、後処理装置の使用計画の情報を記憶することができ、画像形成装置制御部100によって読み書きが可能になっている。不揮発メモリー130は、本発明の記憶部として機能する。
使用計画は、予約ジョブとして保存されているものが例示される。また、不揮発メモリー130に接続されている後処理装置の構成情報(例えば種別や接続順序など)を不揮発メモリー130に記憶可能にしてもよい。後処理装置の構成情報は、オペレーターが操作パネル20を通して入力するものであってもよく、後述する通信部120を通して後処理装置から送信されたものであってもよい。
【0041】
通信部120は、画像形成装置制御部100の制御を受け、後段の後処理装置(この例では中継装置40)との間で行う通信を制御するものであり、接続されている後処理装置の状態や接続情報を取得することができる。
【0042】
中継装置40は、通信部210/220、用紙搬送部230を制御する中継装置制御部200を有している。
【0043】
通信部210は、中継装置制御部200の制御を受けて画像形成装置1の通信部120との間で通信を行う制御ユニットである。
通信部220は、中継装置制御部200の制御を受けて後段の後処理装置の通信部との間で通信を行う制御ユニットである。
【0044】
用紙搬送部230は、画像形成装置1から用紙を受けて、後段の後処理装置(この例では中綴じ装置50)へ該用紙を搬送するまでの制御ユニットである。
【0045】
中綴じ装置50は、通信部310/320、第1用紙搬送部330、第2用紙搬送部340、第3用紙搬送部350、中綴じユニット55を制御する中綴じ装置制御部300を有している。
第1用紙搬送部330は、中綴じ装置制御部300で制御され、前段の後処理装置(この例では中継装置40)から用紙を受けて後段の後処理装置(この例では大容量スタッカー装置60)へ該用紙をストレート搬送するまでの制御ユニットである。
第2用紙搬送部340は、中綴じ装置制御部300で制御され、前段の後処理装置から用紙を受けて中綴じ装置サブトレイ51へ該用紙を排紙するまでの制御ユニットである。
第3用紙搬送部350は、中綴じ装置制御部300で制御され、前段の後処理装置から用紙を受け、中綴じユニット55で中綴じを実施した後、該用紙を中綴じ冊子トレイ52へ排紙するまでの制御ユニットである。
中綴じユニット55は、中綴じ装置制御部300の制御を受けて、第3用紙搬送部350で搬送される用紙に中綴じの後処理を行うユニットである。
通信部310は、中綴じ装置制御部300の制御を受けて、前段の後処理装置の通信部との間で通信を行う制御ユニットである。
通信部320は、中綴じ装置制御部300の制御を受けて、後段の後処理装置の通信部との間で通信を行う制御ユニットである。
【0046】
大容量スタッカー装置60は、通信部410/420、第1用紙搬送部430、第2用紙搬送部440、第3用紙搬送部450、大容量スタッカー62を制御する大容量スタッカー装置制御部400を有している。
第1用紙搬送部430は、大容量スタッカー装置制御部400に制御され、前段の後処理装置(この例では中綴じ装置50)から用紙を受けて後段の後処理装置(この例では平綴じ装置70)へ該用紙をストレート搬送するまでの制御ユニットである。
第2用紙搬送部440は、大容量スタッカー装置制御部400に制御され、前段の後処理装置から用紙を受け、該用紙を大容量スタッカー装置サブトレイ61へ排紙するまでの制御ユニットである。
第3用紙搬送部450は、大容量スタッカー装置制御部400に制御され、前段の後処理装置から用紙を受け、該用紙を大容量スタッカー62へ排紙するまでの制御ユニットである。
大容量スタッカー62は、大容量スタッカー装置制御部400の制御を受けて、第3用紙搬送部450で搬送される用紙をスタックするユニットである。
通信部410は、大容量スタッカー装置制御部400の制御を受けて前段の後処理装置の通信部との間で通信を行う制御ユニットである。
通信部420は、大容量スタッカー装置制御部400の制御を受けて後段の後処理装置の通信部との間で通信を行う制御ユニットである。
【0047】
平綴じ装置70は、通信部510/520、第1用紙搬送部530、第2用紙搬送部540、第3用紙搬送部550、平綴じユニット75を制御する平綴じ装置制御部500を有している。
第1用紙搬送部530は、平綴じ装置制御部500に制御され、前段の後処理装置(この例では、大容量スタッカー装置60)から用紙を受けて、該用紙を平綴じ排紙トレイ72へ排紙するまでの制御ユニットである。
第2用紙搬送部540は、平綴じ装置制御部500に制御され、前段の後処理装置から用紙を受け、該用紙を平綴じ装置サブトレイ71へ排紙するまでの制御ユニットである。
第3用紙搬送部550は、平綴じ装置制御部500に制御され、前段の後処理装置から用紙を受け、平綴じユニット75で平綴じを実施した後、該用紙を平綴じ排紙トレイ72へ排紙するまでの制御ユニットである。
平綴じユニット75は、平綴じ装置制御部500の制御を受けて、第3用紙搬送部550で搬送される用紙に平綴じの後処理を行うユニットである。
通信部510は、平綴じ装置制御部500の制御を受けて、前段の後処理装置の通信部との間で通信を行う制御ユニットである。
【0048】
なお、各装置は上記したようにそれぞれの通信部を介して互いのステータス情報を交換している。また、画像形成装置制御部100は、各通信部を介して各後処理装置に制御情報を送信することができる。例えば、該当する後処理装置で後段側への用紙搬送および後処理が所定時間ないなどの場合に、画像形成装置制御部100では、該当後処理装置に制御信号を送り、該当後処理装置を省電力モードや電源オフの状態にすることができる。
【0049】
図4は第2形態のシステム構成図に対するブロック図であり、各装置ブロックは第1形態と同じである。各装置ブロックは、接続順序が異なるのみで機能は図3で説明したものと同様であるので、ここでは記載を省略する。
【0050】
次に、画像形成装置1に備える操作パネル20の詳細を図5に基づいて説明する。
図5は操作パネル20のレイアウト図である。
【0051】
操作パネル20は、表示及び操作が可能な表示操作部21と、操作入力を受けるテンキー22、プリントキー23、ストップキー24、パネルリセットキー25で構成されている。
表示操作部21は言語メッセージやビットマップイメージを表示するLCDと操作受付を行うタッチスクリーンを重ね合わせて構成されており、表示部として機能する。
オペレーターはLCDに表示された言語メッセージやビットマップイメージの所望の位置でタッチスクリーンを操作することで画面階層を遷移させながら画像形成モードを設定していく。
また、テンキー22は印字枚数設定や電話番号入力に使用することができ、プリントキー23とストップキー24はプリント開始/中断の指示用として使用される。
パネルリセットキー25は、設定した画像形成モードをデフォルト状態に初期化し、表示操作部21も電源投入初期の基本画面へと戻す。
【0052】
図6に操作パネル20に表示された基本画面140を示す。
基本画面140には、その中央には現在のシステム構成が表示されるシステム構成表示部141が設けられており、該システム構成表示部141では、後処理装置の接続順序が識別可能に表示されている。このシステム構成は、前述した第1の実施形態に相当する。
【0053】
また、基本画面140には、予約ジョブ表示欄142が設けられており、予約ジョブの一部が予約順にリスト表示される。ジョブ釦143を押釦すると、さらに詳細に予約ジョブの一覧を表示することができる。予約ジョブは、本発明における使用計画に相当する。
【0054】
また、基本画面140には、ジョブリスト釦144が押釦可能に表示されている。
画像形成装置制御部100は、これまでの出力ジョブ履歴を、例えば100個まで不揮発メモリー130や図示しないRAMに記憶することができる。100個を越えるジョブが出力された場合、古い履歴が消去され、新しい履歴が追加されて最新100個の出力ジョブ履歴が記憶される。
【0055】
基本画面140のジョブリスト釦144を押釦すると、図7に示すように出力ジョブ履歴画面150へ遷移し、記憶している出力ジョブ履歴が履歴表示欄151にリスト表示される。出力ジョブ履歴では、ページ数、部数などの情報を有しており、さらに、図示されていないが、排紙されたトレイの情報を有している。したがって、画像形成装置制御部100では、出力ジョブ履歴から、各後処理装置の排紙トレイにおける枚数の情報を計算して取得することができる。
また、出力ジョブ履歴画面150には、後処理装置順序釦152が押釦可能に表示されている。
【0056】
後処理装置順序釦152がオペレーターによって押釦されると、画像形成装置制御部100では、出力ジョブ履歴中のトレイ排紙枚数から後処理装置の使用頻度を比較して推奨される後処理装置の順序を判断する。その手順を図8のフローチャートに基づいて説明する。以下の手順は画像形成装置制御部100の制御によって実行される。
【0057】
なお、後処理装置は、画像形成装置の近くに配置するほどプリント動作時間を短くできる。また、不要な後処理装置を動作させる必要が無いので、消費電力や騒音を低減できる。
即ち、使用頻度の高い機能を有する後処理装置から順に画像形成装置本体の近くに配置するとよい。
【0058】
先ず、後処理装置順序釦が押釦されたかを判定し(ステップs1)、押釦されていなければ(ステップs1、No)、処理を終了する。後処理装置順序釦が押釦されていれば(ステップs1、Yes)、100個の出力ジョブ履歴に基づいて、中綴じ装置排紙枚数を計算し(ステップs2)、出力ジョブ履歴に基づいて、大容量スタッカー装置排紙枚数を計算する(ステップs3)。次に、計算によって得られた中綴じ装置排紙枚数と大容量スタッカー装置排紙枚数とを対比し、中綴じ装置排紙枚数が大容量スタッカー装置排紙枚数より大きいかを判定する(ステップs4)。
【0059】
中綴じ装置の排紙枚数は、中綴じ装置サブトレイ51と中綴じ冊子トレイ52への排紙枚数の和とする。大容量スタッカー装置の排紙枚数は大容量スタッカー装置サブトレイ61と大容量スタッカー62への排紙枚数の和とする。
【0060】
中綴じ装置排紙枚数が大容量スタッカー装置排紙枚数より大きければ(ステップs4、Yes)、前段を中綴じ装置、後段を大容量スタッカー装置として最適な接続順序(推奨)を判断し、操作パネル20に表示し(ステップs5)、処理を終了する。中綴じ装置排紙枚数が大容量スタッカー装置排紙枚数より大きくなければ(ステップs4、No)、前段を大容量スタッカー装置、後段を中綴じ装置として最適な接続順序(推奨)を判断し、操作パネル20に表示し(ステップs6)、処理を終了する。
【0061】
なお、この例では、後処理装置の使用頻度を判断するデータとして、出力ジョブ履歴のトレイ排紙枚数を使用したが、画像形成装置1の不揮発メモリー130に各排紙トレイの累積排紙枚数を記憶させ、使用しても良い。また、過去の出力ジョブ履歴でなく、今後の出力ジョブ計画(予約ジョブなど)を使用しても良く、出力ジョブ履歴と出力ジョブ計画を合わせて使用してもよい。
【0062】
図9は、最適と判断された装置構成を示す最適システム構成表示画面160を示すものである。
最適システム構成表示画面160には、「後処理装置の最適な接続順序を表示します」のメッセージ161とともに、システム構成表示部162が画面中央に表示されている。この表示によってオペレーターは後処理装置の推奨の接続順序を容易に確認することができる。なお、この画面では、最適な接続順序のみを表示しているが、現在の接続順序が分かるシステム構成を合わせて表示してもよい。
図9では、画像形成装置1の後段に、中継装置40、大容量スタッカー装置60、中綴じ装置50、平綴じ装置70が直列に接続されたシステム構成が表示されており、前記した第2の実施形態のシステム装置構成に相当する。
また、最適システム構成表示画面160には、「戻る」釦163が押釦可能に表示されている。「戻る」釦163を押釦すると、図7の出力ジョブ履歴画面に戻る。
【0063】
以上、本発明について上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りは適宜の変更が可能である。
【符号の説明】
【0064】
1 画像形成装置
11 画像形成ユニット
12 定着ユニット
20 操作パネル
40 中継装置
50 中綴じ装置
51 中綴じ装置サブトレイ
52 中綴じ冊子トレイ
55 中綴じユニット
60 大容量スタッカー装置
61 大容量スタッカー装置サブトレイ
62 大容量スタッカー
70 平綴じ装置
71 平綴じ装置サブトレイ
72 平綴じ排紙トレイ
75 平綴じユニット
100 画像形成装置制御部
120 通信部
210 通信部
220 通信部
310 通信部
320 通信部
410 通信部
420 通信部
510 通信部
520 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に画像形成を行う画像形成部を備え、画像形成がされた前記用紙の後処理を行う後処理装置を多連に接続可能な画像形成装置において、
当該画像形成装置に接続されている前記後処理装置の接続順序情報を取得する制御部と、前記後処理装置の使用状況を記憶する記憶部とを有し、
前記制御部は、前記記憶部に記憶されている前記使用状況に基づいて、接続されている前記後処理装置の推奨接続順序を判断することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
表示を行う表示部を備え、
前記制御部は、前記推奨接続順序を前記表示部に表示することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、接続されている前記後処理装置の構成情報を予め取得しており、該構成情報が前記記憶部に記憶されていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、接続されている前記後処理装置と通信する通信部を有し、該通信部を介して前記後処理装置の接続順序情報を取得することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、後処理装置の現在の接続順序と推奨接続順序とを、前記表示部に同時にまたは切り換えて表示可能とすることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記使用状況が使用履歴または/および使用計画であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記使用履歴または/および使用計画が、ジョブ情報に関するものであることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれかに記載の画像形成装置と、該画像形成装置に接続された後処理装置とを備える画像形成システムであって、
前記後処理装置はそれぞれ自機で前記用紙の排紙が可能であり、
前記制御部は、排紙の枚数が相対的に多い後処理装置を当該画像形成装置の近い側に配置するように前記推奨接続順序を定めることを特徴とする画像形成システム。
【請求項9】
前記後処理装置は、前記画像形成装置または他の後処理装置との通信を行う通信部を備えることを特徴とする請求項8記載の画像形成システム。
【請求項10】
前記後処理装置は、個別に、省電力モードへの移行または電源オフが可能であることを特徴とする請求項8または9に記載の画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−111904(P2013−111904A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261744(P2011−261744)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】