説明

画像形成装置に対する拡張UI対応確認方法並びにこの方法が用いられる拡張UI装置及び画像形成システム

【課題】画像形成装置が拡張UI装置に対応可能であるか否かを短時間で自動判別する。
【解決手段】拡張UI装置60から画像形成装置50に対しSNMPプロトコルにより画像形成装置50のメーカ及び画像形成装置50がMFPであるか否かを問い合わせ、その結果がMFPであることを示していれば、このメーカのWebサービス要求仕様に従って、画像形成装置50が拡張UI装置60に対応しているか否かを問い合わせる。画像形成装置50ではこの問い合わせに対応して拡張UI装置60を利用するモードに自動移行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に対する拡張UI対応確認方法並びにこの方法が用いられる拡張UI装置及び画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
メーカや型式(機種)の異なる複数の画像形成装置のUI画面を統一するために、各画像形成装置に、タッチパネル型液晶表示装置を備えた拡張UI装置を外付けし、通信媒体を介しこれらとサーバとを結合してLANを構成し、このサーバから拡張UI装置のWebブラウザがHTMLファイルを取得してこのタッチパネルにUI画面を表示する方法が用いられている(下記特許文献1、2)。
【0003】
この方法によれば、複数台の画像形成装置のUI画面が統一されるので、ユーザの操作性が向上する。
【特許文献1】特開2004−536513号公報
【特許文献2】特開2006−127503号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置を拡張UI装置に結合させて画像形成装置で拡張UI装置を直ちに利用可能にするには、LANに結合された複数の拡張UI装置がメーカに依存しない統一的構成であることから、拡張UI装置から見て画像形成装置が拡張UI装置に対応しているか否かを自動判別する必要がある。
【0005】
拡張UI装置から画像形成装置に対するWebサービス要求により、画像形成装置が拡張UI装置に対応しているか否かを問い合わせる場合、画像形成装置の機種に応じた仕様に従ってWebサービスを要求しなければならないので、この問い合わせを試行錯誤的に行わなければならない。しかも、不適合の仕様でWebサービス要求をした場合には、所定時間経過しても応答が無いことにより不適合又はWebサービス要求に対応していないことを判別しなければならない。このようなことから、画像形成装置が拡張UI装置に対応しているか否かの自動判別に要する時間が長くなり、拡張UI装置を起動させた後、拡張UI装置がレディ状態になるまでの時間が、長くなる原因となる。
【0006】
本発明の目的は、このような問題点に鑑み、画像形成装置が拡張UI装置に対応可能であるか否かを短時間で自動判別することが可能な画像形成装置に対する拡張UI対応確認方法並びにこの方法が用いられる拡張UI装置及び画像形成システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様では、画像形成装置と、拡張操作パネルを介したWebサービス要求により画像形成機能を実行させる拡張UI装置とがネットワークに結合されている状態で、該画像形成装置が該拡張UI装置に適合しているか否かを確認する、画像形成装置に対する拡張UI対応確認方法において、
(a)該拡張UI装置から該画像形成装置に対し、SNMPプロトコルで該画像形成装置のメーカ情報を要求してその応答を該拡張UI装置が受信し、
(b)該拡張UI装置から該画像形成装置に対し、該応答に含まれるメーカ情報に応じたWebサービス要求により、該画像形成装置が該拡張UI装置を利用可能であるか否かを問い合わせる、
ステップを有する。
【0008】
本発明による画像形成装置に対する拡張UI対応確認方法の第2態様では、第1態様において、
(c)該画像形成装置は、ステップ(b)での要求に肯定応答するとともに、該拡張UI装置を利用可能にするプログラムを起動させる、
ステップをさらに有する。
【発明の効果】
【0009】
上記第1態様の構成によれば、拡張UI装置から画像形成装置に対し、第1段階において、SNMPプロトコルで該画像形成装置のメーカ情報を要求してその応答を受信し、第2段階において、該メーカ情報に応じたWebサービス要求により、該画像形成装置が該拡張UI装置を利用可能であるか否かを問い合わせるので、該画像形成装置が該拡張UI装置に対応可能であるか否かを短時間で自動判別することが可能となり、画像形成装置の追加や交換に対し拡張UI装置を直ちに自動対応させることができるという効果を奏する。
【0010】
上記第2態様の構成によれば、この第2段階の要求に対応して、該画像形成装置を、該拡張UI装置を利用するモードに自動移行させることができるという効果を奏する
本発明の他の目的、構成及び効果は以下の説明から明らかになる。
【実施例1】
【0011】
図5は、本発明の実施例1に係る画像形成システムの概略図である。
【0012】
このシステムでは、機種が互いに異なる拡張操作パネル付画像形成装置10及び20と、サーバ30とが、LAN40に結合されている。簡単化のため、図5では複数の画像形成装置が2台である場合を記載している。サーバ30は、機種の異なる複数の画像形成装置に共通のサービスを提供するものであり、各画像形成装置のUI画面の遷移を管理することにより、これら画像形成装置のUI画面を統一し、また、要求に応じて、スキャンした原稿画像を縮小してプレビュー画像を生成する処理等を行う。この目的に為に、装置10では、画像形成装置50に拡張UI装置60が外付けされている。拡張UI装置60は、通常のコンピュータシステムであり、拡張UI装置本体61にタッチパネル62が結合されて、画像形成装置50に対する拡張操作パネルとして機能する。装置20についても装置10と同様である。このシステムに用いられている画像形成装置の種別は、MFP(Multifunction Peripheral)のみである。
【0013】
以下、拡張操作パネル付画像形成装置10とサーバ30との関係について説明するが、装置20とサーバ30との関係についても同様である。
【0014】
図6は、図5のシステムのハードウェア構成を示す概略ブロック図である。
【0015】
画像形成装置50では、MPU51がインターフェイス52を介してPROM53、DRAM54、操作パネル55、スキャナ56、プリンタ57、FAXモデム58及びネットワークインターフェイス59に結合されている。図6では、簡単化のため、複数のインターフェイスを1つのブロックインターフェイス52で示している。
【0016】
PROM53は、例えばフラッシュメモリであり、これには、オペレーティングシステム(OS)と、各種ドライバと、OSの上層で動作する各種プログラムと、データとが格納されている。各種プログラムは、画像形成機能部と、SNMPエージェントと、Webサービスサーバ(WSサーバ)と、操作パネルに対する処理部(パネルインターフェイス)と、これらに対する制御部とを含む。この画像形成機能には、コピー、スキャン、プリント、ファクシミリ送受信及び電子メール送受信がある。データには、各種設定値と、MIB(Management Information Base)とが含まれる。該WSサーバは、SOAP/HTTPプロトコルに則って、受信したSOAPリクエストメッセージを解釈して制御部へ渡し、制御部からの情報に基づいてSOAPリスポンスメッセージを作成する。
【0017】
DRAM14は、ワークエリア用であり、描画データのビットマップ展開等に用いられる。
【0018】
操作パネル55は、表示部とキー入力部とを備えており、設定情報又は指示を入力し、選択画面や設定画面などを表示させるためのものである。本実施例では、通常、操作パネル55の替わりに拡張UI装置60が使用され、システム故障時に画像形成装置50をスタンドアロンで動作させる場合に操作パネル55が使用される。
【0019】
スキャナ56は、コピー及びファクシミリ送信での画像入力用である。
【0020】
プリンタ57は、プリントエンジン、トナーカートリッジ、定着器並びに用紙の給紙部、搬送部及び排紙部を備えており、印刷データとして供給されるビットマップデータに基づきプリントエンジンの感光ドラムに静電潜像を形成し、これをトナーで現像し、用紙に転写し定着させた後に排紙する。
【0021】
FAXモデム58は、ファクシミリ送受信用である。ネットワークインターフェイス59は、LAN40に結合され、FAXモデム58は、不図示の公衆回線網に結合される。
【0022】
拡張UI装置本体61では、MPU63がインターフェイス64を介してPROM65、DRAM66、HDD67、ネットワークインターフェイス68及びタッチパネル62に結合されている。
【0023】
PROM65には、BIOS(Basic Input/Output System)及びその設定値が格納されている。DRAM66は、仮想記憶方式における主記憶装置として用いられる。
【0024】
HDD67には、OSと、各種ドライバと、SNMPマネージャと、画像形成装置50のWSサーバに対するWebサービス(WS)クライアントと、OSのTCP層から受け取ったUI画面ファイル(HTML又はXHTMLファイル)の内容をタッチパネル62に表示し又はUI画面ファイルに記述されたスクリプトに従ってこのWSクライアントを介し画像形成装置50及びサーバ30に対しサービス提供を要求するためのWebブラウザと、このWSクライアントを介して後述の初期化処理を行う制御部とがインストールされている。WSクライアントは、Webブラウザ又は制御部からの情報に基づいてSOAPリクエストメッセージを作成し、受信したSOAPリスポンスメッセージを解釈してWebブラウザ又は制御部へ渡す。
【0025】
同様に、サーバ30では、MPU33がインターフェイス34を介してPROM35、DRAM36、HDD37、ネットワークインターフェイス38及び会話型入出力装置32に結合されている。
【0026】
会話型入出力装置32は、入力装置としてキーボードとポインティンデバイスとを備え、出力装置として表示装置を備えている。
【0027】
PROM35には、BIOS及びその設定値が格納されている。DRAM36は、仮想記憶方式における主記憶装置として用いられる。
【0028】
HDD37には、OSと、各種ドライバと、各画像形成装置の各種設定値が格納されたデータベース(DB)と、このデータベースを管理(データの検索、更新及、追加、整合性チェック、排他ロック及び共有ロックを含む)するプログラム(DBMS)と、Webサーバと、このWebサーバ(HTTPサーバ)の上層で動作するWSサーバ(SOAPサーバ)と、Webアプリケーションとがインストールされている。WSサーバは、受信したSOAPリクエストメッセージを解釈してWebアプリケーションへ渡し、Webアプリケーションからの情報に基づいてSOAPリスポンスメッセージを作成する。
【0029】
図1は、図6のシステムのソフトウェア構成を示す概略ブロック図である。
【0030】
画像形成装置50の通信部500、拡張UI装置60の通信部600及びサーバ30の通信部300はいずれも、ネットワークインターフェイスのドライバ(データリンク層)並びにOSのTCP/IP層及びソケットレイヤのプログラムを備えている。
【0031】
画像形成装置50では、拡張UI装置60を利用する場合、制御部503が、通信部500からWSサーバ501を介し供給されるサービス要求に応答して、設定値記憶部505の設定値を書き換え又は画像形成機能部502に原稿スキャン等を行わせ、その結果を要求元へ返す。操作パネル55を用いる場合、制御部503は、操作パネル55からパネルインターフェイス504を介し供給される指示に応答して、設定値記憶部505の設定値を書き換え又は画像形成機能部502に原稿スキャン等を行わせる。SNMPエージェント506は、通信部500を介し要求されたデータをMIB記憶部507から取り出して要求元へ返信する。MIB記憶部507には、内部機器の状態のみならず、画像形成装置50のメーカ名及び画像形成装置の種別(MFP、プリンター、FAX等)を示す情報も含まれている。
【0032】
拡張UI装置60では、Webブラウザ601が、タッチパネル62上のボタンのタッチに応答して、通信部600を介しサーバ30にUI画面ファイルを要求し、WSクライアント602及び通信部600を介して画像形成装置50に設定値変更又はスキャン等の動作のサービスを要求し、又は、WSクライアント602及び通信部600を介してサーバ30に画像縮小サービスを要求し、それぞれの結果を要求元から受信する。WSクライアント602は、各メーカのWSDLファイルを用いて予め作成されたクライアントプロキシクラスを備えており、実行時に、メーカに対応したクライアントプロキシクラスのインスタンスが用いられる。
【0033】
制御部603はまた、Webブラウザ601を介さずに、SNMPマネージャ604及び通信部600を介し又はWSクライアント602及び通信部600を介して、画像形成装置50に対し後述の初期情報取得サービスを要求する。
【0034】
WSクライアント602又は/及び制御部603を用いずにこれらの機能を、UI画面ファイルの内容(スクリプト)と、これにクラスライブラリを提供すると共にスクリプトを解釈し実行するWebブラウザ601との組み合わせで実現することもできる。UI画面ファイルの内容の動的更新及びWebサービス要求は、Ajax(Asynchronous JavaScript and XML)の技術を用いて行うことができる。
【0035】
サーバ30では、Webアプリケーション303が、通信部300及びWebサーバ301を介して受け取った要求内容に応じ、データ管理部304をアクセスして画像形成装置の初期設定値を登録し又はこれを更新し、Webブラウザ601に送信するためのUI画面ファイル(HTML又はXHTMLファイル)を、この登録した設定値を用いて動的に生成し、その結果を返す。Webアプリケーション303はまた、通信部300及びWebサーバ301を介し供給される画像縮小サービス要求に応答して画像縮小処理を行い、その結果を返す。
【0036】
図2(A)及び図3は、画像形成装置50が拡張UI装置60に対応しているか否かを判別し、対応している場合にはさらに画像形成装置50の能力情報を取得する処理を示すフローチャートである。図2(A)及び図3の処理は、図2(A)のステップS0を除き、制御部603により行われる。図2(A)の処理は、拡張UI装置60に電源を投入し又は拡張UI装置60をシステムリセットすることにより開始される。
【0037】
図4は、図1のシステムにおいて、拡張UI装置60の起動又はシステムリセットから拡張UI装置60のタッチパネル62に初期メニューを表示させるまでの処理におけるノード間通信を示す概略シーケンス図である。以下、括弧内は図中のステップ識別符号である。
【0038】
(S0)拡張UI装置60のシステムを起動させる。すなわち、OSを起動させ、装置60を拡張UI装置として機能させるためのアプリケーションを起動させる。次に、制御部603に制御を移して以下の処理を行う。
【0039】
(S1)制御部603は、SNMPマネージャ604、通信部600及び通信部500を介して、SNMPエージェント506に対し、画像形成装置50のメーカ名と、画像形成装置50の種別情報とを要求する(図4のC1)。
【0040】
SNMPエージェント506はこれに応答して、MIB記憶部507内の対応するデータを読み出し、SNMPマネージャ604へ返信する(C2)。
【0041】
(S2)以下のシーケンス処理の状態を示す変数STに1を代入する。また、何らかの原因で応答が得られない場合のことを考慮して、タイマに所定時間を設定しこれをスタートさせる。
【0042】
図3は、通信部600を介した受信イベント及びこのタイマによるタイムアウトイベントの発生に対する制御部603でのイベントハンドラの処理を示すフローチャートである。図3では簡単化のために、初期化処理の期間ではST=1〜3の各々に対応した応答のみ受信すると仮定している。
【0043】
上記ステップS1での要求に応答した受信のイベント発生により、図3の処理が開始される。
【0044】
(S10)イベント発生原因がタイムアウトであればステップS1Aへ進み、そうでなければステップS11へ進む。
【0045】
(S11)ST=1であればステップS12へ進み、ST=2であればステップS15へ進み、ST=3であればステップS18へ進む。最初は、図2のステップS2によりST=1である。
【0046】
(S12)受信した種別情報がMFPであることを示していればステップS13へ進み、そうでなければステップS1Aへ進む。
【0047】
(S13)SOAPプロトコルで、画像形成装置50が拡張UI装置60に対応しているか否かを問い合わせる(C3)。この問い合わせはWSクライアント602、通信部600、通信部500及びWSサーバ501を介して制御部503へ伝達される。この際、制御部603は、WSクライアント602における、受信したメーカ名に対応したクライアントプロキシクラスのインスタンスを用いる。
【0048】
(S14)STに2を代入し、また、上記タイマを再スタートさせて、このイベントハンドラから抜け出す。
【0049】
図2(B)は、制御部503の受信イベントハンドラを示すフローチャートであり、主にステップS13の問い合わせに対する処理を示す。
【0050】
(S20)この問い合わせであればステップS21へ進み、そうでなければステップS23へ進む。
【0051】
(S21)拡張UI装置60に対応した画像形成装置50であるか否かを示す情報を制御部603に対し、SOAPプロトコルに則って返信する(C4)。
【0052】
(S22)画像形成装置50が拡張UI装置60に対応したものであれば、画像形成装置50を拡張UI装置60に対応させるプログラムを起動させて、画像形成装置50の動作モードをシステム対応とし、このイベントハンドラの処理を終了する。これにより、操作パネル55の使用が制限されるとともに、拡張UI装置60がその後レディ状態になれば拡張UI装置60が使用可能になる。
【0053】
(S23)リクエストに応じた処理、例えばスキャンやファックス送信の実行を行って、その処理結果を返し、このイベントハンドラの処理を終了する。
【0054】
ステップS21での応答が所定時間内に拡張UI装置60に返されると、図3の処理が再開され、ステップS11でST=2と判定されてステップS15へ進む。
【0055】
(S15)この応答が肯定応答であれば、ステップS16へ進み、そうでなければステップS1Aへ進む。
【0056】
(S16)制御部503に対し、SOAPプロトコルに則って、画像形成装置50の能力情報を要求する(C5)。この能力情報は、拡張UI装置60のUI画面の表示情報を一部省略するか否かをサーバ30で判定するためのものであり、例えば、MFPが電子メール送受信機能を備えているか否か、印刷に対する後処理機能を備えているか等を示すものである。
【0057】
(S17)STに3を代入し、また、上記タイマを再スタートさせて、このイベントハンドラから抜け出す。
【0058】
ステップS16での要求に対し、所定時間内に制御部503からリスポンスメッセージを受信すると(C6)、図3の処理が再開され、ステップS11でST=3と判定されてステップS18へ進む。
【0059】
(S18)受信した能力情報を、HTTP/SOAPでサーバ30のWebアプリケーション303に送信する(C7)。Webアプリケーション303はこれに応答して、受信した能力情報を、拡張UI装置60と対応させてデータ管理部304に書き込む。書込成功を示す情報が制御部603に返されるが(C8)、図3では簡単化のため、この処理が図示省略されている。
【0060】
(S19)制御部603はWebブラウザ601に対し、Webアプリケーション303へメインメニューファイルを要求させる。Webアプリケーション303は、Webブラウザ601からのこの要求(C9)に応答して、データ管理部304に格納されている拡張UI装置60の能力情報に応じ、標準的なメインメニュー又はこれからその一部を省略たものを作成し、Webブラウザ601に返す(C10)。
【0061】
(S1A)図3のイベントハンドラを無効化する処理を行う。すなわち、このイベントハンドラに関係付けられた全てのイベントを取り除く処理を行う。
【0062】
本実施例1によれば、拡張UI装置60から画像形成装置50に対しSNMPプロトコルにより画像形成装置50のメーカ及び画像形成装置50がMFPであるか否かを問い合わせ、その結果がMFPであることを示していれば、このメーカのWebサービス要求仕様に従って、画像形成装置50が拡張UI装置60に対応しているか否かを問い合わせるので、画像形成装置50に対し試行錯誤的に問い合わせを行ってタイムアウト待ちを繰り返すことなく、短時間で画像形成装置50が拡張UI装置60に対応しているか否かを知得して、拡張UI装置60の立ち上げからレディ状態になるまでの時間を短縮できるという効果を奏する。また、画像形成装置50ではこの問い合わせに対応して拡張UI装置60を利用するモードに自動移行することができるという効果を奏する。これらにより、画像形成装置50を取り替えても直ちに拡張UI装置60に対応させることが可能となる。
【0063】
本発明の好適な実施例を説明したが、本発明には他にも種々の変形例が含まれ、上述の機能を実現する他の構成を用いたもの、当業者であればこれらの構成又は機能から想到するであろう他の構成も、本発明に含まれる。例えば、本発明には以下のような変形例が含まれる。
【0064】
(1)SNMPで画像形成装置50に対しそのメーカ名及びFMPであるか否かを問い合わせる替わりに、型式の一部(メーカ名とFMPであるか否かを示す情報を判別できる部分、例えば「KM−」、「MX−」など)と、メーカ名と、FMPであるか否かを示す情報とを対応させたテーブルを予めHDD67に登録しておき、画像形成装置50の型式を問い合わせ、その結果をキーとしてこのテーブルを参照し、メーカ名及びFMPであるか否かを判定する構成であってもよい。この場合、該型式の一部としてMFPに対応したもののみテーブルに記入しておくことにより、MFPであるか否かを示す情報を省略してもよい。また、メーカ名はWSクライアント602内のどの部分を使用すればよいかを判別するためのものであるので、メーカ名を用いずに、型式の一部とWSクライアント602内の部分とを対応させたテーブルをHDD67に登録する構成であってもよい。
【0065】
(2)サーバ30が各画像形成装置50に対し拡張UI装置60に対応可能であるか否かを問い合わせ、その結果を各拡張UI装置60がサーバ30から取得する構成であってもよい。この構成は、上記(1)の変形例と組み合わせたものであってもよい。
【0066】
(3)本発明は、MFP以外の画像形成装置を含む画像形成システムにも適用可能である。
【0067】
(4)Webサービスで用いるプロトコルは、SOAPに限定されず、Webサービスを実現できるものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施例1に係る画像形成システムのソフトウェア構成を示す概略ブロック図である。
【図2】(A)は、拡張UI装置60に電源を投入し又はこれをシステムリセットすることにより開始される処理を示すフローチャートであり、(B)は、制御部503の受信イベントハンドラを示すフローチャートである。
【図3】受信イベント及びタイムアウトイベントの発生に対する、制御部603でのイベントハンドラの処理を示すフローチャートである。
【図4】拡張UI装置の起動又はシステムリセットから拡張UI装置のタッチパネルに初期メニューを表示させるまでの処理における、図1のシステムのノード間通信を示す概略シーケンス図である。
【図5】画像形成システムの概略図である。
【図6】図5のシステムのハードウェア構成を示す概略ブロック図である。
【符号の説明】
【0069】
10、20 拡張パネル付画像形成装置
30 サーバ
31 サーバ本体
32 会話型入出力装置
33、51、63 MPU
34、52、64 インターフェイス
35、53、65 PROM
36、54、66 DRAM
37、67 HDD
38、59、68 ネットワークインターフェイス
40 LAN
50 画像形成装置
55 操作パネル
56 スキャナ
57 プリンタ
58 FAXモデム
60 拡張UI装置
61 拡張UI装置本体
62 タッチパネル
300、500、600 通信部
301 Webサーバ
302、501 WSサーバ
303 Webアプリケーション
304 データ管理部
502 画像形成機能部
503、603 制御部
504 パネルインターフェイス
505 設定値記憶部
506 SNMPエージェント
507 MIB記憶部
550 スキャン継続ボタン
551 スキャンエンドボタン
560 オートシートフィーダ
561 給紙トレイ
601 Webブラウザ
602 WSクライアント
604 SNMPマネージャ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置と、拡張操作パネルを介したWebサービス要求により画像形成機能を実行させる拡張UI装置とがネットワークに結合されている状態で、該画像形成装置が該拡張UI装置に適合しているか否かを確認する画像形成装置に対する拡張UI対応確認方法において、
(a)該拡張UI装置から該画像形成装置に対し、SNMPプロトコルで該画像形成装置のメーカ情報を要求してその応答を該拡張UI装置が受信し、
(b)該拡張UI装置から該画像形成装置に対し、該応答に含まれるメーカ情報に応じたWebサービス要求により、該画像形成装置が該拡張UI装置を利用可能であるか否かを問い合わせる、
ステップを有することを特徴とする、画像形成装置に対する拡張UI対応確認方法。
【請求項2】
画像形成装置と、拡張操作パネルを介したWebサービス要求により画像形成機能を実行させる拡張UI装置と、該拡張UI装置からのUI画面ファイル要求に応答するサーバ装置とがネットワークに結合されている状態で、該画像形成装置が該拡張UI装置に適合しているか否かを確認する画像形成装置に対する拡張UI対応確認方法において、
(a)該サーバ装置から該画像形成装置に対し、SNMPプロトコルで該画像形成装置のメーカ情報を要求してその応答を該サーバ装置が受信し、
(b)該サーバ装置から該画像形成装置に対し、該応答に含まれるメーカ情報に応じたWebサービス要求により、該画像形成装置が該拡張UI装置を利用可能であるか否かを問い合わせる、
ステップを有することを特徴とする、画像形成装置に対する拡張UI対応確認方法。
【請求項3】
ステップ(b)の該Webサービス要求は、SOAPプロトコルに則って行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置に対する拡張UI対応確認方法。
【請求項4】
(c)該画像形成装置は、ステップ(b)での要求に肯定応答するとともに、該拡張UI装置を利用可能にするプログラムを起動させる、
ステップをさらに有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の拡張UI対応確認方法。
【請求項5】
ネットワークインターフェイスと、拡張操作パネルと、該拡張操作パネルを介した指示入力に応答して該ネットワークインターフェイスを介し外部の画像形成装置に対しWebサービスを要求することにより画像形成機能を実行させる制御部とを備えた拡張UI装置において、該制御部は、
(a)該画像形成装置に対し、該ネットワークインターフェイスを介し該画像形成装置のメーカ情報をSNMPプロトコルで要求し、その応答を該画像形成装置から受信し、
(b)該画像形成装置に対し、該応答に含まれるメーカ情報に応じたWebサービス要求により、該画像形成装置が該拡張UI装置を利用可能であるか否かを問い合わせる、
ステップを有することを特徴とする拡張UI装置。
【請求項6】
画像形成装置と、拡張操作パネルを介した指示入力に応答して該画像形成装置に対し画像形成機能を実行するWebサービスを要求する拡張UI装置とがネットワークに結合されている画像形成システムにおいて、
該拡張UI装置は、該画像形成装置に対し、SNMPプロトコルで該画像形成装置のメーカ情報を要求し、その応答を受信し、
該拡張UI装置は、該画像形成装置に対し、該応答に含まれるメーカ情報に応じたフォーマットのWebサービス要求により、該画像形成装置が該拡張UI装置を利用可能であるか否かを問い合わせる、
ことを特徴とする画像形成システム。
【請求項7】
画像形成装置と、拡張操作パネルを介した指示入力に応答して該画像形成装置に対し画像形成機能を実行するWebサービスを要求する拡張UI装置と、該拡張UI装置からのUI画面ファイル要求に応答するサーバ装置とがネットワークに結合されている画像形成システムにおいて、
該サーバ装置は、該画像形成装置に対し、SNMPプロトコルで該画像形成装置のメーカ情報を要求し、その応答を受信し、
該サーバ装置は、該画像形成装置に対し、該応答に含まれるメーカ情報に応じたフォーマットのWebサービス要求により、該画像形成装置が該拡張UI装置を利用可能であるか否かを問い合わせる、
ことを特徴とする画像形成システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−188583(P2009−188583A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−24764(P2008−24764)
【出願日】平成20年2月5日(2008.2.5)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】