説明

画像形成装置の緊急停止装置

【課題】地震の到達に備えた対応が可能であることは勿論のこと、地震の到達に備えて単に装置の動作を停止させた場合における読込動作中の原稿の破損や、画像形成動作中の用紙が機内に残存することに起因した二次的な障害といった不具合が発生するのを回避することが可能な画像形成装置の緊急停止装置を提供する。
【解決手段】地震発生時に、各地における地震の主要動の予想到達時刻及び予想震度を推定し、推定される予想到達時刻及び予想震度を通知する緊急地震通報を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された緊急地震通報の予想到達時刻及び予想震度のデータに基づいて、当該地震の予想震度及び予想到達時刻に応じて、画像形成装置の緊急停止動作を実行する緊急停止動作実行手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像形成装置の緊急停止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開昭57−3263号公報
【特許文献2】特開2002−326342号公報
【特許文献3】特開2005−251239号公報
【0003】
従来、地震の発生時に、磁気ディスク記憶装置や印刷機等の機器が損傷したり、データが消失したりするのを防止し得る技術としては、例えば、特開昭57−3263号公報や特開2002−326342号公報、あるいは特開2005−251239号公報等に開示されているものが既に提案されている。
【0004】
上記特開昭57−3263号公報に係る磁気ディスク記憶装置の停止方法は、地震の初期微動感知器が初期微動を感知したとき、その感知振動にもとづき、CPUとの情報の授受を停止するとともに、磁気ヘッドを磁気円板から離間させ、その後磁気円板の回転を所定の減速停止パターンに従って逓減させて停止させるように構成したものである。
【0005】
また、上記特開2002−326342号公報に係る異常振動監視装置は、異常振動を検出する異常振動検出手段と、この異常振動検出手段からの異常振動検出信号に応じて印刷機を停止させる制御手段とを備えるように構成したものである。
【0006】
さらに、上記特開2005−251239号公報に係る地震時ハードディスク装置保護システムは、データの書き込みおよび/または読み出しを行うためのハードディスク装置と、リアルタイム地震情報を常時受信する受信装置および/または前記ハードディスク装置が設置される構造物若しくは当該構造物を支持する地盤に配設される地震計と、前記受信装置で受信した前記リアルタイム地震情報および/または前記地震計の出力に基づき、前記ハードディスク装置が設置されている位置における地震動強さを予測し、当該予測地震動強さが予め設定された地震動強さの許容値を越える場合に、前記ハードディスク装置のヘッドを退避領域に移動させる信号を前記ハードディスク装置に出力する制御装置とを備えるように構成したものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、この発明が解決しようとする課題は、地震の到達に備えた対応が可能であることは勿論のこと、地震の到達に備えて単に装置の動作を停止させた場合における読込動作中の原稿の破損や、画像形成動作中の用紙が機内に残存することに起因した二次的な障害といった不具合が発生するのを回避することが可能な画像形成装置の緊急停止装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、請求項1に記載された発明は、地震発生時に、各地における地震の主要動の予想到達時刻及び予想震度を推定し、推定される予想到達時刻及び予想震度を通知する緊急地震通報を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された緊急地震通報の予想到達時刻及び予想震度のデータに基づいて、当該地震の予想震度及び予想到達時刻に応じて、画像形成装置の緊急停止動作を実行する緊急停止動作実行手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置の緊急停止装置である。
【0009】
また、請求項2に記載された発明は、前記緊急停止動作実行手段は、受信した震度が規定値未満の場合には、緊急停止動作を実行しないことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置の緊急停止装置である。
【0010】
さらに、請求項3に記載された発明は、前記緊急停止動作実行手段は、緊急地震通報の予想到達時刻に応じて、異なった複数の緊急停止動作を実行することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置の緊急停止装置である。
【0011】
又、請求項4に記載された発明は、前記緊急停止動作実行手段は、前記受信手段が緊急地震通報を受信した場合に、前記画像形成装置がジョブを実行中であって、且つ前記予想到達時刻までに当該ジョブを終了可能であると判別すると、当該ジョブを実行した後、緊急停止動作を実行することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置の緊急停止装置である。
【0012】
更に、請求項5に記載された発明は、前記緊急停止動作実行手段は、前記受信手段が緊急地震通報を受信した場合に、前記画像形成装置がジョブを実行中であって、且つ前記予想到達時刻までに当該ジョブを終了不可能であると判別すると、当該ジョブを直ちに中断した後、緊急停止動作を実行することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置の緊急停止装置である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載された発明によれば、地震の予想震度及び予想到達時刻に応じて、異なった画像形成装置の緊急停止動作を実行することで、読込動作中の原稿の破損や、画像形成動作中の用紙が機内に残存することに起因した二次的な障害といった不具合が発生するのを回避することができる。
【0014】
また、請求項2に記載された発明によれば、地震の予想震度に応じて、不必要な緊急停止動作を実行することがなく、ユーザーの利便性の妨げとなることがない。
【0015】
さらに、請求項3に記載された発明によれば、地震の予想到達時刻に応じた緊急停止動作を実行することができ、読込動作中の原稿の破損を防止することができるとともに、最悪の場合でも、画像形成動作中の用紙が機内に残存することに起因した二次的な障害の発生を回避することができる。
【0016】
又、請求項4に記載された発明によれば、地震の予想到達時刻に応じて、不必要な緊急停止動作を実行することがなく、ユーザーの利便性の妨げとなることがない。
【0017】
更に、請求項5に記載された発明によれば、地震の予想到達時刻に応じて、最悪の場合でも、画像形成動作中の用紙が機内に残存することに起因した二次的な障害の発生を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0019】
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置の緊急停止装置を適用した画像形成装置としてのタンデム型のデジタルカラー複合機を示すものである。
【0020】
図2において、1はタンデム型のデジタルカラー複合機の本体を示すものであり、複合機本体1の上部には、原稿2を一枚ずつ分離した状態で自動的に搬送する自動原稿搬送装置3と、当該自動原稿搬送装置3によって搬送される原稿2の画像を読み取り画像情報を入力する画像入力装置4が配設されている。
【0021】
上記自動原稿搬送装置3は、原稿トレイ上に載置された複数の原稿を1枚ずつ分離した状態で、プラテンガラス5の読取位置へと順次給送し、当該プラテンガラス5の読取位置に停止した縮小光学系を介して画像読取素子11上に走査露光することにより、原稿2の画像を読み取るように構成されている。その際、上記原稿2は、自動原稿搬送装置3のフィードロールやナジャーロール、あるいは搬送ロールや切り換えゲート等によって、1枚ずつ分離した状態で、プラテンガラス5の読取位置へと順次給送された後、載置トレイ上に排出されるようになっている。
【0022】
そのため、地震の発生時に、デジタルカラー複合機本体1が大きく振動すると、自動原稿搬送装置3によって搬送中の原稿2が、フィードロールやナジャーロール、あるいは搬送ロールや切り換えゲート等に挟まってジャムが発生する虞れがあり、場合によっては原稿2が破損する虞れを有している。
【0023】
また、上記原稿入力装置4は、プラテンガラス5上に載置された原稿2を光源6によって照明し、原稿2からの反射光像を、フルレートミラー7及びハーフレートミラー8、9及び結像レンズ10からなる縮小光学系を介してCCD等からなる画像読取素子11上に走査露光することにより、この画像読取素子11によって原稿2の反射光像を所定のドット密度(例えば、16ドット/mm)で読み取るようになっている。
【0024】
上記原稿読取装置4によって読み取られた原稿2の反射光像は、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)(各8bit)の3色の原稿反射率データとして画像処理装置12に送られ、この画像処理装置12では、原稿2の反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の所定の画像処理が施される。また、画像処理装置12は、図示しないパーソナルコンピュータ等から送られてくる画像データに対しても、所定の画像処理を行なうように構成されている。
【0025】
そして、上記の如く画像処理装置12で所定の画像処理が施された画像データは、同じく画像処理装置12によって、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)(各8ビット)の4色の階調データに変換され、次に述べるように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの画像露光装置14に送られ、この画像露光装置14では、所定の色の原稿の階調データに応じてレーザ光LBによる画像露光が行われる。
【0026】
ところで、上記タンデム型のデジタルカラー複合機本体1の内部には、図2に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kが、水平方向に一定の間隔をおいて並列的に配置されている。
【0027】
これらの4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kは、すべて同様に構成されており、図3に示すように、大別して、所定の速度で図示しない駆動手段によって回転駆動される像担持体としての感光体ドラム15と、この感光体ドラム15の表面を一様に帯電する一次帯電用の帯電ロール16と、当該感光体ドラム15の表面に所定の色に対応した画像を露光して静電潜像を形成する画像露光装置14(図2参照)と、感光体ドラム15上に形成された静電潜像を所定の色のトナーで現像する現像器17と、感光体ドラム15の表面を清掃するクリーニング装置18とから構成されている。
【0028】
上記感光体ドラム15としては、例えば、直径30mmのドラム状に形成され、表面にコート層を有する有機感光体からなるものが用いられ、図示しない駆動モーターによって所定の回転速度で回転駆動される。
【0029】
また、上記帯電ロール16としては、例えば、芯金の表面に合成樹脂やゴムからなり電気抵抗を調整した導電層を被覆したロール状の帯電器が用いられ、この帯電ロール16の芯金には、所定の帯電バイアスが印加されるものが用いられている。
【0030】
上記画像露光装置14は、図2に示すように、4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kに共通に構成されており、図示しない4つの半導体レーザを各色の原稿階調データに応じて変調して、これらの半導体レーザから4本のレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kを階調データに応じて出射するように構成されている。なお、上記画像露光装置14は、複数の画像形成ユニット毎に個別に構成しても勿論よい。上記半導体レーザから出射されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、図示しないf−θレンズを介して回転多面鏡19に照射され、この回転多面鏡19によって偏向走査される。上記回転多面鏡19によって偏向走査されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、図示しない複数枚の反射ミラーを介して感光体ドラム15上に、斜め下方から走査露光される。
【0031】
上記画像露光装置14は、図2に示すように、下方から感光体ドラム15上に画像を走査露光するものであるため、この画像露光装置14には、上方に位置する4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの現像器17などからトナー等が落下して、汚損される虞れを有している。そのため、画像露光装置14は、その周囲が直方体状のフレーム20によって密閉されているとともに、当該フレーム20の上部には、4本のレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kを、各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15上に露光するため、シールド部材としての透明なガラス製のウインドウ21Y、21M、21C、21Kが設けられている。そして、これらのガラス製のウインドウ21Y、21M、21C、21Kは、画像露光装置14のレーザ光LBに沿った光路上において、最も上方に位置する部材となっている。
【0032】
上記画像処理装置12からは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒 (K)の各色の画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kに共通して設けられた画像露光装置14に、各色の画像データが順次出力され、この画像露光装置14から画像データに応じて出射されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、対応する感光体ドラム15の表面に走査露光され、静電潜像が形成される。上記感光体ドラム15上に形成された静電潜像は、現像器17Y、17M、17C、17Kによって、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。
【0033】
上記各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15上に、順次形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの上方にわたって配置された中間転写ベルト25上に、一次転写ロール26によって多重に転写される。この中間転写ベルト25は、ドライブロール27と、バックアップロール28との間に一定のテンションで掛け回されており、図示しない定速性に優れた専用の駆動モーターによって回転駆動されるドライブロール27により、矢印方向に所定の速度で循環駆動されるようになっている。上記中間転写ベルト25としては、例えば、可撓性を有するPET等の合成樹脂フィルムを帯状に形成し、この帯状に形成された合成樹脂フィルムの両端を溶着等の手段によって接続することにより、無端ベルト状に形成したものが用いられる。
【0034】
上記中間転写ベルト25上に多重に転写されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、バックアップロール28に圧接する二次転写ロール29によって、圧接力及び静電気力で記録媒体としての転写用紙30上に二次転写され、これらの各色のトナー像が転写された転写用紙30は、上方に位置する定着器31へと搬送される。上記二次転写ロール29は、バックアップロール28の側方に圧接しており、下方から上方に搬送される転写用紙30上に、各色のトナー像を二次転写するようになっている。そして、上記各色のトナー像が転写された転写用紙30は、定着器31によって熱及び圧力で定着処理を受けた後、排出ロール32によって本体1の上部に設けられた排出トレイ33上に排出される。
【0035】
上記定着器31は、上述したように、熱及び圧力によって、未定着トナー像を転写用紙30上に定着するものであるため、地震発生時に、装置が故障して転写用紙30が定着器31の位置で停止した場合には、転写用紙30が加熱されたままの状態となる虞れがあり、転写用紙30が過剰に加熱されて発煙が発生したり、場合によっては発火したりする虞れがある。
【0036】
上記転写用紙30は、図4に示すように、複数段の給紙装置50〜53のうちの何れかの給紙カセット34から所定のサイズのものが、給紙ローラ35及び用紙分離搬送用のローラ対36により用紙搬送路37を介して、レジストロール38まで一旦搬送され、停止される。上記給紙カセット34から供給された転写用紙30は、所定のタイミングで回転するレジストロール38によって中間転写ベルト35の二次転写位置へ送出される。
【0037】
その際、地震が発生したときに、転写用紙30が搬送途中の状態であると、転写用紙30が給紙ローラ35や用紙分離搬送用のローラ対36、あるいはレジストロール38等に挟まった状態で停止する虞れもある。
【0038】
なお、上記デジタルカラー複合機において、フルカラー等の両面コピーをとる場合には、片面に画像が定着された転写用紙30を、排出ロール32によって排出トレイ33上にそのまま排出せずに、転写用紙30の後端を排出ロール32によって挟持している間に、図示しない切替ゲートによって搬送方向を切り替え、用紙搬送用のローラ対39を介して両面用搬送ユニット40へと搬送する。そして、この両面用搬送ユニット40では、搬送径路41に沿って設けられた図示しない搬送用のローラ対により、転写用紙30の表裏が反転された状態で、再度レジストロール38へと搬送され、今度は、当該転写用紙30の裏面に画像が転写・定着された後、排出トレイ33上に排出される。
【0039】
このとき、地震が発生した場合なども、転写用紙30が両面用搬送ユニット40の用紙搬送用のローラ対39によって搬送途中の状態であると、転写用紙30が用紙搬送用のローラ対39等に挟まった状態で停止する虞れもある。
【0040】
図2中、44Y、44M、44C、44Kは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の現像器17に、所定の色のトナーを供給するトナーカートリッジをそれぞれ示している。
【0041】
図3は上記デジタルカラー複合機の各画像形成ユニットを示すものである。
【0042】
上記イエロー色、マゼンタ色、シアン色及び黒色の4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kは、図3に示すように、すべてが同様に構成されており、これらの4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kでは、上述したように、それぞれイエロー色、マゼンタ色、シアン色及び黒色のトナー像が所定のタイミングで順次形成されるように構成されている。上記各色の画像形成ユニット13Y、13M,13C、13Kは、上述したように、感光体ドラム15を備えており、これらの感光体ドラム15の表面は、一次帯電用の帯電ロール16によって一様に帯電される。その後、上記感光体ドラム15の表面は、画像露光装置14から画像データに応じて出射される画像形成用のレーザ光LBが走査露光されて、各色に対応した静電潜像が形成される。上記感光体ドラム15上に走査露光されるレーザ光LBは、当該感光体ドラム15の直下よりやや右側寄りの斜め下方から、所定の傾斜角度で露光されるように設定されている。上記感光体ドラム15上に形成された静電潜像は、各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの現像器17の現像ロール17aによってそれぞれイエロー色、マゼンタ色、シアン色、黒色の各色のトナーにより現像されて可視トナー像となり、これらの可視トナー像は、一次転写ロール26の帯電によって中間転写ベルト25上に順次多重に転写される。
【0043】
上記各現像器17Y、17M、17C、17Kは、トナーとキャリアからなる二成分の現像剤を用いた二成分現像方式を採用しており、現像ロール17aの表面にトナーとキャリアからなる二成分現像剤の磁気ブラシを形成して、対応する色の感光体ドラム15Y、15M、15C、15Kの表面に形成された静電潜像を現像するように構成されている。
【0044】
なお、トナー像の転写工程が終了した後の感光体ドラム15の表面は、クリーニング装置18によって残留トナーや紙粉等が除去されて、次の画像形成プロセスに備える。上記クリーニング装置18は、クリーニングブレード42を備えており、このクリーニングブレード42によって、感光体ドラム15上の残留トナーや紙粉等を除去するようになっている。
【0045】
また、トナー像の転写工程が終了した後の中間転写ベルト25の表面は、図3に示すように、クリーニング装置43によって残留トナーや紙粉等が除去されて、次の画像形成プロセスに備える。上記クリーニング装置43は、クリーニングブラシ43a及びクリーニングブレード43bを備えており、これらのクリーニングブラシ43a及びブレード43bによって、中間転写ベルト25上の残留トナーや紙粉等を除去するようになっている。
【0046】
ところで、デジタルカラー複合機は、図4に示すように、通常、オフィス等の床面にキャスターCの回転を停止して固定した状態で設置されて使用されるものであるが、当該デジタルカラー複合機が使用される地域によっては、地震によって震度4程度以上の大きな振動に曝される虞れがある。
【0047】
そのため、上記デジタルカラー複合機は、地震によって大きな振動を受けて、自動原稿搬送装置4や転写用紙30の給紙搬送系などの駆動系、あるいはハードディスク等を備えた画像処理装置12などの電子回路等に損傷を被る虞れがある。
【0048】
自然現象としての地震には、図5に示すように、秒速5〜7km程度の速度で相対的に速く伝わるP波と、秒速3〜4kmの速度でP波よりも遅く伝わるが大きな揺れを伴うS波があることが知られている。日本全国でも、震度4程度以上の大きな地震が来ると予想される地域が複数あり、最近でも、震度4以上の大きな地震が各地で発生し、大きな被害を引き起こしている。
【0049】
そこで、気象庁60を中心として、地震が発生した場合には、図5に示すように、日本の各地に配置された地震観測装置(地震計)61のうち、震源近傍の地震観測装置61で相対的に速く伝わるP波を検知し、この地震観測装置61で検知されたP波の観測データに基づいて、震源や地震の規模(マグニチュード)、S波(“主要動”とも呼ばれる)が日本の各地に到達すると予想される予想到達時刻及び予想震度を直ちに推定し、気象庁60に備えられた緊急地震速報サーバー62によって可能な限り素早く緊急地震速報63として配信されるようになっている。
【0050】
この緊急地震速報63は、図5に示すように、気象庁60から日本各地の公的な機関に配信されることは勿論のこと、気象庁60から配信される緊急地震速報63の個別な配信サービスを行う事業者64から、個別の契約者毎にインターネット網を介して緊急地震速報65が配信されるようになっている。なお、緊急地震速報としては、気象庁60から配信される緊急地震速報63を利用しても良いし、配信サービスを行う事業者64から配信される緊急地震速報65を利用しても良い。
【0051】
図1はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置の緊急停止装置を適用したシステムのブロック図である。ここで、本実施の形態に係る画像形成装置の緊急停止装置は、例えば、ユーザーが使用する各画像形成装置に装着されるが、複数台の画像形成装置を1台又は複数台の保守サーバーで管理する場合には、保守サーバーに組み込んでも良い。
【0052】
図1において、100はユーザーが使用する複合機等からなる画像形成装置を示すものであり、この画像形成装置100は、原稿の画像情報を読み取って入力する画像入力装置101と、画像データに基づいて画像情報を出力する画像出力装置103と、これら画像入力装置101と画像出力装置103を制御するコントローラ102とから構成されている。
【0053】
上記画像形成装置の緊急停止装置は、主として、コントローラ102を構成するCPU等の制御回路と、当該制御回路で実行されるプログラムを記憶したROM等の記憶回路とから構成されており、必要に応じて、所定の停止動作を実行するために新たに装着される停止手段を備えている。
【0054】
上記コントローラ102は、図示しない通信用のモデムを介して、電話回線等によってインターネット網104に接続されており、緊急地震速報サーバー62からインターネット網104を介して配信される緊急地震速報63を受信可能となっている。このコントローラ102は、緊急地震速報63を受信すると、記憶回路に予め記憶されたプログラムに基づいて画像形成装置の所定の停止動作を実行するように構成されている。
【0055】
上記インターネット網104を介して画像形成装置100に接続された保守サーバー105は、画像形成装置の製造メーカーや保守メーカー等に配設されるものであり、各ユーザーが使用する複合機等からなる画像形成装置100とインターネット網104などのネットワークを介して接続され、各ユーザーが使用する複合機等からなる画像形成装置100の保守や点検等を行うサーバーである。
【0056】
ところで、この実施の形態では、地震発生時に、各地における地震の主要動の予想到達時刻及び予想震度を推定し、推定される予想到達時刻及び予想震度を通知する緊急地震通報を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された緊急地震通報の予想到達時刻及び予想震度のデータに基づいて、当該地震の予想震度及び予想到達時刻に応じて、画像形成装置の緊急停止動作を実行する緊急停止動作実行手段とを備えるように構成されている。
【0057】
上記コントローラ102は、受信手段と、緊急停止動作実行手段としての機能を兼ね備えている。
【0058】
上記コントローラ102は、上述したように、緊急地震速報63を受信すると、記憶回路に予め記憶されたプログラムに基づいて画像形成装置の所定の停止動作を実行するが、当該コントローラ102が実行する所定の停止動作は、緊急地震速報63で配信される地震の予想到達時刻及び予想震度の値によって異なるように設定されている。
【0059】
上記画像形成装置の所定の停止動作は、例えば、予想震度が画像形成装置100に影響を与える虞れがない震度4未満であった場合には、特に画像形成装置100の停止動作を行わず、地震の予想到達時刻に画像形成装置100が動作中であっても、そのまま画像形成動作を実行可能とするようになっている。
【0060】
一方、予想震度が画像形成装置100に影響を与える虞れがある震度4以上であった場合には、地震の予想到達時刻、つまり地震のP波が到達すると予想される時刻に応じて、異なった画像形成装置100の停止動作を実行するように構成されている。
【0061】
なお、この実施の形態では、予想震度が画像形成装置100に影響を与える虞れがない震度として、震度4未満である場合について説明するが、この予想震度が画像形成装置100に影響を与える虞れがない震度の値は、ユーザーが画像形成装置100を使用するビル等の建物の耐震構造の有無などや、ユーザーが使用する画像形成装置100の種類など、種々の要因によって変動するものであり、震度4未満に限定されるものではなく、場合によっては、震度4程度であっても、画像形成装置100に影響を与える虞れがない場合も考えられ、震度4未満に限定されるものではないことは勿論である。
【0062】
また、予想震度が画像形成装置100に影響を与える虞れがない震度としては、コントローラ102を操作することによってユーザーが任意に設定可能となるように構成しても良い。
【0063】
以上の構成において、この実施の形態に係る画像形成装置の停止装置では、次のようにして、地震の到達に備えた対応が可能であることは勿論のこと、地震の到達に備えて単に装置の動作を停止させた場合における読込動作中の原稿の破損や、画像形成動作中の用紙が機内に残存することに起因した二次的な障害といった不具合が発生するのを回避することが可能となっている。
【0064】
すなわち、この実施の形態に係る画像形成装置の停止装置では、図5に示すように、地震が発生すると、震源地を中心として、秒速5〜7km程度の速度で相対的に速く伝わるP波と、秒速3〜4kmの速度でP波よりも遅く伝わるが大きな揺れを伴うS波が伝搬し、これらP波とS波のうち、速く伝わるP波が日本の各地に設置された地震観測装置(地震計)61の中で、震源の近傍に設置された地震観測装置61・・・によって観測され、当該地震観測装置61・・・による観測データが気象庁60に送られる。
【0065】
気象庁60では、地震観測装置61・・・からP波の観測データを受信すると、気象庁60に設置されたコンピュータが自動的に震源地と、当該震源地における地震の大きさを求め、各地に地震の主要動であるS波が到達すると予想される予想到達時刻と予想震度とを自動的に予測する。
【0066】
すると、気象庁60に備えられた緊急地震速報サーバー62は、図1に示すように、上記の如く予想された各地に地震の主要動であるS波が到達すると予想される予想到達時刻と予想震度のデータである緊急地震速報63を、インターネット網104などのネットワークを介して、特に所定値以上の地震が到達すると予想される地域に向けて配信するようになっている。
【0067】
上記緊急地震速報63は、少なくとも当該地域に地震の主要動であるS波が到達すると予想される予想到達時刻と予想震度のデータを含んでおり、更に地域を識別するデータを付加した状態で配信される。
【0068】
上記の如く、地震発生時に、ユーザーが使用する画像形成装置100のコントローラ102は、インターネット網104などのネットワークを介して、緊急地震速報63を受信すると、予想震度に応じて所定の緊急停止動作を実行する。
【0069】
まず、上記画像形成装置100のコントローラ102は、図6に示すように、緊急地震速報63を受信すると(ステップ301)、当該緊急地震速報63を識別して、予想震度は規定値以上か否かを判別する(ステップ302)。ここで、規定値としては、例えば、震度4に設定されるが、この規定値は、画像形成装置100に影響を与える虞れがある震度に設定され、他の値に設定しても良い。
【0070】
上記コントローラ102は、予想震度が規定値以上でないと判別すると(ステップ302)、直ちに、当該画像形成装置の緊急停止動作を終了する。
【0071】
一方、上記コントローラ102は、予想震度が規定値以上であると判別すると(ステップ302)、予想到達時刻から現在の時刻を減算して地震到達時間を求め、当該地震到達時間が退避処理時間以上であるか否かを判別する(ステップ303)。ここで、退避処理時間とは、画像形成装置100が退避処理を実行するのに必要とする時間であり、画像形成装置100の機種等によって異なる時間である。
【0072】
上記コントローラ102は、地震到達時間が退避処理時間以上であると判別した場合には、更に、地震到達時間がジョブの実行に要する時間と退避処理時間を加算した時間以上であるか否かを判別する(ステップ304)。そして、地震到達時間がジョブの実行に要する時間と退避処理時間を加算した時間以上であると判別した場合には、図7に示すように、実行途中であるジョブを継続した後(ステップ305)、保守サーバーに退避処理を実行した旨を通知する(ステップ307)。
【0073】
また、コントローラ102は、地震到達時間が退避処理時間以上であるが、当該地震到達時間がジョブの実行に要する時間と退避処理時間を加算した時間未満であると判別した場合には、図8に示すように、実行途中であるジョブを直ちに中断した後(ステップ306)、保守サーバーに退避処理を実行した旨を通知する(ステップ307)。ここで、ジョブを中断する場合には、読込み動作を中止するとともに、読込み途中の原稿2を強制的に排出し、又、給紙途中の転写用紙30がある場合には、当該給紙途中の転写用紙30も強制的に排出する。
【0074】
その後、上記コントローラ102は、図6に示すように、第1の退避処理を実行した後に(ステップ308)、第2の退避処理を実行して(ステップ309)、当該画像形成装置の緊急停止動作を終了する。
【0075】
ここで、上記第1の退避処理としては、原稿2の搬送系や、転写用紙30の搬送系に設けられたクラッチやギアの噛み合いを外す動作などが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、画像形成装置100の画像入力装置101や画像出力装置103の機械的な機構を解除する動作を含むものである。
【0076】
また、上記第2の退避処理としては、第1の退避処理よりも緊急性の高い退避処理であって、且つ短時間に実行可能な処理であり、例えば、定着器31への通電を遮断したり、駆動系への通電を遮断する処理である。
【0077】
なお、ここでは、特に言及しなかったが、実行途中であるジョブを直ちに中断する場合には、これと並行して、画像データをハードディスクやフラッシュメモリ等に退避させるとともに、ハードディスクやフラッシュメモリ等を保護する処理も実行するのが望ましい。
【0078】
これに対して、上記コントローラ102は、図6に示すように、地震到達時間が退避処理時間未満であると判別した場合には(ステップ303)、図9に示すように、定着器31への通電を遮断するといった第2の退避処理のみを実行して(ステップ309)、当該画像形成装置の緊急停止動作を直ちに終了する。
【0079】
その後、地震のP波、更には主要動であるS波が到達した後は、コントローラ102は、図7〜図9に示すように、自己診断機能を実行し、当該自己診断の結果をインターネット104を介して保守サーバー105に送信する。
【0080】
保守サーバーは、画像形成装置100からの自己診断の結果を受信し、画像形成装置100が正常であるか、画像形成装置100が地震によって損傷したか、又は画像形成装置100が地震によって損傷したが、画像形成動作に支障がないか等を判別し、この判別結果に基づいて、ユーザーが有する画像形成装置100の状態を把握する。
【0081】
特に、公的機関に備えられた画像形成装置100の場合には、地震発生後に、緊急に通達する文書をコピーしたり、FAX機能を用いて第三者に送信したり、他の地域からの情報を受信したりする必要があり、保守サーバー105が画像形成装置100の自己診断結果を受信することによって、画像形成装置100が正常であるか否かを直ちに知ることができ、応急処置を直ちに執ることができる。
【0082】
即ち、保守サーバー105によって地震到達後に保守・点検を行う必要がある画像形成装置100のみを知ることができる。地震は、その揺れ方や設置条件等によって同じ地域でも画像形成装置100に損傷が生じる場合と、損傷が生じない場合とがあり、適切に対処することが可能となる。
【0083】
保守サーバー105は、画像形成装置100から自己診断結果を受信しない場合には、該当する画像形成装置100に何らかの異常が発生したと判別することができる。
【0084】
実施の形態2
図10はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、地震発生時に、画像形成装置を保護する保護手段を備えるように構成されている。
【0085】
すなわち、この実施の形態2では、図10に示すように、複合機本体1又は、当該複合機本体1が載置された給紙装置本体200に、地震発生時に、複合機本体1が載置された給紙装置本体200の転倒を防止して保護する保護手段として、給紙装置本体200の両側面に、脚部材201、201が図示しないモーターによって駆動されて突出するように構成されており、当該複合機本体1が転倒したりするのを防止するようになっている。
【0086】
上記複合機本体1が載置された給紙装置本体200は、通常、設置時に、キャスターが回転しないように配設されるとともに、必要に応じて、給紙装置本体200の底面から床面に延びた固定用のロッドによって固定される。
【0087】
しかし、震度4以上の大きな地震が発生した場合には、複合機本体1が載置された給紙装置本体200が大きく左右に揺れて、設置場所等によっては、複合機本体1が転倒する虞れがある。また、複合機本体1が載置された給紙装置本体200は、地震の揺れ方によって左右方向以外に前後方向に大きく揺れる場合があるが、通常、複合機本体1は、その背面側に壁面が位置する場合が多く、主として左右方向の揺れを考慮すればよい。
【0088】
そこで、この実施の形態2では、図10に示すように、コントローラ102が受信した予想到達震度が、複合機本体1に転倒が生じる震度4以上、あるいは震度5以上であると判別した場合、コントローラ102は、前述した退避処理を実行するとともに、図示しないモーターを駆動して、脚部材201、201を給紙装置本体200の側面から突出させて、給紙装置本体200を支持することにより、複合機本体1の転倒を未然に防止するようになっている。
【0089】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】図1はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置の緊急停止装置を示すシステム構成図である。
【図2】図2はこの発明の実施の形態1に係る緊急停止装置を適用した画像形成装置としてのタンデム型のフルカラー複合機を示す構成図である。
【図3】図3はこの発明の実施の形態1に係る緊急停止装置を適用した画像形成装置としてのタンデム型のフルカラー複合機の画像形成部を示す構成図である。
【図4】図4はフルカラー複合機の全体を示す構成図である。
【図5】図5は地震の緊急通報システムを示す模式図である。
【図6】図6はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置の緊急停止装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】図7はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置の緊急停止装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図8】図8はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置の緊急停止装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図9】図9はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置の緊急停止装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図10】図10はこの発明の実施の形態2に係る緊急停止装置を適用した画像形成装置としてのタンデム型のフルカラー複合機を示す構成図である。
【符号の説明】
【0091】
61:地震観測装置、62:緊急地震速報サーバー、63:緊急地震速報、100:画像形成装置、102:コントローラ、104:インターネット網。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地震発生時に、各地における地震の主要動の予想到達時刻及び予想震度を推定し、推定される予想到達時刻及び予想震度を通知する緊急地震通報を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された緊急地震通報の予想到達時刻及び予想震度のデータに基づいて、当該地震の予想震度及び予想到達時刻に応じて、画像形成装置の緊急停止動作を実行する緊急停止動作実行手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置の緊急停止装置。
【請求項2】
前記緊急停止動作実行手段は、受信した震度が規定値未満の場合には、緊急停止動作を実行しないことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置の緊急停止装置。
【請求項3】
前記緊急停止動作実行手段は、緊急地震通報の予想到達時刻に応じて、異なった複数の緊急停止動作を実行することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置の緊急停止装置。
【請求項4】
前記緊急停止動作実行手段は、前記受信手段が緊急地震通報を受信した場合に、前記画像形成装置がジョブを実行中であって、且つ前記予想到達時刻までに当該ジョブを終了可能であると判別すると、当該ジョブを実行した後、緊急停止動作を実行することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置の緊急停止装置。
【請求項5】
前記緊急停止動作実行手段は、前記受信手段が緊急地震通報を受信した場合に、前記画像形成装置がジョブを実行中であって、且つ前記予想到達時刻までに当該ジョブを終了不可能であると判別すると、当該ジョブを直ちに中断した後、緊急停止動作を実行することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置の緊急停止装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2009−72922(P2009−72922A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−241282(P2007−241282)
【出願日】平成19年9月18日(2007.9.18)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】