説明

画像形成装置及びその制御方法、並びに情報処理端末

【課題】 携帯電話からの電子メールにより画像形成装置に印刷指示を行う。
【解決手段】 画像形成装置は、電子メールなど固有のアドレス情報に従ってアクセス可能な第1の通信手段と、アドレス情報なしに接続を確立することができる赤外線通信や近距離無線データ通信のような第2の通信手段とを備えている。携帯電話は、第2の通信手段を介して電子メールアドレスを取得した後、第1の通信手段によって情報出力要求を行う。ユーザは携帯電話上の1つのアクションのみで目の前にある画像形成装置の電子メールアドレスを取得することができるので、携帯電話から電子メールを介して印刷指示を行なうことができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報の記録・複製・印刷出力等のサービスを提供するための情報出力サービスに係り、特に、ユーザが携帯電話などの携帯情報端末上からの通信経由で画像形成装置及びその制御方法に対して情報出力の指示を行うことができる情報出力サービスに関する。
【0002】更に詳しくは、本発明は、ユーザが携帯電話などの携帯情報端末上から電子メールなどの通信手段を利用して画像形成装置に対する情報出力要求を送信することができる画像形成装置及びその制御方法に係り、特に、画像形成装置が自身の電子メールアドレスなどのアドレス情報を簡易な手順でユーザ端末側に通知しあるいはユーザ端末側が取得することができる画像形成装置及びその制御方法に関する。
【0003】
【従来の技術】各種のOA(Office Automation)機器は、従来から盛んに開発製作され、企業や研究機関のオフィスなどに広範に普及してきている。特にドキュメンテーションが最重要視される現代社会においては、画像を高解像度且つ高品位に複製することができる画像形成装置がオフィス内を始めとして各場所に深く浸透してきている。
【0004】ここで言う「画像形成装置」には、原稿画像を読み取って印刷用紙上に再現する「複写機」の他、PSTN(Public Switched Telephone Network)やISDN(Integrated Services Digital Network)などの公衆電話回線経由で受信した画像データを画像出力する「ファクシミリ」、LAN(Local Area Network)やインターネットなどのネットワーク経由で受信したコンピュータ可読形式のデータやコンテンツを印刷する「プリンタ」、あるいは、これらのうち2以上の画像出力機能を備えた「複合機」などが含まれる。
【0005】画像形成装置は、一般に、原稿を光学的にスキャンして画像を読み取る画像入力部と、入力した画像データに対して色座標変換やデジタルフィルタリング、T/I分離などの所定の処理を施す画像処理部と、画像処理済みの画像データに基づいて入力画像を印刷用紙上に再現する画像出力部とで構成される。画像出力部には、例えば、電子写真プロセス方式が採用される。電子写真プロセスは、電子写真感光体に対する帯電、現像、クリーニングの繰り返しで実現される。すなわち、感光体の表面を帯電器によって一様に帯電させた後、画像データに従って感光体表面を露光して静電潜像を形成し、現像器によって静電潜像をトナー像とした後、所定の印刷用紙上にトナー像を転写する。その後、加熱溶融・圧着作用によりトナー像を印刷用紙上に定着して、画像形成装置の外に排紙する。転写後の感光体表面は、残留トナーがクリーナによって除去された後、次の現像プロセスに利用される。
【0006】ドキュメンテーションのニーズは拡大する一方である。その反面、高印字品位の画像形成装置は高価で且つ床面積が大きいので、一般消費者毎に自費で購入することは未だ困難である。このため、大学生協やコンビニエンスストアなどの公共的なスペースに複写機やファクシミリを設置して、有料の複写サービスやファクシミリ送信サービスを提供しているケースが散見される。例えばコインキットなどの課金装置を併設することにより、画像形成装置を無人環境下で利用に供することができる。既存の複写サービスにおいては、料金を予めコインキットに投入しておき、投入料金に応じた枚数のコピー出力が顧客に許容される(あるいは、プリペイドカードをカードリーダに挿入し、プリペイドカードの残金に応じた枚数のコピー出力が許容される)。また、ファクシミリ送信サービスにおいては、ファクシミリ送信後に、送信量に応じた使用代金を同一店舗内のレジにて精算するのが一般的である。
【0007】このような複写機やファクシミリの有料サービスは、サービスを利用する一般消費者にとっては、装置購入コストなしに高機能で且つ高印字品位な画像形成装置の恩恵を享受することができる。また、サービスを提供する店舗経営者にとっては、このような画像形成装置を設置しておくだけで、顧客が勝手に画像形成装置を操作して印刷出力することによって、印刷量に応じて従量加算されたサービス使用料金が自ずと蓄積されるとともに、印刷サービスを求めるユーザが店舗に集まるので顧客吸引力になるなどのメリットがある。例えば、前述したような「複合機」などの高機能・高印字品位の画像形成装置を店舗内に設置しておけば、複写、ファクシミリ、コンピュータ・データのプリント・アウトなど、情報記録に関する多種多様な有料サービスを1台の画像形成装置のみで実現することができる。
【0008】他方、パーソナル・コンピュータやワークステーションなど、比較的低価格で入手可能な計算機システムが普及し、いまやコンピュータは一般消費者の自宅やSOHO(Small Office Home Office)など、ビジネスや娯楽、その他各種業界のさまざまな用途に適応したツールとして深く浸透している。
【0009】また、コンピュータ・ユーザの立場からすれば、編集結果としてのドキュメントや、インターネットあるいはその他の経路により取得したコンテンツなど、各種のデータ・ファイルやコンテンツを印刷出力したいという要求は当然にしてある。例えば、比較的枚数が少なく且つ印字品位を要求されないような場合であれば、ローカル接続された低廉なインクジェット・プリンタを用いて印刷すればよい。これに対し、大量の印刷を行いたい場合には、印字速度の遅いインクジェット式プリンタでは処理が追いつかない。また、顧客に提出するドキュメントなどの高印字品位が求められている場合も、インクジェット式では印字品位に限界があるので、高価な電子写真方式による印刷出力に頼らざるを得ない場合が想定される。
【0010】このような場合の1つの解決策として、上述したような、コンビニエンス・ストアやその他の公共のさまざまな場所に複合機、若しくは高価高機能なプリンタを設置するとともに、各ユーザは自宅やオフィスのPCからこれら高機能プリンタに対してネットワーク経由でアクセスして、遠隔から印刷要求を発行するというサービス、すなわち「ネットワークプリントサービス」が考えられる。
【0011】このような場合、ユーザは、あらかじめ印刷を指示しておいて、都合のよい時間に都合のよい場所で印刷物を受け取ることができる。広域的なネットワークが今後ますます発達していくことを鑑みれば、さまざまな場所に数多くのプリンタを設置しておくニーズがさらに高まっていくものと予想される。
【0012】ところで、ユーザがプリンタ側にプリントジョブや印刷指示を送信する1つの形態としては、電子メールサービスを利用することが挙げられる。
【0013】例えば、本出願人に既に譲渡されている特開平6−77994号公報には、電子メールを用いてプリントサービスにデータを送出し得るネットワーク対応プリント処理システムについて開示されている。
【0014】このネットワーク対応プリント処理システムによれば、クライアントから送信された少なくともプリントのためのパラメータ及びプリントすべきドキュメントを含む電子メールを受信して、電子メール内のパラメータに基づいて電子メール内のドキュメントをプリントするようにした。すなわち、電子メールを用いてプリントサーバにデータ送信できるとともに、クライアントはプリントプロトコルをサポートする必要がないので、ユーザの作業性が向上する。
【0015】また、特開平10−171732号公報には、ネットワークを介して入力されるメールの内容を判断して、そのメールの内容から画像信号を生成して画像形成出力する画像形成装置について開示されている。すなわち、画像形成装置にメールを送るだけで、自動的にその内容をプリント出力することが可能となり、より経済的な回線を使用でき、安価な情報手段としてファクシミリ同様の機能を実現することができる。
【0016】このように電子メールを利用してユーザの端末からプリンタにプリントジョブや印刷指示を送信することによって、ユーザの端末側では特別な出力用ソフトウェア(画像形成装置がプリンタの場合には、例えばプリンタドライバ)を実装することなく、画像形成出力を行うことができる。
【0017】既に周知のように、電子メールの送信には、宛先のメールアドレスを指定する必要がある。電子メールアドレスは、通常、複数の文字の集合による文字列で構成される。この文字列には、英数字だけでなく"@"や"_"などの記号が含まれる。典型的な電子メールアドレスは、ユーザ名とドメイン名を構成するそれぞれの文字列を記号"@"で接続するという複合文字列形式で構成され、例えば"person.name@foo.co.jp"のように記述される。
【0018】一方、電子メール機能を利用可能な情報機器は、フルスクリーンやキーボード/マウスのような充実したユーザインターフェースを備え、各種アプリケーションを起動することができるパーソナルコンピュータ(PC)には限定されない。例えば、携帯情報端末や携帯電話上からも、電子メールを送受信することができる。但し、後者は、PCに比し携帯性に優れるものの、ユーザ・インターフェースに制約があるため、文字入力作業が煩雑であると言う側面がある。これは、この種の小型携帯端末では、入力キーやボタンの操作面が狭く、またキーピッチが小さいことや、単一の入力キーに対して押下回数の相違により複数の文字や機能を定義していることなどに依拠する。例えば、上述したメールアドレス"person.name@foo.co.jp"のうち、冒頭の文字列"printer"を入力するだけでも、ユーザは、キー入力モードを英数字に設定した後、7,3,3,7,7,7,カーソルキー,7,7,7,7,6,6,6,カーソルキー,6,6,…などと入力操作しなければならず、非常に煩雑である。
【0019】例えば、ユーザが、プリントジョブを発行後、コンビニエンスストアなどの最寄のプリンタに対して、携帯電話上で電子メール経由でプリントアウトを指示するような場合、仮にプリンタ自体は目の前にあったとしても、電子メールアドレスの入力作業が億劫となり、最終的な印刷出力の指示がままならない。言い換えれば、携帯機器上でネットワーク・プリント・サービスを理由するためには、電子メールアドレスを簡易に入力可能な手段が求められる。
【0020】例えば、特開平10−191453号公報には、PDAなどの携帯情報端末において作成された文書データなどを、ユーザが指定する店舗に設置された印刷装置に転送して印刷出力を行うことができるデータ転送出力システムについて開示されている。すなわち、PDA側では作成した文書データと位置情報をPHSセンタ経由でサービスセンタに送信し、サービスセンタではPDAの近くにある印刷候補場所となる店舗に関する情報を選び出して、PDAに送信する。この結果、PDA上では複数の印刷候補場所の中から所望の印刷場所を指定することができる。
【0021】しかしながら、同公報に記載のデータ転送出力システムの場合、ユーザの目の前にあるプリンタを直接指定することができず、一旦サービス・センタにアクセスし、幾つかの場所情報から検索しなければならず、プリンタの設置場所に出向いてから時間的なロスが発生する。
【0022】また、特開2000−124985号公報には、インターネットのような通信ネットワーク上のセンタに電話帳データをアップロードし、センタから携帯電話、PHS、FAX、据え置き電話などの通信端末装置に電話帳データを送信する方法について開示されている。
【0023】しかしながら、この場合、通信端末装置側では、電話番号などの所望のアドレス情報に到達するためには、複数のwebページへのアクセスを繰り返し行うなど、余分なユーザ操作が発生してしまう。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ユーザが携帯電話などの携帯情報端末上から画像形成装置に対して情報出力の指示を簡易に行うことができる、優れた画像形成装置及びその制御方法を提供することにある
【0025】本発明の更なる目的は、ユーザが携帯電話などの携帯情報端末上から電子メールなどの通信手段を利用して画像形成装置に対する情報出力要求を送信することができる、優れた画像形成装置及びその制御方法を提供することにある。
【0026】本発明の更なる目的は、画像形成装置が自身の電子メールアドレスなどのアドレス情報を簡易な手順でユーザ端末側に通知したり、あるいはユーザ端末側が取得することができる、優れた画像形成装置及びその制御方法を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、外部機器からの通信を介した操作によって情報を画像出力する画像形成装置であって、装置固有のアドレス情報に従ってアクセス可能な第1の通信手段と、アドレス情報なしに外部機器と通信を成立させる第2の通信手段と、情報を画像出力する画像出力手段と、外部機器から前記第2の通信手段を介したアドレス要求に応答して、前記第1の通信手段が使用する固有のアドレス情報を返すアドレス情報通知手段と、前記第1の通信手段を介した情報出力要求に応答して、前記画像出力手段によって該当する情報を画像出力する出力制御手段と、を具備することを特徴とする画像形成装置である。
【0028】本発明の第1の側面に係る画像形成装置は、電子メールなど固有のアドレス情報に従ってアクセス可能な第1の通信手段と、アドレス情報なしに接続を確立することができる赤外線通信や近距離無線データ通信のような第2の通信手段とを備えている。
【0029】したがって、画像出力要求を行うユーザは、携帯電話を用いて、第2の通信手段を介して画像形成装置の電子メールアドレスを取得した後、第1の通信手段によって画像形成装置に対して情報出力要求を行うことができる。
【0030】すなわちユーザは、携帯電話上の単一のアクションのみで目の前にある画像形成装置の電子メールアドレスを取得することができるので、メールアドレスをマニュアル操作でキャラクタ入力することなしに、携帯電話から電子メールを介して印刷指示を容易に行なうことができる。
【0031】ここで、前記第2の通信手段は、IrDA(Infrared Data Association)プロトコルなどに従う赤外線通信や、bluetoothなどに従う近距離無線データ通信などのような、無線データ通信を用いるようにしてもよい。
【0032】あるいは、前記第2の通信手段は、シリアルインターフェースケーブル、パラレルインターフェースケーブル、USB(Universal Serial Bus)インターフェースケーブル、局所的なネットワーク・ケーブルなどを用いるようにしてもよい。
【0033】第2の通信手段として前者のようなケーブルレスの通信手段を用いることにより、携帯電話などの外部機器のユーザは、画像形成装置の前に立つだけで、ケーブル接続などの煩雑な手作業なしに手軽に画像形成装置にアクセスして、その電子メールアドレスやその他の装置固有のアドレス情報を取得することができる。また、ケーブルの挿脱に伴う損耗やその他の物理的なダメージを心配する必要がなくなる。
【0034】他方、前記第1の通信手段は電子メールアドレスを用いる電子メール・サービスを利用するようにしてもよい。このような場合、装置固有のアドレス情報は電子メールアドレスを意味する。
【0035】あるいは、前記第1の通信手段はTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)プロトコルに従って外部機器と接続され、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)プロトコルやFTP(File Transfer Protocol)プロトコルなどを用いて、携帯電話などの外部機器と情報通信を行うようにしてもよい。
【0036】また、前記第1の通信手段は、外部機器との情報通信を暗号化することによって、伝送路上での画像出力用データのセキュリティを確保することができる。
【0037】また、本発明の第2の側面は、外部機器からの通信を介した操作によって情報を画像出力する画像形成装置の制御方法であって、アドレス情報なしに外部機器と通信を成立させて、外部機器からのアドレス要求に応答して、該画像形成装置に固有のアドレス情報を返すステップと、該固有のアドレス情報に従ったアクセスにより情報出力要求を受信するステップと、該情報出力要求に基づいて画像出力するステップと、を具備することを特徴とする画像形成装置の制御方法である。
【0038】また、本発明の第3の側面は、通信を介した操作によって画像形成装置に対する操作を行う情報処理端末であって、装置固有のアドレス情報に従ってアクセス可能な第1の通信手段と、アドレス情報なしに外部機器と通信を成立させる第2の通信手段と、前記第2の通信手段を介して画像形成装置に固有のアドレス情報の取得を要求するアドレス情報取得要求手段と、前記アドレス情報取得要求手段によって取得されたアドレス情報を用いて前記第1の通信手段を介して画像形成装置に対して要求を送信する情報出力要求手段と、を具備することを特徴とする情報処理端末である。
【0039】本発明の第3の側面に係る情報処理端末は、電子メールなど固有のアドレス情報に従ってアクセス可能な第1の通信手段と、アドレス情報なしに接続を確立することができる赤外線通信や近距離無線データ通信のような第2の通信手段とを備えている。
【0040】したがって、情報処理端末は、第2の通信手段を介して画像形成装置の電子メールアドレスを取得した後、第1の通信手段によって画像形成装置に対して情報出力要求などの要求を行うことができる。
【0041】すなわちユーザは、情報処理端末上の単一のアクションのみで目の前にある画像形成装置の電子メールアドレスを取得することができるので、メールアドレスをキャラクタ入力することなしに、情報処理端末から電子メールを介して印刷指示を容易に行なうことができる。
【0042】ここで、前記第2の通信手段は、IrDA(Infrared Data Association)プロトコルなどに従う赤外線通信や、bluetoothなどに従う近距離無線データ通信などのような、無線データ通信を用いるようにしてもよい。
【0043】あるいは、前記第2の通信手段は、シリアルインターフェースケーブル、パラレルインターフェースケーブル、USB(Universal Serial Bus)インターフェースケーブル、局所的なネットワーク・ケーブルなどを用いるようにしてもよい。
【0044】第2の通信手段として前者のようなケーブルレスの通信手段を用いることにより、情報処理端末のユーザは、画像形成装置の前に立つだけで、ケーブル接続などの煩雑な手作業なしに手軽に画像形成装置にアクセスして、その電子メールアドレスやその他の装置固有のアドレス情報を取得した後、このアドレス情報を利用して印刷実行の指示を発行することができる。また、ケーブルの挿脱に伴う損耗やその他の物理的なダメージを心配する必要がなくなる。
【0045】他方、前記第1の通信手段は電子メールアドレスを用いる電子メール・サービスを利用するようにしてもよい。このような場合、装置固有のアドレス情報は電子メールアドレスを意味する。
【0046】あるいは、前記第1の通信手段はTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)プロトコルに従って外部機器と接続され、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)プロトコルやFTP(File Transfer Protocol)プロトコルなどを用いて外部機器と情報通信を行うようにしてもよい。
【0047】また、前記第1の通信手段は、外部機器との情報通信を暗号化することによって、伝送路上での画像出力用データのセキュリティを確保することができる。
【0048】また、情報処理端末は、前記アドレス情報取得要求手段によるアドレス情報取得要求動作を付勢するためのアドレス取得ボタンをさらに備えていてもよい。
【0049】この前記アドレス取得ボタンをWebブラウザ上のURL(Uniform ResourceLocator)リンクとして構成するようにしてもよい。
【0050】あるいは、前記アドレス取得ボタンを電子メールアプリケーションの送信宛先選択ボタンと兼用するようにしてもよい。
【0051】あるいは、前記アドレス取得ボタンをアドレス帳アプリケーション内に装備してもよい。
【0052】あるいは、前記アドレス取得ボタンを機械的若しくは電気的な操作手段により装備するようにしてもよい。
【0053】本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【0054】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明の実施例を詳解する。
【0055】図1には、本発明の実施に供される画像形成装置10の機能構成を模式的に示している。
【0056】同図に示すように、画像形成装置10は、システム制御部11と、ユーザインターフェース部12と、作業用記憶部13と、補助記憶部14と、画像出力部15と、ネットワーク制御部16と、通信制御部17と、通信送受部18とで構成される。以下、各部について説明する。
【0057】システム制御部11は、サーバ50全体の動作を統括的に制御するメインコントローラであり、例えばCPU(Central Processing Unit)で構成され、オペレーティングシステム(OS)の制御下で各種アプリケーションを実行することができる。
【0058】ユーザインターフェース部12は、例えばタッチセンサ式のコントロールパネルで構成され、用紙サイズ、印刷部数、両面/片面、拡大/縮小率、丁合いやステープルなど、画像出力に関する機能選択ボタンを備えており、ユーザはこれら機能選択をユーザインターフェース部12を介して対話的に行うことができる。
【0059】作業用記憶部13は、システム制御部11が印刷処理やネットワーク経由でのデータ通信処理、ユーザインターフェース部12を介したユーザ入出力など、各種の処理プログラムを実行するために必要な作業領域を提供する記憶装置で構成される。作業用記憶部13は、プログラムコードをロードしたり、実行プログラムの一時的な保持に使用される。
【0060】補助記憶部14は、例えばハードディスク・ドライブ(HDD)などのような不揮発性の記憶装置で構成され、プログラムやデータなどのコンピュータファイルの保存や、プリントジョブのスプール(SPOOL:simultaneous peripheral operation on-line)などに利用される。
【0061】画像出力部15は、スプールされたプリントジョブのプリントアウトを実行する機能モジュールである。印刷エンジンには、例えば、電子写真プロセス方式が採用される。電子写真プロセスは、電子写真感光体に対する帯電、現像、クリーニングの繰り返しで実現される。すなわち、感光体の表面を帯電器によって一様に帯電させた後、画像データに従って感光体表面を露光して静電潜像を形成し、現像器によって静電潜像をトナー像とした後、所定の印刷用紙上にトナー像を転写する。その後、加熱溶融・圧着作用によりトナー像を印刷用紙上に定着して、画像形成装置の外に排紙する。転写後の感光体表面は、残留トナーがクリーナによって除去された後、次の現像プロセスに利用される。
【0062】画像出力部15は、例えば、用紙サイズや紙質に応じて印刷用紙トレイの管理並びに給紙動作の管理を行うための用紙管理部や、排出する印刷済み用紙をトレイやスタッかに蓄積したりパンチやステープルなどのフィニッシュ処理を行う用紙排紙部などを備えていてもよい。
【0063】ネットワーク制御部16は、例えばネットワークインターフェースカード(NIC)並びに通信プロトコル層ソフトウェアの組み合わせで構成され、画像形成装置10をTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)ネットワーク(例えばインターネット)のような広域ネットワークに接続することができる。画像形成装置10は、ネットワーク経由で、携帯電話やその他の外部装置と相互接続される。
【0064】TCP/IPネットワーク上では、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)プロトコルによるハイパーテキスト(HTML(Hyper Text Markup Language)ドキュメント)の転送、FTP(File Transfer Protocol)プロトコルによるファイル転送、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)プロトコルによるメール送信、IPP(Internet Printing Protocol)プロトコルによるクライアントからのプリント資源の指定、WWW(World Wide Web)システムによる情報検索サービスなどが可能である。画像形成装置10は、例えば、プリントジョブや電子メール、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)メッセージ、FTP(File Transfer Protocol)メッセージなどを、ネットワーク制御部16を介して送受信することができる。
【0065】ここで言うネットワーク接続は、電子メールアドレスやIPアドレスなど、ネットワーク上の論理的な場所、すなわち画像形成装置10に対して固有のアドレス情報が割り振られていることを前提とする通信接続形態であるものとする。
【0066】画像形成装置10には、ネットワーク制御部16を介して接続される外部ネットワーク上での場所を示すアドレス情報が割り振られている。アドレス情報としては、例えば電子メールの送受信に際してメールサーバにアクセスするためのメールアドレスや、IPネットワーク上での論理的な場所を表すIPアドレスなどが挙げられる。これらメールアドレスなどのアドレス情報は、例えば、上述した補助記憶部14上の特定の記憶領域に保管されているものとする。
【0067】通信制御部17は、上記のネットワーク以外の通信手段により、携帯電話やその他の外部装置とデータ通信を行う機能モジュールである。通信送受部18は、通信制御部17による通信路上の、外部装置との論理的及び物理的な入出力ポートに相当する。
【0068】通信制御部17が提供する通信手段としては、例えばIrDA(Infrared Data Association)のような赤外線通信、bluetoothのような近距離無線データ通信、RS(Recommended Standard)−232Cのようなシリアルインターフェース、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers) 1284のようなパラレルインターフェース、USB(Universal SerialBus)のような汎用バスインターフェース、PSTN(Public Switched Telephone Network),ISDN(Integrated Services Digital Network),PDC(Personal Digital Cellular)のような公衆電話回線網、Ethernetのような局所的なネットワークなどでよい。通信制御部17による通信は、互いにアドレス情報なしに相手と交信することが可能である。
【0069】通信制御部17がIrDAやbluetoothなどのような近距離無線データ通信、すなわちケーブルレスの通信手段を提供する場合、画像形成装置10の目の前にある携帯電話などの外部機器は、ケーブル接続などの煩雑な手作業なしに手軽に画像形成装置10にアクセスすることができる。また、ケーブルの挿脱に伴う通信送受部18の損耗やその他の物理的なダメージを心配する必要がなくなる。
【0070】上述のネットワーク制御部16を介したネットワーク接続では、電子メールアドレスやIPアドレスなどのネットワーク上で機器に対して割り当てられた固有のアドレス情報を取得していることが前提となる。これに対し、通信制御部17を介した接続では、このような機器固有のアドレス情報なしに交信可能な相手と動的に接続確立を行うことができる。
【0071】本実施例に係る画像形成装置10は、例えば、ネットワーク接続されたクライアント端末から、プリントデータを受信して、これをプリントアウトする情報出力サービスを提供することができる。図2には、このような情報出力サービスが提供されるネットワーク構成を模式的に図解している。
【0072】クライアント端末は、プリントデータの送信のために、電子メール、あるいはHTTPやFTPなどの通信プロトコルを使用してもよい。クライアント端末は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)やワークステーション(WS)など、オフィスや家庭内などに設置して用いられる計算機システムである。
【0073】クライアント端末から送信されたプリントデータは、画像形成装置10において受信された後、補助記憶部14などにスプールされる。
【0074】そして、プリントデータの送信元であるクライアントユーザは、印刷物の回収、印刷サービスの代金の支払いなどのために、画像形成装置10の前に現れて、プリントアウトを指示する。
【0075】本実施例では、クライアントユーザは、目の前の画像形成装置10に対し、自身が持ち歩く携帯電話などの携帯情報端末上からプリントアウトの指示を発行する。より具体的には、携帯情報端末上から画像形成装置10に対して、電子メールの形式で(すなわちネットワーク経由で)プリントデータの送信をするようになっている。
【0076】図3には、本発明に適用することができる携帯情報端末50の機能構成を模式的に示している。
【0077】同図に示すように、携帯情報端末50は、システム制御部51と、表示部52と、入力部53と、主記憶部54と、外部記憶部55と、ネットワーク接続部56と、通信制御部57と、通信送受部58とで構成され、画像形成装置10に対して電子メールを送信する機能を備えている。以下、各部について説明する。
【0078】システム制御部51は、携帯情報端末50全体の動作を統括的に制御するメインコントローラであり、例えばCPU(Central Processing Unit)で構成され、オペレーティングシステム(OS)の制御下で各種アプリケーションを実行することができる。
【0079】表示部52と入力部53は、ユーザインターフェースを提供する。入力部53は、英数字やかな文字など複数のキャラクタやコマンドが多重に定義されたキーやボタンで構成される。表示部52は、液晶表示ディスプレイなどで構成され、入力部53を介したユーザ入力内容やシステム制御部51における処理結果などをユーザに視覚的にフィードバックする。
【0080】主記憶部54は、システム制御部51が実行プログラムのロードや作業データの一時保持のために利用する記憶装置である。
【0081】外部記憶装置55は、主記憶部54以外のメモリ空間を割り当てられた記憶装置であり、例えば、主記憶部54にロードすべきプログラムコードやデータを保存したり、実行結果を保存するために使用される。
【0082】外部記憶装置55は、携帯情報端末50本体から着脱交換可能なリムーバブルメディアであってもよい。また、携帯情報端末50上で実行可能な各種のアプリケーションを外部記憶装置55にインストールすることができる。このようなアプリケーションの一例は、電子メールアプリケーションである。
【0083】ネットワーク制御部56は、例えばモデムであり、電話網を経てインターネットなどの広域ネットワークとの接続を実現する機能モジュールである。
【0084】携帯情報端末50は、PPP(Point-to-point protocol)接続を果たした後に、TCP/IP接続を行うことができ、TCP/IPネットワーク上のホスト、例えば上述した画像形成装置10と電子メールの送受信や、HTTPメッセージやFTPメッセージの交換を行うことができる。
【0085】携帯情報端末50側のネットワーク制御部56は、画像形成装置10側のネットワーク制御部16との間で、画像出力用の情報を交換するとき、転送データに対して暗号化を適用することによって、伝送路上での出力情報のセキュリティを維持することができる。
【0086】ここで言うネットワーク接続は、電話番号や電子メールアドレスなど、ネットワーク上の論理的な場所、すなわち機器に固有のアドレス情報が割り振られていることを前提とする通信接続形態であるものとする。
【0087】通信制御部57は、上記のネットワーク以外の通信手段により、携帯電話やその他の外部装置とデータ通信を行う機能モジュールである。通信送受部58は、通信制御部57による通信路上の、外部の装置との論理的及び物理的な入出力ポートに相当する。
【0088】通信制御部57が提供する通信手段としては、例えばIrDA(Infrared Data Association)のような赤外線通信、bluetoothのような近距離無線データ通信、RS(Recommended Standard)−232Cのようなシリアルインターフェース、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers) 1284のようなパラレルインターフェース、USB(Universal SerialBus)のような汎用バスインターフェースなどでよい。
【0089】通信制御部57がIrDAやbluetoothなどのような近距離無線データ通信、すなわちケーブルレスの通信手段を提供する場合、携帯情報端末50の目の前にある画像形成装置などの外部機器は、ケーブル接続などの煩雑な手作業なしに手軽に携帯情報端末50にアクセスすることができる。また、ケーブルの挿脱に伴う通信送受部58の機械的な損耗やその他の物理的なダメージを心配する必要がなくなる。
【0090】上述のネットワーク制御部56を介したネットワーク接続では、電子メールアドレスやIPアドレスなどのネットワーク上で機器に対して割り当てられた固有のアドレス情報を取得していることが前提となる。これに対し、通信制御部57を介した接続では、このような機器固有のアドレス情報なしに交信可能な相手と動的に接続確立を行うことができる。
【0091】携帯情報端末50が画像形成装置10に対して電子メールを送信する前提として、携帯情報端末50(若しくはクライアントユーザ)は、あらかじめ画像形成装置10の電子メールアドレスを取得しておく必要がある。
【0092】しかしながら、コンビニエンスストアなど各地に散在する画像形成装置のそれぞれの電子メールアドレスを携帯情報端末50やクライアントユーザが管理することは困難である。また、携帯情報端末50として携帯電話を使用する場合は、とりわけ、その文字入力作業は一般的に煩雑であるため(前述)、画像形成装置の電子メールアドレスをユーザがマニュアル入力することは現実的ではない。
【0093】本実施例では、携帯情報端末50は、電子メールアドレス(あるいは、ネットワーク上で機器に対して一義的に与えられるネットワークアドレスや、その他の機器に割り振られた固有のアドレス情報)を知ることなしに接続することができる通信手段を用いて画像形成装置10に接続し、このような通信手段を介して電子メールアドレス(あるいはその他の画像形成装置10に固有のアドレス情報)を取得して、この電子メールアドレスを用いて電子メールによるプリントアウトの送信を改めて発行するようにしている。
【0094】ここで言うネットワーク以外の通信手段とは、より具体的には、携帯情報端末50側の通信制御部57と、画像形成装置10側の通信制御部17間での協働的作用によって実現される。
【0095】これら通信制御部17及び57が提供する通信手段としては、例えばIrDA(Infrared Data Association)のような赤外線通信、bluetoothのような近距離無線データ通信、RS(Recommended Standard)−232Cのようなシリアルインターフェース、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers) 1284のようなパラレルインターフェース、USB(Universal Serial Bus)のような汎用バスインターフェースなどでよい。
【0096】以下の説明では、通信制御部17及び57は、IrDAによってケーブルレスで且つ、互いのアドレス情報が不知のまま接続確立並びにデータ交換を行うものとする。通信制御部17及び57どうしがIrDAによるデータ通信を行う場合、通信送受部18及び58は、赤外線の発光部と受光部(いずれも図示しない)で構成される。
【0097】図4には、通信制御部17及び57による通信接続を利用して、携帯情報端末50が画像形成装置10のアドレス情報を取得する手順を示している。
【0098】通信送受部18は、一定の時間間隔で適合する通信端末からの赤外線受光の有無を監視する。この監視により赤外線の受光を検知した場合、発光元の特性を検知するための一定のデータ・パターンを送信し、通信相手からの応答を待つ(T1,T2)。
【0099】次いで、通信送受部18は、相手側すなわち携帯情報端末50から特定パターン認識応答を受信すると(T3)、これに応答して通信確立信号を送出する(T4)。以降、相手側端末との通信の確立までは、例えば公知のIrDAプロトコルに従って動作させることができるので、詳細な説明は省略する。
【0100】このようにして通信が確立した後、画像形成装置10側は、携帯情報端末50からコマンドが送信されてくるまで待機する。
【0101】携帯情報端末50側からは様々なデータやコマンドを送信することができる。通信制御部17は、IrDAプロトコルに従って受信したデータやコマンドの処理を行う。例えば、通信端末からアドレス取得コマンドすなわちアドレス要求を受信した場合(T5)、通信制御部17は、その受信コマンド・データはシステム制御部11に転送する。
【0102】システム制御部11は、通信制御部17から送られてきたコマンドを解釈して、電子メール・アドレスの要求であることを確認する。そして、補助記憶部14から電子メール・アドレス(文字列)を読み出して、これを通信制御部17に送信する。
【0103】通信制御部17は、システム制御部11から供給された電子メール・アドレスの文字情報を、通信送受部18において外部送出可能なデータ形式に変換して、通信送受部18に出力する。
【0104】通信送受部18は、通信制御部17からの命令により、要求元の携帯情報端末50に対してデータを送信する(T6)。これに応答して、携帯情報端末50側からはアドレス受領信号が送信される(T7)。また、携帯情報端末50は、アドレス情報を取得した後、もはや赤外線接続を維持する必要がないので、通信切断信号(T8)を送出して、接続を切断処理する。
【0105】既に述べたように、本実施例では、クライアントユーザは、携帯情報端末50上から電子メールの形式で、プリント実行を画像形成装置10に指示することができる。以下では、携帯情報端末50からプリント実行を指示するための処理手順について詳解する。
【0106】図5には、携帯情報端末50の表示部52上で提供される電子メール作成用の画面を例示している。
【0107】図示の電子メール作成用画面は、電子メールの件名入力欄102と、右側の入力欄が件名入力欄であることを示す件名ラベル101と、電子メールの宛先入力欄104と、右側の入力欄が宛先入力欄であることを示す一方アドレス帳アプリケーション起動指示を兼ねる宛先ボタン103と、電子メールの本文入力欄106と、右側の入力欄が本文入力欄であることを示す本文ラベル104と、電子メールの添付ファイル情報入力欄108と、右側の入力欄が添付ファイル情報入力欄であることを示す一方添付データ選択機能の起動指示を兼ねる添付ボタン107と、送信開始を命じる送信ボタン109と、入力をキャンセルするキャンセルボタン110とを備えている。
【0108】クライアントユーザは、電子メールの内容を示す件名を件名入力欄102に入力し、電子メール送信先を宛先入力欄104に入力する。また、電子メール本文は本文入力欄106に入力する。また、電子メールに添付するデータがある場合には、添付ファイル情報入力欄108に添付データ情報を入力する。
【0109】図5において、電子メールの宛先を示す部分103が他の件名、本文、添付とは異なる形態で表示されている。図示の例では、宛先部分がボタン化されている。この宛先ボタンに該当する部位を選択し、入力動作を印加することによって、新たな動作を行うことを示している。この選択動作並びに入力動作は、入力部53に設けられたカーソルキーと選択入力キーの組み合わせ操作で行う、あるいはペンなどで直接表示部に触れるなどによる。
【0110】図5に示すような電子メール・アプリケーション画面は、携帯情報端末50の表示部52に表示される。画面表示された電子メール・アプリケーションの送信画面上において、選択部位は、入力部53からの入力データに応答して、表示部52上で移動するようになっている。
【0111】前述したように、宛先ボタン103を選択状態に氏、入力動作を印加すると、宛先ボタン103に割り付けられた機能が選択されたことになる。この機能選択動作が行われると、電子メール・アプリケーションは宛先選択動作に遷移する。電子メール・アプリケーションは宛先選択動作の中で、外部からのアドレス取得処理ルーチンを呼び出す。
【0112】本実施例では、宛先ボタン103は、画像形成装置50側の電子メールアドレスの取得を要求するためのアドレス取得ボタンと兼用されている。
【0113】宛先ボタン103は、例えばWebブラウザのURL(Uniform Resource Locator)リンクとして構成することができる。このような場合、宛先ボタン103を押下操作することによりWebブラウザ画面が起動するとともにURLが指示する情報資源すなわちホームページが表示され、所望のアドレスを取得することができる。
【0114】あるいは、アドレス取得ボタンは、アドレス帳アプリケーション内に装備してもよい。このような場合、宛先ボタン103を押下操作することによりディスプレイ上にはアドレス帳がオープンするので、所望のアドレスをチェックすることができる。
【0115】あるいは、アドレス取得ボタンを宛先ボタン103と兼用せず、他の機械的若しくは電気的な手段により装備してもよい。このような場合、ユーザは専用ボタンをワンタッチすることでアドレス取得ルーチンを起動させることができるので、操作が簡単且つ明瞭となる。
【0116】図6には、携帯情報端末50上で実行される電子メールの宛先選択処理手順をフローチャートの形式で示している。以下、このフローチャートに従って、電子メールの宛先選択動作について説明する。
【0117】本処理ルーチンでは、まず、外部機器との通信が可能であるかの判断を行う(ステップS1)。この場合の外部機器は、携帯情報端末50のユーザの目の前にある画像形成装置10であるとする。
【0118】既に画像形成装置との間で赤外線通信が確立している場合は、次の動作に入る。一方、赤外線通信が確立していない場合には、赤外線通信を確立するための手順を端末の表示部52に表示する(ステップS2)。この手順には、赤外線通信用受発光ポートを適切に向かい合わせる、などの図的説明を含めてよい。また、この手順には、ユーザが設定後に通信を開始させるためのボタン(図示しない)を含めてよい。
【0119】次いで、外部通信を開始するかどうかの指示があるまで待機する(ステップS3)。次いで、通信確立処理を行う(ステップS4)。但し、通信開始指示から通信の確立までは前記したように標準的なIrDAプロトコルに従うので、本明細書では詳細な説明を省略する。
【0120】上記のステップS3において、ユーザがアドレス取得を自らキャンセルする場合が想定される。通信のキャンセルを指示された場合には、リターン値に"cancel"を書き込みリターンする(ステップS5)。
【0121】通信が確立した後、電子メール・アドレス要求コマンドを画像形成装置10に発行する(ステップS6)。このコマンドは、通信制御部57、通信送受部58を経由して接続先の画像形成装置10に送信される。これに対し、画像形成装置10側では、このコマンドを受領すると、応答動作を行う。但し、画像形成装置10の応答動作については後述に譲る。
【0122】電子メール・アドレス要求コマンド発行後、画像形成装置から応答が返されるまで待機する(ステップS7)。
【0123】画像形成装置10からの応答がない場合、内部タイマを逐次インクリメントするする(ステップS8)。内部タイマ値があらかじめ設定された監視時間以内であれば、画像形成装置10からの応答を待ち続ける(ステップS9)。監視時間を超過すなわちタイムアウトすると、リターン値に"timeout"を書き込み、リターンする(ステップS10)。
【0124】電子メールアドレス要求に対し画像形成装置10側から応答があった場合、その応答データの有効性を確認する(ステップS11)。この確認ステップは、例えば、電子メール・アドレスとして有効なパターンをであるかを検証することで実現する。
【0125】無効な応答が返ってきた場合には、アドレス取得不可と判断して、無効を示す"invalid"リターン値に書き込みリターンする(ステップS12)。一方、有効な応答が返ってきた場合には、取得したデータをリターン値に書き込みリターンする(ステップS13)。
【0126】但し、リターンする前には、通信の切断処理を行う(ステップS14)。
【0127】また、図7には、携帯情報端末50側による電子メールの宛先選択処理に対応して画像形成装置10側が行うアドレス通知等の処理手順をフローチャートの形式で示している。以下、このフローチャートに従って、画像形成装置10における動作について説明する。
【0128】画像形成装置10側では、通信送受部18により、有効なキャリアが存在するかを監視する(ステップS21)。
【0129】キャリアが存在し、前述したステップS4に対応する通信確立指示が携帯情報端末50側から発行されると、ステップS22において通信確立動作を行う。通信確立後、特定パターンを携帯情報端末50に対して送出する(ステップS23)。
【0130】その後、特定パターン認識応答の有無を監視するループを構成する(ステップS24,S25,S26)。ステップS26では、該ループのタイムアウトを監視し、所定の時間経過後に応答がない場合には、図6R>6に示す処理動作を実行中の携帯情報端末50ではないと認識して、本処理ルーチン全体を終了する。
【0131】有効時間内に特定パターン認識応答を受信できた場合には、コマンドを待ち受ける(ステップS27)。コマンド入力データを受信後、コマンド解釈を実行しコマンドが正当なものであるか不正なコマンドであるかを判断する(ステップS28,S29)。不正コマンドであった場合には、応答値に不正コマンドを示す特定の値をセットする(ステップS30)。
【0132】コマンドが正当であった場合には、補助記憶部14に保持されているアドレス情報を読み出す。そして、読み出しが正常に行われた場合には、応答値に読み出したアドレス情報をセットする(ステップS31,S32,S33)。何らかの原因により読み出しが正常に行われなかった場合には、応答値に読み出しエラーを示す特定の値をセットする(ステップS34)。そして、ステップS35において、画像形成装置10の動作を示す応答値を携帯情報端末50に送出する。
【0133】携帯情報端末50側では、電子メール・アプリケーションは、画像形成装置10から有効なアドレスすなわち電子メールアドレスが返ってきた場合には、取得したアドレスを宛先入力欄104内に表示する。また、無効を示すデータが返ってきた場合には、アドレス帳アプリケーションを起動して、外部記憶装置55などのローカルな記憶場所に保持しているアドレス情報検索を行い、有効なアドレスを宛先入力欄104内に表示する。
【0134】なお、上記の実施形態では、電子メール・アプリケーションがアドレス取得処理を直接行うようになっているが、本発明の要旨は必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、電子メール・アプリケーションとアドレス取得処理ルーチンとの間にアドレス帳アプリケーションなどを配置することは、本発明の合理的な変形の一例となり得る。
【0135】また、携帯情報端末50が画像成形装置10の電子メールアドレスを成功裏に取得できた場合、一回の通信を行った後このアドレス情報を消去するのではなく、例えばアドレス帳アプリケーションなどにより携帯情報端末50内に不揮発的継続的に保持・記憶することは、本発明の合理的な変形の一例となり得る。
【0136】図6及び図7を参照しながら説明した実施形態は、通信確立が可能であることを前提とするものであったが、現実には、通信確立手順を適切に経たとしても通信確立ができない場合がある。例えば、赤外線ポートを有するが、独自手順による通信のみを行うような画像形成装置の場合には、標準的なIrDA手順では通信確立そのものができない。このような場合には、携帯情報端末50は外部通信相手が本発明を具現化した画像形成装置10ではないと判断できるので、図6中のステップS1において通信確立できない理由を取得しするとともに、ステップS2において対応機種でない旨を表示部52上で表示することによって、ユーザフィードバックを行うようにしてもよい。
【0137】次いで、画像形成装置10が電子メールを介してプリント実行の指示を受信したときの処理手順について説明する。
【0138】図8には、画像形成装置10上で電子メールを処理するための手順をフローチャートの形式で示している。
【0139】補助記憶部14に保持された電子メール受信モジュールは、システム制御部11の動作により作業用記憶部13を作業領域として用いながら、一定間隔で電子メール受信動作を行う(ステップS41,S42)。
【0140】この電子メール受信動作は、電子メール受信モジュールにプログラムされており、システム制御部11並びにネットワーク制御部16によりネットワーク上に設置されたメール・サーバ(図示しない)に受信メールの有無を確認する動作である(周知)。
【0141】受信メールが存在する場合には、該当のメールをダウンロードして(ステップS43)、作業用記憶部13に一時的に保存する(ステップS44)。
【0142】次いで、ダウンロードしたデータすなわちメール本体の内部を解析して(ステップS46)、画像形成を実行するプログラム・モジュールに解析結果を引き渡す(ステップS47)。
【0143】受信したメールに有効なデータが含まれていない場合には、エラー処理を行う(ステップS51)。
【0144】ここで、画像形成モジュールは、補助記憶部14に保存され、作業記憶部13にロードしてシステム制御部11によって実行されるプログラムであり、プリンタの初期化プロセスにおいて常駐する常駐プログラムとして実装することができる。
【0145】画像形成モジュールは、電子メール受信モジュールから引き渡されたデータを所定の手続きに従い、有効データの画像形成を行い(ステップS48)、画像出力部15により印刷出力する(ステップS49)。
【0146】印刷完了後、本処理ルーチンにおいてメールサーバからダウンロードしたデータは、作業用記憶部13から削除され、使用していたメモリ領域が解放される(ステップS50)。
【0147】[追補]以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0148】
【発明の効果】以上詳記したように、本発明によれば、ユーザが携帯電話などの携帯情報端末上から画像形成装置に対して情報出力の指示を簡易に行うことができる、優れた画像形成装置及びその制御方法を提供することができる。
【0149】また、本発明によれば、ユーザが携帯電話などの携帯情報端末上から電子メールなどの通信手段を利用して画像形成装置に対する情報出力要求を送信することができる、優れた画像形成装置及びその制御方法を提供することができる。
【0150】また、本発明によれば、画像形成装置が自身の電子メールアドレスなどのアドレス情報を簡易な手順でユーザ端末側に通知したり、あるいはユーザ端末側が取得することができる、優れた画像形成装置及びその制御方法を提供することができる。
【0151】本発明によれば、ユーザは自身が携行する携帯電話上での単一のアクションのみで目の前にある画像形成装置の電子メールアドレスを取得することができるので、携帯電話からの電子メールを介して画像形成装置に対して容易且つ簡単に印刷指示を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に供される画像形成装置10の機能構成を模式的に示したブロック図である。
【図2】情報出力サービスが提供されるネットワーク構成を模式的に示した図である。
【図3】本発明に適用することができる携帯情報端末50の機能構成を模式的に示した図である。
【図4】通信制御部17及び57による通信接続を利用して、携帯情報端末50が画像形成装置10のアドレス情報を取得する手順を示したチャートである。
【図5】携帯情報端末50の表示部52上で提供される電子メール作成用の画面例を示した図である。
【図6】携帯情報端末50上で実行される電子メールの宛先選択処理手順を示したフローチャートである。
【図7】携帯情報端末50側による電子メールの宛先選択処理に対応して画像形成装置10側が行う処理手順を示したフローチャートである。
【図8】画像形成装置10上で電子メールを処理するための手順を示したフローチャートである。
【符号の説明】
10…画像形成装置
11…システム制御部
12…ユーザインターフェース部
13…作業用記憶部
14…補助記憶部
15…画像出力部
16…ネットワーク制御部
17…通信制御部
18…通信送受部
50…携帯電話
51…システム制御部
52…表示部
53…入力部
54…主記憶部
55…外部記憶部
56…ネットワーク接続部
57…通信制御部
58…通信送受部

【特許請求の範囲】
【請求項1】外部機器からの通信を介した操作によって情報を画像出力する画像形成装置であって、装置固有のアドレス情報に従ってアクセス可能な第1の通信手段と、アドレス情報なしに外部機器と通信を成立させる第2の通信手段と、情報を画像出力する画像出力手段と、外部機器から前記第2の通信手段を介したアドレス要求に応答して、前記第1の通信手段が使用する固有のアドレス情報を返すアドレス情報通知手段と、前記第1の通信手段を介した情報出力要求に応答して、前記画像出力手段によって該当する情報を画像出力する出力制御手段と、を具備することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】前記第1の通信手段は電子メールアドレスを用い、前記の装置固有のアドレス情報は電子メールアドレスであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】前記第1の通信手段は、外部機器との情報通信を暗号化することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】外部機器からの通信を介した操作によって情報を画像出力する画像形成装置の制御方法であって、アドレス情報なしに外部機器と通信を成立させて、外部機器からのアドレス要求に応答して、該画像形成装置に固有のアドレス情報を返すステップと、該固有のアドレス情報に従ったアクセスにより情報出力要求を受信するステップと、該情報出力要求に基づいて画像出力するステップと、を具備することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項5】通信を介した操作によって画像形成装置に対する操作を行う情報処理端末であって、装置固有のアドレス情報に従ってアクセス可能な第1の通信手段と、アドレス情報なしに外部機器と通信を成立させる第2の通信手段と、前記第2の通信手段を介して画像形成装置に固有のアドレス情報の取得を要求するアドレス情報取得要求手段と、前記アドレス情報取得要求手段によって取得されたアドレス情報を用いて前記第1の通信手段を介して画像形成装置に対して要求を送信する情報出力要求手段と、を具備することを特徴とする情報処理端末。
【請求項6】前記第1の通信手段は電子メールアドレスを用い、前記の装置固有のアドレス情報は電子メールアドレスであることを特徴とする請求項5に記載の情報処理端末。
【請求項7】前記第1の通信手段は、画像形成装置との情報通信を暗号化することを特徴とする請求項5に記載の情報処理端末。
【請求項8】前記アドレス情報取得要求手段によるアドレス情報取得要求動作を付勢するためのアドレス取得ボタンをさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の情報処理端末。
【請求項9】前記アドレス取得ボタンをWebブラウザ上のURL(Uniform Resource Locator)リンクとして構成することを特徴とする請求項8に記載の情報処理端末。
【請求項10】前記アドレス取得ボタンを電子メールアプリケーションの送信宛先選択ボタンと兼用することを特徴とする請求項8に記載の情報処理端末。
【請求項11】前記アドレス取得ボタンをアドレス帳アプリケーション内に装備することを特徴とする請求項8に記載の情報処理端末。
【請求項12】前記アドレス取得ボタンを機械的若しくは電気的な操作手段により装備することを特徴とする請求項8に記載の情報処理端末。

【図1】
image rotate


【図3】
image rotate


【図2】
image rotate


【図4】
image rotate


【図5】
image rotate


【図6】
image rotate


【図7】
image rotate


【図8】
image rotate


【公開番号】特開2002−132477(P2002−132477A)
【公開日】平成14年5月10日(2002.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−322245(P2000−322245)
【出願日】平成12年10月23日(2000.10.23)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】