説明

画像形成装置及びその画像形成方法

【課題】 入力された画像データに画像処理を実施した結果を、通常の画像データの代わりに出力、又は着脱可能な外部I/Fに出力すると共に、内部情報を画像データに置き換えることで、良好な画像出力を得るための設定パラメータ調整を簡易化可能とした画像形成装置とその画像形成方法を提供する。
【解決手段】 画像形成装置に通常設けられる画像出力I/Fとは別個に、着脱可能な画像出力I/Fを設けると共に、所望の画像出力データを生成するための画像処理演算の途中又は演算終了した画像データ、及び、該画像データからなる画像データ信号の演算実行位置を示す画像基準信号を、任意の出力先へセレクト出力可能とする手段を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理機能を複数所有するカラーデジタル複合機テスト機能を備えた画像形成装置及びその画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像処理装置を搭載する複写機等において、製品の完成度が低くランダムに異常画像が発生してしまうような場合、これを検証する方法としては、何度も画像データを流してみて、オシロスコープのような計測器により画像処理部の上流から順次画像データを計測し、異常画像をオシロスコープの波形の形で認識する必要があった。この作業は、何度もオシロスコープでの計測が必要であり、相当に時間のかかる作業であった。また、オシロスコープの波形では、簡単にわかりにくいこともあり、操作に熟練が必要であった。更に、オシロスコープ自体持ち運びに適してなく、誰にでもオシロスコープを使用できるというわけでないこと等も問題であった。このような従来法に対して、特許文献1には、画像処理装置の有する複数の画像処理手段の中で、どの画像処理手段で異常が発生したかを簡単に確認できる画像形成装置に関する技術が開示されている。
【特許文献1】特開平9−321949号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、画像処理の演算結果によりCPUに対して単に割り込みを出力するような処理の場合、特にASIC内に画像処理演算が複数ある場合等は各設定パラメータに応じた内部の詳細出力結果がわかり難い場合が生じる。つまり、画像の異常に対して修正をかけるために、パラメータ設定等内部情報が必要な場合においては、より細かな画像情報が必要となるが、上述した特許文献1に開示されているような画像形成装置においては、あくまで画像の異常に対して画像処理単位で整合をとることしかできず問題であった。
【0004】
本発明は、上記のような問題点に鑑み、入力された画像データに画像処理を実施した結果を通常の画像データの代わりに出力、又は着脱可能な外部I/Fに出力するとともに、内部情報を画像データに置き換えることで、良好な画像出力を得るための設定パラメータ調整を簡易化可能とした画像形成装置とその画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、画像形成装置に通常設けられる画像出力I/Fとは別個の着脱可能な画像出力I/Fと、所望の画像出力データを生成するための画像処理演算の途中又は演算終了した画像データ、及び、該画像データからなる画像データ信号の演算実行位置を示す画像基準信号を、任意の出力先へセレクト出力可能とする手段とを備えた画像形成装置としたことを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、前記所望の画像出力データを生成するための画像処理演算を実行する演算回路の演算結果が特定の条件に一致した場合に、該演算結果からなる固定データを、任意の出力先へ出力する出力モードを設けた請求項1記載の画像形成装置としたことを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、前記所望の画像出力データを生成するための画像処理演算を実行する演算回路の演算結果が特定の条件に一致した場合に、該特定の条件別に、該演算結果を基として出力値を変化させる請求項1又は2記載の画像形成装置としたことを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、画像形成装置に通常設けられる画像出力I/Fとは別個に設けられた着脱可能な画像出力I/Fを用いて、所望の画像出力データを生成するための画像処理演算の途中又は演算終了した画像データ、及び、該画像データからなる画像データ信号の演算実行位置を示す画像基準信号を、任意の出力先へセレクト出力可能とする工程を備えた画像形成方法としたことを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明は、前記所望の画像出力データを生成するための画像処理演算を実行する演算回路の演算結果が特定の条件に一致した場合に、前記画像形成装置に設けられた固定データ出力モードにより、該演算結果からなる固定データを、任意の出力先へ出力する工程を備えた請求項4記載の画像形成方法としたことを特徴とする。
【0010】
請求項6記載の発明は、前記所望の画像出力データを生成するための画像処理演算を実行する演算回路の演算結果が特定の条件に一致した場合に、該特定の条件別に、該演算結果を基として出力値を変化させる工程を備えた請求項4又は5記載の画像形成方法としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、入力された画像データに画像処理を実施した結果を通常の画像データの代わりに出力、又は着脱可能な外部I/Fに出力するとともに、内部情報を画像データに置き換えることで、良好な画像出力を得るための設定パラメータ調整を簡易化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明を実施するための最良の形態は、画像形成装置に通常設けられる画像出力I/Fとは別個に、着脱可能な画像出力I/Fを設けると共に、所望の画像出力データを生成するための画像処理演算の途中又は演算終了した画像データ、及び、該画像データからなる画像データ信号の演算実行位置を示す画像基準信号を、任意の出力先へセレクト出力可能とする手段を設ける。
【実施例】
【0013】
以下に、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下に述べる実施例は本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施例に限られるものではない。
【0014】
まず、本発明が適用される画像形成装置の概略的な回路構成について図1を用いて以下に説明する。図1は、本実施例の画像形成装置の概略的な回路構成を示すブロック図である。本実施例の画像形成装置の回路構成は、システムの制御を行うコントローラ110とエンジン部120とを接続した構成となっている。そして、コントローラ110は、複合機全体の制御と描画、通信、操作部130からの入力を制御する。また、ネットワークI/F部118を通してサーバ100とPC端末101がLANを介して接続される。
【0015】
また、AC電源よりDC電源を各ユニットへ給電するPSU170を備える。エンジン部120は、スキャナ140とプロッタ150とを有し、ACS、フィルタ、誤差拡散やγ変換などの画像処理を行う画像処理部121を含むASIC122とCPU123及びROM124を有している。コントローラ110は、システムメモリ111と、各種データ格納用メモリ112と、制御ASIC113と、CPU114と、IDを含む制御データ格納用のNVRAM116と、給電制御手段117により構成されている。
【0016】
更に、本実施例の画像形成装置の回路構成においては、FAX制御ユニット180をPCI接続で選択可能な構成としている。そして、FAX制御ユニット180は、FAX制御を行うCPU181、ROM182、ASIC183、FAX画像データを蓄積するメモリ184、及び網制御のNCU185とを備える。なお、ユニット間の接続はPCI接続としたが、制御が可能なローカルバス等にしても良い。
【0017】
次に、本実施例の詳細な内容を添付図面を用いて以下に説明する。ここではカラー機能を搭載した画像処理として、RGB信号が図1に示す画像処理部121内に入力された場合に、本実施例の適用によって、図4に示す画像処理演算A211(色判定ブロック:カラー原稿自動判定部)における内部信号出力を得る場合を例として、以下に説明する。
【0018】
まず、図4を用いて、カラー機能を搭載した画像処理として、RGB信号が図1に示す画像処理部121内に入力された場合について説明する。図1に示す画像処理部121から出力される画像の通常出力の流れは、図4に示す、画像入力、制御信号入力から、画像処理演算A(色判定ブロック)211、画像処理演算B212、セレクタA213の順の経路により出力される。そして、本実施例の特徴は、図4に示すように、画像処理演算A(色判定ブロック)211における内部信号出力(テストI/F出力:図4参照。)を得るための構成を設けたことにある。この画像処理演算A(色判定ブロック)211における内部信号出力は、図4に示すセレクタB215から得ることができる。
【0019】
以下に図4を用いて、本実施例をより具体的に説明する。図4に示すように、まず、スキャナからの入力信号であるRininin各信号(各色1画素8bitデータ)とその制御信号が、画像処理演算A211に入力される。通常は、図4に示す画像処理演算A211を通って出力された画像信号R111各信号は制御信号と共に、画像処理演算B212に入力され、画像処理された画像信号R222が出力される。ここで、セレクタAは、通常の画像出力(R010101)パスであり、通常の画像出力は、PCI部を通じてコントローラ側の不揮発メモリ112へ蓄積される(図1参照。)。
【0020】
一方、セレクタB215は、テスト出力(R020202)パスであり、図1に示すテスト出力部を通じて、画像データ(テスト出力)は、別の着脱可能な記憶装置(図1:大容量記憶装置202)へ蓄積される。また、図4に示す画像処理演算A211においてテスト用に出力されたRTTT各画像信号は、そのテスト出力用の遅延情報を付加した制御信号と共に画像処理演算内部データセレクタA214へ入力される。画像処理演算内部データセレクタA214は、画像処理演算B212を通さないため、画像処理演算B212の処理前後のデータをそれぞれセレクタA213、セレクタB215を切り替えることで、それぞれのパスへ出力が可能なため、画像処理演算B212に必要なパラメータ等を設定することなしに前後の出力結果を容易に得ることが可能となる。セレクタA213、セレクタB215、画像処理演算内部データセレクタA214は、図1に示すCPU123により、ASIC122(図1参照。)内部レジスタ設定により切替可能な構成にすることで必要な画像出力パス設定が可能となる。
【0021】
本実施例によれば、図4に示すように、まず、画像処理演算A(色判定ブロック)211において、スキャナからの入力信号であるRGB各信号を主走査方向に16画素1ブロックとしてそれぞれ加算させ、最大値及び最小値を算出し、その差がパラメータで定めた閾値を超えた場合に、通常出力を得るための画像パスとは別のI/F(図4に示す画像処理演算内部データセレクタA214)へカラー成分画像データとして出力することを可能とする。ここでカラー成分画像データを仮に1画素256階調としてRGBとも0xFFとしてブロック毎に更新させ出力させる。
【0022】
また副走査方向に数ライン連続性を持たせるためにOR処理やAND処理を加える場合もあり、毎ライン出力せず特定ラインに一度出力させるようにしてもよい。
出力信号は、図1に示すテスト出力部に着脱可能な大容量記憶装置202上に蓄積されPC201でデータ参照することにより通常の複写動作と並行に途中の出力結果の参照を行うことが可能となる。
【0023】
また、図4に示すセレクタA203を切り替えることにより画像パスを経由させるようにし、画像データとして記録紙上に印字させても良い。実際にはRGBともに0xFFデータのため、その部分は図2に示すように黒データとなる。その箇所がカラー原稿判定の要素を持つエリアであり、誤検知しないような閾値を設定させれば良い。
【0024】
また、画像パスを経由させることで更に図1に示すネットワークI/F118を用いて様々な原稿に対して閾値の変化を蓄積させ、閾値決定の参考データとすることも考えられる。また、演算開始位置及び終了位置をパラメータにより設定可能とし、その演算処理した画像位置を示す基準信号を画像信号に付加することを可能とする。図3に示すように、主走査方向及び副走査方向のエリアを示す部分に対して黒画素となるようにRGBデータを0xFFとさせれば良い。その場合はエリアと閾値を区別するために閾値を越えた場合にはRデータのみ0xFFとして出力することを可能とする。
【0025】
更に、閾値に幅を持たせることにより、閾値は越えないが、閾値に近ければGデータのみ0xFFとしたり、閾値を遥かに超えた場合にはBデータのみ0xFFとさせることも考えられる。また、副走査方向にも連続性を検出するパラメータの閾値が一定条件を満たした場合(=該当頁はカラー原稿と判定)とした場合はその時点からRGBの値を全て0xFFに変化させるように制御しても良い。参考例としてカラー原稿判定部について書いたがフィルタ処理等パラメータ閾値と演算結果を比較している画像処理に対して同様に実施可能である。
【0026】
以上説明したように、本実施例によれば、複数の画像処理演算結果の組み合わせにより画像生成をする場合において、その各内部データに対応した画像基準位置信号が画像信号とともにメモリ及び画像出力手段に出力されるため、それぞれの画像処理実施結果の位置情報及び判別結果を容易に判断することが可能となる。
また、画像処理演算が入力画像に対して所望の出力となっているか否か、また、エリア毎に誤判定していないか容易に判断することができる。
更に、所望の画像出力データを生成するための画像処理演算を実行する演算回路の演算結果が特定の条件に一致した場合に、該条件別に、出力値を変化させることで画像データに対して閾値が正しく設定できているかを容易に判断することが可能となる。
【0027】
次に、本実施例を適用した画像形成装置の構成及び機能について図5を用いて以下に説明する。図5に示すように、この画像形成装置は、例えば原稿画像を複写する複写機能、通信回線を介して画像データを送受信するファクシミリ機能、及び、外部I/Fを介して外部装置から供給される画像データに基づいてプリントするプリンタ機能を備えた画像形成装置、すなわち複合型デジタル画像形成装置(以下、画像形成装置と略称する)として構成される。
【0028】
図5は、この画像形成装置の内部構造を概略的に示す断面図である。図5に示されたように、本実施例を適用した画像形成装置、例えば、電子写真式デジタル画像形成装置50は、原稿画像を読み取って画像データを生成する読み取り手段として機能する画像読み取り部、すなわちスキャナ部50a、及び画像データに基づいて画像を形成する画像形成手段として機能する画像形成部すなわちプリンタ部50bを有している。また、画像形成装置50は、このスキャナ部50aの上部に、搬送手段としての原稿自動給送装置51を備え、スキャナ部50aの後述する原稿台すなわち原稿テーブルに対して開閉可能に形成されて読み取り対象物としての原稿Dを原稿台に向けて1枚ずつ給送するとともに、原稿台に載置された原稿Dを原稿台にも密着させる原稿押さえとして機能するようにしている。
【0029】
スキャナ部50aは、その上部に、閉じた状態にある原稿自動給送装置51に対向されるとともに原稿Dがセットされる透明なガラスからなる原稿テーブル52と、原稿テーブル52の一端に配置されるとともに原稿テーブル52に原稿Dをセットすべき位置を示す原稿スケール53と、を有している。
【0030】
原稿テーブル52の下方には、原稿テーブル52に載置された原稿Dを照明する露光ランプ54、露光ランプ54からの光ビームを原稿Dに集光させるための補助反射板58、及び、原稿Dからの反射ビームを図中左方向に折り曲げる第1ミラー56などが配置されている。露光ランプ54、補助反射板58及び第1ミラー56は、第1キャリッジ57に固定されており、第1キャリッジ57の移動にともなって原稿テーブル52と平行に移動可能に配置されている。なお、第1キャリッジ57は、図示しない歯つきベルト等を介して図示しないパルスモータの駆動力が伝達されて、原稿テーブル52に沿って平行に移動される。
【0031】
原稿テーブル52の図中左方、すなわち第1ミラー56により反射された反射ビームが案内される方向には、第2キャリッジ59が配設されている。第2キャリッジ59には、第1ミラー56により案内される原稿Dからの反射ビームを下方に折り曲げる第2ミラー60、及び図中右方に折り曲げる第3ミラー61が互いに直角に配置されている。第2キャリッジ59は、第1キャリッジ57を駆動する図示しない歯つきベルトなどにより第1キャリッジ57に従動されるとともに、第1キャリッジ57に対して1/2の速度で原稿テーブル52に沿って平行に移動される。
【0032】
第1キャリッジ57の下方であって、第2キャリッジ59を介して折り返されたビームの光軸を含む面内には、第2キャリッジ59からの反射ビームを所定の倍率で結像させる結像レンズ62、及び、結像レンズ62により集束性が与えられた反射ビームを電気信号すなわち画像データに変換する複数のCCDイメージセンサからなるラインセンサ63が配置されている。
【0033】
なお、ここでは、ラインセンサ63における複数のCCDイメージセンサが配列されている方向を主走査方向とし、第1キャリッジ57及び第2キャリッジ59が移動する方向を副走査方向とする。本実施例では、この読み取り装置部分は、スキャナ部50aを固定させ、原稿自動給送装置51により、原稿を搬送させながら画像を読み取る、シートスルータイプの画像読み取りシステムとなっている。
【0034】
次に、プリンタ部50bについて説明する。プリンタ部50bは、感光体ドラム12と、帯電チャージャ13と、現像ユニット14、15と、除電ランプ(PTL)17と、転写チャージャ18と、分離チャージャ19と、イレーサ20と、クリーニングユニット21と、ポリゴンミラー(レーザ光発生器)22と、光学系(レンズ)23と、を有し、画像メモリに記憶された画像データの画像形成、出力を行う。
【0035】
すなわち、感光体ドラム12を矢示方向に回転させると同時に、感光体ドラム12上に付着した残留トナー及び不均一な電位が帯電チャージャ13及び現像ユニット14、15に到達しないように、除電ランプ(QL)16、転写前除電ランプ(PTL)17、転写チャージャ18、分離チャージャ19、イレーサ20、及びクリーニングユニット21を駆動して、除電ランプ16を通過した後の感光体ドラム12の表面電位が略ゼロになるようにする。
【0036】
その後、感光体ドラム12の表面を帯電チャージャ13により一様に帯電すると共に、画像メモリに記憶された画像データを読み出して、それに応じて図示しない半導体レーザからレーザ光を射出させる。半導体レーザから射出されるレーザ光は、図示しないシリンダレンズによって集光されて回転走査するポリゴンミラー(レーザ光発生器)22に入射し、反射光が光学系(レンズ)23、及びミラー24を介して感光体ドラム12の表面を照射して静電潜像を形成する。
【0037】
次いで、感光体ドラム12上に形成された潜像を、非画像部(画像作成領域からはみ出した不要部分)の電荷をイレーサ20によって除去した後、黒トナーにより現像を行う黒現像ユニット14あるいはカラートナーにより現像を行うカラー現像ユニット15よりトナーを付着して可視像化する。このとき、現像バイアス電位を変化させることにより、画像の濃淡を調整することができる。
【0038】
他方において、図示しないメインモータの駆動を選択的に取り出せる給紙クラッチのONにより呼出コロ25及び3個の給紙コロ26のいずれかを駆動し、予め選択された給紙段(後述する)にセットされている記録紙を停止中のレジストローラ対27に向けて給紙させる。レジストローラ対27の手前にはレジストセンサ28が配設されており、レジストセンサ28は例えば反射型フォトセンサであり、その対向位置に記録紙の先端が到達するとON状態になる。それから、一定時間経過後に給紙クラッチをOFF状態に戻して、搬送中の記録紙を停止させる。
【0039】
なお、給紙クラッチのOFFのタイミングは、レジストセンサ28とレジストローラ対27の間を記録紙が搬送される時間より長くとられている。従って、記録紙は先端がレジストローラ対27に突き当てられ、先端側にたわみを生じてスキュー等を防止する状態で待機する。その後、感光体ドラム12上の画像先端に合わせたタイミングでレジストクラッチをON状態にし、それによってレジストローラ対27が回転駆動されることにより、待機中の記録紙を転写部へ向けて再搬送する。
【0040】
記録紙が転写部に到達すると、転写チャージャ18の作用によって感光体ドラム12上のトナー像を紙面上に転写し、続いて転写チャージャ18と一体に保持されている分離チャージャ19の作用によって紙面上の帯電電位を下げて記録紙と感光体ドラム12との密着力を低下させた後、分離爪29によって、記録紙を感光体面から分離する。
【0041】
次いで、記録紙を2個のローラによって張装された搬送ベルト30によって定着部へ送り、定着ローラ31によってトナー像を熱定着し、その後コピーモードとして片面モードが選択されていれば切替爪32の切り替えによって下側の再給紙用搬送経路33へ送り込む。
【0042】
なお、画像転写後の感光体ドラム12上の残留トナーはクリーニングユニット21を構成するクリーニングブラシ21a、クリーニングブレード21bによって除去してトナー回収タンク21cに回収させ、更に、残存電荷を消去するために感光面を除電ランプ16によって前面露光させる。
【0043】
ところで、この複写機には、特定サイズの記録紙のみをまとめて収納できる通常の給紙カセットとして、それぞれ異なるサイズの記録紙をセットした3つの給紙カセット34〜36を着脱可能に備え、またいずれの給紙カセットにも収納されていない記録紙、すなわち不特定サイズの記録紙をセットできる手差しテーブル(手差しトレイ)37をも備えている。
【0044】
そして、各給紙カセット34〜36のいずれかに収納されている記録紙を用いてコピーする場合は、カセットサイズを図示しない操作パネル上のサイズ選択キーによって選択した後、コピースタートキーを押下することにより、給紙カセットから記録紙の給紙が行われる。
【0045】
なお、38a〜38cは、各給紙カセット34〜36の各収納用紙サイズを検知するためのサイズ検知センサであり、例えば5連のフォトインタラプタを使用する。また、各給紙カセット34〜36の先端部には、それぞれ図示しないサイズ識別用の遮光板が付設されている。この遮光板はカセット内に収納されるべき記録紙のサイズ毎に異なる切欠部を有している。
【0046】
サイズ検知センサ38a〜38cは、給紙カセット34〜36が装着されると、遮光板の遮光部を挟んだフォトインタラプタのみが光路を遮断されるため、それに応じた信号(コード)をそれぞれ制御部へ出力することができる。なお、制御部はCPU等である。一方、不特定サイズの記録紙を用いてコピーする場合には、手差しテーブル37を仮想線で示す閉じた状態から矢示A方向に開いて実線で示す使用状態にした後、その上面に所望の記録紙をセットして、コピースタートキーを押下することにより、手差しテーブル37から記録紙の給紙が行われる。
【0047】
なお、手差しテーブル37が開く方向に回動すると、第1給紙カセット34に設けられている記録紙載置用の底板を持ち上げていた底板上昇アーム39がそれに連動して下降する。また、この複写機の手差しテーブル37に対向する位置には、手差しテーブル37の開閉を検知するための図示しない開閉検知センサが設置されている。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本実施例の画像形成装置の概略的な回路構成を示すブロック図である。
【図2】本実施例における第1のテスト出力結果を示す図である。
【図3】本実施例における第2のテスト出力結果を示す図である。
【図4】本実施例の画像形成装置のカラー原稿自動判定部における画像処理演算(色判定ブロック)の内部信号出力を得るための回路構成を示すブロック図である。
【図5】本実施例が適用される画像処理装置の構成断面図である。
【符号の説明】
【0049】
100 サーバー
101 PC端末
102 大容量記憶装置
110 コントローラ
111 ROM
112 各種データ格納用メモリ
113 制御ASIC
114 CPU
116 NVRAM
117 給電制御手段
118 ネットワークI/F
120 エンジン部
121 画像処理部
122 ASIC
123 CPU
124 ROM
130 操作部
140 スキャナ
150 プロッタ
160 ADF
170 PSU
180 FAX制御ユニット
181 CPU
182 ROM
183 ASIC
184 揮発性メモリ
185 NCU
201 PC
202 大容量記憶装置
211 画像処理演算A(色判定ブロック)
212 画像処理演算B
213 セレクタA
214 画像処理演算内部データセレクタA
215 セレクタB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に通常設けられる画像出力I/Fとは別個の着脱可能な画像出力I/Fと、
所望の画像出力データを生成するための画像処理演算の途中又は演算終了した画像データ、及び、該画像データからなる画像データ信号の演算実行位置を示す画像基準信号を、任意の出力先へセレクト出力可能とする手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記所望の画像出力データを生成するための画像処理演算を実行する演算回路の演算結果が特定の条件に一致した場合に、該演算結果からなる固定データを、任意の出力先へ出力する出力モードを設けたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記所望の画像出力データを生成するための画像処理演算を実行する演算回路の演算結果が特定の条件に一致した場合に、該特定の条件別に、該演算結果を基として出力値を変化させることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
画像形成装置に通常設けられる画像出力I/Fとは別個に設けられた着脱可能な画像出力I/Fを用いて、所望の画像出力データを生成するための画像処理演算の途中又は演算終了した画像データ、及び、該画像データからなる画像データ信号の演算実行位置を示す画像基準信号を、任意の出力先へセレクト出力可能とする工程を備えたことを特徴とする画像形成方法。
【請求項5】
前記所望の画像出力データを生成するための画像処理演算を実行する演算回路の演算結果が特定の条件に一致した場合に、前記画像形成装置に設けられた固定データ出力モードにより、該演算結果からなる固定データを、任意の出力先へ出力する工程を備えたことを特徴とする請求項4記載の画像形成方法。
【請求項6】
前記所望の画像出力データを生成するための画像処理演算を実行する演算回路の演算結果が特定の条件に一致した場合に、該特定の条件別に、該演算結果を基として出力値を変化させる工程を備えたことを特徴とする請求項4又は5記載の画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−13635(P2006−13635A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−184229(P2004−184229)
【出願日】平成16年6月22日(2004.6.22)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】