説明

画像形成装置及びプログラム

【課題】従来の画像形成装置よりも、稼働効率を向上させることが可能な画像形成装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】CPUは、入力されたユーザのユーザID及びパスワードと、各ユーザのユーザID及びパスワードを含むユーザ情報とを比較することにより、入力されたユーザのユーザID及びパスワードに対応するユーザを認証し、人感センサの検知信号に基づいて、認証されたユーザが画像形成装置から離れたことを検知し、認証されたユーザが画像形成装置から離れたことを検知した場合に、認証されたユーザの認証状態を解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、暗証コード毎にユーザを管理する画像形成装置が知られている。例えば、暗証モードユーザが複写動作中又は中断中に、人感センサがユーザが装置から離れたことを検知したとき、暗証コード画面を表示手段に表示せず、設定モードが変化した場合や複写動作が再スタート要求があった場合に暗証コード画面を表示手段に表示する画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この画像形成装置では、人感センサがユーザが装置から離れたことを検知したときに、暗証コード画面が表示されないので、他のユーザによる複写動作が禁止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−292802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来の画像形成装置よりも、稼働効率を向上させることが可能な画像形成装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項1の画像形成装置は、入力されたユーザの識別情報と、各ユーザの識別情報を含むユーザ情報とを比較することにより、前記入力されたユーザの識別情報に対応するユーザを認証する認証手段と、前記認証されたユーザが画像形成装置から離れたことを検知する検知手段と、前記検知手段が前記認証されたユーザが画像形成装置から離れたことを検知した場合に、前記認証されたユーザの認証状態を解除する解除手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
請求項2の画像形成装置は、請求項1に記載の画像形成装置において、ユーザ毎に又はジョブ毎に、現在実行中のジョブを継続するか又は消去するかを設定する設定手段と、前記認証されたユーザが画像形成装置から離れたことが検知された場合に、前記設定手段の設定に応じて、現在実行中のジョブを処理する処理手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
請求項3の画像形成装置は、入力されたユーザの識別情報と、各ユーザの識別情報を含むユーザ情報とを比較することにより、前記入力されたユーザの識別情報に対応するユーザを認証する認証手段と、前記認証されたユーザが画像形成装置から離れたことを検知する検知手段と、前記検知手段が前記認証されたユーザが画像形成装置から離れたことを検知した場合に、現在のユーザの認証状態を維持したまま、ユーザの識別情報の入力だけを受け付けるように操作部の入力機能をロックするロック手段と、ユーザの識別情報を受け付ける認証画面及び前記操作部の入力機能がロック中である旨を表示する表示手段と、前記認証画面に再入力されたユーザの識別情報が前記入力されたユーザの識別情報と異なる場合に、ジョブ及び当該ジョブの処理のために設定された設定情報を前記入力されたユーザの識別情報と関連づけて記憶部に保存する保存手段と、前記操作部の入力機能のロックを解除する解除手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項4の画像形成装置は、請求項3に記載の画像形成装置において、前記ロック手段が前記操作部の入力機能をロックした後、所定時間が経過する前に前記認証画面にユーザの識別情報が再入力されない場合には、前記保存手段は、前記ジョブ及び当該ジョブの処理のために設定された設定情報を前記入力されたユーザの識別情報と関連づけて記憶部に保存することを特徴とする。
【0009】
請求項5の画像形成装置は、請求項3又は4に記載の画像形成装置において、前記認証手段によるユーザ認証時に、入力されたユーザの識別情報に対応する保存されたジョブがある場合に、前記表示手段は、前記保存されたジョブがある旨の情報及び前記保存されたジョブの継続又は消去を選択するための選択画面を表示し、前記選択画面での選択に応じて、前記保存されたジョブを処理する処理手段を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項6の画像形成装置は、請求項3乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記ジョブ及び前記設定情報の保存後、所定時間が経過している場合には、前記保存手段は、前記ジョブ及び前記設定情報を消去することを特徴とする。
【0011】
請求項7の画像形成装置は、請求項3乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記ジョブ及び前記設定情報が保存される場合又は消去される場合に、前記認証されたユーザにその旨の情報を通知する通知手段を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項8のプログラムは、画像形成装置を、入力されたユーザの識別情報と、各ユーザの識別情報を含むユーザ情報とを比較することにより、前記入力されたユーザの識別情報に対応するユーザを認証する認証手段、前記認証されたユーザが前記画像形成装置から離れたことを検知する検知手段、及び前記検知手段が前記認証されたユーザが前記画像形成装置から離れたことを検知した場合に、前記認証されたユーザの認証状態を解除する解除手段として機能させることを特徴とする。
【0013】
請求項9のプログラムは、画像形成装置を、入力されたユーザの識別情報と、各ユーザの識別情報を含むユーザ情報とを比較することにより、前記入力されたユーザの識別情報に対応するユーザを認証する認証手段、前記認証されたユーザが前記画像形成装置から離れたことを検知する検知手段、前記検知手段が前記認証されたユーザが前記画像形成装置から離れたことを検知した場合に、現在のユーザの認証状態を維持したまま、ユーザの識別情報の入力だけを受け付けるように操作部の入力機能をロックするロック手段、ユーザの識別情報を受け付ける認証画面及び前記操作部の入力機能がロック中である旨を表示する表示手段、前記認証画面に再入力されたユーザの識別情報が前記入力されたユーザの識別情報と異なる場合に、ジョブ及び当該ジョブの処理のために設定された設定情報を前記入力されたユーザの識別情報と関連づけて記憶部に保存する保存手段、及び前記操作部の入力機能のロックを解除する解除手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、従来の画像形成装置よりも、稼働効率を向上させることができる。
【0015】
請求項2の発明によれば、認証されたユーザが画像形成装置から離れた場合であっても、ユーザの所望の処理方法に応じてジョブを処理することができる。
【0016】
請求項3の発明によれば、従来の画像形成装置よりも、稼働効率を向上させることができると共に最初のユーザが要求したジョブを再開できるように準備できる。
【0017】
請求項4の発明によれば、識別情報を入力したユーザ以外の他のユーザが画像形成装置を使用できる環境を自動的に整えることができる。
【0018】
請求項5の発明によれば、ユーザに選択された方法で保存されたジョブを処理することができる。
【0019】
請求項6の発明によれば、利用される見込みのないジョブや設定情報による、記憶部の使用容量を削減できる。
【0020】
請求項7の発明によれば、ユーザはジョブ及び設定情報の処理結果を確認することができる。
【0021】
請求項8の発明によれば、従来の画像形成装置よりも、稼働効率を向上させることができる。
【0022】
請求項9の発明によれば、従来の画像形成装置よりも、稼働効率を向上させることができると共に最初のユーザが要求したジョブを再開できるように準備できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施の形態に係る画像形成装置1の構成図である。
【図2】制御部27の概略構成図である。
【図3】HDD105又はNVRAM104に保存される保存データの構造を示す図である。
【図4】人感センサ36が認証ユーザを検知できない場合の現在実行中のジョブの処理方法を設定するための設定画面の一例を示す図である。
【図5】CPU101が実行する処理を示すフローチャートである。
【図6】CPU101が実行する処理の変形例を示すフローチャートである。
【図7】UI121の入力機能がロックされた場合のUI121の表示画面の一例を示す図である。
【図8】(A)及び(B)は、中断中のジョブの処理方法を設定するための設定画面の例を示す図である。
【図9】中断中のジョブ、未起動のジョブ及び設定情報が保存された場合に、CPU101が実行する処理を示すフローチャートである。
【図10】選択画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0025】
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置1の構成図である。
【0026】
画像形成装置1は、例えば、コピー機又は複合機である。画像形成装置1は、用紙Pが収容されるカセット10と、カセット10の上に設けられ、カセット10から供給される用紙Pに画像形成を行う画像形成部20と、画像形成部20の上に設けられ、原稿Gを読み取る原稿読取部40とを備えている。
【0027】
カセット10には、用紙Pを画像形成装置1内に設けられた搬送路21に送り出す送り出しロール11が設けられている。また、搬送路21における送り出しロール11よりも下流側には、用紙Pを一枚ずつ搬送する一対の搬送ロール12が設けられている。なお、搬送路21は、図1の下側を上流側、及び図1の上側を下流側として画像形成装置1内に設けられている。
【0028】
画像形成部20は、筐体20Aと、筐体20A内で搬送路21と対向配置され、用紙P上にトナー画像(現像剤像)を形成する現像ユニット22と、現像ユニット22の感光体23に静電潜像を形成する露光ユニット24と、トナー画像を用紙P上に定着する定着ユニット25と、現像ユニット22に供給される黒色のトナーを収容したトナーカートリッジ26と、画像形成装置1の各部の動作を制御する制御部27と、画像形成装置1前の人の存在を検知する人感センサ36を備えている。人感センサ36は、例えば、人体から発生する赤外線を検知し、人が画像形成装置1へ接近したことを検出する。
【0029】
搬送路21の上流側には、用紙Pを一旦停止させるとともに、決められたタイミングで用紙Pを現像ユニット22へ送り出す一対の位置合せロール28が設けられている。また、搬送路21の下流側には、トナー画像が定着された用紙Pを排出する一対の排出ロール29が設けられている。トナー画像が定着された用紙Pは排出トレイ37に排出される。排出トレイ37には、トナー画像が定着された用紙Pの存在を検知する用紙検知センサ35が設けられている。
【0030】
また、搬送路21を挟んで感光体23の外周面と対向する位置には、トナーの極性(例えばマイナス)と逆極性の電圧が印加される転写ロール30が設けられている。ここで、感光体23の内側は接地されており、転写ロール30にトナーの極性(例えばマイナス)と逆極性の電圧が印加されるので、感光体23の外周面と転写ロール30との間に電位差が生じる。この電位差(電界)によって、現像後の感光体23の外周面に存在するトナー画像が用紙P上に転写される。
【0031】
定着ユニット25は、内部にヒータを備えた加熱ロール31と、加熱ロール31の外周面と対向配置され用紙Pを加熱ロール31に向けて加圧する加圧ロール32とを有している。そして、定着ユニット25では、加熱ロール31及び加圧ロール32で用紙Pを挟むことで用紙Pを加熱及び加圧して、用紙P上にトナー画像を定着させる。
【0032】
また、画像形成装置1は、用紙Pを手差しで供給するトレイ33及び用紙Pを一枚ずつ搬送する一対の搬送ロール34を備えている。
【0033】
原稿読取部40は、原稿置台41上に載せられた原稿Gを1枚ずつ自動で搬送する原稿搬送装置42と、原稿搬送装置42の下側に配置され1枚の原稿Gが載せられるプラテンガラス43と、プラテンガラス43の下側で移動可能に設けられ、プラテンガラス43上の原稿Gを読み取る原稿読取装置44とを備えている。
【0034】
原稿搬送装置42は、プラテンガラス43上の原稿Gを押さえるカバー48と、プラテンガラス43上の原稿Gを検知する原稿検知センサ49とを備えている。また、原稿搬送装置42は、原稿Gを1枚ずつ送り出す送り出しロール45と、一対の搬送ロール46が複数配置された自動搬送路47と、原稿置台41上の原稿Gを検知する原稿検知センサ50とを備えている。自動搬送路47の一部は原稿Gがプラテンガラス43上を通るように配置されている。また、原稿読取装置44は、プラテンガラス43の左端部の下側で静止した状態で原稿搬送装置42によって搬送される原稿Gを読み取り、又は右方向に移動しながらプラテンガラス43上の原稿Gを読み取る。
【0035】
図2は、制御部27の概略構成図である。
【0036】
制御部27は、画像形成装置1の全体動作を制御するCPU(Central
Processing Unit)101と、画像形成装置1の動作を制御する制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)102と、ワーキングスペースとして機能するRAM(Random
Access Memory)103と、各種の設定情報、保留中のジョブ、及び未起動のジョブを格納するNVRAM(Non-Volatile RAM)104と、画像データ、登録されたユーザに関する情報、各種の設定情報、中断中のジョブ及び未起動のジョブを保存するHDD(Hard
Disk Drive)105と、ジョブの処理開始時からの経過時間、後述するUI121の入力機能がロックされてからの経過時間、並びに設定情報及び中断中のジョブ又は未起動のジョブを保存してからの経過時間を計測するタイマ106と、人感センサ36やカードリーダ60との信号の入出力を制御するIO制御部107とを備えている。CPU101は、認証手段、解除手段、処理手段、ロック手段、保存手段、解除手段及び通知手段として機能する。人感センサ36及びCPU101は、検知手段として機能する。
【0037】
また、制御部27は、ユーザインターフェース(UI)121のパネル制御やキー制御を行うUIインターフェース(IF)108と、各種の外部装置やネットワークと接続するための通信インターフェース(IF)109と、各種のセンサと接続するためのデバイスインターフェース(IF)110とを備えている。CPU101は、バス115を介してROM102、RAM103、NVRAM104、HDD105、タイマ106、IO制御部107、UI IF108、通信IF109、及びデバイスIF110に接続されている。
【0038】
尚、タイマ106はソフトウエアのタイマとしてCPU101に組み込まれていてもよい。また、タイマ106は計測時間をCPU101に通知する。
【0039】
UI121は、液晶画面で構成される表示部122と、スタートボタン、ストップボタン、テンキーなどで構成される操作部123とを備えている。尚、表示部122がタッチパネルで構成される場合、表示部122は操作部123を含む。つまり、表示部122は操作画面を表示しつつ、入力操作を受け付ける。UI121は設定手段及び表示手段として機能する。
【0040】
通信IF109は、10/100BASE−TのLANケーブル又は無線LANの通信ユニットを接続可能なLAN端子111、各種の周辺機器とシリアルケーブルを介して接続可能なシリアル端子112、USB機器とUSBケーブルを介して接続可能なUSB端子113、及びFAX通信又は電話を行うモデム部114を備えている。LAN端子111及びモデム部114は通知手段として機能する。
【0041】
IO制御部107は人感センサ36及びカードリーダ60に接続されている。デバイスIF110は、原稿読取部40、現像ユニット22、露光ユニット24、及び定着ユニット25に接続されている。
【0042】
CPU101は、HDD105に予め登録されているユーザ情報と、UI121で入力されたユーザID及びパスワードに基づいてユーザ認証を行う。例えば、HDD105に予め登録されているユーザ情報は、ユーザID、パスワード及び属性情報である。ユーザID及びパスワードはユーザの識別情報として機能する。ユーザID及びパスワードはUI121から入力してもよいが、例えば、カードリーダ60がユーザID及びパスワードを含む認証用カード(例えばIDカード、又はICカードなど)を読み取ることでユーザID及びパスワードを入力してもよい。また、ユーザ情報は、HDD105に代えてNVRAM104に登録されてもよい。
【0043】
図3は、HDD105又はNVRAM104に保存される保存データの構造を示す図である。
【0044】
HDD105又はNVRAM104に保存される保存データは、ユーザ情報、ジョブデータ及び設定情報などである。ジョブデータや設定情報は、ユーザの認証状態(ユーザ認証が成功している状態)を解除し、別のユーザの認証動作が行われる場合や、所定時間が経過し、自動的にユーザの認証状態が解除される場合などに、保存される。また、図3に示すように、ジョブデータ及び設定情報はユーザ情報に関連づけて保存されている。
【0045】
ユーザ情報は、ユーザID、パスワード及び属性情報を含む。属性情報はユーザの氏名、ユーザの宛先としての電話番号・FAX番号、及びユーザの宛先としての電子メールアドレスなどを含む。
【0046】
設定情報は、ユーザがジョブの処理のために設定した情報であり、用紙サイズ設定、白黒・カラー設定、変倍設定、濃度設定などを含む。また、設定情報は、人感センサ36が認証ユーザを検知できない場合の現在実行中のジョブの処理方法に関する設定を含み、例えば、現在実行中のジョブを継続するか、保存するか又はキャンセル(消去)するかを示す設定を含む。図4は、人感センサ36が認証ユーザを検知できない場合の現在実行中のジョブの処理方法を設定するための設定画面の一例を示す。ここでは、ユーザ毎に又はジョブ毎に、現在実行中のジョブを継続するか、又はキャンセルするかが設定される。これにより、認証されたユーザが画像形成装置1から離れた場合であっても、ユーザの所望の処理方法に応じてジョブが処理される。
【0047】
図5は、CPU101が実行する処理を示すフローチャートである。
【0048】
CPU101は、HDD105に予め登録されているユーザ情報と、UI121又は認証用カードを使って入力されたユーザID及びパスワードに基づいてユーザ認証を行う(ステップS1)。
【0049】
認証状態において、CPU101は、人感センサ36の検知信号に基づいて、画像形成装置1から認証ユーザが離れているか否かを判別する(ステップS2)。ステップS2でNOの場合は、当該判別を繰り返す。一方、ステップS2でYESの場合には、CPU101は、現在実行中のジョブの処理方法に関する設定が、現在実行中のジョブを継続処理する設定であるか又はキャンセルする設定であるか否かを判別する(ステップS3)。
【0050】
ステップS3で現在実行中のジョブの処理方法に関する設定が、現在実行中のジョブを継続処理する設定である場合には、CPU101は、現在実行中のジョブを継続処理すると共にユーザの認証状態を解除する、即ちログオフする(ステップS4)。
【0051】
一方、ステップS3で現在実行中のジョブの処理方法に関する設定が、現在実行中のジョブをキャンセルする設定である場合には、CPU101は、現在実行中のジョブをキャンセルすると共にユーザの認証状態を解除する、即ちログオフする(ステップS5)。
【0052】
図6は、CPU101が実行する処理の変形例を示すフローチャートである。
【0053】
CPU101は、HDD105に予め登録されているユーザ情報と、UI121又は認証用カードを使って入力されたユーザID及びパスワードに基づいてユーザ認証を行う(ステップS11)。
【0054】
認証状態において、CPU101は、人感センサ36の検知信号に基づいて、画像形成装置1から認証ユーザが離れているか否かを判別する(ステップS12)。ステップS12でNOの場合は、当該判別を繰り返す。一方、ステップS12でYESの場合には、CPU101は、現在の認証状態を維持したまま、ユーザID及びパスワードの入力だけを受け付けるようにUI121の操作部123の入力機能をロックし、ユーザID及びパスワードの入力を受け付ける認証画面及び入力機能がロック中である旨を表示する(ステップS13)。このとき、CPU101は、ジョブの処理のために設定した設定情報及び現在処理中のジョブ及び未起動のジョブをそのままの状態で保持する、即ち、現在処理中のジョブを中断する。図7に、UI121の入力機能がロックされた場合のUI121の表示画面の一例を示す。
【0055】
次に、CPU101は、タイマ106にUI121の入力機能のロック時からの経過時間を計測させる(ステップS14)。CPU101は、所定時間(例えば、5分)経過するまでにユーザID及びパスワードが認証画面で再入力されたか否かを判別する(ステップS15)。
【0056】
ステップS15でユーザID及びパスワードが再入力された場合には(YES)、CPU101は、UI121又は認証用カードで再入力されたユーザID及びパスワードがステップS1で入力されたユーザID及びパスワードと同一であるか否かを判別する(ステップS16)。ここでは、CPU101は、ユーザID及びパスワードを再入力したユーザがUI121の入力機能のロック時のユーザと同一であるか否かを判別している。
【0057】
再度UI121又は認証用カードで入力されたユーザID及びパスワードがステップS1で入力されたユーザID及びパスワードと同一である場合には(ステップS16でYES)、CPU101は、現在中断中のジョブの処理方法に関する設定が、現在中断中のジョブを継続処理する設定であるか又はキャンセルする設定であるか否かを判別する(ステップS17)。尚、現在中断中のジョブの処理方法に関する設定は、図8(A)に示すような、UI121に表示される、中断中のジョブの処理方法を設定するための設定画面で予め設定されている。
【0058】
ステップS17で、現在中断中のジョブの処理方法に関する設定が、現在中断中のジョブを継続処理する設定である場合には、CPU101は、UI121の入力機能のロックを解除し(ステップS18)、中断中のジョブを再開する(ステップS19)。このとき、未起動のジョブ及び設定情報は維持されている。
【0059】
一方、ステップS17で、現在中断中のジョブの処理方法に関する設定が、現在中断中のジョブをキャンセルする設定である場合には、CPU101は、中断中のジョブ、未起動のジョブ及び設定情報をキャンセルし(ステップS20)、UI121の入力機能のロックを解除する(ステップS21)。さらに、CPU101は、図3の保存データに基づいて、中断中のジョブを要求したユーザにジョブ及び設定情報の処理結果(ここではジョブ及び設定情報のキャンセル)を通知する(ステップS22)。これにより、ユーザはジョブ及び設定情報の処理結果を確認する。尚、通知方法は、電話、FAX又は電子メールのいずれでもよい。
【0060】
再度UI121又は認証用カードで入力されたユーザID及びパスワードがステップS1で入力されたユーザID及びパスワードと同一でない場合には(ステップS16でNO)、CPU101は、現在中断中のジョブの処理方法に関する設定が、現在中断中のジョブを保存する設定であるか又はキャンセルする設定であるか否かを判別する(ステップS23)。尚、現在中断中のジョブの処理方法に関する設定は、図8(B)に示すような、UI121に表示される、中断中のジョブの処理方法を設定するための設定画面で予め設定されている。
【0061】
現在中断中のジョブの処理方法に関する設定が、現在中断中のジョブを保存する設定である場合には(ステップS23でYES)、CPU101は、中断中のジョブ、未起動のジョブ及び設定情報を当該ジョブを要求したユーザのユーザ情報と関連付けてHDD105に保存し(ステップS24)、UI121の入力機能のロックを解除する(ステップS25)。さらに、CPU101は、図3の保存データに基づいて、中断中のジョブを要求したユーザにジョブ及び設定情報の処理結果(ここではジョブ及び設定情報の保存)を通知する(ステップS26)。これにより、ユーザはジョブ及び設定情報の処理結果を確認する。
【0062】
一方、現在中断中のジョブの処理方法に関する設定が、現在中断中のジョブをキャンセルする設定である場合には(ステップS23でNO)、手順はステップS20に進む。ステップS15でユーザID及びパスワードが再入力されていない場合には(NO)、手順はステップS24に進む。このように、所定時間(例えば、5分)経過するまでにユーザID及びパスワードが認証画面で再入力され場合には(ステップS15でNO)、中断中のジョブ、未起動のジョブ及び設定情報が当該ジョブを要求したユーザのユーザ情報と関連付けて保存され、UI121の入力機能のロックが解除されるので(ステップS24、S25)、ユーザID及びパスワードを入力したユーザ以外の他のユーザが画像形成装置1を使用できる環境が自動的に整えられる。
【0063】
ステップS24で、中断中のジョブ、未起動のジョブ及び設定情報が保存された場合には、CPU101は、中断中のジョブ、未起動のジョブ及び設定情報を保存した後、所定時間(例えば3日)が経過しているか否かを判別し、所定時間が経過している場合には、中断中のジョブ、未起動のジョブ及び設定情報をキャンセルしてもよい。これにより、利用される見込みのないジョブや設定情報による、HDD105又はNVRAM104の使用容量が削減される。
【0064】
尚、ステップS18とステップS19の処理の順番は、上記実施例に限定されない。つまり、ステップS19の処理がステップS18の処理より先に実行されてもよい。同様に、ステップS20とステップS21の処理の順番は、上記実施例に限定されない。ステップS24とステップS25の処理の順番は、上記実施例に限定されない。
【0065】
図9は、中断中のジョブ、未起動のジョブ及び設定情報が保存された場合に、CPU101が実行する処理を示すフローチャートである。
【0066】
CPU101は、ユーザ認証時に、入力されたユーザID及びパスワードに対応する保存されたジョブがあるか否かを判別する(ステップS31)。具体的には、CPU101は、ユーザ認証時にHDD105又はNVRAM104内に認証ユーザに対応するジョブがあれば、既に保存されたジョブがあると判断する。
【0067】
ユーザ認証時に、入力されたユーザID及びパスワードに対応する保存されたジョブがない場合には(ステップS31でNO)、本処理を終了する。ユーザ認証時に、入力されたユーザID及びパスワードに対応する保存されたジョブがある場合には(ステップS31でYES)、CPU101は、UI121に、保存されたジョブがある旨の情報及び保存されたジョブの継続処理又はキャンセル処理を選択するための選択画面を表示する(ステップS32)。例えば、選択画面の一例を図10に示す。
【0068】
その後、CPU101は保存されたジョブの継続処理が選択されたか又はキャンセル処理が選択されたかを判別する(ステップS33)。ステップS33で保存されたジョブの継続処理が選択された場合には(YES)、CPU101は中断中のジョブ、未起動のジョブ及び設定情報をHDD105又はNVRAM104から読み出し、中断中のジョブを再開する(ステップS34)。ステップS33で保存されたジョブのキャンセル処理が選択された場合には(NO)、CPU101は、保存された中断中のジョブ、未起動のジョブ及び設定情報をキャンセルする(ステップS35)。さらに、CPU101は、図3の保存データに基づいて、認証ユーザにジョブ及び設定情報の処理結果(ここではジョブ及び設定情報のキャンセル)を通知する(ステップS36)。これにより、ユーザはジョブ及び設定情報の処理結果を確認する。尚、通知方法は、電話、FAX又は電子メールのいずれでもよい。図9の処理によれば、ユーザに選択された方法で保存されたジョブが処理される。
【0069】
以上説明したように、本実施の形態によれば、CPU101は、入力されたユーザのユーザID及びパスワードと、各ユーザのユーザID及びパスワードを含むユーザ情報とを比較することにより、入力されたユーザのユーザID及びパスワードに対応するユーザを認証し、人感センサ36の検知信号に基づいて、認証されたユーザが画像形成装置1から離れたことを検知し、認証されたユーザが画像形成装置1から離れたことを検知した場合に、認証されたユーザの認証状態を解除する。よって、CPU101は、認証されたユーザが画像形成装置1から離れたことを検知した場合には、認証されたユーザの認証状態を解除するので、他のユーザの画像形成装置1の使用機会が確保され、従来の画像形成装置よりも、稼働効率が向上する。
【0070】
CPU101は、入力されたユーザのユーザID及びパスワードと、各ユーザのユーザID及びパスワードを含むユーザ情報とを比較することにより、入力されたユーザのユーザID及びパスワードに対応するユーザを認証し、人感センサ36の検知信号に基づいて、認証されたユーザが画像形成装置1から離れたことを検知し、認証されたユーザが画像形成装置1から離れたことを検知した場合に、現在のユーザの認証状態を維持したまま、ユーザID及びパスワードの入力だけを受け付けるようにUI121の入力機能をロックする。そして、UI121はユーザID及びパスワードを受け付ける認証画面及びUI121の入力機能がロック中である旨を表示する。さらに、CPU101は、認証画面に再入力されたユーザID及びパスワードが、上記入力されたユーザID及びパスワードと異なる場合に、ジョブ及び当該ジョブの処理のために設定された設定情報を上記入力されたユーザID及びパスワードと関連づけてHDD105又はNVRAM104に保存し、UI121の入力機能のロックを解除する。よって、他のユーザの画像形成装置1の使用機会が確保され、従来の画像形成装置よりも、稼働効率が向上する。さらに、最初のユーザが要求したジョブを再開し易くなる。
【0071】
画像形成装置1の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムが記録されている記憶媒体を、画像形成装置1に供給し、CPU101が記憶媒体に格納されたプログラムを読み出し実行することによっても、上記実施の形態と同様の効果を奏する。プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、CD−ROM、DVD、又はSDカードなどがある。また、CPU101が、画像形成装置1の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムを実行することによっても、上記実施の形態と同様の効果を奏する。
【0072】
尚、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0073】
1 画像形成装置 20 画像形成部 22 現像ユニット 23 感光体 24 露光ユニット 25 定着ユニット 27 制御部 35 用紙検知センサ
36 人感センサ 49,50 原稿検知センサ 101 CPU 121 ユーザインターフェース(UI)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力されたユーザの識別情報と、各ユーザの識別情報を含むユーザ情報とを比較することにより、前記入力されたユーザの識別情報に対応するユーザを認証する認証手段と、
前記認証されたユーザが画像形成装置から離れたことを検知する検知手段と、
前記検知手段が前記認証されたユーザが画像形成装置から離れたことを検知した場合に、前記認証されたユーザの認証状態を解除する解除手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
ユーザ毎に又はジョブ毎に、現在実行中のジョブを継続するか又は消去するかを設定する設定手段と、
前記認証されたユーザが画像形成装置から離れたことが検知された場合に、前記設定手段の設定に応じて、現在実行中のジョブを処理する処理手段と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
入力されたユーザの識別情報と、各ユーザの識別情報を含むユーザ情報とを比較することにより、前記入力されたユーザの識別情報に対応するユーザを認証する認証手段と、
前記認証されたユーザが画像形成装置から離れたことを検知する検知手段と、
前記検知手段が前記認証されたユーザが画像形成装置から離れたことを検知した場合に、現在のユーザの認証状態を維持したまま、ユーザの識別情報の入力だけを受け付けるように操作部の入力機能をロックするロック手段と、
ユーザの識別情報を受け付ける認証画面及び前記操作部の入力機能がロック中である旨を表示する表示手段と、
前記認証画面に再入力されたユーザの識別情報が前記入力されたユーザの識別情報と異なる場合に、ジョブ及び当該ジョブの処理のために設定された設定情報を前記入力されたユーザの識別情報と関連づけて記憶部に保存する保存手段と、
前記操作部の入力機能のロックを解除する解除手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記ロック手段が前記操作部の入力機能をロックした後、所定時間が経過する前に前記認証画面にユーザの識別情報が再入力されない場合には、前記保存手段は、前記ジョブ及び当該ジョブの処理のために設定された設定情報を前記入力されたユーザの識別情報と関連づけて記憶部に保存することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記認証手段によるユーザ認証時に、入力されたユーザの識別情報に対応する保存されたジョブがある場合に、前記表示手段は、前記保存されたジョブがある旨の情報及び前記保存されたジョブの継続又は消去を選択するための選択画面を表示し、
前記選択画面での選択に応じて、前記保存されたジョブを処理する処理手段を備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ジョブ及び前記設定情報の保存後、所定時間が経過している場合には、前記保存手段は、前記ジョブ及び前記設定情報を消去することを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ジョブ及び前記設定情報が保存される場合又は消去される場合に、前記認証されたユーザにその旨の情報を通知する通知手段を備えることを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
画像形成装置を、
入力されたユーザの識別情報と、各ユーザの識別情報を含むユーザ情報とを比較することにより、前記入力されたユーザの識別情報に対応するユーザを認証する認証手段、
前記認証されたユーザが前記画像形成装置から離れたことを検知する検知手段、及び
前記検知手段が前記認証されたユーザが前記画像形成装置から離れたことを検知した場合に、前記認証されたユーザの認証状態を解除する解除手段
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
画像形成装置を、
入力されたユーザの識別情報と、各ユーザの識別情報を含むユーザ情報とを比較することにより、前記入力されたユーザの識別情報に対応するユーザを認証する認証手段、
前記認証されたユーザが前記画像形成装置から離れたことを検知する検知手段、
前記検知手段が前記認証されたユーザが前記画像形成装置から離れたことを検知した場合に、現在のユーザの認証状態を維持したまま、ユーザの識別情報の入力だけを受け付けるように操作部の入力機能をロックするロック手段、
ユーザの識別情報を受け付ける認証画面及び前記操作部の入力機能がロック中である旨を表示する表示手段、
前記認証画面に再入力されたユーザの識別情報が前記入力されたユーザの識別情報と異なる場合に、ジョブ及び当該ジョブの処理のために設定された設定情報を前記入力されたユーザの識別情報と関連づけて記憶部に保存する保存手段、及び
前記操作部の入力機能のロックを解除する解除手段
として機能させることを特徴とするプログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−45315(P2013−45315A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183229(P2011−183229)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】