説明

画像形成装置及びプロセスカートリッジ

【課題】出荷時には感光体ドラム等の静電潜像担持体と無端ベルトとの圧接を抑制しておき、設置時にトナーカートリッジが装着されたときに自動的に前記圧接を許容することのできる画像形成装置及びプロセスカートリッジの提供。
【解決手段】レバー30が(A)に示す抑制位置に配設された状態でドラムカートリッジ3Fがベルトユニット10に装着されると、レバー30がバネ12Gの付勢力に抗して転写ローラ12Eを下方に押圧することにより、転写ローラ12Eは転写搬送ベルト12Cと隔離され、感光体ドラム3Aに圧接されない。ドラムカートリッジ3Fに現像カートリッジ3Pが装着されると、レバー30は(B)に示す許容位置に配設され、バネ12Gの付勢力に応じた転写ローラ12Eの動作を妨げない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナーを収容したトナーカートリッジと、静電潜像に対応したトナー像が前記トナーを用いて形成される静電潜像担持体と、前記トナー像を被記録媒体に転写する無端ベルトと、を備えた画像形成装置、及びプロセスカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、このようにトナーカートリッジと静電潜像担持体と無端ベルトとを備えた画像形成装置として、例えば、無端ベルトによって被記録媒体としての用紙を搬送しながらその用紙に静電潜像担持体上のトナー像を転写する画像形成装置が知られている。この種の画像形成装置では、トナーを収容したトナーカートリッジが着脱自在で、そのトナーを用いて用紙に転写すべきトナー像を静電潜像担持体としての感光体ドラムの表面に形成するドラムカートリッジも、無端ベルトに着脱自在とすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような画像形成装置は、トナーの劣化を防止するため、トナーカートリッジは防湿パックに個別に梱包し、ドラムカートリッジは無端ベルトを備えた装置本体に装着して出荷される場合がある。そうすることによって、トナーの湿気による劣化を防止すると共に、トナーカートリッジのみを別梱包することで画像形成装置全体としての梱包サイズを抑制し、包装資材も節約することができる。
【0004】
また、このような画像形成装置では、輸送中に感光体ドラムと無端ベルトとが擦れ合わないように、ドラムカートリッジも装置本体と別梱包することも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−102306号公報
【特許文献2】特開2011−022372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献2のようにトナーカートリッジとドラムカートリッジとをそれぞれ装置本体と別梱包すると、画像形成装置の設置時におけるセッティングが煩わしく、また、全体としての梱包サイズが大きくなって必要な包装資材も増える。一方、感光体ドラムと無端ベルトとが互いに圧接された状態で画像形成装置を輸送すると、感光体ドラム及び無端ベルトの表面が損傷する場合がある。更に、感光体ドラムと無端ベルトとの間に保護用の部材を入れておくことも考えられるが、そのような部材を抜き取る作業は一般のユーザにとっては煩わしく、部材を抜き取るのを忘れる場合もある。但し、出荷時にトナーカートリッジを別梱包しておくことは、トナーの湿気による劣化を防止するために重要で、一般的になされている。
【0007】
そこで、本発明は、出荷時には感光体ドラム等の静電潜像担持体と無端ベルトとの圧接を抑制しておき、設置時にトナーカートリッジが装着されたときに自動的に前記圧接を許容することのできる画像形成装置及びプロセスカートリッジの提供を目的としてなされた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達するためになされた本発明の画像形成装置は、トナーを収容したトナーカートリッジと、表面に静電潜像が形成される静電潜像担持体を備え、前記トナーカートリッジを着脱自在に構成され、自身に装着された前記トナーカートリッジに収容されたトナーを用いて前記静電潜像担持体の表面に前記静電潜像に対応したトナー像を形成する像形成カートリッジと、複数のローラの間に架設されて回転駆動され、前記像形成カートリッジが装着されることにより、その像形成カートリッジの前記静電潜像担持体の表面に形成されたトナー像を被記録媒体に転写する無端ベルトと、前記無端ベルトに対し前記像形成カートリッジが装着されたとき、当該像形成カートリッジの前記静電潜像担持体に前記無端ベルトを挟んで対向する転写ローラと、前記転写ローラに付勢力を加えることにより、前記装着された前記像形成カートリッジの前記静電潜像担持体に前記無端ベルトを挟んで前記転写ローラを圧接する付勢部材と、前記付勢部材の付勢力に抗して、前記転写ローラが前記静電潜像担持体に圧接されるのを抑制する抑制位置と、前記付勢部材による前記転写ローラの前記静電潜像担持体への圧接を妨げない許容位置とに、移動可能に設けられた圧接抑制部材と、を備え、前記圧接抑制部材は、前記トナーカートリッジを装着されていない前記像形成カートリッジが前記無端ベルトに対して装着されているときには前記抑制位置にとどまり、少なくとも、前記トナーカートリッジが前記像形成カートリッジに装着されかつ当該像形成カートリッジが前記無端ベルトに対して装着されたときには、前記抑制位置から前記許容位置へ移動することを特徴としている。
【0009】
このように構成された本発明の画像形成装置では、トナーカートリッジを装着された像形成カートリッジを無端ベルトに対し装着して画像を形成する場合、次のような動作がなされる。すなわち、静電潜像担持体の表面に静電潜像が形成されると、像形成カートリッジは、自身に装着されたトナーカートリッジに収容されたトナーを用いて、前記静電潜像担持体の表面に前記静電潜像に対応したトナー像を形成する。すると、無端ベルトは、静電潜像担持体の表面に形成されたトナー像を被記録媒体に転写して画像を形成する。
【0010】
なお、この転写方法は、無端ベルトが被記録媒体を前記静電潜像担持体との対向部を搬送しながらその被記録媒体に前記トナー像を直接転写してもよく、無端ベルトが前記トナー像を一旦自身に転写されてそのトナー像を更に被記録媒体に転写してもよい。いずれの場合でも、当該転写は、付勢部材が転写ローラに付勢力を加えることにより、静電潜像担持体に無端ベルトを挟んで転写ローラを圧接することによってなされる。
【0011】
ここで、圧接抑制部材は、次のような抑制位置と許容位置との間を移動可能に設けられている。すなわち、圧接抑制部材が抑制位置に配設されると、その圧接抑制部材は、付勢部材の付勢力に抗して、転写ローラが無端ベルトを挟んで静電潜像担持体に圧接されるのを抑制する。このため、トナーカートリッジが装着されていない像形成カートリッジが前記無端ベルトに対して装着された状態で画像形成装置を輸送すれば、静電潜像担持体が無端ベルトに圧接されるのを抑制して、輸送中に静電潜像担持体及び無端ベルトの表面が損傷するのを抑制できる。一方、トナーカートリッジが装着されている像形成カートリッジを無端ベルトに対して装着した状態では、圧接抑制部材は抑制位置から許容位置へ移動するので、転写ローラの静電潜像担持体への圧接を妨げない。このため、静電潜像担持体に無端ベルトを挟んで転写ローラを圧接することによって、前記画像の形成が可能となる。
なお、圧接抑制部材は、抑制位置と許容位置との間を移動可能に設けられていればよく、例えば、像形成カートリッジに設けられていてもよいし、像形成カートリッジを無端ベルトに対して着脱可能に支持する画像形成装置本体側に設けられていてもよい。圧接抑制部材が像形成カートリッジに設けられている場合には、トナーカートリッジが像形成カートリッジに装着されたときに、圧接抑制部材が抑制位置から前記許容位置へ移動し、圧接抑制部材が画像形成装置本体側に設けられている場合には、トナーカートリッジを装着した像形成カートリッジが画像形成装置本体に装着されたときに、圧接抑制部材が抑制位置から前記許容位置へ移動する。そのいずれの場合にも、少なくとも、前記トナーカートリッジが前記像形成カートリッジに装着されかつ当該像形成カートリッジが前記無端ベルトに対して装着されたときには、前記抑制位置から前記許容位置へ移動するので、転写ローラの静電潜像担持体への圧接を妨げない。
【0012】
従って、本発明の画像形成装置では、ユーザが転写ローラのことを意識していなくても、設置時にトナーカートリッジを装着した像形成カートリッジを無端ベルトに装着したときには、自動的に、静電潜像担持体に無端ベルトを挟んで転写ローラを圧接することができる。
【0013】
なお、前記圧接抑制部材は、前記像形成カートリッジに、自身に装着された前記トナーカートリッジに当接可能に設けられ、前記トナーカートリッジを装着していない前記像形成カートリッジが前記無端ベルトに対して装着されているときには、前記トナーカートリッジによる押圧がなされず前記抑制位置にとどまり、前記トナーカートリッジが前記像形成カートリッジに装着されたときには、前記トナーカートリッジに押圧されて前記抑制位置から前記許容位置へ移動するものであってもよい。
【0014】
すなわち、この場合、トナーカートリッジが像形成カートリッジに装着されるときに、そのトナーカートリッジから加わる押圧力によって、圧接抑制部材が抑制位置から許容位置へ移動する。従って、このような機械的な押圧力を利用することで、装置の構成を一層簡略化することができる。
【0015】
また、前記圧接抑制部材は、前記抑制位置に配設されているとき、前記転写ローラの端部を前記静電潜像担持体から離れる方向に直接または間接的に押圧することによって、前記転写ローラが前記静電潜像担持体に圧接されるのを抑制するものであってもよい。
【0016】
その場合、転写ローラの軸方向中央等に対して圧接抑制部材が作用する場合に比べて、転写ローラ及び無端ベルトの画像形成に直接関係する領域に対して設計上の制限を加えることなく、本発明の構成を容易に適用することができる。
【0017】
また、前記圧接抑制部材は、前記抑制位置に配設されているとき、前記無端ベルトを介して前記転写ローラの端部を前記静電潜像担持体から離れる方向に直接または間接的に押圧することによって、前記無端ベルト及び前記転写ローラが前記静電潜像担持体に圧接されるのを抑制するものであってもよい。
【0018】
その場合、転写ローラの軸方向中央等に対して圧接抑制部材が作用する場合に比べて、転写ローラ及び無端ベルトの画像形成に直接関係する領域に対して設計上の制限を加えることなく、本発明の構成を容易に適用することができることはもとより、さらには、無端ベルトが静電潜像担持体に圧接されるのを抑制することができるのにとどまらず、無端ベルトが静電潜像担持体に接触すること自体を抑制することができるので、輸送中にそれらが接触して損傷するのをより確実に防止することができる。
【0019】
そして、その場合、前記圧接抑制部材は、前記転写ローラの回転軸と平行な軸を中心に揺動し、前記抑制位置では、前記軸と前記端部との間に挟まれて前記転写ローラが前記静電潜像担持体に圧接されるのを抑制し、許容位置では、前記抑制位置から回動することによって前記付勢部材による前記転写ローラの前記静電潜像担持体への圧接を妨げないものであってもよい。
【0020】
この場合、抑制位置に配設された圧接抑制部材は、転写ローラの回転軸と平行な軸と転写ローラの端部との間に挟まれることによって、転写ローラが静電潜像担持体に圧接されるのを抑制する。このため、付勢部材の付勢力が強い場合でも、転写ローラが静電潜像担持体に圧接されるのを良好に抑制することができる。また、そのように付勢力が強い場合でも、圧接抑制部材を前記軸を中心に回動させることによって容易に許容位置へ移動させることができる。
【0021】
また、本発明において、前記無端ベルトに対して、複数の前記像形成カートリッジが装着可能に構成され、前記各像形成カートリッジの各静電潜像担持体毎に、当該各静電潜像担持体に前記無端ベルトを挟んで対向する前記転写ローラ及びその転写ローラに付勢力を加える付勢部材をそれぞれ備え、前記圧接抑制部材は、前記各転写ローラ毎にそれぞれ設けられ、当該圧接抑制部材に対応する前記像形成カートリッジに対して前記トナーカートリッジが装着されていないときには前記抑制位置にとどまり、前記トナーカートリッジが前記像形成カートリッジに装着されたときには、前記抑制位置から前記許容位置へ移動するものであってもよい。
【0022】
その場合、各像形成カートリッジの静電潜像担持体に無端ベルトを挟んで転写ローラが圧接されるのを、各像形成カートリッジ毎に個別に許容することができる。このため、複数の各圧接抑制部材を抑制位置から許容位置に一斉に移動させたりする必要がないため、一連の動作を軽快にしかも確実に行うことができる。
【0023】
また、本発明のプロセスカートリッジは、トナーを収容したトナーカートリッジと、表面に静電潜像が形成される静電潜像担持体を備え、前記トナーカートリッジを着脱自在に構成され、自身に装着された前記トナーカートリッジに収容されたトナーを用いて前記静電潜像担持体の表面に前記静電潜像に対応したトナー像を形成する像形成カートリッジと、を備え、複数のローラの間に架設されて回転駆動される無端ベルトに対し前記像形成カートリッジが装着されることにより、その像形成カートリッジの前記静電潜像担持体の表面に形成されたトナー像を被記録媒体に転写するプロセスカートリッジであって、前記無端ベルトに対して前記像形成カートリッジが装着されているとき、当該像形成カートリッジの前記静電潜像担持体に前記無端ベルトを挟んで対向する転写ローラが当該転写ローラに対して設けられた付勢部材によって前記無端ベルトを挟んで前記静電潜像担持体に圧接されるのを抑制する抑制位置と、前記付勢部材による前記転写ローラの前記静電潜像担持体への圧接を妨げない許容位置とに、移動可能に設けられた圧接抑制部材を備え、前記圧接抑制部材は、前記トナーカートリッジが前記像形成カートリッジに装着されていないときには前記抑制位置にとどまり、前記トナーカートリッジが前記像形成カートリッジに装着されているときには、前記抑制位置から前記許容位置へ移動することを特徴とする。
【0024】
このように構成された本発明のプロセスカートリッジでは、トナーカートリッジを装着された像形成カートリッジを無端ベルトに対し装着して画像を形成する場合、次のような動作がなされる。すなわち、静電潜像担持体の表面に静電潜像が形成されると、像形成カートリッジは、自身に装着されたトナーカートリッジに収容されたトナーを用いて、前記静電潜像担持体の表面に前記静電潜像に対応したトナー像を形成する。そして、静電潜像担持体の表面に形成されたトナー像は、無端ベルトによって被記録媒体に転写されて画像が形成される。当該転写は、付勢部材が転写ローラに付勢力を加えることにより、静電潜像担持体に無端ベルトを挟んで転写ローラを圧接することによってなされる。
【0025】
ここで、圧接抑制部材は、次のような抑制位置と許容位置との間を移動可能に設けられている。すなわち、圧接抑制部材が抑制位置に配設されると、その圧接抑制部材は、付勢部材の付勢力に抗して、転写ローラが静電潜像担持体に圧接されるのを抑制する。このため、トナーカートリッジが装着されていないプロセスカートリッジが前記無端ベルトに対して装着された状態で画像形成装置を輸送すれば、静電潜像担持体が無端ベルトに圧接されるのを抑制して、輸送中に静電潜像担持体及び無端ベルトの表面が損傷するのを抑制できる。一方、トナーカートリッジが装着されているプロセスカートリッジを前記無端ベルトに対して装着した状態では、圧接抑制部材は抑制位置から許容位置へ移動するので、転写ローラの静電潜像担持体への圧接を妨げない。このため、静電潜像担持体に無端ベルトを挟んで転写ローラを圧接することによって、画像の形成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置を概略的に表す中央断面図である。
【図2】その画像形成装置のカバー開放動作を表す説明図である。
【図3】その画像形成装置に現像カートリッジを装着されていない状態で装着されたドラムカートリッジ(A)、及び、現像カートリッジを装着された状態で装着されたドラムカートリッジ(B)を表す斜視図である。
【図4】前記現像カートリッジを表す斜視図である。
【図5】前記画像形成装置に現像カートリッジを装着されていない状態で装着されたドラムカートリッジを表す側面図,断面図,部分図である。
【図6】前記画像形成装置に現像カートリッジを装着された状態で装着されたドラムカートリッジを表す側面図,断面図,部分図である。
【図7】他の実施形態におけるドラムカートリッジを表す側面図,断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[画像形成装置の概略構成]
次に、本発明の実施形態を図面と共に説明する。図1は本実施形態に係る画像形成装置1の構成を概略的に表す中央断面図である。なお、以下の説明において、図1における左側を前方、右側を後方とする。
【0028】
図1に示すように、被記録媒体の一例としての用紙やOHPシート(以下、用紙Pという)に画像を形成する画像形成部2は、4つのプロセスカートリッジ3K,3Y,3M,3C、露光器4、定着器5、ベルトユニット10等から構成されている。なお、本実施形態では、画像形成部2として、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナー(現像剤)に対応した4つのプロセスカートリッジ3K,3Y,3M,3Cによって形成された4種類のトナー像(現像剤像)を、用紙Pの上で重ね合わせることにより用紙Pにカラー画像を形成するダイレクトタンデム方式を採用している。
【0029】
画像形成部2の下方に装着された給紙カセット6に載置されている複数枚の用紙Pのうち、給紙機構(フィーダ部)7により拾い上げられた積層方向最上位に位置する用紙Pは、紙粉取りローラ8にて紙粉が除去された後、レジストローラ9まで搬送される。レジストローラ9は、用紙Pの斜行を矯正して所定のタイミングでベルトユニット10へ送り出す。なお、ベルトユニット10の詳細は後述する。そして、4つのプロセスカートリッジ3K等は、ベルトユニット10の用紙搬送面側において、用紙Pの搬送方向に沿って上流からプロセスカートリッジ3K,3Y,3M,3Cの順に直列に配設されている。
【0030】
このため、ベルトユニット10上を搬送される用紙Pには、4種類のトナー像が順次、転写されていき、用紙Pへの転写が完了したトナー像は、定着器5にて加熱されて用紙Pに定着する。そして、定着器5から排出された用紙Pは、その搬送方向が上方側に転向された後、画像形成装置1の上端面側に設けられた排紙トレイ1Aに排出される。
【0031】
なお、各プロセスカートリッジ3K,3Y,3M,3Cには、トナー像が担持される感光体ドラム3A、感光体ドラム3Aを帯電させる帯電器3E(図3参照)、及び、感光体ドラム3Aにトナーを供給する現像カートリッジ3P(トナーカートリッジの一例)等が収納されている。そして、帯電器3Eにより帯電した感光体ドラム3Aの外周面を露光器4にて露光して静電潜像を形成した後、その静電潜像に現像カートリッジ3Pからトナーを供給すると、前記外周面にトナー像が担持(形成)され、そのトナー像が用紙Pに転写される。なお、現像カートリッジ3Pは、内部にトナーを収容し、そのトナーを現像ローラ3Q等によって摩擦帯電しながら感光体ドラム3Aに供給するものである。
【0032】
また、定着器5は、トナーを加熱してトナー像を用紙Pに定着させる加熱ローラ5Aと、搬送されてくる用紙Pを挟んで加熱ローラ5Aと反対側に配設されて用紙Pを加熱ローラ5A側に押し付ける加圧ローラ5Bとを備えている。
【0033】
ベルトユニット10は、前述したように、4つのプロセスカートリッジ3K,3Y,3M,3Cの各感光体ドラム3Aに対向する位置に配設されて用紙Pを搬送するものである。具体的には、ベルトユニット10は、感光体ドラム3Aの回転軸と平行な回転軸を有する駆動ローラ12A及び従動ローラ12B、並びに駆動ローラ12Aと従動ローラ12Bとの間に架設された転写搬送ベルト12C(無端ベルトの一例)等から構成されており、用紙Pは、転写搬送ベルト12C上に載置された(吸着された)状態で搬送されていく。なお、駆動ローラ12Aは、装置本体(図示省略した本体フレーム)に設けられたモータ(図示省略)から動力の供給を受けて転写搬送ベルト12Cを回転駆動し、従動ローラ12Bは転写搬送ベルト12Cの回転と共に駆動ローラ12Aに従動して回転する。
【0034】
また、各プロセスカートリッジ3K,3Y,3M,3Cの各感光体ドラム3Aと対向する転写搬送ベルト12Cの張架面は、転写搬送ベルト12Cのうち用紙Pを搬送する平面状の搬送面とされ、本実施形態では、水平面とほぼ一致する。また、ベルトユニット10の、各感光体ドラム3Aと半導電性の転写搬送ベルト12Cを挟んで対向する位置には、一定の転写電流を通電されることによって感光体ドラム3Aに担持されたトナー像を用紙Pに転写させる転写ローラ12Eが、それぞれ設けられている。
【0035】
ところで、前述の4つのプロセスカートリッジ3K,3Y,3M,3C、及び、ベルトユニット10は、外観意匠面を構成する筐体1Cに覆われた装置本体(本体フレーム)に着脱可能に装着されている。そして、筐体1Cのうち排紙トレイ1Aが設けられたトップカバー1Fは、筐体1Cに揺動(開閉)可能に組み付けられており、このトップカバー1Fを図2に示すように上方側に開放することにより、4つのプロセスカートリッジ3K、3Y、3M、3Cが交換可能となる。なお、プロセスカートリッジ3K、3Y、3M、3Cは、例えば、特開2009−162903号公報、特開2009−162904号公報等に記載されている周知の構成によって、各感光体ドラム3Aが転写搬送ベルト12Cに対向する位置に位置決めされて装着される。
【0036】
[プロセスカートリッジの詳細]
次に、図3〜図6を用いて、プロセスカートリッジ3Kの詳細な構成について説明する。以下に説明するように、プロセスカートリッジ3Kは、帯電器3Eと感光体ドラム3Aとを保持するドラムカートリッジ3F(像形成カートリッジの一例)と、前述の現像カートリッジ3Pとに分解可能である。なお、プロセスカートリッジ3Y,3M,3Cも、プロセスカートリッジ3Kと同様に構成されている。
【0037】
図3(A)は、現像カートリッジ3Pを装着されていない状態でベルトユニット10に対して装着されたドラムカートリッジ3Fの構成を表す斜視図であり、図3(B)は、現像カートリッジ3Pを装着された状態でベルトユニット10に対して装着されたドラムカートリッジ3Fの構成を表す斜視図である。
【0038】
図3(A)に示すように、ドラムカートリッジ3Fは、現像カートリッジ3Pが装着される舟形に凹んだ装着部3Gを備えており、その装着部3Gの内側に現像カートリッジ3Pが装着される。また、図4の斜視図に示すように、現像カートリッジ3Pの左右両側面からは、現像ローラ3Qの回転軸3Rが突出している。図3(A),(B)に示すように、ドラムカートリッジ3Fは、感光体ドラム3Aに向かって形成された切欠部3Hを有しており、現像カートリッジ3Pの装着時には、回転軸3Rが切欠部3Hに嵌合する。そして、回転軸3Rが切欠部3Hに嵌合していく過程で、その回転軸3Rは次のように構成されたレバー30(圧接抑制部材の一例)の検知部31を押圧する。
【0039】
以下、レバー30の構成及び動作について説明する。なお、レバー30並びに回転軸3R,切欠部3H等は、プロセスカートリッジ3K,3Y,3M,3Cのそれぞれにおいて、ドラムカートリッジ3Fの左右両側部に一対設けられているものであり、図3〜6においては、その一側部のみについて図示をし、反対側に設けられているものについては図示を省略しているが、いずれも同一の構成並びに作用を有するものであるので、以下、その一方の側に設けられているものを対象として説明する。
【0040】
図5(A)は、現像カートリッジ3Pを装着されていない状態でベルトユニット10に対して装着されたドラムカートリッジ3Fの構成を表す側面図であり、図5(B)はそのA−A線断面図、図5(C)は、その状態における感光体ドラム3A,転写ローラ12E,レバー30のみを抽出した部分図である。また、図6(A)は、現像カートリッジ3Pを装着された状態でベルトユニット10に対して装着されたドラムカートリッジ3Fの構成を表す側面図であり、図6(B)はそのB−B線断面図、図6(C)は、その状態における感光体ドラム3A,転写ローラ12E,レバー30のみを抽出した部分図である。
【0041】
図5に示すように、レバー30は、ドラムカートリッジ3Fの側面から突出した軸33を中心に揺動可能に構成されており、回転軸3Rと対向する側に配設される検知部31と、転写ローラ12Eの側に配設される動作部34とを有している。なお、軸33は、感光体ドラム3A,転写ローラ12E等の回転軸と平行に突出し、レバー30は、その軸33に垂直な平板状に構成されている。また、動作部34は、検知部31と軸33を挟んで対向する箇所から、連接部35を介してその検知部31と連接されている。レバー30は、検知部31と動作部34とが連接部35を介して約180°折り返して連接されているため、側面視略J字形の形状を有している。
【0042】
レバー30は、図示省略した捩りコイルバネに付勢されることによって、軸33を中心にして図5(A)における時計回り方向に付勢されている。なお、現像カートリッジ3Pは、例えば、特開2009−162905号公報等に記載されているように、ドラムカートリッジ3Fの切欠部3Hに回転軸3Rが嵌合した状態で、現像ローラ3Qが感光体ドラム3Aに接触するように下向きに弾発付勢されているが、その付勢力は前記捩りコイルバネの付勢力よりも充分に強い。このため、現像カートリッジ3Pが装着されていない状態では、動作部34と連接部35とが感光体ドラム3Aの軸受け部3Jと当接して前記捩りコイルバネの付勢力に対抗する位置(以下、抑制位置という)に、レバー30は配設される。そして、レバー30が抑制位置に配設されている状態では、動作部34の長径方向が、ドラムカートリッジ3Fからの感光体ドラム3Aの露出部に軸受け部3Jから向かう方向に配設される。従って、その状態でドラムカートリッジ3Fがベルトユニット10に対して装着されると、動作部34が転写ローラ12Eの両端に設けられたカラー12Fに当接し、転写ローラ12Eと転写搬送ベルト12Cとを隔離する。
【0043】
すなわち、図3に示すように、転写ローラ12Eは転写搬送ベルト12Cを挟んで感光体ドラム3Aに圧接される方向に圧縮コイルバネ12G(付勢部材の一例、以下、単にバネと称する)によって付勢されている。しかしながら、レバー30が抑制位置に配設された状態でドラムカートリッジ3Fがベルトユニット10に装着されると、レバー30がバネ12Gの付勢力に抗して転写ローラ12Eを下方に押圧することにより、転写ローラ12Eは転写搬送ベルト12Cと隔離され、転写搬送ベルト12Cを挟んで感光体ドラム3Aに圧接されなくなる。
【0044】
なお、図3では模式的に図示したが、バネ12Gは、各転写ローラ12Eの左右両端部に対応してそれぞれ設けられており、各転写ローラ12Eの端部を回転可能に支持する左右一対の軸受け部材(図示せず)を押圧している。これにより、各転写ローラ12Eは、転写搬送ベルト12Cの幅方向のほぼ全域に対して均一に接触した状態で、転写搬送ベルト12Cの走行に伴い回転する。また、前述のようにバネ12Gの付勢力に抗してドラムカートリッジ3Fを装着した場合、そのドラムカートリッジ3Fを押し上げようとする力がバネ12Gから作用するが、例えば、特開2009−162903号公報、特開2009−162904号公報等に記載されているように、トップカバー1Fを閉じることによって、ドラムカートリッジ3Fは装置本体フレームに対して所定位置に位置決めされる。
【0045】
一方、ドラムカートリッジ3Fに現像カートリッジ3Pが装着されると、検知部31が回転軸3Rに押圧されることによってレバー30は軸33を中心にして図5(A) ,図6(A)における反時計回り方向に揺動する。この結果、レバー30は、図6(A)に示すように、動作部34が感光体ドラム3Aの露出面よりも軸33側に引っ込む許容位置に配設される。この状態で、現像カートリッジ3Pを装着されたドラムカートリッジ3F(すなわちプロセスカートリッジ3K)がベルトユニット10に対して装着されると、レバー30はバネ12Gの付勢力に応じた転写ローラ12Eの動作を妨げなくなる。その結果、転写ローラ12Eは、転写搬送ベルト12Cを挟んで感光体ドラム3Aに圧接される。従って、画像形成装置1による画像の形成が可能となる。
【0046】
[本実施形態の効果及びその変形例]
このように構成された本実施形態の画像形成装置1は、各プロセスカートリッジ3K,3Y,3M,3Cから現像カートリッジ3Pが取り外され、ドラムカートリッジ3Fのみがベルトユニット10に装着された状態で出荷される。このとき、レバー30は抑制位置に配設され、転写ローラ12Eが転写搬送ベルト12Cを挟んで感光体ドラム3Aに圧接されないので、輸送中に感光体ドラム3A及び転写搬送ベルト12Cの表面が損傷するのを抑制することができる。また、前記取り外された各現像カートリッジ3Pは、図4に仮想線で示すように、防湿パック99に別梱包されて画像形成装置1の本体に添付される。このため、トナーが湿気によって劣化するのも良好に抑制することができる。
【0047】
次に、画像形成装置1の設置時には、ユーザは防湿パック99を開封し、各プロセスカートリッジ3K,3Y,3M,3Cに現像カートリッジ3Pをそれぞれ装着してベルトユニット10に対して装着し直す。すると、現像カートリッジ3Pが装着されたことによりレバー30が許容位置に配設された状態の各プロセスカートリッジ3K等が装着されることによって、各転写ローラ12Eは対応する各感光体ドラム3Aに圧接され、画像の形成が可能となる。従って、ユーザが転写ローラ12Eのことを意識していなくても、画像形成装置1の設置時に現像カートリッジ3Pを装着したドラムカートリッジ3Fを装着したときには、自動的に、感光体ドラム3Aに転写搬送ベルト12Cを挟んで転写ローラ12Eを圧接することができる。
【0048】
また、本発明は前記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。例えば、図7に示すように、転写搬送ベルト12Cがカラー12Fの表面まで左右方向に伸びている場合、レバー30は転写搬送ベルト12Cを挟んでカラー12Fを押圧してもよい。なお、図7(A)は、現像カートリッジ3Pを装着された状態でベルトユニット10に対して装着された当該実施形態のドラムカートリッジ3Fの構成を表す側面図であり、図7(B)はそのE−E線断面図である。レバー30が転写搬送ベルト12Cを押圧する場合、転写搬送ベルト12Cが感光体ドラム3Aに圧接されるのを抑制することができるのにとどまらず、転写搬送ベルト12Cが感光体ドラム3Aに接触すること自体を抑制することができるので、輸送中に転写搬送ベルト12Cが感光体ドラム3Aに接触して当該感光体ドラム3Aの表面及び転写搬送ベルト12Cが損傷するのをより確実に抑制することができる。但し、レバー30が転写搬送ベルト12Cを押圧する場合は、感光体ドラム3Aによる画像形成領域外の転写搬送ベルト12C端縁をレバー30が押圧するのが望ましい。
【0049】
また、レバー30は、必ずしも、ドラムカートリッジ3Fの左右両側部に一対設けられている必要はなく、例えば、その左右いずれか一側部のみに設けられていてもよい。レバー30を一側部のみに設けた場合には、転写ローラ12Eは転写搬送ベルト12Cのうち用紙Pを搬送する平面状の搬送面に対して傾斜した状態になるが、転写ローラ12Eが転写搬送ベルト12Cを挟んで感光体ドラム3Aに圧接しないようにすることができる。
【0050】
更に、圧接抑制部材としては、レバー30以外にも種々の形態が考えられ、転写ローラ12Eの軸方向中央等に対して作用するものを採用してもよい。但し、前記各実施形態のレバー30のように、圧接抑制部材が転写ローラ12Eの軸方向両端を直接または間接的に押圧する場合、転写ローラ12E及び転写搬送ベルト12Cの画像形成に直接関係する領域に対して設計上の制限を加えることなく、本発明の構成を容易に適用することができる。
【0051】
更に、ドラムカートリッジ3Fに現像カートリッジ3Pが装着されたか否かに応じてレバー30を揺動させる機構としては、前記以外の他のリンク機構を用いてもよく、前述の捩りコイルバネは省略してもよい。後者の場合、画像形成装置1の出荷時には、手作業でレバー30が抑制位置に配設される。また、装着されたプロセスカートリッジ3Kに現像カートリッジ3Pが装着されているか否かをセンサまたはスイッチで電気的に検出し、電動のアクチュエータを動作させてもよい。そして、その場合、当該アクチュエータで前述のようにレバー30を揺動させてもよく、当該アクチュエータによって直接、転写ローラ12Eが感光体ドラム3Aに圧接されるのを抑制してもよい。
【0052】
但し、前記実施形態では、現像カートリッジ3Pによる機械的な押圧力を利用することで、装置の構成を一層簡略化することができる。しかも、前記実施形態では、動作部34が軸33と転写ローラ12Eとの間に挟まれることによってその転写ローラ12Eが感光体ドラム3Aに圧接されるのを抑制している。このため、バネ12Gの付勢力が強い場合でも、転写ローラ12Eが感光体ドラム3Aに圧接されるのを良好に抑制することができる。
【0053】
また、前記各実施形態では、軸33及びレバー30をドラムカートリッジ3Fに設けているが、これらは前記装置本体フレームに設けてもよい。そして、この場合、各色毎に設けられた4つのレバー30をリンクで接続することにより、何れか1つのレバー30が抑制位置から許容位置へ移動した場合に他のレバー30も同様に移動するように構成してもよい。但し、前記各実施形態では、転写ローラ12Eが感光体ドラム3Aに圧接されるのをプロセスカートリッジ3K,3Y,3M,3C毎に許容することができ、レバー30の動作を一層軽快にかつ確実に行うことができる。
【0054】
また、本発明は、現像カートリッジ3Pから、更に現像ローラ3Q等を残してトナー収容部としてのトナーカートリッジが取り外し可能なタイプの画像形成装置にも適用することができる。その場合は、トナーカートリッジのみを別梱包すればよい。また更に、本発明は、モノクロタイプの画像形成装置や、中間転写ベルトを使用するタイプの画像形成装置にも適用できることはいうまでもない。
【0055】
また、本発明は、4つのプロセスカートリッジ3K,3Y,3M,3Cを収容体(いわゆるドロワ)に一体に収容して画像形成装置に対して一体に着脱可能ないわゆるドロワタイプの画像形成装置にも適用することができる。その場合、各色の現像カートリッジ3Pが装着されたプロセスカートリッジ3K,3Y,3M,3Cを収容したドロワが画像形成装置に装着された際に、4つのレバー30が一斉に揺動してもよい。
【符号の説明】
【0056】
1…画像形成装置 1A…排紙トレイ 1C…筐体
1F…トップカバー 2…画像形成部 3A…感光体ドラム
3F…ドラムカートリッジ 3K,3Y,3M,3C…プロセスカートリッジ
3P…現像カートリッジ 3R…回転軸 10…ベルトユニット
12A…駆動ローラ 12B…従動ローラ 12C…転写搬送ベルト
12E…転写ローラ 12F…カラー 12G…バネ
30…レバー 33…軸 99…防湿パック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーを収容したトナーカートリッジと、
表面に静電潜像が形成される静電潜像担持体を備え、前記トナーカートリッジを着脱自在に構成され、自身に装着された前記トナーカートリッジに収容されたトナーを用いて前記静電潜像担持体の表面に前記静電潜像に対応したトナー像を形成する像形成カートリッジと、
複数のローラの間に架設されて回転駆動され、前記像形成カートリッジが装着されることにより、その像形成カートリッジの前記静電潜像担持体の表面に形成されたトナー像を被記録媒体に転写する無端ベルトと、
前記無端ベルトに対し前記像形成カートリッジが装着されたとき、当該像形成カートリッジの前記静電潜像担持体に前記無端ベルトを挟んで対向する転写ローラと、
前記転写ローラに付勢力を加えることにより、前記装着された前記像形成カートリッジの前記静電潜像担持体に前記無端ベルトを挟んで前記転写ローラを圧接する付勢部材と、
前記付勢部材の付勢力に抗して、前記転写ローラが前記静電潜像担持体に圧接されるのを抑制する抑制位置と、前記付勢部材による前記転写ローラの前記静電潜像担持体への圧接を妨げない許容位置とに、移動可能に設けられた圧接抑制部材と、
を備え、
前記圧接抑制部材は、前記トナーカートリッジを装着されていない前記像形成カートリッジが前記無端ベルトに対して装着されているときには前記抑制位置にとどまり、少なくとも、前記トナーカートリッジが前記像形成カートリッジに装着されかつ当該像形成カートリッジが前記無端ベルトに対して装着されたときには、前記抑制位置から前記許容位置へ移動することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記圧接抑制部材は、前記像形成カートリッジに、自身に装着された前記トナーカートリッジに当接可能に設けられ、前記トナーカートリッジを装着していない前記像形成カートリッジが前記無端ベルトに対して装着されているときには、前記トナーカートリッジによる押圧がなされず前記抑制位置にとどまり、前記トナーカートリッジが前記像形成カートリッジに装着されたときには、前記トナーカートリッジに押圧されて前記抑制位置から前記許容位置へ移動することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記圧接抑制部材は、前記抑制位置に配設されているとき、前記転写ローラの端部を前記静電潜像担持体から離れる方向に直接または間接的に押圧することによって、前記転写ローラが前記静電潜像担持体に圧接されるのを抑制することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記圧接抑制部材は、前記抑制位置に配設されているとき、前記無端ベルトを介して前記転写ローラの端部を前記静電潜像担持体から離れる方向に直接または間接的に押圧することによって、前記無端ベルト及び前記転写ローラが前記静電潜像担持体に圧接されるのを抑制することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記圧接抑制部材は、前記転写ローラの回転軸と平行な軸を中心に揺動し、前記抑制位置では、前記軸と前記端部との間に挟まれて前記転写ローラが前記静電潜像担持体に圧接されるのを抑制し、許容位置では、前記抑制位置から回動することによって前記付勢部材による前記転写ローラの前記静電潜像担持体への圧接を妨げないことを特徴とする請求項3または4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記無端ベルトに対して、複数の前記像形成カートリッジが装着可能に構成され、
前記各像形成カートリッジの各静電潜像担持体毎に、当該各静電潜像担持体に前記無端ベルトを挟んで対向する前記転写ローラ及びその転写ローラに付勢力を加える付勢部材をそれぞれ備え、
前記圧接抑制部材は、前記各転写ローラ毎にそれぞれ設けられ、当該圧接抑制部材に対応する前記像形成カートリッジに対して前記トナーカートリッジが装着されていないときには前記抑制位置にとどまり、前記トナーカートリッジが前記像形成カートリッジに装着されたときには、前記抑制位置から前記許容位置へ移動することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
トナーを収容したトナーカートリッジと、
表面に静電潜像が形成される静電潜像担持体を備え、前記トナーカートリッジを着脱自在に構成され、自身に装着された前記トナーカートリッジに収容されたトナーを用いて前記静電潜像担持体の表面に前記静電潜像に対応したトナー像を形成する像形成カートリッジと、
を備え、
複数のローラの間に架設されて回転駆動される無端ベルトに対し前記像形成カートリッジが装着されることにより、その像形成カートリッジの前記静電潜像担持体の表面に形成されたトナー像を被記録媒体に転写するプロセスカートリッジにおいて、
前記無端ベルトに対して前記像形成カートリッジが装着されているとき、当該像形成カートリッジの前記静電潜像担持体に前記無端ベルトを挟んで対向する転写ローラが当該転写ローラに対して設けられた付勢部材によって前記無端ベルトを挟んで前記静電潜像担持体に圧接されるのを抑制する抑制位置と、前記付勢部材による前記転写ローラの前記静電潜像担持体への圧接を妨げない許容位置とに、移動可能に設けられた圧接抑制部材を備え、
前記圧接抑制部材は、前記トナーカートリッジが前記像形成カートリッジに装着されていないときには前記抑制位置にとどまり、前記トナーカートリッジが前記像形成カートリッジに装着されているときには、前記抑制位置から前記許容位置へ移動することを特徴とするプロセスカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−76885(P2013−76885A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217292(P2011−217292)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】