説明

画像形成装置及び交換部品

【課題】従来装置では、偽造のトナーカートリッジ抽出に、トナーカートリッジの個別情報が装置本体と適合するものかどうかを判定しているため、装置毎に異なる個別情報のトナーカートリッジが存在し、管理が大変になっているという問題があった。
【解決手段】カラープリンタは、その全体を制御するカラープリンタ制御部37と、認証データを格納する認証データ格納部38と、メモリタグ23と通信するRF通信部21とを備え、メモリタグ23は、RF通信部21と通信する通信部(29,31,32,33と、認証情報を格納可能な認証情報格納部35と、通信により認証データを受けて、認証データと認証情報とから、認証の可否を判断した判定結果を出力する認証情報制御部34とを備え、カラープリンタ制御部37は、取得した判定結果にもとづいて、装置制御の内容を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の交換部品を着脱自在に実装する画像形成装置、及び実装される交換部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の電子写真方式の画像形成装置では、それぞれ現像剤としての所定のトナーを収容して像担持体に対向して配置される複数の現像装置を有し、対向する像担持体に形成された潜像を可視像化するものが一般的である。これらの現像装置のトナー補給部には、トナーを補給するメンテナンス時などに、外部からトナーカートリッジやトナーボトルなどのトナー補給容器が装着される。
【0003】
このような従来の画像形成装置では、偽造のトナーカートリッジを抽出するため、トナーカートリッジ側の通信部と装置本体側の通信部との間で双方向通信を行い、トナーカートリッジ側の通信部から受信したトナーカートリッジに関する情報により、このトナーカートリッジが装置本体に適合しているか否かを判定し、装着したトナーカートリッジが不適合と判定した場合、通常と異なる画像形成条件、例えば帯電電位を高くしたり、露光光量を低くしてトナー消費量を多くしたり、定着温度を下げて定着性を悪化させて、不適合となったトナーカートリッジを偽造品として抽出するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−284581号公報(第7,8頁、図8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来は、偽造のトナーカートリッジ抽出に、トナーカートリッジの個別情報が装置本体と適合するものかどうかを判定しているため、装置毎に異なる個別情報のトナーカートリッジが存在し、トナー成分及び外形は変わらないにも関わらず、装置間で互換性のないものとなるなどの不都合が生じるため、管理が大変になっているという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による画像形成装置は、交換部品を着脱自在に備える画像形成装置であって、
前記画像形成装置の全体を制御する装置制御部と、前記画像形成装置に与えられた認証データを格納する認証データ格納部と、前記画像形成装置内に備えられて前記交換部品と通信する第1の通信部とを備え、
前記交換部品は、前記第1の通信部と通信する第2の通信部と、複数種類の認証情報を格納可能な認証情報格納部と、前記通信により前記認証データを受けて、該認証データと前記認証情報格納部に格納された認証情報とから、認証の可否を判断した判定結果を出力する認証情報制御部とを備え、
前記装置制御部は、前記第1の通信部及び前記第2の通信部を介して取得した前記判定結果にもとづいて、装置制御の内容を決定することを特徴とする。
【0007】
本発明による交換部品は、認証データが与えられ、第1の通信部を備えた画像形成装置に着脱自在に装着される交換部品であって、
前記第1の通信部と通信する第2の通信部と、複数種類の認証情報を格納可能な認証情報格納部と、前記通信により前記画像形成装置から前記認証データを受けて、該認証データと前記認証情報格納部に格納された認証情報とから、認証の可否を判断した判定結果を出力する認証情報制御部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、交換部品が、自身を交換部品として認証する画像形成装置の認証データに相当する認証情報を複数格納可能なため、互換性のある交換部品も確実に認証し、装置の不適切な動作を防止することができる。また互換性のある交換部品を認識できるため、その管理も容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に基づく実施の形態1の画像形成装置としてのカラープリンタの要部構成を示す要部構成図である。
【図2】図1に示すRF通信部の内部ブロック図である。
【図3】図1に示すメモリタグの内部ブロック図である。
【図4】実施の形態1において、入出力データと共に認証情報制御部の要部構成を示すブロック図である。
【図5】認証情報格納部に格納されているデータの内容を示す構成図である。
【図6】実施の形態1におけるカラープリンタ全体の制御系の構成を説明するためのブロック図である。
【図7】実施の形態1において、機種や製造ロットの違いによって仕様が異なるカラープリンタ毎に、各認証データ格納部に格納されている認証データを示す説明図である。
【図8】実施の形態1において、カラープリンタが実行する認証動作の流れを示すフローチャートである。
【図9】実施の形態1において、認証動作のデータの流れを示す経路図である。
【図10】実施の形態2において、仕様が異なるカラープリンタ毎に、各認証データ格納部に格納されている認証データを示す説明図である。
【図11】実施の形態2において、入出力データと共に認証情報制御部の要部構成を示すブロック図である。
【図12】実施の形態2において、カラープリンタが実行する認証動作の流れを示すフローチャートである。
【図13】実施の形態2において、認証動作のデータの流れを示す経路図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、本発明に基づく実施の形態1の画像形成装置としてのカラープリンタ1の要部構成を示す要部構成図である。同図に示すように、カラープリンタ1は、本体部1aとトップカバー部1bとから構成される。
【0011】
本体部1a内には、記録媒体格納部4、給紙ローラ5、走行系センサ6、第1レジストローラ7、走行系センサ8、第2レジストローラ9、走行系センサ10、ブラック(K)用の画像形成ユニット2K、イエロー(Y)用の画像形成ユニット2Y、マゼンタ(M)用の画像形成ユニット2M、及びシアン(C)用の画像形成ユニット2C、定着部16、走行系センサ17、及び排出スタッカ部18が、記録媒体3の搬送経路の上流側から順に配置されている。
【0012】
各画像形成ユニット2K,2Y,2M,2C(特に区別する必要のない場合には画像形成ユニット2とする)と対向する位置には、転写ローラ15K,15Y,15M,15C(特に区別する必要のない場合には転写ローラ15とする)が配置されている。4つの転写ローラ15と画像形成ユニット2が各々対向して配置された搬送経路には、この間において記録媒体3を搬送する搬送ベルト11を有する搬送ベルトユニット50が備えられている。尚、画像形成ユニット2、転写ローラ15、搬送ベルトユニット50、及び後述するLEDヘッド12によって画像形成部が構成されている。
【0013】
カラープリンタ1によって印刷される記録媒体3は、記録媒体格納部4によって複数枚積層された状態で格納される。給紙ローラ5は、記録媒体格納部4から記録媒体3を1枚ずつ給紙し、第1レジストローラ7及び第2レジストローラ9は、記録媒体格納部4から給紙ローラ5により給紙された記録媒体3を画像形成部まで搬送する。
【0014】
記録媒体3の搬送経路において、各々第1レジストローラ7及び第2レジストローラ9の直前に設置された走行系センサ6及び走行系センサ8は、記録媒体3が到達したことを検出して各レジストローラの動作タイミングを得、第2レジストローラ9の後段に配置された走行系センサ10は、到達した記録媒体3を検出することにより、この記録媒体3が画像形成部に至るタイミングを検知可能とする。
【0015】
画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cは、それぞれ交換部品としてのトナーカートリッジ13K,13Y,13M,13C(特に区別する必要のない場合にはトナーカートリッジ13とする)、及び感光体ドラム14K,14Y,14M,14C(特に区別する必要のない場合には感光体ドラム14とする)を備える。各トナーカートリッジ13K,13Y,13M,13Cは、それぞれ、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナーなどの現像剤を収納し、メモリタグ23K,23Y,23M,23C(特に区別する必要のない場合にはメモリタグ23とする)を備えている。各トナーカートリッジ13は、収納するトナー残量が少なくなると交換が必要なため、本体部1aに配置された画像形成ユニット2に対して着脱可能に構成されている。
【0016】
各メモリタグ23は、後述するデータ処理機能を備えている。各感光体ドラム14は、静電気力によりドラム表面に印刷データに応じた静電潜像を形成可能な感光体ドラムであり、各静電潜像が色毎に異なるトナーなどの現像剤により現像化され、記録媒体3へ転写するトナー像を保持する。
【0017】
各転写ローラ15K,15Y,15M,15Cは、搬送ベルト11を介して、それぞれ感光体ドラム14K,14Y,14M,14Cと対峙して配設され、各感光体ドラム14K,14Y,14M,14Cの外周面に形成された各色のトナー像を、搬送ベルト11によって搬送される記録媒体3の画像形成面に順次重ねて転写する。感光体ドラム14及び転写ローラ15は、本体部1a内に配置された高圧電源19により高電圧が印加され、これにより静電気的に帯電/現像/転写といった電子写真プロセスを可能とする。
【0018】
定着部16は、記録媒体3上に形成されたトナー像を熱と圧力により定着させる。記録媒体3の搬送経路において、この定着部16の後段に配置される走行系センサ17は、トナー画像が定着した記録媒体3を検知することにより、この記録媒体3が、最終的に排出スタッカ部18に排出されたことを検知可能とする。
【0019】
上記した各走行系センサ6,8,10,17は、ケーブルを介して後述するカラープリンタ制御部37(図6参照)に接続されている。また、各ローラ(給紙ローラ5、第1レジストローラ7、第2レジストローラ9、感光体ドラム14、転写ローラ15及び定着部16)は、図示しないアクチュエータによりメカ的に駆動され、記録媒体3を搬送経路の下流方向へ搬送することを可能としている。
【0020】
一方トップカバー部1bには、LEDヘッド12K,12Y,12M,12C(特に区別する必要のない場合にはLEDヘッド12とする)、RF通信部21、RF通信部21に電気的に接続されたアンテナ部22K,22Y,22M,22C(特に区別する必要のない場合にはアンテナ部22とする)、及び表示部20が配置されている。
【0021】
LEDヘッド12K,12Y,12M,12Cは、それぞれ各画像形成ユニット2の感光体ドラム14K,14Y,14M,14Cに対向可能に配置され、受信される印刷データに応じて光を照射する露光部であり、トップカバー部1bの開閉を妨げないように変位可能に支持されている。LEDヘッド12は、トップカバー部1bが閉じられると、感光体ドラム14の表面に近接し、露光可能となる。各LEDヘッド12はケーブルを介して、カラープリンタ1の本体部1a内のカラープリンタ制御部37に接続される。アンテナ部22K,22Y,22M,22Cは、トップカバー部1bが閉じている段階で、画像形成ユニット2に装着されたトナーカートリッジ13のそれぞれ対応するメモリタグ23K,23Y,23M,23Cの近傍で対峙するように配置される。
【0022】
表示部20は、液晶表示パネル及びスイッチ等により構成されるプリント基板であり、ケーブルを介して後述するカラープリンタ制御部37(図6参照)に接続され、カラープリンタ1の状態表示及びユーザによる入力操作を可能とする。液品表示パネルは、例えば24文字×2行のキャラクタ(文字)を表示するものとする。
【0023】
図2は、図1に示すRF通信部21の内部ブロック図である。尚、RF通信部21は、各アンテナ22K,22Y,22M,22Cに対応する同構成の回路を4組備えるものであるが、これらの各回路は同様に動作するため、ここでは簡単のため、これらを区別することなくアンテナ22に対応する1組の回路を例示し、代表して説明する。このRF通信部21とアンテナ22が第1の通信部に相当する。
【0024】
RF通信部21は、RF制御部24、変調回路部25、出力増幅部26、受信アンプ部27及び検波回路部28により構成され、ケーブルを介してアンテナ部22に接続されている。また、カラープリンタ1の本体部1a内のカラープリンタ制御部37(図6参照)からケーブルを介して送信信号(送信データ、命令コマンド等を含む)及び電源が供給される。
尚、送信信号に含まれる送信データとしては、後述する認証データ(図4)や、メモリタグ23の不揮発性メモリに格納するデータ等がある。
【0025】
RF制御部24は、後述するカラープリンタ制御部37とのI/Fとなり、更にメモリタグ23とのデータ読み出し/書き込み等の通信制御を実施する。例えば、送信信号(送信データ、命令コマンド等を含む)を入力すると、命令コマンドを解読して2値の信号データを生成して、変調回路部25に出力する。
【0026】
変調回路部25は、RF制御部24で生成した2値の信号データで搬送波をASK(amplitude shift keying)変調し、出力増幅部26へ送る。出力増幅部26は、ASK変調された変調信号を増幅して送受信可能なアンテナ部22へ送り、ASK変調波(電波)として送信する。受信アンプ部27は、アンテナ部22で受信したメモリタグ23からの後述する変調波を増幅し、検波回路部28へ送る。検波回路部28は受信信号を2値信号に復調し、RF制御部24へ送る。尚、ASK変調とは、搬送波の振幅にデータ情報を付加する変調方法である。
【0027】
図3は、図1に示すメモリタグ23の内部ブロック図である。尚、メモリタグ23K,23Y,23M,23Cは、同一の構成のため、ここではこれらを区別することなく、メモリタグ23として例示して説明する。
【0028】
メモリタグ23は、送受信アンテナ部29、整流部30、検波回路部31、変調データ生成部32、受信データ判定部33、認証情報制御部34、認証情報格納部35、及び不揮発性メモリ36により構成される。尚、このうち送受信アンテナ部29、検波回路部31、変調データ生成部32、及び受信データ判定部33が第2の通信部に相当する。
【0029】
整流部30は、送受信アンテナ部29により受信された交番磁界を整流してメモリタグ23の各部に電力を供給する。検波回路部31は、送受信アンテナ部29で受信したASK変調波を2値の信号データに復調し、受信データ判定部33に出力する。
【0030】
受信データ判定部33は、主に以下の信号処理を行う。
(1)入力した信号が検波回路部31で復調された2値の信号データであった場合、この2値の信号データから受信データ、命令コマンド等を抽出し、命令コマンドのデコード結果が認証に関するものであれば、認証情報制御部34にアクセスし、一方、命令コマンドのデコード結果が、認証が正常に終了した後のメモリデータの読み出し/書き込みの場合には、不揮発性メモリ36へアクセスする。
(2)入力した信号が、後述するように認証情報制御部34からの認証(比較)結果を示す判定データや、不揮発性メモリ36からの読み出しデータ及び読み出し/書き込み結果であった場合、これらの応答データをそのままキャリア信号として変調データ生成部32に出力する。
【0031】
変調データ生成部32は、入力した各種の応答データを例えばASK変調して送受信アンテナ部29に出力し、ASK変調波(電波)として送信する。
【0032】
図4は、入出力データと共に認証情報制御部34の要部構成を示すブロック図である。同図に示すように、認証情報制御部34は、複雑な論理回路で構成された、選択情報生成部34a及び比較情報生成部34b、入力する情報を基に比較判定を行う比較判定部34cから構成される。選択情報生成部34aは、後段の認証情報格納部35(図3)から認証情報を取得するため、入力する認証データ(入力値)に論理演算を施し、選択情報(出力値)を得る。
【0033】
ここで、選択情報とは、認証情報格納部35のアドレス値である。この選択情報生成部34aを構成する論理演算回路aは、解読困難な認証アルゴリズムで構成されている。比較情報生成部34bは、入力される認証データ(入力値)に論理演算を施し、比較情報(出力値)を得る。ここで、比較情報とは、認証情報制御部34の比較判定部34cで比較判定に使用される情報である。この比較情報生成部34bを構成する論理演算回路bは、解読困難な認証アルゴリズムで構成されている。
【0034】
図5は、認証情報格納部35に格納されているデータの内容を示す構成図である。同図に示すように、認証情報格納部35には、複数の認証情報がアドレス毎に格納されている。例えば、アドレス1に認証情報1、アドレス2に認証情報2、…アドレスNに認証情報Nというように格納されている。認証情報格納部35は、認証情報制御部34からアドレス値としての選択情報を入力すると、そのアドレスの認証情報を読み出して認証情報制御部34に送信する。
【0035】
不揮発性メモリ36(図3)は、EEPROM等の不揮発性メモリであり、受信データ判定部33からアクセスがあった場合、そのアクセスに応じて、メモリデータの読み出し/書き込みを行うと共に、読み出し/書き込み結果を受信データ判定部33に出力し、例えば、色、用途、仕向け先等の種別情報を保持している。
【0036】
図6は、本実施の形態におけるカラープリンタ1全体の制御系の構成を説明するためのブロック図である。装置制御部としてのカラープリンタ制御部37は、例えば本体部1aに配置されてカラープリンタの各動作を制御するCPUを備え、カラープリンタ1全体を制御するためのプログラムに従って各種処理を実行する。カラープリンタ制御部37には、入出力ポートを介し、定着部16、高圧電源19、表示部20、RF通信部21、認証データ格納部38が接続されている。また、図示しないが、各走行系センサ、アクチュエータも接続され制御される。
【0037】
認証データ格納部38は、EEPROM等の不揮発性メモリであり、認証データが格納されている。図7は、機種や製造ロットの違いによって仕様が異なるカラープリンタ毎に、各認証データ格納部38に格納されている認証データを示す説明図である。ここで、認証データは、メモリタグ23を認証するためにメモリタグ23へ送られる情報であり、図4に示すメモリタグ23の認証情報制御部34の選択情報生成部34a及び比較情報生成部34bに入力される情報である。図7に示すように、認証データは、仕様の異なるカラープリンタ毎にそれぞれ異なる情報が保持され、例えば、カラープリンタ1では認証データ1(“AAA1”)、カラープリンタ2では認証データ2(“CCC1”)、・・・・カラープリンタNでは認証データNがそれぞれ保持される。ここで、カラープリンタ1〜Nはそれぞれ仕様の異なるカラープリンタを示すものである。
【0038】
尚、これらのカラープリンタ1〜Nは、例えば機種や製造ロットの違いによって仕様が異なるものであるが、同一の認証機能を有するものとする。
【0039】
以上の構成において、先ずカラープリンタ1が実行する基本的な印刷動作について主に図1、図6を参照しながら説明する。
【0040】
カラープリンタ1は、PC等の上位コントローラからの印刷指示を受けると、制御プログラムに基づいてカラープリンタ制御部37により各動作が制御され、印刷動作を実行する。まず、モータ等の各アクチュエータが制御され、給紙ローラ5、第1レジストローラ7、第2レジストローラ9がメカ駆動することにより、記録媒体3が記録媒体格納部4からカラープリンタ内部へと搬送される。第1レジストローラ7及び第2レジストローラ9の駆動タイミングは、搬送される記録媒体3の位置が、走行系センサ6,8の走行系センサにより検知されることで決定される。
【0041】
走行系センサ10で記録媒体3の先端が検知されると、印刷プロセス動作が開始される。これにより高圧電源19が制御されて、感光体ドラム14の帯電、現像に必要な電圧が画像形成ユニット2の図示しない帯電手段、現像手段等に印加される。感光体ドラム13のドラム表面は、図示しない帯電手段によって均一に帯電され、更に上位コントローラからの印刷データ信号に応じた記録光が、図示しないLEDヘッド12より照射され、露光される。露光された感光体ドラム14のドラム表面上には、印刷データが静電潜像として形成されていく。このとき、感光体ドラム14及び転写ローラ15は、各アクチュエータにより記録媒体3を下流方向(矢印A方向)へ搬送する方向に駆動されている。
【0042】
感光体ドラム14のドラム表面上に形成された静電潜像は、図示しない現像手段により、トナーカートリッジ13から供給されたトナーによって現像され、感光体ドラム14のドラム表面上にトナー像が形成される。転写ローラ15には、高圧電源19から所望の条件に応じた電圧が印加され、この転写ローラ15により、感光体ドラム14に形成されたトナー像が、搬送されてくる記録媒体3の表面に転写される。印刷データがカラー画像データであれば、各画像形成ユニット2と対応する転写ローラ15によって各色のプロセス動作が実行され、記録媒体3の表面上に各色のトナー像が順次重ねて転写され、カラー画像が形成される。
【0043】
画像が形成された記録媒体3は、定着部16まで搬送され、熱と圧力により定着される。定着部16は、ハロゲン等の発熱体を内蔵したローラを2つ有し、サーミスタ等の温度検出素子により定着温度が検知され、適切な定着温度で定着が行われるように温度制御されている。上記印刷プロセスを経た記録媒体3は、走行系センサ17を通過し、排出スタッカ18に排出される。
【0044】
次に、カラープリンタ1が実行する認証動作について説明する。図8は、カラープリンタ1が実行する認証動作の流れを示すフローチャートであり、図9は、認証動作のデータの流れを示す経路図である。このフローチャートに基づいて、図1〜図7、図9を参照しながら実施の形態1の認証動作例について以下に説明する。尚、図9には、複数仕様のカラープリンタが記載されているが、これらのカラープリンタは互いに異なる認証データを格納する以外は同一の認証機能を有するため、ここではカラープリンタ1を例にして説明する。ここでは、カラープリンタ1に認証データ1(“AAA1”)が格納され、カラープリンタ2には認証データ2(“CCC1”)が格納されている。
【0045】
カラープリンタ制御部37は、装置の電源投入時或いはトップカバー1b(図1)の開閉時を監視し(ステップS101)、これらのタイミングで、RF通信部21を制御してトナーカートリッジ13に組み込まれているメモリタグ23を認証するために、RF通信を開始し、認証データをメモリタグ23に送信する(ステップS102)。
【0046】
即ち、電源投入時或いはトップカバー2の開閉時に、カラープリンタ制御部37は、不揮発性メモリである認証データ格納部38より、図7に示すようにアドレス0に保持された認証データを読み出す。ここでのカラープリンタ1の場合、認証データ1(“AAA1”)である。カラープリンタ制御部37により読み出されたこの認証データ1(“AAA1”)は、ケーブルを介してRF通信部21のRF制御部24(図2)に、送信信号(認証データ1+命令コマンド)として送られる。RF制御部24は、この送信信号を受け取ると、命令コマンドを解読して2値の信号データを生成する。生成された2値の信号データは、変調回路部25に出力される。変調回路部25は、入力した信号データで搬送波をASK変調する。ASK変調された信号は、出力増幅部26で増幅された後、アンテナ部22より電波(ASK変調波)として送信される。
【0047】
アンテナ部22より送信されたASK変調波は、メモリタグ23の送受信アンテナ部29により受信され、認証データ1(“AAA1”)が抽出されてメモリタグ23の認証情報制御部34(図3)に送られる(ステップS103)。
【0048】
即ち、図3に示すメモリタグ23では、ASK変調データを受信することによって、アンテナ部29の両端に発生する誘導電圧を整流部30で整流してメモリタグ23内部に電力として供給し、検波回路部31で、受信したASK変調データを2値の信号データに復調して受信データ判定部33に出力する。受信データ判定部33では、復調された信号データから受信データとしての認証データ1(“AAA1”)、命令コマンドを抽出し、命令コマンドをデコードする。ここでは命令コマンドが認証に関するものとされているため、認証情報制御部34にアクセスし、認証データ1(“AAA1”)を認証情報制御部34に送る。
【0049】
認証情報制御部34(図4)では、選択情報生成部34aにおいて、入力した認証データ1(“AAA1”)から選択情報1(“0001”)を生成して認証情報格納部35(図5)に出力する(ステップS104)。
【0050】
即ち、認証情報制御部34は、図4に示すように、選択情報生成部34a、比較情報生成部34b及び比較判定部34cで構成されており、受信した認証データ1(“AAA1”)を、選択情報生成部34aと比較情報生成部34bに入力する。選択情報生成部34aは、複雑な論理演算回路aで構成されており、入力したデータに対して論理演算を施し、認証情報格納部35に格納されている認証情報を取得するための選択情報を生成する。
【0051】
論理演算回路aは、認証アルゴリズムに基づいて構成されたものであり、図4に示すように、入力した認証データに対応した選択情報が得られるようになっている。ここでは、カラープリンタ1の認証データ1(“AAA1”)に対して、選択情報1(“0001”)が得られる。この選択情報1(“0001”)は後段の認証情報格納部35のアドレス値に相当し、ここでは、アドレス1が選択されたことになる。
【0052】
認証情報格納部35では、選択情報1(“0001”)に基づいて、アドレス1の認証情報(“BBB1”)を選択して認証情報制御部34に通知する(ステップS105)。
【0053】
即ち、図5に示すように、認証情報格納部35は、アドレス毎にそれぞれ認証情報が保持されており、認証データから生成された選択情報に対応した認証情報が選択されることになる。ここでは、アドレス1に格納されている認証情報1(“BBB1”)が選択され、認証情報制御部34の比較判定部34cに送られる。
【0054】
一方、認証情報制御部34では、比較情報生成部34bにおいて、入力した認証データ1(“AAA1”)から比較情報1(“BBB1”)を生成して比較判定部34cに出力する(ステップS106)。
【0055】
即ち、選択情報生成部34aと共に認証データ1(“AAA1”)を入力する比較情報生成部34bは、複雑な論理演算回路bで構成されており、入力したデータに対して論理演算を施し、ステップS105で取得した認証情報1(“BBB1”)と比較するための比較情報を生成する。論理演算回路bは、認証アルゴリズムに基づいて構成されたものであり、図4に示すように、入力した認証データに対応した比較情報が得られるようになっている。ここでは、カラープリンタ1の認証データ1(“AAA1”)に対して、比較情報1(“BBB1”)が得られる。この比較情報1は、認証情報制御部34内の比較判定部34cに送られる。
【0056】
認証情報制御部34の比較判定部34cでは、ステップS105とステップS106で得られた認証情報と比較情報とを比較する(ステップS107)。ここでは、認証情報1と比較情報1とが共に(“BBB1”)であるため一致している。このように比較データが一致している場合(ステップS107、一致)、「認証OK」の比較結果が2値信号で表され、受信データ判定部33を経由して変調データ生成部32に送られる。変調データ生成部32では比較結果の2値情報で、搬送波を例えばASK変調し、送受信アンテナ29より変調波として送信する(ステップS108)。
【0057】
送信された変調波は、RF通信部21(図2)のアンテナ22で受信され、受信アンプ部27で増幅された後、検波回路部28において2値信号に復調され、RF制御部24によりカラープリンタ制御部37に送られる。ここでの2値信号は「認証OK」の比較結果を示すため、カラープリンタ制御部37は、メモリタグ23の不揮発性メモリ36との通信を可能とし、カラープリンタ1をスタンバイ状態とするか、或いはカラープリンタ1の印刷動作を開始する(ステップS109)。
【0058】
一方、ステップS107の比較で認証情報1と比較情報1とが一致していない場合(ステップS107、不一致)、「認証NG」の比較結果が2値信号で表され、受信データ判定部33を経由して変調データ生成部32に送られる。変調データ生成部32では、比較結果の2値情報で、搬送波を例えばASK変調し、送受信アンテナ29より変調波として送信する(ステップS110)。
【0059】
送信された変調波は、RF通信部21(図2)のアンテナ22で受信され、受信アンプ部27で増幅された後、検波回路部28において2値信号に復調され、RF制御部24によりカラープリンタ制御部37に送られる。ここでの2値信号は「認証NG」の比較結果を示すため、カラープリンタ制御部37は、メモリタグ23の不揮発性メモリ36との通信を不可とし、表示部20を制御してエラー情報、例えば“非純正品トナーです”を報知し、動作を停止する(ステップS111)。
【0060】
尚、ここでは、図9に示すカラープリンタ1とトナーカートリッジ13(図1)に備えられたメモリタグ23との間で行われる認証処理について説明したが、仕様の異なる他のカラープリンタ2〜Nの場合も、同様の認証処理が行われるものである。
【0061】
また、ここでは、図1に示すRF通信部21と特定しない1つのトナーカートリッジ13に備えられたメモリタグ23間で行われる認証処理について説明したが、カラー印刷の場合には4つのトナーカートリッジ13K,13Y,13M,13Cとの間で、同様に認証処理が行われるものである。
【0062】
以上のように、本実施の形態1のカラープリンタ及びトナーカートリッジによれば、トナーカートリッジに備えられたメモリタグに、そのトナーカートリッジを使用可能するカラープリンタに固有の認証データに対応する認証情報を複数格納可能としているため、このようなメモリタグを備えたトナーカートリッジを、複数の異仕様のカラープリンタで、これを認証して使用することができる。従って、カラープリンタ側としては、互換性のあるトナーカートリッジを認証によって間違いなく選択することが可能となり、トナーカートリッジ側としては、認証可能なカラープリンタにのみ使用されることが可能となる。
【0063】
また、同じ認証情報を格納するメモリタグを備えたトナーカートリッジ同士は、その認証情報に対応する認証データが与えられたカラープリンタに対して互換性を持つもとして認識できるため、トナーカートリッジの管理がしやすくなる。
【0064】
また、比較情報生成部34bは、複雑な論理演算により比較情報を生成するため、その論理がわからない第3者にとっては、装置の情報がわかったとしても認証情報をメモリタグに書き込むことはできない。従って、不正にカートリッジを使用しようとすることを防止することができる。
更に、新たに仕様の異なる装置が開発された場合にも、従来のカートリッジのメモリタグに新たな装置の認証情報を追加することにより、旧装置及び新装置の何れにも共通にカートリッジを使用することができる。
【0065】
実施の形態2.
図10は、本発明に基づく実施の形態2において、機種や製造ロットの違いによって仕様の異なるカラープリンタ毎に、各認証データ格納部38に格納されている認証データを示す説明図、図11は、本発明に基づく実施の形態2において、入出力データと共に認証情報制御部34の要部構成を示すブロック図である。
【0066】
実施の形態2のカラープリンタが、前記した実施の形態1のカラープリンタ1と主に異なる点は、認証データ格納部38に格納されている認証データが2種類である点である。従って、実施の形態2のカラープリンタが前記した実施の形態1のカラープリンタ1と共通する部分には同符号を付して、或いは図面を省いて説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。尚、本実施の形態の画像形成装置の要部構成は、実施の形態1のカラープリンタの要部構成と共通するため、必要に応じて図1〜図6を参照する。
【0067】
認証データ格納部38は、EEPROM等の不揮発性メモリであり、認証データが格納されている。図10に示すように、ここでの認証データは、メモリタグ23を認証するためにメモリタグ23へ送られる情報であり、図4に示すメモリタグ23の認証情報制御部34の選択情報生成部34a及び比較情報生成部34bに入力される情報である。図10に示すように、認証データは、仕様の異なるカラープリンタ毎にそれぞれ異なる情報が2個ずつ保持され、例えば、カラープリンタ1では認証データ1a及び認証データ1b、カラープリンタ2では認証データ2a及び認証データ2b、・・・・カラープリンタNでは認証データNa及び認証データNbがそれぞれ保持される。ここで、カラープリンタ1〜Nはそれぞれ仕様の異なるカラープリンタを示すものである。
【0068】
以上の構成において、本実施の形態のカラープリンタ1が実行する認証動作について説明する。
【0069】
図12は、本実施の形態のカラープリンタ1が実行する認証動作の流れを示すフローチャートであり、図13は、認証動作のデータの流れを示す経路図である。このフローチャートに基づいて、図1〜図3、図5、図6、図10、図11、図13を参照しながら実施の形態2の認証動作例について以下に説明する。尚、図13には、複数仕様のカラープリンタが記載されているが、これらのカラープリンタは互いに異なる認証データを格納する以外は同一の認証機能を有するため、ここではカラープリンタ1を例にして説明する。ここでは、カラープリンタ1に認証データ1a(“AAA1”)及び認証データ1b(“AAA2”)が格納され、カラープリンタ2には認証データ2a(“CCC1”)及び認証データ2b(“CCC2”)が格納されている。
【0070】
カラープリンタ制御部37(図6)は、装置の電源投入時或いはトップカバー1b(図1)の開閉時を監視し(ステップS201)、これらのタイミングで、RF通信部21を制御してトナーカートリッジ13に組み込まれているメモリタグ23を認証するために、RF通信を開始し、認証データをメモリタグ23に送信する(ステップS202)。
【0071】
即ち、電源投入時或いはトップカバー2の開閉時に、カラープリンタ制御部37は、不揮発性メモリである認証データ格納部38より、図10に示すようにアドレス0、1に保持された認証データを読み出す。ここでのカラープリンタ1の場合、認証データ1a(“AAA1”)及び認証データ1b(“AAA2”)である。カラープリンタ制御部37により読み出されたこの認証データ1a(“AAA1”)及び認証データ1b(“AAA2”)は、ケーブルを介してRF通信部21のRF制御部24(図2)に、送信信号(認証データ1a、認証データ1b+命令コマンド)として送られる。RF制御部24は、この送信信号を受け取ると、命令コマンドを解読して2値の信号データを生成する。生成された2値の信号データは、変調回路部25に出力される。変調回路部25は、入力した信号データで搬送波をASK変調する。ASK変調された信号は、出力増幅部26で増幅された後、アンテナ部22より電波(ASK変調波)として送信される。
【0072】
アンテナ部22より送信されたASK変調波は、メモリタグ23の送受信アンテナ部29により受信され、認証データ1a(“AAA1”)及び認証データ1b(“AAA2”)が抽出されてメモリタグ23の認証情報制御部34(図3)に送られる(ステップS203)。
【0073】
即ち、図3に示すメモリタグ23では、ASK変調データを受信することによって、アンテナ部29の両端に発生する誘導電圧を整流部30で整流してメモリタグ23内部に電力として供給し、検波回路部31で、受信されたASK変調データを2値の信号データに復調して受信データ判定部33に出力する。受信データ判定部33では、復調された信号データから受信データとしての認証データ1a(“AAA1”)及び認証データ1b(“AAA2”)、命令コマンドを抽出し、命令コマンドをデコードする。ここでは命令コマンドが認証に関するものとされているため、認証情報制御部34にアクセスし、認証データ1a(“AAA1”)及び認証データ1b(“AAA2”)を認証情報制御部34に送る。
【0074】
認証情報制御部34(図11)では、選択情報生成部34aにおいて、入力した認証データ1a(“AAA1”)及び認証データ1b(“AAA2”)から選択情報1(“0001”)を生成し認証情報格納部35に出力する(ステップS204)。
【0075】
即ち、認証情報制御部34は、図11に示すように、選択情報生成部34a、比較情報生成部34b及び比較判定部34cで構成されており、受信した認証データ1a(“AAA1”)及び認証データ1b(“AAA2”)を、選択情報生成部34aと比較情報生成部34bに入力する。選択情報生成部34aは、複雑な論理演算回路aで構成されており、入力したデータに対して論理演算を施し、認証情報格納部35に格納されている認証情報を取得するための選択情報を生成する。
【0076】
論理演算回路aは、認証アルゴリズムに基づいて構成されたものであり、図11に示すように、入力した認証データに対応した選択情報が得られるようになっている。ここでは、カラープリンタ1の認証データ1a(“AAA1”)及び認証データ1b(“AAA2”)に対して、選択情報1(“0001”)が得られる。この選択情報1(“0001”)は後段の認証情報格納部35のアドレス値に相当し、ここでは、アドレス1が選択されたことになる。
【0077】
認証情報格納部35では、選択情報1(“0001”)に基づいて、アドレス1の認証情報(“BBB1”)を選択して認証情報制御部34に通知する(ステップS205)。
【0078】
即ち、図5に示すように、認証情報格納部35は、アドレス毎にそれぞれ認証情報が保持されており、認証データから生成された選択情報に対応した認証情報が選択されることになる。ここでは、アドレス1に格納されている認証情報1(“BBB1”)が選択され、認証情報制御部34の比較判定部34cに送られる。
【0079】
一方、認証情報制御部34では、比較情報生成部34bにおいて、入力した認証データ1a(“AAA1”)及び認証データ1b(“AAA2”)から比較情報1(“BBB1”)を生成して比較判定部34cに出力する(ステップS206)。
【0080】
即ち、選択情報生成部34aと共に認証データ1a(“AAA1”)及び認証データ1b(“AAA2”)を入力する比較情報生成部34bは、複雑な論理演算回路bで構成されており、入力したデータに対して論理演算を施し、ステップS205で取得した認証情報1(“BBB1”)と比較するための比較情報を生成する。論理演算回路bは、認証アルゴリズムに基づいて構成されたものであり、図11に示すように、入力した認証データに対応した比較情報が得られるようになっている。ここでは、カラープリンタ1の認証データ1a(“AAA1”)及び認証データ1b(“AAA2”)に対して、比較情報1(“BBB1”)が得られる。この比較情報1は、認証情報制御部34内の比較判定部34cに送られる。
【0081】
認証情報制御部34の比較判定部34cでは、ステップS205とステップS206で得られた認証情報と比較情報とを比較する(ステップS207)。ここでは、認証情報1と比較情報1とが共に(“BBB1”)であるため一致している。このように比較データが一致している場合(ステップS207、一致)、「認証OK」の比較結果が2値信号で表され、受信データ判定部33を経由して変調データ生成部32に送られ、変調データ生成部32で比較結果の2値情報で、搬送波を例えばASK変調し、送受信アンテナ29より変調波として送信する(ステップS208)。
【0082】
送信された変調波は、RF通信部21(図2)のアンテナ22で受信され、受信アンプ部27で増幅された後、検波回路部28において2値信号に復調され、RF制御部24によりカラープリンタ制御部37に送られる。ここでの2値信号は「認証OK」の比較結果を示すため、カラープリンタ制御部37は、メモリタグ23の不揮発性メモリ36との通信を可能となり、カラープリンタ1をスタンバイ状態とするか、或いはカラープリンタ1の印刷動作を開始する(ステップS209)。
【0083】
一方、ステップS207の比較で認証情報1と比較情報1とが一致していない場合(ステップS207、不一致)、「認証NG」の比較結果が2値信号で表され、受信データ判定部33を経由して変調データ生成部32に送られる。変調データ生成部32では、比較結果の2値情報で、搬送波を例えばASK変調し、送受信アンテナ29より変調波として送信する(ステップS210)。
【0084】
送信された変調波は、RF通信部21(図2)のアンテナ22で受信され、受信アンプ部27で増幅された後、検波回路部28において2値信号に復調され、RF制御部24によりカラープリンタ制御部37に送られる。ここでの2値信号は「認証NG」の比較結果を示すため、カラープリンタ制御部37は、メモリタグ23の不揮発性メモリ36との通信を不可とし、表示部20を制御してエラー情報、例えば“非純正品トナーです”を報知し、動作停止する(ステップS211)。
【0085】
尚、ここでは、図13に示すカラープリンタ1とトナーカートリッジ13(図1)に備えられたメモリタグ23との間で行われる認証処理について説明したが、仕様の異なる他のカラープリンタ2〜Nの場合も、同様の認証処理が行われるものである。
【0086】
また、ここでは、図1に示すRF通信部21と特定しない1つのトナーカートリッジ13に備えられたメモリタグ23間で行われる認証処理について説明したが、カラー印刷の場合には4つのトナーカートリッジ13K,13Y,13M,13Cとの間で、同様に認証処理が行われるものである。
【0087】
以上のように、本実施の形態2のカラープリンタ及びトナーカートリッジによれば、トナーカートリッジに備えられたメモリタグに、そのトナーカートリッジを使用可能するカラープリンタに固有の認証データに対応する認証情報を複数格納可能としているため、このようなメモリタグを備えたトナーカートリッジを、複数の異仕様のカラープリンタで、これを認証して使用することができる。従って、カラープリンタ側としては、互換性のあるトナーカートリッジを認証によって間違いなく選択することが可能となり、トナーカートリッジ側としては、認証可能なカラープリンタにのみ使用されることが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
上記した各実施の形態では、タンデム方式のカラープリンタに適用した例を説明したが、本発明はこれに限定されるもではなく、複写機、ファクシミリ等の印刷機能を有するMFP等であってもよい。またカラープリンタに関して説明したが、モノクロプリンタであってもよい。また、上記した各実施の形態では、メモリタグをトナーカートリッジに付けた例について説明したが、外部から認証データが入力される交換部品、例えば、感光体ドラムを備えた画像形成ユニット、搬送(転写)ベルト、或いは定着器等にメモリタグを付けて同様に認証を行うことも可能である。
【符号の説明】
【0089】
1 カラープリンタ、 1a 本体部、 1b トップカバー部、 2 画像形成ユニット、 3 記録媒体、 4 記録媒体格納部、 5 給紙ローラ、 6 走行系センサ、 7 第1レジストローラ、 8 走行系センサ、 9 第2レジストローラ、 10 走行系センサ、 11 搬送ベルト、 12 LEDヘッド、 13 トナーカートリッジ、 14 感光体ドラム、 15 転写ローラ、 16 定着部、 17 走行系センサ、 18 排出スタッカ部、 19 高圧電源、 20 表示部、 21 RF通信部、 22 アンテナ部、 23 メモリタグ、 24 RF制御部、 25 変調回路部、 26 出力増幅部、 27 受信アンプ、 28 検波回路部、 29 送受信アンテナ部、 30 整流部、 31 検波回路部、 32 変調データ生成部、 33 受信データ判定部、 34 認証情報制御部、 34a 選択情報生成部、 34b 比較情報生成部、 34c 比較判定部、 35 認証情報格納部、 36 不揮発性メモリ、 37 カラープリンタ制御部、 38 認証データ格納部、 50 搬送ベルトユニット。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
交換部品を着脱自在に備える画像形成装置において、
前記画像形成装置の全体を制御する装置制御部と、
前記画像形成装置に与えられた認証データを格納する認証データ格納部と、
前記画像形成装置内に備えられて前記交換部品と通信する第1の通信部と
を備え、
前記交換部品は、
前記第1の通信部と通信する第2の通信部と、
複数種類の認証情報を格納可能な認証情報格納部と、
前記通信により前記認証データを受けて、該認証データと前記認証情報格納部に格納された認証情報とから、認証の可否を判断した判定結果を出力する認証情報制御部と
を備え、
前記装置制御部は、前記第1の通信部及び前記第2の通信部を介して取得した前記判定結果にもとづいて、装置制御の内容を決定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記認証情報制御部は、
前記通信により前記認証データを受けて、前記認証データに対応する選択情報を出力する選択情報生成部と、
前記通信により前記認証データを受けて、前記認証データに対応する比較情報を出力する比較情報生成部と、
前記選択情報で決まるアドレスに前記認証情報を選択的に格納する前記認証情報格納部から、前記選択情報に基づいて読み出した認証情報と前記比較情報とを比較し、一致するか否かの前記判定結果を前記第2の通信部に出力する比較判定部と
を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記選択情報生成部及び前記比較情報生成部は、入力する前記認証データに論理演算を施して前記選択情報及び前記比較情報を生成することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2の通信部、前記認証データ格納部、及び前記認証情報制御部はメモリタグであり、前記交換部品が前記メモリタグを備えた構成であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記メモリタグは、データの書き込み及び読み出しが可能な不揮発性メモリを備えたことを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記メモリタグは、前記通信によって発生する誘導電圧に基づいて電力を供給する整流部を備えたことを特徴とする請求項4又は5記載の画像形成装置。
【請求項7】
認証データが与えられ、第1の通信部を備えた画像形成装置に着脱自在に装着される交換部品において、
前記第1の通信部と通信する第2の通信部と、
複数種類の認証情報を格納可能な認証情報格納部と、
前記通信により前記画像形成装置から前記認証データを受けて、該認証データと前記認証情報格納部に格納された認証情報とから、認証の可否を判断した判定結果を出力する認証情報制御部と
を備えたことを特徴とする交換部品。
【請求項8】
前記認証情報制御部は、
前記通信により前記認証データを受けて、前記認証データに対応する選択情報を出力する選択情報生成部と、
前記通信により前記認証データを受けて、前記認証データに対応する比較情報を出力する比較情報生成部と、
前記選択情報で決まるアドレスに前記認証情報を選択的に格納する前記認証情報格納部から、前記選択情報に基づいて読み出した認証情報と前記比較情報とを比較し、一致するか否かの前記判定結果を前記第2の通信部に出力する比較判定部と
を備えたことを特徴とする請求項7記載の交換部品。
【請求項9】
前記選択情報生成部及び前記比較情報生成部は、入力する前記認証データに論理演算を施して前記選択情報及び前記比較情報を生成することを特徴とする請求項8記載の交換部品。
【請求項10】
前記第2の通信部、前記認証データ格納部、及び前記認証情報制御部はメモリタグであり、該メモリタグを備えたことを特徴とする請求項7乃至9の何れかに記載の交換部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−49180(P2013−49180A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187931(P2011−187931)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】