説明

画像形成装置及び処理ユニット並びに画像形成方法

【課題】被膜を形成するコーティング処理を行う際に、前記コーティング処理を行わない記録シートの搬送開始から画像形成を経て搬送が終了するまでの処理時間(スループット時間)の低下を効果的に防止できる上、前記コーティング処理された記録シートと前記コーティング処理を行わない記録シートとを同一の搬送路上に搬送させることができる画像形成装置及び処理ユニット並びに画像形成方法を提供する。
【解決手段】画像形成された記録シートPに対して被膜を形成するコーティング処理を行うコーティング部60を備えた画像形成装置100は、画像形成された記録シートPを搬送する主搬送路51と、主搬送路51上の分岐部51aで一旦分岐し、再度主搬送路51に戻る副搬送路52,53とを備え、コーティング部60は、副搬送路52,53に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、複合機、プリンタ等の画像形成装置及び処理ユニット並びに画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置は、通常、画像形成部により得られた画像を像担持体や被転写体等の被画像形成体に形成する。例えば、電子写真方式により画像を形成する場合、被画像形成体として作用する感光体等の像担持体の表面を帯電させ、その帯電域に画像露光して静電潜像を形成し、この静電潜像をトナー像として可視像化(現像)し、該可視像化されたトナー像を中間転写体や記録用紙等の記録シートに静電的に転写し、トナー像を中間転写体に転写するときはさらに記録シートに転写する。
【0003】
このような画像形成装置のなかには、画像形成された記録シートを搬送(排出)する搬送路上を搬送される記録シートに対して樹脂等の被膜を形成するコーティング処理を行う画像形成装置がある。
【0004】
ところで、コーティング処理を行う画像形成装置においては、通常は、コーティング処理の処理速度(画像形成された記録シートに対してコーティング処理を行うときの記録シートの搬送速度)は、コーティング処理を行わない画像形成処理を行う記録シートを搬送(排出)するときの記録シートの搬送速度よりも遅くなっている。
【0005】
このため、コーティング処理された記録シートの次に、コーティング処理を行わない記録シートを搬送すると、コーティング処理を行う記録シートの搬送速度がコーティング処理を行わない記録シートの搬送速度よりも遅いことから、コーティング処理を行わない記録シートは、コーティング処理が終わるまで待たされることになる。例えば、一ジョブの中にコーティング処理を行う記録シートとコーティング処理を行わない記録シートとが混在している場合には、該一ジョブにおいてコーティング処理された先行の記録シートに対して、コーティング処理を行わない後続の記録シートが待たされる。また、一ジョブにおける記録シートに対してコーティング処理を行い、他ジョブにおける記録シートに対してコーティング処理を行わない場合には、コーティング処理された先行の一ジョブに対して、コーティング処理を行わない後続の他ジョブが待たされる。
【0006】
このように、コーティング処理を行う画像形成装置においては、コーティング処理を行う際に、コーティング処理を行わない記録シートの搬送開始から画像形成を経て搬送が終了するまでの処理時間(スループット時間)の低下を招く。
【0007】
この点に関し、特許文献1には、印刷装置(画像形成装置)によって印刷(画像形成)された印刷物(記録シート)を印刷装置から受領する受領端が印刷装置の送出端に臨み、かつ、受領端から受領した印刷物をラミネート装置(コーティング部)の供給端まで送る印刷物の送り装置において、印刷装置によって印刷された印刷物を受け渡しガイド板に排出し、ミネート処理された印刷物を排出トレイに排出する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−103880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、コーティング処理を行わない記録シートと、コーティング処理された記録シートとは、別々の搬送路に設けられたトレイ(具体的には受け渡しガイド板及び排出トレイ)に排出されるため、コーティング処理された記録シートがコーティング処理を行わない記録シートとは別のトレイに排出されるという課題がある。例えば、一ジョブで複数枚の記録シートに画像形成を行うときに、複数枚の記録シートの一部をコーティング処理する場合には、一ジョブにおける記録シートのページを揃えることができない。
【0010】
そこで、本発明は、被膜を形成するコーティング処理を行う際に、前記コーティング処理を行わない記録シートの搬送開始から画像形成を経て搬送が終了するまでの処理時間(スループット時間)の低下を効果的に防止できる上、前記コーティング処理された記録シートと前記コーティング処理を行わない記録シートとを同一の搬送路上に搬送させることができる画像形成装置及び処理ユニット並びに画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、前記課題を解決するために、次の画像形成装置及び処理ユニット並びに画像形成方法を提供する。
【0012】
(1)画像形成装置
画像形成された記録シートに対して被膜を形成するコーティング処理を行うコーティング部を備えた画像形成装置であって、画像形成された前記記録シートを搬送する主搬送路と、前記主搬送路上の分岐部で一旦分岐し、再度前記主搬送路に戻る副搬送路とを備え、前記コーティング部は、前記副搬送路に設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【0013】
(2)処理ユニット
記録シートに対して画像形成を行う画像形成装置本体に対して着脱可能とされた処理ユニットであって、前記画像形成装置本体にて画像形成された前記記録シートに対して被膜を形成するコーティング処理を行うコーティング部と、前記画像形成装置本体にて画像形成された前記記録シートを搬送する主搬送路と、前記主搬送路上の分岐部で一旦分岐し、再度前記主搬送路に戻る副搬送路とを備え、前記コーティング部は、前記副搬送路に設けられていることを特徴とする処理ユニット。
【0014】
(3)画像形成方法
画像形成された記録シートに対して被膜を形成するコーティング処理を行う画像形成方法であって、前記コーティング処理を行うときは、画像形成された前記記録シートを搬送する主搬送路上の分岐部で一旦分岐し、再度前記主搬送路に戻る副搬送路上を搬送される前記記録シートに対して前記コーティング処理を行うことを特徴とする画像形成方法。
【0015】
本発明によれば、前記コーティング処理を行うときは、前記主搬送路上を搬送される前記記録シートを前記副搬送路上に搬送させ、前記副搬送路上を搬送される前記記録シートに対して前記コーティング処理を行った後、該記録シートを前記主搬送路に戻すことができる。従って、前記コーティング処理される前記記録シートを前記副搬送路上に搬送させる一方、前記コーティング処理を行わない前記記録シートを前記主搬送路上にそのまま搬送させることができる。これにより、たとえ前記コーティング処理を行う前記記録シートの搬送速度が前記コーティング処理を行わない前記記録シートの搬送速度よりも遅くなっても、前記コーティング処理を行わない前記記録シートは、前記コーティング処理が終わるまで待たされることがなく、よって、前記コーティング処理を行わない前記記録シートの搬送開始から画像形成を経て搬送が終了するまでの処理時間(スループット時間)の低下を効果的に防止することが可能となる。
【0016】
しかも、前記副搬送路上を搬送される前記記録シートに対して前記コーティング処理を行った後、該記録シートを前記主搬送路に戻すことで、前記コーティング処理された前記記録シートと前記コーティング処理を行わない前記記録シートとを同一の搬送路上に搬送させることが可能となる。
【0017】
本発明において、前記コーティング部は、前記記録シートの両面に対して前記コーティング処理を行う態様を例示できる。
【0018】
この特定事項では、前記記録シートの何れか一方の面(表面)に対して前記コーティング処理を行う片面コーティング処理を行うだけでなく、前記記録シートの両面に対して前記コーティング処理を行う両面コーティング処理を行う要求に応えることができる。
【0019】
本発明において、前記コーティング部は、前記記録シートの両面に対して前記コーティング処理をそれぞれ行う一対のコーティング部とされている態様を例示できる。
【0020】
この特定事項では、前記一対のコーティング部のうち、一方のコーティング部によって、前記記録シートの何れか一方の面(表面)に対して前記コーティング処理を行う一方、他方のコーティング部によって、前記記録シートの他方の面(裏面)に対して前記コーティング処理を行うことができる。
【0021】
本発明において、前記一対のコーティング部のうち少なくとも一方は、着脱可能な構造とされている態様を例示できる。
【0022】
この特定事項では、前記一対のコーティング部のうち少なくとも一方が着脱可能な構造とされているので、該少なくとも一方のコーティング部を容易に取り付け及び取り外すことができ、該コーティング部の取り付け及び取り外し作業性を向上させることができる。
【0023】
本発明において、前記副搬送路は、前記分岐部で分岐する第1副搬送路と、前記第1副搬送路に連通し、かつ、前記主搬送路の前記分岐部よりも前記記録シートの搬送方向における下流側の合流部で合流する第2副搬送路とを備えている態様を例示できる。
【0024】
この特定事項では、前記副搬送路は、前記第2副搬送路上の前記記録シートを前記主搬送路の前記分岐部よりも前記搬送方向における下流側に戻すことができ、これにより、前記記録シートの搬送距離、ひいては前記記録シートの搬送に要する時間を短縮化することが可能となる。
【0025】
本発明において、前記一対のコーティング部は、前記第1及び第2副搬送路にそれぞれ設けられている態様を例示できる。
【0026】
この特定事項では、前記第1副搬送路上を搬送される前記記録シートに対して前記コーティング処理を行い、かつ、前記第2副搬送路上を搬送される前記記録シートに対して前記コーティング処理を行うことができる。これにより、前記第1副搬送路と前記第2副搬送路とにより搬送距離に余裕を持たせた状態で前記コーティング処理を行うことが可能となる。
【0027】
本発明において、前記一対のコーティング部は、前記記録シートに前記コーティング処理を行うコーティング処理部の間隔を、最大サイズの前記記録シートを搬送する最大搬送長さよりも間隔をあけて設けられている態様を例示できる。
【0028】
この特定事項では、前記一対のコーティング部が前記コーティング処理部の間隔を前記最大搬送長さよりも間隔をあけて設けられているので、前記一対のコーティング部のうち、何れか一方のコーティング部にて前記コーティング処理を行っているときに、他方のコーティング部にて前記コーティング処理を行わないようにすることができ、これにより、前記記録シートに形成される前記被膜のシワ寄り等の不都合の発生を抑制できる。従って、前記何れか一対のコーティング部の双方にて同時期に前記コーティング処理を行うときのコーティング性能を維持することが可能となる。
【0029】
本発明において、前記コーティング部は、前記記録シートに前記コーティング処理を行うコーティング処理部と、前記分岐部よりも前記搬送方向における上流側でかつ前記分岐部の直近の位置に設けられた搬送ローラ対との間隔を、最大サイズの前記記録シートを搬送する最大搬送長さよりも間隔をあけて設けられている態様を例示できる。
【0030】
この特定事項では、前記コーティング部が前記コーティング処理部と前記搬送ローラ対との間隔を前記最大搬送長さよりも間隔をあけて設けられているので、前記主搬送路と前記副搬送路とで搬送速度が異なっていても、前記主搬送路の搬送速度を維持することが可能となる。
【0031】
本発明において、前記コーティング処理の少なくとも処理中は、前記主搬送路上を搬送される前記記録シートの搬送速度よりも前記副搬送路上を搬送される前記記録シートの搬送速度を小さくさせる態様を例示できる。
【0032】
この特定事項では、前記コーティング処理の少なくとも処理中は、前記主搬送路上を搬送される前記記録シートの搬送速度よりも前記副搬送路上を搬送される前記記録シートの搬送速度を小さくさせるので、前記記録シートに形成される前記被膜のムラや、つやの低下、シワ寄り等の不都合の発生を抑制でき、これにより、前記コーティング性能の低下を抑制することができる。なお、前記副搬送路上を搬送される前記記録シートの搬送速度を小さくさせるとは、前記記録シートを停止させる場合も含む概念である。
【0033】
本発明において、前記コーティング処理を行うにあたって前記搬送速度を小さくさせるタイミングは、前記主搬送路において前記分岐部よりも前記搬送方向における上流側でかつ前記分岐部の直近の位置に設けられた搬送ローラ対にて搬送される前記記録シートの前記搬送方向における上流側端が前記搬送ローラ対を通過した後である態様を例示できる。
【0034】
この特定事項では、前記主搬送路上を搬送される前記記録シートの搬送速度を低下させることなく、前記副搬送路上を搬送される前記記録シートの搬送速度を低下させることが可能となる。これにより、前記主搬送路上を搬送される前記記録シートの搬送速度を維持することが可能となる。
【0035】
本発明において、前記副搬送路において前記コーティング部よりも前記搬送方向における上流側に設けられて前記記録シートのカールを矯正するカール矯正部を備えている態様を例示できる。
【0036】
この特定事項では、前記副搬送路において前記コーティング部よりも前記搬送方向における上流側に設けられた前記カール矯正部を備えているので、前記コーティング部にて前記コーティング処理を行う前に、前記カール矯正部にて前記記録シートのカールを矯正することができ、それだけ、前記コーティング部にて前記コーティング処理を行うときのコーティング性能の低下を抑制することが可能となる。
【0037】
本発明において、前記コーティング処理は、画像形成された前記記録シート上、フィルム基材に設けた透明樹脂材料を熱により被着させる処理とされている態様を例示できる。
【0038】
この特定事項では、前記記録シートに対して、比較的簡単な構成でかつ安価に前記被膜を形成することができる。
【0039】
本発明において、前記記録シートに対して画像形成を行う画像形成装置本体に対して着脱可能とされた処理ユニットをさらに備え、前記コーティング部、前記主搬送路及び前記副搬送路は、前記処理ユニットに設けられていることが好ましい。
【0040】
この特定事項では、前記コーティング部、前記主搬送路及び前記副搬送路が設けられた前記処理ユニットをオプションユニットとして販売することが好ましい。こうすることで、前記コーティング部が必要なユーザのみに前記コーティング部を提供することができ、前記コーティング部が必要でないユーザに対して、できるだけ安価な価格で画像形成装置を提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0041】
以上説明したように、本発明によると、前記コーティング処理を行うときは、前記主搬送路上を搬送される前記記録シートを前記副搬送路上に搬送させ、前記副搬送路上を搬送される前記記録シートに対して前記コーティング処理を行った後、該記録シートを前記主搬送路に戻すことができる。従って、前記コーティング処理された前記記録シートを前記副搬送路上に搬送させる一方、前記コーティング処理を行わない前記記録シートを前記主搬送路上に搬送させることができる。よって、前記コーティング処理を行わない前記記録シートの搬送開始から画像形成を経て搬送が終了するまでの処理時間(スループット時間)の低下を効果的に防止することが可能となる。しかも、前記副搬送路上を搬送される前記記録シートに対して前記コーティング処理を行った後、該記録シートを前記主搬送路に戻すので、前記コーティング処理された前記記録シートと前記コーティング処理を行わない前記記録シートとを同一の搬送路上に搬送させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】第1実施形態に係る画像形成装置の処理ユニット部分を中心に示す概略正面図である。
【図2】第1実施形態に係る画像形成装置における第1中継ユニットの概略構成を示す正面図である。
【図3】第1実施形態に係る画像形成装置における第2中継ユニットの概略構成を示す正面図である。
【図4】第2中継ユニットにおいて、スタッカーユニットに代えて、第4副搬送路及び搬送ユニットを設けた一例の概略構成を示す正面図である。
【図5】図1に示す画像形成装置の画像形成装置本体の概略構成を示す正面図である。
【図6】図1及び図2に示す一対のコーティング部を説明するための図であって、(a)は、一対のコーティング部に設けられるコーティング用フィルムの概略構成を示す断面図であり、(b)は、一対のコーティング部の概略構成を示す正面図である。
【図7】一対のコーティング部の双方が第1中継ユニット本体に対して着脱する構成を模式的に表した概略斜視図である。
【図8】図5に示す画像形成装置本体にて形成された校正記録シートの一例を示す平面図である。
【図9】図1に示す画像形成装置における第2中継ユニットの読取部部分を中心に示す概略斜視図である。
【図10】図1に示す画像形成装置の搬送制御系を中心に示すブロック図である。
【図11】第1及び第2中継ユニットが共通の枠体及び共通の搬送路を備えていることを示す概略正面図である。
【図12】第2実施形態に係る画像形成装置の処理ユニット部分を中心に示す概略正面図である。
【図13】第2実施形態に係る画像形成装置における第1中継ユニットの概略構成を示す正面図である。
【図14】第3実施形態に係る画像形成装置の処理ユニット部分を中心に示す概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施の形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0044】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る画像形成装置100の処理ユニット部分を中心に示す概略正面図である。
【0045】
先ず、第1実施形態に係る画像形成装置100における第1及び第2中継ユニット50,70並びに排出ユニット90の構成について説明した後、画像形成装置本体1、第1中継ユニット50に設けられたコーティング部60、及び、第2中継ユニット70に設けられた読取部80について順に詳述する。
【0046】
(画像形成装置について)
図1に示す画像形成装置100は、画像形成装置本体1と、第1中継ユニット50と、第2中継ユニット70と、排出ユニット90とを備えている。画像形成装置100は、ここでは、パーソナルコンピュータ等の画像処理装置に接続された高速印刷用プリンタとして機能するようになっている。第1中継ユニット50と、第2中継ユニット70と、排出ユニット90は、処理ユニットとして作用する。
【0047】
画像形成装置100は、画像形成装置本体1に第1中継ユニット50が水平方向Hに装着され、第1中継ユニット50に第2中継ユニット70が水平方向Hに装着され、さらに第2中継ユニット70に排出ユニット90が水平方向Hに装着されている。なお、符号Vは、水平方向Hに直交する垂直方向を示している。
【0048】
画像形成装置100は、画像形成装置本体1における画像形成部3(後述する図5参照)で用紙等の記録シートPに通常の画像を形成する通常画像形成モードと、画像形成部3で画像形成された記録シートPに被膜を形成するコーティング処理を行うコーティングモードと、画像形成部3で記録シートPに測定用パッチ等のテストパターン(キャリブレーション用チャートの一例)41(後述する図8参照)を形成して画像形成部3の画質調整を行うキャリブレーションモードとを備えている。
【0049】
画像形成装置100は、ユーザ等の操作者によって、通常画像形成モードとキャリブレーションモードとの何れかが選択操作され、通常画像形成モードを行うときに、コーティングモードを行う場合での通常の画像を形成するか或いはコーティングモードを行わない場合での通常の画像を形成するかが選択操作される一方、キャリブレーションモードを行うときに、コーティングモードを行う場合でのキャリブレーションを行うか或いはコーティングモードを行わない場合でのキャリブレーションを行うが選択操作されるようになっている。
【0050】
画像形成装置本体1は、通常画像形成モード時には、記録シートPに通常の画像を形成し、通常の画像が形成された記録シート(以下、「通常の記録シート」ということがある。)を第1中継ユニット50に供給する一方、キャリブレーションモード時には、記録シートPにテストパターン41を形成し、テストパターン41が形成された記録シート(以下、「校正記録シート40(図8参照)」ということがある。)を第1中継ユニット50に供給する構成とされている。なお、画像形成装置本体1の詳細な構成については、後ほど図5を参照しながら詳述する。
【0051】
ここで、「通常の画像」とは、例えば、画像読取装置2により読み取られた画像、又は、外部の画像処理装置においてアプリケーションソフトによって作成された画像データに基づく画像である。また、校正記録シート40とは、画像形成部3の画質調整のための記録シートである。
【0052】
(第1中継ユニット)
図2は、第1実施形態に係る画像形成装置100における第1中継ユニット50の概略構成を示す正面図である。
【0053】
第1中継ユニット50は、画像形成装置本体1に着脱可能とされており、画像形成装置本体1と第2中継ユニット70との間を中継するユニットである。第1中継ユニット50は、コーティング処理を行うコーティング部60を備えている。本第1実施形態では、コーティング部60は、記録シートPの両面に対してコーティング処理をそれぞれ行う一対のコーティング部60a,60bとされている。すなわち、一方のコーティング部60aは、記録シートPの一方の面(表面)に対してコーティング処理を行い、他方のコーティング部60bは、記録シートPの他方の面(裏面)に対してコーティング処理を行うようになっている。なお、コーティング部60a,60bについては、後ほど図6を参照しながら詳述する。
【0054】
本第1実施形態では、第1中継ユニット50は、一方のコーティング部60aから搬出された記録シートPを他方のコーティング部60bに搬入する搬送ユニット55を備えている。
【0055】
画像形成装置100は、第1中継ユニット50において、記録シートPにコーティング処理を行う場合には、記録シートPに対して一方のコーティング部60aにてコーティング処理を行い、搬送ユニット55を経て、他方のコーティング部60bにてコーティング処理を行った後、第2中継ユニット70に供給する。一方、記録シートPにコーティング処理を行わない場合には、画像形成装置本体1からの記録シートPをそのまま第2中継ユニット70に供給する。
【0056】
なお、コーティング処理を行うか否かは、ユーザ等の操作者の選択操作或いは設定操作により画像形成装置本体1に接続される表示操作部(例えば、図示しないパーソナルコンピュータ等の画像処理装置のディスプレイ等の表示部並びにキーボード及びポインティングデバイス等の操作部)からの指示信号によってなされるようになっている。
【0057】
詳しくは、第1中継ユニット50は、さらに、第1主搬送路51と、第1副搬送路52と、第2副搬送路53と、第1ゲート部54と、第1中継ユニット50の構成部材を支持する枠体50Fとを備えている。第1副搬送路52と第2副搬送路53とで、第1主搬送路51上の第1分岐部51aで一旦分岐し、再度第1主搬送路51に戻る副搬送路を構成している。
【0058】
第1主搬送路51は、画像形成装置本体1における画像形成部3(図5参照)にて画像形成された記録シートPを搬送方向(図2中矢印X)に搬送して外部に搬出する構成とされている。ここで、画像形成された記録シートとは、実際に画像が形成されているか否かに拘わらず、画像形成部3にて画像形成プロセスによる画像形成処理が行われた記録シートを意味する。
【0059】
具体的には、第1主搬送路51は、一端が第1中継ユニット50本体の搬入口50aに接続され、かつ、他端が記録シートPを搬出する搬出口50bに接続され、搬入口50aと搬出口50bとの間で水平方向Hに沿って配設されている。搬入口50aは、第1中継ユニット50本体の水平方向Hにおける一端に画像形成装置本体1の搬出口1a(図1参照)に対向するように設けられて搬出口1aから搬出される記録シートPを搬入する搬入口である。
【0060】
第1副搬送路52は、第1主搬送路51上の第1分岐部51aで分岐する構成とされている。
【0061】
具体的には、第1副搬送路52は、一方のコーティング部60aよりも搬送方向Xにおける上流側に設けられた上流側コーティング搬送路52aと、一方のコーティング部60aに設けられたコーティング搬送路52bと、一方のコーティング部60aよりも搬送方向Xにおける下流側に設けられた下流側コーティング搬送路52cとを備えている。
【0062】
上流側コーティング搬送路52aは、一端が第1分岐部51aに臨み、かつ、他端が一方のコーティング部60a本体の搬入口50cに接続され、第1主搬送路51から90°又は略90°に垂直方向Vに屈曲して垂直方向Vに延設されている。搬入口50cは、一方のコーティング部60a本体の垂直方向Vにおける上端に設けられて記録シートPを搬入する搬入口である。
【0063】
コーティング搬送路52bは、一端が搬入口50cとされ、かつ、他端が一方のコーティング部60a本体の搬出口50dとされ、搬入口50cと搬出口50dとの間で垂直方向Vに沿って配設されている。搬出口50dは、一方のコーティング部60a本体の垂直方向Vにおける下端に設けられて記録シートPを搬出する搬出口である。
【0064】
下流側コーティング搬送路52cは、一端が一方のコーティング部60aの搬出口50dに接続され、かつ、他端が搬送ユニット55における下端部50eに位置し、搬出口50dと下端部50eとの間で90°又は略90°に屈曲するように配設されている。
【0065】
第2副搬送路53は、第1副搬送路52に連通して第1主搬送路51の第1分岐部51aよりも搬送方向Xにおける下流側の第1合流部51bで合流する構成とされている。
【0066】
具体的には、第2副搬送路53は、他方のコーティング部60bよりも搬送方向Xにおける上流側に設けられた上流側コーティング搬送路53aと、他方のコーティング部60bに設けられたコーティング搬送路53bと、他方のコーティング部60bよりも搬送方向Xにおける下流側に設けられた下流側コーティング搬送路53cとを備えている。
【0067】
上流側コーティング搬送路53aは、一端が搬送ユニット55における下端部50fに臨み、かつ、他端が他方のコーティング部60b本体の搬入口50gに接続され、下端部50fと搬入口50gとの間で90°又は略90°に屈曲するように配設されている。搬入口50gは、他方のコーティング部60b本体の垂直方向Vにおける下端に設けられて記録シートPを搬入する搬入口である。
【0068】
コーティング搬送路53bは、一端が搬入口50gとされ、かつ、他端が他方のコーティング部60b本体の搬出口50hとされ、搬入口50gと搬出口50hとの間で垂直方向Vに沿って配設されている。搬出口50hは、他方のコーティング部60b本体の垂直方向Vにおける上端に設けられて記録シートPを搬出する搬出口である。
【0069】
下流側コーティング搬送路53cは、一端が搬出口50hに接続され、かつ、他端が第1合流部51bに臨み、上流側コーティング搬送路52a側に予め設定した距離だけ迂回しつつ垂直方向Vに延びてその途中で第1合流部51b側に90°又は略90°に屈曲するように配設されている。
【0070】
第1ゲート部54は、第1分岐部51aの近傍に設けられ、画像形成装置本体1からの記録シートPの第1主搬送路51への搬送と第1副搬送路52への搬送との間で切り替える構成とされている。
【0071】
具体的には、第1ゲート部54は、第1分岐爪54aを備えている。第1分岐爪54aは、画像形成装置本体1の搬出口1aからの記録シートPを第1主搬送路51の方に導く第1姿勢(図2に示す姿勢)と、画像形成装置本体1の搬出口1aからの記録シートPを第1副搬送路52に導く第2姿勢(図1に示す姿勢)をとるように構成されている。第1ゲート部54は、後述する制御部200(後述する図10参照)に電気的に接続されており、制御部200からの指示信号によって、前記第1姿勢と前記第2姿勢とが切り替えられるようになっている。
【0072】
本第1実施形態では、第1中継ユニット50は、複数の主搬送ローラ対56a〜56dと、二つのコーティング用レジストローラ対57a,57bと、複数の副搬送ローラ対58a〜58iと、カール矯正部110(具体的にはデカーラー)とを備えている。
【0073】
主搬送ローラ対56aは、第1主搬送路51上の搬入口50aと第1分岐部51aとの間に設けられている。主搬送ローラ対56b,56cは、第1主搬送路51上の第1分岐部51aと第1合流部51bとの間に設けられている。主搬送ローラ対58dは、第1主搬送路51上の第1合流部51bと搬出口50bとの間に設けられている。
【0074】
一方のコーティング用レジストローラ対57aは、一方のコーティング部60aよりも搬送方向Xにおける上流側の直近の位置に設けられている。他方のコーティング用レジストローラ対57bは、他方のコーティング部60bよりも搬送方向Xにおける上流側の直近の位置に設けられている。コーティング用レジストローラ対57a,57bは、回転停止状態のときに記録シートPの搬送方向Xにおける下流側端(先端)が一旦当接して記録シートPの搬送が停止した後に再度記録シートPを搬送することで記録シートPの斜め搬送を補正することができる。これにより、一対のコーティング部60a,60bは、コーティング用レジストローラ対57a,57bにて斜め搬送を抑制した状態で被膜形成タイミングを記録シートPの搬送タイミングに合わせてコーティング処理を行うことができる。
【0075】
副搬送ローラ対58a,58bは、第1副搬送路52上の第1分岐部51aと一方のコーティング用レジストローラ対57aとの間に設けられている。副搬送ローラ対58c,58dは、第1副搬送路52上の一方のコーティング部60aと下端部50eとの間に設けられている。副搬送ローラ対58eは、第2副搬送路53上の下端部50fと他方のコーティング用レジストローラ対57bとの間に設けられている。副搬送ローラ対58f〜58iは、第2副搬送路53上の他方のコーティング用レジストローラ対57bと第1合流部51bとの間に設けられている。
【0076】
カール矯正部110は、一方のコーティング部60aよりも搬送方向Xにおける上流側に設けられており、ここでは、副搬送ローラ対58bと一方のコーティング用レジストローラ対57aとの間に設けられている。なお、カール矯正部110については、後ほど図9を参照しながら詳述する。
【0077】
なお、搬送ユニット55において、下流側コーティング搬送路52cと上流側コーティング搬送路53aとで搬送方向Xに搬送される記録シートPを最下点(下端部50e,50f)で折り返すU字状の搬送路を構成している。
【0078】
(第2中継ユニット)
図3は、第1実施形態に係る画像形成装置100における第2中継ユニット70の概略構成を示す正面図である。
【0079】
第2中継ユニット70は、第1中継ユニット50に着脱可能とされており、第1中継ユニット50と排出ユニット90との間を中継するユニットである。第2中継ユニット70は、画像形成装置本体1における画像形成部3(図5参照)で形成する画像に対する校正処理を行うために画像形成部3にて校正記録シート40(図8参照)に形成されたテストパターン41(図8参照)を読み取る読取部80を備えている。なお、読取部80の詳細については、後ほど図9を参照しながら詳述する。
【0080】
本第1実施形態では、第2中継ユニット70は、読取部80でテストパターン41を読み取った校正記録シート40を収容(廃棄)するスタッカーユニット75aを備えている。スタッカーユニット75aは、収容容器751を備えている。
【0081】
画像形成装置100は、第2中継ユニット70において、テストパターン41を形成して画像形成部3に対する校正処理を行う場合には、校正記録シート40に対して読取部80にてテストパターン41を読み取った後、校正記録シート40をスタッカーユニット75aにおける収容容器751に収容する。一方、通常の画像を形成して画像形成部3に対する校正処理を行わない場合には、第1中継ユニット50からの通常の記録シートをそのまま排出ユニット90に供給する。
【0082】
なお、画像形成部3に対する校正処理を行うか否かは、ユーザ等の操作者の選択操作或いは設定操作により画像形成装置本体1に接続される表示操作部からの指示信号によってなされるようになっている。校正処理は、例えば、プリンタドライバを実行することによって表示される選択画面によって必要に応じて適宜実行されるか、又は、定期的に(例えば予め設定した時刻或いは予め設定した時間毎に)実行されるようになっている。かかる校正処理に関し、後述する記憶部202(図10参照)には、コーティング処理を行った状態での基準画像に対応する第1基準値SD1と、コーティング処理を行わない状態での基準画像に対応する第2基準値SD2とを予め記憶されている。そして、校正記録シート40に対してコーティング処理を行って画像形成部3に対する校正処理を行う場合には、コーティング処理した校正記録シート40のテストパターン41を読み取り、読み取った読み取り値と第1基準値SD1とを比較して校正処理を行う。一方、校正記録シート40に対してコーティング処理を行わないで画像形成部3に対する校正処理を行う場合には、コーティング処理していない校正記録シート40のテストパターン41を読み取り、読み取った読み取り値と記憶部202における第2基準値SD2とを比較して校正処理を行う。
【0083】
詳しくは、第2中継ユニット70は、さらに、第2主搬送路71と、第3副搬送路72と、第2ゲート部74と、これらの部材を支持する枠体70Fとを備えている。
【0084】
第2主搬送路71は、第1中継ユニット50本体の搬出口50bからの記録シートPを搬送方向Xに搬送して外部に搬出する構成とされている。
【0085】
具体的には、第2主搬送路71は、一端が第2中継ユニット70本体の搬入口70aに接続され、かつ、他端が記録シートPを搬出する搬出口70bに接続され、搬入口70aと搬出口70bとの間で水平方向Hに沿って配設されている。搬入口70aは、第2中継ユニット70本体の水平方向Hにおける一端に第1中継ユニット50本体の搬出口50bに対向するように設けられて搬出口50bから搬出される記録シートPを搬入する搬入口である。
【0086】
第3副搬送路72は、第2主搬送路71上の第2分岐部71aで分岐する構成とされている。
【0087】
具体的には、第3副搬送路72は、読取部80よりも搬送方向Xにおける上流側に設けられた上流側読取搬送路72aと、読取部80に設けられた読取搬送路72bと、読取部80よりも搬送方向Xにおける下流側に設けられた連結搬送路721cとを備えている。
【0088】
上流側読取搬送路72aは、一端が第2分岐部71aに臨み、かつ、他端が読取部80本体の搬入口70cに接続され、第2分岐部71aから90°又は略90°に垂直方向Vに屈曲して垂直方向Vに延設されている。搬入口70cは、読取部80本体の垂直方向Vにおける上端に設けられて記録シートPを搬入する搬入口である。
【0089】
読取搬送路72bは、一端が搬入口70cとされ、かつ、他端が読取部80本体の搬出口70dとされ、搬入口70cと搬出口70dとの間で垂直方向Vに沿って配設されている。搬出口70dは、読取部80本体の垂直方向Vにおける下端に設けられて記録シートPを搬出する搬出口である。
【0090】
連結搬送路721cは、中継搬送路722cと排出搬送路723cとからなっている。中継搬送路722cは、一端が読取部80本体の搬出口70dに接続され、かつ、他端がスタッカーユニット75a本体の搬入口70gに接続され、搬出口70dと搬入口70gとの間で垂直方向Vに沿って配設されている。搬入口70gは、スタッカーユニット75a本体の垂直方向Vの上端に設けられて搬出口70dからの記録シートPを搬入する搬入口である。排出搬送路723cは、一端が搬入口70gとされ、かつ、他端がスタッカーユニット75aにおける収容容器751の近傍に臨むように配設されている。
【0091】
第2ゲート部74は、第2分岐部71aの近傍に設けられ、第1中継ユニット50からの記録シートPの第2主搬送路71への搬送と第3副搬送路72への搬送との間で切り替える構成とされている。
【0092】
具体的には、第2ゲート部74は、第2分岐爪74aを備えている。第2分岐爪74aは、第1中継ユニット50本体の搬出口50bからの記録シートPを第2主搬送路71の方に導く第1姿勢(図3に示す姿勢)と、第1中継ユニット50本体の搬出口50bからの記録シートPを第3副搬送路72に導く第2姿勢(図1に示す姿勢)をとるように構成されている。第2ゲート部74は、後述する制御部200(図10参照)に電気的に接続されており、制御部200からの指示信号によって、前記第1姿勢と前記第2姿勢とが切り替えられるようになっている。
【0093】
本第1実施形態では、第2中継ユニット70は、複数の主搬送ローラ対76a〜76dと、読取用レジストローラ対77と、複数の副搬送ローラ対78a,78bと、カール矯正部110とを備えている。
【0094】
主搬送ローラ対76aは、第2主搬送路71上の搬入口70aと第2分岐部71aとの間に設けられている。主搬送ローラ対76b〜76dは、第1主搬送路51上の第2分岐部71aと搬出口70bとの間に設けられている。
【0095】
読取用レジストローラ対77は、読取部80よりも搬送方向Xにおける上流側の直近の位置に設けられている。読取レジストローラ対77は、回転停止状態のときに校正記録シート40(図8参照)の搬送方向Xにおける下流側端(先端)が一旦当接して校正記録シート40の搬送が停止した後に校正記録シート40を再度搬送することで校正記録シート40の斜め搬送を補正することができる。これにより、読取部80は、読取用レジストローラ対77にて斜め搬送を抑制した状態で読取部80によるテストパターン41の読取タイミングを校正記録シート40の搬送タイミングに合わせてテストパターン41の読み取りを行うことができる。
【0096】
副搬送ローラ対78a,78bは、第3副搬送路72上の第2分岐部71aと読取用レジストローラ対77との間に設けられている。
【0097】
カール矯正部110は、読取部80よりも搬送方向Xにおける上流側に設けられており、ここでは、副搬送ローラ対78bと読取用レジストローラ対77との間に設けられている。なお、カール矯正部110については、後ほど図9を参照しながら詳述する。
【0098】
(第4副搬送路及び搬送ユニット)
本第1実施形態において、第2中継ユニット70は、スタッカーユニット75aに代えて、第4副搬送路73及び搬送ユニット75b(図4参照)を備えていてもよい。
【0099】
図4は、第2中継ユニット70において、スタッカーユニット75aに代えて、第4副搬送路73及び搬送ユニット75bを設けた一例の概略構成を示す正面図である。
【0100】
図4に示すように、第2中継ユニット70が第4副搬送路73及び搬送ユニット75bを備えている場合、第4副搬送路73は、第3副搬送路72に連通して第2主搬送路71の第2分岐部71aよりも搬送方向Xにおける下流側の第2合流部71bで合流する構成とされる。この場合において、テストパターン41を形成して画像形成部3に対する校正処理を行う場合には、校正記録シート40に対して読取部80にてテストパターン41を読み取った後、第2主搬送路71に戻すことができる。
【0101】
具体的には、連結搬送路721cは、中継搬送路722cと下流側読取搬送路72cとからなっている。中継搬送路722cは、一端が読取部80本体の搬出口70dに接続されて垂直方向Vに沿って延設されている。下流側読取搬送路72cは、一端が中継搬送路722cの他端に接続され、かつ、他端が搬送ユニット75bにおける下端部70eに位置し、搬出口70dと下端部70eとの間で90°又は略90°に屈曲するように配設されている。
【0102】
第4副搬送路73は、中間搬送路73bと、中間搬送路73bよりも搬送方向Xにおける上流側に設けられた上流側搬送路73aと、中間搬送路73bよりも搬送方向Xにおける下流側に設けられた下流側搬送路73cとを備えている。
【0103】
上流側搬送路73aは、一端が搬送ユニット75bにおける下端部70fに位置し、かつ、他端が中間搬送路73bの一端に接続され、下端部70fと中間搬送路73bの一端との間で90°又は略90°に屈曲するように配設されている。
【0104】
中間搬送路73bは、一端が上流側搬送路73aの他端に接続され、かつ、他端が下流側搬送路73cの一端に接続され、上流側搬送路73aの他端と下流側搬送路73cの一端との間で垂直方向Vに沿って配設されている。
【0105】
下流側搬送路73cは、一端が中間搬送路73bの他端に接続され、かつ、他端が第2合流部71bに臨み、上流側読取搬送路72a側に予め設定した距離だけ迂回しつつ垂直方向Vに沿って延びてその途中で第2合流部71b側に90°又は略90°に屈曲するように配設されている。
【0106】
この例において、第2中継ユニット70は、複数の副搬送ローラ対78c〜78mをさらに備えている。
【0107】
副搬送ローラ対78c,78dは、第3副搬送路72上の読取部80と下端部70eとの間に設けられている。副搬送ローラ対78e〜78mは、第4副搬送路73上の下端部70fと第2合流部71bとの間に設けられている。
【0108】
なお、搬送ユニット75bにおいて、下流側読取搬送路72cと上流側搬送路73aとで搬送方向Xに搬送される記録シートPを最下点(下端部70e,70f)で折り返すU字状の搬送路を構成している。
【0109】
(排出ユニット)
図1に示すように、排出ユニット90は、第2中継ユニット70に着脱可能とされており、第2中継ユニット70からの記録シートPを外部へ排出する排出部93と、排出部93にて排出した記録シートPを収容する排出収容部95とを備えている。
【0110】
詳しくは、排出部93は、第3主搬送路91と、1又は複数の(ここでは1つの)第5副搬送路92と、第3ゲート部94と、排出部93の構成部材を支持する枠体90Fとを備えている。排出収容部95は、複数の排出トレイ(ここでは第1及び第2排出トレイ95a,95b)を備えている。
【0111】
第3主搬送路91は、第2中継ユニット70から搬出された記録シートPを搬送方向Xに搬送して外部に搬出する構成とされている。
【0112】
具体的には、第3主搬送路91は、一端が排出ユニット90本体の搬入口90aに接続され、かつ、他端が記録シートPを搬出する一方の搬出口90bに接続され、搬入口90aと一方の搬出口90bとの間で水平方向Hに沿って配設されている。搬入口90aは、排出ユニット90本体の水平方向Hにおける一端に第2中継ユニット70本体の搬出口70bに対向するように設けられて搬出口70bから搬出される記録シートPを搬入する搬入口である。
【0113】
第5副搬送路92は、第3主搬送路91上の第3分岐部91aで分岐する構成とされている。
【0114】
具体的には、第5副搬送路92は、一端が第3分岐部91aに臨み、かつ、他端が一方の搬出口90bよりも垂直方向Vの下方で記録シートPを搬出する他方の搬出口90cに接続され、第3分岐部91aと他方の搬出口90cとの間で90°又は略90°に屈曲するように配設されている。
【0115】
第3ゲート部94は、第3分岐部91aの近傍に設けられ、第2中継ユニット70からの記録シートPの第3主搬送路91への搬送と第5副搬送路92への搬送との間で切り替える構成とされている。
【0116】
具体的には、第3ゲート部94は、第3分岐爪94aを備えている。第3分岐爪94aは、第2中継ユニット70本体の搬出口70bからの記録シートPを第3主搬送路91の方に導く第1姿勢と、第2中継ユニット70本体の搬出口70bからの記録シートPを第5副搬送路92に導く第2姿勢(図1に示す姿勢)をとるように構成されている。第3ゲート部94は、後述する制御部200(図10参照)に電気的に接続されており、制御部200からの指示信号によって、前記第1姿勢と前記第2姿勢とが切り替えられるようになっている。
【0117】
第1排出トレイ95aは、排出ユニット90本体の一方の搬出口90bから排出された記録シートPを収容する。第2排出トレイ95bは、排出ユニット90本体の他方の搬出口90cから排出された記録シートPを収容する。
【0118】
本第1実施形態では、排出ユニット90は、複数の主搬送ローラ対96a〜96cと、複数の副搬送ローラ対98a,98bとを備えている。
【0119】
主搬送ローラ対96a,96bは、第3主搬送路91上の搬入口90aと第3分岐部91aとの間に設けられている。主搬送ローラ対96cは、第3主搬送路91上の第3分岐部91aと一方の搬出口90bとの間に設けられている。
【0120】
副搬送ローラ対98a,98bは、第5副搬送路92上の第3分岐部91aと他方の搬出口90cとの間に設けられている。
【0121】
排出ユニット90は、例えば、第2中継ユニット70がスタッカーユニット75aを備える場合(図1及び図3参照)には、第2中継ユニット70において、校正記録シート40は、スタッカーユニット75aに収容されるため、通常の記録シート及び校正記録シート40のうち通常の記録シートのみを排出する。一方、排出ユニット90は、例えば、第2中継ユニット70が第4副搬送路73及び搬送ユニット75bを備える場合には(図4参照)、第2中継ユニット70において、校正記録シート40は、第2主搬送路71に戻るため、通常の記録シート及び校正記録シート40の双方を排出する。
【0122】
以上説明した画像形成装置100では、次のように動作する。なお、以下の動作において、通常の記録シートは第1排出トレイ95aに排出させ、第2中継ユニット70が第4副搬送路73及び搬送ユニット75bを備える場合には、校正記録シート40は第2排出トレイ95bに排出させる。
【0123】
(コーティング処理も校正処理もしない画像形成処理)
記録シートPに対して通常の画像を形成し、かつ、コーティング処理を行わない場合には、第1から第3分岐爪54a,74a,94aを前記第1姿勢に切り替えて、画像形成装置本体1の搬出口1aからの通常の記録シートを第1主搬送路51→第2主搬送路71→第3主搬送路91(最短ルート)の順に搬送させて第1排出トレイ95aに排出する。
【0124】
(コーティング処理するが校正処理しない画像形成処理)
記録シートPに対して通常の画像を形成し、かつ、コーティング処理を行う場合には、第1分岐爪54aを前記第2姿勢に切り替える一方、第2及び第3分岐爪74a,94aを前記第1姿勢に切り替えて、画像形成装置本体1の搬出口1aからの通常の記録シートを第1主搬送路51→第1副搬送路52→一方のコーティング部60a→搬送ユニット55→第2副搬送路53→他方のコーティング部60b→第2副搬送路53→第1主搬送路51→第2主搬送路71→第3主搬送路91の順に搬送させて第1排出トレイ95aに排出する。
【0125】
(コーティング処理しないが校正処理する画像形成処理、収容容器に収容)
記録シートPに対してテストパターン41を形成し、かつ、コーティング処理を行わない場合であって第2中継ユニット70がスタッカーユニット75aを備える場合には(図1及び図3参照)、第2分岐爪74aを前記第2姿勢に切り替える一方、第1分岐爪54aを前記第1姿勢に切り替えて、画像形成装置本体1の搬出口1aからの校正記録シート40を第1主搬送路51→第2主搬送路71→第3副搬送路72→読取部80→スタッカーユニット75aの順に搬送させて収容容器751に収容する。
【0126】
(コーティング処理しないが校正処理する画像形成処理、排出トレイに排出)
記録シートPに対してテストパターン41を形成し、かつ、コーティング処理を行わない場合であって第2中継ユニット70が第4副搬送路73及び搬送ユニット75bを備える場合には(図4参照)、第2及び第3分岐爪74a,94aを前記第2姿勢に切り替える一方、第1分岐爪54aを前記第1姿勢に切り替えて、画像形成装置本体1の搬出口1aからの校正記録シート40を第1主搬送路51→第2主搬送路71→第3副搬送路72→読取部80→搬送ユニット75b→第4副搬送路73→第2主搬送路71→第3主搬送路91→第5副搬送路92の順に搬送させて第2排出トレイ95bに排出する。
【0127】
(コーティング処理も校正処理もする画像形成処理、収容容器に収容)
記録シートPに対してテストパターン41を形成し、かつ、コーティング処理を行う場合であって第2中継ユニット70がスタッカーユニット75aを備える場合には(図1及び図3参照)、第1及び第2分岐爪74aを前記第2姿勢に切り替えて、画像形成装置本体1の搬出口1aからの校正記録シート40を第1主搬送路51→第1副搬送路52→一方のコーティング部60a→搬送ユニット55→第2副搬送路53→他方のコーティング部60b→第2副搬送路53→第1主搬送路51→第2主搬送路71→第3副搬送路72→読取部80→スタッカーユニット75aの順に搬送させて収容容器751に収容する。
【0128】
(コーティング処理も校正処理もする画像形成処理、排出トレイに排出)
記録シートPに対してテストパターン41を形成し、かつ、コーティング処理を行う場合であって第2中継ユニット70が第4副搬送路73及び搬送ユニット75bを備える場合には(図4参照)、第1から第3分岐爪54a,74a,94cを前記第2姿勢に切り替えて、画像形成装置本体1の搬出口1aからの校正記録シート40を第1主搬送路51→第1副搬送路52→一方のコーティング部60a→搬送ユニット55→第2副搬送路53→他方のコーティング部60b→第2副搬送路53→第1主搬送路51→第2主搬送路71→第3副搬送路72→読取部80→搬送ユニット75b→第4副搬送路73→第2主搬送路71→第3主搬送路91→第5副搬送路92(最長ルート)の順に搬送させて第2排出トレイ95bに排出する。
【0129】
(画像形成装置本体)
次に、本第1実施形態に係る画像形成装置100の画像形成装置本体1の詳細について、以下に説明する。
【0130】
図5は、図1に示す画像形成装置100の画像形成装置本体1の概略構成を示す正面図である。
【0131】
画像形成装置本体1は、例えば、スキャナ機能、ファクシミリ機能及びプリンタ機能を有する複合機である。画像形成装置本体1は、原稿の画像を読み取る画像読取装置2と、画像読取装置2により読み取られた画像データに基づいて画像を形成する画像形成部3とを備えている。
【0132】
画像読取装置2は、画像読取部20と、画像読取部20に対して開閉可能に取り付けられた原稿送り装置30とを含んでいる。
【0133】
画像読取部20は、原稿固定方式による読み取りと、原稿移動方式による読み取りとを行う構成とされている。画像読取部20は、原稿台ガラス21と、原稿読取ガラス22と、光源ユニット23と、ミラーユニット24と、撮像部25とを備えている。
【0134】
原稿台ガラス21は、原稿の最大サイズよりも大きい透明なガラス板である。原稿読取ガラス22は、主走査方向に長い透明なガラス板とされている。原稿台ガラス21及び原稿読取ガラス22は、光源ユニット23から出射された光を透過すると共に、原稿で反射された光を透過する構成とされている。
【0135】
光源ユニット23は、原稿へ向けて光を照射する光源23aと、原稿からの反射光をミラーユニット24へ導くミラー23bとを有している。光源ユニット23は、副走査方向Y1に移動する構成とされている。光源23aは、主走査方向において間隔を隔てて配置される複数のLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)により構成されている。
【0136】
ミラーユニット24は、ミラー24aとミラー24bとを有している。ミラーユニット24は、光源ユニット23の移動速度の1/2の移動速度で、副走査方向Y1に移動する構成とされている。ミラー24aは、光源ユニット23のミラー23bからの反射光をミラー24bへと導くことができるように設けられている。ミラー24bは、ミラー24aからの反射光を撮像部25へと導くことができるように設けられている。
【0137】
撮像部25は、集光レンズやCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)を有している。撮像部25は、ミラーユニット24のミラー24bからの反射光を、集光レンズを介してCCDの受光面に結像することにより、原稿の画像を撮像する構成とされている。
【0138】
画像読取部20では、原稿固定方式による読取時に、光源ユニット23およびミラーユニット24を副走査方向Y1に移動させながら、光源23aから光が出射される。このとき、光源23aから出射される光は、原稿台ガラス21を介して原稿台ガラス21上に載置される原稿に照射される。そして、原稿からの反射光は、原稿台ガラス21、光源ユニット23のミラー23b、および、ミラーユニット24のミラー24aおよびミラー24bを介して撮像部25に入射される。これにより、画像読取部20は、原稿台ガラス21上に固定的に配置された原稿の画像を読み取ることが可能である。
【0139】
また、画像読取部20では、原稿移動方式による読取時に、光源ユニット23を読取位置(図5に示す位置)に停止させた状態で、光源23aから光が出射される。このとき、光源23aから出射される光は、原稿読取ガラス22を介して、原稿送り装置30により原稿読取ガラス22上を搬送方向Y1に搬送される原稿に照射される。そして、原稿からの反射光は、原稿読取ガラス22、光源ユニット23のミラー23b並びにミラーユニット24のミラー24a及びミラー24bを介して撮像部25に入射される。これにより、画像読取部20は、原稿送り装置30により原稿読取ガラス22上を搬送される原稿の画像を読み取ることができる。
【0140】
原稿送り装置30は、原稿が載置される原稿トレイ31と、原稿が排出される排出トレイ32と、原稿トレイ31に載置される原稿を排出トレイ32へ搬送するための搬送路33aと、読取位置を通過した原稿を読取位置よりも上流側へと戻すための搬送路33bとを含んでいる。
【0141】
原稿トレイ31には、原稿がフェイスアップで載置されている。原稿トレイ31の近傍には、ピックアップローラ34が設けられている。ピックアップローラ34は、原稿トレイ31に載置された原稿を上から順に原稿送り装置30の搬送路33aに取り込むことができるように設けられている。
【0142】
ピックアップローラ34の近傍には、サバキローラ35a及び分離ローラ35bが設けられている。サバキローラ35a及び分離ローラ35bは、複数の原稿が重なった状態で搬送路33aへ搬送されること(重送)を防止するために設けられている。
【0143】
排出トレイ32は、原稿トレイ31の下方に配置され、原稿がフェイスダウンで排出される。搬送路33aは、正面から見てU字状に形成されている。搬送路33aには、搬送ローラ36と排出ローラ37とが設けられている。
【0144】
原稿送り装置30では、ピックアップローラ34により、原稿トレイ31に載置される原稿が原稿トレイ31から搬送方向Y2に搬送される。そして、原稿トレイ31から搬送された原稿はサバキローラ35a及び分離ローラ35bにより分離され、これにより、1枚ずつ搬送路33aに搬送され、搬送ローラ36を経て読取位置を通過する。読取位置を通過した原稿は、ここで画像読取部20により表面の画像が読み取られる。
【0145】
そして、原稿の表面のみが読み取られる場合には、排出ローラ37により原稿が排出トレイ32へ排出される。その一方、原稿の両面が読み取られる場合には、原稿が搬送路33bを介して読取位置の上流側へ搬送される。これにより、画像読取部20により原稿の裏面の画像が読み取られる。なお、原稿の両面が読み取られる場合には、両面の画像が読み取られた原稿が再び搬送路33bを介して読取位置の上流側へ搬送される。その後、排出ローラ37により原稿が排出トレイ32へ排出される。これにより、原稿がフェイスダウンで排出される。その結果、原稿トレイ31に複数の原稿が載置され、複数の原稿が連続的に読み取られて排出トレイ32に排出された場合にも、複数の原稿の順番に対する面の向きが反転するのを防止することができる。
【0146】
画像形成部3は、感光体ドラム4a,4b,4c,4dと、帯電器5a,5b,5c,5bと、露光装置6と、現像装置7a,7b,7c,7dと、クリーナ装置8a,8b,8c,8dと、中間転写ローラ9a,9b,9c,9dを有する中間転写ベルト装置9と、2次転写装置10と、定着装置11と、供給部として作用する給紙トレイ12a及び手差し給紙トレイ12bと、排出部として作用する排出トレイ13と、シート搬送装置14と、中継搬送ユニット15とを備えている。
【0147】
画像形成部3は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像と、単色(たとえば、ブラック)を用いたモノクロ画像とを形成する構成とされている。
【0148】
具体的には、画像形成部3は、ブラックを形成する画像形成ステーションが、感光体ドラム4aと、帯電器5aと、現像装置7aと、クリーナ装置8aと、中間転写ローラ9aとにより構成されている。また、画像形成部3は、シアンを形成する画像形成ステーションが、感光体ドラム4bと、帯電器5bと、現像装置7bと、クリーナ装置8bと、中間転写ローラ9bとにより構成されている。また、画像形成部3は、マゼンタを形成する画像形成ステーションが、感光体ドラム4cと、帯電器5cと、現像装置7cと、クリーナ装置8cと、中間転写ローラ9cとにより構成されている。また、画像形成部3は、イエローを形成する画像形成ステーションが、感光体ドラム4dと、帯電器5dと、現像装置7dと、クリーナ装置8dと、中間転写ローラ9dとにより構成されている。
【0149】
感光体ドラム4a,4b,4c,4dは、表面に光感光層を有している。帯電器5a,5b,5c,5bは、感光体ドラム4a,4b,4c,4dの表面を所定の電位に均一に帯電させるために高電圧を印加する。帯電器5a,5b,5c,5bは、接触型であるローラ型やブラシ型の帯電器であってもよいし、チャージャー型の帯電器であってもよい。
【0150】
露光装置6は、例えば、レーザダイオード及び反射ミラーを含むレーザスキャニングユニット(LSU)であり、一様に帯電された感光体ドラム4a,4b,4c,4dの表面を画像データに応じて露光して、その表面に画像データに応じた静電潜像を形成する。
【0151】
現像装置7a,7b,7c,7dは、感光体ドラム4a,4b,4c,4d上に形成された静電潜像をK、C、M、Yのトナーにより現像する。クリーナ装置8a,8b,8c,8dは、現像及び画像転写後に記録シートPに転写されるに感光体ドラム4a,4b,4c,4dの表面に残留したトナーを除去及び回収する。
【0152】
中間転写ベルト装置9は、感光体ドラム4a,4b,4c,4dの上方に配置されており、中間転写ベルト9eと、中間転写ベルト駆動ローラ9fと、従動ローラ9gと、テンションローラ9hと、中間転写ベルトクリーニング装置9iとを備えている。
【0153】
中間転写ベルト9eは、厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端ベルト状に形成されている。中間転写ローラ9a,9b,9c,9d、中間転写ベルト駆動ローラ9f、従動ローラ9g及びテンションローラ9hは、中間転写ベルト9eを張架して支持し、中間転写ベルト9eを周回方向Cに移動させる。
【0154】
中間転写ローラ9a,9b,9c,9dは、中間転写ベルト9eの内側に回転可能に支持され、中間転写ベルト9eを介して感光体ドラム4a,4b,4c,4dに圧接されている。
【0155】
中間転写ベルト9eは、感光体ドラム4a,4b,4c,4dに接触するように設けられている。中間転写ベルト9eには、感光体ドラム4a,4b,4c,4dの表面のトナー像が順次重ねて転写されることにより、カラーのトナー像(各色のトナー像)が形成される。
【0156】
感光体ドラム4a,4b,4c,4dから中間転写ベルト9eへのトナー像の転写は、中間転写ベルト9eの内側(裏面)に圧接されている中間転写ローラ9a,9b,9c,9dによって行われる。中間転写ローラ9a,9b,9c,9dは、例えば、直径8〜10mmのステンレスなどの金属軸と、金属軸を覆う導電性の弾性材(たとえば、EPDM、発泡ウレタン等)とを有している。中間転写ローラ9a,9b,9c,9dには、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(一)とは逆極性(+)の高電圧)が印加され、その導電性の弾性材により高電圧が中間転写ベルト9eに対して均一に印加される。
【0157】
2次転写装置10は、中間転写ベルト9eと接触する転写ローラ10aを有している。転写ローラ10aは、中間転写ベルト駆動ローラ9fと隣接するように、中間転写ベルト9eの外側に配置されている。中間転写ベルト9eと転写ローラ10aとは、相互に圧接されてニップ域を形成する。また、2次転写装置10の転写ローラ10aには、中間転写ベルト9e上の各色のトナー像を記録シートPに転写させるための電圧(たとえば、トナーの帯電極性(一)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。さらに、そのニップ域を定常的に得るために、転写ローラ10aおよび中間転写ベルト駆動ローラ9fのいずれか一方を硬質材料(金属製ローラ等)とし、他方を軟質材料(弾性ゴムローラや発泡性樹脂ローラ等)としている。
【0158】
画像形成装置本体1において、感光体ドラム4a,4b,4c,4dの表面に形成されたトナー像は、中間転写ベルト9eで積層され、画像データに応じたカラーのトナー像とされる。こうして積層された各色のトナー像は、中間転写ベルト9eと共に搬送され、2次転写装置10によって記録シートP上に転写される。
【0159】
また、2次転写装置10によって中間転写ベルト9e上のトナー像が記録シートP上に完全に転写されず、中間転写ベルト9e上にトナーが残留することがあり、この残留トナーが次工程でトナーの混色を発生させる原因となる。このため、中間転写ベルトクリーニング装置9iによって残留トナーを除去および回収する。
【0160】
例えば、中間転写ベルトクリーニング装置9iは、従動ローラ9g側に押圧された状態で中間転写ベルト9eに接触するクリーニングブレードを有しており、このクリーニングブレードにより残留トナーが除去及び回収される。
【0161】
定着装置11は、記録シートPを挟み込んで搬送するヒートローラ11a及び加圧ローラ11bを有している。ヒートローラ11aは、所定の定着温度となるように温度制御され、加圧ローラ11bと共に記録シートPを定着ニップ部で熱圧着することにより、記録シートPに転写されたトナー像を溶融、混合、圧接し、記録シートPに対して熱定着させる機能を有している。また、定着装置11には、ヒートローラ11aを外部から加熱するための外部加熱ベルト11cが設けられている。
【0162】
給紙トレイ12aは、記録シートPを格納しておくためのトレイであり、手差し給紙トレイ12bは、記録シートPが載置されるトレイである。排出トレイ13は、中継搬送ユニット15が取り外されている場合に、印刷済みの記録シートPをフェイスダウンで載置するためのトレイである。中継搬送ユニット15は、画像形成装置本体1に対して着脱可能にとされている。中継搬送ユニット15は、搬送方向Xに沿って順に設けられた複数の搬送ローラ15a,15b,15cを有しており、排出ローラ14gから排出される記録シートPを第1中継ユニット50へ搬送する構成とされている。
【0163】
シート搬送装置14は、記録シートPを給紙トレイ12a又は手差し給紙トレイ12bから2次転写装置10や定着装置11を経由させて排出トレイ13に送ることができるように設けられている。シート搬送装置14では、給紙トレイ12aからシート搬送路Sに沿って、ピックアップローラ14a、サバキローラ14b、分離ローラ14c、搬送ローラ14d、レジスト前ローラ対14e、レジストローラ対14f及び排出ローラ14gが配設されている。
【0164】
ピックアップローラ14aは、給紙トレイ12aの近傍に設けられており、給紙トレイ12aから記録シートPを1枚ずつシート搬送路Sに供給する呼び込みローラである。サバキローラ14bは、分離ローラ14cとの間に記録シートPを通過させることにより、記録シートPを1枚ずつ分離してシート搬送路Sへと搬送する。
【0165】
また、手差し給紙トレイ12bの近傍には、ピックアップローラ14iが設けられている。ピックアップローラ14iは、手差し給紙トレイ12bから記録シートPを1枚ずつシート搬送路Sに供給する呼び込みローラである。
【0166】
搬送ローラ14d及びレジスト前ローラ対14eは、記録シートPの搬送を促進補助するための小型のローラである。なお、図5では、簡略化のために、搬送ローラ14dを1個だけ示したが、実際には、搬送ローラ14dは、シート搬送路Sに沿って複数箇所に設けられている。
【0167】
レジスト前ローラ対14eは、レジストローラ対14fよりも搬送方向上流側の直近の位置に設けられており、記録シートPをレジストローラ対14fへと搬送する。レジストローラ対14fは、レジスト前ローラ対14eから搬送されてきた記録シートPを一旦停止させて、記録シートPの先端を揃え、中間転写ベルト9eと転写ローラ10aとの間のニップ域で中間転写ベルト9e上のカラーのトナー像が記録シートPに転写されるように、中間転写ベルト9eの回転にあわせて、記録シートPをタイミングよく搬送する。
【0168】
例えば、レジストローラ対14fは、中間転写ベルト9eと転写ローラ10aとの間のニップ域で中間転写ベルト9e上のカラーのトナ一像の先端が記録シートPにおける画像形成範囲の先端に合うように、記録シートPを搬送する。
【0169】
トナー像が転写された記録シートPは、ヒートローラ11a及び加圧ローラ11bにより、トナー像が記録シートPに定着されながら搬送される。各色のトナー像が定着された記録シートPは、排出ローラ14gによって排出トレイ13又は中継搬送ユニット15に排出される。中継搬送ユニット15に排出された記録シートPは、搬送ローラ15a,15b,15cにより第1中継ユニット50へ搬送される。
【0170】
本第1実施形態では、画像形成を行うときの記録シートPの搬送速度(以下、プロセス速度という。)は、具体的には、330mm/sとされている。記録シートPの搬送方向Xにおける上流側端(後端)が定着装置11を通過した後(具体的には、定着ニップ部よりも搬送方向Xにおける下流側近傍に設けられた図示しない検知センサによる記録シートPの後端検知後)の記録シートPの搬送速度(以下、単に搬送速度という。)は、プロセス速度よりも速い速度であり、具体的には、627mm/sとされている。すなわち、画像形成装置100は、定着装置11を通過した後の記録シートPが中継搬送ユニット15、第1主搬送路51、第2主搬送路71及び排出ユニット90において627mm/sで搬送されるようになっている。
【0171】
なお、4つの画像形成ステーションのうち少なくとも一つを用いて、モノクロ画像を形成し、モノクロ画像を中間転写ベルト装置9の中間転写ベルト9eに転写することも可能である。このモノクロ画像も、カラー画像と同様に、中間転写ベルト9eから記録シートPに転写され、記録シートP上に定着される。
【0172】
また、記録シートPの表(オモテ)面だけではなく、両面の画像形成を行う場合は、記録シートPの表面の画像を定着装置11により定着した後に、記録シートPをシート搬送路Sの排出ローラ14gにより搬送する途中で、排出ローラ14gを停止させてから逆回転させ、搬送ローラ14hにより記録シートPを表裏反転経路Srに通して、記録シートPの表裏を反転させてから、記録シートPを再びレジストローラ対14fへと導き、記録シートPの表面と同様に、記録シートPの裏面にトナー像を転写して定着し、記録シートPを排出トレイ13または中継搬送ユニット15に排出する。
【0173】
画像形成装置本体1は、通常の画像形成が行われる場合に、画像読取装置2により読み取られた画像を画像形成部3により記録シートPに形成する。そして、通常の画像が形成された記録シートP(通常の記録シート)が中継搬送ユニット15を介して第1中継ユニット50へ供給される。
【0174】
また、画像形成装置本体1は、校正処理が行われる場合に、画像形成部3によりテストパターン41(図8参照)を記録シートPに形成する。そして、テストパターン41が形成された記録シートP(校正記録シート40)が中継搬送ユニット15を介して第1中継ユニット50へ供給される。
【0175】
(コーティング部について)
次に、画像形成された記録シートP上に透明樹脂材料F2(後述する図6(a)参照)を被着させるコーティング部60(60a,60b)について以下に説明する。
【0176】
図6は、図1及び図2に示す一対のコーティング部60a,60bを説明するための図であって、図6(a)は、一対のコーティング部60a,60bに設けられるコーティング用フィルムFの概略構成を示す断面図であり、図6(b)は、一対のコーティング部60a,60bの概略構成を示す正面図である。なお、一方のコーティング部60a及び他方のコーティング部60bは、搬送方向Xに(具体的には上下に)反転させた構成である以外は、実質的に同一の構成とされているため、図6(b)では、一方のコーティング部60aの構成に代表させて示している。
【0177】
コーティング部60(60a,60b)は、ここでは、画像形成された記録シートP上に透明樹脂材料F2を被着させる処理を行う構成とされており、従来の熱転写プリンタと同様の構成で記録シートP上に透明樹脂材料F2を被着させるようになっている(図6(a)参照)。
【0178】
透明樹脂材料F2は、図6(a)に示すように、フィルム基材F1上に積層された離型層Faと、離型層Fa上に積層されたコーティング層Fbと、コーティング層Fb上に積層された接着層Fcとからなっている。フィルム基材F1は、所定厚さ(具体的には4.5μm)のPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂からなる透明の層である。離型層Faは、アクリル樹脂からなる透明の層であり、フィルム基材F1とコーティング層Fbとを離型させる機能を有している。コーティング層Fbは、所定厚さ(具体的には0.5μm)のスチレン樹脂からなる透明の層であり、コーティングの主材料とされている。接着層Fcは、所定厚さ(具体的には0.4μm〜0.6μm)のポリアミド樹脂(ここでは溶着温度120℃の樹脂材料)からなる透明の層であり、コーティングの際に記録シートSとコーティング層Fbとを接着させる機能を有している。
【0179】
図6(b)に示すように、コーティング部60(60a,60b)は、カートリッジ収容部61と、カートリッジ駆動部62と、ヘッド部63と、ヘッド駆動部64と、搬送部65とを備えている。
【0180】
カートリッジ収容部61は、フィルムカートリッジ66を着脱自在に収容する構成とされている。例えば、カートリッジ収容部61は、ユーザ等の操作者によってフィルムカートリッジ66を簡単に装着及び離脱することができるようになっている。
【0181】
フィルムカートリッジ66は、巻き付けリール66aと、巻き取りリール66bと、カートリッジケース66cとを有している。
【0182】
巻き付けリール66aは、フィルム基材F1の上に透明樹脂材料F2を被着したコーティング用フィルムFが巻き付けられた構成とされている。巻き取りリール66bは、巻き付けリール66aに巻き付けられたコーティング用フィルムFにおける透明樹脂材料F2がコーティング搬送路52b,53bに搬送される記録シートPに転写された後のフィルム基材F1を巻き取る構成とされている。カートリッジケース66cは、巻き付けリール66a及び巻き取りリール66bを収容する構成とされている。なお、コーティング用フィルムFの幅方向におけるサイズは、最大サイズの記録シートPの幅方向におけるサイズよりも大きいサイズとされている。
【0183】
カートリッジ駆動部62は、巻き付けリール66aに巻き付けられたコーティング用フィルムFを搬送方向Xに移動するように透明樹脂材料F2の転写後のフィルム基材F1を巻き取る巻き取りリール66bを一定の回転方向(図6(b)中矢印E方向)に回転駆動する構成とされている。
【0184】
詳しくは、カートリッジ駆動部62は、駆動回転部621と、従動回転部622とを備えている。駆動回転部621は、駆動回転軸621aを有し、駆動回転軸621aが巻き取りリール66bに係合して巻き取りリール66bを回転方向Eに回転駆動するようになっている。従動回転部622は、従動回転軸622aを有し、従動回転軸622aが巻き付けリール66aに係合して巻き取りリール66bの回転に対し回転し過ぎないように巻き付けリール66aの回転方向Eへの回転に対し負荷(予め設定した一定の負荷)をかけるようになっている
なお、駆動回転部621は、制御部200(図10参照)に電気的に接続されており、制御部200からの指示信号によって、巻き取りリール66bを回転させるようになっている。
【0185】
ヘッド部63は、コーティング搬送路52b,53bに搬送される記録シートPの画像形成面に対して接触する接触位置と、少なくとも前記接触位置から離間する退避位置との間で往復移動自在とされ、前記接触位置に位置しているときにコーティング用フィルムFに対してフィルム基材F1の方から加熱する構成とされている。なお、ヘッド部63の幅方向におけるサイズは、コーティング用フィルムFの幅方向におけるサイズよりも大きいか或いは等しいサイズとされている。
【0186】
詳しくは、ヘッド部63は、加熱ヒータ部631と、ヒータ支持部632とを有している。
【0187】
加熱ヒータ部631は、コーティング用フィルムFに対してフィルム基材F1の方から加熱する電熱ヒータ631a(図10参照)を含んでいる。ヒータ支持部632は、加熱ヒータ部631を支持し、前記接触位置と前記退避位置との間で移動自在に摺動するスライド機構632aを含んでいる。
【0188】
なお、加熱ヒータ631aは、制御部200(図10参照)に接続されており、制御部200からの指示信号によって、通電されることで発熱するようになっている。
【0189】
ヘッド駆動部64は、押圧部材641と、付勢部材642と、カム機構643と、カム駆動部644とを含んでいる。
【0190】
押圧部材641は、コーティング搬送路52b,53b上においてヘッド部63とは反対側の加熱ヒータ部631に対応する位置に配設されている。押圧部材641は、ここでは押圧ローラとされており、コーティング搬送路52b,53bに搬送されて加熱ヒータ部631との間に挟持される記録シートPの搬送方向Xの搬送に伴って従動回転するようになっている。付勢部材642は、ヒータ支持部632を前記接触位置(押圧部材641)の方に付勢するようになっている。付勢部材642は、ここでは巻きバネとされており、一端がヒータ支持部632に接続され、かつ、他端がコーティング部60(60a,60b)の本体フレームFLに接続されている。カム機構643は、カム部643aを有し、カム部643aの回転によって付勢部材642にて前記接触位置の方に付勢されたヒータ支持部632を付勢部材642の付勢力に抗して前記退避位置に移動させるようになっている。カム駆動部644は、カム機構643におけるカム部643aを回転駆動するようになっている。
【0191】
なお、カム駆動部644は、制御部200(図10参照)に電気的に接続されており、制御部200からの指示信号によって、カム部643aを回転させるようになっている。
【0192】
搬送部65は、コーティング搬送ローラ対651と、重合部材652と、圧着部材653とを含んでいる。
【0193】
コーティング搬送ローラ対651は、コーティング搬送路52b,53b上において押圧部材641よりも搬送方向Xにおける上流側に配設されており、コーティング処理される前の記録シートPを搬送するようになっている。重合部材652は、コーティング搬送路52b,53b上のコーティング搬送ローラ対651と押圧部材641との間においてフィルムカートリッジ66に配設されている。重合部材652は、コーティング用フィルムFの透明樹脂材料F2被着面と記録シートPの画像形成面とを重合させる重合ローラとされている。圧着部材653は、コーティング搬送路52b,53b上において押圧部材641よりも搬送方向Xにおける下流側に配設されており、加熱ヒータ部631によって透明樹脂材料F2を被着した記録シートPを両側から挟持するようになっている。これにより、記録シートPに被着した透明樹脂材料F2を記録シートPに密着させることができる。圧着部材653は、ここでは、押さえローラ対とされている。圧着部材653が押さえローラ対とされている場合、記録シートPに被着した透明樹脂材料F2を記録シートPに密着させる密着機能に加えて、記録シートPを搬送する搬送機能も兼ねている。
【0194】
本第1実施形態では、コーティング処理を行うときの記録シートPの搬送速度(以下、コーティング処理速度ということがある。)は、記録シートPのプロセス速度(具体的には330mm/s)と同じ速度或いはそれ以下の速度とされる。
【0195】
以上説明したコーティング部60(60a,60b)では、コーティング搬送ローラ対651にてコーティング搬送路52b,53bに搬送された記録シートPは、巻き付けリール65aからのコーティング用フィルムFに重合部材652によって重合され、押圧部材641へ移行する。このとき、ヘッド部63では、加熱ヒータ部631がヘッド駆動部64によって前記接触位置に配置されており、発熱状態となっている。ヘッド部63に到達した記録シートPは、加熱ヒータ部631によってコーティング用フィルムFをフィルム基材F1の方から押圧部材641へ押しつけられ、押圧部材641と加熱ヒータ部631との間でコーティング用フィルムF上の透明樹脂材料F2が被着(転写)される。透明樹脂材料F2が被着された記録シートPは、さらに圧着部材653に移行し、ここで透明樹脂材料F2が記録シートPに密着される。
【0196】
なお、本第1実施形態では、記録シートP上に透明樹脂材料F2を被着させるようにしたが、図5に示す画像形成部3の一画像形成ステーションのような構成として、透明トナーを被着させるようにしてもよい。
【0197】
(コーティング部の着脱構成について)
本第1実施形態では、第1中継ユニット50において、一対のコーティング部60a,60bのうち少なくとも記録シートPの裏面に対してコーティング処理を行う他方のコーティング部60bは、第1中継ユニット50本体に対して着脱可能な構造とされている。
【0198】
図7は、一対のコーティング部60a,60bの双方が第1中継ユニット50本体に対して着脱する構成を模式的に表した概略斜視図である。
【0199】
図7に示すように、第1中継ユニット50は、格納部591と、スライド部592とを備えている。
【0200】
格納部591は、一対のコーティング部60a,60bを格納する構成とされており、一方のコーティング部60aを格納する第1格納室591aと、他方のコーティング部60bを格納する第2格納室591bとを有している。第1格納室591aは、一方のコーティング部60aを格納して保持する(具体的にはビスで取り付ける)ようになっている。第2格納室591bは、他方のコーティング部60bを格納して保持する(具体的にはビスで取り付ける)ようになっている。
【0201】
スライド部592は、格納部591を搬送方向Xと直交する校正記録シート40の幅方向Wに往復移動自在とされており、格納部591を一方のコーティング部60a側で支持する第1スライド機構592aと、格納部591を他方のコーティング部60b側で支持する第2スライド機構592bとを有している。第1スライド機構592aは、幅方向Wに摺動する一対のスライド部材を有し、一方のスライド部材が第1中継ユニット50における枠体50Fの一方のコーティング部60a側に取り付けられ、かつ、他方のスライド部材が格納部591の一方のコーティング部60a側に取り付けられている。第2スライド機構592bは、幅方向Wに摺動する一対のスライド部材を有し、一方のスライド部材が第1中継ユニット50における枠体50Fの他方のコーティング部60b側に取り付けられ、かつ、他方のスライド部材が格納部591の他方のコーティング部60b側に取り付けられている。
【0202】
(読取部について)
次に、画像形成部3で形成する画像に対する校正処理を行うにあたり、第3副搬送路72に搬送される校正記録シート40におけるテストパターン41を読み取る読取部80について以下に説明する。
【0203】
図8は、図5に示す画像形成装置本体1にて形成された校正記録シート40の一例を示す平面図である。
【0204】
画像形成装置100は、画像形成装置本体1において、校正処理モード時(画像形成時の出力の校正処理が行われる場合)に、画像形成部3によりテストパターン41を記録シートPに形成し、校正記録シート40を、中継搬送ユニット15を介して第1中継ユニット50へ供給する。
【0205】
ここで、校正記録シート40に形成されたテストパターン41は、階調が段階的に変化するように所定の間隔で形成されたブラック(K)の画像41aと、階調が段階的に変化するように所定の間隔で形成されたシアン(C)の画像41bと、階調が段階的に変化するように所定の間隔で形成されたマゼンタ(M)の画像41cと、階調が段階的に変化するように所定の間隔で形成されたイエロー(Y)の画像41dとにより構成されている。なお、画像41a〜画像41dは、例えば、1辺が2mmの正方形状とすることができる。
【0206】
その後、画像形成装置100は、画像形成装置本体1において、第1中継ユニット50における読取部80から受信した読取結果に基づいて、画像形成時の出力の校正(画質調整)を行う。なお、画質調整とは、印刷画質濃度の変化や色調の変化と言った出力画像の画質変化等を調整することをいう。具体的には、画像調整とは、画像形成装置本体1の指令値に対して、記録シートPに実際に形成された画像(出力)が異なっている場合に、所望の画像が得られるように指令値を補正することをいう。例えば、画像形成装置本体1が所定の階調の画像を形成しようとした際に、所定の階調よりも濃い画像が形成された場合には、その後、画像形成装置本体1は、所定の階調の画像を形成しようとする際に、出力を小さくすることにより、所定の階調の画像が形成されるようにする。
【0207】
図9は、図1に示す画像形成装置100における第2中継ユニット70の読取部80部分を中心に示す概略斜視図である。なお、図9において、各搬送路や各搬送ローラ対等については図示を省略している。
【0208】
読取部80は、校正記録シート40を読み取る読取センサ部81を備えている。読取センサ部81は、例えば、測色器とされ、校正記録シート40に形成されたテストパターン41を読み取るように構成されている。例えば、読取センサ部81による読取結果(測色結果)は、L*a*b*色空間での座標値とすることができる。
【0209】
なお、読取センサ部81は、制御部200(図10参照)に電気的に接続されており、制御部200からの指示信号によって、校正記録シート40のテストパターン41を読み取るようになっている。
【0210】
読取部80は、搬送方向Xに沿った直線状だけでなく、搬送方向X及び幅方向Wに沿った平面状にテストパターン41が形成されている場合にも、読取センサ部81により校正記録シート40のテストパターン41を読み取ることができるように、校正記録シート40の幅方向Wに沿って往復移動可能とされている。
【0211】
具体的には、読取部80は、さらに、読取センサ部81を幅方向Wに沿って移動させるベルト82と、ベルト82が架けられた一対のプーリ83,83と、枠体70Fの一方側で構成される一方の面に設けられたシャーシ84とを有している。
【0212】
ベルト82は、幅方向Wにおいて対向配置される一対のプーリ83,83に架け渡されている。プーリ82は、シャーシ84に取り付けられている。
【0213】
読取部80は、さらに、一対の側板85,85と、上流側搬送ローラ対86と、下流側搬送ローラ対87とを備えている。
【0214】
一対の側板85,85は、枠体70Fの一方側と対向する他方側で構成される他方の面に設けられている。上流側搬送ローラ対86及び下流側搬送ローラ対87は、一対の側板85,85の間に設けられている。上流側搬送ローラ対86は、一対の側板85,85において読取センサ部81による読取位置よりも搬送方向Xの上流側に設けられている。下流側搬送ローラ対87は、一対の側板85,85において読取センサ部81による読取位置よりも搬送方向Xの下流側に設けられている。これにより、読取搬送路72bを搬送される校正記録シート40のテストパターン41が読み取られる際に、校正記録シート40の位置を固定しやすくすることができる。
【0215】
スタッカーユニット75aに備えられる収容容器751は、読取部80の下方に配置され、枠体70Fの下端部に設けられている。収容容器751は、上面が開口した箱体である。収容容器751は、読取搬送路72bの端部に設けられている。これにより、利用者にとって不要な校正記録シート40が排出部95(図1参照)に排出されることを防止することができる。
【0216】
また、収容容器751は、スタッカーユニット75a本体に対して着脱可能に(具体的には幅方向Wに移動自在に)装着されている。枠体70Fの正面側には、スタッカーユニット75aと対応する領域に開閉可能な扉(図示省略)が設けられている。これにより、収容容器751をスタッカーユニット75a本体から取り外して、収容容器751に収納された校正記録シート40を簡単に廃棄することができる。従って、校正記録シート40を廃棄する作業性の容易化を実現することができる。
【0217】
なお、本第1実施形態では、読取部80は校正記録シート40を停止状態にしてテストパターン41を読み取り、読取センサ部81がテストパターン41を読み取っているとき以外の校正記録シート40の搬送速度(以下、読取処理速度ということがある。)は、記録シートPのプロセス速度(具体的には330mm/s)と同じ速度とされる。
【0218】
(カール矯正部について)
次に、カール矯正部110について説明するが、第1中継ユニット50に設けられたカール矯正部110と、第2中継ユニット70に設けられたカール矯正部110とは同一構成のものであるため、ここでは、図9に示す第2中継ユニット70に設けられたカール矯正部110を参照しながら説明する。
【0219】
カール矯正部110は、記録シートPの搬送方向Xに湾曲したカールを矯正する機能を有する。また、カール矯正部110は、第1ローラ(具体的にはシャフト111)と、シャフト111の直径よりも大きな直径を有する第2ローラ(具体的にはローラ112)とを備えている。
【0220】
シャフト111は、例えば、ステンレスなどの金属製のシャフトとされている。ローラ112は、シャフト111に対向配置されるシリコンスポンジ製のローラとされている。
【0221】
具体的には、シャフト111は、8mmの直径を有し、ローラ112は、第1シャフト111の直径の3倍程度(25mm)の直径を有している。カール矯正部110は、シャフト111及びローラ112が互いに押圧された状態で、シャフト111及びローラ1125の間を記録シートPが通されることにより、記録シートPの搬送方向Xに湾曲したカールを矯正するように構成されている。
【0222】
このように、第1及び第2中継ユニット50,70にカール規制部材110を備えることにより、第1中継ユニット50では、カール規制部材110にてカールが矯正された記録シートPがコーティング部60に供給されるので、コーティング部60によるコーティング処理を安定的に行うことができる。また、第2中継ユニット70では、カール規制部材110にてカールが矯正された校正記録シート40が読取部80に供給されるので、読取部80の読取精度の低下を抑制することができる。
【0223】
(記録シートの搬送制御について)
図10は、図1に示す画像形成装置100の搬送制御系を中心に示すブロック図である。
【0224】
図10に示すように、画像形成装置100は、さらに、制御部200を備えている。制御部200は、CPU(Central Processing Unit)等の処理部201と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを含む記憶部202とを備えている。詳しくは、画像形成装置100は、制御部200の処理部201が記憶部202のROMに予め格納された制御プログラムを記憶部202のRAM上にロードして実行することにより、各種構成要素を制御するようになっている。
【0225】
画像形成装置100における第1中継ユニット50は、さらに、第1駆動部501を備えている。
【0226】
第1駆動部501は、主搬送ローラ対56a〜56dを駆動する駆動部(具体的には駆動モータ)である。第1駆動部501は、制御部200に電気的に接続されており、制御部200からの指示信号によって、主搬送ローラ対56a〜56dを回転させ、記録シートPを搬送速度(具体的には627mm/s)で搬送するようになっている。
【0227】
そして、制御部200は、一方のコーティング部60aによるコーティング処理の少なくとも処理中は、第1主搬送路51上を搬送される記録シートPの搬送速度(具体的には627mm/s)よりも第1副搬送路52上を搬送される記録シートPの搬送速度を小さくさせる構成とされている。
【0228】
詳しくは、画像形成装置100における第1中継ユニット50は、さらに、第2駆動部502を備えている。
【0229】
第2駆動部502は、副搬送ローラ対58a,58b、カール矯正部110及び一方のコーティング用レジストローラ対57aを駆動する駆動部(具体的には駆動モータ)である。第2駆動部502は、制御部200に電気的に接続されている。第2駆動部502は、制御部200からの指示信号によって、副搬送ローラ対58a,58b及びカール矯正部110を回転させ、記録シートPを搬送速度から減速させて一方のコーティング用レジストローラ対57aで一旦停止させた後、一方のコーティング用レジストローラ対57aを回転させると共に、再度、副搬送ローラ対58a,58b及びカール矯正部110を回転させ、記録シートPをコーティング処理速度(具体的には330mm/s或いはそれ以下の速度)で搬送するようになっている。
【0230】
具体的には、制御部200は、第1副搬送路52に搬送される記録シートPの先端が一方のコーティング部60aに至るまでに記録シートPを減速させてコーティング処理速度(具体的には330mm/s或いはそれ以下の速度)にするようになっている。より具体的には、制御部200は、第1副搬送路52に搬送される記録シートPの先端が一方のコーティング用レジストローラ対57aに至るまでに記録シートPを減速させ、記録シートPの先端が一方のコーティング用レジストローラ対57aに当接後に記録シートPを一旦停止し、再度搬送して一方のコーティング部60aにてコーティング処理速度でコーティング処理するようになっている。
【0231】
本第1実施形態では、制御部200は、コーティング処理を行うにあたって、第1主搬送路51において第1分岐部51aよりも搬送方向Xにおける上流側でかつ第1分岐部51aの直近の位置に設けられた主搬送ローラ対56aにて搬送される記録シートPの後端が主搬送ローラ対56aを通過した後に、第1副搬送路52上を搬送される記録シートPの搬送速度を小さくさせるようになっている。
【0232】
なお、記録シートPの後端が主搬送ローラ対56aを通過したか否かの検知は、主搬送ローラ対56aの近傍(具体的には、主搬送ローラ対56aの搬送方向Xにおける下流側の近傍)に設けられた反射型光センサ等の第1シート検知センサ211(図2では図示せず、図10参照)によって検知することができる。第1シート検知センサ211は、制御部200の入力系に電気的に接続され、制御部200に検知信号を送ることができる。
【0233】
本第1実施形態では、一方のコーティング部60aは、第1分岐部51aよりも搬送方向Xにおける上流側でかつ第1分岐部51aの直近の位置に設けられた搬送ローラ対58aのニップ位置と、記録シートPにコーティング処理を行うコーティング処理部との間の搬送経路の距離が、最大サイズ(例えば、センチ仕様ではA3サイズ、インチ仕様ではダブルレター(WLT)サイズ)の記録シートPを搬送する最大搬送長さよりも長くなるように設けられている。具体的には、一方のコーティング部60aのコーティング処理部に対応する部材の位置は、一方のコーティング部60aよりも搬送方向Xにおける上流側の直近の位置に備えられた搬送ローラ対(ここでは一方のコーティング用レジストローラ対57aのニップ位置)とされている。
【0234】
画像形成装置100における第1中継ユニット50は、さらに、第3駆動部503を備えている。
【0235】
第3駆動部503は、一方のコーティング部60aにおける搬送部65(図6(b)参照)を駆動する駆動部(具体的には駆動モータ)である。第3駆動部503は、制御部200に電気的に接続されており、制御部200からの指示信号によって、搬送部65を回転させ、記録シートPをコーティング処理速度で(具体的には330mm/s或いはそれ以下の速度)搬送するようになっている。
【0236】
画像形成装置100における第1中継ユニット50は、さらに、第4及び第5駆動部504,505を備えている。
【0237】
第4駆動部504は、副搬送ローラ対58c〜58e、他方のコーティング用レジストローラ対57bを駆動する駆動部(具体的には駆動モータ)である。第4駆動部504は、制御部200に電気的に接続されており、制御部200からの指示信号によって、副搬送ローラ対58c〜58eを回転させ、記録シートPをコーティング処理速度(具体的には330mm/s或いはそれ以下の速度)から減速させて他方のコーティング用レジストローラ対57bで一旦停止させた後、他方のコーティング用レジストローラ対57bを回転させると共に、再度、副搬送ローラ対58c〜58eを回転させ、記録シートPをコーティング処理速度で搬送するようになっている。
【0238】
具体的には、制御部200は、第2副搬送路53にコーティング処理速度(具体的には330mm/s或いはそれ以下の速度)で搬送される記録シートPの先端が他方のコーティング用レジストローラ対57bに当接後に記録シートPを一旦停止し、再度搬送して他方のコーティング部60bにてコーティング処理速度でコーティング処理するようになっている。
【0239】
第5駆動部505は、他方のコーティング部60bにおける搬送部65(図6(b)参照)を駆動する駆動部(具体的には駆動モータ)である。第5駆動部505は、制御部200に電気的に接続されており、制御部200からの指示信号によって、搬送部65を回転させ、記録シートPをコーティング処理速度(具体的には330mm/s或いはそれ以下の速度)で搬送するようになっている。
【0240】
本第1実施形態では、一対のコーティング部60a,60bは、記録シートPにコーティング処理を行うコーティング処理部間の搬送経路の距離が、最大サイズ(例えば、センチ仕様ではA3サイズ、インチ仕様ではダブルレター(WLT)サイズ)の記録シートPを搬送する最大搬送長さよりも長くなるように設けられている。具体的には、一方のコーティング部60aのコーティング処理部に対応する部材の位置は、圧着部材653のニップ位置とされ、他方のコーティング部60bのコーティング処理部に対応する部材の位置は、他方のコーティング部60bよりも搬送方向Xにおける上流側の直近の位置に備えられた搬送ローラ対(ここでは他方のコーティング用レジストローラ対57bのニップ位置)とされている。
【0241】
本第1実施形態では、制御部200は、他方のコーティング部60bによるコーティング処理終了後は、第2副搬送路53上を搬送される記録シートPの搬送速度(具体的には330mm/s或いはそれ以下の速度)を、第1主搬送路51上を搬送される記録シートPの搬送速度(具体的には627mm/s)に戻す構成とされている。
【0242】
詳しくは、画像形成装置100における第1中継ユニット50は、さらに、第6駆動部506を備えている。
【0243】
第6駆動部506は、副搬送ローラ対58f〜58iを駆動する駆動部(具体的には駆動モータ)である。第6駆動部506は、制御部200に電気的に接続されており、制御部200からの指示信号によって、副搬送ローラ対58f〜58iを回転させ、記録シートPをコーティング処理速度(具体的には330mm/s或いはそれ以下の速度)から加速させて記録シートPの先端が第1主搬送路51に到達するまでに搬送速度(具体的には627mm/s)で搬送するようになっている。
【0244】
本第1実施形態では、制御部200は、第2副搬送路53上を搬送される記録シートPを第1主搬送路51に戻すにあたって、第2副搬送路53において記録シートPの後端がコーティング処理部(具体的には圧着部材653)を通過した後に、第2副搬送路53上を搬送される記録シートPの搬送速度(具体的には330mm/s或いはそれ以下の速度)を、第1主搬送路51上を搬送される記録シートPの搬送速度(具体的には627mm/s)に戻すようになっている。詳しくは、制御部200は、第2副搬送路53に搬送される記録シートPの先端が第1主搬送路51に至るまでに記録シートPを搬送速度(具体的には627mm/s)に加速させるようになっている。
【0245】
なお、記録シートPの後端がコーティング処理部(具体的には圧着部材653)を通過したか否かの検知は、圧着部材653の近傍(具体的には圧着部材653の搬送方向Xにおける下流側の近傍)に設けられた反射型光センサ等の第2シート検知センサ212(図2及び図6(b)では図示せず、図10参照)によって検知することができる。第2シート検知センサ212は、制御部200の入力系に電気的に接続され、制御部200に検知信号を送ることができる。
【0246】
なお、第1中継ユニット50において、第1から第6駆動部501〜506とそれによって駆動される各ローラ対との間に設けられた駆動伝達系(図示省略)には電磁クラッチ(図示省略)が設けられている。
【0247】
また、画像形成装置100における第2中継ユニット70は、さらに、第1駆動部701を備えている。
【0248】
第1駆動部701は、主搬送ローラ対76a〜76dを駆動する駆動部(具体的には駆動モータ)である。第1駆動部701は、制御部200に電気的に接続されており、制御部200からの指示信号によって、主搬送ローラ対76a〜76dを回転させ、校正記録シート40を搬送速度(具体的には627mm/s)で搬送するようになっている。
【0249】
本第1実施形態では、制御部200は、読取部80により少なくとも校正記録シート40のテストパターン41を読み取っている間は、第2主搬送路71上を搬送される記録シートPの搬送速度(具体的には627mm/s)よりも第3副搬送路72上を搬送される校正記録シート40の搬送速度を小さくさせる構成とされている。
【0250】
詳しくは、画像形成装置100における第2中継ユニット70は、さらに、第2駆動部702を備えている。
【0251】
第2駆動部702は、副搬送ローラ対78a,78b、カール矯正部110及び読取用レジストローラ対77を駆動する駆動部(具体的には駆動モータ)である。第2駆動部702は、制御部200に電気的に接続されている。第2駆動部702は、制御部200からの指示信号によって、副搬送ローラ対78a,78b及びカール矯正部110を回転させ、校正記録シート40を搬送速度(具体的には627mm/s)から減速させて読取用レジストローラ対77で一旦停止させた後、読取用レジストローラ対77を回転させると共に、再度、副搬送ローラ対78a,78b及びカール矯正部110を回転させ、記録シートPを読取処理速度(具体的には330mm/sと停止との繰り返し)で搬送するようになっている。
【0252】
具体的には、制御部200は、第3副搬送路72に搬送される校正記録シート40の先端が読取部80に至るまでに校正記録シート40を減速させて読取処理速度(具体的には330mm/sと停止との繰り返し)にするようになっている。より具体的には、制御部200は、第3副搬送路72に搬送される校正記録シート40の先端が読取用レジストローラ対77に至るまでに校正記録シート40を減速させ、校正記録シート40の先端が読取用レジストローラ対77に当接後に校正記録シート40を一旦停止し、再度搬送して読取部80にて読取処理速度でテストパターン41を読み取るようになっている。
【0253】
本第1実施形態では、制御部200は、校正記録シート40のテストパターン41を読み取るにあたって、第2主搬送路71において第3副搬送路72との第2分岐部71aよりも搬送方向Xにおける上流側でかつ第2分岐部71aの直近の位置に設けられた主搬送ローラ対76aにて搬送される校正シート40の後端が主搬送ローラ対76aを通過した後に、第3副搬送路72上を搬送される校正記録シート40の搬送速度を小さくさせるようになっている。
【0254】
なお、校正記録シート40の後端が主搬送ローラ対76aを通過したか否かの検知は、主搬送ローラ対76aの近傍(具体的には、主搬送ローラ対76aの搬送方向Xにおける下流側の近傍)に設けられた反射型光センサ等の第3シート検知センサ213(図3及び図4では図示せず、図10参照)によって検知することができる。第3シート検知センサ213は、制御部200の入力系に電気的に接続され、制御部200に検知信号を送ることができる。
【0255】
本第1実施形態では、他方のコーティング部60b及び読取部80は、他方のコーティング部60bの記録シートPにコーティング処理を行うコーティング処理部と、読取部80のテストパターン41を読み取る読取処理部との間の搬送経路の距離が、最大サイズの記録シートPを搬送する最大搬送長さよりも長くなるように設けられている。具体的には、他方のコーティング部60bのコーティング処理部に対応する部材の位置は、圧着部材653のニップ位置とされ、読取部80の読取処理部に対応する部材の位置は、読取部80よりも搬送方向Xにおける上流側の直近の位置に備えられた搬送ローラ対(ここでは読取用レジストローラ対77のニップ位置)とされている。
【0256】
本第1実施形態では、第2中継ユニット70が第4副搬送路73及び搬送ユニット75bを備える場合には(図4参照)、制御部200は、読取部80による校正記録シート40のテストパターン41の読み取り終了後は、第4副搬送路73上を搬送される校正記録シート40の搬送速度(具体的には330mm/sと停止との繰り返し)を、第2主搬送路71上を搬送される記録シートPの搬送速度(具体的には627mm/s)に戻す構成とされている。
【0257】
詳しくは、第2中継ユニット70は、第4副搬送路73及び搬送ユニット75bを備える場合には(図4参照)、さらに、第3駆動部703を備えている。
【0258】
第3駆動部703は、副搬送ローラ対78c〜78mを駆動する駆動部(具体的には駆動モータ)である。第3駆動部703は、制御部200に電気的に接続されており、制御部200からの指示信号によって、副搬送ローラ対78c〜78mを回転させ、記録シートPを読取処理速度(具体的には330mm/sと停止との繰り返し)から加速させて校正記録シート40の先端が第2主搬送路71に到達するまでに搬送速度(具体的には627mm/s)で搬送するようになっている。
【0259】
本第1実施形態では、制御部200は、第4副搬送路73上を搬送される校正記録シート40を第2主搬送路71に戻すにあたって、第4副搬送路73において読取センサ部81よりも搬送方向Xにおける下流側でかつ読取センサ部81の直近の位置に設けられた下流側搬送ローラ対87にて搬送される校正記録シート40の後端が下流側搬送ローラ対87を通過した後に、第4副搬送路73上を搬送される校正記録シート40の搬送速度(具体的には330mm/sと停止との繰り返し)を、第2主搬送路71上を搬送される記録シートPの搬送速度(具体的には627mm/s)に戻すようになっている。詳しくは、制御部200は、第4副搬送路73に搬送される校正記録シート40の先端が第2主搬送路71に至るまでに記録シートPを搬送速度(具体的には627mm/s)に加速させるようになっている。
【0260】
なお、校正記録シート40の後端が下流側搬送ローラ対87を通過したか否かの検知は、下流側搬送ローラ対87の近傍(具体的には、下流側搬送ローラ対87の搬送方向の搬送方向Xにおける下流側の近傍)に設けられた反射型光センサ等の第4シート検知センサ214(図4及び図9では図示せず、図10参照)によって検知することができる。第4シート検知センサ214は、制御部200の入力系に電気的に接続され、制御部200に検知信号を送ることができる。
【0261】
なお、第2中継ユニット70において、第1から第3駆動部701〜703とそれによって駆動される各ローラ対との間に設けられた駆動伝達系(図示省略)には電磁クラッチ(図示省略)が設けられている。
【0262】
本第1実施形態では、画像形成装置100における排出ユニット90は、さらに、駆動部901を備えている。
【0263】
駆動部901は、主搬送ローラ対96a〜96c及び副搬送ローラ対98a,98bを駆動する駆動部(具体的には駆動モータ)である。駆動部901は、制御部200に電気的に接続されており、制御部200からの指示信号によって、主搬送ローラ対96a〜96c及び副搬送ローラ対98a,98bを回転させ、校正記録シート40を搬送速度(具体的には627mm/s)で搬送するようになっている。
【0264】
(第1実施形態について)
以上説明したように、第1実施形態に係る画像形成装置100によると、コーティング部60が第1及び第2副搬送路52,53に設けられているので、コーティング処理を行うときは、第1主搬送路51上を搬送される記録シートPを第1及び第2副搬送路52,53上に搬送させ、第1及び第2副搬送路52,53上を搬送される記録シートPに対してコーティング処理を行った後、記録シートPを第1主搬送路51に戻すことができる。従って、コーティング処理される記録シートPを第1及び第2副搬送路52,53上に搬送させる一方、コーティング処理を行わない記録シートPを第1主搬送路51上にそのまま搬送させることができる。これにより、本第1実施形態のように、コーティング処理を行う記録シートPの搬送速度(具体的には330mm/s或いはそれ以下の速度)がコーティング処理を行わない記録シートPの搬送速度(具体的には627mm/s)よりも遅くなっていても、コーティング処理を行わない記録シートPは、コーティング処理が終わるまで待たされることがなく、よって、コーティング処理を行わない記録シートPの搬送開始から画像形成を経て搬送が終了するまでの処理時間(スループット時間)の低下を効果的に防止することが可能となる。また、第1主搬送路51を最小限の長さに抑えることができ、それだけ、コーティング処理を行わない記録シートPの搬送に要する時間を短縮することができる。また、コーティング処理を行わない記録シートPの搬送とコーティング処理を行う記録シートPの搬送とを切り離すことができ、これにより、コーティング処理を行わない記録シートPの搬送速度に拘わらず、従って、コーティング処理を行わない記録シートPの搬送速度を維持したまま、コーティング処理を行う記録シートPを搬送させることができる。
【0265】
しかも、第1及び第2副搬送路52,53上を搬送される記録シートPに対してコーティング処理を行った後、記録シートPを第1主搬送路51に戻すことで、コーティング処理された記録シートPとコーティング処理を行わない記録シートPとを同一の搬送路上に搬送させることが可能となる。例えば、コーティング処理された記録シートPとコーティング処理を行わない記録シートPとを同一の第1排出トレイ95aに排出させることができる。具体的には、製本時に表紙となる記録シートPにだけにコーティング処理を行ったり、或いは、写真画像が形成された記録シートPだけにコーティング処理を行ったりするといった要求仕様にも対応することができる。つまり、コーティング処理されて第2副搬送路53を搬送される記録シートPを第1主搬送路51に合流させることができ、これにより、一ジョブにおける記録シートPのページを揃えることが可能となる。
【0266】
また、本第1実施形態では、第2及び第3副搬送路53,72が一旦第1及び第2主搬送路51,71へ戻り、再度分岐する構成とされていることで、第2副搬送路53上を搬送される記録シートPを一旦第1及び第2主搬送路51,71へ戻し、再度第3副搬送路72上に搬送させることができる。従って、第2及び第3副搬送路53,72上を搬送される記録シートPの搬送距離を長くすることができる。これにより、搬送距離に余裕を持たせた状態でコーティング部60によるコーティング処理及び読取部80による読取処理を行うことができる。なお、第2及び第3副搬送路53,72のうち、第2副搬送路53のみ、第3副搬送路72のみ、及び、両方の第2及び第3副搬送路53,72上を搬送される記録シートPの搬送距離は比較的長くなるが、コーティング処理及び校正処理のうち、コーティング処理のみ行う頻度、校正処理のみ行う頻度、及び、両方の処理を行う頻度は、一般的に、何れの処理も行わない頻度に比較して低いことから、通常は、コーティング処理及び校正処理の双方を行わない記録シートPの全体としての処理時間(スループット時間)への影響は少ない。
【0267】
また、本第1実施形態では、コーティング部60は、記録シートPの両面に対してコーティング処理を行うことで、記録シートPの何れか一方の面(表面)に対してコーティング処理を行う片面コーティング処理を行うだけでなく、記録シートPの両面に対してコーティング処理を行う両面コーティング処理を行う要求に応えることができる。この場合、例えば、片面コーティング処理を行う片面コーティングモードと両面コーティング処理を行う両面コーティングモードとを選択的に切り替える構成とされていてもよい。こうすることで、ユーザによる簡単な選択操作で、片面コーティング処理及び両面コーティング処理の何れか一方を行うことができる。また、一方の面(表面)を画像形成した記録シートを表裏が逆になるように反転させる反転搬送路を用いる場合、一方の面へコーティング処理を行った後、他方の面(裏面)へコーティング処理を行うために記録シートの反転搬送路への搬送が1回なされ、記録シートの面をコーティング前の状態に戻す場合には、記録シートの反転搬送路への搬送がさらに1回なされ、合計2回の搬送がなされるのに対して、本第1実施形態では、記録シートPに対して両面コーティング処理を行った後、記録シートPを反転させることなく、第1主搬送路51に戻すことができ、従って、記録シートPの第1及び第2副搬送路52,53への搬送が1回で済むので、記録シートPの全体としての搬送距離を短くすることができる。
【0268】
また、本第1実施形態では、コーティング部60が記録シートPの両面に対してコーティング処理をそれぞれ行う一対のコーティング部60a,60bとされていることで、一対のコーティング部60a,60bのうち、一方のコーティング部60aによって、記録シートPの表面に対してコーティング処理を行う一方、他方のコーティング部60bによって、記録シートPの裏面に対してコーティング処理を行うことができる。
【0269】
また、本第1実施形態では、一対のコーティング部60a,60bの双方が着脱可能な構造とされていることで、双方のコーティング部60a,60aを容易に取り付け及び取り外すことができ、コーティング部60a,60aの取り付け及び取り外し作業性を向上させることができる。特に、記録シートPの裏面に対してコーティング処理を行う他方のコーティング部60bが着脱可能な構造とされていることで、記録シートPの一方の表面に対してコーティング処理を行うか、或いは、記録シートPの両面に対してコーティング処理を行うかというユーザへの選択肢を与えるという観点から、記録シートPの裏面に対してコーティング処理を行う他方のコーティング部60bをオプションとして販売してもよい。このように、記録シートPの他方の裏面に対してコーティング処理を行う他方のコーティング部60bをオプションとして販売しても、オプションとされたコーティング部60bに対して取り付け及び取り外し作業性を向上させることが可能となる。
【0270】
また、本第1実施形態では、第1分岐部51aで分岐する第1副搬送路52と、第1副搬送路52に連通し、かつ、第1主搬送路51の第1分岐部51aよりも搬送方向Xにおける下流側の第1合流部51bで合流する第2副搬送路53とを備えていることで、第2副搬送路53上の記録シートPを第1主搬送路51の第1分岐部51aよりも搬送方向Xにおける下流側に戻すことができ、これにより、記録シートPの搬送距離、ひいては記録シートPの搬送に要する時間を短縮化することが可能となる。
【0271】
また、本第1実施形態では、一対のコーティング部60a,60bが第1及び第2副搬送路52,53にそれぞれ設けられていることで、第1副搬送路52上を搬送される記録シートPに対してコーティング処理を行い、かつ、第2副搬送路53上を搬送される記録シートPに対してコーティング処理を行うことができる。これにより、第1副搬送路52と第2副搬送路53とにより搬送距離に余裕を持たせた状態でコーティング処理を行うことが可能となる。例えば、一対のコーティング部60a,60bのうち、一方のコーティング部60aによって、第1副搬送路52上を搬送される記録シートPの表面に対してコーティング処理を行い、かつ、他方のコーティング部60bによって、第2副搬送路53上を搬送される記録シートPの裏面に対して前記コーティング処理を行うことができる。
【0272】
ところで、一対のコーティング部のうち、一方のコーティング部にてコーティング処理を行っているときに、他方のコーティング部にてコーティング処理を行うと、記録シートPに形成される被膜にシワ寄り等の不都合が発生することがあり、そうすると、コーティング性能の低下を招く。
【0273】
この点、本第1実施形態では、一対のコーティング部60a,60bがコーティング処理部(具体的には、一方のコーティング部60aでは圧着部材653のニップ位置、他方のコーティング部60bでは他方のレジストローラ対57bのニップ位置)の間隔を、最大サイズの記録シートPを搬送する最大搬送長さよりも間隔をあけて設けられていることで、一対のコーティング部60a,60bのうち、一方のコーティング部60aにてコーティング処理を行っているときに、他方のコーティング部60bにてコーティング処理を行わないようにすることができる。これにより、記録シートPに形成される被膜のシワ寄り等の不都合の発生を抑制でき、従って、一対のコーティング部60a,60bの双方にて同時期にコーティング処理を行うときのコーティング性能を維持することが可能となる。
【0274】
また、本第1実施形態では、一方のコーティング部60aが記録シートPにコーティング処理を行うコーティング処理部(具体的には、一方のレジストローラ対57aのニップ位置)と、第1分岐部51aよりも搬送方向Xにおける上流側でかつ第1分岐部51aの直近の位置に設けられた搬送ローラ対56aのニップ位置との間隔を、最大サイズの記録シートPを搬送する最大搬送長さよりも間隔をあけて設けられていることで、第1主搬送路51と第1及び第2副搬送路52,53とで搬送速度が異なっていても、第1主搬送路51の搬送速度を維持することが可能となる。
【0275】
ところで、記録シートに被膜を形成する場合(特に透明樹脂材料を被着する場合)、コーティング部にてコーティング処理を行うときに記録シートの搬送速度が高速になる程、記録シートに形成される被膜にムラや、つやの低下、シワ寄り等の不都合が発生し易くなってコーティング性能の低下を招く。
【0276】
この点、本第1実施形態では、コーティング処理の少なくとも処理中は、第1主搬送路51上を搬送される記録シートPの搬送速度(具体的には627mm/s)よりも第1副搬送路52上を搬送される記録シートPの搬送速度を小さくさせることで、記録シートPに形成される被膜のムラや、つやの低下、シワ寄り等の不都合の発生を抑制でき、これにより、コーティング性能の低下を抑制することができる。
【0277】
また、本第1実施形態では、第1主搬送路51において第1分岐部51aよりも搬送方向Xにおける上流側でかつ第1分岐部51aの直近の位置に設けられた搬送ローラ対56aを備え、コーティング処理を行うにあたって搬送ローラ対56aにて搬送される記録シートPの後端が搬送ローラ対56aを通過した後に、搬送速度(具体的には627mm/s)を小さくさせることで、第1主搬送路51上を搬送される記録シートPの搬送速度を低下させることなく、第1副搬送路52上を搬送される記録シートPの搬送速度を低下させることが可能となる。これにより、第1主搬送路51上を搬送される記録シートPの搬送速度を維持することが可能となり、従って、第1主搬送路51上を搬送される記録シートPの搬送速度の減速、停止、加速等の速度制御を行わなくても済む。例えば、一方のコーティング用レジスト対57aで記録シートPが停止した場合でも、第1主搬送路51上を搬送される次のコーティング処理を行わない記録シートPを停止させなくてもよいため、次のコーティング処理を行わない記録シートPが要する処理時間(スループット時間)の延長を回避することができる。
【0278】
また、本第1実施形態では、第1及び第2副搬送路52,53においてコーティング部60よりも搬送方向Xにおける上流側に設けられたカール矯正部110を備えていることで、コーティング部60にてコーティング処理を行う前に、カール矯正部110にて記録シートPのカールを矯正することができ、それだけ、コーティング部60にてコーティング処理を行うときのコーティング性能の低下を抑制することが可能となる。
【0279】
また、本第1実施形態では、コーティング処理は、画像形成された記録シートP上に透明樹脂材料F2を被着させる処理とされていることで、記録シートPに対して、比較的簡単な構成でかつ安価に被膜を形成することができる。
【0280】
一般的に、コーティング部は高価であることから、本第1実施形態では、コーティング部60が設けられた第1中継ユニット50が画像形成装置本体1に対して着脱可能とされている。この場合、第1中継ユニット50をオプションユニットとして販売することで、コーティング部60が必要なユーザのみにコーティング部60を提供することができ、コーティング部60が必要でないユーザに対して、できるだけ安価な価格で画像形成装置を提供することが可能となる。
【0281】
また、本第1実施形態では、第1中継ユニット50の枠体50Fは、画像形成装置本体1に加えて、第2中継ユニット70に対しても着脱可能とされており、第2中継ユニット70の枠体70Fは、第1中継ユニット50に加えて、画像形成装置本体1に対して着脱可能とされている。第1及び第2中継ユニット50,70の枠体50F,70Fと各搬送路(52a,52c,53a,53c),(72a,72c,73a,73c)とは、第1中継ユニット50においてコーティング部60(一対のコーティング部60a,60b)に代えて読取部80を設けることを許容し、かつ、第2処理ユニット70において読取部80に代えてコーティング部60(一対のコーティング部60a,60b)を設けることを許容する構成とされている。
【0282】
詳しくは、第1及び第2中継ユニット50,70が共通の枠体50F,70F及び共通の搬送路(52a,52c,53a,53c),(72a,72c,73a,73c)を備えている。
【0283】
図11は、第1及び第2中継ユニット50,70が共通の枠体50F,70F及び共通の搬送路(52a,52c,53a,53c),(72a,72c,73a,73c)を備えていることを示す概略正面図である。なお、図11において、枠体50F,70F及び各搬送路(52a,52c,53a,53c),(72a,72c,73a,73c)は、第1中継ユニット50と第2中継ユニット70とで共通の部材とされているので、一つの図で示している。
【0284】
具体的には、図11に示すように、枠体50F,70F及び各搬送路(52a,52c,53a,53c),(72a,72c,73a,73c)において、搬送路52a,72aと搬送路52c,72cとの間に一方のコーティング部60aを設け、搬送路53a,73aと搬送路53c,73cとの間に他方のコーティング部60bを設けることで、図2に示す第1中継ユニット50を構成することができる。また、枠体50F,70F及び各搬送路(52a,52c,53a,53c),(72a,72c,73a,73c)において、搬送路52c,72c、搬送路53a,73a及び搬送路53c,73cを除去し、搬送路723cを設けると共に、搬送路52a,72aと搬送路723cとの間に読取部80を設け、搬送路723cの下方に収容容器751を設けることで、図3に示す第2中継ユニット70を構成することができる。また、枠体50F,70F及び各搬送路(52a,52c,53a,53c),(72a,72c,73a,73c)において、搬送路52a,72aと搬送路52c,72cとの間に読取部80を設け、搬送路53a,73aと搬送路53c,73cとの間に搬送路52a,73aの直線搬送路部分(搬送ローラ対58b、カール矯正部110、一方のコーティング用レジストローラ対57aに対応する搬送路部分)を設けることで、図4に示す第2中継ユニット70を構成することができる。
【0285】
このように、第1及び第2中継ユニット50,70が共通の枠体50F,70F及び共通の搬送路(52a,52c,53a,53c),(72a,72c,73a,73c)を備えていることで、第1中継ユニット50に対してコーティング部60に代えて読取部80を取り付け、第2中継ユニット70に対して読取部80に代えてコーティング部60を取り付け、さらに、第2中継ユニット70を画像形成装置本体1に装着し、第1中継ユニット50を第2中継ユニット70に装着することができる。これにより、第1中継ユニット50及び第2中継ユニット70における大部分の構成部品を共通化することができ、材料費のコスト低減化を実現することが可能となる。
【0286】
[第2実施形態]
図12は、第2実施形態に係る画像形成装置100Aの処理ユニット部分を中心に示す概略正面図である。
【0287】
図12に示す第2実施形態に係る画像形成装置100Aは、第1実施形態に係る画像形成装置100において、第1及び第2中継ユニット50,70に代えて第2中継ユニット50に読取部80を備えた第1中継ユニット50Aの設けたものである。
【0288】
図13は、第2実施形態に係る画像形成装置100Aにおける第1中継ユニット50Aの概略構成を示す正面図である。
【0289】
図12及び図13に示す第1中継ユニット50Aは、図2に示す第1中継ユニット50において、下流側コーティング搬送路53cの副搬送ローラ対58g,58hに対応する搬送路部分に読取部80が設けられている。
【0290】
以上説明した第2実施形態に係る画像形成装置100Aについても、前記した第1実施形態に係る画像形成装置100と同様の利点がある。しかも、第2中継ユニット70を設けないことで、それだけ、校正記録シート40の搬送距離、ひいては搬送に要する時間を短くすることができる。さらに、コーティング部60(60a,60b)が第1及び第2副搬送路52,53のうち、両方の副搬送路52,53に設けられており、読取部80が第2副搬送路72に設けられていることで、画像形成装置100のコンパクト化を実現することができる。また、この場合、第1中継ユニット50をオプションユニットとして販売することで、ユーザは第1処理ユニット50を購入するだけで、コーティング部60に加えて読取部80を得ることができる。
【0291】
[第3実施形態]
図14は、第3実施形態に係る画像形成装置100Bの処理ユニット部分を中心に示す概略正面図である。
【0292】
図14に示す第3実施形態に係る画像形成装置100Bは、第1実施形態に係る画像形成装置100において、第2中継ユニット70を除去したものである。
【0293】
以上説明した第3実施形態に係る画像形成装置100Bについても、前記した第1実施形態に係る画像形成装置100と同様の利点がある。この場合、特に、中継ユニットにおいて、少なくとも校正処理を行わない場合に有利となる。
【0294】
[その他の実施形態]
前記した第1から第3実施形態では、中継ユニット(具体的には第1及び第2中継ユニット50,50A,70)は、画像形成装置本体1と排出ユニット90との間を中継する中継ユニットとしたが、画像形成装置本体1と、画像形成後に予め設定した後処理を行う後処理部(例えば、仕分け部、フィニッシャー部、ステイプラー部のうち少なくとも一つを含む後処理部)を備えた後処理ユニットとの間を中継する中継ユニットとしてもよい。
【0295】
また、前記した第1から第3実施形態では、処理ユニットを中継ユニットとしたが、処理ユニットを後処理ユニットとしてもよい。
【0296】
また、前記した第1から第3実施形態では、主搬送路及び副搬送路(具体的には第1及び第2主搬送路51,71並びに第1から第4副搬送路52,53,72,73)は、中継ユニット(具体的には第1及び第2中継ユニット50,50A,70)に設けたが、中継ユニットを画像形成装置本体と一体構造となるようにして、該画像形成装置本体に設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0297】
1 画像形成装置本体
3 画像形成部
40 校正記録シート
41 テストパターン
50 第1中継ユニット(処理ユニットの一例)
51 第1主搬送路(主搬送路の一例)
51a 第1分岐部
51b 第1合流部
52 第1副搬送路(副搬送路の一例)
53 第2副搬送路(副搬送路の一例)
57a 一方のコーティング用レジストローラ対
57b 他方のコーティング用レジストローラ対
58a〜58i 搬送ローラ対
60 コーティング部
60a 一方のコーティング部
60b 他方のコーティング部
70 第2中継ユニット(処理ユニットの一例)
71 第2主搬送路
71a 第2分岐部
71b 第2合流部
72 第3副搬送路
73 第4副搬送路
77 読取用レジストローラ対
78a〜78m 搬送ローラ対
80 読取部
87 下流側搬送ローラ対
91 第3主搬送路
100 第1実施形態に係る画像形成装置
100A 第2実施形態に係る画像形成装置
100B 第3実施形態に係る画像形成装置
110 カール矯正部
653 圧着部材
F1 フィルム基材
F2 透明樹脂材料
P 記録シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成された記録シートに対して被膜を形成するコーティング処理を行うコーティング部を備えた画像形成装置であって、
画像形成された前記記録シートを搬送する主搬送路と、
前記主搬送路上の分岐部で一旦分岐し、再度前記主搬送路に戻る副搬送路と
を備え、
前記コーティング部は、前記副搬送路に設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記コーティング部は、前記記録シートの両面に対して前記コーティング処理を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記副搬送路は、前記分岐部で分岐する第1副搬送路と、前記第1副搬送路に連通し、かつ、前記主搬送路の前記分岐部よりも前記記録シートの搬送方向における下流側の合流部で合流する第2副搬送路とを備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記コーティング部は、前記記録シートの両面に対して前記コーティング処理をそれぞれ行う一対のコーティング部とされていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置であって、
前記一対のコーティング部のうち少なくとも一方は、着脱可能な構造とされていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の画像形成装置であって、
前記副搬送路は、前記分岐部で分岐する第1副搬送路と、前記第1副搬送路に連通し、かつ、前記主搬送路の前記分岐部よりも前記記録シートの搬送方向における下流側の合流部で合流する第2副搬送路とを備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像形成装置であって、
前記一対のコーティング部は、前記第1及び第2副搬送路にそれぞれ設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項4から請求項7までの何れか1項に記載の画像形成装置であって、
前記一対のコーティング部は、前記記録シートに前記コーティング処理を行うコーティング処理部の間隔を、最大サイズの前記記録シートを搬送する最大搬送長さよりも間隔をあけて設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8までの何れか1項に記載の画像形成装置であって、
前記コーティング部は、前記記録シートに前記コーティング処理を行うコーティング処理部と、前記分岐部よりも前記搬送方向における上流側でかつ前記分岐部の直近の位置に設けられた搬送ローラ対との間隔を、最大サイズの前記記録シートを搬送する最大搬送長さよりも間隔をあけて設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9までの何れか1項に記載の画像形成装置であって、
前記コーティング処理の少なくとも処理中は、前記主搬送路上を搬送される前記記録シートの搬送速度よりも前記副搬送路上を搬送される前記記録シートの搬送速度を小さくさせることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項10に記載の画像形成装置であって、
前記コーティング処理を行うにあたって前記搬送速度を小さくさせるタイミングは、前記主搬送路において前記分岐部よりも前記搬送方向における上流側でかつ前記分岐部の直近の位置に設けられた搬送ローラ対にて搬送される前記記録シートの前記搬送方向における上流側端が前記搬送ローラ対を通過した後であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項1から請求項11までの何れか1項に記載の画像形成装置であって、
前記副搬送路において前記コーティング部よりも前記搬送方向における上流側に設けられて前記記録シートのカールを矯正するカール矯正部を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項1から請求項12までの何れか1項に記載の画像形成装置であって、
前記コーティング処理は、画像形成された前記記録シート上に、フィルム基材に設けた透明樹脂材料を熱により被着させる処理とされていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
請求項1から請求項13までの何れか1項に記載の画像形成装置であって、
前記記録シートに対して画像形成を行う画像形成装置本体に対して着脱可能とされた処理ユニットをさらに備え、
前記コーティング部、前記主搬送路及び前記副搬送路は、前記処理ユニットに設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
記録シートに対して画像形成を行う画像形成装置本体に対して着脱可能とされた処理ユニットであって、
前記画像形成装置本体にて画像形成された前記記録シートに対して被膜を形成するコーティング処理を行うコーティング部と、
前記画像形成装置本体にて画像形成された前記記録シートを搬送する主搬送路と、
前記主搬送路上の分岐部で一旦分岐し、再度前記主搬送路に戻る副搬送路と
を備え、
前記コーティング部は、前記副搬送路に設けられていることを特徴とする処理ユニット。
【請求項16】
画像形成された記録シートに対して被膜を形成するコーティング処理を行う画像形成方法であって、
前記コーティング処理を行うときは、画像形成された前記記録シートを搬送する主搬送路上の分岐部で一旦分岐し、再度前記主搬送路に戻る副搬送路上を搬送される前記記録シートに対して前記コーティング処理を行うことを特徴とする画像形成方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2013−43406(P2013−43406A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183917(P2011−183917)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】