説明

画像形成装置及び制御プログラム

【課題】 電力消費量を低減させることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 本発明は、画像形成装置に関する。そして、画像形成装置は、少なくとも当該画像形成装置の起動時に、当該画像形成装置の異常の有無を判断する手段と、電力供給状態が異なる複数の動作状態のうち、いずれかの動作状態で動作するように、当該画像形成装置を制御するものであって、異常判断の判断結果に応じた動作状態に、当該画像形成装置の動作状態を制御することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び制御プログラムに関し、例えば、省電力動作に対応したプリンタに適用し得る。
【背景技術】
【0002】
プリンタ等の画像形成装置では、トナー(現像剤)を印刷用紙(媒体)に定着させる際に用いられるヒータや、装置内を冷却するファン等が用いられており大きな電力が消費される。
【0003】
そこで、プリンタ等の画像形成装置で電力消費量を抑制するための従来技術として特許文献1の記載技術がある。特許文献1では、ネットワーク経由で印刷データを受付けるプリンタ(画像形成装置)において、プリンタに接続されているネットワークがオフラインであることを検知すると、省電力動作モードに移行することについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−329612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の記載技術を用いた場合でも、プリンタを再起動した場合、ネットワークがオフラインの状態(すなわち、印刷ができない状態)であるにもかかわらず、一時的にプリンタが印刷待ち状態に遷移する。そのため、特許文献1を適用したプリンタでは、一時的な印刷待ち状態の間、不必要な電力を消費することになる。
【0006】
そのため、電力消費量を低減させることができる画像形成装置及び制御プログラムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の本発明の画像形成装置は、(1)少なくとも当該画像形成装置の起動時に、当該画像形成装置の異常の有無を判断する異常判断手段と、(2)電力供給状態が異なる複数の動作状態のうち、いずれかの動作状態で動作するように、当該画像形成装置を制御するものであって、前記異常判断手段の判断結果に応じた動作状態に、当該画像形成装置の動作状態を制御する動作状態制御手段とを有することを特徴とする。
【0008】
第2の本発明の制御プログラムは、(1)画像形成装置に搭載されたコンピュータを、(2)少なくとも当該画像形成装置の起動時に、当該画像形成装置の異常の有無を判断する異常判断手段と、(2)電力供給状態が異なる複数の動作状態のうち、いずれかの動作状態で動作するように、当該画像形成装置を制御するものであって、前記異常判断手段の判断結果に応じた動作状態に、当該画像形成装置の動作状態を制御する動作状態制御手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
電力消費量を低減させることができる画像形成装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態に係るプリンタの機能的構成について示したブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係るプリンタの起動時の初期化動作について示した説明図である。
【図3】第1の実施形態に係るプリンタの状態遷移の詳細について示した説明図(その1)である。
【図4】第1の実施形態に係るプリンタの状態遷移の詳細について示した説明図(その2)である。
【図5】第1の実施形態に係るプリンタの状態遷移の詳細について示した説明図(その3)である。
【図6】第1の実施形態に係るプリンタの状態遷移の詳細について示した説明図(その4)である。
【図7】第2の実施形態に係るプリンタの機能的構成について示したブロック図である。
【図8】第2の実施形態に係るプリンタの起動時の初期化動作について示した説明図である。
【図9】第2の実施形態に係るプリンタの状態遷移の詳細について示した説明図(その1)である。
【図10】第2の実施形態に係るプリンタの状態遷移の詳細について示した説明図(その2)である。
【図11】第2の実施形態に係るプリンタの状態遷移の詳細について示した説明図(その3)である。
【図12】第3の実施形態に係る複合機の機能的構成について示したブロック図である。
【図13】第3の実施形態に係る複合機の起動時の初期化動作について示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(A)第1の実施形態
以下、本発明による画像形成装置及び制御プログラムの第1の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。なお、第1の実施形態の画像形成装置は、プリンタである。
【0012】
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、この実施形態のプリンタ101の全体構成を示すブロック図である。
【0013】
図1は、本発明の第1の実施例における装置の構成図である。
【0014】
プリンタ101は、電力供給部102、装置制御部103、ユーザインタフェース部118、ホストインタフェース部122、及び画像印刷部128を有している。
【0015】
電力供給部102は、プリンタ101の電源である。電力供給部102は、起動部としてのスイッチAを備えており、当該スイッチがオンに操作されるとプリンタ101の各構成要素へ給電を開始し、当該スイッチがオフに操作されると給電を停止する。また、電力供給部102は、各プリンタ101ごとに電力供給の開始又は停止を行うことができる。そして、電力供給部102は、装置制御部103からの制御に従って、上述の組合せの構成要素に対して電力供給の開始又は停止を実行する。
【0016】
装置制御手段としての装置制御部103は、プリンタ101を構成する各部の制御を行う機能を担っており、メインCPU104、サブCPU106、ROM108、RAM109、及びEEPROM110を有している。
【0017】
ROM108は、書き込み不可の不揮発記憶領域であり、主制御プログラム105と副制御プログラム107が格納されている。
【0018】
主制御プログラム105は、プリンタ101を制御するプログラムである。主にプリンタ101における印刷処理の制御を行う。また、副制御プログラム107は、プリンタ101を制御するプログラムである。主にプリンタ101における電力供給の状態に係る制御を行う。なお、プリンタ101において、主制御プログラム105及び副制御プログラム107に係る処理については、一部又は全部についてハードウェア(例えば、専用の半導体チップ等)により構成するようにしても良い。
【0019】
メインCPU104は、主制御プログラム105を実行するためのCPUである。また、サブCPU106は、副制御プログラム107を実行するためのCPUである。なお、装置制御部103で、処理に用いるCPUの数等、具体的なハードウェア構成については限定されないものである。
【0020】
RAM109は、書き込み可能な揮発記憶領域であり、主制御プログラム105と副制御プログラム107がロードされるとともに、各プログラムの作業用メモリ(ワークメモリ)としても使用される。
【0021】
EEPROM110は、書き込み可能な不揮発記憶領域であり、プリンタ101の制御用情報を格納する機能を担っている。そして、EEPROM110には、異常情報保持部としての装置異常情報111が格納されている。
【0022】
装置異常情報111は、プリンタ101の制御情報の1つであり、プリンタ101で異常が発生しているか否か示すものである。装置異常情報111は、不揮発記憶領域(EEPROM110)に記録されているため、プリンタ101が再起動された場合であってもその内容は保持している。そのため、装置制御部103では、起動時に装置異常情報111の内容を確認し、再起動前の異常の有無を確認し、その内容に応じた動作を行う。
【0023】
装置異常情報111は、具体的には、プリンタ101の稼働中に、何らかの異常が発生していたかを示す情報であり、異常が発生した場合に、装置制御部103により、その異常(エラー)の内容が、装置異常情報111に書き込まれることになる。ここでいう異常とは、プリンタ101での印刷が行えなくなる要因であり、例えばネットワーク切断、用紙詰まり、トナー切れなどが挙げられる。プリンタ101の稼動中に異常が発生していなければ、装置異常情報111は「異常無し」である旨の内容に設定され、異常が発生していれば、装置異常情報111は「異常有り」である旨の内容に設定される。
【0024】
なお、上述の通り、装置制御部103により、プリンタ101の各構成要素の異常の有無が検知されるが、具体的な手段については、既存のプリンタ等と同様の構成を適用することができるため、詳しい説明については省略する。例えば、画像印刷部128を用いて印刷用紙への印刷処理中に、トナー切れ等により印刷処理が正常に終了しない場合等に、装置制御部103により、装置異常情報111の情報が、「異常有り」である旨の内容に更新される。
【0025】
装置異常情報111の形式についても限定されないものであるが、例えば、各検知項目について、異常有り又は異常無しを示すフラグ情報の形式で記録するようにしても良い。そして、装置制御部103は、装置異常情報111を構成するいずれかのフラグ情報について、異常を示す値が登録されていた場合に、異常有りである旨が登録されていると判断するようにしても良い。例えば、トナー切れの異常に関する情報が装置異常情報111に記録された後、プリンタ101でトナー交換が行われて、再起動した直後は、異常(トナー切れ)は解消していても、装置異常情報111の情報は残っていることになる。
【0026】
主制御プログラム105は、状態遷移処理部112、異常検知処理部113、異常表示処理部114、及び画像形成処理部125を備えている。
【0027】
状態遷移処理部112は、プリンタ101の状態を、所定の状態に遷移させる処理を行うものである。
【0028】
異常検知処理部113は、プリンタ101において、状態遷移を阻害する異常が発生しているかを検知する処理を行うものである。異常検知処理部113は、ユーザインタフェース部118、ホストインタフェース部122、及び画像印刷部128のそれぞれについて、異常の有無を検知することができる。異常検知処理部113による具体的な異常検知の処理については、既存のプリンタ等と同様の処理を適用することができるため詳しい説明は省略する。また、異常検知処理部113は、異常検知の処理を実行した際に、その検知内容の結果を、装置異常情報111の内容に反映させるようにしても良い。例えば、異常検知処理部113が異常検知の処理を実行した際に、異常検知を行った各項目について、装置異常情報111の内容と比較し、内容が異なる項目があった場合に、装置異常情報111の内容を、最新の検知結果に基づく内容に更新するようにしても良い。
【0029】
装置制御部103では、上述のように、装置異常情報111の内容の更新処理を行う手段や、異常検知処理部113により、プリンタ101の異常の有無を判断する手段(異常判断手段)を実現している。
【0030】
異常表示処理部114は、状態遷移を阻害する異常が発生していることを、そのときの状態において可能な手段で表示する処理(例えば、後述するユーザインタフェース部118を用いた表示処理)を行うものである。
【0031】
画像形成処理部125は、印刷ジョブ等に係るデータ(以下、「印刷データ」と呼ぶ)を保持して、当該印刷データを処理し、画像印刷部128に引き渡して印刷処理を実行させるものであり、データ送受信処理126、及び印刷データ変換処理127を有している。
【0032】
副制御プログラム107には、遷移判断処理部115、状態遷移処理部116、及び異常表示処理部117を有している。
【0033】
遷移判断処理部115は、EEPROM110から装置異常情報111を取得し、取得した情報に基づいて、プリンタ101をどの状態(電力供給状態)に遷移させるか判断する処理を行うものである。
【0034】
状態遷移処理部116は、プリンタ101の状態を、所定の状態(電力供給状態)に遷移させる処理を行うものである。
【0035】
すなわち、プリンタ101では、遷移判断処理部115及び状態遷移処理部116が、電力供給状態を制御する手段(電力供給状態制御手段)として機能することになる。
【0036】
異常表示処理部117は、状態遷移を阻害する異常が発生していることを、そのときの状態において可能な手段で表示する処理(例えば、後述するユーザインタフェース部118を用いた表示処理)を行うものである。
【0037】
以上の通り、プリンタ101では、副制御プログラム107及び主制御プログラム105の一部(状態遷移処理部112、異常検知処理部113、異常表示処理部114)により、プリンタ101(電力供給部102)の電力供給状態の制御がおこなわれている。すなわち、プリンタ101では、副制御プログラム107及び主制御プログラム105の一部(状態遷移処理部112、異常検知処理部113、異常表示処理部114)により、実施形態の制御プログラムが形成されている。
【0038】
ユーザインタフェース部118は、プリンタ101とユーザとの間のインタフェースの機能を担っており、LCDパネル119、LED120、及びボタン121を備えている。
【0039】
LCDパネル119は、ユーザに自装置の状態や操作メニュー画面等を表示出力するものである。LED120(LEDランプ)は、ユーザに自装置の動作状態等を通知するものである。ボタン121は、ユーザからの操作を受付けるためのものである。なお、LCDパネル119、LED120(LEDランプ)、及びボタン121については、図1では、それぞれ一つの機能ブロックとして図示しているが、配置する数については限定されないものである。例えば、LEDランプやボタンについて複数配置するようにしても良い。
【0040】
また、図1では、ユーザインタフェース部118は、LCDパネル119、LED120、及びボタン121を備えているものとして説明したが、ユーザインタフェース部118を構成するデバイスの組合せはこれに限定されないものであり、既存のプリンタにおける種々のユーザインタフェース(デバイス)を組み合わせて適用することができる。例えば、LED120を省略してタッチパネル画面だけでユーザインタフェース部118を構成するようにしても良い。
【0041】
ホストインタフェース部122は、ホスト(印刷ジョブの供給元の装置(例えば、PCやプリンタサーバ等))とのインタフェースの機能を担っており、ネットワークインタフェース123及びUSBインタフェース124を有している。
【0042】
ホストインタフェース部122を構成するインタフェースの組合せはこれに限定されないものであり、既存のプリンタにおける種々のインタフェースを組み合わせて適用することができる。例えば、プリンタ101が、ホストとネットワーク経由のみで接続する場合には、ホストインタフェース部122からUSBインタフェース124については省略するようにしても良い。
【0043】
ネットワークインタフェース123は、ホストとネットワークを介して接続するためのインタフェースである。ネットワークインタフェース123が対応するインタフェースの種類は限定されないものであるが、例えば、イーサネット(登録商標)のインタフェース(例えば、100BaseTXや、1000BaseT等)を適用することができる。
【0044】
USBインタフェース124は、ホストとUSBを介して接続するためのインタフェースである。
【0045】
主制御プログラム105を構成する画像形成処理部125は、ホストインタフェース部122を介してデータを送受信するデータ送受信処理126と、ドライバが生成した印刷データを変換する印刷データ変換処理127とを有している。
【0046】
画像形成手段としての画像印刷部128は、印刷を行う機能を担っており、用紙搬送部129、トナー画像形成部B、トナー転写部130、及びトナー定着部131を有している。なお、画像印刷部128の内部構成については、図1に記載された例に限らず、既存のプリンタ等の画像形成装置と同様のものを適用できる。
【0047】
用紙搬送部129は、印刷を行う用紙を、トレイから給紙し、スタッカに排紙するまでの、用紙の搬送を行う機構である。
【0048】
トナー画像形成部Bは、印刷データ変換処理127で変換された印刷データに基づく静電潜像を感光ドラム等に形成する機構である。
【0049】
トナー転写部130は、トナー画像形成部Bにより感光ドラム等に形成された静電潜像を用紙にトナーを転写する機構である。
【0050】
トナー定着部131は、トナー転写部130で用紙に転写されたトナーを、熱を加えて印刷用紙に定着させる機構である。
【0051】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第1の実施形態のプリンタ101の動作を説明する。
【0052】
図2は、第1の実施形態のプリンタ101の起動時の初期化動作について示した説明図(ステートマシン図)である。
【0053】
プリンタ101は、図2に示す状態ST201〜ST204(電力供給状態)のいずれかの状態となる。そして、プリンタ101の、各状態STの間の遷移(以下、「TR」とも呼ぶ)、及び選択処理(以下、「SL」とも呼ぶ)も図2のステートマシン図(状態遷移図)のように示すことができる。
【0054】
第1の電力供給状態としての印刷可能状態(ST201)は、プリンタ101の全構成要素に給電されている状態である。印刷可能状態(ST201)では、印刷を伴うデータを受信したり、印刷を伴う操作(例えば、ホストからの印刷ジョブの供給やユーザによるユーザインタフェース部118に対する操作)があった場合は、即座に印刷を行うことが可能である。多くの場合プリンタ101は、この状態であることが求められている。印刷可能状態(ST201)は、プリンタ101の全構成要素に給電されているため、プリンタ101の状態として消費電力が最も多い状態である。なお、印刷可能状態(ST201)としては、少なくとも印刷(媒体への画像形成)が可能な状態であれば良く、必ずしも全構成要素に給電されている必要はない。
【0055】
送受信可能状態(ST202)は、画像印刷部128へ給電されていない点で、印刷可能状態(ST201)と異なる状態である。すなわち、送受信可能状態(ST202)は、印刷可能状態(ST201)よりも消費電力がすくない状態(省電力の状態)であると言える。
【0056】
第2の電力供給状態としての送受信可能状態(ST202)では、印刷を伴わない処理(プリンタ内部情報の取得や、Eメール送受信など)や、ユーザインタフェース部118を介したプリンタ101の設定変更などを行うことが可能である。一方で、印刷を伴うデータを受信したり、印刷を伴う操作(メニューマップの印刷など)が行われた場合は、印刷可能状態(ST201)に遷移する必要がある。
【0057】
画像印刷部128は電力を多く必要とする要素から構成されている。そのため、送受信可能状態(ST202)では、長時間プリンタ101で印刷を行われなかった場合において、画像印刷部128への給電を停止し、電力を節約する状態に遷移することが望ましい。
【0058】
休眠状態(ST203)は、メインCPU104を除く装置制御部103と、ホストインタフェース部122にのみ給電されている状態である。すなわち、休眠状態(ST203)は、送受信可能状態(ST202)よりもさらに消費電力が少ない状態であると言える。
【0059】
第3の電力供給状態としての休眠状態(ST203)では、サブCPU106が実行する副制御プログラム107により、ホストインタフェース部122の受信監視が行われている以外、プリンタ101の機能のほとんどは停止している。プリンタ101では、休眠状態(ST203)の間、ホストインタフェース部122に対する受信監視処理が行われる。そして、ユーザによりホストインタフェース部122を介した、プリンタ101に対するアクセスが行われた場合に(例えば、印刷ジョブの供給等が行われた場合に)、プリンタ101では、メインCPU104への電力供給が開始され、休眠状態(ST203)から送受信可能状態(ST202)に遷移する。休眠状態(ST203)は、例えば、プリンタ101で、所定時間以上の間、印刷や操作が行われなかった場合、より多くの電力を節約するために遷移することが求められる状態である。なお、プリンタ101が休眠状態(ST203)の間、ユーザインタフェース部118に対する監視も行い、ユーザからユーザインタフェース部118に対する操作(例えば、ボタンの押下等)が行われた場合に、同様に休眠状態(ST203)から送受信可能状態(ST202)に遷移するようにしても良い。
【0060】
休眠状態(ST203)は、プリンタ101のほとんどの機能が停止しているため、プリンタ101の状態として消費電力が最も少ない状態となっている。すなわち、休眠状態(ST203)は、送受信可能状態(ST202)よりもさらに消費電力が少ない状態であると言える。
【0061】
以上の送受信可能状態(ST202)及び休眠状態(ST203)は、印刷可能状態(ST201)よりも省電力で動作する動作状態であると言える。例えば、プリンタ101で、一定時間印刷やユーザからの操作が行われない場合等の設定に応じて、送受信可能状態(ST202)や休眠状態(ST203)に切り替えて動作するようにしても良い。
【0062】
無給電状態(ST204)は、電力供給部102がオフになっており、プリンタ101に電力が供給されていない状態である。
【0063】
選択処理SL205は、遷移処理TR206の遷移を、装置異常情報111の状態によって、遷移処理TR207あるいは遷移処理TR208に分岐する判断処理であり、遷移判断処理部115により行われる。選択処理SL205は、装置の異常を検知し、遷移処理TR210の遷移を、異常の有無によって、遷移処理TR211あるいは遷移処理TR212に分岐する判断処理であり、異常検知処理部113等がその処理を行う。同様に選択処理SL213は、装置の異常を検知し、遷移処理TR214の遷移を、異常の有無によって、遷移処理TR215あるいは遷移処理TR216に分岐する判断処理であり、異常検知処理部113等がその処理を行う。
【0064】
遷移処理TR207、遷移処理TR210、遷移処理TR211、遷移処理TR214、遷移処理TR215、遷移処理TR216は、プリンタ101の状態を遷移させるための処理であり、状態遷移処理部112がその処理を行う。また、遷移処理TR206、遷移処理TR208、遷移処理TR212は、プリンタ101の状態を遷移させるための処理であり、状態遷移処理部116がその処理を行う。
【0065】
次に、プリンタ101において、各状態STからの遷移処理及び選択処理の詳細について図3〜図6を用いて説明する。図3〜図6はアクティビティ図の形式で示しており、プリンタ101で行われる制御処理フローにおけるアクティビティ(以下、「AC」とも呼ぶ)や、判断処理(以下、「DC」と呼ぶ)等を示している。なお、図3〜図6に示すアクティビティ図は、プリンタ101が図1のようなハードウェア構成であった場合の例であり、プリンタ101のハードウェア構成等に応じて適宜変更したものを適用する必要がある。
【0066】
まず、図3を用いて、プリンタ101において、無給電状態(ST204)から印刷可能状態(ST201)へ遷移する動作(上述の遷移処理TR206、選択処理SL205、遷移処理TR207の処理)について説明する。
【0067】
プリンタ101の電力供給部102がオンになると(AC301)、装置制御部103のサブCPU106、ROM108、RAM109、EEPROM110に電力が供給される(AC302)。そして、電力が供給されたサブCPU106は、RAM109の初期化を行う(AC303)。
【0068】
続いてサブCPU106は、ROM108に格納されている副制御プログラム107を、RAM109にロードする(AC304)。
【0069】
続いてサブCPU106は、RAM109にロードされた副制御プログラム107を開始する(AC305)。
【0070】
サブCPU106により開始された副制御プログラム107は、自身に含まれる遷移判断処理部115の処理を開始する(AC306)。
【0071】
副制御プログラム107により処理が開始された遷移判断処理部115は、EEPROM110に格納されている、装置異常情報111を読み込む(AC307)。
【0072】
そして、遷移判断処理部115は、取得した装置異常情報111の内容を確認し、確認した内容に応じた判断処理を行う(DC301)。
【0073】
上述の判断DC301において、装置異常情報111が「異常無し」を示す内容と確認された場合、遷移判断処理部115は、印刷可能状態201への遷移開始を副制御プログラム107に通知する(AC308)。
【0074】
通知を受けた副制御プログラム107は、電力供給部102に、メインCPU104への給電開始を通知する(AC309)。
【0075】
通知を受けた電力供給部102は、メインCPU104への電力の供給を開始する(AC310)。
【0076】
電力が供給されたメインCPU104は、ROM108に格納されている主制御プログラム105を、RAM109にロードする(AC311)。
【0077】
続いてメインCPU104は、RAM109にロードされた主制御プログラム105を開始する(AC312)。
【0078】
メインCPU104により開始された主制御プログラム105は、自身に含まれる状態遷移処理部112の処理を開始する(AC313)。
【0079】
主制御プログラム105により処理が開始された状態遷移処理部112は、印刷可能状態201への遷移を開始する(AC314)。
【0080】
まず状態遷移処理部112は、画像形成処理部125に初期化の開始を通知する(AC315)。初期化開始の通知を受けた画像形成処理部125の各構成要素は、各々の初期化を行う(AC316)。
【0081】
画像形成処理部125の各構成要素は、初期化が完了すると、状態遷移処理部112に、初期化完了を通知する(AC317)。
【0082】
同時に状態遷移処理部112は、電力供給部102に、ユーザインタフェース部118への給電開始を通知する(AC318)。
【0083】
通知を受けた電力供給部102は、ユーザインタフェース部118への電力の供給を開始する(AC319)。
【0084】
続いて状態遷移処理部112は、ユーザインタフェース部118に初期化の開始を通知する(AC320)。初期化開始の通知を受けたユーザインタフェース部118の各構成要素は、各々の初期化を行う(AC321)。ユーザインタフェース部118の各構成要素は、初期化が完了すると、状態遷移処理部112に、初期化完了を通知する(AC322)。
【0085】
同時に状態遷移処理部112は、電力供給部102に、ホストインタフェース部122への給電開始を通知する(AC323)。
【0086】
通知を受けた電力供給部102は、ホストインタフェース部122への電力の供給を開始する(AC324)。
【0087】
続いて状態遷移処理部112は、ホストインタフェース部122に初期化の開始を通知する(AC325)。初期化開始の通知を受けたホストインタフェース部122の各構成要素は、各々の初期化を行う(AC326)。ホストインタフェース部122の各構成要素は、初期化が完了すると、状態遷移処理部112に、初期化完了を通知する(AC327)。
【0088】
同時に状態遷移処理部112は、電力供給部102に、画像印刷部128への給電開始を通知する(AC328)。
【0089】
通知を受けた電力供給部102は、画像印刷部128への電力の供給を開始する(AC329)。
【0090】
続いて状態遷移処理部112は、画像印刷部128に初期化の開始を通知する(AC330)。初期化開始の通知を受けた画像印刷部128の各構成要素は、各々の初期化を行う(AC331)。画像印刷部128の各構成要素は、初期化が完了すると、状態遷移処理部112に、初期化完了を通知する(AC332)。
【0091】
状態遷移処理部112は、画像形成処理部125、ユーザインタフェース部118、ホストインタフェース部122、画像印刷部128の各構成要素から初期化完了の通知を受けると、主制御プログラム105に状態遷移完了を通知する(AC333)。
【0092】
以上の動作により、プリンタ101は印刷可能状態(ST201)に遷移する。
【0093】
なお、上述の判断DC301において、装置異常情報111が「異常有り」を示す内容と確認した場合の、それ以降の動作については、後述する図4で説明する。
【0094】
次に、図4を用いて、プリンタ101において、無給電状態(ST204)から休眠状態(ST203)へ遷移する動作(上述の遷移処理TR206、選択処理SL205、遷移処理TR208の処理)について説明する。
【0095】
上述の判断DC301(図3参照)において、装置異常情報111が「異常有り」を示す内容と確認した場合、遷移判断処理部115は、休眠状態203への遷移開始を副制御プログラム107に通知する(AC402)。
【0096】
通知を受けた副制御プログラム107は、自身に含まれる状態遷移処理部116を実行する(AC403)。
【0097】
副制御プログラム107により開始された状態遷移処理部116は、休眠状態203への遷移を開始する(AC404)。
【0098】
まず状態遷移処理部116は、電力供給部102に、ホストインタフェース部122への給電開始を通知する(AC405)。
【0099】
通知を受けた電力供給部102は、ホストインタフェース部122への電力の供給を開始する(AC406)。
【0100】
続いて状態遷移処理部116は、ホストインタフェース部122に初期化の開始を通知する(AC407)。初期化開始の通知を受けたホストインタフェース部122の各構成要素は、各々の初期化を行う(AC408)。ホストインタフェース部122の各構成要素は、初期化が完了すると、状態遷移処理部112に、初期化完了を通知する(AC409)。
【0101】
状態遷移処理部116は、ホストインタフェース部122の各構成要素から初期化完了の通知を受けると、副制御プログラム107に状態遷移完了を通知する(AC410)。
【0102】
以上の動作により、プリンタ101は休眠状態(ST203)に遷移する。
【0103】
次に、図5を用いて、プリンタ101において、休眠状態(ST203)から送受信可能状態(ST202)へ遷移する動作(上述の遷移処理TR210、遷移処理SL209、遷移処理TR211、TR212の処理)について説明する。なお、上述の図4に示す処理により、プリンタ101が休眠状態(ST203)に遷移(上述のAC410)した後に続いて、図5に示すAC501からの処理が行われる。
【0104】
まず、状態遷移処理部116は、送受信可能状態202への遷移開始を副制御プログラム107に通知する(AC501)。
【0105】
通知を受けた副制御プログラム107は、電力供給部102に、メインCPU104への給電開始を通知する(AC502)。
【0106】
通知を受けた電力供給部102は、メインCPU104への電力の供給を開始する(AC503)。
【0107】
電力が供給されたメインCPU104は、ROM108に格納されている主制御プログラム105を、RAM109にロードする(AC504)。
【0108】
続いてメインCPU104は、RAM109にロードされた主制御プログラム105を開始する(AC505)。
【0109】
メインCPU104により開始された主制御プログラム105は、自身に含まれる状態遷移処理部112を実行する(AC506)。
【0110】
主制御プログラム105により開始された状態遷移処理部112は、送受信可能状態202への遷移を開始する(AC507)。
【0111】
まず状態遷移処理部112は、画像形成処理部125に初期化の開始を通知する(AC508)。初期化開始の通知を受けた画像形成処理部125の各構成要素は、各々の初期化を行う(AC509)。
【0112】
画像形成処理部125の各構成要素は、初期化が完了すると、状態遷移処理部112に、初期化完了を通知する(AC510)。
【0113】
同時に状態遷移処理部112は、電力供給部102に、ユーザインタフェース部118への給電開始を通知する(AC511)。
【0114】
通知を受けた電力供給部102は、ユーザインタフェース部118への電力の供給を開始する(AC512)。
【0115】
そして、状態遷移処理部112は、ユーザインタフェース部118の各構成要素を対象として、主制御プログラム105に含まれる異常検知処理部113に異常検知の処理を実行させる(AC513)。
【0116】
状態遷移処理部112は、異常検知処理部113の異常検知処理結果を確認して、その後の動作を判断する(DC501)。異常検知処理部113は、LCDパネル119の表示やLED120の点灯、ボタン121の入力ができないなどの異常を検知した場合に「異常有り」である旨の結果を出力し、上述のような異常を検知できない場合に「異常無し」である旨の結果を出力する。
【0117】
そして、上述のDC501において、異常検知処理部113の異常検知処理結果が「異常有り」と確認された場合、状態遷移処理部112は、電力供給部102に、異常が発生しているユーザインタフェース部118の構成要素への給電停止を通知する(AC515)。
【0118】
通知を受けた電力供給部102は、異常が発生しているユーザインタフェース部118の構成要素への電力の供給を停止する(AC516)。
【0119】
続いて状態遷移処理部112は、送受信可能状態202への遷移失敗を、主制御プログラム105に通知する(AC517)。
【0120】
通知を受けた主制御プログラム105は、副制御プログラム107に、送受信可能状態202への遷移失敗を通知する(AC518)。
【0121】
通知を受けた副制御プログラム107は、電力供給部102に、メインCPU104への給電停止を通知する(AC519)。
【0122】
通知を受けた電力供給部102は、メインCPU104への電力の供給を停止する(AC520)。
【0123】
続いて副制御プログラム107は、自身に含まれる異常表示処理部117を実行する(AC521)。
【0124】
実行された異常表示処理部117は、現在使用可能なユーザインタフェース部118の構成要素を用いて、異常発生を表示して(AC522)、処理を終了する。つまり、休眠状態(ST203)のまま処理が終了する。
【0125】
異常表示処理部117による、異常発生の表示処理の内容は限定されないものであるが、例えば、ユーザインタフェース部118のLCDパネル119に所定のメッセージ(例えば、「異常発生」というメッセージや、異常の内容を示す所定のサービスコード等)を表示させたり、LED120のランプを所定の色(例えば、赤色)で照明させる等するようにしても良い。また、ユーザインタフェース部118で、現在使用可能な構成要素(デバイス)が複数存在する場合、異常表示処理部117は、消費電力を抑制させるために一部の構成要素のみを用いて異常発生の表示処理を行うようにしても良い。例えば、異常表示処理部117は、LCDパネル119とLED120の両方が使用可能である場合でも、LED120のランプのみで異常発生の表示を行う等して、消費電力を低減させるようにしても良い。なお、異常表示処理部114においても同様に、異常発生の表示処理が行われるものとする。
【0126】
そして、上述のDC501において、異常検知処理部113の異常検知処理結果が「異常無し」と確認された場合、状態遷移処理部112は、ユーザインタフェース部118に初期化の開始を通知する(AC524)。初期化開始の通知を受けたユーザインタフェース部118の各構成要素は、各々の初期化を行う(AC525)。
【0127】
ユーザインタフェース部118の各構成要素は、初期化が完了すると、状態遷移処理部112に、初期化完了を通知する(AC526)。
【0128】
状態遷移処理部112は、画像形成処理部125、ユーザインタフェース部118の各構成要素から初期化完了の通知を受けると、主制御プログラム105に状態遷移完了を通知する(AC527)。
【0129】
以上の動作により、プリンタ101は送受信可能状態(ST202)に遷移する。
【0130】
次に、図6を用いて、プリンタ101において、送受信可能状態(ST202)から印刷可能状態(ST201)へ遷移する動作(上述の遷移処理TR214、選択処理SL213、遷移処理TR215、TR216の処理)について説明する。なお、上述の図5に示す処理により、プリンタ101が送受信可能状態(ST202)に遷移(上述のAC527)した後に続いて、図6に示すAC601からの処理が行われる。
【0131】
まず、状態遷移処理部112は、送受信可能状態(ST202)に遷移しだい、印刷可能状態201への遷移を開始する(AC601)。
【0132】
状態遷移処理部112は、電力供給部102に、画像印刷部128への給電開始を通知する(AC602)。
【0133】
通知を受けた電力供給部102は、画像印刷部128への電力の供給を開始する(AC603)。
【0134】
そして、状態遷移処理部112は、画像印刷部128の各構成要素を対象として、異常検知処理部113に、異常検知の処理を実行させる(AC604)。そして、状態遷移処理部112は、異常検知処理部113による異常検知処理結果を確認し、その後の動作を判断する(DC601)。この時、異常検知処理部113は、用紙搬送部129やトナー転写部130やトナー定着部131などに用紙が滞留している等の異常を検知した場合に、「異常有り」である旨の結果を出力し、上述のような異常を検知できない場合に「異常無し」である旨の結果を出力する。
【0135】
そして、上述のDC601において、異常検知処理部113の異常検知処理結果が「異常有り」と確認された場合、状態遷移処理部112は、電力供給部102に、画像印刷部128への給電停止を通知する(AC606)。
【0136】
通知を受けた電力供給部102は、画像印刷部128への電力の供給を停止する(AC607)。
【0137】
続いて状態遷移処理部112は、主制御プログラム105に含まれる異常表示処理部114を実行する(AC608)。
【0138】
実行された異常表示処理部114は、ユーザインタフェース部118の構成要素を用いて、異常発生を表示して(AC609)処理を終了する。つまり、送受信可能状態(ST202)のまま処理が終了する。
【0139】
そして、上述のDC601において、異常検知処理部113の異常検知処理結果が「異常無し」と確認された場合、状態遷移処理部112は、画像印刷部128に初期化の開始を通知する(AC611)。初期化開始の通知を受けた画像印刷部128の各構成要素は、各々の初期化を行う(AC612)。画像印刷部128の各構成要素は、初期化が完了すると、状態遷移処理部112に、初期化完了を通知する(AC613)。
【0140】
以上の動作により、プリンタ101は印刷可能状態201に遷移する。
【0141】
(A−3)第1の実施形態の効果
第1の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0142】
従来技術では、電源オン時にすでに異常が発生していたとしても、装置は必ずオンライン状態(例えば、印刷可能状態)になってしまい、多くの電力を消費していた。しかし、第1の実施形態のプリンタ101では、無給電状態(ST204)から電源オンしたときに、すでに異常が発生していた場合、印刷可能状態(ST201)にはならず、印刷可能状態(ST201)よりも電力の消費が少ない省電力の状態(例えば、休眠状態(ST203))に直接遷移するため、消費電力を低減させることができる。
【0143】
(B)第2の実施形態
以下、本発明による画像形成装置及び制御プログラムの第2の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。なお、第2の実施形態の画像形成装置は、プリンタである。
【0144】
(B−1)第2の実施形態の構成
図7は、本発明の第2の実施例におけるプリンタ101Aの機能的構成について示したブロック図であり、上述した図1と同一又は対応部分には同一又は対応する符号を付している。
【0145】
以下、第2の実施形態について、第1の実施形態との差異を説明する。
【0146】
第2の実施形態のプリンタ101Aでは、装置制御部103が、装置制御部103Aに置き換わっている点で第1の実施形態と異なっている。そして、装置制御部103Aでは、主制御プログラム105及び副制御プログラム107が、それぞれ、主制御プログラム105A及び副制御プログラム107Aに置き換わっている点で第1の実施形態と異なっている。そして、副制御プログラム107Aでは、遷移判断処理部115が省略され、主制御プログラム105Aに、遷移判断処理部701が追加されている点で、第1の実施形態と異なっている。その他の構成については、第2の実施形態のプリンタ101Aは、第1の実施形態と同様であるので詳しい説明を省略する。
【0147】
遷移判断処理部701は、装置異常情報111を取得し、自装置(プリンタ101A)を、どの状態に遷移するか判断する処理を行うものである。遷移判断処理部701の詳細については、後述する動作説明の項にて説明する。
【0148】
以上の通り、プリンタ101Aでは、副制御プログラム107A及び主制御プログラム105Aの一部(状態遷移処理部112、異常検知処理部113、異常表示処理部114、遷移判断処理部701)により、プリンタ101A(電力供給部102)の電力供給状態の制御がおこなわれている。すなわち、プリンタ101Aでは、副制御プログラム107A及び主制御プログラム105Aの一部(状態遷移処理部112、異常検知処理部113、異常表示処理部114、遷移判断処理部701)により、実施形態の制御プログラムが形成されている。
【0149】
(B−2)第2の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第2の実施形態のプリンタ101の動作を説明する。
【0150】
図8は、第2の実施形態のプリンタ101Aの起動時の初期化動作について示した説明図(ステートマシン図)であり、上述した図2と同一又は対応部分には同一又は対応する符号を付している。
【0151】
プリンタ101Aは、図8に示すように、第1の実施形態と同様に状態ST201〜ST204のいずれかの状態で動作する。そして、プリンタ101Aの、各状態STの間の遷移処理TR及び選択処理SLも図2のステートマシン図(状態遷移図)のように示すことができる。また、図2に示す遷移処理TR、選択処理SLは、主制御プログラム105A又は副制御プログラム107Aにより実行される処理であるものとする。
【0152】
以下では、第2の実施形態の動作について、第1の実施形態との差異についてのみ説明する。
【0153】
選択処理SL801は、遷移処理TR802の遷移を、装置異常情報111の状態によって、遷移処理TR207あるいは遷移処理TR208に分岐する判断処理であり、遷移判断処理部701がその処理を行う。
【0154】
選択処理SL803は、装置の異常を検知し、遷移処理TR208の遷移を、異常の有無によって、遷移処理TR211あるいは遷移処理TR212に分岐する判断処理であり、異常検知処理部113等がその処理を行う。また、選択処理SL213は、装置の異常を検知し、遷移処理TR214の遷移を、異常の有無によって、遷移処理TR215あるいは遷移処理TR216に分岐する判断処理であり、異常検知処理部113等がその処理を行う。
【0155】
遷移処理TR207、遷移処理TR208、遷移処理TR211、遷移処理TR214、遷移処理TR215、遷移処理TR216、遷移処理TR802は、プリンタ101の状態を遷移させるための処理であり、状態遷移処理部112がその処理を行う。また、遷移処理TR212は、プリンタ101の状態を遷移させるための処理であり、状態遷移処理部116がその処理を行う。
【0156】
次に、プリンタ101Aにおいて、各状態STからの遷移処理及び選択処理の詳細について図9〜図11を用いて説明する。図9〜図11はアクティビティ図の形式で示しており、プリンタ101Aで行われる制御処理フローにおけるアクティビティ(AC)や、判断処理(DC)等を示している。なお、図9〜図11に示すアクティビティ図は、プリンタ101Aが図7のようなハードウェア構成であった場合の例であり、プリンタ101Aのハードウェア構成等に応じて適宜変更したものを適用する必要がある。
【0157】
まず、図9を用いて、プリンタ101Aにおいて、無給電状態(ST204)から印刷可能状態(ST201)へ遷移する動作(上述の遷移処理TR802、選択処理SL801、遷移処理TR207)について説明する。
【0158】
プリンタ101の電力供給部102がオンになると(AC901)、装置制御部103のメインCPU104、サブCPU106、ROM108、RAM109、EEPROM110に電力が供給される(AC902)。電力が供給されたメインCPU104、は、RAM109の初期化を行う(AC903)。
【0159】
そして、メインCPU104、は、ROM108に格納されている主制御プログラム105Aを、RAM109にロードする(AC904)。
【0160】
そして、メインCPU104は、RAM109にロードされた主制御プログラム105Aを開始する(AC905)。
【0161】
そして、メインCPU104により開始された主制御プログラム105Aは、自身に含まれる遷移判断処理部701の処理を開始する(AC906)。
【0162】
そして、主制御プログラム105Aにおいて開始された遷移判断処理部701は、EEPROM110に格納されている装置異常情報111を読み込む(AC907)。
【0163】
そして、遷移判断処理部115は、取得した装置異常情報111の内容を確認し、確認した内容に応じた判断処理を行う(DC901)。
【0164】
そして、上述の判断DC901において、装置異常情報111が「異常無し」を示す内容と確認された場合、遷移判断処理部701は、印刷可能状態201への遷移開始を主制御プログラム105Aに通知する(AC909)。
【0165】
そして、通知を受けた主制御プログラム105Aは、自身に含まれる状態遷移処理部112の処理を開始する(AC910)。
【0166】
主制御プログラム105Aにおいて開始された状態遷移処理部112は、印刷可能状態201への遷移を開始する(AC911)。
【0167】
まず状態遷移処理部112は、画像形成処理部125に初期化の開始を通知する(AC912)。初期化開始の通知を受けた画像形成処理部125の各構成要素は、各々の初期化を行う(AC913)。画像形成処理部125の各構成要素は、初期化が完了すると、状態遷移処理部112に、初期化完了を通知する(AC914)。
【0168】
同時に状態遷移処理部112は、電力供給部102に、ユーザインタフェース部118への給電開始を通知する(AC915)。
【0169】
通知を受けた電力供給部102は、ユーザインタフェース部118への電力の供給を開始する(AC916)。
【0170】
そして、状態遷移処理部112は、ユーザインタフェース部118に初期化の開始を通知する(AC917)。初期化開始の通知を受けたユーザインタフェース部118の各構成要素は、各々の初期化を行う(AC918)。ユーザインタフェース部118の各構成要素は、初期化が完了すると、状態遷移処理部112に、初期化完了を通知する(AC919)。
【0171】
同時に状態遷移処理部112は、電力供給部102に、ホストインタフェース部122への給電開始を通知する(AC920)。
【0172】
通知を受けた電力供給部102は、ホストインタフェース部122への電力の供給を開始する(AC921)。
【0173】
そして、状態遷移処理部112は、ホストインタフェース部122に初期化の開始を通知する(AC922)。初期化開始の通知を受けたホストインタフェース部122の各構成要素は、各々の初期化を行う(AC923)。ホストインタフェース部122の各構成要素は、初期化が完了すると、状態遷移処理部112に、初期化完了を通知する(AC924)。
【0174】
同時に状態遷移処理部112は、電力供給部102に、画像印刷部128への給電開始を通知する(AC925)。
【0175】
通知を受けた電力供給部102は、画像印刷部128への電力の供給を開始する(AC926)。
【0176】
そして、状態遷移処理部112は、画像印刷部128に初期化の開始を通知する(AC927)。初期化開始の通知を受けた画像印刷部128の各構成要素は、各々の初期化を行う(AC928)。画像印刷部128の各構成要素は、初期化が完了すると、状態遷移処理部112に、初期化完了を通知する(AC929)。
【0177】
状態遷移処理部112は、画像形成処理部125、ユーザインタフェース部118、ホストインタフェース部122、画像印刷部128の各構成要素から初期化完了の通知を受けると、主制御プログラム105Aに状態遷移完了を通知する(AC930)。
【0178】
以上の動作により、プリンタ101Aは印刷可能状態(ST201)に遷移する。
【0179】
なお、上述の判断DC901において、装置異常情報111が「異常有り」を示す内容と確認した場合の、それ以降の動作については、後述する図10で説明する。
【0180】
次に、図10を用いて、プリンタ101Aにおいて、無給電状態(ST204)から送受信可能状態(ST202)へ遷移する動作(上述の遷移処理TR802、選択処理SL801、遷移処理TR208、選択処理SL803、遷移処理TR211の処理)、及び、無給電状態(ST204)から休眠状態(ST203)へ遷移する動作(上述の遷移処理TR802、選択処理SL801、遷移処理TR208、選択処理SL803、遷移処理TR212の処理)について説明する。
【0181】
上述の判断DC901(図9参照)において、装置異常情報111が「異常有り」を示す内容と確認した場合、遷移判断処理部701は、送受信可能状態202への遷移開始を主制御プログラム105Aに通知する(AC1002)。
【0182】
通知を受けた主制御プログラム105Aは、自身に含まれる状態遷移処理部112の処理を開始する(AC1003)。
【0183】
主制御プログラム105Aにより開始された状態遷移処理部112は、送受信可能状態202への遷移を開始する(AC1004)。
【0184】
まず状態遷移処理部112は、画像形成処理部125に初期化の開始を通知する(AC1005)。初期化開始の通知を受けた画像形成処理部125の各構成要素は、各々の初期化を行う(AC1006)。
【0185】
画像形成処理部125の各構成要素は、初期化が完了すると、状態遷移処理部112に、初期化完了を通知する(AC1007)。
【0186】
同時に状態遷移処理部112は、電力供給部102に、ユーザインタフェース部118への給電開始を通知する(AC1008)。
【0187】
通知を受けた電力供給部102は、ユーザインタフェース部118への電力の供給を開始する(AC1009)。
【0188】
そして、状態遷移処理部112は、ユーザインタフェース部118の各構成要素を対象として、主制御プログラム105Aに含まれる異常検知処理部113に異常検知の処理を実行させる(AC1010)。
【0189】
そして、状態遷移処理部112は、異常検知処理部113の異常検知処理結果を確認して、その後の動作を判断する(DC1001)。異常検知処理部113は、LCDパネル119の表示やLED120の点灯、ボタン121の入力ができないなどの異常を検知した場合に「異常有り」である旨の結果を出力し、上述のような異常を検知できない場合に「異常無し」である旨の結果を出力する。
【0190】
そして、上述のDC1001において、異常検知処理部113の異常検知処理結果が「異常有り」と確認された場合、状態遷移処理部112は、電力供給部102に、異常が発生しているユーザインタフェース部118の構成要素への給電停止を通知する(AC1012)。
【0191】
通知を受けた電力供給部102は、異常が発生しているユーザインタフェース部118の構成要素への電力の供給を停止する(AC1013)。
【0192】
そして、状態遷移処理部112は、送受信可能状態202への遷移失敗を、主制御プログラム105Aに通知する(AC1014)。
【0193】
通知を受けた主制御プログラム105Aは、副制御プログラム107Aに、送受信可能状態202への遷移失敗を通知する(AC1015)。
【0194】
通知を受けた副制御プログラム107Aは、電力供給部102に、メインCPU104への給電停止を通知する(AC1016)。
【0195】
通知を受けた電力供給部102は、メインCPU104への電力の供給を停止する(AC1017)。すなわち、この時点で、プリンタ101Aは、休眠状態(ST203)に遷移したことになる。
【0196】
そして、副制御プログラム107Aは、自身に含まれる異常表示処理部117の処理を実行する(AC1018)。
【0197】
実行された異常表示処理部117は、現在使用可能なユーザインタフェース部118の構成要素を用いて、異常発生を表示して(AC1019)、処理を終了する。
【0198】
一方、上述のDC1001において、異常検知処理部113の異常検知処理結果が「異常無し」と確認された場合、状態遷移処理部112は、ユーザインタフェース部118に初期化の開始を通知する(AC1021)。初期化開始の通知を受けたユーザインタフェース部118の各構成要素は、各々の初期化を行う(AC1022)。ユーザインタフェース部118の各構成要素は、初期化が完了すると、状態遷移処理部112に、初期化完了を通知する(AC1023)。
【0199】
同時に状態遷移処理部112は、電力供給部102に、ホストインタフェース部122への給電開始を通知する(AC1024)。
【0200】
通知を受けた電力供給部102は、ホストインタフェース部122への電力の供給を開始する(AC1025)。
【0201】
そして、状態遷移処理部112は、ホストインタフェース部122の各構成要素を対象として、主制御プログラム105Aに含まれる異常検知処理部113に異常検知の処理を実行させる(AC1026)。
【0202】
そして、状態遷移処理部112は、異常検知処理部113の異常検知処理結果を確認して、その後の動作を判断する(DC1002)。異常検知処理部113は、ネットワークインタフェース123やUSBインタフェース124が切断しているなどの異常を検知した場合に「異常有り」である旨の結果を出力し、上述のような異常を検知できない場合に「異常無し」である旨の結果を出力するものとする。
【0203】
そして、上述のDC1002において、異常検知処理部113の異常検知処理結果が「異常有り」と確認された場合、状態遷移処理部112は、電力供給部102に、異常が発生しているホストインタフェース部122の構成要素への給電停止を通知する(AC1028)。
【0204】
通知を受けた電力供給部102は、異常が発生しているホストインタフェース部122の構成要素への電力の供給を停止する(AC1029)。
【0205】
そして、状態遷移処理部112は、送受信可能状態202への遷移失敗を、主制御プログラム105Aに通知し(AC1030)、その後上述のAC1015〜AC1019と同様の処理(休眠状態(ST203)への遷移処理、及び異常発生の表示処理)を行い動作を終了する。
【0206】
一方、上述のDC1002において、異常検知処理部113の異常検知処理結果が「異常無し」と確認された場合、状態遷移処理112は、ホストインタフェース部122に初期化の開始を通知する(AC1032)。初期化開始の通知を受けたホストインタフェース部122の各構成要素は、各々の初期化を行う(AC1033)。
【0207】
ホストインタフェース部122の各構成要素は、初期化が完了すると、状態遷移処理部112に、初期化完了を通知する(AC1034)。
【0208】
そして、状態遷移処理部112は、画像形成処理部125、ユーザインタフェース部118、ホストインタフェース部122の各構成要素から初期化完了の通知を受けると、主制御プログラム105Aに状態遷移完了を通知する(AC1035)。
【0209】
以上の動作により、プリンタ101Aは送受信可能状態(ST202)に遷移する。
【0210】
次に、図11を用いて、プリンタ101Aにおいて、送受信可能状態(ST202)から印刷可能状態(ST201)へ遷移する動作(上述の遷移処理TR214、選択処理SL213、遷移処理TR215、遷移処理TR216の処理)について説明する。なお、上述の図10に示す処理により、プリンタ101Aが送受信可能状態(ST202)に遷移(上述のAC1035)した後に続いて、図11に示すAC1101からの処理が行われる。
【0211】
状態遷移処理部112は、送受信可能状態202に遷移しだい、印刷可能状態201への遷移を開始する(AC1101)。
【0212】
状態遷移処理部112は、電力供給部102に、画像印刷部128への給電開始を通知する(AC1102)。
【0213】
通知を受けた電力供給部102は、画像印刷部128への電力の供給を開始する(AC1103)。
【0214】
そして、状態遷移処理部112は、画像印刷部128の各構成要素を対象として、主制御プログラム105Aに含まれる異常検知処理部113に異常検知の処理を実行させる(AC1104)。
【0215】
そして、状態遷移処理部112は、異常検知処理部113の異常検知処理結果を確認して、その後の動作を判断する(DC1101)。このとき、異常検知処理部113は、用紙搬送部129やトナー転写部130やトナー定着部131などに用紙が滞留しているなどの異常を検知した場合に「異常有り」である旨の結果を出力し、上述のような異常を検知できない場合に「異常無し」である旨の結果を出力するものとする。
【0216】
そして、上述のDC1101において、異常検知処理部113の異常検知処理結果が「異常有り」と確認された場合、状態遷移処理部112は、電力供給部102に、画像印刷部128への給電停止を通知する(AC1106)。
【0217】
通知を受けた電力供給部102は、画像印刷部128への電力の供給を停止する(AC1107)。
【0218】
続いて状態遷移処理部112は、主制御プログラム105Aに含まれる異常表示処理部114に異常表示処理を実行させる(AC1108)。
【0219】
そして、異常表示処理部114は、ユーザインタフェース部118の構成要素を用いて、異常発生を表示する(AC1109)。
【0220】
一方、上述のDC1101において、異常検知処理部113の異常検知処理結果が「異常無し」と確認された場合、状態遷移処理部112は、画像印刷部128に初期化の開始を通知する(AC1111)。初期化開始の通知を受けた画像印刷部128の各構成要素は、各々の初期化を行う(AC1112)。画像印刷部128の各構成要素は、初期化が完了すると、状態遷移処理部112に、初期化完了を通知する(AC1113)。
【0221】
以上の動作により、プリンタ101Aは印刷可能状態(ST201)に遷移する。
【0222】
(B−3)第2の実施形態の効果
第2の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0223】
本実施例に拠れば、電源オン時に遷移する状態が、第1の実施例より、オンライン状態(例えば、印刷可能状態)に近いため、起動時のオンライン状態への遷移までの時間が短縮される。
【0224】
(C)第3の実施形態
以下、本発明による画像形成装置及び制御プログラムの第3の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。なお、第3の実施形態の画像形成装置は、プリンタである。
【0225】
(C−1)第3の実施形態の構成
第1、第2の実施形態では、本発明の画像形成装置をプリンタに適用した例について説明したが、第3の実施形態では、第1の実施形態の画像形成装置(プリンタ)を、複合機(例えば、プリンタ、FAX、コピー等の複数の機能に対応した装置)に適用した例について説明する。以下、第3の実施形態について、第1の実施形態との差異を説明する。
【0226】
図12は、本発明の第2の実施例における複合機1201の機能的構成について示したブロック図である。
【0227】
図12に示すように、第3の実施形態の複合機1201は、電力供給部1202、装置制御部1203、ユーザインタフェース部1204、ホストインタフェース部1205、プリント部1206、スキャナ部1207、及びFAX処理部1208を有している。
【0228】
電力供給部1202は、複合機1201の電源である。電力供給部1202は、第1の実施形態と同様に、図示しないスイッチを備えており、当該スイッチがオンに操作されると複合機1201の各構成要素へ給電を開始し、当該スイッチがオフに操作されると給電を停止する。
【0229】
装置制御部1203は、複合機1201を構成する各部の制御を行うものである。装置制御部1203は、第1の実施形態と同様に、主制御プログラムを実行するためのメインCPU、副制御プログラムを実行するためのサブCPU、主制御プログラムや副制御プログラムを格納するROM、主制御プログラムや副制御プログラムがロードされるRAM、複合機1201の制御用情報を格納するEEPROM等の構成要素を有している。
【0230】
ユーザインタフェース部1204は、複合機1201とユーザとの間のインタフェースの機能を担っており、文字や絵を表示するパネル(LCD)、点灯や点滅を行うLED、入力を行うボタン等を有している。ユーザインタフェース部1204を構成するデバイスの組合せはこれに限定されないものであり、既存の複合機における種々のユーザインタフェース(デバイス)を組み合わせて適用することができる。例えば、LED120を省略してパネルだけでユーザインタフェース部1204を構成するようにしても良い。
【0231】
ホストインタフェース部122は、ホスト(印刷ジョブの供給元の装置(例えば、PCやプリンタサーバ等))とのインタフェースの機能を担っており、ネットワークインタフェース、USBインタフェース、電話インタフェース(FAX用の電話回線と接続するためのインタフェース)等を有している。
【0232】
ホストインタフェース部1205を構成するインタフェースの組合せはこれに限定されないものであり、既存の複合機における種々のインタフェースを組み合わせて適用することができる。例えば、ホストとネットワークのみで接続する場合には、ホストインタフェース部1205からUSBインタフェースについては省略するようにしても良い。
【0233】
プリント部1206は、印刷用紙に画像を形成する印刷機能を担っている。プリント部1206は、第1の実施形態のプリンタの画像印刷部と同様に、例えば、データを送受信するデータ送受信処理、印刷データを変換する印刷データ変換処理、印刷用紙の給紙・排紙を行う用紙搬送部、用紙にトナーを転写するトナー転写部、用紙にトナーを定着させるトナー定着部等を有している。
【0234】
スキャナ部1207は、コピー等の原稿の画像を読取る機能を担っている。スキャナ部1207は、例えば、原稿から画像を読み取る画像読取部や、読み取った画像を適切な形式の画像データに変換する画像変換部、画像データを配信するデータ配信部等を有している。
【0235】
FAX処理部1208は、複合機1201をFAX装置として機能させるための処理を行う。FAX処理部1208は、例えば、スキャナ部1207で読取った原稿の画像を符号化し、符号化したFAXデータを送信先に送信(ホストインタフェース部1205の電話インタフェースを介して送信)するFAX送信部と、FAXデータを受信(ホストインタフェース部1205の電話インタフェースを介して受信)して復号化し、復号化した画像を得るFAX受信部等を有している。
【0236】
(C−2)第3の実施形態の動作
図13は、第3の実施形態の複合機1201の起動時の初期化動作について示した説明図(ステートマシン図)であり、上述した図2と同一又は対応部分には同一又は対応する符号を付している。
【0237】
複合機1201は、図13に示すように、第1の実施形態(上述の図2)と比較して、動作可能状態ST201、送受信可能状態ST202が、それぞれ動作可能状態ST1301、送受信可能状態ST1301に置き換わっている。すなわち、複合機1201は、図13に示すように、状態ST1301、ST1302、ST203、ST204のいずれかの状態で動作する。そして、複合機1201の、各状態STの間の遷移処理TR及び選択処理SLは、図13のステートマシン図(状態遷移図)のように示すことができる。
【0238】
休眠状態(ST203)は、第1の実施形態のプリンタ101と同様に、装置制御部1203を構成するメインCPUを除く装置制御部1203と、ホストインタフェース部1204にのみ給電されている状態であるため、複合機1201のほとんどの機能は使用できなくなっている。
【0239】
送受信可能状態(ST1302)は、第1の実施形態のプリンタ101とほぼ同様である。具体的には、送受信可能状態ST1302は、各部のハードウェア要素へ給電されていない状態である。そのため、複合機1201が、送受信可能状態ST1302で動作する場合には、例えば、(a)プリント部1206における非印刷データの受信と応答、(b)FAX処理部1208による、時刻指定FAX送信、(c)FAX処理部1208による、FAX受信データ保存、のような動作が可能となる。
【0240】
複合機1201が送受信可能状態(ST1302)で動作する場合、複合機1201を構成する要素のうち、多くの電力を消費するハードウェア要素(例えば、プリンタ部の用紙搬送部、トナー転写部、トナー定着部、スキャナ部の原稿読取部等)が停止しているため、それらの要素を使用する動作は実行できない。
【0241】
動作可能状態(ST1301)は、第1の実施形態と同様に、複合機1201の全構成要素に給電されている状態である。
【0242】
複合機1201が動作可能状態(ST1301)で動作する場合、例えば、(a)プリント部1206における印刷データの受信と印刷、(b)スキャナ部1207とプリント部1206の連携による原稿読み取りと印刷(複写)、(c)FAX処理部1208とプリント部1206の連携によるFAX受信印刷、のような動作が可能となる。
【0243】
複合機1201が動作可能状態(ST1301)で動作する場合、複合機1201を構成する要素のうち、多くの電力を消費するハードウェア要素(例えば、プリンタ部の用紙搬送部、トナー転写部、トナー定着部、スキャナ部の原稿読取部)が給電により動作しているため、それらの要素を使用する動作を実行できる。
【0244】
(C−3)第3の実施形態の効果
第3実施形態によれば、複合機においても、第1の実施形態のプリンタ(画像形成装置)と同様の効果を奏することができる。
【0245】
(D)他の実施形態
本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
【0246】
(D−1)上記の各実施形態の画像形成装置(プリンタ又は複合機)では、印刷可能状態よりも省電力で動作する省電力動作状態として、送受信可能状態と休眠状態とが設定されているが、いずれか一方の状態を省略した構成としても良い。例えば、休眠状態が省略された構成となっている画像形成装置では、電源オン時に、異常が検知された場合、送受信可能状態に遷移するようにしても良い。
【0247】
また、上記の各実施形態の画像形成装置では、省電力動作状態としては、送受信可能状態と休眠状態とが設定されているが、3つ以上設定するようにしても良い。そして、画像形成装置において、起動時や電力供給状態を遷移させる時等に、異常を検知した場合に、いずれかの省電力動作状態に遷移するように構成しても良い。
【0248】
(D−2)上記の各実施形態では、本発明の画像形成装置を、プリンタ又は複合機に適用した例について説明したが、その他の画像形成装置(例えば、FAX、複写機等)について適用するようにしても良い。例えば、その他の画像形成装置(例えば、FAX、複写機等)について、上記の各実施形態の画像形成装置(プリンタ又はFAX)と同様の電力供給状態に関する制御を行うようにしても良い。
【0249】
(D−3)上記の各実施形態の(プリンタ又は複合機)では、EEPROMの装置異常情報を用いて、画像形成装置の異常に関する情報を保持し、画像形成装置の起動時に、EEPROM(装置異常情報)の内容に基づいて異常の有無を判断しているが、装置異常情報を省略するようにしても良い。その場合、例えば、画像形成装置の起動時に、全ての構成要素について、異常検知処理部による検知を行って、異常の有無を判断するようにしても良い。
【符号の説明】
【0250】
101…プリンタ(画像形成装置)、102…電力供給部、103…装置制御部、104…メインCPU、105…主制御プログラム、106…サブCPU、107…副制御プログラム、108…ROM、109…RAM、110…EEPROM、111…装置異常情報、112…状態遷移処理部、113…異常検知処理部、114…異常表示処理部、115…遷移判断処理部、116…状態遷移処理部、117…異常表示処理部、118…ユーザインタフェース部、119…LCDパネル、120…LED、121…ボタン、122…ホストインタフェース部、123…ネットワークインタフェース、124…USBインタフェース、125…画像形成処理部、126…データ送受信処理、127…印刷データ変換処理、128…画像印刷部、129…用紙搬送部、130…トナー転写部、131…トナー定着部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも当該画像形成装置の起動時に、当該画像形成装置の異常の有無を判断する異常判断手段と、
電力供給状態が異なる複数の動作状態のうち、いずれかの動作状態で動作するように、当該画像形成装置を制御するものであって、前記異常判断手段の判断結果に応じた動作状態に、当該画像形成装置の動作状態を制御する動作状態制御手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記動作状態制御手段は、当該画像形成装置を、媒体への画像形成が可能な画像形成可能動作状態、又は前記画像形成可能動作状態よりも消費電力が少ない1又は複数の省電力動作状態のうちいずれかの動作状態で、当該画像形成装置を動作させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記動作状態制御手段は、前記異常判断手段により異常が有ると判断された場合には、当該画像形成装置をいずれかの省電力動作状態で動作させることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記異常判断手段は、当該画像形成装置の異常の有無に関する情報を保持する異常情報保持部を備え、
前記動作状態制御手段は、当該画像形成装置の起動時に、前記異常情報保持部に異常が有る旨の情報が記録されている場合には、当該画像形成装置を画像形成可能動作状態で動作させ、前記異常情報保持部に異常が有ることが記録されていない場合には、当該画像形成装置を、いずれかの省電力動作状態で動作させることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
画像形成装置に搭載されたコンピュータを、
少なくとも当該画像形成装置の起動時に、当該画像形成装置の異常の有無を判断する異常判断手段と、
電力供給状態が異なる複数の動作状態のうち、いずれかの動作状態で動作するように、当該画像形成装置を制御するものであって、前記異常判断手段の判断結果に応じた動作状態に、当該画像形成装置の動作状態を制御する動作状態制御手段
として機能させることを特徴とする制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−49222(P2013−49222A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189235(P2011−189235)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】