画像形成装置及び印刷システム並びに起動制御方法
【課題】電源復帰時の消費電力を抑えて装置を立ち上げることができる画像形成装置及び印刷システム並びに起動制御方法の提供。
【解決手段】昇温して動作させる定着器を含む印刷部と、前記印刷部を含む各部の起動を制御する制御部と、を備える画像形成装置において、前記制御部は、電源復帰時に、前回、自装置が正常に電源オフされたかを判別し、正常に電源オフされなかった場合は、前記印刷部を除く各部を起動すると共に、同一ネットワークに接続される他の画像形成装置から装置情報を取得し、取得した装置情報に基づいて、前記印刷部の起動を制御する。
【解決手段】昇温して動作させる定着器を含む印刷部と、前記印刷部を含む各部の起動を制御する制御部と、を備える画像形成装置において、前記制御部は、電源復帰時に、前回、自装置が正常に電源オフされたかを判別し、正常に電源オフされなかった場合は、前記印刷部を除く各部を起動すると共に、同一ネットワークに接続される他の画像形成装置から装置情報を取得し、取得した装置情報に基づいて、前記印刷部の起動を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び印刷システム並びに起動制御方法に関し、特に、定着器を備える画像形成装置及び当該画像形成装置を含む印刷システム並びに当該画像形成装置の起動制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
会社等には様々な電子機器が設置されており、ブレーカを介して電力が供給されている。ここで、停電等によって電力の供給が絶たれた場合、各電子機器は電源スイッチがONの状態のままであるため、電源が復帰すると、複数の電子機器が同時に起動することになる。その際、電子機器は通常、起動時の消費電力が大きいため、複数の電子機器が消費する電力がブレーカの許容電力を超えると、ブレーカが落ちて電力の供給が絶たれてしまう。そのため、ユーザは全ての電子機器の電源スイッチをOFFにしたり、コンセントを抜いたりしてからブレーカを立ち上げ直さなければならないという問題があった。
【0003】
このような問題を回避するために、例えば、下記特許文献1には、運転中に電源の停電により運転停止した後に電源が復帰すると、遅延時間算出部により装置毎にばらついた遅延時間Tを算出して、その遅延時間Tを遅延タイマに設定し、上記遅延タイマが電源の復帰から遅延時間Tを計時した後、運転制御部により運転を再開する空気調和機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−159837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、空気調和機のように、電源復帰後に直ちに起動する必要がない機器(すなわち、直ちに起動させなくても業務に支障が生じない機器)の場合は、特許文献1のように、機器毎に遅延させて起動しても問題はない。しかしながら、プリンタや複合機(MFP:Multi Function Peripheral)などの印刷装置(以下、画像形成装置と呼ぶ。)の場合は、起動が遅延すると、ネットワークに接続されたコンピュータ装置が画像形成装置を認識できなくなったり、コンピュータ装置からのジョブを受け付けることができなくなったりするため、業務に支障が生じる。
【0006】
この画像形成装置は、ジョブの受信や解析、画像処理などのデータ処理を行った後、用紙上に画像を転写して定着させる画像形成処理を行うが、一般に、データ処理は制御部が実行するため消費電力は小さく、画像形成処理は各種部品で構成される印刷部が実行するため消費電力は大きくなる。特に、熱定着を行う画像形成装置では、定着器の温度を予め所定の温度に昇温する必要があるため、多くの電力を消費する。
【0007】
従って、処理に応じて起動のタイミングを調整することによって、ジョブの処理を妨げることなく電源復帰時の消費電力を抑えることができるが、従来の画像形成装置は、処理に応じて起動のタイミングを制御することができないため、電源復帰時の消費電力を抑えて装置を立ち上げることができないという問題があった。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、電源復帰時の消費電力を抑えて装置を立ち上げることができる画像形成装置及び印刷システム並びに起動制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、昇温して動作させる定着器を含む印刷部と、前記印刷部を含む各部の起動を制御する制御部と、を備える画像形成装置において、前記制御部は、電源復帰時に、前回、自装置が正常に電源オフされたかを判別し、正常に電源オフされなかった場合は、前記印刷部を除く各部を起動すると共に、同一ネットワークに接続される他の画像形成装置から装置情報を取得し、取得した装置情報に基づいて、前記印刷部の起動を制御するものである。
【0010】
また、本発明は、昇温して動作させる定着器を含む印刷部と、前記印刷部を含む各部の起動を制御する制御部と、を備える複数の画像形成装置が、ネットワークを介して相互に接続された印刷システムにおいて、各々の前記画像形成装置の前記制御部は、電源復帰時に、前回、自装置が正常に電源オフされたかを判別し、正常に電源オフされなかった場合は、前記印刷部を除く各部を起動すると共に、他の画像形成装置から装置情報を取得し、取得した装置情報に基づいて、自装置の前記印刷部の起動を制御するものである。
【0011】
また、本発明は、昇温して動作させる定着器を含む印刷部を備える複数の画像形成装置がネットワークを介して相互に接続された印刷システムにおける起動制御方法であって、電源復帰時に、各々の前記画像形成装置が、前回、自装置が正常に電源オフされたかを判別する第1処理と、正常に電源オフされた1又は複数の画像形成装置が、前記印刷部を含む各部を起動し、正常に電源オフされなかった1又は複数の所定の画像形成装置が、前記印刷部を除く各部を起動する第2処理と、各々の前記所定の画像形成装置が、他の画像形成装置から装置情報を取得し、前記装置情報に基づいて、自装置の前記印刷部の起動を制御する第3処理と、を実行するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の画像形成装置及び印刷システム並びに起動制御方法によれば、電源復帰時の消費電力を抑えて装置を立ち上げることができる。
【0013】
その理由は、画像形成装置(起動制御プログラム)は、電源オン時に、前回、自装置が正常に電源オフされたかを判別し、正常に電源オフされなかった場合は、画像形成機能を除く機能を起動すると共に、ネットワークに接続されている他の画像形成装置から装置情報を取得し、取得した装置情報に基づいて自装置の定着器の起動を制御(起動のタイミングをずらしたり、緩やかに温度を上昇させたり、スリープ状態で起動させたり)するからである。
【0014】
これにより、停電等の異常停止が発生した場合においても、電源復帰時の電力消費のピークをずらすことができ、電源復帰時に再度、ブレーカが落ちてしまうという不具合を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施例に係る印刷システムの構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置の電源ON時の動作を示すフローチャート図である。
【図4】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置の電源OFF時の動作を示すフローチャート図である。
【図5】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置の停電復帰起動処理を示すフローチャート図である。
【図6】本発明の第1の実施例に係るMIB情報の一例を示す図である。
【図7】画像形成装置の定着器の消費電力と温度との関係を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施例に係る印刷システムの起動時の消費電力を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施例に係る印刷システムの構成を模式的に示す図である。
【図10】本発明の第2の実施例に係る画像形成装置の停電復帰起動処理を示すフローチャート図である。
【図11】本発明の第2の実施例に係るMIB情報の一例を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施例に係る画像形成装置の起動タイミングを示す図である。
【図13】本発明の第2の実施例に係る複数の画像形成装置の最大電力量を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
背景技術で示したように、停電等によって電源が遮断された場合、各電子機器は電源スイッチがONの状態になったままであるため、電源が復帰すると、各電子機器が一斉に起動し、その結果、ブレーカが落ちてしまうという問題があった。この問題に対して、各機器の起動順をずらす方法が考えられるが、この方法では、遅れて起動する画像形成装置に対して、速やかにジョブを指示することができず、業務に支障が生じてしまう。
【0017】
そこで、本発明の一実施の形態では、画像形成装置の構成物の内、電力消費量が大きい構成物(特に、熱定着を行う定着器)の起動を制御(例えば、起動のタイミングをずらしたり、緩やかに温度を上昇させたり、スリープ状態で起動させたり)し、電源復帰時に複数の画像形成装置が同時に立ち上がることによるブレーカダウンを防止する。その際、画像形成機能を除く機能(スキャンやFAX、ジョブ予約等)はすぐに立ち上げて使用できるようにし、ジョブ処理の遅延を防止する。
【実施例1】
【0018】
上記した本発明の一実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の第1の実施例に係る画像形成装置及び印刷システム並びに起動制御方法について、図1乃至図8を参照して説明する。図1は、本実施例の印刷システムの構成を模式的に示す図である。また、図2は、本実施例の画像形成装置の構成を示すブロック図であり、図3乃至図5は、その動作を示すフローチャート図である。また、図6は、MIB情報の一例を示す図であり、図7は、定着器に供給する電力と温度との関係を示す図、図8は、印刷システムの起動時の消費電力を示す図である。
【0019】
図1に示すように、本実施例の印刷システム10は、本実施例の起動制御機能を備えた画像形成装置20と、本実施例の起動制御機能を備えていない1又は複数台の従来の画像形成装置30と、印刷指示などを行う1又は複数台のコンピュータ装置40と、を含み、これらは、LAN(Local Area Network)などの通信ネットワークを介して相互に接続されている。
【0020】
なお、図1では、画像形成装置20と画像形成装置30とコンピュータ装置40とで印刷システム10を構成したが、本実施例の印刷システム10は、1台の画像形成装置20と1台の画像形成装置30とを含んでいればよい。
【0021】
図2は、本実施例の画像形成装置20の構成を示すブロック図である。画像形成装置20は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、HDD(Hard Disk Drive)24、表示部25、通信部26、入力部27、出力部28、画像処理部29などで構成され、これらはバスを介して接続されている。
【0022】
CPU21は、プログラムに従って演算するデータ処理装置である。ROM22は、プリンタ全体の動作を制御するためのプログラム(特に、定着器の起動を制御する起動制御プログラム)等を記憶する。RAM23は、CPUによる制御に必要なデータ(例えば後述する電源フラグ)及び制御動作時に一時記憶が必要なデータ等を記憶する。そして、CPU21と、ROM22やRAM23などのメモリと、で制御部が構成される。
【0023】
また、上記制御部は、電源復帰時に、前回、自装置が正常に電源OFFされたかを判別し、正常に電源OFFされなかった場合は、画像形成機能を除く機能を起動すると共に、通信ネットワークに接続された他の画像形成装置(ここでは従来の画像形成装置30)から装置情報(例えば、SNMP(Simple Network Management Protocol)で管理されるネットワーク機器が自分の状態を外部に知らせるために公開するMIB(Management Information Base)情報)を取得し、取得した装置情報に基づいて自装置の定着器の起動を制御し、起動のタイミングをずらしたり、緩やかに温度を上昇させたり、スリープ状態で起動させたりする処理を実行する。
【0024】
HDD24は、クライアントのコンピュータ装置40などから取得した印刷データ(PJL(Printer Job Language)コマンドやPS(PostScript)、PCL(Printer Control Language)等のページ記述言語のデータ、または、PDF(Portable Document Format)データ)、印刷データから生成した中間データ、中間データから生成したビットマップデータ、MIB情報などを保持する。
【0025】
表示部25は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(electroluminescence)ディスプレイ上に、透明電極が格子状に配置されたタッチパネルと、ハードキーなどで構成され、コピーやプリントに必要な各種設定を表示し、入力するために用いられる。
【0026】
通信部26は、NIC(Network Interface Card)やモデムなどで構成され、ネットワーク機能(他の画像形成装置20やコンピュータ装置30などとの接続を確立し、装置情報などを取得する機能)やFAX機能等の通信に関する機能を実現する。
【0027】
入力部27は、スキャナであり、原稿台上の原稿を走査する光源と、原稿で反射された光を電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサと、電気信号をA/D変換するA/D変換器などにより構成され、原稿台上の原稿用紙の画像を光学的に読み取り、スキャンデータを出力する。
【0028】
出力部28は、エンジンであり、電子写真方式や静電記録方式等の作像プロセスを利用した画像形成のために必要な要素、すなわち、帯電装置、感光体ドラム、露光装置、転写ローラ、転写ベルト、定着器などで構成される。具体的には、帯電装置により帯電された感光体ドラムに露光装置から印刷データに応じた光を照射して静電潜像を形成し、現像装置で帯電したトナーを付着させて現像し、そのトナー像を一次転写ローラ、二次転写ベルトを介して紙媒体に転写して定着器で熱定着させる処理を行う。
【0029】
画像処理部29は、スキャンデータに対して画像処理を行ったり、印刷データを解析し、ラスタライズしてビットマップデータを作成する。
【0030】
なお、図2は、本実施例の画像形成装置20の一例であり、起動制御プログラムにより起動が制御される機器(特に、起動時の消費電力が大きい熱定着器)を備えていればよい。また、従来の画像形成装置30は、起動制御プログラムが動作しない点を除いて、上記画像形成装置20と同様の構成である。
【0031】
以下、本実施例の画像形成装置20の動作について説明する。
【0032】
[電源ON時]
まず、画像形成装置20の電源がONになった時の動作について、図3のフローチャート図を参照して説明する。
【0033】
ブレーカ等を介して画像形成装置20に電力が供給され(すなわち、電源が復帰し)、電源ONになると、制御部は、電源フラグをチェックする(S101)。この電源フラグは、電源が正常にOFFされたかどうかをチェックするために使用するフラグである。
【0034】
電源フラグがOFFの場合(S101のYes)、制御部は通常の起動処理(例えば、画像形成装置20の全ての機能を動作させる処理)を行い(S102)、電源フラグをONにセットした後(S103)、処理を終了する。
【0035】
一方、電源フラグがONの場合(S101のNo)、停電やブレーカが落ちる等の異常停止が発生し、正常に電源がOFFされなかったと考えられるため、停電復帰起動処理を行う(S104)。この停電復帰起動処理については後述する。
【0036】
[電源OFF時]
次に、ユーザが主電源スイッチをOFFする時の動作について、図4のフローチャート図を参照して説明する。
【0037】
まず、画像形成装置20の制御部は、主電源スイッチがOFFされたかどうかをチェックし(S201)、主電源スイッチがOFFされるまで、待機する。主電源スイッチがOFFされた場合、電源フラグをOFFにセットし(S202)、この電源フラグを電源がOFFでもクリアされないNVRAM(non volatile RAM)等に保存する。その後、電源OFF処理を行う(S203)。
【0038】
[停電復帰起動処理]
次に、本実施例の特徴部分である停電復帰起動処理について、図5のフローチャート図を参照して説明する。
【0039】
まず、画像形成装置20の制御部は、消費電力の大きい定着器以外を起動させる(S301)。定着器以外とは、定着器を除く部分、若しくは、定着器を含むユニット(出力部28)を除く部分であり、定着器以外を起動させておくことにより、印刷機能以外(スキャン、FAX、ジョブ予約等)を使用できる状態にすることができる。
【0040】
次に、制御部(起動制御プログラム)は、予め定めた一定時間待機後(S302のYes)、例えばWSD(Web Services on Devices)等を用いて、同一ネットワーク内にある他の画像形成装置(ここでは、起動制御機能を備えていない従来の画像形成装置30)を検索し、画像形成装置30から、例えば、図6に示すようなMIB情報を取得する(S303)。ここで、一定時間待機するのは、画像形成装置30の定着器以外の部分が起動完了するまで待つ必要があるからである。なお、取得するMIB情報は、定着器の起動時間を含んでいればよく、本実施例の制御においては定着器の消費電力は必須ではない。また、定着器の起動時間とは、定着器に電力を供給し始めてから、定着器が予め定めた所定の温度に達し、消費する電力が低下するまでの時間である。
【0041】
そして、制御部(起動制御プログラム)は、取得したMIB情報に記述された、画像形成装置30の定着器の起動時間に基づいて、自装置の待ち時間(自装置の定着器の起動開始時間)を算出し(S304)、算出した待ち時間まで待機した後(S305のYes)、自装置の定着器への電力供給を開始し、定着器を起動させる(S306)。
【0042】
自装置の待ち時間を算出する方法について、具体的に説明する。図7は、一般的な画像形成装置の定着器の消費電力と温度との関係を示しており、定着器の温度(図の太線)を上げる際、画像形成装置の制御部は、定着器への電力(図の細線)の供給を開始し(図の立ち上がり部分)、所定の電力を継続して供給する(図の平坦部分)。そして、定着器の温度が目標温度に達したら(T1経経過後)、定着器に供給する電力を徐々に減少させ(図の立ち下がり部分)、定着器の温度が一旦上昇した後、目標温度に戻ったら(T2経過後)、定着器に供給する電力を一定に保つ。
【0043】
このように、定着器を起動させる際、時刻T2までは大きな電力を必要とするため、MIB情報から、画像形成装置30の定着器に供給する電力が一定の低い値に落ち着くまでの時間(定着器起動時間)を取得し、その時間が経過した後、本実施例の画像形成装置20の定着器への電力供給を開始し、定着器を起動させるようにする。
【0044】
例えば、従来の画像形成装置(画像形成装置30)の定着器の消費電力と、本実施例の画像形成装置(画像形成装置20)の定着器の消費電力とが、図8(a)に示すように変化する場合、本実施例の起動制御を行わずに、双方の画像形成装置の定着器を同時に起動させると、印刷システム10全体の消費電力は図の破線のようになり、最大電力量は大きな値になる。
【0045】
一方、図8(b)に示すように、従来の画像形成装置(画像形成装置30)の定着器の起動後に、本実施例の画像形成装置(画像形成装置20)の定着器を起動させると、消費電力が大きい領域が重ならなくなるため、印刷システム10全体の消費電力は図の破線のようになり、双方の画像形成装置の定着器を同時に起動させる場合に比べて、最大電力量を小さくすることができる。
【0046】
なお、上記説明では、1つ目の画像形成装置の定着器の消費電力が一定の低い値になってから、2つ目の画像形成装置の定着器を起動させる構成としたが、2つ目の画像形成装置の定着器を起動させるタイミングは上記に限定されず、例えば、1つ目の画像形成装置の定着器の消費電力が下がり初めてから(図7のT1からT2の間に)、2つの目の画像形成装置の定着器を起動させるようにしてもよい。この場合、最大電力量は多少大きくなるが、2つ目の画像形成装置の定着器を起動させるまでの時間を短縮することができる。
【0047】
また、上記説明では、従来の画像形成装置30の定着器の起動時間のみを考慮したが、クライアントのコンピュータ装置40や他の電子機器(サーバや空調機など)から起動時間を含む装置情報を取得することができる場合は、それらの装置に供給する電力も考慮して、2つ目の画像形成装置の定着器を起動させるタイミングを設定することもできる。
【0048】
また、上記説明では、待ち時間が経過した後に定着器を起動させる構成としたが、異常電源OFF後の電源ON時には、定着器を立ち上げない(スリープ状態で立ち上げる)ようにし、コピー/プリントジョブが投入された時に定着器のウォーミングアップを開始するように制御してもよい。
【0049】
更に、異常電源OFFになる前の状態をNVRAM等に記憶(すなわち、画像形成装置の状態が遷移する度に、遷移後の状態を記憶)しておき、電源復帰後にその状態に応じて、定着器を起動させるか、スリープ状態で立ち上げるかを決定して起動を制御するようにしてもよい。
【実施例2】
【0050】
次に、本発明の第2の実施例に係る画像形成装置及び印刷システム並びに起動制御方法について、図9乃至図13を参照して説明する。図9は、本実施例の印刷システムの構成を模式的に示す図である。また、図10は、本実施例の画像形成装置の停電復帰起動処理を示すフローチャート図であり、図11は、MIB情報の一例を示す図である。また、図12は、本実施例の画像形成装置の起動タイミングを示す図であり、図13は、本実施例の複数の画像形成装置の最大電力量を示す図である。
【0051】
図9に示すように、本実施例の印刷システム10は、本実施例の起動制御機能を備えた複数の画像形成装置20(ここでは、画像形成装置A〜D)と、必要に応じて、印刷指示などを行う1又は複数台のコンピュータ装置40と、を含み、これらは、LANなどの通信ネットワークを介して相互に接続されている。なお、各々の画像形成装置20の構成、電源ON時の動作及び電源OFF時の動作は前記した第1の実施例と同様であるため、説明は省略する。
【0052】
以下、上記構成の印刷システム10における停電復帰起動処理について、図10のフローチャート図を参照して説明する。
【0053】
まず、各々の画像形成装置20の制御部は、消費電力の大きい定着器以外を起動させる(S401)。定着器以外とは、第1の実施例と同様に、定着器を除く部分、若しくは、定着器を含むユニット(出力部28)を除く部分であり、定着器以外を起動させておくことによって、印刷機能以外(スキャン、FAX、ジョブ予約等)を使用できる状態にすることができる。
【0054】
次に、各々の画像形成装置20の制御部(起動制御プログラム)は、一定時間待機後(S402のYes)、例えばWSD等を用いて、同一ネットワーク内にある他の画像形成装置(ここでは、起動制御機能を備えた他の画像形成装置20)を検索し、例えば、図11に示すようなMIB情報を取得する(S403)。ここで、一定時間待機するのは、他の画像形成装置20の定着器以外の部分が起動完了するまで待つ必要があるからである。
【0055】
そして、各々の画像形成装置20の制御部(起動制御プログラム)は、取得したMIB情報に基づいて、自装置の待ち時間(自装置の定着器の起動開始時間)を算出し(S404)、算出した待ち時間まで待機した後(S405のYes)、自装置の定着器への電力供給を開始し、定着器を起動させる(S406)。
【0056】
複数の画像形成装置20の定着器の起動制御方法の一例として、定着器の起動時間が短いものから順に起動させる場合について説明する。図9のシステム構成における画像形成装置B(カラーデジタル複写機)を例にすると、画像形成装置Bの定着器以外の部分がまず起動する。この状態で、画像形成装置Bの通信部26が起動し、一定時間待機後に、WSD等を使用して、同一ネットワーク内の他の画像形成装置20を検索する。
【0057】
次に、画像形成装置Bの制御部(起動制御プログラム)はWSD等によって検出できた画像形成装置(A、C、D)のMIB情報を取得する(図11参照)。そして、画像形成装置Bの制御部(起動制御プログラム)は、取得したMIB情報と画像形成装置Bの定着器の起動時間から、定着器の起動時間の短い順に起動順を決める。図11では、A→B→D→Cの順番となる。ここで、定着器の起動開始時間は、画像形成装置Aは0秒後、画像形成装置Bは(40+α、αはマージン時間)秒後となるので、画像形成装置Bの定着器の起動開始時間を(40+α)秒後にセットする。また、画像形成装置Dは、同様に計算して定着器の起動開始時間を(40+60+2α)秒後にセットし、画像形成装置Cは、同様に計算して定着器の起動開始時間を(40+60+65+3α)秒後にセットする。図12は、αを10秒とした場合の、各画像形成装置20の定着器の起動タイミングを示した図である。
【0058】
そして、画像形成装置Bの制御部(起動制御プログラム)は、(40+α)秒待機した後、定着器の起動を開始し、起動完了する。
【0059】
このように、複数の画像形成装置20の各々が、同じルールに従って、自装置の定着器の起動開始時間を算出して自装置の定着器の起動を制御することにより、印刷システム10内の全ての画像形成装置20の定着器がずれて起動するため、電源復帰時に大きな電力を消費してブレーカが落ちると言った不具合を未然に防止することができる。
【0060】
なお、上記説明では、定着器の起動順を起動時間が短い順としたが、定着器の起動順は任意であり、例えば、消費電力の小さい順に行ってもよい。消費電力の小さい順とすることにより、電源復帰直後の消費電力が一番大きい時間帯において、画像形成装置の電力消費を抑えることができるため、ネットワークに他の機器(コンピュータ装置40やサーバ、空調機など)が接続されている場合においても、ブレーカが落ちるという不具合を未然に防止することができる。
【0061】
また、第1の実施例と同様に、異常電源OFF時後の電源ONには定着器を立ち上げない(スリープ状態で立ち上げる)ようにして、コピー/プリントジョブが投入された時に定着器のウォーミングアップを開始するように制御してもよい。更に、異常電源OFFになる前の状態をNVRAM等に記憶(画像形成装置の状態が遷移する度に、遷移後の状態を記憶)しておき、電源復帰後にその状態に応じて、定着器を起動させるか、スリープ状態で立ち上げるかを決定して起動を制御するようにしてもよい。
【0062】
また、上記各実施例では定着器の起動タイミングをずらす構成としたが、定着器の温度を緩やかに上昇させても、起動時の消費電力を小さくすることができるため、起動タイミングをずらす場合と同様の効果を得ることができる。
【0063】
具体的に説明すると、図13(a)に示すように、1台の画像形成装置20の定着器を起動させると消費電力は図の破線のようになり、2台の画像形成装置20の定着器を同時に起動させると消費電力は図の一点鎖線のようになり、3台の画像形成装置20の定着器を同時に起動させると消費電力は図の実線のようになる。従って、3台の画像形成装置20の定着器を同時に起動させると最大電力量Wmaxは大きな値となる。一方、定着器の温度を緩やかに上昇させる場合は、図13(b)に示すように、各々の画像形成装置20の定着器の起動時の消費電力を小さくすることができるため、3台の画像形成装置20の定着器を同時に起動させる場合の最大電力量Wmaxは、図13(a)に比べて小さな値となる。
【0064】
従って、定着器の温度を緩やかに上昇させることにより、起動タイミングをずらす場合と同様に、最大電力量を低減してブレーカが落ちるという不具合を未然に防止することができる。また、起動タイミングをずらす制御と、定着器の温度を緩やかに上昇させる制御とを組み合わせることによって、最大電力量を更に低減することができる。例えば、最初に起動させる定着器は、温度を緩やかに上昇させる制御を行い、その後に起動させる定着器は、起動タイミングをずらす制御を行うことにより、電源復帰後の消費電力が大きい時間帯の画像形成装置の電力消費を抑えることができる。
【0065】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、その構成や制御は適宜変更可能である。例えば、上記実施例では、画像形成装置20の定着器の起動を制御する場合について記載したが、複数の機能を備える任意の装置の中の起動時の消費電力が大きい任意の機能の起動を制御する場合に対して、同様に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、消費電力の大きい構成物を備えた装置、特に、熱定着を行う定着器を備えた画像形成装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0067】
10 印刷システム
20 画像形成装置
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 HDD
25 表示部
26 通信部
27 入力部
28 出力部
29 画像処理部
30 画像形成装置(従来)
40 コンピュータ装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び印刷システム並びに起動制御方法に関し、特に、定着器を備える画像形成装置及び当該画像形成装置を含む印刷システム並びに当該画像形成装置の起動制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
会社等には様々な電子機器が設置されており、ブレーカを介して電力が供給されている。ここで、停電等によって電力の供給が絶たれた場合、各電子機器は電源スイッチがONの状態のままであるため、電源が復帰すると、複数の電子機器が同時に起動することになる。その際、電子機器は通常、起動時の消費電力が大きいため、複数の電子機器が消費する電力がブレーカの許容電力を超えると、ブレーカが落ちて電力の供給が絶たれてしまう。そのため、ユーザは全ての電子機器の電源スイッチをOFFにしたり、コンセントを抜いたりしてからブレーカを立ち上げ直さなければならないという問題があった。
【0003】
このような問題を回避するために、例えば、下記特許文献1には、運転中に電源の停電により運転停止した後に電源が復帰すると、遅延時間算出部により装置毎にばらついた遅延時間Tを算出して、その遅延時間Tを遅延タイマに設定し、上記遅延タイマが電源の復帰から遅延時間Tを計時した後、運転制御部により運転を再開する空気調和機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−159837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、空気調和機のように、電源復帰後に直ちに起動する必要がない機器(すなわち、直ちに起動させなくても業務に支障が生じない機器)の場合は、特許文献1のように、機器毎に遅延させて起動しても問題はない。しかしながら、プリンタや複合機(MFP:Multi Function Peripheral)などの印刷装置(以下、画像形成装置と呼ぶ。)の場合は、起動が遅延すると、ネットワークに接続されたコンピュータ装置が画像形成装置を認識できなくなったり、コンピュータ装置からのジョブを受け付けることができなくなったりするため、業務に支障が生じる。
【0006】
この画像形成装置は、ジョブの受信や解析、画像処理などのデータ処理を行った後、用紙上に画像を転写して定着させる画像形成処理を行うが、一般に、データ処理は制御部が実行するため消費電力は小さく、画像形成処理は各種部品で構成される印刷部が実行するため消費電力は大きくなる。特に、熱定着を行う画像形成装置では、定着器の温度を予め所定の温度に昇温する必要があるため、多くの電力を消費する。
【0007】
従って、処理に応じて起動のタイミングを調整することによって、ジョブの処理を妨げることなく電源復帰時の消費電力を抑えることができるが、従来の画像形成装置は、処理に応じて起動のタイミングを制御することができないため、電源復帰時の消費電力を抑えて装置を立ち上げることができないという問題があった。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、電源復帰時の消費電力を抑えて装置を立ち上げることができる画像形成装置及び印刷システム並びに起動制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、昇温して動作させる定着器を含む印刷部と、前記印刷部を含む各部の起動を制御する制御部と、を備える画像形成装置において、前記制御部は、電源復帰時に、前回、自装置が正常に電源オフされたかを判別し、正常に電源オフされなかった場合は、前記印刷部を除く各部を起動すると共に、同一ネットワークに接続される他の画像形成装置から装置情報を取得し、取得した装置情報に基づいて、前記印刷部の起動を制御するものである。
【0010】
また、本発明は、昇温して動作させる定着器を含む印刷部と、前記印刷部を含む各部の起動を制御する制御部と、を備える複数の画像形成装置が、ネットワークを介して相互に接続された印刷システムにおいて、各々の前記画像形成装置の前記制御部は、電源復帰時に、前回、自装置が正常に電源オフされたかを判別し、正常に電源オフされなかった場合は、前記印刷部を除く各部を起動すると共に、他の画像形成装置から装置情報を取得し、取得した装置情報に基づいて、自装置の前記印刷部の起動を制御するものである。
【0011】
また、本発明は、昇温して動作させる定着器を含む印刷部を備える複数の画像形成装置がネットワークを介して相互に接続された印刷システムにおける起動制御方法であって、電源復帰時に、各々の前記画像形成装置が、前回、自装置が正常に電源オフされたかを判別する第1処理と、正常に電源オフされた1又は複数の画像形成装置が、前記印刷部を含む各部を起動し、正常に電源オフされなかった1又は複数の所定の画像形成装置が、前記印刷部を除く各部を起動する第2処理と、各々の前記所定の画像形成装置が、他の画像形成装置から装置情報を取得し、前記装置情報に基づいて、自装置の前記印刷部の起動を制御する第3処理と、を実行するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の画像形成装置及び印刷システム並びに起動制御方法によれば、電源復帰時の消費電力を抑えて装置を立ち上げることができる。
【0013】
その理由は、画像形成装置(起動制御プログラム)は、電源オン時に、前回、自装置が正常に電源オフされたかを判別し、正常に電源オフされなかった場合は、画像形成機能を除く機能を起動すると共に、ネットワークに接続されている他の画像形成装置から装置情報を取得し、取得した装置情報に基づいて自装置の定着器の起動を制御(起動のタイミングをずらしたり、緩やかに温度を上昇させたり、スリープ状態で起動させたり)するからである。
【0014】
これにより、停電等の異常停止が発生した場合においても、電源復帰時の電力消費のピークをずらすことができ、電源復帰時に再度、ブレーカが落ちてしまうという不具合を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施例に係る印刷システムの構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置の電源ON時の動作を示すフローチャート図である。
【図4】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置の電源OFF時の動作を示すフローチャート図である。
【図5】本発明の第1の実施例に係る画像形成装置の停電復帰起動処理を示すフローチャート図である。
【図6】本発明の第1の実施例に係るMIB情報の一例を示す図である。
【図7】画像形成装置の定着器の消費電力と温度との関係を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施例に係る印刷システムの起動時の消費電力を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施例に係る印刷システムの構成を模式的に示す図である。
【図10】本発明の第2の実施例に係る画像形成装置の停電復帰起動処理を示すフローチャート図である。
【図11】本発明の第2の実施例に係るMIB情報の一例を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施例に係る画像形成装置の起動タイミングを示す図である。
【図13】本発明の第2の実施例に係る複数の画像形成装置の最大電力量を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
背景技術で示したように、停電等によって電源が遮断された場合、各電子機器は電源スイッチがONの状態になったままであるため、電源が復帰すると、各電子機器が一斉に起動し、その結果、ブレーカが落ちてしまうという問題があった。この問題に対して、各機器の起動順をずらす方法が考えられるが、この方法では、遅れて起動する画像形成装置に対して、速やかにジョブを指示することができず、業務に支障が生じてしまう。
【0017】
そこで、本発明の一実施の形態では、画像形成装置の構成物の内、電力消費量が大きい構成物(特に、熱定着を行う定着器)の起動を制御(例えば、起動のタイミングをずらしたり、緩やかに温度を上昇させたり、スリープ状態で起動させたり)し、電源復帰時に複数の画像形成装置が同時に立ち上がることによるブレーカダウンを防止する。その際、画像形成機能を除く機能(スキャンやFAX、ジョブ予約等)はすぐに立ち上げて使用できるようにし、ジョブ処理の遅延を防止する。
【実施例1】
【0018】
上記した本発明の一実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の第1の実施例に係る画像形成装置及び印刷システム並びに起動制御方法について、図1乃至図8を参照して説明する。図1は、本実施例の印刷システムの構成を模式的に示す図である。また、図2は、本実施例の画像形成装置の構成を示すブロック図であり、図3乃至図5は、その動作を示すフローチャート図である。また、図6は、MIB情報の一例を示す図であり、図7は、定着器に供給する電力と温度との関係を示す図、図8は、印刷システムの起動時の消費電力を示す図である。
【0019】
図1に示すように、本実施例の印刷システム10は、本実施例の起動制御機能を備えた画像形成装置20と、本実施例の起動制御機能を備えていない1又は複数台の従来の画像形成装置30と、印刷指示などを行う1又は複数台のコンピュータ装置40と、を含み、これらは、LAN(Local Area Network)などの通信ネットワークを介して相互に接続されている。
【0020】
なお、図1では、画像形成装置20と画像形成装置30とコンピュータ装置40とで印刷システム10を構成したが、本実施例の印刷システム10は、1台の画像形成装置20と1台の画像形成装置30とを含んでいればよい。
【0021】
図2は、本実施例の画像形成装置20の構成を示すブロック図である。画像形成装置20は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、HDD(Hard Disk Drive)24、表示部25、通信部26、入力部27、出力部28、画像処理部29などで構成され、これらはバスを介して接続されている。
【0022】
CPU21は、プログラムに従って演算するデータ処理装置である。ROM22は、プリンタ全体の動作を制御するためのプログラム(特に、定着器の起動を制御する起動制御プログラム)等を記憶する。RAM23は、CPUによる制御に必要なデータ(例えば後述する電源フラグ)及び制御動作時に一時記憶が必要なデータ等を記憶する。そして、CPU21と、ROM22やRAM23などのメモリと、で制御部が構成される。
【0023】
また、上記制御部は、電源復帰時に、前回、自装置が正常に電源OFFされたかを判別し、正常に電源OFFされなかった場合は、画像形成機能を除く機能を起動すると共に、通信ネットワークに接続された他の画像形成装置(ここでは従来の画像形成装置30)から装置情報(例えば、SNMP(Simple Network Management Protocol)で管理されるネットワーク機器が自分の状態を外部に知らせるために公開するMIB(Management Information Base)情報)を取得し、取得した装置情報に基づいて自装置の定着器の起動を制御し、起動のタイミングをずらしたり、緩やかに温度を上昇させたり、スリープ状態で起動させたりする処理を実行する。
【0024】
HDD24は、クライアントのコンピュータ装置40などから取得した印刷データ(PJL(Printer Job Language)コマンドやPS(PostScript)、PCL(Printer Control Language)等のページ記述言語のデータ、または、PDF(Portable Document Format)データ)、印刷データから生成した中間データ、中間データから生成したビットマップデータ、MIB情報などを保持する。
【0025】
表示部25は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(electroluminescence)ディスプレイ上に、透明電極が格子状に配置されたタッチパネルと、ハードキーなどで構成され、コピーやプリントに必要な各種設定を表示し、入力するために用いられる。
【0026】
通信部26は、NIC(Network Interface Card)やモデムなどで構成され、ネットワーク機能(他の画像形成装置20やコンピュータ装置30などとの接続を確立し、装置情報などを取得する機能)やFAX機能等の通信に関する機能を実現する。
【0027】
入力部27は、スキャナであり、原稿台上の原稿を走査する光源と、原稿で反射された光を電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサと、電気信号をA/D変換するA/D変換器などにより構成され、原稿台上の原稿用紙の画像を光学的に読み取り、スキャンデータを出力する。
【0028】
出力部28は、エンジンであり、電子写真方式や静電記録方式等の作像プロセスを利用した画像形成のために必要な要素、すなわち、帯電装置、感光体ドラム、露光装置、転写ローラ、転写ベルト、定着器などで構成される。具体的には、帯電装置により帯電された感光体ドラムに露光装置から印刷データに応じた光を照射して静電潜像を形成し、現像装置で帯電したトナーを付着させて現像し、そのトナー像を一次転写ローラ、二次転写ベルトを介して紙媒体に転写して定着器で熱定着させる処理を行う。
【0029】
画像処理部29は、スキャンデータに対して画像処理を行ったり、印刷データを解析し、ラスタライズしてビットマップデータを作成する。
【0030】
なお、図2は、本実施例の画像形成装置20の一例であり、起動制御プログラムにより起動が制御される機器(特に、起動時の消費電力が大きい熱定着器)を備えていればよい。また、従来の画像形成装置30は、起動制御プログラムが動作しない点を除いて、上記画像形成装置20と同様の構成である。
【0031】
以下、本実施例の画像形成装置20の動作について説明する。
【0032】
[電源ON時]
まず、画像形成装置20の電源がONになった時の動作について、図3のフローチャート図を参照して説明する。
【0033】
ブレーカ等を介して画像形成装置20に電力が供給され(すなわち、電源が復帰し)、電源ONになると、制御部は、電源フラグをチェックする(S101)。この電源フラグは、電源が正常にOFFされたかどうかをチェックするために使用するフラグである。
【0034】
電源フラグがOFFの場合(S101のYes)、制御部は通常の起動処理(例えば、画像形成装置20の全ての機能を動作させる処理)を行い(S102)、電源フラグをONにセットした後(S103)、処理を終了する。
【0035】
一方、電源フラグがONの場合(S101のNo)、停電やブレーカが落ちる等の異常停止が発生し、正常に電源がOFFされなかったと考えられるため、停電復帰起動処理を行う(S104)。この停電復帰起動処理については後述する。
【0036】
[電源OFF時]
次に、ユーザが主電源スイッチをOFFする時の動作について、図4のフローチャート図を参照して説明する。
【0037】
まず、画像形成装置20の制御部は、主電源スイッチがOFFされたかどうかをチェックし(S201)、主電源スイッチがOFFされるまで、待機する。主電源スイッチがOFFされた場合、電源フラグをOFFにセットし(S202)、この電源フラグを電源がOFFでもクリアされないNVRAM(non volatile RAM)等に保存する。その後、電源OFF処理を行う(S203)。
【0038】
[停電復帰起動処理]
次に、本実施例の特徴部分である停電復帰起動処理について、図5のフローチャート図を参照して説明する。
【0039】
まず、画像形成装置20の制御部は、消費電力の大きい定着器以外を起動させる(S301)。定着器以外とは、定着器を除く部分、若しくは、定着器を含むユニット(出力部28)を除く部分であり、定着器以外を起動させておくことにより、印刷機能以外(スキャン、FAX、ジョブ予約等)を使用できる状態にすることができる。
【0040】
次に、制御部(起動制御プログラム)は、予め定めた一定時間待機後(S302のYes)、例えばWSD(Web Services on Devices)等を用いて、同一ネットワーク内にある他の画像形成装置(ここでは、起動制御機能を備えていない従来の画像形成装置30)を検索し、画像形成装置30から、例えば、図6に示すようなMIB情報を取得する(S303)。ここで、一定時間待機するのは、画像形成装置30の定着器以外の部分が起動完了するまで待つ必要があるからである。なお、取得するMIB情報は、定着器の起動時間を含んでいればよく、本実施例の制御においては定着器の消費電力は必須ではない。また、定着器の起動時間とは、定着器に電力を供給し始めてから、定着器が予め定めた所定の温度に達し、消費する電力が低下するまでの時間である。
【0041】
そして、制御部(起動制御プログラム)は、取得したMIB情報に記述された、画像形成装置30の定着器の起動時間に基づいて、自装置の待ち時間(自装置の定着器の起動開始時間)を算出し(S304)、算出した待ち時間まで待機した後(S305のYes)、自装置の定着器への電力供給を開始し、定着器を起動させる(S306)。
【0042】
自装置の待ち時間を算出する方法について、具体的に説明する。図7は、一般的な画像形成装置の定着器の消費電力と温度との関係を示しており、定着器の温度(図の太線)を上げる際、画像形成装置の制御部は、定着器への電力(図の細線)の供給を開始し(図の立ち上がり部分)、所定の電力を継続して供給する(図の平坦部分)。そして、定着器の温度が目標温度に達したら(T1経経過後)、定着器に供給する電力を徐々に減少させ(図の立ち下がり部分)、定着器の温度が一旦上昇した後、目標温度に戻ったら(T2経過後)、定着器に供給する電力を一定に保つ。
【0043】
このように、定着器を起動させる際、時刻T2までは大きな電力を必要とするため、MIB情報から、画像形成装置30の定着器に供給する電力が一定の低い値に落ち着くまでの時間(定着器起動時間)を取得し、その時間が経過した後、本実施例の画像形成装置20の定着器への電力供給を開始し、定着器を起動させるようにする。
【0044】
例えば、従来の画像形成装置(画像形成装置30)の定着器の消費電力と、本実施例の画像形成装置(画像形成装置20)の定着器の消費電力とが、図8(a)に示すように変化する場合、本実施例の起動制御を行わずに、双方の画像形成装置の定着器を同時に起動させると、印刷システム10全体の消費電力は図の破線のようになり、最大電力量は大きな値になる。
【0045】
一方、図8(b)に示すように、従来の画像形成装置(画像形成装置30)の定着器の起動後に、本実施例の画像形成装置(画像形成装置20)の定着器を起動させると、消費電力が大きい領域が重ならなくなるため、印刷システム10全体の消費電力は図の破線のようになり、双方の画像形成装置の定着器を同時に起動させる場合に比べて、最大電力量を小さくすることができる。
【0046】
なお、上記説明では、1つ目の画像形成装置の定着器の消費電力が一定の低い値になってから、2つ目の画像形成装置の定着器を起動させる構成としたが、2つ目の画像形成装置の定着器を起動させるタイミングは上記に限定されず、例えば、1つ目の画像形成装置の定着器の消費電力が下がり初めてから(図7のT1からT2の間に)、2つの目の画像形成装置の定着器を起動させるようにしてもよい。この場合、最大電力量は多少大きくなるが、2つ目の画像形成装置の定着器を起動させるまでの時間を短縮することができる。
【0047】
また、上記説明では、従来の画像形成装置30の定着器の起動時間のみを考慮したが、クライアントのコンピュータ装置40や他の電子機器(サーバや空調機など)から起動時間を含む装置情報を取得することができる場合は、それらの装置に供給する電力も考慮して、2つ目の画像形成装置の定着器を起動させるタイミングを設定することもできる。
【0048】
また、上記説明では、待ち時間が経過した後に定着器を起動させる構成としたが、異常電源OFF後の電源ON時には、定着器を立ち上げない(スリープ状態で立ち上げる)ようにし、コピー/プリントジョブが投入された時に定着器のウォーミングアップを開始するように制御してもよい。
【0049】
更に、異常電源OFFになる前の状態をNVRAM等に記憶(すなわち、画像形成装置の状態が遷移する度に、遷移後の状態を記憶)しておき、電源復帰後にその状態に応じて、定着器を起動させるか、スリープ状態で立ち上げるかを決定して起動を制御するようにしてもよい。
【実施例2】
【0050】
次に、本発明の第2の実施例に係る画像形成装置及び印刷システム並びに起動制御方法について、図9乃至図13を参照して説明する。図9は、本実施例の印刷システムの構成を模式的に示す図である。また、図10は、本実施例の画像形成装置の停電復帰起動処理を示すフローチャート図であり、図11は、MIB情報の一例を示す図である。また、図12は、本実施例の画像形成装置の起動タイミングを示す図であり、図13は、本実施例の複数の画像形成装置の最大電力量を示す図である。
【0051】
図9に示すように、本実施例の印刷システム10は、本実施例の起動制御機能を備えた複数の画像形成装置20(ここでは、画像形成装置A〜D)と、必要に応じて、印刷指示などを行う1又は複数台のコンピュータ装置40と、を含み、これらは、LANなどの通信ネットワークを介して相互に接続されている。なお、各々の画像形成装置20の構成、電源ON時の動作及び電源OFF時の動作は前記した第1の実施例と同様であるため、説明は省略する。
【0052】
以下、上記構成の印刷システム10における停電復帰起動処理について、図10のフローチャート図を参照して説明する。
【0053】
まず、各々の画像形成装置20の制御部は、消費電力の大きい定着器以外を起動させる(S401)。定着器以外とは、第1の実施例と同様に、定着器を除く部分、若しくは、定着器を含むユニット(出力部28)を除く部分であり、定着器以外を起動させておくことによって、印刷機能以外(スキャン、FAX、ジョブ予約等)を使用できる状態にすることができる。
【0054】
次に、各々の画像形成装置20の制御部(起動制御プログラム)は、一定時間待機後(S402のYes)、例えばWSD等を用いて、同一ネットワーク内にある他の画像形成装置(ここでは、起動制御機能を備えた他の画像形成装置20)を検索し、例えば、図11に示すようなMIB情報を取得する(S403)。ここで、一定時間待機するのは、他の画像形成装置20の定着器以外の部分が起動完了するまで待つ必要があるからである。
【0055】
そして、各々の画像形成装置20の制御部(起動制御プログラム)は、取得したMIB情報に基づいて、自装置の待ち時間(自装置の定着器の起動開始時間)を算出し(S404)、算出した待ち時間まで待機した後(S405のYes)、自装置の定着器への電力供給を開始し、定着器を起動させる(S406)。
【0056】
複数の画像形成装置20の定着器の起動制御方法の一例として、定着器の起動時間が短いものから順に起動させる場合について説明する。図9のシステム構成における画像形成装置B(カラーデジタル複写機)を例にすると、画像形成装置Bの定着器以外の部分がまず起動する。この状態で、画像形成装置Bの通信部26が起動し、一定時間待機後に、WSD等を使用して、同一ネットワーク内の他の画像形成装置20を検索する。
【0057】
次に、画像形成装置Bの制御部(起動制御プログラム)はWSD等によって検出できた画像形成装置(A、C、D)のMIB情報を取得する(図11参照)。そして、画像形成装置Bの制御部(起動制御プログラム)は、取得したMIB情報と画像形成装置Bの定着器の起動時間から、定着器の起動時間の短い順に起動順を決める。図11では、A→B→D→Cの順番となる。ここで、定着器の起動開始時間は、画像形成装置Aは0秒後、画像形成装置Bは(40+α、αはマージン時間)秒後となるので、画像形成装置Bの定着器の起動開始時間を(40+α)秒後にセットする。また、画像形成装置Dは、同様に計算して定着器の起動開始時間を(40+60+2α)秒後にセットし、画像形成装置Cは、同様に計算して定着器の起動開始時間を(40+60+65+3α)秒後にセットする。図12は、αを10秒とした場合の、各画像形成装置20の定着器の起動タイミングを示した図である。
【0058】
そして、画像形成装置Bの制御部(起動制御プログラム)は、(40+α)秒待機した後、定着器の起動を開始し、起動完了する。
【0059】
このように、複数の画像形成装置20の各々が、同じルールに従って、自装置の定着器の起動開始時間を算出して自装置の定着器の起動を制御することにより、印刷システム10内の全ての画像形成装置20の定着器がずれて起動するため、電源復帰時に大きな電力を消費してブレーカが落ちると言った不具合を未然に防止することができる。
【0060】
なお、上記説明では、定着器の起動順を起動時間が短い順としたが、定着器の起動順は任意であり、例えば、消費電力の小さい順に行ってもよい。消費電力の小さい順とすることにより、電源復帰直後の消費電力が一番大きい時間帯において、画像形成装置の電力消費を抑えることができるため、ネットワークに他の機器(コンピュータ装置40やサーバ、空調機など)が接続されている場合においても、ブレーカが落ちるという不具合を未然に防止することができる。
【0061】
また、第1の実施例と同様に、異常電源OFF時後の電源ONには定着器を立ち上げない(スリープ状態で立ち上げる)ようにして、コピー/プリントジョブが投入された時に定着器のウォーミングアップを開始するように制御してもよい。更に、異常電源OFFになる前の状態をNVRAM等に記憶(画像形成装置の状態が遷移する度に、遷移後の状態を記憶)しておき、電源復帰後にその状態に応じて、定着器を起動させるか、スリープ状態で立ち上げるかを決定して起動を制御するようにしてもよい。
【0062】
また、上記各実施例では定着器の起動タイミングをずらす構成としたが、定着器の温度を緩やかに上昇させても、起動時の消費電力を小さくすることができるため、起動タイミングをずらす場合と同様の効果を得ることができる。
【0063】
具体的に説明すると、図13(a)に示すように、1台の画像形成装置20の定着器を起動させると消費電力は図の破線のようになり、2台の画像形成装置20の定着器を同時に起動させると消費電力は図の一点鎖線のようになり、3台の画像形成装置20の定着器を同時に起動させると消費電力は図の実線のようになる。従って、3台の画像形成装置20の定着器を同時に起動させると最大電力量Wmaxは大きな値となる。一方、定着器の温度を緩やかに上昇させる場合は、図13(b)に示すように、各々の画像形成装置20の定着器の起動時の消費電力を小さくすることができるため、3台の画像形成装置20の定着器を同時に起動させる場合の最大電力量Wmaxは、図13(a)に比べて小さな値となる。
【0064】
従って、定着器の温度を緩やかに上昇させることにより、起動タイミングをずらす場合と同様に、最大電力量を低減してブレーカが落ちるという不具合を未然に防止することができる。また、起動タイミングをずらす制御と、定着器の温度を緩やかに上昇させる制御とを組み合わせることによって、最大電力量を更に低減することができる。例えば、最初に起動させる定着器は、温度を緩やかに上昇させる制御を行い、その後に起動させる定着器は、起動タイミングをずらす制御を行うことにより、電源復帰後の消費電力が大きい時間帯の画像形成装置の電力消費を抑えることができる。
【0065】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、その構成や制御は適宜変更可能である。例えば、上記実施例では、画像形成装置20の定着器の起動を制御する場合について記載したが、複数の機能を備える任意の装置の中の起動時の消費電力が大きい任意の機能の起動を制御する場合に対して、同様に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、消費電力の大きい構成物を備えた装置、特に、熱定着を行う定着器を備えた画像形成装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0067】
10 印刷システム
20 画像形成装置
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 HDD
25 表示部
26 通信部
27 入力部
28 出力部
29 画像処理部
30 画像形成装置(従来)
40 コンピュータ装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇温して動作させる定着器を含む印刷部と、前記印刷部を含む各部の起動を制御する制御部と、を備える画像形成装置において、
前記制御部は、電源復帰時に、前回、自装置が正常に電源オフされたかを判別し、正常に電源オフされなかった場合は、前記印刷部を除く各部を起動すると共に、同一ネットワークに接続される他の画像形成装置から装置情報を取得し、取得した装置情報に基づいて、前記印刷部の起動を制御する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記装置情報は、前記他の画像形成装置の定着器が規定温度に達するまでの起動時間を含み、
前記制御部は、前記電源復帰後、前記起動時間が経過してから、自装置の前記定着器を起動させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記電源復帰時には前記定着器を起動させず、前記印刷部を動作させるジョブが投入されたら前記定着器を起動させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
昇温して動作させる定着器を含む印刷部と、前記印刷部を含む各部の起動を制御する制御部と、を備える複数の画像形成装置が、ネットワークを介して相互に接続された印刷システムにおいて、
各々の前記画像形成装置の前記制御部は、電源復帰時に、前回、自装置が正常に電源オフされたかを判別し、正常に電源オフされなかった場合は、前記印刷部を除く各部を起動すると共に、他の画像形成装置から装置情報を取得し、取得した装置情報に基づいて、自装置の前記印刷部の起動を制御する、
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項5】
前記装置情報は、前記他の画像形成装置の定着器が規定温度に達するまでの起動時間を含み、
各々の前記画像形成装置の前記制御部は、自装置及び前記他の画像形成装置の前記起動時間に基づいて、自装置の前記定着器の起動順を決定し、順番が1つ前の画像形成装置の前記定着器が起動後、起動した定着器に対応する前記起動時間が経過してから、自装置の前記定着器を起動させる、
ことを特徴とする請求項4に記載の印刷システム。
【請求項6】
前記装置情報は、前記他の画像形成装置の定着器が規定温度に達するまでの起動時間及び消費電力を含み、
各々の前記画像形成装置の前記制御部は、自装置及び前記他の画像形成装置の前記消費電力に基づいて、自装置の前記定着器の起動順を決定し、順番が1つ前の画像形成装置の前記定着器が起動後、起動した定着器に対応する前記起動時間が経過してから、自装置の前記定着器を起動させる、
ことを特徴とする請求項4に記載の印刷システム。
【請求項7】
各々の前記画像形成装置の前記制御部は、自装置の定着器を起動する際、通常起動時よりも緩やかな温度勾配で昇温する、
ことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一に記載の印刷システム。
【請求項8】
昇温して動作させる定着器を含む印刷部を備える複数の画像形成装置がネットワークを介して相互に接続された印刷システムにおける起動制御方法であって、
電源復帰時に、各々の前記画像形成装置が、前回、自装置が正常に電源オフされたかを判別する第1処理と、
正常に電源オフされた1又は複数の画像形成装置が、前記印刷部を含む各部を起動し、正常に電源オフされなかった1又は複数の所定の画像形成装置が、前記印刷部を除く各部を起動する第2処理と、
各々の前記所定の画像形成装置が、他の画像形成装置から装置情報を取得し、前記装置情報に基づいて、自装置の前記印刷部の起動を制御する第3処理と、を実行する、
ことを特徴とする起動制御方法。
【請求項9】
前記装置情報は、前記他の画像形成装置の定着器が規定温度に達するまでの起動時間を含み、
前記第3処理では、各々の前記所定の画像形成装置が、自装置及び前記他の画像形成装置の前記起動時間に基づいて、自装置の前記定着器の起動順を決定し、順番が1つ前の画像形成装置の前記定着器が起動後、起動した定着器に対応する前記起動時間が経過してから、自装置の前記定着器を起動する、
ことを特徴とする請求項8に記載の起動制御方法。
【請求項10】
前記装置情報は、前記他の画像形成装置の定着器が規定温度に達するまでの起動時間及び消費電力を含み、
前記第3処理では、各々の前記所定の画像形成装置が、自装置及び前記他の画像形成装置の前記消費電力に基づいて、自装置の前記定着器の起動順を決定し、順番が1つ前の画像形成装置の前記定着器が起動後、起動した定着器に対応する前記起動時間が経過してから、自装置の前記定着器を起動する、
ことを特徴とする請求項8に記載の起動制御方法。
【請求項11】
前記第3処理では、各々の前記所定の画像形成装置が、自装置の定着器を起動する際、通常起動時よりも緩やかな温度勾配で昇温する、
ことを特徴とする請求項8乃至10のいずれか一に記載の起動制御方法。
【請求項1】
昇温して動作させる定着器を含む印刷部と、前記印刷部を含む各部の起動を制御する制御部と、を備える画像形成装置において、
前記制御部は、電源復帰時に、前回、自装置が正常に電源オフされたかを判別し、正常に電源オフされなかった場合は、前記印刷部を除く各部を起動すると共に、同一ネットワークに接続される他の画像形成装置から装置情報を取得し、取得した装置情報に基づいて、前記印刷部の起動を制御する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記装置情報は、前記他の画像形成装置の定着器が規定温度に達するまでの起動時間を含み、
前記制御部は、前記電源復帰後、前記起動時間が経過してから、自装置の前記定着器を起動させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記電源復帰時には前記定着器を起動させず、前記印刷部を動作させるジョブが投入されたら前記定着器を起動させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
昇温して動作させる定着器を含む印刷部と、前記印刷部を含む各部の起動を制御する制御部と、を備える複数の画像形成装置が、ネットワークを介して相互に接続された印刷システムにおいて、
各々の前記画像形成装置の前記制御部は、電源復帰時に、前回、自装置が正常に電源オフされたかを判別し、正常に電源オフされなかった場合は、前記印刷部を除く各部を起動すると共に、他の画像形成装置から装置情報を取得し、取得した装置情報に基づいて、自装置の前記印刷部の起動を制御する、
ことを特徴とする印刷システム。
【請求項5】
前記装置情報は、前記他の画像形成装置の定着器が規定温度に達するまでの起動時間を含み、
各々の前記画像形成装置の前記制御部は、自装置及び前記他の画像形成装置の前記起動時間に基づいて、自装置の前記定着器の起動順を決定し、順番が1つ前の画像形成装置の前記定着器が起動後、起動した定着器に対応する前記起動時間が経過してから、自装置の前記定着器を起動させる、
ことを特徴とする請求項4に記載の印刷システム。
【請求項6】
前記装置情報は、前記他の画像形成装置の定着器が規定温度に達するまでの起動時間及び消費電力を含み、
各々の前記画像形成装置の前記制御部は、自装置及び前記他の画像形成装置の前記消費電力に基づいて、自装置の前記定着器の起動順を決定し、順番が1つ前の画像形成装置の前記定着器が起動後、起動した定着器に対応する前記起動時間が経過してから、自装置の前記定着器を起動させる、
ことを特徴とする請求項4に記載の印刷システム。
【請求項7】
各々の前記画像形成装置の前記制御部は、自装置の定着器を起動する際、通常起動時よりも緩やかな温度勾配で昇温する、
ことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一に記載の印刷システム。
【請求項8】
昇温して動作させる定着器を含む印刷部を備える複数の画像形成装置がネットワークを介して相互に接続された印刷システムにおける起動制御方法であって、
電源復帰時に、各々の前記画像形成装置が、前回、自装置が正常に電源オフされたかを判別する第1処理と、
正常に電源オフされた1又は複数の画像形成装置が、前記印刷部を含む各部を起動し、正常に電源オフされなかった1又は複数の所定の画像形成装置が、前記印刷部を除く各部を起動する第2処理と、
各々の前記所定の画像形成装置が、他の画像形成装置から装置情報を取得し、前記装置情報に基づいて、自装置の前記印刷部の起動を制御する第3処理と、を実行する、
ことを特徴とする起動制御方法。
【請求項9】
前記装置情報は、前記他の画像形成装置の定着器が規定温度に達するまでの起動時間を含み、
前記第3処理では、各々の前記所定の画像形成装置が、自装置及び前記他の画像形成装置の前記起動時間に基づいて、自装置の前記定着器の起動順を決定し、順番が1つ前の画像形成装置の前記定着器が起動後、起動した定着器に対応する前記起動時間が経過してから、自装置の前記定着器を起動する、
ことを特徴とする請求項8に記載の起動制御方法。
【請求項10】
前記装置情報は、前記他の画像形成装置の定着器が規定温度に達するまでの起動時間及び消費電力を含み、
前記第3処理では、各々の前記所定の画像形成装置が、自装置及び前記他の画像形成装置の前記消費電力に基づいて、自装置の前記定着器の起動順を決定し、順番が1つ前の画像形成装置の前記定着器が起動後、起動した定着器に対応する前記起動時間が経過してから、自装置の前記定着器を起動する、
ことを特徴とする請求項8に記載の起動制御方法。
【請求項11】
前記第3処理では、各々の前記所定の画像形成装置が、自装置の定着器を起動する際、通常起動時よりも緩やかな温度勾配で昇温する、
ことを特徴とする請求項8乃至10のいずれか一に記載の起動制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−61520(P2013−61520A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200376(P2011−200376)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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