説明

画像形成装置及び捕集装置

【課題】空気流路部を筐体に装着する動作にともない捕集部材が損傷を受けることを抑制する。
【解決手段】本発明の画像形成装置は、筐体と、筐体に設けられ用紙に画像を形成する画像形成部と、筐体に装着された位置である第1の位置と筐体への装着が完了していない位置である第2の位置との間で移動可能に設けられ、第1の位置において吸入された空気が内部を流れるダクト72と、ダクト72の内部に着脱可能に設けられ、ダクト72の内部を流れる空気を通過させることにより空気に含まれる物質を捕集するフィルタ75と、ダクト72を第2の位置から第1の位置まで移動させる動作により、ダクト72の内部への装着が完了していないフィルタ75をダクト72の内部に押し込むインナーカバー77とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び捕集装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置として、イオン発生器を有する空気清浄機を内蔵し、室内の空気を浄化しながらも、イオン発生器のイオン発生効率を長期にわたって維持することを課題とするものが存在する。具体的にはこの画像形成装置は、換気装置の各排気ファン及び空気清浄機の吸気口を画像形成装置の本体筐体の相互に対向するそれぞれの側壁部に設け、換気装置の各排気ファンを空気清浄機の吸気口よりも高い位置に設けたことから、換気装置の各排気ファンから排出されシリコンが空気清浄機の吸気口に吸引されることは殆どなく、このシリコンがイオン発生器の放電電極に殆ど付着せず、イオン発生器のイオン発生効率を長期にわたって維持することができる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−85615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、空気流路部を筐体に装着する動作にともない捕集部材が損傷を受けることを抑制する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、筐体と、前記筐体に設けられ用紙に画像を形成する画像形成部と、前記筺体に装着された位置である第1の位置と、当該筐体への装着が完了していない位置である第2の位置との間で移動可能に設けられ、当該第1の位置において吸入された空気又は排出される空気が内部を流れる空気流路部と、前記空気流路部の前記内部に着脱可能に設けられ、当該空気流路部の当該内部を流れる空気を通過させることにより当該空気に含まれる物質を捕集する捕集部材と、前記空気流路部を前記第2の位置から前記第1の位置まで移動させる動作により、当該空気流路部の前記内部への装着が完了していない前記捕集部材を当該空気流路部の当該内部へと装着させる装着機構とを含む画像形成装置である。
請求項2記載の発明は、前記装着機構は、前記空気流路部に設けられ当該空気流路部の前記内部への装着が完了していない前記捕集部材を当該空気流路部に押し込む押し込み部と、前記第2の位置に配置されている当該空気流路部を前記第1の位置に移動させる動作により当該押し込み部を押圧し当該捕集部材を当該空気流路部に押し込む押圧部とを有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項3記載の発明は、前記空気流路部は、前記捕集部材を引き出す開口である引き出し口を有し、前記押し込み部は、前記空気流路部の前記引き出し口を覆うことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置である。
請求項4記載の発明は、前記押し込み部は、前記第2の位置から前記第1の位置まで移動する当該空気流路部の移動方向における下流側に回転軸を有し、当該空気流路部を当該第2の位置から当該第1の位置に移動させることにより前記押圧部に押圧され当該回転軸を中心に回転するとともに前記捕集部材を当該空気流路部に押し込むことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置である。
【0006】
請求項5記載の発明は、前記押し込み部は、前記空気流路部に開閉可能に設けられ、かつ開かれることにより、前記第2の位置から前記第1の位置まで移動させることにともない前記押圧部により押圧される状態となることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置である。
請求項6記載の発明は、前記押圧部は、前記筐体に設けられ、前記押し込み部と接触する第1の接触部分と、当該第1の接触部分よりも前記第2の位置から前記第1の位置まで移動する当該空気流路部の移動方向における下流側であってかつ当該第1の接触部分よりも当該空気流路部側に設けられ当該押し込み部と接触する第2の接触部分とを有することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置である。
請求項7記載の発明は、前記捕集部材を支持し、当該捕集部材とともに前記空気流路部の前記内部に着脱可能に設けられ、当該捕集部材の下方において当該空気流路部の当該内部を流れる空気の上流側に突出する突出部を有する枠体をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項8記載の発明は、前記捕集部材は、前記空気流路部の前記内部で空気が流れる方向において複数並んで設けられることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項9記載の発明は、筐体構造と、前記筐体構造に設けられ、画像形成装置に対して当該筐体構造を着脱可能に固定する固定部と、前記筺体構造に装着された位置である第1の位置と、当該筐体構造への装着が完了していない位置である第2の位置との間で移動可能に設けられ、当該第1の位置において吸入された空気又は排出される空気が内部を流れる空気流路部と、前記空気流路部の前記内部に着脱可能に設けられ、当該空気流路部の当該内部を流れる空気を通過させることにより当該空気に含まれる物質を捕集する捕集部材と、前記空気流路部を前記第2の位置から前記第1の位置まで移動させる動作により、当該空気流路部の前記内部への装着が完了していない前記捕集部材を当該空気流路部の当該内部へと装着させる装着機構とを含む捕集装置である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、空気流路部を筐体に装着する動作にともない捕集部材が損傷を受けることを抑制することができる。
請求項2記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、空気流路部を筐体に装着する動作にともない捕集部材が受ける衝撃を抑制することができる。
請求項3記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、引き出し口から空気流路部に空気が流入することを抑制することができる。
請求項4記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、簡易な構成により、空気流路部を筐体に装着する動作にともない捕集部材を空気流路部に押し込むことができる。
【0008】
請求項5記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、押し込み部が押圧されることなく空気流路部が筐体に装着されることが抑制される。
請求項6記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、押圧部がより確実に押し込み部を捕集部材側に押圧することができる。
請求項7記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、捕集部材から落下する例えば塵埃を、空気流路部内から容易に取り除くことができる。
請求項8記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、空気流路部を筐体に装着する動作にともない各捕集部材が損傷を受けることを抑制することができる。
請求項9記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、空気流路部を筐体構造に装着する動作にともない捕集部材が損傷を受けることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施の形態が適用される画像形成装置を示す概略構成図である。
【図2】本実施の形態が適用される画像形成装置を示す斜視図である。
【図3】本実施の形態が適用される空気清浄部を示す斜視図である。
【図4】本実施の形態が適用される空気清浄部の上面図である。
【図5】カセットが収容された状態の空気清浄部の上面図である。
【図6】第1フィルタを示す概略構成図である。
【図7】ガイド部材周辺を示す説明図である。
【図8−1】ガイド部材の動作を示す説明図である。
【図8−2】ガイド部材の動作を示す説明図である。
【図9】インナーカバー及びフィルタの位置関係を示す説明図である。
【図10】変形例における空気清浄部を示す斜視図である。
【図11】変形例におけるガイド部材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<画像形成装置100>
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置100を示す概略構成図である。図1に示す画像形成装置100は、所謂タンデム型のカラープリンタである。この画像形成装置100は、各色の画像データに対応して画像形成を行う画像形成部10と、画像形成装置100全体の動作を制御する制御部20とを備えている。また、画像形成装置100は、画像形成装置100の上方側に設けられ、原稿の画像を読み取るスキャナにより構成される画像読取装置30を備えている。さらに、画像形成装置100は、画像形成部10に用紙Sを供給する用紙供給部40を備えている。
【0011】
ここで、画像形成装置100の各構成部材は、本体筺体(筐体)50の内部に収容されている。また、画像読取装置30の下方であって本体筺体50の上部の面には、画像形成部10によって画像が形成された用紙Sが積載される積載面をもつ胴内積載部60が設けられている。さらに、画像形成装置100は、画像形成装置100の外部の空気を画像形成装置100内に取り込み清浄する空気清浄部70を備えている。
【0012】
<画像形成部10>
画像形成部10には、一定の間隔をおいて並列的に配置される4つの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kが備えられている。各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、静電潜像を形成してトナー像を保持する感光体ドラム12を備えており、いわゆる電子写真方式によってトナー像を形成する。ここで、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、現像装置に収納されるトナーを除いて、同様に構成される。そして、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、それぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成する。このようなことから、以下の説明においては、画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kの各構成についてはそれぞれ「Y」、「M」、「C」、「K」という符号を付して区別するが、区別する必要のないときは、これらの符号は付さない。
【0013】
また、画像形成部10は、各画像形成ユニット1の感光体ドラム12上に形成された各色トナー像が転写される中間転写ベルト13を備えている。また、画像形成部10は、各画像形成ユニット1にて形成された各色トナー像を中間転写ベルト13に順次転写(一次転写)する一次転写ロール17を備えている。さらに、画像形成部10は、中間転写ベルト13上に重畳して形成された各色トナー像を記録材(記録紙)である用紙Sに一括転写(二次転写)する二次転写部19と、二次転写された各色トナー像を用紙Sに定着させる定着装置21とを備えている。
さらにまた、画像形成部10は、定着装置21によってトナー像が定着された用紙Sの通過を検知するエグジットセンサ22を備える。さらにまた、このエグジットセンサ22を通過した用紙Sを胴内積載部60に排出する胴内排出ロール23を備える。
【0014】
用紙供給部40は、用紙収容部41、繰り出しロール43、捌きロール45、及びレジロール47を備える。用紙収容部41は、用紙Sを収容する。繰り出しロール43は、用紙収容部41の上部に配設され、用紙収容部41に収容される用紙Sの束のうち、最上位の用紙Sを繰り出す。捌きロール45は、繰り出しロール43にて繰り出された用紙Sを1枚ずつに捌いて搬送する。また、レジロール47は、捌きロール45によって捌いて搬送された用紙Sを一旦停止させ、タイミングを合わせて回転を再開することにより二次転写部19に対して用紙Sを供給する。
【0015】
<空気清浄部70の構造>
次に、図2を参照しながら、空気清浄部70について説明をする。図2は、本実施の形態が適用される画像形成装置100を示す斜視図である。
本実施の形態において、捕集装置の一例である空気清浄部70は、画像形成装置100の下方に設けられている。より具体的には、空気清浄部70は用紙供給部40の下方に設けられており、用紙供給部40に対して着脱可能である。
この空気清浄部70は、引き出し可能(図2の矢印A1及びA2参照)なカセット71と、カセット71を引き出し可能に支持するとともに内部にカセット71を収容する筐体73とを有する。以下で、カセット71と筐体73とを説明する。
【0016】
<カセット71>
まず、図3乃至5を参照しながら、カセット71について説明をする。図3は、本実施の形態が適用される空気清浄部70を示す斜視図である。図4は、本実施の形態が適用される空気清浄部70の上面図である。より詳細には、図4(a)は、カセット71が引き出された状態の空気清浄部70の上面図であり、図4(b)は、インナーカバー77の先端部771を示す概略構成図である。図5は、カセット71が収容された状態の空気清浄部70の上面図である。
【0017】
図3に示すように、カセット71は、画像形成装置100のフロント側(図1の紙面手前側)に設けられる板状部材であるフロント板710と、このフロント板710と連続して設けられ内部に空気が流れる空間を有する略直方体の部材であるダクト(管路、空気流路部)72とを有する。
フロント板710には、ユーザが指を掛けカセット71を引き出すための把手部711と、フロント板710におけるフロント側(図1の紙面手前側)に設けられ空気清浄部70内に空気を取り込む空気口(ルーバ)713が設けられている。
【0018】
また、ダクト72は、画像形成装置100のフロント側(図1の紙面手前側)からリア側(図1の紙面奥側)に向けて延び、空気口713から取り込まれた空気をリア側(図1の紙面奥側)に配置されたファン79(後述)へと流す流路を形成する。
【0019】
本実施の形態おいては、カセット71は、ダクト72の側方に、複数のフィルタ75(後述)を挿入するために形成された複数の挿入口(引き出し口)721を有する。また、図4(a)に示すように、カセット71は、ダクト72におけるリア側(図1の紙面奥側)に、ファン79へ導かれる空気の流路を絞り込む絞り部76を有する。
さらにまた、カセット71は、空気中の浮遊物を吸着除去して空気を浄化するフィルタ75(751、752、753、754)を有する。さらにカセット71は、開閉可能に設けられ(矢印C1及びC2参照)、フィルタ75が挿入された状態でダクト72の側方を覆うインナーカバー77(後述)を有する。
【0020】
<フィルタ75>
ここで、図3乃至6を参照しながら、フィルタ75について説明をする。図6は、第1フィルタ751を示す概略構成図である。
本実施の形態において、捕集部材あるいは空気清浄材の一例であるフィルタ75は、空気中の比較的大きな塵埃を捕集する粗フィルタからなる第1フィルタ(プレフィルタ)751と、空気中の比較的小さな塵埃を捕集する細フィルタからなる第2フィルタ752と、ダニ、カビ、花粉、細菌、ウイルスなどを捕集する第3フィルタ753と、ガス状物質などからなる臭気物質を捕集する第4フィルタ754とを備える。
【0021】
図示の例においては、画像形成装置100のフロント側(図1の紙面手前側)からリア側(図1の紙面奥側)に向けて、第1フィルタ751、第2フィルタ752、第3フィルタ753、第4フィルタ754の順で設けられている。なお、フィルタの個数、種類、順番等はこれに限定されるものではない。
【0022】
また、図5に示すように、フィルタ75は、ダクト72内に設けられる。具体的には、フィルタ75は、ダクト72により形成される空気流(矢印D参照)の経路に対してフィルタ本体750の面が交差するように配置されている。さらに説明をすると、フィルタ75が、空気流の流路に交差する向きにおける流路の断面全体に広がるように配置されている。
また、図3に示すように、このフィルタ75は、ダクト72から引き出し可能(図中矢印B1及びB2参照)に設けられている。さらに、本実施の形態におけるフィルタ75は、ダクト72に対して水平方向に引き出し可能である。
【0023】
さて、フィルタ75の構造について詳細に説明をする。なお、ここでは、第1フィルタ751を用いて説明するが、第2フィルタ752、第3フィルタ753、第4フィルタ754もフィルタ本体750(後述)以外は、同様に構成されている。
図6に示すように、第1フィルタ751は、樹脂等の繊維状の部材からなるフィルタ本体750と、フィルタ本体750の外周を保持する枠体756とを有する。
【0024】
ここで、枠体756は、ダクト72(図3参照)に挿入されたフィルタ75を引き出す(矢印B2参照)際に、ユーザが把持する把持部755を有する。
また、枠体756は、フィルタ本体750が捕集した塵埃等のうち、フィルタ本体750から落下する塵埃等を受ける受け部(突出部)757を有する。
【0025】
この受け部757は枠体756と連続して設けられ、フィルタ本体750よりも空気流(矢印D参照)の上流側であって、フィルタ本体750の下方に設けられる。例えばカセット71が空気清浄部70に挿入されることに伴い第1フィルタ751が衝撃を受け、フィルタ本体750に付着していた塵埃等がフィルタ本体750から落下した場合であっても、受け部757がこの塵埃を受ける。このことにより、ダクト72内に塵埃等が落下することが抑制される。さらに説明をすると、受け部757が受けた塵埃等は、第1フィルタ751をダクト72から引き出すことにより、ダクト72とともに空気清浄部70の外部へと取り出される。
【0026】
また、枠体756は、ダクト72(図3参照)に第1フィルタ751を予め挿入しておく部分を示すマーク759を備える(後述)。ここで、本実施の形態においては、マーク759は枠体756から突出する突起状に形成されている。なお、マーク759は、ユーザが認識できる構成であれば、枠体756の一部の色を変化させる構成や溝により構成されてもよい。
【0027】
<インナーカバー77>
次に、図3乃至5を参照して、インナーカバー77について説明をする。
インナーカバー77は、板状部材であり、ダクト72の側方に配置されている。また、インナーカバー77は、一端を中心に回転可能となるようにダクト72に設けられており、ダクト72に対して開閉可能である。
【0028】
ここで、インナーカバー77は、ダクト72の側方に複数設けられている挿入口721を全て覆う寸法で構成されている。また、インナーカバー77は、閉じられた状態において、挿入口721が設けられているダクト72の側方を覆うことにより、挿入口721を通してダクト72へ空気が流れ込むことを抑制する。
【0029】
さらに、インナーカバー77は、ユーザによってカセット71が筐体73に挿入される向き(矢印A1参照)における下流側の端部、すなわち画像形成装置100のリア側(図1の紙面奥側)の端部に回転軸770を有する。この回転軸770は、上下方向に沿うように配置される。よって、インナーカバー77は、回転軸770を中心として水平面内において回転可能である(図3の矢印C1及びC2参照)。このことにより、インナーカバー77は、開いている状態(図4(a)参照)と閉じている状態(図5参照)とを切り替えることが可能となる。
【0030】
また、図4(a)及び図4(b)に示すように、インナーカバー77は、回転軸770が設けられた側とは反対側の先端部771に、インナーカバー77が閉じた状態においてダクト72の一部に掛かり合う爪部775を有する。また、インナーカバー77は、この先端部771に、インナーカバー77が閉じた状態においてダクト72側とは反対側に突出する突起部773を有する。
【0031】
インナーカバー77は、カセット71を筐体73内へ収容することにともない、ガイド部材74(後述)に押圧されながら回転軸770を中心に回転する(矢印C1参照)。そして、この回転により、インナーカバー77は閉じられる。また、インナーカバー77が閉じられることにともない、インナーカバー77は完全にダクト72内に挿入されていないフィルタ75をダクト72内に押し込む。
【0032】
<筐体73>
次に、図3乃至5を参照して、筐体(筐体構造)73について説明をする。
まず、図4(a)に示すように、筐体73は、カセット71が挿入される動作にともないインナーカバー77と接触しインナーカバー77を閉じるガイド部材74(後述)を有する。なお、本実施の形態における筐体73は、本体筺体50の一部を構成する。
【0033】
また、筐体73は、カセット71の引き出し方向(図2の矢印A1及びA2参照)に延び、カセット71を引き出し可能に支持するレール78を有する。また、筐体73は、リア側(図1の紙面奥側)に、外部の空気を空気清浄部70内へ取り込みフィルタ75を通過させるファン79を有する。さらに、筐体73は、ファン79が取り込んだ空気を空気清浄部70(画像形成装置100(図1参照))の外へ排出する排出口790を有する。
さらにまた、図3に示すように、筐体73は、上方に配置される用紙供給部40(図1参照)を受けるとともに、着脱可能に固定するための固定部である固定孔731、固定ピン732、支持板733を有する。
【0034】
<ガイド部材74>
次に、図4及び図7を参照して、ガイド部材74について説明をする。図7は、ガイド部材74周辺を示す説明図である。
図4(a)に示すように、ガイド部材74は、画像形成装置100(図1参照)のフロント側(図1の紙面手前側、図4(a)の紙面左側)であって、かつ筐体73に挿入されるカセット71の側方に対向するように筐体73に設けられている。さらに説明をすると、ガイド部材74は、カセット71が筐体73に挿入される動作にともない、カセット71に設けられ開いている状態のインナーカバー77が移動する移動経路に沿って設けられている。
【0035】
図7に示すように、ガイド部材74は、画像形成装置100のフロント側(図1の紙面手前側、図7の紙面左側)に突出しかつ開いたインナーカバー77と接触する第1接触面(第1の接触部分)741と、ダクト72側を向いた面であり、開いたインナーカバー77をダクト72側へ押す第2接触面(第2の接触部分)742と、ダクト72側を向いた面であり、開いたインナーカバー77を第2接触面742よりもさらにダクト72側へ押す第3接触面743とを有する。図示の例においては、第2接触面742は、第1接触面741を基準として、カセット71が挿入される方向(矢印A1参照)の下流側でかつインナーカバー77側に位置する。第3接触面743は、第2接触面742を基準として、カセット71が挿入される方向(矢印A1参照)の下流側でかつインナーカバー77側に位置する。
【0036】
ここで、インナーカバー77とガイド部材74とは、装着機構として捉えることができる。また、インナーカバー(押し込み部)77とガイド部材(押圧部)74とは次のように配置されている。すなわち、カセット71が筐体73に挿入される(矢印A1参照)とともに、ガイド部材74が開いた状態のインナーカバー77に接触しインナーカバー77が閉じるよう、インナーカバー77とガイド部材74とが配置されている。さらに説明をすると、カセット71が筐体73に挿入される方向(矢印A1参照)において、ガイド部材74は開いたインナーカバー77の下流側に位置する。
また、インナーカバー77が閉じることにより、インナーカバー77によってフィルタ75がダクト72内に押し込まれるようインナーカバー77が配置されている。さらに説明をすると、インナーカバー77が閉じる方向(矢印C1参照)において、フィルタ75はインナーカバー77よりもダクト72側に位置する。
【0037】
上述のように装着機構を構成することで、カセット71が筐体73に挿入される(矢印A1参照)とともに、ガイド部材74が開いた状態のインナーカバー77に接触する。ガイド部材74と接触したインナーカバー77は、ガイド部材74から画像形成装置100(図1参照)のフロント側(図1の紙面手前側)に向かう力を受けることにより、画像形成装置100のリア側(図1の紙面奥側)の端部に設けられた回転軸770を中心に回転する(矢印C1参照)。このインナーカバー77の回転方向は、インナーカバー77が閉じる方向である。そして、インナーカバー77が閉じられるとともに、インナーカバー77がフィルタ75と接触する。インナーカバー77と接触したフィルタ75は、インナーカバー77によってさらに押圧されることによりダクト72内に押し込まれる。
【0038】
さて、上述のようにインナーカバー77が開いた状態において、カセット71が筐体73に挿入される(矢印A1参照)と、インナーカバー77はガイド部材74によって閉じられる。そして、閉じられるインナーカバー77はフィルタ75をダクト72内に押し込む。言い替えると、本実施の形態におけるインナーカバー77を開く動作により、インナーカバー77はフィルタ75を押し込み得る状態となる。
【0039】
さらに説明をすると、インナーカバー77が閉じられた状態では、上述のようにインナーカバー77がフィルタ75を覆うことから、フィルタ75を交換する際(後述)には、インナーカバー77を開くことが必要である。したがって、本実施の形態においてフィルタ75を交換する状態は、インナーカバー77が開かれている状態、すなわちインナーカバー77がフィルタ75を押し込み得る状態である。
このことにより、フィルタ75がインナーカバー77により押し込まれることなく、カセット71が筐体73に挿入される(矢印A1参照)ことが抑制される。付言すると、本実施の形態においては、インナーカバー77が機能を発揮するために、例えばインナーカバー77を予め定めた位置や向きに配置する等のユーザによる操作を必要としない。
【0040】
<空気清浄部70の状態>
次に、図4(a)及び図5を参照しながら、カセット71が筐体73から引き出された空気清浄部70の状態と、カセット71が筐体73に収容された空気清浄部70とについて説明をする。
まず、図4(a)に示すように、カセット71が引き出された空気清浄部70においては、ダクト72が外部に露出しており、インナーカバー77が回転軸770を中心に回転可能な状態である(矢印C1及びC2参照)。すなわち、インナーカバー77は開閉可能な状態である。また、図4(a)に示すように、カセット71が筐体73から引き出された状態でかつインナーカバー77が開いた状態においては、フィルタ75がダクト72に対して引き出し及び挿入可能な状態である(矢印B1及びB2参照)。
【0041】
一方、図5に示すように、カセット71が筐体73に収容された空気清浄部70においては、インナーカバー77がダクト72に沿った状態となる。すなわち、インナーカバー77が閉じた状態となる。この閉じた状態のインナーカバー77の先端部771に設けられた爪部775は、ダクト72の一部と掛かり合っている(図7参照)。また、閉じた状態のインナーカバー77のダクト72側の面は、各フィルタ75と接触しており、各フィルタ75が矢印B1及びB2方向に移動することを抑制している。
【0042】
なお、図5に示すように、カセット71が筐体73に収容された状態におけるダクト72の位置を第1の位置として捉えることができ、図4(a)に示すようにカセット71が引き出された状態(筐体73への装着が完了していない状態)におけるダクト72の位置を第2の位置として捉えることができる。
【0043】
<空気清浄部70の動作>
次に、空気清浄部70の動作について説明をする。
まず、制御部20(図1参照)により制御されるファン79が駆動することにより、空気口713(図3参照)を介して画像形成装置100(図1参照)の外部の空気が取り込まれる。
【0044】
そして、図5に示すように、取り込まれた空気は、ダクト72内を流れ(矢印D参照)、第1フィルタ751、第2フィルタ752、第3フィルタ753、第4フィルタ754を通過する。各フィルタ75を通過することにより、空気中の浮遊物が各フィルタ75により吸着除去され、空気が浄化される。
浄化された空気は、絞り部76により流路が絞られた領域を通過した後、ファン79及び排出口790を介して、画像形成装置100(図1参照)の外部、すなわち空気清浄部70の外部へと排出される。
【0045】
さて、空気清浄部70が予め定められた期間使用された後に、空気清浄部70の空気清浄機能を維持するため、ユーザによってフィルタ75が交換もしくは洗浄される。例えば、第1フィルタ751は1ヶ月ごとに洗浄され、第2フィルタ752、第3フィルタ753、及び第4フィルタ754は6ヶ月ごとに交換される。
【0046】
ここで、フィルタ75を交換する際の、空気清浄部70の動作について説明をする。
まず、図5に示すように、筐体73へ収納されているカセット71がユーザによって画像形成装置100のフロント側(図1の紙面手前側)に引き出される(矢印A2参照)。
そして、図4(a)に示すように、引き出されたカセット71におけるダクト72の側方であって、ダクト72に沿って配置されている(閉じている)インナーカバー77を開く(矢印C2参照)。その後に、ダクト72の挿入口721に挿入されているフィルタ75がユーザによって引き出される(矢印B2参照)。
そして、新たなフィルタ75(あるいは引き出され洗浄されたフィルタ75)が、ダクト72の挿入口721に挿入された後(矢印B1参照)、インナーカバー77が閉じられる(矢印C1参照)。その後に、カセット71が筐体73へ収納される(矢印A1参照)。
【0047】
<ガイド部材74の動作>
次に、図8―1及び図8―2を参照しながら、ガイド部材74の動作について説明をする。図8は、ガイド部材74の動作を示す説明図である。
ここで、図8(a―1)及び(a―2)に示す状態では、カセット71は筐体73から引き出され、インナーカバー77は開いている。また、フィルタ75は、それぞれの全体がダクト72に挿入されている状態ではなく、一部がダクト72内から突出している状態である。
【0048】
例えば、ユーザによりフィルタ75がダクト72へ挿入される操作が完全に行われない(半装着の状態、完全な装着位置に配置されていない状態)と、上述のようにフィルタ75の一部がダクト72内から突出している状態となる。この状態において、ユーザがカセット71を筐体73内へ収容することで、インナーカバー77が閉じられフィルタ75がダクト72内へ挿入される。さらに説明をすると、ユーザがカセット71を筐体73内へ収容することに連動して、ガイド部材74及びインナーカバー77が、フィルタ75をダクト72内に挿入する。
【0049】
以下具体的に説明をする。
まず、図8(a―1)及び(a―2)に示すように、ユーザによってカセット71が筐体73内へ収容される(矢印A1参照)ことにともない、インナーカバー77がガイド部材74に接近し、インナーカバー77とガイド部材74の第1接触面741とが接触する。第1接触面741に押圧されるインナーカバー77は、回転軸770を中心に回転し始める(矢印C1参照)。
【0050】
そして、図8(b―1)及び(b―2)に示すように、ユーザによって、カセット71が筐体73内へさらに押し込まれる(矢印A1参照)ことにともない、第2接触面742がインナーカバー77と接触しながら、ガイド部材74がインナーカバー77をさらに回転させる(矢印C1参照)。そして、図8(b−2)に示すように、一部がダクト72から突出している第4フィルタ754の把持部755と接触する。この状態においてインナーカバー77がさらに回転する(矢印C1)ことにともない、インナーカバー77によって第4フィルタ754は押圧されダクト72内へ挿入される(矢印B1参照)。
【0051】
そして、図8(c―1)及び(c―2)に示すように、ユーザによって、カセット71が筐体73内へさらに押し込まれる(矢印A1参照)ことにともない、第3接触面743がインナーカバー77と接触しながら、ガイド部材74がインナーカバー77をさらに回転させる(矢印C1参照)。インナーカバー77は、さらに回転することに伴い、ダクト72から突出している第3フィルタ753、第2フィルタ752、及び第1フィルタ751とも接触し押圧する。そして、この状態においてインナーカバー77がさらに回転する(矢印C1)ことにともない、第3フィルタ753、第2フィルタ752、及び第1フィルタ751がダクト72内へ挿入される(矢印B1参照)。
【0052】
その後に、図8(d―1)及び(d―2)に示すように、ユーザによって、カセット71が筐体73内へさらに押し込まれる(矢印A1参照)ことにともない、インナーカバー77においてダクト72側とは反対側に突出する突起部773が、第3接触面743に沿って矢印A1方向に移動する。この突起部773が第3接触面743に沿って移動する際に、突起部773が第3接触面743と接触し第3接触面743からダクト72側に力を受ける。そして、インナーカバー77のダクト72側に設けられた爪部775が、ダクト72と掛かり合う。よって、インナーカバー77がダクト72から離間することが抑制される状態となる。
【0053】
以上により、ガイド部材74及びインナーカバー77によって、第4フィルタ754の全体がダクト72に挿入される。同様に、ガイド部材74及びインナーカバー77によって、第3フィルタ753、第2フィルタ752、及び第1フィルタ751も、それぞれの全体がダクト72に挿入される。
【0054】
さて、上述のように、ユーザがカセット71を筐体73内へ収容することにともない、ガイド部材74及びインナーカバー77がフィルタ75をダクト72内に収容させることで、フィルタ75が破損することが抑制される。
例えば本実施の形態とは異なり、ガイド部材74及びインナーカバー77を有しない構成の場合、ダクト72内へフィルタ75の全体が挿入されていない状態でカセット71を筐体73内へ収容すると、フィルタ75が破損することがある。さらに説明すると、カセット71が筐体73内へ収容されることにともない、一部が突出しているフィルタ75が、フロント板710と筐体73とによって挟まれ、破損することがある。
【0055】
一方、本実施の形態においては、上述のようにカセット71を筐体73内へ収容することにともない、ガイド部材74及びインナーカバー77が協働して、一部が突出しているフィルタ75をダクト72内に挿入する。このことにより、フィルタ75がフロント板710と筐体73とによって挟まれることが抑制され、フィルタ75が破損することが回避される。
【0056】
ここで、本実施の形態においては、インナーカバー77がフィルタ75をダクト72内に挿入し得る状態でのみ、フィルタ75の交換が可能である。さらに説明をすると、本実施の形態においては、フィルタ75の交換が可能な状態においては、カセット71を筐体73内へ収容するとインナーカバー77が確実に閉じられる。
【0057】
また、フィルタ75の一部がダクト72から突出している状態においては、フィルタ75の挿入方向(矢印B1参照)先端とダクト72の内側面との間に間隙が形成されている状態である。この状態においてダクト72内を空気が流れるとすると、空気流の一部はフィルタ75を通過することなく下流側へと流れる。すなわち、空気流の一部は、フィルタ75の挿入方向(矢印B1参照)先端とダクト72の内側面との間を通過して、下流側へと流れる。このため、フィルタ75が空気を清浄する効率が低下し得る。
一方で、本実施の形態においては、カセット71を筐体73内へ収容するとともにフィルタ75の全体がダクト72内に挿入されることから、フィルタ75が空気を清浄する効率を低下させることが抑制される。
【0058】
さらに、本実施の形態においては、上述のように一部がダクト72から突出しているフィルタ75であっても、カセット71を筐体73内へ収容することによって、ガイド部材74及びインナーカバー77によりダクト72内へフィルタ75の全体が挿入される。したがって、本実施の形態と異なり、フィルタ75の全体を確実に挿入することが必要な場合と比較して、本実施の形態は、フィルタ75を交換する作業の作業効率を向上させ得る。
【0059】
なお、本実施の形態においては、ガイド部材74が、ダクト72に開閉可能に設けられたインナーカバー77を介して、フィルタ75をダクト72に向けて押し込む。ここで、本実施の形態とは異なり、インナーカバー77を有しない場合、ガイド部材74がフィルタ75をダクト72に向けて直接押し込むこととなる。このガイド部材74が直接フィルタ75を押し込む構成においては、カセット71を筐体73内へ収容することにともない、フィルタ75がガイド部材74に直接接触しフィルタ75が衝撃を受ける場合がある。
【0060】
一方、本実施の形態においては、上述のようにインナーカバー77がガイド部材74と接触した後に、回転したインナーカバー77がフィルタ75を押し込む構成である。したがって、仮にインナーカバー77がガイド部材74と接触することにより衝撃を受けた場合であっても、インナーカバー77が回転することにともないインナーカバー77が受けた衝撃が緩和され、ガイド部材74へ伝わる衝撃は低減される。
【0061】
<フィルタ75の挿入位置>
ここで、図9を参照しながら、フィルタ75の挿入位置について説明をする。図9は、インナーカバー77及びフィルタ75の位置関係を示す説明図である。
図9に示すように、インナーカバー77がフィルタ75(図示の例では第4フィルタ754)を押す力である力Fの分力は次のようになる。すなわち、第4フィルタ754をダクト72に挿入する向き(矢印B1参照)の分力Faと、筐体73からカセット71を引き出す向き(図4(a)の矢印A2参照)の分力Fbとになる。
【0062】
さて、カセット71を筐体73に挿入する向き(矢印A1参照)と、インナーカバー77とがなす角を角αとする。この角αが45度より小さい角度において、インナーカバー77が第4フィルタ754を押圧すると、ダクト72に挿入する向き(矢印B1参照)の分力Faが、カセット71を引き出す向き(図4(a)の矢印A2参照)の分力Fbよりも大きくなる。
【0063】
したがって、角αが45度より小さい角度で、インナーカバー77が第4フィルタ754を押圧する位置関係であると、より効率よくインナーカバー77によって第4フィルタ754をダクト72に挿入し得る。さらに説明すると、角αが45度よりも小さい角度において、インナーカバー77が第4フィルタ754を押圧し始める位置関係とすると、より確実に第4フィルタ754をダクト72に挿入し得る。
ここで、図6に示すように、本実施の形態においては、角αが45度よりも小さい角度において、インナーカバー77がフィルタ75を押圧し始める位置関係とするために、フィルタ75の枠体756がマーク759を備えている。図3及び図6に示すように、ユーザがダクト72の挿入口721にフィルタ75を挿入する際に、このマーク759の位置までフィルタ75を挿入することにより、上述の角αが45度以下でインナーカバー77がフィルタ75を押圧し始める位置関係となる。マーク759は、いわば、ユーザがフィルタ75を挿入するときの基準(目印)となる。
【0064】
<変形例>
次に、図10を参照しながら、変形例について説明をする。図10は、変形例における空気清浄部700を示す斜視図である。
図10に示すように、空気清浄部700はダクト72の上面に挿入口721が複数形成されている。このことにより、空気清浄部700においては、フィルタ75がダクト72から上下方向に引き出し可能(図中矢印G1及びG2参照)に設けられている。
【0065】
また、インナーカバー777は、ダクト72の上面に設けられている挿入口721を全て覆う寸法で構成されている。そして、インナーカバー777は、閉じられた状態において、挿入口721が設けられているダクト72の上面を覆うことにより、挿入口721を通してダクト72へ空気が流れ込むことを抑制する。さらに、インナーカバー777は、画像形成装置100のリア側(図1の紙面奥側)の端部に回転軸770を有する。図示の例においては、回転軸770は水平方向に配置される。よって、インナーカバー777は、回転軸770を中心として回転可能である(矢印H1及びH2参照)。
【0066】
この変形例においては、フィルタ75の自重により、フィルタ75をダクト72に挿入し得る(矢印G1参照)。また、インナーカバー777が自重により、フィルタ75をダクト72に挿入する方向に押圧し得る。よって、この変形例においては、フィルタ75をダクト72に挿入する際の操作性がより向上する。
なお、図1に示すように、空気清浄部700は、画像形成装置100の下方に設けられる。したがって、この変形例のように引き出されたダクト72の上面側に挿入口721が位置する場合、画像形成装置100のフロント側(図1の紙面手前側)に立つユーザから見て、フィルタ75の視認性が向上し作業性がより向上する。
【0067】
次に、図11を参照しながら、ガイド部材74の変形例について説明をする。図11は、変形例におけるガイド部材74を示す斜視図である。
上述の実施の形態においては、ガイド部材74を第1接触面741、第2接触面742、第3接触面743を有する構成として説明をしたがこれに限定されない。
例えば、図11(a)に示すように、ガイド部材740を、インナーカバー77側に突出した曲面7401を有する構成であってもよい。この曲面7401が、カセット71(図3参照)が挿入される動作にともないインナーカバー77と接触する部分を連続的に変化させながら、インナーカバー77を閉める。
【0068】
また、図11(b)に示すように、ガイド部材7410を、複数の部材から形成してもよい。図示の例においては、ガイド部材7410は、第1ピン7411、第2ピン7412、及び第3ピン7413を有する。第2ピン7412は、第1ピン7411を基準として、インナーカバー77側で、かつカセット71(図3参照)が挿入される方向(矢印A1参照)の下流側に位置する。第3ピン7413は、第2ピン7412を基準として、インナーカバー77側で、かつカセット71(図3参照)が挿入される方向(矢印A1参照)に位置する。
これらの第1ピン7411、第2ピン7412、及び第3ピン7413が、カセット71(図3参照)が挿入される動作にともないインナーカバー77とこの順で接触しながら、インナーカバー77を閉める。
【0069】
さて、上述の実施形態においては、図5に示すようにファン79を画像形成装置100のリア側(図1の紙面奥側)に設けるものとして説明したが、これに限定されない。例えば画像形成装置100のフロント側(図1の紙面手前側)にファン79が設けられる構成であってもよい。
また、上述の実施形態においては、空気口713から取り込まれた空気を、フロント側(図1の紙面手前側)からリア側(図1の紙面奥側)に向けて流し、排出口790から空気清浄部70の外へ排出させる構成として説明したが、これに限定されない。例えば、上述の実施形態とは反対に、リア側に設けられた空気口から空気を取り込み、この空気をリア側からフロント側へ向けて流し、フロント側から空気清浄部70の外へ排出させる構成であってもよい。
【0070】
なお、本発明は、装置本体と、前記装置本体に設けられ用紙に画像を形成する画像形成部と、前記装置本体に引き出し可能に設けられ吸入された空気が内部を流れる空気流路部と、前記空気流路部の前記内部に引き出し可能に設けられ、当該空気流路部の当該内部を流れる空気を清浄する空気清浄材と、前記装置本体から引き出されている前記空気流路部を当該装置本体に収容させる動作により、当該空気流路部から引き出されている前記空気清浄材を当該空気流路部へと装着させる装着機構とを含む画像形成装置として捉えることもできる。本構成により、引き出されている空気流路部を装置本体に収容させることにともない空気清浄材が損傷を受けることを抑制することができる。
【符号の説明】
【0071】
1Y,1M,1C,1K…画像形成ユニット、19…二次転写部、21…定着装置、70…空気清浄部、71…カセット、73…筐体、74…ガイド部材、75…フィルタ、77…インナーカバー、79…ファン、100…画像形成装置、711…把手部、713…空気口、S…用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に設けられ用紙に画像を形成する画像形成部と、
前記筺体に装着された位置である第1の位置と、当該筐体への装着が完了していない位置である第2の位置との間で移動可能に設けられ、当該第1の位置において吸入された空気又は排出される空気が内部を流れる空気流路部と、
前記空気流路部の前記内部に着脱可能に設けられ、当該空気流路部の当該内部を流れる空気を通過させることにより当該空気に含まれる物質を捕集する捕集部材と、
前記空気流路部を前記第2の位置から前記第1の位置まで移動させる動作により、当該空気流路部の前記内部への装着が完了していない前記捕集部材を当該空気流路部の当該内部へと装着させる装着機構と
を含む画像形成装置。
【請求項2】
前記装着機構は、前記空気流路部に設けられ当該空気流路部の前記内部への装着が完了していない前記捕集部材を当該空気流路部に押し込む押し込み部と、前記第2の位置に配置されている当該空気流路部を前記第1の位置に移動させる動作により当該押し込み部を押圧し当該捕集部材を当該空気流路部に押し込む押圧部とを有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記空気流路部は、前記捕集部材を引き出す開口である引き出し口を有し、
前記押し込み部は、前記空気流路部の前記引き出し口を覆うことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記押し込み部は、前記第2の位置から前記第1の位置まで移動する当該空気流路部の移動方向における下流側に回転軸を有し、当該空気流路部を当該第2の位置から当該第1の位置に移動させることにより前記押圧部に押圧され当該回転軸を中心に回転するとともに前記捕集部材を当該空気流路部に押し込むことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記押し込み部は、前記空気流路部に開閉可能に設けられ、かつ開かれることにより、前記第2の位置から前記第1の位置まで移動させることにともない前記押圧部により押圧される状態となることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記押圧部は、前記筐体に設けられ、前記押し込み部と接触する第1の接触部分と、当該第1の接触部分よりも前記第2の位置から前記第1の位置まで移動する当該空気流路部の移動方向における下流側であってかつ当該第1の接触部分よりも当該空気流路部側に設けられ当該押し込み部と接触する第2の接触部分とを有することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記捕集部材を支持し、当該捕集部材とともに前記空気流路部の前記内部に着脱可能に設けられ、当該捕集部材の下方において当該空気流路部の当該内部を流れる空気の上流側に突出する突出部を有する枠体をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記捕集部材は、前記空気流路部の前記内部で空気が流れる方向において複数並んで設けられることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項9】
筐体構造と、
前記筐体構造に設けられ、画像形成装置に対して当該筐体構造を着脱可能に固定する固定部と、
前記筺体構造に装着された位置である第1の位置と、当該筐体構造への装着が完了していない位置である第2の位置との間で移動可能に設けられ、当該第1の位置において吸入された空気又は排出される空気が内部を流れる空気流路部と、
前記空気流路部の前記内部に着脱可能に設けられ、当該空気流路部の当該内部を流れる空気を通過させることにより当該空気に含まれる物質を捕集する捕集部材と、
前記空気流路部を前記第2の位置から前記第1の位置まで移動させる動作により、当該空気流路部の前記内部への装着が完了していない前記捕集部材を当該空気流路部の当該内部へと装着させる装着機構と
を含む捕集装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−88755(P2013−88755A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231641(P2011−231641)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】