説明

画像形成装置及び捕集装置

【課題】装置本体から空気流路部を引き出す際に指を掛ける凹部の配置、及び空気を通過させる通気口の配置における自由度を増すことを目的とする。
【解決手段】本発明の画像形成装置は、本体筐体と、本体筐体に設けられ用紙に画像を形成する画像形成部と、本体筐体に引き出し可能に設けられ吸入された空気が内部を流れるダクト72と、ダクト72の内部に設けられダクト72の内部を流れる空気を通過させることにより空気に含まれる物質を捕集するフィルタと、ダクト72に対して固定され、かつユーザが本体筐体からダクト72を引き出す際に指を掛ける把手部711と、把手部711に形成されダクト72の内部と本体筐体の外部とを連続させ空気を通過させる開口7110とを有するフロント板710とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び捕集装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置として、イオン発生器を有する空気清浄機を内蔵し、室内の空気を浄化しながらも、イオン発生器のイオン発生効率を長期にわたって維持することを課題とするものが存在する。具体的にはこの画像形成装置は、換気装置の各排気ファン及び空気清浄機の吸気口を画像形成装置の本体筐体の相互に対向するそれぞれの側壁部に設け、換気装置の各排気ファンを空気清浄機の吸気口よりも高い位置に設けたことから、換気装置の各排気ファンから排出されシリコンが空気清浄機の吸気口に吸引されることは殆どなく、このシリコンがイオン発生器の放電電極に殆ど付着せず、イオン発生器のイオン発生効率を長期にわたって維持することができる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−85615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、装置本体から空気流路部を引き出す際に指を掛ける凹部の配置、及び空気を通過させる通気口の配置における自由度を増すことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、装置本体と、前記装置本体に設けられ用紙に画像を形成する画像形成部と、前記装置本体に引き出し可能に設けられるとともに吸入された空気又は排出される空気が内部を流れる空気流路部と、前記空気流路部の前記内部に設けられ、当該空気流路部の当該内部を流れる空気を通過させることにより当該空気に含まれる物質を捕集する捕集部材と、前記空気流路部に対して固定され、かつユーザが当該装置本体から当該空気流路部を引き出す際に指を掛ける凹部と、当該凹部に形成され当該空気流路部の内部と当該装置本体の外部とを連続させ空気を通過させる通気口とを有する引き出し部材とを含む画像形成装置である。
請求項2記載の発明は、前記引き出し部材は、空気を通過させる他の通気口を有し、当該引き出し部材の前記通気口は、少なくとも当該他の通気口の一部を構成することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項3記載の発明は、前記空気流路部の内部であって、当該空気流路部における当該空気流路部を前記装置本体へ収容する方向の下流側に設けられ、当該空気流路部の内部を流れる空気流をつくる送風部をさらに有することを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置である。
請求項4記載の発明は、前記通気口と前記捕集部材との間に設けられ当該通気口から進入したユーザの指が当該捕集部材に届くことを抑制する抑制部材を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の画像形成装置である。
【0006】
請求項5記載の発明は、装置本体と、前記装置本体に設けられ用紙に画像を形成する画像形成部と、前記装置本体内において当該装置本体内の空気を流し当該装置本体内に空気流をつくる空気流発生機構と、前記装置本体に引き出し可能に設けられ、前記空気流発生機構によりつくられる空気流が内部を通過する空気流路部と、前記空気流路部の前記内部に設けられ、当該空気流路部の当該内部を流れる空気を通過させることにより当該空気に含まれる物質を捕集する捕集部材と、前記空気流路部よりも当該空気流路部を前記装置本体から引き出す方向の下流側で当該空気流路部に固定され、かつユーザが当該装置本体から当該空気流路部を引き出す操作を行う際に手を掛ける把手部と、当該把手部に形成され当該空気流路部の内部と当該装置本体の外部とを連続させ前記空気流発生機構により当該装置本体の外部から空気が吸入される吸入部とを有する引き出し操作部とを含む画像形成装置である。
請求項6記載の発明は、筐体構造と、前記筐体構造に設けられ、画像形成装置に対して当該筐体構造を着脱可能に固定する固定部と、前記筐体構造に引き出し可能に設けられるとともに吸入された空気又は排出される空気が内部を流れる空気流路部と、前記空気流路部の前記内部に設けられ、当該空気流路部の当該内部を流れる空気を通過させることにより当該空気に含まれる物質を捕集する捕集部材と、前記空気流路部に対して固定され、かつユーザが当該筐体構造から当該空気流路部を引き出す際に指を掛ける凹部と、当該凹部に形成され当該空気流路部の内部と当該筐体構造の外部とを連続させ空気を通過させる通気口とを有する引き出し部材とを含む捕集装置である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、装置本体から空気流路部を引き出す際に指を掛ける凹部の配置、及び空気を通過させる通気口の配置における自由度を増すことができる。
請求項2記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、引き出し部材に形成される他の通気口を、より自由に設計することができる。
請求項3記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、空気流路部を装置本体に収容する方向の上流側において送風部の騒音を抑制することができる。
請求項4記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、捕集部材にユーザの指が触れることを抑制することができる。
請求項5記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、装置本体から空気流路部を引き出す際に指を掛ける凹部の配置、及び空気を通過させる通気口の配置における自由度を増すことができる。
請求項6記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、筐体構造から空気流路部を引き出す際に指を掛ける凹部の配置、及び空気を通過させる通気口の配置における自由度を増すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施の形態が適用される画像形成装置を示す概略構成図である。
【図2】本実施の形態が適用される画像形成装置を示す斜視図である。
【図3】本実施の形態が適用される空気清浄部を示す斜視図である。
【図4】本実施の形態が適用される空気清浄部の上面図である。
【図5】カセットが収容された状態の空気清浄部の上面図である。
【図6】把手部及び空気口を示す概略構成図である。
【図7】ユーザによって引き出されるカセットを示す説明図である。
【図8】第1の変形例における把手部を示す概略構成図である。
【図9】第2の変形例における把手部を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<画像形成装置100>
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置100を示す概略構成図である。図1に示す画像形成装置100は、所謂タンデム型のカラープリンタである。この画像形成装置100は、各色の画像データに対応して画像形成を行う画像形成部10と、画像形成装置100全体の動作を制御する制御部20とを備えている。また、画像形成装置100は、画像形成装置100の上方側に設けられ、原稿の画像を読み取るスキャナにより構成される画像読取装置30を備えている。さらに、画像形成装置100は、画像形成部10に用紙Sを供給する用紙供給部40を備えている。
【0010】
ここで、画像形成装置100の各構成部材は、本体筺体(装置本体)50の内部に収容されている。また、画像読取装置30の下方であって本体筺体50の上部の面には、画像形成部10によって画像が形成された用紙Sが積載される積載面をもつ胴内積載部60が設けられている。さらに、画像形成装置100は、画像形成装置100の外部の空気を画像形成装置100内に取り込み清浄する空気清浄部70を備えている。
【0011】
<画像形成部10>
画像形成部10には、一定の間隔をおいて並列的に配置される4つの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kが備えられている。各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、静電潜像を形成してトナー像を保持する感光体ドラム12を備えており、いわゆる電子写真方式によってトナー像を形成する。ここで、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、現像装置に収納されるトナーを除いて、同様に構成される。そして、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、それぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成する。このようなことから、以下の説明においては、画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kの各構成についてはそれぞれ「Y」、「M」、「C」、「K」という符号を付して区別するが、区別する必要のないときは、これらの符号は付さない。
【0012】
また、画像形成部10は、各画像形成ユニット1の感光体ドラム12上に形成された各色トナー像が転写される中間転写ベルト13を備えている。また、画像形成部10は、各画像形成ユニット1にて形成された各色トナー像を中間転写ベルト13に順次転写(一次転写)する一次転写ロール17を備えている。さらに、画像形成部10は、中間転写ベルト13上に重畳して形成された各色トナー像を記録材(記録紙)である用紙Sに一括転写(二次転写)する二次転写部19と、二次転写された各色トナー像を用紙Sに定着させる定着装置21とを備えている。
さらにまた、画像形成部10は、定着装置21によってトナー像が定着された用紙Sの通過を検知するエグジットセンサ22を備える。さらにまた、このエグジットセンサ22を通過した用紙Sを胴内積載部60に排出する胴内排出ロール23を備える。
【0013】
用紙供給部40は、用紙収容部41、繰り出しロール43、捌きロール45、及びレジロール47を備える。用紙収容部41は、用紙Sを収容する。繰り出しロール43は、用紙収容部41の上部に配設され、用紙収容部41に収容される用紙Sの束のうち、最上位の用紙Sを繰り出す。捌きロール45は、繰り出しロール43にて繰り出された用紙Sを1枚ずつに捌いて搬送する。また、レジロール47は、捌きロール45によって捌いて搬送された用紙Sを一旦停止させ、タイミングを合わせて回転を再開することにより二次転写部19に対して用紙Sを供給する。
【0014】
<空気清浄部70の構造>
次に、図2を参照しながら、空気清浄部70について説明をする。図2は、本実施の形態が適用される画像形成装置100を示す斜視図である。
本実施の形態において、捕集装置の一例である空気清浄部70は、画像形成装置100の下方に設けられている。より具体的には、空気清浄部70は用紙供給部40の下方に設けられており、用紙供給部40に対して着脱可能である。
この空気清浄部70は、引き出し可能(図2の矢印A1及びA2参照)なカセット71と、カセット71を引き出し可能に支持するとともに内部にカセット71を収容する筐体73とを有する。以下で、カセット71と筐体73とを説明する。
【0015】
<カセット71>
まず、図3乃至5を参照しながら、カセット71について説明をする。図3は、本実施の形態が適用される空気清浄部70を示す斜視図である。図4は、本実施の形態が適用される空気清浄部70の上面図である。より詳細には、図4(a)は、カセット71が引き出された状態の空気清浄部70の上面図であり、図4(b)は、インナーカバー77の先端部771を示す概略構成図である。図5は、カセット71が収容された状態の空気清浄部70の上面図である。
【0016】
図3に示すように、カセット71は、画像形成装置100のフロント側(図1の紙面手前側)に設けられる板状部材であるフロント板(引き出し部材、引き出し操作部)710と、このフロント板710と連続して設けられ内部に空気が流れる空間を有する略直方体の部材であるダクト(管路、空気流路部)72とを有する。
フロント板710には、ユーザが指を掛けカセット71を引き出すための把手部711と、フロント板710におけるフロント側(図1の紙面手前側)に設けられ空気清浄部70内に空気を取り込む空気口(ルーバ)713が設けられている。
【0017】
また、ダクト72は、図1に示す画像形成装置100のフロント側(図1の紙面手前側)からリア側(図1の紙面奥側)に向けて延び、空気口713から取り込まれた空気をリア側(図1の紙面奥側)に配置されたファン79(後述)へと流す流路を形成する。
【0018】
本実施の形態おいては、カセット71は、ダクト72の側方に、複数のフィルタ75を挿入するために形成された複数の挿入口721を有する。このカセット71は、ダクト72に対して引き出し可能である(図3の矢印B1及びB2参照)。また、図4(a)に示すように、カセット71は、ダクト72におけるリア側(図1の紙面奥側)に、ファン79へ導かれる空気の流路を絞り込む絞り部76を有する。
【0019】
また、カセット71は、空気中の浮遊物を吸着除去して空気を浄化するフィルタ75(751、752、753、754)を有する。さらにカセット71は、開閉可能に設けられ(矢印C1及びC2参照)、フィルタ(捕集部材あるいは空気清浄材)75が挿入された状態でダクト72の側方を覆うインナーカバー77を有する。このインナーカバー77は、画像形成装置100のリア側(図1の紙面奥側)の端部に設けられた回転軸770を中心に、開閉可能である(図3の矢印C1及びC2参照)。
【0020】
また、図4(a)及び図4(b)に示すように、インナーカバー77は、回転軸770が設けられた側とは反対側の先端部771に、インナーカバー77が閉じた状態においてダクト72の一部に掛かり合う爪部775を有する。また、インナーカバー77は、この先端部771に、インナーカバー77が閉じた状態においてダクト72側とは反対側に突出する突起部773を有する。
【0021】
<把手部711>
次に、図3乃至図7を参照しながら、カセット71に設けられる把手部711について説明をする。図6は、把手部711及び空気口713を示す概略構成図である。具体的には、図6(a)は、カセット71の正面図であり、図6(b)は、図6(a)のVIb面における断面図であり、図6(c)は、図6(a)のVIc面における断面図であり、図6(d)は、図6(c)における把手部711の拡大図である。図7は、ユーザによって引き出されるカセット71の断面図である。
【0022】
まず、図3に示すように、カセット71は、フロント板710に形成されユーザがカセット71を引き出すための把手部(凹部)711を有する。ここで、図6(a)に示すように、把手部711は、画像形成装置100(図1参照)のフロント側(図1の紙面手前側)に設けられるフロント板710の両端(両側面)に設けられている。
また、図7に示すように、把手部711には、ユーザがカセット71を引き出す際に、ユーザの指が掛けられる。ここで、図3に示すように、把手部711は、フロント板710に形成された凹部である。図6(d)に示すように、凹部である把手部711には、ユーザの指が挿入される開口(通気口、吸入部)7110が形成されている。また、図5に示すように、把手部711は、筐体73の外周面に露出している。
【0023】
ここで、この開口7110の内部は、ダクト72内に続くように構成されている。そして、この開口7110を介してダクト72内へ空気が吸入される。さらに説明をすると、図6(d)に示すように、カセット71が筐体73に収容されている状態において、開口7110が形成されているフロント板710と、筐体73における画像形成装置100のフロント側(図1の紙面手前側)の面73aとの間には、間隙Gaが形成されている。この間隙Gaは、カセット71のダクト72内と連続する。このことにより、開口7110を介してから吸入された空気は、間隙Gaを通過してダクト72(図6(c)参照)内へ導かれる。
【0024】
さて、図6(b)に示すように、本実施の形態においては、フロント板710の両端に設けられている把手部711と、ダクト72内に配置されているフィルタ75との間には、カセット71の一部材あるいは筐体73の一部材が存在する。図示の例においては、フロント板710に設けられこのフロント板710から筐体73に向かう方向に突出する突起部710aをフロント板710は有する。図7に示すように、抑制部材の一例としての突起部710aが開口7110とフィルタ75との間に配置されていることにより、開口7110から挿入された指が、突起部710aよりもフィルタ75側へ進入することが妨げられる。このことにより、本実施の形態においては、把手部711に開口7110が形成される構成であっても、ユーザの指がフィルタ75に触れることが制限される。さらに説明をすると、開口7110は、開口7110に挿入されたユーザの指がフィルタ75に届かない位置に配置されている。
【0025】
<空気口713>
次に、図5及び6を参照しながら、カセット71に設けられる空気口713について説明をする。
図6(a)に示すように、カセット71は、フロント板710の画像形成装置100のフロント側(図1の紙面手前側)に設けられ空気を取り込む空気口(吸入口)713を有する。図5に示すように、この空気口713は、カセット71のダクト72内へ続くよう形成されている。図示の例においては、フロント板710において水平方向に延びる空気口713が上下方向に複数並んで設けられている。
【0026】
<筐体73>
次に、図3乃至5を参照して、筐体73について説明をする。
まず、図4(a)に示すように、筐体73は、カセット71が挿入される動作にともないインナーカバー77と接触しインナーカバー77を閉じるガイド部材74を有する。なお、本実施の形態における筐体73は、本体筺体50の一部を構成する。
【0027】
また、図5に示すように、筐体73は、カセット71の引き出し方向(図2の矢印A1及びA2参照)に延び、カセット71を引き出し可能に支持するレール78を有する。また、筐体73は、画像形成装置100のリア側(図1の紙面奥側)に、外部の空気を空気清浄部70内へ取り込みフィルタ75を通過させるファン(送風部、空気流発生機構)79を有する。なお、ファン79が画像形成装置100のリア側(図1の紙面奥側)に設けられることにより、フロント側(図1の紙面手前側)の騒音が低減される。
【0028】
さらに、筐体73は、ファン79が取り込んだ空気を空気清浄部70(画像形成装置100(図1参照))の外へ排出する排出口790を有する。
さらにまた、図3に示すように、筐体73は、上方に配置される用紙供給部40(図1参照)を受けるとともに、着脱可能に固定するための固定部である固定孔731、固定ピン732、支持板733を有する。
【0029】
<空気清浄部70の動作>
次に、空気清浄部70の動作について説明をする。
まず、制御部20(図1参照)により制御されるファン79が駆動することにより、空気口713(図3参照)を介して画像形成装置100(図1参照)の外部の空気が取り込まれる(矢印D参照)。
そして、図5に示すように、取り込まれた空気は、ダクト72内を流れ(矢印D参照)、第1フィルタ751、第2フィルタ752、第3フィルタ753、第4フィルタ754を通過する。各フィルタ75を通過することにより、空気中の浮遊物が各フィルタ75により吸着除去され、空気が浄化される。
浄化された空気は、絞り部76により流路が絞られた領域を通過した後、ファン79及び排出口790を介して、画像形成装置100(図1参照)の外部、すなわち空気清浄部70の外部へと排出される(矢印D参照)。
【0030】
ここで、図6(c)に示すように、制御部20(図1参照)により制御されるファン79(図5参照)が駆動することにより、把手部711に形成された開口7110を介して、画像形成装置100(図1参照)の外部の空気が取り込まれる(矢印D1参照)。そして、把手部711から取り込まれた空気は、空気口713から取り込まれた空気とともにダクト72内を流れ、各フィルタ75を通過した後に画像形成装置100(図1参照)の外部へと排出される(矢印D参照)。
【0031】
さて、空気清浄部70の空気清浄機能を維持するため、空気清浄部70を一定期間使用した際にユーザによってフィルタ75が交換もしくは洗浄される。例えば、第1フィルタ751を1ヶ月ごとに洗浄し、第2フィルタ752、第3フィルタ753、及び第4フィルタ754を6ヶ月ごとに交換する。フィルタ75の交換作業は、カセット71を引き出しながら行われる。そして、カセット71を引き出す際には、上述のように把手部711にユーザの指が掛けられる。
【0032】
さて、本実施の形態においては、空気口713とともに、把手部711の開口7110が画像形成装置100(図1参照)の外部の空気を取り込む。言い替えると、把手部711が空気口713を兼ねる構成として捉えることができる。さらに言い替えると、把手部711が同一箇所において、ユーザが指を掛けカセット71を引き出すための機能と画像形成装置100(図1参照)の外部の空気を取り込む機能との2つの機能を実現する構成と捉えることができる。
したがって、把手部711を空気口713とは別に設けることにより、空気口713自体から取り込む空気量を小さくすることが可能となる。さらに説明をすると、空気口713の開口面積を小さくすることが可能となる。このことにより、例えばフロント板710に形成される空気口713や開口7110等のレイアウトを設計する自由度が増す。したがって、外観性の向上に寄与する。
【0033】
<変形例1>
次に、図8を参照しながら、把手部711の変形例を説明する。ここで、図8は、第1の変形例における把手部7115を示す概略構成図である。具体的には、図8(a)は、カセット71の正面図であり、図8(b)は、図8(a)のVIIIb面における断面図であり、図8(c)は、図8(a)のVIIIc面における断面図であり、図8(d)は、図8(b)に示す把手部7115にユーザの指が挿入された状態を示す説明図である。
【0034】
まず、図8に示すように、この変形例における把手部7115は、フロント板710における画像形成装置100(図1参照)のフロント側(図1の紙面手前側)に設けられている。この把手部711は、図8(d)に示すように、フロント板710に形成された凹部であり、この凹部にはユーザの指が挿入される開口7111が形成されている。
また、この変形例においては、フロント板710に空気口713(図6参照)が形成されておらず、把手部7115の開口7111が、上述の空気口713(図6参照)の機能を兼ねる。さらに説明をすると、把手部7115の開口7111が、画像形成装置100のフロント側(図1の紙面手前側)から空気を取り込む。
【0035】
さて、図8(b)に示すように、把手部7116は、フロント板710の下方から、画像形成装置100(図1参照)のリア側(図1の紙面奥側)であってフロント板710の上方に延びるガイド板7125を有する。このガイド板7125は、ユーザの指を開口7111へ案内する。また、取り込まれる空気は、ガイド板7125に沿って進み(矢印D2参照)ながら、開口7111へと導かれる。
ここで、把手部7115に挿入されたユーザの指は、フィルタ75(図5参照)に触れないように構成されている。具体的には、図8(a)の上下方向において、フロント板710とガイド板7125との間隙Gbが、ユーザの指の太さよりも小さくなるよう構成されている。したがって、開口7111へ挿入されたユーザの指が、リア側(図1の紙面奥側)に配置されるフィルタ75(図5参照)に向かって進入することが制限される。
【0036】
<変形例2>
次に、図9を参照しながら、把手部711の他の変形例を説明する。ここで、図9は、第2の変形例における把手部7116を示す概略構成図である。具体的には、図9(a)は、カセット71の正面図であり、図9(b)は、図9(a)のIXb面における断面図であり、図9(c)は、図9(a)のIXc面における断面図であり、図9(d)は、図9(c)に示す把手部7116にユーザの指が挿入された状態を示す説明図である。
【0037】
まず、図9に示すように、この変形例における把手部7116は、フロント板710における画像形成装置100(図1参照)のフロント側(図1の紙面手前側)に設けられている。この把手部7116は、フロント板710において水平方向に延びる複数の空気口713の側方に形成されている。図示の例においては、水平方向において把手部7116が空気口713を挟むように配置されている。また、把手部7116は、フロント板710に形成された凹部であり、この凹部にはユーザの指が挿入される開口7112が形成されている。
【0038】
さて、この把手部7116は、フロント板710の両端側から画像形成装置100(図1参照)のリア側(図1の紙面奥側)であってフロント板710の中央側に延びるガイド板7126を有する。このガイド板7126は、ユーザの指を開口7112へ案内する。また、取り込まれる空気は、ガイド板7126に沿って進み(矢印D3参照)ながら、開口7112へと導かれる。そして、画像形成装置100のフロント側(図1の紙面手前側)から把手部7116を介して取り込まれた空気は、ガイド板7126に沿って進み(矢印D2参照)、フィルタ75(図5参照)へと向かう。
ここで、図示の例においては、把手部7116に挿入されたユーザの指は、フィルタ75(図5参照)に触れないように構成されている。具体的には、フロント板710の両端側に設けられている把手部7116と、ダクト72内に配置されているフィルタ75との間には、筐体73の部材が存在する。
【0039】
<他の変形例>
さて、上述の実施形態においては、ファン79を画像形成装置100のリア側(図1の紙面奥側)に設けるものとして説明したが、これに限定されない。例えば画像形成装置100のフロント側(図1の紙面手前側)にファン79が設けられる構成であってもよい。
また、上述の実施形態においては、空気口713、開口7110、開口7111、開口7112から取り込まれた空気を、フロント側(図1の紙面手前側)からリア側(図1の紙面奥側)に向けて流し、排出口790から空気清浄部70の外へ排出させる構成として説明したが、これに限定されない。例えば、上述の実施形態とは反対に、リア側に設けられた空気口から空気を取り込み、この空気をリア側からフロント側へ向けて流し、フロント側の空気口713、開口7110、開口7111、開口7112から空気清浄部70の外へ排出させる構成であってもよい。
【符号の説明】
【0040】
1Y,1M,1C,1K…画像形成ユニット、19…二次転写部、21…定着装置、70…空気清浄部、71…カセット、73…筐体、75…フィルタ、79…ファン、100…画像形成装置、711…把手部、713…空気口、7110、7111、7112…開口、S…用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
前記装置本体に設けられ用紙に画像を形成する画像形成部と、
前記装置本体に引き出し可能に設けられるとともに吸入された空気又は排出される空気が内部を流れる空気流路部と、
前記空気流路部の前記内部に設けられ、当該空気流路部の当該内部を流れる空気を通過させることにより当該空気に含まれる物質を捕集する捕集部材と、
前記空気流路部に対して固定され、かつユーザが当該装置本体から当該空気流路部を引き出す際に指を掛ける凹部と、当該凹部に形成され当該空気流路部の内部と当該装置本体の外部とを連続させ空気を通過させる通気口とを有する引き出し部材と
を含む画像形成装置。
【請求項2】
前記引き出し部材は、空気を通過させる他の通気口を有し、当該引き出し部材の前記通気口は、少なくとも当該他の通気口の一部を構成することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記空気流路部の内部であって、当該空気流路部における当該空気流路部を前記装置本体へ収容する方向の下流側に設けられ、当該空気流路部の内部を流れる空気流をつくる送風部をさらに有することを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記通気口と前記捕集部材との間に設けられ当該通気口から進入したユーザの指が当該捕集部材に届くことを抑制する抑制部材を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項5】
装置本体と、
前記装置本体に設けられ用紙に画像を形成する画像形成部と、
前記装置本体内において当該装置本体内の空気を流し当該装置本体内に空気流をつくる空気流発生機構と、
前記装置本体に引き出し可能に設けられ、前記空気流発生機構によりつくられる空気流が内部を通過する空気流路部と、
前記空気流路部の前記内部に設けられ、当該空気流路部の当該内部を流れる空気を通過させることにより当該空気に含まれる物質を捕集する捕集部材と、
前記空気流路部よりも当該空気流路部を前記装置本体から引き出す方向の下流側で当該空気流路部に固定され、かつユーザが当該装置本体から当該空気流路部を引き出す操作を行う際に手を掛ける把手部と、当該把手部に形成され当該空気流路部の内部と当該装置本体の外部とを連続させ前記空気流発生機構により当該装置本体の外部から空気が吸入される吸入部とを有する引き出し操作部と
を含む画像形成装置。
【請求項6】
筐体構造と、
前記筐体構造に設けられ、画像形成装置に対して当該筐体構造を着脱可能に固定する固定部と、
前記筐体構造に引き出し可能に設けられるとともに吸入された空気又は排出される空気が内部を流れる空気流路部と、
前記空気流路部の前記内部に設けられ、当該空気流路部の当該内部を流れる空気を通過させることにより当該空気に含まれる物質を捕集する捕集部材と、
前記空気流路部に対して固定され、かつユーザが当該筐体構造から当該空気流路部を引き出す際に指を掛ける凹部と、当該凹部に形成され当該空気流路部の内部と当該筐体構造の外部とを連続させ空気を通過させる通気口とを有する引き出し部材と
を含む捕集装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−88756(P2013−88756A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231643(P2011−231643)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】