説明

画像形成装置及び画像形成システム

【課題】 画像データの機密性を高めることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 細断すべき用紙101に設けられた無線タグ102に記憶された識別情報に対応する画像データを、その画像データが保存されている保存手段から適切に消去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、商品管理や個別物品を識別するために、バーコードに代えてRFID等の無線タグが用いられ始めている。この無線タグは、アンテナやIC(集積回路)を内蔵しており、外部装置と無線通信を行う機能や、各種情報を記録・保持する機能を有している可搬性の記憶媒体である。
【0003】
このような無線タグを用いるシステムでは、無線タグ内のICに、管理対象物固有の識別情報(ID情報)を含むタグ情報を予め記憶し、その無線タグを管理対象物に添付しておく。そして、リーダ(無線タグ読み出し手段)により無線タグからタグ情報を非接触(無線)で読み出し、読み出したタグ情報を各種物品の管理に使用している。
【0004】
無線タグの特徴としては、(1)非接触でデータの送受信が可能、(2)一度に複数のタグ情報を読み出し可能等があり、このような特徴を利用して、従来バーコードで行われていた物品管理を更に効率良く行うことが可能となっている。
【0005】
また、この無線タグの応用例として、印刷用紙等に無線タグを埋め込んだRFIDタグ付き印刷用紙(RFIDタグ付き媒体)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
これは、データの読み書きが可能で、そのデータを電波によって送受信するRFIDタグを付属してなるRFIDタグ付き印刷用紙として提案されている。
【0007】
このRFIDタグ付き印刷用紙は、印刷用紙にRFIDタグを設けて、印刷用紙には画像データを印刷して、RFIDタグには画像データを電子データとして記憶させるものである。
【0008】
また、プリンタ機能及びファクシミリ機能を有する複写機には、原稿用のリーダ/ライタ及び印刷用紙用のリーダ/ライタを設けており、必要に応じて、電子データの送受信を行うものである。
【0009】
また、このような印刷用紙を扱うプリンタ装置等の画像処理装置において、昨今、電子データのセキュリティが重要視されている。現状、プリンタ装置の機能としてセキュアプリント機能がある。
【0010】
このセキュアプリント機能とは、機密文書をプリントアウトする際のセキュリティを向上させるための機能である。
【0011】
一般のオフィス環境においては、ネットワークに接続されたプリンタ装置を複数人で共有して使用している。このようなオフィス環境では、ユーザからプリンタ装置が離れた場所に設置されていることが多く、プリンタ装置により出力された印刷用紙は、他人が容易に見ることができる状態にある。他人に閲覧されることが機密上好ましくない文書を出力する方法として、セキュアプリント機能がある。
【0012】
これは、パーソナルコンピュータよりプリント機能を実行した後、すぐには印刷出力を行わず、一時的にプリンタ装置内の一時記憶装置にプリントデータを記憶させておく。そして、ユーザがプリンタ装置の前まで行き、操作部により予め定められたパスワードを入力することで、印刷出力を行うというものである。
【0013】
実際にユーザがセキュアプリント機能を実行する場合の実行フローは、パーソナルコンピュータのプリンタドライバより、セキュアプリント機能を実行し、ユーザがプリンタ装置の前まで移動して、操作部よりパスワードを入力し、画像を出力するという流れで操作が行われる。
【0014】
セキュアプリント機能を実行する場合、プリンタ装置は、受け取った画像データを、プリンタ装置の内部に備えられたハードディスク等の一時記憶装置に記憶保存している。
【0015】
一方、このように、プリンタ装置内部の一時記憶装置に電子データを記憶させて、パスワードを入力することでデータを出力させる機能として、ボックス(BOX)プリント機能がある。
【0016】
このボックスプリント機能は、複写機等に設けられたスキャナ(読み取り装置)で読み取ったスキャンデータを、複写機の内部に有する一時記憶装置に記憶させておく機能である。これは、一般に紙文書を電子データに変換させて保管しておくことで、紙文書の保管スペースを削減する等の用途で、昨今使用されている便利な機能である。
【0017】
現在は、HDD(ハードディスクドライブ)内に個人毎のフォルダを設けて、そのフォルダ毎にパスワードを設定することにより、セキュリティが確保されるようになっている。
【0018】
勿論、上述した、セキュアプリント機能においても、予めボックス(BOX)内に設定したフォルダにプリントデータを一時的に保存しておくボックス機能と組み合わせて使用し、文書データを保存管理することも可能である。
【特許文献1】特開2002−337426号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら、このように文書を電子化する場合、更なるセキュリティの強化を行う必要がある。職場においては、前述したように、ボックス内に各種データを電子化して保存する機能が普及するにつれ、ボックス内に一時記憶されている機密文書の扱いが重要視されつつある。これは、現状は、簡単なパスワード入力だけでは、データの盗難等が容易に行われる可能性がある。これは、パスワードを管理しているデータが、機密の電子データと同様に装置内部の一時記憶装置に記憶されているため、悪意を抱いている者がパスワードを知り得た場合、セキュリティを解除できてしまう虞があるからである。
【0020】
これを解決するためには、ボックスに保存する必要があるデータに関するパスワードを管理するデータ事態を物理的に別の場所に管理する方法と、不必要な機密文書の保存は行わないで、必要が無ければ削除してしまうことが重要である。
【0021】
また、ハードディスクをファイルサーバとして使用する場合、セキュリティが施された大量のファイルの整理作業が繁雑になるのと同時に、不必要になったセキュリティ上重要なファイルが忘れられたまま残り続けることになるのも問題であるからである。
【0022】
本発明は、上述した従来技術の有する問題点を解消するためになされたもので、その目的は、細断すべき用紙に設けられた記憶媒体に記憶された識別情報に対応する画像データを、その画像データが保存されている保存手段から適切に消去することで、画像データの機密性を高めることができる画像形成装置及び画像形成システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、用紙を細断処理する細断装置と通信可能な画像形成装置であって、画像データを入力する入力手段と、前記画像データを前記画像データを識別するための識別情報とともに保存する保存手段と、用紙に設けられた記憶媒体に前記識別情報を書き込む情報書き込み手段と、用紙に設けられた記憶媒体から前記識別情報を読み出す情報読み出し手段と、前記画像データに基づいて用紙に画像を形成する画像形成手段と、前記細断装置が細断すべき用紙の前記記憶媒体に記憶された前記識別情報を前記細断装置から受信する受信手段と、前記受信手段が受信した前記識別情報に対応する画像データを前記保存手段から消去するよう制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0024】
また、上記目的を達成するため、本発明の画像形成システムは、用紙に画像を形成する画像形成装置と前記用紙を細断処理する細断装置とを有する画像形成システムであって、前記画像形成装置は、画像データを入力する入力手段と、前記画像データを前記画像データを識別するための識別情報とともに保存する保存手段と、用紙に設けられた記憶媒体に前記識別情報を書き込む情報書き込み手段と、用紙に設けられた記憶媒体から前記識別情報を読み出す情報読み出し手段と、前記画像データに基づいて用紙に画像を形成する画像形成手段とを有し、前記細断装置は、前記用紙を細断処理する細断手段と、前記細断手段により細断されるべき用紙に設けられた前記記憶媒体から前記識別情報を読み出す情報読み出し手段と、前記情報読み出し手段が読み出した前記識別情報に対応する画像データを前記保存手段から消去するよう制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、細断すべき用紙に設けられた記憶媒体に記憶された識別情報に対応する画像データを、その画像データが保存されている保存手段から適切に消去することで、画像データの機密性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の画像形成装置及び画像形成システムの好適な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0027】
本発明の特徴は、用紙を細断処理する細断装置と通信可能な画像形成装置であって、画像データを入力する入力手段と、前記画像データを前記画像データを識別するための識別情報とともに保存する保存手段と、用紙に設けられた記憶媒体に前記識別情報を書き込む情報書き込み手段と、用紙に設けられた記憶媒体から前記識別情報を読み出す情報読み出し手段と、前記画像データに基づいて用紙に画像を形成する画像形成手段と、前記細断装置が細断すべき用紙の前記記憶媒体に記憶された前記識別情報を前記細断装置から受信する受信手段と、前記受信手段が受信した前記識別情報に対応する画像データを前記保存手段から消去するよう制御する制御手段とを有することである。
【0028】
また、本発明の別の特徴は、用紙に画像を形成する画像形成装置と前記用紙を細断処理する細断装置とを有する画像形成システムであって、前記画像形成装置は、画像データを入力する入力手段と、前記画像データを前記画像データを識別するための識別情報とともに保存する保存手段と、用紙に設けられた記憶媒体に前記識別情報を書き込む情報書き込み手段と、用紙に設けられた記憶媒体から前記識別情報を読み出す情報読み出し手段と、前記画像データに基づいて用紙に画像を形成する画像形成手段とを有し、前記細断装置は、前記用紙を細断処理する細断手段と、前記細断手段により細断されるべき用紙に設けられた前記記憶媒体から前記識別情報を読み出す情報読み出し手段と、前記情報読み出し手段が読み出した前記識別情報に対応する画像データを前記保存手段から消去するよう制御する制御手段とを有ることである。
【0029】
そして、細断すべき用紙に設けられた記憶媒体に記憶された識別情報に対応する画像データを、その画像データが保存されている保存手段から適切に消去することで、画像データの機密性を高めるようにしたものである。
【0030】
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態について、図1〜図21に基づき説明する。
【0031】
<RFID付き印刷用紙>
図1は、第1の実施の形態に係る画像形成装置及び画像形成システムに用いるRFIDタグ(記憶媒体)付き印刷用紙(用紙)の構成を示す平面図であり、同図において、101はRFIDタグ付き印刷用紙で、一般的な印刷用に用いられる用紙101に記憶媒体であるRFIDタグ(無線タグ)102を設けて構成されている。このRFIDタグ(無線タグ)102は、用紙101上に貼り付け、或いは、予め用紙101の製造工程で用紙101の内部に埋め込むことにより設けられる。このRFIDタグ付き印刷用紙101中に添付されているRFIDタグ102は、専用のリーダ/ライタ部(情報読み出し/書き込み手段)でデータ(タグ情報)を読み出し/書き込みすることが可能である。このデータの読み出し/書き込みは、RFIDタグ102とリーダ/ライタ部との間で、電波(無線)によってデータの送受信を行うことにより、非接触状態で実行される。
【0032】
<RFIDタグ102>
RFIDタグ102は、RFIDアンテナ部とIC(集積回路)部とを備えている。RFIDアンテナ部は、送受信回路と共に電力供給機能をも果たす。リーダ/ライタ部から放射される所定周波数の電磁フィールド内を無線タグ102が通過する際、RFIDアンテナ部において誘起電圧が生じ、その誘起電圧によりIC部が駆動されるようになっている。従って、RFIDタグ102部では電池等を必要としないため、実質的に寿命の制限が無くなると共に、RFIDタグ102自体の小型軽量化を実現でき、しかも、電池交換作業が不要になり、メンテナンスフリーを実現することが可能になる。
【0033】
<RDIFタグ102とリーダ/ライタ部>
図2は、RFIDタグ102の構成を示すブロック図であり、同図において、200は変調回路、201は制御手段としてのCPU(中央演算処理装置)、202は整流・平滑回路、203はメモリ部を構成するROM(Read Only Memory)、204は情報を書き込み可能な記憶素子、例えば、消去可能な不揮発性メモリとしてのEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、205は電波信号を受信するためのアンテナ用コイル、206は共振コンデンサである。
【0034】
変調回路200は、リーダ/ライタ部から送信されて来る信号を復調してCPU201に供給するものである。リーダ/ライタ部から送信されて来る信号は、電力用電波信号に重畳して送信されるようになっている。CPU201は、ROM203に記憶された動作プログラムに従って動作するもので、変復調回路200から入力される信号に応じた処理を実行し、受信したデータをEEPROM204に書き込んだり、EEPROM204からデータを読み出して変復調回路200により変調し、アンテナ用コイル205から電波信号として送信したりする。
【0035】
整流・平滑回路202は、動作用電源回路を構成するもので、共振回路(アンテナ用コイル205及び共振コンデンサ206)から送信された電力用電波信号を整流し、平滑化して一定電圧直流電力にしてCPU201等に供給する。ROM203及びEEPROM204は、データを記憶する記憶媒体である。アンテナ用コイル205は、共振コンデンサ206と並列に接続されて共振回路を構成し、リーダ/ライタ部から所定の高周波数の電力用電波信号が送信されて来ると、これを受信して、整流・平滑回路202に供給する。
【0036】
なお、以上のようなRFIDタグ102において、アンテナ用コイル205は、フィルムに印刷等によって設けられ、変復調回路200、CPU201、整流・平滑回路202、ROM203、EEPROM204は、小チップにして上記フィルムに実装され、そして、該フィルムは、印刷用紙の中に埋め込まれている。
【0037】
図3は、リーダ/ライタ部の構成を示すブロック図であり、同図において、300はリーダ/ライタ部(情報読み出し/書き込み手段)で、送信アンテナ用コイル301を備えた送信部302及び受信アンテナ用コイル303を備えた受信部304から成る。これら送信部302及び受信部304は、後述する画像形成装置であるデジタル複写機全体を制御する制御手段としてのコントローラユニット(制御回路)510に接続されている。そして、RFIDタグ102と通信する場合、まず、コントローラユニット510は、キャリア信号を送信部302で変調して電力用電波信号として送信アンテナ用コイル301から送信し、その後、送信すべきデータ信号を電力用電波信号に重畳するように送信部302で変調して送信アンテナ用コイル301から送信する。RFIDタグ102から送信された電波信号については、これを受信アンテナ用コイル303で受信し、受信部304で復調してデータとして弁別するようになっている。
【0038】
<画像形成装置(デジタル複写機)の制御システム構成>
<画像形成装置の外観構成>
図4は、第1の実施の形態に係る画像形成装置であるデジタル複写機の外観構成を示す側面図である。
【0039】
図4において、400は画像形成装置で、その画像入力デバイスであるスキャナ部(入力手段)401は、原稿画像をランプにより照射し、CCD(撮像素子)ラインセンサ(図示せず)で読み取り(読み出し)、電気信号に変換することで画像データとして処理を行う。また、スキャナ部(入力手段)401は、外部装置から送信される画像データを入力することが可能である。
【0040】
原稿用紙を原稿フィーダ(原稿自動送り手段)402にセットし、画像形成装置400の操作者が操作部403から読み取り起動を指示することにより、原稿フィーダ402は、原稿用紙を1枚ずつフィードし、スキャナ部(入力手段)401は、原稿画像の読み取り動作を行う。
【0041】
画像出力デバイスであるプリンタ部(画像形成手段)404は、画像データを印刷用紙上の画像に形成するものであり、本実施の形態では、感光体ドラムや感光体ベルト等の感光体を用いた電子写真方式により画像形成する場合について説明するが、微少ノズルアレイからインクを吐出して印刷用紙上に直接画像を印刷するインクジェット方式等でも構わない。
【0042】
プリント動作の起動は、画像形成装置400の内部のコントローラ(後述する)からの指示によって開始する。プリンタ部404には、異なる印刷用紙サイズ、または、異なる印刷用紙の向きを選択できるように複数の給紙段を持ち、それに対応した印刷用紙カセット405,406,407,408が設けられている。また、画像形成された印刷用紙は、排紙トレイ409上に排出される。
【0043】
図5は、図4に示した画像形成装置400の内部構成を示す側断面図であり、同図を用いて画像形成装置400の動作の詳細を説明する。
【0044】
図5において、501は原稿台ガラス(原稿載置台)で、原稿フィーダ402から給送された原稿が順次、所定位置に載置される。502は、例えば、ハロゲンランプから構成される原稿照明ランプ(照明体)で、原稿台ガラス501に載置された原稿を露光する。503,504,505は走査ミラーで、図示しない光学走査ユニットに収容され、往復運動しながら、原稿からの反射光をCCDユニット506に導く。
【0045】
CCDユニット506は、CCD(電荷結合素子)に原稿からの反射光を結像させる結像レンズ507、例えばCCDから構成される撮像素子508、撮像素子508を駆動するCCDドライバ509等から構成されている。撮像素子508からの画像信号出力は、例えば、8ビットのデジタルデータに変換された後、コントローラユニット510に入力される。
【0046】
また、511は感光ドラム(感光体)で、前露光ランプ512によって画像形成に備えて除電される。513は1次帯電器で、感光ドラム511を一様に帯電させる。514は露光手段で、例えば、半導体レーザ等で構成され、画像形成や装置全体の制御を行うコントローラユニット510で処理された画像データに基づいて感光ドラム511を露光し、静電潜像を形成する。515は現像器で、黒色の現像剤(トナー)が収容されている。
【0047】
516は転写前帯電器で、感光ドラム511上に現像されたトナー像を転写用紙(印刷用紙)に転写する前に高圧を付与する。517,518,519,520,521は給紙ユニットで(517は手差し給紙ユニット)、各給紙ローラ522,523,524,525,526の駆動により、転写用紙が画像形成装置400内へ給送され、レジストローラ527の配設位置で一旦停止し、感光ドラム511に形成された画像との書き出しタイミングがとられて再給送される。528は転写帯電器で、感光ドラム511に現像されたトナー像を給送される転写用紙に転写する。529は分離帯電器で、転写動作の終了した転写用紙を感光ドラム511より分離する。転写されずに感光ドラム511上に残ったトナーは、クリーナ530によって回収される。
【0048】
531は搬送ベルトで、転写プロセスの終了した転写用紙を定着器532に搬送し、例えば、熱により定着される。533はフラッパで、定着プロセスの終了した転写用紙の搬送パスを、ソータ534または中間トレイ535の配置方向のいずれかに制御する。また、536,537,538,539は給送ローラで、一度定着プロセスの終了した転写用紙を中間トレイ535に反転(多重)または非反転(両面)して給送する。540は再給送ローラで、中間トレイ535に載置された転写用紙を再度、レジストローラ527の配設位置まで搬送する。
【0049】
コントローラユニット510には、後述するマイクロコンピュータ、画像処理部等を備えており、マンマシンインタフェース541からの指示に従って、前述の画像処理動作を行う。
【0050】
図6は、図5に示した画像形成装置400のコントローラユニット510の構成を示すブロック図である。
【0051】
同図に示すように、コントローラユニット510は、画像入力デバイスであるスキャナ部401や画像出力デバイスであるプリンタ部404と接続し、一方では、LAN(域内通信網)600や公衆回線(WAN)601に接続することで、画像情報やデバイス情報の入出力を行うためのコントローラである。CPU(中央演算処理装置)602は、システム全体を制御するコントローラである。RAM(Random Access Memory)603は、CPU602が動作するためのシステムワークメモリで、画像データを一時記憶するための画像メモリ(保存手段)でもある。ROM(Read Only Memory)604は、ブートROMで、システムのブートプログラムが格納されている。
【0052】
HDD(ハードディスクドライブ)605は、システムソフトウェア、画像データ、ソフトウェアカウンタ値等のデータを格納する保存手段である。ソフトウェアカウンタ値は、印刷用紙のサイズ別カウンタ領域とデータ処理容量別カウンタ領域とが設定されており、画像出力枚数やCPU602が処理したデータ容量に基づき予め設定した任意の基準容量値を基準に算出してカウントアップが行われる。カウンタ値は、HDD605に限らず、電源が切れても記憶保持することができれば、図示しないEEPROM等に、その記憶領域を持っても良い。
【0053】
操作部I/F(インタフェース)606は、操作部(UI)607とのインタフェース部で、操作部607に表示する画像データを該操作部607に対して出力する。また、操作部I/F606は、操作部607から本システムの使用者が入力した情報を、CPU602に伝える役割をする。ネットワーク(Network)I/F(インタフェース)608は、LAN600に接続し、出力用画像データの入出力や機器制御に係る情報の入出力を行う。また、ネットワークI/F608は、操作部607における入力操作によって、ネットワーク609上のホストコンピュータ610や図示しない出力用画像データ管理装置から操作部607による入力操作に応じた出力用画像データを受信して画像出力を行う受信手段としての機能を有している。モデム(Modem)611は、公衆回線601に接続し、情報の入出力を行う。音声入出力ユニット612は、音声をスピーカに対して出力したり、ハンドセットに対して、音声出力したり、音声入力するための制御を行う。
【0054】
スキャナ/プリンタ通信I/F(インタフェース)613は、スキャナ部401、プリンタ部404のCPUとそれぞれ通信を行うためのインタフェース部である。タイマ614は、画像形成装置400及びコントローラユニット510の時刻設定や一定時間周期に割り込みを発する計時手段として機能する。電源制御部614は、画像形成装置400の各デバイスに対する電源供給を制御する。無線LAN615は、無線通信を行う。RFIDタグリーダ/ライタ部(情報読み出し/書き込み手段)616は、RFIDタグ付き印刷用紙101のRFIDタグ102からタグ情報の読み出しや書き込みを行う。このRFIDタグリーダ/ライタ部616は、図3に示すリーダ/ライタ部300に相当するものである。
【0055】
このRFIDタグリーダ/ライタ部616は、原稿フィーダ402や、印刷用紙の出力口付近に取り付けられており、ボックス(BOX)格納やボックス(BOX)プリントを行う場合に、セキュリティパスワードとして機能するRFIDタグ付き印刷用紙101よりタグ情報の読み取り(読み出し)や、ボックス格納時にセキュリティキーとして機能するRFIDタグ付き印刷用紙101のRFIDタグ102にRFIDリーダ/ライタ部616で認証情報を書き込み、印刷用紙の出力を行う。
【0056】
以上のデバイスがシステムバス617上に配置される。
【0057】
イメージバス(Image Bus)I/F(インタフェース)618は、システムバス617と画像データを高速で転送する画像バス619と接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス619は、PCIバスまたはIEEE1394で構成される。画像バス619上には以下のデバイスが配置される。
【0058】
ラスターイメージプロセッサ(RIP)620は、PDLコードをビットマップイメージに展開する。スキャナ画像処理部621は、入力画像データに対し補正、加工、編集を行う。プリンタ画像処理部622は、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行う。画像回転処理部623は、画像データの回転処理を行う。画像圧縮処理部624は、多値画像データはJPEG、2値画像画像データはJBIG、MMR、MHの圧縮伸張処理を行う。デバイスI/F(インタフェース)625は、画像入出力デバイスであるスキャナ部401やプリンタ部404とコントローラユニット510とを接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0059】
PDLアクセラレータ626は、Sub CPU627、RAM628、ROM629、バスアイソレータ630、電源(B)631を有している。Sub CPU627は、Network I/F608を介して受信したプリントデータを画像処理するためのビットマップデータへ展開処理を行うアクセラレータとして作用する。RAM628は、Sub CPU627が動作するためのワークメモリである。ROM629は、PDLアクセラレータ626としての機能プログラムが格納されている。PDLアクセラレータ626とCPU602とから構成されるコントローラ回路群とは、バスアイソレータ630を介して接続されている。PDLアクセラレータ626は、メインコントローラは個別に電源供給を行う制御が可能であり、電源制御部614において電源供給部632を制御することにより、電源(A)633と電源(B)631とプリンタ部404、スキャナ部401への電源供給の制御が行われる。バスアイソレータ630は、電源(A)633に電源が供給されている状態で、電源(B)631への電源供給が遮断された場合に、片電源による電流の回りこみ回避の役割をしている。
【0060】
<スキャナ画像処理部621の構成>
図7は、スキャナ画像処理部621の構成を示すブロック図であり、同図において、画像バスI/F(インタフェース)コントローラ700は、画像バス619と接続し、そのバスアクセスシーケンスを制御する働きと、スキャナ画像処理部621内の各デバイスの制御及びタイミングを発生させる。フィルタ処理部701は、空間フィルタでコンボリューション演算を行う。編集処理部702は、例えば、入力画像データからマーカーペンで囲まれた閉領域を認識して、その閉領域内の画像データに対して、影付け、網掛け、ネガポジ反転等の画像加工処理を行う。変倍処理部703は、読み取り画像の解像度を変える場合にラスターイメージの主走査方向について補間演算を行い、拡大処理及び縮小処理を行う。副走査方向の変倍については、画像読み取りラインセンサ(図示せず)を走査する速度を変えることで行う。テーブル704は、読み取った輝度データである画像データを濃度データに変換するために行うテーブル変換である。2値化処理部705は、多値のグレースケール画像データを、誤差拡散処理やスクリーン処理によって2値化処理する。
【0061】
2値化処理部705において2値化処理が終了した画像データは、再び画像バスI/Fコントローラ700を介して、画像バス619上に転送される。
【0062】
<プリンタ画像処理部622の構成>
図8は、プリンタ画像処理部622の構成を示すブロック図であり、同図において、画像バスI/F(インタフェース)コントローラ800は、画像バス619と接続し、そのバスアクセスシーケンスを制御する働きと、プリンタ画像処理部622内の各デバイスの制御及びタイミングを発生させる。解像度変換処理部801は、ネットワーク609或いは公衆回線601から来た画像データを、プリンタ部404の解像度に変換するための解像度変換処理を行う。スムージング処理部802は、解像度変換処理後の画像データのジャギー(斜め線等の白黒境界部に現れる画像のがさつき)を滑らかにする処理を行う。
【0063】
<画像回転処理部623の構成>
図9は、画像回転処理部623の構成を示すブロック図であり、同図に示すように、画像バスI/F(インタフェース)コントローラ900は、画像バス619と接続し、そのバスシーケンスを制御する働き、画像回転部901にモード等を設定する制御及び画像回転部901に画像データを転送するためのタイミング制御を行う。RAM902は、データを格納する。
【0064】
以下に、画像回転部901の処理手順を説明する。
【0065】
画像バス619を介して、CPU602から画像バスI/Fコントローラ900に画像回転制御のための設定を行う。この設定により、画像バスI/Fコントローラ900は、画像回転部901に対して画像回転処理に必要な設定(例えば、画像サイズや回転方向・角度等)を行う。必要な設定を行った後に、再度CPU602から画像バスI/Fコントローラ900に対して画像データ転送の許可を行う。この許可に従い、画像バスI/Fコントローラ900は、RAM603若しくは画像バス619上の各デバイスから画像データの転送を開始する。
【0066】
尚、ここでは32ビット(bit)をそのサイズとして画像回転処理を行う画像サイズを32×32ビット(bit)とし、また、画像バス619上に画像データを転送させる際に32ビット(bit)を単位とする画像データ転送を行うものとする(扱う画像は2値を想定する)。
【0067】
上述のように、32×32ビット(bit)の画像を得るためには、上述の単位での画像データ転送を32回行う必要があり、且つ不連続なアドレスから画像データを転送する必要がある(図11参照)。
【0068】
不連続アドレッシングにより転送された画像データは、読み出し時に所望の角度に回転されているように、RAM902に書き込まれる。例えば、90度反時計方向の画像回転であれば、最初に転送された32ビット(bit)の画像データを、図12のようにY方向に書き込んでいく。読み出し時にはX方向に読み出すことで、画像データが回転される。
【0069】
32×32ビット(bit)の画像回転処理(RAM902への書き込み)が完了した後、画像回転部901は、RAM902から上述した読み出し方法で画像データを読み出し、画像バスI/Fコントローラ900に画像データを転送する。
【0070】
回転処理された画像データを受け取った画像バスI/Fコントローラ900は、連続アドレッシングを以って、RAM603若しくは画像バス619上の各デバイスにデータを転送する。
【0071】
このような一連の処理は、CPU602からの処理要求が無くなるまで(必要なページ数の処理が終わるまで)繰り返される。
【0072】
<画像圧縮処理部624の構成>
図10は、画像圧縮処理部624の構成を示すブロック図であり、同図において、画像バスI/F(インタフェース)コントローラ1000は、画像バス619と接続し、そのバスアクセスシーケンスを制御する働き、入力バッファ1001及び出力バッファ1003との画像データのやり取りを行うためのタイミング制御及び画像圧縮部1002に対するモード設定等の制御を行う。
【0073】
以下、画像圧縮処理部624の処理手順を示す。
【0074】
画像バス619を介して、CPU602から画像バスI/Fコントローラ1000に画像圧縮制御のための設定を行う。この設定により画像バスI/Fコントローラ1000は、画像圧縮部1002に対して画像圧縮処理に必要な設定(例えば、MMR圧縮・JBIG伸長等の)を行う。画像圧縮処理に必要な設定を行った後に、再度CPU602から画像バスI/Fコントローラ1000に対して画像データ転送の許可を行う。この画像データ転送の許可に従い、画像バスI/Fコントローラ1000は、RAM603若しくは画像バス619上の各デバイスから画像データの転送を開始する。受け取った画像データは、入力バッファ1001に一時格納され、画像圧縮部1002の画像データ要求に応じて一定のスピードで画像データを転送する。この際、入力バッファ1001は、画像バスI/Fコントローラ1000と画像圧縮部1002との間で、画像データを転送できるか否かを判断する。そして、画像バス619からの画像データの読み出し及び画像圧縮部1002への画像データの書き込みが不可能である場合は、画像データの転送を行わないような制御を行う(以後、このような制御をハンドシェークと呼称する)。画像圧縮部1002は、受け取った画像データを、一旦RAM1004に格納する。これは、画像圧縮処理を行う際には、その画像圧縮処理の種類によって数ライン分のデータを要するためであり、最初の1ライン分の画像圧縮処理を行うためには、数ライン分の画像データを用意してからでないと画像圧縮処理が行えないからである。
【0075】
画像圧縮処理を施された画像データは、直ちに出力バッファ1003に送られる。出力バッファ1003では、画像バスI/Fコントローラ1000及び画像圧縮部1002とのハンドシェークを行い、画像データを画像バスI/Fコントローラ1000に転送する。画像バスI/Fコントローラ1000では、転送され且つ圧縮処理(若しくは伸長処理)された画像データを、RAM603若しくは画像バス619上の各デバイスに転送する。
【0076】
このような一連の処理は、CPU602からの処理要求が無くなるまで(必要なページ数の処理が終わるまで)、若しくは、この画像圧縮部1002から停止要求が出るまで(圧縮処理及び伸長処理時のエラー発生時等)繰り返される。
【0077】
<デバイスI/F625の構成>
図13は、デバイスI/F625の構成を示すブロック図であり、同図において、画像バスI/Fコントローラ1300は、画像バス619と接続し、そのバスアクセスシーケンスを制御する働きと、デバイスI/F625内の各デバイスの制御及びタイミングを発生させる。また、スキャナ部401及びプリンタ部404への制御信号を発生させる。
【0078】
シリアルパラレル・パラレルシリアル変換処理部1301は、スキャンバッファ1302に保存された画像データを順番に並べて、或いは分解して、画像バス619に転送できる画像データのデータ幅に変換する。スキャンバッファ1302は、スキャナ部401から送られて来る画像データを一時保存し、画像バス619に同期させて画像データを出力する。パラレルシリアル・シリアルパラレル変換処理部1303は、プリントバッファ1304に保存された画像データを順番に並べて、或いは分解して、画像バス619に転送できる画像データのデータ幅に変換する。プリントバッファ1304は、画像バス619から送られて来る画像データを一時保存し、プリンタ部404に同期させて画像データを出力する。
【0079】
以下、デバイスI/F625の画像スキャン時の処理手順を説明する。
【0080】
スキャナ部401から送られて来る画像データを、スキャナ部401から送られて来るタイミング信号に同期させて、スキャンバッファ1302に保存する。そして、画像バス619がPCIバスの場合には、スキャンバッファ1302内に画像データが32ビット以上入った場合に、画像データを先入れ先出しで32ビット分、スキャンバッファ1302からシリアルパラレル・パラレルシリアル変換処理部1301に送り、32ビットの画像データに変換処理した後、画像バスI/Fコントローラ1300を通して画像バス619上に転送する。
【0081】
また、画像バス619がIEEE1394の場合には、スキャンバッファ1302内の画像データを先入れ先出しで、スキャンバッファ1302からシリアルパラレル・パラレルシリアル変換処理部1301に送り、シリアル画像データに変換処理した後、画像バスI/Fコントローラ1300を通して画像バス619上に転送する。
【0082】
次に、デバイスI/F625の画像プリント時の処理手順を説明する。
【0083】
画像バス619がPCIバスの場合には、画像バス619から送られて来る32ビットの画像データを画像バスI/Fコントローラ1300で受け取り、パラレルシリアル・シリアルパラレル変換処理部1303に送り、プリンタ部404の入力データビット数の画像データに分解処理した後、プリントバッファ1304に保存する。
【0084】
また、画像バス619がIEEE1394の場合には、画像バスから送られて来るシリアル画像データを画像バスI/Fコントローラ1300で受け取り、パラレルシリアル・シリアルパラレル変換処理部1300に送り、プリンタ部404の入力データビット数の画像データに変換処理した後、プリントバッファ1304に保存する。そして、プリンタ部404から送られて来るタイミング信号に同期させて、プリントバッファ1304内の画像データを先入れ先出しで、プリンタ部404に送る。
【0085】
<操作部607の構成>
図14は、操作部607の構成を示す平面図であり、同図において、1400は操作パネルで、液晶表示器とタッチパネルとを組み合わせて構成したものであり、設定内容の表示、ソフトキーの表示等を行うものである。1401はスタートキーで、コピー動作等を開始指示するためのハードキーであり、内部に緑色及び赤色のLED(発光ダイオード)が組み込まれており、スタート可能な場合に緑色、スタート不可能な場合に赤色のLEDが点灯する。1402はストップキーで、動作を停止させる場合に使用するハードキーである。ハードキー群には、テンキー1403、クリアキー1404、リセットキー1405、ガイドキー、ユーザーモードキー等が設けられている。
【0086】
<コピー動作モード時の操作パネル1400の表示>
図15は、操作パネル1400に通常のコピー画面が表示されている様子を示す平面図であり、同図において、1500は設定表示部で、画像形成装置であるデジタル複写機の現在の動作状況、設定されている倍率、印刷用紙、印刷部数等を表示する部分である。倍率ソフトキー群には、複写時の倍率に関するソフトキーである等倍キー1501、拡大キー1502、縮小キー1503、ズームキー1504が設けられる。等倍キー1501は、複写倍率を100%にする際に使用する。縮小キー1503及び拡大キー1502は、定形の縮小及び拡大を行う際に使用する。ズームキー1504は、1%刻みで非定形の縮小及び拡大を行う際に使用する。ソータキー1505は、出力用紙(印刷用紙)の処理方法を指定する場合に使用する。両面キー1506は、原稿、または、出力方法に両面印刷が係る場合に使用する。用紙選択キー1507は、出力用紙のサイズ、色、マテリアル等を指定するための画面に遷移する場合に使用する。濃度指定キー群1508は、読み取り、または、出力画像の濃度を調整し、設定内容を表示する場合に使用するものである。応用モードキー1509は、応用モード画面に移る場合に使用する。
【0087】
<シュレッダ装置(細断装置)の構成>
図16は、本実施の形態に係る画像形成装置400と接続されて画像形成システムを構成するシュレッダ装置(細断装置)の構成を示す側断面図であり、同図において、1600はシュレッダ装置で、用紙を細断するものである。このシュレッダ装置1600は、用紙を裁断する細断手段と、前記細断手段により細断されるべき用紙101に設けられた記憶媒体である無線タグ102から識別情報を読み出す情報読み出し手段と、前記情報読み出し手段が読み出した識別情報に対応する画像データを画像形成装置400の保存手段から消去するよう制御する制御手段とを有している。
【0088】
図16において、1601は装置本体、1602は搬送ローラで、用紙の束を送り出したりする場合に回転方向が変わるようになっている。1603は経路変更板で、後述する細断手段である双方向回転刃に用紙を送るためのものである。1604は細断手段である双方向回転刃で、経路変更板1603を介して送られて来た用紙を細断するためのものである。1605はモータ(電源部を含む)で、搬送ローラ1602や双方向回転刃1604を駆動させるためのものである。1606は手差し給紙口(シート挿入口)、1607は紙屑(細断された用紙)1608を収納する屑箱、1609は開閉ドアで、屑箱1607内の紙屑1608を取り除く際や保守点検の際に開閉するものである。
【0089】
1610は細断スタートボタン、1611は細断ストップボタン、1612は逆転スタートボタン、1613はコントローラで、各ボタン1610〜1612の命令によりモータ1605を制御するものである。1614は屑箱1607内の紙屑1608の溜まり具合を監視する赤外線センサ、1615はインジケータで、赤外線センサ1614により検知した紙屑1608の溜まり具合を知らせるものである。1616はふるい板で、紙屑1608を屑箱1607の真ん中に集めたり散らしたりするものである。1617は用紙載置台で、用紙束1618が載置される。1619は情報読み出し手段である無線タグ読み取り部で、双方向回転刃1604に向けて用紙を挿入する用紙挿入口1606に設けられており、無線タグ付き印刷用紙101の無線タグ102に記憶されたタグ情報(識別情報を含む)を読み取る(読み出す)ものである。
【0090】
このような構成のシュレッダ装置1600は、ネットワーク(Network)1620を介して画像形成装置400と接続されるものである。
【0091】
次に、上記構成に成るシュレッダ装置1600の動作について説明する。
【0092】
まず、操作者が細断スタートボタン1610をオン(ON)すると、搬送ローラ1602が順方向回転を開始し、手差し給紙口1606の用紙束1618は、搬送ローラ1602により経路変更板1603を通って双方向回転刃1604に送られる。双方向回転刃1604は、順方向に回転しながら用紙束1618の細断を実行し、ふるい板1616により散らされた細断紙である紙屑1608は、屑箱1607に溜められる。この一連の流れは、図16中の矢印の向きで示してある。
【0093】
この様な動作を繰り返していくと、紙屑1608は真ん中を高くしながら屑箱1608内に溜まっていき、双方向回転刃1604や、ふるい板1616に接触するようになる。そのため、赤外線センサ1614により紙屑1608との距離を測り、ある一定距離まで紙屑1608が溜まってくると、インジケータ1615を点灯させて、紙屑1608を屑箱1607の外部へ排出するように操作者に対して警告する。
【0094】
また、用紙束1618を手差し給紙口1606に入れ過ぎると、シュレッダ装置1600は用紙束1618を細断できなくなり、用紙束1618の先端に双方向回転刃1602の刃部が食い込んだままになる。このような時は、操作者は、細断ストップボタン1611を押すことにより、搬送ローラ1602、双方向回転刃1604を停止させ、これにより図中の矢印の逆方向の流れで詰まった用紙束1618を取り除くことが可能である。
【0095】
<画像処理システムの構成>
図17は、本実施の形態に係る画像形成システムの全体構成を示すブロック図であり、同図に示すように、画像形成システムは、ホストPC(パーソナルコンピュータ)1701と、ファクシミリ(FAX)、プリンタ及びコピー機能を有するマルチファンクション装置1702と図16に示す無線タグ読み取り部1619を有するシュレッダ装置1600とが互いに双方向通信可能なネットワーク1620に接続されている。
【0096】
ホストPC1701には、マルチファンクション装置1702のプリンタ部より文書作成ソフト等で作成した文書のプリントアウトやマルチファンクション装置1702の有するボックス(BOX)機能を利用するためのプリンタドライバがインストールされている。
【0097】
マルチファンクション装置1702は、前述した画像形成装置400と同様の構成であり、ホストPC1701からのプリントデータを受信し、プリントアウトするプリンタ機能、ボックス(BOX)内に一時的にプリントデータやスキャナ部で読み取ったスキャナデータを一時記憶する機能等を提供する。また、マルチファンクション装置1702の印刷用紙カセット、または、手差しトレイには、無線タグ付き印刷用紙101をセットすることが可能であり、マルチファンクション装置1702の有する無線タグリーダ/ライタ部(情報読み出し/書き込み手段)により、タグ情報を用紙に出力することが可能である。
【0098】
シュレッダ装置1600は、図16に基づき説明したように、一般的なシュレッダ部1700を有するシュレッダ装置本体1601の手差し給紙口(用紙挿入口)1606に無線タグ読み出し部(情報読み出し手段)1619を備え、同時にシュレッダ装置1600全体を制御するコントローラ部(図示しない)を有しており、このコントローラ部の有するネットワークインタフェースを介してネットワーク1620に接続されている。また、前記コントローラ部は、無線タグ読み出し部1619が読み出した識別情報に対応する画像データをマルチファンクション装置1702の保存手段から消去するよう制御する。
【0099】
<セキュアプリントの動作>
図18は、本実施の形態に係る画像形成システムにおけるセキュアプリントの動作フローの一例を示すフローチャートである。
【0100】
セキュアプリントを実行する場合は、まず、ステップS1801で、ホストPC1701のプリンタドライバにより、予めマルチファンクション装置1702内の保存手段である一時記憶装置(図示しない)内に設けられたデータ格納フォルダ等の格納先を指定する。次に、ステップS1802で、電子データ(画像データ)をプリントアウトする際の認証コードを設定する。次に、ステップS1803で、プリンタドライバよりボックス(BOX)プリントを実行する。次に、ステップS1804で、プリントデータと認証データがネットワーク1620を介してマルチファンクション装置1702に送信される。次に、ステップS1805で、マルチファンクション装置1702は、ホストPC1701より受信したプリントデータをボックス(BOX)内に記憶すると共に、無線タグ付き印刷用紙101の無線タグ102にタグ情報として認証データ等を書き込む。次に、ステップS1806で、無線タグ付き印刷用紙101を出力した後、本処理動作を終了する。
【0101】
この様に、図18に示したセキュアプリント時の動作フローは、本発明の画像形成システムのセキュアプリント動作の一例を示しているに過ぎず、ホストPC1701側での認証コート設定工程と、マルチファンクション装置1702側でのボックス(BOX)格納工程と無線タグ付き印刷用紙101の無線タグ102への認証情報の書き込み工程とから成る動作フローであれば、この例に限られるものではない。
【0102】
<ボックス(BOX)プリントの動作>
図19は、本実施の形態に係る画像形成システムにおけるボックス(BOX)プリント時の動作フローの一例を示すフローチャートである。
【0103】
まず、ステップS1901で、RFIDタグ付き印刷用紙101をスキャンさせる。これは、通常原稿と同じ自動原稿送り装置(原稿フィーダ)により原稿を送って、通常のスキャン動作と同じ動作を行う。次に、ステップS1902で、本実施の形態に係る画像形成システムの画像形成装置400に相当するマルチファンクション装置1702の有するRFIDタグリーダ/ライタ部により、RFIDタグ付き印刷用紙101のRFIDタグ102に記憶されているタグ情報を読み取り、そのデータを無線により送受信する。次に、前記ステップS1902において読み取ったタグ情報と、図22を用いて後述するタグ情報より予め関連付けられた電子データとを照合する。
【0104】
次に、ステップS1903で、画像処理装置400に相当するマルチファンクション装置1702の有する操作部607の液晶表示画面に照合結果を表示させる。次に、ステップS1904で、操作者は照合結果を確認してプリント処理を実行する。
【0105】
このように、図19で示したボックス((BOX)プリント時の動作フローは、本実施の形態に係る画像形成システムのボックス(BOX)プリント動作フローの一例を説明しているに過ぎず、RFID付き印刷用紙101からタグ情報を読み取る工程と、予めタグ情報と関連付けられてボックス(BOX)内に格納されている電子データを照合する照合工程と、その照合工程の照合結果を操作部607の液晶表示画面に表示する表示工程と、前記照合工程の照合結果の表示に基づきプリント処理を実行するプリント処理実行工程とから成る一連の動作フローであれば、この例に限るものではない。
【0106】
<データ消去>
図20は、本実施の形態に係る画像形成システムにおけるシュレッダ装置1600によるデータ削除動作のフローの一例を示すフローチャートである。
【0107】
まず、ステップ2001Sで、ユーザはシュレッダ装置1600にかけるRFIDタグ付き印刷用紙101の束をシュレッダ装置1600の用紙挿入口1606に挿入し、細断スタートボタン1610を押して細断処理動作をスタートする。次に、ステップS2002で、シュレッダ装置1600の用紙挿入口1606に設けられている無線タグ読み出し部1619により、RFIDタグ102に記憶されているタグ情報を読み出す。次に、ステップS2003で、前記ステップS2002において読み出したタグ情報を解析する。ここで、先に述べたタグ情報より各種情報(識別情報を含む)を抽出し、ネットワーク1620を返して電子データの保管場所を前述のマルチファンクション装置1702のボックス(BOX)内の電子データを参照する。
【0108】
次に、ステップS2004で、前記ステップS2003における参照結果に基づき、操作者に削除しても良いか否かの確認を行う。ここで、操作者が電子データの削除に同意した場合は、ステップS2005へ進んで、前述の参照された電子データを削除した後、本処理動作を終了する。また、前記ステップS2004において電子データの削除に同意しなかった場合は、前記ステップS2005をスキップして、そのまま電子データを残した後、本処理動作を終了する。このように電子データを残した場合は、RFIDタグ付き印刷用紙101を細断しないように選択することができる。
【0109】
このように、図20に示すシュレッダ装置1600によるデータ削除動作のフローは一例に過ぎず、シュレッダ装置1600の用紙挿入口1606に設けられた無線タグ読み出し部1619によりタグ情報を読み出すタグ情報読み出し工程と、読み出されたタグ情報により該タグ情報と関連付けられた電子データを参照する参照工程と、参照工程の参照結果に基づき操作者に削除して良いか否かを確認する確認工程と、確認工程の確認結果に基づき電子データを削除する削除工程とを含むものであれば、この例に限らない。
【0110】
<タグ情報>
図21は、本実施の形態に係る画像形成システムにおけるRFIDタグ付き印刷用紙101のRFIDタグ102に記憶されているタグ情報の一例を示す図であり、同図において、2100は本実施の形態に係る画像形成システムにおけるRFIDタグ付き印刷用紙101のRFIDタグ102へ書き込まれるタグ情報のフォーマットの一例を示している。2101はファイル名、2102はデータが一時記憶されるマシンであるプリンタのIPアドレス、2103は電子データが一時記憶装置に作成記憶される日時(ファイル作成日時)、2104は画像形成システムを利用した操作者の識別子(ID)であるユーザID、2105はセキュリティを設定する際の重要度レベル、2106は電子データをプリントする際に使用するパスワードであり、これらファイル名2101、プリンタのIPアドレス2102、ファイル作成日時2103、ユーザID2104、重要度レベル2105及びパスワード2106がRFIDタグ102に記憶されている。
【0111】
このように、図21に示したタグ情報は一例に過ぎず、ボックス(BOX)内に一時記憶された電子データと1対1の関連付けに必要な情報と電子データを出力するための認証情報としての個人識別IDとパスワードとから構成されるタグ情報とから構成されていれば、この例に限るものではない。
【0112】
ボックス(BOX)内に記憶されているプリントデータの出力のキーとして機能する無線タグ102をシュレッダ装置1600にかけた際に、同時にボックス(BOX)内のデータを消去することで、ボックス(BOX)内のデータの整理も同時にできるようにする。こうすることで、電子データの整理、セキュリティ文書の管理を簡単に行うことができ、無線タグ付き印刷用紙101をキーとしたセキュアプリント時のボックス(BOX)内データの消去のユーザビリティを高めることで、セキュリティを向上させた画像形成システムを提供することができる。
【0113】
また、暗号化したプリントデータをボックス(BOX)内に格納すると同時に、ボックス(BOX)内に格納されたプリントデータを出力するための鍵として機能する無線タグ付き印刷用紙101を出力する。
【0114】
無線タグ101に記憶されている情報を読み出し可能なシュレッダ装置1600により、無線タグ付き媒体101をシュレッダ装置装置1600にかける場合、無線タグ読み出し部1619によりタグ情報を読み出し、予め無線タグ102に記憶されているタグ情報と関連付けられているマルチファンクション装置1702のボックス(BOX)に格納されているデータを消去するというワークフローを実現することができる。
【0115】
(その他の実施の形態)
以上が本発明の実施の形態の説明であるが、本発明は、これの実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲で示した機能、または実施の形態の構成が持つ機能を達成できる構成であれば、どのようなものであっても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】第1の実施の形態に係る画像形成装置及び画像形成システムに用いるRFタグ付き印刷用紙の一例を示す平面図である。
【図2】図1に示すRFIDタグの電気的構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態に係る画像形成装置及び画像形成システムにおける無線タグリーダ/ライタの電気的構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施の形態に係る画像形成装置の外観構成を示す側面図である。
【図5】第1の実施の形態に係る画像形成装置の内部構成を示す側断面図である。
【図6】第1の実施の形態に係る画像形成装置におけるコントローラユニットの構成を示すブロック図である。
【図7】第1の実施の形態に係る画像形成装置におけるスキャナ画像処理部の構成を示すブロック図である。
【図8】第1の実施の形態に係る画像形成装置におけるプリンタ画像処理部の構成を示すブロック図である。
【図9】第1の実施の形態に係る画像形成装置における画像回転処理部の構成を示すブロック図である。
【図10】第1の実施の形態に係る画像形成装置における画像圧縮処理部の構成を示すブロック図である。
【図11】第1の実施の形態に係る画像形成装置における画像回転処理部の画像回転処理動作を説明するための説明図である。
【図12】第1の実施の形態に係る画像形成装置における画像回転処理部の画像回転処理動作を説明するための説明図である。
【図13】第1の実施の形態に係る画像形成装置におけるデバイスI/Fの構成を示すブロック図である。
【図14】第1の実施の形態に係る画像形成装置における操作部の構成を示す平面図である。
【図15】第1の実施の形態に係る画像形成装置における操作部の表示画面の一例を示す平面図である。
【図16】第1の実施の形態に係る画像形成システムにおけるシュレッダ装置の内部構成を示す側断面図である。
【図17】第1の実施の形態に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【図18】第1の実施の形態に係る画像形成システムにおけるセキュアプリント時のフローの一例を示すフローチャートである。
【図19】第1の実施の形態に係る画像形成システムにおけるボックス(BOX)プリント時の動作フローの一例を示すフローチャートである。
【図20】第1の実施の形態に係る画像形成システムにおけるシュレッダ装置によるボックス(BOX)格納データの削除動作フローの一例を示すフローチャートである。
【図21】第1の実施の形態に係る画像形成装置及び画像形成システムに用いるRFIDタグ付き印刷用紙のRFIDタグに記憶されるタグ情報の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0117】
101 RFIDタグ付き印刷用紙(用紙)
102 RFIDタグ(記憶媒体)
300 RFIDリーダ/ライタ部(情報読み出し手段、情報書き込み手段)
400 画像形成装置(デジタル複写機)
616 RFIDリーダ/ライタ部(情報読み取り手段、情報書き込み手段)
1600 シュレッダ装置(細断装置)
1604 双方向回転刃(細断手段)
1606 用紙挿入口
1619 無線タグ読み出し部(情報読み出し手段)
1702 マルチファンクション装置(画像形成装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を細断処理する細断装置と通信可能な画像形成装置であって、
画像データを入力する入力手段と、
前記画像データを前記画像データを識別するための識別情報とともに保存する保存手段と、
用紙に設けられた記憶媒体に前記識別情報を書き込む情報書き込み手段と、
用紙に設けられた記憶媒体から前記識別情報を読み出す情報読み出し手段と、
前記画像データに基づいて用紙に画像を形成する画像形成手段と、
前記細断装置が細断すべき用紙の前記記憶媒体に記憶された前記識別情報を前記細断装置から受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記識別情報に対応する画像データを前記保存手段から消去するよう制御する制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記入力手段は、原稿を読み取ることで画像データを入力することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記入力手段は、外部装置から送信される画像データを入力することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記情報書込み手段は、前記記憶媒体に非接触状態で前記識別情報を書き込み、
前記情報読み出し手段は、前記記憶媒体から非接触状態で前記識別情報を読み出すことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
用紙に画像を形成する画像形成装置と前記用紙を細断処理する細断装置とを有する画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、
画像データを入力する入力手段と、
前記画像データを前記画像データを識別するための識別情報とともに保存する保存手段と、
用紙に設けられた記憶媒体に前記識別情報を書き込む情報書き込み手段と、
用紙に設けられた記憶媒体から前記識別情報を読み出す情報読み出し手段と、
前記画像データに基づいて用紙に画像を形成する画像形成手段とを有し、
前記細断装置は、
前記用紙を細断処理する細断手段と、
前記細断手段により細断されるべき用紙に設けられた前記記憶媒体から前記識別情報を読み出す情報読み出し手段と、
前記情報読み出し手段が読み出した前記識別情報に対応する画像データを前記保存手段から消去するよう制御する制御手段とを有することを特徴とする画像形成システム。
【請求項6】
前記入力手段は、原稿を読み取ることで画像データを入力することを特徴とする請求項5に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記入力手段は、外部装置から送信される画像データを入力することを特徴とする請求項5に記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記情報書込み手段は、前記記憶媒体に非接触状態で前記識別情報を書き込み、
前記情報読み出し手段は、前記記憶媒体から非接触状態で前記識別情報を読み出すことを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2006−128798(P2006−128798A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−311079(P2004−311079)
【出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】