画像形成装置及び画像形成システム
【課題】電子メールを代行受信して印刷するための処理負荷を小さくし、容易且つ確実に代行受信を行う。
【解決手段】画像形成装置10は、メールサーバから電子メールを受信すると共に、他の画像形成装置と通信するネットワーク通信部12と、この通信部12で受信した電子メールを印刷処理するプリンタ部13と、このプリンタ部13の状態を判断する状態判断部14と、通信部12を介して他の画像形成装置の情報を監視して判断する他装置監視部15と、機能制御部16等とを有している。機能制御部16は、状態判断部14の判断結果及び他装置監視部15の判断結果に基づき、通信部12に対して電子メールの受信を促し、状態判断部14の判断結果に基づき、通信部12を介して他の画像形成装置に対し電子メールの受信を促す情報の通信を行う機能を有している。
【解決手段】画像形成装置10は、メールサーバから電子メールを受信すると共に、他の画像形成装置と通信するネットワーク通信部12と、この通信部12で受信した電子メールを印刷処理するプリンタ部13と、このプリンタ部13の状態を判断する状態判断部14と、通信部12を介して他の画像形成装置の情報を監視して判断する他装置監視部15と、機能制御部16等とを有している。機能制御部16は、状態判断部14の判断結果及び他装置監視部15の判断結果に基づき、通信部12に対して電子メールの受信を促し、状態判断部14の判断結果に基づき、通信部12を介して他の画像形成装置に対し電子メールの受信を促す情報の通信を行う機能を有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子メールを受信し、印刷する機能を持つ印刷装置等の画像形成装置及び画像形成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、下記の特許文献1に記載されているように、ネットワークに接続された印刷装置等の画像形成装置には、電子メールを受信し印刷する機能を持つものが知られている。このような画像形成装置では、電子メールを印刷できない状態にある場合、ネットワークに接続された他の画像形成装置で代行受信し印刷を行うことが要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−222330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の印刷装置等の画像形成装置では、電子メールを印刷できない状態にある場合、他の画像形成装置に代行印刷を行わせるために、電子メールを受信した後、新たに転送用の電子メールとして生成し、メールサーバへ送信して代行印刷を行わせているが、このような転送用の電子メールをメールサーバへ送信することは、画像形成装置において、これに搭載された中央処理装置(以下「CPU」という。)の負荷や、電子メールデータ等を格納するメモリの容量等に大きな処理負荷となってしまうという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の画像形成装置は、電子メールを受信して印刷する画像形成装置であって、メールサーバから前記電子メールを受信する第1通信手段と、他の画像形成装置と通信する第2通信手段と、前記第1通信手段で受信した前記電子メールを印刷処理する印刷部と、前記印刷部の状態を判断する状態判断部と、前記第2通信手段を介して前記他の画像形成装置の情報を監視して判断する他装置監視部と、前記状態判断部の判断結果及び前記他装置監視部の判断結果に基づき、前記第1通信手段に対して前記電子メールの受信を促し、前記状態判断部の判断結果に基づき、前記第2通信手段を介して前記他の画像形成装置に対し前記電子メールの受信を促す情報の通信を行う制御部とを有することを特徴とする。
【0006】
本発明の画像形成システムは、前記発明の画像形成装置と、前記他の画像形成装置と、前記メールサーバとが、ネットワークにより接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の画像形成装置及び画像形成システムによれば、画像形成装置が電子メールを印刷できない状態であっても、他の画像形成装置に代行受信を依頼することができる。この場合、画像形成装置は代行受信の依頼にあたって、その電子メールを受信して印刷データに変換する、あるいは、転送用電子メールとして作成し直して送信するという処理を行う必要がないため、代行受信して印刷するための処理負荷が小さくなる。更に、代行受信依頼にあたって依頼先装置の状態を確認してから依頼するため、代行受信の装置も印刷不能状態だったという事態を避け、確実に代行受信が行える。その上、代行受信のための設定は、画像形成装置のみに行えばよく、代行受信のための設定管理が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は本発明の実施例1における図2中の各画像形成装置10を示す概略の機能構成図である。
【図2】図2は本発明の実施例1における画像形成システムを示す概略の構成図である。
【図3】図3は図1中の設定値記憶部に格納された代行受信依頼先テーブルの例を示す図である。
【図4】図4は図1及び図2における第1画像形成装置10−1の動作を示すフローチャートである。
【図5】図5は図1及び図2における第2画像形成装置10−2の動作を示すフローチャートである。
【図6】図6は図4、図5において代行受信印刷が動作したときの各装置間のメッセージフローの例を示す図である。
【図7】図7は代行受信依頼指示の例を示す図である。
【図8】図8は代行受信結果の例を示す図である。
【図9】図9は本発明の実施例2における画像形成システムを示す概略の構成図である。
【図10】図10は本発明の実施例2における図9中の画像形成装置10Aを示す概略の機能構成図である。
【図11】図11は図10中の設定値記憶部に格納された他装置監視先テーブルの例を示す図である。
【図12】図12は図9及び図10における第1画像形成装置10Aの動作を示すフローチャートである。
【図13】図13は図12において代行受信印刷が動作したときの各装置間のメッセージフローの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を実施するための形態は、以下の好ましい実施例の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、明らかになるであろう。但し、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0010】
(実施例1の構成)
図2は、本発明の実施例1における画像形成システムを示す概略の構成図である。
【0011】
この画像形成システムでは、複数の画像形成装置(例えば、第1、第2、第3、第4画像形成装置)10−1〜10−4とメールサーバ20とが、ネットワーク(例えば、ローカル・エリア・ネットワーク、以下「LAN」という。)31に接続されている。LAN31は、ルータ32を介して他のネットワーク(例えば、インターネット)33に接続され、このインターネット33に、クライアント側のデータ処理装置(例えば、クライアント・パーソナルコンピュータ、以下「クライアントPC」という。)40が接続されている。
【0012】
各画像形成装置10(=10−1〜10−4)は、電子メールを受信して印刷する機能を有している。メールサーバ20は、電子メールを配送するためのサーバコンピュータであり、内部を、相手先を振り分けるメール転送エージェント(MTA)と、振り分けられたメールをサーバ内のユーザや別のサーバへ配送するメール配送エージェント(MDA)等とに分けることができる。このメールサーバ20は、各画像形成装置10からの接続に応じて、それぞれを宛先とする電子メールを配信する機能や、ルータ32及びインターネット33を経由してクライアントPC40から送信された電子メールを適切な宛先へ配信する機能等を有している。
【0013】
ルータ32は、異なるネットワーク間(例えば、LAN31とインターネット33間)を相互接続する通信機器であり、LAN31とインターネット33との間で電子メール、及びその他の通信をルーティング(中継経路設定)する機能を有している。クライアントPC40は、CPU、メモリ、通信機能等を有する一般的なPCであり、電子メールアプリケーションソフトが動作しており、メールサーバ20に対してインターネット33を経由して電子メールを送受信する機能等を有している。
【0014】
図1は、本発明の実施例1における図2中の各画像形成装置10(=10−1〜10−4)を示す概略の機能構成図である。更に、図3は、図1中の設定値記憶部に格納された代行受信依頼先テーブルの例を示す図である。
【0015】
図1の画像形成装置10は、内部バス11を有し、この内部バス11を介して、ネットワーク通信部12、印刷部であるプリンタ部13、状態判断部14、他装置監視部15、制御部である機能制御部16、設定値記憶部17、及び操作部18等が相互に接続されている。
【0016】
ネットワーク通信部12は、メールサーバ20から電子メールを受信する第1通信手段と、他の画像形成装置10と通信する第2通信手段としての機能を有している。このネットワーク通信部12は、例えば、LAN31に接続され、このLAN31を経由して他の画像形成装置10やメールサーバ20との間でネットワーク接続を行い、印刷データや電子メールの送受信のための通信を実行するものである。ネットワーク通信部12では、前記通信を実行するために、印刷データ受信のためのRAW(ロー)プロトコル、電子メール受信のためのPOP3プロトコル(Post Office Protocol Version 3)、他装置状態を監視するためのSNMPプロトコル(Simple Network Management Protocol)といった各種ネットワークプロトコルを制御する機能を持つ。
【0017】
RAWプロトコルは、完成状態にされていない画像データ(未現像データ)の通信規約であり、専用のソフトウェアによって自由に調整・出力処理(即ち、現像)が可能である。POP3プロトコルは、電子メールで使用されるプロトコルの1つであり、ユーザがメールサーバから自分のメールを取り出す時に使用するメール受信用プロトコルである。SNMPプロトコルは、例えば、TCP/IP(Transission Contorol Protocol/Internet Protocol)ネットワークで管理に必要な情報をやり取りするためのプロトコルである。
【0018】
SNMPを用いたネットワーク管理は、SNMPマネージャ、SNMPエージェント、SNMPプロトコル仕様、及びMIB(Management Information Base)という4つの要素の組合せで成り立っている。SNMPマネージャは、SNMPを使った管理の中心となるソフトウェアであり、ユーザに代わってSNMPエージェントと通信し、集めた情報を適切に加工して管理者に渡したり、SNMPエージェントが持っている情報を書き換えたりする機能を有している。SNMPエージェントは、SNMPマネージャに対して情報を提供するものであり、ルータ等に組み込まれたソフトウエア・モジュール(例えば、ルータ、メールサーバ等のLAN機器)で構成されている。SNMPプロトコル仕様は、SNMPマネージャとSNMPエージェント間で情報をやりとりする手順や使うメッセージの種類、パケットの形式等を定めたものである。MIBは、SNMPマネージャがSNMPエージェントから情報を得るために、SNMPプロトコル仕様の他に、実際にやりとりする機器の情報を示すデータの構造やパラメータの意味等も統一しておく必要から、SNMPエージェントが持つ機器の管理情報を共通フォーマットとして具体的に定義したものである。SNMPエージェントは、機器が備えるさまざまな情報をMIBのデータとして持っている。そして、SNMPマネージャから要求があると、SNMPエージェントはデータベースから適切なMIBのデータを読み出してマネージャに送信するようになっている。
【0019】
プリンタ部13は、ネットワーク通信部12が受信した印刷データや電子メールを印刷用紙に印字する機能と、電子メールの印刷を行うために電子メールを解析し、添付ファイルを抽出して本文と共に印刷データに変換する機能とを有している。状態判断部14は、プリンタ部13を始めとする画像形成装置10全体の状態を監視し、ビジー状態や障害の発生状況を検出して機能制御部16に通知する機能を有している。
【0020】
他装置監視部15は、ネットワーク通信部12を経由して、LAN31に接続されている他の画像形成装置10の状態を監視する機能を有している。本実施例1において、他装置監視部15は、SNMPプロトコルを用いて他の画像形成装置10の状態を監視する。SNMPプロトコルを使用して他装置の状態を監視するためには、他装置のIPアドレス及びSNMPのコミュニティ名(SNMP Community Name)、及び情報を取得するための識別子(「MIB OID」と呼ばれる。)が必要とされる。他装置のIPアドレス及びSNMPコミュニティ名は、設定値記憶部17に格納されている。又、使用するMIB OIDは、AlertMIBと呼ばれるOIDを固定値として他装置監視部15内に持っている。設定値記憶部17に格納された他装置のIPアドレス及びSNMPコミュニティ名の例が、図3に示されている。
【0021】
機能制御部16は、画像形成装置10全体を制御する機能を有している。これらの状態判断部14、他装置監視部15、及び機能制御部16は、例えば、CPU等により構成されている。設定値記憶部17は、画像形成装置10が動作するための各種設定値を格納する機能を有し、半導体メモリ、ハードディスク(HD)等で構成されている。この設定値記憶部17には、メールサーバ20のIPアドレス、メール受信のためのアカウント情報(例えば、ユーザ名及びパスワード)、及び図3に示す代行受信依頼先リストが格納されている。操作部18は、液晶パネル等の表示装置と、タッチパネルやキースイッチ等の入力装置とを備え、ユーザによる操作を受け付けたり、画像形成装置10の状態を表示する機能等を有している。
【0022】
(実施例1の動作)
図2の画像形成システムにおいて、図1の画像形成装置10の動作が始まる前に、例えば、次のような処理が行われる。
【0023】
クライアントPC40から、第1画像形成装置10−1を宛先とする電子メールXがメールサーバ20に対して送信される。メールサーバ20は、電子メールXを第1画像形成装置10−1のためのメールボックスに格納する。
【0024】
図4は、図1及び図2における第1画像形成装置10−1の動作を示すフローチャート、図5は、図1及び図2における第2画像形成装置10−2の動作を示すフローチャート、及び、図6は、図4、図5において代行受信印刷が動作したときの各装置間のメッセージフローの例を示す図である。図7は、代行受信依頼指示の例を示す図である。更に、図8(1)、(2)は、代行受信結果の例を示す図である。
【0025】
以下、図4〜図8を参照しつつ、第1画像形成装置10−1の動作(I)と、第2画像形成装置10−2の動作(II)とを説明する。
【0026】
(I) 第1画像形成装置10−1の動作
第1画像形成装置10−1では、図4のステップS1〜S19に従い、以下のように動作する。
【0027】
第1画像形成装置10−1内の機能制御部16は、定期的に電子メール受信動作をネットワーク通信部12を制御して実行する。
【0028】
第1画像形成装置10−1の動作が開始されると、ステップS1において、第1画像形成装置10−1内のネットワーク通信部12は、設定値記憶部17に設定されているメールサーバ20のIPアドレスとユーザアカウント情報(例えば、ユーザID(ユーザ識別符号)とパスワード)の情報に基づいて、メールサーバ20に接続する。ここで、ネットワーク通信部12とメールサーバ20との間の通信には、例えば、POP3プロトコルが使用されるものとする。POP3プロトコルは一般的な技術であるため、以降、メールサーバ20との間で行われるコマンドの詳細については記載を省略する。
【0029】
ステップS2において、ネットワーク通信部12は、メールサーバ20のメールボックスに電子メールXが到着しているかどうかを確認する。ステップS3において、電子メールXが到着している場合(着信有り)、ステップS4において、状態判断部14によって第1画像形成装置10−1の装置状態が確認され、ステップS5において、状態判断部14によって印刷可能か否かが判断される。ステップ5において、状態判断部14が印刷可能状態と判断した場合、ステップS6において、ネットワーク通信部12は、メールサーバ20から電子メールXを取得し、プリンタ部13に受信した電子メールXを渡す。
【0030】
ステップS7において、プリンタ部13は、電子メールXを解析し、その本文及び添付ファイルを印刷する。ステップS8において、プリンタ部13での印刷動件が正常終了したか否かが判断され、正常終了した場合はステップS9へ進む。ステップS9において、ネットワーク通信部12は、メールサーバ20に対して、電子メールXの削除要求を行い、これにより、メールサーバ20から電子メールXが削除される。その後、ステップS10において、ネットワーク通信部12は、メールサーバ20との接続を切断し、待機状態へと戻る。
【0031】
ここで、前記ステップS3において、ネットワーク通信部12が、メールサーバ20からメールボックスに電子メールXが無いという応答を受信した場合は、ステップS10へ進み、ネットワーク通信部12は、そのままメールサーバ20との接続を切断する。これにより、第1画像形成装置10−1は待機状態へと戻る。
【0032】
前記ステップS5において、第1画像形成装置10−1が電子メールXを印刷することができない状態(例えば、他の印刷処理が動作中、あるいは用紙ジャム(用紙切れ)状態等の障害発生中の状態)である、と状態判断部14が判断した場合、ステップS11へ進む。ステップS11において、ネットワーク通信部12がメールサーバ20との接続を切断し、機能制御部16がステップS12の代行受信の依頼動作に移る。
【0033】
又、前記ステップS8において、ネットワーク通信部12が電子メールXを受信したものの、プリンタ部13が電子メールXの印刷処理を正常終了できなかった場合(例えば、用紙ジャムが発生した場合、あるいは、ステップS4において状態判断部14が装置状態を確認した後、ネットワーク通信部12が電子メール受信を行っている最中にプリンタ部13が他の印刷処理を開始してしまった場合等)も、ステップS11へ進む。ステップS11において、ネットワーク通信部12は、メールサーバ20との接続を切断する。これにより、機能制御部16はステップS12の代行受信の依頼動作に移る。
【0034】
ステップS12において、他装置監視部15は、設定値記憶部17内の代行受信依頼先リストに格納されている他装置に対して、ネットワーク通信部12を経由して装置状態の確認を行う。本実施例1では、ネットワーク上の装置管理プロトコルとして、例えば、一般的なSNMPプロトコルを使用し、装置状態を示すMIB情報を取得する。装置状態を示すMIBとしては、AlertMIBと呼ばれるものが使用できる。例えば、図3に示すように、代行受信依頼先リストに第2画像形成装置10−2のIPアドレスが記載されているものとし、他装置監視部15は、第2画像形成装置10−2の装置状態を取得する。図3の代行受信依頼先リストには、装置状態の確認にSNMPプロトコルが使用されるため、各画像形成装置10−2〜10−4に、SNMPでアクセスするために必要なSNMPコミュニティ名も格納されている。
【0035】
代行受信依頼先リストに2つ以上の依頼先が格納されている場合は、その全てに対して同様に装置状態を取得する。図3の例では、第2画像形成装置10−2のほかに第3画像形成装置10−3、及び第4画像形成装置10−4が記載されているため、他装置監視部15は、第3画像形成装置10−3及び第4画像形成装置10−4に対しても同様に装置状態を取得する。
【0036】
ステップS13において、他装置監視部15は、印刷可能装置があるか否かを判断する。本実施例1では、他装置監視部15からの指示によって、ネットワーク通信部12から送信されたSNMPリクエストメッセージに対して、例えば、第2画像形成装置10−2と第4画像形成装置10−4が印刷可能状態を、第3画像形成装置10−3からは障害発生中の状態が取得された場合を例に、以降の動作を説明する。
【0037】
ステップS14において、機能制御部16は、依頼先リストの装置の状態から、どの装置に代行受信を依頼するかを決定する。機能制御部16は、例えば、印刷可能状態であって、最も早く装置状態を取得できた装置を代行受信依頼先として選択する。ここでは、第2画像形成装置10−2と第4画像形成装置10−4が印刷可能状態を応答し、他装置監視部15は第2画像形成装置10−2の装置状態を先に取得できたものとし、機能制御部16が第2画像形成装置10−2を代行受信依頼先と決定する。
【0038】
ステップS15において、機能制御部16は、図7に示すような代行受信依頼指示を生成する。図7の代行受信依頼指示の例において、“@PJL EMAILRECEIVECOMMAND”は、この指示が代行受信依頼指示であることを示す。続いて、メールサーバ20のホスト名又はIPアドレス、第1画像形成装置10−1がメールサーバ20に接続するときに使用するメールアカウント情報(“mailUser”と“mailPassword”)が付加されている。
【0039】
ステップS16において、ネットワーク通信部12は、前記代行受信依頼指示を第2画像形成装置10−2に対して送信する。ここでは、ネットワーク通信部12は、RAWプロトコルによるネットワーク接続を行い、図7の代行受信依頼指示を送信する。次のステップS17において、機能制御部16は、ネットワーク通信部12に対して代行依頼結果の受信を待つよう指示する。
【0040】
ステップS18において、ネットワーク通信部12が第2画像形成装置10−2から、代行依頼結果として代行受信成功を受信した場合は、ステップS19において、機能制御部16は、第2画像形成装置10−2で代行受信が行われたことを操作部18に表示する。そして、第1画像形成装置10−1は待機状態に戻り、第1画像形成装置10−1の動作が終了する。
【0041】
図8(1)に、代行受信成功の場合の応答の例が示されている。図8(1)において、“@PJL MAILRECEIVERESPONSE”はこのメッセージが代行受信の結果であることを示す。続いて、“SUCCESS”と成功を示す情報が付加されている。図8(1)のメッセージも、代行受信依頼指示と同様に、第2画像形成装置10−2からRAWプロトコルを用いて第1画像形成装置10−1に返信されて来る。
【0042】
ここで、前記ステップS18において、ネットワーク通信部12が代行受信失敗のメッセージを受信した場合、機能制御部16は、再び他装置監視部15に他装置状態の確認を指示し、ステップS12からの動作を繰り返す。もし、ステップS13において、代行受信可能な装置が存在しなかったら、第1画像形成装置10−1は、待機状態に戻る。
【0043】
以上で第1画像形成装置10−1の動作は終了する。第1画像形成装置10−1は、待機状態に戻ると、機能制御部16が一定期間後に再び、図4の動作を開始することを繰り返す。
【0044】
(II) 第2画像形成装置10−2の動作
第2画像形成装置10−2では、図5のステップS21〜S33に従い、以下のように動作する。
【0045】
ステップS21において、第2画像形成装置10−2は、待機状態では代行依頼受信待ちを行っている。もちろん、第2画像形成装置10−2は、代行依頼受信待ち状態であっても、通常の印刷動作を行うことができる。ステップ22において、第2画像形成装置10−2内のネットワーク通信部12が、第1画像形成装置10−1からの代行受信依頼指示を受信すると、ステップS23において、第2画像形成装置10−2内の状態判断部14は、装置状態を確認する。
【0046】
ステップS24において、状態判断部14が印刷可能と判断すると、ステップS25において、機能制御部16は、ネットワーク通信部12に対して、ステップS22で受信した図7の代行受信依頼指示に含まれるメールサーバのIPアドレスとユーザアカウント情報(例えば、ユーザIDとパスワード)の情報に基づいて、メールサーバ20に接続するよう指示する。ステップS26において、ネットワーク通信部12は、メールサーバ20に接続すると、メールボックスから電子メールXを取得する。ステップS27において、ネットワーク通信部12が取得した電子メールXは、プリンタ部13において印刷処理が行われる。
【0047】
ステップS28において、プリンタ部13が印刷処理を正常に終了すると、ステップS29において、ネットワーク通信部12は、メールサーバ20に対して、電子メールXの削除要求を行う。これにより、メールサーバ20から電子メールXが削除される。その後、ステップ30において、ネットワーク通信部12は、メールサーバ20との接続を切断する。ステップS32において、機能制御部16は、代行受信結果として図8(1)に示すような成功のメッセージを生成する。その後、ステップS33において、ネットワーク通信部12は、代行受信結果を第1画像形成装置10−1に対して送信し、第2画像形成装置10−2の動作が終了する。
【0048】
ここで、前記ステップ24において、状態判断部14が印刷不能と判断した場合、あるいは、ステップS28において、プリンタ部13が印刷処理を正常終了できなかった場合は、ネットワーク通信部12は、直ちにメールサーバ20との接続を切断する。次に、ステップS32において、機能制御部16は、代行受信結果として失敗のメッセージを生成し、その後、ステップS33において、ネットワーク通信部12は、その失敗メッセージを第1画像形成装置10−1に対して送信する。
【0049】
図8(2)に、代行受信結果失敗のメッセージの例が示されている。図8(1)と同様に、“@PJL MAILRECEIVERESPONSE”はこのメッセージが代行受信の結果であることを示す。続いて、“FAILURE”と失敗を示す情報が付加されている。
【0050】
第2画像形成装置10−2は、以上の動作を終了すると、再び待機状態に戻り、代行受信依頼を待つ。
【0051】
(実施例1の効果)
本実施例1によれば、次のような構成にしている。
【0052】
機能制御部16は、状態判断部14の判断結果及び他装置監視部15の判断結果に基づき、ネットワーク通信部12中の図示しない第1通信手段に対して電子メールXの受信を促し、状態判断部14の判断結果に基づき、ネットワーク通信部12中の図示しない第2通信手段を介して他の画像形成装置10に対し電子メールXの受信を促す情報の通信を行う。
【0053】
あるいは、機能制御部16は、状態判断部14が処理中と判断すると、前記第2通信手段を介して他の画像形成装置1に対し電子メールXの受信を促す情報の通信を行うか、又は、機能制御部16により、状態判断部14が印刷障害の発生を判断すると、前記第1通信手段に対して電子メールXの受信を停止し、前記第2通信手段を介して他の画像形成装置10に対し電子メールXの受信を促す情報の通信を行う構成にしている。そのため、以下の(a)〜(c)のような効果がある。
【0054】
(a) 第1画像形成装置10−1が電子メールを印刷できない状態であっても、他装置に代行受信を依頼することができる。本実施例1では、第1画像形成装置10−1は代行受信の依頼にあたって、その電子メールを受信して印刷データに変換する、あるいは、転送用電子メールとして作成し直して送信するという処理を行う必要がないため、代行受信して印刷するための処理負荷が小さくなる。
【0055】
(b) 代行受信依頼にあたって依頼先装置の状態を確認してから依頼するため、代行受信の装置も印刷不能状態だったという事態を避け、確実に代行受信が行える。
【0056】
(c) 代行受信のための設定は、第1画像形成装置10−1のみに行えばよく、代行受信のための設定管理が容易である。
【実施例2】
【0057】
(実施例2の構成)
図9は、本発明の実施例2における画像形成システムを示す概略の構成図であり、実施例1を示す図2中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0058】
本実施例2の画像形成システムでは、実施例1の画像形成装置10とは機能の異なる第1画像形成装置10Aと、電子メールを受信し印刷する機能を有する他の印刷装置である第2画像形成装置10Bとが、実施例1と同様のネットワーク(例えば、LAN)31に接続されている。LAN31は、実施例1と同様に、ルータ32を介して他のネットワーク(例えば、インターネット)33に接続され、このインターネット33に、実施例1と同様のクライアント側のデータ処理装置(例えば、クライアントPC)40が接続されている。
【0059】
図10は、本発明の実施例2における図9中の画像形成装置10Aを示す概略の機能構成図であり、実施例1を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。更に、図11は、図10中の設定値記憶部に格納された他装置監視先テーブルの例を示す図である。
【0060】
本実施例2の画像形成装置10Aは、実施例1の画像形成装置10と構成及び機能が異なっている。即ち、本実施例2の画像形成装置10Aは、実施例1と同様の内部バス11を有し、この内部バス11を介して、実施例1と同様のネットワーク通信部12、プリンタ部13、状態判断部14、他装置監視部15、機能制御部16、及び操作部18等と、実施例1と異なる設定値記憶部17Aとが、相互に接続されている。
【0061】
実施例1と同様のネットワーク通信部12、プリンタ部13、状態判断部14、他装置監視部15、機能制御部16、及び操作部18の内、特に、ネットワーク通信部12は、第1通信手段及び第2通信手段としての機能を有し、LAN31を経由して他の印刷装置である第2画像形成装置10Bやメールサーバ20との間でネットワーク接続を行い、印刷データや電子メールの送受信のための通信を実行するものである。
【0062】
他装置監視部15は、ネットワーク通信部12を経由して、LAN31に接続されている第2画像形成装置10Bの状態を監視する機能を有している。本実施例2において、他装置監視部15は、SNMPプロトコルを用いて第2画像形成装置10Bの状態を監視する。SNMPプロトコルを使用して他装置の状態を監視するためには、他装置のIPアドレス及びSNMPのコミュニティ名(SNMP Community Name)、及び情報を取得するための識別子(MIB OID)が必要とされる。他装置のIPアドレス及びSNMPコミュニティ名は、設定値記憶部17Aに格納されている。又、使用するMIB OIDは、AlertMIBと呼ばれるOIDを固定値として他装置監視部15内に持っている。設定値記憶部17Aに格納された他装置監視先テーブルの例が、図11に示されている。機能制御部16は、実施例1と異なる設定値記憶部17Aを含めた画像形成装置10Aの全体を制御する機能を有している。
【0063】
設定値記憶部17Aは、画像形成装置10Aが動作するための各種設定値を格納する機能を有している。この設定値記憶部17Aには、画像形成装置10A自身が電子メール受信を行うための、メールサーバ20のIPアドレス、メール受信のためのアカウント情報(例えば、ユーザ名及びパスワード)が格納され、更に、図11に示すような他装置を監視するための、監視対象装置のIPアドレス、SNMPコミュニティ名、及び、監視対象装置に代わって電子メール受信を行うためのメールサーバ20のIPアドレス、メール受信のためのアカウント情報(例えば、ユーザ名及びパスワード)の一覧も格納されている。
【0064】
本実施例2では、第1画像形成装置10Aが監視対象としている他装置は第2画像形成装置10Bの1つであるため、図11の他装置監視先テーブルには1組の設定値しか格納されていないが、2つ以上の他装置を監視対象とする場合は、図11の他装置監視先テーブルには2組以上の設定値が格納されることになる。
【0065】
(実施例2の動作)
図12は、図9及び図10における第1画像形成装置10Aの動作を示すフローチャート、及び、図13は、図12において代行受信印刷が動作したときの各装置間のメッセージフローの例を示す図である。
【0066】
図9の画像形成システムにおいて、図10の第1画像形成装置10Aの動作が始まる前に、例えば、次のような処理が行われる。
【0067】
クライアントPC40から、第2画像形成装置10Bを宛先とする電子メールYがメールサーバ20に対して送信される。メールサーバ20は、電子メールYを第2画像形成装置10Bのためのメールボックスに格納する。
【0068】
第1画像形成装置10Aは、待機状態において、定期的に以下のような図12のステップS41〜S52に従い、代行受信動作を行っている。
【0069】
もちろん、第1画像形成装置10Aは、待機状態において通常のネットワーク印刷等、代行受信動作以外の動作を行うことも可能である。
【0070】
第1画像形成装置10Aの動作が開始されると、ステップS41において、第1画像形成装置10A内の機能制御部16は、状態判断部14に対して第1画像形成装置10Aの装置状態を判断するよう促す。ステップS42において、状態判断部14は、プリンタ部13を初めとする第1画像形成装置10Aの状態を判断し、印刷可能であるかどうかを判断する。ここで、状態判断部14が印刷不能であると判断した場合、第1画像形成装置10Aは待機状態に戻り、次の代行受信動作の開始まで待機する。ステップS42において、状態判断部14が印刷可能であると判断した場合、続いて、機能制御部16は、他装置監視部15に対して他装置の状態の確認を促す。
【0071】
ステップS43において、他装置監視部15は、設定値記憶部17Aに格納されている図11の他装置監視先テーブル中の他装置に対し、ネットワーク通信部12を経由して装置状態の確認を行う。本実施例2では、例えば、ネットワーク上の装置管理プロトコルとして一般的なSNMPプロトコルを使用し、装置状態を示すMIB情報を取得する。装置状態を示すMIBとしては、AlertMIBと呼ばれるものが使用できる。図11の他装置監視先テーブルには、例えば、第2画像形成装置10BのIPアドレスが記載されているので、他装置監視部15は、第2画像形成装置10Bの装置状態を取得する。ここで、装置状態の確認にSNMPプロトコルが使用されるため、図11の他装置監視先テーブルには、第2画像形成装置10Aに対してSNMPでアクセスするために必要なSNMPコミュニティ名も格納されている。
【0072】
ステップS44において、他装置監視部15は、取得した他装置の状態を解析し、該装置が印刷可能状態か否かを判断する。該装置からの応答が得られなかった場合は、該装置は印刷不能状態であると判断する。該装置が印刷不能状態であると判断された場合、以下のステップS45〜S52に従い、機能制御部16は、第2画像形成装置10Bに代わって、第2画像形成装置10B宛ての電子メールを代行受信する動作を開始する。
【0073】
ステップS45において、ネットワーク通信部12は、設定値記憶部17A内の図11の他装置監視先テーブルから、代行受信の対象となる第2画像形成装置10Bのメールサーバアドレス、メールアカウント、及びメールパスワードを取得する。ステップS46において、ネットワーク通信部12は、取得したメールサーバアドレス等の情報を使用して、メールサーバ20と接続を開始する。
【0074】
ステップS47において、ネットワーク通信部12は、メールサーバ20から、第2画像形成装置10B宛ての電子メールを受信する。ここでは、第2画像形成装置10B用のメールボックスに前記電子メールYが格納されているため、ネットワーク通信部12は、メールサーバ20から電子メールYを受信する。ステップS48において、プリンタ部13は、受信した電子メールYを解析し、印刷処理を行う。ステップS49において、プリンタ部13が印刷処理を正常に終了すると、ステップS50において、ネットワーク通信部12は、メールサーバ20に対して電子メールYの削除要求を行う。これにより、メールサーバ20から電子メールYが削除される。
【0075】
その後、ステップS51において、ネットワーク通信部12は、メールサーバ20との接続を切断する。もし、ステップS49において、プリンタ部13が正常に印刷終了できなかった場合、ネットワーク通信部12は、ステップS51において、メールサーバ20に対して電子メールYの削除要求を行うことなく、そのまま接続を切断する。ここで、プリンタ部13が正常に印刷終了できなかった場合とは、例えば、用紙ジャムが発生した場合、あるいは、ステップ42において状態判断部14が装置状態を確認した後、ネットワーク通信部12が電子メール受信を行っている最中にプリンタ部13が他の印刷処理を開始してしまった場合等が考えられる。ネットワーク通信部12がメールサーバ20との接続を切断すると、第1画像形成装置10Aは待機状態に戻り、一定時間後、再び本実施例2の動作を行う。
【0076】
一方、ステップS44において、他装置監視部15が、他装置が印刷可能状態であると判断した場合、ステップS52において、他装置監視部15は、図11の他装置監視先テーブルを確認し、次の監視先装置が格納されているか否かを確認する。もし、他装置監視先テーブルに未確認の他装置が格納されていた場合は、再びステップS43に戻って、該装置の状態判断を行う。そして、他装置監視部15が、他装置監視先テーブルに格納されている全ての他装置について状態を判断し終わったら、第1画像形成装置10Aは、本実施例2の動作を終了し、待機状態に戻る。
【0077】
(実施例2の効果)
本実施例2によれば、次のような構成にしている。
【0078】
機能制御部16は、状態判断部14が印刷可能と判断すると、他装置監視部15の判断結果に基づき、ネットワーク通信部12中の図示しない第1通信手段に対して電子メールYの受信を促す。
【0079】
機能制御部16は、他装置監視部15が他の画像形成装置10Bが処理中と判断した場合は、状態判断部14が印刷可能と判断するまで待機した後、前記第1通信手段に対して電子メールYの受信を促す。
【0080】
機能制御部16は、他装置監視部15が他の画像形成装置10Bが印刷障害の発生中と判断した場合は、状態判断部14が印刷可能と判断するまで待機した後、前記第1通信手段に対して電子メールYの受信を促す。
【0081】
又は、機能制御部16は、状態判断部14が印刷可能と判断し、且つ、他装置監視部15が他の画像形成装置10Bが動作していないと判断した場合に、前記第1通信手段に対して電子メールYの受信を促す。
【0082】
更に、他装置監視部15は、前記第1通信手段に対してメールサーバ20に電子メールYの有無を問い合わせることを促し、その問い合わせ結果に基づいて他の画像形成装置10Bの動作を判断する構成にしている。そのため、以下のような効果がある。
【0083】
第2画像形成装置10Bが電源オフ等のために代行受信依頼を行えない状態であっても、自発的に第1画像形成装置10Aが代行受信を開始することができる。その上、第2画像形成装置10Bが通常状態に復帰すれば、目発的に第1画像形成装置10Aによる代行受信は停止することになる
【0084】
(変形例)
本発明は、上記実施例1、2に限定されず、種々の利用形態や変形が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(a)〜(d)のようなものがある。
【0085】
(a) 実施例1では、代行受信依頼を第1画像形成装置10−1から第2画像形成装置10−2に直接RAWプロトコルで送信する形態を説明したが、代行受信依頼を電子メールに添付し、メールサーバ20を経由して第2画像形成装置10−2に送付する形態でも、同様の効果を得ることができる。
【0086】
(b) 実施例1では、代行受信依頼先の決定に、最も早く印刷可能状態を取得できた装置を選択する動作を記載したが、図3の代行受信依頼先リストに優先度を付け加え、その優先度に基づいて代行受信依頼先を決定するように構成することも可能である。又、図3の代行受信依頼先リストに、各装置の地理情報を付け加え、最も距離の近い装置を選択するように構成することも可能である。
【0087】
(c) 実施例1、2において、他装置監視部15は、SNMPプロトコルを使用するものとして記載したが、例えば、HTTPプロトコル(Hyper Text Transfer Protocol)により画像形成装置の組み込みWebページから装置状態を取得する形態でも、同様の効果を得ることができる。更に、他装置監視部15は、メールサーバ20に対して電子メールの着信を確認し、一定時間経過後に該電子メールがメールボックスから削除されているか否かをもって、他装置状態の判断を行うように構成しても、同様の効果を得ることができる。
【0088】
(d) 実施例1、2において、画像形成装置10,10Aは、印刷機能を持つものとして記載されているが、本発明は、他にファクシミリ装置(FAX)やスキャナ部を持つ複合機等であっても適用可能である。
【符号の説明】
【0089】
10,10A 画像形成装置
12 ネットワーク通信部
13 プリンタ部
14 状態判断部
15 他装置監視部
16 機能制御部
17,17A 設定値記憶部
20 メールサーバ
31 LAN
33 インターネット
40 クライアントPC
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子メールを受信し、印刷する機能を持つ印刷装置等の画像形成装置及び画像形成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、下記の特許文献1に記載されているように、ネットワークに接続された印刷装置等の画像形成装置には、電子メールを受信し印刷する機能を持つものが知られている。このような画像形成装置では、電子メールを印刷できない状態にある場合、ネットワークに接続された他の画像形成装置で代行受信し印刷を行うことが要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−222330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の印刷装置等の画像形成装置では、電子メールを印刷できない状態にある場合、他の画像形成装置に代行印刷を行わせるために、電子メールを受信した後、新たに転送用の電子メールとして生成し、メールサーバへ送信して代行印刷を行わせているが、このような転送用の電子メールをメールサーバへ送信することは、画像形成装置において、これに搭載された中央処理装置(以下「CPU」という。)の負荷や、電子メールデータ等を格納するメモリの容量等に大きな処理負荷となってしまうという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の画像形成装置は、電子メールを受信して印刷する画像形成装置であって、メールサーバから前記電子メールを受信する第1通信手段と、他の画像形成装置と通信する第2通信手段と、前記第1通信手段で受信した前記電子メールを印刷処理する印刷部と、前記印刷部の状態を判断する状態判断部と、前記第2通信手段を介して前記他の画像形成装置の情報を監視して判断する他装置監視部と、前記状態判断部の判断結果及び前記他装置監視部の判断結果に基づき、前記第1通信手段に対して前記電子メールの受信を促し、前記状態判断部の判断結果に基づき、前記第2通信手段を介して前記他の画像形成装置に対し前記電子メールの受信を促す情報の通信を行う制御部とを有することを特徴とする。
【0006】
本発明の画像形成システムは、前記発明の画像形成装置と、前記他の画像形成装置と、前記メールサーバとが、ネットワークにより接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の画像形成装置及び画像形成システムによれば、画像形成装置が電子メールを印刷できない状態であっても、他の画像形成装置に代行受信を依頼することができる。この場合、画像形成装置は代行受信の依頼にあたって、その電子メールを受信して印刷データに変換する、あるいは、転送用電子メールとして作成し直して送信するという処理を行う必要がないため、代行受信して印刷するための処理負荷が小さくなる。更に、代行受信依頼にあたって依頼先装置の状態を確認してから依頼するため、代行受信の装置も印刷不能状態だったという事態を避け、確実に代行受信が行える。その上、代行受信のための設定は、画像形成装置のみに行えばよく、代行受信のための設定管理が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は本発明の実施例1における図2中の各画像形成装置10を示す概略の機能構成図である。
【図2】図2は本発明の実施例1における画像形成システムを示す概略の構成図である。
【図3】図3は図1中の設定値記憶部に格納された代行受信依頼先テーブルの例を示す図である。
【図4】図4は図1及び図2における第1画像形成装置10−1の動作を示すフローチャートである。
【図5】図5は図1及び図2における第2画像形成装置10−2の動作を示すフローチャートである。
【図6】図6は図4、図5において代行受信印刷が動作したときの各装置間のメッセージフローの例を示す図である。
【図7】図7は代行受信依頼指示の例を示す図である。
【図8】図8は代行受信結果の例を示す図である。
【図9】図9は本発明の実施例2における画像形成システムを示す概略の構成図である。
【図10】図10は本発明の実施例2における図9中の画像形成装置10Aを示す概略の機能構成図である。
【図11】図11は図10中の設定値記憶部に格納された他装置監視先テーブルの例を示す図である。
【図12】図12は図9及び図10における第1画像形成装置10Aの動作を示すフローチャートである。
【図13】図13は図12において代行受信印刷が動作したときの各装置間のメッセージフローの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を実施するための形態は、以下の好ましい実施例の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、明らかになるであろう。但し、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0010】
(実施例1の構成)
図2は、本発明の実施例1における画像形成システムを示す概略の構成図である。
【0011】
この画像形成システムでは、複数の画像形成装置(例えば、第1、第2、第3、第4画像形成装置)10−1〜10−4とメールサーバ20とが、ネットワーク(例えば、ローカル・エリア・ネットワーク、以下「LAN」という。)31に接続されている。LAN31は、ルータ32を介して他のネットワーク(例えば、インターネット)33に接続され、このインターネット33に、クライアント側のデータ処理装置(例えば、クライアント・パーソナルコンピュータ、以下「クライアントPC」という。)40が接続されている。
【0012】
各画像形成装置10(=10−1〜10−4)は、電子メールを受信して印刷する機能を有している。メールサーバ20は、電子メールを配送するためのサーバコンピュータであり、内部を、相手先を振り分けるメール転送エージェント(MTA)と、振り分けられたメールをサーバ内のユーザや別のサーバへ配送するメール配送エージェント(MDA)等とに分けることができる。このメールサーバ20は、各画像形成装置10からの接続に応じて、それぞれを宛先とする電子メールを配信する機能や、ルータ32及びインターネット33を経由してクライアントPC40から送信された電子メールを適切な宛先へ配信する機能等を有している。
【0013】
ルータ32は、異なるネットワーク間(例えば、LAN31とインターネット33間)を相互接続する通信機器であり、LAN31とインターネット33との間で電子メール、及びその他の通信をルーティング(中継経路設定)する機能を有している。クライアントPC40は、CPU、メモリ、通信機能等を有する一般的なPCであり、電子メールアプリケーションソフトが動作しており、メールサーバ20に対してインターネット33を経由して電子メールを送受信する機能等を有している。
【0014】
図1は、本発明の実施例1における図2中の各画像形成装置10(=10−1〜10−4)を示す概略の機能構成図である。更に、図3は、図1中の設定値記憶部に格納された代行受信依頼先テーブルの例を示す図である。
【0015】
図1の画像形成装置10は、内部バス11を有し、この内部バス11を介して、ネットワーク通信部12、印刷部であるプリンタ部13、状態判断部14、他装置監視部15、制御部である機能制御部16、設定値記憶部17、及び操作部18等が相互に接続されている。
【0016】
ネットワーク通信部12は、メールサーバ20から電子メールを受信する第1通信手段と、他の画像形成装置10と通信する第2通信手段としての機能を有している。このネットワーク通信部12は、例えば、LAN31に接続され、このLAN31を経由して他の画像形成装置10やメールサーバ20との間でネットワーク接続を行い、印刷データや電子メールの送受信のための通信を実行するものである。ネットワーク通信部12では、前記通信を実行するために、印刷データ受信のためのRAW(ロー)プロトコル、電子メール受信のためのPOP3プロトコル(Post Office Protocol Version 3)、他装置状態を監視するためのSNMPプロトコル(Simple Network Management Protocol)といった各種ネットワークプロトコルを制御する機能を持つ。
【0017】
RAWプロトコルは、完成状態にされていない画像データ(未現像データ)の通信規約であり、専用のソフトウェアによって自由に調整・出力処理(即ち、現像)が可能である。POP3プロトコルは、電子メールで使用されるプロトコルの1つであり、ユーザがメールサーバから自分のメールを取り出す時に使用するメール受信用プロトコルである。SNMPプロトコルは、例えば、TCP/IP(Transission Contorol Protocol/Internet Protocol)ネットワークで管理に必要な情報をやり取りするためのプロトコルである。
【0018】
SNMPを用いたネットワーク管理は、SNMPマネージャ、SNMPエージェント、SNMPプロトコル仕様、及びMIB(Management Information Base)という4つの要素の組合せで成り立っている。SNMPマネージャは、SNMPを使った管理の中心となるソフトウェアであり、ユーザに代わってSNMPエージェントと通信し、集めた情報を適切に加工して管理者に渡したり、SNMPエージェントが持っている情報を書き換えたりする機能を有している。SNMPエージェントは、SNMPマネージャに対して情報を提供するものであり、ルータ等に組み込まれたソフトウエア・モジュール(例えば、ルータ、メールサーバ等のLAN機器)で構成されている。SNMPプロトコル仕様は、SNMPマネージャとSNMPエージェント間で情報をやりとりする手順や使うメッセージの種類、パケットの形式等を定めたものである。MIBは、SNMPマネージャがSNMPエージェントから情報を得るために、SNMPプロトコル仕様の他に、実際にやりとりする機器の情報を示すデータの構造やパラメータの意味等も統一しておく必要から、SNMPエージェントが持つ機器の管理情報を共通フォーマットとして具体的に定義したものである。SNMPエージェントは、機器が備えるさまざまな情報をMIBのデータとして持っている。そして、SNMPマネージャから要求があると、SNMPエージェントはデータベースから適切なMIBのデータを読み出してマネージャに送信するようになっている。
【0019】
プリンタ部13は、ネットワーク通信部12が受信した印刷データや電子メールを印刷用紙に印字する機能と、電子メールの印刷を行うために電子メールを解析し、添付ファイルを抽出して本文と共に印刷データに変換する機能とを有している。状態判断部14は、プリンタ部13を始めとする画像形成装置10全体の状態を監視し、ビジー状態や障害の発生状況を検出して機能制御部16に通知する機能を有している。
【0020】
他装置監視部15は、ネットワーク通信部12を経由して、LAN31に接続されている他の画像形成装置10の状態を監視する機能を有している。本実施例1において、他装置監視部15は、SNMPプロトコルを用いて他の画像形成装置10の状態を監視する。SNMPプロトコルを使用して他装置の状態を監視するためには、他装置のIPアドレス及びSNMPのコミュニティ名(SNMP Community Name)、及び情報を取得するための識別子(「MIB OID」と呼ばれる。)が必要とされる。他装置のIPアドレス及びSNMPコミュニティ名は、設定値記憶部17に格納されている。又、使用するMIB OIDは、AlertMIBと呼ばれるOIDを固定値として他装置監視部15内に持っている。設定値記憶部17に格納された他装置のIPアドレス及びSNMPコミュニティ名の例が、図3に示されている。
【0021】
機能制御部16は、画像形成装置10全体を制御する機能を有している。これらの状態判断部14、他装置監視部15、及び機能制御部16は、例えば、CPU等により構成されている。設定値記憶部17は、画像形成装置10が動作するための各種設定値を格納する機能を有し、半導体メモリ、ハードディスク(HD)等で構成されている。この設定値記憶部17には、メールサーバ20のIPアドレス、メール受信のためのアカウント情報(例えば、ユーザ名及びパスワード)、及び図3に示す代行受信依頼先リストが格納されている。操作部18は、液晶パネル等の表示装置と、タッチパネルやキースイッチ等の入力装置とを備え、ユーザによる操作を受け付けたり、画像形成装置10の状態を表示する機能等を有している。
【0022】
(実施例1の動作)
図2の画像形成システムにおいて、図1の画像形成装置10の動作が始まる前に、例えば、次のような処理が行われる。
【0023】
クライアントPC40から、第1画像形成装置10−1を宛先とする電子メールXがメールサーバ20に対して送信される。メールサーバ20は、電子メールXを第1画像形成装置10−1のためのメールボックスに格納する。
【0024】
図4は、図1及び図2における第1画像形成装置10−1の動作を示すフローチャート、図5は、図1及び図2における第2画像形成装置10−2の動作を示すフローチャート、及び、図6は、図4、図5において代行受信印刷が動作したときの各装置間のメッセージフローの例を示す図である。図7は、代行受信依頼指示の例を示す図である。更に、図8(1)、(2)は、代行受信結果の例を示す図である。
【0025】
以下、図4〜図8を参照しつつ、第1画像形成装置10−1の動作(I)と、第2画像形成装置10−2の動作(II)とを説明する。
【0026】
(I) 第1画像形成装置10−1の動作
第1画像形成装置10−1では、図4のステップS1〜S19に従い、以下のように動作する。
【0027】
第1画像形成装置10−1内の機能制御部16は、定期的に電子メール受信動作をネットワーク通信部12を制御して実行する。
【0028】
第1画像形成装置10−1の動作が開始されると、ステップS1において、第1画像形成装置10−1内のネットワーク通信部12は、設定値記憶部17に設定されているメールサーバ20のIPアドレスとユーザアカウント情報(例えば、ユーザID(ユーザ識別符号)とパスワード)の情報に基づいて、メールサーバ20に接続する。ここで、ネットワーク通信部12とメールサーバ20との間の通信には、例えば、POP3プロトコルが使用されるものとする。POP3プロトコルは一般的な技術であるため、以降、メールサーバ20との間で行われるコマンドの詳細については記載を省略する。
【0029】
ステップS2において、ネットワーク通信部12は、メールサーバ20のメールボックスに電子メールXが到着しているかどうかを確認する。ステップS3において、電子メールXが到着している場合(着信有り)、ステップS4において、状態判断部14によって第1画像形成装置10−1の装置状態が確認され、ステップS5において、状態判断部14によって印刷可能か否かが判断される。ステップ5において、状態判断部14が印刷可能状態と判断した場合、ステップS6において、ネットワーク通信部12は、メールサーバ20から電子メールXを取得し、プリンタ部13に受信した電子メールXを渡す。
【0030】
ステップS7において、プリンタ部13は、電子メールXを解析し、その本文及び添付ファイルを印刷する。ステップS8において、プリンタ部13での印刷動件が正常終了したか否かが判断され、正常終了した場合はステップS9へ進む。ステップS9において、ネットワーク通信部12は、メールサーバ20に対して、電子メールXの削除要求を行い、これにより、メールサーバ20から電子メールXが削除される。その後、ステップS10において、ネットワーク通信部12は、メールサーバ20との接続を切断し、待機状態へと戻る。
【0031】
ここで、前記ステップS3において、ネットワーク通信部12が、メールサーバ20からメールボックスに電子メールXが無いという応答を受信した場合は、ステップS10へ進み、ネットワーク通信部12は、そのままメールサーバ20との接続を切断する。これにより、第1画像形成装置10−1は待機状態へと戻る。
【0032】
前記ステップS5において、第1画像形成装置10−1が電子メールXを印刷することができない状態(例えば、他の印刷処理が動作中、あるいは用紙ジャム(用紙切れ)状態等の障害発生中の状態)である、と状態判断部14が判断した場合、ステップS11へ進む。ステップS11において、ネットワーク通信部12がメールサーバ20との接続を切断し、機能制御部16がステップS12の代行受信の依頼動作に移る。
【0033】
又、前記ステップS8において、ネットワーク通信部12が電子メールXを受信したものの、プリンタ部13が電子メールXの印刷処理を正常終了できなかった場合(例えば、用紙ジャムが発生した場合、あるいは、ステップS4において状態判断部14が装置状態を確認した後、ネットワーク通信部12が電子メール受信を行っている最中にプリンタ部13が他の印刷処理を開始してしまった場合等)も、ステップS11へ進む。ステップS11において、ネットワーク通信部12は、メールサーバ20との接続を切断する。これにより、機能制御部16はステップS12の代行受信の依頼動作に移る。
【0034】
ステップS12において、他装置監視部15は、設定値記憶部17内の代行受信依頼先リストに格納されている他装置に対して、ネットワーク通信部12を経由して装置状態の確認を行う。本実施例1では、ネットワーク上の装置管理プロトコルとして、例えば、一般的なSNMPプロトコルを使用し、装置状態を示すMIB情報を取得する。装置状態を示すMIBとしては、AlertMIBと呼ばれるものが使用できる。例えば、図3に示すように、代行受信依頼先リストに第2画像形成装置10−2のIPアドレスが記載されているものとし、他装置監視部15は、第2画像形成装置10−2の装置状態を取得する。図3の代行受信依頼先リストには、装置状態の確認にSNMPプロトコルが使用されるため、各画像形成装置10−2〜10−4に、SNMPでアクセスするために必要なSNMPコミュニティ名も格納されている。
【0035】
代行受信依頼先リストに2つ以上の依頼先が格納されている場合は、その全てに対して同様に装置状態を取得する。図3の例では、第2画像形成装置10−2のほかに第3画像形成装置10−3、及び第4画像形成装置10−4が記載されているため、他装置監視部15は、第3画像形成装置10−3及び第4画像形成装置10−4に対しても同様に装置状態を取得する。
【0036】
ステップS13において、他装置監視部15は、印刷可能装置があるか否かを判断する。本実施例1では、他装置監視部15からの指示によって、ネットワーク通信部12から送信されたSNMPリクエストメッセージに対して、例えば、第2画像形成装置10−2と第4画像形成装置10−4が印刷可能状態を、第3画像形成装置10−3からは障害発生中の状態が取得された場合を例に、以降の動作を説明する。
【0037】
ステップS14において、機能制御部16は、依頼先リストの装置の状態から、どの装置に代行受信を依頼するかを決定する。機能制御部16は、例えば、印刷可能状態であって、最も早く装置状態を取得できた装置を代行受信依頼先として選択する。ここでは、第2画像形成装置10−2と第4画像形成装置10−4が印刷可能状態を応答し、他装置監視部15は第2画像形成装置10−2の装置状態を先に取得できたものとし、機能制御部16が第2画像形成装置10−2を代行受信依頼先と決定する。
【0038】
ステップS15において、機能制御部16は、図7に示すような代行受信依頼指示を生成する。図7の代行受信依頼指示の例において、“@PJL EMAILRECEIVECOMMAND”は、この指示が代行受信依頼指示であることを示す。続いて、メールサーバ20のホスト名又はIPアドレス、第1画像形成装置10−1がメールサーバ20に接続するときに使用するメールアカウント情報(“mailUser”と“mailPassword”)が付加されている。
【0039】
ステップS16において、ネットワーク通信部12は、前記代行受信依頼指示を第2画像形成装置10−2に対して送信する。ここでは、ネットワーク通信部12は、RAWプロトコルによるネットワーク接続を行い、図7の代行受信依頼指示を送信する。次のステップS17において、機能制御部16は、ネットワーク通信部12に対して代行依頼結果の受信を待つよう指示する。
【0040】
ステップS18において、ネットワーク通信部12が第2画像形成装置10−2から、代行依頼結果として代行受信成功を受信した場合は、ステップS19において、機能制御部16は、第2画像形成装置10−2で代行受信が行われたことを操作部18に表示する。そして、第1画像形成装置10−1は待機状態に戻り、第1画像形成装置10−1の動作が終了する。
【0041】
図8(1)に、代行受信成功の場合の応答の例が示されている。図8(1)において、“@PJL MAILRECEIVERESPONSE”はこのメッセージが代行受信の結果であることを示す。続いて、“SUCCESS”と成功を示す情報が付加されている。図8(1)のメッセージも、代行受信依頼指示と同様に、第2画像形成装置10−2からRAWプロトコルを用いて第1画像形成装置10−1に返信されて来る。
【0042】
ここで、前記ステップS18において、ネットワーク通信部12が代行受信失敗のメッセージを受信した場合、機能制御部16は、再び他装置監視部15に他装置状態の確認を指示し、ステップS12からの動作を繰り返す。もし、ステップS13において、代行受信可能な装置が存在しなかったら、第1画像形成装置10−1は、待機状態に戻る。
【0043】
以上で第1画像形成装置10−1の動作は終了する。第1画像形成装置10−1は、待機状態に戻ると、機能制御部16が一定期間後に再び、図4の動作を開始することを繰り返す。
【0044】
(II) 第2画像形成装置10−2の動作
第2画像形成装置10−2では、図5のステップS21〜S33に従い、以下のように動作する。
【0045】
ステップS21において、第2画像形成装置10−2は、待機状態では代行依頼受信待ちを行っている。もちろん、第2画像形成装置10−2は、代行依頼受信待ち状態であっても、通常の印刷動作を行うことができる。ステップ22において、第2画像形成装置10−2内のネットワーク通信部12が、第1画像形成装置10−1からの代行受信依頼指示を受信すると、ステップS23において、第2画像形成装置10−2内の状態判断部14は、装置状態を確認する。
【0046】
ステップS24において、状態判断部14が印刷可能と判断すると、ステップS25において、機能制御部16は、ネットワーク通信部12に対して、ステップS22で受信した図7の代行受信依頼指示に含まれるメールサーバのIPアドレスとユーザアカウント情報(例えば、ユーザIDとパスワード)の情報に基づいて、メールサーバ20に接続するよう指示する。ステップS26において、ネットワーク通信部12は、メールサーバ20に接続すると、メールボックスから電子メールXを取得する。ステップS27において、ネットワーク通信部12が取得した電子メールXは、プリンタ部13において印刷処理が行われる。
【0047】
ステップS28において、プリンタ部13が印刷処理を正常に終了すると、ステップS29において、ネットワーク通信部12は、メールサーバ20に対して、電子メールXの削除要求を行う。これにより、メールサーバ20から電子メールXが削除される。その後、ステップ30において、ネットワーク通信部12は、メールサーバ20との接続を切断する。ステップS32において、機能制御部16は、代行受信結果として図8(1)に示すような成功のメッセージを生成する。その後、ステップS33において、ネットワーク通信部12は、代行受信結果を第1画像形成装置10−1に対して送信し、第2画像形成装置10−2の動作が終了する。
【0048】
ここで、前記ステップ24において、状態判断部14が印刷不能と判断した場合、あるいは、ステップS28において、プリンタ部13が印刷処理を正常終了できなかった場合は、ネットワーク通信部12は、直ちにメールサーバ20との接続を切断する。次に、ステップS32において、機能制御部16は、代行受信結果として失敗のメッセージを生成し、その後、ステップS33において、ネットワーク通信部12は、その失敗メッセージを第1画像形成装置10−1に対して送信する。
【0049】
図8(2)に、代行受信結果失敗のメッセージの例が示されている。図8(1)と同様に、“@PJL MAILRECEIVERESPONSE”はこのメッセージが代行受信の結果であることを示す。続いて、“FAILURE”と失敗を示す情報が付加されている。
【0050】
第2画像形成装置10−2は、以上の動作を終了すると、再び待機状態に戻り、代行受信依頼を待つ。
【0051】
(実施例1の効果)
本実施例1によれば、次のような構成にしている。
【0052】
機能制御部16は、状態判断部14の判断結果及び他装置監視部15の判断結果に基づき、ネットワーク通信部12中の図示しない第1通信手段に対して電子メールXの受信を促し、状態判断部14の判断結果に基づき、ネットワーク通信部12中の図示しない第2通信手段を介して他の画像形成装置10に対し電子メールXの受信を促す情報の通信を行う。
【0053】
あるいは、機能制御部16は、状態判断部14が処理中と判断すると、前記第2通信手段を介して他の画像形成装置1に対し電子メールXの受信を促す情報の通信を行うか、又は、機能制御部16により、状態判断部14が印刷障害の発生を判断すると、前記第1通信手段に対して電子メールXの受信を停止し、前記第2通信手段を介して他の画像形成装置10に対し電子メールXの受信を促す情報の通信を行う構成にしている。そのため、以下の(a)〜(c)のような効果がある。
【0054】
(a) 第1画像形成装置10−1が電子メールを印刷できない状態であっても、他装置に代行受信を依頼することができる。本実施例1では、第1画像形成装置10−1は代行受信の依頼にあたって、その電子メールを受信して印刷データに変換する、あるいは、転送用電子メールとして作成し直して送信するという処理を行う必要がないため、代行受信して印刷するための処理負荷が小さくなる。
【0055】
(b) 代行受信依頼にあたって依頼先装置の状態を確認してから依頼するため、代行受信の装置も印刷不能状態だったという事態を避け、確実に代行受信が行える。
【0056】
(c) 代行受信のための設定は、第1画像形成装置10−1のみに行えばよく、代行受信のための設定管理が容易である。
【実施例2】
【0057】
(実施例2の構成)
図9は、本発明の実施例2における画像形成システムを示す概略の構成図であり、実施例1を示す図2中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0058】
本実施例2の画像形成システムでは、実施例1の画像形成装置10とは機能の異なる第1画像形成装置10Aと、電子メールを受信し印刷する機能を有する他の印刷装置である第2画像形成装置10Bとが、実施例1と同様のネットワーク(例えば、LAN)31に接続されている。LAN31は、実施例1と同様に、ルータ32を介して他のネットワーク(例えば、インターネット)33に接続され、このインターネット33に、実施例1と同様のクライアント側のデータ処理装置(例えば、クライアントPC)40が接続されている。
【0059】
図10は、本発明の実施例2における図9中の画像形成装置10Aを示す概略の機能構成図であり、実施例1を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。更に、図11は、図10中の設定値記憶部に格納された他装置監視先テーブルの例を示す図である。
【0060】
本実施例2の画像形成装置10Aは、実施例1の画像形成装置10と構成及び機能が異なっている。即ち、本実施例2の画像形成装置10Aは、実施例1と同様の内部バス11を有し、この内部バス11を介して、実施例1と同様のネットワーク通信部12、プリンタ部13、状態判断部14、他装置監視部15、機能制御部16、及び操作部18等と、実施例1と異なる設定値記憶部17Aとが、相互に接続されている。
【0061】
実施例1と同様のネットワーク通信部12、プリンタ部13、状態判断部14、他装置監視部15、機能制御部16、及び操作部18の内、特に、ネットワーク通信部12は、第1通信手段及び第2通信手段としての機能を有し、LAN31を経由して他の印刷装置である第2画像形成装置10Bやメールサーバ20との間でネットワーク接続を行い、印刷データや電子メールの送受信のための通信を実行するものである。
【0062】
他装置監視部15は、ネットワーク通信部12を経由して、LAN31に接続されている第2画像形成装置10Bの状態を監視する機能を有している。本実施例2において、他装置監視部15は、SNMPプロトコルを用いて第2画像形成装置10Bの状態を監視する。SNMPプロトコルを使用して他装置の状態を監視するためには、他装置のIPアドレス及びSNMPのコミュニティ名(SNMP Community Name)、及び情報を取得するための識別子(MIB OID)が必要とされる。他装置のIPアドレス及びSNMPコミュニティ名は、設定値記憶部17Aに格納されている。又、使用するMIB OIDは、AlertMIBと呼ばれるOIDを固定値として他装置監視部15内に持っている。設定値記憶部17Aに格納された他装置監視先テーブルの例が、図11に示されている。機能制御部16は、実施例1と異なる設定値記憶部17Aを含めた画像形成装置10Aの全体を制御する機能を有している。
【0063】
設定値記憶部17Aは、画像形成装置10Aが動作するための各種設定値を格納する機能を有している。この設定値記憶部17Aには、画像形成装置10A自身が電子メール受信を行うための、メールサーバ20のIPアドレス、メール受信のためのアカウント情報(例えば、ユーザ名及びパスワード)が格納され、更に、図11に示すような他装置を監視するための、監視対象装置のIPアドレス、SNMPコミュニティ名、及び、監視対象装置に代わって電子メール受信を行うためのメールサーバ20のIPアドレス、メール受信のためのアカウント情報(例えば、ユーザ名及びパスワード)の一覧も格納されている。
【0064】
本実施例2では、第1画像形成装置10Aが監視対象としている他装置は第2画像形成装置10Bの1つであるため、図11の他装置監視先テーブルには1組の設定値しか格納されていないが、2つ以上の他装置を監視対象とする場合は、図11の他装置監視先テーブルには2組以上の設定値が格納されることになる。
【0065】
(実施例2の動作)
図12は、図9及び図10における第1画像形成装置10Aの動作を示すフローチャート、及び、図13は、図12において代行受信印刷が動作したときの各装置間のメッセージフローの例を示す図である。
【0066】
図9の画像形成システムにおいて、図10の第1画像形成装置10Aの動作が始まる前に、例えば、次のような処理が行われる。
【0067】
クライアントPC40から、第2画像形成装置10Bを宛先とする電子メールYがメールサーバ20に対して送信される。メールサーバ20は、電子メールYを第2画像形成装置10Bのためのメールボックスに格納する。
【0068】
第1画像形成装置10Aは、待機状態において、定期的に以下のような図12のステップS41〜S52に従い、代行受信動作を行っている。
【0069】
もちろん、第1画像形成装置10Aは、待機状態において通常のネットワーク印刷等、代行受信動作以外の動作を行うことも可能である。
【0070】
第1画像形成装置10Aの動作が開始されると、ステップS41において、第1画像形成装置10A内の機能制御部16は、状態判断部14に対して第1画像形成装置10Aの装置状態を判断するよう促す。ステップS42において、状態判断部14は、プリンタ部13を初めとする第1画像形成装置10Aの状態を判断し、印刷可能であるかどうかを判断する。ここで、状態判断部14が印刷不能であると判断した場合、第1画像形成装置10Aは待機状態に戻り、次の代行受信動作の開始まで待機する。ステップS42において、状態判断部14が印刷可能であると判断した場合、続いて、機能制御部16は、他装置監視部15に対して他装置の状態の確認を促す。
【0071】
ステップS43において、他装置監視部15は、設定値記憶部17Aに格納されている図11の他装置監視先テーブル中の他装置に対し、ネットワーク通信部12を経由して装置状態の確認を行う。本実施例2では、例えば、ネットワーク上の装置管理プロトコルとして一般的なSNMPプロトコルを使用し、装置状態を示すMIB情報を取得する。装置状態を示すMIBとしては、AlertMIBと呼ばれるものが使用できる。図11の他装置監視先テーブルには、例えば、第2画像形成装置10BのIPアドレスが記載されているので、他装置監視部15は、第2画像形成装置10Bの装置状態を取得する。ここで、装置状態の確認にSNMPプロトコルが使用されるため、図11の他装置監視先テーブルには、第2画像形成装置10Aに対してSNMPでアクセスするために必要なSNMPコミュニティ名も格納されている。
【0072】
ステップS44において、他装置監視部15は、取得した他装置の状態を解析し、該装置が印刷可能状態か否かを判断する。該装置からの応答が得られなかった場合は、該装置は印刷不能状態であると判断する。該装置が印刷不能状態であると判断された場合、以下のステップS45〜S52に従い、機能制御部16は、第2画像形成装置10Bに代わって、第2画像形成装置10B宛ての電子メールを代行受信する動作を開始する。
【0073】
ステップS45において、ネットワーク通信部12は、設定値記憶部17A内の図11の他装置監視先テーブルから、代行受信の対象となる第2画像形成装置10Bのメールサーバアドレス、メールアカウント、及びメールパスワードを取得する。ステップS46において、ネットワーク通信部12は、取得したメールサーバアドレス等の情報を使用して、メールサーバ20と接続を開始する。
【0074】
ステップS47において、ネットワーク通信部12は、メールサーバ20から、第2画像形成装置10B宛ての電子メールを受信する。ここでは、第2画像形成装置10B用のメールボックスに前記電子メールYが格納されているため、ネットワーク通信部12は、メールサーバ20から電子メールYを受信する。ステップS48において、プリンタ部13は、受信した電子メールYを解析し、印刷処理を行う。ステップS49において、プリンタ部13が印刷処理を正常に終了すると、ステップS50において、ネットワーク通信部12は、メールサーバ20に対して電子メールYの削除要求を行う。これにより、メールサーバ20から電子メールYが削除される。
【0075】
その後、ステップS51において、ネットワーク通信部12は、メールサーバ20との接続を切断する。もし、ステップS49において、プリンタ部13が正常に印刷終了できなかった場合、ネットワーク通信部12は、ステップS51において、メールサーバ20に対して電子メールYの削除要求を行うことなく、そのまま接続を切断する。ここで、プリンタ部13が正常に印刷終了できなかった場合とは、例えば、用紙ジャムが発生した場合、あるいは、ステップ42において状態判断部14が装置状態を確認した後、ネットワーク通信部12が電子メール受信を行っている最中にプリンタ部13が他の印刷処理を開始してしまった場合等が考えられる。ネットワーク通信部12がメールサーバ20との接続を切断すると、第1画像形成装置10Aは待機状態に戻り、一定時間後、再び本実施例2の動作を行う。
【0076】
一方、ステップS44において、他装置監視部15が、他装置が印刷可能状態であると判断した場合、ステップS52において、他装置監視部15は、図11の他装置監視先テーブルを確認し、次の監視先装置が格納されているか否かを確認する。もし、他装置監視先テーブルに未確認の他装置が格納されていた場合は、再びステップS43に戻って、該装置の状態判断を行う。そして、他装置監視部15が、他装置監視先テーブルに格納されている全ての他装置について状態を判断し終わったら、第1画像形成装置10Aは、本実施例2の動作を終了し、待機状態に戻る。
【0077】
(実施例2の効果)
本実施例2によれば、次のような構成にしている。
【0078】
機能制御部16は、状態判断部14が印刷可能と判断すると、他装置監視部15の判断結果に基づき、ネットワーク通信部12中の図示しない第1通信手段に対して電子メールYの受信を促す。
【0079】
機能制御部16は、他装置監視部15が他の画像形成装置10Bが処理中と判断した場合は、状態判断部14が印刷可能と判断するまで待機した後、前記第1通信手段に対して電子メールYの受信を促す。
【0080】
機能制御部16は、他装置監視部15が他の画像形成装置10Bが印刷障害の発生中と判断した場合は、状態判断部14が印刷可能と判断するまで待機した後、前記第1通信手段に対して電子メールYの受信を促す。
【0081】
又は、機能制御部16は、状態判断部14が印刷可能と判断し、且つ、他装置監視部15が他の画像形成装置10Bが動作していないと判断した場合に、前記第1通信手段に対して電子メールYの受信を促す。
【0082】
更に、他装置監視部15は、前記第1通信手段に対してメールサーバ20に電子メールYの有無を問い合わせることを促し、その問い合わせ結果に基づいて他の画像形成装置10Bの動作を判断する構成にしている。そのため、以下のような効果がある。
【0083】
第2画像形成装置10Bが電源オフ等のために代行受信依頼を行えない状態であっても、自発的に第1画像形成装置10Aが代行受信を開始することができる。その上、第2画像形成装置10Bが通常状態に復帰すれば、目発的に第1画像形成装置10Aによる代行受信は停止することになる
【0084】
(変形例)
本発明は、上記実施例1、2に限定されず、種々の利用形態や変形が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(a)〜(d)のようなものがある。
【0085】
(a) 実施例1では、代行受信依頼を第1画像形成装置10−1から第2画像形成装置10−2に直接RAWプロトコルで送信する形態を説明したが、代行受信依頼を電子メールに添付し、メールサーバ20を経由して第2画像形成装置10−2に送付する形態でも、同様の効果を得ることができる。
【0086】
(b) 実施例1では、代行受信依頼先の決定に、最も早く印刷可能状態を取得できた装置を選択する動作を記載したが、図3の代行受信依頼先リストに優先度を付け加え、その優先度に基づいて代行受信依頼先を決定するように構成することも可能である。又、図3の代行受信依頼先リストに、各装置の地理情報を付け加え、最も距離の近い装置を選択するように構成することも可能である。
【0087】
(c) 実施例1、2において、他装置監視部15は、SNMPプロトコルを使用するものとして記載したが、例えば、HTTPプロトコル(Hyper Text Transfer Protocol)により画像形成装置の組み込みWebページから装置状態を取得する形態でも、同様の効果を得ることができる。更に、他装置監視部15は、メールサーバ20に対して電子メールの着信を確認し、一定時間経過後に該電子メールがメールボックスから削除されているか否かをもって、他装置状態の判断を行うように構成しても、同様の効果を得ることができる。
【0088】
(d) 実施例1、2において、画像形成装置10,10Aは、印刷機能を持つものとして記載されているが、本発明は、他にファクシミリ装置(FAX)やスキャナ部を持つ複合機等であっても適用可能である。
【符号の説明】
【0089】
10,10A 画像形成装置
12 ネットワーク通信部
13 プリンタ部
14 状態判断部
15 他装置監視部
16 機能制御部
17,17A 設定値記憶部
20 メールサーバ
31 LAN
33 インターネット
40 クライアントPC
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メールサーバから電子メールを受信する第1通信手段と、
他の画像形成装置と通信する第2通信手段と、
前記第1通信手段で受信した電前記子メールを印刷処理する印刷部と、
前記印刷部の状態を判断する状態判断部と、
前記第2通信手段を介して前記他の画像形成装置の情報を監視して判断する他装置監視部と、
前記状態判断部の判断結果及び前記他装置監視部の判断結果に基づき、前記第1通信手段に対して前記電子メールの受信を促し、前記状態判断部の判断結果に基づき、前記第2通信手段を介して前記他の画像形成装置に対し前記電子メールの受信を促す情報の通信を行う制御部と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記状態判断部が処理中と判断すると、前記第2通信手段を介して前記他の画像形成装置に対し前記電子メールの受信を促す情報の通信を行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記状態判断部が印刷障害の発生を判断すると、前記第1通信手段に対して前記電子メールの受信を停止し、前記第2通信手段を介して前記他の画像形成装置に対し前記電子メールの受信を促す情報の通信を行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記状態判断部が印刷可能と判断すると、前記他装置監視部の判断結果に基づき、前記第1通信手段に対して前記電子メールの受信を促すことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記他装置監視部が前記他の画像形成装置が処理中と判断した場合は、前記状態判断部が印刷可能と判断するまで待機した後、前記第1通信手段に対して前記電子メールの受信を促すことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記他装置監視部が前記他の画像形成装置が印刷障害の発生中と判断した場合は、前記状態判断部が印刷可能と判断するまで待機した後、前記第1通信手段に対して前記電子メールの受信を促すことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記状態判断部が印刷可能と判断し、且つ、前記他装置監視部が前記他の画像形成装置が動作していないと判断した場合に、前記第1通信手段に対して前記電子メールの受信を促すことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記他装置監視部は、前記第1通信手段に対して前記メールサーバに前記電子メールの有無を問い合わせることを促し、前記問い合わせ結果に基づいて前記他の画像形成装置の動作を判断することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成装置と、前記他の画像形成装置と、前記メールサーバとが、ネットワークにより接続されていることを特徴とする画像形成システム。
【請求項10】
前記ネットワークは、ルータを介して他のネットワークに接続され、
前記メールサーバに対して前記電子メールを送受信する機能を有するクライアント側のコンピュータが、前記他のネットワークに接続されていることを特徴とする請求項9記載の画像形成システム。
【請求項1】
メールサーバから電子メールを受信する第1通信手段と、
他の画像形成装置と通信する第2通信手段と、
前記第1通信手段で受信した電前記子メールを印刷処理する印刷部と、
前記印刷部の状態を判断する状態判断部と、
前記第2通信手段を介して前記他の画像形成装置の情報を監視して判断する他装置監視部と、
前記状態判断部の判断結果及び前記他装置監視部の判断結果に基づき、前記第1通信手段に対して前記電子メールの受信を促し、前記状態判断部の判断結果に基づき、前記第2通信手段を介して前記他の画像形成装置に対し前記電子メールの受信を促す情報の通信を行う制御部と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記状態判断部が処理中と判断すると、前記第2通信手段を介して前記他の画像形成装置に対し前記電子メールの受信を促す情報の通信を行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記状態判断部が印刷障害の発生を判断すると、前記第1通信手段に対して前記電子メールの受信を停止し、前記第2通信手段を介して前記他の画像形成装置に対し前記電子メールの受信を促す情報の通信を行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記状態判断部が印刷可能と判断すると、前記他装置監視部の判断結果に基づき、前記第1通信手段に対して前記電子メールの受信を促すことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記他装置監視部が前記他の画像形成装置が処理中と判断した場合は、前記状態判断部が印刷可能と判断するまで待機した後、前記第1通信手段に対して前記電子メールの受信を促すことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記他装置監視部が前記他の画像形成装置が印刷障害の発生中と判断した場合は、前記状態判断部が印刷可能と判断するまで待機した後、前記第1通信手段に対して前記電子メールの受信を促すことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記状態判断部が印刷可能と判断し、且つ、前記他装置監視部が前記他の画像形成装置が動作していないと判断した場合に、前記第1通信手段に対して前記電子メールの受信を促すことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記他装置監視部は、前記第1通信手段に対して前記メールサーバに前記電子メールの有無を問い合わせることを促し、前記問い合わせ結果に基づいて前記他の画像形成装置の動作を判断することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成装置と、前記他の画像形成装置と、前記メールサーバとが、ネットワークにより接続されていることを特徴とする画像形成システム。
【請求項10】
前記ネットワークは、ルータを介して他のネットワークに接続され、
前記メールサーバに対して前記電子メールを送受信する機能を有するクライアント側のコンピュータが、前記他のネットワークに接続されていることを特徴とする請求項9記載の画像形成システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−224642(P2010−224642A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−68343(P2009−68343)
【出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
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