画像形成装置及び画像形成システム
【課題】記憶装置に記録された情報を不揮発性メモリに記録する必要がないようにする。
【解決手段】省電力モード移行条件が成立する場合、ネットワークを介して接続された、設定情報を移管することができる移管先の画像形成装置を検索する移管先検索処理手段と、前記移管先の画像形成装置が決定された場合に、設定情報を移管先の画像形成装置に送信するデータ移管処理手段と、通常モード移行条件が成立する場合、前記移管先の画像形成装置の他設定情報記録部32に記録された設定情報を移管元の画像形成装置に復帰させる設定情報復帰処理手段とを有する。通常モードから省電力モードへの移行条件が成立すると、移管先の画像形成装置が検索され、画像形成装置の設定情報が移管先の画像形成装置に送信されるので、モードを移行させるのに必要な時間を短くすることができる。
【解決手段】省電力モード移行条件が成立する場合、ネットワークを介して接続された、設定情報を移管することができる移管先の画像形成装置を検索する移管先検索処理手段と、前記移管先の画像形成装置が決定された場合に、設定情報を移管先の画像形成装置に送信するデータ移管処理手段と、通常モード移行条件が成立する場合、前記移管先の画像形成装置の他設定情報記録部32に記録された設定情報を移管元の画像形成装置に復帰させる設定情報復帰処理手段とを有する。通常モードから省電力モードへの移行条件が成立すると、移管先の画像形成装置が検索され、画像形成装置の設定情報が移管先の画像形成装置に送信されるので、モードを移行させるのに必要な時間を短くすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機(MFP)等の画像形成装置、例えば、プリンタを、LAN等のネットワークを介して他のプリンタ、複合機等と接続することによって、画像形成システムが形成されるようになっている。
【0003】
該画像形成システムにおいては、プリンタに、電力の消費を抑制しないモード、すなわち、通常モード、及び電力の消費を抑制するモード、すなわち、省電力モードが設定され、通常モードから省電力モードに、省電力モードから通常モードにモードを移行させることができる。
【0004】
そして、通常モードから省電力モードにモードを移行させる場合は、プリンタに配設された記憶装置としてのRAM等に記録されたプログラム、データ等の設定情報を不揮発性メモリに記録(退避)した後、前記RAM等への電力の供給を遮断するようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−6007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、一般に、RAM等に記録された情報を不揮発性メモリに記録するのに必要な時間は長い。
【0007】
本発明は、記憶装置等に記録された情報を不揮発性メモリに記録する必要がない画像形成装置及び画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのために、本発明の画像形成装置においては、省電力モード移行条件が成立する場合、ネットワークを介して接続された、設定情報を移管することができる移管先の画像形成装置を検索する移管先検索処理手段と、前記移管先の画像形成装置が決定された場合に、設定情報を移管先の画像形成装置に送信するデータ移管処理手段と、通常モード移行条件が成立する場合、前記移管先の画像形成装置の他設定情報記録部に記録された設定情報を移管元の画像形成装置に復帰させる設定情報復帰処理手段とを有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像形成装置においては、省電力モード移行条件が成立する場合、ネットワークを介して接続された、設定情報を移管することができる移管先の画像形成装置を検索する移管先検索処理手段と、前記移管先の画像形成装置が決定された場合に、設定情報を移管先の画像形成装置に送信するデータ移管処理手段と、通常モード移行条件が成立する場合、前記移管先の画像形成装置の他設定情報記録部に記録された設定情報を移管元の画像形成装置に復帰させる設定情報復帰処理手段とを有する。
【0010】
この場合、通常モードから省電力モードへの移行条件が成立すると、移管先の画像形成装置が検索され、画像形成装置の設定情報が移管先の画像形成装置に送信されるので、モードを移行させるのに必要な時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施の形態における画像形成システムの概念図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの記憶装置及び処理部の接続状態を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における省電力モード移行時のプリンタの動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態における移管先検索処理のサブルーチンを示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における通常モード移行時のプリンタの動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態における設定情報復帰処理のサブルーチンを示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における移管元のプリンタから設定情報が移管されるときのプリンタの動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施の形態におけるホストコンピュータからの移管元のプリンタへの処理要求に対して代理応答を行うときのプリンタの動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施の形態における代理応答可否判断処理のサブルーチンを示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態における省電力モード移行時のプリンタの動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施の形態における通常モード移行時のプリンタの動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第2の実施の形態における移管元のプリンタから設定情報が移管されるときのプリンタの動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施の形態におけるホストコンピュータからの移管元のプリンタへの処理要求に対して代理応答を行うときのプリンタの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としてのプリンタを使用した場合について説明する。
【0013】
図1は本発明の第1の実施の形態における画像形成システムの概念図である。
【0014】
図において、11は画像形成システムであり、該画像形成システム11は、上位装置としてのホストコンピュータ10及び複数のプリンタPi(i=1、2、…、n)をネットワーク、本実施の形態においては、LAN12を介して接続することによって形成される。なお、cbi(i=1、2、…、n)はランケーブルである。
【0015】
次に、プリンタPiについて説明する。この場合、各プリンタPiの構造は同じであるので、プリンタP1についてだけ説明する。
【0016】
プリンタP1は、図示されないCPUから成る制御部14、読書き自在な第1の記憶装置(内部記憶装置)としてのRAM15、各種のプログラム、データ等が記録された読出専用の第2の記憶装置(内部記憶装置)としてのROM16、読書き自在な第3の記憶装置としての、かつ、不揮発性メモリとしてのフラッシュメモリ17、ランケーブルcb1を介してLAN12と接続され、各種のデータの送受信を行う送受信処理手段としての送受信処理部21、操作部22、印刷機構部23、該印刷機構部23の制御を行う印刷制御部24等を備える。前記操作部22は、操作パネル等から成り、操作者がプリンタP1に対して設定の変更、機能の実行等の指示を行うためのキー、ボタン等の操作要素、及びプリンタP1の状態を表示するための表示パネル等の表示要素を備える。
【0017】
前記RAM15は、プリンタP1のプログラム、データ等の設定情報(自設定情報)を記録するための自設定情報記録部31、他のプリンタ(プリンタP2、P3、…、Pnのうちの所定のプリンタ)から移管された他のプリンタの設定情報(他設定情報)を記録するための他設定情報記録部32、ホストコンピュータ10からの他のプリンタに対する処理要求、及び該処理要求の対象となるデータを一時的に記録するための処理要求・データ記録部33等を備える。
【0018】
前記フラッシュメモリ17は、通常モードから省電力モードにモードを移行させる際(以下「省電力モード移行時」という。)に、設定情報を移管する先のプリンタ、すなわち、移管先のプリンタの情報(以下「移管先情報」という。)を記録するための移管先記録部38を備える。
【0019】
そして、前記制御部14は、省電力モード移行時に、プリンタP1の設定情報を移管することができる移管先のプリンタを検索する移管先検索処理手段としての移管先検索部41、省電力モード移行時に、前記プリンタP1の設定情報を移管先のプリンタに送信するデータ移管処理手段としてのデータ移管部42、省電力モードから通常モードにモードを移行させる際(以下「通常モード移行時」という。)に、移管先のプリンタに返却要求を送信し、プリンタP1の設定情報をプリンタP1に復帰させる(取得する。)設定情報復帰処理手段としてのデータ復帰部43、他のプリンタのうちの、設定情報を移管しようとするプリンタである移管元のプリンタから、設定情報を移管する要求である移管要求を受信して、移管元のプリンタの設定情報を受信するデータ受信処理手段としてのデータ受信部44、移管元のプリンタの設定情報を記録するデータ記録処理手段としてのデータ記録部45、移管元のプリンタから受信した設定情報を返却する要求である返却要求を受信して、移管元のプリンタに設定情報を送信するデータ返信処理手段としてのデータ返信部46、ホストコンピュータ10から移管元のプリンタに対して処理要求、例えば、印刷要求が送信された場合に、プリンタP1において代理応答が可能であるかどうかを判断する代理応答可否判断処理手段としての代理応答可否判断部51、代理応答が可能である場合に、代理応答を行う代理応答処理手段としての代理応答部52、移管元のプリンタに対して省電力モードから通常モードへのモードの移行を指示する復帰要求処理手段としての復帰要求部53、ホストコンピュータ10からの処理要求を記録する処理要求記録処理手段としての処理要求記録部54、ホストコンピュータ10からの処理要求を移管元のプリンタに転送する処理要求転送処理手段としての処理要求転送部55等を備える。
【0020】
前記自設定情報記録部31には、表1で表されるようなプリンタP1の設定情報が、前記他設定情報記録部32には、表2で表されるようなプリンタP2、P3、…、Pnの設定情報が記録される。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
前記自設定情報記録部31及び他設定情報記録部32に記録される設定情報は、IDによって特定される各設定項目及び設定値から成り、本実施の形態において、設定項目は、印刷補正データ、フォントデータ、一時保管中の印刷データ、IPアドレス、MACアドレス、装置名等のデータのほかに所定のプログラムから成る。
【0024】
なお、他設定情報記録部32に記録される設定情報は、プリンタP2、P3、…、Pnにおいて自設定情報記録部31に記録される設定情報と同じである必要はなく、適宜変更することができる。
【0025】
また、移管先記録部38には、表3及び4に示されるような移管先情報が記録される。
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】
該移管先情報は、IDによって特定される移管先のプリンタのIPアドレスから成る。表3は移管先情報が記録される前の移管先記録部38の状態を、表4は移管先情報が記録された後の移管先記録部38の状態を表す。前記移管先情報は、設定情報を移管する際に移管先記録部38に記録されるが、あらかじめ移管先を設定し、移管先記録部38に記録しておくこともできる。
【0029】
なお、本実施の形態において、前記設定情報及び移管先情報は、MIB(Management Information Base(管理情報データベース))において定義され、一般の通信プロトコル、例えば、SNMP(Simple Network Management Protocol)ツール等によって参照することができる。また、Webブラウザ、プリンタ本体のオペレーションパネル等によって参照することもできる。
【0030】
図2は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの記憶装置及び処理部の接続状態を示す図である。
【0031】
プリンタPiにおいて、送受信処理部21はLAN12(図1)と接続されるとともに、移管処理手段としての移管処理部61、データ処理手段としてのデータ処理部62、及び応答処理手段としての応答処理部63と接続される。そして、前記移管処理部61、データ処理部62及び応答処理部63は、RAM15及びROM16と接続され、移管処理部61はフラッシュメモリ17と接続される。
【0032】
なお、移管処理部61は、前記移管先検索部41、データ移管部42及びデータ復帰部43を、データ処理部62は、前記データ受信部44、データ記録部45及びデータ返信部46を、応答処理部63は、前記代理応答可否判断部51、代理応答部52、復帰要求部53、処理要求記録部54及び処理要求転送部55を備え、いずれも制御部14に配設される。
【0033】
次に、省電力モード移行時のプリンタPiの動作について説明する。
【0034】
図3は本発明の第1の実施の形態における省電力モード移行時のプリンタの動作を示すフローチャート、図4は本発明の第1の実施の形態における移管先検索処理のサブルーチンを示す図である。
【0035】
まず、移管処理部61の図示されないモード移行条件成立判断処理手段は、モード移行条件成立判断処理を行い、プリンタP1において、通常モードから省電力モードにモードを移行させる条件、すなわち、省電力モード移行条件が成立するかどうかを判断する。なお、省電力モード移行条件は、操作者が操作部22を操作して通常モードから省電力モードへのモードの移行を指示した場合において、他のプリンタの設定情報が他設定情報記録部32に記録されていない場合に成立する。
【0036】
そして、省電力モード移行条件が成立する場合、移管先検索部41は移管先検索処理を行い、プリンタP1の設定情報を移管することができる移管先のプリンタを検索する。そのために、前記移管先検索部41の図示されない指定有無判断処理手段は、指定有無判断処理を行い、操作者によって移管先のプリンタがあらかじめ指定されているかどうかを判断する。移管先のプリンタがあらかじめ指定されている場合、移管先検索部41の図示されない格納要求送信処理手段は、格納要求送信処理を行い、前記指定されているプリンタに移管要求を送信し、移管先検索部41の図示されない応答判断処理手段は、応答判断処理を行い、前記指定されているプリンタから設定情報の移管を許可する応答、すなわち、移管許可応答を受信したかどうか、又は設定情報の移管を許可しない応答、すなわち、移管不許可応答を受信したかどうかを判断する。前記応答判断処理手段において、移管許可応答を受信した場合、移管先検索部41の図示されない移管先決定処理手段は、移管先決定処理を行い、指定されているプリンタを移管先のプリンタとして決定する。
【0037】
移管先のプリンタがあらかじめ指定されていない場合、及び前記移管先検索部41が前記指定されているプリンタから移管不許可応答を受信した場合、前記格納要求送信処理手段は、プリンタP1以外のすべてのプリンタに対して移管要求のパケットの広域送信を行い、前記応答判断処理手段は、移管許可応答を受信したかどうかを判断し、移管許可応答を受信した場合、前記移管先決定処理手段は、複数のプリンタのうちの最初に移管許可応答を送信したプリンタを移管先のプリンタとして決定する。
【0038】
次に、データ移管部42の図示されない移管先決定判断処理手段は、移管先決定判断処理を行い、前記移管先決定処理において移管先のプリンタが決定されたかどうかを判断する。移管先のプリンタが決定された場合、データ移管部42はデータ移管処理を行い、自設定情報記録部31から設定情報を読み出し、送受信処理部21を介して移管先のプリンタに送信することによって設定情報を移管する。なお、移管先のプリンタが決定されない場合、処理を終了する。
【0039】
続いて、データ移管部42は、設定情報の移管が正常に終了したかどうかを判断し、設定情報の移管が正常に終了すると、移管先記録部38の移管先情報を変更し、移管先のプリンタのIPアドレスを移管先記録部38に記録する。
【0040】
そして、移管処理部61の図示されないモード移行処理手段は、モード移行処理を行い、通常モードから省電力モードにモードを移行させる。
【0041】
次に、図3のフローチャートについて説明する。
ステップS1 モード移行条件成立判断処理手段は省電力モード移行条件が成立するかどうかを判断する。省電力モード移行条件が成立する場合はステップS2に進み、省電力モード移行条件が成立しない場合は処理を終了する。
ステップS2 移管先検索部41は移管先検索処理を行う。
ステップS3 移管先決定判断処理手段は移管先のプリンタが決定されたかどうかを判断する。移管先のプリンタが決定された場合はステップS4に進み、移管先のプリンタが決定されない場合は処理を終了する。
ステップS4 データ移管部42は設定情報を移管する。
ステップS5 データ移管部42は移管が正常に終了したかどうかを判断する。移管が正常に終了した場合はステップS6に進み、移管が正常に終了しない場合は処理を終了する。
ステップS6 データ移管部42は移管先情報を変更する。
ステップS7 モード移行処理手段は省電力モードにモードを移行させ、処理を終了する。
【0042】
次に、図4のフローチャートについて説明する。
ステップS2−1 指定有無判断処理手段は移管先のプリンタが指定されているかどうかを判断する。移管先のプリンタが指定されている場合はステップS2−2に、移管先のプリンタが指定されていない場合はステップS2−5に進む。
ステップS2−2 格納要求送信処理手段は指定されているプリンタに移管要求を送信する。
ステップS2−3 応答判断処理手段は移管許可応答を受信したかどうかを判断する。移管許可応答を受信した場合はステップS2−4に、移管許可応答を受信しない場合はステップS2−5に進む。
ステップS2−4 移管先決定処理手段は指定されているプリンタを移管先のプリンタとして決定し、リターンする。
ステップS2−5 格納要求送信処理手段は移管要求のパケットの広域送信を行う。
ステップS2−6 応答判断処理手段は移管許可応答を受信したかどうかを判断する。移管許可応答を受信した場合はステップS2−7に進み、移管許可応答を受信しない場合はリターンする。
ステップS2−7 移管先決定処理手段は最初に移管許可応答を送信したプリンタを移管先のプリンタとして決定し、リターンする。
【0043】
次に、通常モード移行時のプリンタPiの動作について説明する。
【0044】
図5は本発明の第1の実施の形態における通常モード移行時のプリンタの動作を示すフローチャート、図6は本発明の第1の実施の形態における設定情報復帰処理のサブルーチンを示す図である。
【0045】
まず、前記モード移行条件成立判断処理手段は、プリンタP1において、省電力モードから通常モードにモードを移行させる条件、すなわち、通常モード移行条件が成立するかどうかを判断する。なお、通常モード移行条件は、操作者が操作部22を操作して省電力モードから通常モードへのモードの移行を指示した場合に成立する。
【0046】
そして、通常モード移行条件が成立する場合、データ復帰部43は、設定情報復帰処理を行い、プリンタP1の設定情報を復帰させる。そのために、データ復帰部43は、移管先記録部38から移管先情報を読み出し、移管先のプリンタにプリンタP1の設定情報の返却要求を送信し、プリンタP1の設定情報の返却を要求する。
【0047】
続いて、データ復帰部43の図示されない応答判断処理手段は、応答判断処理を行い、移管先のプリンタからプリンタP1の設定情報の返却要求を許可する応答、すなわち、返却許可応答を受信したかどうかを判断する。返却許可応答を受信した場合、データ復帰部43の図示されない設定情報取得処理手段は、設定情報取得処理を行い、移管先のプリンタの他設定情報記録部32からプリンタP1の設定情報を読み出すことによって取得し、プリンタP1の自設定情報記録部31に記録する。
【0048】
このようにして、前記設定情報復帰処理が終了すると、データ復帰部43は、移管先記録部38の移管先情報を変更し、移管先記録部38から移管先のプリンタのIPアドレスを削除する。
【0049】
そして、前記モード移行処理手段は、省電力モードから通常モードにモードを移行させる。
【0050】
次に、図5のフローチャートについて説明する。
ステップS11 モード移行条件成立判断処理手段は通常モード移行条件が成立するかどうかを判断する。通常モード移行条件が成立する場合はステップS12に進み、通常モード移行条件が成立しない場合は処理を終了する。
ステップS12 データ復帰部43は設定情報復帰処理を行う。
ステップS13 データ復帰部43は設定情報の復帰が終了したかどうかを判断する。設定情報の復帰が終了した場合はステップS14に進み、設定情報の復帰が終了しない場合は処理を終了する。
ステップS14 データ復帰部43は移管先情報を変更する。
ステップS15 モード移行処理手段は通常モードにモードを移行させ、処理を終了する。
【0051】
次に、図6のフローチャートについて説明する。
ステップS12−1 データ復帰部43は移管先のプリンタに設定情報の返却要求を送信する。
ステップS12−2 応答判断処理手段は返却許可応答を受信したかどうかを判断する。返却許可応答を受信した場合はステップS12−3に進み、返却許可応答を受信しない場合はリターンする。
ステップS12−3 設定情報取得処理手段は設定情報を取得する。
ステップS12−4 設定情報取得処理手段は取得した設定情報を自設定情報記録部31に記録し、リターンする。
【0052】
次に、移管元のプリンタから設定情報が移管されるときのプリンタP1の動作について説明する。
【0053】
図7は本発明の第1の実施の形態における移管元のプリンタから設定情報が移管されるときのプリンタの動作を示すフローチャートである。
【0054】
まず、プリンタP1において、データ処理部62の図示されない移管要求受信判断処理手段は、移管要求受信判断処理を行い、移管元のプリンタから設定情報の移管要求を受信したかどうかを判断する。移管元のプリンタから設定情報の移管要求を受信した場合、データ処理部62の図示されない記録可否判断処理手段は、記録可否判断処理を行い、移管元のプリンタの設定情報を他設定情報記録部32に記録すること(移管すること)ができるかどうかを判断し、移管元のプリンタの設定情報を他設定情報記録部32に記録することができる場合、移管許可応答を移管元のプリンタに送信する。
【0055】
続いて、データ受信部44は、データ受信処理を行い、移管元のプリンタの設定情報を受信し、データ記録部45は、データ記録処理を行い、データ受信部44が受信した移管元のプリンタの設定情報を他設定情報記録部32に記録する。そして、移管元のプリンタの設定情報が他設定情報記録部32に記録されると、データ処理部62の図示されない通知処理手段は、通知処理を行い、移管が終了した旨の通知、すなわち、移管完了通知を移管元のプリンタに送信する。そして、移管元のプリンタの設定情報を他設定情報記録部32に記録することができない場合、前記記録可否判断処理手段は、移管不許可応答を移管元のプリンタに送信する。
【0056】
なお、移管元のプリンタの設定情報を他設定情報記録部32に記録するに当たり、不揮発性メモリを使用する場合、不揮発性メモリの耐用年数を長くするために、設定情報を書き込むための領域を変更したり、既に記録された設定情報を消去したりする必要があり、設定情報を他設定情報記録部32に記録するのに必要な時間が長くなってしまう。本実施の形態においては、他設定情報記録部32がRAM15内に形成されるので、設定情報を他設定情報記録部32に記録するのに必要な時間を短くすることができる。
【0057】
また、本実施の形態において、移管元のプリンタの設定情報を他設定情報記録部32に記録することができない場合、前記記録可否判断処理手段は、移管不許可応答を移管元のプリンタに送信するようになっているが、移管不許可応答を移管元のプリンタに送信しないようにすることができる。
【0058】
既に、移管元のプリンタから設定情報が移管されていて、移管元のプリンタから設定情報の移管要求を受信しない場合、データ処理部62の図示されない返却要求判断処理手段は、返却要求判断処理を行い、移管元のプリンタから設定情報の返却要求を受信したかどうかを判断する。
【0059】
移管元のプリンタから設定情報の返却要求を受信した場合、データ処理部62の図示されない記録状態判断処理手段は、記録状態判断処理を行い、移管元のプリンタの設定情報が他設定情報記録部32に記録されているかどうかを判断し、移管元のプリンタの設定情報が記録されている場合、データ返信部46は、データ返信処理を行い、他設定情報記録部32から移管元のプリンタの設定情報を読み出し、移管元のプリンタに送信する。
【0060】
次に、図7のフローチャートについて説明する。
ステップS21 移管要求受信判断処理手段は設定情報の移管要求を受信したかどうかを判断する。設定情報の移管要求を受信した場合はステップS22に、設定情報の移管要求を受信しない場合はステップS27に進む。
ステップS22 記録可否判断処理手段は記録可否判断処理を行う。
ステップS23 記録可否判断処理手段は設定情報を記録することができるかどうかを判断する。設定情報を記録することができる場合はステップS24に、設定情報を記録することができない場合はステップS30に進む。
ステップS24 記録可否判断処理手段は移管許可応答を送信する。
ステップS25 データ受信部44は設定情報を受信する。
ステップS26 通知処理手段は移管完了通知を送信し、処理を終了する。
ステップS27 返却要求判断処理手段は設定情報の返却要求を受信したかどうかを判断する。設定情報の返却要求を受信した場合はステップS28に進み、設定情報の返却要求を受信しない場合は処理を終了する。
ステップS28 記録状態判断処理手段は移管元のプリンタの設定情報が他設定情報記録部32に記録されているかどうかを判断する。移管元のプリンタの設定情報が他設定情報記録部32に記録されている場合はステップS29に進み、移管元のプリンタの設定情報が他設定情報記録部32に記録されていない場合は処理を終了する。
ステップS29 データ返信部46は設定情報を送信し、処理を終了する。
ステップS30 記録可否判断処理手段は移管不許可応答を送信し、処理を終了する。
【0061】
ところで、ホストコンピュータ10(図1)から省電力モードで動作している移管元のプリンタに所定の処理要求が送信されることがある。この場合、省電力モードで動作している移管元のプリンタは、ホストコンピュータ10からの処理要求に対して応答することができない。
【0062】
そこで、本実施の形態においては、省電力モードで動作している移管元のプリンタに処理要求が送信された場合に、プリンタP1において、他設定情報記録部32に記録された設定情報に基づいて代理応答を行うことができるようになっている。
【0063】
次に、ホストコンピュータ10からの移管元のプリンタへの処理要求に対して代理応答を行うときのプリンタP1の動作について説明する。
【0064】
図8は本発明の第1の実施の形態におけるホストコンピュータからの移管元のプリンタへの処理要求に対して代理応答を行うときのプリンタの動作を示すフローチャート、図9は本発明の第1の実施の形態における代理応答可否判断処理のサブルーチンを示す図である。
【0065】
まず、応答処理部63の図示されない処理要求判断処理手段は、処理要求判断処理を行い、ホストコンピュータ10から省電力モードで動作している移管元のプリンタに処理要求がパケットで送信されたかどうかを判断する。なお、前記処理要求は、LAN12を介して接続されたすべてのプリンタに送信される。移管元のプリンタに処理要求が送信された場合、代理応答可否判断部51は、代理応答可否判断処理を行い、ホストコンピュータ10に対してプリンタP1による代理応答が可能であるかどうかを判断する。
【0066】
そのために、前記代理応答可否判断部51は、前記処理要求を解析し、移管元のプリンタから移管された設定情報に基づいて応答することができるかどうかを判断し、移管された設定情報に基づいて応答することができる場合、代理応答が可能であると判断し、移管された設定情報に基づいて応答することができない場合、代理応答が可能でないと判断する。なお、ホストコンピュータ10からの処理要求が、例えば、移管元のプリンタのモード等の状態をホストコンピュータ10に通知する要求である場合、代理応答可否判断部51は、移管された設定情報に基づいて応答することができ、代理応答が可能であると判断する。
【0067】
そして、前記代理応答可否判断処理において、代理応答が可能である場合、代理応答部52は、代理応答処理を行い、ホストコンピュータ10に応答を送信する。このとき、処理要求記録部54は移管された設定情報を適宜修正することができる。
【0068】
また、前記代理応答可否判断処理において、代理応答が可能でない場合、処理要求記録部54は、処理要求記録処理を行い、ホストコンピュータ10からの処理要求を処理要求・データ記録部33に一時的に記録し、前記応答処理部63の図示されない復帰要求送信処理手段は、復帰要求送信処理を行い、移管元のプリンタに対して省電力モードから通常モードにモードを移行させるための要求、すなわち、復帰要求を送信する。
【0069】
そして、移管元のプリンタにおいて、省電力モードから通常モードにモードが移行すると、処理要求転送部55は、処理要求転送処理を行い、前記処理要求・データ記録部33に記録されたホストコンピュータ10からの処理要求を読み出し、移管元のプリンタに送信する。
【0070】
このように、本実施の形態においては、RAM15内に他設定情報記録部32が形成されるので、設定情報を他設定情報記録部32に記録するのに必要な時間を短くすることができる。その結果、通常モードから省電力モードにモードを移行させるのに必要な時間を短くすることができる。
【0071】
次に、図8のフローチャートについて説明する。
ステップS31 処理要求判断処理手段は移管元のプリンタに処理要求が送信されたかどうかを判断する。移管元のプリンタに処理要求が送信された場合はステップS32に進み、移管元のプリンタに処理要求が送信されない場合は処理を終了する。
ステップS32 代理応答可否判断部51は代理応答可否判断処理を行う。
ステップS33 代理応答可否判断部51は代理応答が可能であるかどうかを判断する。代理応答が可能である場合はステップS34に、代理応答が可能でない場合はステップS35に進む。
ステップS34 代理応答部52は応答を送信し、処理を終了する。
ステップS35 処理要求記録部54は処理要求を一時的に記録する。
ステップS36 復帰要求送信処理手段は移管元のプリンタに復帰要求を送信する。
ステップS37 処理要求転送部55は記録された処理要求を読み出す。
ステップS38 処理要求転送部55は移管元のプリンタに処理要求を送信し、処理を終了する。
【0072】
次に、図9のフローチャートについて説明する。
ステップS32−1 代理応答可否判断部51は処理要求を解析する。
ステップS32−2 代理応答可否判断部51は移管された設定情報に基づいて応答することができるかどうかを判断する。移管された設定情報に基づいて応答することができる場合はステップS32−3に、移管された設定情報に基づいて応答することができない場合はステップS32−4に進む。
ステップS32−3 代理応答可否判断部51は代理応答が可能であるを判断し、リターンする。
ステップS32−4 代理応答可否判断部51は代理応答が可能でないと判断し、リターンする。
【0073】
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0074】
図10は本発明の第2の実施の形態における省電力モード移行時のプリンタの動作を示すフローチャートである。
【0075】
この場合、移管処理手段としての移管処理部61(図2)の前記モード移行条件成立判断処理手段は、画像形成装置としてのプリンタP1において、省電力モード移行条件が成立するかどうかを判断する。なお、省電力モード移行条件は、操作者が操作部22を操作して通常モードから省電力モードへのモードの移行を指示した場合において、他の(移管元の)プリンタの設定情報が他設定情報記録部32に記録されていない場合だけでなく、他のプリンタの設定情報が他設定情報記録部32に記録されている場合にも成立する。
【0076】
そして、省電力モード移行条件が成立する場合、移管先検索処理手段としての移管先検索部41は、プリンタP1の設定情報を移管することができる移管先のプリンタを検索する。次に、データ移管処理手段としてのデータ移管部42の前記移管先決定判断処理手段は、前記移管先決定処理において移管先のプリンタが決定されたかどうかを判断し、移管先のプリンタが決定された場合、データ移管部42は、自設定情報記録部31及び他設定情報記録部32に設定情報が記録されている場合に、設定情報を読み出し、送受信処理手段としての送受信処理部21を介して移管先のプリンタに送信することによって、プリンタP1の設定情報を移管するとともに、他のプリンタの設定情報を移管する。移管先のプリンタが決定されない場合は、処理を終了する。
【0077】
続いて、データ移管部42は、設定情報の移管が正常に終了したかどうかを判断し、設定情報の移管が正常に終了すると、移管元記録部38の移管先情報を変更し、移管先のプリンタのIPアドレスを移管先記録部38に記録する。
【0078】
そして、前記移管処理部61の前記モード移行処理手段は、通常モードから省電力モードにモードを移行させる。
【0079】
次に、図10のフローチャートについて説明する。
ステップS41 モード移行条件成立判断処理手段は省電力モード移行条件が成立するかどうかを判断する。省電力モード移行条件が成立する場合はステップS42に進み、省電力モード移行条件が成立しない場合は処理を終了する。
ステップS42 移管先検索部41は移管先検索処理を行う。
ステップS43 移管先決定判断処理手段は移管先のプリンタが決定されたかどうかを判断する。移管先のプリンタが決定された場合はステップS44に、移管先のプリンタが決定されない場合は処理を終了する。
ステップS44 データ移管部42は設定情報を移管する。
ステップS45 データ移管部42は他のプリンタの設定情報を移管する。
ステップS46 データ移管部42は移管が正常に終了したかどうかを判断する。移管が正常に終了した場合はステップS47に進み、移管が正常に終了しない場合は処理を終了する。
ステップS47 データ移管部42は移管先情報を変更する。
ステップS48 モード移行処理手段は省電力モードにモードを移行させ、処理を終了する。
【0080】
次に、通常モード移行時のプリンタPiの動作について説明する。
【0081】
図11は本発明の第2の実施の形態における通常モード移行時のプリンタの動作を示すフローチャートである。
【0082】
まず、前記モード移行条件成立判断処理手段は、プリンタP1において通常モード移行条件が成立するかどうかを判断する。
【0083】
そして、通常モード移行条件が成立する場合、設定情報復帰処理手段としてのデータ復帰部43は、プリンタP1及び他のプリンタの設定情報を復帰させる。そのために、データ復帰部43は、移管先記録部38から移管先情報を読み出し、移管先のプリンタにプリンタP1及び他のプリンタの設定情報の返却要求を送信し、プリンタP1及び他のプリンタの設定情報の返却を要求する。
【0084】
続いて、データ復帰部43の前記応答判断処理手段は、移管先のプリンタからプリンタP1及び他のプリンタの設定情報の返却要求を許可する応答、すなわち、返却許可応答を受信したかどうかを判断する。返却許可応答を受信した場合、データ復帰部43の前記設定情報取得処理手段は、移管先のプリンタの他設定情報記録部32からプリンタP1及び他のプリンタの設定情報を読み出すことによって取得し、プリンタP1の自設定情報記録部31及び他設定情報記録部32にそれぞれ記録する。
【0085】
このようにして、前記設定情報復帰処理が終了すると、データ復帰部43は、移管先記録部38の移管先情報を変更し、移管先記録部38から移管先のプリンタのIPアドレスを削除する。
【0086】
そして、前記モード移行処理手段は、省電力モードから通常モードにモードを移行させる。
【0087】
次に、図11のフローチャートについて説明する。
ステップS51 モード移行条件成立判断処理手段は通常モード移行条件が成立するかどうかを判断する。通常モード移行条件が成立する場合はステップS52に進み、通常モード移行条件が成立しない場合は処理を終了する。
ステップS52 データ復帰部43は設定情報復帰処理を行う。
ステップS53 データ復帰部43は設定情報の復帰が終了したかどうかを判断する。設定情報の復帰が終了した場合はステップS54に進み、設定情報の復帰が終了しない場合は処理を終了する。
ステップS54 データ復帰部43は移管先情報を変更する。
ステップS55 モード移行処理手段は通常モードにモードを移行させ、処理を終了する。
【0088】
次に、移管元のプリンタから設定情報が移管されるときのプリンタP1の動作について説明する。
【0089】
図12は本発明の第2の実施の形態における移管元のプリンタから設定情報が移管されるときのプリンタの動作を示すフローチャートである。
【0090】
まず、プリンタP1において、データ処理手段としてのデータ処理部62の前記移管要求受信判断処理手段は、移管元のプリンタから設定情報の移管要求を受信したかどうかを判断する。移管元のプリンタから設定情報の移管要求を受信した場合、データ処理部62の前記記録可否判断処理手段は、移管元のプリンタ及び他のプリンタの設定情報を他設定情報記録部32に記録することができるかどうかを判断し、移管元のプリンタ及び他のプリンタの設定情報を他設定情報記録部32に記録することができる場合、移管許可応答を移管元のプリンタに送信する。
【0091】
続いて、データ受信処理手段としてのデータ受信部44は、移管元のプリンタ及び他のプリンタの設定情報を受信し、データ記録処理手段としてのデータ記録部45は、データ受信部44が受信した移管元のプリンタ及び他のプリンタの設定情報を他設定情報記録部32に記録する。そして、移管元のプリンタ及び他のプリンタの設定情報が他設定情報記録部32に記録されると、データ処理部62の前記通知処理手段は、移管完了通知を移管元のプリンタに送信する。そして、移管元のプリンタ及び他のプリンタの設定情報を他設定情報記録部32に記録することができない場合、前記記録可否判断処理手段は、移管不許可応答を移管元のプリンタに送信する。
【0092】
既に、移管元のプリンタから設定情報が移管されていて、移管元のプリンタから設定情報の移管要求を受信しない場合、データ処理部62の前記返却要求判断処理手段は、移管元のプリンタから設定情報の返却要求を受信したかどうかを判断する。
【0093】
移管元のプリンタから設定情報の返却要求を受信した場合、データ処理部62の前記記録状態判断処理手段は、移管元のプリンタ及び他のプリンタの設定情報が他設定情報記録部32に記録されているかどうかを判断し、移管元のプリンタ及び他のプリンタの設定情報が記録されている場合、データ返信処理手段としてのデータ返信部46は、他設定情報記録部32から移管元のプリンタ及び他のプリンタの設定情報を読み出し、移管元のプリンタに送信する。
【0094】
次に、図12のフローチャートについて説明する。
ステップS61 移管要求受信判断処理手段は設定情報の移管要求を受信したかどうかを判断する。設定情報の移管要求を受信した場合はステップS62に、設定情報の移管要求を受信しない場合はステップS67に進む。
ステップS62 記録可否判断処理手段は記録可否判断処理を行う。
ステップS63 記録可否判断処理手段は設定情報を記録することができるかどうかを判断する。設定情報を記録することができる場合はステップS64に、設定情報を記録することができない場合はステップS70に進む。
ステップS64 記録可否判断処理手段は移管許可応答を送信する。
ステップS65 データ受信部44は設定情報を受信する。
ステップS66 通知処理手段は移管完了通知を送信し、処理を終了する。
ステップS67 返却要求判断処理手段は設定情報の返却要求を受信したかどうかを判断する。設定情報の返却要求を受信した場合はステップS68に進み、設定情報の返却要求を受信しない場合は処理を終了する。
ステップS68 記録状態判断処理手段は移管元のプリンタ及び他のプリンタの設定情報が他設定情報記録部32に記録されているかどうかを判断する。移管元のプリンタ及び他のプリンタの設定情報が他設定情報記録部32に記録されている場合はステップS69に進み、移管元のプリンタ及び他のプリンタの設定情報が他設定情報記録部32に記録されていない場合は処理を終了する。
ステップS69 データ返信部46は設定情報を送信し、処理を終了する。
ステップS70 記録可否判断処理手段は移管不許可応答を送信し、処理を終了する。
【0095】
次に、上位装置としてのホストコンピュータ10からの移管元のプリンタへの処理要求に対して代理応答を行うときのプリンタP1の動作について説明する。
【0096】
図13は本発明の第2の実施の形態におけるホストコンピュータからの移管元のプリンタへの処理要求に対して代理応答を行うときのプリンタの動作を示すフローチャートである。
【0097】
まず、応答処理手段としての応答処理部63の前記処理要求判断処理手段は、ホストコンピュータ10から省電力モードで動作している移管元のプリンタに処理要求がパケットで送信されたかどうかを判断し、移管元のプリンタに処理要求が送信された場合、代理応答可否判断処理手段としての代理応答可否判断部51は、ホストコンピュータ10に対してプリンタP1による代理応答が可能であるかどうかを判断する。
【0098】
そして、前記代理応答可否判断処理において、代理応答が可能である場合、代理応答処理手段としての代理応答部52は、ホストコンピュータ10に応答を送信する。
【0099】
また、前記代理応答可否判断処理において、代理応答が可能でない場合、処理要求記録処理手段としての処理要求記録部54は、ホストコンピュータ10からの処理要求を処理要求・データ記録部33に一時的に記録し、前記応答処理部63の前記復帰要求送信処理手段は、移管元のプリンタに対して省電力モードから通常モードにモードを移行させるための復帰要求を送信する。
【0100】
そして、移管元のプリンタにおいて、省電力モードから通常モードにモードが移行すると、処理要求転送処理手段としての処理要求転送部55は、前記処理要求・データ記録部33に記録されたホストコンピュータ10からの処理要求を読み出し、移管元のプリンタに送信する。
【0101】
このように、本実施の形態においては、第1の記憶装置としてのRAM15内に他設定情報記録部32が形成されるので、設定情報を他設定情報記録部32に記録するのに必要な時間を短くすることができる。その結果、通常モードから省電力モードにモードを移行させるのに必要な時間を短くすることができる。
【0102】
また、移管元のプリンタにおいて、他のプリンタの設定情報が移管されていても、通常モードから省電力モードにモードを移行させることができる。
【0103】
次に、図13のフローチャートについて説明する。
ステップS71 処理要求判断処理手段は移管元のプリンタに処理要求が送信されたかどうかを判断する。移管元のプリンタに処理要求が送信された場合はステップS72に進み、移管元のプリンタに処理要求が送信されない場合は処理を終了する。
ステップS72 代理応答可否判断部51は代理応答可否判断処理を行う。
ステップS73 代理応答可否判断部51は代理応答が可能であるかどうかを判断する。代理応答が可能である場合はステップS74に、代理応答が可能でない場合はステップS75に進む。
ステップS74 代理応答部52は応答を送信し、処理を終了する。
ステップS75 処理要求記録部54は処理要求を一時的に記録する。
ステップS76 復帰要求送信処理手段は移管元のプリンタに復帰要求を送信する。
ステップS77 処理要求転送部55は記録された処理要求を読み出す。
ステップS78 処理要求転送部55は移管元のプリンタに処理要求を送信し、処理を終了する。
【0104】
前記各実施の形態においては、画像形成装置としてのプリンタについて説明したが、本発明を複写機、ファクシミリ、複合機等に適用することができる。
【0105】
また、前記各実施の形態においては、各プリンタPiに他設定情報記録部32が配設されるようになっているが、各プリンタPiのうちの所定のプリンタにおいて、他設定情報記録部32を配設しないようにすることができる。その場合、前記所定のプリンタは、設定情報の移管元のプリンタとしてだけ機能する。
【0106】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0107】
12 LAN
32 他設定情報記録部
41 移管先検索部
42 データ移管部
43 データ復帰部
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機(MFP)等の画像形成装置、例えば、プリンタを、LAN等のネットワークを介して他のプリンタ、複合機等と接続することによって、画像形成システムが形成されるようになっている。
【0003】
該画像形成システムにおいては、プリンタに、電力の消費を抑制しないモード、すなわち、通常モード、及び電力の消費を抑制するモード、すなわち、省電力モードが設定され、通常モードから省電力モードに、省電力モードから通常モードにモードを移行させることができる。
【0004】
そして、通常モードから省電力モードにモードを移行させる場合は、プリンタに配設された記憶装置としてのRAM等に記録されたプログラム、データ等の設定情報を不揮発性メモリに記録(退避)した後、前記RAM等への電力の供給を遮断するようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−6007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、一般に、RAM等に記録された情報を不揮発性メモリに記録するのに必要な時間は長い。
【0007】
本発明は、記憶装置等に記録された情報を不揮発性メモリに記録する必要がない画像形成装置及び画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのために、本発明の画像形成装置においては、省電力モード移行条件が成立する場合、ネットワークを介して接続された、設定情報を移管することができる移管先の画像形成装置を検索する移管先検索処理手段と、前記移管先の画像形成装置が決定された場合に、設定情報を移管先の画像形成装置に送信するデータ移管処理手段と、通常モード移行条件が成立する場合、前記移管先の画像形成装置の他設定情報記録部に記録された設定情報を移管元の画像形成装置に復帰させる設定情報復帰処理手段とを有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像形成装置においては、省電力モード移行条件が成立する場合、ネットワークを介して接続された、設定情報を移管することができる移管先の画像形成装置を検索する移管先検索処理手段と、前記移管先の画像形成装置が決定された場合に、設定情報を移管先の画像形成装置に送信するデータ移管処理手段と、通常モード移行条件が成立する場合、前記移管先の画像形成装置の他設定情報記録部に記録された設定情報を移管元の画像形成装置に復帰させる設定情報復帰処理手段とを有する。
【0010】
この場合、通常モードから省電力モードへの移行条件が成立すると、移管先の画像形成装置が検索され、画像形成装置の設定情報が移管先の画像形成装置に送信されるので、モードを移行させるのに必要な時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施の形態における画像形成システムの概念図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの記憶装置及び処理部の接続状態を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における省電力モード移行時のプリンタの動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態における移管先検索処理のサブルーチンを示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における通常モード移行時のプリンタの動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態における設定情報復帰処理のサブルーチンを示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における移管元のプリンタから設定情報が移管されるときのプリンタの動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施の形態におけるホストコンピュータからの移管元のプリンタへの処理要求に対して代理応答を行うときのプリンタの動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施の形態における代理応答可否判断処理のサブルーチンを示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態における省電力モード移行時のプリンタの動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施の形態における通常モード移行時のプリンタの動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第2の実施の形態における移管元のプリンタから設定情報が移管されるときのプリンタの動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施の形態におけるホストコンピュータからの移管元のプリンタへの処理要求に対して代理応答を行うときのプリンタの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としてのプリンタを使用した場合について説明する。
【0013】
図1は本発明の第1の実施の形態における画像形成システムの概念図である。
【0014】
図において、11は画像形成システムであり、該画像形成システム11は、上位装置としてのホストコンピュータ10及び複数のプリンタPi(i=1、2、…、n)をネットワーク、本実施の形態においては、LAN12を介して接続することによって形成される。なお、cbi(i=1、2、…、n)はランケーブルである。
【0015】
次に、プリンタPiについて説明する。この場合、各プリンタPiの構造は同じであるので、プリンタP1についてだけ説明する。
【0016】
プリンタP1は、図示されないCPUから成る制御部14、読書き自在な第1の記憶装置(内部記憶装置)としてのRAM15、各種のプログラム、データ等が記録された読出専用の第2の記憶装置(内部記憶装置)としてのROM16、読書き自在な第3の記憶装置としての、かつ、不揮発性メモリとしてのフラッシュメモリ17、ランケーブルcb1を介してLAN12と接続され、各種のデータの送受信を行う送受信処理手段としての送受信処理部21、操作部22、印刷機構部23、該印刷機構部23の制御を行う印刷制御部24等を備える。前記操作部22は、操作パネル等から成り、操作者がプリンタP1に対して設定の変更、機能の実行等の指示を行うためのキー、ボタン等の操作要素、及びプリンタP1の状態を表示するための表示パネル等の表示要素を備える。
【0017】
前記RAM15は、プリンタP1のプログラム、データ等の設定情報(自設定情報)を記録するための自設定情報記録部31、他のプリンタ(プリンタP2、P3、…、Pnのうちの所定のプリンタ)から移管された他のプリンタの設定情報(他設定情報)を記録するための他設定情報記録部32、ホストコンピュータ10からの他のプリンタに対する処理要求、及び該処理要求の対象となるデータを一時的に記録するための処理要求・データ記録部33等を備える。
【0018】
前記フラッシュメモリ17は、通常モードから省電力モードにモードを移行させる際(以下「省電力モード移行時」という。)に、設定情報を移管する先のプリンタ、すなわち、移管先のプリンタの情報(以下「移管先情報」という。)を記録するための移管先記録部38を備える。
【0019】
そして、前記制御部14は、省電力モード移行時に、プリンタP1の設定情報を移管することができる移管先のプリンタを検索する移管先検索処理手段としての移管先検索部41、省電力モード移行時に、前記プリンタP1の設定情報を移管先のプリンタに送信するデータ移管処理手段としてのデータ移管部42、省電力モードから通常モードにモードを移行させる際(以下「通常モード移行時」という。)に、移管先のプリンタに返却要求を送信し、プリンタP1の設定情報をプリンタP1に復帰させる(取得する。)設定情報復帰処理手段としてのデータ復帰部43、他のプリンタのうちの、設定情報を移管しようとするプリンタである移管元のプリンタから、設定情報を移管する要求である移管要求を受信して、移管元のプリンタの設定情報を受信するデータ受信処理手段としてのデータ受信部44、移管元のプリンタの設定情報を記録するデータ記録処理手段としてのデータ記録部45、移管元のプリンタから受信した設定情報を返却する要求である返却要求を受信して、移管元のプリンタに設定情報を送信するデータ返信処理手段としてのデータ返信部46、ホストコンピュータ10から移管元のプリンタに対して処理要求、例えば、印刷要求が送信された場合に、プリンタP1において代理応答が可能であるかどうかを判断する代理応答可否判断処理手段としての代理応答可否判断部51、代理応答が可能である場合に、代理応答を行う代理応答処理手段としての代理応答部52、移管元のプリンタに対して省電力モードから通常モードへのモードの移行を指示する復帰要求処理手段としての復帰要求部53、ホストコンピュータ10からの処理要求を記録する処理要求記録処理手段としての処理要求記録部54、ホストコンピュータ10からの処理要求を移管元のプリンタに転送する処理要求転送処理手段としての処理要求転送部55等を備える。
【0020】
前記自設定情報記録部31には、表1で表されるようなプリンタP1の設定情報が、前記他設定情報記録部32には、表2で表されるようなプリンタP2、P3、…、Pnの設定情報が記録される。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
前記自設定情報記録部31及び他設定情報記録部32に記録される設定情報は、IDによって特定される各設定項目及び設定値から成り、本実施の形態において、設定項目は、印刷補正データ、フォントデータ、一時保管中の印刷データ、IPアドレス、MACアドレス、装置名等のデータのほかに所定のプログラムから成る。
【0024】
なお、他設定情報記録部32に記録される設定情報は、プリンタP2、P3、…、Pnにおいて自設定情報記録部31に記録される設定情報と同じである必要はなく、適宜変更することができる。
【0025】
また、移管先記録部38には、表3及び4に示されるような移管先情報が記録される。
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】
該移管先情報は、IDによって特定される移管先のプリンタのIPアドレスから成る。表3は移管先情報が記録される前の移管先記録部38の状態を、表4は移管先情報が記録された後の移管先記録部38の状態を表す。前記移管先情報は、設定情報を移管する際に移管先記録部38に記録されるが、あらかじめ移管先を設定し、移管先記録部38に記録しておくこともできる。
【0029】
なお、本実施の形態において、前記設定情報及び移管先情報は、MIB(Management Information Base(管理情報データベース))において定義され、一般の通信プロトコル、例えば、SNMP(Simple Network Management Protocol)ツール等によって参照することができる。また、Webブラウザ、プリンタ本体のオペレーションパネル等によって参照することもできる。
【0030】
図2は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの記憶装置及び処理部の接続状態を示す図である。
【0031】
プリンタPiにおいて、送受信処理部21はLAN12(図1)と接続されるとともに、移管処理手段としての移管処理部61、データ処理手段としてのデータ処理部62、及び応答処理手段としての応答処理部63と接続される。そして、前記移管処理部61、データ処理部62及び応答処理部63は、RAM15及びROM16と接続され、移管処理部61はフラッシュメモリ17と接続される。
【0032】
なお、移管処理部61は、前記移管先検索部41、データ移管部42及びデータ復帰部43を、データ処理部62は、前記データ受信部44、データ記録部45及びデータ返信部46を、応答処理部63は、前記代理応答可否判断部51、代理応答部52、復帰要求部53、処理要求記録部54及び処理要求転送部55を備え、いずれも制御部14に配設される。
【0033】
次に、省電力モード移行時のプリンタPiの動作について説明する。
【0034】
図3は本発明の第1の実施の形態における省電力モード移行時のプリンタの動作を示すフローチャート、図4は本発明の第1の実施の形態における移管先検索処理のサブルーチンを示す図である。
【0035】
まず、移管処理部61の図示されないモード移行条件成立判断処理手段は、モード移行条件成立判断処理を行い、プリンタP1において、通常モードから省電力モードにモードを移行させる条件、すなわち、省電力モード移行条件が成立するかどうかを判断する。なお、省電力モード移行条件は、操作者が操作部22を操作して通常モードから省電力モードへのモードの移行を指示した場合において、他のプリンタの設定情報が他設定情報記録部32に記録されていない場合に成立する。
【0036】
そして、省電力モード移行条件が成立する場合、移管先検索部41は移管先検索処理を行い、プリンタP1の設定情報を移管することができる移管先のプリンタを検索する。そのために、前記移管先検索部41の図示されない指定有無判断処理手段は、指定有無判断処理を行い、操作者によって移管先のプリンタがあらかじめ指定されているかどうかを判断する。移管先のプリンタがあらかじめ指定されている場合、移管先検索部41の図示されない格納要求送信処理手段は、格納要求送信処理を行い、前記指定されているプリンタに移管要求を送信し、移管先検索部41の図示されない応答判断処理手段は、応答判断処理を行い、前記指定されているプリンタから設定情報の移管を許可する応答、すなわち、移管許可応答を受信したかどうか、又は設定情報の移管を許可しない応答、すなわち、移管不許可応答を受信したかどうかを判断する。前記応答判断処理手段において、移管許可応答を受信した場合、移管先検索部41の図示されない移管先決定処理手段は、移管先決定処理を行い、指定されているプリンタを移管先のプリンタとして決定する。
【0037】
移管先のプリンタがあらかじめ指定されていない場合、及び前記移管先検索部41が前記指定されているプリンタから移管不許可応答を受信した場合、前記格納要求送信処理手段は、プリンタP1以外のすべてのプリンタに対して移管要求のパケットの広域送信を行い、前記応答判断処理手段は、移管許可応答を受信したかどうかを判断し、移管許可応答を受信した場合、前記移管先決定処理手段は、複数のプリンタのうちの最初に移管許可応答を送信したプリンタを移管先のプリンタとして決定する。
【0038】
次に、データ移管部42の図示されない移管先決定判断処理手段は、移管先決定判断処理を行い、前記移管先決定処理において移管先のプリンタが決定されたかどうかを判断する。移管先のプリンタが決定された場合、データ移管部42はデータ移管処理を行い、自設定情報記録部31から設定情報を読み出し、送受信処理部21を介して移管先のプリンタに送信することによって設定情報を移管する。なお、移管先のプリンタが決定されない場合、処理を終了する。
【0039】
続いて、データ移管部42は、設定情報の移管が正常に終了したかどうかを判断し、設定情報の移管が正常に終了すると、移管先記録部38の移管先情報を変更し、移管先のプリンタのIPアドレスを移管先記録部38に記録する。
【0040】
そして、移管処理部61の図示されないモード移行処理手段は、モード移行処理を行い、通常モードから省電力モードにモードを移行させる。
【0041】
次に、図3のフローチャートについて説明する。
ステップS1 モード移行条件成立判断処理手段は省電力モード移行条件が成立するかどうかを判断する。省電力モード移行条件が成立する場合はステップS2に進み、省電力モード移行条件が成立しない場合は処理を終了する。
ステップS2 移管先検索部41は移管先検索処理を行う。
ステップS3 移管先決定判断処理手段は移管先のプリンタが決定されたかどうかを判断する。移管先のプリンタが決定された場合はステップS4に進み、移管先のプリンタが決定されない場合は処理を終了する。
ステップS4 データ移管部42は設定情報を移管する。
ステップS5 データ移管部42は移管が正常に終了したかどうかを判断する。移管が正常に終了した場合はステップS6に進み、移管が正常に終了しない場合は処理を終了する。
ステップS6 データ移管部42は移管先情報を変更する。
ステップS7 モード移行処理手段は省電力モードにモードを移行させ、処理を終了する。
【0042】
次に、図4のフローチャートについて説明する。
ステップS2−1 指定有無判断処理手段は移管先のプリンタが指定されているかどうかを判断する。移管先のプリンタが指定されている場合はステップS2−2に、移管先のプリンタが指定されていない場合はステップS2−5に進む。
ステップS2−2 格納要求送信処理手段は指定されているプリンタに移管要求を送信する。
ステップS2−3 応答判断処理手段は移管許可応答を受信したかどうかを判断する。移管許可応答を受信した場合はステップS2−4に、移管許可応答を受信しない場合はステップS2−5に進む。
ステップS2−4 移管先決定処理手段は指定されているプリンタを移管先のプリンタとして決定し、リターンする。
ステップS2−5 格納要求送信処理手段は移管要求のパケットの広域送信を行う。
ステップS2−6 応答判断処理手段は移管許可応答を受信したかどうかを判断する。移管許可応答を受信した場合はステップS2−7に進み、移管許可応答を受信しない場合はリターンする。
ステップS2−7 移管先決定処理手段は最初に移管許可応答を送信したプリンタを移管先のプリンタとして決定し、リターンする。
【0043】
次に、通常モード移行時のプリンタPiの動作について説明する。
【0044】
図5は本発明の第1の実施の形態における通常モード移行時のプリンタの動作を示すフローチャート、図6は本発明の第1の実施の形態における設定情報復帰処理のサブルーチンを示す図である。
【0045】
まず、前記モード移行条件成立判断処理手段は、プリンタP1において、省電力モードから通常モードにモードを移行させる条件、すなわち、通常モード移行条件が成立するかどうかを判断する。なお、通常モード移行条件は、操作者が操作部22を操作して省電力モードから通常モードへのモードの移行を指示した場合に成立する。
【0046】
そして、通常モード移行条件が成立する場合、データ復帰部43は、設定情報復帰処理を行い、プリンタP1の設定情報を復帰させる。そのために、データ復帰部43は、移管先記録部38から移管先情報を読み出し、移管先のプリンタにプリンタP1の設定情報の返却要求を送信し、プリンタP1の設定情報の返却を要求する。
【0047】
続いて、データ復帰部43の図示されない応答判断処理手段は、応答判断処理を行い、移管先のプリンタからプリンタP1の設定情報の返却要求を許可する応答、すなわち、返却許可応答を受信したかどうかを判断する。返却許可応答を受信した場合、データ復帰部43の図示されない設定情報取得処理手段は、設定情報取得処理を行い、移管先のプリンタの他設定情報記録部32からプリンタP1の設定情報を読み出すことによって取得し、プリンタP1の自設定情報記録部31に記録する。
【0048】
このようにして、前記設定情報復帰処理が終了すると、データ復帰部43は、移管先記録部38の移管先情報を変更し、移管先記録部38から移管先のプリンタのIPアドレスを削除する。
【0049】
そして、前記モード移行処理手段は、省電力モードから通常モードにモードを移行させる。
【0050】
次に、図5のフローチャートについて説明する。
ステップS11 モード移行条件成立判断処理手段は通常モード移行条件が成立するかどうかを判断する。通常モード移行条件が成立する場合はステップS12に進み、通常モード移行条件が成立しない場合は処理を終了する。
ステップS12 データ復帰部43は設定情報復帰処理を行う。
ステップS13 データ復帰部43は設定情報の復帰が終了したかどうかを判断する。設定情報の復帰が終了した場合はステップS14に進み、設定情報の復帰が終了しない場合は処理を終了する。
ステップS14 データ復帰部43は移管先情報を変更する。
ステップS15 モード移行処理手段は通常モードにモードを移行させ、処理を終了する。
【0051】
次に、図6のフローチャートについて説明する。
ステップS12−1 データ復帰部43は移管先のプリンタに設定情報の返却要求を送信する。
ステップS12−2 応答判断処理手段は返却許可応答を受信したかどうかを判断する。返却許可応答を受信した場合はステップS12−3に進み、返却許可応答を受信しない場合はリターンする。
ステップS12−3 設定情報取得処理手段は設定情報を取得する。
ステップS12−4 設定情報取得処理手段は取得した設定情報を自設定情報記録部31に記録し、リターンする。
【0052】
次に、移管元のプリンタから設定情報が移管されるときのプリンタP1の動作について説明する。
【0053】
図7は本発明の第1の実施の形態における移管元のプリンタから設定情報が移管されるときのプリンタの動作を示すフローチャートである。
【0054】
まず、プリンタP1において、データ処理部62の図示されない移管要求受信判断処理手段は、移管要求受信判断処理を行い、移管元のプリンタから設定情報の移管要求を受信したかどうかを判断する。移管元のプリンタから設定情報の移管要求を受信した場合、データ処理部62の図示されない記録可否判断処理手段は、記録可否判断処理を行い、移管元のプリンタの設定情報を他設定情報記録部32に記録すること(移管すること)ができるかどうかを判断し、移管元のプリンタの設定情報を他設定情報記録部32に記録することができる場合、移管許可応答を移管元のプリンタに送信する。
【0055】
続いて、データ受信部44は、データ受信処理を行い、移管元のプリンタの設定情報を受信し、データ記録部45は、データ記録処理を行い、データ受信部44が受信した移管元のプリンタの設定情報を他設定情報記録部32に記録する。そして、移管元のプリンタの設定情報が他設定情報記録部32に記録されると、データ処理部62の図示されない通知処理手段は、通知処理を行い、移管が終了した旨の通知、すなわち、移管完了通知を移管元のプリンタに送信する。そして、移管元のプリンタの設定情報を他設定情報記録部32に記録することができない場合、前記記録可否判断処理手段は、移管不許可応答を移管元のプリンタに送信する。
【0056】
なお、移管元のプリンタの設定情報を他設定情報記録部32に記録するに当たり、不揮発性メモリを使用する場合、不揮発性メモリの耐用年数を長くするために、設定情報を書き込むための領域を変更したり、既に記録された設定情報を消去したりする必要があり、設定情報を他設定情報記録部32に記録するのに必要な時間が長くなってしまう。本実施の形態においては、他設定情報記録部32がRAM15内に形成されるので、設定情報を他設定情報記録部32に記録するのに必要な時間を短くすることができる。
【0057】
また、本実施の形態において、移管元のプリンタの設定情報を他設定情報記録部32に記録することができない場合、前記記録可否判断処理手段は、移管不許可応答を移管元のプリンタに送信するようになっているが、移管不許可応答を移管元のプリンタに送信しないようにすることができる。
【0058】
既に、移管元のプリンタから設定情報が移管されていて、移管元のプリンタから設定情報の移管要求を受信しない場合、データ処理部62の図示されない返却要求判断処理手段は、返却要求判断処理を行い、移管元のプリンタから設定情報の返却要求を受信したかどうかを判断する。
【0059】
移管元のプリンタから設定情報の返却要求を受信した場合、データ処理部62の図示されない記録状態判断処理手段は、記録状態判断処理を行い、移管元のプリンタの設定情報が他設定情報記録部32に記録されているかどうかを判断し、移管元のプリンタの設定情報が記録されている場合、データ返信部46は、データ返信処理を行い、他設定情報記録部32から移管元のプリンタの設定情報を読み出し、移管元のプリンタに送信する。
【0060】
次に、図7のフローチャートについて説明する。
ステップS21 移管要求受信判断処理手段は設定情報の移管要求を受信したかどうかを判断する。設定情報の移管要求を受信した場合はステップS22に、設定情報の移管要求を受信しない場合はステップS27に進む。
ステップS22 記録可否判断処理手段は記録可否判断処理を行う。
ステップS23 記録可否判断処理手段は設定情報を記録することができるかどうかを判断する。設定情報を記録することができる場合はステップS24に、設定情報を記録することができない場合はステップS30に進む。
ステップS24 記録可否判断処理手段は移管許可応答を送信する。
ステップS25 データ受信部44は設定情報を受信する。
ステップS26 通知処理手段は移管完了通知を送信し、処理を終了する。
ステップS27 返却要求判断処理手段は設定情報の返却要求を受信したかどうかを判断する。設定情報の返却要求を受信した場合はステップS28に進み、設定情報の返却要求を受信しない場合は処理を終了する。
ステップS28 記録状態判断処理手段は移管元のプリンタの設定情報が他設定情報記録部32に記録されているかどうかを判断する。移管元のプリンタの設定情報が他設定情報記録部32に記録されている場合はステップS29に進み、移管元のプリンタの設定情報が他設定情報記録部32に記録されていない場合は処理を終了する。
ステップS29 データ返信部46は設定情報を送信し、処理を終了する。
ステップS30 記録可否判断処理手段は移管不許可応答を送信し、処理を終了する。
【0061】
ところで、ホストコンピュータ10(図1)から省電力モードで動作している移管元のプリンタに所定の処理要求が送信されることがある。この場合、省電力モードで動作している移管元のプリンタは、ホストコンピュータ10からの処理要求に対して応答することができない。
【0062】
そこで、本実施の形態においては、省電力モードで動作している移管元のプリンタに処理要求が送信された場合に、プリンタP1において、他設定情報記録部32に記録された設定情報に基づいて代理応答を行うことができるようになっている。
【0063】
次に、ホストコンピュータ10からの移管元のプリンタへの処理要求に対して代理応答を行うときのプリンタP1の動作について説明する。
【0064】
図8は本発明の第1の実施の形態におけるホストコンピュータからの移管元のプリンタへの処理要求に対して代理応答を行うときのプリンタの動作を示すフローチャート、図9は本発明の第1の実施の形態における代理応答可否判断処理のサブルーチンを示す図である。
【0065】
まず、応答処理部63の図示されない処理要求判断処理手段は、処理要求判断処理を行い、ホストコンピュータ10から省電力モードで動作している移管元のプリンタに処理要求がパケットで送信されたかどうかを判断する。なお、前記処理要求は、LAN12を介して接続されたすべてのプリンタに送信される。移管元のプリンタに処理要求が送信された場合、代理応答可否判断部51は、代理応答可否判断処理を行い、ホストコンピュータ10に対してプリンタP1による代理応答が可能であるかどうかを判断する。
【0066】
そのために、前記代理応答可否判断部51は、前記処理要求を解析し、移管元のプリンタから移管された設定情報に基づいて応答することができるかどうかを判断し、移管された設定情報に基づいて応答することができる場合、代理応答が可能であると判断し、移管された設定情報に基づいて応答することができない場合、代理応答が可能でないと判断する。なお、ホストコンピュータ10からの処理要求が、例えば、移管元のプリンタのモード等の状態をホストコンピュータ10に通知する要求である場合、代理応答可否判断部51は、移管された設定情報に基づいて応答することができ、代理応答が可能であると判断する。
【0067】
そして、前記代理応答可否判断処理において、代理応答が可能である場合、代理応答部52は、代理応答処理を行い、ホストコンピュータ10に応答を送信する。このとき、処理要求記録部54は移管された設定情報を適宜修正することができる。
【0068】
また、前記代理応答可否判断処理において、代理応答が可能でない場合、処理要求記録部54は、処理要求記録処理を行い、ホストコンピュータ10からの処理要求を処理要求・データ記録部33に一時的に記録し、前記応答処理部63の図示されない復帰要求送信処理手段は、復帰要求送信処理を行い、移管元のプリンタに対して省電力モードから通常モードにモードを移行させるための要求、すなわち、復帰要求を送信する。
【0069】
そして、移管元のプリンタにおいて、省電力モードから通常モードにモードが移行すると、処理要求転送部55は、処理要求転送処理を行い、前記処理要求・データ記録部33に記録されたホストコンピュータ10からの処理要求を読み出し、移管元のプリンタに送信する。
【0070】
このように、本実施の形態においては、RAM15内に他設定情報記録部32が形成されるので、設定情報を他設定情報記録部32に記録するのに必要な時間を短くすることができる。その結果、通常モードから省電力モードにモードを移行させるのに必要な時間を短くすることができる。
【0071】
次に、図8のフローチャートについて説明する。
ステップS31 処理要求判断処理手段は移管元のプリンタに処理要求が送信されたかどうかを判断する。移管元のプリンタに処理要求が送信された場合はステップS32に進み、移管元のプリンタに処理要求が送信されない場合は処理を終了する。
ステップS32 代理応答可否判断部51は代理応答可否判断処理を行う。
ステップS33 代理応答可否判断部51は代理応答が可能であるかどうかを判断する。代理応答が可能である場合はステップS34に、代理応答が可能でない場合はステップS35に進む。
ステップS34 代理応答部52は応答を送信し、処理を終了する。
ステップS35 処理要求記録部54は処理要求を一時的に記録する。
ステップS36 復帰要求送信処理手段は移管元のプリンタに復帰要求を送信する。
ステップS37 処理要求転送部55は記録された処理要求を読み出す。
ステップS38 処理要求転送部55は移管元のプリンタに処理要求を送信し、処理を終了する。
【0072】
次に、図9のフローチャートについて説明する。
ステップS32−1 代理応答可否判断部51は処理要求を解析する。
ステップS32−2 代理応答可否判断部51は移管された設定情報に基づいて応答することができるかどうかを判断する。移管された設定情報に基づいて応答することができる場合はステップS32−3に、移管された設定情報に基づいて応答することができない場合はステップS32−4に進む。
ステップS32−3 代理応答可否判断部51は代理応答が可能であるを判断し、リターンする。
ステップS32−4 代理応答可否判断部51は代理応答が可能でないと判断し、リターンする。
【0073】
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0074】
図10は本発明の第2の実施の形態における省電力モード移行時のプリンタの動作を示すフローチャートである。
【0075】
この場合、移管処理手段としての移管処理部61(図2)の前記モード移行条件成立判断処理手段は、画像形成装置としてのプリンタP1において、省電力モード移行条件が成立するかどうかを判断する。なお、省電力モード移行条件は、操作者が操作部22を操作して通常モードから省電力モードへのモードの移行を指示した場合において、他の(移管元の)プリンタの設定情報が他設定情報記録部32に記録されていない場合だけでなく、他のプリンタの設定情報が他設定情報記録部32に記録されている場合にも成立する。
【0076】
そして、省電力モード移行条件が成立する場合、移管先検索処理手段としての移管先検索部41は、プリンタP1の設定情報を移管することができる移管先のプリンタを検索する。次に、データ移管処理手段としてのデータ移管部42の前記移管先決定判断処理手段は、前記移管先決定処理において移管先のプリンタが決定されたかどうかを判断し、移管先のプリンタが決定された場合、データ移管部42は、自設定情報記録部31及び他設定情報記録部32に設定情報が記録されている場合に、設定情報を読み出し、送受信処理手段としての送受信処理部21を介して移管先のプリンタに送信することによって、プリンタP1の設定情報を移管するとともに、他のプリンタの設定情報を移管する。移管先のプリンタが決定されない場合は、処理を終了する。
【0077】
続いて、データ移管部42は、設定情報の移管が正常に終了したかどうかを判断し、設定情報の移管が正常に終了すると、移管元記録部38の移管先情報を変更し、移管先のプリンタのIPアドレスを移管先記録部38に記録する。
【0078】
そして、前記移管処理部61の前記モード移行処理手段は、通常モードから省電力モードにモードを移行させる。
【0079】
次に、図10のフローチャートについて説明する。
ステップS41 モード移行条件成立判断処理手段は省電力モード移行条件が成立するかどうかを判断する。省電力モード移行条件が成立する場合はステップS42に進み、省電力モード移行条件が成立しない場合は処理を終了する。
ステップS42 移管先検索部41は移管先検索処理を行う。
ステップS43 移管先決定判断処理手段は移管先のプリンタが決定されたかどうかを判断する。移管先のプリンタが決定された場合はステップS44に、移管先のプリンタが決定されない場合は処理を終了する。
ステップS44 データ移管部42は設定情報を移管する。
ステップS45 データ移管部42は他のプリンタの設定情報を移管する。
ステップS46 データ移管部42は移管が正常に終了したかどうかを判断する。移管が正常に終了した場合はステップS47に進み、移管が正常に終了しない場合は処理を終了する。
ステップS47 データ移管部42は移管先情報を変更する。
ステップS48 モード移行処理手段は省電力モードにモードを移行させ、処理を終了する。
【0080】
次に、通常モード移行時のプリンタPiの動作について説明する。
【0081】
図11は本発明の第2の実施の形態における通常モード移行時のプリンタの動作を示すフローチャートである。
【0082】
まず、前記モード移行条件成立判断処理手段は、プリンタP1において通常モード移行条件が成立するかどうかを判断する。
【0083】
そして、通常モード移行条件が成立する場合、設定情報復帰処理手段としてのデータ復帰部43は、プリンタP1及び他のプリンタの設定情報を復帰させる。そのために、データ復帰部43は、移管先記録部38から移管先情報を読み出し、移管先のプリンタにプリンタP1及び他のプリンタの設定情報の返却要求を送信し、プリンタP1及び他のプリンタの設定情報の返却を要求する。
【0084】
続いて、データ復帰部43の前記応答判断処理手段は、移管先のプリンタからプリンタP1及び他のプリンタの設定情報の返却要求を許可する応答、すなわち、返却許可応答を受信したかどうかを判断する。返却許可応答を受信した場合、データ復帰部43の前記設定情報取得処理手段は、移管先のプリンタの他設定情報記録部32からプリンタP1及び他のプリンタの設定情報を読み出すことによって取得し、プリンタP1の自設定情報記録部31及び他設定情報記録部32にそれぞれ記録する。
【0085】
このようにして、前記設定情報復帰処理が終了すると、データ復帰部43は、移管先記録部38の移管先情報を変更し、移管先記録部38から移管先のプリンタのIPアドレスを削除する。
【0086】
そして、前記モード移行処理手段は、省電力モードから通常モードにモードを移行させる。
【0087】
次に、図11のフローチャートについて説明する。
ステップS51 モード移行条件成立判断処理手段は通常モード移行条件が成立するかどうかを判断する。通常モード移行条件が成立する場合はステップS52に進み、通常モード移行条件が成立しない場合は処理を終了する。
ステップS52 データ復帰部43は設定情報復帰処理を行う。
ステップS53 データ復帰部43は設定情報の復帰が終了したかどうかを判断する。設定情報の復帰が終了した場合はステップS54に進み、設定情報の復帰が終了しない場合は処理を終了する。
ステップS54 データ復帰部43は移管先情報を変更する。
ステップS55 モード移行処理手段は通常モードにモードを移行させ、処理を終了する。
【0088】
次に、移管元のプリンタから設定情報が移管されるときのプリンタP1の動作について説明する。
【0089】
図12は本発明の第2の実施の形態における移管元のプリンタから設定情報が移管されるときのプリンタの動作を示すフローチャートである。
【0090】
まず、プリンタP1において、データ処理手段としてのデータ処理部62の前記移管要求受信判断処理手段は、移管元のプリンタから設定情報の移管要求を受信したかどうかを判断する。移管元のプリンタから設定情報の移管要求を受信した場合、データ処理部62の前記記録可否判断処理手段は、移管元のプリンタ及び他のプリンタの設定情報を他設定情報記録部32に記録することができるかどうかを判断し、移管元のプリンタ及び他のプリンタの設定情報を他設定情報記録部32に記録することができる場合、移管許可応答を移管元のプリンタに送信する。
【0091】
続いて、データ受信処理手段としてのデータ受信部44は、移管元のプリンタ及び他のプリンタの設定情報を受信し、データ記録処理手段としてのデータ記録部45は、データ受信部44が受信した移管元のプリンタ及び他のプリンタの設定情報を他設定情報記録部32に記録する。そして、移管元のプリンタ及び他のプリンタの設定情報が他設定情報記録部32に記録されると、データ処理部62の前記通知処理手段は、移管完了通知を移管元のプリンタに送信する。そして、移管元のプリンタ及び他のプリンタの設定情報を他設定情報記録部32に記録することができない場合、前記記録可否判断処理手段は、移管不許可応答を移管元のプリンタに送信する。
【0092】
既に、移管元のプリンタから設定情報が移管されていて、移管元のプリンタから設定情報の移管要求を受信しない場合、データ処理部62の前記返却要求判断処理手段は、移管元のプリンタから設定情報の返却要求を受信したかどうかを判断する。
【0093】
移管元のプリンタから設定情報の返却要求を受信した場合、データ処理部62の前記記録状態判断処理手段は、移管元のプリンタ及び他のプリンタの設定情報が他設定情報記録部32に記録されているかどうかを判断し、移管元のプリンタ及び他のプリンタの設定情報が記録されている場合、データ返信処理手段としてのデータ返信部46は、他設定情報記録部32から移管元のプリンタ及び他のプリンタの設定情報を読み出し、移管元のプリンタに送信する。
【0094】
次に、図12のフローチャートについて説明する。
ステップS61 移管要求受信判断処理手段は設定情報の移管要求を受信したかどうかを判断する。設定情報の移管要求を受信した場合はステップS62に、設定情報の移管要求を受信しない場合はステップS67に進む。
ステップS62 記録可否判断処理手段は記録可否判断処理を行う。
ステップS63 記録可否判断処理手段は設定情報を記録することができるかどうかを判断する。設定情報を記録することができる場合はステップS64に、設定情報を記録することができない場合はステップS70に進む。
ステップS64 記録可否判断処理手段は移管許可応答を送信する。
ステップS65 データ受信部44は設定情報を受信する。
ステップS66 通知処理手段は移管完了通知を送信し、処理を終了する。
ステップS67 返却要求判断処理手段は設定情報の返却要求を受信したかどうかを判断する。設定情報の返却要求を受信した場合はステップS68に進み、設定情報の返却要求を受信しない場合は処理を終了する。
ステップS68 記録状態判断処理手段は移管元のプリンタ及び他のプリンタの設定情報が他設定情報記録部32に記録されているかどうかを判断する。移管元のプリンタ及び他のプリンタの設定情報が他設定情報記録部32に記録されている場合はステップS69に進み、移管元のプリンタ及び他のプリンタの設定情報が他設定情報記録部32に記録されていない場合は処理を終了する。
ステップS69 データ返信部46は設定情報を送信し、処理を終了する。
ステップS70 記録可否判断処理手段は移管不許可応答を送信し、処理を終了する。
【0095】
次に、上位装置としてのホストコンピュータ10からの移管元のプリンタへの処理要求に対して代理応答を行うときのプリンタP1の動作について説明する。
【0096】
図13は本発明の第2の実施の形態におけるホストコンピュータからの移管元のプリンタへの処理要求に対して代理応答を行うときのプリンタの動作を示すフローチャートである。
【0097】
まず、応答処理手段としての応答処理部63の前記処理要求判断処理手段は、ホストコンピュータ10から省電力モードで動作している移管元のプリンタに処理要求がパケットで送信されたかどうかを判断し、移管元のプリンタに処理要求が送信された場合、代理応答可否判断処理手段としての代理応答可否判断部51は、ホストコンピュータ10に対してプリンタP1による代理応答が可能であるかどうかを判断する。
【0098】
そして、前記代理応答可否判断処理において、代理応答が可能である場合、代理応答処理手段としての代理応答部52は、ホストコンピュータ10に応答を送信する。
【0099】
また、前記代理応答可否判断処理において、代理応答が可能でない場合、処理要求記録処理手段としての処理要求記録部54は、ホストコンピュータ10からの処理要求を処理要求・データ記録部33に一時的に記録し、前記応答処理部63の前記復帰要求送信処理手段は、移管元のプリンタに対して省電力モードから通常モードにモードを移行させるための復帰要求を送信する。
【0100】
そして、移管元のプリンタにおいて、省電力モードから通常モードにモードが移行すると、処理要求転送処理手段としての処理要求転送部55は、前記処理要求・データ記録部33に記録されたホストコンピュータ10からの処理要求を読み出し、移管元のプリンタに送信する。
【0101】
このように、本実施の形態においては、第1の記憶装置としてのRAM15内に他設定情報記録部32が形成されるので、設定情報を他設定情報記録部32に記録するのに必要な時間を短くすることができる。その結果、通常モードから省電力モードにモードを移行させるのに必要な時間を短くすることができる。
【0102】
また、移管元のプリンタにおいて、他のプリンタの設定情報が移管されていても、通常モードから省電力モードにモードを移行させることができる。
【0103】
次に、図13のフローチャートについて説明する。
ステップS71 処理要求判断処理手段は移管元のプリンタに処理要求が送信されたかどうかを判断する。移管元のプリンタに処理要求が送信された場合はステップS72に進み、移管元のプリンタに処理要求が送信されない場合は処理を終了する。
ステップS72 代理応答可否判断部51は代理応答可否判断処理を行う。
ステップS73 代理応答可否判断部51は代理応答が可能であるかどうかを判断する。代理応答が可能である場合はステップS74に、代理応答が可能でない場合はステップS75に進む。
ステップS74 代理応答部52は応答を送信し、処理を終了する。
ステップS75 処理要求記録部54は処理要求を一時的に記録する。
ステップS76 復帰要求送信処理手段は移管元のプリンタに復帰要求を送信する。
ステップS77 処理要求転送部55は記録された処理要求を読み出す。
ステップS78 処理要求転送部55は移管元のプリンタに処理要求を送信し、処理を終了する。
【0104】
前記各実施の形態においては、画像形成装置としてのプリンタについて説明したが、本発明を複写機、ファクシミリ、複合機等に適用することができる。
【0105】
また、前記各実施の形態においては、各プリンタPiに他設定情報記録部32が配設されるようになっているが、各プリンタPiのうちの所定のプリンタにおいて、他設定情報記録部32を配設しないようにすることができる。その場合、前記所定のプリンタは、設定情報の移管元のプリンタとしてだけ機能する。
【0106】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0107】
12 LAN
32 他設定情報記録部
41 移管先検索部
42 データ移管部
43 データ復帰部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)省電力モード移行条件が成立する場合、ネットワークを介して接続された、設定情報を移管することができる移管先の画像形成装置を検索する移管先検索処理手段と、
(b)前記移管先の画像形成装置が決定された場合に、設定情報を移管先の画像形成装置に送信するデータ移管処理手段と、
(c)通常モード移行条件が成立する場合、前記移管先の画像形成装置の他設定情報記録部に記録された設定情報を移管元の画像形成装置に復帰させる設定情報復帰処理手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
(a)移管元の画像形成装置から設定情報の移管要求を受信し、移管元の画像形成装置の設定情報を受信するデータ受信処理手段と、
(b)前記移管元の画像形成装置の設定情報を他設定情報記録部に記録するデータ記録処理手段と、
(c)移管元の画像形成装置から設定情報の復帰要求を受信して、移管元の画像形成装置に前記移管元の画像形成装置の設定情報を送信するデータ返信処理手段とを有する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
(a)省電力モード移行条件が成立するかどうかを判断するモード移行条件成立判断処理手段を有するとともに、
(b)該モード移行条件成立判断処理手段は、他設定情報記録部に他の画像形成装置の設定情報が記録されている場合に、省電力モード移行条件が成立しないと判断する請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記データ移管処理手段は、前記画像形成装置の設定情報、及び他の画像形成装置の他設定情報記録部に記録された他の画像形成装置の設定情報を、移管先の画像形成装置に送信する請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
(a)上位装置から移管元の画像形成装置に処理要求が送信された場合に、他設定情報記録部に記録された設定情報に基づいて代理応答が可能であるかどうかを判断する代理応答可否判断処理手段と、
(b)代理応答が可能である場合に、前記上位装置に代理応答を送信する代理応答処理手段とを有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
(a)複数の画像形成装置と、
(b)該各画像形成装置を接続するネットワークとを有するとともに、
(c)前記各画像形成装置のうちの所定の画像形成装置は、省電力モード移行条件が成立する場合、ネットワークによって接続された、設定情報を移管することができる移管先の画像形成装置を検索する移管先検索処理手段、移管先の画像形成装置が決定された場合に、設定情報を移管先の画像形成装置に送信するデータ移管処理手段、及び通常モード移行条件が成立する場合、移管先の画像形成装置の他設定情報記録部に記録された設定情報を移管元の画像形成装置に復帰させる設定情報復帰処理手段を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項1】
(a)省電力モード移行条件が成立する場合、ネットワークを介して接続された、設定情報を移管することができる移管先の画像形成装置を検索する移管先検索処理手段と、
(b)前記移管先の画像形成装置が決定された場合に、設定情報を移管先の画像形成装置に送信するデータ移管処理手段と、
(c)通常モード移行条件が成立する場合、前記移管先の画像形成装置の他設定情報記録部に記録された設定情報を移管元の画像形成装置に復帰させる設定情報復帰処理手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
(a)移管元の画像形成装置から設定情報の移管要求を受信し、移管元の画像形成装置の設定情報を受信するデータ受信処理手段と、
(b)前記移管元の画像形成装置の設定情報を他設定情報記録部に記録するデータ記録処理手段と、
(c)移管元の画像形成装置から設定情報の復帰要求を受信して、移管元の画像形成装置に前記移管元の画像形成装置の設定情報を送信するデータ返信処理手段とを有する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
(a)省電力モード移行条件が成立するかどうかを判断するモード移行条件成立判断処理手段を有するとともに、
(b)該モード移行条件成立判断処理手段は、他設定情報記録部に他の画像形成装置の設定情報が記録されている場合に、省電力モード移行条件が成立しないと判断する請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記データ移管処理手段は、前記画像形成装置の設定情報、及び他の画像形成装置の他設定情報記録部に記録された他の画像形成装置の設定情報を、移管先の画像形成装置に送信する請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
(a)上位装置から移管元の画像形成装置に処理要求が送信された場合に、他設定情報記録部に記録された設定情報に基づいて代理応答が可能であるかどうかを判断する代理応答可否判断処理手段と、
(b)代理応答が可能である場合に、前記上位装置に代理応答を送信する代理応答処理手段とを有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
(a)複数の画像形成装置と、
(b)該各画像形成装置を接続するネットワークとを有するとともに、
(c)前記各画像形成装置のうちの所定の画像形成装置は、省電力モード移行条件が成立する場合、ネットワークによって接続された、設定情報を移管することができる移管先の画像形成装置を検索する移管先検索処理手段、移管先の画像形成装置が決定された場合に、設定情報を移管先の画像形成装置に送信するデータ移管処理手段、及び通常モード移行条件が成立する場合、移管先の画像形成装置の他設定情報記録部に記録された設定情報を移管元の画像形成装置に復帰させる設定情報復帰処理手段を備えることを特徴とする画像形成システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−43373(P2013−43373A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182787(P2011−182787)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
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