説明

画像形成装置及び画像形成プログラム

【課題】他人が指示した画像形成処理に対して課金されてしまうのを防ぐことができる。
【解決手段】画像形成装置100は、画像形成処理の実行に対して課金する課金手段と、画像形成処理の実行を受け付ける受付手段と、前記課金手段により、前記受付手段が受け付けた画像形成処理に対する課金が可能な状態となった場合に、前記受付手段が受け付けた画像形成処理を実行する実行手段と、前記受付手段が複数の画像形成処理の一括処理を受け付けた場合において、当該一括処理の実行中に他の画像形成処理が割り込まれた場合に、当該他の画像形成処理に対して前記課金手段が課金するのを禁止するように前記課金手段を制御する制御手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、利用者を限定するための課金装置と接続された印刷制御装置において、上記課金装置による課金に対して、識別子を割り当てる識別子割当手段と、上記識別子割当手段によって割り当てた識別子を利用者に報知する報知手段と、上記識別子割当手段によって割り当てた識別子とホスト装置から与えられた識別子とが一致しているか否かを判別する識別子判別手段と、上記識別子判別手段により識別子が一致することが確認された場合ホスト装置からのデータの印刷処理を可能とする印刷制御手段とを備えたことを特徴とする印刷制御装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−5736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、他人が指示した画像形成処理に対して課金されてしまうのを防ぐことができる画像形成装置及び画像形成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明の画像形成装置は、画像形成処理の実行に対して課金する課金手段と、画像形成処理の実行を受け付ける受付手段と、前記課金手段により、前記受付手段が受け付けた画像形成処理に対する課金が可能な状態となった場合に、前記受付手段が受け付けた画像形成処理を実行する実行手段と、前記受付手段が複数の画像形成処理の一括処理を受け付けた場合において、当該一括処理の実行中に他の画像形成処理が割り込まれた場合に、当該他の画像形成処理に対して前記課金手段が課金するのを禁止するように前記課金手段を制御する制御手段と、を備える。
【0006】
請求項2記載の発明は、前記制御手段は、前記他の画像形成処理が割り込まれた場合に、当該他の画像形成処理を保留し、当該他の画像形成処理に対して前記課金手段による課金が可能な状態となった場合に、当該他の画像形成処理を実行するように前記実行手段を制御する。
【0007】
請求項3記載の発明は、前記制御手段は、前記他の画像形成処理が割り込まれた場合に、通信回線を介して接続された他の画像形成装置に前記他の画像形成処理を実行させる。
【0008】
請求項4記載の発明は、前記制御手段は、前記他の画像形成処理が割り込まれた場合に、当該他の画像形成処理を破棄する。
【0009】
請求項5記載の発明は、前記制御手段は、前記他の画像形成処理が割り込まれた場合に、前記複数の画像形成処理の一括処理を優先して実行し、その後、前記他の画像形成処理を実行するように前記実行手段を制御する。
【0010】
請求項6記載の発明の画像形成プログラムは、画像形成処理の実行に対して課金するステップと、画像形成処理の実行を受け付けるステップと、受け付けた画像形成処理に対する課金が可能な状態となった場合に、受け付けた画像形成処理を実行するステップと、複数の画像形成処理の一括処理を受け付けた場合において、当該一括処理の実行中に他の画像形成処理が割り込まれた場合に、当該他の画像形成処理に対して課金するのを禁止するように制御するステップと、を含む処理をコンピュータに実行させるための画像形成プログラムである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1、6記載の発明によれば、自分が指示した画像形成処理であるか他人が指示した画像形成処理であるかに関係なく課金手段が課金する場合と比較して、他人が指示した画像形成処理に対して自分のお金が課金されてしまうのを防ぐことができる、という効果を有する。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、他の画像形成処理の実行を禁止する場合と比較して、他の画像形成処理の実行を再度指示する手間を省くことができる、という効果を有する。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、他の画像形成処理の実行を禁止する場合と比較して、他の画像形成処理の実行を再度指示する手間を省くことができる、という効果を有する。
【0014】
請求項4記載の発明によれば、他の画像形成処理が割り込まれた場合に、他の画像形成処理を保留する場合と比較して、装置の処理不可を軽減することができる、という効果を有する。
【0015】
請求項5記載の発明によれば、他の画像形成処理が割り込まれた場合に、他の画像形成処理の実行を許可する場合と比較して、複数の画像形成処理の一括処理を速やかに処理することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】画像形成装置のハードウェア構成の一例を示したブロック図である。
【図2】画像形成装置が接続されるネットワークの構成図である。
【図3】画像形成装置のCPUで実行される処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0018】
本実施形態では、利用者に提供する画像形成処理として例えば原稿を読み取って画像データを取得するスキャン処理、読み取った原稿を印刷するコピー処理、読み取った原稿をファクシミリ送信する処理、読み取った原稿をメール送信する処理等、複数の画像形成処理を実行する機能を有する画像形成装置に本発明を適用した場合について説明する。
【0019】
図1には、本発明の一実施形態に係る画像形成装置100のハードウェア構成を模式的に示している。以下、当該装置100内の各部について説明する。
【0020】
CPU(Central Processing Unit)101は、当該装置100内の動作を統括的に制御する中央コントローラであり、オペレーティング・システムが提供する実行環境下でプログラムを制御し、コピーやファクシミリ送受信、ネットワーク・プリントといった各種の画像形成処理などに関して主たる制御を行なう。CPU101は、バス102を介して当該装置100内の各機器と相互接続されている。
【0021】
ROM(Read Only Memory)103は、読み出し専用の半導体メモリ装置で構成され、ネットワーク・プリントといった画像形成処理などを実行するための各制御プログラムや固定データなどが恒久的に書き込まれている。勿論、フラッシュ・メモリなどのように格納データを電気的に書き換えられるデバイスを用いてROM103を構成することもでき、必要に応じてプログラムや固定データの更新を行なうようにしてもよい。
【0022】
RAM(Random Access Memory)104は、データを書き換えられる半導体メモリ装置で構成され、CPU101で実行する制御プログラムをROM102からロードしたり、プログラム実行中の作業データを一時格納したりするなど、プログラム動作のためのシステム・メモリとして使用される。また、画像処理のためのページ・メモリとして、RAM104が使用される。
【0023】
NVRAM(Non−Volatile RAM)105は、フラッシュ・メモリのように無電源状態でも記憶内容を消失しない、データを書き換えられるメモリで構成され、セキュリティ・データやその他の不揮発性データ、画質調整、各種設定パラメータ、画像形成処理実行時の各種履歴などを格納するために使用される。
【0024】
HDD106は、磁気記録式の固定ディスクで構成された大容量外部記憶装置であり、原稿から読み取った画像データを蓄積したり、画像形成処理実行時の各種履歴を保存したり、さらにはCPU101において実行するプログラムをインストールするために使用される。
【0025】
画像処理部107は、原稿から読み取った画像データ、あるいはネットワーク経由でダウンロードした画像データなどに対し、伸張圧縮処理や、画質調整などの各種画像処理を施す。
【0026】
画像形成装置100は、ユーザ・インターフェース109として、液晶ディスプレイなどで構成された表示部110と、スタート/ストップ/テンキーなどのハードウェア・キーを備えた(あるいは表示部110を兼ねたタッチパネルを備えた)操作部111を備え、これらはUIインターフェース108を介してバス102に接続されている。但し、UIインターフェース108を介さず、CPU101がユーザ・インターフェース109を直接制御するように構成するようにしてもよい。
【0027】
また、通信インターフェース112を経由して、各種の外部装置やネットワーク・インターフェースなどがバス102に接続されている。
【0028】
LANインターフェース113は、10/1000Base−Tなど、予め定めたプロトコルに従って画像形成装置100をネットワーク接続する。また、無線LANを含めるようにしてもよい。
【0029】
画像形成装置100は、LAN越しにインターネットなどの外部ネットワークに接続し、所望の情報資源にアクセスする。また、画像形成装置100は、利用者が使用するパーソナル・コンピュータ(PC)や携帯端末(いずれも図示しない)から、コピーやファクシミリ送受信、コンテンツ探索やその他のコンテンツ処理、ネットワーク・プリントといった、各種の画像形成処理の内容が定められた指示書データを受信し、指示に従って画像形成処理を実行する。また、予め定めた複数の画像形成処理の内容が定められた指示書データが予めHDD106等に記憶され、記憶された指示書データの中から利用者が選択した指示書データを実行する場合もある。さらに、利用者が複数の画像形成処理を指示し、指示された複数の画像形成処理を一括して実行する場合もある。
【0030】
また、画像形成装置100には、ICカード130に対して非接触・近距離通信を行なうために、ICカード読み書き装置131をUSB(Universal Serial Bus)インターフェース114経由でバス102に接続可能となっている。USB114は、例えばUSB1.1又はUSB2.0に準拠している。
【0031】
ICカード読み書き装置131が接続された場合、ICカード130とICカード読み書き装置131間では、電磁結合、電磁誘導、あるいは電波通信などの方式による伝送路上で、予め定めた相互認証処理を経て、高い耐タンパ性を保ちながら非接触・近距離通信を行なう。但し、ICカード130を利用した非接触通信の仕組み自体は本発明の要旨に直接関係しないので、ここではこれ以上説明しない。また、ICカード130とICカード読み書き装置131間の通信は、非接触・近距離通信に限らず、ICカード読み書き装置131にICカード130の挿入口が設けられ、この挿入口にICカード130をセットすることによってICカード読み書き装置131と有線通信するものでもよい。
【0032】
なお、ICカード130は、例えば電子マネーとしての機能を有するものがあり、画像形成装置100が提供するサービスに対して課金が可能である。従って、電子マネーとしての機能を有するICカード30がセットされた場合には、ICカード読み書き装置131は、課金装置として機能する。
【0033】
また、ICカード130は、画像形成装置100の利用者を特定するための情報、例えば利用者を特定するための識別符号である利用者ID等の利用者特定情報が予め記録されている場合がある。なお、利用者特定情報は、必ずしも利用者個人を特定するための情報とは限らず、ICカード130に固有に付与されたカードID等、そのICカード130自体を特定できる情報も含む。
【0034】
また、画像形成装置100は、課金装置としてのコインキット132をRS232Cあるいはその他のシリアル・インターフェース115経由でバス102に接続可能となっている。図1では、ICカード読み書き装置131及びコインキット132の両方が接続された場合を示しているが、画像形成処理に対して課金する場合には、少なくとも一方が接続されていればよい。
【0035】
なお、コインキット132は、硬貨やこれと同等の価値を有するコイン等を投入することによって画像形成装置100が提供する画像形成処理について課金するための課金装置である。このため、コインキット132は、ICカード読み書き装置131と異なり、画像形成装置100の利用者を特定するための利用者特定情報を取得することは不可能である。
【0036】
モデム116は、コンピュータ上の信号と公衆回線上の信号の相互変換を行なう変復調装置からなり、ファクシミリなどの公衆回線への接続を行ない、通常のファクシミリ送受信や、時刻指定送信、その他の各種のファクシミリ機能を提供する。
【0037】
デバイス・インターフェース118は、例えばRS422などで構成され、画像形成装置100を構成する各種機器をバス102に接続するためのインターフェース・プロトコルを実現する。
【0038】
画像形成装置100を構成する機器として、例えば原稿から画像を読み取る読取装置部119と、画像を用紙上に印刷出力する印刷装置部120が挙げられる。
【0039】
読取装置部119は、一般的には、原稿を載せるプラテンと画像読み取りを行なうスキャナの組み合わせで構成され、自動原稿読取装置であってもよい。読み取り画像は、必要に応じて画像処理部107において画像処理が施され、印刷装置部120に画像出力され、あるいはHDD106に保存される。
【0040】
印刷装置部120は、例えば電子写真方式のプリント・エンジン部を備えている。電子写真プロセスは、電子写真感光体に対する帯電、スキャンした原稿イメージの露光、現像すなわち感光体表面の静電潜像へのトナー重畳、用紙へのトナー転写及びトナー定着、感光体のクリーニングという複数のサブプロセスを含む。但し、プリント・エンジンの構成自体は本発明の要旨に直接関連しないので、ここではこれ以上説明しない。印刷装置部120によって印字された用紙は、排出用紙格納部121に排出される。
【0041】
画像形成装置100の利用者は、様々な画像形成処理の実行が受けられる。本実施形態では、画像形成処理とは、文書データ(文書及び画像の少なくとも一方を含むデータ)に対して施す処理であり、例えばコピー処理、プリント処理、ファクシミリ送信処理、メール送信処理、スキャン処理等があるが、これに限られるものではない。
【0042】
このような画像形成装置100は、図2に示すように、LAN113を介してネットワーク150に接続される。このネットワーク150には、文書データ等を格納するサーバー152、パーソナルコンピュータ154等が接続される。
【0043】
画像形成装置100の利用者は、画像形成装置100の操作部111を操作することにより、読取装置部119にセットした原稿のコピー処理やファクシミリ送信処理、スキャン処理、画像形成装置100のHDD106に格納された文書データやサーバー152に格納された文書データのプリント処理等の各種画像形成処理に関するサービスを受けられる。また、パーソナルコンピュータ154から文書データのプリントを画像形成装置100に対して指示することにより、文書データのプリント処理等の画像形成処理に関するサービスも受けられる。
【0044】
なお、課金が必要な画像形成処理については、コインキット132にお金を投入したり、ICカード読み書き装置131に電子マネーの機能を有するICカード130をセットしたりすることで課金が可能な状態とすることにより、画像形成処理に関するサービスを受けられる。
【0045】
ここで、コインキット132は、投入された硬貨から画像形成処理に応じた金額を課金するものであるので、利用者を特定するための利用者特定情報を取得することができない。このため、利用者がコインキット132に硬貨を投入し、例えば複数の文書を指定して一括プリント処理の実行を指示した場合において、複数の文書のプリント処理の間に、パーソナルコンピュータ154から指示された他人のプリント処理等が割り込まれた場合、その他人のプリント処理に対して課金されてしまう虞がある。
【0046】
そこで、本実施形態では、詳細は後述するが、利用者が指示した画像形成処理に対する課金がコインキット132により行われる場合において、複数の画像形成処理の一括処理が指示された場合には、割り込まれた他人が指示した画像形成処理に対して自身が投入した硬貨から課金されないように、他人の画像形成処理の実行をキャンセルしたり、禁止したり、保留したりする。
【0047】
次に、CPU101で実行される処理について、図3に示すフローチャートを参照して説明する。なお、以下では、課金装置としてコインキット132が接続されており、利用者がプリント処理を実行する場合について説明する。
【0048】
図3に示す処理は、利用者が表示部101に表示されたメニュー画面からプリント処理を選択した場合に実行され、CPU101が例えばROM103又はHDD106に格納されている予め定めた制御プログラムをRAM104上にロードして実行することにより実現される。
【0049】
図3に示すステップ200では、プリントする文書を選択するための文書選択画面を表示部101に表示させる。
【0050】
ステップ202では、利用者がプリントさせる文書を選択したか否かを判断し、文書を選択した場合にはステップ204へ移行し、文書が選択されていない場合には、文書が選択されるまで待機する。
【0051】
ステップ204では、利用者により硬貨がコインキット132に投入され、かつ、プリント開始が指示されたか否かを判断し、利用者により硬貨がコインキット132に投入され、かつ、プリント開始が指示された場合にはステップ206へ移行し、そうでない場合には、利用者により硬貨がコインキット132に投入され、かつ、プリント開始が指示されるまで待機する。なお、利用者により硬貨がコインキット132に投入され、かつ、プリント開始が指示された場合には、選択された文書のプリント処理は実行待ち状態となる。
【0052】
ステップ206では、選択した文書のプリント処理を、自分がコインキット132に投入した硬貨から課金可能な実行可能のプリント処理であることを示す実行可能情報を、その文書と関連付けて例えばRAM104等に記憶する。複数の文書が選択された場合には、それら複数の文書の全てについて、実行可能情報と関連付けて記憶される。
【0053】
ステップ208では、実行待ちとなっているプリント処理が、実行可能プリント処理であるか否かが判断され、実行可能プリント処理である場合には、ステップ212へ移行し、実行可能プリント処理でない場合には、ステップ214へ移行する。ここで、実行可能プリント処理でない場合とは、自分がコインキット132に投入した硬貨から課金できない他人のプリント処理、例えば他人がPC154から指示したプリント処理等である。
【0054】
ステップ210では、実行可能プリント処理の選択された文書のプリント処理を実行する。
【0055】
ステップ212では、プリントした文書の種類や印刷枚数に応じた印刷料金を課金する。すなわち、コインキット132に投入された硬貨から印刷料金を引き落とす。
【0056】
一方、ステップ214では、実行可能プリント処理でないプリント処理、すなわち他人が指示したプリント処理に対して予め定めた対応処理を実行する。ここで、対応処理としては、他人が指示した文書のプリント処理をキャンセル(破棄)する、他人が指示した文書のプリント処理を保留する、他人が指示した文書のプリント処理をネットワーク150に接続された他の画像形成装置に転送する、等の処理がある。なお、例えば他人がPC154から指示した文書のプリント処理をキャンセルした場合や、他の画像形成装置に転送した場合には、その旨を示す情報を当該PC154に送信することにより、その他人に対して通知することが好ましい。
【0057】
ステップ216では、実行待ち状態のプリント処理があるか否かを判断し、実行待ち状態のプリント処理が有る場合には、ステップ208へ戻って上記と同様の処理を繰り返し、実行待ち状態のプリント処理が無い場合には、ステップ218へ移行する。
【0058】
ステップ218では、保留状態の他人のプリント処理があるか否かが判断され、保留状態の他人のプリント処理がある場合には、ステップ220へ移行し、保留状態の他人のプリント処理が無い場合には、本ルーチンを終了する。
【0059】
ステップ220では、保留状態の他人の文書のプリント処理に対してコインキット132に硬貨が投入されたか否かを判断し、硬貨が投入された場合には、ステップ224へ移行し、硬貨が投入されていない場合には、硬貨が投入されるまで待機する。
【0060】
ステップ222では、保留状態の他人の文書のプリント処理を、他人がコインキット132に投入した硬貨から課金可能な実行可能プリント処理として、その文書と関連付けて例えばRAM104等に記憶する。そして、ステップ208へ戻って上記と同様の処理を繰り返す。
【0061】
上記のように処理することにより、複数の文書を選択して一括プリント処理をした場合において、他人のプリント処理が割り込まれた場合でも、その他人のプリント処理に対して自分が投入した硬貨から課金されることがない。
【0062】
また、複数の文書の一括プリントの最中に他人の画像形成処理が割り込まれて、ステップ214で他人の画像形成処理を一旦保留した場合には、ステップ220でその他人の画像形成処理に対して硬貨が投入されれば、その他人の画像形成処理が実行される。これにより、複数の文書の一括プリント処理の最中であっても、そのプリント処理を中断させることなく、例えばスキャン処理等の他の画像形成処理を実行させられる。
【0063】
なお、本実施形態では、プリント処理の場合を例に説明したが、コピー処理等の他の画像形成処理についても上記と同様の処理が適用される。
【0064】
また、本実施形態では、プリント処理に対して必ず課金する場合を例に説明したが、これに限らず、プリント処理等の画像形成処理に対して課金する課金モードと、画像形成処理に対して課金しない非課金モードと、を用意し、課金モードの場合には複数の一括処理の最中に他人の画像形成処理の割り込みを禁止するように制御し、非課金モードの場合は他人の画像形成処理の割り込みを許可するようにしてもよい。
【0065】
また、本実施形態では、ステップ208において、実行待ちとなっているプリント処理が、実行可能プリント処理でない場合、例えば複数の文書の一括プリント処理の最中に他人が指示したプリント処理に割り込まれた場合には、ステップ214へ移行して対応処理を実行する場合について説明したが、他人が指示したプリント処理に割り込まれた場合の処理はこれに限られない。例えば、複数の文書の一括プリント処理の最中に他人が指示したプリント処理に割り込まれた場合であっても、複数の文書の一括プリント処理を優先して実行してコインキット132に投入された硬貨から課金し、その後、他人のプリント処理を実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0066】
100 画像形成装置
101 CPU
102 バス
103 ROM
104 RAM
105 NVRAM
106 HDD
107 画像処理部
108 UIインターフェース
109 ユーザ・インターフェース
110 表示部
111 操作部
112 通信インターフェース
113 LANインターフェース
114 シリアル・インターフェース
115 USBインターフェース
116 モデム
118 デバイス・インターフェース
119 読取装置部
120 印刷装置部
121 排出用紙格納部
130 ICカード
131 ICカード読み書き装置
132 コインキット(課金手段)
150 ネットワーク
152 サーバー
154 パーソナルコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成処理の実行に対して課金する課金手段と、
画像形成処理の実行を受け付ける受付手段と、
前記課金手段により、前記受付手段が受け付けた画像形成処理に対する課金が可能な状態となった場合に、前記受付手段が受け付けた画像形成処理を実行する実行手段と、
前記受付手段が複数の画像形成処理の一括処理を受け付けた場合において、当該一括処理の実行中に他の画像形成処理が割り込まれた場合に、当該他の画像形成処理に対して前記課金手段が課金するのを禁止するように前記課金手段を制御する制御手段と、
を備えた画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記他の画像形成処理が割り込まれた場合に、当該他の画像形成処理を保留し、当該他の画像形成処理に対して前記課金手段による課金が可能な状態となった場合に、当該他の画像形成処理を実行するように前記実行手段を制御する
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記他の画像形成処理が割り込まれた場合に、通信回線を介して接続された他の画像形成装置に前記他の画像形成処理を実行させる
を備えた請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記他の画像形成処理が割り込まれた場合に、当該他の画像形成処理を破棄する
を備えた請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記他の画像形成処理が割り込まれた場合に、前記複数の画像形成処理の一括処理を優先して実行し、その後、前記他の画像形成処理を実行するように前記実行手段を制御する
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
画像形成処理の実行に対して課金するステップと、
画像形成処理の実行を受け付けるステップと、
受け付けた画像形成処理に対する課金が可能な状態となった場合に、受け付けた画像形成処理を実行するステップと、
複数の画像形成処理の一括処理を受け付けた場合において、当該一括処理の実行中に他の画像形成処理が割り込まれた場合に、当該他の画像形成処理に対して課金するのを禁止するように制御するステップと、
を含む処理をコンピュータに実行させるための画像形成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−111825(P2013−111825A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259376(P2011−259376)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】