説明

画像形成装置及び画像形成方法

【課題】2つ以上のキーの押下の組み合わせと、当該組み合わせにより実現される登録プログラムの内容とを示した小冊子及びラベルを簡単に出力することが可能な複合機100を提供する。
【解決手段】ユーザにより、出力指示が入力されると、前記登録プログラム記憶手段404から前記機能ハードキー202aと選択ハードキー202bとの押下の組み合わせ情報601と、当該組み合わせ情報601に関連付けられた設定条件602とを取得する取得手段403と、前記取得された組み合わせ情報601と、前記設定条件602とを、小冊子の一頁を構成する頁画像700と、当該組み合わせ情報601における選択項目601bの選択ハードキー202bに貼り付け可能なラベル画像705とにそれぞれ配置する配置手段405と、前記頁画像800と前記ラベル画像801とを用紙にそれぞれ画像形成する画像形成手段407とを備える複合機100を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成方法に関し、詳しくは、2つ以上のキーの押下の組み合わせと、当該組み合わせにより実現される登録プログラムの内容とを示した小冊子及びラベルを簡単に出力することが可能な画像形成装置及び画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビジネス用ファクシミリ装置には、使い勝手を良くするために、原稿をセット後、ワンタッチ操作で送信するワンタッチキーがある。このワンタッチキーを操作するためには、相手先番号や相手先名称等を予め登録しておく必要がある。
【0003】
さて、従来のファクシミリ装置は、ワンタッチキー登録後、このキーへのラベル書きは、専用の宛先シートに筆記用具で記入したり、ワードプロセッサで相手先ラベルを作り、これを宛先シートに貼り付けたりしていた。
【0004】
ここで、前記ワンタッチキーに関する技術では、当該ワンタッチキーへの相手先番号や相手先名称を登録しているにも関わらず、この情報を有効に利用されていないという現状がある。そのため、再度、宛先シートへ筆記用具で記入したり、ワードプロセッサでラベルを作ったりするなどの2度手間が必要であった。又、記入ミスやワードプロセッサの誤入力を生じるなどの問題点があった。
【0005】
このような問題を解決する発明として、特開平4−360465号公報(特許文献1)には、操作パネルから相手先番号を入力して、ワンタッチキーに上記相手先番号を割当て操作するファクシミリが開示されている。前記ファクシミリは、上記操作パネルより相手先名称と相手先番号を入力し、相手先名称ファイルを作成する相手先名称登録手段と、上記相手先名称ファイル並びにワンタッチキーのレイアウト情報を格納したレイアウトファイルとを入力してワンタッチキーのラベルを生成する相手先名称ラベル生成手段と上記相手先名称ラベルを出力する相手先名称ラベル出力手段とで構成している。これにより、ワンタッチキーの登録から運用までの時間短縮と労力を軽減出来るとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平4−360465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年、ユーザによる2以上のキーの押下の組み合わせにより、当該組み合わせに対して予め設定された所定の設定条件(登録プログラム)を呼び出すことが可能な画像形成装置が登場してきている。当該画像形成装置では、2以上のキーの押下の組み合わせに対して一の設定条件が割り当てられているため、従来のワンタッチキーの技術、つまり、一のワンタッチキーに一の設定条件を割り当てる技術と比較して、多くの設定条件を割り当てることが可能である。このような形態は、特に、大型タッチパネルを備えていない小型の画像形成装置、例えば、所定数のハードキーしか備えておらず、ユーザが、前記設定条件を構成する複数の設定項目のうち、所定の設定項目における設定値、例えば、画質や集約、両面印刷などを入力することが出来ない簡易型操作部を有する小型の画像形成装置に多用されている。
【0008】
このような簡易型操作部を有する画像形成装置には、上述したように、一のキーに一の設定条件が割り当てられていることを前提とした前記特許文献1に記載の発明を適用することが出来ないという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、前記問題を解決するためになされたものであり、2つ以上のキーの押下の組み合わせと、当該組み合わせにより実現される登録プログラムの内容とを示した小冊子及びラベルを簡単に出力することが可能な画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置は、ユーザにより押下可能な複数のキーのうち、2つ以上のキーの押下の組み合わせにより、一の登録プログラムとして、登録プログラム記憶手段に予め記憶された一の設定条件を受け付ける画像形成装置を前提とし、以下の構成を採用する。
【0011】
前記画像形成装置は、ユーザにより、前記登録プログラムの内容を出力するための出力指示が入力されると、前記登録プログラム記憶手段から前記キーの押下の組み合わせに対応する組み合わせ情報と、当該組み合わせ情報に関連付けられた設定条件とを取得する取得手段を備える。又、前記画像形成装置は、前記取得された組み合わせ情報と、前記設定条件とを、小冊子の一頁を構成する頁画像と、当該組み合わせ情報における所定のキー又はその近傍に貼り付け可能なラベル画像とにそれぞれ配置する配置手段と、前記組み合わせ情報と前記設定条件とが配置された頁画像と前記ラベル画像とを用紙にそれぞれ画像形成する画像形成手段とを備える。
【0012】
これにより、ユーザは、2以上のキーの押下の組み合わせと、これに対応する設定条件の内容とを示した小冊子及びラベルを簡単に作成することが可能となり、当該小冊子及びラベルの作成に要する時間や手間を軽減することが可能となる。
【0013】
又、前記配置手段は、一の組み合わせ情報と、これに対応する設定条件とに対して、一の識別情報を生成し、当該組み合わせ情報と、当該設定条件と、当該識別情報とを、前記頁画像に配置するとともに、前記組み合わせ情報における所定のキーの情報と、前記識別情報とを、前記ラベル画像に配置するよう構成することが出来る。
【0014】
又、自装置は、ユーザのキーの押下により、前記設定条件を構成する複数の設定項目のうち、所定の設定項目における設定値を入力することが出来ない簡易型操作部を有する画像形成装置であるよう構成することが出来る。
【0015】
尚、本発明は、ユーザにより押下可能な複数のキーのうち、2つ以上のキーの押下の組み合わせにより、一の登録プログラムとして、登録プログラム記憶手段に予め記憶された一の設定条件を受け付ける画像形成装置の画像形成方法として提供することが出来る。
【0016】
即ち、前記画像形成方法は、ユーザにより、前記登録プログラムの内容を出力するための出力指示が入力されると、前記登録プログラム記憶手段から前記キーの押下の組み合わせに対応する組み合わせ情報と、当該組み合わせ情報に関連付けられた設定条件とを取得する取得ステップを備える。又、前記画像形成方法は、前記取得された組み合わせ情報と、前記設定条件とを、小冊子の一頁を構成する頁画像と、当該組み合わせ情報における所定のキー又はその近傍に貼り付け可能なラベル画像とにそれぞれ配置する配置ステップと、前記組み合わせ情報と前記設定条件とが配置された頁画像と前記ラベル画像とを用紙にそれぞれ画像形成する画像形成ステップとを備える。前記構成としても、上述と同様の効果を得ることが可能となる。
【0017】
又、本発明は、電気通信回線などを介して個別に流通する、コンピュータに実行させるためのプログラムとして提供することができる。この場合、中央演算処理装置(CPU)が、本発明のプログラムに従ってCPU以外の各回路と協働して制御動作を実現する。又、前記プログラム及びCPUを用いて実現される各手段は、専用のハードウェアを用いて構成することもできる。又、当該プログラムは、CD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された状態で流通させることも可能である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の画像形成装置及び画像形成方法によれば、2つ以上のキーの押下の組み合わせと、当該組み合わせにより実現される登録プログラムの内容とを示した小冊子及びラベルを簡単に出力することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る複合機の内部の全体構成を示す概念図である。
【図2】本発明に係る操作部の全体構成を示す概念図である。
【図3】本発明に係る複合機の制御系ハードウェアの構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態における複合機の機能ブロック図である。
【図5】本発明の実施形態の実行手順を示すためのフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態のLCD上に表示された初期画面の一例を示す図(図6(A1))と、本発明の実施形態のLCD上に表示された操作画面の一例を示す図(図6(A2))と、本発明の実施形態に係る登録プログラムテーブルの一例を示す図(図6(B))とである。
【図7】本発明の実施形態に係る頁画像とラベル画像の一例を示す第一の図(図7(A))と、本発明の実施形態に係る頁画像とラベル画像の一例を示す第二の図(図7(B))とである。
【図8】本発明の実施形態に係る頁画像とラベル画像の一例を示す第三の図(図8(A))と、本発明の他の実施形態に係るラベル画像の一例を示す図(図8(B))とである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、添付図面を参照して、本発明の画像形成装置の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。又、フローチャートにおける数字の前に付されたアルファベット「S」はステップを意味する。
【0021】
<画像形成装置>
以下に、本発明の実施形態に係る画像形成装置について説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略模式図である。但し、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。尚、本発明の画像形成装置は、例えば、プリンタやスキャナ単体、あるいはプリンタ、コピー、スキャナ、ファックス等を備えた複合機等が該当し、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能等を備えた画像形成装置として機能する。以下に、例えば、コピー機能を利用する場合の複合機100(MFP:Multi Function Peripheral)の動作を簡単に説明する。
【0023】
先ず、ユーザが複合機100を利用する場合、原稿Pを複合機100の上面に備えられている原稿台101に載置し、簡易型操作部102(以下、操作部とする)からコピー機能に関連する設定条件を入力する。当該操作部102には、複合機100が提供する様々な機能のうち、コピー機能に関連する操作画面(初期画面など)が小型のLCDに表示され、前記コピー機能の設定条件のうち、簡単な設定項目の設定値、例えば、部数などが入力可能である。ユーザは、前記操作部102を介して、所定の設定条件を入力する。
【0024】
ユーザが、前記設定条件の入力を完了すると、前記操作部102に設けられたスタートキーを押下して、複合機100にコピー機能の処理を開始させる。
【0025】
複合機100がコピー機能の処理を開始すると、画像読取部103において、光源104から照射された光が、前記原稿台101に置かれた原稿に反射される。反射された光は、ミラー105、106、107によって撮像素子108に導かれる。導かれた光は前記撮像素子108により光電変換されて、基本的な補正処理、画質処理、圧縮処理等を施され、前記原稿に対応する画像データが生成される。
【0026】
前記画像データをトナー像として転写する駆動部が画像形成部109である。前記画像形成部109には感光体ドラム110が備えられている。前記感光体ドラム110は、一定速度で所定の方向に回転し、その周囲には、回転方向の上流側から順に、帯電器111、露光ユニット112、現像器113、転写器114、クリーニングユニット115などが配置されている。
【0027】
前記帯電器111は、前記感光体ドラム110の表面を一様に帯電させる。前記露光ユニット112は、帯電された前記感光体ドラム110の表面に、前記画像データに基づいてレーザーを照射し、静電潜像を形成する。前記現像器113は、搬送された静電潜像に、トナーを付着させてトナー像を形成する。形成されたトナー像は、前記転写器114により、記録媒体(例えば、シート、用紙)に転写される。前記クリーニングユニット115は、前記感光体ドラム110の表面に残された余分なトナーを取り除く。これらの一連のプロセスは、前記感光体ドラム110が回転することにより実行される。
【0028】
前記シートは、前記複合機100に備えられた複数の給紙カセット116から搬送される。搬送される時は、前記シートはピックアップローラ117により何れか1つの前記給紙カセット116から搬送路へ引き出される。前記各給紙カセット116には、それぞれ異なる紙種のシートが収容されており、前記出力条件に関する設定に基づいてシートが給紙される。
【0029】
搬送路に引き出された前記シートは、搬送ローラ118やレジストローラ119により感光体ドラム110と転写器114の間に送り込まれる。送り込まれると、前記シートは前記転写器114により前記トナー像が転写され、定着装置120に搬送される。
【0030】
前記トナー像が転写されたシートが前記定着装置120に備えられた加熱ローラ121と加圧ローラ122の間を通過すると、前記トナー像に熱と圧力が印加されて、可視像がシートに定着される。前記加熱ローラ121の熱量は紙種に応じて最適に設定され、前記定着が適切に行われる。前記可視像がシートに定着されて画像形成が終了し、可視像が定着されたシートは、定着装置120を経て排紙トレイ123へ排紙され、積載、収容される。
【0031】
前記手順により、複合機100はコピー機能をユーザに提供する。
【0032】
図2は、本発明の実施形態に係る操作部の全体構成を示す概念図である。ユーザは、前記操作部102を用いて、上述のような簡単な設定条件を入力したり、入力された設定条件を確認したりする。前記操作部102は、標準的な操作パネルに比較してパネル面積が小さく、ハードキー(単にキーと称する)の数も制限されて、その構成が簡略化されている。
【0033】
前記操作部102には、LCD201(Liquid Crystal Display)と、キー202とが備えられている。
【0034】
前記LCD201は、2行併記で、日本語、英数字、記号からなる列(文字列)のみが表示可能な簡素且つ小規模な表示部である。前記キー202の押下に対応して、前記LCD201に、現時点の前記複合機100の状態や設定条件を示す文字列が表示され、ユーザは、当該文字列を確認して、現時点の前記複合機100の状態等を知ることが出来る。
【0035】
前記キー202は、前記複合機100が提供可能な機能の項目に対応する機能ハードキー202aと、各機能ハードキー202a毎に共通して押下可能な選択ハードキー202bと、カーソルキー202cと、テンキー202dと、出力キー202eと、スタートキー202fと、リセットキー202gとが備えられている。ユーザは、各キー202を押下することで、所定の設定条件を入力したり、所定の出力指示を入力したり、所定の機能を前記複合機100に実行させたりすることが出来る。
【0036】
又、前記機能ハードキー202a、前記選択ハードキー202bの下方右側端部には、それぞれLED(Light Emitting Diode)が設けられ、前記キー202a、202bの押下により点灯し、他のキー202が押下されると消灯するようになっている。
【0037】
次に、図3を用いて、複合機100の制御系ハードウェアの構成を説明する。図3は、本発明に係る複合機100の制御系ハードウェアの構成を示す図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【0038】
複合機100の制御回路は、CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303、HDD(Hard Disk Drive)304、各駆動部に対応するドライバ305を内部バス306によって接続している。
【0039】
前記CPU301は、例えば、RAM303を作業領域として利用し、前記ROM302、HDD304等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて前記ドライバ305と、前記操作部102からのデータや指示を授受し、図1に示した各駆動部の動作を制御する。また、前記駆動部以外の後述する各手段(図4に示す)についても、前記CPU301がプログラムを実行することで当該各手段を実現する。前記ROM302、前記HDD304には、以下に説明する各手段を実現するプログラムやデータが記憶されている。
【0040】
<本発明の実施形態>
次に、図4、図5を参照しながら、本発明の実施形態に係る構成及び実行手順について説明する。図4は、本発明の複合機及び操作部の機能ブロック図である。図5は、本発明の実行手順を示すためのフローチャートである。
【0041】
まず、ユーザが、複合機100の電源を投入すると、当該複合機100及び操作部102が起動し、起動した操作部102の受付手段401は、所定の初期メモリに予め記憶されたコピー機能の初期設定条件を参照し、当該初期設定条件を所定の設定メモリに一時的に記憶させる。これにより、コピー機能の初期設定条件が入力された状態となる。
【0042】
又、前記操作部102の表示手段402が、図6(A1)に示すように、予め設定された初期画面(例えば、「コピー」)をLCD201上に表示する(図5:S101)。
【0043】
ここで、ユーザは、前記初期画面を見ながら、所定の登録プログラムの内容を出力するための出力キー202eを押下すると(図5:S102YES)、前記受付手段401が、当該出力キー202eの押下に対応して、前記出力の指示の入力を受け付けて、その旨を前記表示手段402と、前記複合機100の取得手段403に通知する。当該通知を受けた表示手段402は、図6(A2)に示すように、前記登録プログラムの内容を出力するメッセージ「登録プログラム 小冊子+ラベル 出力」が表示された操作画面をLCD201上に表示する(図5:S103)。
【0044】
又、前記通知を受けた取得手段403は、先ず、登録プログラム記憶手段404に記憶された登録プログラムテーブルを参照する(図5:S104)。
【0045】
前記登録プログラムテーブル600には、図6(B)に示すように、前記操作部102の機能ハードキー202aと選択ハードキー202bの2つのキーの押下の組み合わせ情報601と、当該組み合わせ情報601により登録プログラムとして受け付けられる(入力される)一の設定条件602とが関連付けて記憶される。
【0046】
前記組み合わせ情報601は、一の機能ハードキー202aの機能項目601aと、一の選択ハードキー202bの選択項目601bとの組み合わせで構成される。前記機能項目601aとは、前記複合機100が提供可能な機能の項目であり、各機能ハードキー202a毎に割り当てられる。前記機能項目601aは、例えば、コピー、スキャン、ファックスなどが該当する。又、前記選択項目601bとは、前記機能項目601aに共通して選択することが可能な項目(各機能ハードキー202a毎に共通して押下可能な項目)であり、各選択ハードキー202b毎に割り当てられる。前記選択項目601bは、例えば、N0(ナンバー0)、N1、N2などが該当する。
【0047】
又、一の組み合わせ情報601に対応する一の設定条件602(登録プログラム)とは、ユーザや管理者により所定の機能項目601aに対して予め登録された設定条件であり、当該設定条件を構成する設定項目のうち、所定の設定項目における設定値は、ユーザが前記操作部201を介して入力することが出来ない設定値としている。
【0048】
前記設定条件(登録プログラム)は、例えば、証明書などのIDカードの両面の画像を一の用紙に印刷するIDカードコピー条件、2つの画像データを1つの画像データに集約する集約コピー条件、画像の解像度を標準値より向上させて画像を印刷する高画質コピー条件などが該当する。これらの設定条件は、例えば、前記複合機100に、ネットワークを介して接続された端末装置(PC)を用いて記憶(登録)される。
【0049】
前記登録プログラムテーブル600により、所定の機能項目601aと所定の選択項目601bとの組み合わせ、つまり、ユーザによる所定の機能ハードキー202aと所定の選択ハードキー202bとの押下の組み合わせと、前記一の設定条件602(登録プログラム)とが一対一で関連付けられる。
【0050】
さて、前記登録プログラムテーブル600を参照した取得手段403は、前記組み合わせ情報601と、これに対応する設定条件602とを全て取得して(図5:S105)、その旨を配置手段405に通知する。当該通知を受けた配置手段405は、レイアウト記憶手段406に記憶された小冊子の一頁を構成する頁画像と、ラベル画像とを取得する(図5:S106)。
【0051】
前記頁画像700は、図7(A)に示すように、所定の番号を配置する番号欄701と、所定の機能項目601aを配置する機能項目欄702と、所定の選択項目601bを配置する選択項目欄703と、前記設定条件602(登録プログラム)の内容を配置する設定条件欄704とが設けられている。又、前記ラベル画像705は、図7(A)に示すように、前記機能ハードキー202aと前記選択ハードキー202bのうち、当該選択ハードキー202bに貼り付け可能なラベル画像である。例えば、前記ラベル画像705は、例えば、当該選択ハードキー202bの大きさと同等の大きさのキー(ボタン)の画像であり、ラベル画像に表れる各枠が、各選択ハードキー202bと同じ大きさの外枠となる。そして、前記ラベル画像705は、各選択ハードキー202bの数に対応した数で構成されており、当該ラベル画像705の内には、所定の情報を配置する情報配置欄706が設けられている。
【0052】
さて、前記配置手段405は、前記参照した頁画像700と前記ラベル画像705とに、先ほど取得された組み合わせ情報601と前記設定条件602とを配置する(図5:S107)。
【0053】
具体的には、前記配置手段405が、前記取得した一の組み合わせ情報601と、当該組み合わせ情報601と関連付けられた設定条件602とに対して、これらを識別することが可能な識別情報、例えば、一の番号「1」を生成し、当該生成した番号を、図7(B)に示すように、前記頁画像700の番号欄701に配置する。
【0054】
次に、前記配置手段405は、前記番号を生成した組み合わせ情報601の機能項目601a(「コピー」)と、前記選択項目601b(「N0」)と、前記設定条件602(「IDカードコピー条件」)とを、前記頁画像700の機能項目欄702と、前記選択項目欄703と、前記設定条件欄704とにそれぞれ配置する。
【0055】
尚、前記配置手段405が、各情報を各欄に配置する場合には、当該情報の大きさを当該欄の大きさに調整した上で配置する。
【0056】
又、前記配置手段405が、前記設定条件602を前記設定条件欄704に配置する場合には、当該設定条件の内容、例えば、用紙、倍率、サイズなどの各設定項目毎の設定値をリスト状に配置する。
【0057】
これにより、一の組み合わせ情報601と、これに対応する設定条件602との詳細を示す小冊子の頁画像700が完成する。
【0058】
次に、前記配置手段405は、前記完成済の頁画像700を構成する機能項目601a「コピー」を、これに対応して予め登録された所定の略称(C)に変換し、当該変換した略称に、前記生成した番号(「1」)を隣接配置する。そして、前記配置手段405は、隣接配置した略称及び番号(C「1」)の大きさを、前記完成済の頁画像700を構成する選択項目601b「N0」の選択ハードキー202bのラベル画像705aの情報配置欄706aの大きさに調整した上で、当該略称及び番号(C「1」)を、図7(B)に示すように、前記ラベル画像705aの情報配置欄706aに配置する。
【0059】
これにより、先ほど完成された頁画像700を対応付けることが可能なラベル画像705aが完成する。
【0060】
ここで、前記ラベル画像705aが、上述のように、前記組み合わせ情報601における選択項目601bの選択ハードキー202bである場合には、当該ラベル画像705aの情報配置欄706aに、当該ラベル画像705aに対応していない機能ハードキー202aの機能項目601aの情報(略称)を配置することで、前記機能ハードキー202aと前記選択ハードキー202bとの組み合わせをユーザに認識させる。
【0061】
又、前記ラベル画像705aの情報配置欄706aに、前記一の組み合わせ情報601及び設定条件602を識別する番号を配置することで、当該ラベル画像705aと前記頁画像700とを関連付けることが可能となる。
【0062】
更に、前記ラベル画像705aの情報配置欄706aに、前記機能項目601aを略した略称や番号を密に配置することで、当該ラベル画像705に多くの情報を集約することが出来る。
【0063】
さて、前記配置手段405は、上述した配置を、取得した全ての組み合わせ情報601と、前記設定条件602とに対して実行し、これにより、図8(A)に示すように、前記登録プログラムテーブル600に記憶された設定条件602の数に対応する数の頁画像800と、前記選択ハードキー202bの数に対応する数のラベル画像801とを作成する。
【0064】
前記配置手段405が、前記頁画像800と前記ラベル画像801との作成を完了すると、その旨を画像形成手段407に通知する。当該通知を受けた画像形成手段407は、前記配置された頁画像800と、ラベル画像801とを用紙にそれぞれ画像形成する(図5:S108)。
【0065】
前記画像形成が完了すると、前記複合機100の処理は全て完了する。
【0066】
ここで、例えば、ユーザは、前記頁画像800が画像形成された複数の用紙の端部を揃えて、所定の位置(角部)にステープルを施せば、前記組み合わせ情報601と前記設定条件602とを集約した小冊子が完成する。当該完成した小冊子を、前記複合機100に備え付ければ、ユーザは、2つのキーの押下の組み合わせにより入力可能な設定条件の内容を容易に調べることが可能となる。
【0067】
又、ユーザは、前記ラベル画像801が画像形成された用紙を、例えば、カッタナイフなどで当該ラベル画像801の輪郭に沿って切り取り、ラベルを作成し、当該ラベルを前記選択ハードキー202bの上面に貼り付けて利用することが出来る。
【0068】
これにより、ユーザは、前記小冊子と、前記ラベルとを確認しながら、前記複合機100に予め記憶された登録プログラムのうち、所望の登録プログラムを簡単に入力することが可能となる。
【0069】
特に、前記複合機100に予め記憶された所定の設定条件602(登録プログラム)を、各キー毎にまとめて集約することは、ユーザにとって非常に時間と手間が掛かるとともに、集約ミスも生じ易い。そのため、本発明のように、ユーザが、所定の出力指示を入力するだけで、既に集約された小冊子を構成する一頁とラベルとを自動的に出力する構成とすると、ユーザにとって非常に便利となる。
【0070】
このように、本発明の複合機100は、ユーザにより、前記設定条件602の内容を出力するための出力指示が入力されると、前記登録プログラム記憶手段404から前記機能ハードキー202aと選択ハードキー202bとの押下の組み合わせ情報601と、当該組み合わせ情報601に関連付けられた設定条件602とを取得する取得手段403を備える。又、前記複合機100は、前記取得された組み合わせ情報601と、前記設定条件602とを、小冊子の一頁を構成する頁画像700と、当該組み合わせ情報601における選択項目601bの選択ハードキー202bの大きさと同等の大きさのラベル画像705とにそれぞれ配置する配置手段405と、前記組み合わせ情報601と前記設定条件602とが配置された頁画像800と前記ラベル画像801とを用紙にそれぞれ画像形成する画像形成手段407とを備える。
【0071】
これにより、ユーザは、前記機能ハードキー202aと選択ハードキー202bとの押下の組み合わせと、これに対応する設定条件602(登録プログラム)の内容とを示した小冊子及びラベルを簡単に作成することが可能となり、当該小冊子及びラベルの作成に要する時間や手間を軽減することが可能となる。
【0072】
尚、本発明の実施形態では、前記操作部102に、前記出力キー202eを予め設けておき、ユーザが、当該出力キー202eを押下することで、前記受付手段401が、前記登録プログラムの内容を出力するための出力指示の入力を受け付けたが、他の構成でも構わない。例えば、前記複合機100にネットワークを介して所定の端末装置(PC)を予め接続しておき、ユーザが、当該端末装置を用いて、前記出力指示を前記受付手段401に入力し、当該受付手段401が、当該出力指示の入力を受け付けても構わない。特に、上述したような簡易型操作部102を備えた複合機100では、キーの数が少ないため、前記出力キー202eを設けることが出来ない場合がある。上述した構成とすると、複合機100の簡易型操作部102の構成に左右されることなく、小冊子及びラベルを作成することが可能となる。
【0073】
又、本発明の実施形態では、前記登録プログラム記憶手段404に、所定の組み合わせ情報601と設定条件602とを予め記憶するよう構成したが、他の構成でも構わない。例えば、前記複合機100にネットワークを介して所定の端末装置(PC)を予め接続しておき、ユーザが、当該端末装置を用いて、前記組み合わせ情報601及び前記設定条件602を前記登録プログラム記憶手段404に記憶するよう構成してもよい。特に、上述したような簡易型操作部102を備えた複合機100では、ユーザが、前記設定条件602を当該簡易型操作部102を介して入力することが出来ない場合がある。上述した構成の場合には、例えば、ユーザが、前記端末装置の所定のアプリケーションソフトを用いて前記組み合わせ情報601及び前記設定条件602を作成し、前記ネットワークを介してこれらの情報を記憶させることになる。又、ユーザは、前記端末装置の所定のアプリケーションソフトを用いて、前記登録プログラム記憶手段404の組み合わせ情報601及び設定条件602をディスクトップに表示して確認するよう構成してもよい。
【0074】
又、本発明の実施形態では、前記ラベル画像705として、選択ハードキー202bに対応するキーの画像としたが、他の構成でも構わない。例えば、図8(B)に示すように、ラベル画像802を、機能ハードキー202aの大きさと同等の大きさのキーの画像であり、当該機能ハードキー202aの数に対応した数で構成しても構わない。この場合、所定の機能ハードキー202a(例えば、「コピーキー」)のラベル画像802の内の情報配置欄803には、当該ラベル画像802の機能項目601aに対応する選択項目601bの略称(例えば、「N0−5」)と前記番号(例えば、「1−6」)とが配置されることになる。これにより、前記機能ハードキー202aと前記選択ハードキー202bとの組み合わせをユーザに認識させる。
【0075】
又、本発明の実施形態では、前記ラベル画像705として、選択ハードキー202b又は機能ハードキー202aの上面に貼付可能な画像としたが、他の構成でも構わない。例えば、図8(B)に示すように、短冊状のラベル画像804で、当該ラベル画像に、前記機能項目601a及び前記選択項目601bの略称と前記番号とを配置するよう構成しても構わない。この構成のラベル画像の場合は、前記択ハードキー202b又は機能ハードキー202aの近傍(周辺)に貼付して利用することになる。
【0076】
又、本発明の実施形態では、一の組み合わせ情報601と、当該組み合わせ情報601と関連付けられた設定条件602とを識別する識別情報として、所定の番号を利用したが、他の構成でも構わない、例えば、アルファベットや漢字、平仮名、片仮名などでも、前記識別情報として機能するため、これらの情報でも構わない。
【0077】
又、本発明の実施形態では、前記組み合わせ情報601として、前記操作部102の機能ハードキー202aと選択ハードキー202bの2つのキーの押下の組み合わせの情報を採用したが、他の構成でも構わない。例えば、理論的には、2つ以上のキーの押下の組み合わせであっても、上述した組み合わせ情報601を構成することが出来るため、前記操作部102のキー202の種類に対応して、3つのキーの押下の組み合わせ、例えば、前記機能ハードキー202aと選択ハードキー202bとカーソルキー202c(又はテンキー202d)の3つのキーの押下の組み合わせの情報を採用しても構わない。
【0078】
又、本発明の実施形態では、頁画像に対応する画像形成済みの用紙を束ねることで小冊子としたが、他の構成でも構わない。例えば、電子レンジに添付されるレシピブックを模擬して、前記頁画像に、前記組み合わせ情報601と、前記設定条件602とに更に写真や出来上がり画像などの画像を追加するよう構成しても構わない。
【0079】
又、本発明の実施形態に係る複合機100では、コピー機能について採用したが、例えば、ファクシミリ送受信機能、スキャン機能、プリント機能、電子メール送受信機能、ファイルボックス機能等に対しても採用できる。
【0080】
又、本発明の実施形態に係る画像形成装置では、複合機100としたが、プリンタやスキャナ単体などであっても構わない。
【0081】
又、本発明の実施形態では、複合機100が各手段を備えるよう構成したが、当該各手段を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。当該構成では、前記プログラムを複合機100に読み出させ、その複合機100が前記各手段を実現する。その場合、前記記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各手段が実行するステップをハードディスクに記憶させる方法として提供することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0082】
以上のように、本発明に係る画像形成装置及び画像形成方法は、2つ以上のキーの押下の組み合わせと、当該組み合わせにより実現される登録プログラムの内容とを示した小冊子及びラベルを簡単に出力することが可能な画像形成装置及び画像形成方法として有効である。
【符号の説明】
【0083】
100 複合機
102 操作部
401 受付手段
402 表示手段
403 取得手段
404 登録プログラム記憶手段
405 配置手段
406 レイアウト記憶手段
407 画像形成手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザにより押下可能な複数のキーのうち、2つ以上のキーの押下の組み合わせにより、一の登録プログラムとして、登録プログラム記憶手段に予め記憶された一の設定条件を受け付ける画像形成装置において、
ユーザにより、前記登録プログラムの内容を出力するための出力指示が入力されると、前記登録プログラム記憶手段から前記キーの押下の組み合わせに対応する組み合わせ情報と、当該組み合わせ情報に関連付けられた設定条件とを取得する取得手段と、
前記取得された組み合わせ情報と、前記設定条件とを、小冊子の一頁を構成する頁画像と、当該組み合わせ情報における所定のキー又はその近傍に貼り付け可能なラベル画像とにそれぞれ配置する配置手段と、
前記組み合わせ情報と前記設定条件とが配置された頁画像と前記ラベル画像とを用紙にそれぞれ画像形成する画像形成手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記配置手段は、一の組み合わせ情報と、これに対応する設定条件とに対して、一の識別情報を生成し、当該組み合わせ情報と、当該設定条件と、当該識別情報とを、前記頁画像に配置するとともに、前記組み合わせ情報における所定のキーの情報と、前記識別情報とを、前記ラベル画像に配置する
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
自装置は、ユーザのキーの押下により、前記設定条件を構成する複数の設定項目のうち、所定の設定項目における設定値を入力することが出来ない簡易型操作部を有する画像形成装置である
請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
ユーザにより押下可能な複数のキーのうち、2つ以上のキーの押下の組み合わせにより、一の登録プログラムとして、登録プログラム記憶手段に予め記憶された一の設定条件を受け付ける画像形成装置の画像形成方法において、
ユーザにより、前記登録プログラムの内容を出力するための出力指示が入力されると、前記登録プログラム記憶手段から前記キーの押下の組み合わせに対応する組み合わせ情報と、当該組み合わせ情報に関連付けられた設定条件とを取得する取得ステップと、
前記取得された組み合わせ情報と、前記設定条件とを、小冊子の一頁を構成する頁画像と、当該組み合わせ情報における所定のキー又はその近傍に貼り付け可能なラベル画像とにそれぞれ配置する配置ステップと、
前記組み合わせ情報と前記設定条件とが配置された頁画像と前記ラベル画像とを用紙にそれぞれ画像形成する画像形成ステップと
を備えることを特徴とする画像形成方法。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムを記憶したコンピュータに読み取り可能な記憶媒体。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−115506(P2013−115506A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−257937(P2011−257937)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】