画像形成装置及び画像形成方法
【課題】二次転写ローラを接離するモータの長寿命化と、当該二次転写ローラの押圧による中間転写ベルトの損傷防止とを両立することが可能な画像形成装置1を提供する。
【解決手段】前記印刷完了時から次の印刷開始時までの次印刷開始時間を計測する時間計測手段404と、前記次印刷開始時間と前記ローラ離間時間とを比較して、当該次印刷開始時間が当該ローラ離間時間よりも短いか長いかを判定する時間判定手段408と、前記判定の結果、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも短い場合、当該ローラ離間時間を長く変更し、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも長い場合、当該ローラ離間時間を短く変更する時間変更手段410とを備える画像形成装置1を提供する。
【解決手段】前記印刷完了時から次の印刷開始時までの次印刷開始時間を計測する時間計測手段404と、前記次印刷開始時間と前記ローラ離間時間とを比較して、当該次印刷開始時間が当該ローラ離間時間よりも短いか長いかを判定する時間判定手段408と、前記判定の結果、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも短い場合、当該ローラ離間時間を長く変更し、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも長い場合、当該ローラ離間時間を短く変更する時間変更手段410とを備える画像形成装置1を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成方法に関し、詳しくは、二次転写ローラを接離するモータの長寿命化と、当該二次転写ローラの押圧による中間転写ベルトの損傷防止とを両立することが可能な画像形成装置及び画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カラープリンタ、カラー複合機等に代表される画像形成装置では、感光体などの潜像担持体に対して光ビームを照射して静電潜像を形成するとともに、当該静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成している。更に、前記画像形成装置は、前記形成されたトナー像を中間転写媒体に一次転写させた後、適切なタイミングで記録媒体に二次転写するよう構成されている。
【0003】
ここで、前記画像形成装置において、前記二次転写を行うためには、二次転写ローラなどの二次転写手段が、前記中間転写媒体に対して接離自在に設けられるとともに、当該中間転写媒体への二次転写手段の当接タイミングが適切に制御されている。
【0004】
前記当接タイミングが制御された画像形成装置では、適切なタイミングで帯電ローラによる帯電処理が開始され、その後に露光処理がなされて静電潜像が感光体上に形成される。次に、所定のトナー、例えば、イエロートナーを内蔵する現像器により静電潜像が現像されてイエロートナー像が形成されるとともに、当該トナー像が、前記中間転写媒体に一次転写される。
【0005】
このような像形成工程(帯電処理〜露光処理〜現像処理〜一次転写処理)が、イエローに続いてマゼンタ、シアン及びブラックの順に行われて、前記中間転写媒体上にカラー画像が形成される。そして、ブラックの像形成工程中に二次転写ローラを、前記中間転写媒体に当接させることで、当該中間転写媒体上のカラー画像を所定の記録媒体に二次転写することができる。
【0006】
このような画像形成装置では、単にカラー画像を形成するためのカラー印字モード以外に、ブラックトナーのみに係る像形成工程を実行して、モノクロ画像を形成する単色印字モードを実行可能となっている。そして、前記カラー印字モードか前記単色印字モードかを問わず、所定の当接タイミングで二次転写ローラを前記中間転写媒体に当接させて二次転写処理を行っていた。そのため、前記カラー印字モード、前記単色印字モードうちの一方に適した当接タイミングの制御しか実行出来ないという問題があった。
【0007】
このような問題を解決するために、例えば、特開2005−114844号公報(特許文献1)には、前記二次転写手段が、前記中間転写媒体に対して離当接自在となっており、前記中間転写媒体(中間転写ベルト)への二次転写手段(二次転写ローラ)の当接タイミングが、前記カラー印字モードと前記単色印字モードとで相違している画像形成装置が開示されている。これにより、各印字モードに適した当接タイミングで二次転写ローラを前記中間転写媒体に当接させることが可能となり、前記中間転写媒体への二次転写ローラの当接による影響を印字モードごとに改善して良好な画像形成を行うことが出来るとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−114844号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前記特許文献1に記載の発明では、各印字モード毎に当接タイミングを改善することは出来るものの、印刷頻度に対応した場合にまで当接タイミングを適正化することが出来ないという問題がある。
【0010】
又、上述した画像形成装置では、前記中間転写媒ベルトへの二次転写ローラの接離をカムの回転により制御しており、当該カムの回転は、カムモータによりなされている。前記画像形成装置では、通常、印刷開始時に、前記カムモータを駆動して、前記中間転写ベルトへ前記二次転写ローラを押圧させ、当該印刷完了後から所定時間経過すると、又、前記カムモータを駆動して、前記中間転写ベルトから前記二次転写ローラを離間させる。
【0011】
ここで、前記カムモータの駆動を繰り返し実行すると、当該カムモータの寿命が短くなり、早期に交換しなければならなくなる。一方、前記カムモータの駆動を抑えるために、例えば、前記中間転写ベルトに前記二次転写ローラを押圧させたままの状態で、長時間放置すると、当該中間転写ベルトに強い圧力が印加されたままの状態となり、当該中間転写ベルトは損傷したり凹んだり緩んだりする。このような中間転写ベルトの損傷、凹み又は緩みは、画像形成における画像抜けなどの二次的な問題を誘発する。
【0012】
そこで、前記中間転写ベルトへの二次転写ローラの押圧、離間のタイミングについては、最適化をする必要がある。
【0013】
例えば、印刷完了後から次の印刷が即時に開始される場合には、前記中間転写ベルトに前記二次転写ローラを押圧させたままの状態にしておけば、次の印刷の際に、即時に印刷出来る状態とすることが出来るとともに、前記二次転写ローラの離間をする必要が無くなる。そのため、当該二次転写ローラの離間に要するカムモータの駆動を省略することが出来、当該カムモータの短寿命化を抑えることが出来る可能性がある。
【0014】
一方、印刷完了後から次の印刷が実施されるまでの時間が、前記二次的な問題の生じる可能性があるほど長い場合には、前記中間転写ベルトから前記二次転写ローラを即時に離間させた方が、当該中間転写ベルトへの損傷を防止することが出来る可能性がある。
【0015】
そこで、本発明は、前記問題を解決するためになされたものであり、二次転写ローラを接離するモータの長寿命化と、当該二次転写ローラの押圧による中間転写ベルトの損傷防止とを両立することが可能な画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置は、印刷開始時に中間転写ベルトに二次転写ローラを当接(押圧)し、当該印刷完了時からの経過時間が予め設定された所定のローラ離間時間を超過すると、前記中間転写ベルトから前記二次転写ローラを離間する画像形成装置を前提とし、以下の構成を採用とする。
【0017】
即ち、前記画像形成装置は、前記印刷完了時から次の印刷開始時までの次印刷開始時間を計測する時間計測手段と、前記次印刷開始時間と前記ローラ離間時間とを比較して、当該次印刷開始時間が当該ローラ離間時間よりも短いか長いかを判定する時間判定手段とを備える。又、前記画像形成装置は、前記判定の結果、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも短い場合、当該ローラ離間時間を長く変更し、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも長い場合、当該ローラ離間時間を短く変更する時間変更手段を備える。
【0018】
これにより、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも短い場合、前記ローラ離間時間を長期化することで、印刷完了毎の前記二次転写ローラの離間に要するカムモータの駆動を省略し、当該カムモータの寿命を延長することが可能となる。又、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも長い場合、前記ローラ離間時間を短期化することで、印刷完了後、前記二次転写ローラを素早く離間させ、当該二次転写ローラの当接(押圧)による前記中間転写ベルトの損傷を回避することが可能となる。
【0019】
又、前記時間判定手段は、今まで計測された所定数の次印刷開始時間の平均値を算出して、当該算出された平均値を前記次印刷開始時間とするよう構成することが出来る。
【0020】
又、前記時間計測手段は、前記印刷完了時からの経過時間が、予め設定されたスリープ時間を超過すると、当該スリープ時間を次印刷開始時間として計測するよう構成することが出来る。
【0021】
又、前記時間変更手段は、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも短い場合、短い次印刷開始時間が代入される程、長いローラ離間時間が出力される式であって、且つ、出力されるローラ離間時間が前記スリープ時間を超過した際に、当該スリープ時間と同一の値が出力される式を用いて前記ローラ離間時間を長く変更するよう構成することが出来る。又、前記時間変更手段は、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも長い場合、長い次印刷開始時間が代入される程、短いローラ離間時間が出力される式であって、且つ、出力されるローラ離間時間が負の値となった際に、0secの値が出力される式を用いて前記ローラ離間時間を短く変更するよう構成することが出来る。
【0022】
又、本発明は、印刷開始時に中間転写ベルトに二次転写ローラを当接し、当該印刷完了時からの経過時間が予め設定された所定のローラ離間時間を超過すると、前記中間転写ベルトから前記二次転写ローラを離間する画像形成装置の画像形成方法として提供することが出来る。
【0023】
即ち、前記画像形成方法は、前記印刷完了時から次の印刷開始時までの次印刷開始時間を計測する時間計測ステップと、前記次印刷開始時間と前記ローラ離間時間とを比較して、当該次印刷開始時間が当該ローラ離間時間よりも短いか長いかを判定する時間判定ステップとを備える。又、前記画像形成方法は、前記判定の結果、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも短い場合、当該ローラ離間時間を長く変更し、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも長い場合、当該ローラ離間時間を短く変更する時間変更ステップを備える。このように構成したとしても、上述と同様の効果を得ることが可能となる。
【0024】
又、本発明は、電気通信回線などを介して個別に流通する、コンピュータに実行させるためのプログラムとして提供することが出来る。この場合、中央演算処理装置(CPU)が、本発明のプログラムに従ってCPU以外の各回路と協働して制御動作を実現する。
【0025】
又、前記プログラム及びCPUを用いて実現される各手段は、専用のハードウェアを用いて構成することもできる。又、当該プログラムは、CD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された状態で流通させることも可能である。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る画像形成装置及び画像形成方法では、二次転写ローラを接離するモータの長寿命化と、当該二次転写ローラの押圧による中間転写ベルトの損傷防止とを両立することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略模式図である。
【図2】本発明の実施形態に係る現像ユニットの一例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置の制御系ハードウェアの概略構成図である。
【図4】本発明の実施形態に係る画像形成装置の機能ブロック図である。
【図5】本発明の実施形態の実行手順を示すための第一のフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態の実行手順を示すための第二のフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態における印刷完了時からの経過時間がローラ離間時間を超過する前に次の印刷が開始された場合の時系列チャート(図7(A)))と、印刷完了時からの経過時間がローラ離間時間を超過した後に次の印刷が開始された場合の時系列チャート(図7(B)))である。
【図8】本発明の実施形態に係る時間テーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に、添付図面を参照して、本発明の画像形成装置の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。又、フローチャートにおける数字の前に付されたアルファベット「S」はステップを意味する。
【0029】
<画像形成装置>
以下、本発明に係る画像形成装置1について説明する。
【0030】
図1は、本実施形態の画像形成装置1の概略構成図である。
【0031】
画像形成装置1は、画像データに基づいてトナー画像を形成するタンデム式の画像形成部A1、用紙を収容する用紙収容部2、前記形成されたトナー画像を用紙上に転写する二次転写部3を備えている。又、前記転写されたトナー画像を用紙上に定着させる定着部4、定着の完了した用紙を排紙する排紙装置5及び前記排紙された用紙を受ける排紙トレイ7を備える。更に、画像形成装置1は、用紙収容部2から排紙装置5まで用紙を搬送する用紙搬送部6を備えている。
【0032】
前記画像形成部A1は、中間転写ベルトB1(中間転写体)、クリーニング部B2、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)の各色にそれぞれ対応した画像形成ユニットFY、FM、FC、FBを備える。前記中間転写ベルトB1は、導電性を有する使用可能な用紙搬送方向に直角な方向の長さが最大の用紙より幅広であって、無端状(ループ状)のベルト状部材であり、図1において時計回りに循環駆動される。
【0033】
前記画像形成ユニットFY、FM、FC、FBは、前記中間転写ベルトB1に沿って、その移動方向において、前記クリーニング部B2より下流かつ前記二次転写部3の上流に、この順に配される。
【0034】
次に、前記画像形成装置1の画像形成動作を説明する。図2は、画像形成ユニットFY、FM、FC、FBの1つの詳細図である。各画像形成ユニットFY、FM、FC、FBはほぼ同等な構成となっている。
【0035】
前記画像形成ユニットFYは、感光体ドラム(像担持体)10、帯電器11、LED露光装置12、黄色用の現像装置HY、一次転写ローラ(電圧印加部)20、クリーニングブレード35、除電装置13、キャリア液除去ローラ(キャリア除去部材)30を備える。尚、他の画像形成ユニットFM、FC、FBはそれぞれの色に対応した現像装置HM、HC、HBを備える。
【0036】
前記感光体ドラム10は、その表面に帯電(本実施形態ではプラス極性に帯電)したトナーを含むトナー像を担持する。又、前記感光体ドラム10は、中間転写ベルトB1の表面に、所定の一次転写位置10Sにて接するようになっている。そして、前記感光体ドラム10は、一次転写位置10Sでの移動方向が中間転写ベルトB1の移動方向と同方向になるように、つまり、図2においては反時計回りに回転可能である。
【0037】
前記クリーニングブレード35、前記除電装置13、前記帯電器11、前記露光装置12、黄色用の現像装置HYは、前記感光体ドラム10の回りに、上述の回転方向に沿って、一次転写位置から見てこの順に配される。
【0038】
前記帯電器11は、前記感光体ドラム10表面を一様に帯電させる。前記露光装置12は、LED等の光源を有し、上位装置からの画像データに応じて、帯電した感光体ドラム10表面を画像データに応じた光で照射し、感光体ドラム10の表面に静電潜像を形成する。
【0039】
黄色用の現像装置HYは、黄色のトナー及び液体のキャリアを含む現像剤を前記静電潜像に対向するように保持することで、当該静電潜像にトナーを付与し、当該静電潜像をトナー像として現像する。このトナー像は一次転写ローラ20によって中間転写ベルトB1に一次転写される。一次転写ローラ20の詳細については後述する。
【0040】
前記クリーニングブレード35は、感光体ドラム10に接するように配されたブレード状の部材であり、一次転写後、前記感光体ドラム10の表面に残留した現像剤を除去する。
【0041】
前記除電装置13は光源を備え、クリーニングブレード35による現像剤除去後、感光体ドラム10の表面を光源からの光によって除電し、次の画像形成に備える。
【0042】
前記一次転写ローラ20は、中間転写ベルトB1の裏面に、中間転写ベルトB1の移動方向において前記一次転写位置10Sより下流の電圧印加位置20Sで接するように配される。一次転写ローラ20には、図示しない電源からトナー像中のトナーとは逆極性(本実施形態ではマイナス)の電圧を印加されるようになっている。つまり、一次転写ローラ20は、前記電圧印加位置20Sにて前記中間転写ベルトB1にトナーと逆極性の電圧を印加する。前記中間転写ベルトB1は導電性を有するので、この印加電圧によって、電圧印加位置20Sの中間転写ベルトB1の表面側及びその周辺にトナーが引き付けられる。
【0043】
前記一次転写位置10Sは、前記印加電圧によって、トナーが中間転写ベルトB1側に引き付けられる範囲内に配置される。その結果、前記感光体ドラム10から前記中間転写ベルトB1の表面へトナーが移動し、一次転写が行われる。
【0044】
一次転写時には、トナーと共にキャリアも前記感光体ドラム10から前記中間転写ベルトB1へと少量転移することがある。このキャリアの転移は、下流側の画像形成部における一次転写を妨げて画像のぼけ及びにじみ等の画像の不具合を引き起こす。前記キャリア除去ローラ30が、中間転写ベルトB1の移動方向において前記電荷印加位置20Sよりも下流で中間転写ベルトB1の表面に接するように配置され、このような画像の不具合を防止する。
【0045】
クリーニングユニット31は、前記キャリア除去ローラ30の表面に接することでキャリア除去ローラ30表面に付着したキャリアを除去するキャリア除去ブレード31bと、前記キャリア除去ローラ30及び前記クリーニングブレード35から除去されたキャリア及び現像剤(トナー及びキャリアを含む)をクリーニングユニット31の外部に搬送する搬送部材31cを備える。
【0046】
次に、現像装置HYの構成について説明する。各色の現像装置HY、HM、HC、HBの構成は同等である。
【0047】
現像装置HYは、現像容器40、現像ローラ40a、供給ローラ40b、汲み上げローラ40c、撹拌スパイラル40d及び40e、クリーニングブレード45、並びに供給ローラドクターブレード40gを備える。
【0048】
前記現像容器40は、内部に黄色のトナー粒子と液体のキャリアからなる現像剤を貯留する。前記撹拌スパイラル40d及び40eは、前記現像容器40の現像剤に全体が浸るように設けられ、現像剤を撹拌する。
【0049】
前記汲み上げローラ40cは現像容器40の現像剤にその一部が浸るように配置され、現像剤をその表面に付着させて汲み上げる。この汲み上げローラ40cに接するようにして供給ローラ40bが配置され、汲み上げローラ40cから現像剤の供給を受ける。
【0050】
前記供給ローラ40bの回転方向の汲み上げローラ40cと接する位置の下流側に、前記供給ローラ40bの表面の現像剤の層厚を規制する供給ローラドクターブレード40gが設けられる。又、前記供給ローラ40bと接するように現像ローラ40a(現像器ともいう)が配置され、その表面に前記供給ローラ40bから現像剤が付与される。この現像ローラ40aは感光体ドラム10と接し、感光体ドラム10の表面の静電潜像の電位と現像ローラ40aに印加される現像バイアス値の電位差によって上位装置から形成指示された画像に応じたトナー像が感光体ドラム10表面に形成される(現像動作)。
【0051】
感光体ドラム10への現像動作を終えた現像ローラ40aの表面の現像剤は、クリーニングブレード45によって除去され、クリーニングブレード45の表面に沿って流下し図示しない流路を通って現像容器40に貯留される。
【0052】
このような構成の下、ユーザから画像形成の指示を受けた画像形成装置1は、指示を受けた画像データに対応した各色のトナー像を画像形成ユニットFY、FM、FC、FBを用いて形成する。各画像形成ユニットで形成されたトナー像は中間転写ベルトB1に転写されて、中間転写ベルトB1上で重ね合わされてカラートナー像となる。
【0053】
このカラートナー像の形成と同期して用紙収容部2に収容されている用紙が図示しない給紙装置で用紙収容部2から一枚ずつ取り出されて、用紙搬送部6上を搬送される。そして、用紙は中間転写ベルトB1への一次転写とタイミングを合わせて二次転写部3に送り込まれ、当該用紙に、二次転写部3で前記中間転写ベルトB1上のカラートナー像が二次転写される。
【0054】
前記二次転写部3には、前記中間転写ベルトB1に一次転写されたカラートナー像を用紙に二次転写させる二次転写ローラ3aが設けられている。前記二次転写ローラ3aは、図示しない電圧印加部により、前記中間転写ベルトB1に形成されたカラートナー像を用紙に転写させるための電圧(二次転写バイアス)が印加される。又、前記二次転写ローラ3aは、当該二次転写ローラに当接する所定のカムと、当該カムを回転させるカムモータとにより、中間転写ベルトB1に対して当接(押圧)又は離間される。前記カムモータが、前記画像形成装置1の指示により、前記カムモータを所定回数回転させると、当該カムの回転に応じて、前記二次転写ローラ3aが前記中間転写ベルトB1に当接するよう構成されている。前記二次転写ローラ3aを前記中間転写ベルトB1から離間する場合も、前記カムモータの回転によりなされる。
【0055】
さて、前記カラートナー像が転写された用紙は、更に、定着部4に搬送されて熱と圧力によりカラートナー像が用紙に定着される。そして、当該用紙は、排紙装置5によって画像形成装置1の外周に設けられた排紙トレイ7に排紙される。二次転写後、中間転写ベルトB1に残留したトナーは、当該中間転写ベルトB1のクリーニング部B2によって除去される。
【0056】
図3は、本実施形態における画像形成装置1の制御関連の概略構成図である。
【0057】
画像形成装置1は、CPU(Central Processing Unit)301、RAM(Random Access Memory)302、ROM(Read Only Memory)303、HDD(Hard Disk Drive)304及び前記印刷における各駆動部307に対応するドライバ305が内部バス306を介して接続されている。前記CPU301は、例えば、前記RAM302を作業領域として利用し、前記ROM303や前記HDD304等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて前記ドライバ305とデータや命令を授受することにより、図1に示した各駆動部307の動作を制御する。又、前記駆動部307以外の後述する各手段(図4に示す)についても、前記CPU301がプログラムを実行することで各手段として動作する。
【0058】
<本発明の実施形態>
次に図4、図5、図6を参照しながら、本発明の実施形態に係る構成及び実行手順について説明する。図4は、本発明の画像形成装置1の機能ブロック図である。図5は、本発明の実行手順を示すための第一のフローチャートである。図6は、本発明の実行手順を示すための第二フローチャートである。
【0059】
先ず、ユーザが、画像形成装置1に画像形成の指示を入力すると、当該画像形成装置1の機能提供手段401が、前記指示に係る設定条件と画像データとに基づいてプリンタ機能の提供、つまり、印刷を開始する(図5:S101)。
【0060】
ここで、前記機能提供手段401が印刷を開始すると、前記画像データに対応するトナー像を中間転写ベルトB1に形成する(一次転写)。次に、前記機能提供手段401は、所定のタイミングで、二次転写する旨をローラ接離手段402に通知する。当該ローラ接離手段402は、二次転写ローラ3aの接離に対応するカムモータ403の状態に基づいて、当該二次転写ローラ3aが前記中間転写ベルトB1から離間しているか前記中間転写ベルトB1に当接(押圧)しているか検知する(図5:S102)。
【0061】
前記検知の結果、前記二次転写ローラ3aが前記中間転写ベルトB1から離間している場合(図5:102YES)、前記ローラ接離手段402は、前記カムモータ403を所定回数だけ回転させて、当該二次転写ローラ3aを前記中間転写ベルトB1に当接させる(図5:S103)。これにより、二次転写可能な状態となる。
【0062】
一方、前記二次転写ローラ3aが前記中間転写ベルトB1に当接している場合(図5:102NO)、前記ローラ接離手段402は、この状態を維持する。
【0063】
さて、前記二次転写ローラ3aが前記中間転写ベルトB1に当接された状態となると、前記機能提供手段401は、前記中間転写ベルトB1と前記二次転写ローラ3aとの間に用紙を搬送させて、当該用紙に当該中間転写ベルトB1に転写させたトナー像を転写(二次転写)させる。そして、前記機能提供手段401は、前記トナー像を熱と圧力により用紙に定着させて、当該用紙を排紙トレイ7に排紙し、印刷を実行する(図5:S104)。
【0064】
ここで、前記機能提供手段401が、印刷の実行を完了すると、その旨を時間計測手段404に通知する。当該通知を受けた時間計測手段404は、タイマ405を起動し、前記印刷完了時からの経過時間を計時して、当該印刷完了時から次の印刷開始時までの時間(次印刷開始時間とする)の計測を開始する(図5:S105)。
【0065】
次に、前記時間計測手段404は、前記機能提供手段401を監視して、次の印刷が開始されるか否かを検知するとともに、所定の第一のメモリ406に記憶(設定)されたローラ離間時間(例えば、60sec)と、所定の第二のメモリ407に予め記憶(設定)されたスリープ時間(前記画像形成装置1が印刷を完了した時点から省電力状態であるスリープ状態へ遷移するために要するスリープ状態遷移時間、例えば、600sec)とを読み取る。
【0066】
そして、前記時間計測手段404は、前記タイマ405が計時している経過時間と前記ローラ離間時間とを比較して、当該経過時間が当該ローラ離間時間を超過したか否かを判定する(図5:S106)。又、前記時間計測手段404は、前記経過時間と前記スリープ時間とを比較して、当該経過時間が当該ローラ離間時間を超過したか否かを判定する(図5:S107)。尚、前記ローラ離間時間は、通常、前記スリープ時間と同一又は当該スリープ時間よりも短く設定される。
【0067】
ここで、図7(A)に示すように、前記印刷完了時点701からの経過時間が、前記ローラ離間時間を超過する時点702よりも前で(図5:S106NO)、且つ、前記スリープ時間を超過する時点703よりも前に(図5:S107NO)、次の印刷が開始された場合704は(図5:S108YES)、以下のようになる。
【0068】
即ち、前記経過時間が前記ローラ離間時間を超過する前に(図5:S106NO)、ユーザが、前記画像形成装置1に画像形成の指示を更に入力すると、前記機能提供手段401が、当該指示に係る設定条件と画像データとに基づいて次の印刷を開始する(図5:S108YES)。
【0069】
ここで、前記機能提供手段401を監視していた時間計測手段404は、当該機能提供手段401が次の印刷を開始することを検知し、前記タイマ405が計時する経過時間(例えば、30sec)を取得する(図6:S201)。当該経過時間は、前記印刷完了時から次の印刷開始時までの時間(次印刷開始時間)となる。これにより、前記次印刷開始時間の計測が完了する。
【0070】
次に、前記時間計測手段404は、前記次印刷開始時間の計測を完了した旨を時間判定手段408に通知する。当該通知を受けた時間判定手段408は、先ず、先ほど計測された次印刷開始時間を前記時間計測手段404から受信し、時間記憶手段409に予め記憶された時間テーブル800を参照する(図6:S202)。
【0071】
前記時間テーブル800には、図8に示すように、前記画像形成装置1の印刷実行により今まで計測された所定数の次印刷開始時間801が、最上段を最近計測された次印刷開始時間として下段に向かって時系列的に並んで記憶されている。
【0072】
前記時間テーブル800を参照した時間判定手段408は、当該時間テーブル800の最上段に、先ほど受信した次印刷開始時間(30sec)を記憶させる。次に、前記時間判定手段408は、前記時間テーブル800に記憶された次印刷開始時間のうち、最上段から下段に向かって所定数(例えば、10個)の次印刷開始時間802を読み取るとともに、当該読み取った所定数の次印刷開始時間802の平均値を算出する(図6:S203)。
【0073】
例えば、図8に示す時間テーブル800であれば、前記時間判定手段408が、最上段から下段に向かって読み取った所定数(10個)の次印刷開始時間802「30sec・・・10sec」に基づいてその平均値「20sec」を算出する。
【0074】
そして、前記時間判定手段408は、前記算出した平均値を、前記ローラ離間時間と比較するための次印刷開始時間とする。これにより、前記次印刷開始時間、つまり、各印刷毎の印刷間隔のうち、最近のユーザの印刷実行の傾向を反映した印刷間隔に基づいて、前記ローラ離間時間を変更することが可能となる。言い換えると、前記画像形成装置1に対する最近のユーザの使用頻度に応じて、前記二次転写ローラ3aの当接・離間のタイミングを調整することが可能となる。
【0075】
次に、前記時間判定手段408は、前記第一のメモリ406からローラ離間時間(60sec)を取得して、平均値である次印刷開始時間(例えば、20sec)と前記ローラ離間時間(60sec)とを比較し、両者が同一か否かを判定する(図6:204)。
【0076】
ここで、前記同一か否かの判定は、例えば、四捨五入などの処理により、平均値である次印刷開始時間の値の有効桁数と、前記ローラ離間時間の値の有効桁数とを揃えた上でなされる。
【0077】
前記判定の結果、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間と同一である場合(図6:S204YES)、当該次印刷開始時間に基づいてローラ離間時間を特に変更する必要がないため、前記時間判定手段408は、その旨を前記機能提供手段401に通知する。当該通知を受けた機能提供手段401は、上述では、前記印刷を実行する必要があるため(図6:S208YES)、S102に移行し、上述したように、例えば、前記一次転写、前記二次転写ローラ3aの当接・離間の検知などの処理を実行する。S102以降の処理については、上述と同様であるため、その説明を割愛する。
【0078】
一方、S204において、前記判定の結果、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間と同一でない場合(図6:S204NO)、前記次印刷開始時間に基づいてローラ離間時間を変更(最適化)する必要があるため、前記時間判定手段408は、更に、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも短いか長いかを判定する(図6:205)。
【0079】
前記判定の結果、前記次印刷開始時間(20sec)が前記ローラ離間時間(60sec)よりも短い場合(図6:205YES)、前記時間判定手段408は、その旨を時間変更手段410に通知する。当該通知を受けた時間変更手段410は、前記ローラ離間時間を長く変更する(図6:206)。
【0080】
前記時間変更手段410が前記ローラ離間時間を長く変更する方法は、どのような方法でも構わないが、例えば、以下の方法が採用される。
【0081】
即ち、前記時間変更手段410は、演算式記憶手段411に予め記憶された第一の式を参照し、当該第一の式に、前記次印刷開始時間を代入する。前記第一の式は、短い次印刷開始時間が代入される程、長いローラ離間時間が出力される式であって、且つ、出力されるローラ離間時間が前記スリープ時間を超過した際に、当該スリープ時間と同一の値が出力される式である。前記第一の式は、例えば、以下のように与えられる。
【0082】
T=T0+(T0−t)*A
ここで、T(sec)は、ローラ離間時間であり、T0(sec)は、最初に設定されるローラ離間時間(例えば、60sec)であり、t(sec)は、次印刷開始時間であり、A(−)は、重み係数(例えば、6)である。
【0083】
例えば、前記第一の式に、前記次印刷開始時間である20secが代入されると、前記ローラ離間時間として300secが出力される。当該出力されるローラ離間時間は、T0と比較すると、長期化された時間である。前記時間変更手段410は、長期化されたローラ離間時間を取得することになる(図6:S206)。
【0084】
そして、前記時間変更手段410が、前記第一の式により長期化されたローラ離間時間(例えば、300sec)を取得すると、前記第一のメモリ406に記憶されたローラ離間時間(60sec)を、前記長期化されたローラ離間時間(300sec)に書き換える(図6:S207)。
【0085】
これにより、前記ローラ離間時間を長期化することで、印刷完了しても、前記二次転写ローラ3aを前記中間転写ベルトB1に当接させ続けることが出来る。ここで、前記次印刷開始時間が短いことは、現実には、ユーザが前記画像形成装置1を頻繁に利用していることに対応するから、前記二次転写ローラ3aの当接の継続により、後続に発生した次の印刷を連続して実行することが可能となる。つまり、印刷完了毎の前記二次転写ローラ3aの離間を省略することが可能となる。そのため、当該二次転写ローラ3aの離間に要するカムモータ403の駆動を省略することが可能となり、当該カムモータ403の寿命を延長することが可能となる。
【0086】
さて、前記時間変更手段410が、前記ローラ離間時間を長く変更すると、その旨を前記機能提供手段401に通知する。当該通知を受けた機能提供手段401は、前記印刷を実行する必要があるため(図6:S208YES)、S102に移行し、上述したように、例えば、前記一次転写などの処理を実行することになる。
【0087】
一方、S205において、前記判定の結果、前記次印刷開始時間(例えば、120sec)が前記ローラ離間時間(60sec)よりも長い場合(図6:S205NO)、前記時間判定手段408は、その旨を時間変更手段410に通知する。当該通知を受けた時間変更手段410は、前記ローラ離間時間を短く変更する(図6:S209)。
【0088】
尚、前記経過時間が前記ローラ離間時間を超過する前に(図5:S106NO)、次の印刷が開始されたにも関わらず(図5:S108YES)、前記次印刷開始時間が、当該ローラ離間時間よりも長い場合は、例えば、前記時間テーブル800に、前記ローラ離間時間よりも長い次印刷開始時間(例えば、100sec、200secなど)が複数記憶されている場合に対応する。
【0089】
ここで、前記時間変更手段410が前記ローラ離間時間を短く変更する方法は、どのような方法でも構わないが、例えば、以下の方法が採用される。
【0090】
即ち、前記時間変更手段410は、前記演算式記憶手段411に予め記憶された第二の式を参照し、当該第二の式に、前記次印刷開始時間を代入する。前記第二の式は、長い次印刷開始時間が代入される程、短いローラ離間時間が出力される式であって、且つ、出力されるローラ離間時間が負の値となった際に、0secの値が出力される式である。前記第二の式は、例えば、以下のように与えられる。
【0091】
T=T0−(t−T0)*B
ここで、T(sec)は、ローラ離間時間であり、T0(sec)は、最初に設定されるローラ離間時間(例えば、60sec)であり、t(sec)は、次印刷開始時間であり、B(−)は、重み係数(例えば、1/3)である。尚、前記第二の式では、前記次印刷開始時間として600secを代入すると、前記ローラ離間時間の最小値として−120secという負の値が出力されるため、負の値となった場合には、0secが出力されるよう構成される。
【0092】
例えば、前記第二の式に、前記次印刷開始時間である120secが代入されると、前記ローラ離間時間として40secが出力される。当該出力されるローラ離間時間は、T0と比較すると、短期化された時間である。前記時間変更手段410は、短期化されたローラ離間時間を取得する(図6:S209)。
【0093】
そして、前記時間変更手段410が、前記第二の式により短期化されたローラ離間時間(40sec)を取得すると、前記第一のメモリ406に記憶されたローラ離間時間(60sec)を、前記短期化されたローラ離間時間(40sec)に書き換える(図6:S207)。
【0094】
これにより、前記ローラ離間時間を短期化することで、印刷完了すると、速やかに前記二次転写ローラ3aを前記中間転写ベルトB1から離間させることが出来る。ここで、前記次印刷開始時間が長いことは、現実には、ユーザが前記画像形成装置1を殆ど利用していない状態に対応するから、前記二次転写ローラ3aを前記中間転写ベルトB1から素早く離間させることで、当該中間転写ベルトB1の損傷を回避することが可能となる。
【0095】
さて、前記時間変更手段410が、前記ローラ離間時間を短く変更すると、その旨を前記機能提供手段401に通知する。当該通知を受けた機能提供手段401は、前記印刷を実行する必要があるため(図6:S208YES)、S102に移行し、上述したように、例えば、一次転写などの処理を実行することになる。
【0096】
ところで、S106において、前記印刷完了後からの経過時間が、前記ローラ離間時間を超過した場合(図5:S106YES)は、以下のようになる。
【0097】
即ち、前記経過時間が前記ローラ離間時間(60sec)を超過すると、前記時間計測手段404が、前記タイマ405によりそれを判定して(図5:S106YES)、その旨を前記ローラ接離手段402に通知する。当該通知を受けたローラ接離手段402は、前記カムモータ403を所定回数だけ回転させて、前記二次転写ローラ3aを前記中間転写ベルトB1から離間する(図5:S109)。これにより、前記二次転写ローラ3aは、前記ローラ離間時間に対応して離間制御されることになる。
【0098】
又、前記時間計測手段404は、前記経過時間が前記スリープ時間を超過していない場合(図5:S107NO)、次の印刷が開始されるのを待ちながら(図5:S108)、前記経過時間が前記スリープ時間を超過するか否かの判定を継続することになる(図5:S107)。
【0099】
ここで、図7(B)に示すように、前記経過時間が前記スリープ時間を超過する時点703よりも前に(図5:S107NO)、次の印刷が開始された場合705は(図5:S108YES)、S201へ移行し、前記時間計測手段404が、前記タイマ405の経過時間(例えば、100sec)を前記次印刷開始時間として取得する(図6:S201)。これにより、上述したローラ離間時間の最適化がなされることになる。尚、S201以降の後の処理については、上述と同様であるため、その説明を割愛する。
【0100】
一方、次の印刷が開始される前に(図5:S108NO)、前記経過時間が前記スリープ時間(600sec)を超過した場合(図5:S107YES)、以下のようになる。
【0101】
即ち、ユーザが次の印刷指示を前記画像形成装置1に全く行うことなく、当該画像形成装置1が長期間放置され、前記経過時間が前記スリープ時間を超過すると、前記時間計測手段404が、それを判定して(図5:S107YES)、前記タイマ405を停止させ、前記スリープ時間(600sec)を次印刷開始時間として取得する(図6:S201)。
【0102】
これにより、前記画像形成装置1が長期間放置された場合には、前記スリープ時間を前記次印刷開始時間として計測して、前記ローラ離間時間の最適化に反映させることが可能となる。
【0103】
尚、S201からS207までの処理については、上述と同様であるため、その説明を割愛する。
【0104】
ところで、前記経過時間が前記スリープ時間を超過した後の処理の場合、S208において、前記機能提供手段401は、次の印刷を実行する必要がない(図6:S208NO)。そのため、前記機能提供手段401は、画像形成可能な状態から省電力状態であるスリープ状態へ移行し(図6:S210)、全ての処理を完了する。
【0105】
これにより、前記経過時間が前記スリープ時間を超過した場合であっても、前記ローラ離間時間の変更(最適化)は実行されることになる。
【0106】
このように、本発明に係る画像形成装置1では、前記印刷完了時から次の印刷開始時までの次印刷開始時間を計測する時間計測手段404と、前記次印刷開始時間と前記ローラ離間時間とを比較して、当該次印刷開始時間が当該ローラ離間時間よりも短いか長いかを判定する時間判定手段408とを備える。又、本発明に係る画像形成装置1では、前記判定の結果、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも短い場合、当該ローラ離間時間を長く変更し、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも長い場合、当該ローラ離間時間を短く変更する時間変更手段410を備える。
【0107】
これにより、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも短い場合、前記ローラ離間時間を長期化することで、印刷完了毎の前記二次転写ローラ3aの離間に要するカムモータ403の駆動を省略し、当該カムモータ403の寿命を延長することが可能となる。又、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも長い場合、前記ローラ離間時間を短期化することで、印刷完了後、前記二次転写ローラ3aを前記中間転写ベルトB1から素早く離間させ、当該二次転写ローラ3aの当接による当該中間転写ベルトB1の損傷を回避することが可能となる。
【0108】
尚、本発明の実施形態では、前記二次転写ローラ3aの離間を制御する画像形成装置1としてカムモータ403を採用したが、これに限られるものでなく、モータを採用して前記二次転写ローラ3aの離間を制御する画像形成装置1であれば、同様の作用効果を奏する。
【0109】
又、本発明の実施形態では、前記時間計測手段404が、全ての時間帯で生じる印刷により前記次印刷開始時間を計測するよう構成したが、他の構成でもよい。通常、印刷実行頻度は、1日の時間帯のうち、所定の時間帯に集中する場合が多い。前記時間帯が、例えば、午前9時から12時までの時間帯、午後1時から6時までの時間帯であれば、前記印刷実行頻度が高くなり、12時から午後1時までの時間帯、午後6時から午前9時までの時間帯であれば、前記印刷実行頻度が低くなる。そのため、前記時間計測手段404は、予め設定された時間帯において、前記次印刷開始時間を計測して、前記ローラ離間時間を最適化するよう構成してもよい。例えば、前記時間帯を、前記印刷実行頻度の高い時間帯に設定すると、前記ローラ離間時間が長期化され易くなり、前記カムモータ403の長寿命化を促進することが可能となる。又、前記時間帯を、前記印刷実行頻度の低い時間帯に設定すると、前記ローラ離間時間が短期化され易くなり、前記二次転写ローラ3aによる中間転写ベルトB1への損傷を十分に抑えることが可能となる。
【0110】
又、本発明の実施形態では、前記画像形成装置1が、全てのユーザの印刷実行に対して、前記次印刷開始時間を計測し、前記次印刷開始時間と前記ローラ離間時間とを比較判定し、前記ローラ離間時間を変更するよう構成したが、他の構成でも構わない。例えば、前記印刷実行頻度は、ユーザに応じて異なることが多いため、各ユーザ毎に次印刷開始時間を計測し、各ユーザ毎にローラ離間時間を変更するよう構成してもよい。例えば、前記画像形成装置1に、各ユーザ毎に所定のローラ離間時間を予め設定する設定手段と、パスワード入力認証、IDカード認証などによりユーザを認証するユーザ認証手段とを備える。そして、前記ローラ接離手段402は、前記ユーザ認証手段により認証されたユーザに対応するローラ離間時間を用いて、二次転写ローラ3aを制御する。又、前記時間計測手段404は、所定のユーザが認証している間(ログイン中)に、前記印刷完了時から次の印刷開始時までの次印刷開始時間を計測し、前記時間判定手段408は、当該計測された次印刷開始時間と、前記認証されたユーザに対応するローラ離間時間とを比較し、当該次印刷開始時間が当該ローラ離間時間よりも短いか長いかを判定する。更に、前記時間変更手段410は、前記判定の結果、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも短い場合、前記認証されたユーザに対応するローラ離間時間を長く変更し、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも長い場合、前記認証されたユーザに対応するローラ離間時間を短く変更する。これにより、各ユーザ毎の印刷実行頻度に応じて、ローラ離間時間を変更(最適化)することが可能となるため、カムモータ403の長寿命化と、中間転写ベルトB1の損傷防止とを両立をより効率よく図ることが可能となる。
【0111】
又、本発明の実施形態では、前記時間テーブル800に、所定数の次印刷開始時間801を、最上段を最近計測された次印刷開始時間として下段に向かって時系列的に並んで記憶するよう構成したが、他の構成でも構わない。例えば、前記時間テーブルに、所定数の次印刷開始時間を、最下段を最近計測された次印刷開始時間として上段に向かって時系列的に並んで記憶するよう構成しても良いし、他の記憶方法であっても構わない。
【0112】
又、本発明の実施形態では、画像形成装置1のプリンタ機能の処理に関して採用したが、例えば、ファクシミリ受信機能、コピー機能等に対しても採用できる。
【0113】
又、本発明の実施形態では、画像形成装置1が各手段を備えるよう構成したが、当該各手段を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。当該構成では、前記プログラムを画像形成装置1に読み出させ、その画像形成装置1が前記各手段を実現する。その場合、前記記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各手段が実行するステップをハードディスクに記憶させる方法として提供することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0114】
以上のように、本発明に係る画像形成装置及び画像形成方法は、通常の画像形成装置はもちろん、複合機、複写機、プリンタ等に有用であり、二次転写ローラを接離するモータの長寿命化と、当該二次転写ローラの押圧による中間転写ベルトの損傷防止とを両立することが可能な画像形成装置及び画像形成方法として有効である。
【符号の説明】
【0115】
1 画像形成装置
3a 二次転写ローラ
B1 中間転写ベルト
401 機能提供手段
402 ローラ接離手段
403 カムモータ
404 時間計測手段
405 タイマ
406 第一のメモリ
407 第二のメモリ
408 時間判定手段
409 時間記憶手段
410 時間変更手段
411 演算式記憶手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成方法に関し、詳しくは、二次転写ローラを接離するモータの長寿命化と、当該二次転写ローラの押圧による中間転写ベルトの損傷防止とを両立することが可能な画像形成装置及び画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カラープリンタ、カラー複合機等に代表される画像形成装置では、感光体などの潜像担持体に対して光ビームを照射して静電潜像を形成するとともに、当該静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成している。更に、前記画像形成装置は、前記形成されたトナー像を中間転写媒体に一次転写させた後、適切なタイミングで記録媒体に二次転写するよう構成されている。
【0003】
ここで、前記画像形成装置において、前記二次転写を行うためには、二次転写ローラなどの二次転写手段が、前記中間転写媒体に対して接離自在に設けられるとともに、当該中間転写媒体への二次転写手段の当接タイミングが適切に制御されている。
【0004】
前記当接タイミングが制御された画像形成装置では、適切なタイミングで帯電ローラによる帯電処理が開始され、その後に露光処理がなされて静電潜像が感光体上に形成される。次に、所定のトナー、例えば、イエロートナーを内蔵する現像器により静電潜像が現像されてイエロートナー像が形成されるとともに、当該トナー像が、前記中間転写媒体に一次転写される。
【0005】
このような像形成工程(帯電処理〜露光処理〜現像処理〜一次転写処理)が、イエローに続いてマゼンタ、シアン及びブラックの順に行われて、前記中間転写媒体上にカラー画像が形成される。そして、ブラックの像形成工程中に二次転写ローラを、前記中間転写媒体に当接させることで、当該中間転写媒体上のカラー画像を所定の記録媒体に二次転写することができる。
【0006】
このような画像形成装置では、単にカラー画像を形成するためのカラー印字モード以外に、ブラックトナーのみに係る像形成工程を実行して、モノクロ画像を形成する単色印字モードを実行可能となっている。そして、前記カラー印字モードか前記単色印字モードかを問わず、所定の当接タイミングで二次転写ローラを前記中間転写媒体に当接させて二次転写処理を行っていた。そのため、前記カラー印字モード、前記単色印字モードうちの一方に適した当接タイミングの制御しか実行出来ないという問題があった。
【0007】
このような問題を解決するために、例えば、特開2005−114844号公報(特許文献1)には、前記二次転写手段が、前記中間転写媒体に対して離当接自在となっており、前記中間転写媒体(中間転写ベルト)への二次転写手段(二次転写ローラ)の当接タイミングが、前記カラー印字モードと前記単色印字モードとで相違している画像形成装置が開示されている。これにより、各印字モードに適した当接タイミングで二次転写ローラを前記中間転写媒体に当接させることが可能となり、前記中間転写媒体への二次転写ローラの当接による影響を印字モードごとに改善して良好な画像形成を行うことが出来るとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−114844号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前記特許文献1に記載の発明では、各印字モード毎に当接タイミングを改善することは出来るものの、印刷頻度に対応した場合にまで当接タイミングを適正化することが出来ないという問題がある。
【0010】
又、上述した画像形成装置では、前記中間転写媒ベルトへの二次転写ローラの接離をカムの回転により制御しており、当該カムの回転は、カムモータによりなされている。前記画像形成装置では、通常、印刷開始時に、前記カムモータを駆動して、前記中間転写ベルトへ前記二次転写ローラを押圧させ、当該印刷完了後から所定時間経過すると、又、前記カムモータを駆動して、前記中間転写ベルトから前記二次転写ローラを離間させる。
【0011】
ここで、前記カムモータの駆動を繰り返し実行すると、当該カムモータの寿命が短くなり、早期に交換しなければならなくなる。一方、前記カムモータの駆動を抑えるために、例えば、前記中間転写ベルトに前記二次転写ローラを押圧させたままの状態で、長時間放置すると、当該中間転写ベルトに強い圧力が印加されたままの状態となり、当該中間転写ベルトは損傷したり凹んだり緩んだりする。このような中間転写ベルトの損傷、凹み又は緩みは、画像形成における画像抜けなどの二次的な問題を誘発する。
【0012】
そこで、前記中間転写ベルトへの二次転写ローラの押圧、離間のタイミングについては、最適化をする必要がある。
【0013】
例えば、印刷完了後から次の印刷が即時に開始される場合には、前記中間転写ベルトに前記二次転写ローラを押圧させたままの状態にしておけば、次の印刷の際に、即時に印刷出来る状態とすることが出来るとともに、前記二次転写ローラの離間をする必要が無くなる。そのため、当該二次転写ローラの離間に要するカムモータの駆動を省略することが出来、当該カムモータの短寿命化を抑えることが出来る可能性がある。
【0014】
一方、印刷完了後から次の印刷が実施されるまでの時間が、前記二次的な問題の生じる可能性があるほど長い場合には、前記中間転写ベルトから前記二次転写ローラを即時に離間させた方が、当該中間転写ベルトへの損傷を防止することが出来る可能性がある。
【0015】
そこで、本発明は、前記問題を解決するためになされたものであり、二次転写ローラを接離するモータの長寿命化と、当該二次転写ローラの押圧による中間転写ベルトの損傷防止とを両立することが可能な画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置は、印刷開始時に中間転写ベルトに二次転写ローラを当接(押圧)し、当該印刷完了時からの経過時間が予め設定された所定のローラ離間時間を超過すると、前記中間転写ベルトから前記二次転写ローラを離間する画像形成装置を前提とし、以下の構成を採用とする。
【0017】
即ち、前記画像形成装置は、前記印刷完了時から次の印刷開始時までの次印刷開始時間を計測する時間計測手段と、前記次印刷開始時間と前記ローラ離間時間とを比較して、当該次印刷開始時間が当該ローラ離間時間よりも短いか長いかを判定する時間判定手段とを備える。又、前記画像形成装置は、前記判定の結果、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも短い場合、当該ローラ離間時間を長く変更し、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも長い場合、当該ローラ離間時間を短く変更する時間変更手段を備える。
【0018】
これにより、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも短い場合、前記ローラ離間時間を長期化することで、印刷完了毎の前記二次転写ローラの離間に要するカムモータの駆動を省略し、当該カムモータの寿命を延長することが可能となる。又、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも長い場合、前記ローラ離間時間を短期化することで、印刷完了後、前記二次転写ローラを素早く離間させ、当該二次転写ローラの当接(押圧)による前記中間転写ベルトの損傷を回避することが可能となる。
【0019】
又、前記時間判定手段は、今まで計測された所定数の次印刷開始時間の平均値を算出して、当該算出された平均値を前記次印刷開始時間とするよう構成することが出来る。
【0020】
又、前記時間計測手段は、前記印刷完了時からの経過時間が、予め設定されたスリープ時間を超過すると、当該スリープ時間を次印刷開始時間として計測するよう構成することが出来る。
【0021】
又、前記時間変更手段は、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも短い場合、短い次印刷開始時間が代入される程、長いローラ離間時間が出力される式であって、且つ、出力されるローラ離間時間が前記スリープ時間を超過した際に、当該スリープ時間と同一の値が出力される式を用いて前記ローラ離間時間を長く変更するよう構成することが出来る。又、前記時間変更手段は、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも長い場合、長い次印刷開始時間が代入される程、短いローラ離間時間が出力される式であって、且つ、出力されるローラ離間時間が負の値となった際に、0secの値が出力される式を用いて前記ローラ離間時間を短く変更するよう構成することが出来る。
【0022】
又、本発明は、印刷開始時に中間転写ベルトに二次転写ローラを当接し、当該印刷完了時からの経過時間が予め設定された所定のローラ離間時間を超過すると、前記中間転写ベルトから前記二次転写ローラを離間する画像形成装置の画像形成方法として提供することが出来る。
【0023】
即ち、前記画像形成方法は、前記印刷完了時から次の印刷開始時までの次印刷開始時間を計測する時間計測ステップと、前記次印刷開始時間と前記ローラ離間時間とを比較して、当該次印刷開始時間が当該ローラ離間時間よりも短いか長いかを判定する時間判定ステップとを備える。又、前記画像形成方法は、前記判定の結果、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも短い場合、当該ローラ離間時間を長く変更し、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも長い場合、当該ローラ離間時間を短く変更する時間変更ステップを備える。このように構成したとしても、上述と同様の効果を得ることが可能となる。
【0024】
又、本発明は、電気通信回線などを介して個別に流通する、コンピュータに実行させるためのプログラムとして提供することが出来る。この場合、中央演算処理装置(CPU)が、本発明のプログラムに従ってCPU以外の各回路と協働して制御動作を実現する。
【0025】
又、前記プログラム及びCPUを用いて実現される各手段は、専用のハードウェアを用いて構成することもできる。又、当該プログラムは、CD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された状態で流通させることも可能である。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る画像形成装置及び画像形成方法では、二次転写ローラを接離するモータの長寿命化と、当該二次転写ローラの押圧による中間転写ベルトの損傷防止とを両立することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略模式図である。
【図2】本発明の実施形態に係る現像ユニットの一例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置の制御系ハードウェアの概略構成図である。
【図4】本発明の実施形態に係る画像形成装置の機能ブロック図である。
【図5】本発明の実施形態の実行手順を示すための第一のフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態の実行手順を示すための第二のフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態における印刷完了時からの経過時間がローラ離間時間を超過する前に次の印刷が開始された場合の時系列チャート(図7(A)))と、印刷完了時からの経過時間がローラ離間時間を超過した後に次の印刷が開始された場合の時系列チャート(図7(B)))である。
【図8】本発明の実施形態に係る時間テーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に、添付図面を参照して、本発明の画像形成装置の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。又、フローチャートにおける数字の前に付されたアルファベット「S」はステップを意味する。
【0029】
<画像形成装置>
以下、本発明に係る画像形成装置1について説明する。
【0030】
図1は、本実施形態の画像形成装置1の概略構成図である。
【0031】
画像形成装置1は、画像データに基づいてトナー画像を形成するタンデム式の画像形成部A1、用紙を収容する用紙収容部2、前記形成されたトナー画像を用紙上に転写する二次転写部3を備えている。又、前記転写されたトナー画像を用紙上に定着させる定着部4、定着の完了した用紙を排紙する排紙装置5及び前記排紙された用紙を受ける排紙トレイ7を備える。更に、画像形成装置1は、用紙収容部2から排紙装置5まで用紙を搬送する用紙搬送部6を備えている。
【0032】
前記画像形成部A1は、中間転写ベルトB1(中間転写体)、クリーニング部B2、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)の各色にそれぞれ対応した画像形成ユニットFY、FM、FC、FBを備える。前記中間転写ベルトB1は、導電性を有する使用可能な用紙搬送方向に直角な方向の長さが最大の用紙より幅広であって、無端状(ループ状)のベルト状部材であり、図1において時計回りに循環駆動される。
【0033】
前記画像形成ユニットFY、FM、FC、FBは、前記中間転写ベルトB1に沿って、その移動方向において、前記クリーニング部B2より下流かつ前記二次転写部3の上流に、この順に配される。
【0034】
次に、前記画像形成装置1の画像形成動作を説明する。図2は、画像形成ユニットFY、FM、FC、FBの1つの詳細図である。各画像形成ユニットFY、FM、FC、FBはほぼ同等な構成となっている。
【0035】
前記画像形成ユニットFYは、感光体ドラム(像担持体)10、帯電器11、LED露光装置12、黄色用の現像装置HY、一次転写ローラ(電圧印加部)20、クリーニングブレード35、除電装置13、キャリア液除去ローラ(キャリア除去部材)30を備える。尚、他の画像形成ユニットFM、FC、FBはそれぞれの色に対応した現像装置HM、HC、HBを備える。
【0036】
前記感光体ドラム10は、その表面に帯電(本実施形態ではプラス極性に帯電)したトナーを含むトナー像を担持する。又、前記感光体ドラム10は、中間転写ベルトB1の表面に、所定の一次転写位置10Sにて接するようになっている。そして、前記感光体ドラム10は、一次転写位置10Sでの移動方向が中間転写ベルトB1の移動方向と同方向になるように、つまり、図2においては反時計回りに回転可能である。
【0037】
前記クリーニングブレード35、前記除電装置13、前記帯電器11、前記露光装置12、黄色用の現像装置HYは、前記感光体ドラム10の回りに、上述の回転方向に沿って、一次転写位置から見てこの順に配される。
【0038】
前記帯電器11は、前記感光体ドラム10表面を一様に帯電させる。前記露光装置12は、LED等の光源を有し、上位装置からの画像データに応じて、帯電した感光体ドラム10表面を画像データに応じた光で照射し、感光体ドラム10の表面に静電潜像を形成する。
【0039】
黄色用の現像装置HYは、黄色のトナー及び液体のキャリアを含む現像剤を前記静電潜像に対向するように保持することで、当該静電潜像にトナーを付与し、当該静電潜像をトナー像として現像する。このトナー像は一次転写ローラ20によって中間転写ベルトB1に一次転写される。一次転写ローラ20の詳細については後述する。
【0040】
前記クリーニングブレード35は、感光体ドラム10に接するように配されたブレード状の部材であり、一次転写後、前記感光体ドラム10の表面に残留した現像剤を除去する。
【0041】
前記除電装置13は光源を備え、クリーニングブレード35による現像剤除去後、感光体ドラム10の表面を光源からの光によって除電し、次の画像形成に備える。
【0042】
前記一次転写ローラ20は、中間転写ベルトB1の裏面に、中間転写ベルトB1の移動方向において前記一次転写位置10Sより下流の電圧印加位置20Sで接するように配される。一次転写ローラ20には、図示しない電源からトナー像中のトナーとは逆極性(本実施形態ではマイナス)の電圧を印加されるようになっている。つまり、一次転写ローラ20は、前記電圧印加位置20Sにて前記中間転写ベルトB1にトナーと逆極性の電圧を印加する。前記中間転写ベルトB1は導電性を有するので、この印加電圧によって、電圧印加位置20Sの中間転写ベルトB1の表面側及びその周辺にトナーが引き付けられる。
【0043】
前記一次転写位置10Sは、前記印加電圧によって、トナーが中間転写ベルトB1側に引き付けられる範囲内に配置される。その結果、前記感光体ドラム10から前記中間転写ベルトB1の表面へトナーが移動し、一次転写が行われる。
【0044】
一次転写時には、トナーと共にキャリアも前記感光体ドラム10から前記中間転写ベルトB1へと少量転移することがある。このキャリアの転移は、下流側の画像形成部における一次転写を妨げて画像のぼけ及びにじみ等の画像の不具合を引き起こす。前記キャリア除去ローラ30が、中間転写ベルトB1の移動方向において前記電荷印加位置20Sよりも下流で中間転写ベルトB1の表面に接するように配置され、このような画像の不具合を防止する。
【0045】
クリーニングユニット31は、前記キャリア除去ローラ30の表面に接することでキャリア除去ローラ30表面に付着したキャリアを除去するキャリア除去ブレード31bと、前記キャリア除去ローラ30及び前記クリーニングブレード35から除去されたキャリア及び現像剤(トナー及びキャリアを含む)をクリーニングユニット31の外部に搬送する搬送部材31cを備える。
【0046】
次に、現像装置HYの構成について説明する。各色の現像装置HY、HM、HC、HBの構成は同等である。
【0047】
現像装置HYは、現像容器40、現像ローラ40a、供給ローラ40b、汲み上げローラ40c、撹拌スパイラル40d及び40e、クリーニングブレード45、並びに供給ローラドクターブレード40gを備える。
【0048】
前記現像容器40は、内部に黄色のトナー粒子と液体のキャリアからなる現像剤を貯留する。前記撹拌スパイラル40d及び40eは、前記現像容器40の現像剤に全体が浸るように設けられ、現像剤を撹拌する。
【0049】
前記汲み上げローラ40cは現像容器40の現像剤にその一部が浸るように配置され、現像剤をその表面に付着させて汲み上げる。この汲み上げローラ40cに接するようにして供給ローラ40bが配置され、汲み上げローラ40cから現像剤の供給を受ける。
【0050】
前記供給ローラ40bの回転方向の汲み上げローラ40cと接する位置の下流側に、前記供給ローラ40bの表面の現像剤の層厚を規制する供給ローラドクターブレード40gが設けられる。又、前記供給ローラ40bと接するように現像ローラ40a(現像器ともいう)が配置され、その表面に前記供給ローラ40bから現像剤が付与される。この現像ローラ40aは感光体ドラム10と接し、感光体ドラム10の表面の静電潜像の電位と現像ローラ40aに印加される現像バイアス値の電位差によって上位装置から形成指示された画像に応じたトナー像が感光体ドラム10表面に形成される(現像動作)。
【0051】
感光体ドラム10への現像動作を終えた現像ローラ40aの表面の現像剤は、クリーニングブレード45によって除去され、クリーニングブレード45の表面に沿って流下し図示しない流路を通って現像容器40に貯留される。
【0052】
このような構成の下、ユーザから画像形成の指示を受けた画像形成装置1は、指示を受けた画像データに対応した各色のトナー像を画像形成ユニットFY、FM、FC、FBを用いて形成する。各画像形成ユニットで形成されたトナー像は中間転写ベルトB1に転写されて、中間転写ベルトB1上で重ね合わされてカラートナー像となる。
【0053】
このカラートナー像の形成と同期して用紙収容部2に収容されている用紙が図示しない給紙装置で用紙収容部2から一枚ずつ取り出されて、用紙搬送部6上を搬送される。そして、用紙は中間転写ベルトB1への一次転写とタイミングを合わせて二次転写部3に送り込まれ、当該用紙に、二次転写部3で前記中間転写ベルトB1上のカラートナー像が二次転写される。
【0054】
前記二次転写部3には、前記中間転写ベルトB1に一次転写されたカラートナー像を用紙に二次転写させる二次転写ローラ3aが設けられている。前記二次転写ローラ3aは、図示しない電圧印加部により、前記中間転写ベルトB1に形成されたカラートナー像を用紙に転写させるための電圧(二次転写バイアス)が印加される。又、前記二次転写ローラ3aは、当該二次転写ローラに当接する所定のカムと、当該カムを回転させるカムモータとにより、中間転写ベルトB1に対して当接(押圧)又は離間される。前記カムモータが、前記画像形成装置1の指示により、前記カムモータを所定回数回転させると、当該カムの回転に応じて、前記二次転写ローラ3aが前記中間転写ベルトB1に当接するよう構成されている。前記二次転写ローラ3aを前記中間転写ベルトB1から離間する場合も、前記カムモータの回転によりなされる。
【0055】
さて、前記カラートナー像が転写された用紙は、更に、定着部4に搬送されて熱と圧力によりカラートナー像が用紙に定着される。そして、当該用紙は、排紙装置5によって画像形成装置1の外周に設けられた排紙トレイ7に排紙される。二次転写後、中間転写ベルトB1に残留したトナーは、当該中間転写ベルトB1のクリーニング部B2によって除去される。
【0056】
図3は、本実施形態における画像形成装置1の制御関連の概略構成図である。
【0057】
画像形成装置1は、CPU(Central Processing Unit)301、RAM(Random Access Memory)302、ROM(Read Only Memory)303、HDD(Hard Disk Drive)304及び前記印刷における各駆動部307に対応するドライバ305が内部バス306を介して接続されている。前記CPU301は、例えば、前記RAM302を作業領域として利用し、前記ROM303や前記HDD304等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて前記ドライバ305とデータや命令を授受することにより、図1に示した各駆動部307の動作を制御する。又、前記駆動部307以外の後述する各手段(図4に示す)についても、前記CPU301がプログラムを実行することで各手段として動作する。
【0058】
<本発明の実施形態>
次に図4、図5、図6を参照しながら、本発明の実施形態に係る構成及び実行手順について説明する。図4は、本発明の画像形成装置1の機能ブロック図である。図5は、本発明の実行手順を示すための第一のフローチャートである。図6は、本発明の実行手順を示すための第二フローチャートである。
【0059】
先ず、ユーザが、画像形成装置1に画像形成の指示を入力すると、当該画像形成装置1の機能提供手段401が、前記指示に係る設定条件と画像データとに基づいてプリンタ機能の提供、つまり、印刷を開始する(図5:S101)。
【0060】
ここで、前記機能提供手段401が印刷を開始すると、前記画像データに対応するトナー像を中間転写ベルトB1に形成する(一次転写)。次に、前記機能提供手段401は、所定のタイミングで、二次転写する旨をローラ接離手段402に通知する。当該ローラ接離手段402は、二次転写ローラ3aの接離に対応するカムモータ403の状態に基づいて、当該二次転写ローラ3aが前記中間転写ベルトB1から離間しているか前記中間転写ベルトB1に当接(押圧)しているか検知する(図5:S102)。
【0061】
前記検知の結果、前記二次転写ローラ3aが前記中間転写ベルトB1から離間している場合(図5:102YES)、前記ローラ接離手段402は、前記カムモータ403を所定回数だけ回転させて、当該二次転写ローラ3aを前記中間転写ベルトB1に当接させる(図5:S103)。これにより、二次転写可能な状態となる。
【0062】
一方、前記二次転写ローラ3aが前記中間転写ベルトB1に当接している場合(図5:102NO)、前記ローラ接離手段402は、この状態を維持する。
【0063】
さて、前記二次転写ローラ3aが前記中間転写ベルトB1に当接された状態となると、前記機能提供手段401は、前記中間転写ベルトB1と前記二次転写ローラ3aとの間に用紙を搬送させて、当該用紙に当該中間転写ベルトB1に転写させたトナー像を転写(二次転写)させる。そして、前記機能提供手段401は、前記トナー像を熱と圧力により用紙に定着させて、当該用紙を排紙トレイ7に排紙し、印刷を実行する(図5:S104)。
【0064】
ここで、前記機能提供手段401が、印刷の実行を完了すると、その旨を時間計測手段404に通知する。当該通知を受けた時間計測手段404は、タイマ405を起動し、前記印刷完了時からの経過時間を計時して、当該印刷完了時から次の印刷開始時までの時間(次印刷開始時間とする)の計測を開始する(図5:S105)。
【0065】
次に、前記時間計測手段404は、前記機能提供手段401を監視して、次の印刷が開始されるか否かを検知するとともに、所定の第一のメモリ406に記憶(設定)されたローラ離間時間(例えば、60sec)と、所定の第二のメモリ407に予め記憶(設定)されたスリープ時間(前記画像形成装置1が印刷を完了した時点から省電力状態であるスリープ状態へ遷移するために要するスリープ状態遷移時間、例えば、600sec)とを読み取る。
【0066】
そして、前記時間計測手段404は、前記タイマ405が計時している経過時間と前記ローラ離間時間とを比較して、当該経過時間が当該ローラ離間時間を超過したか否かを判定する(図5:S106)。又、前記時間計測手段404は、前記経過時間と前記スリープ時間とを比較して、当該経過時間が当該ローラ離間時間を超過したか否かを判定する(図5:S107)。尚、前記ローラ離間時間は、通常、前記スリープ時間と同一又は当該スリープ時間よりも短く設定される。
【0067】
ここで、図7(A)に示すように、前記印刷完了時点701からの経過時間が、前記ローラ離間時間を超過する時点702よりも前で(図5:S106NO)、且つ、前記スリープ時間を超過する時点703よりも前に(図5:S107NO)、次の印刷が開始された場合704は(図5:S108YES)、以下のようになる。
【0068】
即ち、前記経過時間が前記ローラ離間時間を超過する前に(図5:S106NO)、ユーザが、前記画像形成装置1に画像形成の指示を更に入力すると、前記機能提供手段401が、当該指示に係る設定条件と画像データとに基づいて次の印刷を開始する(図5:S108YES)。
【0069】
ここで、前記機能提供手段401を監視していた時間計測手段404は、当該機能提供手段401が次の印刷を開始することを検知し、前記タイマ405が計時する経過時間(例えば、30sec)を取得する(図6:S201)。当該経過時間は、前記印刷完了時から次の印刷開始時までの時間(次印刷開始時間)となる。これにより、前記次印刷開始時間の計測が完了する。
【0070】
次に、前記時間計測手段404は、前記次印刷開始時間の計測を完了した旨を時間判定手段408に通知する。当該通知を受けた時間判定手段408は、先ず、先ほど計測された次印刷開始時間を前記時間計測手段404から受信し、時間記憶手段409に予め記憶された時間テーブル800を参照する(図6:S202)。
【0071】
前記時間テーブル800には、図8に示すように、前記画像形成装置1の印刷実行により今まで計測された所定数の次印刷開始時間801が、最上段を最近計測された次印刷開始時間として下段に向かって時系列的に並んで記憶されている。
【0072】
前記時間テーブル800を参照した時間判定手段408は、当該時間テーブル800の最上段に、先ほど受信した次印刷開始時間(30sec)を記憶させる。次に、前記時間判定手段408は、前記時間テーブル800に記憶された次印刷開始時間のうち、最上段から下段に向かって所定数(例えば、10個)の次印刷開始時間802を読み取るとともに、当該読み取った所定数の次印刷開始時間802の平均値を算出する(図6:S203)。
【0073】
例えば、図8に示す時間テーブル800であれば、前記時間判定手段408が、最上段から下段に向かって読み取った所定数(10個)の次印刷開始時間802「30sec・・・10sec」に基づいてその平均値「20sec」を算出する。
【0074】
そして、前記時間判定手段408は、前記算出した平均値を、前記ローラ離間時間と比較するための次印刷開始時間とする。これにより、前記次印刷開始時間、つまり、各印刷毎の印刷間隔のうち、最近のユーザの印刷実行の傾向を反映した印刷間隔に基づいて、前記ローラ離間時間を変更することが可能となる。言い換えると、前記画像形成装置1に対する最近のユーザの使用頻度に応じて、前記二次転写ローラ3aの当接・離間のタイミングを調整することが可能となる。
【0075】
次に、前記時間判定手段408は、前記第一のメモリ406からローラ離間時間(60sec)を取得して、平均値である次印刷開始時間(例えば、20sec)と前記ローラ離間時間(60sec)とを比較し、両者が同一か否かを判定する(図6:204)。
【0076】
ここで、前記同一か否かの判定は、例えば、四捨五入などの処理により、平均値である次印刷開始時間の値の有効桁数と、前記ローラ離間時間の値の有効桁数とを揃えた上でなされる。
【0077】
前記判定の結果、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間と同一である場合(図6:S204YES)、当該次印刷開始時間に基づいてローラ離間時間を特に変更する必要がないため、前記時間判定手段408は、その旨を前記機能提供手段401に通知する。当該通知を受けた機能提供手段401は、上述では、前記印刷を実行する必要があるため(図6:S208YES)、S102に移行し、上述したように、例えば、前記一次転写、前記二次転写ローラ3aの当接・離間の検知などの処理を実行する。S102以降の処理については、上述と同様であるため、その説明を割愛する。
【0078】
一方、S204において、前記判定の結果、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間と同一でない場合(図6:S204NO)、前記次印刷開始時間に基づいてローラ離間時間を変更(最適化)する必要があるため、前記時間判定手段408は、更に、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも短いか長いかを判定する(図6:205)。
【0079】
前記判定の結果、前記次印刷開始時間(20sec)が前記ローラ離間時間(60sec)よりも短い場合(図6:205YES)、前記時間判定手段408は、その旨を時間変更手段410に通知する。当該通知を受けた時間変更手段410は、前記ローラ離間時間を長く変更する(図6:206)。
【0080】
前記時間変更手段410が前記ローラ離間時間を長く変更する方法は、どのような方法でも構わないが、例えば、以下の方法が採用される。
【0081】
即ち、前記時間変更手段410は、演算式記憶手段411に予め記憶された第一の式を参照し、当該第一の式に、前記次印刷開始時間を代入する。前記第一の式は、短い次印刷開始時間が代入される程、長いローラ離間時間が出力される式であって、且つ、出力されるローラ離間時間が前記スリープ時間を超過した際に、当該スリープ時間と同一の値が出力される式である。前記第一の式は、例えば、以下のように与えられる。
【0082】
T=T0+(T0−t)*A
ここで、T(sec)は、ローラ離間時間であり、T0(sec)は、最初に設定されるローラ離間時間(例えば、60sec)であり、t(sec)は、次印刷開始時間であり、A(−)は、重み係数(例えば、6)である。
【0083】
例えば、前記第一の式に、前記次印刷開始時間である20secが代入されると、前記ローラ離間時間として300secが出力される。当該出力されるローラ離間時間は、T0と比較すると、長期化された時間である。前記時間変更手段410は、長期化されたローラ離間時間を取得することになる(図6:S206)。
【0084】
そして、前記時間変更手段410が、前記第一の式により長期化されたローラ離間時間(例えば、300sec)を取得すると、前記第一のメモリ406に記憶されたローラ離間時間(60sec)を、前記長期化されたローラ離間時間(300sec)に書き換える(図6:S207)。
【0085】
これにより、前記ローラ離間時間を長期化することで、印刷完了しても、前記二次転写ローラ3aを前記中間転写ベルトB1に当接させ続けることが出来る。ここで、前記次印刷開始時間が短いことは、現実には、ユーザが前記画像形成装置1を頻繁に利用していることに対応するから、前記二次転写ローラ3aの当接の継続により、後続に発生した次の印刷を連続して実行することが可能となる。つまり、印刷完了毎の前記二次転写ローラ3aの離間を省略することが可能となる。そのため、当該二次転写ローラ3aの離間に要するカムモータ403の駆動を省略することが可能となり、当該カムモータ403の寿命を延長することが可能となる。
【0086】
さて、前記時間変更手段410が、前記ローラ離間時間を長く変更すると、その旨を前記機能提供手段401に通知する。当該通知を受けた機能提供手段401は、前記印刷を実行する必要があるため(図6:S208YES)、S102に移行し、上述したように、例えば、前記一次転写などの処理を実行することになる。
【0087】
一方、S205において、前記判定の結果、前記次印刷開始時間(例えば、120sec)が前記ローラ離間時間(60sec)よりも長い場合(図6:S205NO)、前記時間判定手段408は、その旨を時間変更手段410に通知する。当該通知を受けた時間変更手段410は、前記ローラ離間時間を短く変更する(図6:S209)。
【0088】
尚、前記経過時間が前記ローラ離間時間を超過する前に(図5:S106NO)、次の印刷が開始されたにも関わらず(図5:S108YES)、前記次印刷開始時間が、当該ローラ離間時間よりも長い場合は、例えば、前記時間テーブル800に、前記ローラ離間時間よりも長い次印刷開始時間(例えば、100sec、200secなど)が複数記憶されている場合に対応する。
【0089】
ここで、前記時間変更手段410が前記ローラ離間時間を短く変更する方法は、どのような方法でも構わないが、例えば、以下の方法が採用される。
【0090】
即ち、前記時間変更手段410は、前記演算式記憶手段411に予め記憶された第二の式を参照し、当該第二の式に、前記次印刷開始時間を代入する。前記第二の式は、長い次印刷開始時間が代入される程、短いローラ離間時間が出力される式であって、且つ、出力されるローラ離間時間が負の値となった際に、0secの値が出力される式である。前記第二の式は、例えば、以下のように与えられる。
【0091】
T=T0−(t−T0)*B
ここで、T(sec)は、ローラ離間時間であり、T0(sec)は、最初に設定されるローラ離間時間(例えば、60sec)であり、t(sec)は、次印刷開始時間であり、B(−)は、重み係数(例えば、1/3)である。尚、前記第二の式では、前記次印刷開始時間として600secを代入すると、前記ローラ離間時間の最小値として−120secという負の値が出力されるため、負の値となった場合には、0secが出力されるよう構成される。
【0092】
例えば、前記第二の式に、前記次印刷開始時間である120secが代入されると、前記ローラ離間時間として40secが出力される。当該出力されるローラ離間時間は、T0と比較すると、短期化された時間である。前記時間変更手段410は、短期化されたローラ離間時間を取得する(図6:S209)。
【0093】
そして、前記時間変更手段410が、前記第二の式により短期化されたローラ離間時間(40sec)を取得すると、前記第一のメモリ406に記憶されたローラ離間時間(60sec)を、前記短期化されたローラ離間時間(40sec)に書き換える(図6:S207)。
【0094】
これにより、前記ローラ離間時間を短期化することで、印刷完了すると、速やかに前記二次転写ローラ3aを前記中間転写ベルトB1から離間させることが出来る。ここで、前記次印刷開始時間が長いことは、現実には、ユーザが前記画像形成装置1を殆ど利用していない状態に対応するから、前記二次転写ローラ3aを前記中間転写ベルトB1から素早く離間させることで、当該中間転写ベルトB1の損傷を回避することが可能となる。
【0095】
さて、前記時間変更手段410が、前記ローラ離間時間を短く変更すると、その旨を前記機能提供手段401に通知する。当該通知を受けた機能提供手段401は、前記印刷を実行する必要があるため(図6:S208YES)、S102に移行し、上述したように、例えば、一次転写などの処理を実行することになる。
【0096】
ところで、S106において、前記印刷完了後からの経過時間が、前記ローラ離間時間を超過した場合(図5:S106YES)は、以下のようになる。
【0097】
即ち、前記経過時間が前記ローラ離間時間(60sec)を超過すると、前記時間計測手段404が、前記タイマ405によりそれを判定して(図5:S106YES)、その旨を前記ローラ接離手段402に通知する。当該通知を受けたローラ接離手段402は、前記カムモータ403を所定回数だけ回転させて、前記二次転写ローラ3aを前記中間転写ベルトB1から離間する(図5:S109)。これにより、前記二次転写ローラ3aは、前記ローラ離間時間に対応して離間制御されることになる。
【0098】
又、前記時間計測手段404は、前記経過時間が前記スリープ時間を超過していない場合(図5:S107NO)、次の印刷が開始されるのを待ちながら(図5:S108)、前記経過時間が前記スリープ時間を超過するか否かの判定を継続することになる(図5:S107)。
【0099】
ここで、図7(B)に示すように、前記経過時間が前記スリープ時間を超過する時点703よりも前に(図5:S107NO)、次の印刷が開始された場合705は(図5:S108YES)、S201へ移行し、前記時間計測手段404が、前記タイマ405の経過時間(例えば、100sec)を前記次印刷開始時間として取得する(図6:S201)。これにより、上述したローラ離間時間の最適化がなされることになる。尚、S201以降の後の処理については、上述と同様であるため、その説明を割愛する。
【0100】
一方、次の印刷が開始される前に(図5:S108NO)、前記経過時間が前記スリープ時間(600sec)を超過した場合(図5:S107YES)、以下のようになる。
【0101】
即ち、ユーザが次の印刷指示を前記画像形成装置1に全く行うことなく、当該画像形成装置1が長期間放置され、前記経過時間が前記スリープ時間を超過すると、前記時間計測手段404が、それを判定して(図5:S107YES)、前記タイマ405を停止させ、前記スリープ時間(600sec)を次印刷開始時間として取得する(図6:S201)。
【0102】
これにより、前記画像形成装置1が長期間放置された場合には、前記スリープ時間を前記次印刷開始時間として計測して、前記ローラ離間時間の最適化に反映させることが可能となる。
【0103】
尚、S201からS207までの処理については、上述と同様であるため、その説明を割愛する。
【0104】
ところで、前記経過時間が前記スリープ時間を超過した後の処理の場合、S208において、前記機能提供手段401は、次の印刷を実行する必要がない(図6:S208NO)。そのため、前記機能提供手段401は、画像形成可能な状態から省電力状態であるスリープ状態へ移行し(図6:S210)、全ての処理を完了する。
【0105】
これにより、前記経過時間が前記スリープ時間を超過した場合であっても、前記ローラ離間時間の変更(最適化)は実行されることになる。
【0106】
このように、本発明に係る画像形成装置1では、前記印刷完了時から次の印刷開始時までの次印刷開始時間を計測する時間計測手段404と、前記次印刷開始時間と前記ローラ離間時間とを比較して、当該次印刷開始時間が当該ローラ離間時間よりも短いか長いかを判定する時間判定手段408とを備える。又、本発明に係る画像形成装置1では、前記判定の結果、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも短い場合、当該ローラ離間時間を長く変更し、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも長い場合、当該ローラ離間時間を短く変更する時間変更手段410を備える。
【0107】
これにより、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも短い場合、前記ローラ離間時間を長期化することで、印刷完了毎の前記二次転写ローラ3aの離間に要するカムモータ403の駆動を省略し、当該カムモータ403の寿命を延長することが可能となる。又、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも長い場合、前記ローラ離間時間を短期化することで、印刷完了後、前記二次転写ローラ3aを前記中間転写ベルトB1から素早く離間させ、当該二次転写ローラ3aの当接による当該中間転写ベルトB1の損傷を回避することが可能となる。
【0108】
尚、本発明の実施形態では、前記二次転写ローラ3aの離間を制御する画像形成装置1としてカムモータ403を採用したが、これに限られるものでなく、モータを採用して前記二次転写ローラ3aの離間を制御する画像形成装置1であれば、同様の作用効果を奏する。
【0109】
又、本発明の実施形態では、前記時間計測手段404が、全ての時間帯で生じる印刷により前記次印刷開始時間を計測するよう構成したが、他の構成でもよい。通常、印刷実行頻度は、1日の時間帯のうち、所定の時間帯に集中する場合が多い。前記時間帯が、例えば、午前9時から12時までの時間帯、午後1時から6時までの時間帯であれば、前記印刷実行頻度が高くなり、12時から午後1時までの時間帯、午後6時から午前9時までの時間帯であれば、前記印刷実行頻度が低くなる。そのため、前記時間計測手段404は、予め設定された時間帯において、前記次印刷開始時間を計測して、前記ローラ離間時間を最適化するよう構成してもよい。例えば、前記時間帯を、前記印刷実行頻度の高い時間帯に設定すると、前記ローラ離間時間が長期化され易くなり、前記カムモータ403の長寿命化を促進することが可能となる。又、前記時間帯を、前記印刷実行頻度の低い時間帯に設定すると、前記ローラ離間時間が短期化され易くなり、前記二次転写ローラ3aによる中間転写ベルトB1への損傷を十分に抑えることが可能となる。
【0110】
又、本発明の実施形態では、前記画像形成装置1が、全てのユーザの印刷実行に対して、前記次印刷開始時間を計測し、前記次印刷開始時間と前記ローラ離間時間とを比較判定し、前記ローラ離間時間を変更するよう構成したが、他の構成でも構わない。例えば、前記印刷実行頻度は、ユーザに応じて異なることが多いため、各ユーザ毎に次印刷開始時間を計測し、各ユーザ毎にローラ離間時間を変更するよう構成してもよい。例えば、前記画像形成装置1に、各ユーザ毎に所定のローラ離間時間を予め設定する設定手段と、パスワード入力認証、IDカード認証などによりユーザを認証するユーザ認証手段とを備える。そして、前記ローラ接離手段402は、前記ユーザ認証手段により認証されたユーザに対応するローラ離間時間を用いて、二次転写ローラ3aを制御する。又、前記時間計測手段404は、所定のユーザが認証している間(ログイン中)に、前記印刷完了時から次の印刷開始時までの次印刷開始時間を計測し、前記時間判定手段408は、当該計測された次印刷開始時間と、前記認証されたユーザに対応するローラ離間時間とを比較し、当該次印刷開始時間が当該ローラ離間時間よりも短いか長いかを判定する。更に、前記時間変更手段410は、前記判定の結果、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも短い場合、前記認証されたユーザに対応するローラ離間時間を長く変更し、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも長い場合、前記認証されたユーザに対応するローラ離間時間を短く変更する。これにより、各ユーザ毎の印刷実行頻度に応じて、ローラ離間時間を変更(最適化)することが可能となるため、カムモータ403の長寿命化と、中間転写ベルトB1の損傷防止とを両立をより効率よく図ることが可能となる。
【0111】
又、本発明の実施形態では、前記時間テーブル800に、所定数の次印刷開始時間801を、最上段を最近計測された次印刷開始時間として下段に向かって時系列的に並んで記憶するよう構成したが、他の構成でも構わない。例えば、前記時間テーブルに、所定数の次印刷開始時間を、最下段を最近計測された次印刷開始時間として上段に向かって時系列的に並んで記憶するよう構成しても良いし、他の記憶方法であっても構わない。
【0112】
又、本発明の実施形態では、画像形成装置1のプリンタ機能の処理に関して採用したが、例えば、ファクシミリ受信機能、コピー機能等に対しても採用できる。
【0113】
又、本発明の実施形態では、画像形成装置1が各手段を備えるよう構成したが、当該各手段を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。当該構成では、前記プログラムを画像形成装置1に読み出させ、その画像形成装置1が前記各手段を実現する。その場合、前記記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各手段が実行するステップをハードディスクに記憶させる方法として提供することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0114】
以上のように、本発明に係る画像形成装置及び画像形成方法は、通常の画像形成装置はもちろん、複合機、複写機、プリンタ等に有用であり、二次転写ローラを接離するモータの長寿命化と、当該二次転写ローラの押圧による中間転写ベルトの損傷防止とを両立することが可能な画像形成装置及び画像形成方法として有効である。
【符号の説明】
【0115】
1 画像形成装置
3a 二次転写ローラ
B1 中間転写ベルト
401 機能提供手段
402 ローラ接離手段
403 カムモータ
404 時間計測手段
405 タイマ
406 第一のメモリ
407 第二のメモリ
408 時間判定手段
409 時間記憶手段
410 時間変更手段
411 演算式記憶手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷開始時に中間転写ベルトに二次転写ローラを当接し、当該印刷完了時からの経過時間が予め設定された所定のローラ離間時間を超過すると、前記中間転写ベルトから前記二次転写ローラを離間する画像形成装置において、
前記印刷完了時から次の印刷開始時までの次印刷開始時間を計測する時間計測手段と、
前記次印刷開始時間と前記ローラ離間時間とを比較して、当該次印刷開始時間が当該ローラ離間時間よりも短いか長いかを判定する時間判定手段と、
前記判定の結果、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも短い場合、当該ローラ離間時間を長く変更し、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも長い場合、当該ローラ離間時間を短く変更する時間変更手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記時間判定手段は、今まで計測された所定数の次印刷開始時間の平均値を算出して、当該算出された平均値を前記次印刷開始時間とする
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記時間計測手段は、前記印刷完了時からの経過時間が、予め設定されたスリープ時間を超過すると、当該スリープ時間を次印刷開始時間として計測する
請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記時間変更手段は、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも短い場合、短い次印刷開始時間が代入される程、長いローラ離間時間が出力される式であって、且つ、出力されるローラ離間時間が前記スリープ時間を超過した際に、当該スリープ時間と同一の値が出力される式を用いて前記ローラ離間時間を長く変更し、
前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも長い場合、長い次印刷開始時間が代入される程、短いローラ離間時間が出力される式であって、且つ、出力されるローラ離間時間が負の値となった際に、0secの値が出力される式を用いて前記ローラ離間時間を短く変更する
請求項1−3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
印刷開始時に中間転写ベルトに二次転写ローラを当接し、当該印刷完了時からの経過時間が予め設定された所定のローラ離間時間を超過すると、前記中間転写ベルトから前記二次転写ローラを離間する画像形成装置の画像形成方法において、
前記印刷完了時から次の印刷開始時までの次印刷開始時間を計測する時間計測ステップと、
前記次印刷開始時間と前記ローラ離間時間とを比較して、当該次印刷開始時間が当該ローラ離間時間よりも短いか長いかを判定する時間判定ステップと、
前記判定の結果、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも短い場合、当該ローラ離間時間を長く変更し、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも長い場合、当該ローラ離間時間を短く変更する時間変更ステップと
を備えることを特徴とする画像形成方法。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項7】
請求項6に記載のプログラムを記憶したコンピュータに読み取り可能な記憶媒体。
【請求項1】
印刷開始時に中間転写ベルトに二次転写ローラを当接し、当該印刷完了時からの経過時間が予め設定された所定のローラ離間時間を超過すると、前記中間転写ベルトから前記二次転写ローラを離間する画像形成装置において、
前記印刷完了時から次の印刷開始時までの次印刷開始時間を計測する時間計測手段と、
前記次印刷開始時間と前記ローラ離間時間とを比較して、当該次印刷開始時間が当該ローラ離間時間よりも短いか長いかを判定する時間判定手段と、
前記判定の結果、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも短い場合、当該ローラ離間時間を長く変更し、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも長い場合、当該ローラ離間時間を短く変更する時間変更手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記時間判定手段は、今まで計測された所定数の次印刷開始時間の平均値を算出して、当該算出された平均値を前記次印刷開始時間とする
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記時間計測手段は、前記印刷完了時からの経過時間が、予め設定されたスリープ時間を超過すると、当該スリープ時間を次印刷開始時間として計測する
請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記時間変更手段は、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも短い場合、短い次印刷開始時間が代入される程、長いローラ離間時間が出力される式であって、且つ、出力されるローラ離間時間が前記スリープ時間を超過した際に、当該スリープ時間と同一の値が出力される式を用いて前記ローラ離間時間を長く変更し、
前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも長い場合、長い次印刷開始時間が代入される程、短いローラ離間時間が出力される式であって、且つ、出力されるローラ離間時間が負の値となった際に、0secの値が出力される式を用いて前記ローラ離間時間を短く変更する
請求項1−3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
印刷開始時に中間転写ベルトに二次転写ローラを当接し、当該印刷完了時からの経過時間が予め設定された所定のローラ離間時間を超過すると、前記中間転写ベルトから前記二次転写ローラを離間する画像形成装置の画像形成方法において、
前記印刷完了時から次の印刷開始時までの次印刷開始時間を計測する時間計測ステップと、
前記次印刷開始時間と前記ローラ離間時間とを比較して、当該次印刷開始時間が当該ローラ離間時間よりも短いか長いかを判定する時間判定ステップと、
前記判定の結果、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも短い場合、当該ローラ離間時間を長く変更し、前記次印刷開始時間が前記ローラ離間時間よりも長い場合、当該ローラ離間時間を短く変更する時間変更ステップと
を備えることを特徴とする画像形成方法。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項7】
請求項6に記載のプログラムを記憶したコンピュータに読み取り可能な記憶媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2013−88667(P2013−88667A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229924(P2011−229924)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
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