画像形成装置及び画像形成装置の制御方法
【課題】機密情報や著作権を有するデータを印刷した場合に、第三者に持ち去られることによる機密情報流出や著作権侵害を防止する画像形成装置を簡単な構成によって実現することである。
【解決手段】記録用紙への印刷を完了した後に、画像後端部で記録用紙を切断する切断手段と、切断手段が切断可能な位置まで、記録用紙を搬送する搬送手段と、印刷者と印刷ジョブとを関連付ける暗証情報を設定する暗証情報設定手段と、印刷完了後に、暗証情報を入力する暗証情報入力手段と、暗証情報設定手段が設定した暗証情報と、暗証情報入力手段を介して入力された暗証情報とを比較する比較手段と、暗証情報設定手段が設定した暗証情報と、暗証情報入力手段を介して入力された暗証情報とが一致すると、搬送手段に記録用紙を搬送させ、切断手段に記録用紙を切断させる制御手段とを有する画像形成装置である。
【解決手段】記録用紙への印刷を完了した後に、画像後端部で記録用紙を切断する切断手段と、切断手段が切断可能な位置まで、記録用紙を搬送する搬送手段と、印刷者と印刷ジョブとを関連付ける暗証情報を設定する暗証情報設定手段と、印刷完了後に、暗証情報を入力する暗証情報入力手段と、暗証情報設定手段が設定した暗証情報と、暗証情報入力手段を介して入力された暗証情報とを比較する比較手段と、暗証情報設定手段が設定した暗証情報と、暗証情報入力手段を介して入力された暗証情報とが一致すると、搬送手段に記録用紙を搬送させ、切断手段に記録用紙を切断させる制御手段とを有する画像形成装置である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に係り、たとえばホストコンピュータからインタフェース回路を介して転送された情報を、画像情報に展開し、電子写真方式やインクジェット方式を用いて記録用紙に印刷する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式やインクジェット方式を用いて記録用紙に印刷する画像形成装置は、外部からデータを入力するデータ入力部、入力したデータを画像に展開する画像展開部、記録用紙に印刷する印刷部等によって構成されている。また、外部で展開された画像を入力し、この入力した画像をそのまま記録用紙に印刷する画像形成装置が知られている。
【0003】
外部から入力されるデータとしては、外部接続されたホストコンピュータ、デジタルカメラ等から送信された印刷データや、フラッシュメモリ等の記録媒体に記録されている文書、画像ファイル等がある。画像展開部では、電子写真方式やインクジェット方式で印刷可能な形式に画像展開される。
【0004】
画像形成装置によっては、外部から入力したデータを蓄える補助記憶装置(一般にはハードディスク)を備え、必要なときに何度でも印刷できる機能を持つものもある。特に、大きな画像データ等を何度も印刷したい場合、その都度、ホストコンピュータ等からデータを転送すると時間がかかるので、この場合、印刷時間の短縮に有用である。
【0005】
記録用紙として、定型サイズにカットされたカット紙や、印刷の度に画像に合わせてカットするロール紙があり、各形態の記録用紙を画像記録装置に装着することによって、記録用紙を搬送し、印刷する。
【0006】
このような画像形成装置は、コントローラ部とエンジン部とによって構成されていることが一般的である。外部から入力される情報の形式としては、文字やイメージ等の配置や表現方法等を記述した言語形式で入力され、コントローラ部では、言語を解析し、ビットマップ形式に展開する。エンジン部では、コントローラ部から印刷データを受け取り、記録用紙を搬送し、感光ドラムやインクジェットヘッド等の記録部材を用いて、実際に印刷する。
【0007】
コントローラ部における言語の解析では、画像を展開し、また、外部から入力した情報に基づいて、記録用紙のサイズと種類、印刷枚数、印刷画質等、さまざまな設定情報を取得する。さらに、画像形成装置に搭載されている操作パネルで設定されている印刷に関する様々な情報を取得し、外部から入力した設定情報と合わせて、最終的な印刷制御情報を決定し、エンジン部に指示する。
【0008】
エンジン部における記録用紙の搬送と印刷とに関しては、記録部材としてインクジェットヘッドを用い、記録用紙としてロール紙を用いる場合、まず、ロール紙ユニットに収容されているロール紙の先端を挿入口から挿入する。これによって、インクジェットヘッドで印刷する位置まで搬送する(以下、「給紙」という)。給紙完了後に、インクジェットヘッドによる印刷と、ロール紙の搬送とを繰り返しながら、1ページ分を印刷し、印刷完了後に、画像の後端部分でロール紙をカットし、排紙口に用紙を排出する。複数ページを印刷する場合、ページ数分の給紙、印刷、カット、排出を繰り返し、排出された用紙は、バスケット等に積載され、後続ページの用紙の搬送と干渉しないようにする。
【0009】
排紙された印刷済みの用紙を送出して保管するための複数の出力ビンを持ち、各出力ビンが、複数利用者のうちの特定の利用者に割り当てられ、また、電子的に施錠可能になっている装置が知られている(たとえば、特許文献1参照。)。印刷済みの用紙を印刷者以外に持ち去られないようにすることができ、たとえば機密情報や著作権を有するデータを印刷した場合に、機密情報や著作権を保護することができる。
【特許文献1】特許第2801855号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、上記画像形成装置では、次の問題がある。印刷済みの用紙を送出して保管するための出力ビンを複数持つので、画像形成装置が大きくなり、また、複数の出力ビンへの振り分け機構も必要となり、構造が複雑になるという問題がある。特に、大きな用紙サイズへの印刷をサポートする画像形成装置において、出力ビンも用紙サイズに合わせて大きくする必要があり、画像形成装置がかなり大きなものになり、設置性の面で問題である。
【0011】
本発明は、次の目的を有する。すなわち、
(1)第1の目的は、機密情報や著作権を有するデータを印刷した場合に、第三者に持ち去られることによる機密情報流出や著作権侵害を防止する画像形成装置を簡単な構成によって実現することである。
(2)第2の目的は、画像形成装置の処理状態を、画像形成装置から離れた場所でも確認することができる画像形成装置を提供することである。
(3)第3の目的は、複数の利用者による画像形成装置の使い勝手を向上させることである。
(4)第4の目的は、画像形成装置への暗証情報入力可能時間を、画像形成装置上に表示して確認可能にすることである。
(5)第5の目的は、画像形成装置への暗証情報入力可能時間を、画像形成装置から離れた場所でも確認可能にすることである。
(6)第6の目的は、印刷を完了しなかったときに、印刷結果の価値を無効化することである。
(7)第7の目的は、印刷を完了しなかったときに、より効果的に印刷結果の価値を無効化することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、ロール状の記録用紙に画像を形成して印刷する画像形成装置において、上記記録用紙への印刷を完了した後に、画像後端部で上記記録用紙を切断する切断手段と、上記切断手段が切断可能な位置まで、上記記録用紙を搬送する搬送手段と、上記記録用紙を切断するまでは、上記画像形成装置に上記記録用紙をロックするロック手段と、印刷者と印刷ジョブとを関連付ける暗証情報を設定する暗証情報設定手段と、印刷完了後に、暗証情報を入力する暗証情報入力手段と、上記暗証情報設定手段が設定した暗証情報と、上記暗証情報入力手段を介して入力された暗証情報とを比較する比較手段と、上記暗証情報設定手段が設定した暗証情報と、上記暗証情報入力手段を介して入力された暗証情報とが一致すると、上記搬送手段に記録用紙を搬送させ、上記切断手段に上記記録用紙を切断させる制御手段とを有する画像形成装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、機密情報や著作権を有するデータを印刷した場合に、第三者に持ち去られることによる機密情報流出や著作権侵害を防止することができる画像形成装置を、簡単な構成によって実現することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
発明を実施するための最良の形態は、次の実施例である。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の実施例1である画像形成装置100の構成を示す斜視図である。
【0016】
図2は、画像形成装置100のメインカバー10を開けた状態を示す図である。
【0017】
図3は、画像形成装置100の構成の概要を示すブロック図である。
【0018】
画像形成装置100は、ネットワークハブ3とネットワークケーブル4とを介して、複数のホストコンピュータ(以下、「ホスト」という)Hと接続され、ケーブル6を介して、デジタルカメラ5と接続されている。
【0019】
画像形成装置100は、フラッシュメモリ挿入口7と、メインカバー10と、リリースレバー11と、操作キー12と、表示パネル13と、キャリッジ14と、カッタユニット15と、プラテン16と、コントローラ部20と、エンジン部40とを有する。
【0020】
画像形成装置100は、外部から入力した情報や、予め内部に保持している情報に基づいて、ロール紙9に印刷する。
【0021】
複数のホストHは、画像形成装置100に、印刷データや画像形成装置100を制御するための情報(以下、「印刷情報」という)を転送する。デジタルカメラ5は、ケーブル6を介して、画像形成装置100に印刷情報を転送する。
【0022】
フラッシュメモリ挿入口7は、フラッシュメモリ8を挿入し、画像形成装置100は、フラッシュメモリ8内に記憶されている印刷情報を入力する。入力する印刷情報には、印刷者を特定する情報として、暗証番号が含まれている。
【0023】
ロール紙9は、ロール状に巻き取られた用紙である。メインカバー10は、ロール紙9を給紙するときや、後述する印字ヘッドやカッタユニットを交換するときに開ける。図1は、メインカバー10が閉じている状態を示している。
【0024】
リリースレバー11は、後述するローラをプラテンに押し付け、ロール紙9を固定したり、プラテンから離して、ロール紙9を挿入可能にするためのレバーである。
【0025】
操作キー12は、画像形成装置100の動作に関するさまざまな設定を行い、画像形成装置100を単独で使用する場合に、操作を行なうための部材である。表示パネル13は、画像形成装置100の状態表示や、操作キー12を用いて画像形成装置100の動作設定を行なう場合に、設定内容の表示等を行なう。印刷する用紙の種類や印刷画質等も、操作キー12と表示パネル13とによって設定することができる。
【0026】
メインカバー10の内部には、図2に示すように、キャリッジ14と、それと一体となったカッタユニット15とがあり、左右方向に駆動して、印刷と用紙のカットとを行なう。プラテン16は、この上を用紙が前後方向に搬送される。
【0027】
画像形成装置100は、図3に示すように、操作キー12と、表示パネル13と、コントローラ部20と、エンジン部40とを有する。
【0028】
また、表示パネル13は、画像形成装置100の状態を表示し、使用者に対して操作キー12による操作を促す表示等を行なう。
【0029】
コントローラ部20は、ホストH、デジタルカメラ5、フラッシュメモリ8から印刷情報を入力し、印刷情報を解析する等の処理を行い、操作キー12の入力を受け付け、画像形成装置100の動作環境の設定等を行なう。
【0030】
エンジン部40は、印刷可能な形式の印刷データを生成し、用紙を給紙し、コントローラ部20で生成された印刷データを印刷し、排紙する。エンジン部40で、用紙詰まりや用紙切れ等の異常が発生すると、コントローラ部20に通知し、コントローラ部20は、表示パネル13に異常が発生したことを表示し、ホストHやデジタルカメラ5への通知処理等を行なう。
【0031】
図4は、コントローラ部20の内部構成を示すブロック図である。
【0032】
コントローラ部20は、コントローラマイコン21と、システムメモリ22と、インタフェース回路(以下、「I/F回路」という)23と、受信バッファ24とを有する。コントローラ部20は、画像処理回路25と、コントローラメモリ26と、ハードディスクドライブ(以下、「HDD」という)27とを有する。
【0033】
次に、コントローラ部20の動作について説明する。
【0034】
コントローラマイコン21は、外部から入力された印刷情報の解析、画像処理、ビットマップへの変換処理等、全ての制御を実行する。印刷データの流れは、次の通りである。
【0035】
ホストH、デジタルカメラ5、フラッシュメモリ8から入力した印刷情報は、I/F回路23を介して、受信バッファ24に格納され、印刷情報を受信したことが、I/F回路23からコントローラマイコン21に通知される。印刷情報には、画像データや、用紙のサイズや種類等、さまざまな設定情報が含まれている。コントローラマイコン21は、受信した印刷情報を解析し、画像処理回路25やエンジン部40に指示する。受信バッファ24に格納されている画像データは、画像処理回路25によって画像処理され、ビットマップ形式となり、コントローラメモリ26に格納された後に、エンジン部40へ送出される。
【0036】
外部から入力した印刷情報は、HDD27にも格納することが可能である。この場合、印刷データの流れは、次のようになる。受信バッファ24に格納するまでは、HDD27を使用しない場合と同じ動作である。受信バッファ24に格納されたデータは、HDD27に転送され、格納される。HDD27に格納された印刷情報を読み出し、画像処理回路25とコントローラメモリ26とを介して、エンジン部40に画像データを送出することによって印刷する。印刷を終了しても、HDD27に格納されている印刷情報は、残ったままであるので、必要なときに何度でも、印刷することができる。
【0037】
コントローラマイコン21には、操作キー12の操作内容が入力され、入力された内容に応じて、適切な処理を行なう。また、印刷の状況やエラーが発生した場合、その内容を、エンジン部40が、コントローラマイコン21に通知し、表示パネル13に表示し、ホストHやデジタルカメラ5に通知される。
【0038】
図5は、画像形成装置100を横から見たときにおけるエンジン部40の内部構成を示す図である。
【0039】
図5において、メインカバー10は、開いた状態を示し、リリースレバー11は、解除された状態を示す。
【0040】
エンジン部40は、エンジンマイコン41と、エンジンメモリ42と、キャリッジモータ43と、印字ヘッド44と、ヘッドドライバ45と、ローラ46と、LFモータ47とを有する。エンジン部40は、給紙センサ48と、排紙センサ49と、カッタモータ50と、ソレノイド51と、プログラムメモリ52とを有する。
【0041】
図5に示すように、メインカバー10が開き、リリースレバー11が解除されている状態では、ローラ46やキャリッジ14が駆動されない。また、リリースレバー11の解除によって、ローラ46がプラテン16から離れているので、ロール紙9をプラテン16上に挿入することができ、その後に、メインカバー10とリリースレバー11とを閉じると、給紙と印刷動作とを開始する。
【0042】
次に、メインカバー10とリリースレバー11とを閉じた状態について説明する。
【0043】
図6は、画像形成装置100において、メインカバー10とリリースレバー11とを閉じた状態を示す図である。
【0044】
ロール紙9の給紙と排紙、印字ヘッド44の制御等、全ての制御は、エンジンマイコン41が行う。コントローラ部20から送出されたビットマップは、エンジンメモリ42に格納される。LFモータ47を駆動し、ローラ46を回転させることによって、ロール紙9の給紙と排紙とを行う。給紙センサ48と排紙センサ49とが、ロール紙9の有無を検知することによって、給紙と排紙とが正常に動作しているかどうかを判別する。
【0045】
印字ヘッド44は、キャリッジ14と一体であり、ヘッドドライバ45がドライブする。キャリッジ14は、キャリッジモータ43によって、紙面及び印刷用紙の搬送方向と垂直な方向に、往復運動し、印字ヘッド44がロール紙9上に印字する。印字が終了すると、キャリッジ14と一体であるカッタユニット15が、カッタモータ50によって降下し、紙面及び印刷用紙の搬送方向と垂直な方向に、キャリッジ14を駆動することによって、ロール紙9を切断する。ロール紙9の給紙中と印刷中とには、ソレノイド51が、メインカバー10とリリースレバー11とが閉じた状態にロックし、メインカバー10を開けることができず、また、リリースレバー11を解除することができない。これによって、印刷後でカットされていない状態のロール紙をロックし、パスワード入力によりロックを解除しなければ、印刷後の画像を持ち去れないようにする。このようにすることによって、印刷を行ったユーザ以外の人物に、印刷後の画像が持ち去られることを防止する。給紙センサ48と排紙センサ49とが、ロール紙9が詰まったことを検知すると、印字を中止し、コントローラ部20に通知する。
【0046】
つまり、カッタユニット15は、上記記録用紙への印刷を完了した後に、画像後端部で上記記録用紙を切断する切断手段の例である。
【0047】
ローラ46は、上記切断手段が切断可能な位置まで、上記記録用紙を搬送する搬送手段の例である。ソレノイド51は、メインカバー10とリリースレバー11を閉じた状態に固定し、上記記録用紙を切断するまでは、上記画像形成装置に上記記録用紙をロックするロック手段の例である。
【0048】
操作キー12は、印刷ジョブと関連付ける暗証情報を設定する暗証情報設定手段の例である。操作キー12は、印刷完了後に、暗証情報を入力する暗証情報入力手段の例である。
【0049】
コントローラ部20は、上記暗証情報設定手段が設定した暗証情報と、上記暗証情報入力手段を介して入力された暗証情報とを比較する比較手段の例である。
【0050】
エンジン部40は、上記暗証情報設定手段が設定した暗証情報と、上記暗証情報入力手段を介して入力された暗証情報とが一致すると、上記搬送手段に記録用紙を搬送させ、上記切断手段に上記記録用紙を切断させる制御手段の例である。
【0051】
次に、実施例1の動作について説明する。
【0052】
図7、図8、図9は、実施例1の動作を示すフローチャートである。
【0053】
これらのフローチャートに対応するプログラムは、図4に示すシステムメモリ22と、図5または図6に示すプログラムメモリ52とに内蔵され、コントローラマイコン21とエンジンマイコン41とによって処理される。コントローラマイコン21とエンジンマイコン41とは、協調して該プログラムフローに従って制御動作を実行する。
【0054】
図7に示すフローチャートは、ホストH上のアプリケーション等で予め作成した印刷用データを、暗証番号付き保存のみ指定の印刷ジョブとして、画像形成装置100に送信したときの処理を示す。ここでの保存は、画像形成装置100内のHDD27への保存を意味する。
【0055】
S1で、印刷に関する様々な設定を行なう。この設定は、ホストH上に表示されるUI上で行ない、設定内容は、用紙サイズ、用紙種類、印刷の向き(縦/横)、印刷部数、印刷画質等がある。
【0056】
S2で、ホストH上に表示されているUI上で暗証番号を入力する。S3で、印刷ジョブを、画像形成装置100に送信し、完了したら、処理を終了する。
【0057】
上記動作では、ホストH上で作成した印刷用データを印刷ジョブとして、画像形成装置100に送信する。S1で設定した印刷に関する設定や、S2で入力した暗証番号も、印刷ジョブ内に含んで画像形成装置100に送信する。
【0058】
次に、図7に示すフローチャートにおいて送信した印刷ジョブを、画像形成装置100が受信した場合の処理について説明する。
【0059】
図8は、図7に示すフローチャートにおいて送信した印刷ジョブを、画像形成装置100が受信した場合の処理を示すフローチャートである。
【0060】
S11で、ホストHから、印刷ジョブを受信する。受信した印刷ジョブは、I/F回路23を経由し、受信バッファ24に格納される。S12で、受信バッファ24に格納されている印刷ジョブを解析し、保存のみ指定であることを認識する。S13で、受信バッファ24に格納されている印刷ジョブを、HDD27に書き込み、保存し、処理を終了する。
【0061】
図8に示すフローチャートでは、ホストHから受信した印刷ジョブを、HDD27に保存するが、ホストHからは保存のみが指定されているので、この時点では、印刷しない。
【0062】
次に、HDD27に保存されている印刷ジョブを印刷する処理について説明する。
【0063】
図9は、HDD27に保存されている印刷ジョブを印刷する処理を示すフローチャートである。
【0064】
S21で、HDD27に保存されている印刷ジョブの中から、印刷するジョブを選択する。操作キー12の操作を介して、HDD27に保存されている印刷ジョブのリストが、表示パネル13に一覧表示されるので、操作キー12を使用して、印刷するジョブを選択し、確定する。
【0065】
S22で、選択した印刷ジョブには暗証番号が設定されているので、操作キー12を介して、暗証番号を入力する。S23で、設定されている暗証番号と入力された暗証番号とが一致していなければ、印刷を行なわずに、処理を終了する。
【0066】
S24で、メインカバー10を開け、リリースレバー11を解除し、ロール紙9を挿入する。S25で、メインカバー10とリリースレバー11とを閉じる。S26で、ホストHに給紙中であることを通知する。
【0067】
ホストHでは、画像形成装置100の印刷ジョブの状態を監視するアプリケーションが動作している。
【0068】
図10〜図14は、画像形成装置100の印刷ジョブの状態を監視するアプリケーションの動作画面を示す図である。
【0069】
図10〜図14に示すように、画像形成装置100で、処理中または処理待ちの印刷ジョブと各印刷ジョブの状態との一覧が表示される。印刷ジョブは、同時に1つしか処理することができず、一覧で上方に表示されている印刷ジョブから順番に処理される。印刷ジョブの状態としては、印刷待ち、給紙中、印刷中、暗証番号入力待ち、排紙中がある。S26で、ホストHに、給紙中であることを通知すると、図10に示すように、ジョブ1の状態が給紙中であると表示される。後続のジョブ2は、ジョブ1の処理が終了するまで、処理されないので、印刷待ち状態になっている。
【0070】
S27で、メインカバー10とリリースレバー11とが閉じていることを確認した後に、ソレノイド51によってロックする。これによって、メインカバー10を開けることができなくなり、ローラ46は、ロール紙9を挟む形で、プラテン16に密着し、ロール紙9は、画像形成装置100内に固定される。
【0071】
S28で、挿入されたロール紙9を、LFモータ47とローラ46とが搬送し、給紙する。給紙によって、用紙の先端が、印刷開始位置まで搬送される。S29で、ホストHに、印刷中であることを通知する。これによって、ホストH上のアプリケーションの動作画面は、図11に示すようになり、ジョブ1の状態が、印刷中になる。
【0072】
S30で、印刷を開始する。具体的には、コントローラ部20においてHDD27に格納されているデータを、画像処理回路25が画像処理し、ビットマップ形式で、コントローラメモリ26に格納した後に、エンジン部40へ転送する。転送されたビットマップは、エンジンメモリ42に格納される。エンジン部40は、給紙されたロール紙9を、LFモータ47とローラ46とが搬送する。また、キャリッジモータ43が、キャリッジ14を往復移動させながら、印字ヘッド44がロール紙9に印刷する。搬送方向は、LFモータ47の駆動量と、給紙センサ48と排紙センサ49との検出結果とに基づいて、ロール紙9の印刷位置を制御し、キャリッジモータ43の駆動量に基づいて、キャリッジ14の移動方向を制御する。
【0073】
図15は、印刷を終了したときに、画像形成装置100におけるロール紙9の状態を示す斜視図である。
【0074】
S31で、印刷を終了したときにおける画像形成装置100のロール紙9の状態を、図15に示し、メインカバー10を開くことができず、リリースレバー11も解除できないので、ロール紙9は、画像形成装置100に固定され、まだ取り出すことができない。
【0075】
S32で、ホストHに暗証番号入力待ちであることを通知する。これによって、ホストH上のアプリケーションの動作画面は、図12に示すようになり、ジョブ1の状態が、暗証番号入力待ちとなる。上記S32は、上記暗証情報入力手段による暗証情報の入力待ち状態であることを、外部に通知する暗証情報の入力待ち状態通知手段の例である。
【0076】
S33で、操作キー12を介して、暗証番号を入力する。S34で、設定されている暗証番号と入力された暗証番号とが一致していなければ、S33に戻り、もう一度、暗証番号を入力する。
【0077】
設定されている暗証番号と入力された暗証番号とが一致していれば、S35で、ホストHに、排紙中であることを通知する。これによって、ホストH上のアプリケーションの動作画面は、図13に示すようになり、ジョブ1の状態が、排紙中となる。
【0078】
S36で、カッタユニット15の位置が、印刷した画像の後端から、余白分の距離だけ離れた位置になるように、ロール紙9を搬送する。S37で、カッタユニット15が、ロール紙9を切断する。これによって、印刷された用紙を持ち運び可能になる。
【0079】
S38で、メインカバー10とリリースレバー11とのロックを、ソレノイド51が解除し、印刷処理を終了する。印刷処理を終了したことを、ホストHに通知すると、図14に示すように、ジョブ1は表示画面上から消え、引き続きジョブ2の処理に移行する。
【0080】
図9に示すフローチャートでは、S21で、HDD27に保存されているジョブを選択し、印刷処理を行なう。ジョブには、暗証番号が設定され、S22とS23とによって,印刷開始前に正しい暗証番号を入力しない限り,印刷することができない。正しい暗証番号を入力すると、S28で,ロール紙9を給紙し、S30とS31とで、印刷する。印刷終了後に、S33とS34とによって、再度正しい暗証番号を入力するまで、ロール紙9はカットされない。正しい暗証番号を入力すると、はじめて、S36とS37とが、ロール紙9をカット位置まで搬送し、カットし、処理を終了する。
【0081】
このようにすることによって、印刷者が設定した暗証番号を入力しない限り、印刷とロール紙9のカットとを行なわないので、印刷者以外の第三者に印刷され、持ち去られることを防止することができる。特に、サイズの大きな用紙に印刷する場合、印刷開始から終了までに時間がかかるので、印刷者が画像形成装置100から離れる場合が多く、印刷終了後に、無条件にロール紙9をカットすると、第三者に印刷結果を持ち去られる恐れがある。これを防ぐために、印刷終了後の暗証番号入力は、特に有効である。
【0082】
印刷終了後の暗証番号入力待ち状態(S33)で、印刷終了した画像の後端は、画像形成装置100の内部に位置し、メインカバー10を開けないと届かない位置にある。しかし、メインカバー10は、ソレノイド51によって閉まった状態にロックされているので、開けることはできない。さらに、リリースレバー11もロックされているので、ロール紙9を手で引っ張り出すこともできない。したがって、第三者が印刷結果を持ち去ろうとしても、ロール紙9が外に出ている部分をはさみ等で切り取るしかなく、この場合、画像を切り取るので、印刷結果の価値を保ったまま持ち去られることを防ぐことができる。
【0083】
画像形成装置100の印刷ジョブの処理状態を、ホストH上のアプリケーションが常時確認可能である。印刷者は、印刷ジョブの処理状態が、暗証番号入力待ちであることを確認すると、画像形成装置100の設置場所へ移動し、正しい暗証番号を入力し、ロール紙9をカットすることによって、印刷結果について、セキュリティを保持した状態で、手にすることができる。
【0084】
実施例1は、印刷ジョブ内に暗証番号を含ませる実施例であるが、印刷ジョブと暗証番号とを独立させ、暗証番号を、印刷ジョブと関連付ける情報とともに送信するようにしてもよく、また、暗証番号を暗号化して送信するようにしてもよい。
【実施例2】
【0085】
図16、図17は、本発明の実施例2の動作を示すフローチャートである。
【0086】
本発明の実施例2の構成は、基本的には、実施例1の構成と同様である。
【0087】
実施例2のフローチャートに対応するプログラムは、図4に示すシステムメモリ22、図5に示すプログラムメモリ52に内蔵され、コントローラマイコン21とエンジンマイコン41とによって処理される動作を示すプログラムである。
【0088】
コントローラマイコン21とエンジンマイコン41とは、協調してフローチャートに従って、制御動作を実行する。
【0089】
図16、図17に示すフローチャートは、いずれも印刷ジョブのキャンセル処理であるが、途中まで印刷した結果に対する処理方法が、実施例1と実施例2とでは、互いに異なる。
【0090】
まず、図16に示すフローチャートについて説明する。
【0091】
なお、印刷ジョブのキャンセル方法は、操作キー12による方法と、ホストHから画像形成装置100へのキャンセル指示による方法とがある。また、キャンセルするタイミングは、実施例1で説明した図9に示すフローチャートによって印刷処理を行なっている途中である。
【0092】
S41で、印刷を中止する。S42で、途中まで印刷された結果に対して、画像を塗りつぶすための印刷処理を行なう。S43で、カッタユニット15の位置が、印刷した画像の後端から余白分の距離だけ離れた位置になるように、ロール紙9を搬送する。S44で、カッタユニット15が、ロール紙9を切断する。S45で、メインカバー10とリリースレバー11とのロックを、ソレノイド51が解除し、ジョブキャンセル処理を終了する。
【0093】
図16に示すフローチャートでは、ジョブキャンセル時に、S42で、途中まで印刷した結果に塗りつぶし、印刷物としての価値を無くす処理を行なっている。
【0094】
ジョブキャンセルするタイミングによっては、ほとんど印刷が終了する間際でキャンセルする場合がある。この場合、印刷物が完成間近であるので、そのままロール紙9をカットすると、印刷物としての価値がある状態で、第三者に持ち去られ、結果として損害を被る恐れがある。このフローチャートのように、印刷物の価値を無くす処理を行なうことによって、第三者による持ち去りを抑止することができる。
【0095】
次に、図17に示すフローチャートについて説明する。
【0096】
図17に示すフローチャートでは、図16に示すフローチャートに対して、S42がS52に変わっている部分のみが異なるので、異なる部分についてのみ説明する。
【0097】
S52で、途中まで印刷された結果に対して、ロール紙9の画像上をカットする。
【0098】
図17に示すフローチャートでも、図16に示すフローチャートと同様に、ジョブキャンセル時に印刷物の価値を無くす処理を行なう。図16に示すフローチャートに対して、余分なインクを消費しなくてよい利点がある。
【0099】
実施例2は、印刷物の価値を無くす処理であるが、印刷物の価値を無くす代わりに、実施例1で説明した通常印刷時と同様に、ロール紙9のカット前に暗証番号を入力するようにしてもよい。
【実施例3】
【0100】
図18−1、図18−2は、本発明の実施例3の動作を示すフローチャートである。
【0101】
実施例3の構成は、基本的には、実施例1の構成と同様である。
【0102】
実施例3は、図4に示すシステムメモリ22、図5に示すプログラムメモリ52に内蔵され、コントローラマイコン21とエンジンマイコン41とによって処理されるフローチャートである。コントローラマイコン21、エンジンマイコン41は、協調して、上記フローチャートに従って制御動作を実行する。
【0103】
図18−1、図18−2に示すフローチャートは、印刷終了後の暗証番号入力に制限時間を設けた場合の処理であり、実施例1における図9に示すフローチャートに、S81〜S86が追加されているので、追加されている部分についてのみ説明する。
【0104】
S81で、暗証番号入力までの制限時間のカウントを開始する。S82で、暗証番号が入力されたかどうかを判定し、入力されれば、S74に進み、入力されていなければ、S83に進む。
【0105】
S83で、制限時間が経過したかどうかを判定し、まだ経過していなければ、S84に進み、経過していれば、S86に進む。S84で、表示パネル13に、残り制限時間を表示する。
【0106】
図19は、実施例3において、印刷ジョブの状態を監視するアプリケーションの画面表示を示す図である。
【0107】
S85で、ホストHに、残り制限時間を通知する。これによって、ホストH上のアプリケーションの動作画面は、図19に示すように、ジョブ1の状態が暗証番号入力待ちになり、また、残り制限時間も表示される。
【0108】
S86で、ジョブキャンセル処理を行なう。処理内容は、実施例2において説明した処理と同様の処理を行なう。
【0109】
このようにすることによって、画像形成装置100を、複数の利用者で使用する環境下にある場合、暗証番号が入力されない状態で放置され、他の利用者が印刷できない状況を解消することができる。
【0110】
図18に示すフローチャートでは、印刷終了後の暗証番号入力に、制限時間を設け、制限時間以内に暗証番号を入力しなければ、ジョブキャンセルになり、印刷物の価値を無くす処理を行なう。この処理は、印刷結果の価値を無効化する印刷結果価値無効化手段の例である。つまり、計時手段による計時結果が、時間制限手段によって制限された所定時間を経過すると、上記印刷結果価値無効化手段が、印刷結果の価値を無効化する。
【0111】
この場合、印刷結果価値無効化手段として、上記のように、印刷結果に他の画像を上書きする手段を使用してもよく、また、記録用紙への印刷結果の画像を、切断手段が切断する手段を使用するようにしてもよい。
【0112】
S83は、上記暗証情報入力手段による暗証情報の入力待ち状態のときに、経過時間を計時する計時手段の例であり、上記暗証情報入力手段による暗証情報の入力待ち状態を、所定時間に制限する時間制限手段の例である。
【0113】
S84の処理は、計時手段が計時した経過時間と、時間制限手段が制限した所定時間とに基づいて、残り制限時間を算出する残り制限時間算出手段の例である。
【0114】
S85の処理は、算出手段が算出した残り制限時間を表示する残り制限時間表示手段の例であり、残り制限時間算出手段が算出した残り制限時間を、外部に通知する残り制限時間通知手段の例である。
【0115】
また、上記実施例を方法の発明として把握することができる。つまり、上記実施例は、ロール状の記録用紙に画像を形成して印刷する画像形成装置の制御方法であり、上記記録用紙への印刷を完了した後に、画像後端部で上記記録用紙を切断する切断工程を有する。また、上記実施例は、上記切断工程で切断可能な位置まで、上記記録用紙を搬送する搬送工程と、上記記録用紙を切断するまでは、上記画像形成装置に上記記録用紙をロックするロック工程とを有する。さらに、上記実施例は、印刷者と印刷ジョブとを関連付ける暗証情報を設定する暗証情報設定工程と、印刷完了後に、暗証情報を入力する暗証情報入力工程とを有する。しかも、上記実施例は、上記暗証情報設定工程で設定された暗証情報と、上記暗証情報入力工程で入力された暗証情報とを比較する比較工程を有する。そして、上記実施例は、上記暗証情報設定工程で設定した暗証情報と、上記暗証情報入力工程で入力された暗証情報とが一致すると、上記搬送工程に記録用紙を搬送させ、上記切断工程で上記記録用紙を切断させる制御工程を有する。
【0116】
上記実施例は、ロール紙への印刷終了後、正しい暗証情報を入力しない限り用紙をカットせず、用紙が画像形成装置にロックされた状態で保持される。したがって、印刷者が画像形成装置から離れている状態で印刷が終了しても、第三者に印刷結果を持ち去られる恐れがなくなる。特に、機密情報や著作権を有するデータを印刷した場合に、第三者の印刷結果の持ち去りによる機密情報流出や著作権侵害を防止できる。
【0117】
さらに、暗証情報の入力待ち状態であることを外部で確認可能であるので、印刷終了までは、印刷者は離れた場所で他の作業をすることができる。しかも、暗証情報の入力待ち状態は所定時間以内に制限されるので、画像形成装置を複数の利用者で共用する場合に、暗証情報の入力待ちのまま他の利用者が印刷できなくなることを防止できる。そして、暗証情報の入力制限時間が確認可能であるので、印刷者は制限時間以内に暗証情報を入力すればよいことが認識可能になる。
【0118】
加えて、暗証情報の入力制限時間が外部で確認可能であるので、印刷者は画像形成装置から離れた場所でも制限時間以内に暗証情報を入力すればよいことを認識できる。
【0119】
また、印刷が完了しなかったときに印刷結果を他の画像による印刷で上書きするので、印刷結果の価値を無効化することができる。また、印刷が完了しなかったときに、印刷結果の画像上を切断して印刷結果の価値を無効化するので、印刷のために必要な材料をほとんど消費せずに印刷結果の価値を無効化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】本発明の実施例1である画像形成装置100の構成を示す斜視図である。
【図2】画像形成装置100のメインカバー10を開けた状態を示す図である。
【図3】画像形成装置100の構成の概要を示すブロック図である。
【図4】コントローラ部20の内部構成を示すブロック図である。
【図5】画像形成装置100を横から見たときにおけるエンジン部40の内部構成を示す図である。
【図6】画像形成装置100において、メインカバー10とリリースレバー11とを閉じた状態を示す図である。
【図7】実施例1の動作を示すフローチャートである。
【図8】図7に示すフローチャートにおいて送信した印刷ジョブを、画像形成装置100が受信した場合の処理を示すフローチャートである。
【図9】HDD27に保存されている印刷ジョブを印刷する処理を示すフローチャートである。
【図10】画像形成装置100の印刷ジョブの状態を監視するアプリケーションの動作画面を示す図である。
【図11】画像形成装置100の印刷ジョブの状態を監視するアプリケーションの動作画面を示す図である。
【図12】画像形成装置100の印刷ジョブの状態を監視するアプリケーションの動作画面を示す図である。
【図13】画像形成装置100の印刷ジョブの状態を監視するアプリケーションの動作画面を示す図である。
【図14】画像形成装置100の印刷ジョブの状態を監視するアプリケーションの動作画面を示す図である。
【図15】印刷を終了したときに、画像形成装置100におけるロール紙9の状態を示す斜視図である。
【図16】本発明の実施例2の動作を示すフローチャートである。
【図17】本発明の実施例2の動作を示すフローチャートである。
【図18−1】本発明の実施例3の動作を示すフローチャートである。
【図18−2】本発明の実施例3の動作を示すフローチャートである。
【図19】実施例3において、印刷ジョブの状態を監視するアプリケーションの画面表示を示す図である。
【符号の説明】
【0121】
H…ホストコンピュータ、
3…ネットワークハブ、
4…ネットワークケーブル、
5…デジタルカメラ、
6…ケーブル、
7…フラッシュメモリ挿入口、
8…フラッシュメモリ、
9…ロール紙、
10…メインカバー、
11…リリースレバー、
12…操作キー、
13…表示パネル、
14…キャリッジ、
15…カッタユニット、
16…プラテン、
20…コントローラ部、
21…コントローラマイコン、
22…システムメモリ、
23…インタフェース回路、
24…受信バッファ、
25…画像処理回路、
26…コントローラメモリ、
27…ハードディスクドライブ、
40…エンジン部、
41…エンジンマイコン、
42…エンジンメモリ、
43…キャリッジモータ、
44…印字ヘッド、
45…ヘッドドライバ、
46…ローラ、
47…LFモータ、
48…給紙センサ、
49…排紙センサ、
50…カッタモータ、
51…ソレノイド、
52…プログラムメモリ、
100…画像形成装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に係り、たとえばホストコンピュータからインタフェース回路を介して転送された情報を、画像情報に展開し、電子写真方式やインクジェット方式を用いて記録用紙に印刷する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式やインクジェット方式を用いて記録用紙に印刷する画像形成装置は、外部からデータを入力するデータ入力部、入力したデータを画像に展開する画像展開部、記録用紙に印刷する印刷部等によって構成されている。また、外部で展開された画像を入力し、この入力した画像をそのまま記録用紙に印刷する画像形成装置が知られている。
【0003】
外部から入力されるデータとしては、外部接続されたホストコンピュータ、デジタルカメラ等から送信された印刷データや、フラッシュメモリ等の記録媒体に記録されている文書、画像ファイル等がある。画像展開部では、電子写真方式やインクジェット方式で印刷可能な形式に画像展開される。
【0004】
画像形成装置によっては、外部から入力したデータを蓄える補助記憶装置(一般にはハードディスク)を備え、必要なときに何度でも印刷できる機能を持つものもある。特に、大きな画像データ等を何度も印刷したい場合、その都度、ホストコンピュータ等からデータを転送すると時間がかかるので、この場合、印刷時間の短縮に有用である。
【0005】
記録用紙として、定型サイズにカットされたカット紙や、印刷の度に画像に合わせてカットするロール紙があり、各形態の記録用紙を画像記録装置に装着することによって、記録用紙を搬送し、印刷する。
【0006】
このような画像形成装置は、コントローラ部とエンジン部とによって構成されていることが一般的である。外部から入力される情報の形式としては、文字やイメージ等の配置や表現方法等を記述した言語形式で入力され、コントローラ部では、言語を解析し、ビットマップ形式に展開する。エンジン部では、コントローラ部から印刷データを受け取り、記録用紙を搬送し、感光ドラムやインクジェットヘッド等の記録部材を用いて、実際に印刷する。
【0007】
コントローラ部における言語の解析では、画像を展開し、また、外部から入力した情報に基づいて、記録用紙のサイズと種類、印刷枚数、印刷画質等、さまざまな設定情報を取得する。さらに、画像形成装置に搭載されている操作パネルで設定されている印刷に関する様々な情報を取得し、外部から入力した設定情報と合わせて、最終的な印刷制御情報を決定し、エンジン部に指示する。
【0008】
エンジン部における記録用紙の搬送と印刷とに関しては、記録部材としてインクジェットヘッドを用い、記録用紙としてロール紙を用いる場合、まず、ロール紙ユニットに収容されているロール紙の先端を挿入口から挿入する。これによって、インクジェットヘッドで印刷する位置まで搬送する(以下、「給紙」という)。給紙完了後に、インクジェットヘッドによる印刷と、ロール紙の搬送とを繰り返しながら、1ページ分を印刷し、印刷完了後に、画像の後端部分でロール紙をカットし、排紙口に用紙を排出する。複数ページを印刷する場合、ページ数分の給紙、印刷、カット、排出を繰り返し、排出された用紙は、バスケット等に積載され、後続ページの用紙の搬送と干渉しないようにする。
【0009】
排紙された印刷済みの用紙を送出して保管するための複数の出力ビンを持ち、各出力ビンが、複数利用者のうちの特定の利用者に割り当てられ、また、電子的に施錠可能になっている装置が知られている(たとえば、特許文献1参照。)。印刷済みの用紙を印刷者以外に持ち去られないようにすることができ、たとえば機密情報や著作権を有するデータを印刷した場合に、機密情報や著作権を保護することができる。
【特許文献1】特許第2801855号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、上記画像形成装置では、次の問題がある。印刷済みの用紙を送出して保管するための出力ビンを複数持つので、画像形成装置が大きくなり、また、複数の出力ビンへの振り分け機構も必要となり、構造が複雑になるという問題がある。特に、大きな用紙サイズへの印刷をサポートする画像形成装置において、出力ビンも用紙サイズに合わせて大きくする必要があり、画像形成装置がかなり大きなものになり、設置性の面で問題である。
【0011】
本発明は、次の目的を有する。すなわち、
(1)第1の目的は、機密情報や著作権を有するデータを印刷した場合に、第三者に持ち去られることによる機密情報流出や著作権侵害を防止する画像形成装置を簡単な構成によって実現することである。
(2)第2の目的は、画像形成装置の処理状態を、画像形成装置から離れた場所でも確認することができる画像形成装置を提供することである。
(3)第3の目的は、複数の利用者による画像形成装置の使い勝手を向上させることである。
(4)第4の目的は、画像形成装置への暗証情報入力可能時間を、画像形成装置上に表示して確認可能にすることである。
(5)第5の目的は、画像形成装置への暗証情報入力可能時間を、画像形成装置から離れた場所でも確認可能にすることである。
(6)第6の目的は、印刷を完了しなかったときに、印刷結果の価値を無効化することである。
(7)第7の目的は、印刷を完了しなかったときに、より効果的に印刷結果の価値を無効化することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、ロール状の記録用紙に画像を形成して印刷する画像形成装置において、上記記録用紙への印刷を完了した後に、画像後端部で上記記録用紙を切断する切断手段と、上記切断手段が切断可能な位置まで、上記記録用紙を搬送する搬送手段と、上記記録用紙を切断するまでは、上記画像形成装置に上記記録用紙をロックするロック手段と、印刷者と印刷ジョブとを関連付ける暗証情報を設定する暗証情報設定手段と、印刷完了後に、暗証情報を入力する暗証情報入力手段と、上記暗証情報設定手段が設定した暗証情報と、上記暗証情報入力手段を介して入力された暗証情報とを比較する比較手段と、上記暗証情報設定手段が設定した暗証情報と、上記暗証情報入力手段を介して入力された暗証情報とが一致すると、上記搬送手段に記録用紙を搬送させ、上記切断手段に上記記録用紙を切断させる制御手段とを有する画像形成装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、機密情報や著作権を有するデータを印刷した場合に、第三者に持ち去られることによる機密情報流出や著作権侵害を防止することができる画像形成装置を、簡単な構成によって実現することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
発明を実施するための最良の形態は、次の実施例である。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の実施例1である画像形成装置100の構成を示す斜視図である。
【0016】
図2は、画像形成装置100のメインカバー10を開けた状態を示す図である。
【0017】
図3は、画像形成装置100の構成の概要を示すブロック図である。
【0018】
画像形成装置100は、ネットワークハブ3とネットワークケーブル4とを介して、複数のホストコンピュータ(以下、「ホスト」という)Hと接続され、ケーブル6を介して、デジタルカメラ5と接続されている。
【0019】
画像形成装置100は、フラッシュメモリ挿入口7と、メインカバー10と、リリースレバー11と、操作キー12と、表示パネル13と、キャリッジ14と、カッタユニット15と、プラテン16と、コントローラ部20と、エンジン部40とを有する。
【0020】
画像形成装置100は、外部から入力した情報や、予め内部に保持している情報に基づいて、ロール紙9に印刷する。
【0021】
複数のホストHは、画像形成装置100に、印刷データや画像形成装置100を制御するための情報(以下、「印刷情報」という)を転送する。デジタルカメラ5は、ケーブル6を介して、画像形成装置100に印刷情報を転送する。
【0022】
フラッシュメモリ挿入口7は、フラッシュメモリ8を挿入し、画像形成装置100は、フラッシュメモリ8内に記憶されている印刷情報を入力する。入力する印刷情報には、印刷者を特定する情報として、暗証番号が含まれている。
【0023】
ロール紙9は、ロール状に巻き取られた用紙である。メインカバー10は、ロール紙9を給紙するときや、後述する印字ヘッドやカッタユニットを交換するときに開ける。図1は、メインカバー10が閉じている状態を示している。
【0024】
リリースレバー11は、後述するローラをプラテンに押し付け、ロール紙9を固定したり、プラテンから離して、ロール紙9を挿入可能にするためのレバーである。
【0025】
操作キー12は、画像形成装置100の動作に関するさまざまな設定を行い、画像形成装置100を単独で使用する場合に、操作を行なうための部材である。表示パネル13は、画像形成装置100の状態表示や、操作キー12を用いて画像形成装置100の動作設定を行なう場合に、設定内容の表示等を行なう。印刷する用紙の種類や印刷画質等も、操作キー12と表示パネル13とによって設定することができる。
【0026】
メインカバー10の内部には、図2に示すように、キャリッジ14と、それと一体となったカッタユニット15とがあり、左右方向に駆動して、印刷と用紙のカットとを行なう。プラテン16は、この上を用紙が前後方向に搬送される。
【0027】
画像形成装置100は、図3に示すように、操作キー12と、表示パネル13と、コントローラ部20と、エンジン部40とを有する。
【0028】
また、表示パネル13は、画像形成装置100の状態を表示し、使用者に対して操作キー12による操作を促す表示等を行なう。
【0029】
コントローラ部20は、ホストH、デジタルカメラ5、フラッシュメモリ8から印刷情報を入力し、印刷情報を解析する等の処理を行い、操作キー12の入力を受け付け、画像形成装置100の動作環境の設定等を行なう。
【0030】
エンジン部40は、印刷可能な形式の印刷データを生成し、用紙を給紙し、コントローラ部20で生成された印刷データを印刷し、排紙する。エンジン部40で、用紙詰まりや用紙切れ等の異常が発生すると、コントローラ部20に通知し、コントローラ部20は、表示パネル13に異常が発生したことを表示し、ホストHやデジタルカメラ5への通知処理等を行なう。
【0031】
図4は、コントローラ部20の内部構成を示すブロック図である。
【0032】
コントローラ部20は、コントローラマイコン21と、システムメモリ22と、インタフェース回路(以下、「I/F回路」という)23と、受信バッファ24とを有する。コントローラ部20は、画像処理回路25と、コントローラメモリ26と、ハードディスクドライブ(以下、「HDD」という)27とを有する。
【0033】
次に、コントローラ部20の動作について説明する。
【0034】
コントローラマイコン21は、外部から入力された印刷情報の解析、画像処理、ビットマップへの変換処理等、全ての制御を実行する。印刷データの流れは、次の通りである。
【0035】
ホストH、デジタルカメラ5、フラッシュメモリ8から入力した印刷情報は、I/F回路23を介して、受信バッファ24に格納され、印刷情報を受信したことが、I/F回路23からコントローラマイコン21に通知される。印刷情報には、画像データや、用紙のサイズや種類等、さまざまな設定情報が含まれている。コントローラマイコン21は、受信した印刷情報を解析し、画像処理回路25やエンジン部40に指示する。受信バッファ24に格納されている画像データは、画像処理回路25によって画像処理され、ビットマップ形式となり、コントローラメモリ26に格納された後に、エンジン部40へ送出される。
【0036】
外部から入力した印刷情報は、HDD27にも格納することが可能である。この場合、印刷データの流れは、次のようになる。受信バッファ24に格納するまでは、HDD27を使用しない場合と同じ動作である。受信バッファ24に格納されたデータは、HDD27に転送され、格納される。HDD27に格納された印刷情報を読み出し、画像処理回路25とコントローラメモリ26とを介して、エンジン部40に画像データを送出することによって印刷する。印刷を終了しても、HDD27に格納されている印刷情報は、残ったままであるので、必要なときに何度でも、印刷することができる。
【0037】
コントローラマイコン21には、操作キー12の操作内容が入力され、入力された内容に応じて、適切な処理を行なう。また、印刷の状況やエラーが発生した場合、その内容を、エンジン部40が、コントローラマイコン21に通知し、表示パネル13に表示し、ホストHやデジタルカメラ5に通知される。
【0038】
図5は、画像形成装置100を横から見たときにおけるエンジン部40の内部構成を示す図である。
【0039】
図5において、メインカバー10は、開いた状態を示し、リリースレバー11は、解除された状態を示す。
【0040】
エンジン部40は、エンジンマイコン41と、エンジンメモリ42と、キャリッジモータ43と、印字ヘッド44と、ヘッドドライバ45と、ローラ46と、LFモータ47とを有する。エンジン部40は、給紙センサ48と、排紙センサ49と、カッタモータ50と、ソレノイド51と、プログラムメモリ52とを有する。
【0041】
図5に示すように、メインカバー10が開き、リリースレバー11が解除されている状態では、ローラ46やキャリッジ14が駆動されない。また、リリースレバー11の解除によって、ローラ46がプラテン16から離れているので、ロール紙9をプラテン16上に挿入することができ、その後に、メインカバー10とリリースレバー11とを閉じると、給紙と印刷動作とを開始する。
【0042】
次に、メインカバー10とリリースレバー11とを閉じた状態について説明する。
【0043】
図6は、画像形成装置100において、メインカバー10とリリースレバー11とを閉じた状態を示す図である。
【0044】
ロール紙9の給紙と排紙、印字ヘッド44の制御等、全ての制御は、エンジンマイコン41が行う。コントローラ部20から送出されたビットマップは、エンジンメモリ42に格納される。LFモータ47を駆動し、ローラ46を回転させることによって、ロール紙9の給紙と排紙とを行う。給紙センサ48と排紙センサ49とが、ロール紙9の有無を検知することによって、給紙と排紙とが正常に動作しているかどうかを判別する。
【0045】
印字ヘッド44は、キャリッジ14と一体であり、ヘッドドライバ45がドライブする。キャリッジ14は、キャリッジモータ43によって、紙面及び印刷用紙の搬送方向と垂直な方向に、往復運動し、印字ヘッド44がロール紙9上に印字する。印字が終了すると、キャリッジ14と一体であるカッタユニット15が、カッタモータ50によって降下し、紙面及び印刷用紙の搬送方向と垂直な方向に、キャリッジ14を駆動することによって、ロール紙9を切断する。ロール紙9の給紙中と印刷中とには、ソレノイド51が、メインカバー10とリリースレバー11とが閉じた状態にロックし、メインカバー10を開けることができず、また、リリースレバー11を解除することができない。これによって、印刷後でカットされていない状態のロール紙をロックし、パスワード入力によりロックを解除しなければ、印刷後の画像を持ち去れないようにする。このようにすることによって、印刷を行ったユーザ以外の人物に、印刷後の画像が持ち去られることを防止する。給紙センサ48と排紙センサ49とが、ロール紙9が詰まったことを検知すると、印字を中止し、コントローラ部20に通知する。
【0046】
つまり、カッタユニット15は、上記記録用紙への印刷を完了した後に、画像後端部で上記記録用紙を切断する切断手段の例である。
【0047】
ローラ46は、上記切断手段が切断可能な位置まで、上記記録用紙を搬送する搬送手段の例である。ソレノイド51は、メインカバー10とリリースレバー11を閉じた状態に固定し、上記記録用紙を切断するまでは、上記画像形成装置に上記記録用紙をロックするロック手段の例である。
【0048】
操作キー12は、印刷ジョブと関連付ける暗証情報を設定する暗証情報設定手段の例である。操作キー12は、印刷完了後に、暗証情報を入力する暗証情報入力手段の例である。
【0049】
コントローラ部20は、上記暗証情報設定手段が設定した暗証情報と、上記暗証情報入力手段を介して入力された暗証情報とを比較する比較手段の例である。
【0050】
エンジン部40は、上記暗証情報設定手段が設定した暗証情報と、上記暗証情報入力手段を介して入力された暗証情報とが一致すると、上記搬送手段に記録用紙を搬送させ、上記切断手段に上記記録用紙を切断させる制御手段の例である。
【0051】
次に、実施例1の動作について説明する。
【0052】
図7、図8、図9は、実施例1の動作を示すフローチャートである。
【0053】
これらのフローチャートに対応するプログラムは、図4に示すシステムメモリ22と、図5または図6に示すプログラムメモリ52とに内蔵され、コントローラマイコン21とエンジンマイコン41とによって処理される。コントローラマイコン21とエンジンマイコン41とは、協調して該プログラムフローに従って制御動作を実行する。
【0054】
図7に示すフローチャートは、ホストH上のアプリケーション等で予め作成した印刷用データを、暗証番号付き保存のみ指定の印刷ジョブとして、画像形成装置100に送信したときの処理を示す。ここでの保存は、画像形成装置100内のHDD27への保存を意味する。
【0055】
S1で、印刷に関する様々な設定を行なう。この設定は、ホストH上に表示されるUI上で行ない、設定内容は、用紙サイズ、用紙種類、印刷の向き(縦/横)、印刷部数、印刷画質等がある。
【0056】
S2で、ホストH上に表示されているUI上で暗証番号を入力する。S3で、印刷ジョブを、画像形成装置100に送信し、完了したら、処理を終了する。
【0057】
上記動作では、ホストH上で作成した印刷用データを印刷ジョブとして、画像形成装置100に送信する。S1で設定した印刷に関する設定や、S2で入力した暗証番号も、印刷ジョブ内に含んで画像形成装置100に送信する。
【0058】
次に、図7に示すフローチャートにおいて送信した印刷ジョブを、画像形成装置100が受信した場合の処理について説明する。
【0059】
図8は、図7に示すフローチャートにおいて送信した印刷ジョブを、画像形成装置100が受信した場合の処理を示すフローチャートである。
【0060】
S11で、ホストHから、印刷ジョブを受信する。受信した印刷ジョブは、I/F回路23を経由し、受信バッファ24に格納される。S12で、受信バッファ24に格納されている印刷ジョブを解析し、保存のみ指定であることを認識する。S13で、受信バッファ24に格納されている印刷ジョブを、HDD27に書き込み、保存し、処理を終了する。
【0061】
図8に示すフローチャートでは、ホストHから受信した印刷ジョブを、HDD27に保存するが、ホストHからは保存のみが指定されているので、この時点では、印刷しない。
【0062】
次に、HDD27に保存されている印刷ジョブを印刷する処理について説明する。
【0063】
図9は、HDD27に保存されている印刷ジョブを印刷する処理を示すフローチャートである。
【0064】
S21で、HDD27に保存されている印刷ジョブの中から、印刷するジョブを選択する。操作キー12の操作を介して、HDD27に保存されている印刷ジョブのリストが、表示パネル13に一覧表示されるので、操作キー12を使用して、印刷するジョブを選択し、確定する。
【0065】
S22で、選択した印刷ジョブには暗証番号が設定されているので、操作キー12を介して、暗証番号を入力する。S23で、設定されている暗証番号と入力された暗証番号とが一致していなければ、印刷を行なわずに、処理を終了する。
【0066】
S24で、メインカバー10を開け、リリースレバー11を解除し、ロール紙9を挿入する。S25で、メインカバー10とリリースレバー11とを閉じる。S26で、ホストHに給紙中であることを通知する。
【0067】
ホストHでは、画像形成装置100の印刷ジョブの状態を監視するアプリケーションが動作している。
【0068】
図10〜図14は、画像形成装置100の印刷ジョブの状態を監視するアプリケーションの動作画面を示す図である。
【0069】
図10〜図14に示すように、画像形成装置100で、処理中または処理待ちの印刷ジョブと各印刷ジョブの状態との一覧が表示される。印刷ジョブは、同時に1つしか処理することができず、一覧で上方に表示されている印刷ジョブから順番に処理される。印刷ジョブの状態としては、印刷待ち、給紙中、印刷中、暗証番号入力待ち、排紙中がある。S26で、ホストHに、給紙中であることを通知すると、図10に示すように、ジョブ1の状態が給紙中であると表示される。後続のジョブ2は、ジョブ1の処理が終了するまで、処理されないので、印刷待ち状態になっている。
【0070】
S27で、メインカバー10とリリースレバー11とが閉じていることを確認した後に、ソレノイド51によってロックする。これによって、メインカバー10を開けることができなくなり、ローラ46は、ロール紙9を挟む形で、プラテン16に密着し、ロール紙9は、画像形成装置100内に固定される。
【0071】
S28で、挿入されたロール紙9を、LFモータ47とローラ46とが搬送し、給紙する。給紙によって、用紙の先端が、印刷開始位置まで搬送される。S29で、ホストHに、印刷中であることを通知する。これによって、ホストH上のアプリケーションの動作画面は、図11に示すようになり、ジョブ1の状態が、印刷中になる。
【0072】
S30で、印刷を開始する。具体的には、コントローラ部20においてHDD27に格納されているデータを、画像処理回路25が画像処理し、ビットマップ形式で、コントローラメモリ26に格納した後に、エンジン部40へ転送する。転送されたビットマップは、エンジンメモリ42に格納される。エンジン部40は、給紙されたロール紙9を、LFモータ47とローラ46とが搬送する。また、キャリッジモータ43が、キャリッジ14を往復移動させながら、印字ヘッド44がロール紙9に印刷する。搬送方向は、LFモータ47の駆動量と、給紙センサ48と排紙センサ49との検出結果とに基づいて、ロール紙9の印刷位置を制御し、キャリッジモータ43の駆動量に基づいて、キャリッジ14の移動方向を制御する。
【0073】
図15は、印刷を終了したときに、画像形成装置100におけるロール紙9の状態を示す斜視図である。
【0074】
S31で、印刷を終了したときにおける画像形成装置100のロール紙9の状態を、図15に示し、メインカバー10を開くことができず、リリースレバー11も解除できないので、ロール紙9は、画像形成装置100に固定され、まだ取り出すことができない。
【0075】
S32で、ホストHに暗証番号入力待ちであることを通知する。これによって、ホストH上のアプリケーションの動作画面は、図12に示すようになり、ジョブ1の状態が、暗証番号入力待ちとなる。上記S32は、上記暗証情報入力手段による暗証情報の入力待ち状態であることを、外部に通知する暗証情報の入力待ち状態通知手段の例である。
【0076】
S33で、操作キー12を介して、暗証番号を入力する。S34で、設定されている暗証番号と入力された暗証番号とが一致していなければ、S33に戻り、もう一度、暗証番号を入力する。
【0077】
設定されている暗証番号と入力された暗証番号とが一致していれば、S35で、ホストHに、排紙中であることを通知する。これによって、ホストH上のアプリケーションの動作画面は、図13に示すようになり、ジョブ1の状態が、排紙中となる。
【0078】
S36で、カッタユニット15の位置が、印刷した画像の後端から、余白分の距離だけ離れた位置になるように、ロール紙9を搬送する。S37で、カッタユニット15が、ロール紙9を切断する。これによって、印刷された用紙を持ち運び可能になる。
【0079】
S38で、メインカバー10とリリースレバー11とのロックを、ソレノイド51が解除し、印刷処理を終了する。印刷処理を終了したことを、ホストHに通知すると、図14に示すように、ジョブ1は表示画面上から消え、引き続きジョブ2の処理に移行する。
【0080】
図9に示すフローチャートでは、S21で、HDD27に保存されているジョブを選択し、印刷処理を行なう。ジョブには、暗証番号が設定され、S22とS23とによって,印刷開始前に正しい暗証番号を入力しない限り,印刷することができない。正しい暗証番号を入力すると、S28で,ロール紙9を給紙し、S30とS31とで、印刷する。印刷終了後に、S33とS34とによって、再度正しい暗証番号を入力するまで、ロール紙9はカットされない。正しい暗証番号を入力すると、はじめて、S36とS37とが、ロール紙9をカット位置まで搬送し、カットし、処理を終了する。
【0081】
このようにすることによって、印刷者が設定した暗証番号を入力しない限り、印刷とロール紙9のカットとを行なわないので、印刷者以外の第三者に印刷され、持ち去られることを防止することができる。特に、サイズの大きな用紙に印刷する場合、印刷開始から終了までに時間がかかるので、印刷者が画像形成装置100から離れる場合が多く、印刷終了後に、無条件にロール紙9をカットすると、第三者に印刷結果を持ち去られる恐れがある。これを防ぐために、印刷終了後の暗証番号入力は、特に有効である。
【0082】
印刷終了後の暗証番号入力待ち状態(S33)で、印刷終了した画像の後端は、画像形成装置100の内部に位置し、メインカバー10を開けないと届かない位置にある。しかし、メインカバー10は、ソレノイド51によって閉まった状態にロックされているので、開けることはできない。さらに、リリースレバー11もロックされているので、ロール紙9を手で引っ張り出すこともできない。したがって、第三者が印刷結果を持ち去ろうとしても、ロール紙9が外に出ている部分をはさみ等で切り取るしかなく、この場合、画像を切り取るので、印刷結果の価値を保ったまま持ち去られることを防ぐことができる。
【0083】
画像形成装置100の印刷ジョブの処理状態を、ホストH上のアプリケーションが常時確認可能である。印刷者は、印刷ジョブの処理状態が、暗証番号入力待ちであることを確認すると、画像形成装置100の設置場所へ移動し、正しい暗証番号を入力し、ロール紙9をカットすることによって、印刷結果について、セキュリティを保持した状態で、手にすることができる。
【0084】
実施例1は、印刷ジョブ内に暗証番号を含ませる実施例であるが、印刷ジョブと暗証番号とを独立させ、暗証番号を、印刷ジョブと関連付ける情報とともに送信するようにしてもよく、また、暗証番号を暗号化して送信するようにしてもよい。
【実施例2】
【0085】
図16、図17は、本発明の実施例2の動作を示すフローチャートである。
【0086】
本発明の実施例2の構成は、基本的には、実施例1の構成と同様である。
【0087】
実施例2のフローチャートに対応するプログラムは、図4に示すシステムメモリ22、図5に示すプログラムメモリ52に内蔵され、コントローラマイコン21とエンジンマイコン41とによって処理される動作を示すプログラムである。
【0088】
コントローラマイコン21とエンジンマイコン41とは、協調してフローチャートに従って、制御動作を実行する。
【0089】
図16、図17に示すフローチャートは、いずれも印刷ジョブのキャンセル処理であるが、途中まで印刷した結果に対する処理方法が、実施例1と実施例2とでは、互いに異なる。
【0090】
まず、図16に示すフローチャートについて説明する。
【0091】
なお、印刷ジョブのキャンセル方法は、操作キー12による方法と、ホストHから画像形成装置100へのキャンセル指示による方法とがある。また、キャンセルするタイミングは、実施例1で説明した図9に示すフローチャートによって印刷処理を行なっている途中である。
【0092】
S41で、印刷を中止する。S42で、途中まで印刷された結果に対して、画像を塗りつぶすための印刷処理を行なう。S43で、カッタユニット15の位置が、印刷した画像の後端から余白分の距離だけ離れた位置になるように、ロール紙9を搬送する。S44で、カッタユニット15が、ロール紙9を切断する。S45で、メインカバー10とリリースレバー11とのロックを、ソレノイド51が解除し、ジョブキャンセル処理を終了する。
【0093】
図16に示すフローチャートでは、ジョブキャンセル時に、S42で、途中まで印刷した結果に塗りつぶし、印刷物としての価値を無くす処理を行なっている。
【0094】
ジョブキャンセルするタイミングによっては、ほとんど印刷が終了する間際でキャンセルする場合がある。この場合、印刷物が完成間近であるので、そのままロール紙9をカットすると、印刷物としての価値がある状態で、第三者に持ち去られ、結果として損害を被る恐れがある。このフローチャートのように、印刷物の価値を無くす処理を行なうことによって、第三者による持ち去りを抑止することができる。
【0095】
次に、図17に示すフローチャートについて説明する。
【0096】
図17に示すフローチャートでは、図16に示すフローチャートに対して、S42がS52に変わっている部分のみが異なるので、異なる部分についてのみ説明する。
【0097】
S52で、途中まで印刷された結果に対して、ロール紙9の画像上をカットする。
【0098】
図17に示すフローチャートでも、図16に示すフローチャートと同様に、ジョブキャンセル時に印刷物の価値を無くす処理を行なう。図16に示すフローチャートに対して、余分なインクを消費しなくてよい利点がある。
【0099】
実施例2は、印刷物の価値を無くす処理であるが、印刷物の価値を無くす代わりに、実施例1で説明した通常印刷時と同様に、ロール紙9のカット前に暗証番号を入力するようにしてもよい。
【実施例3】
【0100】
図18−1、図18−2は、本発明の実施例3の動作を示すフローチャートである。
【0101】
実施例3の構成は、基本的には、実施例1の構成と同様である。
【0102】
実施例3は、図4に示すシステムメモリ22、図5に示すプログラムメモリ52に内蔵され、コントローラマイコン21とエンジンマイコン41とによって処理されるフローチャートである。コントローラマイコン21、エンジンマイコン41は、協調して、上記フローチャートに従って制御動作を実行する。
【0103】
図18−1、図18−2に示すフローチャートは、印刷終了後の暗証番号入力に制限時間を設けた場合の処理であり、実施例1における図9に示すフローチャートに、S81〜S86が追加されているので、追加されている部分についてのみ説明する。
【0104】
S81で、暗証番号入力までの制限時間のカウントを開始する。S82で、暗証番号が入力されたかどうかを判定し、入力されれば、S74に進み、入力されていなければ、S83に進む。
【0105】
S83で、制限時間が経過したかどうかを判定し、まだ経過していなければ、S84に進み、経過していれば、S86に進む。S84で、表示パネル13に、残り制限時間を表示する。
【0106】
図19は、実施例3において、印刷ジョブの状態を監視するアプリケーションの画面表示を示す図である。
【0107】
S85で、ホストHに、残り制限時間を通知する。これによって、ホストH上のアプリケーションの動作画面は、図19に示すように、ジョブ1の状態が暗証番号入力待ちになり、また、残り制限時間も表示される。
【0108】
S86で、ジョブキャンセル処理を行なう。処理内容は、実施例2において説明した処理と同様の処理を行なう。
【0109】
このようにすることによって、画像形成装置100を、複数の利用者で使用する環境下にある場合、暗証番号が入力されない状態で放置され、他の利用者が印刷できない状況を解消することができる。
【0110】
図18に示すフローチャートでは、印刷終了後の暗証番号入力に、制限時間を設け、制限時間以内に暗証番号を入力しなければ、ジョブキャンセルになり、印刷物の価値を無くす処理を行なう。この処理は、印刷結果の価値を無効化する印刷結果価値無効化手段の例である。つまり、計時手段による計時結果が、時間制限手段によって制限された所定時間を経過すると、上記印刷結果価値無効化手段が、印刷結果の価値を無効化する。
【0111】
この場合、印刷結果価値無効化手段として、上記のように、印刷結果に他の画像を上書きする手段を使用してもよく、また、記録用紙への印刷結果の画像を、切断手段が切断する手段を使用するようにしてもよい。
【0112】
S83は、上記暗証情報入力手段による暗証情報の入力待ち状態のときに、経過時間を計時する計時手段の例であり、上記暗証情報入力手段による暗証情報の入力待ち状態を、所定時間に制限する時間制限手段の例である。
【0113】
S84の処理は、計時手段が計時した経過時間と、時間制限手段が制限した所定時間とに基づいて、残り制限時間を算出する残り制限時間算出手段の例である。
【0114】
S85の処理は、算出手段が算出した残り制限時間を表示する残り制限時間表示手段の例であり、残り制限時間算出手段が算出した残り制限時間を、外部に通知する残り制限時間通知手段の例である。
【0115】
また、上記実施例を方法の発明として把握することができる。つまり、上記実施例は、ロール状の記録用紙に画像を形成して印刷する画像形成装置の制御方法であり、上記記録用紙への印刷を完了した後に、画像後端部で上記記録用紙を切断する切断工程を有する。また、上記実施例は、上記切断工程で切断可能な位置まで、上記記録用紙を搬送する搬送工程と、上記記録用紙を切断するまでは、上記画像形成装置に上記記録用紙をロックするロック工程とを有する。さらに、上記実施例は、印刷者と印刷ジョブとを関連付ける暗証情報を設定する暗証情報設定工程と、印刷完了後に、暗証情報を入力する暗証情報入力工程とを有する。しかも、上記実施例は、上記暗証情報設定工程で設定された暗証情報と、上記暗証情報入力工程で入力された暗証情報とを比較する比較工程を有する。そして、上記実施例は、上記暗証情報設定工程で設定した暗証情報と、上記暗証情報入力工程で入力された暗証情報とが一致すると、上記搬送工程に記録用紙を搬送させ、上記切断工程で上記記録用紙を切断させる制御工程を有する。
【0116】
上記実施例は、ロール紙への印刷終了後、正しい暗証情報を入力しない限り用紙をカットせず、用紙が画像形成装置にロックされた状態で保持される。したがって、印刷者が画像形成装置から離れている状態で印刷が終了しても、第三者に印刷結果を持ち去られる恐れがなくなる。特に、機密情報や著作権を有するデータを印刷した場合に、第三者の印刷結果の持ち去りによる機密情報流出や著作権侵害を防止できる。
【0117】
さらに、暗証情報の入力待ち状態であることを外部で確認可能であるので、印刷終了までは、印刷者は離れた場所で他の作業をすることができる。しかも、暗証情報の入力待ち状態は所定時間以内に制限されるので、画像形成装置を複数の利用者で共用する場合に、暗証情報の入力待ちのまま他の利用者が印刷できなくなることを防止できる。そして、暗証情報の入力制限時間が確認可能であるので、印刷者は制限時間以内に暗証情報を入力すればよいことが認識可能になる。
【0118】
加えて、暗証情報の入力制限時間が外部で確認可能であるので、印刷者は画像形成装置から離れた場所でも制限時間以内に暗証情報を入力すればよいことを認識できる。
【0119】
また、印刷が完了しなかったときに印刷結果を他の画像による印刷で上書きするので、印刷結果の価値を無効化することができる。また、印刷が完了しなかったときに、印刷結果の画像上を切断して印刷結果の価値を無効化するので、印刷のために必要な材料をほとんど消費せずに印刷結果の価値を無効化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】本発明の実施例1である画像形成装置100の構成を示す斜視図である。
【図2】画像形成装置100のメインカバー10を開けた状態を示す図である。
【図3】画像形成装置100の構成の概要を示すブロック図である。
【図4】コントローラ部20の内部構成を示すブロック図である。
【図5】画像形成装置100を横から見たときにおけるエンジン部40の内部構成を示す図である。
【図6】画像形成装置100において、メインカバー10とリリースレバー11とを閉じた状態を示す図である。
【図7】実施例1の動作を示すフローチャートである。
【図8】図7に示すフローチャートにおいて送信した印刷ジョブを、画像形成装置100が受信した場合の処理を示すフローチャートである。
【図9】HDD27に保存されている印刷ジョブを印刷する処理を示すフローチャートである。
【図10】画像形成装置100の印刷ジョブの状態を監視するアプリケーションの動作画面を示す図である。
【図11】画像形成装置100の印刷ジョブの状態を監視するアプリケーションの動作画面を示す図である。
【図12】画像形成装置100の印刷ジョブの状態を監視するアプリケーションの動作画面を示す図である。
【図13】画像形成装置100の印刷ジョブの状態を監視するアプリケーションの動作画面を示す図である。
【図14】画像形成装置100の印刷ジョブの状態を監視するアプリケーションの動作画面を示す図である。
【図15】印刷を終了したときに、画像形成装置100におけるロール紙9の状態を示す斜視図である。
【図16】本発明の実施例2の動作を示すフローチャートである。
【図17】本発明の実施例2の動作を示すフローチャートである。
【図18−1】本発明の実施例3の動作を示すフローチャートである。
【図18−2】本発明の実施例3の動作を示すフローチャートである。
【図19】実施例3において、印刷ジョブの状態を監視するアプリケーションの画面表示を示す図である。
【符号の説明】
【0121】
H…ホストコンピュータ、
3…ネットワークハブ、
4…ネットワークケーブル、
5…デジタルカメラ、
6…ケーブル、
7…フラッシュメモリ挿入口、
8…フラッシュメモリ、
9…ロール紙、
10…メインカバー、
11…リリースレバー、
12…操作キー、
13…表示パネル、
14…キャリッジ、
15…カッタユニット、
16…プラテン、
20…コントローラ部、
21…コントローラマイコン、
22…システムメモリ、
23…インタフェース回路、
24…受信バッファ、
25…画像処理回路、
26…コントローラメモリ、
27…ハードディスクドライブ、
40…エンジン部、
41…エンジンマイコン、
42…エンジンメモリ、
43…キャリッジモータ、
44…印字ヘッド、
45…ヘッドドライバ、
46…ローラ、
47…LFモータ、
48…給紙センサ、
49…排紙センサ、
50…カッタモータ、
51…ソレノイド、
52…プログラムメモリ、
100…画像形成装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール状の記録用紙に画像を形成して印刷する画像形成装置において、
上記記録用紙への印刷を完了した後に、画像後端部で上記記録用紙を切断する切断手段と;
上記切断手段が切断可能な位置まで、上記記録用紙を搬送する搬送手段と;
上記記録用紙を切断するまでは、上記画像形成装置に上記記録用紙をロックするロック手段と;
印刷ジョブと関連付ける暗証情報を設定する暗証情報設定手段と;
印刷完了後に、暗証情報を入力する暗証情報入力手段と;
上記暗証情報設定手段が設定した暗証情報と、上記暗証情報入力手段を介して入力された暗証情報とを比較する比較手段と;
上記暗証情報設定手段が設定した暗証情報と、上記暗証情報入力手段を介して入力された暗証情報とが一致すると、上記搬送手段に記録用紙を搬送させ、上記切断手段に上記記録用紙を切断させる制御手段と;
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1において、
上記暗証情報入力手段による暗証情報の入力待ち状態であることを、外部に通知する暗証情報の入力待ち状態通知手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1において、
上記暗証情報入力手段による暗証情報の入力待ち状態のときに、経過時間を計時する計時手段と;
上記暗証情報入力手段による暗証情報の入力待ち状態を、所定時間に制限する時間制限手段と;
印刷結果の価値を無効化する印刷結果価値無効化手段と;
を有し、上記計時手段による計時結果が、上記時間制限手段によって制限された所定時間を経過すると、上記印刷結果価値無効化手段が、印刷結果の価値を無効化することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3において、
上記計時手段が計時した経過時間と、上記時間制限手段が制限した所定時間とに基づいて、残り制限時間を算出する残り制限時間算出手段と;
上記算出手段が算出した残り制限時間を表示する残り制限時間表示手段と;
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項3において、
上記計時手段が計時した経過時間と、上記時間制限手段が制限した所定時間とに基づいて、残り制限時間を算出する残り制限時間算出手段と;
上記残り制限時間算出手段が算出した残り制限時間を、外部に通知する残り制限時間通知手段と;
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項3において、
上記印刷結果価値無効化手段は、上記印刷結果に他の画像を上書きする手段であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項3において、
上記印刷結果価値無効化手段は、上記記録用紙への印刷結果の画像を、上記切断手段が切断する手段であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
ロール状の記録用紙に画像を形成して印刷する画像形成装置の制御方法において、
上記記録用紙への印刷を完了した後に、画像後端部で上記記録用紙を切断する切断工程と;
上記切断工程で切断可能な位置まで、上記記録用紙を搬送する搬送工程と;
上記記録用紙を切断するまでは、上記画像形成装置に上記記録用紙をロックするロック工程と;
印刷者と印刷ジョブとを関連付ける暗証情報を設定する暗証情報設定工程と;
印刷完了後に、暗証情報を入力する暗証情報入力工程と;
上記暗証情報設定工程で設定された暗証情報と、上記暗証情報入力工程で入力された暗証情報とを比較する比較工程と;
上記暗証情報設定工程で設定した暗証情報と、上記暗証情報入力工程で入力された暗証情報とが一致すると、上記搬送工程に記録用紙を搬送させ、上記切断工程で上記記録用紙を切断させる制御工程と;
を有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項1】
ロール状の記録用紙に画像を形成して印刷する画像形成装置において、
上記記録用紙への印刷を完了した後に、画像後端部で上記記録用紙を切断する切断手段と;
上記切断手段が切断可能な位置まで、上記記録用紙を搬送する搬送手段と;
上記記録用紙を切断するまでは、上記画像形成装置に上記記録用紙をロックするロック手段と;
印刷ジョブと関連付ける暗証情報を設定する暗証情報設定手段と;
印刷完了後に、暗証情報を入力する暗証情報入力手段と;
上記暗証情報設定手段が設定した暗証情報と、上記暗証情報入力手段を介して入力された暗証情報とを比較する比較手段と;
上記暗証情報設定手段が設定した暗証情報と、上記暗証情報入力手段を介して入力された暗証情報とが一致すると、上記搬送手段に記録用紙を搬送させ、上記切断手段に上記記録用紙を切断させる制御手段と;
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1において、
上記暗証情報入力手段による暗証情報の入力待ち状態であることを、外部に通知する暗証情報の入力待ち状態通知手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1において、
上記暗証情報入力手段による暗証情報の入力待ち状態のときに、経過時間を計時する計時手段と;
上記暗証情報入力手段による暗証情報の入力待ち状態を、所定時間に制限する時間制限手段と;
印刷結果の価値を無効化する印刷結果価値無効化手段と;
を有し、上記計時手段による計時結果が、上記時間制限手段によって制限された所定時間を経過すると、上記印刷結果価値無効化手段が、印刷結果の価値を無効化することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3において、
上記計時手段が計時した経過時間と、上記時間制限手段が制限した所定時間とに基づいて、残り制限時間を算出する残り制限時間算出手段と;
上記算出手段が算出した残り制限時間を表示する残り制限時間表示手段と;
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項3において、
上記計時手段が計時した経過時間と、上記時間制限手段が制限した所定時間とに基づいて、残り制限時間を算出する残り制限時間算出手段と;
上記残り制限時間算出手段が算出した残り制限時間を、外部に通知する残り制限時間通知手段と;
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項3において、
上記印刷結果価値無効化手段は、上記印刷結果に他の画像を上書きする手段であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項3において、
上記印刷結果価値無効化手段は、上記記録用紙への印刷結果の画像を、上記切断手段が切断する手段であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
ロール状の記録用紙に画像を形成して印刷する画像形成装置の制御方法において、
上記記録用紙への印刷を完了した後に、画像後端部で上記記録用紙を切断する切断工程と;
上記切断工程で切断可能な位置まで、上記記録用紙を搬送する搬送工程と;
上記記録用紙を切断するまでは、上記画像形成装置に上記記録用紙をロックするロック工程と;
印刷者と印刷ジョブとを関連付ける暗証情報を設定する暗証情報設定工程と;
印刷完了後に、暗証情報を入力する暗証情報入力工程と;
上記暗証情報設定工程で設定された暗証情報と、上記暗証情報入力工程で入力された暗証情報とを比較する比較工程と;
上記暗証情報設定工程で設定した暗証情報と、上記暗証情報入力工程で入力された暗証情報とが一致すると、上記搬送工程に記録用紙を搬送させ、上記切断工程で上記記録用紙を切断させる制御工程と;
を有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18−1】
【図18−2】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18−1】
【図18−2】
【図19】
【公開番号】特開2009−143205(P2009−143205A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−325697(P2007−325697)
【出願日】平成19年12月18日(2007.12.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月18日(2007.12.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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