説明

画像形成装置及び画像形成装置の制御方法

【課題】異なる種類の記憶装置が設けられる画像形成装置における省電力化を実現する画像形成装置及び画像形成装置の制御方法を提供すること。
【解決手段】画像データを記憶する一以上のハードディスク装置及び一以上の不揮発性メモリを有する画像形成装置であって、異なるアプリケーション又は動作条件毎に使用する、前記ハードディスク装置毎の使用情報を管理する情報管理手段と、前記ハードディスク装置への電力供給の有無を、前記使用情報に基づいて決定する供給決定手段と、決定された前記電力供給の有無により、前記ハードディスク装置への電力供給を制御する供給制御手段と、を有する画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、スキャナ、プロッタ、及び、ファクシミリ装置を有する画像形成装置において、省電力化を実現するために、ジョブが指示されない間に、画像形成装置が有する機能の一部に対する電力の供給を停止する画像形成装置がある。これにより、待機電力を低減することができる。
【0003】
複数のハードディスク装置を有する画像形成装置においては、さらに、稼働させるハードディスク装置の台数を制限することにより、省電力化を実現することができる。例えば、特開2007−6098号公報(特許文献1)には、処理性能を満たすために必要な台数のハードディスク装置に対してのみ、電力を供給する画像形成装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示の画像形成装置の発明では、異なる記憶手段が設けられている画像形成装置における、省電力化の実現については、考慮されていない。例えば、複数の不揮発性メモリを有するSSD(Solid State Disk)は、ハードディスク装置よりも消費電力が少ないが、高価であり書き換え回数の制限がハードディスク装置に対して劣る。したがって、画像形成装置に設けられる全てのハードディスク装置を、SSDに置き換えることは、コストや耐久性の面で問題となる。
【0005】
そこで、ハードディスク装置とSSDとの両方を有する画像形成装置を設計する際に、2つの記憶装置に対する電力供給の制御を同等に行うと、省電力化に関して効率的ではない。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みて、これらの問題を解消するために発明されたものであり、異なる種類の記憶装置が設けられる画像形成装置における省電力化を実現する画像形成装置、及び、画像形成装置の制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は次の如き構成を採用した。本発明の画像形成装置は、画像データを記憶する一以上のハードディスク装置及び一以上の不揮発性メモリを有する画像形成装置であって、異なるアプリケーション又は動作条件毎に使用する、前記ハードディスク装置毎の使用情報を管理する情報管理手段と、前記ハードディスク装置への電力供給の有無を、前記使用情報に基づいて決定する供給決定手段と、決定された前記電力供給の有無により、前記ハードディスク装置への電力供給を制御する供給制御手段と、を有する構成とすることができる。
【0008】
これにより、異なる種類の記憶装置が設けられる画像形成装置における省電力化を実現する画像形成装置を提供することができる。
【0009】
なお、上記課題を解決するため、本発明は、上記画像形成装置における制御方法としてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の画像形成装置及び画像形成装置の制御方法によれば、異なる種類の記憶装置が設けられる画像形成装置における省電力化を実現する画像形成装置及び画像形成装置の制御方法を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本実施形態の画像形成装置の電源供給の制御部とその周辺の機能構成を示す図である。
【図2】図2は、画像形成装置の全体の構成を示すブロック図(その1)である。
【図3】図3は、電源投入後の処理(その1)を説明するフロー図である。
【図4】図4は、1つのジョブを実行する際の、HDD800の電力供給を制御する処理を説明するフロー図である。
【図5】図5は、NAND81に格納される使用情報の例(その1)を示す図である。
【図6】図6は、電源投入後の処理(その2)を説明するフロー図である。
【図7】図7は、1つのジョブを実行する際の、HDD800と不揮発性メモリ60との電力供給を制御する処理を説明するフロー図である。
【図8】図8は、NAND81に格納される使用情報の例(その2)を示す図である。
【図9】図9は、不揮発性メモリ60及びHDD800に対する電力供給の状況を表示する処理を含む例を説明するフロー図である。
【図10】図10は、不揮発性メモリ60及びHDD800に対する電力供給の状況と、それぞれの容量とを表示する例を示すフロー図である。
【図11】図11は、動作条件の選択を行う処理を含む例を示すフロー図である。
【図12】図12は、操作部910に表示される画面の例(その1)を示す図である。
【図13】図13は、操作部910に表示される画面の例(その2)を示す図である。
【図14】図14は、NAND81に格納される使用情報の例を示す図である。
【図15】図15は、HDD800及び不揮発性メモリ60の電力供給を所定の状態にする処理を含む例を説明するフロー図である。
【図16】図16は、画像形成装置の全体の構成を示すブロック図(その2)である。
【図17−1】図17−1は、不揮発性メモリが2個ある場合の処理が加えられている例を説明するフロー図(その1)である。
【図17−2】図17−2は、不揮発性メモリが2個ある場合の処理が加えられている例を説明するフロー図(その2)である。
【図18】図18は、2つの不揮発性メモリを有する構成において用いられる使用情報のテーブルの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0013】
〔本発明の実施の形態〕
図1は、本実施形態の画像形成装置の電源供給の制御部とその周辺の機能構成を示す図である。図1の制御部10は、電源7、記憶手段9、入力手段12、及び、表示手段13に接続される。
【0014】
制御部10は、情報管理手段1、使用情報設定手段2、制御対象設定手段3、供給決定手段4、供給制御手段5、及び、SSD6を有する。制御部10は、さらに、画面生成手段11を有してもよい。
【0015】
情報管理手段1は、画像形成装置が実行するアプリケーション毎に、使用するハードディスク装置(以下、「HDD」という。)に対する電力供給の有無に係る情報を管理する。この情報を「使用情報」という。画像形成装置が実行するアプリケーションは、例えば、スキャン、印刷出力、及び、ファクシミリ通信等の各機能を実現する。情報管理手段1が管理する使用情報は、アプリケーションと、HDDの電源オン又は電源オフの情報とが、対応づけられる。使用情報は、さらに、SSDの電源オン又は電源オフの情報を含んでもよい。使用情報は、テーブルの形式を有する。情報管理手段1が管理する情報は、記憶手段9に記憶される。
【0016】
使用情報設定手段2は、複数の使用情報のテーブルがある場合に、何れのテーブルを用いるかを設定する。用いるテーブルの選択の指示は、入力手段12より入力される。制御対象設定手段3は、HDD及びSSDのうち、何れの記憶装置に対して、電源のオン及びオフを制御するかを設定する。制御対象となる記憶装置の選択の指示は、入力手段12より入力される。
【0017】
供給決定手段4は、画像形成装置が、ジョブを実行する毎に、そのジョブで実行するアプリケーションに対応する使用情報に基づいて、電力を供給するHDDを決定する。供給決定手段4はさらに、ジョブで実行する際に電力を供給するSSDを決定してもよい。
【0018】
供給決定手段4は、さらに、既にHDD又はSSDに電力が供給されている場合に、電力供給を停止するHDD又はSSDを決定してもよい。供給決定手段4により決定された情報は、供給制御手段5に出力される。
【0019】
供給制御手段5は、供給決定手段4により決定された情報に基づいて、電源7を制御する。より詳細には、電源7に対し、電力を供給する記憶装置の情報、又は、電力供給を停止する記憶装置の情報を出力する。
【0020】
画面生成手段11は、表示手段13に表示する画面を生成する。画面生成手段11が生成する画面は、複数の使用情報のテーブルがある場合に、何れのテーブルを用いるかを設定する際の、テーブルの選択を促す画面である。画面生成手段11が生成する画面は、また、何れの記憶装置に対して、電源のオン及びオフを制御するかを設定する際の、記憶装置の選択を促す画面である。
【0021】
電源7は、HDD8、及び、SSD6が接続され、これらの記憶装置に対して電力を供給する。電源7は、供給制御手段5からの指示により、それぞれの記憶装置に対して、電力の供給、及び、電力供給の停止を行う。
【0022】
HDD8は、制御部10が処理する画像データ等が格納される。HDD8に対する電力は、供給制御手段5の指示により、電源7から供給される。
【0023】
なお、図1には、一つのHDD及び一つのSSDを示すが、複数のHDD、及び/又は、複数のSSDが設けられる構成でもよい。複数のHDDや複数のSSDが設けられる場合には、情報管理手段1は、それぞれのHDD又はSSDに対する電力の供給の有無の情報を管理し、供給決定手段4は、アプリケーション毎に電力を供給するHDD又はSSD等を決定し、その情報を、供給制御手段5に出力する。
【0024】
記憶手段9は、使用情報を格納する。入力手段12は、操作者による画像形成装置に対する指示等が入力される。表示手段13は、操作者に対し、画像形成装置の状態等を通知する画面、及び、指示等の入力を促す画面等を表示する。
【0025】
なお、情報管理手段1及び供給決定手段4は、例えば、CPUがコンピュータプログラムを実行することにより実現されてもよい。また、供給制御手段5は、電源7に対応するASICとして構成されてもよい。制御部10、記憶手段9、及び、SSD6は、一つのコントローラ基板上に設けられてもよい。
【0026】
図2は、画像形成装置の全体の構成を示すブロック図である。図2の画像形成装置は、コントローラ部900、画像処理部100、画像読取部200、画像出力部300、HDD800、操作部910、及び、ファクシミリ制御部(以下、「FCU部」という。)920を有する。
【0027】
コントローラ部900は、画像形成装置の全体の制御を行う。コントローラ部900は、例えば、1枚の基板上に設けられる。コントローラ部900は、CPU90、電源部40、ASIC93、ASIC95、不揮発性メモリ60、及び、LAN インタフェース(図中では、「LAN」と表記する。)99を有する。
【0028】
コントローラ部900は、さらに、NORメモリ(図中では、「NOR」と表記する。)85、NANDメモリ(図中では、「NAND」と表記する。)81、NVRAM82、NORメモリ(図中では、「NOR」と表記する。)83、及び、DRAM84を有する。以下、これらのメモリのうちの何れか一以上のメモリを、メモリ80と表記する。
【0029】
CPU90は、メモリ80に格納されているコンピュータプログラムを実行し、画像形成装置の全体の制御を行う。CPU90によって実現される機能には、例えば、各部に対して電力供給の有無を決定する機能、画像形成装置が実行するアプリケーション毎に対応する各部に対する電力供給の有無の情報を管理する機能等がある。
【0030】
電源部40は、コントローラ部900及び画像形成装置の各部に対して、電力を供給する。ASIC93は、電源部40を制御して、各部に対する電力供給の開始又は停止を実行させる。ASIC95は、画像データの圧縮及び伸張処理、その他の画像処理、及び、HDD800と不揮発性メモリ60との制御を行う。
【0031】
LAN インタフェース99は、外部PCとのネットワーク接続を実現する。メモリ80は、CPU90が実行するコンピュータプログラムを格納する。メモリ80は、また、CPU90がコンピュータプログラムを実行する際の、ワークメモリとして機能する。
【0032】
メモリ80のうち、例えば、NAND81は、ジョブに含まれるアプリケーション毎に、そのアプリケーションを実行する際に、HDD800が必要か否かを示す情報、すなわち、使用情報を保持する。使用情報は、HDD800の他に、不揮発性メモリ60が必要か否かの情報を含んでよい。これらの情報は、アプリケーション毎に対応づけられたテーブルの形式を有する。なお、使用情報は、動作条件毎に対応づけられてもよい。
【0033】
不揮発性メモリ60は、画像データを格納する。不揮発性メモリ60が格納する画像データは、コントローラ部900で処理される一時データ、又は、コントローラ部900に入力された後に蓄積される画像データである。なお、不揮発性メモリ60とHDD800とは、画像データを格納する目的が同一である。
【0034】
画像処理部100は、画像データに対する複数の画像処理を実行する。画像処理部100が実行する画像処理は、例えば、加工、補正、編集、検知、変換等である。画像読取部200は、媒体上の画像を光学的に読み取って画像データを出力する。画像出力部300は、媒体上に画像データを印字して、出力する。
【0035】
HDD800は、画像データを格納する。HDD800が格納する画像データは、コントローラ部900で処理される一時データ、又は、コントローラ部900から出力され、蓄積される画像データである。
【0036】
操作部910は、画像形成装置に対して設定されている情報等を表示する。操作部910は、また、各種の設定の指示、及び、ジョブの指示等が入力される。FCU部920は、画像形成装置と公衆回線に接続される図示しない他の装置等との間の、ファクシミリ通信を行う。
【0037】
図3は、電源投入後の処理を説明するフロー図である。図3のステップS11では、画像形成装置が有する電源スイッチがオンされる。これにより、電源部40が、ASIC93及び不揮発性メモリ60への電力供給を開始する。ステップS11に続いてステップS12に進み、NOR85からコンピュータプログラムが読み出され、ASIC93が、そのコンピュータプログラムを起動させる。
【0038】
ステップS12に続いてステップS13に進み、電源部40が、ASIC93の指示に従い、HDD800を除く各部へ電力供給を開始する。ステップS13に続いてステップS14に進み、CPU90が、NOR83に格納されているコンピュータプログラムを起動する。以上の処理により、コントローラ部900の各部の起動が終了する。
【0039】
図4は、1つのジョブを実行する際の、HDD800の電力供給を制御する処理を説明するフロー図である。図4のステップS101では、図3の処理が実行される。ステップS101に続いてステップS102に進み、CPU90が電源オフ要求の有無を確認する。電源オフ要求がある場合には、ステップS110に進み、電源オフ要求が無い場合には、ステップS103に進む。
【0040】
ステップS110では、ASIC93が、電源オフ処理を行う。一方、ステップS102に続くステップS103では、CPU90が、ジョブ要求の有無を確認する。ジョブ要求がある場合には、ステップS104に進み、ジョブ要求が無い場合には、ステップS102に戻って処理を繰り返す。
【0041】
ステップS103に続くステップS104では、CPU90が、NAND81に格納されている、HDD800の使用情報のテーブルを参照する。より詳細には、ステップS103で確認されたジョブの要求に含まれているアプリケーションを実行する際に、HDD800が必要か否かの情報を参照する。HDD800が必要な場合には、ステップS106に進み、HDD800が不要な場合には、ステップS107に進む。
【0042】
ステップS105に続くステップS106では、ステップS104で参照されたHDD800の使用情報に基づいて、ASIC93が電源部40に指示し、HDD800への電力供給を開始する。
【0043】
ステップS105又はステップS106に続くステップS107では、画像形成装置が有する各部が、ステップS103で確認されたジョブの要求に含まれるアプリケーションを実行する。ステップS107に続いてステップS108に進み、CPU90が、HDD800に対する電源がオン状態か否かを判断する。オン状態の場合には、ステップS109に進み、オン状態ではない場合には、ステップS102に戻って処理を繰り返す。
【0044】
ステップS108に続くステップS109では、ASIC93が電源部40に指示し、HDD800への電力供給を停止する。
【0045】
図5は、NAND81に格納される使用情報の例を示す図である。図5では、「スキャナ」、「プリンタ」、「コピー」、及び、「ファクシミリ(以下、「FAX」という。)」のそれぞれのアプリケーションに対し、動作条件毎に、HDDの電源投入の有無の情報が対応づけられている。動作条件は、「カラー/モノクロ」、「解像度」、及び、「電子ソート」である。
【0046】
図6は、電源投入後の処理を説明するフロー図である。図6の処理は、図3の処理とほぼ同一である。より詳細には、図6のステップS23において、不揮発性メモリ60とHDD800とを除く各部に電力供給が開始される他は、図3の各ステップと同一の処理であるので、ここでは、説明を省略する。
【0047】
図7は、1つのジョブを実行する際の、HDD800と不揮発性メモリ60との電力供給を制御する処理を説明するフロー図である。図7において、ステップS201からステップS203及びステップS214の処理は、図4のステップS101からステップS103及びステップS110の処理と同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0048】
図7のステップS204では、CPU90がNAND81に格納されている使用情報のテーブルを参照する。ステップS204で参照される使用情報は、HDD800の使用情報と、不揮発性メモリ60の使用情報とを含む。
【0049】
ステップS204に続いてステップS205に進み、CPU90が、ステップS204で参照した使用情報から、ステップS203で要求されたジョブのアプリケーションを実行する際に、不揮発性メモリ60が必要か否かを判断する。必要な場合には、ステップS206に進み、必要ではない場合には、ステップS207に進む。
【0050】
ステップS205に続くステップS206では、ASIC93の指示により、電源部40が、不揮発性メモリへの電力供給を開始する。ステップS205又はステップS205に続くステップS207ないしステップS211の処理は、図4のステップS105ないしステップS109と同一である。
【0051】
ステップS211に続いてステップS212に進み、CPU90が、不揮発性メモリ60の電源がオン状態か否かを判断する。オン状態の場合には、ステップS213に進み、オン状態ではない場合には、ステップS202に戻って処理を繰り返す。
【0052】
ステップS212に続くステップS213では、ASIC93の指示により、電源部40が、不揮発性メモリ60への電力供給を停止する。図6及び図7の処理により、HDD800への電力供給の制御に加えて、不揮発性メモリ60への電力供給の制御も、アプリケーション毎の各動作条件に対応づけられるので、図3及び図4の例よりも、さらに、省電力化を実現することができる。
【0053】
図8は、NAND81に格納される使用情報の例を示す図である。図8の使用情報は、図7のステップS204の処理において参照される。図8では、それぞれのアプリケーションに対し、動作条件毎に、HDDの電源投入の有無の情報と、不揮発性メモリの電源投入の有無の情報と、が対応づけられている。
【0054】
図9は、操作部910に、不揮発性メモリ60及びHDD800に対する電力供給の状況を表示する処理を含む例を説明するフロー図である。図9の処理は、ジョブが要求されるより前に、不揮発性メモリ60及びHDD800への電力供給の状況が表示されている。図9の処理は、図7の処理とほぼ同一である。より詳細には、図7のステップS201とステップS202の処理の間に、ステップS302を含む。
【0055】
ステップS302では、CPU90の指示により、操作部910に、不揮発性メモリ60及びHDD800への電力供給の状況を表示する。
【0056】
なお、図9のその他のステップの処理と図7の処理との対応は、以下の通りである。ステップS301は、ステップS201と同一である。ステップS303ないしステップS304は、ステップS202ないしステップS203と同一である。
【0057】
ステップS305は、ステップS205ないしステップS208と同一である。ステップS306は、ステップS209と同一である。ステップS307は、ステップS210ないしステップS213と同一である。ステップS308は、ステップS214と同一である。
【0058】
図10は、操作部910に、不揮発性メモリ60及びHDD800に対する電力供給の状況と、それぞれの容量とを表示する例を示すフロー図である。図10の処理と図9の処理とは、ステップS402とステップS302とが異なる他は同一である。
【0059】
ステップS402では、CPU90の指示により、操作部910に、不揮発性メモリ60及びHDD800に対する電力供給の状況と、それぞれの容量とを表示する。
【0060】
図11は、操作部910からの指示により、動作条件の選択を行う処理を含む例を示すフロー図である。図11の処理は、図9の処理と類似する。より詳細には、図9のステップS302に代えて、ステップS502ないしステップS506を有し、さらに、ステップS512が加えられる。
【0061】
なお、ステップS501は、ステップS301と同一であり、ステップS507ないしステップS511は、ステップS303ないしステップS307と同一である。また、ステップS513とステップS308とは同一である。
【0062】
図11のステップS502では、CPU90が、操作部910に動作条件を設定するボタンを含む画面を表示する。ステップS502に続いてステップS503に進み、CPU90により、ステップS502で表示された画面に基づいて、動作条件の設定が選択されたか否かの判断がなされる。すなわち、操作部910から、動作条件を設定する指示が入力されたか否かの判断をする。動作条件の設定が選択された場合には、ステップS504に進み、選択されていない場合には、ステップS507に進む。
【0063】
ステップS503に続くステップS504では、CPU90が、操作部910に選択可能な動作条件のボタンを表示する。ステップS504に続いてステップS505に進み、CPU90が、動作条件の選択が入力されたか否かの判断をする。入力されている場合には、ステップS506に進み、入力されていない場合には、ステップS507に進む。
【0064】
ステップS505に続くステップS506では、ステップS505で入力されたと判断された動作条件に基づいて、NAND81に格納されている複数のテーブルから、一のテーブルを選択し、既に選択されているテーブルから切り替える。
【0065】
ステップS502ないしステップS506の処理の後、ステップS507ないしステップS511の処理を行う。
【0066】
ステップS511に続くステップS512では、CPU91が、選択されているテーブルを、ステップS506で切替られたテーブルから、初期状態において選択されるテーブルに切り替える。
【0067】
図12及び図13は、ステップS504において、操作部910に表示される画面の例を示す図である。図12は、設定可能な動作条件のボタンが含まれる。図13は、図12の画面のうち、3つの動作条件が選択された状態の画面を示す図である。
【0068】
図14は、NAND81に格納される使用情報の例を示す図である。図14のテーブルには、アプリケーションは対応づけられていない。図14のテーブルは、図13の画面の状態で選択されている動作条件に対応する、HDD800と不揮発性メモリ60とに対する電力供給の有無が示される。
【0069】
図15は、操作部910からの入力により、HDD800及び不揮発性メモリ60の電力供給を所定の状態にする処理を含む例を説明するフロー図である。図15の処理は、図11の処理と類似している。ステップS601は、図11のステップS501と同一である。ステップS604は、ステップS502ないしステップS506と同一である。ステップS607ないしステップS612は、ステップS507ないしステップS512と同一である。ステップS613は、ステップS513と同一である。
【0070】
図15のステップS602では、操作部910に、HDD800及び不揮発性メモリ60への電力供給を判断する動作条件を設定するか否かを設定するボタンを含む画面が表示される。ステップS602に続くステップS603では、ステップS601に表示されたボタンに基づいて、操作者により、動作条件の設定が必要と入力されたか否かを判断する。動作条件の設定が必要と入力される場合には、ステップS604に進む。そうではない場合には、ステップS605に進む。
【0071】
ステップS604では、図11のステップS502ないしステップS506の処理が行われる。一方、ステップS605では、ASIC93の指示により、電源部40が、不揮発性メモリ60への電力供給を開始する。ステップS605に続いてステップS606に進み、ASIC93の指示により、電源部40が、HDD800への電力供給を開始する。
【0072】
ステップS606の後は、ステップS610に進み、処理が続けられる。
【0073】
図15の処理では、HDD800及び不揮発性メモリ60の両方への電力供給を行ってアプリケーションを実行することができる。これは、例えば、画像形成装置の設計の際にデバッグ等に有効である。
【0074】
図16は、画像形成装置の全体の構成を示すブロック図である。図16の構成は、図2の構成に対して、不揮発性メモリが複数設けられている点が異なる。より詳細には、図16のコントローラ部900aは、コントローラ部900に比して、不揮発性メモリ60に代えて、不揮発性メモリ61及び不揮発性メモリ62を有する。
【0075】
そこで、ASIC93、及び、電源部40は、2つの不揮発性メモリに対する電力供給のオン及びオフを制御する。
【0076】
図16のその他の構成は、図2の構成と同一であるので、ここでは、説明を省略する。
【0077】
図17の処理は、図7の処理に対して、不揮発性メモリが2個ある場合の処理が加えられている例を説明するフロー図である。図17は、例えば、図16の構成における、HDD800、不揮発性メモリ61、及び、不揮発性メモリ62の電力供給を制御する。
【0078】
図17のステップS701ないしステップS703の処理は、ステップS201ないしステップS203の処理と同一である。但し、ステップS701において、HDD800、不揮発性メモリ61、及び、不揮発性メモリ62を除く各部に対する電力供給が開始される。また、ステップS714の処理は、ステップS214の処理と同一である。
【0079】
ステップS704では、CPU90が、2つめの不揮発性メモリの有無を確認する。2つめの不揮発性メモリがある場合は、ステップS705に進み、2つめの不揮発性メモリがない場合には、ステップS706に進む。ステップS704に続くステップS705では、NAND81に格納される使用情報のテーブルのうち、参照するテーブルを切り替える。より詳細には、HDD800及び不揮発性メモリ61の使用情報に加えて、不揮発性メモリ62の使用情報が、アプリケーション毎又は動作条件毎に対応づけられているテーブルに切り替える。
【0080】
ステップS704又はステップS705に続いてステップS706に進み、CPU90が、NAND81に格納されている使用情報のテーブルを参照する。
【0081】
ステップS706に続いてステップS707に進み、CPU90が、2つめの不揮発性メモリの有無を確認する。2つめの不揮発性メモリがある場合は、ステップS708に進み、2つめの不揮発性メモリがない場合には、ステップS710に進む。
【0082】
ステップS707に続くステップS708では、ステップS706で参照した使用情報のテーブルから、ジョブを実行する際に、2つめの不揮発性メモリが必要か否かを判断する。2つめの不揮発性メモリが必要な場合には、ステップS709に進み、2つめの不揮発性メモリが必要ではない場合には、ステップS710に進む。
【0083】
ステップS708に続くステップS709では、ASIC93の指示により、電源部40から2つめの不揮発性メモリ62に対する電力供給を開始する。
【0084】
ステップS707ないしステップS709に続くステップS710ないしステップS712の処理は、図9のステップS305ないしステップS307の処理と同一である。
【0085】
ステップS712に続いてステップS713に進み、CPU90が、2つめの不揮発性メモリの有無を確認する。2つめの不揮発性メモリがある場合には、ステップS714に進み、2つめの不揮発性メモリがない場合には、ステップS702に戻って処理を繰り返す。
【0086】
ステップS713に続くステップS714では、CPU90が、2つめの不揮発性メモリ62の電源がオン状態か否かを判断する。オン状態の場合には、ステップS715に進み、そうではない場合には、ステップS702に戻る。
【0087】
ステップS714に続くステップS715では、ASIC93の指示により、電源部40から2つめの不揮発性メモリ62への電力供給を停止する。ステップS715に続いてステップS716に進み、CPU90が、ステップS705で切り替えられた使用情報のテーブルを、初期状態のテーブルに切り替える。
【0088】
以上の処理により、2つの不揮発性メモリを有する構成における省電力化を実現することができる。なお、不揮発性メモリが3つ以上の場合についても、個々の不揮発性メモリの有無について判断を行い、対応する使用情報のテーブルに切り替えることにより、アプリケーション毎又は動作条件毎に、好適に電力供給を制御することができ、省電力化を実現することができる。
【0089】
図18は、2つの不揮発性メモリを有する構成において用いられる使用情報のテーブルの例を示す図である。図18のテーブルは、例えば、図17の処理において用いられる。図18のテーブルは、メモリ(1)、メモリ(2)、及び、HDDの3つの記憶手段に対して、電源投入の設定の情報が含まれる。なお、メモリ(1)は、例えば、不揮発性メモリ61であり、メモリ(2)は、例えば、不揮発性メモリ62である。
【0090】
(コンピュータ等による実現)
なお、本発明の実施の形態に係る画像形成装置は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)等で実現されてもよい。また、本発明の実施形態に係る画像形成装置の制御方法は、例えば、CPUがROMやハードディスク装置等に記憶されたプログラムに従い、RAM等のメインメモリをワークエリアとして使用し、実行される。
【0091】
以上、発明を実施するための最良の形態について説明を行ったが、本発明は、この最良の形態で述べた実施の形態に限定されるものではない。本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0092】
以上のように、本発明にかかる画像形成装置は、省電力化に有用であり、特に、複合機に適している。
【符号の説明】
【0093】
1 情報管理手段
2 使用情報設定手段
3 制御対象設定手段
4 供給決定手段
5 供給制御手段
7 電源
9 記憶手段
10 制御部
11 画面生成手段
12 入力手段
13 表示手段
40 電源部
60、61、62 不揮発性メモリ
80 メモリ
99 インタフェース
100 画像処理部
200 画像読取部
300 画像出力部
900、900a コントローラ部
910 操作部
920 FCU部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0094】
【特許文献1】特開2007−6098号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを記憶する一以上のハードディスク装置及び一以上の不揮発性メモリを有する画像形成装置であって、
異なるアプリケーション又は動作条件毎に使用する、前記ハードディスク装置毎の使用情報を管理する情報管理手段と、
前記ハードディスク装置への電力供給の有無を、前記使用情報に基づいて決定する供給決定手段と、
決定された前記電力供給の有無により、前記ハードディスク装置への電力供給を制御する供給制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記情報管理手段は、さらに、前記不揮発性メモリ毎の使用情報を管理し、
前記供給決定手段は、さらに、前記不揮発性メモリへの電力供給の有無を、前記使用情報に基づいて決定し、
前記供給制御手段は、さらに、前記不揮発性メモリへの電力供給を制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記使用情報を記憶する第2の記憶手段を有することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記供給決定手段が、前記アプリケーション及び前記動作条件の何れに対応する使用情報に基づいて、前記ハードディスク装置毎の電力供給の有無を決定するかを、設定する、使用情報設定手段を有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記供給決定手段が、前記アプリケーション及び前記動作条件の何れに対応する使用情報に基づいて、前記ハードディスク装置毎の電力供給の有無を決定するかを、選択する入力を促す画面を生成する画面生成手段を有することを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ハードディスク装置及び前記不揮発性メモリの何れに対して、電力供給の有無を決定するかを、設定する、制御対象設定手段を有することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ハードディスク装置及び前記不揮発性メモリの何れに対して、電力供給の有無を決定するかの選択の入力を促す画面を生成する、画面生成手段を有することを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記ハードディスク装置及び前記不揮発性メモリの何れか一以上の容量を表示する画面を生成する画面生成手段を有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項9】
画像データを記憶する一以上のハードディスク装置及び一以上の不揮発性メモリを有する画像形成装置における制御方法であって、
異なるアプリケーション又は動作条件毎に使用する、前記ハードディスク装置毎の使用情報に基づいて、前記ハードディスク装置への電力供給の有無を決定する供給決定ステップと、
決定された前記電力供給の有無により、前記ハードディスク装置への電力供給を制御する供給制御ステップと、
を有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17−1】
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【図17−2】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−141329(P2011−141329A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−634(P2010−634)
【出願日】平成22年1月5日(2010.1.5)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】