説明

画像形成装置及び画像形成装置の電源制御方法

【課題】
ICタグを用いた画像形成装置において、電源遮断後におけるICタグへのデータ書き込みの際に、誤動作が生ずるのを防止する。
【解決手段】
ICタグに対しデータ読込み/書込み動作を行うリーダライタ8と、画像形成装置の内部電源Vccが断になったときにリーダライタ8に電源を供給するコンデンサ33と、画像形成装置の内部電源Vccの電圧を検知するAD変換部84と、コンデンサ33からリーダライタ8を除く電気回路への通電を制御するスイッチ34とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICタグへのデータ書込み機能を有する画像形成装置、及び、画像形成装置の電源制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成装置等の機器において、保守サービスの向上やユーザに対する機器情報提供等のサービス向上のため、保守作業者やユーザ等により、その機器に関する設定情報や消耗品の使用状況等の情報を取得できるようにしたものが増加している。
これらの情報を記憶しておく方法として、機器毎にICタグを取り付けて使用する方法が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
ここに、ICタグとは、一般に、情報を記憶しておくメモリと、メモリの読み出し及び書き込みを行う制御回路と、無線通信や有線通信により外部との通信を行うための通信回路とを、1個のIC上に形成したものをいう。このICタグを、例えば画像形成装置において、印刷用顔料(トナー)を収納する着脱可能なトナーボトル毎に取り付けて、ICタグ内のメモリに対し、トナー残量情報等の書き込みや読み出しを行うことができる。このICタグに使用されるメモリは、一般に、EEPROM等の書き換え可能な不揮発性メモリであり、その記憶内容は、ICタグの電源が切れた後も保持される。
【0004】
ところで、トナーボトルのような消耗品に取り付けられたICタグは、トナーボトルに取り付けられたまま、トナーの再充填により再生されたトナーボトルと共に再利用されるか、又は、消耗したトナーボトルから取り外された後、新しいトナーボトルに取り付けられて再利用される。しかしながら、このICタグに使用される不揮発性メモリは、記憶保持動作に伴って記憶素子の劣化が生じることから、その書き換え可能回数に上限がある。このため、頻繁に書き換え動作が行われた不揮発性メモリは、再利用可能な回数が少なくなる。
【0005】
そこで、ICタグ内の不揮発性メモリへの書き込み回数を減らして、ICタグの再利用回数を多くするために、画像形成装置の電源遮断時やトナー交換等の際にのみ、不揮発性メモリにデータを書き込む方法が採用されている。すなわち、例えば一定枚数の印刷毎に不揮発性メモリのトナー情報を更新するのではなく、不揮発性メモリに記憶されたトナー情報を、画像形成装置本体内のRAM(Random Access Memory)に一時的に保持し、画像形成装置の稼働中は、RAMに記憶されたトナー情報を必要に応じて更新し、画像形成装置の電源遮断時やトナー交換等の際にのみ、RAMの記憶内容をICタグの不揮発性メモリに書き込むのである。
【0006】
このように、画像形成装置の電源遮断時に、ICタグ内の不揮発性メモリに情報を書き込む方法として、ICタグへの情報書き込みに必要な電気回路への電源ラインに静電容量の大きいコンデンサを設けると共に、画像形成装置の電源遮断時にOFFとなるスイッチを、コンデンサと内部電源ラインとの間に設ける方法が知られている(特許文献2参照)。すなわち、コンデンサにより小静電容量の補助電源を確保すると共に、内部電源の電圧が低下したときにスイッチがOFFになることにより、情報書き込みに必要な電気回路にのみコンデンサの電圧が印加されるようにし、コンデンサの端子電圧の立下り時間を延伸して、ICタグ内の不揮発性メモリへの情報書き込み時間を確保するのである。
【0007】
しかしながら、ICの中には、電源遮断時の電源電圧立下時間の上限値(以下、「立下上限時間」と称する。)が定められ、電源電圧立下時間が、この立下上限時間未満(立下上限時間内)でないときは、誤動作を生ずるものがある。そのようなICを用いてICタグへの書き込み動作等を行う場合には、上記従来の方法では、電源電圧立下時間が立下上限時間を越えることがあり、ICタグへの書き込み時に誤動作を生ずる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記従来の問題に鑑みなされたものであって、その目的は、ICタグを用いた画像形成装置において、電源遮断後の電源電圧立下時間が必ず立下上限時間内になるようにして、電源遮断後におけるICタグへのデータ書き込みの際に、誤動作が生ずるのを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載された発明は、自装置の状態を表す情報を記憶する情報記憶手段と、前記情報記憶手段に前記情報を書き込む情報書込み手段と、前記情報書込み手段に電力を供給する主電源及び補助電源と、前記補助電源の放電速度を制御する放電制御手段と、を有し、前記放電制御手段は、前記主電源が所定の電圧値となったときに、前記情報書込み手段の電源を主電源から補助電源に切り換え、かつ、前記情報書込み手段が前記情報記憶手段に前記情報を書き込んだ後に前記補助電源の放電速度を制御して、所定時間内に前記補助電源の電圧を所定電圧まで立ち下げることを特徴とする画像形成装置である。
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された画像形成装置において、前記所定電圧は、前記情報書込み手段が動作を停止する電圧であり、前記所定時間は、前記立下り時において、前記情報書込み手段が誤動作をするまでの時間より短く設定されていることを特徴とする。
請求項3に記載された発明は、請求項1又は2に記載された画像形成装置において、前記放電制御手段は、前記情報書込み手段を除く電気回路負荷への、前記補助電源の通電をオンオフすることにより、前記補助電源の放電速度を制御することを特徴とする。
請求項4に記載された発明は、請求項3に記載された画像形成装置において、前記放電制御手段は、前記主電源の電圧が、予め定めた参照電圧値未満になった場合において、前記情報書込み手段が前記情報記憶手段への前記情報の書込みを完了していないときは、前記補助電源から前記電気回路負荷への通電を断にし、前記情報書込み手段が前記情報記憶手段への前記情報の書込みを完了しているときは、前記補助電源を前記電気回路負荷へ通電することを特徴とする。
請求項5に記載された発明は、請求項4に記載された画像形成装置において、前記情報を前記情報書込み手段に送信する送信手段と、前記放電制御手段と前記情報書込み手段との間に設けられ、前記放電制御手段を介して前記送信手段に供給される前記補助電源の通電を制限する通電制限手段と、を有し、前記通電制限手段は、前記放電制御手段により前記補助電源から前記電気回路負荷への通電が断になっている場合において、前記送信手段に供給される前記補助電源の電圧が予め定めた電圧値未満になったときに、前記補助電源から前記送信手段への通電を断にすることを特徴とする。
請求項6に記載された発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載された画像形成装置において、前記情報記憶手段は、ICタグであることを特徴とする。
請求項7に記載された発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載された画像形成装置において、前記放電制御手段は、スイッチで構成されることを特徴とする。
請求項8に記載された発明は、請求項5に記載された画像形成装置において、前記通電制限手段は、スイッチで構成されることを特徴とする。
請求項9に記載された発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載された画像形成装置において、前記補助電源は、コンデンサで構成されることを特徴とする。
請求項10に記載された発明は、自装置内に設けられた情報記憶手段に自装置の現在の状態を表す情報を書き込む工程と、前記情報を書き込む工程のための電力を供給する主電源の電圧を検出する工程と、前記情報を書き込む工程のための電力を供給する補助電源の放電速度を制御する工程と、を有し、前記放電速度を制御する工程は、前記主電源の電圧が所定の電圧値となったときに、前記情報を書き込む工程のための電源を前記主電源から前記補助電源に切り換え、かつ、前記情報を書き込む工程が前記情報の書込みを完了した後に、前記補助電源の放電速度を制御して、所定時間内に前記補助電源の電圧を所定電圧まで立ち下げることを特徴とする画像形成装置の電源制御方法である。
請求項11に記載された発明は、自装置の現在の状態を表す情報を記憶する情報記憶手段を備えた画像形成装置のコンピュータを、前記情報記憶手段に前記情報を書き込む手段と、前記情報を書き込む手段に電力を供給する主電源の電圧を検出する手段と、前記情報を書き込む手段に電力を供給する補助電源の放電速度を制御する手段と、として機能させるプログラムであって、前記放電速度を制御する手段は、前記主電源の電圧が所定の電圧値となったときに、前記情報を書き込む手段の電源を前記主電源から前記補助電源に切り換え、かつ、前記情報を書き込む手段が前記情報の書込みを完了した後に、前記補助電源の放電速度を制御して、所定時間内に前記補助電源の電圧を所定電圧まで立ち下げることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ICタグを用いた画像形成装置において、電源遮断後の電源電圧立下時間が必ず立下上限時間内となるようにしたため、電源遮断後におけるICタグへのデータ書き込みの際に、誤動作が生ずるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係る画像形成装置の、制御部及びリーダライタの構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態に係る画像形成装置の、リーダライタの動作手順を示すフロー図である。
【図4】第1の実施形態に係る画像形成装置の、リーダライタの電源端子に印加される電圧の時間変化の一例を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置の、制御部及びリーダライタの構成を示すブロック図である。
【図6】第3の実施形態に係る画像形成装置の、リーダライタの動作手順を示すフロー図である。
【図7】第3の実施形態に係る画像形成装置の、リーダライタの電源端子に印加される電圧の、時間変化の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
本画像形成装置1は、原稿の画像を読み込んで電気信号に変換し、画像データを出力する、画像読取手段であるスキャナ部2と、スキャナ部2から出力される画像データを処理すると共に、画像形成装置1各部の動作を制御する制御部3と、スキャナ部2が読み込んだ画像を表示する表示部4と、ユーザからの指示を入力するための指示入力部5と、スキャナ部2から読み込まれ制御部3で処理された画像データを印刷する、画像印刷手段であるプリンタ部6とを有している。
【0013】
また、プリンタ部6は、印刷に使用する4色の顔料をそれぞれ格納したトナーボトル61〜64と、各トナーボトル61〜64に取り付けられたICタグ71〜74と、ICタグ71〜74との間で情報の書き込みや読み出しを行うためのリーダライタ8を有している。
【0014】
なお、図1のトナーボトルに示す(Y)(M)(C)及び(K)の文字は、そのトナーボトルが格納している顔料の色が、それぞれ、黄色(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)であることを示している。また、ICタグ71〜74には、それぞれが取り付けられているトナーボトルの、トナーの色や残量の情報が記憶される。
【0015】
図2は、本画像形成装置の、制御部3とプリンタ部6のリーダライタ8の構成を示すブロック図である。
制御部3は、リーダライタ8との間でデータを送受信するための制御通信部31と、その他の電気回路負荷32と、リーダライタ8の電源端子Vcc2への通電を制御するスイッチ34と、リーダライタ8の電源端子Vcc2と並列に接続された補助電源となるコンデンサ33とを有している。
【0016】
ここで、制御通信部31とその他の電気回路負荷32には、リーダライタ8に電力を供給する主電源である内部電源Vccが供給され、ICタグ71〜74は、自身が内蔵する電池により動作している。また、内部電源Vccは、ユーザが本画像形成装置1の電源を断にしたときや、ユーザがトナーボトル61〜64のいずれかを交換するために本画像形成装置1の筐体ドアを開け、図1に図示しないインターロックスイッチが、筐体ドアの開放を検知して本画像形成装置1内部の電源供給スイッチを断にしたとき等に、断となる。なお、内部電源Vccは、例えば、画像形成装置1に供給される交流電圧を整流し降圧して得られる電源であってもよいし、それとは別に個別に設けられた電源であってもよい。
【0017】
リーダライタ8は、リーダライタ8内部の動作を制御するRW(Read/Write)制御部81と、RW制御部81が制御通信部31及びICタグ71〜74との間で通信を行うための通信インタフェース82と、ICタグ71〜74に記憶されている画像形成装置1の状態を表す情報(例えば、設定情報や消耗品の使用状況に関する情報)を一時的に記憶すると共に、制御部3の制御通信部31から送信されるデータに基づいてその情報を更新するためのメモリであるSRAM(Static Random Access Memory)83と、外部から入力された電圧(ここでは内部電源Vccの電圧)をデジタル値に変換するAD変換部84と、制御部3のスイッチ34に接続され、その動作を制御するIOポート85とを有している。
【0018】
ここで、スイッチ34はノーマリーオン型、すなわち、IOポート85からの通電がない場合にはON状態、通電がある場合にOFFとなるスイッチである。なお、RW制御部81は、CPU(Central Processing Unit)、プログラムが書き込まれたROM(Read Only Memory)、データの一時記憶のためのRAM(Random Access Memory)等を有するコンピュータである。
【0019】
画像形成装置1の状態を表す情報を記憶する情報記憶手段は、ICタグ71〜74により構成され、情報記憶手段に画像形成装置1の状態を表す情報を書き込む情報書込み手段は、例えば、RW制御部81により構成され、画像形成装置1の内部電源Vccが断になったときに情報書込み手段に電源を供給する補助電源は、例えば、コンデンサ33により構成される。また、補助電源の放電速度を制御する放電制御手段は、例えば、スイッチ34とIOポート85とRW制御部81により構成される。さらに、画像形成装置1の内部に供給される内部電源Vccの電圧を検出するための電源電圧検出手段は、例えば、AD変換部84とRW制御部81により構成される。
【0020】
また、リーダライタ8には、電源端子Vcc2に印加する電源の立下り時間について、電源遮断時に誤動作を生じないための上限値、すなわち立下上限時間が設定されており、電源端子Vcc2に印加される電圧は、リーダライタ8が動作を停止する電圧(所定電圧)まで、リーダライタ8が誤動作をするまでの時間より短い時間(所定時間)内に立ち下がらなければならないものとする。
なお、本実施形態では、ICタグ71〜74は、自身が内蔵する電池で動作するものとしたが、ICタグ71〜74の電源端子をリーダライタ8の電源端子Vcc2と並列に接続し、ICタグ71〜74も、リーダライタ8と同様に、内部電源Vcc及びコンデンサ33から電源を得る構成としてもよい。また、無線通信により情報の書き込みや読み出しを行うための無線通信回路とアンテナを内蔵し、アンテナで受信した搬送波を整流して電源を得るRFID(Radio Frequency Identification)を、ICタグ71〜74として使用し、リーダライタ8に、これらのRFIDと無線通信を行うための無線通信回路とアンテナを設ける構成としてもよい。
【0021】
上記制御部3及びリーダライタ8の構成において、まず、ユーザが本画像形成装置1の電源を投入すると、内部電源Vccは徐々に上昇して定常電圧(V1とする)に達し、本画像形成装置1が動作を開始する。次に、例えばユーザが、本画像形成装置1の電源を断にすると、内部電源Vccの電圧が低下する。リーダライタ8は、この電源電圧の低下を検出し、スイッチ34をOFFにして、コンデンサ33の放電速度を抑制し、リーダライタ8の電源端子Vcc2への印加電圧が低下する速度を抑制する。これにより、リーダライタ8は、本画像形成装置1の電源断後も動作することができ、その間に、ICタグ71〜74へのデータ書き込みを行う。
【0022】
次に、リーダライタ8は、ICタグ71〜74へのデータ書き込みを完了すると、スイッチ34をON状態にし、コンデンサ33の放電速度を上げ、コンデンサ33の端子電圧の低下速度を上げる。これにより、コンデンサ33に接続されたリーダライタ8の、電源端子Vcc2に印加される電圧を、リーダライタ8が動作を停止する電圧(所定電圧)まで、リーダライタ8が誤動作をするまでの時間より短い時間(所定時間)内に立ち下げることができる。すなわち、リーダライタ8は、電源遮断時に誤動作を生ずることなく、その動作を停止することができる。
【0023】
以上のように、本画像形成装置1は、電源が断になった後も、補助電源であるコンデンサ33によりスイッチ34のON/OFFを制御して、リーダライタ8への電源電圧変化を制御し、電源が断になった後も、ICタグ71〜74へのデータ書き込み動作の際に誤動作が生ずるのを防止することができる。
【0024】
次に、本画像形成装置1のリーダライタ8の動作手順を、図3のフロー図に従って説明する。
まず、ユーザが本画像形成装置1の電源を投入すると(S101)、内部電源Vccの電圧が徐々に上昇して定常電圧V1に達し、本画像形成装置1が動作を開始する(S102)。このとき、ノーマリーオン型のスイッチ34は、リーダライタ8のIOポート85からの通電がないため、ON状態となっている。したがって、本画像形成装置1が通常の動作を行っている際には、リーダライタ8の電源端子Vcc2には、内部電源Vccが供給される。
【0025】
一方、上記電源の投入に伴い、リーダライタ8のRW制御部81は、通信インタフェース82を介して、ICタグ71〜74からトナー残量情報等を読み込んでSRAM83に記憶する(S103)。
続いて、RW制御部81は、通信インタフェース82により、本画像形成装置1の状態を表す情報、例えば各トナーボトル61〜64のトナー消費量データが、制御通信部31から送信されていないかを判定し(S104)、送信されていないときは(S104、Yes)、そのまま次のステップに進みAD変換部84により内部電源Vccの電圧を検出する(S105)。
【0026】
ステップS104で、制御通信部31からトナー消費量データが送信されているときは(S104、No)、RW制御部81は、受信したトナー消費量データに基づいて、SRAM83に記憶されている各トナーボトルのトナー残量データを更新し(S106)、その後ステップS105に移る。
RW制御部81は、ステップS105により内部電源Vccの電圧を検出した後、内部電源Vccの電圧低下を検知すべく、その検出した電圧が、予め定めた閾値電圧、すなわち、参照電圧値未満か否かを判定する(S107)。
【0027】
その結果、検出した電圧が参照電圧値未満であるときは(S107、Yes)、RW制御部81は、IOポート85を介してスイッチ34に通電して、スイッチ34をOFFにする(S108)。これにより、コンデンサ33に蓄積されていた電荷はリーダライタ8に対してのみ放電されるため、コンデンサ33の放電速度が抑制され、コンデンサ33の端子電圧の低下速度は、スイッチ34を設けない場合に比べて遅くなる。
【0028】
このため、RW制御部81は、リーダライタ8の電源端子Vcc2に印加される電圧が動作保証電圧(V3とする。)以上となっている期間内に、画像形成装置の現在の状態を表す情報として、例えば、SRAM83に記憶されているトナー残量情報等を読み出し、ICタグ71〜74に書き込む(S109)。
【0029】
ICタグ71〜74に書き込みが終わるとRW制御部81は、IOポート85の電圧出力を停止して、スイッチ34をON状態に戻す(S110)。これにより、コンデンサ33の電荷は制御通信部31及びその他の電気回路負荷32にも放電されるため、コンデンサ33の放電速度は上昇する。その結果、コンデンサ33の端子電圧はスイッチ34がOFF状態になっているときよりも急速に低下し、リーダライタ8の電源端子Vcc2に印加される電圧も急速に立ち下がり、リーダライタ8が動作を停止する電圧(所定電圧)まで、リーダライタ8が誤動作をするまでの時間より短い時間(所定時間)内に立ち下がる。
一方、AD変換部84により検出した電圧が参照電圧値以上であるときは(S107、No)、ステップS104に戻ってステップS106までの処理を繰り返す。
【0030】
次に、補助電源の電源電圧を上記立下上限時間内に立ち下げるための、コンデンサ33の静電容量の決定方法について説明する。
内部電源Vccの定常電圧をV1、内部電源Vccの参照電圧値をV2、リーダライタ8の動作保証電圧の下限値をV3、コンデンサ33の静電容量をCとするとして、まず、内部電源Vccが参照電圧値未満となりスイッチ34がOFFになった後の、リーダライタ8の電源端子Vcc2に印加される電圧(以下、電源端子Vcc2とする。)を求める。
【0031】
即ち、簡単のため、コンデンサ33の端子から見たリーダライタ8のインピーダンスをR1(純抵抗)とすれば、コンデンサ33の端子電圧、すなわち、リーダライタ8の電源端子Vcc2に印加される電圧(以下、vcc2とする。)は、
vcc2=V2・exp(−t/C・1/R1)=V2・exp(−t/(C・R1))・・・式(1)
となる。
【0032】
上記関係式から明らかなように、電源端子Vcc2は、コンデンサ33の静電容量Cと、コンデンサ33から見たリーダライタ8のインピーダンスR1で定まる時定数(C・R1)に従って低下していくことが分かる。なお、tは、スイッチ34がOFFになった後の経過時間である。
ここで、リーダライタ8がICタグ71〜74に情報を書き込むのに必要な時間をtwとすれば、動作保証電圧の下限値V3から、コンデンサ33に必要な静電容量Cuは、
Cu≧tw/(R1・log(V2/V3))・・・式(2)
により求められる。なお、logは自然対数を表す。
【0033】
次に、リーダライタ8がICタグ71〜74に情報を書き込んだ後、スイッチ34がONになった後の、リーダライタ8の電源端子Vcc2に印加される電圧(以下、vcc2´とする。)を求める。
ここで、スイッチ34がONになったときのコンデンサ33の端子電圧をV4とし、コンデンサ33の端子から見たリーダライタ8以外の電気回路のインピーダンスをR2(純抵抗)とすれば、電源端子Vcc2に印加される電圧vcc2´は、
vcc2´=V4・exp(−t/C・(1/R1+1/R2))・・・式(3)
となる。
【0034】
ここで、上述の式(1)と式(2)を比較すると、式(2)におけるtの乗算係数(1/R1+1/R2)は、式(1)におけるtの乗算係数よりも1/R2の分だけ大きくなっているため、スイッチ34をONにした後の電源端子Vcc2に印加される電圧vcc2´は、スイッチ34をONにする前の電圧vcc2よりも速く低下していく。このため、リーダライタ8の立下上限時間内に電圧vcc2´を立ち下げることが可能となる。例えば、リーダライタ8の立下上限時間(tdとする)が、電源電圧がリーダライタ8の動作保証電圧の下限値V3からV3/10に低下するまでの時間で規定されているとすれば、立下上限時間tdを満たすために必要なコンデンサ33の静電容量Cdは、式(2)より、
Cd≦td・(1/R1+1/R2)/log10・・・式(4)
により求まる。
以上より、コンデンサ33が持つべき静電容量Cの範囲を、
Cd≦C≦Cu・・・式(5)
により定めることができる。
【0035】
次に、本画像形成装置1の電源が投入されてから、電源断となった後、リーダライタ8が動作を終了するまでの、リーダライタ8の電源端子Vcc2に印加される電圧の時間変化の一例を、図4を用いて説明する。
図4は、制御通信部31の電源端子Vcc1に印加される電圧、及びリーダライタ8の電源端子Vcc2に印加される電圧の、時間変化を示している。
図4において、縦軸は電圧の対数値、横軸は時間tであり、電源端子Vcc1への印加電圧の変化を破線で、電源端子Vcc2への印加電圧の変化を実線で示している。以下、時間範囲毎に、電源端子Vcc1及び電源端子Vcc2に生ずる電圧変化について説明する。
【0036】
(時刻t=0〜t1)
時刻t=0において本画像形成装置1の電源が投入されると、内部電源Vccの電圧上昇と共に、電源端子Vcc1及び電源端子Vcc2の電圧が同じ速度で上昇し、定常電圧V1に達して、通常の動作を開始する。
【0037】
(時刻t=t1〜t2)
次に、時刻t=t1において本画像形成装置1の電源が断になると、内部電源Vccの電圧低下と共に、電源端子Vcc1及び電源端子Vcc2の電圧も同じ速度で低下する。このとき、リーダライタ8のRW制御部81は、AD変換部84により内部電源Vccの電圧を検出して監視し、時刻t=t2において、検出した電圧が参照電圧値V2未満に達すると、IOポート85を介してスイッチ34をOFFにする。
【0038】
(時刻t=t2〜t3)
制御通信部31の電源端子Vcc1の電圧は、内部電源Vccの電圧低下と共に低下して行き、やがて制御通信部31が動作を停止する。
一方、スイッチ34がOFFとなったことにより、コンデンサ33の電荷はリーダライタ8にのみ放電されるため、リーダライタ8の電源端子Vcc2に印加される電圧は、上述のように、コンデンサ33の静電容量Cと、コンデンサ33から見たリーダライタ8のインピーダンスR1で定まる時定数に従って低下する。このため、上述した式に従ってコンデンサ33の静電容量Cの値を設定することにより、リーダライタ8がICタグ71〜74にデータを書き込む時間を確保することができる。
【0039】
(時刻t=t3〜t4)
RW制御部81は、ICタグ71〜74へのデータ書き込みを終了すると、IOポート85への電圧出力を停止し、スイッチ34をON状態に戻す(時刻t=t3)。その結果、制御通信部31の電源端子Vcc1への印加電圧が、電源端子Vcc2への印加電圧と同じ電圧まで上昇する。また、コンデンサ33の電荷が、制御部3の制御通信部31及びその他の電気回路負荷32にも放電されることとなるため、コンデンサ33の放電速度が上昇し、端子電圧の電圧低下速度も上昇する。したがって、リーダライタ8の電源端子Vcc2及び制御通信部31の電源端子Vcc1の電圧低下速度も増加し、リーダライタ8の動作保証電圧下限値V3を下回って急速に低下していく。
以上、第1の実施形態によれば、上述の式(5)に従ってコンデンサ33の静電容量Cの値を設定することにより、リーダライタ8の立下上限時間を満たし、リーダライタ8の誤動作の発生を防止することができる。
【0040】
次に、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置について説明する。
本画像形成装置では、第1の実施形態に係る画像形成装置におけるAD変換部84の代わりに、例えば電源の電圧値が予め定めた所定値以上であれば高電圧を出力し、所定値未満であれば低電圧を出力するリセットICを設け、リセットICの出力をRW制御部81の割り込み信号として用いて、内部電源Vccの低下を検出するものとすることができる。
【0041】
本実施形態によれば、RW制御部81は、AD変換部84からの電圧値データの読み込みや、読み込んだ電圧値と参照電圧値との比較判定を行う必要がなくなり、電源電圧低下を迅速に検出することができる。
【0042】
次に、本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置について説明する。
本画像形成装置では、第1の実施形態に係る画像形成装置における図3のステップS110において、RW制御部81がスイッチ34をON状態に戻したときに、コンデンサ33の端子電圧が制御通信部31の電源端子Vcc1に印加されないように、電源端子Vcc1とコンデンサ33との間に、もう一つのスイッチを設けている。
【0043】
第1の実施形態においては、図3のステップS110においてスイッチ34がON状態に戻ったとき、制御通信部31の電源端子Vcc1に印加される電圧は、リーダライタ8の電源端子Vcc2に印加される電圧と等しくなる。このため、図4の時刻t3〜t4に示すように、制御通信部31の電源端子Vcc1に印加される電圧も、リーダライタ8の動作保証電圧下限値V3以上となる。このため、例えば、制御通信部31の動作保証電圧下限値がV3より小さいときには、スイッチ34がON状態に戻ることにより、制御通信部31が再び動作を開始して誤動作を生じるおそれがある。
しかしながら、本実施形態によれば、制御通信部31の電源端子Vcc1とコンデンサ33との間にスイッチを設けたことにより、制御通信部31の電源端子Vcc1を無通電状態に維持して、制御通信部31の誤動作の発生を防止することができる。
【0044】
本実施形態に係る画像形成装置の制御部3(1)及びリーダライタ8(1)の構成を、図5に示す。
制御部3(1)は、その電源端子Vcc1とスイッチ34との間に、スイッチ35を有しており、本リーダライタ8(1)はIOポート86を有している。これ以外の構成については、図2に示した第1の実施形態に係る画像形成装置の制御部3及びリーダライタ8と同じである。ここで、スイッチ35は、ノーマリオフ型であり、リーダライタ8(1)のIOポート86からの通電がないときにOFF状態、通電があったときにON状態となる。
【0045】
本実施形態において、画像形成装置の状態を表す情報を情報書込み手段に送信する送信手段は、例えば、制御通信部31により構成され、放電制御手段すなわちスイッチ34を介して送信手段に補助電源すなわちコンデンサ33からの通電を制限する通電制限手段は、例えば、スイッチ35とIOポート86とRW制御部81とで構成される。
【0046】
上記制御部3(1)及びリーダライタ8(1)の構成において、リーダライタ8(1)のRW制御部81は、本画像形成装置1の電源投入後、IOポート86を介してスイッチ35に通電し、スイッチ35をON状態にする。これにより、内部電源Vccが制御通信部31の電源端子Vcc1に印加され、制御通信部31が動作を開始する。その後、本画像形成装置1の電源が断となり、内部電源Vccの電圧が低下すると、RW制御部81は、スイッチ34をOFF状態にしてICタグ71〜74にデータを書き込む。そして、内部電源Vccの電圧値が、制御通信部31が動作を完全に停止する電圧値まで低下したら、IOポート86の電圧出力を停止してスイッチ35をOFF状態にし、最後に、IOポート85の電圧出力を停止してスイッチ34をON状態に戻す。
【0047】
これにより、コンデンサ33と制御通信部31との間の通電が断たれ、制御通信部31の電源端子Vcc1は無通電状態に保たれるため、制御通信部31の誤動作を防止することができる。なお、スイッチ34がON状態になった後は、コンデンサ33と電気回路負荷32とが接続されるため、コンデンサ33の電荷は電気回路負荷32にも放電され、コンデンサ33の端子電圧は、急速に低下していく。このため、リーダライタ8(1)の立下上限時間を満たすように、コンデンサ33の静電容量Cを設定することができる。
【0048】
次に、第3の実施形態に係る画像形成装置の、リーダライタ8(1)の動作手順を、図6に示すフロー図に従って説明する。
まず、ユーザが本画像形成装置1の電源を投入する(S201)。電源投入後、内部電源Vccの電圧が徐々に上昇して定常電圧V1に達すると、リーダライタ8(1)のRW制御部81は、IOポート86を介して、スイッチ35をON状態にする(S202)。これにより、制御通信部31が動作を開始し、本画像形成装置の全体が動作を開始する(S203)。
【0049】
画像形成装置の全体が動作を開始した後の、ステップS204〜S210の処理は、第1の実施形態に係る画像形成装置における図3のステップS103〜S109の処理と同じである。
ステップS210においてICタグ71〜74にデータを書き込んだ後、RW制御部81は、制御通信部31の電源端子Vcc1に印加されている電圧、本実施形態では内部電源Vccが、予め定めた判定電圧値(V5とする。)未満に下がるまで待機する(S211、No)。
【0050】
そして、内部電源Vccが判定電圧値V5未満になったときは(S211、Yes)、IOポート86の電圧出力を停止してスイッチ35をOFF状態にし(S212)、最後に、IOポート85の電圧出力を停止してスイッチ34をON状態に戻す(S213)。なお、上記の判定電圧値V5としては、例えば、制御通信部31の動作が完全に停止する電圧値とすることができる。
【0051】
以上により、スイッチ34がON状態に戻っても、スイッチ35がOFF状態となっているため、コンデンサ33の端子電圧が電源端子Vcc1に印加されて制御通信部31が誤動作するのを防止することができる。また、スイッチ34がON状態となることで、コンデンサ33の電荷は電気回路負荷32に導かれるため、コンデンサ33の放電速度は上昇し、リーダライタ8(1)の電源端子Vcc2に印加される電圧は立下上限時間内に立下って、リーダライタ8(1)の誤動作も防止することができる。
【0052】
次に、本画像形成装置1の電源が投入されてから、電源断となった後、リーダライタ8(1)が動作を終了するまでの、リーダライタ8(1)の、電源端子Vcc2に印加される電圧の時間変化の一例を、図7に示す。
図7は、制御通信部31の電源端子Vcc1に印加される電圧、及びリーダライタ8(1)の電源端子Vcc2に印加される電圧の、時間変化を示す図である。図7において、縦軸は電圧の対数値、横軸は時間tであり、電源端子Vcc1への印加電圧の変化を破線で、電源端子Vcc2への印加電圧の変化を実線で示している。
【0053】
図7において、時刻t=0からt=t3の直前までの電源端子Vcc1及び電源端子Vcc2に印加される電圧の変化は、図4と同じである。
時刻t=t2の後、ICタグ71〜74への書き込みを終了し、スイッチ35がOFF状態となる。これにより、電源端子Vcc1とコンデンサ33との接続が断たれる。したがって、その後、時刻t=t3においてスイッチ34がON状態になっても、電源端子Vcc1は無通電状態が維持され、制御通信部31は誤動作を生じない。
【0054】
以上説明したように、第1ないし第3の実施形態に係る画像形成装置は、スイッチ34により、補助電源であるコンデンサ33の放電速度を制御し、電源遮断後の電源電圧立下時間が必ず立下上限時間内となるようにしたため、電源遮断後におけるICタグへのデータ書き込みの際に、誤動作が生ずるのを防止することができる。
【符号の説明】
【0055】
1・・・画像形成装置、2・・・スキャナ部、3・・・制御部、31・・・制御通信部、32・・・電気回路負荷、33・・・コンデンサ、34、35・・・スイッチ、4・・・表示部、5・・・指示入力部、6・・・プリンタ部、61〜64・・・トナーボトル、71〜74・・・ICタグ、8・・・リーダライタ、81・・・RW制御部、82・・・通信インタフェース、83・・・SRAM、84・・・AD変換部、85、86・・・IOポート。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0056】
【特許文献1】特開2003−224677号公報
【特許文献2】特開平11−175411号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置の状態を表す情報を記憶する情報記憶手段と、
前記情報記憶手段に前記情報を書き込む情報書込み手段と、
前記情報書込み手段に電力を供給する主電源及び補助電源と、
前記補助電源の放電速度を制御する放電制御手段と、
を有し、
前記放電制御手段は、前記主電源が所定の電圧値となったときに、前記情報書込み手段の電源を主電源から補助電源に切り換え、かつ、前記情報書込み手段が前記情報記憶手段に前記情報を書き込んだ後に前記補助電源の放電速度を制御して、所定時間内に前記補助電源の電圧を所定電圧まで立ち下げることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載された画像形成装置において、
前記所定電圧は、前記情報書込み手段が動作を停止する電圧であり、前記所定時間は、前記立下り時において、前記情報書込み手段が誤動作をするまでの時間より短く設定されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された画像形成装置において、
前記放電制御手段は、前記情報書込み手段を除く電気回路負荷への、前記補助電源の通電をオンオフすることにより、前記補助電源の放電速度を制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載された画像形成装置において、
前記放電制御手段は、前記主電源の電圧が、予め定めた参照電圧値未満になった場合において、前記情報書込み手段が前記情報記憶手段への前記情報の書込みを完了していないときは、前記補助電源から前記電気回路負荷への通電を断にし、前記情報書込み手段が前記情報記憶手段への前記情報の書込みを完了しているときは、前記補助電源を前記電気回路負荷へ通電することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載された画像形成装置において、
前記情報を前記情報書込み手段に送信する送信手段と、
前記放電制御手段と前記情報書込み手段との間に設けられ、前記放電制御手段を介して前記送信手段に供給される前記補助電源の通電を制限する通電制限手段と、
を有し、
前記通電制限手段は、前記放電制御手段により前記補助電源から前記電気回路負荷への通電が断になっている場合において、前記送信手段に供給される前記補助電源の電圧が予め定めた電圧値未満になったときに、前記補助電源から前記送信手段への通電を断にすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載された画像形成装置において、
前記情報記憶手段は、ICタグであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載された画像形成装置において、
前記放電制御手段は、スイッチで構成されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項5に記載された画像形成装置において、
前記通電制限手段は、スイッチで構成されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載された画像形成装置において、
前記補助電源は、コンデンサで構成されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
自装置内に設けられた情報記憶手段に自装置の現在の状態を表す情報を書き込む工程と、
前記情報を書き込む工程のための電力を供給する主電源の電圧を検出する工程と、
前記情報を書き込む工程のための電力を供給する補助電源の放電速度を制御する工程と、
を有し、
前記放電速度を制御する工程は、前記主電源の電圧が所定の電圧値となったときに、前記情報を書き込む工程のための電源を前記主電源から前記補助電源に切り換え、かつ、前記情報を書き込む工程が前記情報の書込みを完了した後に、前記補助電源の放電速度を制御して、所定時間内に前記補助電源の電圧を所定電圧まで立ち下げることを特徴とする画像形成装置の電源制御方法。
【請求項11】
自装置の現在の状態を表す情報を記憶する情報記憶手段を備えた画像形成装置のコンピュータを、
前記情報記憶手段に前記情報を書き込む手段と、
前記情報を書き込む手段に電力を供給する主電源の電圧を検出する手段と、
前記情報を書き込む手段に電力を供給する補助電源の放電速度を制御する手段と、
として機能させるプログラムであって、
前記放電速度を制御する手段は、前記主電源の電圧が所定の電圧値となったときに、前記情報を書き込む手段の電源を前記主電源から前記補助電源に切り換え、かつ、前記情報を書き込む手段が前記情報の書込みを完了した後に、前記補助電源の放電速度を制御して、所定時間内に前記補助電源の電圧を所定電圧まで立ち下げることを特徴とするプログラム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−8915(P2012−8915A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−146116(P2010−146116)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】