画像形成装置及び秘匿データ送信方法
【課題】1ページ分の画像データの最後に、秘匿にしたいデータを付加して送受信できるように画像形成装置間のプロトコルを設定し、このプロトコルが確立される特定の発呼側と被呼側間でのみ秘匿通信を可能とする。
【解決手段】発呼側の画像形成装置10は、読み取られた画像データを符号化する画像処理部17と、符号化した符号化データをページ単位でファクシミリ送信する通信制御部15及びモデム14と、通信相手(被呼側)との間で秘匿にしたいデータを秘匿データとして蓄積する画像メモリ16とを備える。画像形成装置10は、前記符号化データをページ単位でファクシミリ送信するときに、当該ページの最後に前記秘匿データを付加して送信する旨を、前記通信相手の画像形成装置30に通知し、画像形成装置30から送信許可の通知を受け取ったときに、前記ページの最後に前記秘匿データを付加してファクシミリ送信する。
【解決手段】発呼側の画像形成装置10は、読み取られた画像データを符号化する画像処理部17と、符号化した符号化データをページ単位でファクシミリ送信する通信制御部15及びモデム14と、通信相手(被呼側)との間で秘匿にしたいデータを秘匿データとして蓄積する画像メモリ16とを備える。画像形成装置10は、前記符号化データをページ単位でファクシミリ送信するときに、当該ページの最後に前記秘匿データを付加して送信する旨を、前記通信相手の画像形成装置30に通知し、画像形成装置30から送信許可の通知を受け取ったときに、前記ページの最後に前記秘匿データを付加してファクシミリ送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公衆通信回線を利用してファクシミリ送信を行う機能を備えた画像形成装置及び該画像形成装置の秘匿データ送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像情報を圧縮符号化するための技術に関して、様々なものが提案されており、例えば、特許文献1には、ファクシミリ装置等において、スキャナから出力されるビットマップデータを圧縮符号化する技術が開示されている。これは、スキャナから出力されるビットマップデータをランレングスデータに変換した後、FIFOメモリを介して、一旦DRAMバッファに格納し、CPUからの制御に基づいて、DRAMバッファから順次読み出されたランレングスデータをMH(Modified Huffman code)、MR(Modified Read code)、MMR(Modified Modified Read)等の圧縮符号化データに変換し、DRAMバッファに順次格納される。そして、DRAMバッファに格納された圧縮符号化データはSCSII/Fを介して外部に出力される。
【0003】
ランレングスデータから生成される上記MH、MR、MMR符号等の符号化方式では、1ページのデータのうち、1ラインの処理が終了すると、ライン終了符号であるEOL(End Of Line)符号を付加し、さらに、1ページの処理が終了すると、1ページ分のデータ送出を終了して制御に復帰することを示す制御復帰信号であるRTC(Return To Control)符号を付加して、データ処理を終了する。このRTC符号は、例えば6つの連続するEOL符号で構成されている。このデータ処理方式は、ファクシミリデータの符号化方式を定めたITU(国際電気通信連合)勧告において定義されているが、上記RTC符号より後の部分は通常ノイズとして扱われており、復号されることがなかった。
【0004】
一方、ファクシミリ装置において秘匿通信を行うために、様々な符号化/復号技術が提案されている。例えば、特許文献2には、通信回線を介して互いに接続される自局側と相手局側の通信装置の間に秘匿装置を設け、この秘匿装置により、従来の通信装置を改造することなく、秘匿通信をできるようにしたものが開示されている。この秘匿装置は、各ファクシミリ装置と交換機との間に設けられ、2つのモデムと、制御装置と、信号の暗号化及び復号する機能を備えたユニットとを備える。秘匿通信を行う場合、送信側では、一方のファクシミリ装置が回線上に送出した画像情報をモデムを介して入力し、それを暗号化した情報を別のモデムを介して回線上に送出し、受信側では、送信側から回線上に送出された暗号化情報をモデムを介して入力し、それを復号して画像情報を再生し、再生した画像情報を別のモデムを介して他方のファクシミリ装置に対して送出するようにしている。
【特許文献1】特開平5−41808号公報
【特許文献2】特開平2−94836号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献2に記載の発明では、秘匿通信を行うために、ファクシミリ装置と交換機との間に秘匿装置を別途設ける必要があり、秘匿装置の設置コストや設置場所等の問題から簡単に秘匿通信を利用できるようにはなっていなかった。そこで、より簡単な構成で秘匿通信を利用できるようにしたいという要望がある。
【0006】
また、上記特許文献1で説明したように、1ページの画像データの最後に付加されるRTC符号より後の部分は通常ノイズとして扱われており、一般にデータが付加されることはなく、たとえデータが付加されていても受信側で復号されることがないため、データ通信には利用されていなかった。
【0007】
そこで、秘匿にしたいデータをRTC符号の後に付加して送受信できるようにファクシミリ装置間のプロトコルを設定し、このプロトコルが確立される特定の発呼側と被呼側間でのみ秘匿データの存在を認識することができれば、上記特許文献2のように、ファクシミリ装置に特別な機器を設けることなく、簡単に秘匿通信を行うことができると考えられる。このことは、前述したような従来技術では実現されていない。
【0008】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、1ページ分の画像データの最後に、秘匿にしたいデータを付加して送受信できるように画像形成装置間のプロトコルを設定し、このプロトコルが確立される特定の発呼側と被呼側間でのみ秘匿通信を行えるようにすること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、ファクシミリ送信を行う機能を備えた画像形成装置において、入力された画像データを符号化する手段と、該符号化した符号化データをページ単位でファクシミリ送信する手段と、通信相手との間で秘匿にしたいデータを秘匿データとして取得する手段とを備え、前記符号化データをページ単位でファクシミリ送信するときに、当該ページの最後に前記秘匿データを付加して送信することを特徴としたものである。
【0010】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記ページの最後に前記秘匿データを付加して送信する旨を、前記通信相手の他の画像形成装置に通知し、該他の画像形成装置から送信許可の通知を受け取ったときに、ファクシミリ送信を開始することを特徴としたものである。
【0011】
第3の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、1ページ分の符号化データは、複数のラインで構成され、前記1ページ分の符号化データの最終ラインの後に、当該ページの終了を示す終了符号を付加し、さらに、該終了符号の後に前記秘匿データを付加してファクシミリ送信することを特徴としたものである。
【0012】
第4の技術手段は、第3の技術手段において、前記秘匿データは、複数の部分に分割されており、各ページの符号化データの最後に付加された終了符号の後に、前記秘匿データの各部分を順番に付加してファクシミリ送信することを特徴としたものである。
【0013】
第5の技術手段は、第3の技術手段において、前記秘匿データは、符号化データのいずれか1ページを複数の部分に分割したものであり、各ページの符号化データの最後に付加された終了符号の後に、前記秘匿データの各部分を順番に付加してファクシミリ送信することを特徴としたものである。
【0014】
第6の技術手段は、第3の技術手段において、前記秘匿データは、暗号化されて複数の部分に分割されており、各ページの符号化データの最後に付加された終了符号の後に、前記秘匿データの各部分を順番に付加して送信する際に、前記秘匿データを復号するための暗号鍵をいずれかのページに含めてファクシミリ送信することを特徴としたものである。
【0015】
第7の技術手段は、第4乃至第6のいずれか1の技術手段において、前記各ページの符号化データは、別々の画像データを符号化したものであることを特徴としたものである。
【0016】
第8の技術手段は、第4乃至第6のいずれか1の技術手段において、前記各ページの符号化データは、1つの画像データを複数に分割して符号化したものであることを特徴としたものである。
【0017】
第9の技術手段は、第4乃至第6のいずれか1の技術手段において、前記各ページの符号化データの少なくとも1ページは、ダミーデータであることを特徴としたものである。
【0018】
第10の技術手段は、ファクシミリ送信を行う機能を備えた画像形成装置の秘匿データ送信方法において、入力された画像データを符号化するステップと、通信相手との間で秘匿にしたいデータを秘匿データとして取得するステップと、前記画像データを符号化した符号化データをページ単位でファクシミリ送信するときに、当該ページの最後に前記秘匿データを付加して送信するステップとを有することを特徴としたものである。
【0019】
第11の技術手段は、第10の技術手段において、前記ページの最後に前記秘匿データを付加して送信する旨を、前記通信相手の他の画像形成装置に通知し、該他の画像形成装置から送信許可の通知を受け取ったときに、ファクシミリ送信を開始することを特徴としたものである。
【0020】
第12の技術手段は、第10又は第11の技術手段において、1ページ分の符号化データは、複数のラインで構成され、前記1ページ分の符号化データの最終ラインの後に、当該ページの終了を示す終了符号を付加し、さらに、該終了符号の後に前記秘匿データを付加してファクシミリ送信することを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、1ページ分の画像データの最後に、秘匿にしたいデータを付加して送受信できるように画像形成装置間のプロトコルを設定することにより、このプロトコルが確立される特定の発呼側と被呼側間でのみ秘匿通信を行えるため、画像形成装置に特別な機器を設けることなく、より簡単な構成で秘匿通信を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構成例を示すブロック図で、図中、10は画像形成装置で、該画像形成装置10は、画像形成装置10の各部の動作を制御するCPU11と、制御プログラムや各種データ等を記憶するROM12と、作業領域であるRAM13と、符号化された画像データをファクシミリ送受信するための変復調手段であるモデム14と、モデム14のファクシミリ送受信を制御する通信制御部15と、画像データや秘匿データなどを記憶する画像メモリ16と、画像データの符号化/復号を行う画像処理部17と、原稿の画像を読み取る画像読取部18と、ファクシミリ装置間でデータ処理を行うためのプロトコルを管理するデータ管理制御部19と、画像データを印刷出力するための画像形成部20と、画像形成部20を制御する印字制御部21と、各種ユーザ入力を受け付けるための操作部22と、各種情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)などの表示部23と、メモリカードなどの記録媒体と接続するための入出力インタフェース(入出力I/F)24と、これら各部を相互に接続するためのシステムバス25と、から構成されている。
【0023】
本発明の画像形成装置10は、ファクシミリ送信機能を備えるファクシミリ装置、あるいは、ファクシミリ機能,コピー機能,プリンタ機能,スキャナ機能などの複数の機能を備えるデジタル複合機であってもよい。以下、画像形成装置10をファクシミリ装置(以下、ファクシミリ装置10)に適用した場合を代表例として説明する。
【0024】
図1において、ファクシミリ装置10は、公衆回線網等のネットワーク1を介して通信相手の画像形成装置であるファクシミリ装置30と接続され、相互にファクシミリの送受信を行うことができる。また、ファクシミリ装置10は、ネットワーク等を介してパーソナルコンピュータ(以下、PC)などの情報処理装置と接続可能とし、情報処理装置から画像データを取得して画像メモリ16に蓄積することができる。
【0025】
ファクシミリ装置10(発呼側)からファクシミリ装置30(被呼側)にファクシミリ送信する場合について説明する。ファクシミリ装置10は、所定の読取位置にセットされた原稿を画像読取部18により光学的に読み取り、読み取った画像データを画像メモリ16に一旦蓄積する。画像メモリ16に蓄積した画像データを順次画像処理部17に送り、画像処理部17で所定の符号化方式に従って符号化する。この符号化方式には、例えば、MH方式、MR方式、MMR方式のいずれかの方式を用いることができる。さらに、画像処理部17は、符号化した1ページのデータのうち、1ラインの処理が終了すると、ライン終了符号であるEOL(End Of Line)符号を付加し、Nライン分の処理、すなわち1ページ分の処理が終了すると、1ページ分のデータ送出を終了して制御に復帰することを示す制御復帰信号であるRTC(Return To Control)符号を付加して、データ処理を終了する。このRTC符号は、本発明のページの終了を示す終了符号に相当し、例えば6つの連続するEOL符号で構成されている。
【0026】
画像処理部17は、1ページ分の符号化データを送信処理すると、その最終ライン(すなわち、Nライン目)の後に、RTC符号を付加してモデム14から被呼側のファクシミリ装置30へ送信する。被呼側のファクシミリ装置30は、発呼側のファクシミリ装置10から送信されてくる符号化データを受信し、受信した符号化データを復号して元の画像データを印字出力する。このとき、RTC符号を検出することで、1ページ分の符号化データを認識することができる。
【0027】
ここで、ファクシミリ装置10は、ファクシミリ装置30との間で秘匿にしたいデータを秘匿データとして取得する。秘匿データの取得方法は、例えば、原稿読取部18により秘匿原稿を読み取って取得してもよいし、PCやメモリカード等の記録媒体などから取得してもよい。そして、取得した秘匿データは、画像メモリ16に蓄積しておくようにしてもよい。また、秘匿データは、暗号化されていても、暗号化されていなくてもよい。
【0028】
本発明のファクシミリ装置10は、符号化データをページ単位でファクシミリ送信するときに、当該ページの最後、すなわちRTC符号の後に、秘匿データを付加して送信する。この秘匿データの送信処理は、データ管理制御部19、画像処理部17、通信制御部15、及びモデム14により実行される。
【0029】
この際、ファクシミリ送信する前処理として、上記ページの最後に秘匿データを付加して送信する旨を、ファクシミリ装置30に通知する処理を行い、ファクシミリ装置30から送信許可の通知を受け取ったときに、ファクシミリ送信を開始するようにする。すなわち、発呼側のファクシミリ装置10と、被呼側のファクシミリ装置30との間でプロトコルが確立されたときのみ、上記秘匿データ送信処理を行うため、プロトコルの確立されない他のファクシミリ装置では、上記秘匿データの部分は単にノイズとして認識され、秘匿データの漏洩を防止することができる。このプロトコル確立処理は、データ管理制御部19、通信制御部15、及びモデム14により実行される。
【0030】
このように、1ページ分の符号化データの最後に秘匿データを付加して送受信できるようにファクシミリ装置間で予めプロトコルを設定しておくことにより、特定のファクシミリ装置(例えば、同じメーカのファクシミリ装置など)間で秘匿通信を簡単に実現することができる。
【0031】
図2は、発呼側のファクシミリ装置から被呼側のファクシミリ装置に画像データを1ページ送るときの手順を説明するための図である。図中、NSFは非標準機能識別信号、CSIは被呼端末識別信号、DISはデジタル識別信号、TSIは送信端末識別信号、DCSはデジタル命令信号、TCFはトレーニングチェック、CFRは受信準備確認信号、PPS−EOPは部分ページ信号−手順終了、MCFはメッセージ確認信号、DCNは切断命令信号を示す。なお、これらの信号の機能とフォーマットは、ITU勧告に定義されているものである。
【0032】
まず、発呼側のファクシミリ装置10(以下、発呼側10)は、被呼側のファクシミリ装置30(以下、被呼側30)に対して、回線接続のダイヤリングを行い(S1)、被呼側30は、NSF(非標準機能識別信号),CSI(被呼端末識別信号),DIS(デジタル識別信号)を発呼側10に送信し(S2)、発呼側10は、TSI(送信端末識別信号),DCS(デジタル命令信号)を送信し(S3)、TCF(トレーニングチェック)を被呼側30に送信し(S4)、被呼側30は、CFR(受信準備確認信号)を被呼側30に送信する(S5)。このようにして発呼側10と被呼側30との間でプロトコルが確立されると、発呼側10は、秘匿データを付加した画像データを送信し(S6)、PPS−EOP(部分ページ信号−手順終了)を被呼側30に送信する(S7)。次に、被呼側30は、MCF(メッセージ確認信号)を発呼側10に送信し(S8)、発呼側10は、DCN(切断命令)を被呼側30に送信する(S9)。
【0033】
図3は、本発明に係る1ページ分の符号化データの構成例を示す図で、図中、EOLはラインの終了を示すライン終了符号、RTCは制御復帰符号(本発明のページの終了を示す終了符号)、SD(斜線部分)は秘匿データを示す。1ページ分の符号化データは、複数のライン(本例ではNライン)で構成されている。発呼側のファクシミリ装置10は、1ライン目の処理が終了するとEOLを1個付加し、以下同様に、N−1ライン目の終了まで、1ライン毎にEOLを1個付加する処理を繰り返す。そして、最後のNライン目の処理が終了すると、RTCとしてEOLを6個連続して送信する。この時点で画像データの処理は終了するが、本発明では、さらに、RTCの後に秘匿データSDを付加して送信する。
【0034】
被呼側のファクシミリ装置30では、画像データに付加されて秘匿データが送信されてきていることを認識しているため、受信した秘匿データを印刷等の出力処理を行う。ここで、秘匿データを付加して送信するかどうかは、ファクシミリ装置の初期設定等において予め設定しておくようにすればよい。例えば、後述の図8に示すように、発呼側のファクシミリ装置10の操作部22から「秘匿」を指定する。この「秘匿」の指定情報は、プロトコル確立時に被呼側のファクシミリ装置30に送信され、秘匿送信を行う旨が通知され、被呼側が対応していれば、被呼側において発呼側から秘匿データが送信されてくることが認識される。
【0035】
図4は、本発明に係る複数ページ分の符号化データの構成例を示す図である。本例では、秘匿データが複数の部分(SD1〜SDn)に分割されている。また、秘匿データを付加するための符号化データ(画像データ)は、複数ページ(1ページ〜Nページ)で構成されている。ファクシミリ装置10は、各ページの画像データに付加されたRTCの後に、分割された各秘匿データSD1〜SDnを順番に付加して送信する。すなわち、1枚目の画像データには、秘匿データSD1を付加して送信し、以下順番に、N枚目の画像データには、秘匿データSDnを付加して送信する。
【0036】
秘匿データを付加するための画像データは、1枚目からN枚目までが別々の画像データであってもよいし、1枚の画像データを1枚目からN枚目に分割した画像データであってもよい。また、画像データは、ダミーデータであってもよい。この場合、1枚目からN枚目の全てをダミーデータにしてもよいし、また、1枚目からN枚目の中のいずれか(例えば、N−1枚目、N枚目など)のみをダミーデータにしてもよく、秘匿データを付加するデータのうち少なくとも1ページをダミーデータにすることができる。ダミーデータを使用する場合、画像メモリ16に予め所望のデータを蓄積しておくようにしてもよい。このダミーデータは、例えば、白紙(空データ)や、通信相手には無関係な内容の画像データなど、どのようなものであっても構わない。
【0037】
上述したように、秘匿データを付加するための画像データとしては、例えば、通信相手に送る必要がある原稿を読み取ったものでもよいし、メモリカードなどの記録媒体から取得したものでもよい。また、通信相手にとって本来必要のないダミーデータであってもよい。
【0038】
図5は、本発明に係る複数ページ分の符号化データの他の構成例を示す図である。本例では、秘匿データが暗号化されて複数の部分(SD1〜SDn)に分割され、SKは秘匿データSD1〜SDnを復号するための暗号鍵である。また、秘匿データを付加するための符号化データ(画像データ)は、複数ページ(1ページ〜Nページ)で構成されている。この画像データは、図4と同様に、1枚目からN枚目までが別々の画像データであってもよいし、1枚の画像データを1枚目からN枚目に分割した画像データであってもよいし、また、ダミーデータであってもよい。
【0039】
暗号鍵SKによる暗号化/復号方式としては、公知の秘密鍵暗号方式や公開鍵暗号方式などを適用することができる。前者の秘密鍵暗号方式では、暗号化と復号を同じ鍵で行なうが、後者の公開鍵暗号方式は、対になる2つの鍵を使ってデータの暗号化・復号を行なう暗号方式で、非対称暗号方式とも呼ばれる。片方は他人に広く公開するため公開鍵と呼ばれ、もう片方は本人だけがわかるように厳重に管理されるため秘密鍵と呼ばれる。秘密鍵で暗号化されたデータは対応する公開鍵でしか復号できず、公開鍵で暗号化されたデータは対応する秘密鍵でしか復号できないため、暗号化と復号を同じ鍵で行なう秘密鍵暗号方式に比べ、鍵を安全な経路で輸送する必要がないため、鍵の管理面における安全性が高い。
【0040】
本例では、ファクシミリ装置10は、各ページの画像データに付加されたRTCの後に、分割された各秘匿データSD1〜SDnを順番に付加して送信する。すなわち、1枚目の画像データには、秘匿データSD1を付加して送信し、以下順番に、N枚目の画像データには、秘匿データSDnを付加して送信し、さらに、暗号鍵SKをいずれかのページ(本例では1枚目)に含めて送信するようにする。また、1枚目に暗号鍵SKのみを付加して送信し、2枚目以降に各秘匿データSD1〜SDnを順番に付加して送信するようにしてもよい。この場合、最後の秘匿データSDnを付加するためのページ(N枚目)が不足することが考えられるが、最後のN枚目のページをダミーデータにすることで対応できる。また、暗号鍵SKのみを別に電子メール等で通信相手側に送信しておき、1枚目からN枚目に各秘匿データSD1〜SDnを順番に付加して送信するようにしてもよい。
【0041】
図6は、本発明が適用される秘匿データ送信方法の一例を説明するためのフロー図である。本例は図1に示したファクシミリ装置10(発呼側)とファクシミリ装置30(被呼側)に基づいて説明する。まず、ユーザは、ファクシミリ装置10に対して、原稿を所定の読取位置にセットすると共に、該原稿の送信先を操作部22から指定し(ステップS11)、送信先条件を操作部22から設定する(ステップS12)。このとき、画像データに付加する秘匿情報を画像メモリ16に蓄積しておく。
【0042】
次に、ファクシミリ装置10は、ユーザによりファクシミリ送信のスタートボタンが押下されたかどうかを判断し(ステップS13)、スタートボタンが押下されたと判断した場合(YESの場合)、被呼側のファクシミリ装置30に発呼する(ステップS14)。また、上記ステップS13において、スタートボタンが押下されていないと判断した場合(NOの場合)、ステップS11に戻り処理をやり直す。
【0043】
次に、ファクシミリ装置10は、ファクシミリ装置30との間で接続されたかどうかを判断し(ステップS15)、接続OKの場合(YESの場合)、ファクシミリ装置30との間でお互いの情報をやり取りし、前処理としてプロトコルの確立を行う(ステップS16)。ここでは、例えば、対応している用紙サイズ(A4,B4など)、圧縮の形式、G3対応かG4対応かなどの情報をファクシミリ装置30から取得したり、ファクシミリ装置30に対して秘匿データを送信する旨を通知する処理を行う。
【0044】
また、ステップS16の前処理において、被呼側のファクシミリ装置30側でプロトコルが確立できない場合、例えば、ファクシミリ装置30が本発明の秘匿データ送信処理に対応していない場合等に、発呼側のファクシミリ装置10にエラーレポートを送信するようにしてもよい。
【0045】
また、ファクシミリ装置10は、ステップS15において、接続NGの場合(NOの場合)、タイムオーバーしたかどうかを判定し(ステップS17)、タイムオーバーした場合(YESの場合)、再発信処理し、タイムオーバーしていない場合(NOの場合)、ステップS15に戻り処理を繰り返す。
【0046】
次に、ファクシミリ装置10は、ステップS16でプロトコルが確立されると、所定の読取位置にセットされた原稿を読み取り(ステップS18)、読み取った原稿の画像データに対して圧縮符号化などのデータ処理を施し(ステップS19)、符号化された符号化データをファクシミリ装置30に送信する(ステップS20)。次に、ファクシミリ装置10は、1頁の送信処理が終了したかどうかを判断し(ステップS21)、1頁の送信処理が終了した場合(YESの場合)、秘匿データを付加して送信する(ステップS22)。また、1頁の送信処理が終了していない場合(NOの場合)、ステップS18に戻り処理を行う。
【0047】
次に、ファクシミリ装置10は、次の原稿があるかどうかを判断し(ステップS23)、次の原稿がある場合(YESの場合)、ステップS18に戻り処理を行い、また、次の原稿がない場合(NOの場合)、そのまま終了する。
【0048】
図7は、操作部22及び表示部23により構成される操作パネルの一例を示す図である。ファクシミリ装置10は、操作部22、表示部23により構成される操作パネルを備え、ユーザはこの操作パネルから各種選択、設定などを行うことができる。操作パネルの表示部23は、タッチパネル機能を備えたLCDなどで構成され、操作部22は、プリンタ、ファックス/イメージ送信、コピーなどの各データ処理項目の選択ボタン、テンキーボタン、スタートボタン、クリアボタンなどで構成される。ユーザは、ファクシミリ送信を行う場合、ファックス/イメージ送信のボタン25を押下すると、下記の図8に示す秘匿送信選択画面が表示部23に表示される。
【0049】
図8は、表示部23に表示される秘匿送信選択画面の一例を示す図である。図7に示したファックス/イメージ送信のボタン25が押下されると、この秘匿送信選択画面が表示部23に表示され、ユーザは、秘匿送信を行う場合、秘匿ボタン26を押下する。
【0050】
図9は、表示部23に表示される秘匿送信設定画面の一例を示す図で、図中、27は秘匿送信設定画面を示す。図8に示した秘匿ボタン26が押下されると、この秘匿送信設定画面27が表示部23に表示され、秘匿送信設定画面27は、秘匿データの頁数を設定するための頁指定27a、秘匿原稿を読み取るかどうかを設定するための秘匿原稿読み取り入力27bが表示される。ユーザは、これら頁指定27a、秘匿原稿読み取り入力27bの各項目のチェックボックスにチェックを入れることで設定が可能となる。
【0051】
図10は、図4に示した複数ページ分の符号化データの構成例を模式的に示した図である。図4において説明したように、本例では、秘匿データSDが複数の部分に分割されている。また、秘匿データSDを付加するための符号化データ(読み取られた画像データ)は、複数ページP1〜Pnで構成されている。ファクシミリ装置10は、各ページの画像データP1〜Pnに付加されたRTCの後に、秘匿データSDを分割した各部分を順番に付加して送信する。すなわち、1ページ目の画像データP1には、秘匿データSDの先頭部分を付加して送信し、以下順番に、nページ目の画像データPnには、秘匿データSDの最後の部分を付加して送信する。
【0052】
図11は、図4に示した複数ページ分の符号化データの他の構成例を模式的に示した図である。本例に示す秘匿データは、符号化データ(読み取られた画像データ)のいずれか1ページ(本例では2ページ目)を複数の部分に分割したものであり、もともと原稿に含まれていた画像データを秘匿に指定したものである。どのページを秘匿にするかはユーザ指示に従って決定される。
【0053】
図11において、2ページ目の画像データP2が秘匿データとして指示され、この秘匿データP2を付加するための符号化データ(読み取られた画像データ)は、複数ページP1〜Pnで構成されている。ファクシミリ装置10は、各ページの画像データP1,P3〜Pnに付加されたRTCの後に、秘匿データP2を分割した各部分を順番に付加して送信する。すなわち、1ページ目の画像データP1には、秘匿データP2の先頭部分を付加して送信し、3ページ目の画像データP3には、秘匿データP2の次の部分を付加して送信し、以下順番に、nページ目の画像データPnには、秘匿データP2の最後の部分を付加して送信する。
【0054】
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲にて様々な変更が可能であることは当業者に理解されよう。また、本実施の形態では画像形成装置という名称を用いたが、これは説明の便宜上であり、ファクシミリ装置、デジタル複合機等であってもよいことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】発呼側のファクシミリ装置から被呼側のファクシミリ装置に画像データを1ページ送るときの手順を説明するための図である。
【図3】本発明に係る1ページ分の符号化データの構成例を示す図である。
【図4】本発明に係る複数ページ分の符号化データの構成例を示す図である。
【図5】本発明に係る複数ページ分の符号化データの他の構成例を示す図である。
【図6】本発明が適用される秘匿データ送信方法の一例を説明するためのフロー図である。
【図7】操作部及び表示部により構成される操作パネルの一例を示す図である。
【図8】表示部に表示される秘匿送信選択画面の一例を示す図である。
【図9】表示部に表示される秘匿送信設定画面の一例を示す図である。
【図10】図4に示した複数ページ分の符号化データの構成例を模式的に示した図である。
【図11】図4に示した複数ページ分の符号化データの他の構成例を模式的に示した図である。
【符号の説明】
【0056】
1…ネットワーク、10,30…画像形成装置(ファクシミリ装置)、11…CPU、12…ROM、13…RAM、14…モデム、15…通信制御部、16…画像メモリ、17…画像処理部、18…画像読取部、19…データ管理制御部、20…画像形成部、21…印字制御部、22…操作部、23…表示部、24…入出力I/F、25…システムバス。
【技術分野】
【0001】
本発明は、公衆通信回線を利用してファクシミリ送信を行う機能を備えた画像形成装置及び該画像形成装置の秘匿データ送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像情報を圧縮符号化するための技術に関して、様々なものが提案されており、例えば、特許文献1には、ファクシミリ装置等において、スキャナから出力されるビットマップデータを圧縮符号化する技術が開示されている。これは、スキャナから出力されるビットマップデータをランレングスデータに変換した後、FIFOメモリを介して、一旦DRAMバッファに格納し、CPUからの制御に基づいて、DRAMバッファから順次読み出されたランレングスデータをMH(Modified Huffman code)、MR(Modified Read code)、MMR(Modified Modified Read)等の圧縮符号化データに変換し、DRAMバッファに順次格納される。そして、DRAMバッファに格納された圧縮符号化データはSCSII/Fを介して外部に出力される。
【0003】
ランレングスデータから生成される上記MH、MR、MMR符号等の符号化方式では、1ページのデータのうち、1ラインの処理が終了すると、ライン終了符号であるEOL(End Of Line)符号を付加し、さらに、1ページの処理が終了すると、1ページ分のデータ送出を終了して制御に復帰することを示す制御復帰信号であるRTC(Return To Control)符号を付加して、データ処理を終了する。このRTC符号は、例えば6つの連続するEOL符号で構成されている。このデータ処理方式は、ファクシミリデータの符号化方式を定めたITU(国際電気通信連合)勧告において定義されているが、上記RTC符号より後の部分は通常ノイズとして扱われており、復号されることがなかった。
【0004】
一方、ファクシミリ装置において秘匿通信を行うために、様々な符号化/復号技術が提案されている。例えば、特許文献2には、通信回線を介して互いに接続される自局側と相手局側の通信装置の間に秘匿装置を設け、この秘匿装置により、従来の通信装置を改造することなく、秘匿通信をできるようにしたものが開示されている。この秘匿装置は、各ファクシミリ装置と交換機との間に設けられ、2つのモデムと、制御装置と、信号の暗号化及び復号する機能を備えたユニットとを備える。秘匿通信を行う場合、送信側では、一方のファクシミリ装置が回線上に送出した画像情報をモデムを介して入力し、それを暗号化した情報を別のモデムを介して回線上に送出し、受信側では、送信側から回線上に送出された暗号化情報をモデムを介して入力し、それを復号して画像情報を再生し、再生した画像情報を別のモデムを介して他方のファクシミリ装置に対して送出するようにしている。
【特許文献1】特開平5−41808号公報
【特許文献2】特開平2−94836号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献2に記載の発明では、秘匿通信を行うために、ファクシミリ装置と交換機との間に秘匿装置を別途設ける必要があり、秘匿装置の設置コストや設置場所等の問題から簡単に秘匿通信を利用できるようにはなっていなかった。そこで、より簡単な構成で秘匿通信を利用できるようにしたいという要望がある。
【0006】
また、上記特許文献1で説明したように、1ページの画像データの最後に付加されるRTC符号より後の部分は通常ノイズとして扱われており、一般にデータが付加されることはなく、たとえデータが付加されていても受信側で復号されることがないため、データ通信には利用されていなかった。
【0007】
そこで、秘匿にしたいデータをRTC符号の後に付加して送受信できるようにファクシミリ装置間のプロトコルを設定し、このプロトコルが確立される特定の発呼側と被呼側間でのみ秘匿データの存在を認識することができれば、上記特許文献2のように、ファクシミリ装置に特別な機器を設けることなく、簡単に秘匿通信を行うことができると考えられる。このことは、前述したような従来技術では実現されていない。
【0008】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、1ページ分の画像データの最後に、秘匿にしたいデータを付加して送受信できるように画像形成装置間のプロトコルを設定し、このプロトコルが確立される特定の発呼側と被呼側間でのみ秘匿通信を行えるようにすること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、ファクシミリ送信を行う機能を備えた画像形成装置において、入力された画像データを符号化する手段と、該符号化した符号化データをページ単位でファクシミリ送信する手段と、通信相手との間で秘匿にしたいデータを秘匿データとして取得する手段とを備え、前記符号化データをページ単位でファクシミリ送信するときに、当該ページの最後に前記秘匿データを付加して送信することを特徴としたものである。
【0010】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記ページの最後に前記秘匿データを付加して送信する旨を、前記通信相手の他の画像形成装置に通知し、該他の画像形成装置から送信許可の通知を受け取ったときに、ファクシミリ送信を開始することを特徴としたものである。
【0011】
第3の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、1ページ分の符号化データは、複数のラインで構成され、前記1ページ分の符号化データの最終ラインの後に、当該ページの終了を示す終了符号を付加し、さらに、該終了符号の後に前記秘匿データを付加してファクシミリ送信することを特徴としたものである。
【0012】
第4の技術手段は、第3の技術手段において、前記秘匿データは、複数の部分に分割されており、各ページの符号化データの最後に付加された終了符号の後に、前記秘匿データの各部分を順番に付加してファクシミリ送信することを特徴としたものである。
【0013】
第5の技術手段は、第3の技術手段において、前記秘匿データは、符号化データのいずれか1ページを複数の部分に分割したものであり、各ページの符号化データの最後に付加された終了符号の後に、前記秘匿データの各部分を順番に付加してファクシミリ送信することを特徴としたものである。
【0014】
第6の技術手段は、第3の技術手段において、前記秘匿データは、暗号化されて複数の部分に分割されており、各ページの符号化データの最後に付加された終了符号の後に、前記秘匿データの各部分を順番に付加して送信する際に、前記秘匿データを復号するための暗号鍵をいずれかのページに含めてファクシミリ送信することを特徴としたものである。
【0015】
第7の技術手段は、第4乃至第6のいずれか1の技術手段において、前記各ページの符号化データは、別々の画像データを符号化したものであることを特徴としたものである。
【0016】
第8の技術手段は、第4乃至第6のいずれか1の技術手段において、前記各ページの符号化データは、1つの画像データを複数に分割して符号化したものであることを特徴としたものである。
【0017】
第9の技術手段は、第4乃至第6のいずれか1の技術手段において、前記各ページの符号化データの少なくとも1ページは、ダミーデータであることを特徴としたものである。
【0018】
第10の技術手段は、ファクシミリ送信を行う機能を備えた画像形成装置の秘匿データ送信方法において、入力された画像データを符号化するステップと、通信相手との間で秘匿にしたいデータを秘匿データとして取得するステップと、前記画像データを符号化した符号化データをページ単位でファクシミリ送信するときに、当該ページの最後に前記秘匿データを付加して送信するステップとを有することを特徴としたものである。
【0019】
第11の技術手段は、第10の技術手段において、前記ページの最後に前記秘匿データを付加して送信する旨を、前記通信相手の他の画像形成装置に通知し、該他の画像形成装置から送信許可の通知を受け取ったときに、ファクシミリ送信を開始することを特徴としたものである。
【0020】
第12の技術手段は、第10又は第11の技術手段において、1ページ分の符号化データは、複数のラインで構成され、前記1ページ分の符号化データの最終ラインの後に、当該ページの終了を示す終了符号を付加し、さらに、該終了符号の後に前記秘匿データを付加してファクシミリ送信することを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、1ページ分の画像データの最後に、秘匿にしたいデータを付加して送受信できるように画像形成装置間のプロトコルを設定することにより、このプロトコルが確立される特定の発呼側と被呼側間でのみ秘匿通信を行えるため、画像形成装置に特別な機器を設けることなく、より簡単な構成で秘匿通信を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構成例を示すブロック図で、図中、10は画像形成装置で、該画像形成装置10は、画像形成装置10の各部の動作を制御するCPU11と、制御プログラムや各種データ等を記憶するROM12と、作業領域であるRAM13と、符号化された画像データをファクシミリ送受信するための変復調手段であるモデム14と、モデム14のファクシミリ送受信を制御する通信制御部15と、画像データや秘匿データなどを記憶する画像メモリ16と、画像データの符号化/復号を行う画像処理部17と、原稿の画像を読み取る画像読取部18と、ファクシミリ装置間でデータ処理を行うためのプロトコルを管理するデータ管理制御部19と、画像データを印刷出力するための画像形成部20と、画像形成部20を制御する印字制御部21と、各種ユーザ入力を受け付けるための操作部22と、各種情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)などの表示部23と、メモリカードなどの記録媒体と接続するための入出力インタフェース(入出力I/F)24と、これら各部を相互に接続するためのシステムバス25と、から構成されている。
【0023】
本発明の画像形成装置10は、ファクシミリ送信機能を備えるファクシミリ装置、あるいは、ファクシミリ機能,コピー機能,プリンタ機能,スキャナ機能などの複数の機能を備えるデジタル複合機であってもよい。以下、画像形成装置10をファクシミリ装置(以下、ファクシミリ装置10)に適用した場合を代表例として説明する。
【0024】
図1において、ファクシミリ装置10は、公衆回線網等のネットワーク1を介して通信相手の画像形成装置であるファクシミリ装置30と接続され、相互にファクシミリの送受信を行うことができる。また、ファクシミリ装置10は、ネットワーク等を介してパーソナルコンピュータ(以下、PC)などの情報処理装置と接続可能とし、情報処理装置から画像データを取得して画像メモリ16に蓄積することができる。
【0025】
ファクシミリ装置10(発呼側)からファクシミリ装置30(被呼側)にファクシミリ送信する場合について説明する。ファクシミリ装置10は、所定の読取位置にセットされた原稿を画像読取部18により光学的に読み取り、読み取った画像データを画像メモリ16に一旦蓄積する。画像メモリ16に蓄積した画像データを順次画像処理部17に送り、画像処理部17で所定の符号化方式に従って符号化する。この符号化方式には、例えば、MH方式、MR方式、MMR方式のいずれかの方式を用いることができる。さらに、画像処理部17は、符号化した1ページのデータのうち、1ラインの処理が終了すると、ライン終了符号であるEOL(End Of Line)符号を付加し、Nライン分の処理、すなわち1ページ分の処理が終了すると、1ページ分のデータ送出を終了して制御に復帰することを示す制御復帰信号であるRTC(Return To Control)符号を付加して、データ処理を終了する。このRTC符号は、本発明のページの終了を示す終了符号に相当し、例えば6つの連続するEOL符号で構成されている。
【0026】
画像処理部17は、1ページ分の符号化データを送信処理すると、その最終ライン(すなわち、Nライン目)の後に、RTC符号を付加してモデム14から被呼側のファクシミリ装置30へ送信する。被呼側のファクシミリ装置30は、発呼側のファクシミリ装置10から送信されてくる符号化データを受信し、受信した符号化データを復号して元の画像データを印字出力する。このとき、RTC符号を検出することで、1ページ分の符号化データを認識することができる。
【0027】
ここで、ファクシミリ装置10は、ファクシミリ装置30との間で秘匿にしたいデータを秘匿データとして取得する。秘匿データの取得方法は、例えば、原稿読取部18により秘匿原稿を読み取って取得してもよいし、PCやメモリカード等の記録媒体などから取得してもよい。そして、取得した秘匿データは、画像メモリ16に蓄積しておくようにしてもよい。また、秘匿データは、暗号化されていても、暗号化されていなくてもよい。
【0028】
本発明のファクシミリ装置10は、符号化データをページ単位でファクシミリ送信するときに、当該ページの最後、すなわちRTC符号の後に、秘匿データを付加して送信する。この秘匿データの送信処理は、データ管理制御部19、画像処理部17、通信制御部15、及びモデム14により実行される。
【0029】
この際、ファクシミリ送信する前処理として、上記ページの最後に秘匿データを付加して送信する旨を、ファクシミリ装置30に通知する処理を行い、ファクシミリ装置30から送信許可の通知を受け取ったときに、ファクシミリ送信を開始するようにする。すなわち、発呼側のファクシミリ装置10と、被呼側のファクシミリ装置30との間でプロトコルが確立されたときのみ、上記秘匿データ送信処理を行うため、プロトコルの確立されない他のファクシミリ装置では、上記秘匿データの部分は単にノイズとして認識され、秘匿データの漏洩を防止することができる。このプロトコル確立処理は、データ管理制御部19、通信制御部15、及びモデム14により実行される。
【0030】
このように、1ページ分の符号化データの最後に秘匿データを付加して送受信できるようにファクシミリ装置間で予めプロトコルを設定しておくことにより、特定のファクシミリ装置(例えば、同じメーカのファクシミリ装置など)間で秘匿通信を簡単に実現することができる。
【0031】
図2は、発呼側のファクシミリ装置から被呼側のファクシミリ装置に画像データを1ページ送るときの手順を説明するための図である。図中、NSFは非標準機能識別信号、CSIは被呼端末識別信号、DISはデジタル識別信号、TSIは送信端末識別信号、DCSはデジタル命令信号、TCFはトレーニングチェック、CFRは受信準備確認信号、PPS−EOPは部分ページ信号−手順終了、MCFはメッセージ確認信号、DCNは切断命令信号を示す。なお、これらの信号の機能とフォーマットは、ITU勧告に定義されているものである。
【0032】
まず、発呼側のファクシミリ装置10(以下、発呼側10)は、被呼側のファクシミリ装置30(以下、被呼側30)に対して、回線接続のダイヤリングを行い(S1)、被呼側30は、NSF(非標準機能識別信号),CSI(被呼端末識別信号),DIS(デジタル識別信号)を発呼側10に送信し(S2)、発呼側10は、TSI(送信端末識別信号),DCS(デジタル命令信号)を送信し(S3)、TCF(トレーニングチェック)を被呼側30に送信し(S4)、被呼側30は、CFR(受信準備確認信号)を被呼側30に送信する(S5)。このようにして発呼側10と被呼側30との間でプロトコルが確立されると、発呼側10は、秘匿データを付加した画像データを送信し(S6)、PPS−EOP(部分ページ信号−手順終了)を被呼側30に送信する(S7)。次に、被呼側30は、MCF(メッセージ確認信号)を発呼側10に送信し(S8)、発呼側10は、DCN(切断命令)を被呼側30に送信する(S9)。
【0033】
図3は、本発明に係る1ページ分の符号化データの構成例を示す図で、図中、EOLはラインの終了を示すライン終了符号、RTCは制御復帰符号(本発明のページの終了を示す終了符号)、SD(斜線部分)は秘匿データを示す。1ページ分の符号化データは、複数のライン(本例ではNライン)で構成されている。発呼側のファクシミリ装置10は、1ライン目の処理が終了するとEOLを1個付加し、以下同様に、N−1ライン目の終了まで、1ライン毎にEOLを1個付加する処理を繰り返す。そして、最後のNライン目の処理が終了すると、RTCとしてEOLを6個連続して送信する。この時点で画像データの処理は終了するが、本発明では、さらに、RTCの後に秘匿データSDを付加して送信する。
【0034】
被呼側のファクシミリ装置30では、画像データに付加されて秘匿データが送信されてきていることを認識しているため、受信した秘匿データを印刷等の出力処理を行う。ここで、秘匿データを付加して送信するかどうかは、ファクシミリ装置の初期設定等において予め設定しておくようにすればよい。例えば、後述の図8に示すように、発呼側のファクシミリ装置10の操作部22から「秘匿」を指定する。この「秘匿」の指定情報は、プロトコル確立時に被呼側のファクシミリ装置30に送信され、秘匿送信を行う旨が通知され、被呼側が対応していれば、被呼側において発呼側から秘匿データが送信されてくることが認識される。
【0035】
図4は、本発明に係る複数ページ分の符号化データの構成例を示す図である。本例では、秘匿データが複数の部分(SD1〜SDn)に分割されている。また、秘匿データを付加するための符号化データ(画像データ)は、複数ページ(1ページ〜Nページ)で構成されている。ファクシミリ装置10は、各ページの画像データに付加されたRTCの後に、分割された各秘匿データSD1〜SDnを順番に付加して送信する。すなわち、1枚目の画像データには、秘匿データSD1を付加して送信し、以下順番に、N枚目の画像データには、秘匿データSDnを付加して送信する。
【0036】
秘匿データを付加するための画像データは、1枚目からN枚目までが別々の画像データであってもよいし、1枚の画像データを1枚目からN枚目に分割した画像データであってもよい。また、画像データは、ダミーデータであってもよい。この場合、1枚目からN枚目の全てをダミーデータにしてもよいし、また、1枚目からN枚目の中のいずれか(例えば、N−1枚目、N枚目など)のみをダミーデータにしてもよく、秘匿データを付加するデータのうち少なくとも1ページをダミーデータにすることができる。ダミーデータを使用する場合、画像メモリ16に予め所望のデータを蓄積しておくようにしてもよい。このダミーデータは、例えば、白紙(空データ)や、通信相手には無関係な内容の画像データなど、どのようなものであっても構わない。
【0037】
上述したように、秘匿データを付加するための画像データとしては、例えば、通信相手に送る必要がある原稿を読み取ったものでもよいし、メモリカードなどの記録媒体から取得したものでもよい。また、通信相手にとって本来必要のないダミーデータであってもよい。
【0038】
図5は、本発明に係る複数ページ分の符号化データの他の構成例を示す図である。本例では、秘匿データが暗号化されて複数の部分(SD1〜SDn)に分割され、SKは秘匿データSD1〜SDnを復号するための暗号鍵である。また、秘匿データを付加するための符号化データ(画像データ)は、複数ページ(1ページ〜Nページ)で構成されている。この画像データは、図4と同様に、1枚目からN枚目までが別々の画像データであってもよいし、1枚の画像データを1枚目からN枚目に分割した画像データであってもよいし、また、ダミーデータであってもよい。
【0039】
暗号鍵SKによる暗号化/復号方式としては、公知の秘密鍵暗号方式や公開鍵暗号方式などを適用することができる。前者の秘密鍵暗号方式では、暗号化と復号を同じ鍵で行なうが、後者の公開鍵暗号方式は、対になる2つの鍵を使ってデータの暗号化・復号を行なう暗号方式で、非対称暗号方式とも呼ばれる。片方は他人に広く公開するため公開鍵と呼ばれ、もう片方は本人だけがわかるように厳重に管理されるため秘密鍵と呼ばれる。秘密鍵で暗号化されたデータは対応する公開鍵でしか復号できず、公開鍵で暗号化されたデータは対応する秘密鍵でしか復号できないため、暗号化と復号を同じ鍵で行なう秘密鍵暗号方式に比べ、鍵を安全な経路で輸送する必要がないため、鍵の管理面における安全性が高い。
【0040】
本例では、ファクシミリ装置10は、各ページの画像データに付加されたRTCの後に、分割された各秘匿データSD1〜SDnを順番に付加して送信する。すなわち、1枚目の画像データには、秘匿データSD1を付加して送信し、以下順番に、N枚目の画像データには、秘匿データSDnを付加して送信し、さらに、暗号鍵SKをいずれかのページ(本例では1枚目)に含めて送信するようにする。また、1枚目に暗号鍵SKのみを付加して送信し、2枚目以降に各秘匿データSD1〜SDnを順番に付加して送信するようにしてもよい。この場合、最後の秘匿データSDnを付加するためのページ(N枚目)が不足することが考えられるが、最後のN枚目のページをダミーデータにすることで対応できる。また、暗号鍵SKのみを別に電子メール等で通信相手側に送信しておき、1枚目からN枚目に各秘匿データSD1〜SDnを順番に付加して送信するようにしてもよい。
【0041】
図6は、本発明が適用される秘匿データ送信方法の一例を説明するためのフロー図である。本例は図1に示したファクシミリ装置10(発呼側)とファクシミリ装置30(被呼側)に基づいて説明する。まず、ユーザは、ファクシミリ装置10に対して、原稿を所定の読取位置にセットすると共に、該原稿の送信先を操作部22から指定し(ステップS11)、送信先条件を操作部22から設定する(ステップS12)。このとき、画像データに付加する秘匿情報を画像メモリ16に蓄積しておく。
【0042】
次に、ファクシミリ装置10は、ユーザによりファクシミリ送信のスタートボタンが押下されたかどうかを判断し(ステップS13)、スタートボタンが押下されたと判断した場合(YESの場合)、被呼側のファクシミリ装置30に発呼する(ステップS14)。また、上記ステップS13において、スタートボタンが押下されていないと判断した場合(NOの場合)、ステップS11に戻り処理をやり直す。
【0043】
次に、ファクシミリ装置10は、ファクシミリ装置30との間で接続されたかどうかを判断し(ステップS15)、接続OKの場合(YESの場合)、ファクシミリ装置30との間でお互いの情報をやり取りし、前処理としてプロトコルの確立を行う(ステップS16)。ここでは、例えば、対応している用紙サイズ(A4,B4など)、圧縮の形式、G3対応かG4対応かなどの情報をファクシミリ装置30から取得したり、ファクシミリ装置30に対して秘匿データを送信する旨を通知する処理を行う。
【0044】
また、ステップS16の前処理において、被呼側のファクシミリ装置30側でプロトコルが確立できない場合、例えば、ファクシミリ装置30が本発明の秘匿データ送信処理に対応していない場合等に、発呼側のファクシミリ装置10にエラーレポートを送信するようにしてもよい。
【0045】
また、ファクシミリ装置10は、ステップS15において、接続NGの場合(NOの場合)、タイムオーバーしたかどうかを判定し(ステップS17)、タイムオーバーした場合(YESの場合)、再発信処理し、タイムオーバーしていない場合(NOの場合)、ステップS15に戻り処理を繰り返す。
【0046】
次に、ファクシミリ装置10は、ステップS16でプロトコルが確立されると、所定の読取位置にセットされた原稿を読み取り(ステップS18)、読み取った原稿の画像データに対して圧縮符号化などのデータ処理を施し(ステップS19)、符号化された符号化データをファクシミリ装置30に送信する(ステップS20)。次に、ファクシミリ装置10は、1頁の送信処理が終了したかどうかを判断し(ステップS21)、1頁の送信処理が終了した場合(YESの場合)、秘匿データを付加して送信する(ステップS22)。また、1頁の送信処理が終了していない場合(NOの場合)、ステップS18に戻り処理を行う。
【0047】
次に、ファクシミリ装置10は、次の原稿があるかどうかを判断し(ステップS23)、次の原稿がある場合(YESの場合)、ステップS18に戻り処理を行い、また、次の原稿がない場合(NOの場合)、そのまま終了する。
【0048】
図7は、操作部22及び表示部23により構成される操作パネルの一例を示す図である。ファクシミリ装置10は、操作部22、表示部23により構成される操作パネルを備え、ユーザはこの操作パネルから各種選択、設定などを行うことができる。操作パネルの表示部23は、タッチパネル機能を備えたLCDなどで構成され、操作部22は、プリンタ、ファックス/イメージ送信、コピーなどの各データ処理項目の選択ボタン、テンキーボタン、スタートボタン、クリアボタンなどで構成される。ユーザは、ファクシミリ送信を行う場合、ファックス/イメージ送信のボタン25を押下すると、下記の図8に示す秘匿送信選択画面が表示部23に表示される。
【0049】
図8は、表示部23に表示される秘匿送信選択画面の一例を示す図である。図7に示したファックス/イメージ送信のボタン25が押下されると、この秘匿送信選択画面が表示部23に表示され、ユーザは、秘匿送信を行う場合、秘匿ボタン26を押下する。
【0050】
図9は、表示部23に表示される秘匿送信設定画面の一例を示す図で、図中、27は秘匿送信設定画面を示す。図8に示した秘匿ボタン26が押下されると、この秘匿送信設定画面27が表示部23に表示され、秘匿送信設定画面27は、秘匿データの頁数を設定するための頁指定27a、秘匿原稿を読み取るかどうかを設定するための秘匿原稿読み取り入力27bが表示される。ユーザは、これら頁指定27a、秘匿原稿読み取り入力27bの各項目のチェックボックスにチェックを入れることで設定が可能となる。
【0051】
図10は、図4に示した複数ページ分の符号化データの構成例を模式的に示した図である。図4において説明したように、本例では、秘匿データSDが複数の部分に分割されている。また、秘匿データSDを付加するための符号化データ(読み取られた画像データ)は、複数ページP1〜Pnで構成されている。ファクシミリ装置10は、各ページの画像データP1〜Pnに付加されたRTCの後に、秘匿データSDを分割した各部分を順番に付加して送信する。すなわち、1ページ目の画像データP1には、秘匿データSDの先頭部分を付加して送信し、以下順番に、nページ目の画像データPnには、秘匿データSDの最後の部分を付加して送信する。
【0052】
図11は、図4に示した複数ページ分の符号化データの他の構成例を模式的に示した図である。本例に示す秘匿データは、符号化データ(読み取られた画像データ)のいずれか1ページ(本例では2ページ目)を複数の部分に分割したものであり、もともと原稿に含まれていた画像データを秘匿に指定したものである。どのページを秘匿にするかはユーザ指示に従って決定される。
【0053】
図11において、2ページ目の画像データP2が秘匿データとして指示され、この秘匿データP2を付加するための符号化データ(読み取られた画像データ)は、複数ページP1〜Pnで構成されている。ファクシミリ装置10は、各ページの画像データP1,P3〜Pnに付加されたRTCの後に、秘匿データP2を分割した各部分を順番に付加して送信する。すなわち、1ページ目の画像データP1には、秘匿データP2の先頭部分を付加して送信し、3ページ目の画像データP3には、秘匿データP2の次の部分を付加して送信し、以下順番に、nページ目の画像データPnには、秘匿データP2の最後の部分を付加して送信する。
【0054】
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲にて様々な変更が可能であることは当業者に理解されよう。また、本実施の形態では画像形成装置という名称を用いたが、これは説明の便宜上であり、ファクシミリ装置、デジタル複合機等であってもよいことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】発呼側のファクシミリ装置から被呼側のファクシミリ装置に画像データを1ページ送るときの手順を説明するための図である。
【図3】本発明に係る1ページ分の符号化データの構成例を示す図である。
【図4】本発明に係る複数ページ分の符号化データの構成例を示す図である。
【図5】本発明に係る複数ページ分の符号化データの他の構成例を示す図である。
【図6】本発明が適用される秘匿データ送信方法の一例を説明するためのフロー図である。
【図7】操作部及び表示部により構成される操作パネルの一例を示す図である。
【図8】表示部に表示される秘匿送信選択画面の一例を示す図である。
【図9】表示部に表示される秘匿送信設定画面の一例を示す図である。
【図10】図4に示した複数ページ分の符号化データの構成例を模式的に示した図である。
【図11】図4に示した複数ページ分の符号化データの他の構成例を模式的に示した図である。
【符号の説明】
【0056】
1…ネットワーク、10,30…画像形成装置(ファクシミリ装置)、11…CPU、12…ROM、13…RAM、14…モデム、15…通信制御部、16…画像メモリ、17…画像処理部、18…画像読取部、19…データ管理制御部、20…画像形成部、21…印字制御部、22…操作部、23…表示部、24…入出力I/F、25…システムバス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファクシミリ送信を行う機能を備えた画像形成装置において、入力された画像データを符号化する手段と、該符号化した符号化データをページ単位でファクシミリ送信する手段と、通信相手との間で秘匿にしたいデータを秘匿データとして取得する手段とを備え、前記符号化データをページ単位でファクシミリ送信するときに、当該ページの最後に前記秘匿データを付加して送信することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、前記ページの最後に前記秘匿データを付加して送信する旨を、前記通信相手の他の画像形成装置に通知し、該他の画像形成装置から送信許可の通知を受け取ったときに、ファクシミリ送信を開始することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成装置において、1ページ分の符号化データは、複数のラインで構成され、前記1ページ分の符号化データの最終ラインの後に、当該ページの終了を示す終了符号を付加し、さらに、該終了符号の後に前記秘匿データを付加してファクシミリ送信することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置において、前記秘匿データは、複数の部分に分割されており、各ページの符号化データの最後に付加された終了符号の後に、前記秘匿データの各部分を順番に付加してファクシミリ送信することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項3に記載の画像形成装置において、前記秘匿データは、符号化データのいずれか1ページを複数の部分に分割したものであり、各ページの符号化データの最後に付加された終了符号の後に、前記秘匿データの各部分を順番に付加してファクシミリ送信することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項3に記載の画像形成装置において、前記秘匿データは、暗号化されて複数の部分に分割されており、各ページの符号化データの最後に付加された終了符号の後に、前記秘匿データの各部分を順番に付加して送信する際に、前記秘匿データを復号するための暗号鍵をいずれかのページに含めてファクシミリ送信することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項4乃至6のいずれか1に記載の画像形成装置において、前記各ページの符号化データは、別々の画像データを符号化したものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項4乃至6のいずれか1に記載の画像形成装置において、前記各ページの符号化データは、1つの画像データを複数に分割して符号化したものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項4乃至6のいずれか1に記載の画像形成装置において、前記各ページの符号化データの少なくとも1ページは、ダミーデータであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
ファクシミリ送信を行う機能を備えた画像形成装置の秘匿データ送信方法において、入力された画像データを符号化するステップと、通信相手との間で秘匿にしたいデータを秘匿データとして取得するステップと、前記画像データを符号化した符号化データをページ単位でファクシミリ送信するときに、当該ページの最後に前記秘匿データを付加して送信するステップとを有することを特徴とする秘匿データ送信方法。
【請求項11】
前記ページの最後に前記秘匿データを付加して送信する旨を、前記通信相手の他の画像形成装置に通知し、該他の画像形成装置から送信許可の通知を受け取ったときに、ファクシミリ送信を開始することを特徴とする請求項10に記載の秘匿データ送信方法。
【請求項12】
1ページ分の符号化データは、複数のラインで構成され、前記1ページ分の符号化データの最終ラインの後に、当該ページの終了を示す終了符号を付加し、さらに、該終了符号の後に前記秘匿データを付加してファクシミリ送信することを特徴とする請求項10又は11に記載の秘匿データ送信方法。
【請求項1】
ファクシミリ送信を行う機能を備えた画像形成装置において、入力された画像データを符号化する手段と、該符号化した符号化データをページ単位でファクシミリ送信する手段と、通信相手との間で秘匿にしたいデータを秘匿データとして取得する手段とを備え、前記符号化データをページ単位でファクシミリ送信するときに、当該ページの最後に前記秘匿データを付加して送信することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、前記ページの最後に前記秘匿データを付加して送信する旨を、前記通信相手の他の画像形成装置に通知し、該他の画像形成装置から送信許可の通知を受け取ったときに、ファクシミリ送信を開始することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成装置において、1ページ分の符号化データは、複数のラインで構成され、前記1ページ分の符号化データの最終ラインの後に、当該ページの終了を示す終了符号を付加し、さらに、該終了符号の後に前記秘匿データを付加してファクシミリ送信することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置において、前記秘匿データは、複数の部分に分割されており、各ページの符号化データの最後に付加された終了符号の後に、前記秘匿データの各部分を順番に付加してファクシミリ送信することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項3に記載の画像形成装置において、前記秘匿データは、符号化データのいずれか1ページを複数の部分に分割したものであり、各ページの符号化データの最後に付加された終了符号の後に、前記秘匿データの各部分を順番に付加してファクシミリ送信することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項3に記載の画像形成装置において、前記秘匿データは、暗号化されて複数の部分に分割されており、各ページの符号化データの最後に付加された終了符号の後に、前記秘匿データの各部分を順番に付加して送信する際に、前記秘匿データを復号するための暗号鍵をいずれかのページに含めてファクシミリ送信することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項4乃至6のいずれか1に記載の画像形成装置において、前記各ページの符号化データは、別々の画像データを符号化したものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項4乃至6のいずれか1に記載の画像形成装置において、前記各ページの符号化データは、1つの画像データを複数に分割して符号化したものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項4乃至6のいずれか1に記載の画像形成装置において、前記各ページの符号化データの少なくとも1ページは、ダミーデータであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
ファクシミリ送信を行う機能を備えた画像形成装置の秘匿データ送信方法において、入力された画像データを符号化するステップと、通信相手との間で秘匿にしたいデータを秘匿データとして取得するステップと、前記画像データを符号化した符号化データをページ単位でファクシミリ送信するときに、当該ページの最後に前記秘匿データを付加して送信するステップとを有することを特徴とする秘匿データ送信方法。
【請求項11】
前記ページの最後に前記秘匿データを付加して送信する旨を、前記通信相手の他の画像形成装置に通知し、該他の画像形成装置から送信許可の通知を受け取ったときに、ファクシミリ送信を開始することを特徴とする請求項10に記載の秘匿データ送信方法。
【請求項12】
1ページ分の符号化データは、複数のラインで構成され、前記1ページ分の符号化データの最終ラインの後に、当該ページの終了を示す終了符号を付加し、さらに、該終了符号の後に前記秘匿データを付加してファクシミリ送信することを特徴とする請求項10又は11に記載の秘匿データ送信方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−13583(P2007−13583A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−191798(P2005−191798)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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