説明

画像形成装置及び部品交換管理システム

【課題】画像形成装置に備えられたユニット内の部品交換状況をユーザが確認できるようにする。
【解決手段】本発明に係る画像形成装置によれば、制御部10は、電源ON時、パワーセーブモードからの復帰時、ユーティリティ起動時に、リーダライタ部60を介してユニットU1〜Unのそれぞれについて、ユニットに取り付けられたICタグ70のユニット管理情報及び部品管理情報を読み出し、この読み出したユニット管理情報及び部品管理情報に基づいて前記ユニット内の部品交換の有無を判断し、部品交換有りと判断した場合に、交換された部品を示す情報を表示部22に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び部品交換管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の交換可能な部品を一まとまりにした着脱可能なユニットを備えた画像形成装置が知られている。このような画像形成装置においては、ある部品が寿命に到達したり故障が発生したりした場合に、該当する部品を搭載したユニットが画像形成装置から引き出されて交換される。交換後のユニットは回収され、寿命に達した或いは故障した部品が新しいものに交換され、再利用される。
【0003】
従来、ユニットの交換は、サービスマンにより行われていた。しかし、サービスマンによるユニットの交換は画像形成装置の長時間停止(ダウンタイム)が発生する。そこで、近年では、部品が寿命に近くなった場合や部品に故障が発生した場合に、サービスマンを待たずにユーザ自身でユニットを交換することが可能な画像形成装置が提案されている。
【0004】
また、ユニットの交換性を改善した設計を織り込んだ画像形成装置も提案されている。例えば、特許文献1には、ユニットに搭載された少なくとも一つの構成要素の残り寿命が予め定められた基準値以下であるときにユニット交換をすべき旨の警告メッセージを表示する技術が記載されている。また、特許文献2には、ユニットの着脱を検知したときにユニットに搭載されたIDチップからユニットの情報を取得することで、データ処理時間を短縮する技術が記載されている。また、特許文献3には、交換されたユニットが予め定められたユニットでない場合に、管理システムとの間で制御情報等のやり取りを行い、交換されたユニットの種別に応じた調整等を行う画像形成装置が記載されている。
【特許文献1】特開2005−234316号公報
【特許文献2】特開2007−316251号公報
【特許文献1】特開2005−77525号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、画像形成装置から引き出されたユニットは、サービスマン等により部品交換がなされるが、従来、ユニット内のどの部品が交換されたのかをユーザが把握することはできなかった。また、部品の交換に対して課金を行う場合、寿命により部品が交換されたのか、部品の故障により寿命に達する前に交換されたのか、どの程度まで部品を使用できたのか等が不明であったため、課金が正当なのか否かをユーザが判断することはできなかった。また、そもそも部品の寿命時期として設定されている使用回数がユーザの要求する画質レベルに合致していないこともあった。
【0006】
本発明の課題は、画像形成装置に備えられたユニット内の部品交換状況をユーザが確認できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の画像形成装置は、
交換可能な複数の部品が搭載された着脱可能なユニットと、
前記ユニットに取り付けられ、当該ユニットのユニット管理情報及び当該ユニット内の各部品の部品管理情報が記録された記録媒体と、
前記記録媒体からのデータの読み出し及びデータの前記記録媒体へのデータの書き込みを行うリーダライタ部と、
表示部と、
前記リーダライタ部を介して前記記録媒体から前記ユニット管理情報及び前記ユニット内の各部品の部品管理情報を読み出し、この読み出した前記ユニット管理情報及び前記各部品の部品管理情報に基づいて前記ユニット内の部品交換の有無を判断し、部品交換有りと判断した場合に、交換された部品を示す情報を前記表示部に表示させる制御部と、
を備える。
【0008】
また、本発明の部品交換管理システムは、
交換可能な複数の部品が搭載されたユニットが着脱可能に構成された画像形成装置の部品交換管理システムであって、
前記ユニットには、当該ユニットのユニット管理情報及び当該ユニット内の各部品の部品管理情報が記録された記録媒体が取り付けられ、
前記画像形成装置に装着された前記ユニットの前記記録媒体からのデータの読み出し及びデータの前記記録媒体へのデータの書き込みを行うリーダライタ部と、
表示部と、
前記リーダライタ部を介して前記画像形成装置に装着された前記ユニットの前記記録媒体から前記ユニット管理情報及び前記ユニット内の各部品の部品管理情報を読み出し、この読み出した前記ユニット管理情報及び前記各部品の部品管理情報に基づいて前記ユニット内の部品交換の有無を判断し、部品交換有りと判断した場合に、交換された部品を示す情報を前記表示部に表示させる制御部と、
を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像形成装置に備えられたユニット内の部品交換状況をユーザが確認することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図を参照して、本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。
まず、構成を説明する。
図1に、本実施の形態における画像形成装置100の機能構成例を示す。図1に示すように、画像形成装置100は、制御部10、操作部20、スキャナ部30、通信部40、プリンタ部50、リーダライタ部60、電源部80等を備えて構成されている。
【0011】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。制御部10のROMには、各種処理プログラムが記憶されており、制御部10のCPUは、ROMに記憶されている各種プログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムに従って画像形成装置100の各部の動作を制御する。
【0012】
制御部10には、本体メモリ11が接続されている。本体メモリ11は、不揮発メモリ等により構成され、図1に示すように、ユニット管理情報領域111、部品管理情報領域112を有している。
【0013】
図2(a)に、ユニット管理情報領域111のデータ格納例を示す。
ここで、画像形成装置100のプリンタ部50には、図1に示すように、交換可能な複数の部品が搭載された交換可能なユニットU1〜Unが備えられている。プリンタ部50に備えられるユニットの数は、一であっても複数であってもよく、特に限定されない。ユニット管理情報領域111は、図2(a)に示すように、プリンタ部50に搭載されている各ユニットU1〜Un毎に、当該ユニットのシリアル番号D1、ユニットカウンタD2、ユニット交換回数D3、ユニット寿命カウント値D4により構成されるユニット管理情報を格納する。
【0014】
シリアル番号D1は、ユニットの個体を識別するための個体識別情報である。ユニットカウンタD2は、ユニットの使用回数をプリント数(プリントカウント値)で表した値である。なお、両面プリントの場合は片面を1プリントとしてカウントした値である。ユニット交換回数D3は、ユニットの交換回数(着脱回数)を示す値である。ユニット寿命カウント値D4は、ユニットの寿命時期をプリントカウント値で表したものである。
【0015】
図2(b)に、部品管理情報領域112のデータ格納例を示す。
図2(b)に示すように、部品管理情報領域112には、各ユニットU1〜Un毎に、当該ユニットに搭載されている各部品の部品IDD10、トータル交換回数D11、部品寿命カウント値D12、部品コストD13、部品交換回数D14、部品カウンタD15等の部品管理情報を格納する。
トータル交換回数D11は、画像形成装置100が設置されてから現在までの間に当該部品が交換された回数である。
部品寿命カウント値D12は、部品の寿命時期を示すプリントカウント値である。この部品寿命カウント値D12は、後述する部品寿命値設定画面220(図3参照)より設定された値である。
部品交換回数D14は、現在使用されているユニットにおいて当該部品が交換された回数である。
部品カウンタD15は、現在使用されている部品の使用回数をプリント数(プリントカウント値)で表した値である。
【0016】
なお、各部品の部品寿命カウント値D12、部品コストD13は、通信ネットワークを介して接続されたホスト装置200等により管理してもよい。
また、本体メモリ11には、図示しないがユニットU1〜Unに搭載される各部品の寿命基準値が予め記憶されている。寿命基準値は、メーカにより予め定められた各部品の寿命時期を示すプリントカウント値である。
本実施の形態において、本体メモリ11は、部品寿命カウント値記憶部として機能する。
【0017】
操作部20は、キー入力部21、表示部22等を備えて構成されている。図3に、操作部20の一例を示す。
キー入力部21は、図3に示すように、テンキー211、スタートキー212、YESキー213、NOキー214、電源のON/OFFを切り替える電源キー等の各種操作キーを備え、キー操作による操作信号を制御部10に出力する。
表示部22は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、制御部10から入力される表示信号の指示に従って、各種操作画面、画像の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。
【0018】
本実施の形態において、表示部22は、部品寿命カウント値D12を設定するための設定部としての部品寿命値設定画面220を表示する。
図3は、表示部22に部品寿命値設定画面220が表示された場合の操作部20を示している。部品寿命値設定画面220には、「1.高画質ユーザ」「2.ノーマルユーザ」「3.エコノミーユーザ」等のユーザのタイプを選択するための選択肢が表示されている。この3つのタイプの何れを選択するかは、例えば、画像形成装置100の契約時に決定され、当該部品寿命値設定画面220を介してサービスマン等により設定される。
高画質ユーザは、例えば、印刷業者等、プリント物の高品質な仕上がりを要求するユーザである。テンキー211により「1.高品質ユーザ」が選択されると、制御部10により、本体メモリ11に予め記憶されている各部品の寿命基準値に1以下の係数、例えば0.8等が乗算され、部品管理情報領域112の部品寿命カウント値D12に設定される。 ノーマルユーザは、標準的な仕上がりを要求するユーザである。テンキー211により「2.ノーマルユーザ」が選択されると、制御部10により、本体メモリ11に予め記憶されている各部品の寿命基準値が部品管理情報領域112の部品寿命カウント値D12に設定される。
エコノミーユーザは、例えば、プリント物の仕上がりよりコストを重視するユーザである。テンキー211により「3.エコノミーユーザ」が選択されると、制御部10により、本体メモリ11に予め記憶されている各部品の寿命基準値に1以上の係数、例えば1.5等が乗算され、部品管理情報領域112の部品寿命カウント値D12に設定される。
【0019】
スキャナ部30は、プラテンガラスと、CCD(Charge Coupled Device)と、光源とを備え、光源から原稿へ照明走査した光の反射光をCCDにより結像して光電変換することにより所定の位置にセットされた原稿の画像をR、G、B信号として読み取り、読み取ったアナログ画像信号をR、G、Bの画像データに変換して制御部10に出力する。
【0020】
通信部40は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された伝送媒体に接続可能なインターフェースである。通信部40は、例えばLANカード等の通信制御カードにより構成され、LANケーブル等の通信回線を介して通信ネットワークに接続された画像データ送信用のホスト装置200、サービスセンターの管理サーバ300等の外部装置との間で各種データの送受信を行う。ホスト装置200、管理サーバ300は、CPU等を備えた制御部、操作部、表示部、記憶部、通信部を備えたコンピュータである。
【0021】
プリンタ部50は、給紙ユニットであるユニットU1、現像ユニットであるユニットU2、ドラムユニットであるユニットU3、中間転写ユニットであるユニットU4、定着ユニットであるユニットU5、露光ユニットであるユニットU6等の交換可能な各ユニットU1〜Unを有し、電子写真プロセスにより用紙に画像形成(プリント)を行う。すなわち、プリンタ部50は、制御部10から入力された画像データに基づいてユニットU6から発せられるレーザービームによりユニットU3の感光体ドラムを露光走査し、静電潜像を形成する。次いで、ユニットU2において現像剤を感光体ドラムに吸着させてトナー像を形成させる。この感光体ドラムに形成されたトナー像は、ユニットU4の1次転写ローラに転写された後、ユニットU1の給紙ローラにより搬送される用紙に転写される。用紙に転写されたトナー像は、定着ユニットU5の定着ローラにより熱定着される。
【0022】
プリンタ部50の各ユニットU1〜Unは、用紙へプリントを行うことで消耗する部品を有している。例えば、ユニットU1が有する部品としては、用紙を搬送する給紙ローラ、当該給紙ローラへ駆動源(特に図示しない)からの動力を伝達するための給紙クラッチなどがある。これらの消耗する部品は交換可能となっており、部品カウンタD15の値が部品寿命カウント値D12の値に到達した場合には、ユーザによりその部品が搭載されたユニットが引き出され、新しい部品が搭載されたユニットに交換される。或いは、部品の交換後、そのユニットが再度装着される。
【0023】
なお、プリンタ部50は、電子写真プロセスにより用紙に画像形成を行う構成を例示したが、インクジェット方式、熱転写方式などにより用紙に画像形成を行う構成であってもよい。例えばインクジェット方式の場合は、インクタンクやインクノズルなどがメンテナンス対象のユニット又は部品となる。
【0024】
本実施の形態において、プリンタ部50に装着される各ユニットには、記録媒体としてのICタグ70が取り付けられている。
図4に、ICタグ70のデータ格納例を示す。ICタグ70は、図4に示すように、ユニット管理情報領域701、部品管理情報領域702を有している。
【0025】
ユニット管理情報領域701は、当該ユニットのシリアル番号T1、ユニットカウンタT2、ユニット交換回数T3等のユニット管理情報を格納する。シリアル番号T1、ユニットカウンタT2、ユニット交換回数T3は、それぞれ本体メモリ11に格納されるシリアル番号D1、ユニットカウンタD2、ユニット交換回数D3と同様の形式のデータである。
【0026】
部品管理情報領域702は、当該ユニットに搭載されている各部品毎に、部品IDT10、交換フラグT11、交換前カウント値T12、部品交換回数T14、部品カウンタT15等の部品管理情報を格納する。
交換フラグT11は、交換が必要であるか否かを示す情報である。「10」は、交換が必要であることを示し、「01」は、交換済みであることを示す。なお、交換済み「01」である部品を含むユニットが画像形成装置100に装着され画像形成装置100における使用が開始されると、交換フラグT11は「01」から初期状態の「00」に変更される。
交換前カウント値T12は、交換前の旧部品における部品カウンタT15の値である。これらのICタグ70の部品管理情報は、サービスマンによる部品交換時に専用のアプリケーションが搭載されたPC(パーソナルコンピュータ)及びリーダライタによって更新される。
部品IDT10、部品交換回数T14、部品カウンタT15は、それぞれ本体メモリ11に格納される部品IDD10、部品交換回数D14、部品カウンタD15と同様の形式のデータである。
【0027】
図1に戻り、リーダライタ部60は、ICタグ通信制御部61、アンテナ駆動回路621〜62n、アンテナ631〜63nを備えて構成される。アンテナ駆動回路621〜62n、アンテナ631〜63nは、それぞれユニットU1〜Unに対応しており、アンテナ631〜63nは、それぞれユニットU1〜Unに対向する位置に設けられている。ICタグ通信制御部61は、制御部10からの指示に基づいてアンテナ駆動回路621〜62nを制御し、アンテナ631〜63nを介してユニットU1〜UnのICタグ70を電磁誘導し、非接触通信によりデータ送受信を行う。そして、ユニットU1〜UnのICタグ70へのデータの読み書きを行う。
【0028】
電源部80は、図示しない商用交流電源に接続され、商用交流電源から入力されたAC(交流)電源電力をDC(直流)電源電力に変換し、必要な電圧を各部にそれぞれ供給する。電源部80は制御部10からの制御命令に従って電源供給を行う。
【0029】
次に、本実施の形態における動作について説明する。
画像形成装置100においては、プリンタ部50で片面分のプリントが行われる毎に、制御部10により本体メモリ11の各部品の部品カウンタD15が1インクリメントされる。プリンタ部50で一連のプリント(ジョブ)が終了すると、制御部10により部品管理情報領域112に記憶されている各部品の部品寿命カウント値D12と部品カウンタD15が比較され、寿命に到達した部品があるか否かが判断される。部品カウンタD15≧部品寿命カウント値D12の部品、即ち、寿命に到達した部品が存在する場合、表示部22に部品交換報知画面(図示せず)が表示される。部品交換報知画面には、部品交換すべき部品名、即ち、寿命に到達した部品名と、交換すべき部品を搭載したユニットの交換を促すメッセージが表示される。
【0030】
上述の部品の寿命到達時、又は電源キーの操作による電源OFF指示時、パワーセーブモード移行時には、制御部10によりICタグ情報更新処理(図5参照)が実行され、本体メモリ11に記憶されている情報に基づいて各ユニットU1〜UnのICタグ70の情報が更新される。部品の寿命到達時、又は電源OFF時、パワーセーブモード時に更新するのは、ユニットU1〜Unを取り外して部品やユニットU1〜Unの交換が行われる可能性があるためである。
【0031】
以下、図5を参照して、ICタグ情報更新処理について説明する。当該処理は、制御部10により実行される処理である。
まず、変数iに1が代入され(ステップS1)、リーダライタ部60によりユニットUiに取り付けられているICタグ70からシリアル番号T1が読み出される(ステップS2)。
【0032】
次いで、ユニットUiのICタグ70から読み出されたシリアル番号T1と、本体メモリ11に記憶されているユニットUiのシリアル番号D1がそれぞれ比較され、両者が一致するか否かが判断される(ステップS3)。ユニットUiについてのシリアル番号T1とシリアル番号D1とが一致すると判断されると(ステップS3;YES)、本体メモリ11に記憶されているユニットUiのユニットカウンタD2、部品カウンタD15の情報によりユニットUiのICタグ70に記憶されている対応する情報、即ち、ユニットカウンタT2、部品カウンタT15の情報がそれぞれ更新される(ステップS4)。ユニットUiに搭載されている部品が寿命に到達していない場合には(ステップS5;NO)、処理はステップS11に移行する。ユニットUiに搭載されている部品が寿命に到達している場合には(ステップS5;YES)、リーダライタ部60を介してユニットUiのICタグ70に記憶されている該当する部品の交換フラグT11が「00」→「10」に変更され(ステップS6)、処理はステップS11に移行する。
【0033】
一方、ユニットUiについてのシリアル番号T1とシリアル番号D1とが一致しないと判断されると(ステップS3;NO)、表示部22に警告画面が表示される(ステップS7)。ここで、ステップS3においてユニットUiについてのシリアル番号T1とシリアル番号D1とが一致しないと判断されたということは、電源投入中にユニットUiの交換が行われたことを示し、異常である。そこで、表示部22には、その旨をユーザに報知する警告画面が表示される。なお、警告画面においては、サービスコールを行うこと又は当該ユニットUiにおけるICタグ70の情報の更新は行わないことの何れかをユーザが選択できるようになっている。本実施の形態においてはYESキー213の押下によりサービスコールが選択でき、NOキー214の押下によりICタグ70の情報の更新は行わないことを選択することができるものとする。
【0034】
表示部22に表示された警告画面からYESキー213が押下されサービスコールが選択されると(ステップS8;YES)、サービスセンターへのサービスコールが実行され(ステップS9)、処理はステップS11に移行する。表示部22に表示された警告画面からNOキー214が押下され更新しないことが選択されると(ステップS8;NO)、本体メモリ11にエラーの内容及びユーザの操作の履歴が記憶され(ステップS10)、処理はステップS11に移行する。
【0035】
ステップS11においては、変数i≧ユニット数nであるか否かが判断され、変数i≧ユニット数nではないと判断されると(ステップS11;NO)、変数iが1インクリメントされ(ステップS12)、処理はステップS2に戻る。変数i≧ユニット数nである、即ち、全てのユニットU1〜UnについてICタグ70に記憶されているシリアル番号T1と本体メモリ11のシリアル番号D1の比較が終了したと判断されると(ステップS11;YES)、本処理は終了する。
【0036】
上記ICタグ情報更新処理の実行により、電源OFF等にユニットが取り外される前に、本体メモリ11に記憶されているユニットカウンタや部品カウンタの情報を各ユニットのICタグ70に反映させておくことができる。
【0037】
部品が寿命に到達したことにより、或いは、部品の不具合等により部品交換を行う場合、ユーザは、交換対象の部品が搭載されているユニットを本体から取り外す。本体から取り外されたユニットは、その場でサービスマンにより部品交換されるか又はサービスセンターに搬送され、部品交換される。この間、予備のユニットが装着される場合もあるし、部品の交換を待って同一ユニットを装着する場合もある。
【0038】
サービスマンは、以下の手順で部品交換を行う。
(1)ユニットのICタグ70のユニット管理情報及び部品管理情報を専用のアプリケーションが搭載されたPC及びリーダライタにより読み出し、交換対象部品、即ち、部品カウンタD15≧部品寿命カウント値D12の部品や、磨耗している或いは損傷している部品を確認する。
(2)部品を交換する。
(3)ICタグ70のユニット管理情報及び交換した部品についての部品管理情報を上記PCとリーダライタにより更新する。具体的に、以下の更新を行う。
・ユニット交換回数T3を1インクリメントする。
・部品交換回数T14を1インクリメントする。
・部品カウンタT15を交換前カウント値T12にコピーする。
・部品カウンタT15を「0」にクリアする。
・交換フラグT11を「10」→「01」に変更する。
即ち、サービスマンが部品交換を行ったユニットについては、何れかの部品について交換フラグT11が交換済みであることを示す「01」となっており、かつ、部品カウンタT15が「0」となっている。このユニットが再び画像形成装置100の本体に装着される。
【0039】
本体情報更新処理(図6参照)は、電源ON時、パワーセーブモードからの復帰時、ユーティリティ起動時に制御部10により実行され、各ユニットU1〜UnのICタグ70に記憶されている情報及び本体メモリ11に記憶されている情報に基づいて、ユニットや部品の交換有無の判断、ICタグ70に記憶されている情報による本体メモリ11に記憶されている情報の更新等が行われる。
【0040】
以下、図6を参照して、本体情報更新処理について説明する。当該処理は、制御部10により実行される処理である。
まず、変数iに1が代入され(ステップS21)、リーダライタ部60によりユニットUiに取り付けられているICタグ70からユニット管理情報及び部品管理情報が読み出される(ステップS22)。
【0041】
次いで、読み出されたシリアル番号T1と、本体メモリ11に記憶されているユニットUiのシリアル番号D1が比較され、両者が一致するか否かが判断される(ステップS23)。ユニットUiについてのシリアル番号T1とシリアル番号D1とが一致すると判断されると(ステップS23;YES)、当該ユニットUiについてはユニット交換が行われていないと判断され、部品交換チェック処理が実行される(ステップS24)。
【0042】
図7に、図6のステップS24において制御部10により実行される部品交換チェック処理のフローを示す。
【0043】
部品交換チェック処理においては、まず、ICタグ70から読み出されたユニット管理情報及び部品管理情報が参照され、ユニットUiについて、ユニット交換回数T3がカウントアップされており(ユニット交換回数T3=ユニット交換回数D3+1)、かつ、何れかの部品について“交換フラグT11=「01」、部品カウンタT15=「0」”となっているか否かが判断される(ステップS101)。ここで、上述のように、ユニットが本体から取り外されサービスマンが部品交換作業を行った場合、ICタグ70のユニット交換回数T3が1インクリメントされるとともに、交換フラグT11=「01」、部品カウンタT15=「0」が書き込まれる。従って、ユニットUiのユニット交換回数T3がカウントアップされており、かつ、何れかの部品について、“交換フラグT11=「01」、部品カウンタT15=「0」”となっている場合、その部品について部品交換が行われたことが分かる。
【0044】
ユニットUiについて、ユニット交換回数T3がカウントアップされていないか又は、“交換フラグT11=「01」、部品カウンタT15=「0」”ではないと判断されると(ステップS101;NO)、処理は図6のステップS26に移行する。
【0045】
ユニットUiについて、ユニット交換回数T3がカウントアップされており、かつ、何れかの部品について“交換フラグT11=「01」、部品カウンタT15=「0」”となっている、即ち、ユニットUiにおいて部品交換が行われたと判断されると(ステップS101;YES)、制御部10のRAMに部品交換実施情報(該当する部品の部品ID等)が記憶される(ステップS102)。
【0046】
次いで、ステップS101の条件に該当する部品の交換前カウント値T12と本体メモリ11の部品管理情報領域112に記憶されている当該部品(部品IDが一致する部品)の部品寿命カウント値D12の情報に基づいて交換前の部品の使用率及び課金情報としての請求金額が算出される(ステップS103)。
使用率は、例えば、以下の(式1)により算出することができる。
使用率=交換前カウント値T12/部品寿命カウント値D12・・・(式1)
また、請求金額は、例えば、以下の(式2)により算出することができる。
請求金額=使用率×部品コスト
なお、課金情報としては、請求金額でなくてもよく、例えば、正規の価格(例えば、部品コストD13)を基準として、対基準割合(例えば、使用率が90%であれば、90%)、対基準増減(例えば、使用率が90%であれば、−10%等)で算出することとしてもよい。
【0047】
交換前の部品の使用率及び請求金額が算出されると、表示部22に部品交換画面221が表示される(ステップS104)。
図8に、部品交換画面221の一例を示す。図8に示すように、部品交換画面221には、「以下の部品の交換を検出しました」等のメッセージとともに、部品交換されたユニット名(例えば、○○ユニット)、部品名(例えば、××ローラ、△△ベルト)、使用率(例えば、100%、50%)等が表示される。また、「上記部品交換を承認しますか」等のメッセージと「YES」「NO」の選択ボタンが表示される。
【0048】
部品交換画面221が表示された状態でYESキー213が押下され、部品交換が承認されると(ステップS105;YES)、表示部22に課金情報画面222が表示される(ステップS106)。
図9に、課金情報画面222の一例を示す。図9に示すように、課金情報画面222には、交換日(例えば、2007/6/10、2008/10/8)、部品交換されたユニット名(□□ユニット、○○ユニット)、部品名(○○ギア、××ローラ、△△ベルト)、請求金額($QQ、$AA、$CC)、請求合計金額($QAB)等が表示される。また、「上記請求金額を承認しますか」等のメッセージと「YES」「NO」の選択ボタンが表示される。なお、課金情報としては、請求金額に限られず、上述のように、正規の価格に対する対基準割合、対基準増減を表示することとしてもよい。
【0049】
課金情報画面222が表示された状態でYESキー213が押下され、請求金額が承認されると(ステップS107;YES)、本体メモリ11に承認履歴情報が保存される(ステップS108)。承認履歴情報は、部品交換の対象となったユニット名、部品名、交換前部品の使用率、請求金額、承認日時等の情報である。そして、本体メモリ11におけるユニットUiのユニット管理情報及び部品管理情報がユニットUiのICタグ70から読み出されたユニット管理情報及び部品管理情報により更新される(ステップS109)。具体的には、ユニットカウンタT2によりユニットカウンタD2が更新され、ユニット交換回数T3によりユニット交換回数D3が更新される。また、交換された部品(ステップS101の条件に該当した部品)について、当該部品の部品交換回数T14により部品交換回数D14が更新され、部品カウンタT15により部品カウンタD15が更新される。また、当該部品の交換フラグT11が「01」の交換フラグが「00」に変更される。更に、トータル交換回数D11が1インクリメントされる。そして、処理は図6のステップS26に移行する。
【0050】
一方、ステップS105においてNOキー214が押下された、即ち部品交換が承認されなかった場合(ステップS105;NO)、又はステップS107においてNOキー214が押下され、請求金額が承認されなかった場合(ステップS107;NO)、表示部22に警告画面(図示せず)が表示される(ステップS110)。なお、警告画面においては、サービスコールを行うこと又は当該警告表示をキャンセルして処理を終了することの何れかをユーザが選択できるようになっている。本実施の形態においてはYESキー213の押下によりサービスコールが選択でき、NOキー214の押下により警告表示のキャンセルを選択することができるものとする。
【0051】
表示部22に表示された警告画面からYESキー213が押下されサービスコールが選択されると(ステップS111;YES)、サービスセンターへのサービスコールが実行され(ステップS112)、処理は図6のステップS26に移行する。表示部22に表示された警告画面からNOキー214が押下されると(ステップS111;NO)、本体メモリ11にエラーの内容及びユーザの操作の履歴が記憶され(ステップS113)、処理は図6のステップS26に移行する。
【0052】
一方、図6のステップS23において、ユニットUiのシリアル番号D1とシリアル番号T1が一致しないと判断されると(ステップS23;NO)、ユニット交換チェック処理が実行される(ステップS25)。
【0053】
図10〜図11に、図6のステップS25において制御部10により実行されるユニット交換チェック処理のフローを示す。
【0054】
ユニット交換チェック処理においては、まず、制御部10のRAMにユニット交換実施情報(該当するユニットUiを特定する情報等)が記憶される(ステップS201)。
【0055】
次いで、ユニットUiから読み出された部品管理情報が参照され、何れかの部品について、“交換フラグT11=「01」、部品カウンタT15=「0」”となっているか否かが判断される(ステップS202)。
【0056】
ユニットUiの何れの部品についても“交換フラグT11=「01」、部品カウンタT15=「0」”となっていないと判断されると(ステップS202;NO)、表示部22に「△△ユニットは交換されましたが、部品交換はされていません。ユニット交換を承認しますか」等のユニット交換確認画面(図示せず)が表示される(ステップS203)。ここで、ユニットUiのシリアル番号T1とシリアル番号D1が一致しないがユニットUiの何れの部品についても“交換フラグT11=「01」、部品カウンタT15=「0」”となっていないということは、ユニットUiのユニット交換が行われたがサービスマンの部品交換作業を経ていないユニットが新たに取り付けられたことを意味する。
【0057】
ユニット交換確認画面が表示された状態でYESキー213が押下され、ユニット交換が承認されると(ステップS204;YES)、本体メモリ11におけるユニットUiについてのユニット管理情報及び部品管理情報がユニットUiのICタグ70から読み出されたユニット管理情報及び部品管理情報により更新される(ステップS205)。具体的に、シリアル番号T1によりシリアル番号D1が更新され、ユニットカウンタT2によりユニットカウンタD2が更新され、ユニット交換回数T3によりユニット交換回数D3が更新される。また、ユニットUiの全部品について、部品交換回数T14により部品交換回数D14が更新され、部品カウンタT15により部品カウンタD15が更新される。また、交換した部品の交換フラグT11が「01」→「00」に変更される。更に、トータル交換回数D11が1インクリメントされる。そして、処理は図6のステップS26に移行する。
【0058】
ユニット交換確認画面が表示された状態でNOキー214が押下され、ユニット交換が承認されなかった場合(ステップS204;NO)、表示部22に警告画面(図示せず)が表示される(ステップS206)。警告画面においては、サービスコールを行うこと又は当該警告表示をキャンセルして処理を終了することの何れかをユーザが選択できるようになっている。本実施の形態においてはYESキー213の押下によりサービスコールが選択でき、NOキー214の押下により警告表示のキャンセルを選択することができるものとする。
【0059】
表示部22に表示された警告画面からYESキー213が押下されサービスコールが選択されると(ステップS207;YES)、サービスセンターへのサービスコールが実行され(ステップS208)、処理は図6のステップS26に移行する。表示部22に表示された警告画面からNOキー214が押下されると(ステップS207;NO)、本体メモリ11にエラーの内容及びユーザの操作の履歴が記憶され(ステップS209)、処理は図6のステップS26に移行する。
【0060】
一方、ステップS202において、ユニットUiの何れかの部品について“交換フラグT11=「01」、部品カウンタT15=「0」”となっている、即ち、ユニットUiにおいて部品交換が行われたと判断されると(ステップS202;YES)、該当する部品の交換前カウント値T12と本体メモリ11の部品管理情報領域112に記憶されている当該部品(部品IDが一致する部品)の部品寿命カウント値D12の情報に基づいて交換前の部品の使用率及び請求金額が算出される(ステップS210)。使用率及び請求金額の算出方法は、図7のステップS103で説明したのと同様であるので説明は省略する。
【0061】
交換前の部品の使用率及び請求金額が算出されると、表示部22に部品交換画面221(図8参照)が表示される(ステップS211)。
【0062】
部品交換画面221が表示された状態でYESキー213が押下され、部品交換が承認されると(ステップS212;YES)、表示部22に課金情報画面222(図9参照)が表示される(ステップS213)。
【0063】
課金情報画面222が表示された状態でYESキー213が押下され、請求金額が承認されると(ステップS214;YES)、本体メモリ11に承認履歴情報が保存される(ステップS215)。承認履歴情報は、交換されたユニット名、部品名、交換前部品の使用率、請求金額、承認日時等の情報である。そして、本体メモリ11におけるユニットUiのユニット管理情報及び部品管理情報がユニットUiのICタグ70から読み出されたユニット管理情報及び部品管理情報により更新される(ステップS216)。具体的には、シリアル番号T1によりシリアル番号D1が更新され、ユニットカウンタT2によりユニットカウンタD2が更新され、ユニット交換回数T3によりユニット交換回数D3が更新される。また、交換された部品(ステップS202の条件に該当した部品)について、当該部品の部品交換回数T14により部品交換回数D14が更新され、部品カウンタT15により部品カウンタD15が更新される。また、当該部品の交換フラグT11が「01」→「00」に変更される。更に、トータル交換回数D11が1インクリメントされる。そして、処理は図6のステップS26に移行する。
【0064】
一方、ステップS212においてNOキー214が押下された、即ち部品交換が承認されなかった場合(ステップS212;NO)、又はステップS214においてNOキー214が押下され、請求金額が承認されなかった場合(ステップS214;NO)、表示部22に警告画面が表示される(ステップS217)。なお、警告画面においては、サービスコールを行うこと又は当該警告表示をキャンセルして処理を終了することの何れかをユーザが選択できるようになっている。本実施の形態においてはYESキー213の押下によりサービスコールが選択でき、NOキー214の押下により警告表示のキャンセルを選択することができるものとする。
【0065】
表示部22に表示された警告画面からYESキー213が押下されサービスコールが選択されると(ステップS218;YES)、サービスセンターへのサービスコールが実行され(ステップS212)、処理は図6のステップS26に移行する。表示部22に表示された警告画面からNOキー214が押下されると(ステップS218;NO)、本体メモリ11にエラーの内容及びユーザの操作の履歴が記憶され(ステップS219)、処理は図6のステップS26に移行する。
【0066】
図6のステップS26においては、変数i≧ユニット数nであるか否かが判断され、変数i≧ユニット数nではないと判断されると(ステップS26;NO)、変数iが1インクリメントされ(ステップS27)、処理はステップS22に戻る。変数i≧ユニット数nである、即ち、全てのユニットU1〜Unについて処理が終了したと判断されると(ステップS26;YES)、RAMに記憶されている情報に基づいて、部品交換またはユニット交換が実施されたか否かが判断され、部品交換又はユニット交換が実施されなかったと判断されると(ステップS28;NO)、本処理は終了する。部品交換又はユニット交換が実施されたと判断されると(ステップS28;YES)、交換された部品又はユニットに応じて調整が実行され(ステップS29)、本処理は終了する。
【0067】
以上説明したように、画像形成装置100によれば、制御部10は、電源ON時、パワーセーブモードからの復帰時、ユーティリティ起動時に、リーダライタ部60を介してユニットU1〜Unのそれぞれについて、ユニットに取り付けられたICタグ70のユニット管理情報及び部品管理情報を読み出し、この読み出したユニット管理情報及び部品管理情報に基づいて前記ユニット内の部品交換の有無を判断し、部品交換有りと判断した場合に、交換された部品を示す情報を表示部22に表示させる。
【0068】
従って、画像形成装置に備えられたユニット内の部品交換状況をユーザが確認することが可能となる。
【0069】
また、表示部22に表示された部品交換の内容をユーザが確認した上で、その部品交換を承認するか否かを入力することが可能となる。
【0070】
また、交換された部品の交換前カウント値T12と部品寿命カウント値D12とに基づいて当該交換された部品の寿命に対する使用率を算出するとともに、当該算出された使用率及び当該部品のコストに基づき交換された部品に対する課金情報を算出し、算出された使用率及び課金情報を表示部22に表示するので、どの程度まで部品を使用できたのか、課金が正当なのか否かをユーザが確認することが可能となる。
【0071】
課金情報としては、請求金額として表示してもよいし、正規の価格(ここでは部品コスト)に対する対基準割合や対基準増減により表示することも可能である。また、部品の寿命基準値である部品寿命カウント値D12は、画像形成装置100から設定可能であるので、部品の寿命時期をユーザの要求する画質レベルに合致させることが可能となる。
【0072】
なお、上記実施の形態における記述内容は、本発明に係る画像形成装置100の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
【0073】
例えば、上記実施の形態においては、画像形成装置100内において部品交換の管理を行う場合を例にとり説明したが、図1に示す画像形成装置100とホスト装置200及び/又は管理サーバ300を含んで構成される部品交換管理システムにより画像形成装置100内の部品交換の管理を行うようにしてもよい。
【0074】
例えば、上記実施の形態においては交換前カウント値T12をICタグ70に保持する構成としたが、交換前カウント値T12は、〈1〉本体メモリ11の部品管理情報領域112に保持する構成としてもよいし、〈2〉ホスト装置200又は管理サーバ300の記憶部に保持する構成としてもよい。即ち、本体メモリ11、ホスト装置200又は管理サーバ300の記憶部を交換された部品の交換前カウント値を記憶する交換前カウント値記憶部として機能させる構成としてもよい。
【0075】
図12に、上記〈1〉の場合の本体メモリ11の部品管理情報領域112のデータ格納例を示す。図13に、上記〈1〉、〈2〉の場合のICタグ70における部品管理情報領域702のデータ格納例を示す。図13に示すように、上記〈1〉、〈2〉のケースにおいては、ICタグ70における部品管理情報領域702には交換前カウント値T12は不要である。
【0076】
上記〈1〉の場合、図12に示すように、部品管理情報領域112に記憶される各部品管理情報には、各部品についての交換前カウント値T12が含まれる。また、部品管理情報領域112は、ユニットU1〜Unのそれぞれについて、X個のユニット(ここでは、3つのユニットとする)についての各部品の部品管理情報を記憶可能なX個の記憶領域を有する。ここで、画像形成装置100におけるユニットU1〜Unは、それぞれX個のユニットが部品交換によりリサイクルされて使い回されている。Xの数は、ユニットU1〜Un毎に異なるものであってもよい。各記憶領域には、シリアル番号D16が付与されており、同一ユニットの個体は、シリアル番号D16により識別、管理されるようになっている。
【0077】
上記〈1〉のように、本体メモリ11の部品管理情報領域112に交換前カウント値T12を保持する場合、ユニットU1〜Unを取り外して部品やユニットU1〜Unの交換が行われる前に、交換前の部品カウンタD15の値を交換前カウント値T12として記憶させておく必要がある。そこで、例えば、図5に示すICタグ更新処理において、ステップS4の前又は後に、ユニット管理情報領域111に記憶されているシリアル番号D1と同じシリアル番号D16が付与されている各記憶領域内において部品カウンタD15の値が交換前カウント値T12に書き込まれる。図7に示す部品交換チェック処理のステップS103及び図10に示すユニット交換チェック処理S210においては、交換前カウント値T12は、ユニットUiのICタグ70から読み出されたシリアル番号と一致するシリアル番号D16を有する記憶領域から読み出される。
【0078】
上記〈2〉の場合、ホスト装置200又は管理サーバ300の記憶部は、図12に示す部品管理情報領域112と同様に、各ユニットU1〜UnについてX個の記憶領域を有する部品管理情報領域を有する。ホスト装置200又は管理サーバ300の部品管理情報領域に記憶される情報は、少なくともシリアル番号T1、部品IDT10、交換前カウント値T12が記憶可能となっている。
【0079】
上記〈2〉の場合、サービスマンによる部品交換後、部品交換済みのユニットのICタグ70に記憶されている部品カウンタT15の値は、少なくともシリアル番号T1、部品IDT10とともに専用のアプリケーションソフト搭載したPC及びリーダライタによって読み出されホスト装置200又は管理サーバ300に送信される。ホスト装置200又は管理サーバ300においては、PCから送信されたシリアル番号T1及び部品IDT10とシリアル番号及び部品IDが一致する記憶領域に、受信した交換前カウント値T12が記憶される。図7に示す部品交換チェック処理のステップS103及び図10に示すユニット交換チェック処理S210においては、交換前カウント値T12は通信部40を介してホスト装置200又は管理サーバ300から読み出される。
【0080】
また、ユニット交換時に交換した部品の部品名、使用率、請求金額を表示部22に表示することとして説明したが、通信部40によりホスト装置200やサービスセンターの管理サーバ300に送信することとしてもよい。そして、ホスト装置200やサービスセンターのサーバ300の表示部にユニット交換時に交換した部品の部品名、使用率、請求金額を表示することとしてもよい。また、ユーザによる承認後、承認履歴情報を管理サーバ300に送信することとしてもよい。このように構成すれば、サービスセンターにおいて、部品交換がユーザにより承認されたか否かを把握することが可能となる。
【0081】
また、各部品の部品寿命カウント値D12の設定についても、ホスト装置200や管理サーバ300の操作部から行うようにしてもよい。即ち、設定部をホスト装置200や管理サーバ300に備える構成としてもよい。
【0082】
更に、例えば、上記実施の形態においては、プリンタ部50を構成するユニットU1〜Unを交換する場合を例にとり説明したが、例えば、スキャナ部30を構成するユニット等についても適用可能である。
【0083】
その他、画像形成装置100を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の実施の形態における画像形成装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】(a)は、図1の本体メモリのユニット管理情報領域のデータ格納例を示す図であり、(b)は、部品管理情報領域のデータ格納例を示す図である。
【図3】図1の操作部及び部品寿命値設定画面の一例を示す図である。
【図4】図1のICタグのデータ格納例を示す図である。
【図5】図1の制御部により実行されるICタグ更新処理を示すフローチャートである。
【図6】図1の制御部により実行される本体情報更新処理を示すフローチャートである。
【図7】図6のステップS24において図1の制御部により実行される部品交換チェック処理を示すフローチャートである。
【図8】図1の表示部に表示される部品交換画面を示す図である。
【図9】図1の表示部に表示される課金情報画面を示す図である。
【図10】図6のステップS25において図1の制御部により実行されるユニット交換チェック処理を示すフローチャートである。
【図11】図6のステップS25において図1の制御部により実行されるユニット交換チェック処理を示すフローチャートである。
【図12】交換前カウント値を本体メモリに保持する場合における本体メモリの部品管理情報領域のデータ格納例を示す図である。
【図13】交換前カウント値を本体メモリに保持する場合のICタグの部品管理情報領域のデータ格納例を示す図である。
【符号の説明】
【0085】
100 画像形成装置
10 制御部
11 本体メモリ
111 ユニット管理情報領域
112 部品管理情報領域
20 操作部
21 キー入力部
22 表示部
30 スキャナ部
40 通信部
50 プリンタ部
60 リーダライタ部
61 ICタグ通信制御部
70 ICタグ
701 ユニット管理情報領域
702 部品管理情報領域
80 電源部
D1 シリアル番号
D2 ユニットカウンタ
D3 ユニット交換回数
D4 ユニット寿命カウント値
D10 部品ID
D11 トータル交換回数
D12 部品寿命カウント値
D13 部品コスト
D14 部品交換回数
D15 部品カウンタ
T1 シリアル番号
T2 ユニットカウンタ
T3 ユニット交換回数
T10 部品ID
T11 交換フラグ
T12 交換前カウント値
T14 部品交換回数
T15 部品カウンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交換可能な複数の部品が搭載された着脱可能なユニットと、
前記ユニットに取り付けられ、当該ユニットのユニット管理情報及び当該ユニット内の各部品の部品管理情報が記録された記録媒体と、
前記記録媒体からのデータの読み出し及びデータの前記記録媒体へのデータの書き込みを行うリーダライタ部と、
表示部と、
前記リーダライタ部を介して前記記録媒体から前記ユニット管理情報及び前記ユニット内の各部品の部品管理情報を読み出し、この読み出した前記ユニット管理情報及び前記各部品の部品管理情報に基づいて前記ユニット内の部品交換の有無を判断し、部品交換有りと判断した場合に、交換された部品を示す情報を前記表示部に表示させる制御部と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記記録媒体に記録された部品管理情報は、前記各部品が交換された際に書き込まれる、当該部品が交換済みであることを示す情報を含む請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記表示部に表示された部品交換の内容をユーザが承認するか否かを入力するための操作部を備える請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ユニット内の各部品の寿命時期を示す部品寿命カウント値を記憶する記憶部を備え、
前記記録媒体に記録された前記各部品の部品管理情報は、交換前の当該部品の使用回数を示す交換前カウント値を含み、
前記制御部は、前記交換された部品の交換前カウント値と当該交換された部品の部品寿命カウント値とに基づいて当該交換された部品の使用率を算出するとともに、当該算出された使用率及び当該部品のコストに基づき前記交換された部品に対する課金情報を算出し、前記算出された使用率及び課金情報を前記表示部に表示させる請求項1〜3の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ユニット内の各部品の寿命時期を示す部品寿命カウント値を記憶する部品寿命カウント値記憶部と、
前記交換された部品の交換前における使用回数を示す交換前カウント値を記憶する交換前カウント値記憶部を備え、
前記制御部は、前記交換された部品の交換前カウント値と当該交換された部品の部品寿命カウント値とに基づいて当該交換された部品の使用率を算出するとともに、当該算出された使用率及び当該部品のコストに基づき前記交換された部品に対する課金情報を算出し、前記算出された使用率及び課金情報を前記表示部に表示させる請求項1〜3の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記課金情報は、請求金額、対基準割合、又は対基準増減により表示する請求項4又は5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記各部品の部品寿命カウント値を設定するための設定部を備える請求項4〜6の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
交換可能な複数の部品が搭載されたユニットが着脱可能に構成された画像形成装置の部品交換管理システムであって、
前記ユニットには、当該ユニットのユニット管理情報及び当該ユニット内の各部品の部品管理情報が記録された記録媒体が取り付けられ、
前記画像形成装置に装着された前記ユニットの前記記録媒体からのデータの読み出し及びデータの前記記録媒体へのデータの書き込みを行うリーダライタ部と、
表示部と、
前記リーダライタ部を介して前記画像形成装置に装着された前記ユニットの前記記録媒体から前記ユニット管理情報及び前記ユニット内の各部品の部品管理情報を読み出し、この読み出した前記ユニット管理情報及び前記各部品の部品管理情報に基づいて前記ユニット内の部品交換の有無を判断し、部品交換有りと判断した場合に、交換された部品を示す情報を前記表示部に表示させる制御部と、
を備える部品交換管理システム。
【請求項9】
前記記録媒体に記録された部品管理情報は、前記各部品が交換された際に書き込まれる、当該部品が交換済みであることを示す情報を含む請求項8に記載の部品交換管理システム。
【請求項10】
前記表示部に表示された部品交換の内容をユーザが承認するか否かを入力するための操作部を備える請求項8又は9に記載の部品交換管理システム。
【請求項11】
前記ユニット内の各部品の寿命時期を示す部品寿命カウント値を記憶する部品寿命カウント値記憶部と、
前記交換された部品の交換前における使用回数を示す交換前カウント値を記憶する交換前カウント値記憶部を備え、
前記制御部は、前記交換前カウント値記憶部から前記交換された部品の交換前カウント値を取得するとともに、前記部品寿命カウント値記憶部から当該交換された部品の部品寿命カウント値を取得し、この取得された交換前カウント値及び部品寿命カウント値とに基づいて当該交換された部品の使用率を算出するとともに、当該算出された使用率及び当該部品のコストに基づき前記交換された部品に対する課金情報を算出し、前記算出された使用率及び課金情報を前記表示部に表示させる請求項8〜10の何れか一項に記載の部品交換管理システム。
【請求項12】
前記課金情報は、請求金額、対基準割合、又は対基準増減により表示する請求項11に記載の部品交換管理システム。
【請求項13】
前記各部品の部品寿命カウント値を設定するための設定部を備える請求項11又は12に記載の部品交換管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−60792(P2010−60792A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−225748(P2008−225748)
【出願日】平成20年9月3日(2008.9.3)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】