説明

画像形成装置用追加アプリケーションのセキュリティ確保方法、画像形成システム及び画像形成装置

【課題】画像形成装置に追加されるアプリケーションの安全性をより高める。
【解決手段】出力が入力パラメータ値に依存する特殊ハッシュ関数のパラメータ値を、インストールパッケージファイルを生成したソフトウェアハウス側(20)に知られることなく、画像形成装置30で使用されようとするアプリケーションファイルが、画像形成装置メーカ側コンピュータ10で、このアプリケーションファイルの特殊ハッシュ関数によるハッシュ値により認証されたものであるか否かを検証する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アプリケーションをインストールする際、アクティベートする際又は実行する際において、ハッシュ値を用いて画像形成装置用追加アプリケーションのセキュリティを確保する方法、画像形成システム及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ソフトウェアハウスのサ−バからインターネットを介しアプリケーションをダウンロードして画像形成装置にインストールすることにより、画像形成装置の多機能化を図ることが可能となる。
【0003】
下記特許文献1には、このサーバ側でアプリケーションのハッシュ値を生成し、これを電子署名として用いてアプリケーションを配布し、受信した画像形成装置側で、アプリケーションが改竄されていないかどうかを検証することにより、安全性を確保する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−177683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、悪意のある人がアプリケーションを同様に配布した場合には、安全性を確保することができない。また、画像形成装置にアプリケーションをインストールした後に、アプリケーションが改竄された場合には、これを検出することができない。
【0006】
本発明の目的は、このような問題点に鑑み、画像形成装置設置後に画像形成装置に追加されるアプリケーション(追加アプリケーション)の安全性をより高めることが可能な画像形成装置用追加アプリケーションのセキュリティ確保方法、画像形成システム及び画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による画像形成装置用追加アプリケーションのセキュリティ確保方法の一態様では、
第1のコンピュータが、出力が入力パラメータ値に依存する特殊ハッシュ関数を実行して、入力されたアプリケーションファイルのハッシュ値を生成し、
第2のコンピュータが、該アプリケーションファイルと、入力に基づいて生成した、該アプリケーションファイルのメタ情報と、該ハッシュ値とを含むインストールパッケージファイルを生成し、
画像形成装置が、該特殊ハッシュ関数と同一の特殊ハッシュ関数を実行して、該入力パラメータ値と同一のパラメータ値に依存する、このインストールパッケージファイルに含まれているアプリケーションファイルのハッシュ値を生成し、生成したハッシュ値が、このインストールパッケージファイルに含まれているハッシュ値と一致していれば、該アプリケーションファイルに対し正規の処理を行い、不一致であればその旨をユーザに対し出力し又は該アプリケーションファイルを削除する。
【発明の効果】
【0008】
上記一態様の構成によれば、出力が入力パラメータ値に依存する特殊ハッシュ関数の該パラメータ値を、インストールパッケージファイルを生成した第2のコンピュータ側に知られることなく、画像形成装置で使用されようとするアプリケーションファイルが、該第1のコンピュータ側で、このアプリケーションファイルの該特殊ハッシュ関数によるハッシュ値により認証されたものであるか否かを検証することができるので、該特殊ハッシュ関数及び該パラメータ値を用いないでアプリケーションを配布し又はアプリケーションインストール後にこのアプリケーションを改竄しても、これを検出して排除することが可能となり、アプリケーション実行の安全性を向上させることができという効果を奏する。
【0009】
本発明の他の目的、特徴的な構成及び効果は、以下の説明を特許請求の範囲及び図面の記載と関係づけて読むことにより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】画像形成装置用追加アプリケーションのセキュリティ確保システムを構成する画像形成装置メーカ側コンピュータ、ソフトウェアハウス側コンピュータ及び画像形成装置間の通信の概略シーケンス図である。
【図2】画像形成装置メーカ側コンピュータに含まれるハッシュ値生成部のソフトウェア構成を示す概略機能ブロック図である。
【図3】(A)〜(C)はいずれも、図2中の特殊ハッシュ値関数の構成例を示すブロック図である。
【図4】ソフトウェアハウスのコンピュータに含まれるインストールパッケージファイル生成部のソフトウェア構成を示す概略機能ブロック図である。
【図5】ユーザの画像形成装置に含まれるアプリケーションインストール部のソフトウェア構成を示す概略機能ブロック図である。
【図6】ユーザの画像形成装置に含まれる追加アプリケーション実行部のソフトウェア構成を示す概略機能ブロック図である。
【図7】本発明の上記システムのハードウェア構成を示す概略ブロック図である。
【実施例1】
【0011】
図7は、本発明の画像形成システムのハードウェア構成を示す概略ブロック図である。
【0012】
このシステムでは、画像形成装置メーカのコンピュータ10と、この画像形成装置のアプリケーションを開発しユーザに提供するソフトウェアハウスのコンピュータ20と、ユーザの画像形成装置30とが、インターネット40で結合されている。コンピュータ10と20との間では、コンピュータ10がサーバ、コンピュータ20がクライアントとして通信を行い、又は、両者間で電子メールにより通信を行う。同様に、コンピュータ20と画像形成装置30との間では、コンピュータ20がサーバ、画像形成装置30がクライアントして通信を行い、又は、両者間で電子メールにより通信を行う。これらの間における通信は、SSL(Secure Socket Layer)による暗号化通信が好ましい。
【0013】
コンピュータ10では、CPU11がインターフェイス12を介してPROM13、DRAM14、ハードディスクドライブ15、ネットワークインターフェイス16及び会話型入出力装置17に結合されている。図7では、簡単化の為に、複数種のインターフェイスを1つのブロック12で表している。
【0014】
PROM13は、例えばフラッシュメモリであり、BIOS(Basic Input/Output System)が格納されている。DRAM14は、主記憶装置として用いられる。ハードディスクドライブ15には、仮想記憶方式のOS(オペレーティングシステム)、各種ドライバ及びアプリケーション並びにデータが格納されている。ネットワークインターフェイス16は、ネットワーク40に結合されている。会話型入出力装置1Aは、例えば入力装置としてのキーボード及びポインティングデバイスと、表示装置とを備えている。
【0015】
コンピュータ20もコンピュータ10と同様に構成されており、コンピュータ20の構成要素21〜27はそれぞれコンピュータ10の構成要素11〜17と対応している。
【0016】
画像形成装置30では、CPU31がインターフェイス32を介してPROM33、DRAM34、ハードディスクドライブ35、ネットワークインターフェイス36、スキャナ37、プリンタ38、ファックスモデム39及び操作パネル3Aに結合されている。
【0017】
PROM33は、例えばフラッシュメモリであり、BIOS、OS、各種ドライバ、及び、画像形成装置として機能させるための各種アプリケーションが格納されている。DRAM34は、主記憶装置として用いられる。ハードディスクドライブ35には、印刷用データ、スキャナ37で読み取った画像データ及びファクシミリ受信データが保存される。ネットワークインターフェイス36は、ネットワーク40に結合されている。スキャナ37は、印刷及びファクシミリ送信の入力装置として用いられるとともに、画像ファイル生成のために用いられる。プリンタ38は、プリントエンジン並びに用紙の給紙部、搬送部及び排紙部を備え、DRAM34に生成されたビットマップデータが供給され、このデータに基づいて感光ドラムに静電潜像を形成し、この像をトナーで現像し、トナー像を用紙に転写し定着させ、排紙する。操作パネル3Aは、キー及び表示パネルを供えている。
【0018】
図1は、図7のシステムにおける通信の概略シーケンス図である。
【0019】
ソフトウェアハウスでは、開発者が、コンピュータ20にインストールされているSDK(ソフトウェア開発キット)の支援の下に、対話的にアプリケーションを開発し、このアプリケーションを電子署名し、電子証明書を添付してメーカ側コンピュータ10に送信するとともに、このアプリケーションのハッシュ値生成を要求する。このアプリケーションは、複数のファイルを1つに結合して圧縮したファイル、例えばJava(登録商標)のjar(Javaアーカイブ)ファイルである。
【0020】
コンピュータ10は、上記要求に応答して、上記電子証明書が正規のものであって、予めコンピュータ10に登録されているソフトウェアハウスのものであれば、上記電子署名を用い、アプリケーションが改竄されていないことを検証した後、このアプリケーションのハッシュ値を生成する。
【0021】
図2は、メーカ側コンピュータ10に含まれるハッシュ値生成部のソフトウェア構成を示す概略機能ブロック図である。
【0022】
操作者は、会話型入出力装置17の入力装置170を操作して制御部100を実行させ、制御部100に対し、秘密にしているパラメータ値を入力する。制御部100はこれをパラメータ値101としてハードディスク15に格納させる。前回格納したパラメータ値101を用いる場合には、この入力を省略する。操作者はさらに、制御部100を介し、特殊ハッシュ関数102の処理対象として、コンピュータ20から受信したアプリケーションファイル103を選択し、制御部100にハッシュ値生成指示を与える。
【0023】
制御部100はこれに応答して、このパラメータ値101とアプリケーションファイル103のアドレスとを引数として特殊ハッシュ関数102に与え、特殊ハッシュ関数102を実行させる。特殊ハッシュ関数102はこれに応答して、このパラメータ値に依存したハッシュ値104を生成する。
【0024】
ここで、電子署名に用いられるハッシュ関数、例えばMD5、SHA−1、MINMAXなどはいずれも、関数名が同一であれば、同一の入力メッセージ(本実施例ではアプリケーションファイル103)に対し同一のハッシュ値を生成する。これに対し、本案で用いる特殊ハッシュ関数102は、与えるパラメータ値に応じて異なるハッシュ値をハッシュ値として生成する。
【0025】
この特殊ハッシュ関数102は例えば、図3(A)に示すように、パラメータ値に応じて入力メッセージを変換する前処理部105と、変換されたメッセージのハッシュ値を生成する通常のハッシュ関数106とで構成される。或いは、この前処理部105と通常のハッシュ関数106の結合順を逆にして、すなわち図3(B)に示すように、通常のハッシュ関数106と後処理部107とで、特殊ハッシュ関数102Aが構成される。この場合、後処理部は、パスワードを当該パラメータ値とする暗号化部であってもよい。さらに、図3(C)に示すように、上記2つの構成を組み合わせたもの、すなわち、前処理部105、通常のハッシュ関数106及び後処理部107の順に結合し、前処理部105と後処理部107の一方又は両方に、互いに同一又は異なるパラメータ値を与えるであってもよい。
【0026】
図1に戻って、制御部100は、ハッシュ値104に対し電子署名を行い、電子証明書を添付して、インターネット40を介しソフトウェアハウスのコンピュータ20に送信する。
【0027】
コンピュータ20は、これに応答して、この電子証明書が正規のものであって、予めコンピュータ20に登録されているメーカのものであれば、上記電子署名を用い、ハッシュ値104が改竄されていないことを検証した後、アプリケーションファイル103用のインストールパッケージファイルを生成する。
【0028】
図4は、ソフトウェアハウスのコンピュータ20に含まれるインストールパッケージファイル生成部のソフトウェア構成を示す概略機能ブロック図である。
【0029】
操作者は、会話型入出力装置27の入力装置270を操作して、インストールパッケージ作成ツール201を実行させ、これにより、会話型入出力装置27の表示部にアプリケーション情報入力画面を表示させる。ここに、アプリケーション情報とは、アプリケーションファイル103のメタ情報であって、例えば、アプリケーションファイル103に含まれている、最初に実行すべきメインルーチンが含まれているファイル名(上記複数ファイルのうちの1つ)などである。
【0030】
操作者は、入力装置270を操作してインストールパッケージ作成ツール201に対し、このメインルーチンが含まれるファイル名などを入力し、次いでアプリケーションファイル103及びハッシュ値104を指定し、次いでパッケージ作成指示を与える。
【0031】
インストールパッケージ作成ツール201はこれに応答して、アプリケーションファイル103内に圧縮されている複数ファイルのそれぞれのバージョン情報を取得し、これも上記アプリケーション情報の一部とし、これらアプリケーション情報を内容とするアプリケーション情報ファイル202を生成し、フォルダを生成し、アプリケーションファイル103、アプリケーション情報ファイル202及びハッシュ値104をこのフォルダに格納し、このフォルダ及びその内部の全ファイルを纏めて圧縮することにより、1つのインストールパッケージファイル203を生成する。
【0032】
図1に戻って、ユーザは、画像形成装置30を操作してプラウザを実行させ、コンピュータ20のURL(リスト表示URL)をこのプラウザに与え、コンピュータ20からのHTMLファイルの内容を表示させる。この表示には、ソフトウェアハウスが開発したアプリケーションのリスト及びその説明が含まれており、ユーザは所望のアプリケーションを選択する。
【0033】
プラウザはこれに応答して、コンピュータ20に対しインストールパッケージのファイルを要求し、コンピュータ20はこれに応答してこのインストールパッケージを画像形成装置30へ送信する。画像形成装置30はこれを受信し、操作パネル3Aを介した指示に応答して、受信したインストールパッケージをハードディスク35にインストールする。
【0034】
図5は、ユーザの画像形成装置30に含まれるアプリケーションインストール部のソフトウェア構成を示す概略機能ブロック図である。
【0035】
ユーザが操作パネル3Aを操作して、インストール制御部300を実行させ、これに対し、インストールパッケージファイル203を指定し、次いで実行指示を与える。
【0036】
インストール制御部300はこれに応答して、インストールパッケージファイル203のアドレスを引数としてパッケージ分解部301に与え、パッケージ分解部301を実行させる。パッケージ分解部301はこれに応答して、インストールパッケージファイル203を解凍することによりこれを、その構成要素であるアプリケーション103、ハッシュ値104及びアプリケーション情報ファイル202に分解し、インストールパッケージファイル203を削除する。これによりハッシュ値104及びアプリケーション情報ファイル202は完全に解凍されているが、アプリケーションファイル103はまだ、複数のファイルが結合されて圧縮された圧縮ファイルである。
【0037】
インストール制御部300は、パッケージ分解部301の処理が終了すると、アプリケーションファイル103及びハッシュ値104のアドレスを引数として検証部302に与え、検証部302を実行させる。
【0038】
検証部302はこれに応答して、パラメータ値304及びアプリケーションファイル103のアドレスを引数として特殊ハッシュ関数303に与え、特殊ハッシュ関数303を実行させる。このパラメータ値304は、図2のパラメータ値101と同一値であり、予め画像形成装置30に格納されている。また、特殊ハッシュ関数303は、特殊ハッシュ関数102と同一の関数である。特殊ハッシュ関数303は、パラメータ値304に依存する、アプリケーションファイル103のハッシュ値を求め、これを戻り値として検証部302に渡す。
【0039】
検証部302は、このハッシュ値をハッシュ値104と比較し、その結果を戻り値としてインストール制御部300に渡す。インストール制御部300は、この結果の内容を操作パネル3Aに表示させ、この結果が不一致を示していればさらに、アプリケーションファイル103を削除すべきか否かの質問を操作パネル3Aに表示させ、ユーザからの削除指示に応答して、アプリケーションファイル103、ハッシュ値104及びアプリケーション情報ファイル202を削除する。
【0040】
図6は、ユーザの画像形成装置30に含まれる追加アプリケーション実行部のソフトウェア構成を示す概略機能ブロック図である。この実行部と、図5の上記アプリケーションインストール部とは、アプリケーションファイル103、ハッシュ値104、アプリケーション情報ファイル202、特殊ハッシュ関数303、パラメータ値304及び操作パネル3Aを共通の構成要素として含んでいる。
【0041】
ユーザが操作パネル3Aを操作して、追加アプリケーション実行制御部300Aを実行させ、これに対し、アプリケーションファイル103を指定し、次いで追加アプリケーション実行指示を与える。
【0042】
追加アプリケーション実行制御部300Aはこれに応答して、アプリケーションファイル103及びハッシュ値104のアドレスを引数として検証部302に与え、検証部302を実行させる。
【0043】
検証部302はこれに応答して、パラメータ値304及びアプリケーションファイル103のアドレスを引数として特殊ハッシュ関数303に与え、特殊ハッシュ関数303を実行させる。
【0044】
特殊ハッシュ関数303は、パラメータ値304に依存する、アプリケーションファイル103のハッシュ値を求め、これを戻り値として検証部302に渡す。検証部302は、このハッシュ値をハッシュ値104と比較し、その結果を戻り値として追加アプリケーション実行制御部300Aに渡す。
【0045】
追加アプリケーション実行制御部300Aは、この結果の内容を操作パネル3Aに表示させ、この結果が不一致を示していればさらに、アプリケーションファイル103を削除すべきか否かの質問を操作パネル3Aに表示させ、ユーザからの削除指示に応答して、アプリケーションファイル103、ハッシュ値104及びアプリケーション情報ファイル202を削除し、ユーザからの実行指示に応答して、アプリケーションファイル103をメモリ上で解凍し、インストールパッケージファイル203が示しているファイル名中のメインルーチンを実行させる。
【0046】
本実施例1によれば、出力が入力パラメータ値に依存する特殊ハッシュ関数102及び303のパラメータ値101及び304を、インストールパッケージファイルを生成したソフトウェアハウス側に知られることなく、画像形成装置30で使用されようとするアプリケーションファイル103が、画像形成装置メーカ側コンピュータ10で、このアプリケーションファイル103の特殊ハッシュ関数102によるハッシュ値により認証されたものであるか否かを検証することができるので、特殊ハッシュ関数102及びパラメータ値101を用いないでアプリケーションを配布し又はアプリケーションインストール後にこのアプリケーションを改竄しても、これを検出して排除することが可能となり、アプリケーション実行の安全性を向上させることができという効果を奏する。
【0047】
以上において、本発明の好適な実施例を説明したが、本発明には他にも種々の変形例が含まれ、上記実施例で述べた各構成要素の機能を実現する他の構成を用いたもの、当業者であればこれらの構成又は機能から想到するであろう他の構成も、本発明に含まれる。
【0048】
例えば、コンピュータ10はメーカのものに限定されず、メーカから委託を受けた会社等のコンピュータであってもよい。同様に、コンピュータ20はソフトウェアハウスのものに限定されず、ソフトウェアハウスから委託を受けた会社等のコンピュータであってもよい。
【0049】
また、アプリケーションファイル103は圧縮された1つのファイルに限定されず、アプリケーション情報ファイル202で指定された、アプリケーションファイル103に含まれる1つのファイルであってもよい。さらに、アプリケーションファイル103に含まれる複数のファイルのそれぞれのハッシュ値104を用い、検証部302でそれぞれのファイルを検証する構成であってもよい。
【0050】
さらに、図5でのインストールと図6での最初の実行との間のアプリケーションアクティベーションの段階においても、アプリケーションのアクティベーションの前処理として、上記同様に検証を行う構成であってもよい。この場合、アクティベートされたか否かの情報をアプリケーションファイル103の外側に配置することにより、アクティベーション前後でアプリケーションファイル103のハッシュ値が同一になるようにして、実行時に図6の構成も使用可能にする。
【0051】
また、本発明による検証処理は、アプリケーションファイルを画像形成装置にインストールする処理、アプリケーションファイルをアクティベートする処理又はアプリケーションファイルを実行させる処理のいずれか1つ以上において実行するものであればよい。
【0052】
また、特殊ハッシュ関数102は、前処理部105や後処理部107を用いずに、乱数を用いる構成とし、この乱数の種をパラメータ値101及び304とするものであってもよい。
【0053】
また、パラメータ101及び304を、公知のように暗号化で保護された別チップに格納する構成であってもよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0054】
10、20 コンピュータ
30 画像形成装置
11、21、31 CPU
12,22、32 インターフェイス
13、23、33 PROM
14、24、34 DRAM
15、25 ハードディスク
16、26、36 ネットワークインターフェイス
17、27 会話型入出力装置
170、270 入力装置
37 スキャナ
38 プリンタ
39 ファックスモデム
3A 操作パネル
40 インターネット
100、300 制御部
101、304 パラメータ値
102、102A、102B、303 特殊ハッシュ関数
103 アプリケーションファイル
104 ハッシュ値
105 前処理部
106 通常のハッシュ関数
107 後処理部
201 インストールパッケージ作成ツール
202 アプリケーション情報ファイル
203 インストールパッケージファイル
300 インストール制御部
300A 追加アプリケーション実行制御部
301 パッケージ分解部
302 検証部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のコンピュータが、出力が入力パラメータ値に依存する特殊ハッシュ関数を実行して、入力されたアプリケーションファイルのハッシュ値を生成し、
第2のコンピュータが、該アプリケーションファイルと、入力に基づいて生成した、該アプリケーションファイルのメタ情報と、該ハッシュ値とを含むインストールパッケージファイルを生成し、
画像形成装置が、該特殊ハッシュ関数と同一の特殊ハッシュ関数を実行して、該入力パラメータ値と同一のパラメータ値に依存する、このインストールパッケージファイルに含まれているアプリケーションファイルのハッシュ値を生成し、生成したハッシュ値が、このインストールパッケージファイルに含まれているハッシュ値と一致していれば、該アプリケーションファイルに対し正規の処理を行い、不一致であればその旨をユーザに対し出力し又は該アプリケーションファイルを削除する、
ことを特徴とする画像形成装置用追加アプリケーションのセキュリティ確保方法。
【請求項2】
該第1のコンピュータは該画像形成装置のメーカに備えられたコンピュータであり、
該第2のコンピュータは、該アプリケーションファイルのソフトウェアハウスに備えられたコンピュータである、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置用追加アプリケーションのセキュリティ確保方法。
【請求項3】
該アプリケーションファイルに対する正規の処理は、該アプリケーションファイルを該画像形成装置にインストールする処理、該アプリケーションファイルをアクティベートする処理又は該アプリケーションファイルを実行させる処理である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置用追加アプリケーションのセキュリティ確保方法。
【請求項4】
該アプリケーションファイルは、複数ファイルを1つに結合して圧縮したファイルであり、
該画像形成装置は、該アプリケーションファイルを実行させる前に該圧縮ファイルを解凍して該複数のファイルに分解し、該メタ情報に基づいて、該複数のファイルの1つに含まれているメインルーチンを実行する、
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置用追加アプリケーションのセキュリティ確保方法。
【請求項5】
該第1のコンピュータと、該第2のコンピュータと、該画像形成装置とがインターネットに結合され、
該第2のコンピュータが該第1のコンピュータに、該インターネットを介し該アプリケーションファイルを送信し、
該第1のコンピュータが該第2のコンピュータに、該インターネットを介し該ハッシュ値を送信し、
該画像形成装置からの要求に応じて、該第2のコンピュータが該画像形成装置に、該インターネットを介し該インストールパッケージファイルを送信する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の画像形成装置用追加アプリケーションのセキュリティ確保方法。
【請求項6】
出力が入力パラメータ値に依存する特殊ハッシュ関数を実行して、入力されたアプリケーションファイルのハッシュ値を生成する第1のコンピュータと、
該アプリケーションファイルと、入力に基づいて生成した、該アプリケーションファイルのメタ情報と、該ハッシュ値とを含むインストールパッケージファイルを生成する第2のコンピュータと、
該特殊ハッシュ関数と同一の特殊ハッシュ関数を実行して、該入力パラメータ値と同一のパラメータ値に依存する、このインストールパッケージファイルに含まれているアプリケーションファイルのハッシュ値を生成し、生成したハッシュ値が、このインストールパッケージファイルに含まれているハッシュ値と一致していれば、該アプリケーションファイルに対し正規の処理を行い、不一致であればその旨をユーザに対し出力し又は該アプリケーションファイルを削除する画像形成装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成システム。
【請求項7】
アプリケーションファイルと該アプリケーションファイルのメタ情報と該アプリケーションファイルのハッシュ値とを有するインストールパッケージファイルに含まれている該アプリケーションファイルを、出力が入力パラメータ値に依存する特殊ハッシュ関数に与えて該特殊ハッシュ関数を実行することにより、ハッシュ値を生成するハッシュ値生成手段と、
生成したハッシュ値が、該インストールパッケージファイルに含まれているハッシュ値と一致しているか否かを判定する検証部と、
該検証部が肯定判定すれば、該アプリケーションファイルに対し正規の処理を行い、否定判定すればその旨をユーザに対し出力し又は該アプリケーションファイルを削除する追加アプリケーション実行制御部と、
を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−3679(P2012−3679A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−140452(P2010−140452)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】