説明

画像形成装置管理システム、これに使用するカード、及び管理装置

【課題】 カードに複数の減算エリアを設けて、また減算の優先順位を設定し、チャージ機にてカードにチャージした金額から減算することにより無駄なコピー、プリントの抑止を可能し、かつ超えた分に関しては料金を徴収する画像形成装置管理システムを提供する。
【解決手段】 画像形成装置1と、この画像形成装置1に対して接続されて画像形成動作を行わせると共に、画像形成出力に対する対価の管理を行う管理装置2とからなる画像形成装置管理システムにおいて、管理装置2は、画像形成装置1からの画像形成枚数やサイズデータ・出力モードを記憶する記憶手段13と、画像枚数を加算、または上限枚数から減算し、減算しているときは現在の残度数を画像形成装置に出力する料金信号出力手段6と、残度数がない場合は画像形成動作を禁止する禁止手段と、残度数を表示する表示手段5と、画像形成動作終了後にカードまたは身分証明書を返却する返却手段8とを備え、前記カードまたは身分証明書には複数の減算エリアを設けるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置管理システムに関し、特に、複写機、印刷機、ファクシミリ等の画像形成装置による画像形成の際に、その画像形成処理を、例えばカードリーダなどの課金装置により管理し、その画像形成を行ったユーザから料金を徴収する画像形成装置管理システム及びこれに使用するカード、及び管理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来では、画像形成装置管理システムは、画像形成装置と、画像形成装置に接続され、画像形成装置に対して画像形成動作を行わせ、及び/又は画像形成出力に対する対価の管理を行う管理装置とからなることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−280468公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の画像形成装置管理システムにおいて、管理装置は画像形成出力に対する対価として、プリペイドカード、現金、学生証、社員証など身分を証明する磁気カードやICカードなどがあり、媒体が全て異なっていた。
そのため、例えば、大学などで、学生はプリペイドカード、教授は磁気カードやICカードでコピーサービスなどを行う場合、複写機には2つの管理装置を繋げなければならなかった。
授業内でコピーやプリントをすることも多いため、学生証によりコピーサービスを行えるようにする場合、上限を全く設けて置かないと授業に関係のない資料等をコピー、プリントするケースがみられる。かといって、既に授業料を徴収しているにも関わらず、コピー、プリント代をさらに徴収することはできない。
また近年は学生証にプリペイド機能を設けているものも多くなってきている。
そこで、例えば学生証などのカードに複数の減算エリアを設け、学生証を発行する際に無料コピー、プリント分の価値付けをしてカードを発行し、そこを超えた分に関しては学生がチャージ機にてカードにチャージした金額から減算することにより無駄なコピー、プリントの抑止することが考えられる。
しかしながら、従来の画像形成装置管理システムにおいては、使用度数を減算する減算エリアが通常1つであり、また、2つ有る場合でもサービスは独立しているので、例えば、減算エリアAの残度数がなくなったら、減算エリアBを使用できるという構成ではなく、減算エリアBに残度数が有ってもこれを使って継続使用はできない。
そこで、本発明の目的は、上述した実情を考慮して、カードに複数の減算エリアを設けて、また減算の優先順位を設定し、チャージ機にてカードにチャージした金額から減算することにより無駄なコピー、プリントの抑止を可能し、かつ超えた分に関しては料金を徴収する画像形成装置管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、画像形成装置と、該画像形成装置に対して接続されて画像形成動作を行わせると共に、画像形成出力に対する対価の管理を行う管理装置とからなる画像形成装置管理システムにおいて、前記管理装置は、前記画像形成装置からの画像形成枚数やサイズデータ・出力モードを記憶する記憶手段と、画像枚数を加算、または上限枚数から減算し、減算しているときは現在の残度数を画像形成装置に出力する料金信号出力手段と、残度数がない場合は画像形成動作を禁止する禁止手段と、残度数を表示する表示手段と、画像形成動作終了後にカードまたは身分証明書を返却する返却手段とを備え、前記カードまたは身分証明書には複数の減算エリアを設けた画像形成装置管理システムを特徴とする。
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置管理システムにおいて、前記管理装置は、前記複数の減算エリアの減算させる優先順位を決定可能である画像形成装置管理システムを特徴とする。
また請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置管理システムにおいて、前記管理装置は、前記カードまたは身分証明書の優先エリアの度数が不足した時に、次の優先エリアからのみ減算するか、最優先エリアと次の優先エリアの合算から減算するかを設定できる画像形成装置管理システムを特徴とする。
また請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置管理システムにおいて、前記管理装置は、前記最優先エリアに残度数がある場合はその残金を表示し、最優先エリアに残度数がない場合はその次の優先エリアの残金を表示する画像形成装置管理システムを特徴とする。
また請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置管理システムにおいて、前記管理装置は前記最優先エリアと次の優先エリアの表示方法を異ならせる画像形成装置管理システムを特徴とする。
また請求項6に記載の発明は、画像形成装置及び画像形成出力に対する対価の管理に使用する管理装置を含む画像形成装置管理システムで使用するカードにおいて、使用度数を減算する減算エリアを複数設けているカードを特徴とする。
また請求項7に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項記載の画像形成装置管理システムに使用する請求項6記載のカードを特徴とする。
また請求項8に記載の発明は、画像形成装置からの画像形成出力に対する対価の管理にカードを使用して行う画像形成装置管理システムで使用する管理装置において、前記カードの複数の減算エリアからの減算を設定できる管理装置を特徴とする。
また請求項9に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項記載の画像形成装置管理システムに使用する請求項8記載の管理装置を特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、カードに複数の減算エリアを設け、また減算の優先順位を設定することができるので、学生証を発行する際に無料コピー、プリント分の価値付けをしてカードを発行し、そこを超えた分に関しては学生がチャージ機にてカードにチャージした金額から減算することにより無駄なコピー、プリントの抑止にもなり、かつ超えた分に関しては料金を徴収することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の実施の形態である画像形成装置管理システムの外観構造を示す斜視図である。図2は本発明の画像形成装置管理システムにおける管理装置の外観を示す斜視図である。図3は管理装置の制御系を示すブロック図である。
まず、本実施の形態における画像形成装置管理システムの構造を簡単に説明する。図1乃至図3に示す本実施の形態の画像形成装置管理システムは、複写機1と、管理装置2が接続ケーブル3で接続されている。
管理装置2は、有価物としてのプリペイドカードやICカード、IDコード等利用者の情報が格納されたキーカードなどに情報を読み書きするか、又は販売後の残金、残度数の更新を行うカードリード/ライト部6を内蔵している。
また、その前面にはカードリード/ライト部6のカード挿入口6a、後述する入力部8としての切り換えボタン7及びカード返却キー(カード返却手段)8a、残度数またはID番号の表示を行う表示部5を備えている。さらに、側面には設定装置10を接続する接続口9を、後面には、電源のオフ/オンを行う電源部12(図3参照)の電源スイッチ4及び電源ケーブル14を備えている。
カード返却キー(カード返却手段)8aは、カードを返却する際に押すキーであり、返却時に残金、残度数の更新を行う。切り換えボタン7は使用しているカードがプリペイド精算(事後精算許可)だった場合に、プリペイド精算か事後精算かを選択する。
【0007】
設定装置10の接続口9は、接続された設定装置10により、カード読み取り情報や、単価などの情報を設定する。設定された単価は制御部11(図3参照)にあるメモリ部13(図3参照)に格納される。メモリ部13は単価やカード読み取り情報、ログなどを記憶する。
また、図3に示すように、管理装置2は、この管理装置2全体を制御する制御手段としての制御部11、複写機1との通信を行うためのインターフェイス(I/F)部15、入力部としてプリペイドカードやキーカード等の返却を行うカード返却キー8a、精算方式(事後精算方式及びプリペイド方式)を選択する切り換えキー7、及びログ蓄積のための情報や料金テーブルに画像形成物の単価(コピー単価)を設定するための設定装置10を有している。
この設定装置10で設定されたログ蓄積のための情報や料金テーブルの単価は、制御部11内に設けられた不揮発性記憶手段としてのバッテリでバックアップされたメモリ部13に格納され、管理装置2の電源が落とされても情報は保持されるようになっている。制御部11は、また、投入されたカードが本物かどうかを判定したり、残金、残度数の過不足の判定を行ったりする。
また、前記カードリード/ライト部6は、投入されたカードが本物かどうかを判定する機能も有している。本物だと判定した場合は、ログを蓄積する事後精算方式であれば、キーカードに格納されているIDコードを、プリペイド方式であればプリペイドカードに記載されている残金・残度数(場合によっては、IDコードが含まれる場合もある)の情報を、夫々制御部11に伝達し、表示部5に残金、残度数等を表示させる。
また、ここではインターフェイス(I/F)部15を介して複写機1を接続した例を説明するが、前記インターフェイス部15には外部プリンタやLAN/公衆回線16を介してPC(パーソナルコンピュータ)等を接続して、外部プリンタの管理や、PC入力を受け付けるようにしてもよい。I/F部15は複写機、カードリーダ、ネットワーク経由でサーバーとの通信を行う。これはデータの集計に使用する。
【0008】
上述したように、本発明の画像形成管理システムは、画像形成装置1と、この画像形成装置1に接続され、画像形成装置1に対して画像形成動作を行わせ、及び/又は画像形成出力に対する対価の管理を行う管理装置2とからなる。
画像形成装置1には、形成枚数を管理装置2に伝える信号及びサイズデータ・出力モードを管理装置2に伝達する伝達手段3と、前記管理装置2から画像形成動作を可能にする信号を受けているときのみ画像形成動作を許可する画像形成動作許可手段(図示せず)と、画像形成動作中は前記管理装置に動作中であることを知らせる信号を出力する動作中信号出力手段(図示せず)とを有している。
管理装置2には、カードや身分証明書などがこれに挿入されたときに画像形成装置1の画像形成動作を可能にする信号を出力する動作可能信号出力手段8と、画像形成装置1からの画像形成枚数やサイズデータ・出力モードを記憶する記憶手段13と、画像枚数を加算、または上限枚数から減算し、減算しているときは現在の残度数を画像形成装置1に出力する料金信号出力手段6と、残度数がない場合は画像形成動作を禁止する禁止手段(図示せず)と、残度数を表示する表示手段5と、画像形成動作終了後にカードや身分証明書を返却する返却手段8aとを備えている。使用するカード(図示せず)は複数の減算エリアを有している。
以上の構成により、この実施の形態では、キーカードを用いたログを蓄積する事後精算方式と、プリペイドカードを用いたプリペイド方式の両方に対応し、利用者により挿入されたカード状記録媒体によってそのいずれかを選択することができるようになっている。
【0009】
次に、この画像形成装置管理システムを用いた場合の具体的な動作について説明する。まず、第1の精算方式であるログを蓄積する事後精算方式が選択された場合を簡単に説明する。複写機1を用いてコピーを行う利用者はキーカード挿入口6aに事後精算方式で精算することが記録されたキーカードを管理装置2に挿入する。
キーカードが挿入されると、精算方式判定手段としての制御部11によって精算方式が事後精算方式に設定され、キーカードの磁気ストライプに記録されている以下のような識別コードとカード番号、更にはコピー枚数が読み取られる。
・識別コード:そのコードがこの管理装置2用のカードであることを示すコード
・カード番号:1つの部門が複数のカードを所有する場合には各カードには同一のカード番号が記載されている。
そして、管理装置2(詳しくは制御部11)は、そのカードの識別コードが予め設定されている識別コードと比較して一致しない場合には「使用不可」を表示部に表示する。他方、一致する場合には後述する「ユーザ状態通知」を複写機1に送り、また、そのカード番号によりコピーされたトータルコピー枚数を表示するか、又は設定によっては残りのコピー可能枚数を表示する。
ここで、複写機1は管理装置2からの「ユーザ状態通知」に基づいて、コピー可能なときには図示してない操作部上のスタートキーの発光部を緑で点灯し、他方、コピー不可のときには赤で点灯して操作部においてキーカードをリード/ライト部6に挿入するように利用者に促す。
上記では複写機とカードでの管理装置の組み合わせを例として説明した。カードはICカードとし、管理装置2はICカードのリード/ライトが行える。また、ICカードへのアクセス方法、暗号手順等の説明はここでは割愛する。
【0010】
複写機(画像形成装置)1及び管理装置2は互いに信号のやり取りを行える手段(I/F部15)を有し、その信号の中には以下のものがある。複写機1から管理装置2ヘの信号としては、
・サイズ信号:複写機の転写紙のサイズを表す信号;
・モード信号:フルカラーか白黒か、片面か両面か、紙種は何かなどの複写条件を表す信号;
・動作信号:複写機1が動作中であるか否かを表す信号;
・料金指令:管理装置2のテーブル料金(度数)で課金するか、もしくは複写機1側で指示した料金(度数)で課金するかを示し、複写機側で指示する場合は料金も一緒に伝える信号;
・課金指令:管理装置2に課金してもらいたいタイミングに出力する信号;
・単価要求:或る複写条件の時の単価を管理装置2に対して要求する信号;
・終了:操作部上に終了ボタンがあり、そのボタンが押されたことを表す信号がある。
管理装置2から複写機1への信号としては、
・IDコード:カードに記載された利用者を特定するコード信号;
・残度数:管理装置2に投入されたカードの残度数情報が変化するたびに出力する信号;
・単価:管理装置2のテーブルの単価金額(度数)を表す信号;
・許可信号:管理装置2が課金できる状態にあるか否かを表す信号;
・課金完了複写機からの課金指令に対して課金動作が完了したことを表す信号がある。
管理装置2は挿入されたカードにより、優先順位1のエリアに残金があるかどうかを判定する。例えば、ICカードには以下の情報が記載されているとする。
・カードID:そのカード固有のIDコード、すなわち、管理装置2は登録されたコードとカードIDが一致した場合のみ、そのカードを本物として扱う;
・ID番号:本人を特定するための番号、社員番号、学籍番号、カード発行番号などを用いる;
・残金、残度数:エリアが複数あり、それぞれに金額の設定が行える。
【0011】
本実施の形態では以下の通りとする。
優先エリア1:学生証発行時に予め幾らかの金額をチャージしておくエリア;
優先エリア2:学生自身が現金をチャージできるエリア;事業者毎に使用エリアを区別することもできるが、本実施の形態では、優先エリア2はコピー、プリントだけではなく、食堂、売店、自動販売機でも使用できることとする。
・その他:カード発効日や回数、その他の区分など本実施の形態では説明しない。
カードID、ID番号、その他の情報はカード発行時に予め管理者により記載されており、変更は管理者にしか行えない。残金、残度数はカードにチャージするための専用の装置を用いる。
管理装置2が減算させる減算エリアの優先順位を決める場合には、例えば、管理装置2にエリアAを優先して減算し、エリアAに減算する残度数がなくなったらエリアBから減算するという設定を予めしておく。
また、カードが減算させる減算エリアの優先順位を決める場合には、管理装置2から減算度数の問い合わせが有った場合に、A+Bの残度数を通知し、減算の指示があった場合はエリアAを優先して減算し、エリアAに減算する残度数がなくなったらエリアBから減算する。
【0012】
図4、図5は本発明による画像形成装置管理システムの動作を説明するフローチャートである。
図4、図5において、優先エリア1はフリーポイント(Fポイント)、優先エリア2はチャージポイント(Cポイント)と表記している。
図1乃至図5を参照して、カードが管理装置2に挿入されると(S1)、管理装置2はカードIDやデータフォーマットなどからカードが本物(本管理装置で使用可能か否か)を判別し(S2)、使用不可のカードの場合はその旨の警告(エラー表示を出し、未対応カードとする)を行い(S3)、カード返却キー8aである返却ボタン押下かどうか判断し(S4)、返却ボタン8a押下ならば返却処理する。
使用可能カードの場合は、ID番号と残金、残度数を読み取り、Fポイント有りかどうか判断する(S5)。優先エリア1(Fポイント)に残金がある場合は、その残金を点滅表示させ(S6)、コピーモードを選択する(S7)。
Fポイント残度数不足かどうか判断し(S8)、残度数不足ならば、FおよびCポイントで残度数不足かどうか判断し(S9)、残度数不足ならば、エラー表示を出して残度数不足とし(S10)、返却ボタン8a押下(S11)ならば、返却処理を行う。
ステップS5で優先エリア1(Fポイント)に残金がなく、優先エリア2(Cポイント)に残金が有る場合(S12)、Cポイントの残度数を点灯表示する(S13)。次に、コピーモードを選択し(S14)、Cポイント残度数不足かどうか判断し(S15)、不足ならば、エラー表示を出して残度数不足とし(S16)、返却ボタン8a押下ならば(S17)、返却処理を行う。
上記ステップS8及びS9で残度数不足でないならば、コピー許可を出し(S18)、コピースタートかどうか判断し(S19)、コピースタートならば、減算処理を行う(S20)。
【0013】
次いで、Fポイント残度数不足かどうか判断し(S21)、残度数不足ならば、FおよびCポイントで残度数不足かどうか判断し(S22)、残度数不足ならば、エラー表示を出して残度数不足(フリーポイントなし)とし(S23)、返却ボタン押下ならば(S24)、返却処理を行う。ステップS19でコピースタートでないならば、返却ボタン8a押下かどうか判断し(S25)、返却ボタン8a押下ならば、返却処理を行う。
ステップS12で優先エリア2(Cポイント)に残金がない場合は、エラー表示を出して残度数なし(フリーポイントなし)とし(S26)、次いで、返却ボタン8a押下かどうか判断し(S27)、返却ボタン8a押下ならば、返却処理を行う。
ステップS15でCポイント残度数不足でないならば、コピー許可を出し(S28)、コピースタートかどうか判断し(S29)、コピースタートならば、減算処理を行う(S30)。
次いで、Cポイント残度数不足かどうか判断し(S31)、残度数不足ならば、エラー表示を出してフリーポイントなしとし(S32)、返却ボタン8a押下かどうか判断し(S33)、返却ボタン8a押下ならば、返却処理を行う。ステップS29でコピースタートでないならば、返却ボタン8a押下かどうか判断し(S34)、返却ボタン8a押下ならば、返却処理を行う。
【0014】
上述したステップS9及びS22に示すように、F及びCポイントのどちらにも残金がない、または不足している場合には警告(エラー表示)を行って、カードを返却する。
コピー、プリント動作が行われた場合は、優先エリア1に残金がある場合はそこから減算を行う。もし、優先エリア1に必要な残金が無く、優先エリア2に残金がある場合、優先エリア2から減算する、または優先エリア1から減算し、不足分を減算エリア2から減算するの2パターンを管理装置側への設定で選択できる。なお、本実施の形態ではまたは優先エリア1から減算し、不足分を減算エリア2から減算する方式を説明している。
コピー、プリントの設定により残度数が足りない場合は画像形成動作を開始しない。コピー終了がユーザによって選択(カード返却キー8a押下)された場合、カードに記載された残金、残度数の情報を書き換え、カードを排出する。
上記において複写機の動作については詳しくは説明してないが、例えば、特開2002−092733公報(現金タイプの管理装置ではあるが、複写機の動作は一緒)または特開平05−189641号公報に複写機の動作を参照することができる。
チャージ機は、チャージされた金額については、優先エリア2にチャージされ、優先エリア1にはチャージできない。売店、食堂、自動販売機等優先エリア2のみを使用し、優先エリア1からは減算できない。
【0015】
本発明によれば、優先エリアの度数が不足した時に、次の優先エリアからのみ減算、または最優先エリアから減算し、不足分を次の優先エリアの合算から減算するかを設定できるので、予め価値付けされた金額(フリーポイント)とチャージした金額(チャージポイント)を分けて管理したい場合は次の優先エリアからのみ減算する、またはフリーポイントを中途半端に残したくない場合は最優先エリアから減算し、不足分を次の優先エリアの合算から減算する方法を選択できる。
また、本発明によれば最優先エリア1に残度数がある場合はその残金を表示し、最優先エリア1に残度数がない場合はその次の優先エリアの残金を表示し、また、最優先エリアと次の優先エリアの表示方法を異ならせているので、管理装置にカードを入れたときに1つの表示部しかない場合でも、どちらの残金を表示しているかを判別することができる。
なお、本実施の形態では画像形成装置と管理装置とからなる画像形成装置管理システムを例に挙げて説明したがこれはあくまでも一例であり、本発明画像形成装置とパーソナルコンピュータ及び管理装置からなる画像形成装置管理システムであってもよい。
また、本実施の形態では画像形成装置として複写機を例としているが、画像形成装置は、印刷機やファクシミリでもよく、また管理装置を含めた画像形成装置管理システムとしては、プリンタとパーソナルコンピュータとの組み合わせでもよい事は言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態である画像形成装置管理システムの外観構造を示す斜視図である。
【図2】本発明の画像形成装置管理システムにおける管理装置の外観を示す斜視図である。
【図3】管理装置の制御系を示すブロック図である。
【図4】本発明による画像形成装置管理システムの動作を説明するフローチャートである。
【図5】本発明による画像形成装置管理システムの動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0017】
1 画像形成装置(複写機)、2 管理装置、3 接続ケーブル、5 表示部、6 料金信号出力手段(カードリード/ライト部)、7 切り替えキー、8 返却手段(入力部、カード返却手段)、8a カード返却キー(返却ボタン)、10 設定装置、11 制御部、13 記憶手段(メモリ部)、15 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置と、該画像形成装置に対して接続されて画像形成動作を行わせると共に、画像形成出力に対する対価の管理を行う管理装置とからなる画像形成装置管理システムにおいて、
前記管理装置は、前記画像形成装置からの画像形成枚数やサイズデータ・出力モードを記憶する記憶手段と、画像枚数を加算、または上限枚数から減算し、減算しているときは現在の残度数を画像形成装置に出力する料金信号出力手段と、残度数がない場合は画像形成動作を禁止する禁止手段と、残度数を表示する表示手段と、画像形成動作終了後にカードまたは身分証明書を返却する返却手段とを備え、
前記カードまたは身分証明書には複数の減算エリアを設けたことを特徴とする画像形成装置管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置管理システムにおいて、前記管理装置は、前記複数の減算エリアの減算させる優先順位を決定可能であることを特徴とする画像形成装置管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置管理システムにおいて、前記管理装置は、前記カードまたは身分証明書の優先エリアの度数が不足した時に、次の優先エリアからのみ減算するか、最優先エリアと次の優先エリアの合算から減算するかを設定できることを特徴とする画像形成装置管理システム。
【請求項4】
請求項2に記載の画像形成装置管理システムにおいて、前記管理装置は、前記最優先エリアに残度数がある場合はその残金を表示し、最優先エリアに残度数がない場合はその次の優先エリアの残金を表示することを特徴とする画像形成管理システム。
【請求項5】
請求項2に記載の画像形成装置管理システムにおいて、前記管理装置は前記最優先エリアと次の優先エリアの表示方法を異ならせることを特徴とする画像形成装置管理システム。
【請求項6】
画像形成装置及び画像形成出力に対する対価の管理に使用する管理装置を含む画像形成装置管理システムで使用するカードにおいて、使用度数を減算する減算エリアを複数設けていることを特徴とするカード。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれか1項記載の画像形成装置管理システムに使用することを特徴とする請求項6記載のカード。
【請求項8】
画像形成装置からの画像形成出力に対する対価の管理にカードを使用して行う画像形成装置管理システムで使用する管理装置において、前記カードの複数の減算エリアからの減算を設定できることを特徴とする管理装置。
【請求項9】
請求項1乃至5のいずれか1項記載の画像形成装置管理システムに使用することを特徴とする請求項8記載の管理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2007−65211(P2007−65211A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−250187(P2005−250187)
【出願日】平成17年8月30日(2005.8.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】