説明

画像形成装置

【課題】環境等の変化により転写残トナーの量が多くなっても,画質低下が発生しない画像形成装置を提供すること。
【解決手段】本発明のカラープリンタ1は,トナー像を担持する感光体ドラム20と,感光体ドラム20上のトナー像を被転写体に転写する転写装置60とを有し,転写装置60を通過した後の感光体ドラム20上のトナーを一時的に回収するとともに回収したトナーを感光体ドラム20上に吐き出すとともに,感光体ドラム20に対するバイアス電圧が掛かるブラシローラ71と,転写装置60とブラシローラ71との間の位置における感光体ドラム20上の残トナー量を検出するトナー濃度センサ72と,残トナー量が所定量より多い場合にブラシローラ71のバイアス電圧を通常時のバイアス電圧より回収側に変更するコントローラ80とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,転写残トナーを廃棄することなく現像器へ戻すいわゆるクリーナレス方式の画像形成装置に関する。さらに詳細には,トナーの転写効率の変動や一時回収部材におけるトナーの蓄積状況の変動に対応して適切に転写残トナーの回収や吐き出しを行うようにした画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来,電子写真方式の画像形成装置では,一般に,感光体ドラム等の像担持体にトナー像を形成し,そのトナー像を用紙等に転写して画像を得ている。また,転写後の感光体上に残った残留トナーを,ブレード等のクリーニング装置によって除去し廃棄する代わりに,現像装置によって回収して再利用するクリーナレスといわれる画像形成装置もある。
【0003】
従来のクリーナレス方式の画像形成装置としては,例えば特許文献1には,転写装置と帯電装置との間で感光体に接触する回転ブラシを有し,そのブラシに交流のバイアス電圧を印加させている画像形成装置が開示されている。この文献に記載の画像形成装置では,回転ブラシによって,トナーの掻き乱しと遊離しやすいトナーの回収とを行わせることにより,帯電ブラシへのトナーの固着が防止できるとされている。
【0004】
また特許文献2には,メモリ除去ブラシを有する画像形成装置が開示されている。この文献の技術では,感光体ドラムに残留している転写残トナーをメモリ除去ブラシによって拡散させている。さらに,メモリ除去ブラシに過剰なトナーが蓄積されると,クリーニングシーケンスを行ってトナーを現像器で回収するとされている。
【特許文献1】特開2001−272860号公報
【特許文献2】特開2002−156881号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら,電子写真方式の画像形成装置では,転写装置における転写効率は環境によって変化する。そのため,前記した従来の画像形成装置のようにトナーの回収や拡散をしても,もともと感光体ドラムに残留している転写残トナーの量が多くなると,帯電ケリ・露光ゲリ・現像装置における回収不良等により画質低下の原因となるおそれがあった。
【0006】
本発明は,前記した従来の画像形成装置が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,環境等の変化により転写残トナーの量が多くなっても,画質低下が発生しない画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題の解決を目的としてなされた本発明の画像形成装置は,トナー像を担持する像担持体と,像担持体上のトナー像を被転写体に転写する転写部とを有する画像形成装置であって,転写部を通過した後の像担持体上のトナーを一時的に回収するとともに回収したトナーを像担持体上に吐き出すとともに,像担持体に対するバイアス電圧が掛かる一時回収部材と,転写部と一時回収部材との間の位置における像担持体上の残トナー量を検出する残トナー量検出部と,残トナー量が所定量より多い場合に一時回収部材のバイアス電圧を通常時のバイアス電圧より回収側に変更するバイアス制御部とを有するものである。
【0008】
本発明の画像形成装置によれば,像担持体に担持されたトナー像が被転写体に転写される。その後も像担持体に残ったトナーは,一時回収部材によって一時的に回収され,再び像担持体上に吐き出される。このとき,残トナー量検出部によって,像担持体上の残トナー量が検出され,残トナー量が所定量より多い場合には,バイアス制御部によって一時回収部材のバイアス電圧が通常時より回収側に変更される。従って,残トナー量が多くなった場合にはより回収するように制御されている。これにより,環境等の変化により転写残トナーの量が多くなっても,画質低下が発生しない。
【0009】
さらに本発明では,バイアス制御部は,標準パターンの転写後の残トナー量が所定量より多い場合にバイアス電圧の変更を行うことが望ましい。
このようなものであれば,環境等の変化により転写後の残トナー量が多すぎる場合に,バイアス電圧を変更して吐き出し量に比較して回収量を多くする。多すぎない場合には通常通りに制御されるので,回収量が多くなりすぎることはない。
【0010】
また,本発明の画像形成装置は,トナー像を担持する像担持体と,像担持体上のトナー像を被転写体に転写する転写部とを有する画像形成装置であって,転写部を通過した後の像担持体上のトナーを一時的に回収するとともに回収したトナーを像担持体上に吐き出すとともに,像担持体に対するバイアス電圧が掛かる一時回収部材と,一時回収部材のトナー蓄積量を検出するトナー蓄積量検出部と,トナー蓄積量が所定量より多い場合に,一時回収部材のバイアス電圧を通常時のバイアス電圧より回収側に変更するバイアス制御部とを有するものであってもよい。
一般に,一時回収部材のトナー蓄積量が多くなると,トナーの回収効率が低下する。すなわち通常のバイアス電圧では回収量が不足する。本発明によれば,トナー蓄積量が所定量より多い場合には,バイアス制御部により一時回収部材のバイアス電圧が通常時のバイアス電圧より回収側に変更されるので,適切な回収量を保つことができる。
【0011】
さらに本発明では,一時回収部材は,回転しつつ像担持体に接触する一時回収回転部材であり,トナー蓄積量検出部は,一時回収回転部材のトルクを検出するトルク検出部であり,バイアス制御部は,一時回収回転部材のトルクが所定値より小さい場合にバイアス電圧の変更を行うことが望ましい。
一時回収回転部材の回転トルクは,一時回収回転部材とそれに接触される像担持体との間の摩擦によって変化される。一般にトナーは潤滑作用があり,接触面間にトナーが多量に存在すれば摩擦が低下する。すなわち,一時回収回転部材のトルクを検出することにより,一時回収回転部材に蓄積されているトナーの量を把握することができる。
【0012】
さらに本発明では,トナー蓄積量検出部は,一時回収部材の電流を検出する電流検出部であり,バイアス制御部は,一時回収部材の電流が所定値より小さい場合にバイアス電圧の変更を行うことが望ましい。
トナーが蓄積すると一時回収部材の抵抗値が増加する。一時回収部材は電圧ベースで制御されているので,電流を検出すれば抵抗の増加度合いを判断できる。すなわち,一時回収部材の電流を検出することにより,一時回収部材に蓄積されているトナーの量を把握することができる。
【0013】
さらに本発明では,バイアス制御部は,バイアス電圧を回収側に変更するときには,像担持体へのトナーの吐き出し量が0.3g/m2以下となるようにバイアス電圧を制御することが望ましい。
トナー吐き出し量が0.3g/m2以下であれば,残留トナーによる画質低下は発生しない。
【0014】
さらに本発明では,バイアス制御部は,像担持体における次回の画像形成に対して画像内領域となる部分に対してのみ,バイアス電圧の回収側への変更を行うことが望ましい。
画像外領域に多くのトナーが残留していても,画質への影響はない。すなわち,画像内領域となる部分のみ制御すれば十分である。
【0015】
さらに本発明では,一時回収部材から像担持体の次回の画像形成に対して非画像領域となる部分へトナーを吐き出させるクリーニングシーケンスを行わせるクリーニング制御部を有し,クリーニング制御部は,バイアス制御部がバイアス電圧の回収側への変更を行った場合には,通常時と比較して,クリーニングシーケンスの実行時間を長くするかまたは実行頻度を上げることが望ましい。
バイアス制御部によってバイアス電圧が回収側へ変更されると,一時回収部材にトナーが溜まりがちとなる。そこで,クリーニングシーケンスの実行時間を長くするかまたは実行頻度を上げることにより,一時回収部材に蓄積されたトナーを画質に影響を与えることなく放出させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば,環境等の変化により転写残トナーの量が多くなっても,画質低下が発生しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
「第1の形態」
以下,本発明を具体化した第1の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,クリーナレス方式のカラープリンタに本発明を適用したものである。
【0018】
本形態のカラープリンタ1は,図1にその概略構成を示すように,各色の画像形成部10Y,10M,10C,10Bk,中間転写ベルト11,2次転写装置12,ベルトクリーナ13を有している。各色の画像形成部10Y,10M,10C,10Bkは,中間転写ベルト11に沿って配置され,中間転写ベルト11上に各色のトナー像を重ね合わせて形成する。重ね合わされたトナー像は,2次転写装置12で記録紙14に転写される。また,中間転写ベルト11上に残ったトナーは,ベルトクリーナ13によって掻き取られる。本形態では,負帯電トナーを使用するカラープリンタ1とする。なお以下では,特に区別の必要がない場合には,各色の添字YMCBkを省略して記載する。
【0019】
各色の画像形成部10はいずれも同じ構成である。各画像形成部10は,図1に示すように,感光体ドラム20を中心として,その周囲に帯電装置30,露光装置40,現像装置50,転写装置60を有している。各装置は一般的なものを使用する。本形態のカラープリンタ1では,転写装置60と帯電装置30との間に残留トナー制御部70が備えられている。各色の残留トナー制御部70は,コントローラ80によって制御されている。
【0020】
残留トナー制御部70は,図2に示すように,ブラシローラ71とトナー濃度センサ72とを有している。ブラシローラ71は,その毛先が感光体ドラム20の表面に接するように設けられている。トナー濃度センサ72は,感光体ドラム20の回転についてブラシローラ71の上流側に配置され,感光体ドラム20表面に残留するトナーの量を検出する。また,ブラシローラ71には,電源73が接続され,直流と交流との重畳バイアス電圧が印加されている。さらに,電源73とトナー濃度センサ72とは,コントローラ80が接続されて制御されている。なお,ブラシローラ71と感光体ドラム20とは,いずれも図中矢印で示すように時計回りに回転されている。
【0021】
次に,本形態のカラープリンタ1における残留トナー制御部70の動作を説明する。画像形成時には,感光体ドラム20は帯電装置30によって一様に帯電され,露光装置40によって画像データに基づいて静電潜像が形成される。形成された静電潜像が現像装置50によってトナーで現像され,転写装置60によって中間転写ベルト11に転写される。この転写工程後も感光体ドラム20上に残ったトナーが残留トナーである。ブラシローラ71には,電源73によってバイアスが印加されている。これにより,感光体ドラム20上の残留トナーはブラシローラ71に一時的に回収され,再び感光体ドラム20上に吐き出される。この工程によって,残留トナーはある程度分散される。
【0022】
ここで,転写効率は一般的に環境等の要因によって変化する。そのため,転写効率が非常に低下した環境では,上記のように残留トナーが分散されても露光ゲリ等の画質低下を招くおそれがある。そこで発明者らは,まず画質低下を招くおそれがない残留トナー濃度の範囲を,実験によって求めた。発明者らの実験では,トナー残量と画像濃度ムラとの関係は,図3に示すようなものであった。すなわち,残留トナー濃度が0.3g/m2以下であれば,露光ゲリ等の画質低下は発生しないことが判った。そこで,本形態のカラープリンタ1では,残留トナー濃度が0.3g/m2以下となるようにコントローラ80によって制御する。
【0023】
次に制御の方法について説明する。上記のようにブラシローラ71にはバイアス電圧が印加されているので,コントローラ80によって,このバイアス電圧の直流成分または交流成分のDutyを変化させる。これにより,ブラシローラ71による残留トナーの回収と吐き出しとの割合を変化させるのである。バイアス電圧の直流成分Vdcを変化させた場合,図4に示すように,Vdcを大きくするにつれて吐き出し率が低下する。
【0024】
また,交流成分のDutyを大きくしていくと,図5に示すように,吐き出し率が上昇する。なお,ここでは交流成分として矩形波を使用し,そのVppは300Vとしている。さらにDutyは,交流成分のうち吐き出し側の電圧に相当する負電圧が出力されている時間の割合としている。
【0025】
本形態のカラープリンタ1では,残留トナー濃度を制御するために,まず所定のタイミングで残留トナー濃度を検出している。例えば,電源ON時や画像形成前等に,所定の濃度検出用パターンを形成し,中間転写ベルト11に転写させる。その後の感光体ドラム20表面に残留しているトナーの濃度を,トナー濃度センサ72によって検出する。残留トナー濃度が0.3g/m2以下であれば,特に制御を変更する必要はないので,通常のバイアス電圧を印加する。
【0026】
一方,残留トナー濃度が0.3g/m2を超えていた場合は,バイアス電圧を変化させて吐き出し率を低下させる。すなわち,バイアス電圧の直流成分を上昇させるか,または,交流成分のDutyを低下させる。例えば,バイアス電圧の直流成分として,−200V〜150V程度の範囲内で多段階の調節ができるようにしておき,検出された残留トナー濃度に応じて切り替えるようにすればよい。または,−200Vと+100V程度の2水準のバイアス電圧を用意しておき,切り替えるようにしても良い。Dutyを変化させる場合も同様である。
【0027】
ところで,コントローラ80による制御には,クリーニングシーケンスを行わせるクリーニング制御も含まれる。クリーニングシーケンスでは,バイアス電圧を吐き出し側に変更して,ブラシローラ71に蓄積されているトナーを感光体ドラム20に吐き出す。そして,吐き出されたトナーを現像装置50によって回収する。通常の制御においても,ブラシローラ71にトナーがある程度溜まると,この処理が行われる。なお,この制御を行っている間は画像形成を行わない。
【0028】
上記のようにバイアス電圧を制御してトナーの吐き出し率を低下させると,当然ブラシローラ71に次第に多くのトナーが溜まることになる。そこで,本形態では,吐き出し率を低下させた後に,ブラシローラ71のクリーニングシーケンスの間隔を短くするか,または,クリーニングシーケンスの実行時間を長くする。これにより,ブラシローラ71に溜まったトナーを吐き出させ,以後の画像形成に対する影響を防止する。
【0029】
すなわち,本形態のカラープリンタ1によれば,所定のタイミングで標準パターンの残留トナーを検出し,転写効率が低下していると判断されたときにはバイアス電圧の直流成分を上昇させるか,または,交流成分のDutyを低下させる。これにより,ブラシローラ71からのトナーの吐き出し率が低下するので,感光体ドラム20上のトナー濃度を減少させることができる。従って,環境等の変化により転写残トナーの量が多くなっても,画質低下が発生しないカラープリンタ1となっている。
【0030】
「第2の形態」
以下,本発明を具体化した第2の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,第1の形態と残留トナー制御部がやや異なるのみであり,その他の部分は共通であるので,同一の符号を付して説明を省略する。
【0031】
本形態の残留トナー制御部75は,トナー濃度センサ72に代えて,ブラシローラ71にトルク検出部76を備えている。トルク検出部76は,ブラシローラ71を一定回転させるためのモータの消費電力を検出し,その結果からブラシローラ71の回転にかかるトルクが所定の範囲内にあるかどうかを検出する。トルク検出部76による検出結果は,コントローラ80に入力される。コントローラ80は,トルク検出部76の検出結果を受けて電源73を制御する。
【0032】
一般にトナーには潤滑性がある。そのため,ブラシローラ71にある程度以上のトナーが蓄積していると,ブラシローラ71と感光体ドラム20との間の摩擦が小さくなるため,ブラシローラ71の回転のためのトルクは小さくなる。すなわち,トルク検出部76の検出結果が,所定の範囲より小さい場合には,ブラシローラ71に蓄積しているトナー量が多くなっていると判断できる。
【0033】
ブラシローラ71にトナーが多く蓄積されていると,通常時よりトナーの回収効率が低下する。そのため,残留トナー制御部75を通過した後の残留トナーが通常時より増加するおそれがある。そこでこのときには,第1の形態と同様に電源73を制御して,バイアス電圧の直流成分を上昇させるか,または,交流成分のDutyを低下させる。これにより,ブラシローラ71からのトナー吐き出し率を低下させ,残留トナー濃度が0.3g/m2以下となるようにコントローラ80によって制御する。
【0034】
なお,本形態においても,トナーの吐き出し率を低下させた場合には,当然ブラシローラ71に次第に多くのトナーが溜まることになる。そのため,その場合には,ブラシローラ71のクリーニングシーケンスの間隔を短くするか,または,クリーニングシーケンスの実行時間を長くするとよい。
【0035】
これにより,第1の形態と同様に,環境等の変化により転写残トナーの量が多くなっても,画質低下が発生しないカラープリンタとなっている。
【0036】
「第3の形態」
以下,本発明を具体化した第3の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,第1の形態と残留トナー制御部がやや異なるのみであり,その他の部分は共通であるので,同一の符号を付して説明を省略する。
【0037】
本形態の残留トナー制御部77は,トナー濃度センサ72に代えて,ブラシローラ71に電流検出部78を備えている。電流検出部78は,ブラシローラ71に流れる電流の大きさを検出する。ブラシローラ71に印加されるバイアスは電圧制御とされているので,ブラシローラ71の抵抗値が変化すると電流値が変化する。ブラシローラ71に蓄積されたトナーは抵抗として働くので,トナーの蓄積が少ないブラシローラ71では電流値が大きく,トナーが蓄積するに従って電流値は小さくなる。従って,電流検出部78の検出結果からブラシローラ71のトナー蓄積の程度が判断できる。コントローラ80は,電流検出部78の検出結果を受けて電源73を制御する。
【0038】
そこで,本形態の残留トナー制御部77では,電流検出部78により所定のタイミングで電流値を検出する。電流値が所定値以下となったらブラシローラ71に蓄積しているトナー量が多くなっていると判断できる。このときには,第1,第2の形態と同様に電源73を制御して,バイアス電圧の直流成分を上昇させるか,または,交流成分のDutyを低下させる。これにより,ブラシローラ71からのトナー吐き出し率を低下させ,残留トナー濃度が0.3g/m2以下となるようにコントローラ80によって制御する。
【0039】
なお,本形態においても,トナーの吐き出し率を低下させた場合には,当然ブラシローラ71に次第に多くのトナーが溜まることになる。そのため,その場合には,ブラシローラ71のクリーニングシーケンスの間隔を短くするか,または,クリーニングシーケンスの実行時間を長くするとよい。
【0040】
これにより,第1の形態と同様に,環境等の変化により転写残トナーの量が多くなっても,画質低下が発生しないカラープリンタとなっている。
【0041】
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。 例えば,上記の形態では,残留トナーの一時回収部材としてブラシローラを使用しているが,これに限らず,固定ブラシや振動ブラシでも良い。
また例えば,カラープリンタに限らず,モノクロプリンタやコピー機,FAX等の画像形成装置にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本形態に係るカラープリンタを示す概略構成図である。
【図2】第1の形態に係る残留トナー制御部を示す説明図である。
【図3】トナー残量と画像濃度ムラとの関係を示す説明図である。
【図4】バイアス電圧の直流成分と吐き出し率との関係を示す説明図である。
【図5】バイアス電圧のDutyと吐き出し率との関係を示す説明図である。
【図6】第2の形態に係る残留トナー制御部を示す説明図である。
【図7】第3の形態に係る残留トナー制御部を示す説明図である。
【符号の説明】
【0043】
1 カラープリンタ(画像形成装置)
20 感光体ドラム(像担持体)
60 転写装置(転写部)
71 ブラシローラ(一時回収部材,一時回収回転部材)
72 トナー濃度センサ(残トナー量検出部)
76 トルク検出部(トルク検出部,トナー蓄積量検出部)
78 電流検出部(電流検出部,トナー蓄積量検出部)
80 コントローラ(バイアス制御部,クリーニング制御部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を担持する像担持体と,前記像担持体上のトナー像を被転写体に転写する転写部とを有する画像形成装置において,
前記転写部を通過した後の前記像担持体上のトナーを一時的に回収するとともに回収したトナーを前記像担持体上に吐き出すとともに,前記像担持体に対するバイアス電圧が掛かる一時回収部材と,
前記転写部と前記一時回収部材との間の位置における前記像担持体上の残トナー量を検出する残トナー量検出部と,
残トナー量が所定量より多い場合に前記一時回収部材のバイアス電圧を通常時のバイアス電圧より回収側に変更するバイアス制御部とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において,
前記バイアス制御部は,標準パターンの転写後の残トナー量が所定量より多い場合にバイアス電圧の変更を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
トナー像を担持する像担持体と,前記像担持体上のトナー像を被転写体に転写する転写部とを有する画像形成装置において,
前記転写部を通過した後の前記像担持体上のトナーを一時的に回収するとともに回収したトナーを前記像担持体上に吐き出すとともに,前記像担持体に対するバイアス電圧が掛かる一時回収部材と,
前記一時回収部材のトナー蓄積量を検出するトナー蓄積量検出部と,
トナー蓄積量が所定量より多い場合に,前記一時回収部材のバイアス電圧を通常時のバイアス電圧より回収側に変更するバイアス制御部とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置において,
前記一時回収部材は,回転しつつ前記像担持体に接触する一時回収回転部材であり,
前記トナー蓄積量検出部は,前記一時回収回転部材のトルクを検出するトルク検出部であり,
前記バイアス制御部は,前記一時回収回転部材のトルクが所定値より小さい場合にバイアス電圧の変更を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項3に記載の画像形成装置において,
前記トナー蓄積量検出部は,前記一時回収部材の電流を検出する電流検出部であり,
前記バイアス制御部は,前記一時回収部材の電流が所定値より小さい場合にバイアス電圧の変更を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1つに記載の画像形成装置において,
前記バイアス制御部は,バイアス電圧を回収側に変更するときには,前記像担持体へのトナーの吐き出し量が0.3g/m2以下となるようにバイアス電圧を制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1つに記載の画像形成装置において,
前記バイアス制御部は,前記像担持体における次回の画像形成に対して画像内領域となる部分に対してのみ,バイアス電圧の回収側への変更を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1つに記載の画像形成装置において,
前記一時回収部材から前記像担持体の次回の画像形成に対して非画像領域となる部分へトナーを吐き出させるクリーニングシーケンスを行わせるクリーニング制御部を有し,
前記クリーニング制御部は,前記バイアス制御部がバイアス電圧の回収側への変更を行った場合には,通常時と比較して,クリーニングシーケンスの実行時間を長くするかまたは実行頻度を上げることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−349764(P2006−349764A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−172662(P2005−172662)
【出願日】平成17年6月13日(2005.6.13)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】