説明

画像形成装置

【課題】 画像を形成した不定形用紙を定形サイズに裁断する際の労力を軽減できるようにする。
【解決手段】 原稿データに基づく原稿画像を形成する対象である不定形用紙S1のサイズを取得し、不定形用紙S1において、取得した不定形用紙S1のサイズよりも小さい定形サイズ領域51内に原稿画像を形成し、さらに、定形サイズ領域51の外周を示す領域区分画像52を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不定形用紙に画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、プリンタ等の画像形成装置においては、一般的に、装置本体に記憶媒体である用紙を複数枚連続で複写、或いはプリント可能な様に100枚〜500枚程度の用紙を搭載可能な給紙トレイを装置内部に備えている。また、頻繁に使用する用紙のサイズ、種類が1種類とは限らないので、複数の給紙トレイが用意されていることが一般的である。
【0003】
ところで、上記のように、複数の給紙トレイが設けられている場合でも、一時的に各給紙トレイにセットされた用紙とは異なったサイズの用紙に対し、複写、或いはプリントを実行したいという要求が発生することがある。
【0004】
この要求に対し、一般的には、装置本体の内部の給紙トレイとは別に、手差トレイを装置本体の外側に設け、この手差トレイに搭載された用紙をプリンタ部に給紙してその用紙に画像を形成する装置がある(例えば、特許文献1参照)。このような手差トレイでは、不定形用紙の搭載及び給紙も可能とされている。そして、このようにして給紙された不定形用紙に定形サイズの画像の形成も可能とされている。
【0005】
【特許文献1】特開平7−61086号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような不定形用紙への画像形成が可能となってくると、原稿画像が形成されて出力された不定形用紙を適切にファイリングしたいという要求が発生することがある。
【0007】
しかし、不定形用紙をファイリングした場合、用紙サイズが揃っていないことにより、ファイルした中から所望の用紙を検索する作業が非常にやりづらいという問題が発生する。
【0008】
検索作業の作業性を向上させる為には、不定形の用紙を定形サイズに裁断し、用紙サイズを揃えてからファイリングすれば良いが、不定形用紙において定形サイズを計測し正確に裁断するのは、多大な労力を要するという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、原稿画像が形成された不定形用紙を定形サイズに裁断する際の労力を軽減できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の発明は、不定形用紙に原稿データに基づく原稿画像を形成する画像形成装置において、前記不定形用紙のサイズを取得する取得手段と、前記不定形用紙において、前記取得手段によって取得された前記不定形用紙のサイズよりも小さい定形サイズ領域内に前記原稿画像を形成し、かつ、前記定形サイズ領域の外周を示す領域区分画像を形成する形成手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記領域区分画像は、前記不定形用紙の前記定形サイズ領域外の領域に全体的に形成される連続パターンを含むことを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の画像形成装置において、前記形成手段は、前記定形サイズ領域外に非原稿画像領域である旨を示す文字情報を形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、画像を形成した不定形用紙を定形サイズに裁断する際の労力を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本実施の形態の画像形成装置としての複写機を示す縦断正面図である。複写機1は、上側に配置されたスキャナ装置2と、このスキャナ装置2で読み取った原稿の画像を用紙に形成するプリンタ装置3、利用者の操作を受け付ける操作部4(図2参照)とを有している。
【0016】
プリンタ装置3の内部には、シート状の用紙を積層保持する給紙トレイ5或いは手差しでの用紙を受付ける手差トレイ6から、画像形成部7、定着装置8を介して排紙スタッカ部9へ至る用紙搬送路10が形成されている。
【0017】
画像形成部7は、像担持体であるドラム状の感光体11、この感光体11のまわりに電子写真プロセスに従い配置された帯電装置12、現像装置13、転写装置14、クリーニング装置15等により構成されている。この画像形成部7では、感光体11の外周面が帯電装置12により所定の電位に帯電され、帯電された感光体11の外周面が画像データに基づいて光書込装置16によって露光されることにより感光体11の外周面に静電潜像が形成され、この静電潜像に対して現像装置13からトナーが供給されることにより静電潜像がトナー像として顕像化され、顕像化されたトナー像が転写装置14により用紙S上に転写される。この用紙Sは、給紙トレイ5又は手差トレイ6から給紙されたものである。この転写時に用紙S上に転写されずに感光体11の外周面に残留したトナーは、クリーニング装置15により除去される。そして、用紙Sに形成された画像は、定着装置8によって溶融・定着される。
【0018】
また、用紙搬送路10には、各種の搬送ローラ17が設けられ、これらの搬送ローラ17が各種のモータ18(図3参照)によって回転駆動されることにより、用紙Sが給紙トレイ5、手差トレイ6から給紙されて用紙搬送路10に沿って搬送される。
【0019】
手差トレイ6は、用紙Sとして種々の定形用紙、不定形用紙S1(図6参照)を搭載可能である。なお、定形用紙とは、定形サイズの用紙Sであり、不定形用紙S1とは。定形サイズ外のサイズの用紙Sである。この手差トレイ6は、プリンタ本体3aに設けられたトレイ収納部19から倒されて手差トレイ6の用紙搭載部6aが解放される位置と、トレイ収納部19に収納される位置との間で回動自在に設けられている。手差トレイ6を使用するときには、利用者は、手差トレイ6をトレイ収納部19から倒し、用紙搭載部6aに用紙Sをセットする。また、給紙トレイ5は、用紙Sとして定形用紙を搭載可能である。
【0020】
図2は、操作部4を示す平面図である。操作部4は、例えば、スキャナ装置2の手前部分等の操作しやすい箇所に設けられている。操作部4には、タッチパネル21が設けられたLCD(Liquid Crystal Display)などの表示器22、各種キー23が設けられている。各種キー23としては、スタートキー23a、値数入力を行うためのテンキー23bなどが設けられている。表示器22には、各種画面が表示される。そして、この操作部4では、各種画面に表示されるキーへのタッチ入力や、各種キー23に対するキー操作により各種の設定を行うことが可能となっている。ここで、表示器に表示される画面の一つである設定画面(図示せず)には、不定形用紙S1への画像形成を指示するための不定形用紙キーが設けられている。
【0021】
図3は複写機1が備える各部の電気的な接続を概略的に示すブロック図である。図3に示すように、複写機1には、CPU(Central Processing Unit)31、メモリ32、画像処理部33等から構成される制御部34が設けられている。メモリ32は、ROMやRAMによって構成されコンピュータプログラムや用紙Sの定形サイズ情報などが記憶されている。ここで、定形サイズとは、例えばA版(A3,A4)等である。この制御部34には、スキャナ装置2、プリンタ装置3、操作部4が接続されている。そして、スキャナ装置2が読み取った原稿の原稿データは、メモリ32を経由して画像処理部33に送られ、その後、プリンタ装置3に送られる。
【0022】
次に、本実施の形態の複写機1の画像形成動作のうち、特徴的な画像形成動作を説明する。図4は、不定形用紙S1に対する画像形成動作において、CPU31がメモリ32に格納されたコンピュータプログラムに従って実行する不定形用紙S1に対する画像形成処理の流れを示すフローチャートである。
【0023】
図4に示すように、表示器22に表示された図示しない設定画面の不定形用紙キーがタッチされ、画像形成対象が不定形用紙S1であると判断した場合には(ステップS1のY)、表示器22に不定形用紙サイズ入力画面を表示させる(ステップS2)。図5に不定形用紙サイズ入力画面G1の一例を示す。この不定形用紙サイズ入力画面G1には、不定形用紙S1の縦寸法を入力する縦寸法キー41、不定形用紙S1の横寸法を入力するための横寸法キー42、OKキー43等が設けられている。不定形用紙S1の縦寸法及び横寸法の入力は、縦寸法キー41や横寸法キー42をタッチして選択した後、テンキー23bによって寸法を指定する。これにより、縦寸法キー41や横寸法キー42にテンキー23bによって指定された寸法が表示される。そして、寸法を入力後、OKキー43をタッチすることにより、寸法が確定されてCPU31に入力される。
【0024】
不定形用紙サイズ入力画面G1によって不定形用紙S1のサイズが入力されたならば、その入力されたサイズをメモリ32に記憶することによって不定形用紙S1のサイズを取得する(ステップS3)。ここに、ステップS2,S3によって、取得手段の機能が実行される。
【0025】
次に、取得した不定形用紙S1のサイズよりも小さい定形サイズをメモリ32を参照して選択する(ステップS4)。例えば、取得した不定形用紙S1のサイズが図6に示すように縦250mm、横320mmである場合には、定形サイズとしてA4サイズ(縦210mm、横297mm)を選択する。
【0026】
そして、画像処理部33、プリンタ装置3によって不定形用紙S1に対して以下のような画像を形成する(ステップS5)。不定形用紙S1において、図7や図8に示すように、ステップS3で選択した定形サイズの領域である定形サイズ領域51内に原稿データに基づく原稿画像を形成し、かつ、定形サイズ領域51の外周を示す領域区分画像52を形成する。図7の例では、領域区分画像52として、定形サイズ領域51とそれ以外の領域53との境界に点線52aが形成されるとともに、さらに、定形サイズ領域51以外の領域53に、1種類の模様(本実施の形態では、点)の繰り返しにより構成される連続パターンである網点画像52bが全体的に形成されている。この領域区分画像52では、点線52aによって、定形サイズ領域51の外周が示され、さらに、網点画像52bによって、より分かり易く定形サイズ領域51の外周が示される。さらに、網点画像52bによって、定形サイズ領域51以外の領域53が非原稿画像領域であることが示される。また、図8の例では、図7の例に加えて、定形サイズ領域51外の領域53に、当該領域53が定形サイズ領域51の外側であり非原稿画像領域である旨を示す文字情報54(例えば、非原稿画像部)が形成されている。このような画像の画像データの生成は、画像処理部33によってなされ、生成された画像データに基づいてプリンタ装置3によって不定形用紙S1に画像が形成される。ここに、ステップS4,S5によって、形成手段の機能が実行される。
【0027】
以上説明したように、本実施の形態の形態では、不定形用紙S1への画像形成において、原稿画像は不定形用紙S1のサイズよりも小さい定形サイズ領域51に形成され、さらに、定形サイズ領域51の外周を示す領域区分画像52が付加的に形成されるので、利用者に、原稿画像が形成される定形サイズ領域51の外周を容易に認識させることができる。よって、利用者は、原稿画像が形成された不定形用紙S1を定形サイズに裁断する場合には、領域区分画像52をガイドにして裁断することにより、従来のように定形サイズ領域を計測してマーキングするような煩雑な作業をする必要がなくなり、作業効率が飛躍的に向上する。よって、原稿画像が形成された不定形用紙S1を定形サイズに裁断する際の労力が軽減される。
【0028】
また、不定形用紙S1の定形サイズ領域51外の領域53に連続パターンである網点画像52bが全体的に形成されて、定形サイズ領域51以外の領域53が非原稿画像領域であることが示されるので、利用者に対して、定形サイズ領域51外の領域53が非原稿画像領域である旨を容易に認識させることができる。
【0029】
また、不定形用紙S1において、定形サイズ領域51外の領域53に非原稿画像領域である旨を示す文字情報54が形成されることにより、利用者に対して、定形サイズ領域51外の領域53が非原稿画像領域である旨をより容易に認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施の形態の複写機全体を示す概略構成図である。
【図2】操作部を示す平面図である。
【図3】複写機が備える各部の電気的な接続を概略的に示すブロック図である。
【図4】不定形用紙に対する画像形成処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】不定形用紙サイズ入力画面の一例を示す平面図である。
【図6】不定形用紙を示す平面図である。
【図7】画像が形成された不定形用紙の一例を示す平面図である。
【図8】画像が形成された不定形用紙の別の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 画像形成装置
51 定形サイズ領域
52 領域区分画像
52b 網点画像
54 文字情報
S1 不定形用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不定形用紙に原稿データに基づく原稿画像を形成する画像形成装置において、
前記不定形用紙のサイズを取得する取得手段と、
前記不定形用紙において、前記取得手段によって取得された前記不定形用紙のサイズよりも小さい定形サイズ領域内に前記原稿画像を形成し、かつ、前記定形サイズ領域の外周を示す領域区分画像を形成する形成手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記領域区分画像は、前記不定形用紙の前記定形サイズ領域外の領域に全体的に形成される連続パターンを含むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記形成手段は、前記定形サイズ領域外に非原稿画像領域である旨を示す文字情報を形成することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−50138(P2006−50138A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−226745(P2004−226745)
【出願日】平成16年8月3日(2004.8.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】