説明

画像形成装置

【課題】 現像剤担持スリーブの内側への液体現像剤の進入を防止して液体現像剤と現像剤担持スリーブを用いた画像形成を良好に行う。
【解決手段】 一対のフランジ312によって、現像スリーブ31の両端部の開口部31aを閉塞している。したがって、開口部31aを介して現像液32が現像スリーブ31の内側に侵入するのを防止することができる。そのため、開口部31aより現像スリーブ31の内側へ現像液が侵入することによって発生する種々の問題を防止することできる。例えば、現像スリーブ31の内側に現像液が滞留して、滞留中に該現像液32が変質することを防止することができる。したがって、その変質した現像液32が開口部31aを介して現像スリーブ31の表面に付着して、現像特性の劣化を引き起こして画質低下を招くことを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プリンタ、複写機やファクシミリ装置などの電子写真方式の画像形成技術、特に現像方式として湿式現像方式を採用した画像形成技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、湿式現像方式を採用した画像形成装置としては、中空の筒状の形状を有する現像スリーブ(現像剤担持スリーブ)を回転させながら潜像担持体に当接させて、該現像スリーブに塗布された液体現像剤で、潜像担持体に形成された静電潜像を現像する構成が知られている。例えば、特許文献1に記載の装置では、中空の筒状部材からなる現像スリーブの中空部内に、該現像スリーブの内径よりも小径の駆動ローラを回転自在に配設している。そして、該駆動ローラにより該現像スリーブの内周面の一部を回転自在に支持するとともに、該現像スリーブを介して該駆動ローラに圧力を加えるように該現像スリーブの外周面に、クリーニングブレードが圧接配置されている。そして、該現像スリーブが、駆動ローラとクリーニングブレードとの間に挟持された状態で、該駆動ローラが回転することにより、現像スリーブが駆動ローラとの摩擦力により回転駆動される。
【0003】
【特許文献1】特開平11−288175号公報(段落[0036]〜[0037]、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記した従来装置では、両端部が開口した現像剤担持スリーブを用いているため、開口部を介して液体現像剤が現像剤担持スリーブの内側に侵入するのを避け難い。そして、現像剤担持スリーブの内側への液体現像剤の侵入により種々の問題が発生していた。例えば、現像剤担持スリーブの内側に液体現像剤が滞留すると、その滞留中に該液体現像剤が変質することがある。そして、その変質した液体現像剤が開口部を介して現像剤担持スリーブの表面に付着すると、現像特性の劣化を引き起こして画質低下を招くおそれがある。
【0005】
また従来技術では、中空の筒状の現像剤担持スリーブの内周面に内接するように駆動ローラを配設して、該駆動ローラを回転させることによって該現像剤担持スリーブを回転駆動する構成であり、駆動ローラと現像剤担持スリーブとの間に開口部が形成される。そのため、次のような問題が発生することがあった。すなわち、液体現像剤が上記した開口部から現像剤担持スリーブの内側に進入することによって、駆動ローラと現像剤担持スリーブとの接触面に入り込んでしまう。そのため、駆動ローラと現像剤担持スリーブとの摩擦力が低下し、現像剤担持スリーブが回転駆動されなくなる。
【0006】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、現像剤担持スリーブの内側への液体現像剤の進入を防止して、液体現像剤と現像剤担持スリーブを用いた画像形成を良好に行う技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記目的を達成するため、現像剤収容部に貯留されている液体現像剤を用いて潜像担持体上の静電潜像を現像してトナー像を形成する画像形成装置において、その外周面に前記液体現像剤を担持しながら回転するとともに、前記潜像担持体と当接して前記液体現像剤により前記静電潜像を現像する可撓性を有する薄肉円筒状の現像剤担持スリーブと、前記現像剤担持スリーブの両端の開口部を閉塞する一対の板状部材とを備えたことを特徴としている。
【0008】
このような構成とすれば、一対の板状部材によって、現像剤担持スリーブの両端部の開口部を閉塞することができる。したがって、該開口部を介して液体現像剤が現像剤担持スリーブの内側に侵入するのを防止することができる。そのため、開口部より現像剤担持スリーブの内側へ液体現像剤が侵入することによって発生する種々の問題を防止することできる。例えば、現像剤担持スリーブの内側に液体現像剤が滞留して、滞留中に該液体現像剤が変質することを防止することができる。したがって、その変質した液体現像剤が開口部を介して現像剤担持スリーブの表面に付着して、現像特性の劣化を引き起こして画質低下を招くことを防止することができる。また、中空の筒状の現像剤担持スリーブの内周面に内接するように駆動ローラを配設して、該駆動ローラを回転させることによって該現像剤担持スリーブを回転駆動する構成である場合には次のような問題を防止することができる。すなわち、液体現像剤が上記した開口部から現像剤担持スリーブの内側に進入することによって、駆動ローラと現像剤担持スリーブとの接触面に入り込んでしまい、駆動ローラと現像剤担持スリーブとの摩擦力が低下し、現像剤担持スリーブが回転駆動されなくなるのを防止することが出来る。これらの結果、液体現像剤と現像剤担持スリーブを用いた画像形成を良好に行うことができる。
【0009】
また、前記現像剤担持スリーブを回転駆動するための駆動力を発生する駆動手段をさらに備え、前記一対の板状部材の各々は前記現像剤担持体スリーブの端部をそれぞれ支持固定するとともに、前記一対の板状部材の一方または両方が前記駆動手段からの駆動力を受けて前記一対の板状部材および前記現像剤担持スリーブが一体的に回転駆動される構成としてもよい。このような構成とすれば、可撓性を有する薄肉円筒状の現像剤担持スリーブの両端部をそれぞれ支持固定する一対の板状部材の一方または両方に、駆動手段から駆動力を与えることによって、一対の板状部材および現像剤担持スリーブを一体的に回転駆動している。そのため、例えば、中空の筒状の現像剤担持スリーブの内周面に内接するように駆動ローラを配設して、該駆動ローラを回転させることによって該現像剤担持スリーブを回転駆動する構成と比べ、駆動手段からの回転駆動力を、現像剤担持スリーブの可撓性を有する薄肉円筒部分全体に平均して伝えることができる。したがって、現像剤担持スリーブの、該現像剤担持スリーブの長手方向において、回転ムラをなくすことができる。すなわち、現像剤担持スリーブの、両端部、中央部における回転の速度差をなくすことができるため、現像剤担持スリーブに撓みが生じたりするのを防止することができる。
【0010】
また、前記現像剤収容部内の液体現像剤に回転しながら接触して、その表面に前記液体現像剤を担持することによって液体現像剤を前記現像剤収容部から汲み出すとともに、前記現像剤担持スリーブと回転しながら塗布位置で押圧接触して該液体現像剤を前記現像剤担持スリーブに塗布する塗布ローラをさらに備え、前記塗布位置において、前記現像剤担持スリーブの表面および前記塗布ローラの表面は互いに反対方向に移動する構成としても構わない。このような構成とすれば、塗布位置において、現像剤担持スリーブの表面および塗布ローラの表面は互いに反対方向に移動しつつ、現像剤担持スリーブの表面に塗布ローラによって液体現像剤が塗布される。
【0011】
ところで、塗布位置において、現像剤担持スリーブの表面と塗布ローラの表面とが同一方向に移動するとき、次のような現象が発生することが知られている。すなわち、塗布ローラに担持された液体現像剤が、塗布位置における現像剤担持スリーブと塗布ローラーとのニップ部を通過するときに、塗布ローラの表面に担持されている該液体現像剤が全て現像剤担持スリーブ側に移動せずに、一部の液体現像剤が塗布ローラに残ったりすることがある。このような場合、上記塗布位置におけるニップ部を抜けて、現像剤担持スリーブと塗布ローラとが分かれるときに、液体現像剤が、現像剤担持スリーブと塗布ローラとの間で糸を引いてしまう。そして、それがちぎれて現像剤担持スリーブの表面に付着することによって、現像剤担持スリーブの表面に塗布された液体現像剤に不均一な部分が生じることがある。これに対し、上記したように現像剤担持スリーブの表面と塗布ローラの表面とを互いに反対方向に移動させると、両者での液体現像剤の糸引き現象を抑制することができる。その結果、現像剤担持スリーブの表面に均一に液体現像剤を塗布することができる。
【0012】
また、前記塗布ローラは、その表面に、該塗布ローラの回転方向とほぼ平行に設けられた複数の溝を有する構成としても構わない。このような構成とすれば、現像剤担持スリーブの表面には、塗布ローラに設けられた複数の溝に担持された液体現像剤が塗布される。したがって、現像剤担持スリーブの表面には、該塗布ローラの回転方向とほぼ並行な複数のラインとして、液体現像剤が塗布される。この際、例えば、液体現像剤が、現像剤担持スリーブと塗布ローラとの間で糸を引いてしまい、そして、それがちぎれて現像剤担持スリーブの表面に付着したとしても、ちぎれた液体現像剤は、現像剤担持スリーブの表面の、もともと該液体現像剤が塗布されるべきライン上に付着する。すなわち、該ちぎれた液体現像剤は、現像剤担持スリーブに塗布された複数のライン状の液体現像剤の、該複数のラインの間に付着することがない。したがって、現像剤担持スリーブの表面に液体現像剤が塗布されたパターンとして、複数の液体現像剤のライン間に液体現像剤が付着することによって、複数の液体現像剤のライン間を橋渡しする橋状の部分が形成されることがない。よって、上記した糸引き現象が発生したとしても、該糸引き現象の影響を最小限に抑制することができる。
【0013】
また、前記現像剤担持スリーブの回転方向とほぼ直交する前記現像剤担持スリーブの長手方向において、前記一対の板状部材間の幅をW1、前記塗布ローラの幅をW2、前記潜像担持体の幅をW3としたとき、以下の条件を満足する構成としてもよい。ここで、第1条件とは、W1>W2で、かつ、前記長手方向において、前記塗布ローラの両端部が、前記一対の板状部材の内側に配置される構成である。また、第2条件とは、W1>W3で、かつ、前記長手方向において、前記潜像担持体の両端部が、前記一対の板状部材の内側に配置される構成である。このような構成とすれば、第1条件を満足することによって、長手方向において、塗布ローラの両端部が、一対の板状部材の内側に配置されるため、塗布ローラが担持している液体現像剤が、現像剤担持スリーブの両端部に付着することがない。また、第2条件を満足することによって、長手方向において、潜像担持体の両端部が、一対の板状部材の内側に配置されるため、潜像担持体に付着している液体現像剤が、現像剤担持スリーブの両端部に付着することがない。したがって、現像剤担持スリーブの両端部から、該現像剤担持スリーブの内側に液体現像剤が侵入することを確実に防止することができる。
【0014】
また、前記塗布位置において、前記現像剤担持スリーブを内側から支持するバックアップ部材をさらに備える構成としても構わない。また、前記バックアップ部材は、前記現像剤担持スリーブの回転方向とほぼ直交する前記現像剤担持スリーブの長手方向にほぼ垂直な断面において、前記現像剤担持スリーブの半径をRdr、前記現像剤担持スリーブの回転中心から、前記バックアップ部材が前記現像剤担持スリーブの内側を支持する位置への距離をRbkとしたとき、
Rbk≧Rdr
を満たすように配設されるのが望ましい。
【0015】
このような構成とすれば、塗布ローラが塗布位置において現像剤担持スリーブに接触して該現像剤担持スリーブを押圧する際、バックアップ部材が塗布ローラを現像剤担持スリーブの内側から支持する。つまり、該塗布ローラは現像剤担持スリーブの周壁を介してバックアップ部材を押圧する。すなわち、塗布ローラは現像剤担持スリーブの周壁をバックアップ部材に押し付けることができるため、塗布ローラが塗布位置において現像剤担持スリーブを押圧する力を高めることができる。その結果、塗布ローラの表面と現像剤担持スリーブの表面とを密着させて、強固に圧接した状態とすることができる。したがって、塗布ローラに担持された液体現像剤を確実に現像剤担持スリーブに塗布することができ、現像剤担持スリーブの表面に均一に液体現像剤を塗布することができる。
【0016】
また、現像剤担持スリーブの両端部の開口部を閉塞する一対の板状部材、および、バックアップ部材の具体的な構成としては、以下のような構成を採用することができる。すなわち、それ自身では回転しない軸と、前記現像剤担持スリーブを回転駆動するための駆動力を発生する駆動手段とをさらに備え、前記一対の板状部材の各々は円盤形状を有し前記軸に対して回転自在に取り付けられるとともに前記現像剤担持体スリーブの端部をそれぞれ支持固定して、前記一対の板状部材の一方または両方が前記駆動手段からの駆動力を受けて前記一対の板状部材および前記現像剤担持スリーブが一体的に前記軸回りに回転駆動され、さらに前記バックアップ部材は、前記現像剤担持スリーブの内径よりも小さな外径を有し、前記軸に固定された偏心軸受に回転自在に支持されたバックアップローラである構成としてもよい。
【0017】
このような構成とすれば、薄肉円筒状の現像剤担持スリーブの両端部が、軸に対して回転可能に取り付けられた円盤形状を有する一対の板状部材によって支持固定されているので、板状部材が駆動手段によって回転駆動されると、現像剤担持スリーブが確実に回転駆動される。
【0018】
また、現像剤担持スリーブは、可撓性を有する薄肉円筒状であり、その両端部が板状部材によって支持された構成となっているので、現像剤担持スリーブは、板状部材によって支持されていない中央部分が内側に変形可能である。そのため、この現像剤担持スリーブの中央部分のうち、バックアップ部材(バックアップローラ)によって内側から支持されていない部分と、潜像担持体とを当接させることによって、該当接位置において、現像剤担持スリーブと潜像担持体との周方向におけるニップ幅を、安定して確実に大きくすることができる。したがって、現像剤担持スリーブに担持された液体現像剤と、潜像担持体上の静電潜像との接触時間を十分に長くすることができるので、潜像担持体上の静電潜像を現像する現像品質を向上させることができる。
【0019】
また、バックアップ部材は、現像剤担持スリーブのの内径よりも小さな外径を有し、軸に固定された偏心軸受に回転自在に支持されたバックアップローラで構成されている。そのため、バックアップローラは、該バックアップローラの外周面が現像剤担持スリーブの内周面と当接することによって現像剤担持スリーブに従動回転する。したがって、現像剤担持スリーブに対する負荷を小さくすることができ、現像剤担持スリーブの駆動トルクを低減させることができる。
【0020】
さらに、前記塗布ローラーは、その表面に前記溝が形成されたアニロクスローラであって、前記溝に前記液体現像剤を担持することによって前記液体現像剤を汲み出す構成としてもよい。このような構成とすれば、アニロクスローラの溝で液体現像剤を担持することによって、一定量に計量した液体現像剤を現像剤担持スリーブに塗布することができる。したがって、現像剤担持スリーブに精度よく均一に液体現像剤を塗布することができる。このように、液体現像剤が均一に塗布された現像剤担持スリーブが潜像担持体に当接して、該潜像担持体上の静電潜像を現像することによって、該静電潜像の現像精度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
<第1実施形態>
図1は本発明にかかる画像形成装置の第1実施形態であるプリンタの内部構成を示す図、図2は図1の要部拡大図、図3は同プリンタの電気的構成を示すブロック図である。この画像形成装置は、いわゆるタンデム方式のカラープリンタであり、本発明の「潜像担持体」としてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色の感光体11Y、11M、11C、11Kを装置本体2内に並設している。このプリンタは、湿式現像方式を採用して、各感光体11Y、11M、11C、11K上のトナー像を重ね合わせてフルカラー画像を形成したり、ブラック(K)のトナー像のみを用いてモノクロ画像を形成するものである。このプリンタでは、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号を含む印字指令信号が主制御部100に与えられると、この主制御部100からの制御信号に応じてエンジン制御部110がエンジン部1の各部を制御して、装置本体2の下部に配設された給紙カセット3から搬送した転写紙、複写紙およびOHP用紙などの記録媒体4に上記画像信号に対応する画像を印字出力する。
【0022】
上記エンジン部1では、転写ユニット40の一構成要素である中間転写ベルト41の周回方向47に沿って並設された4つの感光体11Y、11M、11C、11Kのそれぞれに対応して、帯電部12、露光部20、現像部30(30Y、30M、30C、30K)および感光体クリーニング部14が設けられている。また、各現像部30Y、30M、30C、30Kは、各色トナーを分散した現像液32を貯留するタンク33(33Y、33M、33C、33K)(本発明の「現像剤収容部」に相当)をそれぞれ備えている。なお、これら帯電部12、露光部20、現像部30および感光体クリーニング部14の構成はいずれのトナー色についても同一である。したがって、ここでは、イエローに関する構成について説明し、その他のトナー色については同一または相当符号を付して説明を省略する。
【0023】
図2に示すように、感光体11Yは矢印の方向(図中、時計回り方向)に回転自在に設けられており、その直径は約40mmである。そして、この感光体11Yの周りには、その回転方向に沿って、帯電部12、現像スリーブ31、除電部(図示省略)および感光体クリーニング部14が配設されている。また、帯電部12と現像位置16との間の表面領域が露光部20からの光ビーム21の照射領域となっている。帯電部12は、帯電バイアス発生部111から帯電バイアスが印加されて、感光体11Yの外周面を所定の表面電位Vd(例えばVd=DC+600V)に均一に帯電するもので、帯電手段としての機能を有する。
【0024】
この帯電部12によって均一に帯電された感光体11Yの外周面に向けて露光部20から例えばレーザで形成される光ビーム21が照射される。この露光部20は、露光制御部112から与えられる制御指令に応じて光ビーム21により感光体11Yを露光して、感光体11Y上に画像信号に対応するイエロー用静電潜像を形成するもので、露光手段としての機能を有する。例えば、ホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース102を介して主制御部100のCPU101に画像信号を含む印字指令信号が与えられると、主制御部100のCPU101からの指令に応じてCPU113が露光制御部112に対し所定のタイミングで画像信号に対応した制御信号を出力する。そして、この露光制御部112からの制御指令に応じて露光部20から光ビーム21が感光体11Yに照射されて、画像信号に対応するイエロー用静電潜像が感光体11Y上に形成される。また、必要に応じてパッチ画像を形成する場合には、予め設定された所定パターン(例えば、べた画像、細線画像、白抜き細線画像など)のパッチ画像信号に対応した制御信号がCPU113から露光制御部112に与えられ、該パターンに対応するイエロー用静電潜像が感光体11Y上に形成される。
【0025】
こうして形成されたイエロー用静電潜像は現像部30Yの現像スリーブ31から供給されるイエロートナーによって顕像化される(現像工程)。そして、感光体11Y上に形成されたイエロートナー像は、感光体11Yの回転に伴って1次転写ローラ53Yと対向する1次転写位置42Yに搬送される。この1次転写ローラ53Yは感光体11Yとで中間転写ベルト41を挟み込むように配置されている。また、この中間転写ベルト41は複数のローラ43a〜45に掛け渡されており、図示を省略する駆動モータにより感光体11Yに従動する方向(図1中、反時計回り)47に感光体11Yと等しい周速で周回走行する。そして、転写バイアス発生部115から1次転写バイアス(例えばDC−400V)が印加されると、感光体11Y上のイエロートナー像が1次転写位置42Yで中間転写ベルト41に1次転写される(転写工程)。
【0026】
一方、1次転写後における感光体11Y上の残留電荷はLEDなどからなる除電部により除去され、残留現像液は感光体クリーニング部14により除去される。この感光体クリーニング部14は、感光体11Yの表面に当接されたゴム製の感光体クリーニングブレード141を有し、中間転写ベルト41にトナー像が1次転写された後に、感光体11Y上に残存する現像液32を感光体クリーニングブレード141により掻き落として除去することができる。なお、この現像部30Yの構成および動作については後で詳述する。
【0027】
また、他のトナー色についても、イエロー(Y)と同様に構成されており、画像信号に対応したトナー像が形成される。そして、感光体11Y、11M、11C、11K上に形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色トナー像は、1次転写ローラ53Y、53M、53C、53Kと対向する1次転写位置42Y、42M、42C、42Kでそれぞれ1次転写されることにより、中間転写ベルト41の表面上で重ね合わされてフルカラーのトナー像が形成される。
【0028】
中間転写ベルト41に形成されたトナー像は中間転写ベルト41の回転に伴ってローラ45、48で挟まれた2次転写位置49に搬送される。一方、給紙カセット3(図1)に収容されている記録媒体4は、1次転写トナー像の搬送に同期して後述する搬送ユニット70により2次転写位置49に搬送される。そして、ローラ48は中間転写ベルト41に従動する方向(図1中、時計回り)に中間転写ベルト41と等しい周速で回転しており、転写バイアス発生部115から2次転写バイアスが印加されると、中間転写ベルト41上のトナー像が記録媒体4に2次転写される。このローラ48としては、例えば、ゴム硬度がJIS−Aで約50度のウレタンゴムで構成されており、その直径が約25mmのものを用いることができる。なお、この実施形態ではローラ転写を採用しているため、定電圧制御により転写条件を設定したり、定電流制御により転写条件を設定することができる。また、ローラ転写の代わりに、コロナ放電により転写を行うようにしてもよいが、この場合にはコロナ放電の出力を制御することで転写条件を設定することができる。2次転写後における中間転写ベルト41上の残留現像液はクリーニングブレード51により除去される。
【0029】
上記のようにしてトナー像が2次転写された記録媒体4は、所定の搬送経路5(図1中、一点鎖線)に沿って搬送され、定着ユニット60によってトナー像が記録媒体4に定着され、装置本体2の上部に設けられた排出トレイに排出される。この定着ユニット60は加熱ヒータ61hを内蔵する加熱ローラ61と、加熱ローラ61に接触する加圧ローラ62とを備えている。そして、ヒータ制御部116により加熱ヒータ61hの作動を制御することで定着ユニット60での定着温度が任意の温度に調整可能となっている。
【0030】
また、この実施形態にかかる画像形成装置では、記録媒体4を所定の搬送経路5に沿って搬送するための搬送ユニット70が設けられている。この搬送ユニット70では、図1に示すように、給紙カセット3に対応して給紙ローラ71が設けられており、この給紙ローラ71により給紙カセット3に収容されている記録媒体4を1枚ずつ取出し、フィードローラ72に搬送する。そして、このフィードローラ72が記録媒体4をゲートローラ73に搬送し、このゲートローラ位置で一時的に待機させる。そして、上記のように2次転写動作に対応したタイミングでゲートローラ73が駆動して記録媒体4を2次転写位置49に送り込む。また、排出トレイ側では、排出前ローラ74、排出ローラ75および反転コロ76が設けられており、2次転写された記録媒体4は定着ユニット60、排出前ローラ74および排出ローラ75を経由して排出トレイ側に搬送される。
【0031】
ここで、両面印刷するためには記録媒体4を反転させて再度ゲートローラ73に搬送する必要があるため、排出ローラ75は正逆回転可能となっている。すなわち、記録媒体4をそのまま排出トレイに排出する際には、正回転し続けて記録媒体4を排出トレイに完全に搬送する。一方、反転再給送する際には、記録媒体4の後端部が排出前ローラ74と排出ローラ75との間の所定位置に達すると、排出ローラ75が逆回転して記録媒体4を反転コロ76に送り込む。これによって記録媒体4は反転経路5aに沿って再給送中間ローラ77に搬送される。そして、再給送中間ローラ77および再給送ゲート前ローラ78がゲートローラ73に記録媒体4を搬送し、このゲートローラ位置で一時的に待機させる。こうして、記録媒体4の反転再給送が行われる。このとき、2次転写位置49において中間転写ベルト41と当接し画像を転写される記録媒体4の面は、先に画像が転写された面とは反対の面である。このようにして、記録媒体4の両面に画像を形成することができる。また、該反対の面に2次転写が実行される際、先に画像が転写された面がローラ48に接触するが、この際、完全に記録媒体4に定着されていないトナーがローラ48に付着することがある。このようにしてローラ48に付着したトナーは、クリーニングブレード52により除去される。
【0032】
なお、図3において、主制御部100は、インターフェース102を介して外部装置から与えられた画像信号を記憶するための画像メモリ103を備えており、CPU101は、外部装置から画像信号を含む印字指令信号をインターフェース102を介して受信すると、エンジン部1の動作指示に適した形式のジョブデータに変換し、エンジン制御部110に送出する。
【0033】
また、エンジン制御部110のメモリ117は、予め設定された固定データを含むCPU113の制御プログラムを記憶するROMや、エンジン部1の制御データやCPU113による演算結果などを一時的に記憶するRAMなどからなる。CPU113はCPU101を介して外部装置から送られた画像信号に関するデータをメモリ117に格納する。
【0034】
続いて、現像部30Yの構成および動作を図2、図4ないし図8を参照しつつ詳述する。図4はアニロクスローラを示す斜視概念図、図5は現像スリーブの断面図、図6はアニロクスローラから現像スリーブへ液体現像剤が塗布される模式図、図7は現像部および感光体の配置関係を示す模式図、図8はアニロクスローラから現像スリーブへ液体現像剤が塗布される模式図である。なお、現像部30M,30C,30Kの構成は現像部30Yの構成と同様であり、同一構成には同一符号または相当符号を付して説明を省略する。
【0035】
この現像部30Yは、現像スリーブ31(本発明の「現像剤担持スリーブ」に相当)に加えて、イエロートナーを分散した現像液32を貯留するタンク33Yと、該タンク33Yに貯留された現像液32を撹拌する撹拌ローラ37と、該現像液32を汲み出して現像スリーブ31に塗布するアニロクスローラ34(本発明の「塗布ローラ」に相当)と、該アニロクスローラ34上の現像液の量を規制する規制ブレード35と、感光体11Yへのトナー供給後に現像スリーブ31上に残留した現像液を除去する現像スリーブクリーニング部36とを備えている。現像スリーブ31は感光体11Yに従動する方向D1(図2中、反時計回り)に感光体11Yとほぼ等しい周速で回転する。また、アニロクスローラ34は、現像スリーブ31に従動する方向D2(同図中、時計回り)に、現像スリーブ31のとほぼ等しい周速で回転する。なお、現像スリーブ31の構成および動作については後で詳述する。
【0036】
現像液32(本発明の「液体現像剤」に相当)は、本実施形態では、平均粒径0.1〜5μm程度の着色顔料、この着色顔料を接着するエポキシ樹脂などの接着剤、トナーに所定の電荷を与える荷電制御剤、着色顔料を均一に分散させる分散剤等からなるトナーが、液体キャリア中に分散されてなる。本実施形態では、液体キャリアとして、例えばポリジメチルシロキサンオイルなどのシリコーンオイルを用いており、トナー濃度を5〜40重量%として、湿式現像方式で多く用いられる低濃度現像液(トナー濃度が1〜2重量%)に比べて高濃度にしている。なお、液体キャリアの種類はシリコーンオイルに限定されるものではなく、また、現像液32の粘度は、使用する液体キャリアやトナーを構成する各材料、トナー濃度などによって決まるが、本実施形態では、例えば粘度を100〜10000mPa・sとしている。
【0037】
感光体11Yと現像スリーブ31との間隔(現像ギャップ=現像液層の厚さ)は、本実施形態では例えば5〜40μmに設定し、現像ニップ距離(現像液層が感光体11Yおよび現像スリーブ31の双方に接触している周方向の距離)は、本実施形態では例えば5mmに設定している。上述した低濃度現像液の場合にはトナー量を稼ぐべく100〜200μmの現像ギャップを必要とするのに比べて、高濃度現像液を用いる本実施形態では現像ギャップを短縮することができる。従って、現像液中を電気泳動によって移動するトナーの移動距離が短縮するとともに、同一の現像バイアスを印加してもより高い電界が発生するので、現像効率を向上することができ、現像を高速に行えることとなる。
【0038】
撹拌ローラ37は、タンク33Yに収容されている現像液32を汲み上げてアニロクスローラ34へ搬送する。この撹拌ローラ37は、その下部がタンク33Yに貯留された現像液32に浸されており、また、アニロクスローラ34から、約1mmの幅を持って離間している。さらに、撹拌ローラ37は、その中心軸を中心として回転可能であり、該中心軸は、アニロクスローラ34の回転中心軸よりも下方にある。また、撹拌ローラ37は、アニロクスローラの回転方向D2(図2中、時計回り)と同じ方向に回転する。なお、撹拌ローラ37は、タンク33Yに収容された現像液32を汲み上げてアニロクスローラ34へ搬送する機能を有するとともに、現像液32を適正な状態に維持するためにを撹拌する機能をも有している。このような撹拌ローラとしては、例えば、鉄等金属性のローラであり、その直径が約20mmのものを用いることができる。
【0039】
アニロクスローラ34は、タンク33Yから撹拌ローラ37により搬送された現像液32を塗布位置17で現像スリーブ31へ供給する。このアニロクスローラ34は、図4に概念図として示すように、例えば、鉄鋼等金属製のローラの表面に、アニロクスローラ34の回転方向D2とほぼ並行に複数の溝34aを形成することによって構成することができる。アニロクスローラ34は矢印方向D2(図2中、時計回り)に回転しながら現像液32に接触することによって、溝34aに現像液32を担持して、該担持した現像液32を現像スリーブ31へ搬送する。
【0040】
また、アニロクスローラ34は、該アニロクスローラ34上の現像液32を現像スリーブ31に適切に塗布するために、その表面が、現像スリーブ31の周壁を介して後述するバックアップローラ311を押圧している。すなわち、アニロクスローラ34は現像スリーブ31の周壁をバックアップローラ311に押し付けることによって塗布位置17において現像スリーブ31に圧接している。また、アニロクスローラ34は、その中心軸を中心として回転しており、当該中心軸は、現像スリーブ31の回転中心よりも下方にある。また、アニロクスローラ34は、現像スリーブ31の回転方向D1(図2中、反時計回り)と逆の方向D2(図2中、時計回り)に回転する。なお、アニロクスローラ34と現像スリーブ31との接触部である塗布位置17の状態等については後で詳細に述べる。
【0041】
規制ブレード35は、アニロクスローラ34の回転方向D2における塗布位置17の上流側において、アニロクスローラ34の表面に接触して、アニロクスローラ34上の現像液32の量を規制する。すなわち、規制ブレード35は、アニロクスローラ34上の余剰な現像液32を掻き取って、現像スリーブ31に供給するアニロクスローラ34上の現像液32の量を計量する役割を果たしている。この規制ブレード35は、弾性体としてのウレタンゴムからなり、鉄等金属製の規制ブレード支持部材351によって支持されている。なお、本実施形態において、規制ブレード35のゴム硬度は、JIS−Aで約77度であり、規制ブレード35は、その先端がアニロクスローラ34の回転方向の下流側に向くように配置されており、いわゆるトレール規制を行っている。
【0042】
現像スリーブ31は、感光体11Yに担持された静電潜像を現像液32により現像するために、現像液32を担持して感光体11Yと対向する現像位置16に搬送する。この現像スリーブ31は、可撓性を有する薄肉円筒状の部材からなり、例えば、体積抵抗10Ω・cmの導電性ポリイミドフィルムで構成することができる。また、この場合、円筒の周壁の厚みは、例えば、約0.08mmとすることができ、その直径は、例えば、約30mmとすることができる。
【0043】
この現像スリーブ31は図5に示すように、それ自身では回転しない軸313に回転自在に装着された円盤形状の一対のフランジ312(本発明の「板状部材」に相当)の外周面312aよって、その両端部が支持固定されている。このように現像スリーブ31の両端部を、一対のフランジ312によって支持固定することによって、現像スリーブの両端部の開口部31aを閉塞している。また、現像スリーブ31の両端部を一対のフランジ312によって支持固定する方法としては、例えば、接着剤等を利用して接着する方法がある。また、少なくとも一方のフランジ312には、スリーブ駆動部118(本発明の「駆動手段」に相当)と電気的に接続されたスリーブ駆動モータ312b(本発明の「駆動手段」に相当)(図3)の回転力を受ける駆動用ギア(図示省略)が固定されている。この駆動用ギアが、スリーブ駆動部118からの制御信号に従って回転するスリーブ駆動モータ312bの回転力を受けて回転することによって、現像スリーブ31および一対のフランジ312を、回転方向D1で軸313回りに一体的に回転駆動させることができる。なお、このようなフランジ312は、例えば、合成樹脂で構成することができる。
【0044】
また、現像スリーブ31の筒状部材の中空部内には、現像スリーブ31の内径よりも小さな外径を有するバックアップローラ311(本発明の「バックアップ部材」に相当)が回転自在に配設されている。このバックアップローラ311は、軸313に固定された偏心軸受311aに回転自在に支持されている。偏心軸受311aは、図2、5に示すように、後述する現像スリーブクリーニングブレード361およびアニロクスローラ34が、現像スリーブ31に当接する当接位置側(図2において、左斜下方向)に、偏心量Eだけ偏心しており、これによって、バックアップローラ311は、上記当接位置側において、比較的広い範囲(少なくとも、塗布位置17から現像スリーブクリーニングブレード361が現像スリーブ31に当接する位置までの範囲)にわたって現像スリーブ31を内側から支持している。このようなバックアップローラ311としては、例えば、直径25mmの金属(アルミ等)ローラを採用することができる。
【0045】
なお、現像スリーブ31の回転中心は、感光体11Yの回転中心軸よりも下方にある。また、感光体11Y上に形成された静電潜像を現像する際には、現像スリーブ31と感光体11Yとの間に電界が形成される。この際、現像バイアス発生部114から軸313を介してバックアップローラ311に現像バイアスを印加することによって、現像スリーブ31と感光体11Yとの間に電界を形成することができる。すなわち、現像スリーブ31を内側から支持しているバックアップローラ311はアルミ等の金属で構成されているため、該バックアップローラ311に現像バイアスを印加することによって、導電性の部材で構成されている現像スリーブ31にも現像バイアスを印加することができる。このようにして、バックアップローラ311へ現像バイアスを印加することによって、現像スリーブ31と感光体11Yとの間に電界が形成される。
【0046】
現像スリーブクリーニング部36は、現像スリーブ31の外周面に押圧接触するゴム製の現像スリーブクリーニングブレード361を有し、現像位置16で現像が行われた後、塗布位置17において現像液32を再び塗布される前に、現像スリーブ31上に残存する現像液32を現像スリーブクリーニングブレード361により掻き落として除去するための装置である。現像スリーブクリーニングブレード361と現像スリーブ31との接触位置においては、現像スリーブクリーニングブレード361が現像スリーブ31に接触して押圧する際、バックアップローラ311が、現像スリーブクリーニングブレード361を現像スリーブ31の内側から支持している。つまり、現像スリーブクリーニングブレード361は現像スリーブ31の周壁を介しバックアップローラ311を押圧している。すなわち、現像スリーブクリーニングブレード361は現像スリーブ31の周壁をバックアップローラ311に押し付けることによって、現像スリーブクリーニングブレード361と現像スリーブ31の外周面とを確実に接触させている。
【0047】
このように構成された現像部30Yにおいて、撹拌ローラ37が、その中心軸回りに回転することによって、タンク33Yに収容されている現像液32を汲み上げてアニロクスローラ34へ搬送する。アニロクスローラ34に搬送された現像液32は、アニロクスローラ34の回転によって、規制ブレード35の接触位置に至る。そして、該接触位置を通過する際に、現像液32の余剰分が規制ブレード35によって掻き取られ、現像スリーブ31に供給される現像液32の量が計量される。すなわち、アニロクスローラ34には、前述したとおり、溝34aが設けられているから、アニロクスローラ34に当接する規制ブレード35は、溝34aに担持された現像液32を残して、アニロクスローラ34から現像液32を掻き取ることとなる。また、現像スリーブ31に供給される現像液32の量が適正な量になるように溝34aが形成されているので、規制ブレード35がアニロクスローラ34上の現像液32を掻き取った際には、溝34aによって適正な量に計量された現像液32が溝34aに残存することとなる。
【0048】
このようにして、タンク33Yに貯留された現像液32がアニロクスローラ34により汲み出され、規制ブレード35によりアニロクスローラ34上の現像液32の量が均一に規制され、この均一な現像液32が塗布位置17において現像スリーブ31の表面に塗布され、現像スリーブ31の回転に伴って感光体11Yに対向する現像位置16に搬送される。現像液32中のトナーは、荷電制御剤などの作用によって例えば正に帯電している。そして、現像位置16において現像スリーブ31に担持されている現像液32が、現像スリーブ31から供給されて感光体11Yに付着し、現像バイアス発生部114から、バックアップローラ311を介して現像スリーブ31に印加される現像バイアスVb(例えばVb=DC+400V)によってイエロートナーが現像スリーブ31から感光体11Yに移動して、イエロー用静電潜像が顕像化される。また、感光体11Yに付着せずに現像スリーブ31上に残った現像液は、現像スリーブクリーニングブレード361により掻き落とされる。
【0049】
このようにして、感光体11Y上に形成されたイエロートナー像は、上述したように、1次転写位置42Yにおいて中間転写ベルト41に1次転写され、1次転写が終了後に感光体11Yに残留している現像液32は感光体クリーニング部14によって除去される。
【0050】
続いて、上記のように構成された現像部30Yにおいて、アニロクスローラ34から現像スリーブ31へ現像液32が移動する様子について、図6を参照しつつ詳述する。図6(a)は、アニロクスローラ34の溝34aに現像液32が担持されている様子を示す。図6(a)に示すように、アニロクスローラ34は現像液32を溝34aに担持して、該現像液32を塗布位置17へ搬送する。
【0051】
図6(b)は、塗布位置17において、現像スリーブ31とアニロクスローラ34とが圧接している様子を示す。現像スリーブ31は、塗布位置17において、バックアップローラ311に支持されている。そのため、現像スリーブ31の周壁の薄肉部分が、アニロクスローラ34に圧接して、溝34aに担持されている現像液32に接触する。
【0052】
その後、アニロクスローラ34および現像スリーブ31の回転移動にともない、アニロクスローラ34の表面と現像スリーブ31とが圧接した状態から、離間した状態となる(図6(c))。このとき、図6(c)に示すように、溝34aから現像スリーブ31の表面へ、現像液32が移動し、現像スリーブ31の表面へ均一に現像液32が塗布される。
【0053】
続いて、X方向(本発明における「長手方向」に相当))における、現像スリーブ31、アニロクスローラ34、感光体11Yの配置関係について図7を参照しつつ詳述する。この実施形態では、図7に示すように、上記したそれぞれのX方向の幅W1〜W3の略中央部が一直線CL上に位置するように、現像スリーブ31、アニロクスローラ34、感光体11Yは配設されている。なお、現像スリーブ31の幅W1は、該現像スリーブ31の両端部を固定支持する一対のフランジ312を含めた幅である。
【0054】
さらに、この実施形態では、
第1条件:
W1>W2で、かつ、X方向において、アニロクスローラ34の両端部が、現像スリーブ31(一対のフランジ312)の内側に配置される
第2条件:
W1>W3で、かつ、X方向において、感光体11Yの両端部が、現像スリーブ31(一対のフランジ312)の内側に配置される
の2つの条件を満足するように各幅W1〜W3は設定されている。
【0055】
続いて現像部30Yの動作について図7を参照しつつ詳述する。まず撹拌ローラ37の回転によって、アニロクスローラ34に搬送された現像液32は、アニロクスローラ34の表面に形成された溝34aによって担持され、現像スリーブ31搬送される。このとき、アニロクスローラ34の端面34bに溜まっている現像液は、アニロクスローラ34の回転による遠心力によって現像スリーブ31に向かって移動する。ところが、上記第1条件を満たしているため、アニロクスローラ34の両端部は現像スリーブ31の両端部の内側に位置する。したがって、遠心力によってアニロクスローラ34の端面34bを駆け上がる現像液32は現像スリーブ31の両端部に付着することはない。
【0056】
また、転写工程終了後、感光体11Yに残留する現像液32は感光体クリーニングブレード141によって除去される。この際、感光体クリーニングブレード141によって除去されなかった、感光体11Y上の残留現像液32は現像スリーブ31に向かって移動する。ところが、上記第2条件を満たしているため、感光体11Yの両端部は現像スリーブ31の両端部の内側に位置する。したがって、感光体11Y上に残留している現像液32は現像スリーブ31の両端部に付着することはない。
【0057】
以上のように、この実施形態では、一対のフランジ312によって、現像スリーブ31の両端部の開口部31aを閉塞している。したがって、開口部31aを介して現像液32が現像スリーブ31の内側に侵入するのを防止することができる。そのため、開口部31aより現像スリーブ31の内側へ現像液32が侵入することによって発生する種々の問題を防止して、現像スリーブ31と現像液32を用いた画像形成を良好に行うことができる。例えば、現像スリーブ31の内側に現像液32が滞留して、滞留中に該現像液32が変質することを防止することができる。したがって、その変質した現像液32が開口部31aを介して現像スリーブ31の表面に付着して、現像特性の劣化を引き起こして画質低下を招くことを防止することができる。
【0058】
また、可撓性を有する薄肉円筒状の現像スリーブ31の両端部をそれぞれ支持固定する一対のフランジ312の少なくとも一方に、スリーブ駆動モータ312bから駆動力を与えることによって、一対のフランジ312および現像スリーブ31を一体的に回転駆動している。そのため、例えば、スリーブ駆動モータ312bの替わりに、中空の筒状の現像スリーブ31の内周面に内接するように駆動ローラを配設して、該駆動ローラを回転させることによって該現像スリーブ31を回転駆動する構成と比べ、回転駆動力を、現像スリーブ31の可撓性を有する薄肉円筒部分全体に平均して伝えることができる。したがって、現像スリーブ31の、該現像スリーブ31の長手方向(X方向)において、回転ムラをなくすことができる。すなわち、現像スリーブ31の、両端部、中央部における回転の速度差をなくすことができるため、現像スリーブ31に撓みが生じたりするのを防止することができる。
【0059】
ところで、現像スリーブ31に現像液32が塗布される際、アニロクスローラ34に担持された現像液32が、塗布位置17における現像スリーブ31とアニロクスローラ34とのニップ部を通過するときに、アニロクスローラ34の表面に担持されている該現像液32が全て現像スリーブ31側に移動せずに、一部の現像液32がアニロクスローラ34に残ったりすることがある。このような場合、塗布位置17の拡大模式図である図8(a)に示すように、上記塗布位置17におけるニップ部を抜けて、現像スリーブ31とアニロクスローラ34とが分かれるときに、現像液32が、現像スリーブ31とアニロクスローラの間で糸(32a)を引いてしまう。そして、それがちぎれて現像スリーブ31の表面に付着することがある。
【0060】
本実施形態では、アニロクスローラ34の表面には、その回転方向D2にほぼ並行に複数の溝34aが設けられている。そのため、現像スリーブ31の表面には、該アニロクスローラ34の回転方向D2とほぼ並行な複数のラインとして、現像液32が塗布される。この際、上記したように現像液32の糸32aがちぎれて現像スリーブ31の表面に付着したとしても、ちぎれた液体現像剤32は、現像スリーブ31の表面の、もともと該現像液32が塗布されるべきライン上に付着する。すなわち、該ちぎれた現像液32が、例えば、現像スリーブ31に塗布された複数のライン状の現像液32の、該複数のラインの間に付着することがない。したがって、ちぎれた現像液32が、複数の現像液32のライン間に付着しないので、現像スリーブ31の表面に塗布された現像液32のパターンとして、該複数の現像液32のライン間を橋渡しする橋状の部分が形成されることがない。よって、現像スリーブ31の表面には均一に現像液32が塗布される(図8(b)参照)。このように、上記した糸引き現象が発生したとしても、該糸引き現象の影響を抑制して、現像スリーブ31の表面に均一に現像液32を塗布することができる。したがって、該糸引き現象によって、現像精度が劣化するのを防止することができる。なお、図8(b)は図8(a)の矢印Aの方向から見た現像スリーブ31の表面の拡大模式図である。
【0061】
また、上記第1条件を満足することによって、X方向において、アニロクスローラ34の両端部が、一対のフランジ312の内側に配置されているため、アニロクスローラ34が担持している現像液32が、現像スリーブ31の両端部に付着することがない。また、第2条件を満足することによって、X方向において、感光体の両端部が、一対のフランジ312の内側に配置されているため、感光体に付着している現像液32が、現像スリーブ31の両端部に付着することがない。したがって、現像スリーブ31の両端部から、該現像スリーブ31の内側に現像液32が侵入することを確実に防止することができる。
【0062】
また、アニロクスローラ34が塗布位置17において現像スリーブ31に接触して該現像スリーブ31を押圧する際、バックアップローラ311がアニロクスローラ34を現像スリーブ31の内側から支持している。つまり、アニロクスローラ34は現像スリーブ31の周壁を介してバックアップローラ311を押圧する。すなわち、アニロクスローラ34は現像スリーブ31の周壁をバックアップローラ311に押し付けることができるため、アニロクスローラ34が塗布位置17において現像スリーブ31を押圧する力を高めることができる。その結果、アニロクスローラ34の表面と現像スリーブ31の表面とを密着させて、強固に圧接した状態とすることができる。したがって、アニロクスローラ34に担持された現像液32を確実に現像スリーブ31に塗布することができ、現像スリーブ31の表面に均一に液体現像剤を塗布することができる。
【0063】
また、薄肉円筒状の現像スリーブ31の両端部が、軸313に対して回転可能に取り付けられた円盤形状を有する一対のフランジ312によって支持固定されているので、フランジ312がスリーブ駆動モータ312bによって回転駆動されると、現像スリーブ31を確実に回転駆動することができる。
【0064】
また、現像スリーブ31は、可撓性を有する薄肉円筒状であり、その両端部がフランジ312によって支持された構成となっているので、現像スリーブ31は、フランジ312によって支持されていない中央部分が内側に変形可能である。そのため、この現像スリーブ31の中央部分のうち、バックアップローラ311によって内側から支持されていない部分と、感光体とを当接させることによって、該当接位置(現像位置16)において、現像スリーブ31と感光体との周方向におけるニップ幅を、安定して確実に大きくすることができる。したがって、現像スリーブ31に担持された現像液32と、感光体上の静電潜像との接触時間を十分に長くすることができるので、感光体上の静電潜像を現像する現像品質を向上させることができる。
【0065】
さらに、バックアップローラ311は、現像スリーブ31の内径よりも小さな外径を有し、軸313に固定された偏心軸受311aに回転自在に支持されている。そのため、バックアップローラ311は、該バックアップローラ311の外周面が現像スリーブ31の内周面と当接することによって現像スリーブ31に従動回転する。したがって、現像スリーブ31に対する負荷を小さくすることができ、現像スリーブ31の駆動トルクを低減させることができる。
【0066】
また、アニロクスローラ34の溝34aで現像液32を担持しているので、一定量に計量した現像液32を現像スリーブ31に塗布することができる。したがって、現像スリーブ31に精度よく均一に現像液32を塗布することができる。このように、現像液32が均一に塗布された現像スリーブ31が感光体に当接して、該感光体上の静電潜像を現像することによって、該静電潜像の現像精度を向上させることができる。
【0067】
<第2実施形態>
図9は本発明にかかる画像形成装置の第2実施形態における要部拡大図、図10(a)は、塗布位置17の拡大模式図、図10(b)は図10(a)の矢印Aの方向から見た現像スリーブ31の表面の拡大模式図である。この第2実施形態が第1実施形態と大きく相違する点は、アニロクスローラ34の回転方向D3が、現像スリーブの回転方向D1の同一方向である点であり、その他の構成は第1実施形態と同様である。以下、第1実施形態との相違点を中心に第2実施形態について詳細に述べる。なお、第1実施形態と同一な構成および動作については、その構成および動作の説明を省略する。
【0068】
この第2実施形態では、塗布位置17において、現像スリーブ31の表面およびアニロクスローラ34の表面とが互いに反対方向に移動するように構成しているため、規制ブレード35および撹拌ローラ37とが図9に示すように配設されている。このような構成とすれば、塗布位置17において、現像スリーブ31の表面およびアニロクスローラ34の表面は互いに反対方向に移動しつつ、現像スリーブ31の表面にアニロクスローラ34によって現像液32が塗布される。このとき、現像スリーブ31とアニロクスローラ34との間の現像液32の糸引き現象を抑制することができ、現像スリーブ31の表面に均一に現像液32を塗布することができる(図10参照)。
【0069】
<第3実施形態>
図11は本発明にかかる画像形成装置の第3実施形態における要部拡大図である。この第3実施形態が第1および第2実施形態と大きく相違する点は、偏心軸受311bの偏心量Eが異なる点であり、その他の構成は第1および第2実施形態と同様である。以下、第1および第2実施形態との相違点を中心に第3実施形態について詳細に述べる。なお、第1および第2実施形態と同一な構成および動作については、その構成および動作の説明を省略する。
【0070】
この第3実施形態では、バックアップローラ311は、現像スリーブ31の回転方向D1とほぼ直交する現像スリーブ31のX方向にほぼ垂直な断面において、現像スリーブ31の半径をRdr、現像スリーブ31の回転中心CL2から、バックアップローラ311が現像スリーブ31の内側を支持する位置への距離をRbkとしたとき、
Rbk≧Rdr
を満たすように配設されている。
【0071】
このような構成とすれば、より確実に、アニロクスローラ34の表面と現像スリーブ31の表面とを密着させて、強固に圧接した状態とすることができる。したがって、アニロクスローラ34に担持された現像液32をより確実に現像スリーブ31に塗布することができ、現像スリーブ31の表面に均一に現像液32を塗布することができる。
【0072】
<その他>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記実施形態では、少なくとも一方のフランジ312にスリーブ駆動モータ312b(駆動手段)からの回転力を伝達することによって現像スリーブ31を回転させているが、バックアップローラ311(バックアップ部材)を駆動ローラとして、該バックアップローラ311を回転させることによって該現像スリーブ31を回転駆動する構成としても構わない。このような構成としても、一対のフランジ312が現像スリーブ31の両端部の開口部31aを閉塞しているため、現像液32が開口部31aから現像スリーブ31の内側へ侵入することを防止することができる。したがって、現像液32が開口部31aから現像スリーブ31の内側に進入することによって、バックアップローラ311と現像スリーブ31との接触面に入り込んでしまい、バックアップローラ311と現像スリーブ31との摩擦力が低下し、現像スリーブ31が回転駆動されなくなるのを防止することが出来る。
【0073】
また、一対のフランジ312の両方に駆動手段からの回転駆動力を伝達することによって、現像スリーブ31を回転駆動する構成としてももちろん構わない。
【0074】
また、上記実施形態では、クリーニング位置(現像スリーブクリーニングブレード361と現像スリーブ31との接触位置)や塗布位置17において、バックアップ部材(バックアップローラ311)で現像剤担持スリーブ(現像スリーブ31)を内側から支持しているが、このバックアップ部材は、薄肉円筒状の現像剤担持スリーブを内側から張架していない。すなわち、現像剤担持スリーブは内側から複数の部材で張架されていなくても、円筒形状を維持することができる。
【0075】
また、上記実施形態では、規制ブレード35はいわゆるトレール規制を行っているが、これをカウンタ規制としても構わない。
【0076】
また、現像スリーブ31および各ローラの形状(外径等)は上記の数値に限定されるものではなく、確保したい画像の大きさや装置構成に応じて設定することができる。
【0077】
また、上記実施形態では、塗布ローラとしてアニロクスローラ34を用いているが、この替わりに、例えば、ワイヤーバーを用いても構わない。また、現像液32を担持する凹部を有さない塗布ローラや、回転方向に対して斜めに溝を有する塗布ローラ等を用いても構わない。
【0078】
また、上記実施形態では、露光部20を各感光体11Y,11M,11C,11Kに1対1に対応して設け、各感光体11Y,11M,11C,11Kのそれぞれに、対応した静電潜像を形成するように構成したが、例えば、1つの露光部を配設し、レーザービームの照射方向をミラー等を用いて切り替えることによって、各感光体11Y,11M,11C,11Kのそれぞれに対応した静電潜像を形成する構成としてもよい。その他、LEDアレイを用いた露光手段を使用したり、いわゆる書込帯電を行う潜像書込み手段を用いても構わない。要は、各感光体11Y,11M,11C,11Kのそれぞれに、1対1に対応した静電潜像を形成できる構成であれば、どのような構成としてもよい。
【0079】
また、上記実施形態では、本発明をタンデム方式のカラープリンタに具現化しているが、いわゆる、モノクロプリンタに本発明にかかる構成を適用しても構わない。
【0080】
また、上記実施形態では、ホストコンピュータなどの外部装置より与えられた画像を転写紙に印刷するプリンタを用いて説明しているが、本発明はこれに限られず、複写機やファクシミリ装置などを含む一般の電子写真方式の画像形成装置に適用することができる。要は、液体現像剤を現像剤担持スリーブに塗布し、現像剤担持スリーブに塗布された液体現像剤によって、潜像担持体上の静電潜像を現像する画像形成装置全般に本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の第1実施形態であるプリンタの内部構成を示す図。
【図2】図1の要部拡大図。
【図3】同プリンタの電気的構成を示すブロック図。
【図4】アニロクスローラを示す斜視概念図。
【図5】現像スリーブの断面図。
【図6】アニロクスローラから現像スリーブへ液体現像剤が塗布される模式図。
【図7】現像部および感光体の配置関係を示す模式図。
【図8】アニロクスローラから現像スリーブへ液体現像剤が塗布される模式図。
【図9】第2実施形態の要部拡大図。
【図10】アニロクスローラから現像スリーブへ液体現像剤が塗布される模式図。
【図11】現像スリーブの断面図。
【符号の説明】
【0082】
11…感光体(潜像担持体)、 17…塗布位置、 31…現像スリーブ(現像剤担持スリーブ)、 311…バックアップローラ(バックアップ部材)、 311b…偏心軸受、 312…フランジ(板状部材)、312b…スリーブ駆動モータ(駆動手段)、 313…軸、 32…現像液(液体現像剤)、 33Y,33M,33C,33K…タンク(現像剤収容部)、 34…アニロクスローラ(塗布ローラ)、 34a…溝、 118…スリーブ駆動部(駆動手段)、 X…長手方向、 CL2…現像剤担持スリーブの回転中心、 Rdr…現像剤担持スリーブの半径、 Rbk…現像剤担持スリーブの回転中心からバックアップ部材が現像剤担持スリーブの内側を支持する位置への距離、 W1…板状部材間の幅、 W2…塗布ローラの幅、 W3…潜像担持体の幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤収容部に貯留されている液体現像剤を用いて潜像担持体上の静電潜像を現像してトナー像を形成する画像形成装置において、
その外周面に前記液体現像剤を担持しながら回転するとともに、前記潜像担持体と当接して前記液体現像剤により前記静電潜像を現像する可撓性を有する薄肉円筒状の現像剤担持スリーブと、
前記現像剤担持スリーブの両端の開口部を閉塞する一対の板状部材と
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記現像剤担持スリーブを回転駆動するための駆動力を発生する駆動手段をさらに備え、
前記一対の板状部材の各々は前記現像剤担持体スリーブの端部をそれぞれ支持固定するとともに、前記一対の板状部材の一方または両方が前記駆動手段からの駆動力を受けて前記一対の板状部材および前記現像剤担持スリーブが一体的に回転駆動される請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記現像剤収容部内の液体現像剤に回転しながら接触して、その表面に前記液体現像剤を担持することによって液体現像剤を前記現像剤収容部から汲み出すとともに、前記現像剤担持スリーブと回転しながら塗布位置で押圧接触して該液体現像剤を前記現像剤担持スリーブに塗布する塗布ローラをさらに備え、
前記塗布位置において、前記現像剤担持スリーブの表面および前記塗布ローラの表面は互いに反対方向に移動する請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記塗布ローラは、その表面に、該塗布ローラの回転方向とほぼ平行に設けられた複数の溝を有する請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記現像剤担持スリーブの回転方向とほぼ直交する前記現像剤担持スリーブの長手方向において、前記一対の板状部材間の幅をW1、前記塗布ローラの幅をW2、前記潜像担持体の幅をW3としたとき、以下の条件を満足する請求項3または4記載の画像形成装置。
第1条件:W1>W2で、かつ、前記長手方向において、前記塗布ローラの両端部が、前記一対の板状部材の内側に配置される。
第2条件:W1>W3で、かつ、前記長手方向において、前記潜像担持体の両端部が、前記一対の板状部材の内側に配置される。
【請求項6】
前記塗布位置において、前記現像剤担持スリーブを内側から支持するバックアップ部材をさらに備える請求項3ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記バックアップ部材は、前記現像剤担持スリーブの回転方向とほぼ直交する前記現像剤担持スリーブの長手方向にほぼ垂直な断面において、前記現像剤担持スリーブの半径をRdr、前記現像剤担持スリーブの回転中心から、前記バックアップ部材が前記現像剤担持スリーブの内側を支持する位置への距離をRbkとしたとき、
Rbk≧Rdr
を満たすように配設される請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
それ自身では回転しない軸と、
前記現像剤担持スリーブを回転駆動するための駆動力を発生する駆動手段とをさらに備え、
前記一対の板状部材の各々は円盤形状を有し前記軸に対して回転自在に取り付けられるとともに前記現像剤担持体スリーブの端部をそれぞれ支持固定して、前記一対の板状部材の一方または両方が前記駆動手段からの駆動力を受けて前記一対の板状部材および前記現像剤担持スリーブが一体的に前記軸回りに回転駆動され、さらに
前記バックアップ部材は、前記現像剤担持スリーブの内径よりも小さな外径を有し、前記軸に固定された偏心軸受に回転自在に支持されたバックアップローラである請求項6または7記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記塗布ローラーは、その表面に前記溝が形成されたアニロクスローラであって、前記溝に前記液体現像剤を担持することによって前記液体現像剤を汲み出す請求項3ないし8のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2006−71883(P2006−71883A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−254100(P2004−254100)
【出願日】平成16年9月1日(2004.9.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】