説明

画像形成装置

【課題】 デジタル複写機、プリンタ等の画像形成装置に搭載されているHDDの盗難を防止し、機密漏洩を防ぐことができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 大容量記憶装置1を内蔵する画像形成装置において、大容量記憶装置1の取り出しのために外装カバー6を取り外すと作動する警報装置ユニット2を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル複写機、プリンタ等の画像形成装置には大容量記憶装置(ハードディスクドライブ等、以下、HDD)が搭載されることが多くなってきている。HDDは、読み取った原稿の画像情報を一時的に格納し、格納された画像情報の中から任意の情報を繰り返し読み出して出力したり、読み取った画像情報を蓄積管理するために使用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そのため、HDDにはいろいろな機密情報を含む各種情報が残っており、画像形成装置からHDDが取り外され、他人に渡った場合には機密漏洩等の問題が発生してしまう。
本発明では、搭載されているHDDの盗難を防止し、機密漏洩を防ぐことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、大容量記憶装置と、大容量記憶装置を覆う外装カバーと、を装備した画像形成装置において、上記大容量記憶装置の取り出しのために上記外装カバーを取り外すと作動する警報装置ユニットを備えたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、上記大容量記憶装置及び上記警報装置ユニットに電力を供給する充電式補助電源を備えたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、認証手段を利用して操作者についての認証処理を行った後、一定時間内に上記外装カバーが取り外されなかった場合、再度認証処理を行うように制御する制御手段を備えたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1、2又は3において、上記大容量記憶装置、上記警報装置ユニット、上記充電式補助電源は、共通の上記外装カバーによって覆われていることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項3において、上記制御手段は、上記認証処理が行われずに上記外装カバーが取り外され、所定の時間警報装置ユニットが作動した場合、大容量記憶装置の内容を消去することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、大容量記憶装置を内蔵する画像形成装置において、大容量記憶装置の取り出しのために外装カバーを取り外すと作動する警報装置ユニットを備えたことにより、所期の目的を達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置の斜め背面図、図2は同、斜め正面図である。
図1に示すように、HDD1、警報装置ユニット2、充電式補助電源3が画像形成装置本体Aの背面側に固定されている。後述する図3に示すように、これらのユニットは画像形成装置本体の外装カバーに被覆されているが、図1では外装カバーを取り外した状態を示している。また、図2に示すように、本体Aの正面上部には操作部(認証手段)4が取り付けられている。
【0007】
図3は本発明の実施の形態に係る画像形成装置の要部構成を示す断面図であり、(1)は外装カバー装着状態、(2)は外装カバー取り外し(分解)状態を示す。警報装置ユニット2には警報装置センサ5が取り付けられており、(1)に示すように、外装カバー6が本体A(図1参照)側に装着されている状態では、その押圧突起6−1によって警報装置センサ5が押圧されてオフになっている。また(2)に示すように、外装カバー6が分解されると警報装置センサ5から押圧突起6−1が離れ、警報装置センサ5がオンされ、警報装置ユニット2が働く構成となっている。
警報装置センサ5としては、プッシュSW、透過型センサ、インタロックSW等が用いられるが、外装カバー6が分解されたことが検知できるセンサならば何を使用しても問題はない。また、警報装置ユニット2には、サイレン、スピーカ、無線送信装置などが組み込まれており、外部に対して警告することができるようになっている。
通常、画像形成装置本体Aの電源が投入されているときにはHDD1、警報装置ユニット2及び操作部4に本体A側から電力供給を行って、充電式補助電源3は充電動作を行っている。しかしながら電源オフや電源コードを抜かれて本体Aに電力が供給されなくなった場合には、図示しない制御手段(CPU)により、HDD1、警報装置ユニット2及び操作部4には充電式補助電源3から電力が供給されるようになっており、HDD1を外す際に必要な認証処理動作及び警報動作は何ら問題なく行うことができる。
そして上述したように、HDD1、警報装置ユニット2、充電式補助電源3は近接配置され、且つ全てが共通の外装カバー6のみで覆われており、HDD1、警報装置ユニット2、充電式補助電源3のどれか一つだけ外す場合にも外装カバー6を取り外したり、分解しなければならない構成となっている。
このような構成にすることにより、警報装置ユニット2または充電式補助電源ユニット3だけを先に外され、警報装置ユニット2が動作しない状態でHDD1を取り外される事態が生じるのを防止することができる。
【0008】
また、HDD1を外す際に必要な認証処理を行わずに警報装置ユニット2を作動させ、所定の時間が経っても警報装置ユニット2がオフされない場合には、警報装置ユニット2及び充電式補助電源ユニット3より強制的にHDD1に保存されている内容を消去するように制御手段が制御を行うことで、機密漏洩を防止することができる。
認証処理は本体A正面の操作部4で行われる。認証に際しては、暗証番号の入力、指紋認証等が行われるが、他の本人確認方法を用いても何ら問題はない。認証処理に関しては、電源オフ状態、または電源コードが抜かれている状態でも、充電式補助電源ユニット3からの電力を利用して行うことができるようになっており、本体電電源がとれない場所でも認証処理ができるため、HDD1を取り外す際に警報装置ユニット2を解除することができる。つまり、操作部4からの操作によって行う認証処理に関しては、充電式補助電源ユニット3からの電力を利用して操作が行えるように構成されている。
また、認証処理後所定の時間内に警報装置センサ5がオンされない場合には、再度認証処理を促し、認証処理者以外の者に外装カバー6が分解されるのを防止することができる。これらの動作及び機構によりHDD1の盗難が防止できかつ機密漏洩を防ぐことができる。
図4は認証処理動作のフローチャートである。認証処理によって操作が認められた適正な本人であることが確認され(S1)、所定の時間内に警報装置センサ5がオンされたことが確認されると(S2)、HDD1を取り外すことが可能となる(S3)。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の斜め背面図。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の斜め正面図。
【図3】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の要部構成図。
【図4】認証処理動作のフローチャート。
【符号の説明】
【0010】
1 HDD(大容量記憶装置)
2 警報装置ユニット
6 外装カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大容量記憶装置と、大容量記憶装置を覆う外装カバーと、を装備した画像形成装置において、上記大容量記憶装置の取り出しのために上記外装カバーを取り外すと作動する警報装置ユニットを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、上記大容量記憶装置及び上記警報装置ユニットに電力を供給する充電式補助電源を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1記載の画像形成装置において、認証手段を利用して操作者についての認証処理を行った後、一定時間内に上記外装カバーが取り外されなかった場合、再度認証処理を行うように制御する制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
上記大容量記憶装置、上記警報装置ユニット、上記充電式補助電源は、共通の上記外装カバーによって覆われていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
上記制御手段は、上記認証処理が行われずに上記外装カバーが取り外され、所定の時間警報装置ユニットが作動した場合、大容量記憶装置の内容を消去することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−74607(P2006−74607A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−257502(P2004−257502)
【出願日】平成16年9月3日(2004.9.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】