説明

画像形成装置

【課題】 原稿データの蓄積時に該原稿データに対する回答を要求する回答者の情報及び回答期限を付加して管理する画像形成装置及び画像形成方法を提供する。
【解決手段】 原稿データを記憶するとき、原稿データに回答する回答者の情報(以下、ユーザ情報とする)及び回答期間の情報を付加して管理し、回答者が原稿データを利用する際、原稿データに付加されたユーザ情報をもとに、該回答者に原稿データを提供するか否かを判断することにより、回答者の管理を適切に行う。さらに、回答期限を過ぎても後に該原稿データに対して回答していない回答者を原稿データの管理者又は回答者に報知することにより、回答期限の管理を適切に行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に、原稿データの蓄積時に該原稿データに対する回答を要求する回答者の情報及び回答期限を付加して管理する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、原稿等を読み取ったデータ(以下、原稿データとする)を含むジョブデータに基づいて画像形成を行う画像形成装置が使用されている。また、このような画像形成装置にプリンタ機能等を複合化し、コンピュータシステム等と接続して、該画像形成装置をコンピュータの外部プリンタとして使用することが可能となっている。
【0003】
これにより使用者は、読み取った原稿データを直ちに出力しない場合、原稿データを画像形成装置に備えられた記憶手段に記憶して、画像形成するときに画像形成装置を操作して、画像形成装置に備えられた記憶手段から所望の原稿データを読出し、出力することができる。
【0004】
また、プリンタ機能を複合化した画像形成装置とコンピュータシステムとを接続すれば、コンピュータシステムに設けられた蓄積手段に保存されたジョブデータを、該画像形成装置に送信することで、画像形成装置のプリンタ機能により、画像形成装置側で出力することができる。
【0005】
特許文献1では、複数の機器で得られた原稿データをまとめて一つの書類を得ようとする場合に、特殊なソフトを用いてジョブデータへのまとめ作業をする必要のない、あるいは所望の体裁の書類を作成する前に、一旦個々に原稿を作成する必要のない、紙資源や画像形成用のインクの浪費をする必要のない画像形成装置が提案されている。
【0006】
特許文献2では、学校等にも広く普及している複写機、特に近年急速に普及してきているデジタル複写機を利用して、問題用紙の作成を簡単に行えるようにし、さらにその問題用紙に受験者が回答を記入した回答用紙の採点も、何等人手を要さずに自動的に行えるようにすること、特に、1人当たり1回(1科目)のテストに用いる問題用紙が複数のページになる(紙の表裏両面に問題が印刷された何枚かの紙になる)場合でも、その問題用紙を簡単に作成でき、それに回答を記入した回答用紙の自己採点も問題なく行える画像処理装置及び問題用紙作成・採点システムが提案されている。
【特許文献1】特開2003−134315号公報
【特許文献2】特開平8−76681号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記の発明は、以下の問題を有している。
【0008】
従来の原稿読取手段によって読み取った原稿データを本体内部に記憶し、後にその原稿データを印刷・送信できる機能(以下、ドキュメントボックス機能とする)を有する画像形成装置において、ユーザに対して回答を要求する原稿データ(例えば、テストの問題用紙、報告書のフォーマットなど)を記憶するとき、該原稿データと該原稿データに回答する回答者の情報(以下、ユーザ情報とする)が付加されていないため、回答者の管理が適切に行われていなかった。
【0009】
特許文献1によれば、複数の原稿データをマージして一つの原稿データとして扱うことが可能だが、回答者を識別する手段を有していないため、該回答者が適切に管理されていなかった。また、回答期限の管理も行われていなかった。
【0010】
特許文献2によれば、複数のページになる(紙の表裏両面に問題が印刷された何枚かの紙になる)場合でも、その問題用紙を簡単に作成でき、それに回答を記入した回答用紙の自己採点も行えるが、作成した問題用紙に対する回答者及び回答期限の管理を行うことができない。
【0011】
そこで、本発明は、原稿データを記憶するとき、ユーザ情報及び回答期限を付加することにより、回答者及び回答期限の管理し、回答者が原稿データを利用する際、原稿データに付加されたユーザ情報をもとに、原稿データを検索できる画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1記載の発明は、画像形成のためのデータを読み込む読込手段を有する画像形成装置において、前記読込手段によって読み込まれた原稿データに回答する回答者を識別するユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶手段と、前記読込手段によって前記原稿データが読み込まれたとき、前記ユーザ情報記憶手段に記憶された少なくとも1つのユーザ情報の選択を受け付けるユーザ情報選択手段と、前記読込手段によって前記原稿データが読み込まれたとき、前記原稿データの回答期限の入力を受け付ける回答期限入力手段と、前記ユーザ情報選択手段によって前記ユーザ情報が選択され、かつ前記回答期限入力手段によって前記回答期限が入力されたとき、前記ユーザ情報と前記回答期限とを前記原稿データに付加する付加手段と、前記付加手段によって前記ユーザ情報と前記回答期限とが付加された前記原稿データを記憶する原稿データ記憶手段とを有することを特徴とする。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記原稿データへの回答データを記憶する回答記憶手段と、前記原稿データ記憶手段から前記原稿データの選択を受け付ける原稿データ選択手段と、前記読込手段によって回答データを読み込むとき、前記ユーザ情報の入力を受け付けるユーザ情報入力手段と、前記原稿データ選択手段によって前記原稿データが選択され、かつ前記ユーザ情報入力手段によって前記ユーザ情報が入力されたとき、前記原稿データに付加されたユーザ情報と前記ユーザ情報入力手段によって入力されたユーザ情報とが一致し、かつ前記回答期限内であるかを判断する判断手段とを有し、前記判断手段によって前記原稿データに付加されたユーザ情報と前記ユーザ情報入力手段によって入力されたユーザ情報とが一致し、かつ前記回答期限内であると判断されたとき、前記読込手段は、前記回答データを読み込み、前記読込手段によって前記回答データが読み込まれたとき、前記回答データ記憶手段は、前記回答データを記憶することを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の画像形成装置において、前記回答データ記憶手段によって前記回答データが記憶されたとき、前記ユーザ情報入力手段によって入力されたユーザ情報と一致する前記原稿データに付加されたユーザ情報が消去されることを特徴とする。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の画像形成装置において、現在時刻を計時する計時手段と、前記計時手段によって計時された現在時刻が前記回答期限を経過したとき、前記原稿データから消去されていない前記ユーザ情報を表示する表示手段とを有することを特徴とする。
【0016】
請求項5記載の発明は、画像形成のためのデータを読み込む読込手段を有する画像形成装置において、前記読込手段によって読み込まれた原稿データに回答する回答者を識別するユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶手段と、前記読込手段によって前記原稿データが読み込まれたとき、前記ユーザ情報記憶手段に記憶された少なくとも1つのユーザ情報の選択を受け付けるユーザ情報選択手段と、前記ユーザ情報選択手段によって前記ユーザ情報が選択されたとき、前記ユーザ情報を前記原稿データに付加する付加手段と、前記付加手段によって前記ユーザ情報が付加された前記原稿データを記憶する原稿データ記憶手段とを有することを特徴とする。
【0017】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の画像形成装置において、前記原稿データへの回答データを記憶する回答記憶手段と、前記原稿データ記憶手段から前記原稿データの選択を受け付ける原稿データ選択手段と、前記読込手段によって回答データを読み込むとき、前記ユーザ情報の入力を受け付けるユーザ情報入力手段と、前記原稿データ選択手段によって前記原稿データが選択され、かつ前記ユーザ情報入力手段によって前記ユーザ情報が入力されたとき、前記原稿データに付加されたユーザ情報と前記ユーザ情報入力手段によって入力されたユーザ情報とが一致しているかを判断する判断手段とを有し、前記判断手段によって前記原稿データに付加されたユーザ情報と前記ユーザ情報入力手段によって入力されたユーザ情報とが一致していると判断されたとき、前記読込手段は、前記回答データを読み込み、前記読込手段によって前記回答データが読み込まれたとき、前記回答データ記憶手段は、前記回答データを記憶することを特徴とする。
【0018】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の画像形成装置において、前記回答データ記憶手段によって前記回答データが記憶されたとき、前記ユーザ情報入力手段によって入力されたユーザ情報と一致する前記原稿データに付加されたユーザ情報が消去されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、原稿データを記憶するとき、ユーザ情報及び回答期限の情報を付加することにより、回答者の管理を適切に行うことができる。また、原稿データには回答期限も付加されているため、回答期限を過ぎても原稿データに対して回答がないことを管理者又は回答者に報知することにより、回答者及び回答期限の管理をより適切に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に本発明の実施形態に係る画像形成装置について説明する。
【0021】
本実施形態に係る画像形成装置の概略図を図1に示す。
【0022】
画像形成装置は、自動原稿送り装置(ADF)1と、原稿台2と、給紙ローラ3と、給送ベルト4と、配送ローラ5と、原稿セット検知部7と、第1トレイ8と、第2トレイ9と、第3トレイ10と、第1給紙ユニット11と、第2給紙ユニット12と、第3給紙ユニット13と、縦搬送ユニット14と、感光体15と、搬送ベルト16と、定着ユニット17と、排紙ユニット18と、現像ユニット27と、コンタクトガラス6、露光ランプ51、第1ミラー52、レンズ53、CCDイメージセンサ54、第2ミラー55、第3ミラー56から構成される読み取りユニット50と、レーザ出力ユニット58、結像レンズ59、ミラー60から構成される書き込みユニット57と、切り替え板101、通常排紙ローラ102、搬送ローラ(103、105)、通常排紙トレイ104、ステープラ106、排紙ローラ107、ステープル台108、ジョガー109、ステープル完了排紙トレイ110から構成されるフィニシャ100と、両面給紙ユニット111と、反転ユニット112とを有して構成されている。
【0023】
次に、画像形成装置における処理動作について説明する。
【0024】
まず、自動原稿送り装置(以後ADF)1にある、原稿台2に原稿の画像面を上にして置かれた原稿束は、操作部30上のプリントキー34が押下されると、原稿束の一番下の原稿から給送ローラ3と、給送ベルト4とによりコンタクトガラス6上の所定の位置に給送されることになる。なお、画像形成装置は、一枚の原稿の給送完了により原稿枚数をカウントアップするカウント機能を有している。
【0025】
次に、コンタクトガラス6上の所定の位置に給送された原稿は、読み取りユニット50によりコンタクトガラス6上の原稿の原稿データを読み取り、その読み取りが終了した原稿が、給送ベルト4、及び、排送ローラ5を介して排出されることになる。さらに、原稿台2に次の原稿があることを、原稿セット検知部7が検知した場合、上述した上記原稿と同様の処理によりコンタクトガラス6上に原稿が給送されることになる。なお、給送ローラ3、給送ベルト4、排送ローラ5は、搬送モータにより駆動されることになる。
【0026】
第1トレイ8、第2トレイ9、第3トレイ10に積載された転写紙は、各々第1給紙装置11、第2給紙装置12、第3給紙装置13により給紙され、縦搬送ユニット14により感光体15に当接する位置まで搬送される。
【0027】
読み取りユニット50にて読み込まれた原稿データは、書き込みユニット57からのレーザにより感光体15に書き込まれ、現像ユニット27を通過することによりトナー像が形成される。そして、転写紙は感光体15の回転と等速で搬送ベルト16により搬送されながら、感光体15上のトナー像が転写される。その後、定着ユニット17にて画像を定着させ、排紙ユニット18により後処理装置となるフィニシャ100に排出されることになる。
【0028】
後処理装置となるフィニシャ100は、通常排紙トレイ102側と、ステープル台108側と、に導くことができる。切り替え板101を上に切り替えることで、転写紙を搬送ローラ103を経由して通常排紙トレイ104側に排紙することができる。また、切り替え板101を下方向に切り替えることで、転写紙を搬送ローラ(105、107)を経由して、ステープル台108に搬送することができる。
【0029】
ステープル台108に積載された転写紙は、一枚排紙されるごとに紙揃え用のジョガー109により、紙端面が揃えられ、一部のコピー完了と共にステープラ106により綴じられることになる。ステープラ106で綴じられた転写紙群は自重によって、ステープル完了排紙トレイ110に収納される。
【0030】
一方、通常の排紙トレイ104は前後に移動可能な排紙トレイであり、原稿毎、あるいは、画像メモリによりソーティングされたコピー部毎に、前後に移動し、簡易的に排出されてくるコピー紙を仕分けることになる。
【0031】
転写紙の両面に画像を作像する場合は、各給紙トレイ(8〜10)から給紙され作像された転写紙を排紙トレイ104側に導かず、経路切り替えの為の反転ユニット112を上側にセットし、一旦、両面給紙ユニット111に転写紙をストックする。そして、両面給紙ユニット111にストックした転写紙に対して、再び感光体15に作像されたトナー画像を転写するために、両面給紙ユニット111にストックした転写紙を再給紙し、経路切り替えの為の反転ユニット112を下側にセットし、両面に画像が転写された転写紙を排紙トレイ104に導くことになる。
【0032】
このように、転写紙の両面に画像を作成する場合には両面給紙ユニット111が使用されることになる。
【0033】
次に、原稿読み取り時から画像の書き込み時までの処理動作について説明する。
【0034】
読み取りユニット50は、原稿を載置するコンタクトガラス6と、光学走査系と、で構成されており、光学走査系には、露光ランプ51、第1ミラー52、レンズ53、CCDイメージセンサ54等々で構成されている。露光ランプ51及び第1ミラー52は、図示しない第1キャリッジ上に固定され、第2ミラー55及び第3ミラー56は図示しない第1キャリッジ上に固定されている。
【0035】
原稿像を読み取る際には、光路長が変わらないように、第1キャリッジと第2キャリッジとが2対1の相対速度で機械的に操作されることになる。この光学走査系は、図示しないスキャナ駆動モータにより駆動される。また、原稿画像はCCDイメージセンサ54により読み取られ、電気信号に変換されて処理される。
【0036】
書き込みユニット57は、レーザ出力ユニット58、結像レンズ59、ミラー60で構成され、レーザ出力ユニット58の内部には、レーザ光源であるレーザダイオード、及び、モータにより高速で定速回転する多角形ミラー(ポリゴンミラー)が搭載されている。レーザ出力ユニット58より照射されるレーザ光は、定速回転するポリゴンミラーで偏光され、結像レンズ59を通り、ミラー60で折り返され、感光体面上に集光結像する。
【0037】
偏光されたレーザ光は感光体が回転する方向と直行する方向(主走査方向)に露光走査され、後述する画像処理部のセレクタ64より出力された画像信号のライン単位の記録を行う。感光体の回転速度と記録密度に対応した所定の周期で主走査を繰り返すことによって、感光体面上に画像(静電潜像)が形成される。
【0038】
上述のように、書き込みユニット57から出力されるレーザ光が、画像作像系の感光体15に照射される。図示しないが感光体15の一端近傍のレーザビームを照射される位置に、主走査同期信号を発生するビームセンサが配置されている。この主走査同期信号をもとに主走査方向の画像記録開始タイミングの制御、および後述する画像信号の入出力を行うための制御信号の生成を行う。
【0039】
図2は、操作部30の概略図である。
【0040】
操作部30は、液晶タッチパネル31、テンキー32、クリア/ストップキー33、スタートキー34、予熱キー35、リセットキー36、及び割込キー42を有している。液晶タッチパネル31には、後述するモード設定のためのキーや画像形成装置の状態を示すメッセージなどが表示される。
【0041】
図3は、操作部30の液晶タッチパネル31の表示例を示す図である。
【0042】
オペレータが液晶タッチパネル31に表示されたキーにタッチする事で、選択された機能を示すキーが黒く反転する。また、機能の詳細を指定しなければならない場合(例えば変倍であれは変倍値等)は、キーにタッチする事で、詳細機能の設定画面が表示される。このように、液晶タッチパネルは、ドット表示器を使用している為、その時の最適な表示をグラフィカルに行う事が可能である。
【0043】
図3において左上は、「読み取り蓄積できます」、「お待ちください」等のメッセージを表示するメッセージエリア、その右は、印刷時にセットした枚数を表示するコピー枚数表示部、転写紙を自動的に選択する自動用紙選択キー、コピーを一部ずつページ順にそろえる処理を指定するソートキー、コピーをページ毎に仕分けする処理を指定するスタックキー、ソート処理されたものを一部ずつ綴じる処理を指定するステープルキー、倍率を等倍にセットする等倍キー、拡大/縮小倍率をセットする変倍キー、両面モードを設定する両面キー、とじ代モード等を設定する編集キー、表紙/合紙モードを設定する表紙/合紙キーである。また、給紙トレイ数に対応した給紙トレイ状態を示し、手動で給紙段を設定するためのキーが給紙段分表示されている。
【0044】
図4は、メインコントローラを中心に、制御装置を図示したものである。メインコントローラ20は、画像形成装置全体を制御する。メインコントローラ20には、紙搬送等に必要なメインモータ25、各種クラッチ21〜24が接続されている。また、オペレータに対する表示、オペレータからの機能設定入力制御を行う操作部30、スキャナの制御、原稿画像を画像メモリに書き込む制御、画像メモリからの作像を行う制御等を行う画像処理ユニット(IPU)49、原稿自動送り装置(ADF)1、等の分散制御装置が接続されている。各分散制御装置とメインコントローラ20は必要に応じて機械の状態、動作司令のやりとりを行っている。各分散制御装置が実行する制御プログラムは各分散制御装置内部のROMに格納されている。メインコントローラ20にはICカードスロット27が接続されており、ICカードスロット27を介して、画像形成装置外部のICカードに格納されている制御プログラムデータを分散制御装置内部のROMにダウンロードし、制御プログラムを変更することが可能である。
【0045】
本実施形態に係る画像処理部(画像読取部と画像書込部)の構成について、図5を用いて説明する。露光ランプ51から照射された光は原稿面を照射し、原稿面からの反射光を、CCDイメージセンサ54にて結像レンズ(図示せず)により結像、受光して光電変換し、A/Dコンバータ61にてデジタル信号に変換する。デジタル信号に変換された画像信号は、シェーディング補正62がなされた後、画像処理部63にてMTF補正、γ補正等がなされる。セレクタ64では、画像信号の送り先を、書き込みγ補正部71または、画像メモリコントローラ65への切り替えが行われる。書き込みγ補正部71を経由した画像信号は書き込みユニット57に送られる。画像メモリコントローラ65とセレクタ64間は、双方向に画像信号を入出力可能な構成となっている。図5には特に明示していないが、画像処理部(IPU)には、読取ユニット50から入力される原稿データ以外にも外部から供給される原稿データ(例えばパーソナルコンピュータ等のデータ処理装置から出力されるデータ)も処理できるよう、複数データの入出力の選択を行う機能を有している。
【0046】
画像メモリコントローラ65等への設定や、読取ユニット50及び書き込みユニット57の制御を行うCPU68、及びそのプログラムやデータを格納するROM69、RAM70を備えている。更にCPU68は、メモリコントローラ65を介して、画像メモリ66のデータの書き込み、読み出しが行える。また、画像メモリ66の内容を保存するためのHDD73を備えている。HDD73には、画像メモリ66へ書き込まれた原稿データおよび、原稿データについての名称や本実施形態にて説明する回答者、回答期限が保存される。また、RAM70にはNV−RAMも含まれる。NV−RAMは不揮発性メモリであり、電源供給が断たれることにより内部の情報が消滅することはない。ここには、ユーザの名称やユーザコードといったユーザ情報、および装置の初期設定値等が保存される。
【0047】
次に、図6を用い、読取ユニット50で読み取った原稿データとともに、ユーザ情報及び回答期限をHDD73へ格納する動作を説明する。
【0048】
まず、ドキュメントボックスキー38が押下されると(ステップS600/YES)、液晶タッチパネル31に図3に示す文書蓄積画面が表示される(ステップS601)。次に、ADF1の原稿台2に原稿がセットされ、スタートキー34が押下されると原稿の読み取りが開始される(ステップS602)。原稿の読み取りが完了すると(ステップS602)、NV−RAM70に保存されているユーザ情報を読み込み、該ユーザ情報を液晶タッチパネル31に表示する(ステップS603)。原稿データの読み取りを要求した操作者が液晶タッチパネル31に表示されたユーザ情報(図9に示す)の中から回答者が選択され(ステップS604)、かつテンキー32から原稿データの回答期限が入力されると(ステップS605)、ユーザ情報及び回答期限が付加された原稿データがHDD73へ保存される(ステップS606、ステップS608)。一方、テンキー32から原稿データの回答期限が入力されなかったときは(ステップS605/NO)、ユーザ情報のみが付加された原稿データがHDD73に保存される(ステップS607、ステップS608)。
【0049】
次に、図7を用い、HDD73に格納された原稿データをユーザが検索し、該原稿データに対して回答する際に実行される動作について説明する。回答者が原稿データを利用する際、原稿データに付加されたユーザ情報をもとに、該回答者に原稿データを提供するか否かを判断することにより、回答者の管理及び原稿データの管理を適切に行うことができる。
【0050】
ドキュメントボックスキー38が押下されると(ステップS700/YES)、液晶タッチパネル31に図3に示す文書蓄積画面が表示される(ステップS701)。次に、文書蓄積画面に表示された返答キーが押下されると(ステップS702/YES)、液晶タッチパネル31に図10に示す原稿データの情報(例えば、原稿データ名、回答期限、ユーザ情報等)が表示される(ステップS703)。ユーザが所望の原稿データを選択し、かつテンキー32よりユーザ自身のユーザコードを入力すると(ステップS704/YES)、入力されたユーザコードが原稿データに付加されたユーザ情報に含まれているか否か、原稿データに回答期限が付加されている場合は回答期限を経過していないかを判断する(ステップS705)。入力されたユーザコードがユーザ情報に含まれていた場合は(ステップS705/YES)、スタートキー34が押下されることにより原稿台2にセットされた回答の原稿の読み取りが開始され、同時に回答データとしてHDD73に格納される(ステップS706)。一方、入力されたユーザコードがユーザ情報に含まれていなかった場合は(ステップS705/NO)、回答の原稿の読み取りは行われず、本処理は終了する。なお、ユーザ情報とともに回答期限が原稿データに付加されていた場合は、入力されたユーザコードがユーザ情報に含まれ、かつ回答期限内であったときのみ、回答の原稿の読み取りが開始される。HDD73への回答データの格納が完了すると(ステップS706)、図10の画面において選択された原稿データに付加されたユーザ情報の中から、回答したユーザコードが消去される(ステップS707)。
【0051】
以上に述べたように、図6及び図7に示した動作によれば、原稿データを保存する際、その原稿データに対してユーザ情報及び回答期限を付加して保存することにより、原稿データの管理及び原稿データに対する回答期限の管理を適切に行うことができる。
【0052】
次に、図8を用い、原稿データに付加して保存された回答期限を経過したときに、回答していないユーザ情報を液晶タッチパネル31に表示し、原稿データの管理者又は回答者に報知する動作について説明する。ユーザ情報と回答期限とを原稿データに付加して管理することにより、回答期限を過ぎても後に該原稿データに対して回答していない回答者を原稿データの管理者又は回答者に報知することにより、回答者及び回答期限の管理を適切に行うことができる。
【0053】
タイマー48は現在時刻の計時を行っており、タイマー48において計時されている現在時刻を基づいて原稿データに付加された回答期限が管理されている(ステップS800)。現在時刻が回答期限を経過すると(ステップS800/YES)、回答期限を経過した原稿データに消去されていないユーザ情報が存在するか否かが判断される(ステップS801)。原稿データから全てのユーザ情報が消去されていない場合は(ステップS801/YES)、図11に示すように消去されていないユーザ情報が液晶タッチパネル31に表示される(ステップS802)。一方、原稿データから全てのユーザ情報が消去されていた場合は(ステップS801/NO)、未回答者の液晶タッチパネル31への表示は行われず処理は終了する。
【0054】
以上に述べたように、図8に示した動作によれば、未回答者の管理を適切に行うことことができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置の概略図である。
【図2】本実施形態に係る画像形成装置の操作部の概略図である。
【図3】操作部が有する液晶タッチパネルの表示例である。
【図4】本実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図6】原稿データの管理動作を示すフローチャートである。
【図7】原稿データの管理動作を示すフローチャートである。
【図8】原稿データの管理動作を示すフローチャートである。
【図9】液晶タッチパネルの表示例である。
【図10】液晶タッチパネルの表示例である。
【図11】液晶タッチパネルの表示例である。
【符号の説明】
【0056】
48 タイマー
65 メインコントローラ
66 画像メモリ
67 I/Oポート
68 CPU
69 ROM
70 RAM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成のためのデータを読み込む読込手段を有する画像形成装置において、
前記読込手段によって読み込まれた原稿データに回答する回答者を識別するユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶手段と、
前記読込手段によって前記原稿データが読み込まれたとき、前記ユーザ情報記憶手段に記憶された少なくとも1つのユーザ情報の選択を受け付けるユーザ情報選択手段と、
前記読込手段によって前記原稿データが読み込まれたとき、前記原稿データの回答期限の入力を受け付ける回答期限入力手段と、
前記ユーザ情報選択手段によって前記ユーザ情報が選択され、かつ前記回答期限入力手段によって前記回答期限が入力されたとき、前記ユーザ情報と前記回答期限とを前記原稿データに付加する付加手段と、
前記付加手段によって前記ユーザ情報と前記回答期限とが付加された前記原稿データを記憶する原稿データ記憶手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記原稿データへの回答データを記憶する回答記憶手段と、
前記原稿データ記憶手段から前記原稿データの選択を受け付ける原稿データ選択手段と、
前記読込手段によって回答データを読み込むとき、前記ユーザ情報の入力を受け付けるユーザ情報入力手段と、
前記原稿データ選択手段によって前記原稿データが選択され、かつ前記ユーザ情報入力手段によって前記ユーザ情報が入力されたとき、前記原稿データに付加されたユーザ情報と前記ユーザ情報入力手段によって入力されたユーザ情報とが一致し、かつ前記回答期限内であるかを判断する判断手段とを有し、
前記判断手段によって前記原稿データに付加されたユーザ情報と前記ユーザ情報入力手段によって入力されたユーザ情報とが一致し、かつ前記回答期限内であると判断されたとき、前記読込手段は、前記回答データを読み込み、
前記読込手段によって前記回答データが読み込まれたとき、前記回答データ記憶手段は、前記回答データを記憶することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記回答データ記憶手段によって前記回答データが記憶されたとき、前記ユーザ情報入力手段によって入力されたユーザ情報と一致する前記原稿データに付加されたユーザ情報が消去されることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
現在時刻を計時する計時手段と、
前記計時手段によって計時された現在時刻が前記回答期限を経過したとき、前記原稿データから消去されていない前記ユーザ情報を表示する表示手段とを有することを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
画像形成のためのデータを読み込む読込手段を有する画像形成装置において、
前記読込手段によって読み込まれた原稿データに回答する回答者を識別するユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶手段と、
前記読込手段によって前記原稿データが読み込まれたとき、前記ユーザ情報記憶手段に記憶された少なくとも1つのユーザ情報の選択を受け付けるユーザ情報選択手段と、
前記ユーザ情報選択手段によって前記ユーザ情報が選択されたとき、前記ユーザ情報を前記原稿データに付加する付加手段と、
前記付加手段によって前記ユーザ情報が付加された前記原稿データを記憶する原稿データ記憶手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記原稿データへの回答データを記憶する回答記憶手段と、
前記原稿データ記憶手段から前記原稿データの選択を受け付ける原稿データ選択手段と、
前記読込手段によって回答データを読み込むとき、前記ユーザ情報の入力を受け付けるユーザ情報入力手段と、
前記原稿データ選択手段によって前記原稿データが選択され、かつ前記ユーザ情報入力手段によって前記ユーザ情報が入力されたとき、前記原稿データに付加されたユーザ情報と前記ユーザ情報入力手段によって入力されたユーザ情報とが一致しているかを判断する判断手段とを有し、
前記判断手段によって前記原稿データに付加されたユーザ情報と前記ユーザ情報入力手段によって入力されたユーザ情報とが一致していると判断されたとき、前記読込手段は、前記回答データを読み込み、
前記読込手段によって前記回答データが読み込まれたとき、前記回答データ記憶手段は、前記回答データを記憶することを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記回答データ記憶手段によって前記回答データが記憶されたとき、前記ユーザ情報入力手段によって入力されたユーザ情報と一致する前記原稿データに付加されたユーザ情報が消去されることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−86711(P2006−86711A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−268352(P2004−268352)
【出願日】平成16年9月15日(2004.9.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】