説明

画像形成装置

【課題】 コストが高くならずにシュレッダ部に処分する紙を自動的に送り込み、用紙投入の時間や手間が大幅に削減されたシュレッダ内蔵型画像形成装置を提供する。
【解決手段】 原稿を自動的に画像読取り位置Rに順次搬送する自動原稿搬送部14と、読取られた原稿の画像を形成する画像形成部36と、用紙を裁断するシュレッダ部51を備えた画像形成装置100において、自動原稿搬送部14は、画像形成装置の操作部の指示により、自動原稿搬送部14に載置された用紙を自動的にシュレッダ部51に順次搬送させる。シュレッダ部51に順次搬送される用紙の搬送路Fは、自動原稿搬送部14内において原稿搬送経路Dから分岐されており、画像形成装置端部に上下方向に形成されている。シュレッダ部51で裁断された用紙は、シュレッダ部51下側に形成された裁断紙案内空間52中を落下して、裁断紙案内空間52下側に形成された裁断紙収納部53に収納される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置内にシュレッダを内蔵した画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機密文書を処分するために、オフィス等にシュレッダを設置していた。そのため、限られたスペースのオフィス内で、プリンタ、複写機等の画像形成装置の他に、更に別にシュレッダを設置するためのスペースを確保する必要があった。
【0003】
そこで、特許文献1には、所定用紙に画像形成後、所定時間放置された前記所定用紙をシュレッダの裁断実行位置に搬送し、裁断を自動的に実行するシュレッダ内蔵型画像形成装置が記載されている。
【特許文献1】特開平9−304984
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、シュレッダに裁断処理する紙を投入する際には、一般的に、処理する紙を手で保持して、数枚程度づつシュレッダに投入する。この場合、使用者は紙を処理する間、シュレッダの前で紙の投入作業を続けなければならず、また、紙の投入量が多くなるとシュレッダ部のカッターに紙が詰まり、安全装置が作動して紙の裁断が中止されることがあり、非常に効率が悪い。また、カッターに紙が詰まった場合、刃が破損する可能性もある。
【0005】
また、上記問題を解決するために、裁断処理する紙を載置でき動力を用いた給紙機構によって連続的に給送するようなシュレッダも市販されている。例えば、サイズの異なる用紙や、厚さ、紙質の違う用紙をまとめて載置するだけで、シュレッダに用紙を送り込む給紙装置がシュレッダ本体とは別にオプション設定されている。このようなシュレッダにおいては、自動的に処理されるので用紙投入の時間や手間が大幅に削減されるが、別途オプションと設定されている場合が多くコストが非常に高くなる。
【0006】
そこで本発明は、コストが高くならずにシュレッダ部に処分する紙を自動的に送り込み、用紙投入の時間や手間が大幅に削減されたシュレッダ内蔵型画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の画像形成装置は、原稿を自動的に画像読取り位置に順次搬送する自動原稿搬送部と、前記読取られた原稿の画像を形成する画像形成部と、用紙を裁断するシュレッダ部を備えており、前記自動原稿搬送部は、前記画像形成装置の操作部の指示により、前記自動原稿搬送部に載置された用紙を自動的に前記シュレッダ部に順次搬送することを特徴とする。
【0008】
また、前記シュレッダ部に順次搬送される用紙の搬送路は、前記自動原稿搬送部内において原稿搬送経路から分岐されており、前記画像形成装置端部に上下方向に形成されていることが好ましい。更には、前記シュレッダ部で裁断された用紙は、前記シュレッダ部下側に形成された裁断紙案内空間中を落下して、前記裁断紙案内空間下側に形成された裁断紙収納部に収納されることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の画像形成装置によれば、原稿を自動的に画像読取り位置に順次搬送する自動原稿搬送部が、画像形成装置の操作部の指示により、自動原稿搬送部に載置された用紙を自動的にシュレッダ部の裁断位置に順次搬送することができるように構成されている。別途、シュレッダ部へ用紙を投入するための給紙装置を設ける必要が無くコストが上がらない。また、自動原稿搬送部に載置された用紙が順次シュレッダ部に自動的に搬送されるので、使用者は紙の投入作業を行う必要が無く、用紙投入の時間や手間が大幅に削減される。
【0010】
また、自動原稿搬送部により用紙が1枚ずつシュレッダ部に投入されるために、用紙がカッター部に詰まって用紙の裁断が中断されることも無い。また、シュレッダのカッターの刃を破損することも無い。
【0011】
好ましくは、シュレッダ部に順次搬送される用紙の搬送路は、自動原稿搬送部内において原稿搬送経路から分岐されており、前記画像形成装置端部に上下方向に形成されているので、用紙の搬送路を設けるために大きなスペースを設けることが不要となる。
【0012】
更に好ましくは、シュレッダ部で裁断された用紙は、シュレッダ部下側に形成された裁断紙案内空間中を落下して、裁断紙案内空間下側に形成された裁断紙収納部に収納されるので、裁断紙が裁断紙案内空間中を落下する際に分散し、裁断紙収納部に均一に収納される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に従って構成された装置本体の好適実施形態を図1、図2を参照して説明する。図1は、本発明のシュレッダ内蔵型デジタル複合機100の外観概略構成を示す斜視図である。図2は、シュレッダ内蔵型デジタル複合機100の内部構成を示す概略正面断面図である。
【0014】
シュレッダ内蔵型デジタル複合機100は、胴内排紙型の画像形成装置であって、本体ハウジング11と、その上方の、上ハウジング11Uの上部に開平自在に載置された原稿搬送部14とから構成される。本体ハウジング11は、上ハウジング11U、連絡ハウジング11C、下ハウジング11D、シュレッダハウジング11Eから構成される。
【0015】
連結ハウジング11Cの真横側には右側側面から略水平方向に内側に入り込んだシート材スタック空間部12が形成されている。シート材スタック空間部12には連結ハウジング11Cから横方向に排出されるシート材を受け取り、積載するための上シートトレイ1、下シートトレイ2が設けられている。
【0016】
上ハウジング11Uは、画像読取り位置Rにおいて原稿を露光して画像を読取るための露光部15を内蔵しており、その上面には操作部13や透明なガラス板からなる原稿載置板21が配設されている。
【0017】
上ハウジング11Uの上方には原稿画像を読み取るために原稿を画像読取り位置Rに搬送するための原稿搬送部14が載置されている。原稿搬送部14は、シュレッダ内蔵型デジタル複合機100の奥側に設置されるヒンジ部(図示せず)によって上ハウジング11U上に開閉自在に支持されている。シュレッダ内蔵型デジタル複合機100はシートスルー方式と原稿固定方式の2方式の原稿画像読取りを行なうことが可能である。
【0018】
シートスルー方式は閉状態の原稿搬送部14によって画像読取り位置Rを通過している原稿を、画像読取り位置に対向して固定配置された露光部15内の光学枠体(露光ランプ27及び反射板28と第1ミラー29と第2ミラー30と第3ミラー31を搭載した枠体)で画像読取りを行う方式である。原稿固定型方式は、原稿搬送部14を一端開状態とし、原稿載置板21上面に原稿を載置し、露光部15内の光学枠体を移動させつつ画像読取りを行う方式である。
【0019】
下ハウジング11Dは用紙の給紙部と、用紙上にトナー画像を形成する画像形成部と、用紙上のトナー画像を定着するための定着部と、裁断紙案内空間52(詳細は後述)を内蔵している。連結ハウジング11Cは定着後の用紙を搬送してシート材スタック空間12のシートトレイ1,2に向けて排出するための水平用紙搬送路44を内蔵している。
【0020】
まず初めに、上ハウジング11Uの構成を図1、図2に基き説明する。上ハウジング11Uの手前側には操作部13が備えられている。原稿搬送部14は、原稿給送トレイ14a、原稿搬送部本体14b、原稿排紙トレイ14c、原稿カバー14dを備えている。原稿排紙トレイ14cは原稿カバー14d上面の一部に直付けで形成されている。原稿搬送路Dの延長上の上流端に原稿給紙トレイ14aが配設され、原稿搬送路Dの延長上の下流端には原稿排出トレイ14cが配設されている。
【0021】
原稿読取り部本体14bには原稿搬送路Dに沿って原稿搬送方向の上流側から下流側にかけてピックアップローラ22、搬送ローラ対23とレジストローラ対24、排出ローラ対25が設けられている。搬送ローラ対23は駆動ローラ23aと分離ローラ23bから構成されている。分離ローラ23bは回転負荷が所定トルクを下回る場合のみ駆動ローラ23aと逆方向に回転し、回転負荷が所定トルクを上回る場合には駆動ローラ23aと従動回転するようになっている。レジストローラ対24と排出ローラ対25の中間には画像読取り部(画像読取り位置R)が設けられている。
【0022】
画像読取り位置Rには原稿載置板21への対向する向きにシェーディング補正用の白基準板26と、白基準板26の上方にあって白基準板26を原稿載置板21に押圧するための原稿押圧部26aとが設けられている。原稿搬送路Dは搬送ローラ対23から画像読取り位置Rに至る間において反転するように湾曲している。
【0023】
原稿搬送路Dの上流側から下流側に向けて各センサが設けられている。原稿給紙トレイ14a中央部に原稿検知センサS1が設けられ、搬送ローラ対23の下流側に給紙センサS2が設けられ、排出ローラ対25の下流側に排出センサS3が設けらている。
【0024】
原稿搬送部14で原稿を搬送移動させつつ固定した露光ランプで原稿露光させるいわゆるシートスルー原稿読取り方式に基づいて以下の説明を進める。原稿給送トレイ14aに画像面を上向きにセットされたM枚の原稿は、ばね部材6aによって上向きに付勢されたセット原稿押さえ部材6bによって所定の圧力でピックアップローラ22に押しつけられる。操作部13のコピー開始ボタンが押下されると1次給紙駆動手段(図示せず)によりピックアップローラ22と搬送ローラ23が回転駆動される。原稿給紙トレイ14aにセットされた原稿はピックアップローラ22によって上面側から通常複数枚が搬送ローラ対23に送られる。搬送ローラ対23に送られた複数枚の原稿は分離ローラ23bにより最上部の1枚のみが分離されてレジストローラ対24に向けて搬送される。原稿先端が給紙センサS2によって検出されてから所定の距離だけ搬送された後、給紙駆動手段の作動停止により搬送ローラ対23の駆動ローラ23aとピックアップローラ22の回転駆動が停止され一次給紙が終了する。原稿はその先端がレジストローラ対24のニップ部に押圧されかつその先端にたわみが形成された状態で停止させられる。
【0025】
一次給紙が終了してから所定時間経過後、2次給紙が開始される。2次給紙駆動手段(図示せず)の作動によりレジストローラ対24が回転駆動される。原稿はレジストローラ対24により画像読取り位置R及び排出ローラ対25に向けて搬送された後、最終的には排出ローラ対25によって原稿排出トレイ14c上に排出される。排出ローラ対の下流側に設けられた排紙センサS3により原稿の後端通過を検知したことによって原稿1枚の画像読取りの完了を検出するようになっている。排紙センサS3は原稿の給紙搬送完了毎に原稿枚数を計数するカウント機能を有しており、原稿検知センサS1が後続の原稿を検知していれば、2枚目以降の原稿搬送が続行される。原稿は画像読取り位置Rを通過する際に白基準板26と原稿押圧部26aによって原稿載置板21の表面を軽く押圧されながら搬送され、原稿画像面が原稿載置板を挟んで対抗する露光ランプ27によって光走査されるようになっている。
【0026】
次に、露光部15について説明する。図2において、露光ランプ27及び反射板28と第1ミラー29と第2ミラー30と第3ミラー31と集光レンズ32とイメージセンサ(例えばライン型のCCD)33を備えている。露光ランプ27と第1ミラー29は第一光学枠体(図示せず)上に搭載され、第2ミラー30、第3ミラー31は第二光学枠体(図示せず)上に搭載されている。原稿読み取り時には、第一光学枠体が前記画像読み取り位置Rの直下に固定された状態で、露光ランプ27からの光照射光が原稿を露光する。照射光は第1ミラー29、第2ミラー30、第3ミラー31、集光レンズ32を通じてCCD33に到達する。ここに、原稿載置板21上の原稿画像は露光部15による読取走査を受けることにより、CCD33上に縮小結像され、光電変換処理を経て電気信号となるように読み取られる。
【0027】
次に、本体ハウジング11を形成する下ハウジング11Dの構造について説明する。下ハウジング11Dの下方の給紙部にはシートカセット34と、画像形成部36と、定着装置37とが内蔵されている。シートカセット34に収容されたシート材Pは繰り出しコロ34aにより1枚ずつ送り出される。
【0028】
次に画像形成部36について説明する。画像形成部36において、感光体ドラム38は負帯電性の有機感光体ドラムであって、駆動時には図示した矢印方向に100mm/秒の速度で回転する。感光体ドラム38の表面は−5KVの高電圧が印可されたメインチャージャー39から発生したコロナ放電によって−750Vに一様帯電した後、レーザースキャニングユニット40からのビーム光の照射によって明電位−100Vと暗電位−750Vの部分からなる静電潜像が形成される。更に、感光体の回転によって静電潜像は現像位置にまで回転移動する。現像装置41内部の現像ローラ41aは駆動時には現像領域において感光体ドラム38と同一方向に210mm/秒の速度で回転している。現像装置41内には、例えば体積平均粒径9μm(コールターカウンターによるメジアン径)の負帯電性トナー5重量部と、平均径80μm(篩い分け法)の磁性フェライトキャリア95重量部を混合して得られる現像剤が装填されており、現像ローラー41aに現像バイアス電圧−550Vを印可することによって、感光体ドラム38表面の露光部分にトナーが反転現像され静電潜像がトナー画像化される。
【0029】
シートカセット34から1枚ずつ繰り出され搬送路3を通じて上方に搬送されてきた用紙は、感光体上のトナー画像が転写ローラ42に接近するのに同期して、レジストローラ4で搬送タイミングが調整され、感光体ドラム38と転写ローラ42との間を搬送される。これによって、用紙先端とトナー画像部先端が一致して転写ローラ42を通過することによってトナー画像中のトナーの大部分が用紙上に転写する。用紙上に転移せず感光体ドラム表面に残留した一部トナーは、最下流に設けられたクリーニング41によって除去される。
【0030】
トナー像が転写された用紙は定着装置37へ送られる。定着装置37は熱ローラ38a及び加圧ローラ38bを有し、これらローラ対によってトナー像を用紙上に定着してコピー物が得られる。定着ニップを通過した用紙はそのまま垂直方向の垂直搬送路42に沿って上方に搬送される。垂直搬送路42は連結ハウジング11Cに入り搬送ローラ対43を通過すると、右方向の水平搬送路44と斜め上方の搬送路45に分岐しており、その分岐箇所において用紙の搬送方向を振り分ける分岐爪46が設けられている。これにより用紙は、水平搬送路44と搬送路45とに進行方向を振り分けられ、上シートトレイ1上と下シートトレイ2上へとそれぞれ排出される。
【0031】
次に、シュレッダ内蔵型デジタル複合機100のシュレッダ機能について説明する。本発明の特徴は、上述のようにして得られたコピー用紙や原稿等の不要になった機密文書を原稿搬送部14の原稿給紙トレイ14a上にセットすることで、自動的に裁断処理を行うことである。
【0032】
操作部13にはシュレッダキー(図3の231)が設けられており、シュレッダキー231を押下することで、原稿給紙トレイ14a上にセットされた用紙が自動的に裁断処理される。シュレッダキー231が押下されると、搬送ローラ対23に送られた複数枚の用紙は、上述の原稿が搬送される場合と同様に分離ローラ23bにより最上部の1枚のみが分離される。ここで、原稿搬送部本体14内には、原稿搬送路Dから分岐された用紙搬送路Fが形成され、用紙は原稿搬送路Dから用紙搬送路Fの方へ分岐爪54により送り込まれる。
【0033】
すなわち、シュレッダキー231が押下されると、用紙は分岐爪54の作用により用紙搬送路Fに送り込まれるように制御され、用紙搬送路Fに送り込まれた用紙は上ハウジング11U内に設けられた搬送ローラ対50に達する。搬送ローラ対50に達した用紙は更に用紙搬送路Fを進み、連結ハウジング11C内に設けられたロール状カッター対51(シュレッダ部)に達し、裁断処理される。
【0034】
ここで、原稿搬送部本体14a内で原稿搬送路Dから分岐した用紙搬送路Fは、上ハウジング11U内の光学部15の真横側、及び、連結ハウジング11C内のシートトレイ1,2に用紙を振り分ける搬送路44,45の真横側に、シートトレイ1,2に対してほぼ垂直方向に形成されている。このように構成することで、用紙搬送路Fを設けるために大きなスペースを設けることが不要となる。
【0035】
用紙搬送路Fには、ロール状カッター対51(シュレッダ部)の上流側に用紙排出センサーS4が設けられている。用紙排出センサS4は前述の排紙センサS3と同様の働きを有し、用紙排出センサS4により用紙の後端通過を検知したことによって用紙1枚の裁断処理の完了を検出するようになっている。用紙排出センサS5は用紙の裁断処理完了毎に用紙枚数を計数するカウント機能を有しており、原稿検知センサS1が後続の用紙を検知していれば、2枚目以降の用紙搬送が続行される。
【0036】
下ハウジング11Dには、画像形成部36の真横側に裁断紙案内空間52が形成され、ロール状カッター対51(シュレッダ部)により裁断された裁断紙が、下ハウジング11Dの真下側に連結されたシュレッダハウジング11E内の裁断紙トレイ(裁断紙収納部)53に落下するように構成されている。裁断紙案内空間52は上側面積よりも下側面積が大きい形状となっている。このように構成することで、裁断紙が裁断紙トレイ53内に落下する際、広い面積に分散して落下するため裁断紙が裁断紙トレイ(裁断紙収納部)53内に均一に収納される。なお、裁断紙案内空間52は概ね画像形成部36において、下側(シートカセット34)から上側(シートトレイ1,2)に形成された、概ね垂直な搬送路(3,42等)に沿った形状で形成されており、裁断紙案内空間52を設けるために大きなスペースを設けることが不要となる。
【0037】
裁断紙トレイ(裁断紙収納部)53に収納された裁断紙が満杯状態に近ずくと廃棄する必要がある。その際には、シュレッダハウジング11Eに取り付けられた取っ手54を持って引出し、裁断紙トレイ(裁断紙収納部)53を取り出して裁断紙を廃棄すれば良い。なお、シュレッダハウジング11Eは、下ハウジング11D内のシートカセット34の真下に形成され、シュレッダハウジング11Eの断面積と下ハウジング11Dの断面積は同じであり連結されるように構成されている。このため、裁断紙を収納するスペースを確保するために、デジタル複合機100が大きくなることは無く、特別な設置スペースも不要である。
【0038】
以上のように、本発明の好適実施形態においては、原稿搬送部14b内において原稿搬送路Dから分岐した、裁断処理される用紙が搬送される用紙搬送路が上ハウジング11Uと連結ハウジング11C内の端部に形成され、裁断された用紙は裁断紙案内空間52を落下してシュレッダハウジング11E内に収納される。そして、裁断紙案内空間は下ハウジング11D内の画像形成部36の端部に搬送路に沿った形状で形成されている。
【0039】
図3は、図1に示すシュレッダ内蔵型デジタル複合機1の操作部13中の操作パネル(タッチパネル)13Tを示す概略図の一例で、画面aは、基本設定であるコピーモード時に設定されている表示画面で、電源スイッチ(図示せず)をONにした場合に最初に表示される。画面bは、用紙の裁断処理(シュレッダ処理)を実行するショートカットキー231が押下された際に表示される画面である。
【0040】
画面aに示すように、タッチパネル200の表示画面は、大きく4つの領域(201,202,203,204)から構成され、領域201の左側には現在選択されているモードが表示され、右側には現在設定されているコピー条件が表示される。
【0041】
そして、領域202には、各モード毎にユーザーが押下することが可能な各種操作キーが表示される。現在はコピーモードに設定されているため、コピーモード時の基本設定表示である、ユーザーが用紙サイズの設定、複写倍率の設定、複写濃度の設定を行うための操作キーが領域220,221,222に表示される。
【0042】
領域203にはショートカットキーが表示される。ショートカットキーとは、領域202に基本設定表示されないが、ユーザーが好みに応じて領域203に表示させることができる操作キーで、図3においては、集約機能の設定、シュレッダ処理の設定を行うためのショートカットキー230,231が設定されている。ここで、例えば、集約キー230が押下されると、図示しないが、領域202に、「2in1」、「4in1」、等を詳細設定する画面が表示される。
【0043】
シュレッダキー231が押下されると、領域202に、シュレッダ処理を行う簡単な手順が表示される(画面b参照)。操作部13のスタートキー13S(図1)が押下されると、原稿搬送部14にセットされた用紙は順次裁断処理が実行される。なお、用紙の裁断処理を中止したい場合には、操作部13のクリア/ストップキー13C(図1)を押下すればよい。また、用紙の裁断処理が終了し最初の表示画面(画面a)に戻したい場合には、操作部13のリセットキー13R(図1)を押下すればよい。なお、画面bのまま放置された状態で、一定時間経過後に画面aに戻るようにも制御されている。
【0044】
領域204には基本キー240とユーザー設定キー241が表示され、ユーザー設定キー241を押下することで、例えば、領域202に表示されたショートカットキーの種類(集約、シュレッダ等)やその表示順序を変更したり、ショートカットキーの種類を追加(本実施例では最大3種類まで表示設定可能)したり、あるいは領域201に表示される操作キーの種類や表示順序を変更したりすることができる。また、基本キー240を押下するとことで元の基本設定に戻すこともできる。
【0045】
以上のように、本発明の画像形成装置においては、操作部のシュレッダー処理を実行する操作キーを押下することで、自動原稿搬送部に載置された用紙を自動的にシュレッダ部に順次搬送し裁断処理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明実施形態の画像形成装置の概略外観図である。
【図2】図1に示す画像形成装置の概略正面断面図である。
【図3】図1に示す画像形成装置の操作パネルの概略図である。
【符号の説明】
【0047】
1 上シートトレイ
2 下シートトレイ
11 本体ハウジング
11U 上ハウジング
11C 連結ハウジング
11D 下ハウジング
11E シュレッダハウジング
13 操作部
14 原稿搬送部
14a 原稿給紙トレイ
14b 原稿搬送部本体
14c 原稿排紙トレイ
14d 原稿カバー
15 露光部
D 原稿搬送路
F 用紙搬送路
21 原稿載置板
R 原稿読取り位置
S1 原稿検知センサ
S2 給紙センサ
S3 排紙センサ
S4 用紙排出センサ
36 画像形成部
51 ロール状カッタ対(シュレッダ部)
52 裁断紙案内空間部
53 裁断紙トレイ(裁断紙収納部)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を自動的に画像読取り位置に順次搬送する自動原稿搬送部と、前記読取られた原稿の画像を形成する画像形成部と、用紙を裁断するシュレッダ部を備えた画像形成装置において、
前記自動原稿搬送部は、前記画像形成装置の操作部の指示により、前記自動原稿搬送部に載置された用紙を自動的に前記シュレッダ部に順次搬送することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記シュレッダ部に順次搬送される用紙の搬送路は、前記自動原稿搬送部内において原稿搬送経路から分岐されており、前記画像形成装置端部に上下方向に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記シュレッダ部で裁断された用紙は、前記シュレッダ部下側に形成された裁断紙案内空間中を落下して、前記裁断紙案内空間下側に形成された裁断紙収納部に収納されることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−94280(P2006−94280A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−279177(P2004−279177)
【出願日】平成16年9月27日(2004.9.27)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】