説明

画像形成装置

【課題】本発明は、印刷中の印刷ジョブに対して、その印刷ジョブをクリアすることなく、印刷の開始ページを変更することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本実施形態の複合機1は、インタフェース部17が印刷ジョブを受信した際に、制御部10により印刷ジョブから1ページごとに画像データが抽出され、その抽出された画像データごとに対応するページIDを関連付けてRAM142に記憶され、更に印刷ジョブに含まれる画像データの印刷の開始後に、液晶ディスプレイが画像データの開始ページよりも後の変更ページ以降を出力する出力変更を受け付けた際に、制御部10により現ページが開始ページであると判定される場合には現部数以降で、現ページPが開始ページでないと判定された場合には次の部数以降で、それぞれRAM142に記憶された画像データのうち、変更ページに対応する画像データ以降が出力される構成とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、複合機等の画像形成装置に関するものであり、特に、その印刷ジョブ管理技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置において、パソコンから複数ページの画像データを含んだ印刷ジョブを受信した場合には、その制御部から印刷処理を行うエンジン部を制御するエンジン制御部にその印刷ジョブが一括して送られて、エンジン制御部の制御の基でエンジン部により印刷ジョブの用紙への印刷処理が行われている。また、従来の画像形成装置では、印刷中の印刷ジョブに対して、出力ページ数を変更する場合には、一度印刷ジョブがクリアされ、再度、ページ数が変更された新たな印刷ジョブを受信することで、その出力ページ数の変更が行われている。
【0003】
なお、参考として以下のような画像形成装置が開示・提案されている。操作を案内するための表示を行う表示手段と、操作指示を受け付けるための操作手段と、前記表示手段に操作案内を表示させると共に前記操作手段を介して複数ページの原稿に対して複写を除外するページを指定するためのページ指定指示を受け付けるページ指定手段と、前記ページ指定受付手段によって前記ページ指定指示が受け付けられた場合、前記ページ指定指示により指定されたページ以外の原稿から取得した画像を複写する複写手段とを備えた画像形成装置が開示・提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2004−186784号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
確かに、従来の画像形成装置では、印刷中の印刷ジョブに対して、印刷ジョブの出力ページ数を変更する場合には、一度印刷ジョブがクリアされ、再度、ページ数が変更された新たな印刷ジョブを受信することで、その印刷ジョブの出力ページ数の変更を行うことが可能である。
【0005】
また、特許文献1に開示された画像形成装置であれば、複数ページの原稿の複写時に、指定されたページ以外の原稿から取得した画像を複写することが可能である。
【0006】
しかしながら、従来の画像形成装置では、印刷ジョブが制御部からエンジン制御部に一括して送られてエンジン部により印刷が行われるため、印刷中の印刷ジョブに対して、印刷ジョブをクリアすることなく、出力ページ数の変更編集を行うことはできなかった。このため、印刷中の印刷ジョブに対して、ユーザが途中で印刷の開始ページをその開始ページより後のページに変更したい場合には、ユーザが印刷ジョブのクリア操作を行い、再度、ページ数が変更された新たな印刷ジョブを従来の画像形成装置に向けて送信する操作を行う必要があるため、印刷ジョブをクリアして再度印刷ジョブを送信する操作に時間がかかってしまう。
【0007】
なお、特許文献1に開示された画像形成装置は、複写時の原稿複写ページの変更に関する発明であり、原稿から取得した画像の複写処理の開始前に、予め複写する必要のないページを指定しなければならない。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑み、印刷中の印刷ジョブに対して、その印刷ジョブをクリアすることなく、印刷の開始ページを変更することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置は、情報の入力を受け付ける情報受付手段と、外部の装置との接続を確立するためのインタフェース部と、該インタフェース部が受信した印刷ジョブに含まれる画像データを用紙に印刷する印刷手段と、を有して成り、所定のデータを記憶するための記憶手段と、前記インタフェース部が印刷ジョブを受信した際に、該印刷ジョブから1ページごとに画像データを抽出し、その抽出した画像データごとに対応するページ数を関連付けて前記記憶手段に記憶させる抽出手段と、前記インタフェース部により受信された前記印刷ジョブから前記画像データの所定の印刷部数を抽出する印刷部数抽出手段と、現在の印刷部数である現部数および現在、これから印刷される画像データの現ページをカウントするカウント手段と、前記印刷手段による前記画像データの印刷の開始後、前記情報受付手段が前記画像データの開始ページよりも後の変更ページ以降を出力する出力変更を受け付けた際に、前記カウント手段によるカウントの結果に基づいて前記現ページが前記開始ページであると判定する場合には、現部数以降で、前記記憶手段に記憶された画像データのうち、前記変更ページに対応する画像データ以降を出力するように前記印刷手段に指示するとともに、前記カウント手段によるカウントの結果に基づいて前記現ページが前記開始ページでないと判定する場合には、次の部数以降で、前記記憶手段に記憶された画像データのうち、前記変更ページに対応する画像データ以降を出力するように前記印刷手段に指示するページ変更手段と、を有して成る構成とされている。このような構成とすることにより、印刷ジョブに含まれる画像データの印刷の開始後に、ユーザが印刷の開始ページの変更を行いたい場合に、その印刷ジョブをクリアすることなく、印刷の開始ページを変更することが可能となる。
【0010】
また、上記構成から成る画像形成装置は、前記情報受付手段が、所定の操作により情報の入力を受け付ける操作手段である構成とされている。このような構成とすることにより、ユーザは、タッチ機能付きディスプレイやテンキー等の操作手段を操作するのみで簡単に印刷の開始ページを変更することが可能となる。
【0011】
また、上記構成から成る画像形成装置は、前記情報受付手段が、前記インタフェース部を介して情報の入力を受け付ける手段である構成とされている。このような構成とすることにより、ユーザが画像形成装置まで行って印刷の開始ページの変更設定を行う必要がないため、ユーザに対する利便性が更に向上する。
【発明の効果】
【0012】
上記したように、本発明に係る画像形成装置であれば、印刷ジョブに含まれる画像データの印刷の開始後に、その印刷ジョブをクリアすることなく、印刷の開始ページを変更することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下では、本発明をプリンタ機能および複写機能を有した複合機に適用した場合を例に挙げて説明を行う。図1は本発明に係る複合機の要部構成を示すブロック図であり、図2は本発明に係る複合機の要部構造を模式的に示す縦断面図である。両図に示すように、本実施形態の複合機1は、中央演算処理装置等からなり、装置全体の動作を制御する制御部10と、原稿を自動搬送する原稿搬送部11と、原稿搬送部11から搬送された原稿を取り込んで画像データを生成する原稿取込部12と、所定の操作により情報の入力を受け付ける操作手段(テンキーやタッチパネルなど)と表示手段(液晶ディスプレイなど)から成る操作表示部13と、各種制御プログラム等が格納され、ワーク領域としても用いられるメモリ部14と、後述のエンジン制御部15の制御により画像データに基づいて画像を用紙へ印刷するとともに、その印刷済みの用紙の後処理を行うエンジン部16と、制御部10から入力されたコマンドに基づいてエンジン部16の制御を行うエンジン制御部15と、外部の装置との信号の通信の接続を確立するためにネットワーク30に接続されたインタフェース部17と、を有して成る。なお、複合機1は、後述のパソコン31とネットワーク30を介してデータ等を送受信することが可能である。
【0014】
制御部10は、装置全体の動作を制御するほか、エンジン制御部15へ各種コマンドを入力して、エンジン制御部15にエンジン部16の制御を行わせる。また、制御部10は、インタフェース部17が印刷ジョブを受信した際に、該印刷ジョブから1ページごとに画像データを抽出し、その抽出した画像データごとに対応するページ数を関連付けて記憶手段(本実施形態では、RAM142)に記憶させる抽出手段と、インタフェース部17により受信されたその印刷ジョブから画像データの所定の印刷部数を抽出する印刷部数抽出手段と、現在の印刷部数である現部数および現在、これから印刷される画像データの現ページをカウントするカウント手段と、印刷ジョブに含まれる画像データの印刷の開始後、情報受付手段(本実施形態では、後述する操作表示部13のタッチ機能付きの液晶ディスプレイ131)が画像データの開始ページよりも後の変更ページ以降をする出力変更を受け付けた際に、そのカウント結果に基づいて現ページが開始ページであると判定する場合には、現部数以降で、記憶手段に記憶された画像データのうち、変更ページに対応する画像データ以降を出力するように印刷手段(本実施形態では、エンジン制御部15、給紙部161、画像形成部162および定着部163に相当)に指示するとともに、そのカウント結果に基づいて現ページが開始ページでないと判定する場合には、次の部数以降で、記憶手段に記憶された画像データのうち、変更ページに対応する画像データ以降を出力するように印刷手段に指示するページ変更手段と、しての役割を担う。
【0015】
エンジン部16は、画像データに基づいて用紙へトナー像の形成を行う画像形成部162(現像器、感光体ドラムおよび露光ユニット等から成るプリント部162aを含む)と、画像形成部162で用紙上に形成されたトナー像を用紙へ定着させる定着部163と、画像形成部162へ給紙を行う給紙部161と、定着部163を通過した用紙の後処理を行うフィニッシャー164と、を有して成る。
【0016】
フィニッシャー164は、複数段のトレイ、複数の用紙を束ねて該トレイに排出する束排出処理を行うソータ部、および複数の用紙を束ねてステイプルを行った後に該トレイに向けて排出するステイプル処理を行うステイプル部を有して成る。
【0017】
給紙部161は、画像形成部162への給紙元となる複数段(本実施形態では3段)の用紙収納部161a〜161cと、各用紙収納部161a〜161cから画像形成部162への共通した用紙搬送経路となる用紙搬送部161dと、を有して成る。
【0018】
メモリ部14は、各種制御プログラム等が格納されたROM[Read Only Memory]141と、ワーク領域として用いられるRAM[Random Access Memory]142と、を有して成る。
【0019】
また、図3は、複合機1における操作表示部13の一例を示す図である。操作表示部13は、タッチ操作による所定の情報の入力の受け付けや画像の表示を行うタッチパネル機能付き液晶ディスプレイ131と、数値等の情報の入力を受け付けるテンキー132と、ユーザにより押下されることで指定された情報のクリアを受け付けるクリアキー133と、ユーザにより押下されることで複写処理や印刷処理の中止を受け付けるストップキー134と、ユーザにより押下されることで複写処理の開始を受け付けるスタートキー135と、を備えている。
【0020】
また、液晶ディスプレイ131には、装置のステータスが表示されるステータス表示部131aと、各種処理情報が表示されるメイン表示部131bと、が設けられている。
【0021】
また、ネットワーク30に接続されたパソコン31は、図示は省略するが、各種プログラムおよびデータ等が格納され、ワーク領域としても利用される記憶部、画像が表示されるディスプレイ、入力操作が行われる入力装置、パソコン31の全体の制御を行う制御部、外部の装置との信号の通信の接続を確立するためのインタフェース等を有して成る。パソコン31は、複合機1等の外部の装置とデータおよび印刷データ等を送受信することが可能である。
【0022】
次に、上記構成から成る複合機1における原稿複写動作について説明する。複合機1における原稿複写動作では、まず原稿搬送部11から原稿取込部12に原稿が搬送され、原稿取込部12による該原稿の取込み(画像データの生成)が行われる。生成された画像データは、制御部10により一旦RAM142に格納された後、再び読み出されて印刷コマンドとともにエンジン制御部15に送られる。続いて、エンジン制御部15から画像形成部162へ画像データが送出され、画像データに基づいて感光体ドラム(不図示)の表面にトナー像が形成される。そして、画像形成部162で、給紙部161から画像形成部162に搬送されてきた用紙へそのトナー像の形成処理が行われる。更に、定着部163でトナー像の用紙への定着処理が行われた後、フィニッシャー164に排出される。なお、原稿複写の開始前に、ユーザにより操作表示部13が操作されて、予め束排出処理あるいはステイプル処理が設定されている場合には、複写済みの用紙がフィニッシャー164で、それぞれ束排出処理あるいはステイプル処理が行われてフィニッシャー164のトレイに排出される。
【0023】
なお、本実施形態の複合機1は、インタフェース部17が受信した印刷ジョブに含まれる画像データの印刷の開始後に、その印刷ジョブをクリアすることなく、印刷の開始ページを変更して印刷を継続して行う制御に特徴を有している。
【0024】
そこで、以下では、図4および図5のフローチャートを参照しながら、上記特徴についての詳細な説明を行う。なお、開始ページSは、印刷ジョブに含まれる画像データの最初のページ、最終ページMは、印刷ジョブに含まれる画像データの最終のページ、現ページPは、印刷ジョブに含まれ、現在、これから用紙へ印刷される画像データのページ、変更ページQは、印刷ジョブに含まれる画像データの印刷動作の開始後に、印刷ジョブに含まれる画像データの印刷の開始ページSが変更された変更ページ、現部数Bは、現在の印刷対象の印刷部数、を意味する。また、開始ページS、変更ページQおよび最終ページの関係は、開始ページS<変更ページQ≦最終ページMである。
【0025】
本実施形態の複合機1では、ステップS4−1で、インタフェース部17がパソコン31から送信された印刷ジョブを受信すると、その印刷ジョブの受信信号がインタフェース部17から制御部10に入力される。そして、印刷ジョブの受信信号に基づいて制御部10により、印刷ジョブが一旦RAM142に記憶される。
【0026】
続いて、ステップS4−2で、制御部10により、印刷ジョブに含まれる画像データの印刷を要求する印刷要求コマンド、印刷ジョブに含まれる画像データの所定の印刷部数を指定する印刷部数コマンド、印刷ジョブにフィニッシャー164で印刷済みの用紙の束排出処理を要求する束排出コマンド、およびフィニッシャー164で印刷済みの用紙のステイプル処理を要求するステイプルコマンド等のコマンドが印刷ジョブから抽出される。そして、印刷要求コマンドおよび印刷部数コマンドに基づいて、制御部10により、印刷ジョブに含まれる画像データの所定の印刷部数の印刷が認識され、RAM142にその所定の印刷部数が記憶される。また、このとき、印刷要求コマンドおよび印刷部数コマンドのほかに、前述の束排出コマンドあるいはステイプルコマンドが印刷ジョブに含まれていれば、束排出コマンドやステイプルコマンドは後で最終ページ用印刷コマンドとして用いられるため、制御部10により、束排出コマンドやステイプルコマンドにそれぞれ対応するフラグが立てられる。
【0027】
続いて、ステップS4−3で、制御部10により、RAM142に格納された印刷ジョブから1ページごとに画像データが抽出され、その抽出された画像データごとに対応するページID(すなわち、ページ数に相当)が関連付けられて、再びRAM142に記憶される。
【0028】
続いて、ステップS4−4で、制御部10により、現ページPおよび現部数Bのカウントが共に1にセットされて(すなわち、P=1、B=1)RAM142に記憶されるとともに、現ページPおよび現部数Bのカウントが開始される。
【0029】
続いて、ステップS4−5で、制御部10により印刷ジョブに含まれる画像データの印刷に関する処理が開始される。このとき、図6に示すように、制御部10によって液晶ディスプレイ131に以下のような画像が表示される。ステータス表示部131aには、プリント中である旨が表示される。メイン表示部131bの完了ページ表示部131cには、印刷の完了した完了ページ数が表示され、最終ページ表示部131dには、ページIDが関連付けられた画像データの最終ページMが表示される。また、メイン表示部131bの完了部数表示部131eには、印刷の完了した部数が表示され、設定部数表示部131fには、印刷部数コマンドに基づいて印刷ジョブに含まれる画像データが印刷される印刷部数が表示される。また、メイン表示部131bには、印刷ジョブに含まれる画像データの印刷に関する処理の開始後に、開始ページSの変更を行う際に押下される編集ボタン131gが表示される。なお、ステップS4−2おいて束排出コマンドあるいはステイプルコマンドが抽出された場合には、それらの処理が行われることを示す図柄、文字あるいは記号が、液晶ディスプレイ131に表示されてもよい。
【0030】
続いて、ステップS4−6で、制御部10により、RAM142から現部数Bのカウント数が読み込まれ、現部数Bが最終部数目であると判定される場合には(S4−6YES)には、ステップS4−7で、後述で説明するように最終部数目の印刷が行われる。
【0031】
また、ステップS4−6で、制御部10により、RAM142から現部数Bのカウント数が読み込まれ、現部数Bが最終部数目でないと判定される場合には(S4−6NO)、ステップS4−8で、後述するようにユーザの操作によって開始ページSの変更ページQへの変更が液晶ディスプレイ131に受け付けられることに伴って、RAM142に記憶される開始ページSの変更ページQへの変更記録が、制御部10により、RAM142に記憶されているか否かが確認されることで、開始ページSの変更ページQへの変更が受け付け済みで有るか否か判定される。
【0032】
そして、制御部10により、開始ページSの変更ページQへの変更記録がRAM142に記憶されていないと認識され、開始ページSの変更が受け付けられていないと判定される場合(S4−8NO)には、ステップS4−9で、制御部10により、RAM142に記憶されている現ページPのカウント数が確認され、更に、現ページPが、最終ページMと等しいか否か判定される。そして、制御部10により、現ページPが、最終ページMと等しくないと判定される場合には(S4−9NO)には、ステップS4−10で、制御部10により、RAM142から現ページPに対応する画像データが読み込まれた後、現ページPに対応する画像データに印刷コマンドが付加されて、エンジン制御部15に送られる。
【0033】
ステップS4−11で、印刷コマンドに従ってエンジン制御部15により、現ページPに対応する画像データが画像形成部162へ送出され、その画像データに基づいて感光体ドラム(不図示)の表面にトナー像が形成される。そして、画像形成部162で、給紙部161から画像形成部162に搬送されてきた用紙へそのトナー像の形成処理が行われる。更に、定着部163でトナー像の用紙への定着処理が行われた後、印刷済みの用紙がフィニッシャー164に送られる。
【0034】
続いて、ステップS4−12で、制御部10により、現ページPがP+1にカウントアップされ、ステップS4−8へ戻る。
【0035】
また、ステップS4−9で、制御部10により、現ページPが、最終ページMと等しいと判定される場合には(S4−9YES)には、ステップS4−13で、制御部10により、RAM142に1ページごとにページIDと関連付けられて記憶されている画像データのうち、最終ページMとなる現ページPに対応する画像データが読み込まれ、現ページPに対応する画像データに最終ページ用印刷コマンドが付加されて、エンジン制御部15に送られる。なお、最終ページ用印刷コマンドとは、ステップS4−2おいて制御部10により束排出コマンドおよびステイプルコマンドのフラグが立てられていない場合には、最終ページMを表すコマンド(例えば、command_n=command_final)、ステップS4−2おいて制御部10により束排出コマンドに対応したフラグが立てられている場合には、束排出コマンド、ステップS4−2おいて制御部10によりステイプルコマンドに対応したフラグが立てられている場合には、ステイプルコマンドである。
【0036】
続いて、ステップS4−14で、最終ページ用印刷コマンドに従ってエンジン制御部15により、最終ページMに対応する画像データが画像形成部162へ送出され、その画像データに基づいて感光体ドラム(不図示)の表面にトナー像が形成される。そして、画像形成部162で、給紙部161から画像形成部162に搬送されてきた用紙へそのトナー像の形成処理が行われる。更に、定着部163でトナー像の用紙への定着処理が行われた後、印刷済みの用紙がフィニッシャー164に送られる。フィニッシャー164では、最終ページ用印刷コマンドに応じて後処理が行われ、印刷済みの用紙がトレイに排出される。なお、フィニッシャー164では、最終ページ用印刷コマンドが最終ページMを表すコマンドである場合には、後処理が行われることなく印刷済みの用紙がトレイに排出され、最終ページ用印刷コマンドが束排出コマンドである場合には、ソート部で開始ページSから最終ページMまでの印刷済みの用紙が束にされた後にトレイに排出され、最終ページ用印刷コマンドがステイプルコマンドである場合には、ステイプル部で開始ページSから最終ページMまでの印刷済みの用紙が束にされ、更にステイプル処理された後にトレイに排出される。
【0037】
続いて、ステップS4−15で、制御部10により、RAM142に記憶されている現ページPのカウント数が、1(すなわち、P=1)にリセットされる。
【0038】
続いて、ステップS4−16で、制御部10により、RAM142に記憶されている現部数Bのカウント数が、B+1(すなわち、B=B+1)にカウントアップされ、ステップS4−6に戻る。
【0039】
また、ステップS4−8で、制御部10により、開始ページSの変更ページQへの変更記録がRAM142に記憶されていると認識され、開始ページSの変更ページQへの変更が有りと判定される場合(S4−8YES)には、ステップS4−17で、制御部10により、現ページPのカウント数が確認され、現部数Bにおいてこれから開始ページSの印刷が開始されるか否か判定される。そして、制御部10により、現ページPが1であり、現部数Bにおいてこれから開始ページSの印刷が開始される(すなわち、現ページPが開始ページSである)と判定される場合には(S4−17YES)、後述するステップS4−18に進む。また、ステップS4−17で、制御部10により、現ページPが1でなく、現部数Bにおいてこれから開始ページSの印刷が開始されない(すなわち、現ページPが開始ページSでない)と判定される場合には(S4−17NO)、前述のステップS4−9に進む。
【0040】
ここで、ステップS4−8での複合機1における開始ページSの変更ページQへの変更の受付動作について以下に説明する。本実施形態の複合機1では、ユーザによる図6に示す編集ボタン131gの押下に伴う信号が液晶ディスプレイ131から制御部10に入力されると、制御部10により、図7に示すように、開始ページSの変更設定を行うための画面が液晶ディスプレイ131に表示される。このとき、メイン表示部131bには、開始ページSである1が表示された開始ページ表示部131h、開始ページSの変更が入力される変更ページ入力部131i、および変更ページ入力部131iへの入力が完了した際に押下される終了ボタン131jが表示される。続いて、ユーザにより、変更ページ入力部131iにテンキー132が用いられて変更ページQが入力された後に、終了ボタン131jが押下されることに伴って開始ページSの変更ページQへの変更が液晶ディスプレイ131に受け付けられる。そして、液晶ディスプレイ131から変更ページQに対応する信号が制御部10へ入力され、その信号の入力に伴って制御部10により、開始ページSの変更ページQへの変更記録がRAM142に記憶される。
【0041】
続いて、ステップS4−18で、RAM14に記憶された開始ページSの変更ページQへの変更記録に基づいて、制御部10により、RAM142に1ページごとにページIDと関連付けられて記憶されている画像データのうち、[変更ページQ−1]ページ以前の画像データが削除される。
【0042】
続いて、ステップS4−19で、制御部10により、RAM142に記憶されている残りの変更ページQから最終ページMまでの各画像データのページID(すなわち、ページ数)が、それぞれ1から[変更ページQ−1]までのページIDに変更される。例えば、開始ページS=1から最終ページM=100までの印刷が、変更ページQ=51から最終ページM=100までの印刷に変更された場合には、各画像データに関連付けられたページIDが変更されるため、変更ページQ=51から最終ページM=100までに対応する各画像データがそれぞれ、新たに開始ページS=1から最終ページM=50までに対応することになる。図8に示すように、このページIDの変更に伴って制御部10の制御によって液晶ディスプレイ131における最終ページ表示部131dの値が、新たな最終ページMの値である50(すなわち、[変更ページQ−1])に変更されて表示される。
【0043】
続いて、S4−20で、制御部10により、RAM142に記憶されている現ページPのカウント数が確認され、更に、現ページPが、最終ページMと等しくないと判定される場合には(S4−20NO)には、ステップS4−21で、制御部10により、RAM142から現ページPに対応する画像データが読み込まれた後、現ページPに対応する画像データに印刷コマンドが付加されて、エンジン制御部15に送られる。
【0044】
続いて、ステップS4−22で、印刷コマンドに従ってエンジン制御部15により、現ページPに対応する画像データが画像形成部162へ送出され、その画像データに基づいて感光体ドラム(不図示)の表面にトナー像が形成される。そして、画像形成部162で、給紙部161から画像形成部162に搬送されてきた用紙へそのトナー像の形成処理が行われる。更に、定着部163でトナー像の用紙への定着処理が行われた後、印刷済みの用紙がフィニッシャー164に送られる。
【0045】
続いて、ステップS4−23で、制御部10により、現ページPのカウント数がP+1にカウントアップされ、ステップS4−20へ戻る。
【0046】
また、ステップS4−20で、制御部10により、RAM142に記憶されている現ページPのカウント数が確認され、更に、現ページPが、最終ページMと等しいと判定される場合には(S4−20YES)には、ステップS4−24で、制御部10により、RAM142に1ページごとにページIDと関連付けられて記憶されている画像データのうち、最終ページMとなる現ページPに対応する画像データが読み込まれ、現ページPに対応する画像データに最終ページ用印刷コマンドが付加されて、エンジン制御部15に送られる。なお、最終ページ用印刷コマンドとは、ステップS4−2おいて制御部10により束排出コマンドおよびステイプルコマンドに対応するフラグが立てられていない場合には、最終ページMを表すコマンド(例えば、command_n=command_final)、ステップS4−2おいて制御部10により束排出コマンドに対応するフラグが立てられている場合には、束排出コマンド、ステップS4−2おいて制御部10によりステイプルコマンドに対応するフラグが立てられている場合には、ステイプルコマンドである。
【0047】
続いて、ステップS4−25で、最終ページ用印刷コマンドに従ってエンジン制御部15により、最終ページMに対応する画像データが画像形成部162へ送出され、その画像データに基づいて感光体ドラム(不図示)の表面にトナー像が形成される。そして、画像形成部162で、給紙部161から画像形成部162に搬送されてきた用紙へそのトナー像の形成処理が行われる。更に、定着部163でトナー像の用紙への定着処理が行われた後、印刷済みの用紙がフィニッシャー164に送られる。フィニッシャー164では、最終ページ用印刷コマンドに応じて後処理が行われ、印刷済みの用紙がトレイに排出される。なお、フィニッシャー164では、最終ページ用印刷コマンドが最終ページMを表すコマンドである場合には、後処理が行われることなく印刷済みの用紙がトレイに排出され、最終ページ用印刷コマンドが束排出コマンドである場合には、ソート部で開始ページSから最終ページMまでの印刷済みの用紙が束にされた後にトレイに排出され、最終ページ用印刷コマンドがステイプルコマンドである場合には、ステイプル部で開始ページSから最終ページMまでの印刷済みの用紙が束にされ、更にステイプル処理された後にトレイに排出される。
【0048】
続いて、ステップS4−26で、制御部10により、RAM142に記憶されている現部数Bのカウント数と所定の印刷部数とが比較され、最終部数目が完了していないと認識される場合には(S4−26NO)、ステップS4−27で、制御部10により、RAM142に記憶されている現ページPのカウント数が、1(すなわち、P=1)にリセットされる。
【0049】
続いて、ステップS4−28で、制御部10により、RAM142に記憶されている現部数Bのカウント数が、B+1(すなわち、B=B+1)にカウントアップされ、ステップS4−20に戻る。
【0050】
また、ステップS4−26で、制御部10により、RAM142に記憶されている現部数Bのカウント数と所定の印刷部数が比較され、最終部数目が完了していると認識される場合には(S4−26YES)、本動作の完了となる。
【0051】
続いて、ステップS4−7における複合機1の最終部数目の印刷について以下に説明を行う。図5のフローチャートに示すように、本実施形態の複合機1では、ステップS5−1で、ステップS4−8において説明したように、ユーザの操作によって開始ページSの変更ページQへの変更が液晶ディスプレイ131に受け付けられることに伴って、RAM142に記憶される開始ページSの変更ページQへの変更記録が、制御部10により、RAM142に記憶されているか否かが確認されることで、開始ページSの変更ページQへの変更が受け付け済みで有るか否か判定される。
【0052】
そして、制御部10により、開始ページSの変更ページQへの変更記録がRAM142に記憶されていないと認識され、開始ページSの変更が受け付けられていないと判定される場合(S5−1NO)には、ステップS5−2で、制御部10により、RAM142に記憶されている現ページPのカウント数が確認され、更に、現ページPが、最終ページMと等しいか否か判定される。そして、制御部10により、現ページPが、最終ページMと等しくないと判定される場合には(S5−2NO)には、ステップS5−3で、制御部10により、RAM142から現ページPに対応する画像データが読み込まれた後、現ページPに対応する画像データに印刷コマンドが付加されて、エンジン制御部15に送られる。
【0053】
続いて、ステップS5−4で、印刷コマンドに従ってエンジン制御部15により、現ページPに対応する画像データが画像形成部162へ送出され、その画像データに基づいて感光体ドラム(不図示)の表面にトナー像が形成される。そして、画像形成部162で、給紙部161から画像形成部162に搬送されてきた用紙へそのトナー像の形成処理が行われる。更に、定着部163でトナー像の用紙への定着処理が行われた後、印刷済みの用紙がフィニッシャー164に送られる。
【0054】
続いて、ステップS5−5で、制御部10により、現ページPのカウント数がP+1(すなわち、P=P+1)にカウントアップされ、ステップS5−1へ戻る。
【0055】
また、ステップS5−2で、制御部10により、現ページPが、最終ページMと等しいと判定される場合には(S5−2YES)には、ステップS5−6で、制御部10により、RAM142に1ページごとにページIDと関連付けられて記憶されている画像データのうち、最終ページMとなる現ページPに対応する画像データが読み込まれ、現ページPに対応する画像データに最終ページ用印刷コマンドが付加されて、エンジン制御部15に送られる。なお、最終ページ用印刷コマンドとは、ステップS4−2おいて制御部10により束排出コマンドおよびステイプルコマンドに対応するフラグが立てられていない場合には、最終ページMを表すコマンド(例えば、command_n=command_final)、ステップS4−2おいて制御部10により束排出コマンドに対応するフラグが立てられている場合には、束排出コマンド、ステップS4−2おいて制御部10によりステイプルコマンドに対応するフラグが立てられている場合には、ステイプルコマンドである。
【0056】
続いて、ステップS5−7で、最終ページ用印刷コマンドに従ってエンジン制御部15により、最終ページMに対応する画像データが画像形成部162へ送出され、その画像データに基づいて感光体ドラム(不図示)の表面にトナー像が形成される。そして、画像形成部162で、給紙部161から画像形成部162に搬送されてきた用紙へそのトナー像の形成処理が行われる。更に、定着部163でトナー像の用紙への定着処理が行われた後、印刷済みの用紙がフィニッシャー164に送られる。そして、フィニッシャー164で、最終ページ用印刷コマンドに応じて後処理が行われた後に、印刷済みの用紙がトレイに排出され、本動作が完了となる。なお、フィニッシャー164では、最終ページ用印刷コマンドが最終ページMを表すコマンドである場合には、後処理が行われることなく印刷済みの用紙がトレイに排出され、最終ページ用印刷コマンドが束排出コマンドである場合には、ソート部で開始ページSから最終ページMまでの印刷済みの用紙が束にされた後にトレイに排出され、最終ページ用印刷コマンドがステイプルコマンドである場合には、ステイプル部で開始ページSから最終ページMまでの印刷済みの用紙が束にされ、更にステイプル処理された後にトレイに排出される。
【0057】
また、ステップS5−1で、制御部10により、開始ページSの変更ページQへの変更記録がRAM142に記憶されていると認識され、開始ページSの変更ページQへの変更が有りと判定される場合(S5−1YES)には、ステップS5−8で、制御部10により、現ページPのカウント数が確認され、現部数Bの最終部数目においてこれから開始ページSの印刷が開始されるか否か判定される。そして、制御部10により、現ページPが1であり、現部数Bの最終部数目においてこれから開始ページSの印刷が開始される(すなわち、現ページPが開始ページSである)と判定される場合には(S5−8YES)、後述するステップS5−9に進む。また、ステップS5−8で、制御部10により、現ページPが1でなく、現部数Bにおいてこれから開始ページSの印刷が開始されない(すなわち、現ページPが開始ページSでない)と判定される場合には(S5−8NO)、前述のステップS5−2に進む。
【0058】
続いて、ステップS5−9で、RAM142に記憶された開始ページSの変更ページQへの変更記録に基づいて、制御部10により、RAM142に1ページごとにページIDと関連付けられて記憶されている画像データのうち、[変更ページQ−1]ページ以前の画像データが削除される。
【0059】
続いて、ステップS5−10で、制御部10により、RAM142に記憶されている残りの変更ページQから最終ページMまでの各画像データのページID(すなわち、ページ数)が、それぞれ1から[変更ページQ−1]までのページIDに変更される。例えば、開始ページS=1から最終ページM=100までの印刷が、変更ページQ=51から最終ページM=100までの印刷に変更された場合には、各画像データに関連付けられたページIDが変更されるため、変更ページQ=51から最終ページM=100までに対応する各画像データがそれぞれ、新たに開始ページS=1から最終ページM=50までに対応することになる。
【0060】
続いて、S5−11で、制御部10により、RAM142に記憶されている現ページPのカウント数が確認され、更に、現ページPが、最終ページMと等しくないと判定される場合には(S5−11NO)には、ステップS5−12で、制御部10により、RAM142から現ページPに対応する画像データが読み込まれた後、現ページPに対応する画像データに印刷コマンドが付加されて、エンジン制御部15に送られる。
【0061】
続いて、ステップS5−13で、印刷コマンドに従ってエンジン制御部15により、現ページPに対応する画像データが画像形成部162へ送出され、その画像データに基づいて感光体ドラム(不図示)の表面にトナー像が形成される。そして、画像形成部162で、給紙部161から画像形成部162に搬送されてきた用紙へそのトナー像の形成処理が行われる。更に、定着部163でトナー像の用紙への定着処理が行われた後、印刷済みの用紙がフィニッシャー164に送られる。
【0062】
続いて、ステップS5−14で、制御部10により、現ページPのカウント数がP+1(すなわち、P=P+1)にカウントアップされ、ステップS5−11へ戻る。
【0063】
また、ステップS5−11で、制御部10により、RAM142に記憶されている現ページPのカウント数が確認され、更に、現ページPが、最終ページMと等しいと判定される場合には(S5−11YES)には、ステップS5−15で、制御部10により、RAM142に1ページごとにページIDと関連付けられて記憶されている画像データのうち、最終ページMとなる現ページPに対応する画像データが読み込まれ、現ページPに対応する画像データに最終ページ用印刷コマンドが付加されて、エンジン制御部15に送られる。なお、最終ページ用印刷コマンドとは、ステップS4−2おいて制御部10により束排出コマンドおよびステイプルコマンドのフラグが立てられていない場合には、最終ページMを表すコマンド(例えば、command_n=command_final)、ステップS4−2おいて制御部10により束排出コマンドに対応するフラグが立てられている場合には、束排出コマンド、ステップS4−2おいて制御部10によりステイプルコマンドに対応するフラグが立てられている場合には、ステイプルコマンドである。
【0064】
続いて、ステップS5−16で、最終ページ用印刷コマンドに従ってエンジン制御部15により、最終ページMに対応する画像データが画像形成部162へ送出され、その画像データに基づいて感光体ドラム(不図示)の表面にトナー像が形成される。そして、画像形成部162で、給紙部161から画像形成部162に搬送されてきた用紙へそのトナー像の形成処理が行われる。更に、定着部163でトナー像の用紙への定着処理が行われた後、印刷済みの用紙がフィニッシャー164に送られる。フィニッシャー164で、最終ページ用印刷コマンドに応じて後処理が行われた後に、印刷済みの用紙がトレイに排出され、本動作が完了となる。なお、フィニッシャー164では、最終ページ用印刷コマンドが最終ページMを表すコマンドである場合には、後処理が行われることなく印刷済みの用紙がトレイに排出され、最終ページ用印刷コマンドが束排出コマンドである場合には、ソート部で開始ページSから最終ページMまでの印刷済みの用紙が束にされた後にトレイに排出され、最終ページ用印刷コマンドがステイプルコマンドである場合には、ステイプル部で開始ページSから最終ページMまでの印刷済みの用紙が束にされ、更にステイプル処理された後にトレイに排出される。
【0065】
以上で説明したように、本実施形態の複合機1は、インタフェース部17が印刷ジョブを受信した際に、制御部10により、印刷ジョブから1ページごとに画像データが抽出され、その抽出された画像データごとに対応するページID(すなわち、ページ数)を関連付けて記憶手段となるRAM142に記憶され、更に印刷ジョブに含まれる画像データの印刷に関する処理の開始後に、液晶ディスプレイ131が画像データの開始ページSよりも後の変更ページQ以降を出力する出力変更を受け付けた際に、制御部10により、現ページPが開始ページSであると判定される場合には、現部数B以降で、RAM142に記憶された画像データのうち、変更ページQに対応する画像データ以降が出力されるとともに、また現ページPが開始ページでないと判定された場合には、次の部数以降で、RAM142に記憶された画像データのうち、変更ページQに対応する画像データ以降が出力される構成であるため、印刷ジョブに含まれる画像データの印刷の開始後に、ユーザが印刷の開始ページの変更を行いたい場合に、その印刷ジョブをクリアすることなく、印刷の開始ページを変更することが可能となる。また、本実施形態の複合機1は、操作手段となるタッチ機能付きディスプレイ131やテンキー132を操作して変更ページQの値を入力する1ステップの操作のみで、開始ページSの変更ページQへの変更設定(すなわち、印刷の開始ページの変更)を簡単に行うことが可能であるため、ユーザに対する利便性が優れている。
【0066】
なお、上記の実施形態では、ステップS4−8、S5−1においてタッチ機能付きの液晶ディスプレイ131およびテンキー132が用いられて、開始ページSを変更ページQに変更する開始ページSの変更設定が受け付けられる構成であったが、本発明ではこれに限定されるものではなく、テンキー132の代わりに数値入力が液晶ディスプレイのみで行える構成にされてもよい。これにより、液晶ディスプレイのみで簡単に開始ページSの変更設定を行うことが可能となる。また、タッチ機能付きの液晶ディスプレイ131の代わりに、タッチ機能のない液晶ディスプレイが設けられ、その表示内容に従って、テンキー等の入力キーで操作入力することで開始ページSの変更設定が受け付けられる構成でもよい。
【0067】
また、本実施形態の複合機1は、制御部10がインタフェース部17を介してパソコン31から複合機1へ向けて送信された開始ページSの変更ページQへの変更設定を受信することで、その変更設定が制御部10に受け付けられて、前述したように開始ページSが変更ページQへ変更されてもよい。これにより、上記の効果に追加して、ユーザが複合機1まで行って、開始ページSの変更ページQへの変更設定を行う必要がないため、ユーザに対する利便性が更に向上する。なお、この場合、制御部10は、インタフェース部17を介して開始ページSの変更ページQへの変更設定等の情報の入力を受け付ける情報受付手段としての役割を担っている。
【0068】
また、上記の実施形態の複合機1では、フィニッシャー164を備えた構成であったが、フィニッシャーを備えていない複合機に対しても本発明を当然適用することが可能である。
【0069】
なお、上記の実施形態では、プリンタ機能と複写機能を備えた複合機を例に挙げて説明を行ったが、本発明の構成はこれに限定されるものではなく、プリンタ、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置にも広く適用することが可能である。
【0070】
また、本発明の構成は、上記実施形態のほか、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、複合機の他にも、プリンタ、ファクシミリ、複写機などの画像形成装置全般に広く適用が可能であり、印刷ジョブの出力ページ数の変更に有用な技術である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】は、本発明に係る複合機の要部構成を示すブロック図である。
【図2】は、本発明に係る複合機の要部構造を模式的に示す縦断面図である。
【図3】は、複合機1における操作表示部13の一例を示す図である。
【図4】は、複合機1における印刷の開始ページを変更して印刷を継続して行う制御の一例を説明するためのフローチャートである。
【図5】は、複合機1における図4に示す最終部数目での印刷制御の一例を説明するためのフローチャートである。
【図6】は、液晶ディスプレイ131に表示された開始ページSの変更前の表示画像の一例を示す図である。
【図7】は、操作表示部13の液晶ディスプレイ131に表示された開始ページSの変更設定画像の一例を示す図である。
【図8】は、液晶ディスプレイ131に表示された開始ページSの変更後の表示画像の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0073】
1 複合機
10 制御部
11 原稿搬送部
12 原稿取込部
13 操作表示部
131 液晶ディスプレイ
131a ステータス表示部
131b メイン表示部
131c 完了ページ表示部
131d 最終ページ表示部
131e 完了部数表示部
131f 設定部数表示部
131g 編集ボタン
131h 開始ページ表示部
131i 変更ページ入力部
131j 終了ボタン
132 テンキー
133 クリアキー
134 ストップキー
135 スタートキー
14 メモリ部
141 ROM
142 RAM
15 エンジン制御部
16 エンジン部
161 給紙部
161a〜161c 用紙収納部
161d 用紙搬送部
162 画像形成部
163 定着部
164 フィニッシャー
17 インタフェース部
30 ネットワーク
31 パソコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報の入力を受け付ける情報受付手段と、外部の装置との接続を確立するためのインタフェース部と、該インタフェース部が受信した印刷ジョブに含まれる画像データを用紙に印刷する印刷手段と、を有した画像形成装置において、
所定のデータを記憶するための記憶手段と、前記インタフェース部が印刷ジョブを受信した際に、該印刷ジョブから1ページごとに画像データを抽出し、その抽出した画像データごとに対応するページ数を関連付けて前記記憶手段に記憶させる抽出手段と、前記インタフェース部により受信された前記印刷ジョブから前記画像データの所定の印刷部数を抽出する印刷部数抽出手段と、現在の印刷部数である現部数および現在、これから印刷される画像データの現ページをカウントするカウント手段と、前記印刷手段による前記画像データの印刷の開始後、前記情報受付手段が前記画像データの開始ページよりも後の変更ページ以降を出力する出力変更を受け付けた際に、前記カウント手段によるカウントの結果に基づいて前記現ページが前記開始ページであると判定する場合には、現部数以降で、前記記憶手段に記憶された画像データのうち、前記変更ページに対応する画像データ以降を出力するように前記印刷手段に指示するとともに、前記カウント手段によるカウントの結果に基づいて前記現ページが前記開始ページでないと判定する場合には、次の部数以降で、前記記憶手段に記憶された画像データのうち、前記変更ページに対応する画像データ以降を出力するように前記印刷手段に指示するページ変更手段と、を有して成ることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記情報受付手段は、所定の操作により情報の入力を受け付ける操作手段であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記情報受付手段は、前記インタフェース部を介して情報の入力を受け付ける手段であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−116434(P2007−116434A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−305758(P2005−305758)
【出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】