説明

画像形成装置

【課題】 像担持体の表面に形成されたトナー像を転写媒体に転写させた後において、この像担持体の表面に残留するトナーが現像装置に適切に回収されるようにする。
【解決手段】 回転駆動される像担持体1の表面を帯電装置2により帯電させ、この像担持体の表面に潜像形成装置3により静電潜像を形成し、現像装置4により静電潜像の部分にトナーtを供給してトナー像を形成すると共にそれ以外の部分におけるトナーを回収し、上記のトナー像を転写装置5により転写媒体6に転写させる画像形成装置において、転写装置よりも像担持体の移動方向下流側で帯電装置との間における像担持体の表面に、弾性体12の表面に導電性フィルム13を設けたトナー荷電制御部材10を接触させ、このトナー荷電制御部材に残留するトナーの荷電を制御するバイアス電圧を作用させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を利用した複写機やプリンタ等の画像形成装置に係り、特に、回転駆動される像担持体と、この像担持体の表面を帯電させる帯電装置と、帯電された像担持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成装置と、像担持体の表面に形成された静電潜像の部分にトナーを供給してトナー像を形成すると共にトナー像が形成されていない部分に存在しているトナーを回収する現像装置と、像担持体の表面に形成されたトナー像を転写媒体に転写させる転写装置とを備えた画像形成装置において、転写後の像担持体の表面に残留するトナーが現像装置に適切に回収されるようにした点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式を利用した複写機やプリンタ等の画像形成装置においては、一般に図1に示すように、回転する像担持体1の表面を帯電装置2によって帯電させた後、この像担持体1の表面にレーザ等を用いた潜像形成装置3により画像情報に応じた露光を行い、この像担持体1の表面に静電潜像を形成するようにしている。
【0003】
そして、このように像担持体1の表面に形成された静電潜像の部分に現像装置4からトナーtを供給して、像担持体1の表面に静電潜像に対応するトナー像を形成し、このように像担持体10の表面に形成されたトナー像を転写装置5により転写媒体である記録紙6に転写させる一方、転写後において上記の像担持体1の表面に残留しているトナーtをクリーニング装置7によって像担持体1の表面から除去し、その後、前記のように帯電装置2によって像担持体1の表面を帯電させ、上記の操作を繰り返して画像形成を行うようにしている。
【0004】
しかし、上記のように像担持体1の表面に残留しているトナーtをクリーニング装置7によって除去した場合、除去されたトナーtを一般に廃棄するようにしていたため、トナーtが無駄に消費されると共に、廃棄したトナーtの処理が問題になっている。
【0005】
このため、最近においては、上記のクリーニング装置をなくし、上記の現像装置において像担持体に形成された静電潜像の部分にトナーを供給すると共に、この現像装置においてトナー像が形成されていない像担持体の部分に残留しているトナーを回収させるようにしたクリーナレスの画像形成装置が開発されている。
【0006】
しかし、このようなクリーナレスの画像形成装置において、転写後における像担持体の表面に多くのトナーが残留すると、像担持体の表面に残留しているトナーによって帯電不良の部分が生じたり、潜像形成装置による静電潜像が適切に形成されなくなったりし、形成される画像にムラが生じたり、次の画像にメモリーとして現れたりする等の問題があった。
【0007】
このため、近年においては、転写後における像担持体の表面に、発泡体ローラや回転ブラシ等の分散部材を接触させ、この分散部材により、転写後の像担持体の表面に残留するトナーを分散させるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1,2参照。)。
【0008】
しかし、上記のように発泡体ローラや回転ブラシ等の分散部材により転写後の像担持体の表面に残留するトナーを分散させるようにした場合、像担持体の表面に残留するトナーの一部がこの発泡体ローラの発泡部分や回転ブラシのブラシに保持されて蓄積されるようになり、さらに過度に蓄積されるようになると、このように蓄積されたトナーが飛散して画像形成装置内が汚染されたり、蓄積されたトナーが像担持体にまとまって排出されて、上記のように帯電不良が生じたり、静電潜像が適切に形成されなくなったりするという問題があった。
【0009】
さらに、上記のように発泡体ローラや回転ブラシ等の分散部材を転写後の像担持体の表面に接触させるにあたっては、一般に、この分散部材にトナーの帯電極性と同極性のバイアス電圧を印加させて、転写後における逆極性トナーを正規の極性に帯電させて、現像装置において回収させるようにしている。
【0010】
しかし、このように分散部材に対して常にトナーの帯電極性と同極性の一定したバイアス電圧を印加させるようにした場合、使用状況によってはトナーが適切に帯電されなくなり、例えば、低温・低湿度の環境下においては、トナーが正規の荷電量以上に荷電されて、現像装置において適切に回収されなくなり、これにより画像ノイズが発生したり、トナーが像担持体に固着してフィルミングが発生したりするなどの問題があった。
【特許文献1】特開平7−114311号公報
【特許文献2】特開2003−84518号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、像担持体の表面に形成されたトナー像を転写媒体に転写させた後、転写後の像担持体の表面に残留するトナーを現像装置に回収させるようにした画像形成装置における上記のような問題を解決することを課題とするものである。
【0012】
すなわち、本発明においては、転写後の像担持体の表面に残留するトナーを発泡体ローラや回転ブラシ等の分散部材により分散させる場合のように、残留するトナーの一部がこの分散部材に保持されて蓄積されたり、環境などの使用状況によりトナーが適切に帯電されなくなったりするのを防止し、転写後の像担持体の表面に残留するトナーが現像装置に適切に回収されるようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明においては、上記のような課題を解決するため、回転駆動される像担持体と、この像担持体の表面を帯電させる帯電装置と、帯電された像担持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成装置と、像担持体の表面に形成された静電潜像の部分にトナーを供給してトナー像を形成すると共にトナー像が形成されていない部分に存在しているトナーを回収する現像装置と、像担持体の表面に形成されたトナー像を転写媒体に転写させる転写装置とを備えた画像形成装置において、上記の転写装置よりも像担持体の移動方向下流側でこの転写装置と上記の帯電装置との間の位置における像担持体の表面に、弾性体の表面に導電性フィルムが設けられたトナー荷電制御部材を接触させると共に、このトナー荷電制御部材に像担持体の表面に残留するトナーの荷電を制御するバイアス電圧を作用させるようにした。
【0014】
ここで、上記のようにトナー荷電制御部材を像担持体の表面に接触させるにあたり、その接触圧が弱いと、像担持体の表面粗さが大きくなる一方、接触圧が強くなりすぎると、像担持体の表面の削れが大きくなるため、その接触圧を0.02MPa〜0.05MPaの範囲にすることが好ましい。
【0015】
また、上記のようにトナー荷電制御部材を像担持体の表面に所定の接触圧で接触させた場合に、このトナー荷電制御部材における導電性フィルムが弾性体からずれて、均一な接触が行えなくなるのを防止するため、この導電性フィルムを弾性体の表面に接着させることが好ましい。
【0016】
また、上記のトナー荷電制御部材に用いる弾性体の硬度が高いと、トナー荷電制御部材を像担持体の表面に所定の接触圧で接触させた場合に、その変形が少なくて像担持体の表面の削れなどが大きくなるため、上記の弾性体としては柔軟な発泡体を用いることが好ましい。
【0017】
また、上記のトナー荷電制御部材にバイアス電圧を印加させて、像担持体の表面に残留するトナーの荷電を制御するにあたっては、環境などの使用状況によって、トナー荷電制御部材に作用させるバイアス電圧を変更させることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明における画像形成装置においては、転写装置よりも像担持体の移動方向下流側でこの転写装置と帯電装置との間の位置における像担持体の表面に、弾性体の表面に導電性フィルムが設けられたトナー荷電制御部材を接触させると共に、このトナー荷電制御部材に像担持体の表面に残留するトナーの荷電を制御するバイアス電圧を作用させるようにしたため、転写後の像担持体の表面に残留するトナーを発泡体ローラや回転ブラシ等の分散部材によって分散させる場合のように、残留するトナーの一部が分散部材に保持されて蓄積されるのが抑制され、転写後の像担持体の表面に残留するトナーが現像装置に適切に回収されるようになる。
【0019】
また、上記のトナー荷電制御部材にバイアス電圧を印加させて、像担持体の表面に残留するトナーの荷電を制御するにあたり、環境などの使用状況によってトナー荷電制御部材に作用させるバイアス電圧を変更させると、低温・低湿度の環境下においてトナーが正規の荷電量以上に荷電されて像担持体に固着したりするのが防止され、転写後の像担持体の表面に残留するトナーが現像装置により一層適切に回収されるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、この発明の実施形態に係る画像形成装置を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、この発明に係る画像形成装置は、下記の実施形態に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
【0021】
この実施形態における画像形成装置においても、図2に示すように、回転する像担持体1の表面を帯電装置2によって帯電させた後、この像担持体1の表面にレーザ等を用いた潜像形成装置3により画像情報に応じた露光を行い、この像担持体1の表面に静電潜像を形成するようにしている。
【0022】
そして、このように像担持体1の表面に形成された静電潜像の部分に現像装置4からトナーtを供給して、像担持体1の表面に静電潜像に対応するトナー像を形成すると共に、トナー像が形成されていない像担持体1の表面に存在するトナーtをこの現像装置4に回収するようにしている。
【0023】
次いで、上記のように像担持体1の表面に形成されたトナー像を、転写装置5により転写媒体である記録紙6に転写させるようにしている。
【0024】
そして、この実施形態における画像形成装置においては、上記のようにトナー像を記録紙6に転写させた後における像担持体1の表面にトナー荷電制御部材10を接触させ、このトナー荷電制御部材10により像担持体1の表面を均一に研磨させて、像担持体1の表面にトナーtなどが固着するのを防止すると共に、このトナー荷電制御部材10にバイアス電源20からバイアス電圧を作用させ、像担持体1の表面に残留するトナーtの荷電を適切に制御するようにしている。
【0025】
その後は、前記のようにこの像担持体1の表面を帯電装置2により帯電させ、この像担持体1の表面に潜像形成装置3により静電潜像を形成した後、現像装置4からこの像担持体1の表面にトナーtを供給して静電潜像に対応するトナー像を形成すると共に、トナー像が形成されていない像担持体1の表面に残留しているトナーtをこの現像装置4に回収させるようにする。この場合、像担持体1の表面に残留しているトナーtは、上記のトナー荷電制御部材10によって適切に荷電されているため、このトナーtが現像装置4に適切に回収されるようになる。
【0026】
ここで、上記のトナー荷電制御部材10として、この実施形態においては、図2及び図3(A)に示すように、基台11に取り付けた弾性体12の表面に導電性フィルム13を接着させて、基台11の長手方向に対して垂直方向の断面形状において、像担持体に接触する部分が凸状の曲線になったものを用いるようにしているが、このトナー荷電制御部材10は上記のようなものに限定されず、弾性体12の表面に導電性フィルム13が設けられたものであればよい。例えば、図3(B)に示すように、弾性体12の表面に導電性フィルム13を接着させたトナー荷電制御部材10や、同図(C)に示すように、収容体14内から突出するように弾性体12を設け、この弾性体12の表面を覆うようにして導電性フィルム13を収容体14に取り付けたトナー荷電制御部材10を用いることも可能である。
【0027】
ここで、上記のようにトナー荷電制御部材10を像担持体1の表面に接触させるにあたり、前記のようにその接触圧を0.02MPa〜0.05MPaの範囲にすることが好ましく、またこのようにトナー荷電制御部材10を像担持体1の表面に所定の接触圧で接触させた場合に、このトナー荷電制御部材10における導電性フィルム13が弾性体12からずれて均一な接触が行えなくなるのを防止するため、前記の図3(A),(B)に示すように、導電性フィルム13を弾性体12の表面に接着させることが好ましい。
【0028】
また、上記のトナー荷電制御部材10における弾性体12としては、前記のように発泡ポリウレタンなどの柔軟な発泡体を用いることが好ましい。
【0029】
また、トナー荷電制御部材10における導電性フィルム13としては、上記のように像担持体1の表面に所定の接触圧で接触させた場合における摩耗に対する耐久性を確保すると共に、適切な接触圧が得られるようにするため、厚みが50〜200μm程度のものを用いることが好ましい。また、この導電性フィルム13の表面抵抗が大きくなりすぎると、上記のバイアス電源20によって像担持体1の表面に残留するトナーtを適切に荷電させることが困難になるため、一般には表面抵抗が104〜108Ω程度のものを用いることが好ましい。
【0030】
また、上記のようにトナー荷電制御部材10にバイアス電源20からバイアス電圧を作用させて、像担持体1の表面に残留するトナーtの荷電を適切に制御するにあたっては、環境などの使用状況に対応させて、バイアス電源20からトナー荷電制御部材10に作用させるバイアス電圧を変更させるようにしている。例えば、上記のトナーtが負帯電性の場合、低温・低湿度の環境下では−300V程度のバイアス電圧を、通常環境下では−500V程度のバイアス電圧を、高温・高湿度の環境下では−700V程度のバイアス電圧を作用させるようにし、また逆極性のトナーtが多い場合には−1000V程度のバイアス電圧を、逆に高荷電のトナーtが多い場合には+500V程度のバイアス電圧を作用させるようにし、さらに画像形成時には−500V程度のバイアス電圧を、画像形成時以外の清掃時には−700V程度のバイアス電圧を作用させるようにするなど、それぞれの条件に対応させて、トナー荷電制御部材10に作用させるバイアス電圧を適宜変更させるようにする。
【0031】
また、上記のトナー荷電制御部材10により像担持体1の表面を適切に研磨させるため、上記のトナー荷電制御部材10を像担持体1の表面に接触させた状態で、このトナー荷電制御部材10を像担持体1の軸方向や周方向に往復移動させるようにすることも可能であり、また必要に応じて、このトナー荷電制御部材10を像担持体1の表面から離隔させるようにすることもできる。
【0032】
また、この実施形態における画像形成装置においては、トナー像を記録紙6に転写させた後における像担持体1の表面に上記のようなトナー荷電制御部材10を1つ接触させるようにしただけであるが、このようなトナー荷電制御部材10を2以上接触させるようにしたり、またこのようなトナー荷電制御部材10と従来分散部材として用いられている発泡体ローラや回転ブラシ等とを組み合わせて用いるようにすることも可能である。
【0033】
さらに、この実施形態における画像形成装置においては、1つの像担持体1に1つの現像装置4からトナーtを供給してトナー像を形成し、このトナー像を転写媒体である記録紙6に転写させるようにしたが、画像形成装置もこのようなものに限定されない。
【0034】
例えば、図示していないが、色彩が異なるトナーを収容させた複数の現像装置を用いると共に、各現像装置に対応してそれぞれ像担持体を設け、各現像装置により各像担持体に各色のトナー像を形成し、このように各像担持体に形成された各色のトナー像を転写媒体である中間転写ベルトに転写させて、この中間転写ベルトにフルカラーのトナー像を形成し、このフルカラーのトナー像を中間転写ベルトから記録紙に転写させるようにしたタンデム式のフルカラーの画像形成装置であってもよい。そして、このようなタンデム式のフルカラーの画像形成装置においては、中間転写ベルトにトナー像を転写させた後の各像担持体の表面に対してそれぞれ上記のトナー荷電制御部材を接触させて各像担持体の表面を均一に研磨させると共に、各トナー荷電制御部材にバイアス電源からバイアス電圧を作用させて、各像担持体の表面に残留するトナーの荷電を適切に制御させるようにする。
【実施例】
【0035】
次に、トナー荷電制御部材を用いたこの発明の具体的な実施例に係る画像形成装置について説明する。
【0036】
ここで、この実施例においては、上記のトナー荷電制御部材10として、基台11に体積抵抗が105〜106Ω程度のカーボン分散発泡ポリウレタン(イノアック社製:EMM−C)からなる弾性体12を取り付けると共に、この弾性体12の表面に、厚みが100μm,表面抵抗が105〜106Ω程度のカーボン分散ポリエチレンシート(アキレス社製:クロポリシート)からなる導電性フィルム13を接着させたものを用いるようにした。
【0037】
そして、このトナー荷電制御部材を市販の画像形成装置(コニカミノルタ社製:magicolor5440DL)を改造させたものに搭載させるようにした。
【0038】
比較例1においては、上記の実施例において用いたトナー荷電制御部材に代えて、上記のトナー荷電制御部材における導電性フィルムをなくし、上記の基台にカーボン分散発泡ポリウレタン(イノアック社製:EMM−C)からなる弾性体を取り付けただけの発泡弾性体を用いるようにした。
【0039】
また、比較例2においては、上記の実施例において用いたトナー荷電制御部材に代えて、ブラシ径が6デニール,毛足が4mm,密度が150kF/inch2,体積抵抗が107〜108Ω程度のカーボン分散ナイロンブラシ(東英産業社製)からなる回転ブラシを用いるようにした。
【0040】
そして、上記の実施例及び比較例1,2におけるトナー荷電制御部材、発泡弾性体及び回転ブラシに対して、それぞれバイアス電源から印加させるバイアス電圧を変化させ、これらを通過する前と通過した後とにおけるトナーの荷電量の変化(△荷電量:μC/g)を測定して、その結果を図5に示すと共に、これらを通過したトナーの比率(通過率:%)を測定して、その結果を図6に示した。なお、これらの図においては、トナー荷電制御部材を用いた実施例の結果を●と実線で、発泡弾性体を用いた比較例1の結果を▲と破線で、回転ブラシを用いた比較例2の結果を■と一点鎖線で示した。
【0041】
この結果、上記の実施例及び比較例1,2の何れにおいても、バイアス電圧が印加された上記のトナー荷電制御部材、発泡弾性体及び回転ブラシを通過する前後において、トナーの荷電量が変化して制御されるようになっている一方、トナー荷電制御部材を用いた実施例のものにおいては、発泡弾性体及び回転ブラシを用いた比較例1,2ものに比べて、トナー荷電制御部材を通過するトナーの通過率が高くなっていた。
【0042】
このため、上記のようなトナー荷電制御部材を用いた実施例のものにおいては、像担持体に残留するトナーがトナー荷電制御部材に蓄積されるということがなく、発泡弾性体や回転ブラシを用いた場合のように、蓄積されたトナーが飛散して画像形成装置内が汚染されたり、蓄積されたトナーが像担持体にまとまって排出されたりするということもなかった。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】クリーニング装置を用いた従来の画像形成装置の概略説明図である。
【図2】この発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略説明図である。
【図3】上記の実施形態に係る画像形成装置において使用するトナー荷電制御部材の例を示した概略説明図である。
【図4】この発明の実施例における画像形成装置において、像担持体に対するトナー荷電制御部材の接触圧と像担持体の摩耗量との関係を示した図、及び像担持体に対するトナー荷電制御部材の接触圧と像担持体の表面粗さRaとの関係を示した図である。
【図5】この発明の実施例及び比較例1,2において、トナー荷電制御部材、発泡弾性体及び回転ブラシに印加させるバイアス電圧と、これらを通過する前と通過した後とにおけるトナーの荷電量の変化との関係を示した図である。
【図6】この発明の実施例及び比較例1,2において、トナー荷電制御部材、発泡弾性体及び回転ブラシに印加させるバイアス電圧と、これらを通過したトナーの比率との関係を示した図である。
【符号の説明】
【0044】
1 像担持体
2 帯電装置
3 潜像形成装置
4 現像装置
5 転写装置
6 記録紙(転写媒体)
10 トナー荷電制御部材
11 基台
12 弾性体
13 導電性フィルム
14 収容体
20 バイアス電源
t トナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動される像担持体と、この像担持体の表面を帯電させる帯電装置と、帯電された像担持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成装置と、像担持体の表面に形成された静電潜像の部分にトナーを供給してトナー像を形成すると共にトナー像が形成されていない部分に存在しているトナーを回収する現像装置と、像担持体の表面に形成されたトナー像を転写媒体に転写させる転写装置とを備えた画像形成装置において、上記の転写装置よりも像担持体の移動方向下流側でこの転写装置と上記の帯電装置との間の位置における像担持体の表面に、弾性体の表面に導電性フィルムが設けられたトナー荷電制御部材を接触させると共に、このトナー荷電制御部材に像担持体の表面に残留するトナーの荷電を制御するバイアス電圧を作用させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、上記のトナー荷電制御部材を像担持体の表面に接触させる接触圧を0.02MPa〜0.05MPaの範囲にしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置において、上記のトナー荷電制御部材における導電性フィルムを弾性体の表面に接着させたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の画像形成装置において、上記のトナー荷電制御部材における弾性体が発泡体であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の画像形成装置において、トナー荷電制御部材に作用させるバイアス電圧を使用状況に対応させて変更させることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−304221(P2007−304221A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−130919(P2006−130919)
【出願日】平成18年5月10日(2006.5.10)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】