説明

画像形成装置

【課題】消耗品の発注処理に関する利便性を向上する。
【解決手段】ファクシミリのCPU21は、該ファクシミリで使用される消耗品の残量が所定の閾値以下であるか否かを判定する第1判定部211と、残量が所定の閾値以下であると判定された場合に、携帯電話機3に対して、消耗品の残量が所定の閾値以下である旨の情報を送信する第1送信部213と、携帯電話機3からの操作入力を受け付けて、受け付けた操作入力に基づいて消耗品の注文書を送信するか否かを判定する第2判定部214と、注文書を送信すると判定された場合に、消耗品の注文書情報を生成する注文書生成部216と、生成された注文書を通信可能に接続された他のファクシミリへ送信する第2送信部217と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、他の画像形成装置及び通信端末装置と電話回線を介して通信可能に接続され、記録紙上に画像を形成可能に構成された画像形成装置に関するものである。特に、ファクシミリ、インターネットファクシミリ、及び、これらの機能の少なくともいずれか一方を有する複合機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
記録紙上に画像を形成可能に構成されたファクシミリ等の画像形成装置においては、インクリボン、トナー等の消耗品が必要であり、インクリボン等の消耗品が無くなる前に、発注処理を行う必要がある。この発注処理を、ユーザが行うためには、インクリボン等の消耗品が無くなる時期を予測して、その時期までに発注処理を行う必要があるが、ユーザにとって煩雑な処理である。
【0003】
上記課題を解消するべく種々の技術が提案されている。例えば、インクリボンの使用量をファクシミリ端末が自動的に検出して、ファクシミリ端末が自動的にセンタへ発呼して、インクリボンの発注データと該ファクシミリ端末を特定する情報をセンタへ送信し、センタが発注者と発注量とを特定し、配送の手配を行う技術が開示されている(特許文献1参照)。この技術によれば、発注処理がファクシミリ端末によって行われるため、且つ、ユーザの負担が軽減される。
【特許文献1】特開2003−87472号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、経費節減のために、消耗品等の発注処理を意図的に遅らせる場合があり、また、複数のファクシミリ端末が近接して配設されている場合には、1のファクシミリ端末のインクリボンが無くなっても、他のファクシミリ端末を使用して消耗品等の発注処理を行わない場合がある。
【0005】
そこで、このような場合には、上記ファクシミリ端末を使用すると経費が嵩む結果となり、ユーザの利便性の要求を充分に満たすことはできないことがある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、消耗品の発注処理に関して利便性の良好な画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1に記載の画像形成装置は、他の画像形成装置及び通信端末装置と電話回線を介して通信可能に接続され、記録紙上に画像を形成可能に構成された画像形成装置であって、該画像形成装置で使用される消耗品の残量が所定の閾値以下であるか否かを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段によって残量が所定の閾値以下であると判定された場合に、前記通信端末装置に対して、前記消耗品の残量が所定の閾値以下である旨の情報を送信する第1送信手段と、前記通信端末装置からの操作入力を受け付けて、受け付けた操作入力に基づいて前記消耗品の注文書を送信するか否かを判定する第2判定手段と、前記第2判定手段によって注文書を送信すると判定された場合に、前記消耗品の注文書情報を生成する注文書生成手段と、前記注文書生成手段によって生成された注文書を、前記他の画像形成装置へ送信する第2送信手段と、を備えることを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載の画像形成装置は、請求項1に記載の画像形成装置であって、前記第2判定手段が、予め設定された所定のDTMF信号が受け付けられ、且つ、所定の桁数の暗証番号に対応するDTMF信号が受け付けられた場合に、前記消耗品の注文書を送信すると判定することを特徴としている。
【0009】
請求項3に記載の画像形成装置は、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置であって、前記消耗品の注文書情報を格納する注文書記憶手段を備え、前記注文書生成手段が、前記注文書記憶手段から前記消耗品の注文書情報を読み出すことにより前記消耗品の注文書情報を生成することを特徴としている。
【0010】
請求項4に記載の画像形成装置は、請求項3に記載の画像形成装置であって、前記第1判定手段は、該画像形成装置で使用される複数種の消耗品の残量が所定の閾値以下であるか否かを判定し、前記第1送信手段が、前記複数種の消耗品の内、前記第1判定手段によって残量が所定の閾値以下であると判定された消耗品の種別情報を送信し、前記注文書記憶手段が、前記複数種の消耗品の注文書情報を格納し、前記注文書生成手段が、前記複数種の消耗品の注文書情報の中から、前記第1判定手段によって残量が所定の閾値以下であると判定された消耗品の注文書情報を読み出すことにより注文書情報を生成することを特徴としている。
【0011】
請求項5に記載の画像形成装置は、請求項4に記載の画像形成装置であって、前記他の画像形成装置が、複数の画像形成装置であって、前記複数の画像形成装置の中から、前記第1判定手段によって残量が所定の閾値以下であると判定された消耗品に対応する1の画像形成装置を選定する第2選定手段を備え、前記第2送信手段が、前記第2選定手段によって選定された1の画像形成装置へ前記注文書生成手段によって生成された注文書を送信することを特徴としている。
【0012】
請求項6に記載の画像形成装置は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の画像形成装置であって、前記通信端末装置は、複数の通信端末装置であって、前記複数の通信端末装置の中から、前記第1判定手段によって残量が所定の閾値以下であると判定された消耗品に対応する1の通信端末装置を選定する第1選定手段を備え、前記第1送信手段は、前記第1選定手段によって選定された1の通信端末装置へ、前記第1判定手段によって残量が所定の閾値以下であると判定された消耗品の残量が所定の閾値以下である旨の情報を送信し、前記第2判定手段が、前記第1選定手段によって選定された1の通信端末装置からの操作入力を受け付けて、受け付けた操作入力に基づいて、前記第1判定手段によって残量が所定の閾値以下であると判定された消耗品の注文書を送信するか否かを判定することを特徴としている。
【0013】
請求項7に記載の画像形成装置は、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の画像形成装置であって、前記複数種の消耗品が、記録紙上に画像を形成するために使用される消耗品を含むことを特徴としている。
【0014】
請求項8に記載の画像読取装置は、請求項7に記載の画像形成装置であって、前記複数種の消耗品が、インクリボンを含むことを特徴としている。
【0015】
請求項9に記載の画像形成装置は、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の画像形成装置であって、前記通信端末装置が、携帯電話機であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の画像形成装置によれば、消耗品の残量が所定の閾値以下であると判定された場合に、通信端末装置に対して、消耗品の残量が所定の閾値以下である旨の情報が送信され、通信端末装置からの操作入力を受け付けて、受け付けた操作入力に基づいて消耗品の注文書を送信するか否かが判定される。そして、注文書を送信すると判定された場合に、消耗品の注文書情報が生成され、生成された注文書が、他の画像形成装置へ送信されるため、通信端末装置からの操作入力に基づいて注文書を送信するか否かが判定されるので、消耗品の発注処理に関して利便性を向上することができる。
【0017】
例えば、消耗品の発注処理を意図的に遅らせる(又は、所定期間だけ、近接して配設されている画像形成装置を使用して消耗品の発注処理を行わない)場合には、消耗品の残量が所定の閾値以下であると判定されても、通信端末装置から注文書を送信しない旨の操作入力を行うことによって、消耗品の注文書の生成及び送信を延期(又は中止)することができるのである。
【0018】
請求項2に記載の画像形成装置によれば、予め設定された所定のDTMF(Dial Tone Multi Frequency)信号が受け付けられ、且つ、所定の桁数の暗証番号に対応するDTMF信号が受け付けられた場合に、消耗品の注文書を送信すると判定されるため、簡単な構成で確実に消耗品の注文書の生成及び送信を行うことができる。
【0019】
すなわち、電話回線に特有のDTMFを用いて消耗品の注文書を送信すると判定されるため、簡単な構成で正確に判定することができると共に、暗証番号に対応するDTMF信号が受け付けられたか否かがチェックされるため、更に正確に判定することができる。例えば、通信端末装置を操作する権限のないユーザが誤って(又は故意に)予め設定された所定のDTMF信号に対応する操作入力を行った場合でも、暗証番号によってユーザを識別する(=通信端末装置を操作する権限のあるユーザか否かを識別する)ことができるのである。
【0020】
請求項3に記載の画像形成装置によれば、消耗品の注文書情報を読み出すことにより消耗品の注文書情報が生成されるため、注文書情報を簡単な構成で適正に生成することができる。
【0021】
請求項4に記載の画像形成装置によれば、複数種の消耗品の残量が所定の閾値以下であるか否かが判定され、複数種の消耗品の内、残量が所定の閾値以下であると判定された消耗品の種別情報が送信される。そして、複数種の消耗品の注文書情報の中から、残量が所定の閾値以下であると判定された消耗品の注文書情報を読み出すことにより注文書情報が生成されるため、複数種の消耗品に関する注文書情報を簡単な構成で適正に生成することができる。
【0022】
請求項5に記載の画像形成装置によれば、複数の画像形成装置の中から、残量が所定の閾値以下であると判定された消耗品に対応する1の画像形成装置が選定され、選定された1の画像形成装置へ注文書が送信されるため、複数種の消耗品に関する注文書情報を適正な相手先(=発注先の画像形成装置)へ送信することができる。
【0023】
請求項6に記載の画像形成装置によれば、残量が所定の閾値以下であると判定された消耗品に対応する1の通信端末装置が複数の通信端末装置の中から選定され、選定された1の通信端末装置へ、残量が所定の閾値以下であると判定された消耗品の残量が所定の閾値以下である旨の情報が送信される。そして、選定された1の通信端末装置からの操作入力を受け付けて、受け付けた操作入力に基づいて、残量が所定の閾値以下であると判定された消耗品の注文書を送信するか否かが判定されるため、消耗品毎に適正な通信端末装置に対して、注文書を送信するか否かの判定を確認することができる。
【0024】
例えば、画像形成装置がファクシミリである場合に、インクリボン(又はトナー)の注文書を送信するか否かの判定を行う通信端末装置と、記録紙の注文書を送信するか否かの判定を行う通信端末装置と、をそれぞれ(=別々に)設定することが可能になるため、利便性を更に向上することができるのである。
【0025】
請求項7に記載の画像形成装置によれば、複数種の消耗品が、記録紙上に画像を形成するために使用される消耗品であるため、発注頻度の高い消耗品について発注処理の利便性を向上することができる。
【0026】
請求項8に記載の画像形成装置によれば、複数種の消耗品がインクリボンを含むため、発注頻度の高いインクリボンについて発注処理の利便性を向上することができる。
【0027】
請求項9に記載の画像形成装置によれば、通信端末装置が携帯電話機であるため、注文書を送信するか否かの判定のための操作入力の利便性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明に係る画像形成装置の一例について図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る画像形成装置の外観の一例を示す斜視図である。なお、ここでは、画像形成装置が、ファクシミリである場合について説明するが、記録紙上に画像を形成する他の画像形成装置(例えば、インターネットファクシミリ、複合機等)である形態でもよい。図1に示すように、ファクシミリ1は、操作パネル11、受話器12、原稿トレイ13、原稿給紙部14、LCD表示部15、及び、排紙部16を備えている。
【0029】
操作パネル11は、ユーザからの操作入力を受け付けて、受け付けられた操作入力に対応する操作入力情報を生成し、図略のCPU(Central Processing Unit:図2参照)に出力するものである。また、操作パネル11は、「0」〜「9」の数字キーや、スタートキーなどの各種のキーを備え、これらのキーの押下を受け付けて、各種の操作入力を受け付けるものである。
【0030】
受話器12は、スピーカ、マイク、ハンドセットを備え、電話回線を介して、固定電話機、携帯電話機等と通話可能に構成されている。
【0031】
原稿トレイ13は、ファクシミリを送信する場合に、原稿が載置されるトレイであって、原稿トレイ13に載置された原稿は、原稿給紙部14を介して給紙される。ファクシミリを送信する場合に、原稿給紙部14を介して原稿が給紙されると、図略のスキャナ等を介して原稿画像に対応する画像情報が生成され、電話回線を介して通信可能に接続された他のファクシミリへ原稿画像に対応する画像情報が送信される。
【0032】
LCD表示部15は、LCD(Liquid Crystal Display)等を備え、図略のCPU(図2参照)からの指示に基づき、設定情報、ガイダンス情報、メッセージ情報等をユーザから視認可能に表示するものである。
【0033】
排紙部16は、ファクシミリを送信する際に、原稿給紙部14を介して給紙された原稿が排紙されると共に、ファクシミリを受信する際に、電話回線を介して通信可能に接続された他のファクシミリから受信された画像情報が形成された記録紙が排出されるものである。
【0034】
図2は、ファクシミリ1の電気的構成の一例を示すブロック図である。携帯電話機1は、図1に示す操作パネル11、受話器12、及び、LCD表示部15に加えて、CPU21、ROM22、VRAM23、SRAM24、記録制御部25、及びサーマルヘッド26を備えている。
【0035】
操作パネル11は、入力I/Oポート111を介してCPU21と接続されている。入力I/Oポート111は、操作パネル11からの操作入力を受け付けて、操作入力に対応する操作入力情報を生成しCPU21へ伝送するものである。LCD表示部15は、表示制御部151を介してCPU21と接続されている。表示制御部151は、CPU21からの指示情報に基づいて画像情報を生成し、LCD表示部15に表示するものである。
【0036】
受話器12は、スピーカ121、マイク122、ハンドセット123を備え、NCU124、モデム125を介してCPU21と接続されている。NCU(Network Control Unit)124は、図略の電話回線を介して他のファクシミリ4、携帯電話機3(図3参照)等と通信可能に接続するものである。また、NCU124は、電話回線からの着信を検出して、NCU制御I/Oポート126を介してその旨をCPU21に送信すると共に、電話回線との接続を、CPU21からの指示に従ってハンドセット123及びモデム125の一方から他方に切り換えるものである。
【0037】
モデム125は、CPU21からの送信情報を変調すると共に、他のファクシミリ4、携帯電話機3からの受信情報を復調するものである。また、モデム125は、音声応答回路125a、及び、DTMF発生回路125bを備えている。音声応答回路125aは、CPU21の指示情報に従って、携帯電話機3等から受信された音声情報に対応する音声を生成し、NCU124を介してスピーカ121に出力するものである。DTMF発生回路125bは、CPU21の指示情報に従って、操作パネル11を介して入力される発信ダイヤル番号情報に対応するDTMF(Dial Tone Multi Frequency)信号を生成し、NCU124を介して他のファクシミリ4、携帯電話機3へ送信するものである。
【0038】
CPU21は、ファクシミリ1の全体の動作を制御するものである。ROM(Read Only Memory)22は、CPU21を動作させる制御プログラム、LCD表示部15に各種メッセージを表示するための各種画像情報等を格納するものである。VRAM(Video Random Access Memory)は、送受信される画像情報等を一時的に格納するものである。SRAM(Static Random Access Memory)24は、発信する場合に用いる電話番号情報及び各種カウンタ等を格納するものである。
【0039】
記録制御部25は、CPU21の指示に従って、サーマルヘッド26の駆動制御を行うものである。サーマルヘッド26は、記録制御部25の指示に従って、インクリボンを用いて記録紙上に画像を形成するものである。また、記録制御部25は、インクリボンの残量を検出する残量検出部(図示省略)を備えている。
【0040】
図3は、CPU21及びVRAM22の機能構成の一例を示す構成図である。CPU21は、機能的に、第1判定部211、第1選定部212、第1送信部213、第2判定部214、第2選定部215、注文書生成部216、及び、第2送信部217を備え、VRAM23は、機能的に、注文書記憶部231を備えている。ここでは、CPU21が、ROM22等に予め格納されたプログラム(=制御プログラム)を読み出して実行することにより、第1判定部211、第1選定部212、第1送信部213、第2判定部214、第2選定部215、注文書生成部216、及び、第2送信部217等の機能部として機能すると共に、VRAM23を、注文書記憶部231等の機能部として機能させるものである。
【0041】
また、ROM22、VRAM23、SRAM24等に格納された各種データのうち装着脱可能な記録媒体に格納され得るデータは、例えばハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、シリコンディスクドライブ、カセット媒体読み取り機等のドライバで読み取り可能にしてもよく、この場合、記録媒体は、例えばハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、CD、DVD、半導体メモリ等である。
【0042】
注文書記憶部231(注文書記憶手段に相当する)は、ファクシミリ1で使用されるインクリボンを含む複数種の消耗品の注文書情報を格納するものであって、注文書生成部216によって読み出されるものである。
【0043】
第1判定部211(第1判定手段に相当する)は、ファクシミリ1で使用されるインクリボンを含む複数種の消耗品の残量が所定の閾値以下であるか否かを、それぞれ、判定するものである。例えば、第1判定部211は、記録制御部25に配設されたインクリボンの残量を検出する残量検出部からの情報に基づいて、インクリボンの残量が所定の閾値以下であるか否かを判定するものである。
【0044】
第1選定部212(第1選定手段に相当する)は、予め設定された複数の携帯電話機3(通信端末装置に相当する)の中から、第1判定部211によって残量が所定の閾値以下であると判定された消耗品に対応する1の携帯電話機3を選定するものである。例えば、SRAM24に、消耗品の識別情報と対応付けて、複数の携帯電話機3の内の1の携帯電話機3の電話番号情報を格納しておき、第1選定部212が、第1判定部211によって残量が所定の閾値以下であると判定された消耗品に対応する1の携帯電話機3の電話番号情報をSRAM24から読み出すことにより、1の携帯電話機3を選定するものである。
【0045】
第1送信部213(第1送信手段に相当する)は、第1選定部212によって選定された1の携帯電話機3へ、第1判定部211によって残量が所定の閾値以下であると判定された消耗品の種別情報と、その消耗品の残量が所定の閾値以下である旨の情報と、を送信するものである。
【0046】
第2判定部214(第2判定手段に相当する)は、第1選定部212によって選定された携帯電話機3からの操作入力を受け付けて、受け付けた操作入力に基づいて消耗品の注文書を送信するか否かを判定するものである。具体的には、第2判定部214は、予め設定された所定のDTMF信号(例えば、「*」キーに対応するDTMF信号)が受け付けられ、且つ、所定の桁数(例えば、4桁)の暗証番号に対応するDTMF信号が受け付けられた場合に、消耗品の注文書を送信すると判定するものである。
【0047】
また、第2判定部214は、「*」キー以外のキーに対応するDTMF信号が受け付けられた場合には、メッセージが受信されたか否かの判定を行い、メッセージが受信された場合には、受信したメッセージを予め設定された所定の領域に格納するものである。
【0048】
例えば、SRAM24に、消耗品の識別情報と対応付けて、複数の携帯電話機3の内の1の携帯電話機3の電話番号情報及び暗証番号情報を格納しておき、第2判定部214は、第1判定部211によって残量が所定の閾値以下であると判定された消耗品に対応する1の携帯電話機3の暗証番号情報をSRAM24から読み出し、読み出された暗証番号情報に対応するDTMF信号が1の携帯電話機3から受信された場合に、消耗品の注文書を送信すると判定するものである。
【0049】
第2選定部215(第2選定手段に相当する)は、ファクシミリ1と通信可能に接続された複数のファクシミリ4(他の画像形成装置に相当する)の中から、第1判定部211によって残量が所定の閾値以下であると判定された消耗品に対応する1のファクシミリ4を選定するものである。例えば、SRAM24に、消耗品の識別情報と対応付けて、複数のファクシミリ4の内の1のファクシミリ4の電話番号情報を格納しておき、第2選定部215が、第1判定部211によって残量が所定の閾値以下であると判定された消耗品に対応する1のファクシミリ4の電話番号情報をSRAM24から読み出すことにより、1のファクシミリ4を選定するものである。
【0050】
注文書生成部216(注文書生成手段に相当する)は、第2選定部215によって注文書を送信すると判定された場合に、注文書記憶部231に格納された複数種の消耗品の注文書情報の中から、第1判定部211によって残量が所定の閾値以下であると判定された消耗品の注文書情報を読み出すことにより注文書情報を生成するものである。
【0051】
第2送信部217(第2送信手段に相当する)は、注文書生成部216によって生成された注文書を、第2選定部215によって選定された1のファクシミリ4へ送信するものである。
【0052】
図4は、本発明に係るファクシミリ1(主にCPU21)の動作の一例を説明するフローチャートである。まず、第1判定部211によって、ファクシミリ1で使用されるインクリボンを含む複数種の消耗品の残量が所定の閾値以下であるか否かが、それぞれ、判定される(S101)。残量が所定の閾値以下である消耗品がない場合(S101でNO)には、処理が待機状態とされる。残量が所定の閾値以下である消耗品がある場合(S101でYES)には、第1選定部212によって、複数の携帯電話機3の中からステップS101で残量が所定の閾値以下であると判定された消耗品の種別に対応する携帯電話機3が選定される(S103)。そして、第1送信部213によって、ステップS103で選定された携帯電話機3に対して、ステップS101において残量が所定の閾値以下であると判定された消耗品の種別情報と、その消耗品の残量が所定の閾値以下である旨の情報と、が送信される(S105)。
【0053】
次に、第2判定部214によって、「*」キーに対応するDTMF信号が検出されたか否かの判定が行われる(S107)。「*」キー以外のキーに対応するDTMF信号が検出された場合(S107でNO)には、第2判定部214によって、メッセージが受信されたか否かの判定が行われる(S109)。メッセージが受信されていないと判定された場合(S109でNO)には、処理が終了される。メッセージが受信されたと判定された場合(S109でYES)には、第2判定部214によって、受信したメッセージが予め設定された所定の領域に格納されて(S111)、処理が終了される。
【0054】
ステップS107でYESの場合(=「*」キーに対応するDTMF信号が検出されたと判定された場合)には、第2判定部214によって、暗証番号が受信されたか否かの判定が行われる(S113)。暗証番号が受信されていないと判定された場合(S113でNO)には、処理が待機状態とされる。暗証番号が受信されたと判定された場合(S113でYES)には、第2判定部214によって、受信された暗証番号が、ステップS101において残量が所定の閾値以下であると判定された消耗品に対応する暗証番号と一致するか否かの判定が行われる(S115)。
【0055】
消耗品に対応する暗証番号と一致しないと判定された場合(S115でNO)には、処理が終了される。消耗品に対応する暗証番号と一致すると判定された場合(S115でYES)には、注文書生成部216によって、ステップS101において残量が所定の閾値以下であると判定された消耗品に対応する注文書が生成される(S117)。そして、第2選定部215によって、ステップS101において残量が所定の閾値以下であると判定された消耗品に対応する送付先ファクシミリ4が選定される(S119)。次いで、第2送信部217によって、ステップS119において選定されたファクシミリ4に対して、ステップS117で生成された注文書が送信され(S121)、処理が終了される。
【0056】
このようにして、消耗品の残量が所定の閾値以下であると判定された場合に、携帯電話機3に対して、消耗品の残量が所定の閾値以下である旨の情報が送信され、携帯電話機3からの操作入力を受け付けて、受け付けた操作入力に基づいて消耗品の注文書を送信するか否かが判定される。そして、注文書を送信すると判定された場合に、消耗品の注文書情報が生成され、生成された注文書が、他のファクシミリ4へ送信されるため、携帯電話機3からの操作入力に基づいて注文書を送信するか否かが判定されるので、消耗品の発注処理に関して利便性を向上することができる。
【0057】
また、予め設定された所定のDTMF信号が受け付けられ、且つ、所定の桁数の暗証番号に対応するDTMF信号が受け付けられた場合に、消耗品の注文書を送信すると判定されるため、簡単な構成で確実に消耗品の注文書の生成及び送信を行うことができる。
【0058】
更に、消耗品の注文書情報を読み出すことにより消耗品の注文書情報が生成されるため、注文書情報を簡単な構成で適正に生成することができる。
【0059】
加えて、複数種の消耗品の残量が所定の閾値以下であるか否かが判定され、複数種の消耗品の内、残量が所定の閾値以下であると判定された消耗品の種別情報が携帯電話機3に対して送信される。そして、複数種の消耗品の注文書情報の中から、残量が所定の閾値以下であると判定された消耗品の注文書情報を読み出すことにより注文書情報が生成されるため、複数種の消耗品に関する注文書情報を簡単な構成で適正に生成することができる。
【0060】
また、通信可能に接続された複数の送信先ファクシミリ4の中から、残量が所定の閾値以下であると判定された消耗品に対応する1の送信先ファクシミリ4が選定され、選定された1の送信先ファクシミリ4へ注文書が送信されるため、複数種の消耗品に関する注文書情報を適正な相手先(=発注先のファクシミリ4)へ送信することができる。
【0061】
更に、残量が所定の閾値以下であると判定された消耗品に対応する1の携帯電話機3が複数の携帯電話機3の中から選定され、選定された1の携帯電話機3へ、残量が所定の閾値以下であると判定された消耗品の残量が所定の閾値以下である旨の情報が送信される。そして、選定された1の携帯電話機3からの操作入力を受け付けて、受け付けた操作入力に基づいて、残量が所定の閾値以下であると判定された消耗品の注文書を送信するか否かが判定されるため、消耗品毎に適正な携帯電話機3に対して、注文書を送信するか否かの判定を確認することができる。
【0062】
加えて、複数種の消耗品がインクリボンを含むため、発注頻度の高いインクリボンについて発注処理の利便性を向上することができる。
【0063】
また、携帯電話機3からの操作入力に基づいて注文書を送信するか否かの判定が行われるため、注文書を送信するか否かの判定のための操作入力の利便性を向上することができる。
【0064】
なお、本発明は、以下の形態にも適用可能である。
【0065】
(A)本実施形態では、通信端末装置が携帯電話機3である場合について説明したが、通信端末装置がファクシミリ1と有線又は無線の電話回線を介して通信可能な端末装置であればよい。例えば、通信端末装置がパーソナルコンピュータである形態でもよいし、通信端末装置がPDA(Personal Digital Assistants)である形態でもよい。携帯電話機、PDA等の携帯可能な形態である場合には、ユーザが携帯しているため、ユーザが操作入力をすることが容易であり、利便性に優れる。
【0066】
(B)本実施形態では、画像形成装置及び他の画像形成装置がそれぞれファクシミリ1及びファクリミリ4である場合について説明したが、注文書情報を送受(又は受信)して、記録紙上に画像を形成可能なものであればよい。例えば、画像形成装置及び他の画像形成装置が、インターネットファクシミリ、又は、ファクシミリ及びインターネットファクシミリの少なくとも一方の機能を有する複合機である形態でもよい。
【0067】
(C)本実施形態では、注文書生成部216が注文書記憶部231に格納された注文書情報を読み出すことにより注文書情報を生成する場合について説明したが、更に、注文書生成部216が注文書記憶部231に格納された注文書情報を加工して注文書情報を生成する形態でもよい。例えば、注文書生成部216が時計機能を備え、年月日時刻情報を注文書情報に付加して注文書情報を生成する形態でもよい。この場合には、更に適正な注文書情報を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】は、本発明に係る画像形成装置の外観の一例を示す斜視図である。
【図2】は、ファクシミリの電気的構成の一例を示すブロック図である。
【図3】は、CPU及びVRAMの機能構成の一例を示す構成図である。
【図4】は、本発明に係るファクシミリ(主にCPU)の動作の一例を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0069】
1 ファクシミリ(画像形成装置)
21 CPU
211 第1判定部(第1判定手段)
212 第1選定部(第1選定手段)
213 第1送信部(第1送信手段)
214 第2判定部(第2判定手段)
215 第2選定部(第2選定手段)
216 注文書生成部(注文書生成手段)
217 第2送信部(第2送信手段)
23 VRAM
231 注文書記憶部(注文書記憶手段)
25 記録制御部
26 サーマルヘッド
3 携帯電話機(通信端末装置)
4 ファクシミリ(他の画像形成装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の画像形成装置及び通信端末装置と電話回線を介して通信可能に接続され、記録紙上に画像を形成可能に構成された画像形成装置であって、
該画像形成装置で使用される消耗品の残量が所定の閾値以下であるか否かを判定する第1判定手段と、
前記第1判定手段によって残量が所定の閾値以下であると判定された場合に、前記通信端末装置に対して、前記消耗品の残量が所定の閾値以下である旨の情報を送信する第1送信手段と、
前記通信端末装置からの操作入力を受け付けて、受け付けた操作入力に基づいて前記消耗品の注文書を送信するか否かを判定する第2判定手段と、
前記第2判定手段によって注文書を送信すると判定された場合に、前記消耗品の注文書情報を生成する注文書生成手段と、
前記注文書生成手段によって生成された注文書を、前記他の画像形成装置へ送信する第2送信手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第2判定手段は、予め設定された所定のDTMF信号が受け付けられ、且つ、所定の桁数の暗証番号に対応するDTMF信号が受け付けられた場合に、前記消耗品の注文書を送信すると判定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記消耗品の注文書情報を格納する注文書記憶手段を備え、
前記注文書生成手段は、前記注文書記憶手段から前記消耗品の注文書情報を読み出すことにより前記消耗品の注文書情報を生成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1判定手段は、該画像形成装置で使用される複数種の消耗品の残量が所定の閾値以下であるか否かを判定し、
前記第1送信手段は、前記複数種の消耗品の内、前記第1判定手段によって残量が所定の閾値以下であると判定された消耗品の種別情報を送信し、
前記注文書記憶手段は、前記複数種の消耗品の注文書情報を格納し、
前記注文書生成手段は、前記複数種の消耗品の注文書情報の中から、前記第1判定手段によって残量が所定の閾値以下であると判定された消耗品の注文書情報を読み出すことにより注文書情報を生成することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記他の画像形成装置は、複数の画像形成装置であって、
前記複数の画像形成装置の中から、前記第1判定手段によって残量が所定の閾値以下であると判定された消耗品に対応する1の画像形成装置を選定する第2選定手段を備え、
前記第2送信手段は、前記第2選定手段によって選定された1の画像形成装置へ前記注文書生成手段によって生成された注文書を送信することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記通信端末装置は、複数の通信端末装置であって、
前記複数の通信端末装置の中から、前記第1判定手段によって残量が所定の閾値以下であると判定された消耗品に対応する1の通信端末装置を選定する第1選定手段を備え、
前記第1送信手段は、前記第1選定手段によって選定された1の通信端末装置へ、前記第1判定手段によって残量が所定の閾値以下であると判定された消耗品の残量が所定の閾値以下である旨の情報を送信し、
前記第2判定手段は、前記第1選定手段によって選定された1の通信端末装置からの操作入力を受け付けて、受け付けた操作入力に基づいて、前記第1判定手段によって残量が所定の閾値以下であると判定された消耗品の注文書を送信するか否かを判定することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記複数種の消耗品は、記録紙上に画像を形成するために使用される消耗品を含むことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記複数種の消耗品は、インクリボンを含むことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記通信端末装置は、携帯電話機であることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−336147(P2007−336147A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−164515(P2006−164515)
【出願日】平成18年6月14日(2006.6.14)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】