説明

画像形成装置

【課題】適切な起動動作を行うことができる画像形成装置を提供すること目的とする。
【解決手段】装置各要素を制御するコントローラ手段と、該コントローラ手段により起動が指示されるエンジン手段を有し、前記エンジン手段には、複数の周辺機が直列接続されるとともに、電源系統が前記コントローラ手段と前記エンジン手段とで分かれており、前記複数の周辺機には、前記エンジン手段より電源が供給される構成を備えた画像形成装置であって、前記エンジン手段は、前記複数の周辺機のおのおのについて、個別に起動指示を行うようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置各要素を制御するコントローラ手段と、該コントローラ手段により起動が指示されるエンジン手段を有し、前記エンジン手段には、複数の周辺機が直列接続されるとともに、電源系統が前記コントローラ手段と前記エンジン手段とで分かれており、前記複数の周辺機には、前記エンジン手段より電源が供給される構成を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機やネットワーク対応画像形成装置など、複数の周辺機、例えば、仕分け機や折り機などを接続可能な画像形成装置では、各周辺機の消費電力を制御することが可能な省電力モード制御手段を備え、複数接続されている周辺機から動作モードを取得後、動作のしかたを判断し各周辺機への動作モードを切り替えるようにしたものが提案されている。
【特許文献1】特開2001−312337号公報
【特許文献2】特開2004−326610号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、周辺機の立ち上げは、接続機器の台数に関係なくエンジン手段が起動時に全周辺機を同時に起動していた。よって、同時に初期化動作が行われるために電力消費に影響を及ぼし、最大電力をオーバーすることもあった。
【0004】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、適切な起動動作を行うことができる画像形成装置を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、装置各要素を制御するコントローラ手段と、該コントローラ手段により起動が指示されるエンジン手段を有し、前記エンジン手段には、複数の周辺機が直列接続されるとともに、電源系統が前記コントローラ手段と前記エンジン手段とで分かれており、前記複数の周辺機には、前記エンジン手段より電源が供給される構成を備えた画像形成装置であって、前記エンジン手段は、前記複数の周辺機のおのおのについて、個別に起動指示を行うようにしたものである。
【0006】
また、前記エンジン手段は、電源容量とおのおのの周辺機の起動時の電力に応じて、起動順序が設定されているものである。
【0007】
また、前記エンジン手段は、電源投入時と省電力モードからの復帰時とで異なる起動順序が設定されているものである。
【発明の効果】
【0008】
したがって、本発明によれば、直列に接続された複数の周辺機への起動指示を各々出来るようになるため、周辺機の種類や数に影響なく電力制御を行うことが可能となるという効果を得る。また、電力優先や時間優先などユーザーの要望にも応えることが可能となるという効果も得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施例にかかる画像形成装置の構成を例示したブロック図を示す。この画像形成装置は、待機時の電力を削減する等するための省エネモードの動作モードを備えている。
【0011】
同図において、エンジン制御部20は、CPU(中央処理装置)21と、CPU21を動作させるためのプログラムを格納するROM(リード・オンリ・メモリ)22、プログラム用ワークRAM(ランダム・アクセス・メモリ)23、制御、タイミングなどの調整値及び登録した複写モード設定を格納し電源を切ってもデータを保持しておく事が可能な不揮発RAM24、及びデジタル複写機の各センサ37の入力を元に、負荷38などを制御する入出力制御25などにより構成される。
【0012】
そして、エンジン制御部20とコントローラ制御部30とは画像処理部32を介して接続され、画像データのみならず、制御信号、ステータス信号についても画像処理部32を介してやり取りする。装置の電源がオンされた場合にはエンジン制御部20とコントローラ制御部30の双方の初期化処理が終了することでコピー可能なレディ状態となる。
【0013】
一方、画像データについては読取り部35により画像データが読み取られ、読み取られた画像データは操作部10に設定されたモードに応じて画像処理32によりMTF補正、変倍処理、画質補正等を行った後で画像データ用RAM33及び磁気ディスク装置(HDD)を制御するコントローラ31を介して磁気ディスク装置34に蓄えられる。
【0014】
そして、複数部のコピーを取るような電子ソート機能を使う場合には、2部目以降のコピー動作を行う時に磁気ディスク装置34から画像データを画像データ用RAM33にコピーしてコピー動作を行う事により電子ソート動作を実現する。また用紙がジャムしてしまった場合のリカバリ動作にも使用される。そして書込み部36により給紙された用紙のタイミングに応じて書込みを行う。
【0015】
また、コントローラ制御部30には外部ホストと接続するためのネットワークコントロールユニット(NCU)39、公衆回線を介してファクシミリ機能を実現するためのファクシミリコントロールユニット(FCU)40を備えており、外部PCからのプリントや、ファックス受信などがあった場合には、コントローラ31により印字データに変換し、一旦磁気ディスク装置34に蓄積して、画像処理部32を経由して書き込み部36に送ることで同様に印字を行なう。また、コントローラ制御部30には、ユーザがこの画像形成装置を操作する際に使用するUIを構成する操作部10が設けられている。
【0016】
電源供給は、電源ユニット50により、エンジン制御部20とコントローラ制御部30双方に供給され、周辺機40へはエンジン制御部20を通して供給される。また、周辺機41,42への電源は、周辺機40より直列に供給される。
【0017】
また、周辺機40とエンジン制御部20のCPU21は電気的通信により接続され、CPU21より周辺機40へ指示を通知し、周辺機40は結果や状態をエンジン制御部20側へ通知する。周辺機41,42への通信は周辺機40より直列に接続される。
【0018】
図2は、起動時に、エンジン制御部20が周辺機40,41,42を起動する際に実行する処理の概要を示している。
【0019】
まず、立ち上げ時の周辺機初期化終了後「消費電力低減優先」または「立ち上げ時間短縮優先」かを判断する(判断101)。
【0020】
判断101により、「立ち上げ時間短縮優先」と判断された場合は、全周辺機へ同時に起動指示を行う(処理106)。
【0021】
また、判断101により、「消費電力低減優先」と判断された場合は、周辺機の接続種類の検知を行い(処理102)、立ち上げの種類(「主電源ONからの立ち上げ」または「省エネからの復帰」)を判断する(処理103)。
【0022】
そして、処理102,103で取得したデータA,Bに基づいて、起動の種類を、後述する「接続種類と起動のタイプ判断表」を参照して判断する(処理104)。次いで、処理104で選択した起動種類に沿った立ち上げタイミングで周辺機へ起動指示を行う(処理105)。
【0023】
次に、起動のタイプについて説明する。
【0024】
図3は、「接続種類と起動のタイプ判断表」の一例を示している。
【0025】
そして、
条件1:消費電力低減
条件2:周辺機3台接続
の2つの条件に従って起動順序を設定した場合の、すなわち、タイプDの場合の主電源オンからの起動態様の一例を図4に示す。
【0026】
この場合、図3より選択した起動種類より、基準点からのトリガタイミングを判断し、トリガ1,2,3により、各周辺機40,41,42へ起動指示を与える。
【0027】
結果として、トリガごとに定着の電力配分を制御し消費電力を低減させることや最大電力を超えないように定着の電力を制御することが可能となる。
【0028】
また、
条件1:消費電力低減
条件2:周辺機3台接続
条件3:省エネからの復帰
の3つの条件に従って起動順序を設定した場合の、すなわち、タイプDの場合の省エネからの復帰時の起動態様の一例を図5に示す。
【0029】
この場合も、図3より選択した起動種類より、基準点からのトリガタイミングを判断し、トリガ1,3により、各周辺機へ起動指示を与える。
【0030】
結果として、図4に示した「主電源ONからの立ち上げ」と、異なる制御態様を実現することが可能となり、省エネ復帰の場合は起動を行う必要のない周辺機が存在した場合は立ち上げ動作させないこともでき、また消費電力低減の場合においても時間短縮が可能となる。
【0031】
図6は、立ち上げ時間短縮時の各周辺機への起動指示タイミングと定着の電力配分の態様の一例を示している。
【0032】
この場合は、周辺機の初期化終了後各周辺機へ同時に起動指示を行う。
【0033】
結果として、周辺機の起動終了は早く終了し、立ち上げ時間の短縮へつながる。
【0034】
消費電力に影響が無い場合はこちらが有利となる。
【0035】
図7は、「接続種類と起動のタイプ判断表」の他の例を示している。
【0036】
この場合の
条件1:消費電力低減
条件2:周辺機2台接続
条件3:周辺機A,Bが接続
の3つの条件に従って起動順序を設定した場合の、すなわち、タイプBの起動種類の起動態様の一例を図8に示す。
【0037】
この場合、図7より選択した起動種類より、基準点からのトリガタイミングを判断し、トリガ1,2により、各周辺機へ起動指示を与える。
【0038】
結果として、トリガごとに定着の電力配分を制御し消費電力を低減させることや最大電力を超えないように定着の電力を制御することが可能となる。
【0039】
また、図9は、
条件1:消費電力低減
条件2:周辺機2台接続
条件3:周辺機A,Cが接続
の3つの条件に従って起動順序を設定した場合の、すなわち、タイプCの起動種類の起動態様の一例を示している。
【0040】
この場合、図7より選択した起動種類より、基準点からのトリガタイミングを判断し、トリガ1,2により、各周辺機へ起動指示を与える。
【0041】
結果として、トリガごとに定着の電力配分を制御し消費電力を低減させることや最大電力を超えないように定着の電力を制御することが可能となる。
【0042】
図8と図9とでは、接続されている周辺機数は同じであるが種類が異なるためにトリガのタイミングを変更することが可能である。
【0043】
このように、本実施例では、直列に接続された複数の周辺機への起動指示を各々出来るようになるため、周辺機の種類や数に影響なく電力制御を行うことが可能となる。また、電力優先や時間優先などユーザーの要望にも応えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施例にかかる画像形成装置の構成を例示したブロック図。
【図2】起動時に、エンジン制御部20が周辺機40,41,42を起動する際に実行する処理の概要を示したフローチャート。
【図3】「接続種類と起動のタイプ判断表」の一例を示した概略図。
【図4】主電源オンからの立ち上げ時の周辺機の立ち上げ態様の一例を示したタイムチャート。
【図5】省エネからの復帰時の周辺機の立ち上げ態様の一例を示したタイムチャート。
【図6】立ち上げ時間短縮時の周辺機の立ち上げ態様の一例を示したタイムチャート。
【図7】「接続種類と起動のタイプ判断表」の他の例を示した概略図。
【図8】起動種類タイプBの場合の周辺機の立ち上げ態様の一例を示したタイムチャート。
【図9】起動種類タイプCの場合の周辺機の立ち上げ態様の一例を示したタイムチャート。
【符号の説明】
【0045】
20 戦陣制御部
30 コントローラ制御部
40,41,42 周辺機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置各要素を制御するコントローラ手段と、該コントローラ手段により起動が指示されるエンジン手段を有し、前記エンジン手段には、複数の周辺機が直列接続されるとともに、電源系統が前記コントローラ手段と前記エンジン手段とで分かれており、前記複数の周辺機には、前記エンジン手段より電源が供給される構成を備えた画像形成装置であって、
前記エンジン手段は、前記複数の周辺機のおのおのについて、個別に起動指示を行うようにしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記エンジン手段は、電源容量とおのおのの周辺機の起動時の電力に応じて、起動順序が設定されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記エンジン手段は、電源投入時と省電力モードからの復帰時とで異なる起動順序が設定されていることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−307733(P2008−307733A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−156111(P2007−156111)
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】