説明

画像形成装置

【課題】 低い電圧で使用した場合の一番の問題である帯電ムラを解消するととともに感光ドラムに対しても長期で安定した画像を形成し、高い電圧を使用しなくて大丈夫である帯電ローラを提供する。
【解決手段】 感光体とその感光体に接触帯電させる帯電ローラを用いる画像形成装置において、帯電ローラの層構成が複数構成でかつ、帯電ローラの抵抗調整層の厚みが以下の式を満たすことを特徴とする帯電部材及び画像形成装置とする。
d>10×r−R/(1×105
50μm≦d≦400μm
10μm≦r≦30
1×103Ω≦R≦1×107Ω
(d:帯電ローラの抵抗調整層の厚み(μm)、r:ドラムの電荷輸送層の厚み(μm)、R:帯電ローラの抵抗(Ω))

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は帯電部材、それを用いた画像形成装置に関する。詳しくは、本発明は、電圧を印加して被帯電体である電子写真感光体表面を所定の電位に帯電処理するための帯電部材、特に、帯電ローラ、それを用いた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真画像形成装置の一次帯電の方法として、接触帯電方法が実用化されている。これは、導電性支持体(芯金)の外周に導電性弾性体層を設け、該導電性弾性体層外周に抵抗層を被覆して設けた帯電ローラを用い、芯金に電圧を印加し、該帯電ローラと感光体の当接ニップの近傍で微小な放電をさせて該感光体の表面を帯電させる方法である。
【0003】
実際に普及している方法としては、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加するAC+DC帯電方式で、この場合、帯電の均一性を得るために重畳する交流電圧には、直流電圧印加時の帯電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧Vppを持つ電圧が使用されている。
【0004】
近年、電子写真装置の多様化、高画質化に伴い、この帯電ローラで印加する感光体の表層膜厚も様々なものが開発されてきている。これらの膜厚に帯電電圧を必要以上に使用すると、放電が過剰に行われ、雰囲気中に帯電生成物が感光体に影響を及ぼし、長寿命に影響があるといわれている。
【0005】
そこで、最近は、帯電電圧を低い設定で使用する方向が好まれるのだが、低すぎた場合、どうしても帯電不良(ムラ)が起こりやすい傾向がある。
【0006】
一方、帯電ローラにおいても、様々な層構成が検討され、その用途に応じて使用されているのが現状である。
【0007】
上記の例として、下記特許文献1〜特許文献3をあげることが出来る。
【特許文献1】特開2001-066847号公報
【特許文献2】特開2001-099136号公報
【特許文献3】特開2005-099550号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本発明においては、上記問題を解説すると共に、低い放電電流量(例えば、60μA以下)で使用した場合にでも、良好な帯電特性を形成し、長期安定した帯電ローラを提供することを目的としている。
【0009】
更に本発明の別の課題としては、低い電圧で使用した場合の一番の問題である帯電ムラを解消するととともに感光ドラムに対しても長期で安定した画像を形成し、高い電圧を使用しなくて大丈夫である帯電ローラを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)感光体とその感光体に接触帯電させる帯電ローラを用いる画像形成装置において、帯電ローラの層構成が複数構成でかつ、帯電ローラの抵抗調整層の厚みが以下の式を満たすことを特徴とする帯電部材及び画像形成装置。
【0011】
d>10×r−R/(1×105
50μm≦d≦400μm
10μm≦r≦30
1×103Ω≦R≦1×107Ω
(d:帯電ローラの抵抗調整層の厚み(μm)、r:ドラムの電荷輸送層の厚み(μm)、R:帯電ローラの抵抗(Ω))
(2)上記帯電ローラの構成が4層構成以上であることを特徴とする(1)に記載の帯電部材及び画像形成装置。
【0012】
(3)上記帯電ローラの層の最下層がソリッドゴムで構成されていることを特徴とする(1)又は(2)に記載の帯電部材及び画像形成装置。
【0013】
(4)上記感光体にその感光体に接触させる帯電ローラから放電させる放電電流量が60μA以下で使用することを特徴とする(1)、(2)、または(3)に記載の帯電部材及び画像形成装置。
【0014】
(5)上記帯電ローラーの抵抗調整剤として導電剤を使用することを特徴とする(1)、(2)、(3)又は(4)に記載の帯電部材及び画像形成装置。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明によれば、低い放電電流量でも帯電ムラを起こさず、長期間使用できる帯電ローラーを有する、安定した高耐久画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
本発明者は、帯電ローラーを低放電電流量で使用した場合、帯電ローラーの抵抗調整層の厚みと帯電ローラの抵抗、及び、実際の画像を形成する感光体(ドラム)の電荷輸送層との厚みに大いに関係することが分かった。
【0018】
[帯電ローラ]
ここでまず、本発明に係わる帯電ローラについて説明する。
【0019】
本発明の係わる帯電部材の構造及び形態として、図1に本発明の帯電部材である帯電ローラの断面の一例を示す概略図を示す。図中の帯電ローラ2は、軸体11と、その外周に形成される導電性弾性体層12と、その外周に軟化剤移行防止層13さらにその外周に形成される抵抗調整層(あるいは誘電層)14、及び保護層15とから構成されている。
【0020】
上記軸体11としては、特に限定するものではなく、例えば金属製の円柱体からなる芯金や内部を中空にくり抜いた金属製の円筒体が用いられる。
【0021】
上記軸体の外周に形成される導電性弾性体層12は、特に限定するものではなく、従来から帯電部材の弾性体層として使用されるゴムや熱可塑性エストラマー等のソリッド体で形成することができる。具体的には、ポリウレタン、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ポリノルボルネンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム及びエピクロルヒドリンゴム等を基材ゴムとするゴム組成物、あるいは熱可塑性エラストマーで、その種類としては特に制限はなく、汎用のスチレン系エラストマー及びオレフィン系エラストマー等から選ばれる1種あるいは複数種の熱可塑性エラストマーを好適に用いることができる。このような導電性弾性体層は、通常、その導電性が10‐1〜10‐4Ω程度に設定され抵抗調整層よりはかなり低く設定される。そして、その厚みは、通常、1〜10mm、好適には2〜4mm程度に設定される。
【0022】
次に、上記導電性弾性体層12の外周に形成される軟化剤移行防止層13として、上記導電性弾性体層中に含有されるオイル等のような軟化剤の滲み出しの遮断防止のために、N−メトキシメチル化ナイロンを主体とする層が構成されることが特に好ましい。
【0023】
上記軟化剤移行防止層12の厚みは、一般に3〜20μmに設定され、好適には4〜10μmに設定される。そして、この軟化剤移行防止層の電気抵抗は、10-2Ω程度に設定される。
【0024】
上記N−メトキシメチル化ナイロン(8−ナイロン)は、特に限定するものではなく、従来公知のものが用いられる。また、軟化剤移行防止層12にも導電剤21として、ケッチェンブラック等のカーボンブラックが含有されている。
【0025】
更に、上記軟化剤移行防止層12の外周に形成される抵抗調整層13は、エピクロルヒドリンゴム(CHR)およびアクリルゴム(ACM)の片方もしくは双方と、導電剤を主体とする組成物を用いて形成されるものである。そして、その厚みは、本発明に係わる部分であり、通常、50〜400μm、特に好ましくは、200〜350μmに設定される必要がある。50μmより小さくなると、抵抗調整層の影響が少なく、帯電ローラとして機能が成され難くなる。また、400μmより大きくなると、抵抗調整層の影響が大きくなりすぎて、電圧をかなり高い状態で使用しなければならないため、電子写真装置の電源の使用が一般的なものを使用し難くなる。なお、ここで、上記エピクロルヒドリンゴムとは、共重合成分としてのエチレンオキシドを含有しない単独重合体もしくは共重合体のことである。そして、この発明において主体とするとは、全体が主体のみからなる場合も含める趣旨である。
【0026】
このように、上記CHRとACMの片方もしくは双方と導電剤21は、前記軟化剤移行防止層を含めた形で使用し、帯電ムラの原因にもなるが、帯電の特性を生かすためには欠かせないものである。この抵抗調整層の電気抵抗は105〜108Ωの範囲のものが用いられる。
【0027】
上記導電剤としては、特に制限されず、ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、オクタドデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム及び変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウムの過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、エトサルフェート塩、臭化ベンジル塩及び塩化ベンジル塩等のハロゲン化ベンジル塩等の第四級アンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステル塩、高級アルコール燐酸エステル塩及び高級アルコールエチレンオキサイド付加燐酸エステル塩等の陰イオン界面活性剤、各種ベタイン等の両性イオン界面活性剤、高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル及び多価アルコール脂肪酸エステル等の非イオン性帯電防止剤等の帯電防止剤、LiCF3SO3、NaClO4、LiAsF6、LiBF4、NaSCN、KSCN及びNaCl等のLi+、Na+及びK+等の周期律表第1族の金属塩あるいは第四級アンモニウム塩等の電解質、また、Ca(ClO4)2等のCa2+及びBa2+等の周期律表第2族の金属塩及びこれらの帯電防止剤が、少なくとも1個以上の水酸基、カルボキシル基及び一級ないし二級アミン基等のイソシアネートと反応する活性水素を有する基を持ったものが挙げられる。更には、それらと1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール及びポリエチレングリコール等の多価アルコールとその誘導体等の錯体、あるいはエチレングリコールモノメチルエーテル及びエチレングリコールモノエチルエーテル等のモノオールとの錯体等のイオン導電剤、あるいはケッチェンブラックEC及びアセチレンブラック等の導電性カーボン、あるいはSuper Abrasion Furnace(SAF 超耐磨耗性)、Intermediate Super Abrasion Furnace(ISAF 準超耐磨耗性)、High Abrasion Furnace(HAF 高耐磨耗性)、Fast Extruding Furnace(FEF 良押出性)、General Purpose Furnace(GPF 汎用性)、Semi Reinforcing Furnace(SRF 中補強性)、Fine Thermal(FT 微粒熱分解)及びMedium Thermal(MT 中粒熱分解)等のゴム用カーボン、酸化処理を施したカラー(インク)用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイト、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅、銀及びゲルマニウム等の金属及び金属酸化物、あるいはポリアニリン、ポリピロール及びポリアセチレン等の導電性ポリマー等も可能である。尚、本発明で特に、第四級アンモニウム塩等のイオン導電剤が好ましく、更に環境変動が少ない導電性カーボン系のもの併せて用いられるほうが良い。なお、ここで、第四級アンモニウム塩とは、純粋な塩のみではなく第四級アンモニウム塩に過塩素酸塩がイオン結合しているものをも含む趣旨である。
【0028】
上記導電剤の配合量は、CHRおよびACMからなるゴム成分100重量部(以下「部」と略す)に対して0.5〜5部に設定することが好ましい。すなわち、導電剤の配合量が0.5部未満ではムラには非常に良いが、電気抵抗が調整できず、これも過剰に電圧をかけなければならなくなる。また、5部を超えると逆に導電剤ムラが抵抗ムラにつながり本発明の範囲では、画像ムラが発生しやすくなる。
【0029】
上記抵抗調整層14の形成材料には、上記A成分以外に、加硫剤,充填剤等が適宜に配合される。上記加硫剤としては、特に限定するものではなく、従来公知のもの、例えばチオウレア,トリアジン,イオウ等があげられる。また、上記充填材としては、シリカ,タルク,クレー,酸化チタン等の絶縁性の充填剤があげられ、単独でもしくは併せて用いられる。なお、カーボンブラック等の導電性充填剤は高電圧下での使用においては絶縁破壊を招き易いため、ゴム成分に対して10容量%以下の使用量にとどめるべきである。
【0030】
上記抵抗調整層14の外周に最外層として形成される保護層15は、帯電ローラ表面で用いられる公知のものでよい。具体的には、先に述べたN−メトキシメチル化ナイロンを主体とするものや、イソシアネート化合物を主成分として含有するものであればよいが、アクリルフッ素系ポリマー及びアクリルシリコーン系ポリマーから選択される少なくとも1種のポリマーと、導電性付与剤との少なくとも一方を添加するようにしてもよい。
【0031】
ここで、イソシアネート化合物としては、2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)及び3,3−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート(TODI)および前記記載の多量体および変性体などを挙げることもできる。
【0032】
また、アクリルフッ素系ポリマー及びアクリルシリコーン系ポリマーは、所定の溶剤に可溶でイソシアネート化合物と反応して化学的に結合可能なものである。アクリルフッ素系ポリマーは、例えば、水酸基、アルキル基、又はカルボキシル基を有する溶剤可溶性のフッ素系ポリマーであり、例えば、アクリル酸エステルとアクリル酸フッ化アルキルのブロックコポリマーやその誘導体等を挙げることができる。また、アクリルシリコーン系ポリマーは、溶剤可溶性のシリコーン系ポリマーであり、例えば、アクリル酸エステルとアクリル酸シロキサンエステルのブロックコポリマーやその誘導体等を挙げることができる。
【0033】
この本発明に関して言えば、N−メトキシメチル化ナイロンが好ましいが、N−メトキシメチル化ナイロンに関しては、先に述べたと同様、従来公知のものをそのまま使用することができる。そして、この保護層15にも前記記載のカーボンブラックのような導電剤を混合分散させると、低温低湿時の導電性を含む環境特性が良好となり低温低湿環境下でも良好な性能が発揮されるようになる。このような保護層15は、通常、5〜30μmの厚みに設定されるのが好ましく、特に好適な範囲は7〜23μmである。また、この保護層の電気抵抗は、103〜105Ωに設定される。なお、上記導電剤としては、カーボンブラックに限定されるものではなく、従来公知の導電剤を上記カーボンブラックに代えて使用することができる。
【0034】
この発明の帯電ロール2は、例えばつぎのようにして製造することができる。すなわち、芯金11の外周面に、接着剤を塗布し、先に述べたゴム組成物を用い金型加硫を利用して、導電性弾性体層12を形成する。つぎに、予めN−メトキシメチル化ナイロンと導電剤とを混合した混合樹脂液を作製し、これを上記導電性弾性体層12の表面を必要に応じて研磨して、そのうえにスプレー,ディッピング等でコーティングして乾燥し、必要な場合には熱処理して架橋させ軟化剤移行防止層化13する。そして、このようにして形成された導電剤含有の軟化剤移行防止層13の上に抵抗調整層14を形成する。この抵抗調整層14の形成は、CHRとACMの片方もしくは双方とイオン導電剤(A成分)に、補強剤,加工助剤,加硫剤,充填剤等を、通常のゴム加工方法(バンバリーミキサー,ロール等)により混練して未加硫ゴム組成物化し、この未加硫ゴム組成物を適当な溶剤(例えばメチルエチルケトン,メチルイソブチルケトン等)に溶解し、前記導電性弾性体層の外周面に塗工したのち乾燥し、ついで加熱加硫することによって形成することができる。上記塗工に際してはディップ方式によることが好適である。ディップ方式とは、溶液などのジャブ漬けし、引き抜き速度で膜厚を管理しつつ、乾燥させる方式である。つぎに、導電性弾性体層12が形成されたロールをディップ方式で、繰り返し浸漬することにより、導電性弾性体層12の外周面にA成分を主体とするゴム膜を形成させる。このときのディップ溶液粘度,昇降速度,昇降回数,乾燥時間等の条件は、上記A成分を主体とする溶液の液膜が乾燥時に50〜400μmの範囲になるような条件に設定することが好ましい。このような液膜が形成されたものについて25〜80℃の温度で0.5〜4時間乾燥を施して溶剤を除去し、続いて150〜200℃の温度で10分〜2時間加熱することによりA成分を主体とするゴム膜を加硫し抵抗調整層14化させる。つぎに、上記のように抵抗調整層14を形成したのち、その上にN−メトキシメチル化ナイロンからなる樹脂液、場合によってはそれに導電剤等を混合した樹脂液をスプレー,ディッピング等でコーティングして乾燥し、必要な場合には熱処理して架橋させ保護層化させる。このようにして、図1に示すような層構成が可能となる。なお、この層構成においては、好ましい構成であり、途中、塗工乾燥を繰り返し、4層構成以上を形成しても良い。また、最外層の保護層と抵抗調整層を一同に構成する3層、更に軟化剤移行防止層も一同に構成する2層についても適応可能であるが、好ましくは4層構成以上が良い。
【0035】
このようにして得られる帯電ロール2は、ロール全体の電気抵抗が103〜108 Ω程度に設定される。前述で示したように、電気抵抗の大半は抵抗調整層14と保護層15の導電剤の量で決まる。更に膜厚から考えると基本的には抵抗調整層14がほとんどであるがこの限りではない。
【0036】
ちなみに、帯電ローラの抵抗値は、次のように測定する。
【0037】
画像形成装置の感光ドラムをアルミニウム製のドラムと入れ替える。その後、アルミニウム製ドラムと帯電ローラ2の芯金11との間に100Vの電圧を加える。そして、このときに流れる電流値を測定することにより、帯電ローラ2の抵抗値を求める。
【0038】
[感光体]
次に、本発明の係わる像担持体(感光体)1の一般的なことについて、以下に説明する。ただ、この感光体については、長寿命を意識したもので、これに限るものではなく、表面保護層56が無くても良い。
【0039】
まずは、本発明に係わる感光体の長寿命を意識した、表面保護層の特徴(一例)について図3で簡単に説明する。表面保護層56のHU(ユニバーサル硬さ値)、及び弾性変形率は、圧子に連続的に荷重をかけ、荷重下での押し込み深さを直読し連続的硬さを求められる微小硬さ測定装置フィシャースコープH100V(Fischer社製)を用いて測定した。圧子は対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を使用した。荷重の条件は最終荷重6mNまで段階的に(各点0.1sの保持時間で273点)測定した。
【0040】
出力チャートの概略を図4に示す。縦軸は荷重(mN)で横軸は押し込み深さh(μm)であり、段階的に荷重を増加させ6mNまで荷重をかけ、その後同様に段階的に荷重を減少させた結果である。
【0041】
HU(ユニバーサル硬さ値:以下HUと呼ぶ)は、6mNで押し込んだ時の同荷重下での押し込み深さから下記式(1)によって規定される。
【0042】
【数1】

弾性変形率は圧子が膜に対して行った仕事量(エネルギー)、すなわち圧子の膜に対する荷重の増減によるエネルギーの変化より求めたものであり、下記式(2)からその値は求まる。全仕事量Wt(nW)は図3中のA−B−D−Aで囲まれる面積で表され、弾性変形の仕事量We(nW)はC−B−D−Cで囲まれる面積で表される。
【0043】
弾性変形率=We/Wt×100(%) (2)
前述の如く、有機電子写真感光体に求められる性能として機械的劣化に対する耐久性の向上が挙げられる。一般的に膜の硬度は外部応力に対する変形量が小さいほど高く、電子写真感光体も当然の如く鉛筆硬度やビッカース硬度が高いものが機械的劣化に対する耐久性が向上すると考えられている。しかしながら、これらの測定により得られる硬度が高いものが必ずしも耐久性の向上を望めたわけではなかった。
【0044】
我々は鋭意検討の末、HUと弾性変形率の値が、ある範囲の場合に感光体表面層の機械的劣化が起り難くなることを見出し、本発明に至った。すなわち、ビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて硬度試験を行い、最大荷重6mNで押し込んだ時のHUが150N/mm以上220N/mm以下であり、かつ、弾性変形率が40%以上65%以下である電子写真感光体を用いることによって飛躍的に向上した。また、更なる特性の向上にはHU値が160N/mm以上200N/mm以下であることがより好ましい。
【0045】
HUと弾性変形率を切り離してとらえることはできないが例えばHUが220N/mmを超えるものであるとき、弾性変形率が40%未満であるとクリーニングブレードや帯電ローラに挟まれた紙粉やトナーが感光体の弾性力が不足しているが故に、弾性変形率が65%より大きいと弾性変形率は高くても弾性変形量は小さくなってしまうが故に、結果として局部的に大きな圧力がかかり深い傷が発生してしまう。よって、HUが高いものが必ずしも感光体として最適ではないと考えられる。
【0046】
また、HUが150N/mm未満で弾性変形率が65%を超えるものの場合、たとえ弾性変形率が高くても塑性変形量も大きくなってしまいクリーニングブレードや帯電ローラに挟まれた紙粉やトナーが擦られることで削れたり細かい傷が発生したりしてしまう。
【0047】
本発明において用いられる感光ドラム1で、長寿命を考えると、少なくとも表面層が重合または架橋して硬化された化合物を含有した電子写真感光体からなる。なお、この硬化手段としては、熱、可視光や紫外線などの光、更に放射線を用いることができる。
【0048】
したがって、本実施形態において、感光体の表面層を形成する方法としては、表面層用として用いられる、重合または架橋により硬化可能な化合物を、融解または含有している塗布溶液を用い、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法、スピンコーティングなどにより塗布した後、この塗布された化合物を硬化手段により硬化する方法が採用される。
【0049】
これらのうち、感光体を効率よく大量生産する方法としては、浸漬コーティング法がもっとも好ましく、この本実施形態においても浸漬塗布法を採用することが可能である。この表面保護層については、長寿命を意識したものであってこの限りではない。
【0050】
ここで、本発明に係わる感光体ドラムの概略構成を図3を用いて説明する。外径がたとえば30mmの導電性基体上51に、電荷発生物質と電荷輸送物質の双方を同一の層53に含有する層構成の単層型(図3-(a))か、電荷発生物質を含有する電荷発生層54と電荷輸送物質を含有合する電荷輸送層55を、順次または逆順に積層した構成の積層型(図3-(b))のいずれかである。さらに、感光層上に表面保護層56を形成することも可能である。
【0051】
また、この発明の実施形態においては、電子輸送層の膜厚を最適化させるために、膜厚の幅を持たせる意味で、表面保護層56を用いることが良い。少なくとも感光体の表面層が、熱や可視光、紫外線などの光、さらに放射線により重合または架橋し硬化させることができる化合物を含有していればよい。そして、好ましくは、感光体としての特性、特に残留電位などの電気的特性および耐久性の観点から、電荷発生層および電荷輸送層を順次積層した機能分離型の感光体構成、または、この機能分離型の感光体構成で積層された感光層上に、さらに表面保護層を形成した構成とするのが好ましい(図3-(b))。
【0052】
この実施形態においては、表面層における、重合または架橋における化合物の硬化方法としては、感光体特性の劣化が少なく、残留電位の上昇が発生せず、十分な硬度を示すことができることから、好適には、放射線が用いられる。
【0053】
この重合または架橋を発生させる際に使用する放射線としては、電子線またはガンマ線が望ましい。これらのうちの電子線を使用する場合、加速器として、スキャニング型、エレクトロンカーテン型、ブロードビーム型、パルス型およびラミナー型などのあらゆる形式を使用することが可能である。
【0054】
また、電子線を照射する場合においては、この本実施形態による感光体における電気特性および耐久性能を発現するために、照射条件としては、加速電圧を250kV以下とするのが好ましく、150kV以下がより好ましい。また、照射線量を、10kJ/kg以上1000kJ/kg以下の範囲内にするのが好ましく、15kJ/kg以上500kJ/kg以下の範囲内とするのがより好ましい。
【0055】
加速電圧が上述の範囲の上限より大きいと、感光体特性に対する電子線照射による損傷、いわゆるダメージが増加する傾向にある。また、照射線量が上述の範囲の下限より少ないと、硬化が不十分となりやすい。また、線量が多い場合には感光体特性の劣化が生じやすいため、この観点から、線量は、上述の範囲内から選択するのが望ましい。
【0056】
また、重合または架橋が生じて硬化可能な表面層用の化合物としては、反応性の高さ、反応速度の速さ、および硬化後に達成される硬度の高さの観点から、分子内に不飽和重合性官能基を含むものが好ましい。
【0057】
さらに、不飽和重合性官能基を分子内に有する分子の中でも、特に、アクリル基、メタクリル基およびスチレン基を有する化合物が好ましい。
【0058】
また、この本実施形態による不飽和重合性官能基を有する化合物とは、その構成単位の繰り返しの状態により、モノマーとオリゴマーとに大別される。モノマーとは、不飽和重合性官能基を有する構造単位の繰り返しがなく、比較的分子量の小さいものを示す。他方、オリゴマーとは、不飽和重合性官能基を有する構造単位の繰り返し数が2〜20程度の重合体である。また、ポリマーまたはオリゴマーの末端のみに不飽和重合性官能基が結合した、いわゆるマクロノマーを、この第1の実施形態による表層用の硬化性化合物として使用することも可能である。
【0059】
また、この実施形態による不飽和重合性官能基を有する化合物は、表面層として必要とされる電荷輸送機能を満足させるために、化合物が電荷輸送化合物を採用することが、より好ましい。この電化輸送化合物の中でも、正孔輸送機能を持った不飽和重合性化合物であることがさらに好ましい。
【0060】
次に、この発明の実施形態による電子写真感光体1の感光層について説明する。
【0061】
すなわち、電子写真感光体の支持体51としては、導電性を有するものであれば良く、具体的には、たとえばアルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛およびステンレスなどの金属や、これらの合金を、ドラムまたはシート状に形成したもの、アルミニウムおよび銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウムおよび酸化錫などをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独または結着樹脂とともに塗布することにより導電層を設けた金属、または、プラスチックフィルムや紙などを挙げることができる。
【0062】
また、本発明の実施形態においては、導電性支持体51の表面上には、バリアー機能と接着機能とを有する下引き層52を設けることができる。
【0063】
下引き層52は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体の保護、支持体上の欠陥の被覆、支持体からの電荷注入性改良、または感光層の電気的破壊に対する保護などのために形成される層である。
【0064】
この下引き層52の材料としては、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド、N−メトキシメチル化6ナイロン、共重合ナイロン、ニカワおよびゼラチンなどを使用することができる。これらの材料は、それぞれに適合した溶剤に溶解されて支持体表面に塗布される。そして、この下引き層の膜厚は、好適には、0.1〜2μmである。
【0065】
本発明の感光体が機能分離型の感光体である場合は電荷発生層54および電荷輸送層55を積層する。電荷発生層54に用いる電荷発生物質としては、セレン−テルル(Se−Te)、ピリピウム、チアピリリウム系染料、または、各種の中心金属および結晶系、具体的には、たとえばα、β、γ、ε、およびX型などの結晶型を有するフタロシアニン系化合物、アントアントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、トリスアゾ顔料、ジスアゾ顔料、モノアゾ顔料、インジゴ顔料、クナクリドン顔料、非対称キノシアニン顔料、キノシアニンおよびアモルファスシリコンなどを挙げることができる。
【0066】
また、機能分離型感光体の場合、電荷発生層54は、電荷発生物質を0.3〜4倍量の結着樹脂および溶剤とともに、ホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライターおよびロールミルなどの手段によって良好に分散し、分散液を塗布し、乾燥させて形成されるか、または電荷発生物質の蒸着膜など、単独組成の膜として形成される。ここで、この電化発生層54の膜圧は、典型的には、5μm以下であり、好適には、0.1〜2μmである。
【0067】
また、結着樹脂を用いる場合の例は、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、などのビニル化合物の重合体および共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネイト、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラニン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができる。
【0068】
この第1の実施形態による不飽和重合性官能基を有する正孔輸送性化合物は、上述した電荷発生層54上に電荷輸送層55として用いることができる。または、電荷発生層54上に、電荷輸送層55と結着樹脂とからなる電荷輸送層55を形成した後に、表面保護層56として用いることもできる。
【0069】
そして、正孔輸送性化合物を表面保護層56として用いた場合、その下層にあたる電荷輸送層は適当な電荷輸送物質、たとえばポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリスチルアントラセンなどの複素環や縮合多環芳香族を有する高分子化合物や、ピラゾリン、イミダゾール、オキサドール、トリアゾール、またはカルバゾールなどの複素環化合物、トリフェニルアミンなどのトリアリールアミン誘導体、フェニレジンアミン誘導体、N−フェニルカルバゾール誘導体、スチルベン誘導体、ヒドラゾン誘導体などの低分子化合物などを、上述の電荷発生層用樹脂から選択可能で適当な結着樹脂とともに溶剤に分散または溶解した溶液を、上述の公知の方法によって塗布し、乾燥させて形成することができる。
【0070】
この場合の電荷輸送物質と結着樹脂との比率は、両者の全重量を100とした場合に、電荷輸送物質の重量が30〜100の範囲内にあることが望ましく、更には50〜100の範囲で適宜選択するのが好ましい。
【0071】
電荷輸送層55における電化輸送物質の重量が、これらの範囲より小さいと、電荷輸送能が低下し、感度低下や残留電位の上昇などの問題点が発生する。この場合に本発明に係わる電荷輸送層55の厚みは、10〜30μmの範囲である。
【0072】
いずれの場合も、表面層の形成方法は、正孔輸送性化合物を含有する溶液を塗布後、重合または硬化反応させるのが一般的である。なお、あらかじめ正孔輸送性化合物を含む溶液を反応させることにより硬化物を得た後、再度溶剤中に分散または溶解させたものなどを用いて、表面層を形成することも可能である。
【0073】
また、上述の溶液を塗布する方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法、およびスピンコーティングなどが知られている。そして、効率性/生産性の観点から、溶液を塗布する方法としては、浸漬コーティング法が望ましい。なお、蒸着やプラズマ処理などの、その他公知の製膜方法を適宜選択することが可能である。
【0074】
また、この発明の実施形態による表面保護層中56においては、導電性粒子を混入させることも可能である。この導電性粒子としては、金属、金属酸化物およびカーボンブラックなどを挙げることができる。
【0075】
これらの導電性粒子としての金属は、具体的には、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、ステンレスおよび銀を挙げることができ、さらに、導電性粒子としては、これらの金属をプラスチックの粒子の表面に蒸着したものなどを挙げることができる。
【0076】
また、導電性粒子としての金属酸化物は、具体的には、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズおよびアンチモンをドープした酸化ジルコニウムなどを挙げることができる。
【0077】
また、これらの金属酸化物は、それぞれ単独で用いたり、2種類以上を組み合わせて用いたりすることが可能である。なお、2種以上を組み合わせる場合には、単に混合することも可能であり、固溶体や融着を施すことも可能である。
【0078】
また、この発明の実施形態において用いられる導電性粒子の平均粒径は、保護層56の透明性の観点から、0.3μm以下にすることが好ましく、より好適には、0.1μm以下にすることが望ましい。さらに、この第1の実施形態においては、上述した導電性粒子の材料において、透明性などの観点から金属酸化物を用いることが特に好ましい。
【0079】
表面保護層56中における導電性金属酸化物粒子の割合は、直接的に表面保護層の抵抗を決定する要因の1つである。したがって、保護層の比抵抗は、10〜1013Ωm(1010〜1015Ωcm)の範囲にすることが望ましい。
【0080】
また、この実施形態においては、表面層中にはフッ素原子含有樹脂粒子を含有することも可能である。このフッ素原子含有樹脂粒子としては、4フッ化チレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂および、これらの共重合体の中から少なくとも1種類以上を適宜選択するのが好ましい。
【0081】
そして、上述のフッ素原子含有樹脂粒子としては、特に、4フッ化エチレン樹脂およびフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。なお、樹脂粒子の分子量や粒径は、適宜選択することが可能であり、必ずしも上述の分子量や粒径に限定されるものではない。
【0082】
表面層中におけるフッ素原子含有樹脂の割合は、表面層の全質量に対して、典型的には、5〜40重量%であり、好適には、10〜30重量%である。これは、フッ素原子含有樹脂粒子の割合が、40重量%より多いと表面層の機械的強度が低下し易くなり、5重量%より少ないと表面層の表面の離型性、表面層の耐磨耗性や耐傷性が不十分になる可能性があるためである。
【0083】
この発明の実施形態においては、分散性、結着性および対候性をより向上させるために、表面層中に、ラジカル補足剤や酸化防止剤などの添加物を加えることも可能である。また、この第1の実施形態において表面保護層の膜厚は、好適には、0.2〜10μmの範囲であり、より好適には、0.5〜6μmの範囲である。
【0084】
[放電電流量]
更に本発明に係わる放電電流量について図5を用いて説明する。そもそも、電子写真装置においては、帯電の均一性、画像ムラ防止などの目的で直流電圧+交流電圧を帯電ローラーにかけるのが一般的である。本発明での放電電流量とは、主に帯電ローラにかける交流電圧(Vpp)における電流量曲線による放電特性のことをいう。通常、帯電ローラにVpp(グラフの横軸)をかけていき、感光体の支持体側で交流電流量(IAC)を測定すると図5に示すようにあるポイントA1(放電開始点)で電圧と電流の関係が変化する。その点A1未満での点をプロットし正比例直線A2(破線)と実際の流れた電流曲線A3(実線)で、あるVpp(A5)での電流の差分A4を放電電流量と言う。
【0085】
本発明に係わる放電電流量としては、主に0μAより上から60μA以下のものを対象とする。放電電流量を60μA以上に上げると帯電ムラに関しては、後述で説明するが、ムラの影響となる導電剤(抵抗)の影響を無視できるぐらい電流が流れるので、問題なくなる。ただ、同時に放電電流量が高い状態なので電子写真装置、特に感光体の長寿命を考えると大きな影響を及ぼし、耐久性の低下を生じやすくなる。また、放電電流量が0μA以下となると放電していないのでドラムへ帯電状態の安定性が保てなくなる。
【0086】
[帯電ムラメカニズム]
ここで本発明に係わる式を説明するための帯電ムラ解消メカニズムについて図2を用いて説明する。一般的に帯電ローラーでは上記説明したように抵抗調整層が抵抗を支配的に決めている。その抵抗調整層の導電剤21が主に帯電ムラの原因になると考えている。この導電剤21を完全に抜けば、帯電ムラは解消されるが、現実問題としては、かなりの電圧をかけなければならず、様々な画像不良を考えると難しい。そこで、導電剤21をいわゆる抵抗の一部(R1、R2)と考えると同時に、帯電ローラはコンデンサ(C1、C2)の役割もかね、帯電ローラー表面に電荷(Q1、Q2)を導きだす。この部分的な、電荷差(│Q1-Q2│)が帯電ムラの原因だと思われる。その一方、感光体側もコンデンサーC3の機能をもち、帯電ローラーからの電荷によって感光体表面に電荷Q3を導きだす。その関係としては感光体表面に現れる電荷Q3が帯電ローラにあわられる電荷差(│Q1-Q2│)より大きくなれば帯電ムラが解消されると鋭意検討の結果導き出した。
【0087】
ここで、Vは電源の電圧、R1はA側の帯電ローラー部の抵抗、R2はB側の帯電ローラー部の抵抗、R3は本発明に他の層の抵抗部、V1は本発明に係わる電圧、V3は他の層にかかる電圧、電流I1はA側の電流量、I2はB側の電流量、Sは放電部の面積、εはある状態での誘電率(ここでは係数とみなす)、dは帯電ローラーの抵抗調整層の厚み、rは感光体の電荷輸送層の厚みとする。ただ、本発明における、R3(あるいはV3)の影響については上述で説明したように今回の抵抗については大きな影響を与えないことが分かっているので、無視した。
【0088】
つまり、これらのことを式に表すと、まず、電荷差(│Q1-Q2│)として、
ある電圧の流れをAとし以下の式が成り立つ
A:V1=VR1+VC1=I1*R1+Q1/C1=I1*R1+Q1*d/ε*S
また、別の電流の流れ箇所をBとすると、
B:V1=VR2+VC2=I2*R2+Q2/C2=I2*R2+Q2*d/ε*S
∴Q1-Q2=-εS(I1*R1-I2*R2)/d
となるよって、帯電ローラ側の表面ムラは厚みが大きくなると小さくなることが分かる。
【0089】
また、ドラムの表面との優位差を考えると
Q3>Q1-Q2になると、電荷差も無視できるので
εS/rV>-εS*(R1-R2)/d
∴d>-(R1-R2)r/V
となり、本発明ではVが少なくなるメカニズムを想定しているので
(d:帯電ローラーの膜厚)>(R1-R2:抵抗差;導電剤ムラ)×(r:ドラム膜厚)
の関係が成り立つ。
【0090】
更に、外的要因(層構成による抵抗)の影響も考慮して以下の関係式がなりたつことが分かる。
【0091】
(帯電ローラー膜厚)≧係数1×(抵抗ムラ)×(ドラム膜厚)−(全体抵抗)/係数2
ここで、係数1については、帯電ローラーの膜厚とドラム膜厚の桁が約1桁の開きがあるため10とし、数値上の補正を行うとともに、抵抗ムラについては本発明の中では必ずでるものと仮定しているのと、この部分を無視した形での構成をとるため、ある係数(本発明では1)とみなす。
【0092】
∴(帯電ローラー膜厚)>10×1×(ドラム膜厚)−(全体抵抗)/係数2
そして、係数2については、膜厚とのレンジを補正するために1×105で割る、桁数を合わせる必要がある。このことより、
∴(帯電ローラー膜厚)>10×1×(ドラム膜厚)−(全体抵抗)/(1×10:標準抵抗)
また、この式の各範囲は上記記載内容から
50μm≦ 帯電ローラー膜厚≦400μm
10μm≦感光体膜厚≦30μm
1×103Ω≦帯電ローラー抵抗≦1×107Ω
となり、これらのことをグラフで表すと図6となる。
【0093】
[電子写真装置]
最後に、本発明の実施の形態を示す電子写真装置の概略断面図の一例を簡単に説明する。
【0094】
図7において、1は図示矢印方向に回転駆動される像担持体であって、これは本実施の形態では回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと称す)である。2は感光ドラムに接触して感光ドラム表面に一様にマイナスの電荷を付与するための帯電ローラ。3は一様にマイナスの電荷を付与された感光ドラム表面に静電潜像を形成する像露光(ここでは波長λ=780nmのレーザ走査露光を使用)。4は感光ドラム表面に形成された静電潜像を現像剤により顕像化するための現像装置である。現像装置4は現像スリーブ5と現像スリーブ5に現像剤を供給するためのホッパー部6で概略構成されており、また現像装置4は、現像スリーブ5と感光ドラム1の間に装置長手方向に渡り0.3mmの一定間隙を保つように配設されている。尚、当実施の形態ではトナーとして一成分磁性のネガ極性トナーを用い、現像スリーブにAC成分とDC成分を重畳した電圧を印加することでジャンピング反転現像を行った。7は感光ドラム上に形成された前記トナー像を転写材Pに転写するための転写ローラである。転写ローラは感光ドラムに接触して回転自在に配置され、転写材Pの裏面側からプラスの電荷を付与することによって感光ドラム上に形成されたトナー像を順次転写材Pの上面に転写する。ここで、転写材Pは、不図示の搬送装置から感光ドラムの回転と同期取りされて適正なタイミングをもって感光ドラムと転写ローラとの間の転写部へ搬送される。8はトナー像転写後に残留した転写残トナーを感光ドラム表面から除去するためのクリーニング装置である。クリーニング装置8は、転写残トナーを感光ドラム表面から掻き取るためのクリーニングブレード9とその掻き取られた転写残トナーを収容する廃トナー収容部10で概略構成されている。クリーニングブレード9には、チップタイプのブレードを用いた。
【0095】
そして、トナー像の転写を受けた転写材Pは、感光ドラムから分離された後、不図示の定着装置へ搬送されてトナー像が定着され、その後、装置本体外部に排出される。
【0096】
以下、実施例、比較例を示して、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記に限定されるものではない。
【実施例1】
【0097】
〔導電性弾性体層形成材料の調製〕導電性弾性体層形成材料として、下記に示す各成分を用いてゴム組成物を準備した。
【0098】
ポリノルボーネンゴム 100部
ケッチェンブラック 50部
ナフテン系オイル 400部
〔軟化剤移行防止層形成材料の調製〕軟化剤移行防止層形成材料として、下記に示す各成分を用いてカーボンブラック分散樹脂液を調製した。
【0099】
N−メトキシメチル化ナイロン 100部
カーボンブラック 15部
〔抵抗調整層形成材料の調製〕抵抗調整層形成材料として、は下記記載の内容で調製した。
【0100】
CHR 100部
第4級アンモニウム塩 1部
〔保護層形成材料の調製〕保護層形成材料として、下記に示す各成分を用いて樹脂液を調製した。
【0101】
N−メトキシメチル化ナイロン 100部
カーボンブラック 8部
つぎに、直径8mmの金属製シャフトからなる芯金の外周に接着剤を塗布した後、その外周に、上記導電性弾性体層形成材料のゴム組成物を用い、金型加硫を利用し全体の外径が15mmになるように導電性弾性体層を形成した。ついで、その導電性弾性体層の外周に、上記軟化剤移行防止層形成材料用のカーボンブラック分散樹脂液をスプレーコーティングした後、乾燥し厚み6〜10μmの軟化剤移行防止層を形成した。一方、上記抵抗調整層形成用のゴム組成物をロール混練した後、メチルエチルケトン/メチルイソブチルケトン=3/1(重量比)の溶剤に溶解し、粘度を500センチポイズに調製してディップ液を作製した。この液中に、上記のようにして軟化剤移行防止層が形成された芯金を浸漬してコーティングした後、引き上げて乾燥させ、ついで加熱処理して架橋させた。そのときの、抵抗調整層の厚みについては、乾燥時、200μmになるようにした。ついで、その表面に保護層形成用の樹脂液をスプレーコーティングした後、乾燥して保護層を形成した。その結果、目的とする導電性ロールが得られた。このときの帯電ローラーの外径は16mmであり、全体の抵抗は1×106Ωとなった(印加電圧100V)。
【0102】
次に、感光ドラム12としては、以下のようにして作成した。30φのアルミニウムシリンダー(スラスト長360mm)に導電層用の塗料を以下の手順で調整した。10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した導電性酸化チタン粉体50部(重量部、以下同様)、フェノール樹脂25部、メチルセロソルブ20部、メタノール5部およびシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000)0.002部をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して調整した。この塗料をシリンダー上に浸漬塗布方法で塗布し、140℃で30分乾燥して、膜厚20μmの導電層を形成した。
【0103】
次に、N−メトキシメチル化ナイロン5部をメタノール95部中に溶解し、中間層用塗料を調整した。この塗料を前記の導電層上に浸漬コーティング法によって塗布し、100℃で20分間乾燥して、0.6μmの中間層を形成した。
【0104】
次に、CuKαのX線回折におけるブラック角2θ±0.2度が9.0度、14.2度、23.9度及び27.1度に強いピ−クを有するオキシチタニウムフタロシアニンを3部、ポリビニルブチラ−ル(商品名エスレックBM2、積水化学(株)製)3部及びシクロヘキサノン35部をφ1mmガラスビ−ズを用いたサンドミル装置で2時間分散して、その後に酢酸エチル60部を加えて電荷発生層用塗料を調製した。この塗料を前記の中間層の上に浸漬塗布方法で塗布して50℃で10分間乾燥し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0105】
電荷発生層を形成した後、下記構造式(4)のスチリル化合物を10部
【0106】
【化1】

および下記構造式(5)の繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂10部を
【0107】
【化2】

モノクロロベンゼン50部およびジクロロメタン30部の混合溶媒中に溶解し、電荷輸送層用塗布液を調整した。この塗布液を前記の電荷発生層上に浸漬コーティングし、120℃で一時間乾燥することによって膜厚が20μmの電荷輸送層を形成した。
【0108】
【化3】

次いで、構造式(3)の正孔輸送性化合物60部をモノクロロベンゼン50部およびジクロロメタン50部の混合溶媒中に溶解し保護層用塗料を調整した。この保護層用塗料には、フッ素原子含有樹脂粒子として4フッ化エチレン樹脂を保護層の全重量に対して30重量%を含有させた。
【0109】
この塗布液を前記の電荷輸送層上にコーティングしたあと、酸素濃度10ppmの雰囲気下で加速電圧150KV、照射線量50KGyの条件で電子線を照射した。引き続いて、同雰囲気下で感光体の温度が100℃になる条件で10分加熱処理をおこない、膜厚5μmの保護層を形成し、電子写真感光体を得た。
【0110】
これらの帯電ローラ及び、感光体をキヤノン製の複写機iR2270に組み込み、外部電源(トレック社製MODEL615-3)を用いて、直流電圧を700V、交流電圧を周波数1800HzでVppを調製し放電電流量を40μAに調製し、ベタ黒画像を出力した。画像ムラは発生せず、画像が形成できない(白くなったり、ボケたりしない)などの問題もなく、更には、高圧負荷による画像不良の問題もなかった。その状態で耐久確認を行ったが、感光体の傷や削れムラなどによる大きな問題は発生しなかった。
【実施例2】
【0111】
実施例1において、導電剤の量を図8.のように2倍にし、抵抗調整層の厚みを300μmにする以外、実施例1と同様の画像形成装置を形成した。このときの図8.で示すように帯電ローラの抵抗は5×105Ωとなった。実施例1と同様の画像試験を行ったが、画像ムラは発生せず、画像が形成できない(白くなったり、ボケたりしない)などの問題もなく、更には、高圧負荷による画像不良の問題もなかった。その状態で耐久確認を行ったが、感光体の傷や削れムラなどによる大きな問題は発生しなかった。
【実施例3】
【0112】
実施例1における抵抗調整層のゴムの成分をACMに変更し、抵抗調整層の厚みを350μmにする以外、実施例1と同様の画像形成装置を形成した。図8.で示すように帯電ローラの抵抗は5×106Ωとなった。実施例1と同様の画像試験を行ったが、画像ムラは発生せず、画像が形成できない(白くなったり、ボケたりしない)などの問題もなく、更には、高圧負荷による画像不良の問題もなかった。その状態で耐久確認を行ったが、感光体の傷や削れムラなどによる大きな問題は発生しなかった。
【実施例4】
【0113】
実施例3における導電剤の量を2倍に変更し、抵抗調整層の厚みを150μmにする以外、実施例3と同様の画像形成装置を形成した。図8.で示すように帯電ローラの抵抗は5×104Ωとなった。実施例1と同様の画像試験を行ったが、画像ムラは発生せず、画像が形成できない(白くなったり、ボケたりしない)などの問題もなく、更には、高圧負荷による画像不良の問題もなかった。その状態で耐久確認を行ったが、感光体の傷や削れムラなどによる大きな問題は発生しなかった。
【0114】
[比較例1]
実施例1において、導電剤を抜く以外、実施例1と同様の画像形成装置を形成した。図8.で示すように帯電ローラの抵抗は1×108Ωとなった。実施例1と同様の画像試験を行ったが、画像ムラは発生せず、画像が形成できない(白くなったり、ボケたりしない)などの問題はなかったが、抵抗が高くなったために、高圧負荷による画像不良が発生するのと同時に、過剰に電圧をかけなければならないので、感光体へのダメージが大きくなり傷や削れムラなどによる問題が発生した。
【0115】
[比較例2]
実施例1において、抵抗調整層の厚みを160μm、感光体の電荷輸送層の膜厚を24μmにする以外実施例1と同様の画像形成装置を形成した。図8.で示すように帯電ローラの抵抗は6×104Ωとなった。実施例1と同様の画像試験を行ったが、画像が形成できない(白くなったり、ボケたりしない)などの問題もなく、更には、高圧負荷による画像不良の問題もなかった。その状態で耐久確認を行ったが、感光体の傷や削れムラはなかったが、本発明の目的のひとつである画像ムラが発生してしまい、大きな問題となった。
【0116】
[比較例3]
実施例1において、抵抗調整層の厚みを160μm、感光体の電荷輸送層の膜厚を24μmにする以外実施例1と同様の画像形成装置を形成した。図8.で示すように帯電ローラの抵抗は6×104Ωとなった。実施例1と同様の画像試験を行ったが、画像が形成できない(白くなったり、ボケたりしない)などの問題もなく、更には、高圧負荷による画像不良の問題もなかった。その状態で耐久確認を行ったが、感光体の傷や削れムラはなかったが、本発明の目的のひとつである画像ムラが発生してしまい、大きな問題となった。
【0117】
[比較例4]
実施例1において、抵抗調整層の厚みを190μm、導電剤の量を増やして、抵抗を下げる以外、実施例1と同様の画像形成装置を形成した。図8.で示すように帯電ローラの抵抗は1×102Ωとなった。実施例1と同様の画像試験を行ったが、画像が形成できない(白くなったり、ボケたりしない)などの問題もなく、更には、高圧負荷による画像不良の問題もなかった。その状態で耐久確認を行ったが、感光体の傷や削れムラはなかったが、本発明の目的のひとつである画像ムラが発生してしまい、大きな問題となった。
【0118】
[比較例5]
実施例1において、抵抗調整層の厚みを30μm、にする以外、実施例1と同様の画像形成装置を形成した。図8.で示すように帯電ローラの抵抗は1×105Ωとなった。実施例1と同様の画像試験を行ったが、画像が形成できない(白くなったり、ボケたりしない)などの問題もなく、更には、高圧負荷による画像不良の問題もなかった。その状態で耐久確認を行ったが、感光体の傷や削れムラはなかったが、本発明の目的のひとつである画像ムラが発生してしまい、大きな問題となった。
【0119】
[比較例6]
実施例1において、抵抗調整層の厚みを500μm、にする以外、実施例1と同様の画像形成装置を形成した。図8.で示すように帯電ローラの抵抗は1×108Ωとなった。実施例1と同様の画像試験を行ったが、画像ムラの問題はなく、画像が形成できない(白くなったり、ボケたりしない)などの問題もなかったが、抵抗が高くなったために、高圧負荷による画像不良が発生するのと同時に、過剰に電圧をかけなければならないので、感光体へのダメージが大きくなり傷や削れムラなどによる問題が発生した。
【0120】
[比較例7]
実施例1において、放電電流量を100μAの設定にする以外実施例1と同様の画像形成装置を形成した。図8.で示すように帯電ローラの抵抗は1×106Ωとなった。実施例1と同様の画像試験を行ったが、画像ムラの問題はなく、画像が形成できない(白くなったり、ボケたりしない)などの問題もなかったが、抵抗が高くなったために、高圧負荷による画像不良が発生するのと同時に、過剰に電圧をかけなければならないので、感光体へのダメージが大きくなり傷や削れムラなどによる問題が発生した。
【0121】
[比較例8]
実施例1において、電荷輸送層の厚みを50μmにする以外実施例1と同様の画像形成装置を形成した。図8.で示すように帯電ローラの抵抗は1×106Ωとなった。実施例1と同様の画像試験を行ったが、画像ムラの問題が発生するとともに、画像ボケも発生し、耐久するに至らなかった。
【0122】
[比較例9]
実施例1において、電荷輸送層の厚みを5μmにする以外実施例1と同様の画像形成装置を形成した。図8.で示すように帯電ローラの抵抗は1×106Ωとなった。実施例1と同様の画像試験を行ったが、画像ムラはあまり目立たないというよりは画像がうまくのらず白くぬけたような画像が発生した。耐久についても行うに値しなかった。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】本発明の帯電部材である帯電ローラの断面の一例を示す概略図である。
【図2】本発明に係わる式を説明するための概略図である。
【図3】本発明に係わる感光体の一例を示す概略断面図である。
【図4】フィシャースコープH100V(H.Fishere社製)の出力チャートの概略図である。
【図5】本発明に係わる放電電流量を説明するための概略図である。
【図6】本発明に係わる式をまとめたグラフである。
【図7】本発明の画像形成装置(電子写真装置)の一例を示す概略図である。
【図8】本発明の実施例、比較例をまとめたものである。
【符号の説明】
【0124】
1 感光体
2 帯電ローラ
15 帯電ローラの抵抗調整層
21 導電剤
53 電荷輸送層と電荷発生層を同じにしたもの
55 電荷輸送層のみ
A4 放電電流量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体とその感光体に接触帯電させる帯電ローラを用いる画像形成装置において、帯電ローラの層構成が複数構成でかつ、帯電ローラの抵抗調整層の厚みが以下の式を満たすことを特徴とする画像形成装置。
d>10×r−R/(1×105
50μm≦d≦400μm
10μm≦r≦30
1×103Ω≦R≦1×107Ω
(d:帯電ローラの抵抗調整層の厚み(μm)、r:ドラムの電荷輸送層の厚み(μm)、R:帯電ローラの抵抗(Ω))
【請求項2】
上記帯電ローラの構成が4層構成以上であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
上記帯電ローラの層の最下層がソリッドゴムで構成されていることを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
上記感光体にその感光体に接触させる帯電ローラから放電させる放電電流量が60μA以下で使用することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
上記帯電ローラーの抵抗調整剤として導電剤を使用することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−122515(P2009−122515A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−298150(P2007−298150)
【出願日】平成19年11月16日(2007.11.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】