説明

画像形成装置

【課題】PTLのメリットを生かし、且つPTLの副作用であるメモリ効果による画像ムラの低減をたに特別な部材を追加せずに、帯電・露光・転写という基本的構成のみを用いて低コスト実現する。
【解決手段】感光体21Y,21M,21C,21Kと、感光体表面を帯電させる帯電手段16と、帯電した感光体に光を照射することにより静電潜像を形成する画像書込部12と、画像書込部12を制御する書込制御手段と、該静電潜像を現像する現像装置20Y,20M,20C,20Kと、感光体上のトナー像を被転写体上に転写するための転写手段と、現像後で且つ転写前に該潜像担持体を露光する転写前露光手段とを有する電子写真装置10において、書込制御手段は、着目する所定の画像信号(A)と、当該画像信号(A)から副走査方向に潜像担持体周長分下流側の画像信号(B)との2つの画像信号に基づいて書込手段を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に係り、特に静電潜像を担持するための潜像担持体と、該潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、該帯電手段により帯電した該潜像担持体表面に光を照射することにより静電潜像を形成する書込手段と、書込手段を制御する書込制御手段と、該静電潜像を現像してトナー像化するための現像手段と、該潜像担持体上のトナー像を被転写体上に転写するための転写手段と、現像後で且つ転写前に該潜像担持体を露光する転写前露光手段とを有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真複写機や静電プリンタ等の静電写真プロセスを用いた画像形成装置では、帯電器で一様帯電された感光体に書き込みを行うことにより静電潜像が形成され、現像器により現像することによりトナー像とされ、転写手段の作用によりトナー像が転写紙に転写され、転写された転写紙は感光体から分離された後定着されて画像が形成される。
【0003】
このような現像工程と転写工程との間で、トナー像の形成された感光体に光照射を行いトナー像の下の静電潜像の電荷を減衰させ、転写工程における転写電流を効率良く転写材に作用させ低い転写電流から高い転写電流まで安定した転写効率が得られるようにする転写前露光(pre transfer lighting、PTLと略す)工程は良く知られている。イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどの複数色のトナー像を順次重ね合わせて転写して画像を形成するカラー画像形成装置では、PTLにより逆転写を防止することもできる。(例えば特許文献1、2参照)
【0004】
しかし、このPTLを用いることで発生する副作用もある。例えば負帯電感光体(反転現像方式)の転写前後の電位をPTLあり・なしの2つの条件で比較する。PTLあり・なしにかかわらず転写時の放電により感光体はプラスチャージをもらう。PTLなしの場合の感光体電位は転写前の電位の絶対値が大きいため0Vは超えないため転写後に露光することにより帯電工程前に前の画像のメモリを消すことができる(図13(a)参照)。一方、PTLありの場合転写前の電位が0V付近であるため転写後感光体電位は、プラスになる(図13(b)参照)。また画像部上のトナーがある部分より非画像部の方が放電が起こりやすいためプラス側へのシフト量が大きくなる。転写後に露光してもプラス電位のメモリは消すことができず(電子輸送の移動度が極端に少ない)、感光体前周の画像が画像ムラとして次周の画像に影響してしまう。このプラス帯電化したメモリを消すためには、帯電工程を2つ設ける(特許文献3参照)等の手段が検討されているが、コストやスペースの点で現実的ではない。
【0005】
【特許文献1】特開2003−263036号
【特許文献2】特開2002−357939号
【特許文献3】特開平5−289472
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、PTLは大きなメリットがあるにもかかわらず前述した副作用があるため実用化されることが少なかった。そこで本発明は、PTLのメリットを生かし、且つPTLの副作用であるメモリ効果による画像ムラの低減をたに特別な部材を追加せずに、帯電・露光・転写という基本的構成のみを用いて低コスト実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、静電潜像を担持するための潜像担持体と、該潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、該帯電手段により帯電した該潜像担持体表面に光を照射することにより静電潜像を形成する書込手段と、書込手段を制御する書込制御手段と、該静電潜像を現像してトナー像化するための現像手段と、該潜像担持体上のトナー像を被転写体上に転写するための転写手段と、現像後で且つ転写前に該潜像担持体を露光する転写前露光手段とを有する画像形成装置において、前記書込制御手段は、着目する所定の画像信号(A)と、当該着目した画像信号(A)から副走査方向に潜像担持体周長分下流側の画像信号(B)とからなる2つの画像信号に基づいて書込手段を制御することを特徴とする画像形成装置である。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記書込制御手段は、前記所定の画像信号(A)から見積もられる書き込みに必要な露光量をα[J/cm2]とし、前記下流側の画像信号(B)から見積もられる書き込みに必要な露光量をβ[J/cm2]としたとき、露光量をα+k×β(k:比例係数、k>0)として前記書込手段を制御することを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2記載の画像形成装置において、前記比例係数kは、トナーの帯電量に応じて変化させることを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項3記載の画像形成装置において、前記トナーの帯電量は、帯電印加バイアス・現像バイアス・書込光量より予測することを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか記載の画像形成装置において、前記現像手段の上流側に潜像担持体電位測定用センサを設置したことを特徴とする特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項5記載の画像形成装置において、前記潜像担持体電位測定用センサにより、副走査方向の長さが潜像担持体周長より短い画像パターンの帯電後現像前の画像部潜像担持体電位Vaと、現像・転写・再帯電後・露光前の画像部潜像担持体電位Vbと、を測定し、前記Va画像部潜像担持体電位と前記画像部潜像担持体電位Vbの比に応じて前記比例係数kを調整することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る画像形成装置によれば、PTLのメリットを生かし、且つPTLの副作用であるメモリ効果による画像ムラの低減をたに特別な部材を追加せずに、帯電・露光・転写という基本的構成のみを用いて低コスト実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下本発明を実施するための最良の形態としての実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例】
【0015】
以下、本発明を画像形成装置である電子写真装置10に適用した実施の形態について説明する。図1は実施例に係る電子写真装置の全体概略構成を示す断面図、図2は電子写真装置の画像形成部の構成を示す概略構成図である。電子写真装置10は、電子写真方式によるカラー画像形成を行うための、画像書込部12、画像形成部13、給紙部14などから構成されている。また、この例では、電子写真装置10は、原稿自動読取装置1、用紙供給装置3を備えている。
【0016】
次に上記電子写真装置10の概略構成及び動作について説明する。電子写真装置10の原稿自動読取装置1から出力される画像信号をイエロー(Y),マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(BK)の各色の画像信号に分解する。分解された画像信号は、各色の書込制御手段(図示せず)に送られ、その画像信号をもとに書込制御手段で各色の適切な露光量を算出し(詳細は後述する)、画像書込部12に信号を送信する。画像書込部12は、例えば、図示のようなレーザ光源、回転多面鏡等の偏向器、走査結像光学系、及びミラー群などからなるレーザ走査光学系や、一次元もしくは二次元に多数のLEDが配列したLEDアレイと、結像光学系からなる、LED書込系などで構成されており、上記の各色信号に対応した4つの書込光路12Y,12M,12C,12Kを有している。この画像書込部12は、図2に示すように、画像形成部13に設けられた各色ごとの4個の画像形成ユニットの各感光体21Y,21M,21C,21Kに、各書込光路12Y,12M,12C,12Kを通して、各色信号に応じた画像の書込を行う。
【0017】
画像形成部13に設けられている各画像形成ユニットの、イエロー(Y)用、マゼンタ(M)用、シアン(C)用、黒(BK)用の各感光体21Y,21M,21C,21Kとしては、通常OPC感光体が用いられる。また、各感光体21Y,21M,21C,21Kの周囲には、図2及び図3に示すように、帯電装置16Y,16M,16C,16K、画像書込部12からのレーザ光の露光部、イエロー,シアン,マゼンタ,黒の各色用の現像装置20Y,20M,20C,20K、1次転写手段としての1次転写バイアスローラ23Y,23M,23C,23K、クリーニング装置30Y,30M,30C,30K等が配設されている。
【0018】
ここで、上記現像装置20Y,20M,20C,20Kとしては、2成分磁気ブラシ現像方式の現像装置を用いている。また、各感光体21Y,21M,21C,21Kと、各1次転写バイアスローラ23Y,23M,23C,23Kとの間に介在するように、中間転写ベルト22が張架されており、この中間転写ベルト22には、各感光体上に形成された各色のトナー像が順次重ね合わせて転写される。
【0019】
一方、転写紙Pは、上記電子写真装置10の給紙部14、あるいは上記複写機の給紙バンク(図1参照)から給紙された後、レジストローラ17を介して、転写搬送ベルト50に坦持される。そして、中間転写ベルト22と転写搬送ベルト50とが接触するところで、中間転写ベルト22上に転写されたトナー像が、2次転写手段としての2次転写バイアスローラ60により2次転写(一括転写)される。これにより、転写紙P上にカラー画像が形成される。このようにしてカラー画像が形成された転写紙Pは、転写搬送ベルト50により定着装置15に搬送される。そして、転写紙Pは、定着装置15により、それに転写された画像が定着された後、プリンタ本体外に排出される。
【0020】
上記2次転写時に転写紙Pに転写されずに中間転写ベルト22上に残った残留トナーは、ベルトクリーニング装置25によって中間転写ベルト22から除去される。このベルトクリーニング装置25の下流側には、潤滑剤塗布装置26が配設されている。この潤滑剤塗布装置26は、固形潤滑剤26aと、中間転写ベルト22に摺擦して固形潤滑剤26aを塗布する導電性ブラシ26bとで構成されている。該導電性ブラシ26bは、中間転写ベルト22に常時接触して、中間転写ベルト22に固形潤滑剤26aを塗布している。固形潤滑剤26aは、中間転写ベルト22のクリーニング性を高め、フィルミィングの発生を防止し耐久性を向上させる作用がある。
【0021】
上記各感光体21Y,21M,21C,21Kのそれぞれの表面は、画像の書き込みが行われる前に、各書込光路12Y,12M,12C,12Kの上流部位に設けられた各帯電装置16Y,16M,16C,16Kにより、約−700Vに帯電されている。本実施形態にかかる電子写真装置10の帯電装置16Y,16M,16C,16Kとしては、導電性ゴムローラが用いられている。この帯電装置16Y,16M,16C,16Kとしての各ゴムローラは、各感光体21Y,21M,21C,21Kに対して、50μmほどの距離を保って、非接触で帯電を行うように設置されている。また、各ゴムローラには、約1kHz、ピーク間電圧2kVの交流電圧が印加されており、その中心値が約−800V程度になるように設定されている。これにより、各感光体21Y,21M,21C,21Kの表面が、およそ−700Vに均一帯電される。
【0022】
尚、各感光体21Y,21M,21C,21Kの表面を帯電させる帯電手段としては、上述のような非接触で帯電を行うものに限らず、例えば、導電性のゴムローラを各感光体21Y,21M,21C,21Kに接触するように設置して帯電させる接触帯電、AC+DC帯電、ACバイアスをかけずにDCバイアスのみを約−1400V印加して各感光体を帯電するDCバイアスローラ帯電や、従来良く用いられるコロトロンやスコロトロンを用いたコロナ帯電、ブラシ帯電などの帯電手段を用いることができる。
【0023】
上述のようにして各感光体21Y,21M,21C,21Kの表面が帯電された後、各感光体21Y,21M,21C,21Kの表面に上記画像書込部12から画像の書き込みが行われる。これにより、各感光体21Y,21M,21C,21Kの表面に、イエロー,シアン,マゼンタ,黒の各色画像に対応した静電潜像が形成される。これらの静電潜像は、イエロー,シアン,マゼンタ,黒の各色用の現像装置20Y,20M,20C,20Kによって現像される。
【0024】
図3は現像装置の構成を示す断面図である。上記各現像装置20Y,20M,20C,20Kは、現像ローラ201、ドクタブレード202、2本のスクリュー203,204、トナー濃度センサ205、現像ケース206などで構成されている。ここで、現像ローラ201とスクリュー203,204との位置関係は、現像ローラ201よりもスクリュー203,204が斜め下方向に位置するようになっている。また、2本のスクリュー203,204は、それぞれ水平方向に並列に配設されている。更に、現像ケース206には、2本のスクリュー203,204の間を仕切る仕切り板206aが設けられており、この仕切り板206aによって、現像ケース206が2室に仕切られている。また、該仕切り板206aの奥側と手前側は、現像ケース206の各室内の現像剤が、2本のスクリュー203,204により循環搬送されるように切り欠かれている。
【0025】
上記現像ケース206の感光体と対面する部分には開口部206bが形成されており、この開口部206bから現像ローラ201の一部が露出するようになっている。更に、現像ローラ201、スクリュー203,204、ドクタブレード202は、図3に示すように、現像ケース206のスクリュー204の上部の空間が少し多めになるように配設されている。各現像装置20Y,20M,20C,20Kの現像ケース206には、上記各色画像に対応した静電潜像を現像するための黒,マゼンタ,イエロー,シアンの各色の現像剤が収容されている。ここでは、該現像剤として非磁性トナーと磁性キャリアとが分散混合された2成分現像剤を用いている。
【0026】
各現像装置20Y,20M,20C,20Kの現像剤は、互いに反対方向に回転する2本のスクリュー203,204により、上記仕切り板206aの奥側と手前側の切り欠きを通して、現像ケース206の各室内を常時循環するように攪拌されながら搬送される。そして、この現像剤は、循環しながら攪拌搬送するスクリュー204によって、上記現像ローラ201に向けて供給される。現像ローラ201は、磁界発生手段であるマグネットローラ201aと、このマグネットローラ201aの外周を覆うように回転自在に装着された非磁性の現像スリーブ201bとで構成されている。
【0027】
上述のようにして現像ローラ201に供給された現像剤は、マグネットローラ201aの磁力と現像スリーブ201bの回転とにより、現像スリーブ201bの表面にくみ上げられて磁気ブラシ状に保持される。現像スリーブ201bの表面に磁気ブラシ状に保持された現像剤は、現像スリーブ201bの回転に連れ回りしながら現像ケース206の開口部206bに向けて搬送される。そして、この現像剤は、開口部206bの手前で、ドクタブレード202によって穂切りされて適正な量となるように計量された後、該開口部206bから露呈する現像ローラ201の表面と感光体の表面との間の現像領域へと送られる。
【0028】
ドクタブレード202により穂切りされることによって上記現像領域への進行を阻止された現像剤は、現像スリーブ201bの表面に保持されている磁気ブラシ状の現像剤の外周に沿うようして、スクリュー204上に自重により落下して現像ケース206の循環搬送経路に戻される。この循環搬送経路に戻された現像剤は、2本のスクリュー203,204により再度攪拌搬送された後、スクリュー204によって再び現像ローラ201に供給される。
【0029】
一方、上記現像領域に送られた現像剤は、感光体上に形成された静電潜像にトナーが移行することにより該静電潜像を顕像化して、該感光体上にトナー像を形成する。つまり、上記現像スリーブ201b上には、2.25kHz、ピーク間電圧約1kVの交流電圧からなる現像バイアスが、中心値を−500Vとして印加されている。この現像バイアスにより、感光体上の露光領域(帯電電位約−150V)との電位差によって、現像スリーブ201b上に保持されている現像剤中のトナーが感光体上に形成された静電潜像に移行する。
【0030】
尚、上記静電潜像の顕像化の際に消費されなかったトナーとキャリアとからなる余剰の現像剤は、現像スリーブ201b上に保持されたままの状態で現像ケース206内に戻される。そして、現像スリーブ201bの表面のマグネットローラ201aの磁力が作用していない部分で現像スリーブ201bから離れて、スクリュー204上に自重により落下する。これにより、この余剰の現像剤は、現像ケース206の循環搬送経路に回収され、2本のスクリュー203,204により再度攪拌搬送された後、スクリュー204によって再び現像ローラ201に供給される。
【0031】
このように、上記現像剤は、2本のスクリュー203,204により攪拌搬送されることにより、現像ケース206内を循環しながら、現像スリーブ201bに対する供給と回収とが繰り返される。ここで、上記感光体上の静電潜像を顕像化するための現像工程が繰り返し実行されて現像剤中のトナー消費が進行すると、現像ケース206内に収容されている現像剤のトナー濃度が次第に低下することになる。そこで、各現像装置20Y,20M,20C,20Kにおいては、現像ケース206内に収容されている現像剤のトナー濃度をトナー濃度センサ205により検知している。そして、該トナー濃度センサ205の検知結果に基づいて、該現像ケース206内の現像剤のトナー濃度が常時一定濃度になるように、図示しないトナー補給装置により該現像ケース206内に新規の補給用トナーを適時補給するように構成されている。
【0032】
このようにして各感光体21Y,21M,21C,21K上に形成された各色のトナー像は、各感光体に対応して配置された各1次転写バイアスローラ23Y,23M,23C,23Kにより、各感光体の表面に対して接触しながら回転する中間転写ベルト22の表面上に、順次重ね合わされて1次転写される。つまり、中間転写ベルト22を挟み込むように各感光体と対向して設けられた各1次転写バイアスローラ23Y,23M,23C,23Kにより、各感光体と中間転写ベルト22との間の1次転写領域に発生させた転写電界によって、感光体上のトナー像が中間転写ベルト22上に静電的に転写される。
【0033】
上記1次転写バイアスローラ23としては、導電性のスポンジローラが一般的に用いられる。導電性を持たせる手段としては、ゴム材料にイオン導電剤を混合する方法と、カーボンなどの電子導電剤を混合する方法がある。しかし、電子導電剤を使用したローラは一般的に抵抗ムラが大きく、良好な転写を行うためには適していない。
【0034】
そこで、本例においては、イオン導電性発泡NBRゴム(ゴム硬度アスカーC・40度,抵抗値・107Ω)からなる1次転写バイアスローラに転写バイアスを印加して転写電界を発生させている。
【0035】
上記中間転写ベルト22としては、様々な材質のものを使用することが可能であるが、ここでは、耐久性に優れ、且つヤング率の高いポリイミド製のベルトや、表面平滑性に優れたPvdfベルト、もしくはポリウレタン樹脂層の上にポリウレタンゴム層を形成し、更に該ポリウレタンゴム層上にフッ素成分を含有したコート層を形成して表面に弾性層を設けた多層構造ベルトなどを使用することが好ましい。
【0036】
本発明では、中間転写体の製造方法と材料は限定するものではないが、本実施形態では材料として強度的に最も適しているポリイミド樹脂を用いた。表面抵抗率は1×1011Ω/□、体積抵抗率は1×109Ωcmであった。
【0037】
ポリイミド製中間転写ベルトの成形は一般的な方法に従ってって、カーボンブラックを分散したポリマー溶液を円筒金型に注入し、100〜200℃に加熱しつつ円筒金型を回転させて遠心成形により無端フィルム状に成膜した。このようにして得られたフィルムを半硬化した状態で脱型して鉄芯に被せ、300〜450℃でイミド化反応を進行させ硬化させて中間転写ベルトを得るようにした。このとき、カーボン量,焼成温度,硬化速度等を変更してベルトの特性を調整することができる。この方法で体積抵抗率と表面抵抗率も調整することができる。尚、体積抵抗率と表面抵抗率の測定には、三菱化学製ハイレスタ−UP(MCP−HT450)高抵抗計を用い、プローブは同社のURSプローブ(MCP−HTP14)を用いた。
【0038】
上述のようにして、各感光体21Y,21M,21C,21K上に形成された各色のトナー像が、中間転写ベルト22の表面に順次重ね合わされて1次転写されることにより、該中間転写ベルト22上に4色のトナーからなるフルカラートナー像が形成される。そして、この中間転写ベルト22上に形成されたフルカラートナー像は、上記レジストローラ17により給紙されて上記転写搬送ベルト50に坦持された転写紙P上に、2次転写バイアスローラ60により2次転写(一括転写)される。このようにしてフルカラー画像が2次転写された転写紙Pは、転写搬送ベルト50により定着装置15に搬送され、定着装置15により2次転写画像が定着された後、プリンタ本体外に排出される。この2次転写時に中間転写ベルト22上に残った残留トナーは、ベルトクリーニング装置25によって中間転写ベルト22から除去される。その後、上記画像形成部13の各色の画像形成ユニットによって次の画像形成が行われる。
【0039】
次に、上記1次転写後の感光体上に残留したトナーを除去するためのクリーニング装置30Y,30M,30C,30Kについて説明する。本実施形態のクリーニング装置としては、図3に示すように、弾性体であるポリウレタンゴムのクリーニングブレード301と、導電性を有するファーブラシ302とを併用したものが用いられている。ファーブラシ302には、金属製の電界ローラ303が接触して配設されている。また、電界ローラ303にはスクレーパ304が接触して配設されている。
【0040】
図3において、感光体上に残留したトナーは、まず、感光体の回転方向とは逆方向(カウンタ方向)に回転しているファーブラシ302によって、感光体上から掻き落される。このとき、ファーブラシ302に付着したトナーは、このファーブラシ302に対してカウンタ方向に回転している電界ローラ303に付着して取り除かれる。また、電界ローラ303に付着したトナーは、スクレーパ304により掻き落されて、クリーニングケース305内に集められる。ここで、電界ローラ303にはクリーニングバイアスが印可されており、このクリーニングバイアスによる静電気力によって、感光体上の残留トナーがファーブラシ302から電界ローラ303へと移動し、スクレーパ304により電界ローラ303から掻き落される。
【0041】
このようにしてクリーニングケース305内に集められたトナーは、回収スクリュー306により、図示しない廃トナーボトル、あるいは該クリーニング装置が搭載されている画像形成ユニットの現像装置に送られる。本実施形態のプリンタにおいては、上記回収スクリュー306によりクリーニングケース305内から回収したトナーを、対応する現像装置に戻して再利用するようにしている。
【0042】
また、上記各画像形成ユニットのクリーニング装置は、その回収スクリュー306の配設部位が、該クリーニング装置の下流側に隣接する画像形成ユニットの現像装置のスクリュー203の上側の現像ケース206の部分に対して重なるように、それぞれ配設されている。これにより、各画像形成ユニットを互いに接近させて配置することが可能になり、電子写真装置本体の小型化が可能になる。
【0043】
ところが、図2に示すような画像形成部を持つプリンタにおいては、作像する順番が早い色、例えば、イエローやシアンのトナーを用いて画像形成を行った場合、中間転写ベルト22上にイエローやシアンのトナーが転写された後、下流の画像形成ユニット、例えばマゼンタやブラックのトナー像を形成する画像形成ユニットの感光体の表面に接触することになり、この際に該感光体上に逆転写して、中間転写ベルト22上に1次転写されているトナー像の画像品質が低下する場合がある。従って、この種のプリンタにおいて画像品質の向上を図るためには、画像形成に関与しない画像形成ユニットの感光体との接触による、該感光体への中間転写ベルト22上のトナーの逆転写を回避することが重要となる。
【0044】
これまでの検討の結果、感光体から被転写体への転写工程において、逆転写は主に感光体上の非画像部に対して、被転写体上のトナーが戻ることが判明している。これは、感光体非画像部と被転写体との間で起こる放電に起因している。放電が画像部で起こりにくく非画像部で起こるのは被転写体と感光体間の電位差が非画像部の方が大きいためである。
【0045】
逆転写を解決する手段としPTLを採用することができる。図4はPTLを採用した現像装置を示す断面図である。この例では、感光体21Y,21M,21C,21Kの表面を、LEDやLD、キセノンランプ(クエンチングランプ)等の露光部材27で露光を行い、転写前に感光体の表面電位を下げる方法がある。本実施形態では露光部材27としてLEDアレイを用いた。以下、これをPTLと記載する。PTLにより感光体電位を下げることにより、感光体非画像部と被転写体との電位差が減少するため逆転写は著しく低減する。
【0046】
次に本実施例における画像調整用パターンについて説明する。画像調整用のパターンとしては例えば、濃度検知用のトナーパッチを使用できる。感光体等の像担持体上に濃度検知用トナーパッチを作成し、被転写体上に転写させてから、被転写体上でそのパッチ濃度を光学的検知手段により検知し、その検知結果に基づいてトナー濃度の調整や、現像ポテンシャルの調整(具体的には、書込パワー、帯電バイアス、現像バイアスの変更)を行う。
【0047】
図5は画像調整用パターンの詳細を示す模式図である。ここで、Py,Pm,Pc,Pkは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、黒の濃度検知用のパッチを示している。
【0048】
本例では、各パッチは縦15mm×横15mmの大きさで、5mmの間隙を介して形成される。これにより、中間転写ベルト22上の各パッチPy,Pm,Pc,Pkが占有する長さはそれぞれL2=75mmとなる。パッチPy,Pc,Pm,Pkは、画像出力時に形成される各色のトナー像とは異なり、上記中間転写ベルト22上に重なり合わずに並ぶように転写される。このような転写手順により、中間転写ベルト22上には各色の濃度検知用のパッチPy,Pm,Pc,Pkによって構成される1つのパターンブロックが形成される。
【0049】
また、このような濃度検知用パッチ検出手段としては、発光素子(発光手段)としてLEDを、受光素子(受光手段)としてPD(フォトダイオード)又はPTr(フォトトランジスタ)を組み合わせた反射型センサを使用することができ、このような反射型センサは一般的に知られている。
【0050】
図6、図7及び図8は反射型センサを示す断面図である。このような反射型センサは、図6に示すような、正反射光のみを検出するタイプ(特開2001−324840号公報)、図7に示すように、拡散反射光のみを検出するタイプ(特開平5−249787号公報、特許第3155555号公報)、図8に示すように、両者を検出するタイプ(特開2001−194843号公報)の3つのタイプがある。図6、図7、図8において、符号50A、50B、50Cは素子ホルダを、51はLEDを、52は正反射受光素子を、53は検知対象面を、54は検知対象面上のトナーパッチを、55は拡散反射受光素子をそれぞれ示している。
【0051】
尚、画像調整用のパターンは、濃度検知用トナーパッチに限らず、位置合わせ用のパターンなどを使用することができる。位置合わせ用のパターンについては例えば特許第3558620号に記載がある。尚、本例では、画像調整用パターンは、100枚画像出力ごとに1回の頻度で作成した。
【0052】
次に、トナー帯電量検知手段について説明する。現像量の推定式に関してSchein等の研究(図9参照)が有名である。ここで、高抵抗現像剤では現像によりトナーがとられたキャリアの表面に逆極性の電荷が残ると仮定している。感光体上の潜像電界と、キャリア上に生じたトナーと逆極性の電荷によって作られる電界が、現像空隙で0になるところで現像が終了するとしている。図9の式はこれらの仮定のもとに導かれている。
【0053】
トナー種・キャリア種、線速比一定の条件で、上記記載の通り画像調整用パターンで感光体上M/A一定になるよう調整を行った場合、図9の式により、トナー帯電量Tと感光体電位V0(=画像部の電位(帯電バイアスと書込パワーで決まる)と現像バイアスの差)は比例関係で近似できることがわかっている。
【0054】
従って、画像調整用パターンによりM/Aの調整(具体的には、書込パワー、帯電バイアス、現像バイアスの変更)を行う際に、同時にトナー帯電量も算出することができる。実際に、トナー帯電量と感光体電位(ベタ部M/A=0.45[mg/cm]時)を振った実験データを図10に示す。実験データも上記の理論通りになっていることがわかる。
【0055】
次に書込制御手段について説明する。まず、感光体表面電位測定手段がない場合について説明する。画像信号に応じた書込手段の露光量は図11の第4象限(実線)より見積もることができる。通常、作像したい画像信号のみから露光量を決定するが、本発明では作像したい画像信号(画像信号(A)と呼ぶ)に加え、感光体の前の周に作像された過去の画像信号(画像信号(B)と呼ぶ)の2つの画像信号から露光量を決定する制御を行っている。
【0056】
始めに、画像濃度調整時に制御に必要な比例係数kを以下の式より決定する。
k=a×|現像バイアス[V]−ベタ画像部感光体電位[V]|
(現像バイアス[V]−ベタ画像部感光体電位[V])は図10に示すように帯電量の目安となる。定数aは、帯電構成や転写構成、感光体・トナー種によって適した値が異なり、事前に各々の構成でメモリ効果を抑えるのに適したaを求める実験を行う必要がある。本実施例の構成の場合、事前の実験によりa=0.00033と設定した。
【0057】
実験室環境で起動したとき画像調整時の電位は、現像バイアス=−500V、ベタ画像部の電位=−200Vであった。従って、k=0.1と設定した。図11を用いて画像信号(A)より見積もられる露光量をα、画像信号(B)より見積もられる露光量をβとすると、実際に書込手段を用いて照射する露光量はα+0.1×βとなるよう書込制御を行った。メモリ効果を目視で認識できないレベルまで抑えることが確認できた。
【0058】
低温・低湿環境でランニング試験を行ったところ、画像調整時にベタ画像部の電位=−150V, 現像バイアス=−600Vに変化するようなプロセスコントロールが行われた。このプロセスコントロールに応じてk=0.15に設定変更した。
【0059】
α+0.15×βの式に従ってい書込制御を行った。低温・低湿でもメモリ効果は画像に現れなかった。高温・高湿化ではk=0.07と設定された。この条件でも、メモリ効果は画像に現れず、環境変動に対して安定したメモリ効果の除去が行われていることが確認できた。
【0060】
次に感光体表面電位測定手段がある場合について説明する。高画質・高生産性の画像形成装置には、感光体の表面電位センサが取り付けられているものが多い。そこで、本実施例でも、図12に示すように、表面電位センサ24を追加し、帯電手段16による帯電後の感光体表面電位を検出できる構成とした。表面電位センサがない場合には、上記のようにトナー帯電量からメモリ効果の大きさを予測しなければならなかったが、表面電位センサにより、直接メモリ効果の大きさを測定することができる。
【0061】
メモリ効果の大きさの測定手順は以下の通りである。図13及び図14はメモリ効果の測定結果を示すグラフである。ベタ画像パターン(副走査方向の長さが感光体1周より短いパターン)の書き込みを行い、書き込み直後の感光体画像部・非画像部電位差を測定する。これは図13及び図14の(b)Vaに相当する。そして、通常通り現像・転写・再帯電を行う。露光は行わずに、転写・帯電後(露光前)の感光体電位図13(b)・図14(b´)Vbを測定する。
【0062】
更に、k=Vb÷Vaにより、kを設定する。このようにkの設定を行うことにより、経時の変動にたいしても安定してメモリ効果を低減させることができる。従って、感光体の表面電位センサが取り付けられているような高スペックの画像形成装置に対しては、この制御の方が望ましい。本実施例では、画像調整用パターン同様、100枚画像出力ごとに1回の頻度でVa,Vbを測定、kを設定した。環境を変え3000枚のランニングを行ったが、メモリ効果は目視では確認できない程度に抑えられていた。尚、以上のような書込によるメモリ効果低減の手段は、もちろんPTLがない場合にも用いることができる。
【0063】
本発明によれば、転写前露光手段により転写効率が向上、特に逆転写量を著しく低減することができる。しかし、転写前露光を行った場合、図13(b)のように転写後の感光体電位がプラス側にシフトしてしまう。プラス極性の感光体電位ムラは転写後露光を仮に設けたとしても消すことができない。一般的に用いられている感光体の電子の移動速度が非常に小さいためである。従って、感光体前周の画像信号(B)が転写後の電位の凹凸として残ってしまう。これはメモリ効果と呼ばれている。
【0064】
次周の画像信号(A)の書き込み時に、前周の画像信号(B)によって作られた電位の凹凸を加味して書き込み光量を調節するよう制御を行うことにより、メモリ効果による画像ムラを低減することができる。
【0065】
また本発明によれば、反転現像方式(トナーの帯電極性が感光体の帯電極性に対して同極性の場合)の場合、図13(b)の通り、転写後の感光体電位は画像部より非画像部の電位が低くなる。この感光体前周の画像信号(B)の電位メモリの消去と次周の画像信号(A)を書き込みの2つの作業を同時に行うためには、画像信号(A)の書き込み光量に対し画像信号(B)の画像部ほど大きくなるように光量を上乗せする必要がある。正規現像方式(トナーの帯電極性が感光体の帯電極性に対して異極性の場合)の場合、帯電手段の極性と転写手段の極性が同一であるため、図14に示すように、転写後は転写前より電位が高くなる。従って、転写後露光を設ければ、メモリ効果を消すことができる。
【0066】
しかし、転写前露光手段と転写後露光の両方を装着すると、コストが高くなるばかりでなく、感光体の光疲労が起こる恐れがある。従って、正規現像方式の場合も請求項1の通り、書込手段によりメモリ効果を低減させることが望ましい。
【0067】
正規現像方式の場合、反転現像方式とは異なり、図14(b)の通り、転写後の感光体電位は画像部より非画像部の電位が高くなる。この感光体前周の画像信号(B)の電位メモリの消去と画像信号(A)を書き込みの2つの作業を同時に行うためには、画像信号(A)の書き込み光量に対し画像信号(B)の非画像部ほど大きくなるように光量を上乗せする必要がある。本発明によれば、α+k×β(k:比例係数、k>0)の式に基づいて書込手段を制御することにより、反転現像・正規現像方式のどちらの場合にも、低コストでメモリ効果を低減することができる。
【0068】
また、画像信号(B)の転写後のメモリは、トナーの帯電量が大きいほど大きくなる。前述の通り、メモリは非画像部・画像部の転写時における放電量の差によって決まり、トナーの帯電量が大きいほどその画像部での放電が少なくなるためである。従って、メモリの大きさとトナーの帯電量にはほぼ比例関係が成り立つ。本発明によれば、トナーの帯電量に応じて露光量の比例係数を決めることにより、環境等によりメモリの大きさが変化しても常に安定したメモリの低減を行うことができる。
【0069】
更に、画像形成装置では、通常被転写体上に画像調整用パターンのトナー付着量を検知するための光学センサを設置している。低温・低湿等でトナーの帯電量が上がり現像能力が落ちる場合や高温・高湿等でトナーの帯電量が下がり現像能力が上がる場合でも、帯電印加バイアス・現像バイアス・書込パワー(露光量・露光後電位)のバランスを調整することにより、ベタ付着量をほぼ一定に保つようフィードバックがかかっている。
逆にいえば、この帯電印加バイアス・現像バイアス・書込パワーより、おおよそのトナー帯電量を見積もることができる。
【0070】
本発明では、トナーの帯電量よりメモリ効果の大きさを予測する手法を用いることができる他、感光体表面電位を測定するセンサを用いることができる。これにより、本発明では、前周の帯電後の電位図5(b),6(b´)Vbを直接測定することができるため、より適切に比例係数k(=Vb/Va)を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】実施例に係る電子写真装置の全体概略構成を示す断面図
【図2】電子写真装置の画像形成部の構成を示す概略構成図である。
【図3】現像装置の構成を示す断面図である。
【図4】PTLを採用した現像装置を示す断面図である。
【図5】画像調整用パターンの詳細を示す模式図である。
【図6】反射型センサを示す断面図である。
【図7】反射型センサを示す断面図である。
【図8】反射型センサを示す断面図である。
【図9】現像量の推定式に関する式である。
【図10】トナー帯電量と感光体電位の関係を示すグラフである。
【図11】露光量と感光体表面電位の関係を示すグラフである。
【図12】実施例に係る現像装置の概略構成を示す断面図である。
【図13】メモリ効果の測定結果を示すグラフである。
【図14】メモリ効果の測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
【0072】
1 画像処理部
3 用紙供給装置
10 電子写真装置(画像形成装置)
12 画像書込部(書込手段)
12Y,12M,12C,12K 書込光路
13 画像形成部
14 給紙部
15 定着装置
16 帯電手段
16Y,16M,16C,16K 帯電装置
17 レジストローラ
20Y,20M,20C,20K 現像装置
21Y,21M,21C,21K 感光体(潜像担持体)
22 中間転写ベルト
23 1次転写バイアスローラ
23Y,23M,23C,23K 1次転写バイアスローラ
24 表面電位センサ
25 ベルトクリーニング装置
26 潤滑剤塗布装置
26a 固形潤滑剤
26b 導電性ブラシ
27 露光部材
30Y,30M,30C,30K クリーニング装置
50 転写搬送ベルト
60 2次転写バイアスローラ
201 現像ローラ
201a マグネットローラ
201b 現像スリーブ
202 ドクタブレード
203,204 スクリュー
205 トナー濃度センサ
206 現像ケース
206a 仕切り板
206b 開口部
301 クリーニングブレード
302 ファーブラシ
303 電界ローラ
304 スクレーパ
305 クリーニングケース
306 回収スクリュー



【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像を担持するための潜像担持体と、該潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、該帯電手段により帯電した該潜像担持体表面に光を照射することにより静電潜像を形成する書込手段と、書込手段を制御する書込制御手段と、該静電潜像を現像してトナー像化するための現像手段と、該潜像担持体上のトナー像を被転写体上に転写するための転写手段と、現像後で且つ転写前に該潜像担持体を露光する転写前露光手段とを有する画像形成装置において、
前記書込制御手段は、着目する所定の画像信号(A)と、当該着目した画像信号(A)から副走査方向に潜像担持体周長分下流側の画像信号(B)とからなる2つの画像信号に基づいて書込手段を制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記書込制御手段は、
前記所定の画像信号(A)から見積もられる書き込みに必要な露光量をα[J/cm]とし、
前記下流側の画像信号(B)から見積もられる書き込みに必要な露光量をβ[J/cm]としたとき、
露光量をα+k×β(k:比例係数、k>0)
として前記書込手段を制御することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記比例係数kは、トナーの帯電量に応じて変化させることを特徴とする、請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記トナーの帯電量は、帯電印加バイアス・現像バイアス・書込光量より予測することを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記現像手段の上流側に潜像担持体電位測定用センサを設置したことを特徴とする特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記潜像担持体電位測定用センサにより、副走査方向の長さが潜像担持体周長より短い画像パターンの帯電後現像前の画像部潜像担持体電位Vaと、現像・転写・再帯電後・露光前の画像部潜像担持体電位Vbと、を測定し、
前記Va画像部潜像担持体電位と前記画像部潜像担持体電位Vbの比に応じて前記比例係数kを調整することを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−101986(P2010−101986A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−271667(P2008−271667)
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】