説明

画像形成装置

【課題】 高印字比率画像や低印字比率画像を連続して多数形成した場合においても、濃度ムラ、がさつき、かぶりなどの画像不良を抑制し、常に安定した画像形成を行うことができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 現像ローラ内に現像剤を汲み上げるための電磁石を備え、得られた画像情報を元に電磁石の駆動電流値を制御する。それによって現像剤の汲み上げ量を制御し、現像剤に掛かるストレスを制御することとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、像担持体に形成された静電像をトナーとキャリアとを備える現像剤を用いて現像する静電記録方式や電子写真方式を利用した複写機やレーザービームプリンタなどの画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子写真方式の画像形成装置では、帯電・露光・現像・転写・定着・クリーニングの各画像形成プロセスによって画像形成を行う。即ち、電子写真感光体(以下「感光体」という。)の表面を均一に帯電した後、画像情報に応じた露光を行って静電像(潜像)を形成する。この静電潜像をトナーによってトナー像として現像し、このトナー像を感光体上から紙等の記録材上に転写する。トナー像を転写した後の感光体は、表面に残った転写残トナーが除去されてクリーニングされる。一方、トナー像が転写された記録材は加熱・加圧されて表面にトナー像が定着される。これによって画像形成が終了する。
【0003】
近年、電子写真方式の画像形成装置においても、オフセット印刷並みの高画質と高耐久性が要求されるようになっている。そこで、これらを実現する上で重要なことは、現像剤の劣化を抑制することが重要である。
【0004】
現像剤へのストレスは現像装置内のあらゆる箇所で与えられるが、その中でも代表的な箇所は、現像剤層形成部、より詳細には規制部材内側部であることが一般的に知られている。
【0005】
より詳細に説明すると、上述の現像剤層形成部(規制部材内側部)は、現像剤担持体表面に安定した現像剤薄層コートを形成するために現像剤溜まりを形成している。この現像剤溜まり部は、現像容器内の他の場所よりも現像剤に大きなストレスが掛かっている。よってこのような現像剤溜まり部のストレスによって、トナーを被覆している外添剤が脱離したり、外添剤がトナー母体に埋め込まれたりすることによるトナー劣化が発生してしまうことがあった。
【0006】
特に低印字率の画像形成を連続して行った場合、現像容器内のトナーが消費されにくく、上記の現像剤層形成部などで長時間に渡りストレスを受けてしまう。そのため、低印字率の画像形成を連続して行った場合トナー劣化によるがさつき、かぶりが発生してしまうことがあった。
【0007】
このように、上述の現像剤層形成部(規制部材内側部)におけるトナー劣化は、トナーが多数消費される高印字率(高デューティー)の画像形成時よりも、低印字率(低デューティー)の画像形成時の方が顕著であることが知られている。
【0008】
そこで上記問題を解決するために、特許文献1では、現像部を通過した現像剤を、現像容器内において第1の磁界発生手段と、第1の磁界発生手段と同極で下流側に位置する第2の磁界発生手段との間の磁界の小さい領域において、現像剤を搬送スクリューに落下し除去した後、搬送スクリューによって搬送されてきた現像剤を前記第2の磁界発生手段により現像剤担持体上に汲み上げ、且つ、前記第2の磁界発生手段近傍に規制ブレードを設けることによって現像剤担持体上の現像剤層の厚みを規制する、所謂、軽負荷現像器が提案されている。しかしながら、このような構成の現像器は、規制ブレードの内側に滞留する現像剤量を少なくすることで現像剤劣化を抑制することができる一方、規制ブレード内側の現像剤量が不安定になる。このため、低印字率の画像形成を行った場合におけるトナー劣化を抑制することが出来る一方、高印字率の画像形成を連続して行った場合、現像剤コートむら起因の白スジ、スクリューピッチむら等の濃度むらが発生してしまうことがあった。
【0009】
また上述の特許文献1から、低印字率画像形成用の軽圧縮現像器と、通常印字率画像形成用の現像器の2つ現像器を備えた画像形成装置において、得られた画像情報を元にそれぞれの現像器を使い分けることが考えられる。しかしながら、これは現像器を複数有するためスペースを確保することが困難であり、更にコストも掛かってしまうという問題が発生するため有用ではない。
【0010】
また特許文献2では、トナー補給量情報を元にある所定の枚数における平均印字率を算出し、算出された平均印字率がある所定値以下だった場合は現像器内のトナーが劣化していると見なされる。そして現像装置内のトナー吐き出しモードを実行することによって現像装置内のトナーを入れ替えることが提案されている。しかしながら、このようなトナー吐き出し手段は多くのトナーを入れ替える必要があるため無駄にトナー消費量が多くなってしまう。更に、トナー入れ替え動作中は通常画像形成が行えないため、ダウンタイムが発生してしまう、など種々の問題があり有用ではなかった。また現像器内の現像剤劣化を根本的に抑制するものではない。
【特許文献1】特開平11−311904号公報
【特許文献2】特開平9−34243号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで本発明の目的は、装置を大型化及びダウンタイムの発生を抑制しながら、高印字比率の画像を連続画像形しても濃度ムラを抑制するとともに、低印字比率画像を連続画像形成してもかぶりなどの画像不良を抑制可能な画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、像担持体と、磁性粒子を含む現像剤を収納する現像容器と、前記現像容器の開口部に前記像担持体と対向して設けられ、現像剤を担持する現像剤担持体と、前記現像剤担持体の内側に設けられ、少なくとも通電されることで磁界を発生する電磁石を含む磁界発生装置と、前記磁界発生装置に通電する回路と、記録材に形成する画像の画像比率が所定値よりも大きい場合に、前記現像剤担持体の表面に形成される磁界が大きくなるように前記磁界発生装置に印加するバイアスを制御することを特徴とする。
【0013】
また、上記目的は以下の画像形成装置にて達成される。像担持体と、現像剤を収納する現像容器と、前記現像容器の開口部に前記像担持体と対向して設けられ、現像剤を担持する現像剤担持体と、前記現像剤担持体の内側に設けられ、少なくとも通電されることで磁界を発生する電磁石を含む磁界発生装置と、前記磁界発生装置に通電する回路と、前記電磁石に第1のバイアスを印加することで画像形成を行う第1モードと、前記電磁石と対向する前記現像剤担持体の表面の磁界が大きくなるように前記電磁石に第1のバイアスとは異なる第2のバイアスを印加することで画像形成を行う第2モードと、をそれぞれ選択的に実行可能なコントローラと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、装置を大型化及びダウンタイムの発生を抑制しながら、高印字比率の画像を連続画像形しても濃度ムラを抑制するとともに、低印字比率画像を連続画像形成してもかぶりなどの画像不良を抑制可能な画像形成装置を提供できる。
【0015】
本発明の更なる目的、特徴的構成及び作用効果は、以下の説明から明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0017】
実施例1
先ず、本実施例の画像形成装置の全体構成及び動作について説明する。図1は本実施例の画像形成装置100の概略構成図である。画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色に対応して設けられ4つの画像形成部1Y、1M、1C、1Bkを有する電子写真方式のフルカラープリンタである。画像形成装置100は、原稿読み取り装置(図示せず)又はパーソナルコンピュータ等のホスト機器と接続可能に構成されている。そして、画像形成装置100は、原稿読み取り装置(図示せず)又はパーソナルコンピュータからの画像信号に応じて、4色フルカラー画像を記録材(記録用紙、プラスチックフィルム、布等)に形成することができる。各画像形成部1Y、1M、1C、1Bkにて像担持体としての電子写真感光体2Y、2M、2C、2Bk上に形成されたトナー像を、中間転写ベルト16上へ転写し、続いて記録材担持体8により搬送される記録材P上に転写する構成となっている。以下、詳しく説明する。
【0018】
尚、本実施例では、画像形成装置100が備える4つの画像形成部1Y、1M、1C、1Bkは、現像色が異なることを除いて実質的に同一の構成を有する。従って、以下、特に区別を要しない場合は、いずれかの画像形成部に属する要素であることを表すために符号に付した添え字Y、M、C、Bkは省略し、総括的に説明する。
【0019】
画像形成部1には、像担持体として円筒型の感光体、即ち、感光ドラム2が配設されている。感光ドラム2は、図中矢印方向に回転駆動される。
【0020】
感光ドラム2の周囲には帯電手段としての帯電ローラ3と、現像手段としての現像器4、転写手段としての一次転写ローラ5、二次転写ローラ15と、二次転写対向ローラ10と、クリーニング手段としてのクリーニング装置6が配置されている。感光ドラム2の図中上方には露光手段としてのレーザースキャナ(露光装置)7が配置されている。又、各画像形成部1の感光ドラム2と対向して中間転写ベルト16が配置されている。中間転写ベルト16は、駆動ローラ9の駆動により図中矢印方向に周回移動し、トナー画像を記録材Pとの当接部へと搬送する。続いて中間転写ベルト16から記録材Pへトナー像を転写した後、定着装置13によってトナー像が記録材Pへ熱定着される。
【0021】
例えば、4色フルカラーの画像形成時について説明すると、先ず、画像形成動作が開始すると、回転する感光ドラム2の表面が帯電ローラ3によって一様に帯電される。このとき、帯電ローラ3には、帯電バイアス電源より帯電バイアスが印加される。次いで、感光ドラム2は、露光装置7から発せられる画像信号に対応したレーザー光により露光される。これにより、感光ドラム2上に画像信号に応じた静電像(潜像)が形成される。感光ドラム2上の静電像は、現像器4内に収容されたトナーによって顕像化され、可視像となる。本実施例では、レーザー光により露光した明部電位にトナーを付着させる反転現像方式を用いる。
【0022】
現像器4により、感光ドラム2上にトナー像を形成し、中間転写ベルト16上にトナー像を一次転写する。一次転写後に感光ドラム2表面に残ったトナー(転写残トナー)は、クリーニング装置6によって除去される。
【0023】
この動作をイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックで順次行い、中間転写ベルト16上で4色のトナー像を重ね合わせる。その後、トナー像の形成タイミングに合わせて記録材収納カセット(図示せず)に収容された記録材Pが供給ローラ14、搬送材8により搬送される。そして、二次転写ローラ15に二次転写バイアスを印加することにより、中間転写ベルト16上の4色のトナー像を、搬送材8上に担持されている記録材P上に一括で二次転写する。
【0024】
次いで、記録材Pは搬送材8から分離され、定着手段としての定着装置13に搬送される。この定着装置によって、加熱、加圧されることで、記録材P上のトナーは溶融、混合されて、フルカラーの永久画像となる。その後、記録材Pは機外に排出される。
【0025】
又、二次転写部で転写しきれずに中間転写ベルト16に残留したトナーは、中間転写ベルトクリーナー18により除去される。これにより、一連の動作が終了する。
【0026】
尚、所望の画像形成部のみを用いて、所望の色の単色又は複数色の画像を形成することも可能である。
【0027】
次に、図2、図3、図4を参照して現像器4及びトナー補給装置19について説明する。本実施例では、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの現像器及びトナー補給装置4の構成は同一である。
【0028】
図2に示すように、現像器4は、現像剤を収容する現像容器30を有する。現像容器30内には、現像剤として主に非磁性トナー(トナー)と磁性キャリア(キャリア)とを備える二成分現像剤が収容されている。初期状態の現像剤中のトナー濃度は、本実施例では7重量%である。但し、この値はトナーの帯電量、キャリア粒径、画像形成装置の構成などで適正に調整されるべきものであって、必ずしもこの数値に従わなければいけないものではない。
【0029】
現像容器30は、感光ドラム2に対向した一部分が開口しており、この開口部に一部露出するようにして現像剤担持体としての現像スリーブ11が回転可能に配置されている。現像スリーブ11は非磁性材料で構成され、磁界発生手段(磁界発生装置)としての固定の磁性部材としてのマグネット12を内包する。本実施例では、マグネット12は、外周に沿って複数の磁極を有する。そして、現像動作時には、現像スリーブ11は、図中矢印方向に回転し、現像容器30内の二成分現像剤を層状に保持して、感光ドラム2と対向する現像領域に担持搬送する。現像スリーブ11上に担持された現像剤は、現像領域において穂立ちした磁気ブラシを形成する。この磁気ブラシを感光ドラム2の表面に接触させるか近接させて、感光ドラム2の表面に形成されている静電像に応じて二成分現像剤中のトナーを感光ドラム2側に供給し、その静電像を現像する。
【0030】
通常、少なくとも現像動作時には、現像スリーブ11に所定の現像バイアスが印加され、感光ドラム2と現像スリーブ11との間に形成される電界の作用により、トナーを感光ドラム2へと転移させる。又、現像スリーブ11上に担持する現像剤量を規制するために、現像領域より現像スリーブ11の回転方向上流側において、マグネット12と協働して磁界の作用によって現像剤層厚を規制する規制部材18が設けられている。
【0031】
感光ドラム2上の静電像を現像した跡の現像剤は、現像スリーブ11の回転に従って搬送され、現像容器30の、後述する現像室(第1現像剤収容室)21に回収される。
【0032】
更に、本実施例では現像剤汲み上げ部に現像スリーブ11内に通電されることで磁界を発生する磁界発生装置としての電磁石73が備わっている。ここで、現像容器内のトナーの動きについて説明する。現像スリーブ11上のトナーは、規制部材18にて層厚が規制された後、現像位置に搬送される。そして、現像に寄与した後、スリーブ11内のマグネットにより現像容器内に搬送される。そして、電磁石73は、電磁石73に現像スリーブ回転方向上流側に隣接して配置されるN極と同極の磁界を形成することで、反発磁界を形成している。この反発磁界により現像に寄与した現像剤は、現像スリーブからそぎ落とされる。一方、電磁石73と対向するに形成された磁界により、現像容器内の現像剤が汲み上げられ、電磁石73よりも現像スリー回転方向下流側に設けられたS極、N極により規制部材18と対向する位置に現像剤が搬送されるように構成されている。
【0033】
図3に示したように、電磁石はGaFeO単結晶からなる強磁性体73aと、強磁性体73aに巻いているコイル73bから構成されている。そしてコントローラであるCPUによって、電磁石に通電するための電圧印加手段としての電圧回路に掛ける印加電圧を制御可能な構成となっている。
【0034】
図4に示すように、現像容器には、隔壁25により現像室(第1現像剤収容室)に21(現像スリーブ11に近い側)と攪拌室(第2現像剤収容室)22(現像スリーブ11から遠い側)に略二分されている。現像室21、攪拌室22は、本実施例では現像スリーブ11の軸方向に沿って延在する。隔壁25は、現像容器2の内部の長手方向両端部側壁26、27までは達しておらず、これにより現像室21と攪拌室22との間で現像剤の通過を許す第1連通部23と第2連通部24とが形成されている。
【0035】
そして、現像室21、攪拌室22には、現像室21と攪拌室22との間で現像剤を循環させる循環手段が設けられている。この循環手段は、現像室21、攪拌室22の長手軸線方向に沿って、それぞれ現像剤の搬送及び攪拌を行う搬送部材として第1スクリュー13、第2スクリュー14を有する。これら第1、第2スクリュー13、14により、現像剤は、現像容器2内を循環しつつ混合及び攪拌される。本実施例の現像器4における現像剤循環の方向は、現像室21で図2の紙面奥側から手前側に向かう方向、攪拌室22で図2の紙面手前側から奥側に向かう方向である(図4中矢印D方向)。
【0036】
本実施例の現像器4では、画像形成装置本体に設けられた駆動モータとされる駆動源70からの駆動力が、駆動伝達手段としての回転軸71を介して現像スリーブ11に伝達される。又、この駆動力は、駆動伝達手段としてのギア系72a、72b、72cを介して第1、第2スクリュー13、14に伝達される。
【0037】
本実施例では、第1スクリュー13及び第2スクリュー14は、それぞれ現像室21、攪拌室22の長手軸線方向と略平行に設けられた回転軸13a、14aと、その周りに設けられたスパイラル形状の搬送部(翼部,スパイラル部材)13b、14bとを有する。本実施例では、第1、第2スクリュー13、14は共に、回転軸13a、14aの軸径が12mmであり、直径が30mmのスパイラル形状の搬送部13b、14bを30mm間隔で軸周面上に配設して成る。
【0038】
尚、本実施例では、第1、第2スクリュー13、14の夫々の現像剤搬送方向下流端部には、返し部材15、16が設けられている。
【0039】
返し部材15、16は、これら第1、第2スクリュー13、14と同軸的に、且つ、現像剤の搬送方向がそれぞれに対して逆方向(図中矢印r1、r2)となるように設けられたスクリューである。即ち、回転軸13a、14aの軸周面上にスパイラル形状の搬送部(翼部)を配設して成る第1、第2返し部材15、16を設けている。これにより、第1、第2スクリュー13、14の現像剤搬送方向下流端部において、現像剤搬送方向(図4中矢印D方向)とは逆方向に現像剤を押し戻し、第1、第2連通部23、24における現像剤の受け渡しを円滑にしている。
【0040】
上述のような現像動作によって二成分現像剤中のトナーが消費される。そして、現像容器30内の現像剤のトナー濃度が徐々に減少する。従って、図2に示したトナー補給装置19によって現像容器30にトナーが補給される。トナー補給装置19は、現像器4に補給すべきトナーを収納するトナー容器(トナー補給槽、トナー貯蔵部)50を有する。トナー容器50の図中左端には、トナー補給口51bが設けられている。又、トナー容器50には、トナー補給口51bに向けてトナーを搬送するトナー補給手段としてのトナー補給スクリュー51aが設けられている。
【0041】
一方、画像形成動作が繰返されると現像容器2内のトナーが消費され現像剤のトナー濃度が低下するため、適宜トナーを補給することでトナー濃度を所望の範囲内に制御する必要がある。
【0042】
本発明では、画像情報信号の濃度信号のビデオカウント数に基づいてトナー供給スクリュー51aの回転時間を制御する第一のトナー供給制御手段(ビデオカウント方式)を採用している。また、感光ドラム上に基準トナー像を形成し、中間転写体に転写した後、この基準トナー像の濃度信号を濃度検知手段、即ち、光学式センサ17(図1)で検知し、この濃度信号と予め記憶された初期基準信号とを比較する。そして、その比較結果に基づいて第一のトナー供給制御手段により決定されたトナー補給スクリュー51aの駆動時間を補正する第二のトナー供給制御手段(パッチ検知方式)を併用する方式を用いている。
【0043】
斯かる併用方式では、主としてビデオカウント方式によってトナー濃度が制御される。ビデオカウント方式では画像信号処理回路の出力信号のレベルが画素毎にカウントされる。このカウント数を原稿紙サイズの画素分積算されることにより、原稿1枚当たりのビデオカウント数が求まる(例えばA4サイズ、1枚最大ビデオカウント数は400dpi、256階調で3884×106)。このビデオカウント数は予想されるトナー消費量に対応しており、ビデオカウント数とトナー補給スクリュー51aの回転時間との対応関係を示す換算テーブルから適切なトナー補給スクリュー51aの回転時間が決定され、それに従ってトナーの補給が行われる。
【0044】
尚、本実施例においては、トナー補給スクリュー51aの回転時間は、予め定められた所定単位時間の整数倍の中からのみ選択される方式を用いている(単位ブロック補給)。
【0045】
つまり、本実施例の場合、1単位ブロック当りのトナー補給スクリュー51aの回転時間は0.4secに設定されており、一画像当りでのトナー補給スクリュー51aの回転時間は0.4sec、若しくは、この整数倍に限定される。図5に具体的なトナー供給の様子を示す。
【0046】
例えば、上記のビデオカウント数から換算テーブルを通して求められたトナー補給スクリュー51aの回転時間が0.52secだった場合を例に説明する。この場合、次の画像形成動作において一画像当りに供給される単位ブロック補給数は1個(トナー供給スクリュー8の回転時間は0.4sec)となり、残りの0.12sec分のトナー供給は、余り分として保存される。そして、次回以降のビデオカウント数から求められるトナー補給スクリュー51aの回転時間に加算される。このように、トナー補給スクリュー51aの回転時間を所定単位時間の整数倍のみに限定することの利点としては、1回1回のトナー補給量が安定することが挙げられる。
【0047】
ビデオカウント数から求められるトナー補給スクリュー51aの回転時間にそのまま従ってトナー補給を行うと、ビデオカウント数が小さい場合、その回転時間は非常に短くなる。回転時間が短いと、トナー補給スクリュー51aを駆動する駆動モータの立ち上がり時間、及び立下り時間の影響が大きくなり、トナー補給量が安定しないという問題がある。
【0048】
そこで、本実施例のように常に一定の回転時間とすることで、トナー補給量が安定する。
【0049】
ビデオカウント方式では予想されるトナー消費量と実際のトナー消費量の間にずれがあると、次第に現像剤濃度が適正範囲から外れていってしまうため、所定の間隔でパッチ検知方式を用いたトナー補給量の補正(以下「パッチ検知モード」という。)を行う必要がある。本実施例ではその間隔を小サイズ原稿(例えばA4縦)30枚毎に設定した。
【0050】
画像形成枚数が50枚に達し、パッチ検知モードの動作タイミングになると、感光ドラム上に一定面積を有する基準トナー像の静電潜像を形成し、これを所定の現像コントラスト電圧によって現像する。そして、この基準トナー像を中間転写体16上に転写した後、この濃度信号を中間転写体16に対向した光学的濃度検知手段である光学式センサ90で検知する。この濃度信号Vsigと予めメモリに記録されている基準信号Vrefと比較し、
Vsig−Vref<0
の場合はパッチ画像の濃度が低い、即ち、現像剤濃度が低いと判断される。そして、VrefとVsigの差分から必要なトナー補給量とそれに対応するトナー供給スクリューの回転時間が決定され、この回転時間はビデオカウント方式により決定される回転時間に上乗せされる形で補正が行われる。逆に、
Vsig−Vref≧0
の場合はパッチ画像の濃度が高い、即ち、現像剤濃度が高いと判断され、VrefとVsigの差分から不要なトナー量とそれに対応するトナー補給スクリュー51aの停止時間が決定される。そして、この停止時間はビデオカウント方式により決定される回転時間から引かれる形で補正が行われる。
【0051】
このような制御を行うことにより、トナー濃度のずれを修正することが可能となる。
【0052】
また、パッチ検知モードの検知結果からトナー供給スクリュー8の回転時間を増やす場合、即ち、単位ブロック補給数を追加する場合は、図8に示すように画像1枚当たり1ブロックのみ追加するようにしている。
【0053】
つまり、パッチ検知モードの検知結果から単位ブロック補給数を10ブロック追加する場合、これを一度に追加するのではなく、画像1枚当たり1ブロックずつ追加していき、画像10枚以上かけて追加補正が完了するようにする。このような制御を行うことにより、現像装置内のトナー濃度が急激に上昇してかぶりや飛散が発生することを抑制することができる。
【0054】
ここで、本実施例にて用いられる現像剤について説明する。上述のように、本実施例では、主に非磁性トナー(トナー)と磁性キャリア(キャリア)とを備える二成分現像剤を用いる。
【0055】
トナーは、結着樹脂、着色剤、そして、必要に応じてその他の添加剤を含む着色樹脂粒子と、コロイダルシリカ微粉末のような外添剤が外添されている着色粒子とを有している。そして、トナーは粉砕法により製造した負帯電性のポリエステル系樹脂であり、体積平均粒径は5μm以上、9μm以下が好ましい。本実施例では6.2μmであった。
【0056】
キャリアは、例えば、表面酸化或は未酸化の鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム、希土類などの金属、及びそれらの合金、或は酸化物フェライトなどが好適に使用化能であり、これらの磁性粒子の製造法は特に制限されない。そして、キャリアは、重量平均粒径が20〜50μm、好ましくは30〜40μmであり、抵抗率が107Ωcm以上、好ましくは108Ωcm以上である。本実施例では108Ωcmのものを用いた。
【0057】
尚、本実施例にて用いられるトナーについて、体積平均粒径は以下に示す装置及び方法にて測定した。測定装置としては、コールターカウンターTA−II型(コールター社製)、個数平均分布、体積平均分布を出力するためのインターフェース(日科機製)及びCX−Iパーソナルコンピュータ(キヤノン製)を使用した。電解水溶液として、一級塩化ナトリウムを用いて調製した1%NaCl水溶液を使用した。測定方法は以下に示す通りである。即ち、上記の電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1ml加え、測定試料を0.5〜50mg加える。試料を懸濁した電界水溶液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、上記のコールターカウンターTA−II型により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて2〜40μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布を求める。こうして求めた体積平均分布より、体積平均粒径を得る。
【0058】
ここで図9に上記の画像形成装置の動作工程図を示した。
a:前多回転工程
画像形成装置の始動(起動)動作期間(ウォーミング期間)である。画像形成装置のメイン電源スイッチのONにより、画像形成装置のメインモータを起動させて、所要のプロセス機器の準備動作を実行する。
b:スタンバイ
所定の始動動作期間終了後、メインモータの駆動が停止し、プリントジョブ開始信号が入力されるまで画像形成装置をスタンバイ(待機)状態に保持する。
c:前回転工程
プリントジョブ開始信号の入力に基づいて、メインモータを再駆動させて、所要のプロセス機器のプリントジョブ前動作を実行する期間である。
【0059】
より実際的は、1.画像形成装置がプリントジョブ開始信号を受信、2.フォーマッタで画像を展開(画像のデータ量やフォーマッタの処理速度により展開時間は変わる)、3.前回転工程開始、という順序になる。
【0060】
尚、前記1.の前多回転工程中にプリントジョブ開始信号が入力している場合は、前多回転工程の終了後、前記2.のスタンバイ無しに、引き続き前回転工程に移行する。
d:プリントジョブ実行
所定の前回転工程が終了すると、引き続いて前記の画像形成プロセスが実行されて、画像形成済みの記録材が出力される。
連続プリントジョブの場合は前記の画像形成プロセスが繰返されて所定枚数分の画像形成済みの記録材が順次に出力される。
e:紙間工程
連続プリントジョブの場合において、一の記録材Pの後端と次の記録材Pの先端との間隔工程であり、転写部や定着装置においては非通紙状態期間である。
f:後回転工程
1枚だけのプリントジョブの場合その画像形成済みの記録材が出力された後、あるいは連続プリントジョブの場合その連続プリントジョブの最後の画像形成済みの記録材が出力された後もメインモータを引き続き所定の時間駆動させる。これにより所要のプロセス機器のプリントジョブ後動作を実行する期間である。
g:スタンバイ
所定の後回転工程終了後、メインモータの駆動が停止し、次のプリントジョブ開始信号が入力されるまで画像形成装置をスタンバイ(待機)状態に保持する。
【0061】
上記において、d:のプリントジョブ実行時が画像形成時であり、a:の前多回転工程時、c:の前回転工程時、e:の紙間工程時、f:の後回転工程時が非画像形成時である。
【0062】
非画像形成時とは、上記の前多回転工程時、前回転工程時、紙間工程時、後回転工程時のうちの少なくとも1つの工程時、さらにはその工程時内の少なくとも所定時間である。
【0063】
前述の非画像形成時において、少なくとも感光ドラム2及び現像ローラ11が回転している間は、帯電ローラ3及び現像ローラ11に所定の電圧を印加することによって、感光ドラム2と現像ローラ11の間に所定の電位差(Vback電位)を設けることとしている。これは非画像形成時に感光ドラム及び現像ローラが回転することによってかぶり、キャリア付着が発生することを防止するためである。具体的に本実施例では、感光ドラム2の表面電位(Vd電位)を−500V、現像バイアス電圧(Vdc)を−300Vとし、Vback電位は200Vとしている。
【0064】
ここで図10に、本実施例における電磁石の駆動電流値と、現像装置48の駆動トルクの関係を示した。図10のように、電磁石の駆動電流値を上げるに従って、現像ローラに引き付けられる現像剤量が増加するため現像装置48の駆動トルクが増加していることが分かった。
【0065】
ここで本実施例における電磁石73に掛かる印加電圧の制御方法について、図11、図12を用いて詳細に説明する。
【0066】
まず、コピースタート時(S1)に、前述の原稿1枚毎におけるビデオカウント数Tから1枚毎の画像比率である画像デューティーJを算出する。(S2)そしてCPUに格納されている図12のテーブルを用いて、得られた画像デューティーJから1枚毎の電磁石に掛かる印加電圧Vfを決定する。(S3)具体的に言えば、画像デューティーJが高くなるに従って、電磁石に印加する電圧Vfを高くするように制御する。即ち、記録材に形成する画像の画像比率が所定値よりも大きい場合に、電磁石に印加するバイアスを大きくしている。こうすることで、電磁石が対向して配置されている現像スリーブ11の表面に形成される磁界が大きくし、現像スリーブに汲み上げる現像剤量を多くすることができる。
【0067】
こうして、画像デューティーJが高くなるに従って、規制部材18の現像容器内側の剤溜まり部に供給される現像剤の量を多くし、トナー消費量が多い場合でも、トナーが供給不足となることを抑制することができる。尚、本実施例でいう画像比率(印字率)とは、記録材の画像形成領域を何パーセントトナーにて埋めた状態であるかを表したものであり、ベタ画像を形成したときは印字率100%で、白ベタ画像は0%となる。
【0068】
そして電磁石73に対し所定の印加電圧を実行し(S4)、画像形成を行う。(S5)そして画像形成動作が終了させ、(S6)その後、電磁石に印加する電圧をオフにする。(S7)
ここでより詳細に説明するために、図13(a)、(b)に本実施例の連続コピー動作中における電磁石に掛かる印加電圧のタイミングチャートを示した。
【0069】
図13(a)は10%デューティー画像を連続して3枚コピーしたときにおける電磁石に掛かる印加電圧のタイミングチャートである。一方、図13(b)は、異なるデューティーの画像を3枚連続してコピーしたときにおける電磁石に掛かる印加電圧のタイミングチャートである。
【0070】
図13(a)のように、連続して同じ印字率の画像形成を行うときは、電磁石に掛かる印加電圧は一定となる。一方、図13(b)のように異なる印字率の画像形成を連続して行う場合は、紙間において電磁石に掛かる印加電圧を変更することとした。
【0071】
以上のように本実施例では、得られたビデオカウント信号を元に印字率を算出し、算出した印字率を元に現像ローラ内に設置された電磁石の駆動電流値を変えることとした。その結果、現像剤の圧縮レベルを制御することが可能となり、低印字率の画像形成を連続して行ったときにおけるがさつき、濃度低下、かぶりや、高印字率の画像形成を連続して行ったときにおける白スジ、スクリューピッチむらを抑制することが可能となった。
【0072】
尚、本実施例に拠れば、電磁石に印加するバイアスを高くすることで現像剤の圧縮レベル(規制部材裏側の現像剤の拘束量)が高くなる例を説明したがこれに限らない。例えば、電磁石のコイルの巻き方向のみを逆転させ、通電することでコイル内部の磁石からの磁界を打ち消すように構成してもよい。この場合、高印字率の画像形成時には、低印字率の画像形成時に比べて電圧回路に印加するバイアスを小さくし、コイルへの通電を小さくする。もしくは高印字率時には電圧回路に印加するバイアスをオフして、コイルの通電量を0にしてもよい。
【0073】
実施例2
次に、本発明の他の実施例について説明する。尚、本実施例の画像形成装置の基本構成及び動作は、実施例1のものと同じである。従って、同一又は相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略し、本実施例に特徴的な点を以下に説明する。
【0074】
実施例1においては、得られたビデオカウント信号を元に印字率を算出し、算出した印字率を元に現像ローラ内に設置された電磁石の駆動電流値を変更することとした。
【0075】
これに対して本実施例では、ユーザーによって予め設定された画像形成モードに応じて、電磁石73の駆動電流値を変更することとした。以下に詳細を述べる。
【0076】
一般に画像形成装置の使用状況は、ユーザーの使用目的によってそれぞれ異なる。詳しくは、主に印字率が低い画像形成(例えば文字画像形成)を行うユーザーや、逆に写真画像のような印字率の高い画像形成を行うユーザーがいる。
【0077】
そこで本実施例では、画像形成装置の操作パネル(不図示)より、「通常画像形成モード」と「写真画像形成モード」と「文字画像形成モード」の3つから、いずれかのモード選択が可能になるように構成されている。そして、ユーザーによって「写真画像形成モード」が選択された場合は、電磁石73の駆動電流値を「通常画像形成モード」よりも高くする。一方、「文字画像形成モード」が選択された場合は、電磁石73の駆動電流値を「通常画像形成モード」よりも低く設定することとした。即ち、「通常画像形成モード」は、電磁石に第1のバイアスを印加することで画像形成を行う第1モードである。一方、トナー消費量が多いと予想される「写真画像形成モード」は、電磁石に印加する磁界が大きくなるように電磁石に第1のバイアスとは異なる第2のバイアスを印加することで画像形成を行う第2モードである。コントローラであるCPUは、操作パネルから入力される入力信号に基いて、第1モードと第2モードをそれぞれ選択的に実行可能となっている。
【0078】
詳細について図7のフローチャートを用いて述べると、まず、コピー動作開始信号を受信する(S21)と、コントローラは設定されている画像形成モードを読み込む(S22)。そしてCPUに格納されている各画像形成モードにおける電磁石73の印加電圧Vfを決定する。(S23)そして、コントローラは、電磁石73に決定された電圧Vfを印加するように電圧回路を制御する。(S24)その後、画像形成を行う。(S25)そして、画像形成ジョブが終了すると画像形成動作を終了させる。(S26)その後、電磁石73に印加する電圧をオフにする。(S27)本実施例では、「通常画像形成モード」の印加電圧Vf=5.5V、「写真画像形成モード」の印加電圧Vf=6.3V、「文字画像形成モード」の印加電圧Vf=5.1V、とした。
【0079】
以上のように本実施例では、ユーザーによって予め設定された画像形成モードに応じて、電磁石73の駆動電流値を変更することとした。その結果、ユーザーの使用目的に応じて現像剤の圧縮レベルを制御することが可能となり、低印字率の画像形成を連続して行ったときにおけるがさつき、濃度低下、かぶりを低減することができる。また、高印字率の画像形成を連続して行ったときにおける白スジ、スクリューピッチむらを抑制することが可能となった。
【0080】
また、実施例1のように各モードごとに対して、印字率に基いて、電磁石に印加する電圧を変更する構成であってもよい。この場合、同一の印字率であれば、「通常画像形成モード」よりも「写真画像形成モード」の方が電磁石に印加されるバイアスは高い構成になる。
【0081】
実施例3
次に、本発明の他の実施例について説明する。尚、本実施例の画像形成装置の基本構成及び動作は、実施例1、2のものと同じである。従って、同一又は相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略し、本実施例に特徴的な点を以下に説明する。
【0082】
実施例1、2においては、現像スリーブ内の現像剤汲み上げ部に電磁石を配置することによって現像剤汲み上げ量を制御し、現像剤の圧縮レベル(規制部材裏側の現像剤の拘束量)を制御した。
【0083】
一方で本実施例では、規制部材18近傍に電磁石を配置することによって規制部材内側の現像剤圧縮レベルを制御することとした。詳細を以下に述べる。
【0084】
本実施例における現像装置の構成を図6に示した。構成の概略については実施例1で説明した現像器と同様だが、本実施例では電磁石73が規制部材18近傍に配置されている。本実施例の構成では、現像スリーブ11の表面のうち現像剤を汲み上げる汲み上げ位置の内部に、充分汲み上げ量が確保できる磁力を有する磁性部剤を設けている。(隣接して配置されたN極のうち現像スリーブ回転方向下流側のN極)従って、現像剤の汲み上げ量は充分確保されている。そして、規制部材18近傍に配置された電磁石からの磁界の強さを変更することで、規制部材18近傍に拘束できる現像剤の量と剤圧を変更可能となっている。具体的には、高印字率の場合に、電磁石からの磁界の強さを強めることで、規制部材18近傍に拘束できる現像剤の量が多くなるようにしている。一方、低印字率の場合は、現像剤量は高印字率の場合ほど必要ではないので、電磁石からの磁界の強さを弱めることで、規制部材18近傍に拘束された現像剤の剤圧縮を軽減し、剤劣化を抑制している。
【0085】
電磁石73に掛かる印加電圧の制御方法については実施例1と同様であるので割愛する。
【0086】
以上のように本実施例では、得られたビデオカウント信号を元に印字率を算出し、算出した印字率を元に現像ローラ内に設置された電磁石の駆動電流値を変えることとした。その結果、現像剤の圧縮レベルを制御することが可能となり、低印字率の画像形成を連続して行ったときにおけるがさつき、濃度低下や、高印字率の画像形成を連続して行ったときにおける白スジ、スクリュームラを抑制することが可能となった。
【0087】
以上、本実施例では、主に非磁性トナー(トナー)と磁性キャリア(キャリア)とを備える二成分現像剤を用いた画像形成装置を例に説明したが、これに限らない。例えば、磁性トナーを有する1成分現像剤を用いた画像形成装置にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の実施例1〜3が適用し得る画像形成装置の一例の概略構成図である。
【図2】本発明の実施例1、2で適用される現像器及びトナー補給装置を説明するための説明図である。
【図3】本発明の一実施例が適用される電磁石を説明するための図である。
【図4】本発明の一実施例が適用される現像器を説明するための説明図である。
【図5】本発明に従った単位ブロック補給の様子を説明する図である。
【図6】本発明の実施例3で適用される現像器及びトナー補給装置を説明するための説明図である。
【図7】実施例2における画像形成動作を行うフロー説明するための図である。
【図8】基準トナー像の濃度信号が所定値以下の場合と所定値よりも大きい場合で、単位ブロック補給数の追加の仕方が異なることを説明する図である。
【図9】本発明における画像形成装置の動作工程を説明するための図である。
【図10】本発明の一実施例が適用される電磁石の駆動電流値と現像装置の駆動トルクの関係を説明するための図である。
【図11】実施例1、3における画像形成動作を行うフロー説明するための図である。
【図12】実施例1における画像デューティーに応じて印加電圧を決定するためのテーブルを説明するための図である。
【図13】本実施例における連続画像形成動作中の電磁石の印加電圧を説明するための図である。
【符号の説明】
【0089】
1 画像形成部
3 帯電ローラ
2 感光ドラム
4 現像装置
17 画像濃度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体と、磁性粒子を含む現像剤を収納する現像容器と、前記現像容器の開口部に前記像担持体と対向して設けられ、現像剤を担持する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に現像剤を拘束すべく、前記現像剤担持体表面のうち前記現像容器内に設けられた領域に対向するように前記現像剤担持体の内側に設けられ、通電されることで磁界を発生する電磁石を少なくとも含む磁界発生装置と、前記磁界発生装置に電圧を印加する電圧印加手段と、記録材に形成する画像の画像比率が大きい場合の方が前記画像比率が小さい場合に比べて前記電磁石と対向する現像剤担持体の表面に形成される磁界が大きくなるように前記電圧印加手段を制御するコントローラと、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記コントローラは、記録材に形成する画像の画像比率が大きい場合の方が前記画像比率が小さい場合に比べて前記電磁石に印加するバイアスが大きくなるように前記電圧印加手段を制御することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記現像剤担持体に担持される現像剤の層厚を規制する規制部材を有し、前記電磁石は前記規制部材と対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記磁界発生装置は、磁性部材を有し、前記電磁石は前記磁性部材よりも前記現像剤担持体の回転方向下流側で前記磁性部材と隣接され、通電されることで前記磁性部材と同極の磁界を形成することを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
像担持体と、磁性粒子を含む現像剤を収納する現像容器と、前記現像容器の開口部に前記像担持体と対向して設けられ、現像剤を担持する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に現像剤を拘束すべく、前記現像剤担持体表面のうち前記現像容器内に設けられた領域に対向するように前記現像剤担持体の内側に設けられ、通電されることで磁界を発生する電磁石を少なくとも含む磁界発生装置と、前記磁界発生装置に通電する回路と、前記電磁石に第1のバイアスを印加することで画像形成を行う第1モードと、前記電磁石に第1のバイアスよりも大きい第2のバイアスを印加することで前記第1モードよりも画像比率が高い画像用の画像形成を行う第2モードと、をそれぞれ選択的に実行可能なコントローラと、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記第1モードは、文字画像用の画像形成を行うモードであり、前記第2モードは、写真画像用の画像形成を行うモードであることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記現像剤担持体に担持される現像剤の層厚を規制する規制部材を有し、前記電磁石は前記規制部材と対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項5または6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記磁界発生装置は、磁性部材を有し、前記電磁石は前記磁性部材よりも前記現像剤担持体の回転方向下流側で前記磁性部材と隣接され、通電されることで前記磁性部材と同極の磁界を形成することを特徴とする請求項5乃至7いずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記コントローラは、記録材に形成する画像の画像比率が大きい場合の方が前記画像比率が小さい場合に比べて前記電磁石と対向する現像剤担持体の表面に形成される磁界が大きくなるように前記電圧印加手段を制御することを特徴とする請求項5乃至8いずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2010−156864(P2010−156864A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−335472(P2008−335472)
【出願日】平成20年12月27日(2008.12.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】