説明

画像形成装置

【課題】 トナー画像を保持した像担持体と転写ローラとの間に記録媒体を導き、転写ローラにより像担持体に保持されたトナー画像を記録媒体に転写させるにあたり、転写ローラに温度むらが生じるのを抑制して、濃度むら等のない良好な画像が安定して得られるようにする。
【解決手段】 トナー画像を保持した像担持体2と転写ローラ20との間に記録媒体Sを導き、転写ローラにより像担持体に保持されたトナー画像を記録媒体に転写させる画像形成装置において、上記の転写ローラとして、回転軸21の外周に複数の層22〜24が積層され、最表面層に熱伝導率が他の層よりも高い熱伝導層24が形成されたものを用いた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ及びこれらの複合機などの画像形成装置、またこのような画像形成装置において像担持体に保持されたトナー画像を記録媒体に転写させる転写ローラに係り、特に、像担持体に保持されたトナー画像と転写ローラとの間に記録媒体を導き、転写ローラにより像担持体に保持されたトナー画像を記録媒体に転写させる際に、転写ローラ全体の温度を均一化させて、像担持体に保持されたトナー画像が記録媒体に適切に転写されるようにした点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンタ、ファクシミリ及びこれらの複合機などの画像形成装置として、感光体等の像担持体に保持されたトナー画像と転写ローラとの間に記録媒体を導き、像担持体に保持されたトナー画像を転写ローラにより記録媒体に転写させ、このように転写されたトナー画像を加熱定着装置により記録媒体に定着させるようにしたものが多く用いられている。
【0003】
また、上記のように像担持体に保持されたトナー画像を転写ローラにより記録媒体に転写させるにあたっては、一般に、転写ローラに転写バイアス電圧を印加させ、像担持体からトナーをこの転写ローラに電気的に吸引させて、像担持体に保持されたトナー画像を転写ローラとの間に導かれた記録媒体に転写させるようにしている。
【0004】
そして、このように転写ローラに転写バイアス電圧を印加させて、像担持体に保持されたトナー画像を記録媒体に転写させるにあたり、特許文献1においては、湿度の変化によって転写ローラの抵抗が変動するのを抑制するため、回転軸の外周に設ける弾性層として、導電層と湿度遮断層を順次積層させた転写ローラを用いることが提案されている。
【0005】
また、特許文献2においては、転写時に転写ローラがトナーで汚染されるのを防止して、かつ用紙剥離性がよく、抵抗の変化が少ない転写ローラとして、回転軸の外周に、導電性発泡層からなる下地層と、その外側を厚みが0.1〜1.0mmの弾性層で被覆したものが提案されている。
【0006】
さらに、特許文献3においては、トナーや紙粉のクリーニング性と耐久性を高めた転写ローラとして、回転軸の外周に弾性層と、弾性層の上に微粒子を含有した表面層とを積層させ、弾性層が所定の硬度を有すると共に、表面層が所定の動摩擦係数を有するようにしたものが提案されている。
【0007】
しかし、上記の特許文献1〜3に示される転写ローラを用いて、像担持体に保持されたトナー画像を記録媒体に転写させるようにした場合においても、例えば、上記のように加熱定着装置により記録媒体に転写されたトナー画像を定着させた後、この記録媒体を再度、像担持体に保持されたトナー画像と転写ローラとの間に導いて、トナー画像が定着された記録媒体の面と反対側の面にトナー画像を転写させるようにした場合、トナー画像が定着された記録媒体からの熱によって、この転写ローラに温度のむらが生じ、これにより転写ローラの電気抵抗にもむらが生じた。
【0008】
このため、このような転写ローラに転写バイアス電圧を印加させて、像担持体に保持されたトナー画像を記録媒体に転写させた場合、記録媒体へのトナー画像の転写にむらが生じ、形成される画像に濃度むら等のノイズが発生するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−172096号公報
【特許文献2】特開2000−181251号公報
【特許文献3】特開2001−100549号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、像担持体に保持されたトナー画像と転写ローラとの間に記録媒体を導き、転写ローラにより像担持体に保持されたトナー画像を記録媒体に転写させるようにした画像形成装置における上記のような問題を解決することを課題とするものである。
【0011】
すなわち、本発明においては、上記の画像形成装置において、トナー画像を保持した像担持体と転写ローラとの間に記録媒体を導き、転写ローラにより像担持体に保持されたトナー画像を記録媒体に転写させるにあたり、上記の転写ローラに温度むらが生じるのを抑制して、転写ローラ全体の温度を均一化させ、像担持体に保持されたトナー画像を記録媒体に転写させる際に、転写むらが発生するのを防止して、濃度むら等のない良好な画像が安定して得られるようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明においては、上記のような課題を解決するため、像担持体に保持されたトナー画像を記録媒体に転写させる転写ローラにおいて、回転軸の外周に複数の層を積層させるにあたり、最表面層に熱伝導率が他の層よりも高い熱伝導層を形成した。
【0013】
また、この転写ローラにおいては、記録媒体を像担持体に適切に接触させて、像担持体に保持されたトナー画像を記録媒体に適切に転写させるため、上記の熱伝導層の下に少なくとも弾性層を設けることが好ましい。
【0014】
また、本発明の画像形成装置においては、トナー画像を保持した像担持体と転写ローラとの間に記録媒体を導き、転写ローラに転写バイアス電圧を印加させて、像担持体に保持されたトナー画像を記録媒体に転写させるあたり、上記の転写ローラを用いるようにした。
【0015】
そして、この画像形成装置に上記の転写ローラを用いるにあたっては、特に、加熱定着装置によりトナー画像が定着された記録媒体の表裏を反転させて、この記録媒体を、トナー画像を保持した像担持体と転写ローラとの間に導き、トナー画像が定着された記録媒体の面と反対側の面にトナー画像を転写させる両面画像形成機構を備えた画像形成装置に用いることが有効である。
【発明の効果】
【0016】
本発明においては、像担持体に保持されたトナー画像を記録媒体に転写させる転写ローラに、回転軸の外周に複数の層が積層されて最表面層に熱伝導率が他の層よりも高い熱伝導層が形成されたものを用いたため、この転写ローラの表面における熱が上記の熱伝導層を通して転写ローラの表面全体に広がり、転写ローラ全体の温度が均一化されるようになる。
【0017】
そして、本発明の画像形成装置においては、上記の転写ローラを用いるようにしたため、この転写ローラとトナー画像が保持された像担持体との間に記録媒体を導き、この転写ローラに転写バイアス電圧を印加させて、像担持体に保持されたトナー画像を記録媒体に転写させるにあたり、この転写ローラの表面の各部における加熱条件が異なったとしても、上記のように熱が熱伝導層を通して転写ローラの表面全体に広がり、転写ローラ全体の温度が均一化され、転写ローラの電気抵抗にむらが生じるのが防止されるようになる。
【0018】
この結果、上記のように転写ローラに転写バイアス電圧を印加させて、像担持体に保持されたトナー画像を記録媒体に転写させる際に、転写むらが発生するのが防止され、濃度むら等のない良好な画像が安定して得られるようになる。
【0019】
特に、加熱定着装置によりトナー画像が定着された記録媒体の表裏を反転させて、この記録媒体を、トナー画像を保持した像担持体と転写ローラとの間に導いて、トナー画像が定着された記録媒体の面と反対側の面にトナー画像を転写させる両面画像形成機構を備えた画像形成装置においては、トナー画像が加熱定着された部分と白紙部分との温度差や、トナー画像が定着された記録媒体の通紙方向や大きさが異なる等により、転写ローラの表面の各部における加熱条件が異なったとしても、上記のように熱が熱伝導層を通して転写ローラの表面全体に広がって、転写ローラ全体の温度が均一化されるようになり、上記のように転写むらが発生するのが防止され、濃度むら等のない良好な両面の画像形成が安定して行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、画像形成を行う状態を示した概略説明図である。
【図2】上記の実施形態に係る画像形成装置において、中間転写ベルトに形成されたトナー画像を転写ローラにより記録媒体に転写させる状態を示した部分説明図である。
【図3】上記の実施形態に係る画像形成装置において使用した転写ローラの概略説明図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る画像形成装置において、感光体に形成されたトナー像を転写ローラにより記録媒体に転写させる状態を示した部分説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、本発明の実施形態に係る画像形成装置及び転写ローラを添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明に係る画像形成装置及び転写ローラは、下記の実施形態に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
【0022】
この実施形態の画像形成装置においては、図1に示すように、その装置本体1内に、4つのイメージングカートリッジ10A〜10Dを装着させるようにしている。
【0023】
ここで、上記の各イメージングカートリッジ10A〜10Dにおいては、回転するドラム状の感光体11と、この感光体11の表面を帯電させる帯電装置12と、帯電された感光体11の表面に画像情報に応じた露光を行って感光体11の表面に静電潜像を形成する露光装置13と、上記の感光体11の表面に形成された静電潜像にトナーを供給してトナー画像を形成する現像装置14と、上記の感光体11の表面に形成されたトナー画像を中間転写ベルト2に転写させた後における感光体11の表面に残留するトナー等の残留物を除去する第1クリーニング装置15を設けている。
【0024】
そして、この実施形態に係る画像形成装置において、フルカラーの画像形成を行うにあたっては、上記の各イメージングカートリッジ10A〜10Dにおける各現像装置14に、黒色,黄色,マゼンダ色,シアン色の異なった色彩のトナーを収容させ、各イメージングカートリッジ10A〜10Dにおいて、各感光体11の表面にそれぞれの色彩のトナー画像を形成するようにしている。
【0025】
次いで、このように各イメージングカートリッジ10A〜10Dにおける各感光体11の表面に形成された各色彩のトナー画像を、回転ローラ2aに架け渡されて回転移動される中間転写ベルト2の表面に、各感光体11と対向するようにしてこの中間転写ベルト2の背面側に設けられた各一次転写ローラ2bにより順々に転写させて、この中間転写ベルト2の表面にフルカラーのトナー画像を形成するようにしている。
【0026】
そして、このように中間転写ベルト2の表面に形成されたフルカラーのトナー画像を、上記の回転ローラ2aにより転写ローラ20と対向する転写部に導くと共に、記録媒体Sを給紙ローラ3により給紙し、この記録媒体Sをタイミングローラ4によって適当なタイミングで上記の中間転写ベルト2と転写ローラ20とが対向する転写部に導き、図1及び図2に示すように、上記の転写ローラ20に転写バイアス電源30から転写バイアス電圧を印加させて、中間転写ベルト2に形成されたフルカラーのトナー画像を転写ローラ20により記録媒体Sに転写させるようにしている。
【0027】
次いで、このようにフルカラーのトナー画像が転写された記録媒体Sを一対の定着ローラ5aを用いた加熱定着装置5に導き、この一対の定着ローラ5a間において、上記のフルカラーのトナー画像を記録媒体Sに加熱定着させて、記録媒体Sの片面にフルカラーのトナー画像を形成した後、この記録媒体Sを排紙ローラ6により排紙させるようにしている。
【0028】
一方、上記のようにフルカラーのトナー画像を記録媒体Sに転写させた後の中間転写ベルト2の表面に残ったトナー等の残留物を第2クリーニング装置7によって中間転写ベルト21から除去するようにしている。
【0029】
また、この実施形態の画像形成装置においては、上記のように記録媒体Sの片面にフルカラーのトナー画像を加熱定着させてフルカラーのトナー画像を形成した後、この記録媒体Sの反対側の面にもフルカラーのトナー画像を形成して、記録媒体Sの両面にフルカラーのトナー画像を形成させるため、両面画像形成機構として、上記のように片面にフルカラーのトナー画像が加熱定着された記録媒体Sの表裏を反転させて、この記録媒体Sを上記の中間転写ベルト2と転写ローラ20とが対向する転写部に導く複数対の戻しローラ31a〜31cを設けている。
【0030】
そして、上記の各戻しローラ31a〜31cにより、片面にフルカラーのトナー画像が加熱定着された記録媒体Sの表裏を反転させて、この記録媒体Sを上記の中間転写ベルト2と転写ローラ20とが対向する転写部に導き、上記の場合と同様に、転写ローラ20に転写バイアス電源30から転写バイアス電圧を印加させて、中間転写ベルト2に形成されたフルカラーのトナー画像を、すでにフルカラーのトナー画像が形成された記録媒体Sの面と反対側の面に転写させるようにしている。
【0031】
また、このように記録媒体Sの反対側の面にフルカラーのトナー画像を転写させた後は、上記の場合と同様に、加熱定着装置5により、記録媒体Sの反対側の面に転写されたフルカラーのトナー画像を定着させて、記録媒体Sの両面にフルカラーのトナー画像を形成するようにしている。
【0032】
ここで、この実施形態においては、上記の転写ローラ20として、図2及び図3に示すように、回転軸21の外周に、発泡層22と弾性層23と熱伝導率が発泡層22及び弾性層23よりも高い熱伝導層24とを順番に積層させたものを用いるようにしている。
【0033】
そして、このように最表面層に熱伝導率の高い熱伝導層24が設けられた転写ローラ20を用いると、上記のように片面にフルカラーのトナー画像が加熱定着された記録媒体Sの表裏を反転させて、この記録媒体Sを中間転写ベルト2と転写ローラ20とが対向する転写部に導いて転写を行う場合に、トナー画像が加熱定着された部分と白紙部分との温度差や、トナー画像が定着された記録媒体Sの通紙方向や大きさが異なる等により、転写ローラ20の表面の各部における加熱条件が異なったとしても、最表面層における熱伝導率の高い熱伝導層24により熱が転写ローラ20の表面全体に広がり、転写ローラ20全体の温度が均一化される。
【0034】
このため、この転写ローラ20に各部において電気抵抗のむらが生じるのが防止され、上記のように転写ローラ20に転写バイアス電源30から転写バイアス電圧を印加させて、中間転写ベルト2に形成されたフルカラーのトナー画像を記録媒体Sに転写させる際に、転写むらが発生するのが防止され、濃度むら等のない良好な画像が得られるようになる。
【0035】
ここで、上記の転写ローラ20に設ける上記の発泡層22の材料としては、例えば、ウレタン系ゴム、NBR、シリコン系ゴム、フッ素ゴム等の各種のゴム系材料に発泡剤を配合させて発泡させたものを用いることができ、またその体積抵抗率が10〜10Ωcm程度のものを用いることができる。
【0036】
また、上記の転写ローラ20に設ける上記の弾性層23の材料としては、例えば、ウレタン系ゴム、NBR、シリコン系ゴム、フッ素ゴム等の各種のゴム系材料を用いることができ、またその体積抵抗率が、上記の発泡層22の場合と同程度の10〜10Ωcm程度のものを用いることができる。
【0037】
また、上記の転写ローラ20に設ける上記の熱伝導率の高い熱伝導層24の材料としては、例えば、有機金属化合物や有機化合物や無機化合物等の熱伝導率の高い材料を用いることができ、好ましくは、熱伝導率が1.0W/mK以上のものを用いるようにする。
【0038】
ここで、上記の熱伝導層24に用いる無機化合物としては、例えば、シラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトラt−ブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、(3.3.3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(エチルアミノ)ジメチルシラン、N.O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド、ジエチルアミノトリメチルシラン、ジメチルアミノジメチルシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、ヘプタメチルジシラザン、ノナメチルトリシラザン、オクタメテルシクロテトラシラザン、テトラキスジメチルアミノシラン、テトライソシアナートシラン、テトラメチルジシラザン、トリス(ジメチルアミノ)シラン、トリエトキシフルオロシラン、アリルジメチルシラン、アリルトリメチルシラン、ベンジルトリメチルシラン、ビス(トリメチルシリル)アセチレン、1.4−ビストリメチルシリル−1.3−ブタジイン、ジ−t一ブチルシラン、1.3−ジシラブタン、ビス(トリメチルシリル)メタン、シクロペンタジエニルトリメチルシラン、フェニルジメチルシラン、フエニルトリメチルシラン、プロパルギルトリメチルシラン、テトラメチルシラン、トリメチルシリルアセチレン、1−(トリメチルシリル)−1−プロピン、トリス(トリメチルシリル)メタン、トリス(トリメチルシリル)シラン、ビニルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、オクタメテルシクロテトラシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロテトラシロキサン、Mシリケート51などのケイ素化合物が挙げられるが、特にこれらに限定されない。また、これらの原料は、単独で用いても良いが、2種以上の成分を混合して使用するようにしても良い。
【0039】
また、上記のような材料を用いて熱伝導層24を形成するにあたっては、各種のCVD法などを用いることができる。
【0040】
また、上記の転写ローラ20において、回転軸21の外周に設ける発泡層22と弾性層23と熱伝導率の高い熱伝導層24との厚みについては、記録媒体Sを中間転写ベルト2に適切に接触させて、中間転写ベルト2に形成されたトナー画像を記録媒体Sに適切に転写させるようにすると共に、上記の熱伝導層24に割れが生じるのを防止するため、熱伝導層24の厚みを、発泡層22や弾性層23の厚みよりも薄くし、好ましくは、層の厚みが、発泡層22、弾性層23、熱伝導層24の順に薄くなるようにする。
【0041】
なお、この実施形態の画像形成装置においては、中間転写ベルト2に形成されたトナー画像を記録媒体Sに転写させるのに、上記のような転写ローラ20を用いるようにしたが、このような転写ローラ20を用いる画像形成装置はこのようなものに限定されない。
【0042】
例えば、図3に示すように、感光体11に形成されたトナー像を記録媒体Sに直接転写させるようにした画像形成装置においても、上記の転写ローラ20に転写バイアス電源30から転写バイアス電圧を印加させて、感光体11に形成されたトナー像を記録媒体Sに転写させるようにすることも可能である。
【0043】
そして、このような画像形成装置の場合においても、上記のように記録媒体Sの両面にトナー画像を形成する際に、転写ローラ20の表面の各部における加熱条件が異なったとしても、最表面層における熱伝導率の高い熱伝導層24により熱が転写ローラ20の表面全体に広がり、転写ローラ20に電気抵抗のむらが生じるのが防止され、濃度むら等のない良好な画像が得られるようになる。
【符号の説明】
【0044】
1 装置本体
2 中間転写ベルト(像担持体)
2a 回転ローラ
2b 一次転写ローラ
3 給紙ローラ
4 タイミングローラ
5 定着ローラ
6 排紙ローラ
7 第2クリーニング装置
10A〜10D イメージングカートリッジ
11 感光体(像担持体)
12 帯電装置
13 露光装置
14 現像装置
15 第1クリーニング装置
20 転写ローラ
21 回転軸
22 発泡層
23 弾性層
24 熱伝導層
30 転写バイアス電源
31a〜31c 戻しローラ(両面画像形成機構)
S 記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体に保持されたトナー画像を記録媒体に転写させる転写ローラにおいて、回転軸の外周に複数の層が積層されてなり、最表面層として熱伝導率が他の層よりも高い熱伝導層が形成されてなることを特徴とする転写ローラ。
【請求項2】
請求項1に記載の転写ローラにおいて、上記の熱伝導層の下に少なくとも弾性層が設けられていることを特徴とする転写ローラ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の転写ローラにおいて、上記の熱伝導層における熱伝導率が1.0W/mK以上であることを特徴とする転写ローラ。
【請求項4】
トナー画像を保持した像担持体と転写ローラとの間に記録媒体を導き、転写ローラに転写バイアス電圧を印加させて、像担持体に保持されたトナー画像を記録媒体に転写させる画像形成装置において、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載した転写ローラを用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置において、加熱定着装置によりトナー画像が定着された記録媒体の表裏を反転させて、この記録媒体を、トナー画像を保持した像担持体と転写ローラとの間に導き、トナー画像が定着された記録媒体の面と反対側の面にトナー画像を転写させる両面画像形成機構を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−210721(P2010−210721A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−54409(P2009−54409)
【出願日】平成21年3月9日(2009.3.9)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】