説明

画像形成装置

【課題】
可搬型記憶媒体が装着されることで、画像形成装置における標準の表示画面をユーザが既知の表示画面に変更して表示し、ユーザによる操作性を高めることが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】
画像形成にかかる装置の設定データと実行されることで設定データを装置に適用させる設定プログラムとを記憶した可搬型記憶媒体を着脱可能に装着させる装着部と、装着部に装着された可搬型記憶媒体から設定データと設定プログラムとを読込む読込部と、読込部により読込まれた設定プログラムを実行することで設定データを装置に適用させる設定部と、を備えることを特徴画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可搬型記憶媒体に記録されたデータを印刷可能な画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
USB(Universal Serial Bus)メモリやメモリカード等の可搬型記憶媒体をプリンタなどの画像形成装置に接続して、可搬型記憶媒体に記録されたデータに基づく画像を直接印刷する、いわゆるダイレクトプリントと呼ばれる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2007−329661号公報
【0004】
上記のダイレクトプリント機能を搭載した画像形成装置によれば、ホストコンピュータのような情報処理装置を介することなく可搬型記憶媒体に記録されたデータに基づく画像を直接印刷することができるので、例えば、遠隔地に設置された画像形成装置で印刷を行う場合、ユーザは可搬型記憶媒体のみを携帯すればよく、利便性が高いといった利点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、実際に印刷を行う場合に、操作する画像形成装置の操作パネル上に表示される各設定項目や、選択項目の配置や名称については、機種によって異なるのが通常である。したがって、当該画像形成装置の操作方法を知らないユーザは、まず操作方法を学習しなければならないといった煩わしさがあり、必ずしもユーザの要求を満足できるものではなかった。
【0006】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、可搬型記憶媒体が装着されることで、画像形成装置における標準の操表示画面をユーザが既知の表示画面に変更して表示し、ユーザによる操作性を高めることが可能な画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明にかかる画像形成装置は、画像形成にかかる装置の設定データと実行されることで設定データを装置に適用させる設定プログラムとを記憶した可搬型記憶媒体を着脱可能に装着させる装着部と、装着部に装着された可搬型記憶媒体から設定データと設定プログラムとを読込む読込部と、読込部により読込まれた設定プログラムを実行することで設定データを装置に適用させる設定部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の画像形成装置によれば、可搬型記憶媒体が装着されることで、画像形成装置における標準の操作パネル画面がユーザが既知の操作パネル画面に変更されて表示されるため、ユーザによる画像形成装置の操作性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨に逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0010】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態にかかる画像形成装置としてのプリンタ100、及びプリンタ100に装着される可搬型記憶媒体としてのUSBメモリ200の概略構成を説明する機能ブロック図である。プリンタ100は、USBメモリ200に記憶されたファイル201に基づく画像を用紙等の記録媒体に印刷することが可能な画像形成装置である。また、USBメモリ200は、図示せぬUSBコネクタを備え、プリンタ100に対して着脱自在な可搬型記憶媒体である。
【0011】
プリンタ100は、プリンタ100内部の各構成部に対しての指示命令を司るCPU(Central Processing Unit)101と、USBメモリ200との接続を検知する装着部としてのUSB I/F102と、ファイル処理部1031及びUI(User Interface)処理部1032を有する読込部及び設定部としてのリソース管理部103と、プログラム用の記憶領域1041、UIテンプレート格納領域1042、及び、設定項目情報格納領域1043を有する記憶領域104と、ユーザによる入力を受付ける操作部105と、ユーザに対してプリンタ100のステータスや設定項目の入力画面等を表示する表示部106と、プログラム203によって所定のファイル形式に変換されたファイルデータをプリンタ100が解釈可能な印刷データに変換するとともに、当該印刷データを管理するジョブ管理部107と、ジョブ管理部107により変換された印刷データを記録媒体に印刷する印刷部108と、を備える。
【0012】
CPU101は、プリンタ100内部のファームウェア制御を中心として機能し、プリンタ100を構成するハードウェア全体を制御する。
【0013】
USB I/F102は、USBメモリ102の着脱を検知し、当該検知情報をリソース管理部103のファイル処理部1031又はUI処理部1032に通知する。
【0014】
リソース管理部103のファイル処理部1031は、USBメモリ200内に記憶されたファイル201やプログラム203等に対して処理を実行する。また、リソース管理部103のUI処理部1032は、プログラム203が生成した画面構成情報とファイル201とから表示部106に表示させる表示画面を構成する。
【0015】
記憶領域104は、プログラム203の実行にかかる情報等を一時的に格納するプログラム用の格納領域1401と、UIコントロールテンプレートを格納するUIテンプレート格納領域1402と、プリンタ100における印刷設定情報等を格納する設定項目情報格納領域1403と、を備える。この記憶領域104には、特には限定はされないが、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶媒体や、あるいはROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等の不揮発性記憶媒体を使用することができる。
【0016】
ここで、UIコントロールテンプレートについて説明する。図2に示すように、UIコントロールテンプレートは、表示部106に表示される表示画面のテンプレート画面である。UIコントロールテンプレートには、それぞれ対応するIDが付されており、UIコントロールテンプレートとIDとが関連付けられたテーブル情報としてUIコントロールテンプレート格納領域1402に格納されている。なお、図2においては、説明のために上記テーブル情報は図示化されているが、本来は2値化データとしてUIテンプレート格納領域1402に格納されている。
【0017】
操作部105は、例えば、タッチパネル等の入力手段を備え、ユーザからの印刷命令の入力や、設定項目等の変更等の入力を受付ける。表示部106は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)パネル等の出力手段を備え、プリンタ100のステータス、設定項目の入力画面、又は、UI処理部1032が構成した表示画面等を表示する。なお、本実施形態の説明においては、操作部105と表示部106とを別構成として説明したが、これに限定されず、操作部105と表示部106とを単一の構成とし、例えば、LCDパネルに表示内容を表示させるとともに、LCDパネルに表示させたタッチパネルを介してユーザによる入力を受付ける形態としてもかまわない。
【0018】
ジョブ管理部107は、プログラム203により所定のファイル形式に変換されたファイルデータを解釈するとともに、ラスタライズして、プリンタ100で印刷可能な印刷データに変換する。変換された印刷データは、ジョブ管理部107により管理され、所定のタイミングで印刷部108に送られる。
【0019】
印刷部108は、例えば、電子写真方式の印刷エンジンであり、ジョブ管理部107から送られた印刷データに基づく画像を記録媒体に印刷する。
【0020】
USBメモリ200は、例えば、パーソナルコンピュータ等の外部情報処理装置上の特定のアプリケーションを使用して、ユーザにより予め作成されたファイル201と、例えば、どのUIコントロールテンプレートを使用して表示画面を構成するかといった表示画面の構成にかかる設定情報ファイル202と、ファイル処理部1031により実行されることによって画面構成情報を生成するプログラム203と、を格納する。
【0021】
図3は、USBメモリ200を、例えば、パーソナルコンピュータ等の外部情報処理装置に装着し、USBメモリ200に格納されているファイル201、設定情報ファイル202、及び、プログラム203を外部情報処理装置が備える表示装置に表示させた状態を説明する図である。ここで、Memo.txt401及びPresentation.ppt402がファイル201に相当し、SettingForm.ini403が設定情報ファイル202に相当し、PrnCtrl.exe404がプログラム203に相当する。このように、本実施形態においては、ファイル201、設定情報ファイル202、及び、プログラム203が1セットとしてUSBメモリ200に格納される。
【0022】
ここで、設定情報ファイル202について図4を使用して説明する。図4は、設定情報ファイル202の一例を示す図であり、図4(a)は、日本語表記、図4(b)は英語表記によるものである。ここでは、図4(a)を使用して説明する。
【0023】
図4(a)中、大括弧[]で定義されている情報をセクションと称し、ここでは、[Common]や、[TAB1]、[TAB2]がこれに該当する。また、個々のセクション内で定義されている「XXXX=YYYY;ZZZZ;STRING」において、「XXXX」の部分をキーと称し、ここでは、「UI1」や、「TabName」等がこれに該当する。そして、「YYYY;STRING」の部分をキーの値と称し、セミコロン「;」を区切り文字として、複数の要素(フィールド)が定義されている。なお、ここでは、「YYYY」の部分をフィールド1としてUIコントロールテンプレートの種類を定義するものとし、「ZZZZ」の部分をフィールド2としてUIコントロールテンプレートに割当てられる文字列を定義するものとする。
【0024】
次に、設定情報ファイル202の構成について同様に図4(a)を使用して説明する。図4(a)中、[Common]セクションでは、表示される画面情報をキーとして列挙する。ここでは、キーは「UI1」であり、これは表示される画面が1つであることを表す。また、「UI1」キーの値のフィールド1は、表示される画面情報のセクション名であり、フィールド2は、UIコントロールテンプレートを取得するためのIDである。よって、ここでは、表示される1つの画面はタブ形式の画面であることを表す。
【0025】
図4(a)中、[TAB1]セクションと[TAB2]セクションでは、タブ内に含まれる設定情報をキーとして列挙する。ここでは、「ファイル一覧」と、「印刷設定」という2つのタブがあり、「ファイル一覧」には、画面説明(PageDesc)と、リスト(List)という2つの項目があるということを表し、「印刷設定」においても同様に、各キーで定義される項目があるということを表している。ここで、印刷設定項目とは、記憶領域104の設定項目情報格納領域1403に格納されているプリンタ100にかかる設定項目と、設定情報ファイル202で定義されている設定項目とが一致する項目が表示されるものであり、例えば、両面印刷をサポートしていないプリンタ機種においては、設定項目として両面印刷が表示されることはない。
【0026】
次に、プログラム203について図5を使用して説明する。図5はプログラム203の機能構成を説明する機能ブロック図である。プログラム203は、表示部106が表示する画面を作成するための画面情報処理部300と、ファイル201のファイル形式を所定のファイル形式(本実施形態においてはPDFファイル形式)に変換するための印刷処理部301と、を備える。
【0027】
画面情報処理部300は、さらに設定情報ファイル202を解析する設定情報解析部3001と、設定情報解析部3001が解析した解析結果及びUIコントロールテンプレートに基づいて画面情報を生成する画像情報生成部3002と、画面情報生成部3002により生成された画面情報を表示部106に送信する画面情報送信部3003と、を備える。
【0028】
印刷処理部301は、ファイル201を生成したアプリケーションを特定するファイル判定部3011と、ファイル判定部3011による判定結果に基づきファイル201のファイル形式をPDFファイル形式に変換するファイル形式変換部3102と、ファイル形式変換部3102により変換されたファイル201をジョブ管理部107に送信するファイル送信部3103と、を備える。
【0029】
このような構成を備えたプログラム203は、USBメモリ200がプリンタ100に接続されることより起動され、以下に説明する一連の処理が実行されることにより、上記機能を実現することができる。
【0030】
次に、ファイル処理部1301が実行する処理について図6のフローチャートを使用して説明する。なお、ファイル処理部1301による処理が実行されていない場合、表示部106は、図14に示すようなプリンタ100の標準の表示画面である、印刷待ち状態を表す待機画面900又は印刷画面910を表示するものとする。
【0031】
まず、USB I/F102は、プリンタ100に対してUSBメモリ200が装着されたことを検知し、その旨をリソース管理部103のファイル処理部1301に通知する(ステップS1−1)。
【0032】
通知を受けたファイル処理部1301は、USBメモリ200に格納されているファイル201、設定情報ファイル202、及び、プログラム203を記憶領域104のプログラム用の記憶領域1401に記憶させる(ステップS1−2)。
【0033】
次に、ファイル処理部1301は、プログラム用の記憶領域1401に記憶させたプログラム203を実行する。なお、プログラム203の実行にかかる処理については後述する。
【0034】
ファイル処理部1301は、プログラム203にかかる処理が終了するまで待機する。プログラム203にかかる処理が終了すると、ファイル制御部1301は、USB I/F102がUSBメモリ200の取り外しを検知し、その旨が通知されるまで待機する(ステップS1−5)。
【0035】
USBメモリ200がプリンタ100から取り外された旨の通知を受けると(ステップS1−5 Yes)、ファイル処理部1301は、プログラム用の記憶領域1401に記憶させたファイル201、設定情報ファイル202、及び、プログラム203を消去させる(ステップS1−6)。
【0036】
プログラム用の記憶領域1401からファイル201、設定情報ファイル202、及び、プログラム203が消去されると、ファイル処理部1301は、図14に示した印刷待ち状態を表す待機画面900を表示するよう表示部106に指示を与え、ファイル処理部1301が実行する処理は終了する。
【0037】
次に、プログラム203の実行にかかる処理について図7のフローチャートを使用して説明する。
【0038】
ファイル処理部1301がプログラム203を実行すると、まず、表示部106が表示する表示画面の画面構成を作成する画面情報処理部300が起動する(ステップS2−1)。なお、画面情報処理部300による画面情報処理については後述する。
【0039】
画面情報処理部300が表示画面の画面構成を作成すると、ファイル処理部1301は、当該表示画面を表示するよう表示部106に指示を与えるとともに、ユーザによる操作部105を介しての印刷命令の入力があるまで待機する。ここで、ユーザにより操作部105を介して印刷命令の入力があると(ステップS2−2 Yes)、印刷処理部301が起動され、プログラム用の記憶領域1401に記憶させた全てのファイル201の印刷が終了するまで印刷処理が繰り返される(ステップS2−3〜ステップS2−5)。なお、印刷処理部301による印刷処理については後述する。
【0040】
次に、画面情報処理部300による画面情報処理について図8のフローチャートを使用して説明する。
【0041】
図7中、ステップS2−1において、画面情報処理部300が起動すると、設定情報解析部3001は、設定情報ファイル202の解析を実行する。図4(a)に示した設定情報ファイル202を一例とすると、まず、設定情報解析部3001は、[Common]セクションで定義されているキーを全て列挙する(ステップS3−1)。この処理は、全てのキーが列挙されるまで繰り返して実行される(ステップS3−2〜ステップS3−12)。
【0042】
次に、設定情報解析部3001は、「UI1」キーで定義されている値「TABx;TabPage」からフィールド1の値を取得する(ステップS3−3)。
【0043】
そして、設定情報解析部3001は、取得したフィールド1の値である「TABx」のxに1以上の数値を順次代入し、そのセクションが存在するか否かを繰り返し検索する(ステップS3−4〜ステップS3−11)。
【0044】
設定情報解析部3001は、セクションが無くなった時点で上記繰り返しの処理を終了し(ステップS3−5 Yes)、「TABn」セクションのキーを列挙する(ステップS3−6)。この処理は、全てのキーが列挙されるまで繰り返して実行される(ステップS3−7〜ステップS3−10)。
【0045】
次に、設定情報解析部3001は、フィールド1の値を取得するとともに、取得した値を記憶領域104のプログラム用の記憶領域1401に記憶させる(ステップS3−8)。また、設定情報解析部3001は、同様に、フィールド2の値を取得するとともに、取得した値を記憶領域のプログラム用の記憶領域1041に記憶させる(ステップS3−9)。
【0046】
設定情報解析部3001による解析が終了すると、画面情報生成部3002は記憶領域104のプログラム用の記憶領域1041に記憶された各フィールドの値及び図2に示したUIコントロールテンプレートから、例えば、図9に示すような表示画面400を構成する画面構成情報を生成するとともに、生成した画面構成情報を記憶領域104のプログラム用の記憶領域1041に一次的に記憶させる(ステップS3−13)。
【0047】
次に、画面情報送信部3003は記憶領域104のプログラム用の記憶領域1041に一時的に記憶された画面構成情報をリソース管理部103のUI処理部1032に送信し(ステップS3−14)、画面情報処理部300による画面情報処理は終了する。
【0048】
UI処理部1032は、受信した画面構成情報及び記憶領域104のプログラム用の記憶領域1041に記憶されたファイル201から、例えば、図10に示すような表示画面410を表示するよう表示部106に指示を与える。表示画面410の表示指示を受けた表示部106は当該表示画面410を表示する。図10は、表示画面410の一例を示す図であり、図10(a)は、日本語表記、図10(b)は英語表記によるものである。また、図11は、ユーザにより「印刷設定」タブが選択された場合に表示される表示画面420の一例を示す図である。図11(a)は、日本語表記、図11(b)は英語表記によるものである。
【0049】
次に、印刷処理部301による印刷処理について図12のフローチャートを使用して説明する。
【0050】
図7中、ステップS2−2において、ユーザにより操作部105を介して印刷命令が入力されると、印刷処理部301のファイル判定部3011は、記憶領域104のプログラム用の記憶領域1041に記憶されたファイル201のファイルデータを判定し(ステップS4−1)、当該ファイル201を生成したアプリケーションを特定する(ステップS4−2)。
【0051】
次に、ファイル判定部3011による判定結果に基づき、ファイル形式変換部3012は、ファイル201のファイル形式をPDFファイル形式に変換するとともに、PDFファイル形式に変換されたファイル201のファイルデータを記憶領域104のプログラム用の記憶領域1041に記憶させる(ステップS4−3)。
【0052】
本実施形態においては、ファイル201のファイルデータのファイル形式はPDFファイル形式に変換する形態としたが、これは、プリンタ100のジョブ管理部107がPDFFファイルを解釈し印刷データにラスタライズ可能であることを前提としているためである。なお、プリンタ100のジョブ管理部107が、例えば、XPS形式等のファイル形式をサポートしている場合には、XPS形式等のファイル形式に変換する形態としてもかまわない。
【0053】
また、ファイル形式変換部3012における変換処理とは、ファイル201を生成したアプリケーションが、例えば、Microsoft Officeにより生成されたファイル201であれば、Microsoft Officeのファイル201をPDFファイル形式、あるいはXPS形式等のファイル形式に変換することである。
【0054】
なお、PDFファイル形式への変換は、例えば、Adobe Systems Incorporated(アドビ システムズ)社製のPDF Maker等で提供されている技術であり、XPSファイル形式への変換は、例えば、Microsoft社製のOffice2007のMicrosoft PDF/XPS保存アドオンソフト等で提供されている技術であるため、本実施形態の説明においては説明を割愛する。
【0055】
次に、ファイル送信部3013は、ユーザにより設定された印刷設定情報を取得し(ステップS404)、取得された印刷設定情報とステップS4−3において変換されたPDFファイル形式のファイルデータとを組み合わせた送信用データを作成する(ステップS4−5)。
【0056】
ファイル送信部3013が作成する送信用データ500の印刷設定については、図13に示すように、Printer Job Language(PJL)にて指定し、送信用データ500のヘッダ501とフッタ503に付与するものとする。そして、PDFファイル形式のファイルデータはヘッダ501とフッタ503との間にPDFファイル形式データ502として挿入されるものとする。送信用データ500を作成すると、ファイル送信部3013は、当該送信用データ500をジョブ管理部107に送信し(ステップS4−6)、ジョブ管理部107による処理が完了するまで待機する。ジョブ管理部107による処理が完了した時点で(ステップS4−7 Yes)、印刷処理部301による印刷処理は終了する。
【0057】
そして、ジョブ管理部107は、ファイル送信部3013からの送信用データ500を受信すると、PDFファイル形式データ502を解釈し、ラスタライズしてプリンタ100が印刷可能な印刷データである2値化データへと変換する。ジョブ管理部107により変換された印刷データは印刷部108により記録媒体に印刷される。ここで、ラスタライズ処理について説明する。例えば、図13に示した送信用データ500において、ジョブ管理部107は、「%−12345X」という文字列(UEL)を検出すると、PJL解釈モードに移行し、記述されているのは、PJLコードであると判断する。そして、ジョブ管理部107は、「@PJL SET LANG=PDF」という文字列を検出すると、PDFファイルデータ解釈モードに移行し、「End Of File(EOF)」までのPDFファイルデータを解釈する。最後に、ジョブ管理部107は、UELを検出すると、再びPJL解釈モードに移行し、送信用データ500の終了コマンドを解釈して、解釈したデータをラスタライズ結果とする。
【0058】
印刷部108による印刷データの印刷が全て終了すると、表示部106は再び図14に示す印刷待ち状態を表す待機画面900又は印刷画面910を表示する。
【0059】
以上のように、第1の実施形態によれば、可搬型記憶媒体としてのUSBメモリが装着されることで、プリンタにおける標準の表示画面がユーザが既知の表示画面に変更されて表示されるため、ユーザによるプリンタの操作性を高めることができる。
【0060】
[第2の実施形態]
第2の実施形態においては、画像形成装置としてのプリンタ100’を使用するユーザが、プリンタ100’の管理者権限を有する管理者か、あるいは一般のユーザである一般利用者かによって、実行される処理が第1の実施形態とは異なる。以下、第2の実施形態について説明する。
【0061】
第2の実施形態にかかる画像形成装置としてのプリンタ100’、及びプリンタ100’に装着される可搬型記憶媒体としてのUSBメモリ200’の要部構成、並びに各処理動作は、第1の実施形態にかかるプリンタ100、及びUSBメモリ200と略同一である。したがって、第2の実施形態にかかるプリンタ100’、及びUSBメモリ200’の説明においては、第1の実施形態にかかるプリンタ100、及びUSBメモリ200と同一な箇所の説明は省略し、異なる箇所について説明する。
【0062】
図15は、UI処理部1032が実行するユーザ認証にかかる処理を説明するフローチャートである。第2の実施形態においては、USB I/F102がUSBメモリ200’のプリンタ100’への装着を検知すると、まずUI処理部1032が処理を実行する。
【0063】
まず、USB I/F102は、プリンタ100’に対してUSBメモリ200’が装着されたことを検知すると(ステップS5−1 Yes)、その旨をリソース管理部103のUI処理部1032に通知する。
【0064】
通知を受けたUI処理部1032は、例えば、図16に示す起動画面600を表示するよう表示部106に指示を与える。指示を受けた表示部106は、起動画面600を表示し(ステップS5−2)、ユーザに対して管理者であるか、一般利用者であるかの選択を促す。
【0065】
ここで、ユーザが管理者である場合(ステップS5−3 Yes)、表示部106は、例えば、図17に示すログイン画面700を表示し、ユーザに対してログインを求める。なお、ユーザが管理者であるか否かを判定する方法は、例えば、プリンタ100’の記憶領域104の設定項目情報格納領域1043に予め格納されているプリンタ100’の管理者アカウントとログイン画面700に入力されたユーザID、パスワード等のユーザ情報とを比較することで行うことができる。そして、ユーザが管理者としてログインすると、ファイル処理部1031は、図18に示すフローチャートにかかる処理を実行し(ステップS5−5)、UI処理部1032にかかる処理は終了する。
【0066】
ファイル処理部1031による図18のステップS6−5までの処理は、第1の実施形態において説明した図6のステップS1−5までの処理と同様に実行することができるため、ここでの説明は割愛する。図18において、USBメモリ200’が取り外された旨の通知を受けた場合(ステップS6−5 No)、ファイル処理部1031は、例えば、図19に示す管理者に対して現在の画面構成を保存するか否かの選択を促す確認画面800を表示するよう表示部106に指示を与える。指示を受けた表示部106は当該確認画面を表示する。
【0067】
ここで、管理者が画面設定の保存を選択した場合(ステップS606 Yes)、ファイル処理部1031は、プログラム用の記憶領域1401に記憶させたファイル201、設定情報ファイル202、及び、プログラム203を消去させず、図14に示す印刷待ち状態を表す待機画面を表示するよう表示部106に指示を与える。指示を受けた表示部106は当該待機画面を表示する(ステップS6−8)。
【0068】
一方、管理者が画面設定の保存を選択しない場合(ステップS6−6 No)、ファイル処理部1031は、プログラム用の記憶領域1401に記憶させたファイル201、設定情報ファイル202、及び、プログラム203を消去させる(ステップS6−7)
【0069】
なお、ユーザが管理者ではなく、一般利用者である場合(ステップS5−3 No)、画面情報生成部3002は、図20のフローチャートにかかる処理を実行し(ステップS5−4)、UI処理部1032にかかる処理は終了する。
【0070】
図20中、ステップS7−1において、画面情報生成部3002は、記憶領域104のプログラム用の記憶領域1041に、すでに、画面構成情報が保存されているか否かを判定する。ここで、画面構成情報が保存されていない場合(ステップS7−1 No)、画面情報生成部3002は、図14に示す標準の画面構成情報を画面情報送信部3003に送信し、以降は、第1の実施形態において説明した処理と同様な処理を実行する(ステップS7−2、ステップS7−4)。一方、設定情報ファイル202が保存されている場合(ステップS7−1 Yes)、画面情報生成部3002は、保存されている画面構成情報400を画面情報送信部3003に送信し、以降は、第1の実施形態において説明した処理と同様な処理を実行する(ステップS7−3、ステップS7−4)。
【0071】
以上のように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態にかかる効果に加え、プリンタの管理者権限を有するユーザに対してのみ、表示画面が変更されるので、不特定多数のユーザによるプリンタ内部の設定情報が変更されることがない。
【0072】
本発明にかかる実施形態に説明においては、画像形成装置としてプリンタを一例として説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、ファクシミリ、スキャナ、複合機等の表示部を備えた画像形成装置においても適用可能である。また、本発明にかかる実施形態に説明においては、可搬型記憶媒体としてUSBメモリを一例として説明したが、本発明はこれに限定されず、書き換え可能な可搬型記憶媒体であれば、本発明に適用可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】プリンタ及びUSBメモリの概略構成を説明する図である。
【図2】UIコントロールテンプレートを説明する図である。
【図3】USBメモリに格納されているファイル201、設定情報ファイル202、及び、プログラム203を説明する図である。
【図4】設定情報ファイルを説明する図である。
【図5】プログラムを説明する図である。
【図6】ファイル処理部が実行する処理を説明するフローチャートである。
【図7】プログラムの実行にかかる処理を説明するフローチャートである。
【図8】画面情報処理部による画面情報処理を説明するフローチャートである。
【図9】表示画面を説明する図である。
【図10】表示画面を説明する図である。
【図11】表示画面を説明する図である。
【図12】印刷処理部による印刷処理を説明するフローチャートである。
【図13】送信用データを説明する図である。
【図14】標準の表示画面を説明する図である。
【図15】UI処理部によるユーザ認証にかかる処理を説明するフローチャートである。
【図16】起動画面を説明する図である。
【図17】ログイン画面を説明する図である。
【図18】ファイル処理部が実行する処理を説明するフローチャートである。
【図19】確認画面を説明する図である。
【図20】画面情報生成部が実行する処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0074】
100,100’ プリンタ
101 CPU
102 USB I/F
103 リソース管理部
1031 ファイル処理部
1032 UI処理部
104 記憶領域
1041 プログラム用の記憶領域
1042 UIテンプレート格納領域
1043 設定項目情報格納領域
105 操作部
106 表示部
107 ジョブ管理部
108 印刷部
200,200’ USBメモリ
201 ファイル
202 設定情報ファイル
203 プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成にかかる装置の設定データと実行されることで前記設定データを前記装置に適用させる設定プログラムとを記憶した可搬型記憶媒体を着脱可能に装着させる装着部と、
前記装着部に装着された前記可搬型記憶媒体から前記設定データと前記設定プログラムとを読込む読込部と、
前記読込部により読込まれた前記設定プログラムを実行することで前記設定データを前記装置に適用させる設定部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記設定部は操作パネルに表示させた表示画面を介してユーザによる入力を受付けることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記表示画面は前記設定データ及び前記設定プログラムにより制御されることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記設定部はユーザが管理者権限を有する管理者ユーザであるか否かを判定する管理者ユーザ判定部を備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記設定部は前記管理者ユーザ判定部がユーザは管理者ユーザであると判定した場合、前記設定データ及び前記設定プログラムにより制御される前記表示画面を標準の表示画面として設定するか否かの選択を受付ける選択画面を前記操作パネルに表示させることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記装着部から前記可搬型記憶媒体が取り外されることで、前記設定データの適用が解除されることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−46825(P2010−46825A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−210985(P2008−210985)
【出願日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【出願人】(594202361)株式会社沖データシステムズ (259)
【Fターム(参考)】