説明

画像形成装置

【課題】本発明は、簡易な構成で中間転写ベルトや搬送ベルトと転写装置とを長手方向で均一に接触させて良好に転写を行うことを目的とする。
【解決手段】1次転写装置10aは、中間転写ベルト13の内面に面接触するシート部材32aと、シート部材32aを中間転写ベルト13に向かって押圧する弾性部材31aと、を有し、弾性部材31aは、シート部材32aにおける中間転写ベルト13との接触面とは反対側の面であって、シート部材32aが中間転写ベルト13に対して接触する領域内で接触し、中間転写ベルト13とシート部材32aとが接触する接触領域は、シート部材32aと弾性部材31aとが接触する接触領域よりも、中間転写ベルト13の回転方向の上流側から設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザプリンタ、複写機等の電子写真記録方式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から画像形成装置においては、感光ドラムの表面に担持されているトナー像を、トナーの帯電極性と逆極性の電界を転写装置で与えて、中間転写ベルトの表面若しくは搬送ベルトに担持されている転写材の表面に対して静電的に転移させる転写工程がある。
転写装置には、転写工程に必要な電圧が印加される。一例としては、高圧電源に接続されている転写装置として、中間転写ベルトや搬送ベルト等のベルト体を挟んで感光ドラムと対向する位置に配置される転写装置としての転写ローラがある。ところが、転写ローラを用いた場合には、ベルト体と転写ローラとの接触領域である転写ニップ部が転写ローラの撓みの影響により、ベルト体走行方向と直交するベルト体幅方向である長手方向で不均一となる。長手方向で不均一となると、転写工程に必要な電流が転写ニップ部の長手方向で不均一となり、転写不良(画像不良)を引き起こす場合がある。また、転写ニップ部のベルト体走行方向長さが狭いため、ベルト体と感光ドラムの剥離部で剥離放電が発生し、転写不良(画像不良)を引き起こす場合がある。
そこで、転写装置として転写ローラの変わりに、フィルムを用いた構成のものが特許文献1に提案されている。特許文献1では、フィルムがフィルム支持体と感光ドラムとの間で変位可能であり、電圧の供給、非供給による静電吸着力の有無によって転写材と接離している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09−120218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の構成では、フィルムのバックアップ部材がないため、フィルムの表面状態や抵抗ムラによって転写不良が生じる場合がある。具体的には、フィルムの静電吸着力だけでベルト体との接離を行ったとき、フィルムとベルト体との長手方向の接触の均一性が保てず、転写ニップ部が不安定になる場合がある。フィルムとベルト体との転写ニップ部の領域が狭い部分若しくは転写ニップ部の領域が取れない部分においては、十分な転写電流が確保できず、転写ニップ部の領域が広い部分に転写電流が多く流れることになる。そのため、転写ニップ部の領域が狭い部分若しくは転写ニップ部の領域が取れない部分においては、転写電流不足が発生して、縦スジ状の転写不良を引き起こす場合がある。特にこの現象は、静電吸着力のみでベルト体に吸着させる系において、発生し易い傾向にある。転写電流不足が発生すると静電吸着力が弱くなり、転写ニップ部の長手方向の不均一状態をさらに助長してしまう。
【0005】
本発明は、簡易な構成で中間転写ベルトや搬送ベルトと転写装置とを長手方向で均一に接触させて良好に転写を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明に係る画像形成装置は、
トナー像を担持する像担持体と、
前記像担持体からトナー像が転写される無端状の回転可能な中間転写ベルトと、
前記中間転写ベルトを挟んで前記像担持体と対向する位置に配置された転写装置と、
を備え、
前記転写装置は、前記中間転写ベルトの内面に面接触するシート部材と、前記シート部材を前記中間転写ベルトに向かって押圧する弾性部材と、を有する画像形成装置であって、
前記弾性部材は、前記シート部材における前記中間転写ベルトとの接触面とは反対側の面であって、前記シート部材が前記中間転写ベルトに対して接触する領域内で接触し、
前記中間転写ベルトと前記シート部材とが接触する接触領域は、前記シート部材と前記弾性部材とが接触する接触領域よりも、前記中間転写ベルトの回転方向の上流側から設けられていることを特徴とする。
【0007】
上記課題を解決するために本発明に係る画像形成装置は、
トナー像を担持する像担持体と、
トナー像が前記像担持体から転写される転写材を担持搬送する無端状の回転可能な搬送ベルトと、
前記搬送ベルトを挟んで前記像担持体と対向する位置に配置された転写装置と、
を備え、
前記転写装置は、前記搬送ベルトの内面に面接触するシート部材と、前記シート部材を前記搬送ベルトに向かって押圧する弾性部材と、を有する画像形成装置であって、
前記弾性部材は、前記シート部材における前記搬送ベルトとの接触面とは反対側の面であって、前記シート部材が前記搬送ベルトに対して接触する領域内で接触し、
前記搬送ベルトと前記シート部材とが接触する接触領域は、前記シート部材と前記弾性部材とが接触する接触領域よりも、前記搬送ベルトの回転方向の上流側から設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡易な構成で中間転写ベルトや搬送ベルトと転写装置とを長手方向で均一に接触させて良好に転写を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1に係る画像形成装置の概略構成図
【図2】実施例1に係る1次転写装置の概略構成図
【図3】比較例に係る1次転写装置の概略構成図
【図4】実施例1の評価結果を表す図
【図5】実施例1に係る1次転写装置の問題点を示す概略構成図
【図6】実施例2に係る1次転写装置の概略構成図
【図7】実施例2の評価結果を表す図
【図8】実施例2の他例に係る1次転写装置の概略構成図
【図9】他の実施例に係る画像形成装置の概略構成図
【図10】他の実施例に係る1次転写装置の概略構成図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0011】
<実施例1>
(画像形成装置)
図1を参照して本例に係る画像形成装置について説明する。本例では、第1ステーションをイエロー(Y)、第2ステーションをマゼンタ(M)、第3ステーションをシアン(
C)、第4ステーションをブラック(K)としている。
第1ステーションには、像担持体としてのOPC感光ドラム(以下、単に感光ドラムという)1aが備えられる。感光ドラム1aの周りには、帯電ローラ2a、クリーニングユニット3a、及び現像ユニット8aが配置される。
帯電ローラ2aは、帯電バイアス電源20aに接続されており、帯電バイアス電源20aに電圧を供給されて感光ドラム1aを一様に帯電させる。
クリーニングユニット3aは、感光ドラム1aに担持された転写残トナーをクリーニングする。
現像ユニット8aは、現像スリーブ4a、非磁性一成分現像剤(以下、トナーという)5a、及び現像剤塗布ブレード7aを有する。現像スリーブ4aは、現像バイアス電源21aに接続されており、現像バイアス電源21aに電圧を供給されてトナー5aを感光ドラム1aに現像する。
これら感光ドラム1a、帯電ローラ2a、クリーニングユニット3a、及び現像ユニット8aは、一体型のプロセスカートリッジ9aを構成している。
露光装置11aは、レーザ光を多面鏡によって走査させるスキャナユニット又はLEDアレイから構成され、画像信号に基づいて変調された走査ビーム12aを感光ドラム1aの表面に照射する。以上第1ステーションについて説明したが、他のステーションも同様の構成である。
画像形成動作がスタートすると、感光ドラム1a〜1dや中間転写ベルト13等は所定のプロセススピードで矢印方向に回転を始める。感光ドラム1aは、帯電ローラ2aに帯電バイアス電源20aよって一様に負極性に帯電され、続いて感光ドラム1aには、露光装置11aからの走査ビーム12aによって画像情報に従った静電潜像が形成される。
一方、現像ユニット8a内のトナー5aは、現像剤塗布ブレード7aによって負極性に帯電されて現像スリーブ4aに塗布されている。そして、感光ドラム1aが回転して感光ドラム1aの表面に形成された静電潜像が現像スリーブ4aとの対向位置に到達する。現像スリーブ4aに塗布された負極性のトナー5aが感光ドラム1aの表面の静電潜像を現像する。これにより静電潜像がトナー5aによって可視化され、感光ドラム1aの表面には、第1色目(本例では、Y)のトナー像が形成される。尚、第2〜第4ステーションも第1ステーションと同様の構成及び動作で、各感光ドラム1b〜1dの表面には、各色のトナー像が形成される。これにより、感光ドラム1a〜1dには、各色のトナー像が担持される。
【0012】
一方、無端状の回転可能なベルト体である中間転写ベルト13は、4つの感光ドラム1a〜1d全てに対し当接する様に配置される。中間転写ベルト13は、厚さ100μm、体積抵抗率1010Ω・cmのPVDF(ポリフッ化ビニリデン)を用いている。中間転
写ベルト13は、中間転写ベルト13の張架部材として2次転写対向ローラ24、駆動ローラ14、及びテンションローラ15の3本のローラにより支持されており、適当なテンションが維持されるようになっている。駆動ローラ14を駆動させることにより、中間転写ベルト13は、感光ドラム1a〜1dに対して順方向に略同速度で移動する。また、中間転写ベルト13の内側には、中間転写ベルト13を挟んで各感光ドラム1a〜1dと対向して配置された、転写装置としての1次転写装置10a〜10dが設けられている。感光ドラム1a〜1dと、1次転写装置10a〜10dと、が、中間転写ベルト13を挟んで対向する部位が夫々1次転写ニップ部である。各1次転写装置10a〜10dは、各1次転写電源22a〜22dに接続されている。
各色トナー像の1次転写ニップ部間の距離に応じて各色一定のタイミングで不図示のコントローラからの書き出し信号を遅らせながら、露光による静電潜像を各感光ドラム1a〜1dに形成する。各静電潜像は、現像ユニット8a〜8dを用いて各トナー像に現像される。そして、夫々の1次転写装置10a〜10dに1次転写電源22a〜22dにより各トナー像と逆極性の電圧を印加する。これにより、1次転写ニップ部で順に中間転写ベルト13に各色のトナー像を転写していき、中間転写ベルト13上に多重トナー像(多重
画像)を形成する。即ち、各1次転写ニップ部で、各感光ドラム1a〜1dが担持した各トナー像を、各感光ドラム1a〜1dから中間転写ベルト13に1次転写し中間転写ベルト13の表面に担持させる。
【0013】
一方、露光による静電潜像の作像に合わせて、転写材カセット16に積載されている転写材Pが、給紙ローラ17によりピックアップされる。なお、転写材としては、紙、印刷紙、転写材シート、OHTシート、光沢紙等の記録材が挙げられる。
送り出された転写材Pは、不図示の搬送ローラによりレジストローラ18まで搬送されて一旦停止する。そして、転写材Pは、中間転写ベルト13上の多重トナー像に同期してレジストローラ18によって、中間転写ベルト13と2次転写ローラ25とで形成される2次転写ニップ部へ搬送される。ここで、2次転写電源26に接続されている2次転写ローラ25には、2次転写電源26により多重トナー像と逆極性の電圧印加を行う。これにより、2次転写ニップ部で中間転写ベルト13に担持された4色の多重トナー像を一括して転写材Pへ2次転写し転写材Pの表面に担持させる。
【0014】
2次転写を終えた後、中間転写ベルト13上に残留した転写残トナー、及び転写材Pが搬送されることによって発生する紙粉は、中間転写ベルト13に当接配置されたベルトクリーニング装置27により、その表面から除去・回収される。ベルトクリーニング装置27は、ウレタンゴム等で形成された弾性を有するクリーニングブレードである。
また、2次転写終了後の多重トナー像を担持した転写材Pは、定着装置19へと搬送され、多重トナー像の定着を受けて画像形成物(プリント、コピー)として装置外へと排出される。
【0015】
(1次転写装置)
図2(a)に示すように、1次転写装置10aは、弾性部材31aと、可撓性のシート部材32aと、を有する。弾性部材31a及びシート部材32aの長手方向幅は、1次転写されるトナー像の幅か又はそれよりも広い。尚、長手方向とは、中間転写ベルト13の回転方向と直交する中間転写ベルト13の幅方向である。弾性部材31aは、不図示の加圧バネにより中間転写ベルト13を介して感光ドラム1a側に総圧9.8Nで長手方向に
おいて均一に加圧されている。弾性部材31aがシート部材32aを中間転写ベルト13に向かって押圧することで、シート部材32aが中間転写ベルト13に確実に面接触する。これにより、シート部材32aは、中間転写ベルト13と弾性部材31aとの間に挟まれて保持される。シート部材32aは、同じ接触面で弾性部材31aに対して回転するこ
となく中間転写ベルト13の内面に面接触する部材である。
ここで、シート部材32aは、図2(b)に示す32a’のように元々平板状である。また、シート部材32aの中間転写ベルト13の回転方向の上流側(以下、「中間転写ベルト13の回転方向の」を省略する)の一端は、中間転写ベルト13から離されて固定されている。シート部材32aは、中間転写ベルト13から離れた固定された一端から他端の自由端側を中間転写ベルト13側に膨らむよう撓ませて、中間転写ベルト13に当接可能となっている。シート部材32aは、下流側の自由端に至るまで中間転写ベルト13に面接触している。そして、図2(b)に示すように弾性部材31aを除去した場合においても、シート部材32aは、その剛性により、この撓ませた状態での平板に戻ろうとする反発力で中間転写ベルト13に当接する状態を維持している。これにより、弾性部材31aは、シート部材32aにおける中間転写ベルト13との接触面とは反対側の面であって、シート部材32aが中間転写ベルト13に対して接触する領域内で接触する。よって、後述する境界位置B,Cを定めることができる。また、シート部材32aは、導電性であり、1次転写電源22aと接続され画像形成動作中は500Vの電圧が印加されている。尚、他の1次転写装置10b〜10dについても同様の構成である。
【0016】
本例では、弾性部材31aは、絶縁体のウレタン発泡スポンジ状の弾性体を肉厚2mm
、幅4mm、長さ230mmの略直方体形状にしたものである。弾性部材31aの硬度は、アスカーC500gfで30°である。本例では、弾性部材31aとしてウレタンを用いているが、エピクロルヒドリンゴム、NBR(二トリルゴム)、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)等のゴム材料を用いて構成しても良い。シート部材32aは、50V印加したときの体積抵抗率が106Ω・cmである、樹脂性のシートを用いている
。本例では、シート部材32aとして酢酸ビニルシートを用いるが、ポリカーボネイト(PC)、PVDF、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリイミド(PI)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド(PA)等のシートを用いてもよい。シート部材32aの厚みについては、30μm〜500μmが望ましい。この範囲から外れるシート部材を使用した場合、シート部材を撓ませた状態での反発力による当接ができなくなってしまう。本例では、150μmの厚みのシート部材32aを用いる。
【0017】
ここで、感光ドラム1aと中間転写ベルト13との接触領域の上流側境界位置をA、下流側境界位置をDと定義する。即ち、Aは、上流側における、感光ドラム1aと中間転写ベルト13との非接触領域と、接触領域と、の境界位置である。非接触領域とは、感光ドラム1aと中間転写ベルト13とが接触していない非接触の領域である。接触領域とは、感光ドラム1aと中間転写ベルト13とが接触する領域である。Dは、下流側における、感光ドラム1aと中間転写ベルト13との接触領域と、非接触領域と、の境界位置である。また、中間転写ベルト13とシート部材32aとの接触領域の上流側境界位置をBと定義する。即ち、Bは、上流側における、中間転写ベルト13とシート部材32aとが非接触の非接触領域と、中間転写ベルト13とシート部材32aとが接触する接触領域と、の境界位置である。更には、弾性部材31aとシート部材32aとの接触領域の上流側境界位置をCと定義する。即ち、Cは、上流側における、シート部材32aと弾性部材31aとが非接触の非接触領域と、シート部材32aと弾性部材31aとが接触する接触領域と、の境界位置である。
【0018】
以下に上述した境界位置A,B,C,Dについての測定方法を説明する。感光ドラム1aと中間転写ベルト13とによって形成される境界位置A,Dに関しては、中間転写ベルト13上にトナー像がある状態で、ベルト駆動を止めて、感光ドラム1aを回転させる。この時、感光ドラム1aと中間転写ベルト13が接触している領域のみトナー像が剥がされるため、そのトナー像が剥がされる前後の位置を測定することで境界位置A,Dの測定ができる。
尚、同様の思想に基づく測定方法であれば、例えば、朱肉やマジック等で中間転写ベルト13を色付けし、その剥離部を測定する方法であっても良い。
中間転写ベルト13とシート部材32aとによって形成される境界位置Bに関しては、可撓性のシート部材32aと中間転写ベルト13との接触点であることを考慮しなければならない。且つ、中間転写ベルト13の回転駆動による摩擦力、シート部材32aへの電圧印加による静電吸着力の影響を考慮しなければならない。そこで、シート部材32aへ電圧印加した状態で中間転写ベルト13を回転させた時に、シート部材32aと中間転写ベルト13とで形成される接触領域を基準に境界位置Bを測定する。
シート部材32aと弾性部材31aとによって形成される境界位置Cに関しては、断面観察により、接点を測定する。
【0019】
以上の測定により得られる境界位置A,B,C,Dは、境界位置Aを0mm(基準)とした場合、下流側に向けて、境界位置Dが3.0mm、境界位置Bが0.5mm、境界位置Cが0.7mmとなるように設定される。つまり、上述した境界位置の相互関係は、上流側から、A⇒B⇒C⇒Dの順とされる。即ち、感光ドラム1aと中間転写ベルト13とが接触する接触領域は、中間転写ベルト13とシート部材32aとが接触する接触領域よりも、上流側から設けられる。中間転写ベルト13とシート部材32aとが接触する接触領域は、シート部材32aと弾性部材31aとが接触する接触領域よりも、上流側から設
けられる。シート部材32aと弾性部材31aとが接触する接触領域は、感光ドラム1aと中間転写ベルト13とが接触する接触領域における下流側端よりも、上流側から設けられる。また、シート部材32a下流端の位置は、上記境界位置Aを基準とした場合5.5mmである。弾性部材31aの下流端の位置は、上記境界位置Aを基準とした場合4.7mmである。尚、第2〜第4ステーションについても、第1ステーションと同様の構成である。
【0020】
(作用)
次に本例の作用について、境界位置A,B,C,Dの位置関係に対応させて説明をする。まず、境界位置Aよりも下流側に境界位置Bを配置させた(A⇒B)作用について説明する。上記位置構成をとることにより、1次転写装置10aに電圧を印加した際に、境界位置Aより上流側において、感光ドラム1aと1次転写装置10aとの間で形成される転写電界の影響を抑制することができる。これは、感光ドラム1aと中間転写ベルト13が接触する領域であるAでは、転写電界が強く働く領域から離れている領域である、と考えられる。これにより、中間転写ベルト13とシート部材32aとの接触領域より上流の転写電界が感光ドラム1a上のトナー像に作用して中間転写ベルト13上にトナー像の一部がプレ転写し、トナー像がボケる画像不良(所謂、飛び散り)を抑制することができる。
【0021】
次に、1次転写装置10aが、弾性部材31aとシート部材32aとで構成され、境界位置Bよりも下流側に境界位置Cを配置させた(B⇒C)作用について説明する。上記位置構成をとることにより、中間転写ベルト13とシート部材32aとが、予めシート部材32aを撓ませて互いに接触している領域内において、弾性部材31aがシート部材32aを押圧することができる。特に、境界位置Bの上流側は、中間転写ベルト13からシート部材32aに加えられた歪み応力が集中する部位であり、この部位で弾性部材31aがシート部材32aに接触すると、シート部材32aの形状が変形し、1次転写ニップ部の形状が不安定になってしまう。場合によっては、シート部材32aが弾性部材31aによって変形して中間転写ベルト13から離れてしまう現象が発生するおそれがある。よって、この歪み応力が集中する部位を避けた境界位置Bよりも下流側で空間を空けて弾性部材31aがシート部材32aを押圧することにより、シート部材32aを確実に中間転写ベルト13に長手方向で均一に接触させることができる。これは、上述したような状況下で剛性の高いシート部材32aを使用する上で、より安定した当接状態となって使用するのに重要である。これにより、シート部材32aと中間転写ベルト13との安定した均一な長手方向での接触性を確保することができるため、1次転写ニップ部の長手方向での接触ムラ起因の縦スジ状の転写不良を防止することができる。つまり、中間転写ベルト13と1次転写装置10aのシート部材32aとを長手方向で均一に接触させて良好に転写を行うことができる。
【0022】
最後に、境界位置Cよりも下流側に境界位置Dを配置させた(C⇒D)作用について説明する。上記位置構成をとることにより、感光ドラム1aと中間転写ベルト13との接触領域内でシート部材32aが中間転写ベルト13に接触するため、シート部材32aと中間転写ベルト13との接触領域内において段差等の隙間が生じない。これは、シート部材32aが押圧することに対して、中間転写ベルト13が感光ドラム1aで支持されるからである。従って、シート部材32aと中間転写ベルト13との接触領域内に生じた隙間での放電により、トナーが逆帯電し、転写できなくなる点状の画像抜けの発生を防止することができる。
【0023】
また、本例では、境界位置Dよりも下流側にシート部材32a及び弾性部材31aの下流端の位置を配置させた。これにより、シート部材32aが感光ドラム1aと中間転写ベルト13から剥離する地点において対向電極の役割をする。従って、上記剥離する地点の電位が安定し、剥離放電による画像不良を抑制することができる。弾性部材31aの下流
端の位置については、シート部材32aを中間転写ベルト13に確実に当接させることで、上述のシート部材32aの対向電極としての効果を確実にする。尚、本例の作用を第1ステーションについて述べたが、第2〜第4ステーションも第1ステーションと同様の作用が得られる。
【0024】
(実施例1の評価)
本例の効果を調べるため、プロセススピード100mm/secの画像形成装置を用いて、本例及び以下に示す3つの比較例1〜3について、初期と10k枚通紙後の縦スジ、転写散りについての評価を行った。尚、通紙耐久テストは、Xerox社製4024坪量75g/mで行い、10k枚通紙後の画像を評価した。図3を用いて各々の比較例1〜
3の構成について述べると共に、図4を用いて評価結果を述べる。
[実施例1]
実施例1の構成においては、初期から10k枚通紙後でも縦スジ、飛び散り共に発生せず、良好であった。
[比較例1]
比較例1では、図3(a)に示すように、境界位置B及び境界位置Cが、境界位置Aよりも上流側に設定されている。位置関係を示すと、上流側からB⇒C⇒A⇒Dとなる。比較例1で用いている弾性部材31a及びシート部材32aは、実施例1と同一である。次に評価結果について述べる。比較例1については、境界位置Bが、境界位置Aよりも上流側に配置されているため、感光ドラム1aと中間転写ベルト13との接触領域よりも前に転写電界が感光ドラム1a上のトナー像に作用して転写散りが発生し、画像品位が低下した。
[比較例2]
比較例2では、図3(b)に示すように、境界位置Cが、境界位置Aよりも下流側且つ境界位置Bよりも上流側に設定されている。位置関係を示すと、上流側からA⇒C⇒B⇒Dとなる。比較例2で用いている弾性部材31a及びシート部材32aは、実施例1と同一である。次に評価結果について述べる。比較例2については、境界位置Cが、境界位置Bよりも上流側に配置されているため、弾性部材31aの上流側の角のみがシート部材32aとの接触点(接触線)となり、撓ませたシート部材32aの反発力に頼った1次転写ニップ部の構成となってしまう。即ち、シート部材32aが中間転写ベルト13に接触する圧を、弾性部材31aからは得られず、撓ませたシート部材32aの平板に戻ろうとする反発力だけで得ることになる。従って、弾性部材31aからシート部材32aに均一な圧が掛からないため、シート部材32aと中間転写ベルト13との長手方向での均一な接触性を確保することができず、縦スジ状の転写不良が発生し、画像品位が低下した。
[比較例3]
比較例3では、図3(c)に示すように、境界位置B及び境界位置Cが、境界位置Dよりも下流側に設定されている。位置関係を示すと、上流側からA⇒D⇒B⇒Cとなる。比較例3で用いている弾性部材31a及びシート部材32aは、実施例1と同一である。次に評価結果について述べる。比較例3については、境界位置B及び境界位置Cが境界位置Dよりも下流側に配置されるため、1次転写ニップ部でのニップ領域が確保されなくなる。これにより、転写が著しく良好に行えなくなり、画像品位が著しく低下した。
【0025】
以上説明したように本例の特徴は、1次転写装置10aが弾性部材31aとシート部材32aとを有し、その構成部材の位置関係を規定することで、シート部材32aのバックアップ部材である弾性部材31aがシート部材32aを確実に押圧することができる。これにより、シート部材32aと中間転写ベルト13とが接触して形成される1次転写ニップ部を長手方向で均一にすることができ、長手方向で1次転写ニップ部が不安定であることに起因する縦スジ状の転写不良を防止することができる。また、境界位置Aよりも下流側に境界位置Bを配置することで、転写電界の影響を抑制できる。つまり、感光ドラム1aと中間転写ベルト13との接触領域より前に転写電界が感光ドラム1a上のトナー像に
作用して、トナー像の一部を中間転写ベルト上にプレ転写し、トナー像がボケる画像不良(所謂、飛び散り)を抑制することができる。
【0026】
<実施例2>
上述した実施例1においては、1次転写装置10aが、シート部材32aと略直方体形状の弾性部材31aとから構成されていた。しかしながら、通紙枚数が増えると、シート部材32aの摩擦力の上昇に伴い、シート部材32aが中間転写ベルト13に引っ張られる力が増大し、弾性部材31aもつられて主にシート部材接触側が下流方向へずれる。具体的には、図5に示すように、シート部材32aと中間転写ベルト13との静電吸着力によって、シート部材32aが下流方向へ引っ張られる力が発生する。これにより、境界位置Bが下流方向の境界位置B’へ移動してしまう。これに伴いシート部材32aにつられて弾性部材31aも主にシート部材接触側が下流方向へずれ、境界位置Cが下流方向の境界位置C’へ移動する。しかし、弾性部材31aへの影響が少ないので、境界位置C’への移動量は境界位置B’への移動量に比して少ない。このため、境界位置B’が、境界位置C’よりも下流側となってしまう(C’⇒B’)。このままであると、実施例1で比較例2として述べたように、1次転写ニップ部の形状が不安定になってしまい、転写不良が発生してしまう。
これに対して、本例では、図6に示すように、1次転写装置10aに用いられる弾性部材41aの形状を、シート部材32aと接触する接触面(上面)が、当該接触面の裏面(底面)よりも小さい断面台形形状にしている。つまり、弾性部材41aにおける上流側の面は、シート部材32aとの接触面から離れる程、より上流側に向かう傾斜面である。また、弾性部材41aにおける下流側の面は、シート部材32aとの接触面から離れる程、より下流側に向かう傾斜面である。尚、傾斜面としては、平面に限られず、曲面であってもよい。
これにより、弾性部材41aの裏面からの圧によって、シート部材接触側が下流方向へずれることを抑制する。よって、耐久によってシート部材32aの摩擦力が増大した場合においても、下流方向への弾性部材31aのシート部材接触側のずれ(弾性部材31aの倒れ)を防止することができ、長手方向で均一な1次転写ニップ部を確保することができる。また、図6に示すように、本例の境界位置関係に関しては、実施例1と同様A⇒B⇒C⇒Dの順であり、その設定も同様である。尚、第2〜第4ステーションについても、第1ステーションと同様の構成である。
【0027】
(作用)
本例では、プリント枚数が増えるにつれてシート部材32aが引っ張られる力が増加しても、弾性部材41aを使用することで、弾性部材41aの裏面からの圧が、弾性部材41aのシート部材接触側が下流方向へずれることを抑制する。つまり、下流方向への弾性部材41aの倒れを防止することができる。従って、長期にわたり安定した転写を行うことができる。尚、本例の作用を第1ステーションについて述べたが、第2〜第4ステーションも第1ステーションと同様の作用が得られる。
【0028】
(実施例2の評価)
本例について、上述の実施例1と同様に、初期、10k枚通紙後、50k枚通紙後の縦スジ、転写散りについての評価を行った。結果を図7に示す。
[実施例1]
実施例1では、50k枚通紙後に、シート部材32aが中間転写ベルト13との静電吸着力によって下流方向へ引っ張られて、弾性部材31aに倒れが発生したので、長手方向で均一な1次転写ニップ部を確保することができなくなる。その結果、縦スジ状の転写不良が発生し、画像品位が低下した。
[実施例2]
一方、実施例2では、弾性部材41aの形状が、上述した断面台形形状であるため、弾
性部材41aの倒れは発生しない。その結果、50k枚通紙しても長手方向で均一な1次転写ニップ部を確保することができ、縦スジ、転写散り共に発生しなかった。
【0029】
尚、実施例2の同様の思想に基づき、図8に示すように、直方体形状をした弾性部材31aを下流側から支持し、弾性部材31aの下流方向への倒れを防止する支持部材33aをさらに設けてもよい。これによっても、実施例2と同様な効果が得られる。尚、支持部材33aは、よりシート部材側を支持すると、より効果が高い。また、支持部材33aに支持される弾性部材は、実施例2のような弾性部材41aであってもよく、弾性部材31aの形状に限定されない。
【0030】
<その他>
上記実施例1,2においては、中間転写方式のカラー画像形成装置を適用して説明した。しかし、本発明は、中間転写ベルトの代わりに、図9に示すような、感光ドラムが担持したトナー像が感光ドラムから転写される転写材を担持搬送する搬送ベルト(ベルト体)を備えた、所謂、直接転写方式の画像形成装置においても同様に適用できる。搬送ベルトは、無端状の回転可能なものである。また、本発明は、単色用の画像形成装置、所謂、モノカラー画像形成装置に適用してもよい。
【0031】
図9に示す直接転写方式の画像形成装置は、各ステーションへと搬送ベルトにて搬送中の転写材Pに対して、夫々の感光ドラム1a〜1dに担持されたトナー像が順次直接転写されてカラー画像が形成されるものである。この場合には、感光ドラム1a〜1dと搬送ベルト110との接触領域は、転写材Pを介して接触する領域となる。つまり、各感光ドラム1a〜1dと搬送ベルト110との間に転写材Pが介在する。直接転写方式の画像形成装置であると、図10に示すように、転写材Pを介して感光ドラム1aと搬送ベルト110とが接触する以外には、上述と同様な構成をとる。以下にその特徴構成の概要を述べる。尚、以下では、第1ステーションについて代表して述べるが、第2〜第4ステーションについても、第1ステーションと同様の構成である。
弾性部材31aは、シート部材32aにおける搬送ベルト110との接触面とは反対側の面であって、シート部材32aが搬送ベルト110に対して接触する領域内で接触する。そして、搬送ベルト110とシート部材32aとが接触する接触領域は、シート部材32aと弾性部材31aとが接触する接触領域よりも、搬送ベルト110の回転方向の上流側から設けられている。つまり、境界位置Bよりも下流側に境界位置Cを配置させた(B⇒C)。
感光ドラム1aと搬送ベルト110とが転写材Pを介して接触する接触領域は、搬送ベルト110とシート部材32aとが接触する接触領域よりも、搬送ベルト110の回転方向の上流側から設けられている。つまり、境界位置Aよりも下流側に境界位置Bを配置させた(A⇒B)。
シート部材32aと弾性部材31aとが接触する接触領域は、感光ドラム1aと搬送ベルト110とが転写材Pを介して接触する接触領域における搬送ベルト110の回転方向の下流側端よりも、搬送ベルト110の回転方向の上流側から設けられている。つまり、境界位置Cよりも下流側に境界位置Dを配置させた(C⇒D)。
シート部材32aは、可撓性を有し、搬送ベルト110から離れた搬送ベルト110の回転方向の上流側の一端が固定されており、当該固定された一端から他端の自由端側を撓ませた状態での反発力で搬送ベルト110に当接可能としている。
さらに、弾性部材31aにおける搬送ベルト110の回転方向の上流側の面は、シート部材32aとの接触面から離れる程、搬送ベルト110の回転方向のより上流側に向かう傾斜面であるとよい。また、弾性部材31aにおける搬送ベルト110の回転方向の下流側の面は、シート部材32aとの接触面から離れる程、搬送ベルト110の回転方向のより下流側に向かう傾斜面であってもよい。
1次転写装置10aは、弾性部材31aを搬送ベルト110の回転方向の下流側から支
持する支持部材を有してもよい。
以上の直接転写方式の画像形成装置においても上記実施例と同様な作用及び効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0032】
B,C…境界位置、1a…感光ドラム、10a…1次転写装置、13…中間転写ベルト、31a…弾性部材、32a…シート部材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を担持する像担持体と、
前記像担持体からトナー像が転写される無端状の回転可能な中間転写ベルトと、
前記中間転写ベルトを挟んで前記像担持体と対向する位置に配置された転写装置と、
を備え、
前記転写装置は、前記中間転写ベルトの内面に面接触するシート部材と、前記シート部材を前記中間転写ベルトに向かって押圧する弾性部材と、を有する画像形成装置であって、
前記弾性部材は、前記シート部材における前記中間転写ベルトとの接触面とは反対側の面であって、前記シート部材が前記中間転写ベルトに対して接触する領域内で接触し、
前記中間転写ベルトと前記シート部材とが接触する接触領域は、前記シート部材と前記弾性部材とが接触する接触領域よりも、前記中間転写ベルトの回転方向の上流側から設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記像担持体と前記中間転写ベルトとが接触する接触領域は、前記中間転写ベルトと前記シート部材とが接触する接触領域よりも、前記回転方向の上流側から設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記シート部材と前記弾性部材とが接触する接触領域は、前記像担持体と前記中間転写ベルトとが接触する接触領域における前記回転方向の下流側端よりも、前記回転方向の上流側から設けられていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記シート部材は、可撓性を有し、前記回転方向の上流側の一端が固定されており、当該固定された一端から他端の自由端側を撓ませた状態での反発力で前記中間転写ベルトに当接可能なことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記弾性部材における前記回転方向の上流側の面は、前記シート部材との接触面から離れる程、前記回転方向のより上流側に向かう傾斜面であると共に、前記弾性部材における前記回転方向の下流側の面は、前記シート部材との接触面から離れる程、前記回転方向のより下流側に向かう傾斜面であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記転写装置は、前記弾性部材を前記回転方向の下流側から支持する支持部材をさらに有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
トナー像を担持する像担持体と、
トナー像が前記像担持体から転写される転写材を担持搬送する無端状の回転可能な搬送ベルトと、
前記搬送ベルトを挟んで前記像担持体と対向する位置に配置された転写装置と、
を備え、
前記転写装置は、前記搬送ベルトの内面に面接触するシート部材と、前記シート部材を前記搬送ベルトに向かって押圧する弾性部材と、を有する画像形成装置であって、
前記弾性部材は、前記シート部材における前記搬送ベルトとの接触面とは反対側の面であって、前記シート部材が前記搬送ベルトに対して接触する領域内で接触し、
前記搬送ベルトと前記シート部材とが接触する接触領域は、前記シート部材と前記弾性部材とが接触する接触領域よりも、前記搬送ベルトの回転方向の上流側から設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
前記像担持体と前記搬送ベルトとが転写材を介して接触する接触領域は、前記搬送ベル
トと前記シート部材とが接触する接触領域よりも、前記回転方向の上流側から設けられていることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記シート部材と前記弾性部材とが接触する接触領域は、前記像担持体と前記搬送ベルトとが転写材を介して接触する接触領域における前記回転方向の下流側端よりも、前記回転方向の上流側から設けられていることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記シート部材は、可撓性を有し、前記搬送ベルトから離れた前記回転方向の上流側の一端が固定されており、当該固定された一端から他端の自由端側を撓ませた状態での反発力で前記搬送ベルトに当接可能なことを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記弾性部材における前記回転方向の上流側の面は、前記シート部材との接触面から離れる程、前記回転方向のより上流側に向かう傾斜面であると共に、前記弾性部材における前記回転方向の下流側の面は、前記シート部材との接触面から離れる程、前記回転方向のより下流側に向かう傾斜面であることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記転写装置は、前記弾性部材を前記回転方向の下流側から支持する支持部材をさらに有することを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−158586(P2011−158586A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−18603(P2010−18603)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】