説明

画像形成装置

【課題】乳幼児にとってリムーバブルメディアを取り外すことを困難な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1には、リムーバブルメディア挿入口であるスロット18aを覆うリムーバブルメディア開閉蓋7が設けられている。そして、リムーバブルメディア開閉蓋7の開放を許容する許容位置とリムーバブルメディア開閉蓋7の開放を阻止する阻止位置とに移動するカバー押さえ部材として、第1排紙トレイ6から第2排紙トレイを引き出すための第2排紙トレイ引き出し取手部8が、併用される。よって、乳幼児にとってリムーバブルメディアを取り外すことを困難な構成とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリーカードやUSBメモリ等のリムーバブルメディアを着脱可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複合機、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置において、メモリーカードやUSBメモリ等のリムーバブルメディア(記憶媒体)を着脱可能になっているものがある。リムーバブルメディアを着脱可能な画像処理装置では、当該リムーバブルメディアが挿入されると、このリムーバブルメディアから印刷用画像データの入力を行ったり、リムーバブルメディアから最新バージョンのファームウェアやオプションソフトのインストールを行ったりすることが可能である。
【0003】
このようなリムーバブルメディアを用いる画像処理装置として、特許文献1には、前面にメモリーカードを挿入するためのメモリスロットを有した画像読取記録装置が開示されている。特許文献2には、カード挿入部を覆う保護カバーを設け、保護カバーの開閉はカードスロットより筐体の内側に設けたプリンタが開示されている。特許文献3には、原稿カバーの側面にメモリーカード接続部を設けたプリンタが開示されている。特許文献4には、カードスロットを覆う閉姿勢と、カードスロットを開放する開姿勢とに揺動可能な保護カバーを設けたプリンタが開示されている。特許文献5には、開閉可能で閉状態の排出スタッカによりメモリーカードスロットがカバーされる記録装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−53819
【特許文献2】特開2005−59295
【特許文献3】特開2007−150685
【特許文献4】特開2005−79779
【特許文献5】特開2007−223243
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記のリムーバブルメディアは、小型化が進んでその可搬性が向上する反面、その小ささのために乳幼児が誤って飲み込んでしまい、深刻な事故につながってしまうといった危険も有している。よって、このような危険を回避するために、リムーバブルメディアを着脱可能な画像形成装置においては、リムーバブルメディアが挿入されているスロットから当該リムーバブルメディアを乳幼児が容易に取り外せないようにすることが必要である。
【0006】
しかしながら、特許文献1では、画像読取記録装置の前面にメモリーカードを挿入するためのメモリスロットがある為、乳幼児が誤ってメモリーカードを取り出すおそれがある。また、特許文献2では、保護カバーでカード挿入部を覆ってはいるものの、保護カバーは操作パネル側から下方へ開く。そのため、乳幼児が誤って保護カバーの上部に手をかけ保護カバーを開き、メモリーカードを取り出すおそれがある。
【0007】
特許文献3では、原稿カバーの前面にメモリーカード接続部がある為、乳幼児にとってもメモリーカードの視認性が高く、メモリーカードを取り出すおそれがある。特許文献4では、カードスロットの保護カバーを自動で開閉する点では有効であるが、部品点数が多くなり、電源ON状態でしか作用しなく、高価な構成となってしまう。
【0008】
特許文献5では、メモリーカード用スロットは、排出スタッカを開いた際、むき出し状態である為、画像形成装置を使用している際に乳幼児にメモリーカードの在りかが容易に解ってしまうおそれがある。また、この排出スタッカは、大サイズ紙を受ける構成にはなってなく不便である。さらに、メモリーカードが乳幼児の誤飲に繋がるおそれがあることも考慮されていない。
【0009】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、乳幼児がリムーバブルメディアを取り外し難い画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る画像形成装置は、リムーバブルメディアを挿入するための挿入口を備えた画像形成装置において、前記挿入口を覆うカバーと、前記カバーの開放を許容する許容位置と前記カバーの開放を阻止する阻止位置とに移動するカバー押さえ部材と、を備えることを特徴としている。
【0011】
上記構成によると、リムーバブルメディアを挿入するための挿入口をカバーで覆い、さらに、カバーの開放を許容する許容位置とカバーの開放を阻止する阻止位置とに移動するカバー押さえ部材により、カバーの開放が許容または阻止される。よって、リムーバブルメディアを画像形成装置から取り出すには、カバー押さえ部材を許容位置に移動させて、カバーを開放する必要がある。そのため、例え乳幼児が誤って画像形成装置に触れた場合であっても、容易にリムーバブルメディアの取り出すことはできない。延いては、乳幼児のリムーバブルメディアの誤飲を防止できる。
【0012】
本発明に係る画像形成装置は、上記構成に加え、前記画像形成装置の筐体に収納可能な排紙トレイを備え、前記排紙トレイは、上記カバー押さえ部材として併用され、前記画像形成装置の筐体に収納されると前記カバーを覆うように形成されており、前記阻止位置は、前記排紙トレイが前記画像形成装置の筐体に収納される位置であってもよい。
【0013】
上記構成によると、前記カバー押さえ部材として、排紙トレイを用い、前記阻止位置は、前記排紙トレイが前記画像形成装置の筐体に収納される位置である。よって、排紙トレイを画像形成装置の筐体に収納することで、排紙トレイによりカバーを覆うので、余分な部品を必要とせず、簡易な構成で安価に、リムーバブルメディアの取り出し防止する構成とすることができる。
【0014】
本発明に係る画像形成装置は、上記構成に加え、前記排紙トレイは、第1排紙トレイと当該第1排紙トレイに収納可能な第2排紙トレイとを備え、前記第2排紙トレイは、前記第1排紙トレイから当該第2排紙トレイを引き出すための、前記第1排紙トレイから露出した取手部を備え、前記取手部は、前記第2排紙トレイが前記第1排紙トレイに収納され、かつ、前記第1排紙トレイが前記画像形成装置の筐体に収納されると、前記カバーを覆うように形成されていてもよい。
【0015】
上記構成によると、前記カバー押さえ部材として、前記排紙トレイに含まれる、第1排紙トレイから第2排紙トレイを引き出すための、第1排紙トレイから露出した取手部を、用いる。よって、第2排紙トレイが第1排紙トレイに収納され、かつ、第1排紙トレイが画像形成装置の筐体に収納されると、取手部がカバーを覆う。このように、取手部にてカバーを押えるので、余分な部品を必要とせず、簡易な構成で安価に、リムーバブルメディアの取り出し防止する構成とすることができる。また、第1排紙トレイから第2排紙トレイを引き出すことで、記録シートとしてサイズが大きいシートを用いて画像形成した場合であっても、容易に印刷物を受けることができる。
【0016】
本発明に係る画像形成装置は、上記構成に加え、前記カバーは、前記取手部を嵌合可能な取手部収容部を備えていてもよい。
【0017】
上記構成によると、前記取手部を嵌合可能な取手部収容部を備えているため、前記取手部を取手部収容部に嵌合することで、画像形成装置におけるリムーバブルメディアの取り出し面を略フラットな形状に構成することが可能となる。よって、画像形成装置の外観がすっきりしたデザインとなり、かつ、乳幼児にリムーバブルメディアの挿入部を解り難くすることができる。
【0018】
本発明に係る画像形成装置は、上記構成に加え、前記カバーは嵌合部を有し、前記阻止位置は、前記嵌合部に前記カバー押さえ部材が嵌合する位置であり、さらに、前記画像形成装置の筐体に収納可能な第1排紙トレイと、当該第1排紙トレイに収容可能な第2排紙トレイとを備え、前記カバー押さえ部材は、前記第2排紙トレイが前記第1排紙トレイへ収納されるのに連動して、前記嵌合部に嵌合するよう形成されていてもよい。
【0019】
上記構成によると、第2排紙トレイが第1排紙トレイに収納されることに連動して、カバー押さえ部材は、カバーが有する嵌合部に嵌合する。この嵌合により、カバーの開閉が不可能になる。よって、リムーバブルメディアを画像形成装置から取り出すには、第2排紙トレイを第1排紙トレイから引き出し、カバーを開放する必要がある。よって、例え乳幼児が誤って画像形成装置に触れた場合であっても、容易にリムーバブルメディアの取り出すことはできない。延いては、乳幼児のリムーバブルメディアの誤飲を防止できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る画像形成装置は、以上のように、リムーバブルメディアを挿入するための挿入口を備えた画像形成装置において、前記挿入口を覆うカバーと、前記カバーの開放を許容する許容位置と前記カバーの開放を阻止する阻止位置とに移動するカバー押さえ部材と、を備えている。
【0021】
上記構成によると、リムーバブルメディアを挿入するための挿入口をカバーで覆い、さらに、カバーの開放を許容する許容位置とカバーの開放を阻止する阻止位置とに移動するカバー押さえ部材により、カバーの開放が許容または阻止される。よって、リムーバブルメディアを画像形成装置から取り出すには、カバー押さえ部材を許容位置に移動させて、カバーを開放する必要がある。そのため、例え乳幼児が誤って画像形成装置に触れた場合であっても、容易にリムーバブルメディアの取り出すことはできない。延いては、乳幼児のリムーバブルメディアの誤飲を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態の画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【図2】上記画像形成装置の概略断面図である。
【図3】上記画像形成装置の概略正面図である。
【図4】(a)は、上記画像形成装置の第1排紙トレイが閉じた状態のときのリムーバブルメディア開閉蓋付近の拡大図、(b)は、上記画像形成装置の第1排紙トレイを開けた状態のときのリムーバブルメディア開閉蓋付近の拡大図、(c)は、リムーバブルメディア挿入口付近の拡大図である。
【図5】上記画像形成装置の第1排紙トレイから第2排紙トレイを引き出した図である。
【図6】本発明の他の実施形態の画像形成装置の第1排紙トレイから第2排紙トレイを引き出した図である。
【図7】(a)は、上記他の実施形態の画像形成装置の第1排紙トレイを閉じた状態のときの第1排紙トレイ回転軸付近の拡大図、(a)は、上記他の実施形態の画像形成装置の第1排紙トレイを開けた状態のときの第1排紙トレイ回転軸付近の拡大図である。
【図8】(a)はSDメモリーカードの表面を示した図、(b)はSDメモリーカードの裏面を示した図、(c)はSDHC(登録商標)メモリーカードの表面を示した図であり、(d)はSDHCメモリーカードの裏面を示した図である。
【図9】(a)はコンパクトフラッシュ(登録商標)の表面を示した図であり、(b)はコンパクトフラッシュ(登録商標)の裏面を示した図である。
【図10】(a)はmicroSDメモリーカードの表面を示した図であり、(b)はmicroSDメモリーカードの裏面を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照に詳細に説明する。
【0024】
〔実施の形態1〕
図1は本発明の一実施形態である画像形成装置1の斜視図であり、図2は、画像形成装置1の断面図である。
【0025】
画像形成装置1は、スキャナ部2とプリンタ部3とを備え、ネットワークを介して接続されたPC(Personal Computer)等の各種端末装置から送信される画像データあるいはスキャナ部2にて読み取った画像データに応じて、所定のシート(記録用紙)に対して多色および単色の画像を形成する。
【0026】
また、画像形成装置1は、ユーザが画像形成装置1への操作を行うための操作部30を有している。スキャナ部2の上部には原稿カバー4が設けられている。
【0027】
プリンタ部3は、画像データに基づいてシート上にトナー像を形成するブロックである。プリンタ部3は、露光部9、現像部10、感光体11、転写ローラ12、クリーニング部13、定着部14、給紙トレイ5、給紙ローラ15、排紙ローラ16、記録紙搬送路17、第1排紙トレイ6、リムーバブルメディア開閉蓋7、リムーバブルメディア挿入部18等を有している。
【0028】
露光部9は、図示しない画像処理部から出力された画像データに応じて、図示しない帯電装置にて帯電された感光体11の表面を露光することにより、感光体11表面に静電潜像を書き込む機能を有する。露光部9としては、レーザ照射部および反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)や、ELやLED等の発光素子をアレイ状に並べた書き込み装置(例えば、書き込みヘッド)を使用することができる。
【0029】
給紙トレイ5に配置されたシートは、記録紙搬送路17に沿って、給紙ローラ15により搬送される。
【0030】
現像部10は、露光部9によって感光体11表面に形成された静電潜像を現像してトナー像(可視像)を形成する。現像部10は、現像剤を収容する現像槽と、現像剤を担持して感光体11に搬送するする現像ローラ等を有している。
【0031】
転写ローラ12は、感光体11上に形成されたトナー像を、記録紙搬送路17を搬送されるシートに転写するものである。転写ローラ12には、トナーの帯電極性とは、逆極性のバイアス電圧が印加される。
【0032】
クリーニング部13は、シートへのトナー像転写後に、感光体11の表面に残存しているトナーを除去および回収する装置である。
【0033】
なお、説明を簡単にするため、図では感光体1、現像部10、転写ローラ12、クリーニング部13がそれぞれ1つである単一色の画像形成装置を描画している。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色を用いたカラー画像を形成するには、各色に応じた潜像が形成されるように、感光体1、現像部10、転写ローラ12、クリーニング部13は、各色に応じて4つ設置される。なお、これら4色に限定されなくてもよく、例えばシアンおよびマゼンタと同一の色相で濃度がより薄い特性をもつライトシアン(LC)およびライトマゼンタ(Lm)を加えた6色であってもよい。また、感光体11からシートに直接転写するのではなく中間転写ベルトを用いた中間転写方式であってもよい。
【0034】
定着部14は、ヒートローラおよび加圧ローラを備え、これらによりシートを挟んで搬送し、シート上のトナー像を、シートに定着させるものである。ヒートローラは、図示しない温度検出器からの信号に基づいて制御部によって所定の定着温度となるように設定されており、加圧ローラとともにシートを搬送して、シートに転写されたトナー像を溶融・混合・圧接して、シートに熱定着させる。
【0035】
トナー像が熱定着されたシートは、排紙ローラ16により、第1排紙トレイ6に排紙される。第1排紙トレイ6は、使用しないときは、図1に示すように、プリンタ部3の筐体の外壁の一部を成すように略垂直に筐体に収納されている(筐体側に倒されている)。これを第1排紙トレイ6を閉じた状態と呼ぶことにする。使用時には、図2に示すように、第1排紙トレイ6が略水平になるように、プリンタ部3の筐体から出す(筐体から離れるように倒される)。これを第1排紙トレイ6を開けた状態と呼ぶことにする。
【0036】
また、図5に示すように、第2排紙トレイ19の中には第2排紙トレイ19が収納されている。大型のシートを排出する際には、第2排紙トレイ19を第1排紙トレイ6から引き出す。ユーザが、第2排紙トレイ19を第1排紙トレイ6から引き出す取っ掛かりとして、第2排紙トレイ19には第2排紙トレイ引き出し取手部8が設けられている。そして、第1排紙トレイ6には、取手部格納部8aが設けられており、第1排紙トレイ6の中に第2排紙トレイ19が収納されているとき、第2排紙トレイ引き出し取手部8が取手部格納部8aから露出している。
【0037】
上記では、レーザ方式の画像形成装置について説明しているが、インクジェット方式の画像形成装置であっても構わない。
【0038】
さらに、本実施形態の画像形成装置1は、リムーバブルメディアを挿入するためのリムーバブルメディア挿入部18を備えている。リムーバブルメディア挿入部18には、リムーバブルメディア挿入口としてスロット18aが形成されており、リムーバブルメディアを着脱可能になっている。互いに異なる規格のリムーバブルメディアを挿入するために複数のスロットが形成されていてもよい。なお、リムーバブルメディア挿入部18にリムーバブルメディア単体で挿入しても、またリムーバブルメディアをアダプタに挿入してからリムーバブルメディア挿入部18へ挿入してもよい。
【0039】
画像形成装置1は、リムーバブルメディア挿入部18に装着しているリムーバブルメディアに対するデータの書き込みおよびリムーバブルメディアからデータを読み出すリーダライタであるドライブを備えている。そして、リムーバブルメディア挿入部18に挿入されたリムーバブルメディアから読み出される画像情報に基づいて印刷処理を行うことが可能になっている。また、ファームウェアの更新プログラムを記憶したリムーバブルメディアがリムーバブルメディア挿入部18に挿入されると、当該リムーバブルメディアに記憶されている更新プログラムに基づいて、画像形成装置1にインストールされているファームウェアが更新されるようになっている。
【0040】
さらに、画像形成装置1のオプションソフトを記憶したリムーバブルメディアがリムーバブルメディア挿入部18に挿入されると、当該リムーバブルメディアから画像形成装置1に前記オプションソフトがインストールされるようになっている。
【0041】
リムーバブルメディアとしては、例えば、図8(a),(b)に示すSDメモリーカード、図8(c),(d)に示すSDHC(登録商標)メモリーカード、図9に示すコンパクトフラッシュ(登録商標)、図10に示すmicroSDメモリーカードなどの各種メモリーカードを用いることができる。また、図示したメモリーカード以外のリムーバブルメディアも勿論用いることができる。例えば、SDXCメモリーカード、miniSDメモリーカード、microSDメモリーカード、microSDHCメモリーカード、xDピクチャーカード(登録商標)、メモリースティック(登録商標)、マイクロドライブ(登録商標)、スマートメディア(登録商標)、マルチメディアカード、MMCplusなどのメモリーカードや、USBメモリなどであってもよい。
【0042】
リムーバブルメディア挿入部18のスロット18aは、リムーバブルメディア開閉蓋7が覆われている。リムーバブルメディア開閉蓋7を閉じると、スロット18aが隠蔽され、リムーバブルメディア開閉蓋7を開くと、スロット18aが露出する。さらに、リムーバブルメディア開閉蓋7は、第2排紙トレイ引き出し取手部8により開閉が制御されている。
【0043】
図1に示すように、第1排紙トレイ6を閉じた状態のときは、リムーバブルメディア開閉蓋7は、第2排紙トレイ引き出し取手部8により押さえられた状態となる。よって、リムーバブルメディア開閉蓋7の開放は阻止される(リムーバブルメディア開閉蓋7は開かない)。この第2排紙トレイ引き出し取手部8とは、図5に示すように、第1排紙トレイ6から第2排紙トレイ19を引き出すための取手である。
【0044】
図3に示すように、第1排紙トレイ6を開けた状態のときは、第2排紙トレイ引き出し取手部8は、リムーバブルメディア開閉蓋7から外れる。よって、リムーバブルメディア開閉蓋7は、開閉可能となる。なお、リムーバブルメディア開閉蓋7をユーザが指で開閉し易いようにリムーバブルメディア開閉蓋7に沿った位置に凹部20を設けている。
【0045】
リムーバブルメディア開閉蓋7の開閉に詳細について、図4(a)〜(c)を用いて説明する。図4(a)は、第1排紙トレイ6が閉じた状態のときの、リムーバブルメディア開閉蓋7付近の拡大図である。リムーバブルメディア開閉蓋7には、第2排紙トレイ引き出し取手部8を嵌め込む凹部である取手収容部21が設けられている。第1排紙トレイ6が閉じた状態のときは、第2排紙トレイ引き出し取手部8と取手収容部21とは嵌合しており、リムーバブルメディア開閉蓋7の開放は阻止される。つまり、第2排紙トレイ19が第1排紙トレイ6に収納され、かつ、第1排紙トレイ6が画像形成装置の筐体に収納される(閉じる)と、第2排紙トレイ引き出し取手部8は、リムーバブルメディア開閉蓋7を覆う。
【0046】
図4(b)は、第1排紙トレイ6を開けた状態のときの、リムーバブルメディア開閉蓋7付近の拡大図である。第2排紙トレイ引き出し取手部8が取手収容部21から外れるため、リムーバブルメディア開閉蓋7は開閉可能となる。図4(c)に示すように、リムーバブルメディア開閉蓋7を開くと、スロット18aが露出する。なお、図4(b),(c)において、リムーバブルメディア開閉蓋7の開閉支点は図示していない。
【0047】
以上のように、第2排紙トレイ引き出し取手部8によって、リムーバブルメディア開閉蓋7が押さえられている。第2排紙トレイ引き出し取手部8は、リムーバブルメディア開閉蓋7の開放を許容する許容位置と、リムーバブルメディア開閉蓋7の開放を阻止する阻止位置とに移動する。ここで、許容位置とは、第1排紙トレイ6を開けた状態における第2排紙トレイ引き出し取手部8の位置である。また、阻止位置とは、第1排紙トレイ6が閉じた状態における第2排紙トレイ引き出し取手部8の位置である。
【0048】
よって、リムーバブルメディア挿入部18からリムーバブルメディアを取り外すためには、第1排紙トレイ6を開けた状態にすることで、取手収容部21に嵌められている第2排紙トレイ引き出し取手部8を取手収容部21から外して、リムーバブルメディア開閉蓋7を開放する必要がある。このような操作は、乳幼児にとって容易ではない。よって、本実施形態の画像形成装置1は、乳幼児にとってリムーバブルメディアを取り外すことが困難となり、誤飲を予防することができる。
【0049】
上記では、第2排紙トレイ引き出し取手部8によって、リムーバブルメディア開閉蓋7の開放を阻止しているが、第1排紙トレイ6全体で、リムーバブルメディア開閉蓋7を覆うようにして、リムーバブルメディア開閉蓋7の開放を阻止してもよい。この場合、第1排紙トレイ6は、リムーバブルメディア開閉蓋7の開放を許容する許容位置と、リムーバブルメディア開閉蓋7の開放を阻止する阻止位置とに移動する。この場合、許容位置とは、第1排紙トレイ6を開けた状態の位置である。また、阻止位置とは、第1排紙トレイ6が閉じた状態の位置である。
【0050】
〔実施の形態2〕
本実施形態の画像形成装置は、実施の形態1の画像形成装置1と比べて、リムーバブルメディア開閉蓋7の開閉動作が異なり、この開閉動作に関する構成が異なっているが、その他は同じ構成である。よって、同じ構成部材には同じ番号を付し説明を省略する。
【0051】
本実施形態のリムーバブルメディア開閉蓋7の開閉動作について説明する。
【0052】
図6に示すように、リムーバブルメディア開閉蓋7は、蓋開閉支柱7cが、リムーバブルメディア開閉蓋7に接続する蓋開閉支柱嵌合部7bから外れることで、開閉可能となる。リムーバブルメディア開閉蓋7は、蓋開閉支点7aを中心に開閉する。この開閉について詳細に説明する。
【0053】
図7(b)に示す第1排紙トレイ6を閉じた状態から、図7(a)に示す第1排紙トレイ6を開けた状態にする。第1排紙トレイ6を開けた状態で、第1排紙トレイ6から第2排紙トレイ19を引き出すことで、蓋開閉支柱7cを蓋開閉支柱7cの下で支える蓋開閉支柱支持部7dが、垂直方向下向きに下がる。ここで、蓋開閉支柱支持部7dは、例えば樹脂で、第1排紙トレイ6と一体に形成されている。第2排紙トレイ19が第1排紙トレイ8に格納されているときは、蓋開閉支柱7cは蓋開閉支柱嵌合部7bと嵌合しており、リムーバブルメディア開閉蓋7の開放は阻止される。よって、第2排紙トレイ19を引き出すことに連動して、開閉支柱7cと蓋開閉支柱嵌合部7bとの嵌合が外れる。また、第2排紙トレイ19を第1排紙トレイ6に収納することに連動して、開閉支柱7cは蓋開閉支柱嵌合部7bに嵌合する。
【0054】
図6に示すように、蓋開閉支柱支持部7dが下がることで、蓋開閉支柱7cも蓋開閉支柱支持部7dと一緒に垂直方向下向きに下がり、蓋開閉支柱7cは蓋開閉支柱嵌合部7bから外れる。蓋開閉支柱7cは蓋開閉支柱嵌合部7bから外れると、リムーバブルメディア開閉蓋7は開放される(開閉可能となる)。なお、図6では、蓋開閉支柱7cの上下移動を支持する支持部材は図示していない。
【0055】
以上のように、蓋開閉支柱7cによって、リムーバブルメディア開閉蓋7の開放が抑制される。蓋開閉支柱7cは、リムーバブルメディア開閉蓋7の開放を許容する許容位置と、リムーバブルメディア開閉蓋7の開放を阻止する阻止位置とに移動する。この場合、許容位置とは、蓋開閉支柱7cが蓋開閉支柱嵌合部7bと嵌合する位置である。また、阻止位置とは、蓋開閉支柱7cが蓋開閉支柱嵌合部7bとの嵌合から外れた位置である。
【0056】
よって、リムーバブルメディア挿入部18からリムーバブルメディアを取り外すためには、第1排紙トレイ6を開けた状態にし、第2排紙トレイ19を第1排紙トレイ6から引き出すことで蓋開閉支柱7cと蓋開閉支柱嵌合部7bとの嵌合を解除して、リムーバブルメディア開閉蓋7を開放する必要がある。このような操作は、乳幼児にとって容易ではない。よって、本実施形態の画像形成装置1は、乳幼児にとってリムーバブルメディアを取り外すことが困難となり、誤飲を予防することができる。
【0057】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、リムーバブルメディアを着脱可能な複合機、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0059】
1 画像形成装置
2 スキャナ部
3 プリンタ部
4 原稿カバー
5 給紙トレイ
6 第1排紙トレイ(カバー押さえ部材)
7 リムーバブルメディア開閉蓋(カバー)
7a 蓋開閉支点
7b 蓋開閉支柱嵌合部(嵌合部)
7c 蓋開閉支柱(カバー押さえ部材)
7d 蓋開閉支柱支持部
8 第2排紙トレイ引き出し取手部(カバー押さえ部材、取手部)
18 リムーバブルメディア挿入部
18a スロット(挿入口)
19 第2排紙トレイ
21 取手収容部
30 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リムーバブルメディアを挿入するための挿入口を備えた画像形成装置において、
前記挿入口を覆うカバーと、
前記カバーの開放を許容する許容位置と前記カバーの開放を阻止する阻止位置とに移動するカバー押さえ部材と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成装置の筐体に収納可能な排紙トレイを備え、
前記排紙トレイは、上記カバー押さえ部材として併用され、前記画像形成装置の筐体に収納されると前記カバーを覆うように形成されており、
前記阻止位置は、前記排紙トレイが前記画像形成装置の筐体に収納される位置であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記排紙トレイは、第1排紙トレイと当該第1排紙トレイに収納可能な第2排紙トレイとを備え、
前記第2排紙トレイは、前記第1排紙トレイから当該第2排紙トレイを引き出すための、前記第1排紙トレイから露出した取手部を備え、
前記取手部は、前記第2排紙トレイが前記第1排紙トレイに収納され、かつ、前記第1排紙トレイが前記画像形成装置の筐体に収納されると、前記カバーを覆うように形成されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記カバーは、前記取手部を嵌合可能な取手収容部を備えることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記カバーは嵌合部を有し、前記阻止位置は、前記嵌合部に前記カバー押さえ部材が嵌合する位置であり、
さらに、前記画像形成装置の筐体に収納可能な第1排紙トレイと、当該第1排紙トレイに収容可能な第2排紙トレイとを備え、
前記カバー押さえ部材は、前記第2排紙トレイが前記第1排紙トレイへ収納されるのに連動して、前記嵌合部に嵌合するよう形成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−185985(P2011−185985A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−48013(P2010−48013)
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】