説明

画像形成装置

【課題】次回の電力供給開始時に、ユーザに電源異常が発生したことを報知する。
【解決手段】表示/入力パネル16に画面を表示させるコントローラ17と、印刷媒体に印刷する印刷部30と、表示/入力パネル16、コントローラ17、及び印刷部30へ電力を供給する電源101と、電源101から各機器へ電力を供給する過程において電力供給異常が発生したことを示す情報を電力供給異常情報として記憶する不揮発メモリ20と、電力供給異常が発生した場合に、電源101からの電力供給を遮断する電力供給遮断部102と、電力供給遮断部102により電力供給が遮断された場合に、電力供給異常情報を不揮発メモリ20に記憶させる記憶制御部201とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷媒体に印刷する画像形成装置に係り、特に、内部に備えられた各機器を制御する機器制御部と画像処理を実行する画像処理部とを有し、画像処理部により画像処理された印刷ジョブ情報に基づいて、機器制御部が各機器を制御することにより印刷媒体に印刷する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、インクジェット方式が適用された画像形成装置は、画像データなどを含む印刷ジョブ情報に基づいて、インクジェットヘッドのノズルからインクを印刷用紙に向けて吐出して画像や文字などを印刷する。このような画像形成装置は、多色のインクを使用して印刷用紙上に印刷データをカラーで印刷できるので、家庭用や業務用としても普及している。
【0003】
近年では、ネットワークを介して端末にコントローラ装置を接続し、コントローラ装置に画像形成装置を接続し、コントローラ装置が、端末からネットワークを介して送信された印刷ジョブ情報に基づいて印刷可能なデータ形式となるように画像処理を実行し、この画像処理が施された印刷ジョブ情報に基づいて画像形成装置が印刷する画像形成システムもある(例えば、特許文献1)。
【0004】
さらに、上述したコントローラ装置の機能を画像処理部として内部に備えた画像形成装置もある。具体的には、ネットワークを介して端末と接続され、内部に備えられた画像処理部が、端末からネットワークを介して送信された印刷ジョブ情報に基づいて印刷可能なデータ形式となるように画像処理を実行し、この画像処理が施された印刷ジョブ情報に基づいて印刷する画像形成装置もある。また、画像形成装置に備えられた画像処理部は、液晶表示パネルに各種画面を表示させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−47267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した内部に画像処理部を備える画像形成装置では、電力を供給する電源ユニットや、画像処理部、液晶表示パネル、インクジェットヘッド、搬送ローラを駆動させるモータ等の各種機器を備えており、電力供給異常、例えば過電流等の電源異常が発生すると各種機器への損傷を防ぐため電源ユニットから各種機器への電力供給が停止される。この際、液晶表示パネルにすら何も情報が提示されないため、ユーザは電源供給が停止された理由が分からず、すぐに適切な対処ができなかった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、電力供給異常が発生して電力供給が停止した場合、次回の電力供給開始時に、ユーザに電力供給異常が発生したことを報知する画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置の第1の特徴は、表示パネルと、前記表示パネルへの表示を制御するコントローラと、印刷媒体に印刷する印刷部と、前記表示パネル、前記コントローラ、及び前記印刷部の各機器へ電力を供給する電源と、前記電源から各機器へ電力を供給する過程において電力供給異常が発生したことを示す情報を電力供給異常情報として記憶する記憶部と、前記電力供給異常が発生した場合に、前記電源からの電力供給を遮断する電力供給遮断部と、前記電力供給遮断部により電力供給が遮断された場合に、前記電力供給異常情報を前記記憶部に記憶させる記憶制御部とを備えたことにある。
【0009】
本発明に係る画像形成装置の第2の特徴は、電力供給開始が要求されたときに前記記憶部に前記電力供給異常情報が記憶されている場合、前記電源により、前記表示パネル及び前記コントローラのみに電力を供給し、前記コントローラは、前記記憶部から前記電力供給異常情報を読み出し、前記表示パネルに表示させることにある。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る画像形成装置の第1の特徴によれば、電力供給遮断部により電力供給が遮断された場合に、電力供給異常情報を記憶部に記憶させるので、電力供給異常発生後の次回の電力供給開始時に、ユーザに電力供給異常が発生したことを報知することができる。
【0011】
本発明に係る画像形成装置の第2の特徴によれば、電源による電力供給が開始されたときに記憶部に電力供給異常情報が記憶されている場合、電力供給が発生したことを表示パネルに表示させるので、電力供給異常発生後の次回の電力供給開始時に、ユーザに電力供給異常が発生したことを示すメッセージを表示させることができ、これにより、ユーザは電力供給に異常が発生したことを知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例1である画像形成装置の構成を示した構成図である。
【図2】本発明の実施例1である画像形成装置の処理手順を示したフローチャートである。
【図3】本発明の実施例2に係る画像形成装置における処理手順を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の実施例ではインクジェット印刷装置をメインに説明するが、他の画像形成装置、例えば電子写真等に適用可能である。
【実施例1】
【0014】
本発明の実施例1では、各機器を制御する制御部と画像処理を実行するコンローラとを有し、電力供給異常が発生した場合、次回の電力供給開始時に電力供給異常が発生したことを報知する画像形成装置を例に挙げて説明する。
【0015】
<画像形成装置の構成>
図1は、本発明の実施例1である画像形成装置の構成を示した構成図である。
【0016】
図1に示すように、画像形成装置1は、電源ユニット11と、モータ12と、インクジェットヘッド(画像形成部)13と、ネットワークインタフェース部14と、操作部16と、コントローラ17と、エンジン基板18と、ランプ19と、不揮発メモリ20と、制御部21とを備えている。ここで、モータ12と、インクジェットヘッド13と、ネットワークインタフェース部14とを印刷部30という。
【0017】
電源ユニット11は、電源101と電力供給遮断部102とを備えている。
【0018】
電源101は、印刷部30と、操作部16と、コントローラ17と、エンジン基板18とに電力を供給する。具体的には、電源101は、モータ12には24(V)の電圧で電力を供給し、インクジェットヘッド13には41(V)の電圧で電力を供給し、ネットワークインタフェース部14とエンジン基板18と操作部16とには5(V)の電圧で電力を供給し、コントローラ17には12(V)の電圧で、電力を供給する。
【0019】
また、電源101は、電力供給の開始が要求されたときに、後述する不揮発メモリ20に電力供給異常情報が記憶されている場合、操作部16及びコントローラ17のみに電力を供給する。
【0020】
電力供給遮断部102は、電源101に接続された各機器への電力供給の過程で電力異常が発生した場合、例えば電源101に過電流等の異常が発生した場合に、電源101から、印刷部30と、操作部16と、コントローラ17等の電源ユニットに接続された各種機器への電力の供給を遮断する。
【0021】
モータ12は、24(V)の電圧で電力が供給されることにより、印刷媒体を搬送する搬送ローラを回転させたり、内部に備えられた吸引ファンを回転させたりする等、画像形成装置1の内部に備えられた様々な駆動部を駆動させる。
【0022】
インクジェットヘッド13は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及びブラック(K)の合計4色のインクジェットヘッドを備えている。インクジェットヘッド13は、41(V)の電圧で電力が供給され、内部に備えられた圧電素子を印加することによりインクジェットヘッド13から各色のインクを吐出し、これにより印刷媒体に対してカラー印刷を行う。
【0023】
ネットワークインタフェース部14は、ネットワークカードなどの通信インタフェースであり、このネットワークインタフェース部14により外部ネットワーク10に接続することによって、外部ネットワーク10に接続された端末から印刷ジョブ情報等の様々なデータが供給される。
【0024】
操作部16は、表示/入力パネル16aと、電源101に電力供給を開始させるための電源キー、読み取りや印刷等を開始させるためのスタートキー、読み取りや印刷等を停止させるためのストップキー、印刷枚数等を入力するためのテンキー(いずれも図示せず)等の各種操作キーとを備え、利用者操作に基づく操作信号をコントローラ17や制御部21に供給する。
【0025】
操作部16の表示/入力パネル16aは、前面に配置された感圧式あるいは静電式の透明なタッチパネルと、このタッチパネルの裏面に配置され、コントローラ17から供給された出力信号に基づいて、各種表示画面を表示する液晶表示パネル(いずれも図示せず)とを有している。利用者は、液晶表示パネルの表示画面を見ながら、タッチパネルの表面を指などで直接触れることで、各種の設定入力操作等を行うことができる。
【0026】
コントローラ17は、画像処理等の複雑な処理を実行するのに適した演算処理回路を備えており、12(V)の電圧で電力が供給され、ネットワークインタフェース部14を介して端末から供給された印刷ジョブ情報に基づいて画像処理を実行する。
【0027】
また、コントローラ17は、ネットワークインタフェース部14を介して端末から供給された印刷ジョブ情報や、操作部16から供給される操作信号に基づいて、操作部16の表示/入力パネル16aに各種画面を表示させるための出力信号を生成し、この生成した出力信号に基づいて操作部16の表示/入力パネル16aに各種画面を表示させる。
【0028】
エンジン基板18は、5(V)の電圧で電力が供給されており、制御部21と、不揮発メモリ20と、ランプ19が接続されている。
【0029】
制御部21は、機器制御を行うのに適した応答の早い演算処理回路を備えており、画像形成装置1の中枢的制御を行う。また、制御部21は、その機能上、記憶制御部201と機器制御部202とを備えている。
【0030】
記憶制御部201は、電力供給遮断部102により電力供給が遮断された場合に、電力供給異常情報を不揮発メモリ20に記憶させる。ここで、電力供給異常情報とは、電源101からの電力供給に異常が発生したことを示す情報であり、電源101から、印刷部30、操作部16、及びコントローラ17等の電源ユニットに接続された各種機器への電力の供給が遮断されたことを示している。
【0031】
機器制御部202は、主に、ランプ19、及び印刷部30に含まれる各部を制御する。
【0032】
例えば、機器制御部202は、モータ12を駆動させることにより、給紙トレイに積置された印刷媒体を給紙し、インクジェットヘッド13を駆動させることにより、給紙された印刷媒体に対して各色のインクを吐出させ、これにより印刷媒体に対してカラー印刷を行う。
【0033】
また、機器制御部202は、電源101により電力供給が開始されたときに不揮発メモリ20に電力供給異常情報が記憶されている場合、電源101に異常が発生したことを示すようにランプ19を点滅させる。
【0034】
ランプ19は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の発光素子を備え、機器制御部202の指示に従い点滅する。
【0035】
不揮発メモリ20は、不揮発性半導体等で構成され、電源101からの電力供給に異常が発生したことを示す情報を電力供給異常情報として記憶する。
【0036】
<画像形成装置の作用>
図2は、本発明の実施例1である画像形成装置1の処理手順を示したフローチャートである。
【0037】
図2に示すように、電源オン操作、即ち、操作部16に備えられた電源ユニット11の電源101に電源投入させるための電源キーがユーザにより押下操作されると(ステップS101)、電源ユニット11の電源101は、エンジン基板18に5(V)の電圧で、電力の供給を開始する(ステップS103)。
【0038】
そして、エンジン基板18に電力が供給されることにより起動した制御部21の記憶制御部201は、不揮発メモリ20に電力供給異常情報が記憶されているか否かを判定する(ステップS105)。
【0039】
ステップS105において、電力供給異常情報が記憶されていると判定された場合(YESの場合)、電源ユニット11の電源101は、コントローラ17と操作部16とを電源オンする(ステップS107)。具体的には、電源101は、コントローラ17に12(V)の電圧で電力を供給すると共に、操作部16に5(V)の電圧で電力を供給する。
【0040】
次に、コントローラ17は、操作部16の表示/入力パネル16aに、電源101に異常が発生したことを示すエラーメッセージを表示させる(ステップS109)。例えば、表示/入力パネル16aに、「前回の起動中に電源の異常が発生しました。メンテナンスセンターにご連絡ください。」というようなエラーメッセージを表示させる。
【0041】
一方、ステップS105において、電力供給異常情報が記憶されていないと判定された場合(NOの場合)、電源101は、電源ユニットに接続されている各種機器の電源をオンする(ステップS111)。具体的には、電源101は、モータ12には24(V)の電圧で電力を供給し、インクジェットヘッド13には41(V)の電圧で電力を供給し、ネットワークインタフェース部14及び操作部16には5(V)の電圧で電力を供給し、コントローラ17には12(V)の電圧で電力を供給する。
【0042】
ステップS111において、各部の電源がオンされると、電源ユニット11の電力供給遮断部102は、電力供給異常が発生したか否かを判定する(ステップS113)。例えば、電力供給遮断部102は、モータ12と、インクジェットヘッド13と、ネットワークインタフェース部14と、操作部16と、コントローラ17とのいずれかに過電流が流れた場合、電力供給異常が発生したと判定する。
【0043】
電力供給異常が発生したと判定された場合(YESの場合)、電力供給遮断部102は、電力供給異常が発生したことを示す信号をエンジン基板18を介して制御部21へ供給する(ステップS115)。
【0044】
次に、電源ユニット11の電力供給遮断部102は、エンジン基板18以外の電源オフする(ステップS117)。具体的には、電力供給遮断部102は、モータ12と、インクジェットヘッド13と、ネットワークインタフェース部14と、操作部16と、コントローラ17との電力供給を遮断する。
【0045】
次に、制御部21の記憶制御部201は、電力供給遮断部102から供給された電力供給異常が発生したことを示す信号に基づいて、電力供給異常情報を不揮発メモリ20に記憶させる(ステップS119)。
【0046】
この際、制御部21の機器制御部202は、電力供給異常が発生したことを示すようにランプ19を点灯又は点滅させ、ユーザに報知するようにしても良い。
【0047】
以上のように、本発明の実施例1である画像形成装置1によれば、電力供給遮断部102により電力供給が遮断された場合に、電力供給異常情報を不揮発メモリ20に記憶させるので、電力供給異常発生後の次回の電力供給開始時に、ユーザに電力供給異常が発生したことを報知することができる。
【0048】
具体的には、電源101による電力供給が開始されたときに不揮発メモリ20に電力供給異常情報が記憶されている場合、コントローラ17と操作部16とに電力供給を開始し、前回の通電時に電力供給異常が発生したことを操作部16の表示/入力パネル16aに表示させるので、ユーザに電力供給異常が発生したことを報知することができる。
【0049】
なお、本発明の実施例1では、電力供給遮断部102が、印刷部30と、操作部16と、コントローラ17とのいずれかに過電流が流れた場合、電力供給異常が発生したと判定したが、これに限らず、印刷部30と、操作部16と、コントローラ17とのいずれかに、電力供給開始から所定時間経過しても定格電流が流れなかった場合、電力供給異常が発生したと判定するようにしてもよい。
【0050】
また、電力供給遮断部102が、電力供給異常が発生したか否かを判定したが、これに限らず、機器制御部202が、電力供給異常が発生したか否かを判定するようにしてもよい。
【0051】
また、ステップS113では電力供給異常を検出する制御を繰り返し行なうようになっているが、電源OFF時や省電力モード移行時にこの制御を終了するようにしても良い。
【0052】
また、印刷が完了しているか否かを判断するステップを入れ、印刷が完了したら電力供給異常の検出を終了するようにしても良い。具体的には、S113で電力供給異常が発生していない場合(S113においてNOの場合)、印刷が完了したか否かを判断し、完了していなかったらS113に戻り、完了していれば終了するように制御しても良い。
【実施例2】
【0053】
本発明の実施例1では、電力供給異常が発生した場合に、電力供給遮断部102が、各部への電力供給を遮断すると共に、電力供給異常が発生したことを示す信号を制御部21へ供給する画像形成装置1を例に挙げて説明した。
【0054】
本発明の実施例2では、電力供給異常が発生した場合に、電力供給遮断部102が、電源101が電力を供給する各部のうちいずれに電力供給異常が発生したかを示す情報を制御部21へ供給する画像形成装置2を例に挙げて説明する。
【0055】
なお、本発明の実施例2に係る画像形成装置2は、図1に示した本発明の実施例1に係る画像形成装置1の機能構成と同一の機能構成を備えるので、説明を省略する。
【0056】
図3は、本発明の実施例2に係る画像形成装置2における処理手順を示したフローチャートである。ここで、図3に示すフローチャートのうち、ステップS101〜S113については、図2に示したフローチャートの同一ステップ番号の処理と同一であるので、説明を省略する。また、図3では省略したが、必要に応じて図2のステップS105、S107,S109を実行するように制御しても良い。
【0057】
図3に示すように、ステップS113において、電力供給異常が発生したと判定された場合(YESの場合)、電力供給遮断部102は、電力供給異常が発生した箇所への電力供給を遮断(停止)すると共に、当該電力供給異常の発生箇所を示す信号をエンジン基板18を介して制御部21へ供給する(ステップS201)。例えば、電源101からインクジェットヘッド13への電力供給において電力供給異常が発生した場合、電力供給遮断部102は、インクジェットヘッド13において電力供給異常が発生したことを示す信号をエンジン基板18を介して制御部21へ供給する。
【0058】
この際、併せてランプ19にて電力供給異常が発生した旨をユーザに報知させるようにしても良い。
【0059】
次に、制御部21の機器制御部202は、操作部16とコントローラ17への電力供給が正常か否かを判定する(ステップS203)。
【0060】
ステップS203において、操作部16とコントローラ17への電力供給が正常であると判定された場合(YESの場合)、コントローラ17は、操作部16の表示/入力パネル16aに、電力供給異常が発生したことを示すエラーメッセージを表示させる(ステップS205)。例えば、表示/入力パネル16aに、「インクジェットヘッドに電力供給異常が発生しました。メンテナンスセンターにご連絡ください。」というようなエラーメッセージを表示させる。
【0061】
次に、電源ユニット11の電力供給遮断部102は、操作部16とコントローラ17とエンジン基板18以外の電源オフする(ステップS207)。
【0062】
一方、ステップS203において、操作部16又はコントローラ17への電力供給が異常であると判定された場合(NOの場合)、制御部21の機器制御部202は、ランプ19にて電力供給異常が発生したことをユーザに報知する(ステップS209)。例えば、コントローラ17に電力供給異常が発生したことを示すようにランプ19を点灯又は点滅させる。
【0063】
次に、電源ユニット11の電力供給遮断部102は、エンジン基板18以外の電源をオフする(ステップS211)。具体的には、電力供給遮断部102は、モータ12と、インクジェットヘッド13と、ネットワークインタフェース部14と、操作部16と、コントローラ17との電力供給を遮断する。
【0064】
なお、実施例1と同様に、ステップS113では電力供給異常を検出する制御を繰り返し行なうようになっているが、電源OFF、省電力モードへ移行する際に終了するようにしても良い。
【0065】
また、実施例1と同様に、印刷が完了しているか否かを判断するステップを入れ、印刷が完了したら電力供給異常の検出を終了するようにしても良い。具体的には、S113で電力供給異常が発生していない場合(S113においてNOの場合)、印刷が完了したか否かを判断し、完了していなかったらS113に戻り、完了していれば終了となるように制御しても良い。
【0066】
以上のように、本発明の実施例2である画像形成装置2によれば、電力供給異常が発生した場合に、電力供給遮断部102が、電源101が電力を供給する各部のうちいずれに電力供給異常が発生したかを示す情報を制御部21へ供給するので、操作部16又はコントローラ17への電力供給が正常であれば、ユーザは、電源101が電力を供給する各部のうちいずれに電力供給異常が発生したかを確認することができる。
【符号の説明】
【0067】
1,2…画像形成装置
10…外部ネットワーク
11…電源ユニット
12…モータ
13…インクジェットヘッド(画像形成部)
14…ネットワークインタフェース部
16…操作部
16a…表示/入力パネル
17…コントローラ
18…エンジン基板
19…ランプ
20…不揮発メモリ(記憶部)
21…制御部
30…印刷部
101…電源
102…電力供給遮断部
201…記憶制御部
202…機器制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、
前記表示パネルへの表示を制御するコントローラと、
印刷媒体に印刷する印刷部と、
前記表示パネル、前記コントローラ、及び前記印刷部の各機器へ電力を供給する電源と、
前記電源から各機器へ電力を供給する過程において電力供給異常が発生したことを示す情報を電力供給異常情報として記憶する記憶部と、
前記電力供給異常が発生した場合に、前記電源からの電力供給を遮断する電力供給遮断部と、
前記電力供給遮断部により電力供給が遮断された場合に、前記電力供給異常情報を前記記憶部に記憶させる記憶制御部と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
電力供給開始が要求されたときに前記記憶部に前記電力供給異常情報が記憶されている場合、
前記電源により
前記表示パネル及び前記コントローラのみに電力を供給し、
前記コントローラは、
前記記憶部から前記電力供給異常情報を読み出し、前記表示パネルに表示させる
ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−240615(P2011−240615A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−115050(P2010−115050)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】