画像形成装置
【課題】容易に被搬送部材のジャム処理を実施することができるとともに、その大型化を抑制することができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】
感光ドラム20を有し、本体ケーシング2に着脱可能な各色のプロセスカートリッジ19に、用紙Pを搬送する現像側搬送部材54をそれぞれ設けるとともに、本体ケーシング2内に、各現像側搬送部材54に下側から対向され、各現像側搬送部材54と協働して用紙Pを搬送する各本体側搬送部材64を設け、各現像側搬送部材54と各本体側搬送部材64との間に用紙Pが詰まった場合に、各プロセスカートリッジ19を本体ケーシング2から離脱させて、各現像側搬送部材54と各本体側搬送部材64とを離間させることにより、詰まった用紙Pを取り除く。
【解決手段】
感光ドラム20を有し、本体ケーシング2に着脱可能な各色のプロセスカートリッジ19に、用紙Pを搬送する現像側搬送部材54をそれぞれ設けるとともに、本体ケーシング2内に、各現像側搬送部材54に下側から対向され、各現像側搬送部材54と協働して用紙Pを搬送する各本体側搬送部材64を設け、各現像側搬送部材54と各本体側搬送部材64との間に用紙Pが詰まった場合に、各プロセスカートリッジ19を本体ケーシング2から離脱させて、各現像側搬送部材54と各本体側搬送部材64とを離間させることにより、詰まった用紙Pを取り除く。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式が採用される画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式のカラープリンタとして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応して設けられる4つの感光ドラムを備えるカラープリンタが知られている。
【0003】
このようなカラープリンタとして、例えば、水平方向に並列配置される各色の感光ドラムと、各感光ドラムに上から接触されるように水平方向に延びる中間転写ベルトと、中間転写ベルトに水平方向一方から接触される2次転写ローラとを備えるプリンタが提案されている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【0004】
このプリンタでは、各感光ドラムの下に設けられる紙カセットを備え、紙カセット内の転写紙は、紙カセットから、中間転写ベルトと2次転写ローラとの間を通過するように、プリンタの水平方向一端部を上側に向かって搬送され、その後、プリンタの上面に形成されたスタック部に、水平方向他方側へ向かうように排出される。つまり、紙カセット内の転写紙は、正面視略C字形状の搬送経路(いわゆるCパス)を通過してスタック部に排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−189437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかるに、上記した特許文献1に記載のプリンタにおいて、各感光ドラムと紙カセットとの間に新たに用紙搬送パスを形成しようとすると、用紙搬送パスの距離が長くなり、その構成が複雑化、大型化する場合がある。
【0007】
また、そのような複雑な構成を有する用紙搬送パスでは、用紙が詰まった場合に、詰まった用紙を取り除くこと(ジャム処理)が困難になる場合がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、容易に被搬送部材のジャム処理を実施することができるとともに、その大型化を抑制することができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するため、本発明は、画像形成装置であって、装置本体と、前記装置本体に設けられる無端ベルトと、前記無端ベルトに一方側から対向され、前記無端ベルトとの対向方向と直交する方向において、互いに間隔を隔てて並列配置される複数の感光ドラムと、各前記感光ドラムに前記一方側から対向される現像剤担持体を備え、各前記感光ドラムの前記一方側において、各前記感光ドラムの並列方向に並列配置されるように、前記装置本体に着脱可能に設けられる複数のプロセスカートリッジと、各前記プロセスカートリッジにそれぞれ設けられ、前記並列方向に被搬送部材を搬送する第1搬送部材と、各前記第1搬送部材に前記一方側から対向されるように、前記装置本体に設けられ、各前記第1搬送部材と協働して前記被搬送部材を搬送する複数の第2搬送部材とを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、装置本体に着脱可能な各プロセスカートリッジにそれぞれ設けられる第1搬送部材と、装置本体に設けられる複数の第2搬送部材とが、互いに協働して被搬送部材を並列方向に搬送している。
【0011】
そのため、プロセスカートリッジを装置本体から離脱させることにより、第2搬送部材から第1搬送部材を離間させることができる。
【0012】
これにより、第1搬送部材と第2搬送部材との間に被搬送部材が詰まった場合でも、プロセスカートリッジを装置本体から離脱させるだけで、容易に詰まった被搬送部材を取り除くことができる。
【0013】
また、プロセスカートリッジを利用して、第1搬送部材を設けることができるので、別途、第1搬送部材を設けた場合と比べて、画像形成装置を小型化することができる。
【0014】
その結果、容易に被搬送部材のジャム処理を実施することができるとともに、その大型化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施形態としてのカラープリンタを示す断面図である。
【図2】図1に示す現像ユニットであって、(a)は、右側面図を示し、(b)は、正面図を示す。
【図3】第2搬送経路のジャム処理を説明する説明図である。
【図4】図1に示すプロセスカートリッジの着脱を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
1.カラープリンタの全体構成
図1に示すように、画像形成装置の一例としてのカラープリンタ1は、横置きタイプの中間転写型カラープリンタである。
【0017】
また、カラープリンタ1は、装置本体の一例としての本体ケーシング2内に、被搬送部材の一例としての用紙Pを給紙するための給紙部4と、給紙された用紙Pに画像を形成するための画像形成部5とを備えている。
(1)本体ケーシング
本体ケーシング2は、給紙部4および画像形成部5を収容する側面視略矩形状のボックス形状に形成されており、その一方側壁には、フロントカバー7が、その下端部を支点として揺動(移動)可能に設けられている。また、本体ケーシング2の一方側壁には、フロントカバー7の下側において、給紙トレイ8が着脱可能に挿入される開口43が形成されている。
【0018】
なお、以下の説明において、フロントカバー7が設けられる側(図1における紙面左側)を前側とし、その反対側(図1における紙面右側)を後側とする。また、カラープリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。すなわち、図1の紙面手前側が右側であり、紙面奥側が左側である。
(2)給紙部
給紙部4は、用紙Pを収容するトレイ部材の一例としての給紙トレイ8を備えている。
【0019】
給紙トレイ8は、本体ケーシング2内の底部に着脱自在に装着され、内部に用紙Pが積み重ねられている(スタックされている)。また、給紙トレイ8は、用紙Pの後端部を昇降させるリフト部材9を備えている。
【0020】
リフト部材9は、前後に延びる略平板形状に形成され、給紙トレイ8の後側半分の底面に、その前端部を支点として揺動可能に設けられている。また、リフト部材9の後端部は、ばねなどの付勢部材(図示せず)により、常には、上側に向かって付勢されている。
【0021】
そして、リフト部材9は、付勢部材(図示せず)の付勢力によって、後側へ向かうに従って上側へ傾斜するように起立され、用紙Pの後端部は、給紙ローラ11(後述)に向かって上昇されている。
【0022】
また、給紙部4には、給紙トレイ8の後端部上側に対向配置される給紙ローラ11と、給紙ローラ11に後側から接触される上下1対のピンチローラ13と、給紙ローラ11の上側に配置され、互いに前後方向に対向される1対のレジストローラ14とが設けられている。
【0023】
そして、給紙トレイ8上の用紙P(図1実線参照)は、給紙ローラ11の回転により、給紙ローラ11と各ピンチローラ13との間を順次通過するように、上側の両レジストローラ14間に向けて給紙され、レジストローラ14の回転により、所定のタイミングで、画像形成部5(中間転写ベルト30(後述)と二次転写ローラ27(後述)との間)に供給される(第1搬送経路)。
(3)画像形成部
画像形成部5は、給紙部4の上側に配置されており、プロセスユニット15、転写ユニット17および定着ユニット18を備えている。
(3−1)プロセスユニット
プロセスユニット15は、各色に対応する4つのプロセスカートリッジ19を保持している。また、プロセスユニット15は、本体ケーシング2内に装着される装着位置と、本体ケーシング2から引き出される引出位置とに、前後方向に沿ってスライド可能に設けられている。
【0024】
各プロセスカートリッジ19は、前後方向に互いに間隔を隔てて並列配置されている。具体的には、前側から後側に向かって、ブラックプロセスカートリッジ19K、イエロープロセスカートリッジ19Y、マゼンタプロセスカートリッジ19Mおよびシアンプロセスカートリッジ19Cが、順次配置されている。
【0025】
また、各プロセスカートリッジ19は、感光ドラム20、スコロトロン型帯電器21、現像ユニット22、および、LEDユニット16を備えている。
【0026】
感光ドラム20は、左右方向に長手の円筒形状に形成されており、左右に沿って設けられている。
【0027】
スコロトロン型帯電器21は、対応する感光ドラム20の後下側に、感光ドラム20と間隔を隔てて対向配置されている。
【0028】
各現像ユニット22は、対応する感光ドラム20の前下側において、前後方向に互いに間隔を隔てて並列配置されている。また、各現像ユニット22は、現像剤担持体の一例としての現像ローラ23を備えている。
【0029】
現像ローラ23は、現像ユニット22の上端において、上側(後上側)から露出されるように回転可能に支持されており、感光ドラム20に対して下側から接触されている。
【0030】
なお、現像ユニット22は、現像ローラ23にトナーを供給する供給ローラ24、現像ローラ23に供給されたトナーの厚みを規制する層厚規制ブレード25を備えている。また、供給ローラ24の下側には、各色に対応する現像剤の一例としてのトナーが収容される略円筒形状のトナー収容部39が設けられている。トナー収容部39内には、攪拌部材の一例としてのアジテータ40が回転可能に設けられており、トナー収容部39内のトナーは、アジテータ40の回転により、攪拌されるとともに、供給ローラ24に供給される。
【0031】
各LEDユニット16は、対応する現像ユニット22の後側において、対応する感光ドラム20に下方から対向するように設けられている。LEDユニット16は、所定の画像データに基づいて、対応する感光ドラム20の表面を露光する。
(3−3)転写ユニット
転写ユニット17は、ベルトユニット26と二次転写ローラ27とを備えている。
【0032】
ベルトユニット26は、プロセスユニット15の上側において、各感光ドラム20に上側から対向するように、前後方向に沿って配置されている。
【0033】
ベルトユニット26は、駆動ローラ28、従動ローラ29、無端ベルトの一例としての中間転写ベルト30、および、4つの一次転写ローラ31を備えている。
【0034】
駆動ローラ28および従動ローラ29は、前後方向に間隔を隔てて対向配置されている。
【0035】
中間転写ベルト30は、その下側部分が各感光ドラム20に接触されるように、駆動ローラ28および従動ローラ29の周りに掛け渡されている。また、中間転写ベルト30は、駆動ローラ28の駆動により、各感光ドラム20と接触する下側部分が前側から後側に向かって移動するように、周回移動されている。
【0036】
各一次転写ローラ31は、各感光ドラム20と、それぞれ中間転写ベルト30の下側部分を挟んで対向するように、設けられている。
【0037】
二次転写ローラ27は、ベルトユニット26の駆動ローラ28と、中間転写ベルト30を挟んで対向するように、ベルトユニット26の後方に設けられている。
(3−4)定着ユニット
定着ユニット18は、二次転写ローラ27の上側に配置され、加熱ローラ37、および、加熱ローラ37に対向する加圧ローラ38を備えている。
(3−5)画像形成動作
(3−5−1)現像動作
現像ユニット22内のトナーは、供給ローラ24に供給され、さらに、現像ローラ23に供給される。
【0038】
現像ローラ23に供給されたトナーは、現像ローラ23の回転に伴って、層厚規制ブレード25によって厚さが規制され、一定厚さの薄層として現像ローラ23の表面に担持される。また、現像ローラ23に供給されたトナーは、層厚規制ブレード25と現像ローラ23との間で正極性に摩擦帯電される。
【0039】
一方、感光ドラム20の表面は、感光ドラム20の回転に伴って、スコロトロン型帯電器21により一様に正帯電された後、LEDユニット16により露光される。これにより、用紙Pに形成すべき画像に対応した静電潜像が感光ドラム20の表面に形成される。
【0040】
感光ドラム20がさらに回転すると、現像ローラ23の表面に担持され、かつ、正帯電されているトナーが、感光ドラム20の表面に形成されている静電潜像に供給される。これにより、感光ドラム20の静電潜像は可視像化され、感光ドラム20の表面には、反転現像によるトナー像が担持される。
(3−5−2)転写・定着動作
感光ドラム20の表面に反転現像により担持されたトナー像は、前側から後側へ移動される中間転写ベルト30の下側部分に順次、一次転写される。これにより、中間転写ベルト30にカラー画像が形成される。
【0041】
中間転写ベルト30に形成されたカラー画像は、中間転写ベルト30が二次転写ローラ27との対向位置Nを通過する間に、給紙部4から供給される用紙Pに、二次転写される。
【0042】
そして、用紙Pに転写されたカラー画像は、定着ユニット18において、用紙Pが加熱ローラ37と加圧ローラ38との間を通過する間に、加熱および加圧されることによって用紙Pに熱定着される。
(4)排紙
定着ユニット18においてトナー像を定着された用紙Pは、各排紙ローラ32によって、本体ケーシング2の上面に形成される排紙トレイ33上に排紙される。
2.本体ケーシング
(1)第2搬送経路に関する構成
(1−1)給紙トレイ
給紙トレイ8は、有底略矩形枠形状に形成されている。給紙トレイ8の前壁は、本体ケーシング2の開口43の上端縁に対して上下方向に間隔を隔てて対向するように、開口43の上下方向長さよりも短い上下方向長さに形成されている。
【0043】
また、給紙トレイ8の前壁の上端部には、下側に向かって開放される側断面視略U時形状の把持部57が設けられている。
【0044】
把持部57は、給紙トレイ8の前壁の上端縁から前方に向かって延び、その前端部において前下側に屈曲されるように形成されている。これにより、把持部57の上面は、前後方向に延びるように形成されている。
【0045】
把持部57の上面と、開口43の上端縁との隙間は、給紙トレイ8に収容されている用紙P以外の用紙Pが供給される手差し開口75として機能する。
(1−2)用紙搬送部材
本体ケーシング2には、給紙トレイ8とプロセスユニット15との間において、用紙搬送部材61が設けられている。
【0046】
用紙搬送部材61は、前後に延びる略平板形状に形成されている。
【0047】
また、用紙搬送部材61の前端部は、前下側に屈曲されており、給紙トレイ8の前側上端部に後方から対向されている。また、用紙搬送部材61の前端部の上面には、後方に向かうに従って上側へ傾斜する前側ガイド面76が形成されている。
【0048】
また、用紙搬送部材61の後端部は、後側へ向かう頂部を有する側面視略楔形状に形成されており、リフト部材9の後端部に前方から対向されている。また、用紙搬送部材61の後端部の上面には、後方に向かうに従って下側へ傾斜する後側ガイド面77が形成されている。
【0049】
また、用紙搬送部材61は、用紙Pを搬送する第2搬送部材の一例としての4つの本体側搬送部材64を備えている。
【0050】
各本体側搬送部材64は、各現像側搬送部材54(後述)に対応して下側から対向するように、回転可能に設けられている。また、各本体側搬送部材64は、本体側ローラ軸66と、本体側ローラ軸66に相対回転不能に設けられる本体側ローラ部材67とを備えている。
【0051】
本体側ローラ軸66は、左右方向に延びる略円柱形状に形成されている。
【0052】
各本体側ローラ部材67は、用紙搬送部材61の厚み(上下方向長さ)よりも長い外径、および、本体側ローラ軸66の外径とほぼ等しい内径を有し、左右方向に延びる略円筒形状に形成されている。
(2)トップカバー
また、本体ケーシング2には、その上壁と、後壁の上端部とにわたって、トップカバー41が設けられている。
【0053】
トップカバー41は、本体ケーシング2の後壁の途中(定着ユニット18の後側)を支点として、揺動可能に形成され、図示しない支持機構により、ベルトユニット26および定着ユニット18を支持している。
【0054】
そして、トップカバー41は、本体ケーシング2の上端部すべてを開放するように、ベルトユニット26および定着ユニット18とともに揺動される。
【0055】
トップカバー41が開放されると、プロセスユニット15の上端部が上側から露出され、各プロセスカートリッジ19に上側からアクセス可能となる。
3.プロセスユニット
(1)プロセスフレーム
プロセスユニット15は、各プロセスカートリッジ19および各LEDユニット16を一体的に保持するプロセスフレーム81を備えている。
【0056】
プロセスフレーム81は、上下方向に開放される略矩形枠形状に形成されている。プロセスフレーム81の左右方向両側壁には、各プロセスカートリッジ19の左右方向両端部を支持する支持部(図示せず)が形成されている。
(2)プロセスカートリッジ
各プロセスカートリッジ19は、左右方向に間隔を隔てて対向配置される1対の側板(図示せず)間において、感光ドラム20、スコロトロン型帯電器21、現像ユニット22を一体的に備えている。
【0057】
感光ドラム20は、左右方向両端部において、両側板(図示せず)間に回転可能に支持されている。
【0058】
スコロトロン型帯電器21は、左右方向両端部において、両側板(図示せず)間に支持されている。
(2−1)現像ユニットの構成
現像ユニット22は、図1および図2に示すように、カートリッジ本体の一例としての現像フレーム51と、第1搬送部材の一例としての現像側搬送部材54とを備えている。
【0059】
現像フレーム51は、左右方向に延びる略ボックス形状に形成されている。なお、現像フレーム51の前壁は、トナー収容部39に相当する部分と、供給ローラ24を支持する部分とにおいて、それぞれ、側面視略円弧形状に形成されている。
【0060】
現像フレーム51には、現像側搬送部材54を支持する左右1対の支持部55と、案内部材の一例としてのガイド部56とが設けられている。
【0061】
両支持部55は、現像フレーム51の前側下端部から前下側へ延びる略平板形状に形成されており、左右方向両端部に1つずつ設けられている。また、両支持部55の前下側端部は、側面視略円弧形状に形成されている。また、両支持部55の左右方向間隔は、用紙Pの左右方向長さ(紙幅)よりも長く形成されている(図2(b)参照)。
【0062】
また、両支持部55前下側端部には、現像側搬送部材54の現像側ローラ軸58(後述)が挿通される側面視略円形状の挿通穴59が形成されている。
【0063】
挿通穴59は、左右方向に沿って、側面視略円形状に貫通形成されている。挿通穴59は、現像側ローラ軸58の直径とほぼ同径(やや大径)に形成されている。
【0064】
ガイド部56は、現像フレーム51の下端縁から下方へ膨出する略矩形状に形成されており、その下端縁は、前後方向に沿って延びる略直線形状に形成されている。ガイド部56の下端縁は、前後方向に投影したときに、両支持部55の下端縁と重なるように配置されている。
【0065】
現像側搬送部材54は、前後方向に投影したときに、現像フレーム51のガイド部56と重なるように、両支持部55間に回転可能に支持されている。また、現像側搬送部材54は、現像側ローラ軸58と、現像側ローラ軸58に相対回転不能に設けられる現像側ローラ部材60とを備えている。
【0066】
現像側ローラ軸58は、左右方向に延びる略円柱形状に形成されており、左右方向両端部において、現像フレーム51の両支持部55間に回転可能に支持されている。また、現像側ローラ軸58の右端部は、右側の支持部55の右面よりも右側へ突出されている。
【0067】
現像側ローラ部材60は、左右方向に延びる略円筒形状に形成されている。また、現像側ローラ部材60は、左右方向に投影したときに支持部55の前下側端部から前側および下側に膨出するような外径、および、現像側ローラ軸58の外径とほぼ等しい内径を有している。また、現像側ローラ部材60の左右方向長さは用紙Pの左右方向長さ(紙幅)よりも長く形成されている(図2(b)参照)。
(2−2)現像ユニットの駆動伝達に関する構成
現像ユニット22は、現像カップリング部材90を備えている。
【0068】
現像カップリング部材90は、左右方向に延びる略円筒形状に形成されている。現像カップリング部材90は、本体ケーシング2に設けられる駆動源の一例としてのモータ100に、本体ケーシング2のカップリング部材(図示せず)を介して、駆動伝達可能に連結される。現像カップリング部材90は、嵌合部87とギヤ部88とを一体的に備えている。
【0069】
嵌合部87は、現像カップリング部材90の左端部に設けられている。嵌合部87には、本体ケーシング2のカップリング部材(図示せず)が右側から相対回転不能に嵌合される。
【0070】
ギヤ部88は、現像カップリング部材90の右端部に設けられており、その外周面には、ギヤ歯が形成されている。
【0071】
現像ローラ23は、回転軸としての現像ローラ軸91と、現像ローラ駆動ギヤ92とを備えている。
【0072】
現像ローラ軸91は、左右方向に延びる略円柱形状に形成されており、右端部が現像フレーム51よりも右側へ突出するように、左右方向両端部において現像フレーム51に回転可能に支持されている。
【0073】
現像ローラ駆動ギヤ92は、現像ローラ23の直径よりも小径に形成され、現像フレーム51の右側において、現像ローラ軸91の右端部に相対回転不能に設けられている。現像ローラ駆動ギヤ92は、現像カップリング部材90のギヤ部88に、上側から噛合されている。
【0074】
供給ローラ24は、回転軸としての供給ローラ軸93と、供給ローラ駆動ギヤ94とを備えている。
【0075】
供給ローラ軸93は、左右方向に延びる略円柱形状に形成されており、右端部が現像フレーム51よりも右側へ突出するように、左右方向両端部において現像フレーム51に回転可能に支持されている。
【0076】
供給ローラ駆動ギヤ94は、供給ローラ24の直径と略同径に形成されており、現像フレーム51の右側において、供給ローラ軸93の右端部に相対回転不能に設けられている。供給ローラ駆動ギヤ94は、現像カップリング部材90のギヤ部88に、前側から噛合されている。
【0077】
アジテータ40は、回転軸としてのアジテータ軸95と、第1駆動ギヤの一例としてのアジテータ駆動ギヤ96とを備えている。
【0078】
アジテータ軸95は、左右方向に延びる略円柱形状に形成されており、右端部が現像フレーム51よりも右側へ突出するように、左右方向両端部において現像フレーム51に回転可能に支持されている。
【0079】
アジテータ駆動ギヤ96は、供給ローラ駆動ギヤ94の略半分の左右方向長さに形成されており、現像フレーム51の右側において、アジテータ軸95の右端部に相対回転不能に設けられている。アジテータ駆動ギヤ96は、供給ローラ駆動ギヤの左半分に、下側から噛合されている。
【0080】
現像側搬送部材54の現像側ローラ軸58は、第2駆動ギヤの一例としての搬送部材駆動ギヤ97を備えている。
【0081】
搬送部材駆動ギヤ97は、右側の支持部55の右側において、現像側ローラ軸58の右端部に相対回転不能に設けられている。搬送部材駆動ギヤ97は、アジテータ駆動ギヤ96に、後下側から噛合されている。
(2−3)現像ユニットの駆動伝達
そして、モータ100からの駆動力が、カップリング部材(図示せず)を介して、現像カップリング部材90に右側面視時計回りの駆動力が伝達されると(図2(b)参照)、ギヤ部88に噛合される現像ローラ駆動ギヤ92および供給ローラ駆動ギヤ94は、それぞれ、右側面視反時計回りに回転される。
【0082】
すると、現像ローラ駆動ギヤ92から現像ローラ軸91を介して現像ローラ23に右側面視反時計回りの駆動力が入力されるとともに、供給ローラ駆動ギヤ94から供給ローラ軸93を介して供給ローラ24に右側面視反時計回りの駆動力が入力され、現像ローラ23および供給ローラ24は、それぞれ、右側面視反時計回りに回転される。
【0083】
また、供給ローラ駆動ギヤ94が右側面視反時計回りに回転されると、供給ローラ駆動ギヤ94に噛合されるアジテータ駆動ギヤ96は、右側面視時計回りに回転される。
【0084】
すると、アジテータ駆動ギヤ96からアジテータ軸95を介してアジテータ40に右側面視時計回りの駆動力が入力され、アジテータ40は、右側面視時計回りに回転される。
【0085】
また、アジテータ駆動ギヤ96が右側面視時計回りに回転されると、アジテータ駆動ギヤ96に噛合される搬送部材駆動ギヤ97は、右側面視反時計回りに回転される。
【0086】
すると、搬送部材駆動ギヤ97から現像側ローラ軸58を介して現像側搬送部材54に右側面視反時計回りの駆動力が入力され、現像側搬送部材54は、右側面視反時計回りに回転される。つまり、現像側搬送部材54は、現像側ローラ部材60の下端部が前側から後側へ向かって移動するように回転される。
【0087】
このように、現像カップリング部材90に入力された駆動力は、供給ローラ駆動ギヤ94を介して、アジテータ駆動ギヤ96および搬送部材駆動ギヤ97に伝達されている。すなわち、現像カップリング部材90および供給ローラ駆動ギヤ94は、駆動伝達部材を構成している。
4.第2搬送経路による用紙の搬送
図1を参照して、第2搬送経路における用紙Pの搬送を説明する。
【0088】
手差し開口75に供給された用紙P(図1破線参照)は、給紙トレイ8の把持部57の上面、および、用紙搬送部材61の前側ガイド面76によって、最前方の現像側搬送部材54と、最前方の各本体側搬送部材64とのニップ部に案内される。
【0089】
そして、用紙Pは、上記した各現像側搬送部材54の駆動、および、各本体側搬送部材64の従動により、各現像ユニット22のガイド部56に案内されながら、各現像ユニット22の下端部と、用紙搬送部材61の上面との間を前方から後方に向かって搬送される。
【0090】
つまり、各現像側搬送部材54および各本体側搬送部材64は、互いに協働して、用紙Pを搬送している。
【0091】
その後、用紙Pは、用紙搬送部材61の後端部において、後側ガイド面77により、リフト部材9の後端部に案内される(第2搬送経路)。
【0092】
そして、第2搬送経路によりリフト部材9の後端部に供給された用紙Pは、上記したように、給紙ローラ11の回転により、給紙ローラ11と各ピンチローラ13との間を順次通過するように、上側の両レジストローラ14間に向けて給紙され、レジストローラ14の回転により、所定のタイミングで、中間転写ベルト30と二次転写ローラ27との対向位置Nに供給される。
5.第2搬送経路のジャム処理
第2搬送経路において、搬送中に用紙Pが詰まった場合には、図3に示すように、まず、トップカバー41を上側に向かって揺動させて、本体ケーシング2の上端部を開放する。そして、開放された本体ケーシング2の上端部から、各プロセスカートリッジ19を上側に引き抜いて、各プロセスカートリッジ19を本体ケーシング2から離脱させる。
【0093】
すると、プロセスカートリッジ19が離脱された部分において、用紙搬送部材61の上に、詰まった用紙Pが露出される。
【0094】
そして、用紙搬送部材61の上に露出された用紙Pを、上側から把持し、除去する。
6.プロセスカートリッジの本体ケーシングに対する着脱
プロセスカートリッジ19を本体ケーシング2に対して着脱するには、図4に示すように、まず、フロントカバー7を閉位置から開位置へ移動させ、次いで、本体ケーシング2から、プロセスユニット15を前方に引き出す。
【0095】
そして、引き出されたプロセスユニット15に対してプロセスカートリッジ19を着脱する。詳しくは、プロセスユニット15に装着されているプロセスカートリッジ19をプロセスユニット15から離脱させるには、プロセスカートリッジ19を上側に引き抜く。また、プロセスカートリッジ19をプロセスユニット15に装着するには、プロセスカートリッジ19を、プロセスフレーム81の支持部(図示せず)に対して位置決めし、上側からプロセスフレーム81内に挿入する。
【0096】
なお、プロセスユニット15を本体ケーシング2内に装着するには、上記した引き出し動作と逆に操作する。
7.作用効果
(1)このカラープリンタ1によれば、図1に示すように、第2搬送経路において、本体ケーシング2に着脱可能な各プロセスカートリッジ19にそれぞれ設けられる現像側搬送部材54と、本体ケーシング2に設けられる各本体側搬送部材64とが、互いに協働して用紙Pを前側から後側へ搬送している。
【0097】
そのため、プロセスカートリッジ19を本体ケーシング2から離脱させることにより、本体側搬送部材64から各現像側搬送部材54を離間させることができる。
【0098】
これにより、各現像側搬送部材54と各本体側搬送部材64との間に用紙Pが詰まった場合でも、各プロセスカートリッジ19を本体ケーシング2から離脱させるだけで、容易に、詰まった用紙Pを取り除くことができる。
【0099】
また、プロセスカートリッジ19を利用して、各現像側搬送部材54を設けることができるので、別途、各現像側搬送部材54を設けた場合と比べて、カラープリンタ1を小型化することができる。
【0100】
その結果、容易に用紙Pのジャム処理を実施することができるとともに、カラープリンタ1の大型化を抑制することができる。
(2)また、このカラープリンタ1によれば、図2に示すように、本体ケーシング2に設けられるモータ100からの駆動力を、アジテータ40を駆動させるアジテータ駆動ギヤ96、および、現像側搬送部材54を駆動させる搬送部材駆動ギヤ97に伝達する現像カップリング部材90および供給ローラ駆動ギヤ94を備えている。
【0101】
そのため、アジテータ40を駆動させる駆動力を利用して、現像側搬送部材54を駆動させることができる。
(3)また、このカラープリンタ1によれば、図2に示すように、現像側搬送部材54は、用紙Pの紙幅よりも長い左右方向長さに形成されている。
【0102】
そのため、用紙Pを紙幅すべてにわたって安定して搬送することができる。
(4)また、このカラープリンタ1によれば、本体側搬送部材64は、現像側搬送部材54に従動する。
【0103】
そのため、現像側搬送部材54を回転させる駆動力を利用して、本体側搬送部材64を回転させることができる。
(5)また、このカラープリンタ1によれば、図2に示すように、プロセスカートリッジ19は、その下端部において、用紙Pの搬送を案内するガイド部56を備えている。
【0104】
そのため、用紙Pを、ガイド部56で案内しながら、安定して搬送することができる。
(6)また、このカラープリンタ1によれば、図2に示すように、現像側搬送部材54は、前後方向に投影したときに現像フレーム51と重なるように、プロセスカートリッジ19に設けられている。
【0105】
そのため、プロセスカートリッジ19を上下方向に大型化することなく、現像側搬送部材54を設けることができ、カラープリンタ1の大型化を抑制することができる。
(7)また、このカラープリンタ1によれば、図1に示すように、本体側搬送部材64の下側に給紙トレイ8を備えている。
【0106】
そのため、給紙トレイ8の上側(給紙トレイ8とプロセスユニット15との間)を利用して、現像側搬送部材54および本体側搬送部材64を設け、用紙Pを搬送することができる。
【0107】
その結果、別途、現像側搬送部材54および本体側搬送部材64を配置する空間を設けることなく、カラープリンタ1の大型化を抑制しながら、現像側搬送部材54および本体側搬送部材64を設けることができる。
【符号の説明】
【0108】
1 カラープリンタ
2 本体ケーシング
8 給紙トレイ
19 プロセスカートリッジ
20 感光ドラム
23 現像ローラ
30 中間転写ベルト
40 アジテータ
51 現像フレーム
54 現像側搬送部材
56 ガイド部
64 本体側搬送部材
90 現像カップリング部材
94 供給ローラ駆動ギヤ
96 アジテータ駆動ギヤ
97 搬送部材駆動ギヤ
100 モータ
P 用紙
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式が採用される画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式のカラープリンタとして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応して設けられる4つの感光ドラムを備えるカラープリンタが知られている。
【0003】
このようなカラープリンタとして、例えば、水平方向に並列配置される各色の感光ドラムと、各感光ドラムに上から接触されるように水平方向に延びる中間転写ベルトと、中間転写ベルトに水平方向一方から接触される2次転写ローラとを備えるプリンタが提案されている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【0004】
このプリンタでは、各感光ドラムの下に設けられる紙カセットを備え、紙カセット内の転写紙は、紙カセットから、中間転写ベルトと2次転写ローラとの間を通過するように、プリンタの水平方向一端部を上側に向かって搬送され、その後、プリンタの上面に形成されたスタック部に、水平方向他方側へ向かうように排出される。つまり、紙カセット内の転写紙は、正面視略C字形状の搬送経路(いわゆるCパス)を通過してスタック部に排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−189437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかるに、上記した特許文献1に記載のプリンタにおいて、各感光ドラムと紙カセットとの間に新たに用紙搬送パスを形成しようとすると、用紙搬送パスの距離が長くなり、その構成が複雑化、大型化する場合がある。
【0007】
また、そのような複雑な構成を有する用紙搬送パスでは、用紙が詰まった場合に、詰まった用紙を取り除くこと(ジャム処理)が困難になる場合がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、容易に被搬送部材のジャム処理を実施することができるとともに、その大型化を抑制することができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するため、本発明は、画像形成装置であって、装置本体と、前記装置本体に設けられる無端ベルトと、前記無端ベルトに一方側から対向され、前記無端ベルトとの対向方向と直交する方向において、互いに間隔を隔てて並列配置される複数の感光ドラムと、各前記感光ドラムに前記一方側から対向される現像剤担持体を備え、各前記感光ドラムの前記一方側において、各前記感光ドラムの並列方向に並列配置されるように、前記装置本体に着脱可能に設けられる複数のプロセスカートリッジと、各前記プロセスカートリッジにそれぞれ設けられ、前記並列方向に被搬送部材を搬送する第1搬送部材と、各前記第1搬送部材に前記一方側から対向されるように、前記装置本体に設けられ、各前記第1搬送部材と協働して前記被搬送部材を搬送する複数の第2搬送部材とを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、装置本体に着脱可能な各プロセスカートリッジにそれぞれ設けられる第1搬送部材と、装置本体に設けられる複数の第2搬送部材とが、互いに協働して被搬送部材を並列方向に搬送している。
【0011】
そのため、プロセスカートリッジを装置本体から離脱させることにより、第2搬送部材から第1搬送部材を離間させることができる。
【0012】
これにより、第1搬送部材と第2搬送部材との間に被搬送部材が詰まった場合でも、プロセスカートリッジを装置本体から離脱させるだけで、容易に詰まった被搬送部材を取り除くことができる。
【0013】
また、プロセスカートリッジを利用して、第1搬送部材を設けることができるので、別途、第1搬送部材を設けた場合と比べて、画像形成装置を小型化することができる。
【0014】
その結果、容易に被搬送部材のジャム処理を実施することができるとともに、その大型化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施形態としてのカラープリンタを示す断面図である。
【図2】図1に示す現像ユニットであって、(a)は、右側面図を示し、(b)は、正面図を示す。
【図3】第2搬送経路のジャム処理を説明する説明図である。
【図4】図1に示すプロセスカートリッジの着脱を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
1.カラープリンタの全体構成
図1に示すように、画像形成装置の一例としてのカラープリンタ1は、横置きタイプの中間転写型カラープリンタである。
【0017】
また、カラープリンタ1は、装置本体の一例としての本体ケーシング2内に、被搬送部材の一例としての用紙Pを給紙するための給紙部4と、給紙された用紙Pに画像を形成するための画像形成部5とを備えている。
(1)本体ケーシング
本体ケーシング2は、給紙部4および画像形成部5を収容する側面視略矩形状のボックス形状に形成されており、その一方側壁には、フロントカバー7が、その下端部を支点として揺動(移動)可能に設けられている。また、本体ケーシング2の一方側壁には、フロントカバー7の下側において、給紙トレイ8が着脱可能に挿入される開口43が形成されている。
【0018】
なお、以下の説明において、フロントカバー7が設けられる側(図1における紙面左側)を前側とし、その反対側(図1における紙面右側)を後側とする。また、カラープリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。すなわち、図1の紙面手前側が右側であり、紙面奥側が左側である。
(2)給紙部
給紙部4は、用紙Pを収容するトレイ部材の一例としての給紙トレイ8を備えている。
【0019】
給紙トレイ8は、本体ケーシング2内の底部に着脱自在に装着され、内部に用紙Pが積み重ねられている(スタックされている)。また、給紙トレイ8は、用紙Pの後端部を昇降させるリフト部材9を備えている。
【0020】
リフト部材9は、前後に延びる略平板形状に形成され、給紙トレイ8の後側半分の底面に、その前端部を支点として揺動可能に設けられている。また、リフト部材9の後端部は、ばねなどの付勢部材(図示せず)により、常には、上側に向かって付勢されている。
【0021】
そして、リフト部材9は、付勢部材(図示せず)の付勢力によって、後側へ向かうに従って上側へ傾斜するように起立され、用紙Pの後端部は、給紙ローラ11(後述)に向かって上昇されている。
【0022】
また、給紙部4には、給紙トレイ8の後端部上側に対向配置される給紙ローラ11と、給紙ローラ11に後側から接触される上下1対のピンチローラ13と、給紙ローラ11の上側に配置され、互いに前後方向に対向される1対のレジストローラ14とが設けられている。
【0023】
そして、給紙トレイ8上の用紙P(図1実線参照)は、給紙ローラ11の回転により、給紙ローラ11と各ピンチローラ13との間を順次通過するように、上側の両レジストローラ14間に向けて給紙され、レジストローラ14の回転により、所定のタイミングで、画像形成部5(中間転写ベルト30(後述)と二次転写ローラ27(後述)との間)に供給される(第1搬送経路)。
(3)画像形成部
画像形成部5は、給紙部4の上側に配置されており、プロセスユニット15、転写ユニット17および定着ユニット18を備えている。
(3−1)プロセスユニット
プロセスユニット15は、各色に対応する4つのプロセスカートリッジ19を保持している。また、プロセスユニット15は、本体ケーシング2内に装着される装着位置と、本体ケーシング2から引き出される引出位置とに、前後方向に沿ってスライド可能に設けられている。
【0024】
各プロセスカートリッジ19は、前後方向に互いに間隔を隔てて並列配置されている。具体的には、前側から後側に向かって、ブラックプロセスカートリッジ19K、イエロープロセスカートリッジ19Y、マゼンタプロセスカートリッジ19Mおよびシアンプロセスカートリッジ19Cが、順次配置されている。
【0025】
また、各プロセスカートリッジ19は、感光ドラム20、スコロトロン型帯電器21、現像ユニット22、および、LEDユニット16を備えている。
【0026】
感光ドラム20は、左右方向に長手の円筒形状に形成されており、左右に沿って設けられている。
【0027】
スコロトロン型帯電器21は、対応する感光ドラム20の後下側に、感光ドラム20と間隔を隔てて対向配置されている。
【0028】
各現像ユニット22は、対応する感光ドラム20の前下側において、前後方向に互いに間隔を隔てて並列配置されている。また、各現像ユニット22は、現像剤担持体の一例としての現像ローラ23を備えている。
【0029】
現像ローラ23は、現像ユニット22の上端において、上側(後上側)から露出されるように回転可能に支持されており、感光ドラム20に対して下側から接触されている。
【0030】
なお、現像ユニット22は、現像ローラ23にトナーを供給する供給ローラ24、現像ローラ23に供給されたトナーの厚みを規制する層厚規制ブレード25を備えている。また、供給ローラ24の下側には、各色に対応する現像剤の一例としてのトナーが収容される略円筒形状のトナー収容部39が設けられている。トナー収容部39内には、攪拌部材の一例としてのアジテータ40が回転可能に設けられており、トナー収容部39内のトナーは、アジテータ40の回転により、攪拌されるとともに、供給ローラ24に供給される。
【0031】
各LEDユニット16は、対応する現像ユニット22の後側において、対応する感光ドラム20に下方から対向するように設けられている。LEDユニット16は、所定の画像データに基づいて、対応する感光ドラム20の表面を露光する。
(3−3)転写ユニット
転写ユニット17は、ベルトユニット26と二次転写ローラ27とを備えている。
【0032】
ベルトユニット26は、プロセスユニット15の上側において、各感光ドラム20に上側から対向するように、前後方向に沿って配置されている。
【0033】
ベルトユニット26は、駆動ローラ28、従動ローラ29、無端ベルトの一例としての中間転写ベルト30、および、4つの一次転写ローラ31を備えている。
【0034】
駆動ローラ28および従動ローラ29は、前後方向に間隔を隔てて対向配置されている。
【0035】
中間転写ベルト30は、その下側部分が各感光ドラム20に接触されるように、駆動ローラ28および従動ローラ29の周りに掛け渡されている。また、中間転写ベルト30は、駆動ローラ28の駆動により、各感光ドラム20と接触する下側部分が前側から後側に向かって移動するように、周回移動されている。
【0036】
各一次転写ローラ31は、各感光ドラム20と、それぞれ中間転写ベルト30の下側部分を挟んで対向するように、設けられている。
【0037】
二次転写ローラ27は、ベルトユニット26の駆動ローラ28と、中間転写ベルト30を挟んで対向するように、ベルトユニット26の後方に設けられている。
(3−4)定着ユニット
定着ユニット18は、二次転写ローラ27の上側に配置され、加熱ローラ37、および、加熱ローラ37に対向する加圧ローラ38を備えている。
(3−5)画像形成動作
(3−5−1)現像動作
現像ユニット22内のトナーは、供給ローラ24に供給され、さらに、現像ローラ23に供給される。
【0038】
現像ローラ23に供給されたトナーは、現像ローラ23の回転に伴って、層厚規制ブレード25によって厚さが規制され、一定厚さの薄層として現像ローラ23の表面に担持される。また、現像ローラ23に供給されたトナーは、層厚規制ブレード25と現像ローラ23との間で正極性に摩擦帯電される。
【0039】
一方、感光ドラム20の表面は、感光ドラム20の回転に伴って、スコロトロン型帯電器21により一様に正帯電された後、LEDユニット16により露光される。これにより、用紙Pに形成すべき画像に対応した静電潜像が感光ドラム20の表面に形成される。
【0040】
感光ドラム20がさらに回転すると、現像ローラ23の表面に担持され、かつ、正帯電されているトナーが、感光ドラム20の表面に形成されている静電潜像に供給される。これにより、感光ドラム20の静電潜像は可視像化され、感光ドラム20の表面には、反転現像によるトナー像が担持される。
(3−5−2)転写・定着動作
感光ドラム20の表面に反転現像により担持されたトナー像は、前側から後側へ移動される中間転写ベルト30の下側部分に順次、一次転写される。これにより、中間転写ベルト30にカラー画像が形成される。
【0041】
中間転写ベルト30に形成されたカラー画像は、中間転写ベルト30が二次転写ローラ27との対向位置Nを通過する間に、給紙部4から供給される用紙Pに、二次転写される。
【0042】
そして、用紙Pに転写されたカラー画像は、定着ユニット18において、用紙Pが加熱ローラ37と加圧ローラ38との間を通過する間に、加熱および加圧されることによって用紙Pに熱定着される。
(4)排紙
定着ユニット18においてトナー像を定着された用紙Pは、各排紙ローラ32によって、本体ケーシング2の上面に形成される排紙トレイ33上に排紙される。
2.本体ケーシング
(1)第2搬送経路に関する構成
(1−1)給紙トレイ
給紙トレイ8は、有底略矩形枠形状に形成されている。給紙トレイ8の前壁は、本体ケーシング2の開口43の上端縁に対して上下方向に間隔を隔てて対向するように、開口43の上下方向長さよりも短い上下方向長さに形成されている。
【0043】
また、給紙トレイ8の前壁の上端部には、下側に向かって開放される側断面視略U時形状の把持部57が設けられている。
【0044】
把持部57は、給紙トレイ8の前壁の上端縁から前方に向かって延び、その前端部において前下側に屈曲されるように形成されている。これにより、把持部57の上面は、前後方向に延びるように形成されている。
【0045】
把持部57の上面と、開口43の上端縁との隙間は、給紙トレイ8に収容されている用紙P以外の用紙Pが供給される手差し開口75として機能する。
(1−2)用紙搬送部材
本体ケーシング2には、給紙トレイ8とプロセスユニット15との間において、用紙搬送部材61が設けられている。
【0046】
用紙搬送部材61は、前後に延びる略平板形状に形成されている。
【0047】
また、用紙搬送部材61の前端部は、前下側に屈曲されており、給紙トレイ8の前側上端部に後方から対向されている。また、用紙搬送部材61の前端部の上面には、後方に向かうに従って上側へ傾斜する前側ガイド面76が形成されている。
【0048】
また、用紙搬送部材61の後端部は、後側へ向かう頂部を有する側面視略楔形状に形成されており、リフト部材9の後端部に前方から対向されている。また、用紙搬送部材61の後端部の上面には、後方に向かうに従って下側へ傾斜する後側ガイド面77が形成されている。
【0049】
また、用紙搬送部材61は、用紙Pを搬送する第2搬送部材の一例としての4つの本体側搬送部材64を備えている。
【0050】
各本体側搬送部材64は、各現像側搬送部材54(後述)に対応して下側から対向するように、回転可能に設けられている。また、各本体側搬送部材64は、本体側ローラ軸66と、本体側ローラ軸66に相対回転不能に設けられる本体側ローラ部材67とを備えている。
【0051】
本体側ローラ軸66は、左右方向に延びる略円柱形状に形成されている。
【0052】
各本体側ローラ部材67は、用紙搬送部材61の厚み(上下方向長さ)よりも長い外径、および、本体側ローラ軸66の外径とほぼ等しい内径を有し、左右方向に延びる略円筒形状に形成されている。
(2)トップカバー
また、本体ケーシング2には、その上壁と、後壁の上端部とにわたって、トップカバー41が設けられている。
【0053】
トップカバー41は、本体ケーシング2の後壁の途中(定着ユニット18の後側)を支点として、揺動可能に形成され、図示しない支持機構により、ベルトユニット26および定着ユニット18を支持している。
【0054】
そして、トップカバー41は、本体ケーシング2の上端部すべてを開放するように、ベルトユニット26および定着ユニット18とともに揺動される。
【0055】
トップカバー41が開放されると、プロセスユニット15の上端部が上側から露出され、各プロセスカートリッジ19に上側からアクセス可能となる。
3.プロセスユニット
(1)プロセスフレーム
プロセスユニット15は、各プロセスカートリッジ19および各LEDユニット16を一体的に保持するプロセスフレーム81を備えている。
【0056】
プロセスフレーム81は、上下方向に開放される略矩形枠形状に形成されている。プロセスフレーム81の左右方向両側壁には、各プロセスカートリッジ19の左右方向両端部を支持する支持部(図示せず)が形成されている。
(2)プロセスカートリッジ
各プロセスカートリッジ19は、左右方向に間隔を隔てて対向配置される1対の側板(図示せず)間において、感光ドラム20、スコロトロン型帯電器21、現像ユニット22を一体的に備えている。
【0057】
感光ドラム20は、左右方向両端部において、両側板(図示せず)間に回転可能に支持されている。
【0058】
スコロトロン型帯電器21は、左右方向両端部において、両側板(図示せず)間に支持されている。
(2−1)現像ユニットの構成
現像ユニット22は、図1および図2に示すように、カートリッジ本体の一例としての現像フレーム51と、第1搬送部材の一例としての現像側搬送部材54とを備えている。
【0059】
現像フレーム51は、左右方向に延びる略ボックス形状に形成されている。なお、現像フレーム51の前壁は、トナー収容部39に相当する部分と、供給ローラ24を支持する部分とにおいて、それぞれ、側面視略円弧形状に形成されている。
【0060】
現像フレーム51には、現像側搬送部材54を支持する左右1対の支持部55と、案内部材の一例としてのガイド部56とが設けられている。
【0061】
両支持部55は、現像フレーム51の前側下端部から前下側へ延びる略平板形状に形成されており、左右方向両端部に1つずつ設けられている。また、両支持部55の前下側端部は、側面視略円弧形状に形成されている。また、両支持部55の左右方向間隔は、用紙Pの左右方向長さ(紙幅)よりも長く形成されている(図2(b)参照)。
【0062】
また、両支持部55前下側端部には、現像側搬送部材54の現像側ローラ軸58(後述)が挿通される側面視略円形状の挿通穴59が形成されている。
【0063】
挿通穴59は、左右方向に沿って、側面視略円形状に貫通形成されている。挿通穴59は、現像側ローラ軸58の直径とほぼ同径(やや大径)に形成されている。
【0064】
ガイド部56は、現像フレーム51の下端縁から下方へ膨出する略矩形状に形成されており、その下端縁は、前後方向に沿って延びる略直線形状に形成されている。ガイド部56の下端縁は、前後方向に投影したときに、両支持部55の下端縁と重なるように配置されている。
【0065】
現像側搬送部材54は、前後方向に投影したときに、現像フレーム51のガイド部56と重なるように、両支持部55間に回転可能に支持されている。また、現像側搬送部材54は、現像側ローラ軸58と、現像側ローラ軸58に相対回転不能に設けられる現像側ローラ部材60とを備えている。
【0066】
現像側ローラ軸58は、左右方向に延びる略円柱形状に形成されており、左右方向両端部において、現像フレーム51の両支持部55間に回転可能に支持されている。また、現像側ローラ軸58の右端部は、右側の支持部55の右面よりも右側へ突出されている。
【0067】
現像側ローラ部材60は、左右方向に延びる略円筒形状に形成されている。また、現像側ローラ部材60は、左右方向に投影したときに支持部55の前下側端部から前側および下側に膨出するような外径、および、現像側ローラ軸58の外径とほぼ等しい内径を有している。また、現像側ローラ部材60の左右方向長さは用紙Pの左右方向長さ(紙幅)よりも長く形成されている(図2(b)参照)。
(2−2)現像ユニットの駆動伝達に関する構成
現像ユニット22は、現像カップリング部材90を備えている。
【0068】
現像カップリング部材90は、左右方向に延びる略円筒形状に形成されている。現像カップリング部材90は、本体ケーシング2に設けられる駆動源の一例としてのモータ100に、本体ケーシング2のカップリング部材(図示せず)を介して、駆動伝達可能に連結される。現像カップリング部材90は、嵌合部87とギヤ部88とを一体的に備えている。
【0069】
嵌合部87は、現像カップリング部材90の左端部に設けられている。嵌合部87には、本体ケーシング2のカップリング部材(図示せず)が右側から相対回転不能に嵌合される。
【0070】
ギヤ部88は、現像カップリング部材90の右端部に設けられており、その外周面には、ギヤ歯が形成されている。
【0071】
現像ローラ23は、回転軸としての現像ローラ軸91と、現像ローラ駆動ギヤ92とを備えている。
【0072】
現像ローラ軸91は、左右方向に延びる略円柱形状に形成されており、右端部が現像フレーム51よりも右側へ突出するように、左右方向両端部において現像フレーム51に回転可能に支持されている。
【0073】
現像ローラ駆動ギヤ92は、現像ローラ23の直径よりも小径に形成され、現像フレーム51の右側において、現像ローラ軸91の右端部に相対回転不能に設けられている。現像ローラ駆動ギヤ92は、現像カップリング部材90のギヤ部88に、上側から噛合されている。
【0074】
供給ローラ24は、回転軸としての供給ローラ軸93と、供給ローラ駆動ギヤ94とを備えている。
【0075】
供給ローラ軸93は、左右方向に延びる略円柱形状に形成されており、右端部が現像フレーム51よりも右側へ突出するように、左右方向両端部において現像フレーム51に回転可能に支持されている。
【0076】
供給ローラ駆動ギヤ94は、供給ローラ24の直径と略同径に形成されており、現像フレーム51の右側において、供給ローラ軸93の右端部に相対回転不能に設けられている。供給ローラ駆動ギヤ94は、現像カップリング部材90のギヤ部88に、前側から噛合されている。
【0077】
アジテータ40は、回転軸としてのアジテータ軸95と、第1駆動ギヤの一例としてのアジテータ駆動ギヤ96とを備えている。
【0078】
アジテータ軸95は、左右方向に延びる略円柱形状に形成されており、右端部が現像フレーム51よりも右側へ突出するように、左右方向両端部において現像フレーム51に回転可能に支持されている。
【0079】
アジテータ駆動ギヤ96は、供給ローラ駆動ギヤ94の略半分の左右方向長さに形成されており、現像フレーム51の右側において、アジテータ軸95の右端部に相対回転不能に設けられている。アジテータ駆動ギヤ96は、供給ローラ駆動ギヤの左半分に、下側から噛合されている。
【0080】
現像側搬送部材54の現像側ローラ軸58は、第2駆動ギヤの一例としての搬送部材駆動ギヤ97を備えている。
【0081】
搬送部材駆動ギヤ97は、右側の支持部55の右側において、現像側ローラ軸58の右端部に相対回転不能に設けられている。搬送部材駆動ギヤ97は、アジテータ駆動ギヤ96に、後下側から噛合されている。
(2−3)現像ユニットの駆動伝達
そして、モータ100からの駆動力が、カップリング部材(図示せず)を介して、現像カップリング部材90に右側面視時計回りの駆動力が伝達されると(図2(b)参照)、ギヤ部88に噛合される現像ローラ駆動ギヤ92および供給ローラ駆動ギヤ94は、それぞれ、右側面視反時計回りに回転される。
【0082】
すると、現像ローラ駆動ギヤ92から現像ローラ軸91を介して現像ローラ23に右側面視反時計回りの駆動力が入力されるとともに、供給ローラ駆動ギヤ94から供給ローラ軸93を介して供給ローラ24に右側面視反時計回りの駆動力が入力され、現像ローラ23および供給ローラ24は、それぞれ、右側面視反時計回りに回転される。
【0083】
また、供給ローラ駆動ギヤ94が右側面視反時計回りに回転されると、供給ローラ駆動ギヤ94に噛合されるアジテータ駆動ギヤ96は、右側面視時計回りに回転される。
【0084】
すると、アジテータ駆動ギヤ96からアジテータ軸95を介してアジテータ40に右側面視時計回りの駆動力が入力され、アジテータ40は、右側面視時計回りに回転される。
【0085】
また、アジテータ駆動ギヤ96が右側面視時計回りに回転されると、アジテータ駆動ギヤ96に噛合される搬送部材駆動ギヤ97は、右側面視反時計回りに回転される。
【0086】
すると、搬送部材駆動ギヤ97から現像側ローラ軸58を介して現像側搬送部材54に右側面視反時計回りの駆動力が入力され、現像側搬送部材54は、右側面視反時計回りに回転される。つまり、現像側搬送部材54は、現像側ローラ部材60の下端部が前側から後側へ向かって移動するように回転される。
【0087】
このように、現像カップリング部材90に入力された駆動力は、供給ローラ駆動ギヤ94を介して、アジテータ駆動ギヤ96および搬送部材駆動ギヤ97に伝達されている。すなわち、現像カップリング部材90および供給ローラ駆動ギヤ94は、駆動伝達部材を構成している。
4.第2搬送経路による用紙の搬送
図1を参照して、第2搬送経路における用紙Pの搬送を説明する。
【0088】
手差し開口75に供給された用紙P(図1破線参照)は、給紙トレイ8の把持部57の上面、および、用紙搬送部材61の前側ガイド面76によって、最前方の現像側搬送部材54と、最前方の各本体側搬送部材64とのニップ部に案内される。
【0089】
そして、用紙Pは、上記した各現像側搬送部材54の駆動、および、各本体側搬送部材64の従動により、各現像ユニット22のガイド部56に案内されながら、各現像ユニット22の下端部と、用紙搬送部材61の上面との間を前方から後方に向かって搬送される。
【0090】
つまり、各現像側搬送部材54および各本体側搬送部材64は、互いに協働して、用紙Pを搬送している。
【0091】
その後、用紙Pは、用紙搬送部材61の後端部において、後側ガイド面77により、リフト部材9の後端部に案内される(第2搬送経路)。
【0092】
そして、第2搬送経路によりリフト部材9の後端部に供給された用紙Pは、上記したように、給紙ローラ11の回転により、給紙ローラ11と各ピンチローラ13との間を順次通過するように、上側の両レジストローラ14間に向けて給紙され、レジストローラ14の回転により、所定のタイミングで、中間転写ベルト30と二次転写ローラ27との対向位置Nに供給される。
5.第2搬送経路のジャム処理
第2搬送経路において、搬送中に用紙Pが詰まった場合には、図3に示すように、まず、トップカバー41を上側に向かって揺動させて、本体ケーシング2の上端部を開放する。そして、開放された本体ケーシング2の上端部から、各プロセスカートリッジ19を上側に引き抜いて、各プロセスカートリッジ19を本体ケーシング2から離脱させる。
【0093】
すると、プロセスカートリッジ19が離脱された部分において、用紙搬送部材61の上に、詰まった用紙Pが露出される。
【0094】
そして、用紙搬送部材61の上に露出された用紙Pを、上側から把持し、除去する。
6.プロセスカートリッジの本体ケーシングに対する着脱
プロセスカートリッジ19を本体ケーシング2に対して着脱するには、図4に示すように、まず、フロントカバー7を閉位置から開位置へ移動させ、次いで、本体ケーシング2から、プロセスユニット15を前方に引き出す。
【0095】
そして、引き出されたプロセスユニット15に対してプロセスカートリッジ19を着脱する。詳しくは、プロセスユニット15に装着されているプロセスカートリッジ19をプロセスユニット15から離脱させるには、プロセスカートリッジ19を上側に引き抜く。また、プロセスカートリッジ19をプロセスユニット15に装着するには、プロセスカートリッジ19を、プロセスフレーム81の支持部(図示せず)に対して位置決めし、上側からプロセスフレーム81内に挿入する。
【0096】
なお、プロセスユニット15を本体ケーシング2内に装着するには、上記した引き出し動作と逆に操作する。
7.作用効果
(1)このカラープリンタ1によれば、図1に示すように、第2搬送経路において、本体ケーシング2に着脱可能な各プロセスカートリッジ19にそれぞれ設けられる現像側搬送部材54と、本体ケーシング2に設けられる各本体側搬送部材64とが、互いに協働して用紙Pを前側から後側へ搬送している。
【0097】
そのため、プロセスカートリッジ19を本体ケーシング2から離脱させることにより、本体側搬送部材64から各現像側搬送部材54を離間させることができる。
【0098】
これにより、各現像側搬送部材54と各本体側搬送部材64との間に用紙Pが詰まった場合でも、各プロセスカートリッジ19を本体ケーシング2から離脱させるだけで、容易に、詰まった用紙Pを取り除くことができる。
【0099】
また、プロセスカートリッジ19を利用して、各現像側搬送部材54を設けることができるので、別途、各現像側搬送部材54を設けた場合と比べて、カラープリンタ1を小型化することができる。
【0100】
その結果、容易に用紙Pのジャム処理を実施することができるとともに、カラープリンタ1の大型化を抑制することができる。
(2)また、このカラープリンタ1によれば、図2に示すように、本体ケーシング2に設けられるモータ100からの駆動力を、アジテータ40を駆動させるアジテータ駆動ギヤ96、および、現像側搬送部材54を駆動させる搬送部材駆動ギヤ97に伝達する現像カップリング部材90および供給ローラ駆動ギヤ94を備えている。
【0101】
そのため、アジテータ40を駆動させる駆動力を利用して、現像側搬送部材54を駆動させることができる。
(3)また、このカラープリンタ1によれば、図2に示すように、現像側搬送部材54は、用紙Pの紙幅よりも長い左右方向長さに形成されている。
【0102】
そのため、用紙Pを紙幅すべてにわたって安定して搬送することができる。
(4)また、このカラープリンタ1によれば、本体側搬送部材64は、現像側搬送部材54に従動する。
【0103】
そのため、現像側搬送部材54を回転させる駆動力を利用して、本体側搬送部材64を回転させることができる。
(5)また、このカラープリンタ1によれば、図2に示すように、プロセスカートリッジ19は、その下端部において、用紙Pの搬送を案内するガイド部56を備えている。
【0104】
そのため、用紙Pを、ガイド部56で案内しながら、安定して搬送することができる。
(6)また、このカラープリンタ1によれば、図2に示すように、現像側搬送部材54は、前後方向に投影したときに現像フレーム51と重なるように、プロセスカートリッジ19に設けられている。
【0105】
そのため、プロセスカートリッジ19を上下方向に大型化することなく、現像側搬送部材54を設けることができ、カラープリンタ1の大型化を抑制することができる。
(7)また、このカラープリンタ1によれば、図1に示すように、本体側搬送部材64の下側に給紙トレイ8を備えている。
【0106】
そのため、給紙トレイ8の上側(給紙トレイ8とプロセスユニット15との間)を利用して、現像側搬送部材54および本体側搬送部材64を設け、用紙Pを搬送することができる。
【0107】
その結果、別途、現像側搬送部材54および本体側搬送部材64を配置する空間を設けることなく、カラープリンタ1の大型化を抑制しながら、現像側搬送部材54および本体側搬送部材64を設けることができる。
【符号の説明】
【0108】
1 カラープリンタ
2 本体ケーシング
8 給紙トレイ
19 プロセスカートリッジ
20 感光ドラム
23 現像ローラ
30 中間転写ベルト
40 アジテータ
51 現像フレーム
54 現像側搬送部材
56 ガイド部
64 本体側搬送部材
90 現像カップリング部材
94 供給ローラ駆動ギヤ
96 アジテータ駆動ギヤ
97 搬送部材駆動ギヤ
100 モータ
P 用紙
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
前記装置本体に設けられる無端ベルトと、
前記無端ベルトに一方側から対向され、前記無端ベルトとの対向方向と直交する方向において、互いに間隔を隔てて並列配置される複数の感光ドラム、および、各前記感光ドラムに前記一方側から対向される現像剤担持体を備え、各前記感光ドラムの前記一方側において、各前記感光ドラムの並列方向に並列配置されるように、前記装置本体に着脱可能に設けられる複数のプロセスカートリッジと、
各前記プロセスカートリッジにそれぞれ設けられ、前記並列方向に被搬送部材を搬送する第1搬送部材と、
各前記第1搬送部材に前記一方側から対向されるように、前記装置本体に設けられ、各前記第1搬送部材と協働して前記被搬送部材を搬送する複数の第2搬送部材と
を備えることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記プロセスカートリッジは、
プロセスカートリッジに収容される現像剤を攪拌する攪拌部材と、
前記攪拌部材に相対回転不能に設けられ、前記攪拌部材を駆動させる第1駆動ギヤと、
前記第1搬送部材に相対回転不能に設けられ、前記第1搬送部材を駆動させる第2駆動ギヤと、
前記装置本体に設けられる駆動源からの駆動力を、前記第1駆動ギヤおよび前記第2駆動ギヤに伝達する駆動伝達部材と
を備えることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記対向方向および前記並列方向の両方と直交する方向において、前記第1搬送部材は、前記被搬送部材よりも長く形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2搬送部材は、前記第1搬送部材に従動することを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記プロセスカートリッジは、前記被搬送部材の搬送を案内する案内部材を備えていることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記プロセスカートリッジは、前記現像剤担持体を保持し、現像剤を収容するカートリッジ本体を備え、
前記第1搬送部材は、前記並列方向に投影したときに前記カートリッジ本体と重なるように、前記プロセスカートリッジに設けられていることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記装置本体は、前記第2搬送部材の前記一方側において、前記被搬送部材がスタックされるトレイ部材を備えていることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項1】
装置本体と、
前記装置本体に設けられる無端ベルトと、
前記無端ベルトに一方側から対向され、前記無端ベルトとの対向方向と直交する方向において、互いに間隔を隔てて並列配置される複数の感光ドラム、および、各前記感光ドラムに前記一方側から対向される現像剤担持体を備え、各前記感光ドラムの前記一方側において、各前記感光ドラムの並列方向に並列配置されるように、前記装置本体に着脱可能に設けられる複数のプロセスカートリッジと、
各前記プロセスカートリッジにそれぞれ設けられ、前記並列方向に被搬送部材を搬送する第1搬送部材と、
各前記第1搬送部材に前記一方側から対向されるように、前記装置本体に設けられ、各前記第1搬送部材と協働して前記被搬送部材を搬送する複数の第2搬送部材と
を備えることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記プロセスカートリッジは、
プロセスカートリッジに収容される現像剤を攪拌する攪拌部材と、
前記攪拌部材に相対回転不能に設けられ、前記攪拌部材を駆動させる第1駆動ギヤと、
前記第1搬送部材に相対回転不能に設けられ、前記第1搬送部材を駆動させる第2駆動ギヤと、
前記装置本体に設けられる駆動源からの駆動力を、前記第1駆動ギヤおよび前記第2駆動ギヤに伝達する駆動伝達部材と
を備えることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記対向方向および前記並列方向の両方と直交する方向において、前記第1搬送部材は、前記被搬送部材よりも長く形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2搬送部材は、前記第1搬送部材に従動することを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記プロセスカートリッジは、前記被搬送部材の搬送を案内する案内部材を備えていることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記プロセスカートリッジは、前記現像剤担持体を保持し、現像剤を収容するカートリッジ本体を備え、
前記第1搬送部材は、前記並列方向に投影したときに前記カートリッジ本体と重なるように、前記プロセスカートリッジに設けられていることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記装置本体は、前記第2搬送部材の前記一方側において、前記被搬送部材がスタックされるトレイ部材を備えていることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図2】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開2012−159661(P2012−159661A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−18774(P2011−18774)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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