説明

画像形成装置

【課題】使用者がお釣りの払戻動作を行うか否かによらず、お釣りの受け取り忘れや、第三者によるお釣りの持ち去りを防ぎ、使用者の損害の発生を完全に防ぐ。
【解決手段】画像形成装置は、金銭の投入を受け付け、料金徴収し、残金払戻等を行う課金装置と、識別情報を取得する識別情報取得部と、使用者を特定するための認証情報を記憶する記憶部と、識別情報と認証情報とを比較し、使用者を特定して認証を行う認証部と、正当な使用者と認証することを条件としてログイン状態となり、ログアウト条件を満たすと、ログアウト状態となる操作部と、を有し、課金装置に残金がある状態でログアウト条件が満たされたとき、課金装置は、残金の払戻を行わず、記憶部は、払い戻さなかった残金の金額を、認証した使用者の残金情報として記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、課金装置を含む複写機、複合機、プリンタ、ファクシミリ機の等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
課金装置付き画像形成装置(コピーや複合機など)が、設置されることがある。課金装置は、コインベンダと呼ばれることも多い。例えば、課金装置付き画像形成装置は、コンビニエンスストア、ショッピングセンター、図書館、大学、会社といった場所に設置される。使用者は、課金装置に金銭を投入する。そして、画像形成装置で実行したジョブの内容(用紙サイズやサービス内容等)に応じ、料金が、投入済金額から徴収される(差し引かれる)。このような課金装置付き画像形成装置において、残金の取り忘れを防ごうとする発明の一例が、特許文献1に記載されている。
【0003】
具体的に、特許文献1には、使用料金を徴収する料金徴収装置と、料金徴収装置に投入された金額に対する残金を算出する残金算出手段と、残金算出手段によって算出された残金を自動返却させる残金自動返却手段を有する料金徴収装置を備え、画像形成装置の原稿載置台上にセットされている原稿の有無を検出する原稿検出手段と、排紙トレイ上の用紙の有無を検出する用紙検出手段を備え、それらの検出結果に基づいて、原稿載置台上の原稿と排紙トレイ上の用紙が共に無と判断された時に、残金算出手段によって算出された残金を自動返却させる残金自動返却手段を備えた画像形成装置が記載されている。この構成では、原稿と用紙を原稿載置台と排紙トレイから引き取ることにより、残金が自動的に返金されるので、料金徴収装置から残金の返金忘れにより生じる損害を防ぐことができる(特許文献1:請求項1、段落[0006]等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−208915
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
課金装置は、画像形成装置本体とケーブル等で通信可能に接続される。そして、課金装置に投入された金額を示すデータや、残金を示すデータや、コピーの実行により残金から減らすべき金額を示すデータなどが、必要に応じ画像形成装置本体と課金装置間でやり取りされる。必要なジョブが完了すると、例えば、使用者は、課金装置に設けられた返却ボタンを押し、お釣り(残金)の払い戻しを受ける。
【0006】
しかし、お釣りの払い戻しと受け取りを忘れたまま、立ち去ってしまう場合がある。例えば、原稿の回収に気を取られている場合や、急いでいる場合や、考え事をしている場合など、使用者はお釣りの受け取りを忘れる。このような場合、第三者が払い戻しを受けたり、お釣りを持ち去ったりすることがある。従って、画像形成装置を使用した者にとって、お釣り分の損害、不利益が生ずるという問題がある。
【0007】
ここで、特許文献1記載の発明をみると、自動的な残金返金によりお釣りの受け取り忘れを防ぎ得るが、返金されたお釣りに気づかずに立ち去ってしまう可能性は残る。又、例えば、原稿を忘れれば自動返金機能が働かない場合もある。従って、お釣りの受け取り忘れが生じ得るものであり、使用者の損害の発生を完全に防ぐことはできない。
【0008】
本発明は、上記問題点を鑑み、使用者がお釣りの払戻動作を行うか否かによらず、お釣りの受け取り忘れや、第三者によるお釣りの持ち去りを防ぎ、使用者の損害の発生を完全に防ぐことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために請求項1に係る画像形成装置は、金銭の投入を受け付け、投入金額を認識しジョブの内容に応じ料金を徴収し、払戻要求入力により残金を払い戻す課金装置と、使用者を特定するための識別情報を取得する識別情報取得部と、使用者を特定するための認証情報を記憶する記憶部と、前記識別情報取得部が取得した前記識別情報と、前記認証情報とを比較し、使用者を特定して認証を行う認証部と、前記認証部が、正当な使用者と認証することを条件としてログイン状態となり、ログアウト条件を満たすと、ログアウト状態となる操作部と、を有し、前記課金装置に残金がある状態でログアウト条件が満たされたとき、前記課金装置は、残金の払戻を行わず、前記記憶部は、払い戻さなかった残金の金額を、認証した使用者の残金情報として記憶する。
【0010】
この構成によれば、課金装置に残金がある状態でログアウト条件が満たされたとき、課金装置は、残金の払戻を行わず、記憶部は、払い戻さなかった残金の金額を、認証した使用者の残金情報として記憶する。これにより、払い戻し忘れのお釣りは、課金装置に投入されたままの状態で維持されたり、第三者に払い戻しされたりせず、ログアウト時の使用者の残金として積算される(チャージされる)。従って、第三者によるお釣りの持ち去りなどによる使用者の損害の発生を防ぐことができる。
【0011】
又、請求項2に係る発明は、請求項1の発明において、使用者の認証がなされ、ログインのあったとき、前記課金装置は、ログイン中の使用者の前記残金情報の金額が投入されたものと扱うこととした。
【0012】
この構成によれば、使用者の認証がなされ、ログインのあったとき、課金装置は、ログイン中の使用者の残金情報の金額が投入されたものと扱う。これにより、過去に払い戻しを行わなかった残金を用いてジョブを実行することができる。従って、以前に払い戻し忘れたお釣りは預かったものとして扱われ、以前のお釣り分の残金を用いて、後日、画像形成装置を利用することができ、使用者は、お釣りの払い戻しを忘れたとしても、損害を受けない。
【0013】
又、請求項3に係る発明は、請求項1又は2の発明において、前記課金装置は、ログイン中に、払戻要求入力を受け付けたとき、ログイン中の使用者の残金の払い戻しを行うこととした。
【0014】
この構成によれば、課金装置は、ログイン中に、払戻要求入力を受け付けたとき、ログイン中の使用者の残金の払い戻しを行う。これにより、払い戻し忘れのお釣りを後に受け取ることができる。
【0015】
又、請求項4に係る発明は、請求項1乃至3の発明において、前記識別情報取得部は、識別情報を記憶する記憶媒体を読み取ることにより前記識別情報を取得し、前記操作部は、ログイン状態で、残金を前記記憶媒体に保存する指示入力を受け付け、前記識別情報取得部は、ログイン中の使用者の前記記憶媒体と通信を行って、前記記憶媒体に残金の金額を前記残金情報として記憶させることとした。
【0016】
この構成によれば、識別情報取得部は、ログイン中の使用者のICカードのような記憶媒体と通信を行って、記憶媒体に残金の金額を残金情報として情報を記憶させる。これにより、残金情報を記憶媒体に移すことができる。又、記憶媒体を読み取らせて残金情報を与えることにより、他の画像形成装置でコピーなどのジョブの利用するうえで、残金情報を用いることができる。
【0017】
又、請求項5に係る発明は、請求項4の発明において、前記記憶部は、前記残金情報を前記記憶媒体に記憶させた使用者の前記残金情報の金額をゼロとして記憶することとした。
【0018】
この構成によれば、記憶媒体に残金情報を記憶させるとき、記憶部は、認証していた使用者の残金情報における残金をゼロとする。これにより、重複して残金が保存されず、画像形成装置と記憶媒体の間で、残金の混同が生ずることがない。
【0019】
又、請求項6に係る発明は、請求項1乃至5の発明において、前記識別情報取得部は、前記操作部でもあり、使用者が入力したコードを前記識別情報として扱うこととした。
【0020】
この構成によれば、識別情報取得部は、操作部でもあり、使用者が入力したコードを識別情報として扱う。これにより、操作部でパスワードの入力を受け付けることにより、認証部は、認証を行うことができる。
【0021】
又、請求項7に係る発明は、請求項1乃至6の発明において、前記ログアウト条件は、予め定められた時間、前記操作部に対する入力がないこと、及び/又は、前記操作部へのログアウトを指示する旨の入力であることとした。
【0022】
この構成によれば、ログアウト条件は、予め定められた時間、操作部に対する入力がないこと、及び/又は、操作部へのログアウトを指示する旨の入力である。これらのログアウトをトリガとして、残金が記憶部に残金として保存される。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、使用者がお釣りの払戻動作を行うか否かによらず、使用者が画像形成装置から離れる、あるいは、既に離れている可能性が高いログアウトをトリガとして払い戻し忘れのお釣り保護が実行される。従って、お釣りの受け取り忘れに起因する第三者によるお釣りの持ち去りや、使用者の損害の発生を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1の実施形態に係る複合機の一例を示す模式図である。
【図2】第1の実施形態に係る複合機の一例を示す模型的正面断面図である。
【図3】第1実施形態に係る複合機のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】(a)は第1の実施形態に係るユーザー登録変更画面の一例を示す説明図である。(b)は、第1の実施形態に係るソフトキーボード画面の一例を示す説明図である。
【図5】第1の実施形態に係る認証用の構成の一例を示すブロック図である。
【図6】第1の実施形態に係る画像形成装置の使用における制御の流れの一例を示すフローチャートである。
【図7】第1の実施形態に係るカードへの残金保存画面の一例を示す説明図である。
【図8】第2の実施形態に係る操作パネルに表示されるログイン画面の一例を示す説明図である。
【図9】第2の実施形態に係る画像形成装置の使用における制御の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜図7を用いて説明する。本説明では、画像形成装置として、モノクロ複合機を例に挙げて説明する。
【0026】
(課金装置付き画像形成装置の一例)
まず、図1を用いて、本発明の第1の実施形態に係る複合機100の一例を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る複合機100の一例を示す模式図である。
【0027】
図1に示すように、複合機100の本体にはケーブルCBを用いて、課金装置1が通信可能に接続される。課金装置1は、コインベンダとも呼ばれる。複合機100と課金装置1の組み合わせは、例えば、会社、コンビニエンスストア、図書館、ショッピングセンター等に設置される。
【0028】
課金装置1には、例えば、お金の投入口11や、残金が表示される残金表示部12や、コピー終了後に押されると、返却口13に残金が払い戻される返却ボタン14等が設けられる。そして、複合機100を使いたい者は、お金を課金装置1に投入する。課金装置1からお金が投入された旨が課金装置1から複合機100に伝達され、料金が足りている限り、複合機100を利用できる。印刷などのジョブが実行されるごとに、課金装置1の残金表示部12は、残金表示を減らす(例えば、白黒A3コピーならば20円、白黒A4コピーならば10円、FAX送信なら数十円等)。
【0029】
(画像形成装置の概略)
次に、図2に基づき、本発明の第1の実施形態に係る複合機100の本体の概略を説明する。図2は、本発明の第1の実施形態に係る複合機100の一例を示す模型的正面断面図である。
【0030】
図2に示すように、本実施形態の複合機100は最上部に原稿カバー101を有する。又、複合機100本体には、操作パネル2(操作部に相当)、画像読取部3、給紙部4A、搬送路4B、画像形成部5、定着部6、リーダライター7(識別情報取得部に相当)等が設けられる。
【0031】
まず、図1に破線で示すように、操作パネル2は、複合機100の正面上方に設けられる。操作パネル2は、複合機100の状態や、各種メッセージや、機能の選択、設定を行うための1又は複数のキーや、各種設定画面を表示する液晶表示部21を備える。又、液晶表示部21の上面にタッチパネル部22(例えば、抵抗膜方式)が設けられる。タッチパネル部22は、液晶表示部21で押下された部分の位置、座標を検出するためのものである。又、操作パネル2は、印刷部数等の数字入力用のテンキー部23や複写やスキャン等のデータ送信の開始を指示するためのスタートキー24、ログイン状態でのログアウトを直接指示するログアウトキー25も備える。
【0032】
次に、画像読取部3の上面には、コンタクトガラス31が設けられる。又、画像読取部3内には露光ランプ、ミラー、レンズ、イメージセンサー(例えば、CCD)等の光学系部材(不図示)が設けられる。画像読取部3は、これらの光学系部材を用い、コンタクトガラス31に載置される原稿を走査しつつ光を照射する。そして、その原稿の反射光を受けたイメージセンサーは、各画素の出力値をA/D変換し、画像データを生成する。複合機100は、読み取りにより得られた画像データに基づき印刷を行うことができる(コピー機能)。尚、原稿カバー101は、図1の紙面奥側に支点が設けられ持ち上げ可能であり、原稿を押さえる。
【0033】
給紙部4Aは、複数の用紙(例えば、コピー用紙、普通紙、再生紙、厚紙、OHPシート等の各種シート)を収容し、1枚ずつ搬送路4Bに送り込む。給紙部4Aは、収納用紙が載置されるカセット41を含む(図1で上方のものに41A、下方のものに41Bの符号を付す)。又、カセット41から搬送路4Bに送り出すため回転駆動する給紙ローラー42が設けられる(図1で上方のものに42A、下方のものに42Bの符号を付す)。例えば、印刷時には、給紙ローラー42が回転駆動し、画像形成に必要となる用紙が1枚ずつ搬送路4Bに送り出される。
【0034】
搬送路4Bは、給紙部4Aから排出トレイ43までの用紙搬通路である。尚、用紙搬送経路上には画像形成部5、定着部6等が配される。そして、搬送路4Bには、用紙の案内のためのガイドや、用紙搬送の際に回転駆動する搬送ローラー対44、45や、搬送されてくる用紙を画像形成部5の手前で待機させ、トナー像形成のタイミングを合わせて用紙を送り出すレジストローラー対46等が設けられる。
【0035】
画像形成部5は、画像データに基づきトナー像を形成し、搬送される用紙にトナー像を転写する。画像形成部5は、図1中に示す矢印方向に回転駆動可能に支持された感光体ドラム51、及び、感光体ドラム51の周囲に配設された帯電装置52、露光装置53、現像装置54、転写ローラー55、清掃装置56等を備える。
【0036】
トナー像形成及び転写プロセスを説明すると、帯電装置52は、所定方向に回転駆動する感光体ドラム51を所定電位に帯電させる。露光装置53は、レーザ光Lをから出力し、感光体ドラム51表面を走査露光して画像データに応じた静電潜像を形成する。尚、画像データは、例えば、画像読取部3で得られた画像データである。
【0037】
そして、図1において、現像装置54は、感光体ドラム51に形成された静電潜像にトナーを供給して現像する。転写ローラー55は感光体ドラム51に圧接し、ニップを形成する。そして、レジストローラー対46は、トナー像にあわせタイミングを図りつつ、用紙をニップに進入させる。用紙進入時、転写ローラー55には所定の電圧が印加され、用紙に感光体ドラム51上のトナー像が転写される。清掃装置56は、転写後に感光体ドラム51に残留するトナーを除去する。
【0038】
定着部6は、用紙に転写されたトナー像を定着させる。本実施形態における定着部6は、主として発熱体を内蔵する加熱ローラー61と加圧ローラー62で構成される。加熱ローラー61と加圧ローラー62は圧接しニップを形成する。そして、用紙が、このニップを通過することで、用紙表面のトナーは加圧、加熱され、溶融し、用紙に定着する。トナー定着後の用紙は、排出トレイ43が受け止める。このようにして、複写機能、プリンタ機能の使用時、画像形成(印刷)が行われる。
【0039】
そして、動作の詳細は後述するが、本実施形態における複合機100の右側面上方に、使用者の認証のため識別情報を記憶するカード200(図3参照、記憶媒体に相当)から、識別情報を取得するリーダライター7(識別情報取得部に相当)が設けられる。このカード200は、例えば、RFIDのICカードや磁気カード等が用いられる。あるいは、ICカード機能付きの通信機器(例えば、携帯電話等)に識別情報を記憶させておき、リーダライター7と通信機器間で通信が行われ、認証が行われてもよい。もし、カード200がICカードであれば、リーダライター7は、無線によりICカードと通信を行って識別情報を取得する。又、カード200が磁気カードであれば、リーダライター7は、磁気ヘッド等によって識別情報を取得する。
【0040】
カード200に記憶される識別情報は、カード200を所持し、複合機100を使用しようとする者を識別、特定するためのデータである。識別情報には、例えば、ユーザー名、パスワード、使用権限等を示すデータが含まれる。そして、本実施形態の複合機100では、取得された識別情報に基づいて複合機100の使用者の認証が行われる。
【0041】
(画像形成装置のハードウェア構成)
次に、図3に基づき、本発明の第1の実施形態に係る複合機100のハードウェア構成を説明する。図3は、本発明の第1の実施形態に係る複合機100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0042】
図3に示すように、本実施形態に係る複合機100は、制御基板や各種素子、回路等を組み合わせて構成される制御部8(認証部に相当)を有する。制御部8は、複合機100の各部の制御を司る。例えば、制御部8は、中央演算処理装置としてのCPU81や、コピーやスキャンやFAX送信に関する画像データに対し画像処理を施す画像処理部82を含む。尚、制御部8は、全体制御や画像処理を行うメイン制御部と、印刷処理を行う部分(印刷のため各種回転体を回転させるモーター等)を制御し、印刷エンジンを統括するエンジン制御部等、機能ごとに分割して複数種設けられてもよい。
【0043】
記憶部9は、例えば、ROM、RAM、HDDを含み、不揮発性と揮発性の記憶用の装置を組み合わせて構成される。そして、記憶部9は、複合機100の制御用等の各種のプログラムやデータ、設定データ、画像データ等の各種データを記憶する。本発明に関し、記憶部9は、課金制御用の制御用プログラムや、認証用プログラムを記憶する。そして、制御部8は、課金制御用のプログラムなどに基づき、課金装置1の制御を行う。制御部8は、認証用プログラムなどに基づき、使用者の認証(特定)を行う。
【0044】
又、制御部8は、画像読取部3、給紙部4A、搬送路4B、画像形成部5、定着部6等の各部とバスや信号線等で接続され、各部、各装置を制御して複合機100の動作を制御する。
【0045】
又、制御部8は、操作パネル2とバスや信号線等で接続され、操作パネル2でなされた設定入力の内容を認識し、設定内容に沿って、複合機100の動作を制御する。操作パネル2には、液晶表示部21、タッチパネル部22、スタートキー24、テンキー部23、ログアウトキー25などのほか、表示制御部20が設けられる。表示制御部20は、スタートキー24、テンキー部23、ログアウトキー25等の操作パネル2に設けられるキーと接続され、押されたキーを認識する。又、表示制御部20は、液晶表示部21の表示を制御する。又、表示制御部20は、タッチパネル部22の出力電圧に基づき、液晶表示部21のうち、押された位置を認識し、液晶表示部21に現在表示させている画面、画像のデータと座標から、液晶表示部21に表示されるキーの内、いずれのキーが押下されたかを認識する。尚、表示制御部20を設けず、制御部8が表示制御部20の機能を実現してもよい。
【0046】
又、制御部8は、通信部84と接続される。制御部8は、通信部84を介して外部のコンピューター300やFAX装置400などと通信を行える。そのため、通信部84は、通信用のチップ、回路、コネクター、ソケットを含む。尚、スキャンした画像データの保存や、画像データを取得するため、通信部84に携帯型メモリー(例えば、USBメモリーや、各種メモリーカード)用のコネクターを設けてもよい。
【0047】
又、制御部8は、I/F部85と接続される。制御部8は、I/F部85を介して課金装置1と通信を行える。そのため、I/F部85は、通信用のチップ、回路、コネクター、ソケットを含む。
【0048】
ここで、課金装置1の構成を説明する。課金装置1には、課金装置1の動作制御のため、中央演算処理装置としてCPU10や、記憶装置としてのROM15やRAM16が設けられる。ROM15には、課金装置1を制御するためのデータやプログラムが格納される。RAM16は、課金装置1を制御する上で必要なデータやプログラムが展開される。
【0049】
課金装置1内の機構部18は、投入口11に、金銭が投入されたことを認識するためのセンサー(投入検知センサー)や、投入された金銭の種別(例えば、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨、500円硬貨)を識別するセンサー(種別識別センサー)などを含む。尚、課金装置1内の投入検知センサーや種別識別センサーの出力は、CPU10に入力される。そして、CPU10は金銭を投入されたことや、投入金額を認識する。
【0050】
又、CPU10は、複合機100からの指示に応じて、機構部18に料金を徴収させる(例えば、残金から料金を差し引く。あるいは、徴収した金銭を、徴収済金銭を入れる金銭箱に移すなど)。又、機構部18は、複数種の硬貨が予めセットされた払戻機構を含む。払い戻しの指示があったとき(返却ボタン14が押されたとき)、CPU10は、各種モーターやソレノイドを含む払い戻し機構を動作させ、残金の払い戻し(お釣りの支払い)を行わせる。このように、CPU10は、金銭の投入を受け付ける、金銭を返却口1323に出す、等の機械的な機構に関する部分である機構部18の動作を制御する。
【0051】
又、CPU10は、使用者が複合機100で印刷などのジョブを行うごとに、金額を減算しつつ、残金の総額を残金表示部12に表示させる。又、残金表示部12は、例えば、残金の金額表示を行ってもよいし、例えば、「金銭を投入してください」といった金額以外のメッセージ表示を行っても良い。又、制御部8とデータの通信を行うため、課金装置1内のI/F部19は、複合機100のI/F部85と接続される。
【0052】
(使用者の登録)
次に、図4を用いて、本発明の第1の実施形態に係る複合機100の使用者の登録の一例を説明する。図4(a)は、本発明の第1の実施形態に係るユーザー登録変更画面A1の一例を示す説明図である。図4(b)は、本発明の第1の実施形態に係るソフトキーボード画面A2の一例を示す説明図である。
【0053】
使用者は、複合機100に使用者を登録しようとするとき、操作パネル2に指示を与えて、このユーザー登録変更画面A1を表示させることができる。そして、このユーザー登録変更画面A1で新規キーK1を押すと、新規に、複合機100の使用者を登録を開始することができる。例えば、登録内容(項目)としては、「ログインパスワード」、「ユーザー名」、「メールアドレス」等を設けることができる。尚、更に、多くの項目を登録可能としても良い。
【0054】
そして、各項目に関し、設定キーK2(K2a〜K2c)が設けられる。例えば、いずれかの設定キーK2が押されると、液晶表示部21は、図4(b)に示すソフトキーボード画面A2を表示する。これにより、使用者は、各項目について、数字、文字等を用いて設定を行うことができる。登録キーK3が押下されると、ユーザー登録変更画面A1でなされた入力内容は、使用者を特定し、認証するための認証情報として、記憶部9に記憶される。
【0055】
例えば、ログインパスワードは、登録において必須とされる(例えば、他の「ユーザー名」を必須の項目としてもよい。何れかの項目のうち、1つは必須とされる)。不特定多数の者が登録し得るので、例えば、ログインパスワードの桁数は、多い方が望ましい(例えば、10桁以上)。
【0056】
又、複合機100と通信可能に接続される外部のコンピューター300から、認証情報を複合機100に入力してもよい。例えば、コンピューター300で認証情報を作成する。そして、コンピューター300は、ネットワーク経由で、作成した認証情報を複合機100の通信部84に送信する。複合機100の記憶部9は、通信部84で受信された認証情報を記憶する。これにより、コンピューター300で編集した認証情報を随時、一人又は複数人単位で複合機100に与えることができる。
【0057】
(使用者の認証)
次に、図5を用いて、本発明の第1の実施形態に係る複合機100での使用者の認証の一例を説明する。図5は、本発明の第1の実施形態に係る認証用の構成の一例を示すブロック図である。
【0058】
ここで、使用者は、認証を受けたうえで複合機100を使用することができる。尚、本実施形態の複合機100では、使用者の認証を受けなければ、複合機100を利用できないようになっている。例えば、制御部8は、基本的に、複合機100を使用不可状態(ログアウト状態)とする。ログアウト状態では、操作パネル2は、複写等の各種機能の設定やジョブ開始の指示を受け付けない。例えば、使用不可状態では、操作パネル2にコピーやFAX送信を行う旨の操作・入力が行われても、操作パネル2は無視し、制御部8は、その動作指示入力を無視する。又、制御部8はジョブを実行させない。尚、認証を受けなくても、金銭が課金装置1に投入されれば、認証を受けなくても複合機100を利用できるようにしてもよい。ただし、認証を受けない場合は、後述のカード200への残金の保存や、記憶部9への残金の記憶を行う機能は、使うことができない。言い換えると、認証を受けない場合は、不特定多数のゲストとして扱ってもよい。
【0059】
使用者が特定され、使用権限を有すると認証が得られると、複合機100は、ログイン状態となる。本実施形態の複合機100では、使用者は、所持するカード200をリーダライター7に読み取らせて認証を受ける。そこで、カード200の読み取りに基づく認証を説明する。例えば、カード200には、ログインパスワードやユーザー名等、使用者を識別するための情報(識別情報)が、予め記憶される。例えば、カード200は、リーダライター7から発信された使用者の認証情報を識別情報として記憶する。
【0060】
リーダライター7でカード200の記憶内容が読み取られると、そのデータは、リーダライター7から制御部8に引き渡される。制御部8は、カード200内の識別情報と、記憶部9内の認証情報とを比較し、使用者を特定できるか否かを確認する。そして、制御部8は、一致した使用者が存在すれば、その使用者によるログインと認識する。一方、リーダライター7で読み取られたデータに識別情報が含まれていないときや、一致する使用者が存在しないとき、制御部8は使用者を認証できず、ログイン状態とすべきでないと判断する。
【0061】
(画像形成装置の使用の流れ)
次に、図6、図7を用いて、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の使用における制御の流れの一例を説明する。図6は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の使用における制御の流れの一例を示すフローチャートである。図7は、本発明の第1の実施形態に係るカード200への残金保存画面の一例を示す説明図である。
【0062】
まず、図6のスタートは、使用者が複合機100を用いようとして、認証を受け、ログインした時点である。具体的に、複合機100の使用に際し、リーダライター7は、翳されたカード200を読み取り、制御部8はリーダライター7が読み取ったデータ(識別情報)と、認証情報とを比較して、認証処理を行い、使用者を特定する。この使用者特定により、複合機100はログイン状態となる。図6のスタートでは、ログインした状態である。
【0063】
そして、制御部8は、記憶部9に残されたログイン中の使用者の残金情報を確認する(ステップ♯1)。又、制御部8は、リーダライター7が読み取ったデータに含まれるカード200の残金情報を確認する(ステップ♯2)。尚、例えば、リーダライター7へのカード200の残金情報の送信に伴い、カード200内の残金情報は消去される。
【0064】
そして、制御部8は、記憶部9内の残金情報と、カード200の残金情報に基づき、残金合計を課金装置1に通知する(ステップ♯3)。これにより、課金装置1は、残金合計分の金銭が投入されていると扱い、残金表示部12に、残金合計分の金額を表示させる(ステップ♯4)。尚、残金合計分の金額は、操作パネル2の液晶表示部21にも表示されてもよい。即ち、使用者の認証がなされ、ログインのあったとき、課金装置1は、ログイン中の使用者の残金情報の金額が投入されたものと扱う。
【0065】
この後、複合機100は使用者により、適宜使用される。ジョブの実行内容に応じて、複合機100から課金装置1に対し、残金から減ずるべき金額(料金)の通知がなされ、この通知に応じ、課金装置1は、減ずるべき金額(料金)を残金から徴収する。そして、課金装置1は、徴収後の残金を複合機100に送信し、制御部8は、現状の残金を把握する。又、料金不足が生ずると、使用者によって料金投入が行われる。課金装置1は、投入された金額を認識し、複合機100に伝える。このように、ログイン中、使用者による複合機100の使用と、使用に伴う残金の変動が生ずる(ステップ♯5)。
【0066】
そして、制御部8は、操作パネル2に対し、残金をカード200に保存する旨の入力がなされたかを確認する(ステップ♯6)。言い換えると、残金をカード200にチャージする旨の指示入力がなされたか否かを確認する。例えば、残金をカード200に保存する旨の入力を行うためのハードキーが操作パネル2に設けられるとき、制御部8は、このキーが押されたか否かを確認する。あるいは、液晶表示部21に、残金をカード200に保存する旨の入力を行うためのキーを表示させておき、制御部8は、このキーが押されたか否かを確認してもよい。
【0067】
もし、残金をカード200に保存する旨の入力がなされると(ステップ♯6のYes)、制御部8は、課金装置1と通信を行い、残金を確認、確定する(ステップ♯7)。更に、制御部8は、液晶表示部21にカード200に残金を表示するための残金保存画面を表示させつつ、リーダライター7にカード200への残金情報の保存を行わせる(ステップ♯8)。即ち、識別情報取得部(リーダライター7)は、識別情報を記憶する記憶媒体(例えば、ICカード)を読み取ることにより識別情報を取得し、操作部(操作パネル2)は、ログイン状態で、残金を記憶媒体に保存する指示入力を受け付け、識別情報取得部は、ログイン中の使用者の記憶媒体と通信を行って、記憶媒体に残金の金額を残金情報として記憶させる。あわせて、記憶部9は、残金情報を記憶媒体(例えば、ICカード)に記憶させた使用者の残金情報の金額をゼロとして記憶する。
【0068】
例えば、図7の最上段の図に示すように、残金をカード200に保存する旨の入力がなされると、液晶表示部21は、使用者にカード200をリーダライター7に翳すべき旨を表示する。そして、カード200が翳され、リーダライター7がログイン中の使用者のカード200と通信可能となると、リーダライター7は、残金情報のカード200への書込を行う。又、図7の中段の図に示すように、液晶表示部21は、カード200に残金情報を保存中である旨を表示する。そして、リーダライター7によるカード200への残金情報の保存が完了すると、図7の最下段の図に示すように、液晶表示部21は、保存が終了した旨を表示する。残金情報の保存が行われると、制御部8は、ログアウトを行い、複合機100は、使用者の認証がなされていない状態となる(ステップ♯9)。そして、本制御は終了する(エンド)。
【0069】
一方、カード200に保存する旨の入力がなされていなければ(ステップ♯6のNo)、制御部8は、課金装置1で返却ボタン14が押されたか否かを確認する(ステップ♯10)。返却ボタン14が押されると(ステップ♯10のYes)、課金装置1は残金を払い戻す(ステップ♯11)。即ち、課金装置1は、ログイン中に、払戻要求入力を受け付けたとき、ログイン中の使用者の残金の払い戻しを行う。そして、制御部8は、フローをステップ♯9に移行させ、ログアウトされる。
【0070】
又、課金装置1で返却ボタン14が押されていなければ(ステップ♯10のNo)、制御部8はログアウトすべきか否かを確認する(ステップ♯12)。制御部8は、ログアウトするログアウト条件が満たされたか否かを確認する。ログアウト条件は、任意に定めることができる。例えば、操作パネル2への入力が無くなってから所定時間(例えば、数十秒〜数分)経過したことがログアウト条件とされる(例えば、制御部8のCPU81や計時部83が所定時間を計時)。あるいは、操作パネル2に対し、ログアウトする旨の指示入力がログアウト条件とされてもよい。即ち、ログアウト条件は、予め定められた時間、操作部(操作パネル2)に対する入力がないこと、及び/又は、操作部(操作パネル2)へのログアウトを指示する旨の入力である。
【0071】
もし、ログアウトすべきで無ければ(ステップ♯12のNo)、フローはステップ♯5に戻る。一方、ログアウトすべきであれば、制御部8は、課金装置1と通信を行う等により、残金が残っているか否かを確認する(ステップ♯13)。もし、残金が残っていなければ(ステップ♯13のNo)、払い戻しの必要性はないので、本フローは、ステップ♯9に移行し、複合機100は、ログアウトとなる(エンド)。
【0072】
一方、残金が残っていれば(ステップ♯13のYes)、制御部8は、記憶部9に、ログイン中の使用者に対応づけて、残金を示す情報(残金情報)記憶させる(ステップ♯14)。これにより、使用者がお釣りの払い戻しを忘れたとしても、お釣り分のお金は、記憶部9に蓄積され、次回ログイン時に用いることができる。
【0073】
即ち、本発明に係る画像形成装置(例えば、複合機100)は、金銭の投入を受け付け、投入金額を認識しジョブの内容に応じ料金を徴収し、払戻要求入力により残金を払い戻す課金装置1と、使用者を特定するための識別情報を取得する識別情報取得部(例えば、リーダライター7)と、使用者を特定するための認証情報を記憶する記憶部9と、識別情報取得部が取得した識別情報と、認証情報とを比較し、使用者を特定して認証を行う認証部(制御部8)と、認証部(制御部8)が、正当な使用者と認証することを条件としてログイン状態となり、ログアウト条件を満たすと、ログアウト状態となる操作部(操作パネル2)と、を有し、課金装置1に残金がある状態でログアウト条件が満たされたとき、課金装置1は、残金の払戻を行わず、記憶部9は、払い戻さなかった残金の金額を、認証した使用者の残金情報として記憶する。
【0074】
そして、使用者の残金は、記憶部9に記憶されたので、制御部8は、課金装置1に投入中の金額を0円とすべき旨の指示を与える(ステップ♯15)。その後、本フローは、ステップ♯9に移行し、複合機100は、ログアウトとなる(エンド)。
【0075】
このようにして、課金装置1に残金がある状態でログアウト条件が満たされたとき、課金装置1は、残金の払戻を行わず、記憶部9は、払い戻さなかった残金の金額を、認証した使用者の残金情報として記憶する。これにより、払い戻し忘れのお釣りは、課金装置1に投入されたままの状態で維持されたり、第三者に払い戻しされたりせず、ログアウト時の使用者の残金として積算される(チャージされる)。従って、第三者によるお釣りの持ち去りなどによる使用者の損害の発生を防ぐことができる。
【0076】
又、使用者の認証がなされ、ログインのあったとき、課金装置1は、ログイン中の使用者の残金情報の金額が投入されたものと扱う。これにより、過去に払い戻しを行わなかった残金を用いてジョブを実行することができる。従って、以前に払い戻し忘れたお釣りは預かったものとして扱われ、以前のお釣り分の残金を用いて、後日、画像形成装置(例えば、複合機100)を利用することができ、使用者は、お釣りの払い戻しを忘れたとしても、損害を受けない。
【0077】
又、課金装置1は、ログイン中に、払戻要求入力を受け付けたとき、ログイン中の使用者の残金の払い戻しを行う。これにより、払い戻し忘れのお釣りを後に受け取ることができる。又、識別情報取得部(例えば、リーダライター7)は、ログイン中の使用者のICカードのような記憶媒体と通信を行って、記憶媒体に残金の金額を残金情報として記憶させる。これにより、残金情報を記憶媒体に移すことができる。又、記憶媒体を読み取らせて残金情報を与えることにより、他の画像形成装置でコピーなどのジョブの利用するうえで、残金情報を用いることができる。
【0078】
又、記憶媒体(例えば、ICカード)に残金情報を記憶させるとき、記憶部9は、認証していた使用者の残金情報における残金をゼロとする。これにより、重複して残金が保存されず、画像形成装置(例えば、複合機100)と記憶媒体の間で、残金の混同が生ずることがない。又、ログアウト条件は、予め定められた時間、操作部(操作パネル2)に対する入力がないこと、及び/又は、操作部へのログアウトを指示する旨の入力である(例えば、ログアウトキー25の押下)。これらのログアウトをトリガとして、残金が記憶部9に残金として保存される。
【0079】
(第2の実施形態)
次に、図8、図9に基づき、第2の実施形態を説明する。図8は、本発明の第2の実施形態に係る操作パネル2に表示されるログイン画面A3の一例を示す説明図である。図9は、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置の使用における制御の流れの一例を示すフローチャートである。
【0080】
第1の実施形態では、認証にカード200を用いる例を説明した。本実施形態(第2の実施形態)では、カード200に加えて、あるいは、カード200に変えて、操作パネル2(識別情報取得部、操作部に相当)へのパスワード入力により、使用者の認証が行われる例を説明する。即ち、識別情報取得部は、操作部(操作パネル2)でもあり、使用者が入力したコードを識別情報として扱う。尚、複合機100自体は、第1の実施形態と基本的に同様でよく、第1の実施形態と共通する部分は、援用し、説明、図示を省略する。
【0081】
本実施形態でも、複合機100は、使用者の認証を行うとログイン状態となる。そして、使用者が使用権限を有するか認証できていない状態では、ログアウト状態となる。使用可能な者との認証が得られ、ログイン状態となると、制御部8は、複写等の各種機能の設定やジョブ開始の指示を受け付ける。又、制御部8は、操作パネル2に入力された指示に合わせて、画像形成部5などを動作させる。
【0082】
本実施形態では、使用者の認証は、操作パネル2に対する入力に基づき行われる。操作パネル2に対する入力で認証を受け、ログインするには、使用者は、図8に示すようなログイン画面A3でユーザー名(ユーザーIDでもよい)やログイン用のパスワードを、使用者を識別するための情報(識別情報)として入力する。このログイン画面A3は、複合機100がログアウト状態のとき、液晶表示部21に表示される。
【0083】
例えば、使用者がログインユーザー名キーK4やログインパスワードキーK5を押すと、液晶表示部21は、図4(b)に示したようなソフトキーボード画面A2を表示する。そして、使用者は、自己のユーザー名やログイン用のパスワードを入力する。そして、液晶表示部21は、入力結果をログインユーザー名表示欄B1と、ログインパスワード表示欄B2に表示する。尚、例えば、ログインパスワード表示欄B2に表示される文字は、パスワードの文字数分の「*」等であり、パスワード自体は表示されない。
【0084】
使用者は、ログインユーザー名やログインパスワードの入力(識別情報の入力)が完了すると、ログインキーK6を押す。ログインキーK6が押下されたことにより、認証作業がなされる。例えば、操作パネル2から、操作パネル2への入力内容(識別情報)が制御部8に送られる。制御部8は、記憶部9内の認証情報と、受け取った識別情報を比較し、一致するか確認する。一致すれば、制御部8は、使用者を特定する。即ち、本実施形態での画像形成装置(例えば、複合機100)では、識別情報取得部は、操作部(操作パネル2)でもあり、使用者が入力したコードを識別情報として扱う。
【0085】
次に、図10を用いて、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置の使用における制御の流れの一例を説明する。
【0086】
まず、図10のスタートは、使用者が複合機100を用いようして、認証を受け、ログインした時点である。本実施形態では、上述したように、使用者による操作パネル2への入力により識別情報が複合機100に与えられ、制御部8は、入力内容(識別情報)と、認証情報とを比較して、認証処理を行い、使用者を特定する。この使用者特定により、複合機100はログイン状態となる。図10のスタートでは、ログインした状態である。
【0087】
そして、制御部8は、記憶部9に残された使用者の残金情報を確認する(ステップ♯21)。又、制御部8は、課金装置1に、記憶部9内の残金情報に基づき、残金を通知する(ステップ♯22)。これにより、課金装置1は、残金分の金銭が投入されていると扱い、残金表示部12に、残金分の金額を表示させる(ステップ♯23)。尚、残金分の金額は、操作パネル2の液晶表示部21にも表示されてもよい。
【0088】
この後、複合機100は使用者により、適宜使用される。ジョブの実行内容に応じて、複合機100から課金装置1に対し、残金から減ずべき金額(料金)の通知がなされ、この通知に応じ、課金装置1は、料金を残金から徴収する。そして、課金装置1は、徴収後の残金を複合機100に送信し、制御部8は、残金を把握する。又、料金不足が生ずると、使用者によって料金投入が行われる。課金装置1は投入された金額を認識し、複合機100に伝える。このように、ログイン中、使用者による複合機100の使用と、使用に伴う残金の変動が生ずる(ステップ♯24)。
【0089】
そして、本実施形態では、カード200を用いないので、制御部8は、課金装置1で返却ボタン14が押されたか否かを確認する(ステップ♯25)。返却ボタン14が押されると(ステップ♯25のYes)、課金装置1は残金を払い戻す(ステップ♯26)。そして、制御部8は、ログアウトを行い、複合機100は、使用者の認証がなされていない状態となる(ステップ♯27)。そして、本制御は終了する(エンド)。
【0090】
又、課金装置1で返却ボタン14が押されていなければ(ステップ♯25のNo)、制御部8はログアウトすべきか否かを確認する(ステップ♯28)。制御部8は、ログアウトするログアウト条件が満たされたか否かを確認する。ログアウト条件は、任意に定めることができる。例えば、操作パネル2への入力が無くなってから所定時間(例えば、数十秒〜数分)経過したことがログアウト条件とされる(例えば、制御部8のCPUや計時部83が所定時間を計時)。あるいは、操作パネル2に対し、ログアウトする旨の指示入力がログアウト条件とされてもよい。
【0091】
もし、ログアウトすべきで無ければ(ステップ♯28のNo)、フローはステップ♯24に戻る。一方、ログアウトすべきであれば、制御部8は、課金装置1と通信を行う等により、残金が残っているか否かを確認する(ステップ♯29)。もし、残金が残っていなければ(ステップ♯29のNo)、払い戻しの必要性はないので、本フローは、ステップ♯27に移行し、複合機100は、ログアウトとなる(エンド)。
【0092】
一方、残金が残っていれば(ステップ♯29のYes)、制御部8は、記憶部9に、ログイン中の使用者に対応づけて、残金を示す情報(残金情報)記憶させる(ステップ♯30)。これにより、使用者がお釣りの払い戻しを忘れたとしても、お釣り分のお金は、記憶部9に蓄積され、次回ログイン時に用いることができる。そして、使用者の残金は、記憶部9に記憶されたので、制御部8は、課金装置1に投入中の金額を0円とすべき旨の指示を与える(ステップ♯31)。その後、本フローは、ステップ♯27に移行し、複合機100は、ログアウトとなる(エンド)。
【0093】
このようにして、識別情報取得部は、操作部(操作パネル2)でもあり、使用者が入力したコードを識別情報として扱う。これにより、操作部(操作パネル2)でパスワードの入力を受け付けることにより、認証部(制御部8)は、認証を行うことができる。
【0094】
次に、他の実施形態を説明する。上記の実施形態では、制御部8が認証を行う例を説明したが、制御部8とは別に認証処理を行う専用のハードウェアを設けて、専用ハードウェアに認証処理を行わせてもよい。あるいは、操作パネル2の表示制御部20など、CPUなどを有する他種の制御部に認証処理を行わせてよい。
【0095】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、課金装置が取り付けられた画像形成装置などに利用可能である。
【符号の説明】
【0097】
100 複合機(画像形成装置) 1 課金装置
2 操作パネル(識別情報取得部、操作部)
7 リーダライター(識別情報取得部) 8 制御部(認証部)
9 記憶部 200 カード(記憶媒体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金銭の投入を受け付け、投入金額を認識しジョブの内容に応じ料金を徴収し、払戻要求入力により残金を払い戻す課金装置と、
使用者を特定するための識別情報を取得する識別情報取得部と、
使用者を特定するための認証情報を記憶する記憶部と、
前記識別情報取得部が取得した前記識別情報と、前記認証情報とを比較し、使用者を特定して認証を行う認証部と、
前記認証部が、正当な使用者と認証することを条件としてログイン状態となり、ログアウト条件を満たすと、ログアウト状態となる操作部と、を有し、
前記課金装置に残金がある状態でログアウト条件が満たされたとき、前記課金装置は、残金の払戻を行わず、前記記憶部は、払い戻さなかった残金の金額を、認証した使用者の残金情報として記憶することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
使用者の認証がなされ、ログインのあったとき、
前記課金装置は、ログイン中の使用者の前記残金情報の金額が投入されたものと扱うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記課金装置は、ログイン中に、払戻要求入力を受け付けたとき、ログイン中の使用者の残金の払い戻しを行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記識別情報取得部は、識別情報を記憶する記憶媒体を読み取ることにより前記識別情報を取得し、
前記操作部は、ログイン状態で、残金を前記記憶媒体に保存する指示入力を受け付け、
前記識別情報取得部は、ログイン中の使用者の前記記憶媒体と通信を行って、前記記憶媒体に残金の金額を前記残金情報として記憶させることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記記憶部は、前記残金情報を前記記憶媒体に記憶させた使用者の前記残金情報の金額をゼロとして記憶することを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記識別情報取得部は、前記操作部でもあり、使用者が入力したコードを前記識別情報として扱うことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ログアウト条件は、予め定められた時間、前記操作部に対する入力がないこと、及び/又は、前記操作部へのログアウトを指示する旨の入力であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の画像形成装置。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図1】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−159663(P2012−159663A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−18795(P2011−18795)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】